説明

サービス及び関連するコントローラにアクセスするための局を構成する方法、アクセスネットワーク、アクセス局、並びにコンピュータプログラム

本発明は、通信ネットワーク12によって提供されるサービスへのアクセス局HGのパラメータSAIを構成する方法に関する。該方法には、通信ネットワークへのアクセスネットワークを形成する複数の無線アクセス局を介してアクセス可能なサービスについては、以下の段階が含まれる。すなわち、無線アクセス局の位置の表示を含むパラメータSAIの構成要求20の受信時、位置表示に基づき、無線アクセス局に地理的なエリアを割り当てるステップと、無線アクセス局の位置に関連付けられた制約条件を満足するパラメータに疑似値を動的に割り当てるステップと、無線アクセス局からサービスにアクセスせよという要求を受信すると、疑似値をパラメータの選択された可能な値に変換する、即ち、地理的なエリアに対して通信ネットワークによって定義された可能な値のリストから選択されたパラメータSAIの値に変換するステップと、が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービスにアクセスするための局のパラメータを構成する方法に関する。また、本発明は、その方法を用いるサービスアクセス局のコントローラに関する。本発明は、更に、コントローラに構成要求を送ることが可能なサービスアクセス局に関する。本発明は、更に、コントローラを用いるサービスアクセスネットワークに関する。最後に、本発明は、プロセッサによって実行される時の方法を実行するためのコンピュータプログラムに関する。
【0002】
本発明は、排他的にではないが、特に、GSM、GPRS、又はUMTS及びそれらの将来の開発品等の第2又は第3世代通信システムに適用する。
【背景技術】
【0003】
従来技術及びその欠点
従来の携帯電話ネットワーク、例えば、UMTS(ユニバーサル移動体通信システム)ネットワークには、基地局として知られているパブリックアクセス局から構成された無線アクセスネットワーク及び、提示されたサービスを管理し、固定公衆電話ネットワークやインターネット等の固定ネットワークなどに通話をルーティングするコアネットワークが含まれる。そのような携帯電話ネットワークは、一般的に、セルに編成され、その各々が、基地局に関連付けられ、また、ユーザ密度、地理的地形、関連基地局のパワー等の関数として変わる大きさを有する。特に、UMTSネットワークでは、ネットワークの隣接セルは、例えば、符号分割多元接続(CDMA)技術に基づく異なるスクランブルコード(SC)を用いる。
【0004】
従来のUMTS無線アクセスネットワークでは、パブリックアクセス局の設置は、特に、事前に構成パラメータの値を配分することによって計画される。これらのパラメータには、特に、下記のような、3GPP技術仕様TS23.002において定義された一組のパラメータが含まれる。
・公衆陸上移動体ネットワーク(PLMN)コード。これは、所定の国における所定の運用者の移動体ネットワークを識別する。各携帯電話ネットワークは、運用者によって管理され、地理的なエリア(従来、州)に関連付けられ、それに特有のPLMNコードによって識別される。移動端末は、それが契約している運用者によって管理される携帯電話ネットワークのみにアクセス可能であったり、あるいは可能性として、その運用者が互恵的なローミング協定を有する他のネットワークにアクセスできたりする。正規のPLMNに接続されると、移動端末は、それが受信する様々なアクセス局から来る信号を監視し、最適な品質で受信された信号を選択し、その信号が来るセルにアタッチされる。
・位置エリア・コード(LAC)。これは、セル又はセルのグループに割り当てられ、ユーザ端末の移動度を管理するために用いられ、また、位置エリアを定義する。LACは、65536の値が可能である。
・サービスエリア・コード(SAC)。これは、セル又はセルのグループに割り当てられ、サービスエリアを定義するために用いられる。SACは、65536の値が可能である。サービスエリアがUMTSに導入され、セルのカバレッジエリア又はAS(アクセス階層)層は、移動端末にサービスを提供するNAS(非アクセス階層)層から独立し得る。ブロードキャストサービスの場合、ブロードキャストエリアの定義は、無線カバレッジ判断基準にではなく、地理的なエリアの概念にリンクされ、そして、情報をブロードキャストする対象のセルは、UMTS“巨視的”アクセスネットワーク又はUTRAN(ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク)において決定される。GSMでは、ブロードキャストは、セルに基づいており、このことは、サービス層及びアクセス層の独立性を排除し、幾つかの制限が、特定されている。サービスエリア概念によって定義されたサービスエリアは、そのエリアの3Gセルの数から独立した地理的なエリアである。
【0005】
最初の2つのパラメータを連結すると、局所化エリア識別子(LAI)と称するパラメータが形成される。UMTSネットワークでは、例えば、そのようなパラメータは、特に、アクセス制御に用いられる。
【0006】
これら3つのパラメータを連結すると、サービスエリア識別子(SAI)と称するパラメータが形成される。UMTSネットワークでは、例えば、そのようなパラメータは、移動端末の位置に基づき、例えば、最も近い非常通話処理センタに非常通話をルーティングするサービスによって用いられる。更に、他の状況において、例えば、ユーザが自分の現在位置に最も近い映画館を見つけることを可能にするサービスにおいて、このパラメータSAIによって供給される位置情報を用いることが可能である。この目的のために、移動体加入者のSAI値は、ネットワークによって復旧され、地理的なエリアに変換され、これは、互いに関係づけられ、サービスエリアの使用例として言及できる。
【0007】
従って、サービスアクセス局用のこれらのパラメータの内の1つに値を割り当てる段階は、或る制約条件、例えば、パラメータLAI及びSAIと同様に、アクセス局の地理的な位置にリンクされた制約条件を満足しなければならないことが、明白である。しかしながら、運用者ネットワークでは、どこにアクセス局が設置されるかを規定するのは、運用者であるため、これらの制約条件を満足しても、何らかの特別な問題が生じることはない。
【0008】
従来技術の欠点
標準の従来技術によるアクセスネットワークの1つの欠点は、それが設置される時にネットワークによって考慮すべきこととして、新しいアクセス局が、必ず計画され、従って、事前に構成されていなければならないことである。
【0009】
現在、移動通信ネットワークの拡張は、移動体ネットワークと固定電話ネットワーク(公衆交換電話網(PSTN)又はインターネット等)との間において収束を提示する方向に向いている。
【0010】
この枠組みが与えられた場合、運用者の中には、自分のクライアントに、専用の個人又は企業に関わらず、家庭又は企業敷地内において、無線カバレッジ(第2世代(2G)、第3世代(3G)又は3G(B3G)以降)を提供することを考える運用者がいる。この提供は、例えば、家庭における無線アクセスネットワークの形態で行う。あるいは、例えば、非同期デジタル加入者回線(ADSL)タイプの高ビットレートアクセスを提供するモデムに接続された、又は、高ビットレートネットワーク(例えば、ファイバー・トゥ・ザ・ホーム(FTTH))へのアクセスを提供する何らかの他の設備に接続された企業に限定された無線アクセスネットワークの形態で行う。以下、簡単にするために、表現「専用無線アクセス局」とは、そのようなアクセス局及びそれが接続されている高ビットレートネットワークへのアクセスを提供する設備からなるシステムを意味する。
【0011】
各人は、従って、自分のアパート又は家をカバーする自宅用の無線アクセス局を有し得る。同様に、企業の場面では、会社は、1つ又は複数の無線アクセス局をその敷地に設けて、その敷地をカバーし得る。この家庭又は職場アクセス局には、その無線カバレッジエリアへのアクセスを一組のユーザ、例えば、家族、友達、企業の従業員等に制限するアクセス制御システムを含み得る。
【0012】
しかしながら、この種の家庭用無線カバレッジサービスを導入すると、アクセスネットワークにおけるその位置が、あらかじめ計画されない専用アクセス局を構成するという問題を生じる。
【0013】
更に、そのような何らかの家庭無線カバレッジサービスを導入すると、運用者の通信ネットワークへのアクセス局の数が増加するという問題が生じる。この理由は、大多数の専用アクセス局が、運用者によって既に配備された基地局タイプのパブリックアクセス局に追加される可能性があるためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の特定の目的は、従来技術の欠点を軽減することである。
【0015】
更に具体的には、アクセスネットワークを計画する場合、考慮されなかったサービスアクセス局を動的に構成するための解決策を提供する要件が、存在する。
【0016】
本発明の他の目的は、増加する数の専用アクセスネットワークに容易に適応するアクセスネットワークにおけるサービスアクセス局を構成する方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、通信ネットワークによって提供されるサービスへのアクセスを提供する無線アクセス局のパラメータSAIを構成する方法を提案することによって、この要件に応じる。
【0018】
本発明の方法は、サービスが、前記通信ネットワークへのアクセスネットワークを形成する複数の無線アクセス局を介してアクセス可能であり、前記方法には、以下のステップが含まれる点において注目に値する。即ち、
・無線アクセス局の位置の表示を含むパラメータSAIの構成要求を受信すると、前記位置表示に基づき、地理的なエリアを前記無線アクセス局に割り当てるステップ。
・前記地理的なエリアでは、疑似値は、唯1つ発生すべきであるという作用に対する制約条件を満足するパラメータに疑似値を動的に割り当てるステップ。
・前記無線アクセス局からサービスへのアクセス要求を受信すると、前記地理的なエリア用の通信ネットワークによって定義された可能な値のリストから選択されたパラメータSAIの値に疑似値を変換するステップ。
【0019】
従って、本発明は、アクセスネットワークにおける未計画サービスアクセス局のパラメータSAIを構成する技術的問題を解決する。本発明によれば、新しく設置される未計画無線アクセス局は、その位置の表示が含まれるそのパラメータSAIの構成に対する要求をネットワークコントローラに送る。対象無線アクセス局の地理的な位置を与えると同時に、位置表示は、その環境を、特に、隣接する無線アクセス局の位置及び/又は構成の観点で定義し得る。この要求に応答して、コントローラは、その位置にリンクされた少なくとも1つの制約条件を満足するパラメータSAIの値を前記無線アクセス局に割り当てる。それは、位置表示に基づき、無線アクセス局に地理的なエリアを割り当てることによって始まる。
【0020】
パラメータSAIは、ユーザ端末の位置に基づき、サービスを実現するために又は非常通話をローカル非常通話処理センタにルーティングするために、用いられる。この種のサービスの場合、SAIは、ローカル処理センタに整合される。通信ネットワークの第1制約条件は、地理的なエリアに対して、限定した数の可能なSAI値が存在することである。所定の地理的なエリアが、ローカル非常通話処理センタにアタッチされるという事実は、地理的なエリアに設置された専用アクセス局から来る全ての非常通話が、そのローカル非常通話処理センタにルーティングされることを保証する。
【0021】
第2制約条件は、所定のPLMNの地理的なエリアの無線アクセス局を一意的に識別するパラメータSAIに値を割り当てることを課す。この第2制約条件にリンクされる問題は、通信ネットワークが、パラメータSAIの限定した数の可能な値を提供するという事実から生じる。地理的なエリアにおける無線アクセス局の数が増加する場合、通信ネットワークによって定義される可能な値の最大数に急速に達し、この第2制約条件を満足するのが不充分になるリスクがある。
【0022】
本発明は、疑似値を用いるが、これら疑似値は、第2制約条件を満足し、また、複数の無線アクセス局とコントローラとの間の交信のためだけに用いられる。そして、これらの疑似値は、第1制約条件を満足するパラメータSAIの値に、即ち、前記地理的なエリア用の通信ネットワークによって定義された可能な値のリストから選択されるパラメータSAIの値に、コントローラによって変換される。
【0023】
このことの1つの利点は、通信ネットワークによって定義された可能な値の数を増やす必要がないことである。第1及び第2制約条件は、従って、これがその資源を過負荷状態にすることなく、同時に満足することができる。第2の利点は、無線アクセス局を構成しても通信ネットワークの運用への影響がないことであり、特に、コアネットワークのそれに対する影響はなく、これは、特に、コアネットワークの変更は、運用及び保守の理由に限定されるべきであることから、有益である。特に、幾つかの変更は、動的に実施できず、運用者は、有限で限定された数の計画値によるノードの事前構成を余儀なくされる。
【0024】
従って、本発明は、新しく設置された無線アクセス局のパラメータSAIを、その地理的な位置を考慮しつつ、動的に構成し、また、頻繁に変更されやすい地理的な環境を有する無線アクセス局を、例えば、新しい無線アクセス局を設置することによって、定期的に再構成する。例えば、無線アクセス局におけるパラメータSAIを構成するプロセスを有効期間と関連付ける段階を考え得る。一旦、その期間が過ぎると、アクセス局は、通信ネットワークへのその構成要求を繰り返す。定期的な再構成の利点は、それが、アクセス局の環境に対する変更を考慮することによって、アクセスネットワークにおける構成パラメータ値の割当てを調和させることである。
【0025】
本発明は、特に、第2世代(2G)、第3世代(3G)及び上述した3G(B3G)以降のタイプの家庭専用無線アクセス局、及び移動通信ネットワークへのゲートウェイを構成するコントローラに適用する。更に、運用者が設置する新しい無線アクセス局を再構成したいと望まない運用者の“巨視的”ネットワークの無線アクセス局に適用し得る。
【0026】
1つの利点のある特徴によれば、動的な割当てステップには、前記地理的なエリアにおけるパラメータSAIに利用可能な疑似値のリストを含むローカルデータベースに問い合わせるサブステップと、利用可能な疑似値の前記リストから、前記無線アクセス局に割り当てられる疑似値を選択するサブステップと、前記リストから選択された疑似値を削除するようにリストを更新する段階と、が含まれる。
【0027】
これの1つの利点は、データベースが、利用可能な疑似値の最新のリストを提供することである。
【0028】
変換ステップには、利点として、前記地理的なエリアにおける前記パラメータ用に選択された可能な値に前記疑似値を変換するための表を含むデータベースに問い合わせるサブステップが含まれる。
【0029】
これの利点は、コントローラには、無線アクセス局とコントローラとの間で用いられる疑似値を第1制約条件を満足するパラメータSAIの値に整合する方法が分かっていることである。コントローラによって送られる要求において、ネットワークによって理解されるのは、この値である。
【0030】
本発明の他の態様によれば、更に、本構成方法は、以下の特徴を有する。
・前記割当てステップは、前記地理的なエリアの前記無線アクセス局に隣接する専用アクセス局における前記パラメータの前記値の単一の発生を課す第3制約条件を満足する。
・前記割当てステップには、前記無線アクセス局に隣接する無線アクセス局に割り当てられた値を復旧するサブステップと、前記リストから隣接する値を除去することによって、前記無線アクセス局用の可能な値のリストを更新するサブステップと、が含まれる。
【0031】
この第3制約条件は、パラメータLACに関し、特に、アクセス制御メカニズムによって用いられる可能性があり、また、それ自体、隣接するアクセス局に対して無線アクセス局を一意的に識別しなければならないパラメータLACに関する。そこで、パラメータLAの異なる値が、各無線アクセス局に対して、又は少なくとも隣接する無線アクセス局(同じ位置エリアであることを許容し得る程度に離れている2つの無線アクセス局)に対して、存在することは有益である。3GPP技術仕様TS24.008において、例えば、これらのパラメータ値は、移動端末が、それ自体を無線アクセス局にアタッチしようとする場合、位置エリア更新手続のトリガをかける結果になる。そして、ネットワークは、正確にどのアクセス局に加入者が配置されているかが分かる。この制約条件がない場合、移動端末は、それ自体を隣接アクセス局にアタッチすることになるが、ネットワークには、このことについて通知されない。
【0032】
復旧サブステップは、無線アクセス局それ自体によって実施することができ、これは、隣接無線アクセス局によってブロードキャストされたメッセージを監視し、それらをネットワークエンティティに、例えば、コントローラに転送する。そのようなメッセージは、構成パラメータ値、例えば、2G又は3G無線アクセス局のパラメータLACの値又は3G無線アクセス局のパラメータSCの値を含む。
【0033】
復旧サブステップは、更に、コントローラによって実施し得るが、これは、隣接無線アクセス局に問い合わせて、それらに割り当てられた構成パラメータ値を確認する。パラメータSAC等のこれらのパラメータの値は、隣接無線アクセス局によってブロードキャストされない。この点について、コントローラは、例えば、構成要求を提出する無線アクセス局から、隣接無線アクセス局の位置の表示を事前に受信する必要があることに留意されたい。
【0034】
本発明の同じ態様によれば、構成を待っている無線アクセス局に隣接する無線アクセス局に割り当てられたパラメータ値を復旧すると、ローカルデータベースによって供給されたパラメータの可能な値のリストの更新が可能になる。
【0035】
本発明の方法は、好適には、以下のように構成される。
・前記割当てステップは、前記無線アクセス局に隣接する前記地理的なエリアにおける無線アクセス局間で前記パラメータ値の例の均一な配分を課す第4制約条件を満足する。
・前記リストは、複数の無線アクセス局用の前記値の多数の例を示す。
・選択サブステップは、前記地理的なエリアにおいて既に割り当てられた発生数が最も低い値を選択する。
【0036】
この第4制約条件は、特に、パラメータLACを構成する段階に関し、これに対しては、第3制約条件に累積される。上述したように、ユーザ端末位置更新手続は、ユーザ端末がアタッチしようと試みた、それらのLACパラメータによって識別される最新のアクセス局のリストを用いる。従って、第4制約条件は、明らかに、パラメータLACの同じ値を有する2つの無線アクセス局がこのリストに同時に存在するリスクを最小限に抑えることを目標にしている。この第4制約条件を満足するために、選択サブステップは、例えば、地理的なエリアに設置された複数の無線アクセス局のパラメータ値の例の数を示す前記リストに基づき、そのリストから、前記地理的なエリアにおいて既に割り当てられた例の数が最も低い値を選択する疑似ランダムアルゴリズムを用いる。
【0037】
本発明は、更に、通信ネットワークによって提供されるサービスへのアクセスを提供するアクセス局のコントローラに関する。本発明のコントローラは、前記アクセス局が、前記通信ネットワークへのゲートウェイを構成する前記コントローラに接続された前記ネットワークのサービスへの無線アクセス局であり、以下の点において注目に値する。即ち、前記コントローラは、以下の手段を用いるように構成される。
・無線アクセス局の位置表示を含むパラメータSAIの構成に対する要求を受信すると、前記位置表示に基づき、前記無線アクセス局に地理的なエリアを割り当てる段階と、
・前記地理的なエリアでは、疑似値は、唯1つ発生すべきであるという作用に対する制約条件を満足するパラメータに疑似値を動的に割り当てる段階と、
・前記無線アクセス局からサービスにアクセスせよという要求を受信すると、前記地理的なエリアに対して通信ネットワークによって定義された可能な値のリストから選択されたパラメータの値に疑似値を変換する段階と、を用いるように構成される。
【0038】
本発明のこの態様は、特に、上述の如く定義された2G又は3G専用アクセス局に関するが、これらは、専用アクセス局と通信ネットワークとの間で全てのトラフィックが通過するコントローラに接続し得る。この種のコントローラは、それが責任を負う全てのアクセス局の動的集中構成を提供し、また、運用者の“巨視的”アクセスネットワークのパブリックアクセス局にも対応することができる。
【0039】
本発明は、更に、通信ネットワークが提供するサービスへのアクセス局に関する。
【0040】
前記アクセス局は、サービスが、前記通信ネットワークに接続された複数の無線アクセス局を介してアクセス可能である場合、以下の点において注目に値する。即ち、前記無線アクセス局には、少なくとも位置表示を含むパラメータSAIを構成せよという要求を、通信ネットワークへのゲートウェイを構成するコントローラに送るための手段と、前記位置表示に基づき、それに割り当てられた地理的なエリアでは、疑似値は、唯1つ発生すべきであるという作用に対する制約条件を満足するパラメータSAIの疑似値を受信するための手段と、が含まれる。
【0041】
これの利点は、コントローラが、アクセスネットワークにおける既に構成された無線アクセス局の全体像を有することである。更に、この解決策は、構成機能を集中化する利点と、無線アクセス局を更に複雑化させない利点とを提供する。
【0042】
本発明は、更に、通信ネットワークによって提供されるサービスへのアクセスネットワークに関する。前記ネットワークは、サービスが、前記通信ネットワークに接続された複数の無線アクセス局を介してアクセス可能である場合、以下の点において注目に値する。即ち、無線アクセス局には、少なくとも位置表示を含むパラメータSAIを構成せよという要求を、通信ネットワークへのゲートウェイを構成するコントローラに送るための手段と、パラメータの疑似値を受信するための手段と、が含まれる。前記コントローラは、前記位置表示に基づき、前記無線アクセス局に地理的なエリアを割り当てるように、また、前記地理的なエリアでは、唯1つ発生すべきであるという作用に対する制約条件を満足するパラメータに疑似値を割り当てるように、更に、前記要求に応じて、それを無線アクセス局に送るように、適合されている。
【0043】
本発明によれば、前記専用アクセス局は、前記コントローラに構成要求を送り、前記コントローラは、前記動的割当て手段を用いる。
【0044】
これの利点は、割当てが、複数の無線アクセス局に対して集中することである。コントローラは、それが責任を負う無線アクセス局のパラメータ構成の全体像を有する。この集中解決策は、更に、無線アクセス局の構造が更に複雑になることを回避する。
【0045】
最後に、本発明は、通信ネットワークからダウンロード可能な及び/又はコンピュータ判読可能媒体に記憶される及び/又はマイクロプロセッサによって実行されるようになっているコンピュータ・プログラム・プロダクトに関する
【0046】
この種類のコンピュータ・プログラム・プロダクトは、本発明の方法を実行するためのプログラムコード命令が含まれる点で注目に値する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】通信ネットワークによって提供されるサービスへのアクセスを提供し、また、コアネットワークと家庭無線カバレッジサービス専用のアクセスネットワークとの間のゲートウェイとして機能する本発明のコントローラによって管理される無線アクセス局のネットワークのアーキテクチャを示す図。
【図2】専用サービスアクセス局のパラメータを構成するための本発明の方法のステップを示す図。
【図3】ユーザ端末の位置に基づき、本発明の方法によって構成されたアクセス局からサービスへの通話のルーティングを示す図。
【図4】本発明の一態様に基づく方法による地理的なエリアの専用アクセス局へのパラメータLAC、SACの割当てを示す図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
本発明の他の利点及び特徴は、例示のためにまた非限定的な例としてのみ与えられた本発明の1つの特定の実施形態の以下の説明を解釈すると、更に、添付図面から、更に明らかになる。
【0049】
専用アクセス局から運用者の加入者に家庭無線カバレッジを提供する新しいサービスを導入する枠組みにおいて、本発明の一般的な原理は、地理的なエリアにおけるそれらの配備及び設置があらかじめ計画されていなかった専用アクセス局を動的に構成することに基づく。
【0050】
本明細書全体において、表現“家庭無線カバレッジ”とは、幾つかの実施形態では、家庭、共同体又は企業枠組みかに関わらず、或る正規の加入者にアクセスを限定できる専用無線アクセス局からアクセス可能な無線カバレッジを意味することに留意されたい。
【0051】
本発明の枠組みにおいて、表現“無線アクセス局”とは、専用アクセス局又はホームゲートウェイ(HG)、即ち、ユーザ(個人、共同体又は企業)の敷地に設置され、また、ユーザの端末への無線アクセス及びIP/DSL(インターネットプロトコル/デジタル加入者回線)輸送ネットワークへのアクセスを提供する設備を意味する。これは、特に、ADSLネットワークに接続され、3G_UMTS無線アンテナが備えられ、また、無線アンテナとホームゲートウェイとの間のUMTS/IPインターフェイスモジュールが含まれるホームゲートウェイであってよい。
【0052】
明らかに、複数のホームゲートウェイは、複数のマイクロセル又はフェムトセルとして体系化された“微視的”アクセスネットワークを形成し、その各々は、ホームゲートウェイの特定の無線アンテナに関連付けられる。
【0053】
本発明の枠組みにおいて、表現“無線アクセス局”とは、更に、運用者の2G又は3G“巨視的”ネットワークへの公衆無線アクセス局を意味する。
【0054】
説明の残りは、“微視的”ネットワークを形成する専用アクセス局という脈絡で、本発明の実施形態について述べる。
【0055】
これら専用アクセス局へのアクセスは、コントローラによって制御されるが、これは、HG専用アクセスネットワークを管理し運用者敷地に設置された設備である。HGの全ての着信及び発信エンドユーザトラフィックは、コントローラが管理する。
【0056】
本発明は、2Gセル方式ネットワーク(GSM、GPRS)、3Gセル方式ネットワーク(UMTS)、及びそれらの将来の開発品に適用し得る。
【0057】
第2世代ネットワークという脈絡では、専用アクセス局は、顧客敷地に設置されたBTS(送受信基地局)であってよく、また、コントローラは、BSC(基地局コントローラ)であってよい。
【0058】
第3世代ネットワークという脈絡では、専用アクセス局は、顧客敷地に設置されたノードB(NodeB)であってよく、また、通常、RNC(無線ネットワークコントローラ)、MSC(移動体交換局)又はSGSN(サービス提供GPRSサポートノード)等の3Gネットワークのエンティティに関連した機能を提供し得る。コントローラは、RNCのようであるが、追加機能、特に、アクセス制御メカニズムに関する機能を有し得る。
【0059】
説明の残りは、UMTSネットワークの場面における本発明の特定の一実施形態に全て供する。
【0060】
図1は、家庭無線カバレッジサービス専用で、複数の専用アクセス局(その3つのHG1、HG2、及びHG3を示す)を含む“微視的”アクセスネットワークのアーキテクチャを示す。専用アクセス局HG1乃至HG3は、各々、インターネット等のIPネットワーク10又はADSLネットワークを介してコントローラ11に接続されている。コントローラ11は、それがその一部である専用アクセス局HG1乃至HG3からなるアクセスネットワークと、提供されたサービス及び固定公衆電話ネットワークやインターネット等の固定ネットワーク(図1には示さず)への通話のルーティングを管理する運用者のコアネットワーク12と、の間のゲートウェイを構成する。
【0061】
コアネットワーク12には、以下のような多数の標準UMTSネットワークエンティティが含まれる。
・移動体交換局(MSC)121。これは、それが管理する地理的なエリアにおいて登録されている移動端末1乃至4及び131の回路網モードサービスの管理に対して責任を負っている。
・ホーム・ロケーション・レジスタ(HLR)122。これは、ユーザの申し込み条件及び申し込んだサービスの特徴に関する情報を含むデータベースである。これは、更に、(加入者が位置するMSC又はSGSN等の)相対的に粗い加入者位置情報を含む。
・サービス提供GPRSサポートノード(SGSN)123。これは、データをパケットモードでインターネット、イントラネット・ネットワーク、又はサービスプラットホーム(及びその逆)に転送する。この接続は、ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)124の形態でデータルーティングゲートウェイを介して行われる。
それらの役割及び機能は、標準UMTSネットワークのものと同じであり、従って、ここでは、更に詳細に述べない。
【0062】
更に、運用者の“巨視的”UMTSネットワークを図1に示すが、これは、複数のユーザ移動端末131からアクセス可能なパブリックアクセス局、即ち、基地局からなるアクセスネットワーク13の形態であり、このアクセスネットワーク13は、コアネットワーク12に接続される。
【0063】
各専用アクセス局HG1乃至HG3は、アクセス制御メカニズムが実装されていれば、1つ又は複数の正規の加入者端末によってアクセスし得る。アクセス制御メカニズムが実装されていない場合、それは、任意の端末によってアクセスし得る。
【0064】
そのような移動端末には、移動セル方式無線通信端末、通信用個人携帯情報端末(PDA)、通信用ラップトップコンピュータ、及び運用者のネットワークと通信を行うことが可能なスマートホンを含み得る。本発明の脈絡で用いるために何ら変更する必要がない標準UMTS移動端末が存在する。
【0065】
ホームゲートウェイHG1のパラメータを構成するための本発明の方法について、特に、図2を参照して、以下に述べる。
【0066】
無線ネットワークに接続する場合、顧客の敷地に新しく設置されたホームゲートウェイHG1は、構成要求20をコントローラ11に送る。対象のホームゲートウェイ用のコントローラ11のアドレスは、例えば、サービスへの申し込み時、顧客に伝達されるか、又はDNS(ドメイン名システム)要求によって分析される。そのような要求には、ホームゲートウェイ用の位置表示が含まれる。これは、例えば、顧客が加入するADSL接続のIPアドレス、PLMNもしくはLAC等の端末をカバーする“巨視的”2Gもしくは3Gネットワークに関する情報、又はセル識別子である。
【0067】
この要求は、少なくとも1つの構成パラメータに関する。以下、特に、上述の如く定義されたパラメータLAC、SAC、及びSAIに対して考察を行う。しかしながら、本発明は、これらの特定の構成パラメータに限定されるものではなく、また、ホームゲートウェイの地理的な位置にリンクし得る任意の種類の構成パラメータ、例えば、スクランブルコードに適用される。そのようなスクランブルコードは、符号分割多元接続(CDMA)アクセス技術を実現する3Gネットワークに用いられ、同一送信周波数を用いる2つの隣接する端末の通話間の干渉の影響を低減する。
【0068】
要求を受信すると、コントローラ11は、前記ホームゲートウェイHG1に地理的なエリアGA1を要求に含まれる位置表示の機能として割り当てる。地理的なエリアの選択及びそのサイズは、特に、対象の構成パラメータの種類に依存することに留意されたい。例えば、パラメータSAI、LAC、及びSACを構成する場合、地理的なエリアは、町又は区域に対応し、例えば、その町又は区域の郵便番号によって指定し得る。
【0069】
そして、コントローラは、対象の地理的なエリア用の対象のパラメータの可能な値のリストを含むデータベース14に問い合わせる。
【0070】
そのようなデータベースは、ネットワークに配置し、集中管理し、また、多数のコントローラが、本発明のアクセスネットワークに配備される場合、全てのコントローラによる問い合わせに利用可能にできる。これらは、更に、1つのコントローラに内在してもよい。
【0071】
コントローラは、データベース13によって供給される値のリストに含まれるホームゲートウェイHG1の種類用のパラメータ値であって、ホームゲートウェイHG1の位置にリンクされる少なくとも1つの制約条件を満足するパラメータ値を選択する。最後に、応答メッセージ22をホームゲートウェイHG1に送る。
【0072】
本発明の一態様によれば、コントローラは、“巨視的”ネットワーク用の通信ネットワーク12によって定義された可能な値のリストからのパラメータ値の選択に関する第1制約条件を満足するホームゲートウェイHG1にパラメータ値を割り当てなければならない。
【0073】
パラメータLACの場合、例えば、所定のPLMNに対して、従って、所定の国の所定の運用者の移動体ネットワークに対して、65533の可能な値がある。そして、これら65533の可能な値は、移動体ネットワークのMSC間で分割される。その結果、MSC121にアタッチされたコントローラ11の場合、それが責任を負うホームゲートウェイのパラメータLACを構成するための可能な値の数は、通信ネットワーク12によってMSC121の地理的なエリアGAに割り当てられた65533の値の部分集合である。例えば、パリの15番目の行政区の場合、LACの2つの値があり、これは、以下、LACCN(CNは、通信ネットワーク(Communications_Network)を表す)と呼ばれ、1及び2に等しい。
【0074】
対照的に、パラメータSACの場合、所定のMSCに対して、65534の可能な値があるが、(パリの15番目の行政区の本例の場合)、通信ネットワークは、同じエリアの2つのLAIにおけるパラメータSACCN=1の再使用を規定し、これにより、通信ネットワークにおいて、SAICNの2つの値が与えられる。
【0075】
本発明の他の態様によれば、前記割当てステップは、前記地理的なエリアにおける前記パラメータの値の単一の発生を課す第2制約条件を満足する。
【0076】
この第2制約条件は、移動端末のアタッチ局を決定するために用い得るパラメータSAIに適用する。この同じパラメータが、通信ネットワーク側において用いられ、非常通話が、移動端末の位置の関数としてルーティングされる。しかしながら、通信ネットワークにおけるこの限定した数の値は、同じ地理的なエリアにおいて多数のホームゲートウェイを含む“微視的”ネットワークの用途に適合しておらず、また、その実際の数は、運用者が制御できるものではないことが、明らかである。
【0077】
この問題を解決するために、本発明の方法の割当てステップは、前記ホームゲートウェイHGにパラメータの疑似値を割り当て、前記疑似値は、この第2制約条件を満足するように選択される。
【0078】
この第2制約条件は、第1制約条件とは独立に又はそれと組み合わせて、パラメータに適用し得ることに留意すべきである。
【0079】
パラメータSAIの場合、例えば、2つの制約条件が、組み合わせて満たされることが望ましい。従って、同じ地理的なエリアにおいて、疑似値を用いると、通信ネットワーク側において、非常通話に対する変換及びルーティング表において限定した数のSAIを保証するのと同時に、可能な値の極めて長いリストが可能になる(特に、固有の値SAIを端末に割り当てることができる)。表1に述べた例を参照すると、運用者は、従って、15番目の行政区からなる地理的なエリアに対して、パラメータSAIの2つの値だけを通信ネットワークにおいて宣言するのと同時に、無線アクセス局においてSAIの13.107.000の疑似値を用い得る。
【0080】
以下の表は、通信ネットワーク側に割り当てられたSAICN値及びアクセス局にパラメータを割り当てるために用い得る疑似SAI値を与える。従って、SAIは、208−01−6−15と示され、208は、MCC(移動体国コード(Mobile_Country_コード):208は、フランス)であり、01は、MNC(移動体ネットワークコード(Mobile_Network_Code):01は、オレンジ)であり、6は、LACであり、15は、SACである。
【表1】

【0081】
ネットワークエンティティ、例えば、コントローラ11は、利点として、データベース14において、利用可能な疑似値のリストを調べる。それは、リストから疑似値を選択した場合、選択された値を利用可能な値のリストから除去することによって、リストを更新する。
【0082】
前記ホームゲートウェイからサービスにアクセスせよという要求を受信すると、本発明の方法は、第1制約条件を満足する前記パラメータの値に疑似値を変換するステップを実行する。
【0083】
パラメータSAIは、PLMN、LAC、及びSAC値を連結することによって形成されることを思い起こされたい。この場合、PLMNは、所定の国における所定の運用者用の固定値を有する。その結果、固定PLMNにおけるパラメータSAIの構成は、上述の如く定義されたパラメータ(LAC、SAC)のそれに密接にリンクされる。
【0084】
通信ネットワークによって定義された可能な値に疑似値を変換するステップは、利点として、データベース、例えば、同じデータベース14に記憶された対応表を調べることによって、実行される。
【0085】
図3は、一例として、ホームゲートウェイHG1にアタッチされた移動端末1から来る非常通話のルーティングを示す。ホームゲートウェイHG1は、パリの15番目の行政区からなる地理的なエリアに配置される。端末1は、通話確立要求をホームゲートウェイHG1に送り(ステップ30)、これは、そのコントローラ11に要求を転送する(ステップ31)。この転送は、IPネットワーク10(図3には示さず)を介して伝達されるIPフレームに通話確立要求を封入することによって行われることに留意されたい。この要求には、本発明により割り当てられたパラメータSAIの疑似値を含む、ホームゲートウェイHG1用の構成パラメータが含まれる。この要求を受信すると、コントローラ11は、この疑似値を、通信ネットワークによって定義されたパラメータSAIの値に変換するが、この値は、SAIの固有で明白な値を保証する。そして、変換パラメータ値を含む要求は、Iu−CSインターフェイスを介して、MSCにルーティングされる(ステップ32)。RNCとMSCとの間のこの種のインターフェイスは、3GPP技術仕様TS25.410によって規定される。パラメータSAIのこの固有で明白な値を用いて、MSCは、通話を最も近いローカル非常通話処理センタLC1にルーティングでき(ステップ33)、また、地理的なエリアに基づき、その同じ非常通話処理センタに加入者の現在位置、例えば、移動端末がアタッチされているホームゲートウェイの郵便番号を提供し得る。
【0086】
本発明に基づく、ホームゲートウェイHG1のパラメータSAIへの第2制約条件を満足する疑似値の動的割当て、従って、第1制約条件を満足する値へのその変換は、適切なローカル処理センタへの非常通話の正しいルーティングを可能にする。
【0087】
更に、本発明に基づき第2制約条件を満たすと、ブロードキャスト等の特定の用途に対する利点がある。3GPP技術仕様TS25.419において規定されたブロードキャスト用途により、サービス端末は、そのサービスエリア内において、それにアタッチされた移動端末へメッセージをブロードキャストできるようになる。明らかに、ホームゲートウェイに特有のSAI疑似値を割り当てると、サービスの提供が可能になり、そのサービスへの加入者は、例えば、ホームゲートウェイの加入者に言及して、“ようこそ!“姓名”のホームゲートウェイへ”という類の個人的メッセージのブロードキャストが可能になる。
【0088】
本発明のこの態様は、ホームゲートウェイHGが、RNC機能を実現し、また、従って、対象のパラメータの値を解釈する場合にのみ実現可能であることに留意すべきである。この特定の例では、コントローラは、それがコアネットワークから受信するホームゲートウェイHGに宛てられたメッセージを中継し、そして、これを行うために、上述した第1及び第2制約条件を満足する疑似値にパラメータの値を変換する。対照的に、RNC機能が、コントローラ11で実現される場合、パラメータSACの値の意味は、コントローラに局在したままであり、パラメータSAIは、一切ホームゲートウェイに割り当てられない。
【0089】
本発明の他の態様によれば、割当てステップは、第3制約条件、即ち、前記地理的なエリアにおける前記ホームゲートウェイに隣接するホームゲートウェイ間において、前記パラメータの前記値は、唯1つ発生すべきであることを満足するように意図されている。この第3制約条件は、特に、パラメータLACに関し、パラメータLACは、アクセス制御メカニズムによって用いられ、例えば、ホームゲートウェイへのアクセスを制御する。それは、第1及び第2制約条件と独立して又は組み合わせて考慮し得る。パラメータLACの場合、第3制約条件は、選択された値が、通信ネットワークによって定義された値のリストに存在しなければならないことから、第1番目と組み合わせて考慮し得るが、独特性の観点で第2制約条件は、適切ではない。
【0090】
この点では、少なくとも、隣接するホームゲートウェイの場合、パラメータLAの異なる値で各ホームゲートウェイのパラメータを設定することが望ましい(同じ位置エリアを有する2つの専用アクセス局は、極めて遠い場合、許容し得る)。一例として、上述した3GPP技術仕様TS24.008を参照すると、そのようなパラメータ値は、ホームゲートウェイにアタッチしようとする場合、移動端末において位置エリア更新手続のトリガをかけるという結果を有する。この手続の場面では、移動端末が、パラメータLACの異なる値を通して、連続的にアタッチしようとする可能性がある2つの端末間の区別を行うことは、不可欠である。
【0091】
この第3制約条件を満足するために、割当てステップは、対象のパラメータに対して、隣接するホームゲートウェイに割り当てられた値を復旧しなければならない。この復旧は、ブロードキャストするメッセージを監視することによって、その近隣の構成に関する情報を収集し、そして、収集された情報をコントローラに送るホームゲートウェイによって行うことができる。それは、また、構成されるのを待っている端末に隣接する端末に問い合わせるコントローラそれ自体によって、実現し得る。
【0092】
これら双方の状況において、コントローラは、ホームゲートウェイに隣接する端末を事前に知る必要がないことに留意すべきである。従って、コントローラに隣接端末に関する位置情報を、それが、それらを識別し、そのデータベースにおけるそれらに関する構成値を調査できるように提供することが必要である。このことは、例えば、端末それ自体によって行われる。そして、動的な割当てステップは、前記隣接値をそこから除去することによって、ホームゲートウェイ用の可能な値のリストを更新する。
【0093】
この第3制約条件を満足する本発明に基づく動的な割当ての例については、図4を参照して、以下に述べる。本例において、この第3制約条件は、パラメータLACに適用されるばかりでなく、パラメータSC(スクランブルコード)にも適用される。
【0094】
本発明の他の態様によれば、割当てステップは、その地理的なエリアにおけるホームゲートウェイに隣接するホームゲートウェイの間でパラメータ値の例の均一な配分を課す第4制約条件を満足する。この第4制約条件は、特に、パラメータLACに関し、これについては、既に説明した通り、同じ値、従って、同じ位置エリアを有する2つの専用アクセス局は、極めて遠くに離れているならば、許容し得る。この点において、地理的なエリアは、非常事態エリアにアタッチされたエリアより大きいと見なされる。即ち、ここで対象とする地理的なエリアは、MSCによって制御されるそれである。
【0095】
本発明のこの態様によれば、データベース14に記憶された可能な値のリストは、MSCの地理的なエリアにおけるホームゲートウェイ用の前記値の多数の例を示し、選択サブステップは、前記地理的なエリアにおいて既に割り当てられた例の数が最も低い値を選択する。可能な値のリストからの選択には、ここに述べていないが、当業者に知られている技法の疑似ランダムアルゴリズムを用い得る。これによって、移動端末が、パラメータLACの同じ値を有するホームゲートウェイに連続的にアタッチしようとするリスクが最小限に抑えられる。
【0096】
パラメータLACの場合、この第4制約条件は、第3制約条件に累積される。それは、しかしながら、他の種類のパラメータに対しては、第3制約条件とは独立だと見なし得る。
【0097】
本発明のこの態様は、既に述べた他の態様とは独立に実現し得ることに留意すべきである。特に、第3及び第4制約条件の実施例は、必ずしも第1及び第2制約条件を組み合わせるとは限らない。
【0098】
本発明の1つの特定の実施形態によれば、サービスアクセス局を構成するという本発明の方法のステップは、コントローラ11等のデータ処理装置に組み込まれたコンピュータプログラムの命令によって決定される。このプログラムには、前記プログラムが装置にロードされ、そこで実行され、そして、前記プログラムの実行によって装置の動作が制御されると、本発明の方法のステップを実行するプログラム命令が含まれている。
【0099】
その結果、本発明は、コンピュータプログラム、特に、本発明を実現するようになっている情報記憶媒体上のコンピュータプログラムにも適用する。このプログラムは、任意のプログラミング言語を用いたり、ソースコード、オブジェクトコード又は部分的にコンパイルされた形態等のソースコードとオブジェクトコードとの間の中間コードの形態を取ったり、又は本発明の方法を実現するために望ましい他の何らかの形態を取り得る。
【符号の説明】
【0100】
1〜3・・・移動端末、HG1〜3・・・アクセス局、10・・・IPネットワーク、11・・・コントローラ、12・・・コアネットワーク、13・・・アクセスネットワーク、121・・・移動体交換局、122・・・ホーム・ロケーション・レジスタ、123・・・サービス提供GPRSサポートノード(SGSN)、124・・・ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)、131・・・移動端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワーク(12)によって提供されるサービスへのアクセスを提供する無線アクセス局(HG)のパラメータSAIを構成する方法であって、サービスは、前記通信ネットワークへのアクセスネットワークを形成する複数の無線アクセス局を介してアクセス可能であり、前記方法には、
・前記無線アクセス局の位置の表示を含む前記パラメータ(SAI)の構成に対する要求の受信時、前記位置表示に基づき、地理的なエリア(GA1、GA2)を前記無線アクセス局に割り当てるステップと、
・前記地理的なエリアでは、疑似値は、唯1つ発生すべきであるという作用に対する制約条件を満足するパラメータに疑似値を動的に割り当てるステップと、
・前記無線アクセス局からのサービスへのアクセス要求の受信時、前記地理的なエリア(GA1、GA2)用の通信ネットワークによって定義された可能な値のリストから選択されたパラメータSAIの値に疑似値を変換するステップと、
が含まれることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の構成方法であって、動的な割当てステップには、前記地理的なエリアにおけるパラメータSAIに利用可能な疑似値のリストを含むローカルデータベースに問い合わせるサブステップと、利用可能な疑似値の前記リストから前記無線アクセス局に割り当てられる疑似値を選択するサブステップと、が含まれることを特徴とする構成方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の構成方法であって、前記変換ステップには、前記地理的なエリアにおける前記パラメータ用に選択された可能な値に前記疑似値を変換するための表を含むデータベース(14)に問い合わせるサブステップが含まれることを特徴とする構成方法。
【請求項4】
通信ネットワーク(12)によって提供されるサービスへのアクセス局のコントローラ(11)であって、前記アクセス局は、前記通信ネットワークへのゲートウェイを構成する前記コントローラに接続された前記ネットワークのサービスへの無線アクセス局であり、前記コントローラは、以下の手段、即ち、
・前記無線アクセス局の位置の表示を含む前記パラメータ(SAI)の構成に対する要求の受信時、前記位置表示に基づき、地理的なエリア(GA1、GA2)を前記無線アクセス局に割り当てる段階と、
・前記地理的なエリアでは、疑似値は、唯1つ発生すべきであるという作用に対する制約条件を満足するパラメータに疑似値を動的に割り当てる段階と、
・前記無線アクセス局からのサービスへのアクセス要求の受信時、前記地理的なエリア(GA1、GA2)用の通信ネットワークによって定義された可能な値のリストから選択されたパラメータSAIの値に疑似値を変換する段階と、
を用いるように構成されていることを特徴とするコントローラ。
【請求項5】
通信ネットワークによって提供されるサービスへのアクセス局(HG)であって、サービスは、前記通信ネットワークに接続された複数の無線アクセス局を介してアクセス可能であり、一無線アクセス局には、
通信ネットワークへのゲートウェイを構成するコントローラ(11)に少なくとも位置表示を含むパラメータSAIを構成せよという要求を送るための手段と、
前記位置表示に基づき、それに割り当てられた地理的なエリアにおいて、疑似値は、唯1つ発生すべきであるという作用に対する制約条件を満足するパラメータの疑似値を受信するための手段と、
が含まれることを特徴とするアクセス局(HG)。
【請求項6】
通信ネットワークによって提供されるサービスへのアクセスネットワークであって、
それには、前記通信ネットワークに接続された複数の無線アクセス局が含まれ、
一無線アクセス局には、通信ネットワークへのゲートウェイを構成するコントローラ(11)に少なくとも位置表示を含むパラメータを構成せよという要求を送るための手段と、パラメータの疑似値を受信するための手段と、が含まれ、
前記コントローラは、前記位置表示に基づき、地理的なエリア(GA1、GA2)を前記無線アクセス局に割り当てるように、また、前記地理的なエリアでは、唯1つ発生すべきであるという作用に対する制約条件を満足するパラメータに疑似値を割り当てるように、更に、前記要求に応じて、それを無線アクセス局に送るように、適合されていることを特徴とするアクセスネットワーク。
【請求項7】
通信ネットワークからダウンロード可能な及び/又はコンピュータ判読可能媒体に記憶された及び/又はマイクロプロセッサによって実行されるようになっているコンピュータ・プログラム・プロダクトであって、それには、請求項1乃至3に記載の方法を実行するためのプログラムコード命令が含まれていることを特徴とするコンピュータ・プログラム・プロダクト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−507306(P2010−507306A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532865(P2009−532865)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【国際出願番号】PCT/FR2007/052167
【国際公開番号】WO2008/047039
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(591034154)フランス・テレコム (290)
【Fターム(参考)】