説明

サーベイランス試験装置および計算機が読取り可能な記憶媒体

【課題】サーベイランス試験に係わる試験手順表示情報の視認性、サーベイランス試験操作性およびサーベイランス試験効率をそれぞれ向上させる。
【解決手段】通信ネットワーク5を介して互いに通信可能な試験手順表示装置3、サーベイランスサーバ4を有しており、プラントPの試験対象系統を構成する試験対象系統機器104を制御盤・操作パネル2を介して操作しサーベイランス試験を行なうサーベイランス試験装置1。試験手順データ記憶部21と、進行指示部13、コンソール制御部10、データ通信部11と、通信ネットワーク5を介して送信されてきた進行指示に対応する試験項目に基づくデータを系統機器104のプラントデータに基づいて計測し、計測データを判定してサーベイランス試験を実行し、計測データおよび判定結果を通信ネットワーク5を介して送信する試験進行制御部22、サーバデータ通信部23と、データ通信部11、コンソール制御部10、表示部13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電所等のプラントにおける系統・機器の健全性を確認するために定期的に当該系統・機器の動作確認用のサーベイランス試験を行なうサーベイランス試験装置および計算機が読取り可能な記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、原子力発電所等のプラントを監視するプラント監視システムにおいては、プラントの安全性確保のためにプラント緊急時の対応を主目的とした機器・系統(緊急時対応機器・緊急時対応系統、以下、総称して緊急時対応設備機器ともいう)が多数導入されており、これら緊急時対応設備機器は、プラント通常運転時においては動作しないため、定期的に緊急時対応設備機器に係るプラントデータを計測し、その計測結果に基づいて緊急時対応設備機器の動作を確認する試験(サーベイランス試験)を行なうことにより、緊急時対応設備機器が緊急時に支障無く動作(機能)することを確認している。
【0003】上述した緊急時対応設備機器の動作確認試験(サーベイランス試験)を行なうために、その試験手順のガイド表示処理、複数の緊急時対応設備機器における試験対象となるプラント現場の系統・設備機器(以下、試験対象系統機器と呼ぶ)の動作速度等の各計測項目に係るデータ収集・計測処理および計測された結果の判定処理を行うサーベイランス試験装置が使用されている。
【0004】図40は、従来のサーベイランス試験装置の概略構成を示すものである。
【0005】図40に示すサーベイランス試験装置100は、プラントの試験対象系統機器を含む各緊急時対応設備機器(緊急時対応系統・緊急時対応機器)を操作する機能を有する制御盤・操作パネル101を備えており、この制御盤・操作パネル101には、試験員(運転員)に対する試験手順のガイド表示用および試験結果表示用の表示装置102およびサーベイランス試験進行指示(指示コマンド)操作入力用のサーベイランス操作パネル103が一体化されている。
【0006】また、サーベイランス試験装置100は、プラントの現場における試験対象系統機器(現場機器)104から図示しないセンサ等により検出された試験対象系統機器104の状態を表すデータ(本明細書ではプラントデータ、プラントセンサデータ等と記載する)Dを入力し、入力したプラントデータDに基づいてサーベイランス試験を実行するためのプラント計算機105を備えており、サーベイランス試験装置100は、制御盤・操作パネル101およびプラント計算機105とを備えた集中型計算機システムとして構築されている。
【0007】図41は、従来のサーベイランス試験装置100の機器配置イメージ(外観イメージ)を示すものである。図41に示すように、サーベイランス試験装置100の制御盤・操作パネル101は、立位姿勢の運転員が確認・操作可能な卓型である。すなわち、制御盤・操作パネル101は、立位姿勢の運転員が確認できる高さに配置され、サーベイランス試験対象となる緊急時対応系統の緊急時対応機器の動作状況を確認するための表示機器(例えばランプ)が例えば各系統毎に配設された表示エリア107と、緊急時対応機器を操作して実際に動作させるための制御操作デバイス(制御操作スイッチ(SW)等)が対応する表示機器の設置位置に応じて配設された操作パネル108とを備えている。
【0008】ここで、サーベイランス試験対象となるプラントを原子力プラント等の発電プラントとした場合、その発電プラントの緊急時対応系統は20系統以上にもなり、全ての緊急時対応系統の全ての緊急時対応機器を集中制御・操作する卓型制御盤・操作パネル101の長手方向の長さ(表示エリア107・操作パネル108の長手方向の長さ)は約8mと非常に大きなものとなっている。
【0009】サーベイランス操作パネル103は、運転員の操作に応じてサーベイランス試験進行指示(指示コマンド)を入力する機能およびプラント計算機105の後述する試験進行制御部112からの指示に基づいて運転員に対して操作指示を促すための情報を、表示機器(例えばランプ)を介して表示する機能を有している。
【0010】また、サーベイランス操作パネル105は、図41に示すように、操作パネル108における所定位置に組み込まれて一体化されており、また、表示装置106は、制御盤・操作パネル101の表示エリア107の所定位置に組み込まれて一体化されている。
【0011】そして、プラント計算機105は、複数のサーベイランス試験手順を例えば試験手順ファイルとして記憶する試験手順データ記憶部111と、サーベイランス試験実行機能を有する試験進行制御部112と、試験対象系統機器104から送られたプラントデータDを入力するプラントデータ入力部113と、サーベイランス操作パネル105および試験進行制御部112との間のパネル入出力に関するインタフェース機能を有するパネル入出力部114とを備えている。
【0012】試験進行制御部112は、サーベイランス操作パネル103から運転員の操作によりパネル入出力部114を介して入力されたサーベイランス試験進行指令に従って、上記サーベイランス試験進行指令に対応する試験手順情報(試験手順データ)を試験手順データ記憶部111から読み出し、読み出した試験手順データの各計測・判定項目の計測・判定処理(測定・判定処理、以下、総称して単に計測処理ともいう)を、運転員の操作パネル108操作による試験対象系統機器104の動作および対応する試験対象系統機器104のプラントデータDに基づいて実行することにより、試験対象系統機器104の動作状態(状態量等)を計測する。
【0013】そして、試験進行制御部112は、試験手順データに基づく試験対象系統機器104の動作状態等が計測されると、制御盤・操作パネル101の表示エリア107における対応する試験対象系統機器104の動作状態表示用ランプを表示させて、試験対象系統機器104の動作状態を運転員に対して出力するとともに、パネル入出力部114を介してサーベイランス操作パネル103に設置された試験進行催促用のランプを表示させて、運転員に対して次の試験進行指示を促す。そして、試験進行制御部112は、試験手順データおよびこの試験手順データに基づく試験対象系統機器104の計測結果(計測値等)を表示装置102へ出力し、表示装置102を介して運転員に対して表示する。
【0014】このように、試験進行制御部112は、運転員のサーベイランス試験進行指示に合わせて、対応する試験手順データおよび計測結果を表示装置102を介して外部(運転員)に対して表示出力するようになっており、定期的に実施されるサーベイランス試験業務を容易にし、運転員の負荷軽減に寄与している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来のサーベイランス試験装置では、煩雑な試験手順のガイド表示および試験手順中の各計測・判定項目の計測値・判定結果を試験進行に合わせて表示出力することにより、サーベイランス試験の合理化を実現している。
【0016】しかしながら、サーベイランス試験は、試験対象系統機器104を予め定められた試験手順に基づき動作させ、その動作結果が正しいか否かを判定するものであり、運転員は、制御盤・操作パネル101の操作パネル108を操作して試験対象系統機器104を動作させ、かつ試験対象系統機器104の動作状況を確認するために、表示エリア107の動作状態表示用のランプを視認する必要がある。
【0017】すなわち、運転員は、サーベイランス試験実施時においては、上述した操作パネル108を介した試験対象系統機器104の制御操作および表示エリア107の動作状態表示用ランプの確認作業に加えて、表示装置102に表示された試験手順の表示内容の確認作業およびサーベイランス操作パネル103を介した試験進行指示入力作業を略同時に実行する必要があり、実施する試験対象系統によっては(例えば、表示エリア107における長手方向端部に動作表示用ランプが設置された試験対象系統・機器や、操作パネル108における長手方向端部に制御操作デバイスが設置された試験対象系統・機器等)、制御盤・操作パネル101の試験対象系統・機器104に対応する制御操作デバイスおよび動作表示用ランプとサーベイランス操作パネル103および表示装置102とが離れることがあり、このような状態において、制御操作デバイス操作処理、動作表示用ランプ確認処理、サーベイランス試験進行指令入力処理および試験手順表示内容確認処理を略同時に行なうことは極めて難しく、サーベイランス試験装置100の操作性および試験効率を悪化させていた。
【0018】また、制御盤・操作パネル101の試験対象系統・機器に対応する制御操作デバイスおよび動作表示用ランプとサーベイランス操作パネル103および表示装置102とが離れた状態においては、動作表示用ランプおよび表示装置102に表示された試験手順内容を略同時にそれぞれ正確に視認することが難しかった。
【0019】さらに、上述した制御盤・操作パネル101の試験対象系統・機器104に対応する制御操作デバイスおよび動作表示用ランプとサーベイランス操作パネル103および表示装置102とが離れた状態においては、運転員は、試験対象系統・機器104に対応する制御操作デバイスおよび動作表示用ランプ設置位置とサーベイランス操作パネル103および表示装置102の設置位置との間を頻繁に移動して上記操作処理・視認処理を行なわなければならず、運転員に対して過度な負担を強いることになっていた。
【0020】また、従来よりサーベイランス試験においては、原子力発電所等のプラント毎の試験対象系統・機器構成に基づいた詳細な操作手順(制御操作SW等の制御操作デバイスの制御盤・操作パネル101上の位置や名称、操作時に予想される挙動変化や注意事項等)が記載された定例試験手順書が予め作成されている。
【0021】そして、この詳細な試験手順書に基づき、計算機による自動確認項目や運転員による確認項目等を選択した上で、運転員の視認性、操作性を考慮し、試験実施上必要な手順情報に簡素化してサーベイランス試験ガイド用の試験手順データが作成されている。したがって、通常時においては、サーベイランス試験装置100の試験手順データ記憶部111に記憶された試験手順データに沿ってサーベイランス試験を実施しているが、制御盤・操作パネル101上の動作表示用ランプの場所・制御操作デバイスの場所が不明な場合や、作成された試験手順以外の何らかの条件が発生した場合等には、運転員は、上記定例試験手順書を参照しながらサーベイランス試験を実施するしかなく、サーベイランス試験作業の効率を悪化させ、かつ運転員の負担を増大させていた。
【0022】さらに、従来のサーベイランス試験装置100では、試験手順は複数のまとまりに分割され、その分割された各まとまりはステップと呼ばれている。そして、サーベイランス試験装置100においては、ステップ単位の試験進行方式でサーベイランス試験が実施されている。
【0023】このとき、従来では、通常、試験手順の前後関係等を認識できるようにするため、視認性を確保可能な範囲内において多くの手順情報(数ステップ分)を表示しながらサーベイランス試験が実施されている。
【0024】しかしながら、従来のサーベイランス試験では、運転員は、制御盤・操作パネル101近傍において立位姿勢で上記複数ステップの試験手順確認処理を行なうとともに、制御盤・操作パネル101の制御操作機器の操作処理、動作表示用ランプの確認処理を行なっているため、各ステップにおける各試験手順を正確に視認することが難しく、より一層の試験手順表示情報の視認性向上が望まれていた。
【0025】また、サーベイランス試験は、制御盤・操作パネル101における試験対象系統・機器104の操作処理および動作状況確認処理とプラント計算機105に対するサーベイランス試験進行指示操作処理とを並行して実行する必要がある。
【0026】しかしながら、上述したように、制御盤・操作パネル101の試験対象系統・機器104に対応する制御操作デバイスおよび動作表示用ランプとサーベイランス操作パネル103および表示装置102とが離れている場合では、試験対象系統・機器104の操作処理および動作状況確認処理とサーベイランス試験進行指示操作処理とを並行して行なうことが難しく、サーベイランス試験装置100の操作性向上が望まれていた。
【0027】さらに、サーベイランス試験の確認項目の中には、プラント計算機105に対する入力の無い(プラントデータが入力されない)機器の状態確認項目、現場装置の表示ランプ切れや外観上の確認項目、および異常状態(異音、異臭、振動、漏水等)の確認項目等も存在し、全ての確認項目をプラント計算機105による確認処理で行なうことはできないため、プラント監視システムの中央制御操作室(以下、中操と略記する)の運転員(特に、この中央制御操作室で制御操作を行なう運転員を中操側運転員と呼ぶ)やプラント現場側の運転員により上記計算機確認不可の確認項目の確認処理を行なっている。
【0028】このとき、プラント現場側での確認項目の場合には、現場側の運転員による確認結果をページング(有線通話装置)等により音声で中操側運転員に連絡し、中操側運転員がサーベイランス試験装置100に対して試験進行指示(運転員確認通知)を連絡する操作を行っている。
【0029】しかしながら、上述したようにプラント現場側確認項目の確認結果をページング等の音声通話により中操側運転員を媒介としてサーベイランス試験装置100に伝達しているため、プラント現場側の運転員と中操側運転員との間の音声通話において聞き違え等の伝達ミスが生じる恐れがあり、プラント現場確認情報の信頼性を低下させる危険性が生じていた。
【0030】本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、サーベイランス試験を実施する際の試験手順表示情報の視認性の向上、操作性の向上およびサーベイランス試験効率の向上を実現できるサーベイランス試験装置およびサーベイランス試験用プログラムを記憶した記憶媒体を提供するものである。
【0031】すなわち、本発明の第1の目的は、サーベイランス試験実施時において、試験対象系統・機器に対応する制御操作デバイス操作処理、動作表示用ランプ確認処理、サーベイランス試験進行指示入力処理および試験手順表示内容確認処理を同時かつ正確に、そして、運転員の負担を大幅に低減しながら行なうことができるサーベイランス試験装置および計算機が読取り可能な記憶媒体を提供することである。
【0032】本発明の第2の目的は、サーベイランス試験の詳細な試験手順情報を保存しておくことにより、サーベイランス試験実施中(進行中)において、運転員の要求に応じて試験詳細手順情報を表示出力することを可能にして、サーベイランス試験作業効率を向上させ、かつ運転員の負担を低減させることができるサーベイランス試験装置を提供することにある。
【0033】本発明の第3の目的は、サーベイランス試験実施中において、各ステップのサーベイランス試験手順の視認性を向上させることができるサーベイランス試験装置を提供することにある。
【0034】本発明の第4の目的は、通常のサーベイランス試験進行上において、試験対象系統・機器の操作処理および動作状況確認処理とサーベイランス試験進行指示操作処理とを簡単に並行して行なうことができ、サーベイランス試験に係る操作性を向上させることができるサーベイランス試験装置を提供することにある。
【0035】本発明の第5の目的は、プラント現場側確認項目の確認結果をサーベイランス試験装置に対して直接供給することを可能にして、伝達ミスを起こすことなくプラント現場確認情報の信頼性を向上させることができるサーベイランス試験装置を提供することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明によれば、通信ネットワークを介して互いに通信可能な複数の計算機を有しており、プラントの試験対象系統を構成する試験対象系統機器を操作して得られた当該試験対象系統機器の状態を表すプラントデータに基づいて前記試験対象系統機器の動作確認用サーベイランス試験を行なうサーベイランス試験装置において、複数のサーベイランス試験項目が順番に配列された試験手順データを記憶する試験手順データ記憶手段と、前記試験対象系統機器の動作確認用サーベイランス試験を前記試験対象系統に係わる試験手順データの試験項目に従って進行させるための指示を入力して前記通信ネットワークを介して送信する進行指示入力手段と、前記通信ネットワークを介して送信されてきた進行指示に対応する試験項目に基づくデータを前記試験対象系統機器のプラントデータに基づいて計測し、この計測データを判定することにより前記サーベイランス試験を実行し、前記計測データおよび判定結果を前記通信ネットワークを介して送信するサーベイランス試験実行手段と、前記試験対象系統に係わる試験手順データ、前記通信ネットワークを介して送信されてきた前記計測データおよび判定結果を表示する表示手段とを備え、前記サーベイランス試験実行手段を前記複数の計算機における少なくとも1台の第1の計算機に搭載し、前記進行指示入力手段および前記表示手段を、前記複数の計算機における前記第1の計算機以外の少なくとも1台の第2の計算機に搭載している。
【0037】請求項2に記載の発明において、特に前記第2の計算機は可搬型の計算機である。
【0038】請求項3記載の発明において、前記表示手段は、前記サーベイランス試験ガイド用の表示画面を有し、前記試験対象系統に係わる試験手順データにおける複数の試験項目、当該試験項目に対応する計測データおよび判定結果を前記試験ガイド用表示画面における試験手順結果表示エリア上に互いに対応付けて表示する手段である。
【0039】請求項4記載の発明において、前記進行指示入力手段は、前記サーベイランス試験ガイド用表示画面上に形成され、プラント運転員の操作により複数の進行指示を入力可能なグラフィカルな複数の操作部を備えており、前記第1の計算機は、前記プラントの試験対象系統機器のプラントデータを入力する入力手段と、前記サーベイランス試験実行手段のサーベイランス試験進行状況に応じて、当該サーベイランス試験進行状況に対応する操作部の操作要求を前記通信ネットワークを介して前記第2の計算機に送信する操作要求送信手段とを備えており、前記表示手段は、前記送信手段により送信されてきた計測データおよび判定結果を受信する受信手段と、この受信手段により受信された計測データおよび判定結果を前記試験手順結果表示エリア上に更新表示する更新表示手段と、送信されてきた操作要求に対応する操作部の表示態様を変化させる表示態様変化手段とを備えている。
【0040】請求項5記載の発明において、前記第1の計算機は、前記サーベイランス試験実行手段のサーベイランス試験実行処理前において、前記試験対象系統に係わる試験手順データにおける先頭から複数番目までの複数の試験項目を前記通信ネットワークを介して前記第2の計算機に送信する試験項目送信手段を備えており、前記表示手段は、送信された複数の試験項目を受信する試験項目受信手段と、受信された複数の試験項目を前記試験手順表示エリア上に表示する手段と、前記受信手段により受信された計測データおよび判定結果に応じて、前記サーベイランス試験実行手段により次に実行される試験項目が前記試験手順結果表示エリア上に表示された複数の試験項目に含まれるか否か判断する判断手段と、この判断手段により含まれないと判断された際に、前記試験手順表示エリア上に表示された複数の試験項目を、前記サーベイランス試験実行手段により次に処理される試験項目から複数番目までの新たな複数の試験項目に更新する更新手段とを備えている。
【0041】請求項6記載の発明において、前記試験対象系統機器を操作するための機器操作部を有する操作パネルと、この操作パネルの所定位置に設置された表示装置とをさらに備えるとともに、前記進行指示入力手段は、前記試験対象系統に係わる系統図の表示要求を入力する手段と、入力した系統図表示要求を前記通信ネットワークを介して前記第1の計算機に送信する手段とを備えており、前記第1の計算機は、前記試験対象系統に係わる系統機器および前記試験対象系統機器の動作状態を系統図として表すためのシンボルデータを記憶するシンボルデータ記憶手段と、前記進行指示入力手段により入力された系統図表示要求に応じて、前記シンボルデータ記憶手段に記憶されたデータを用いて前記試験対象系統機器の動作状態を含む前記試験対象系統の系統図を作成して前記表示装置に表示する系統図表示手段とを備えている。
【0042】請求項7記載の発明において、前記進行指示入力手段は、前記試験対象系統に係わる系統図を表示するための系統図表示要求を入力する手段と、前記試験対象系統機器のプラントデータ送信要求を入力する手段と、入力されたプラントデータ送信要求を前記通信ネットワークを介して前記第1の計算機に送信する手段とを備えており、前記第1の計算機は、前記プラントデータ送信要求に応じて前記試験対象系統機器のプラントデータを周期的に収集する手段と、収集されたプラントデータを前記通信ネットワークを介して前記第2の計算機に送信するプラントデータ送信手段と備え、前記第2の計算機は、前記試験対象系統に係わる固定の系統機器を系統図として表すための第1のシンボルデータおよび前記試験対象系統機器の動作状態を系統図として表すための第2のシンボルデータをそれぞれ記憶するシンボルデータ記憶手段と、入力された系統図表示要求に対応する第1のシンボルデータを用いて固定系統機器用の系統図を作成して表示する作成表示手段と、前記プラントデータ送信手段から送信されてきたプラントデータに対応する第2のシンボルデータに基づいて前記試験対象系統機器用の系統図を作成し、前記固定系統機器用系統図上に重畳表示する重畳表示手段とを備えている。
【0043】請求項8記載の発明において、前記進行指示入力手段は、前記サーベイランス試験実行中の試験項目の詳細手順の表示要求を入力する手段と、入力された実行中試験項目の詳細手順表示要求を前記通信ネットワークを介して前記第1の計算機に送信する手段とを備えており、前記第1の計算機は、前記試験手順データの各試験項目毎に、その各試験項目の詳細な試験手順を表すデータを記憶する試験詳細手順データ記憶手段と、前記進行指示入力手段から送信された詳細手順表示要求に対応する試験詳細手順データを前記試験詳細手順データ記憶手段から読み出し、表示用の試験詳細手順データに編集して前記通信ネットワークを介して前記第2の計算機に送信する手段とを備えるとともに、前記第2の計算機は、送信されてきた前記詳細手順表示要求に対応する表示用試験詳細手順データを表示する試験詳細手順データ表示手段を備えている。
【0044】請求項9記載の発明において、前記進行指示入力手段は、前記サーベイランス試験実行中の試験項目の試験手順の拡大表示要求を入力する手段を備えており、前記第2の計算機は、前記拡大表示要求に応じて、前記サーベイランス試験実行中の試験項目の試験手順、この試験項目に対応する計測データおよび判定結果を拡大して前記試験ガイド用表示画面全体にオーバーラップ表示する拡大表示手段を備えている。
【0045】請求項10記載の発明において、前記進行指示入力手段は、前記サーベイランス試験の進行指示を運転員の音声により入力する音声入力手段を備えている。
【0046】請求項11記載の発明において、前記第2の計算機は複数台であり、これら複数台の第2の計算機それぞれに前記進行指示入力手段および前記表示手段が搭載されているとともに、各第2の計算機は、自計算機の進行指示入力手段により試験進行指示の入力可否要求を前記通信ネットワークを介して前記第1の計算機に送信する入力可否要求送信手段を備えており、前記第1の計算機は、前記複数の第2の計算機それぞれの操作モードを記憶可能な操作モード記憶手段と、前記各第2の計算機の進行指示入力手段から送信された入力可否要求に応じて操作モード記憶手段の記憶内容を参照し、その参照結果に基づいて、前記試験進行指示入力が可能な進行指示モードを前記複数台の第2の計算機における何れか1台に設定し、この設定された1台の第2の計算機(進行指示モード計算機)の操作モードを進行指示モードとして前記操作モード記憶手段に書き込む進行指示モード設定手段と、進行指示モードを前記通信ネットワークを介して前記進行指示モード計算機に通知する第1のモード通知手段と、前記操作モード記憶手段の記憶内容参照結果に基づいて、前記進行指示計算機以外の第2の計算機の操作モードを、前記試験進行指示入力が不可で前記表示処理専用であることを表す表示モードとして前記操作モード記憶手段に書き込む表示モード設定手段と、表示モードを前記通信ネットワークを介して前記表示モードに設定された第2の計算機(表示モード計算機)に対して通知する第2のモード通知手段とを備えており、前記進行指示モード計算機は、通知された進行指示モードを記憶する第1のモード記憶手段と、記憶された進行指示モードに応じて自計算機の進行指示入力手段からの試験進行指示入力を許可する手段とを備え、前記表示モード計算機は、通知された表示モードを記憶する第2のモード記憶手段と、記憶された表示モードに応じて自計算機の進行指示入力手段からの試験進行指示入力を無効にする手段とを備えている。
【0047】請求項12記載の発明において、前記第2の計算機は少なくとも3台以上であり、これら3台以上の第2の計算機それぞれに前記進行指示入力手段および前記表示手段が搭載され、前記3台以上の第2の計算機における少なくとも1台の計算機は前記プラントの中央操作室(中操)用に割当てられ、残りの第2の計算機における少なくとも1台の計算機は前記プラント現場用に割当てられる一方、前記試験手順データの複数の試験項目には、前記プラント運転員に前記試験対象系統機器の動作状態を確認させるための確認項目が含まれ、その確認項目には、確認場所として前記中操および前記プラント現場の何れか一方を表す確認場所情報が設定されているとともに、前記各第2の計算機は、自計算機の進行指示入力手段からの試験進行指示の入力可否要求を前記通信ネットワークを介して前記第1の計算機に送信する入力可否要求送信手段を備えており、前記第1の計算機は、前記複数の第2の計算機それぞれの操作モードを記憶可能な操作モード記憶手段と、前記各第2の計算機の進行指示入力手段から送信された入力可否要求に応じて操作モード記憶手段の記憶内容を参照し、その参照結果に基づいて、前記試験進行指示入力が可能で、かつ前記中操用に割当てられたことを表す中操モードを前記3台以上の第2の計算機における何れか1台に設定し、この設定された1台の第2の計算機(中操モード計算機)の操作モードを中操モードとして前記操作モード記憶手段に書き込む中操モード設定手段と、中操モードを前記通信ネットワークを介して前記中操モード計算機に対して通知する中操モード通知手段と、前記操作モード記憶手段の記憶内容参照結果に基づいて、前記試験進行指示入力が可能で、かつ前記プラント現場用に割当てられたことを表す現場モードを前記中操モード計算機以外の複数の第2の計算機における何れか1台に設定し、この設定された1台の第2の計算機(現場モード計算機)の操作モードを現場モードとして前記操作モード記憶手段に書き込む現場モード設定手段と、現場モードを前記通信ネットワークを介して前記現場モード計算機に対して通知する現場モード通知手段と、前記操作モード記憶手段の記憶内容参照結果に基づいて、前記試験進行指示入力が不可で前記表示処理専用であることを表す表示モードを前記中操モード計算機および現場モード計算機以外の第2の計算機に対して設定し、この設定された第2の計算機(表示モード計算機)の操作モードを表示モードとして前記操作モード記憶手段に書き込む表示モード設定手段と、表示モードを前記通信ネットワークを介して前記表示モード計算機に対して通知する表示モード通知手段とを備えており、前記中操モード計算機は、通知された中操モードを記憶する中操モード記憶手段と、自計算機の進行指示入力手段における複数の操作部を介した中操側のプラント運転員からの進行指示入力を許可するとともに、前記操作要求送信手段から前記現場側確認項目に対応する操作部の操作要求が送信された際に、当該操作要求を無効にする手段とを備え、前記現場モード計算機は、通知された現場モードを記憶する現場モード記憶手段と、自計算機の進行指示入力手段における前記現場確認項目に対応する操作部以外の複数の操作部を介した現場側のプラント運転員からの進行指示入力を無効にするととともに、前記操作要求送信手段から前記現場側確認項目に対応する操作部の操作要求が送信された際に、当該操作要求を有効にして前記表示態様変化手段に通知する手段とを備え、前記表示モード計算機は、通知された表示モードを記憶する表示モード記憶手段と、記憶された表示モードに応じて自計算機の進行指示入力手段における前記複数の操作部を介した現場側のプラント運転員からの進行指示入力を無効する手段とを備えている。
【0048】請求項13記載の発明において、前記第1の計算機は、前記進行指示モード計算機が正常に動作しているか否かを判断する動作判断手段と、この動作判断手段により前記進行指示モード計算機が正常に動作していないと判断された際に、前記表示モード計算機の操作モードを前記進行指示モードに切替えるための要求を前記通信ネットワークを介して前記表示モード計算機に送信する切替要求送信手段とを備え、前記表示モード計算機は、送信されてきた切替要求に応じて前記第2のモード記憶手段に記憶された表示モードを前記進行指示モードに書替える書替手段と、書替えられた進行指示モードに応じて自計算機の進行指示入力手段からの試験進行指示入力を許可する手段とを備えている。
【0049】請求項14記載の発明において、前記各第2の計算機は、前記中操モード、現場モードおよび表示モードの内の何れか1つの操作モードを選択する操作モード選択手段を備え、前記入力可否要求送信手段は、前記選択された操作モードに基づく入力可否要求を前記通信ネットワークを介して前記第1の計算機に送信する手段である。
【0050】一方、本発明は上述した事情に考え見てなされたもので、請求項15に記載したように、通信ネットワークを介して互いに通信可能な複数の計算機を有しており、プラントの試験対象系統を構成する試験対象系統機器を操作して得られた当該試験対象系統機器の状態を表すプラントデータに基づいて前記試験対象系統機器の動作確認用サーベイランス試験を行なうサーベイランス試験装置における前記複数の計算機が読取り可能な記憶媒体であって、前記記憶媒体は、複数のサーベイランス試験項目が順番に配列された試験手順データと、前記試験対象系統機器の動作確認用サーベイランス試験を前記試験対象系統に係わる試験手順データの試験項目に従って進行させるための指示を入力して前記通信ネットワークを介して送信する処理を前記複数の計算機の内の少なくとも1台の第1の計算機に実行させるための第1のプログラムと、前記通信ネットワークを介して送信されてきた進行指示に対応する試験項目に基づくデータを前記試験対象系統機器のプラントデータに基づいて計測する処理、この計測データを判定することにより前記サーベイランス試験を実行する処理、および前記計測データおよび判定結果を前記通信ネットワークを介して送信する処理を前記複数の計算機の内の前記第1の計算機以外の少なくとも1台の第2の計算機に実行させるための第2のプログラムと、前記試験対象系統に係わる試験手順データ、前記通信ネットワークを介して送信されてきた計測データおよび判定結果を表示する処理を前記第2の計算機に実行させるための第3のプログラムとを備えている。
【0051】請求項1〜15に記載された発明によれば、例えば可搬型の第2の計算機に搭載された進行指示入力手段から入力された試験進行指示は、通信ネットワークを介して第1の計算機に送られる。第1の計算機に搭載されたサーベイランス試験実行手段により、送信された進行指示に対応する試験項目に基づくデータが計測され、計測データが判定されることによりサーベイランス試験が実行される。そして、得られた計測データおよび判定結果は、通信ネットワークを介して第2の計算機に送信される。
【0052】このとき、第2の計算機の表示手段により、試験対象系統に係わる試験手順データ、送信されてきた計測データおよび判定結果が表示される。
【0053】すなわち、請求項1〜15に記載された発明によれば、サーベイランス試験装置を、有線や無線の通信ネットワークを介して互いに通信可能な複数の第1および第2の計算機を用いて構築し、上記サーベイランス試験装置に含まれる複数の機能において、サーベイランス試験の進行指示を入力して送信する機能、および試験手順データ、計測データおよび判定結果を表示する機能を、前記進行指示に基づいてサーベイランス試験を実行してその結果(計測データおよび判定結果)を送信する機能(サーベイランス試験実行機能)から分離して、当該サーベイランス試験実行機能を搭載する第1の計算機とは別個の第2の計算機に搭載することができる。
【0054】したがって、第2の計算機を可搬型にすることが可能であり、サーベイランス試験時において、試験対象系統機器を操作して動作させる操作パネルにおける対応する機器操作部の近傍へ第2の計算機を配置することができる。
【0055】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態について図面を参照して具体的に説明する。
【0056】なお、各実施形態において、従来例で説明したサーベイランス試験装置100の構成要素と共通する部分については、同一符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0057】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第1の実施の形態に係るサーベイランス試験装置の機能ブロック構成を概略的に示す図であり、図2は、図1に示すサーベイランス試験装置のハードウエア構成および各ハードウエア構成要素の接続関係を示す図である。
【0058】図1および図2に示すように、サーベイランス試験装置1は、プラントPを監視するプラント監視システムの一部として構成されており、プラントPの試験対象系統機器を含む現場機器(試験対象系統・機器)104を操作する機能を有する制御盤・操作パネル2と、この制御盤・操作パネル2からハードウエア的に分離独立された可搬型計算機システム(可搬型端末;例えばモバイル用のノートパソコン等)として構成されており、運転員(プラント現場側の運転員)に対する試験手順のガイド表示機能、試験結果表示機能および運転員の操作に基づくサーベイランス試験進行指示(指示コマンド;以下、単に指示ともいう)入力機能をそれぞれ有する試験手順表示装置(クライアント)3と、試験対象系統機器(現場機器)104からのプラントデータ入力機能およびサーベイランス試験実行機能を有し、試験手順表示装置3から入力されたサーベイランス試験進行指令(クライアントからの要求)に応じてサーベイランス試験を実行し、かつその試験進行を制御する計算機システム(サーベイランスサーバ)4とを備えている。
【0059】そして、サーベイランス試験装置1は、分散配置された試験手順表示装置3およびサーベイランスサーバ4を、有線LANあるいは無線LAN等の通信ネットワーク5を介して互いに通信可能に接続することにより、分散型計算機システム(分散ネットワークシステム)として構築されている。
【0060】なお、通信ネットワーク5を介した分散ネットワーク環境においては、試験手順表示装置3およびサーベイランスサーバ4は、それぞれ互いに識別可能なネットワークアドレスを有しており、各試験手順表示装置3およびサーベイランスサーバ4は、送信先のネットワークアドレスを指定して、対応する送信先の装置へ情報を送信可能になっている。
【0061】図3は、本実施形態のサーベイランス試験装置1の機器配置イメージ(外観イメージ)を示すものである。図3に示すように、サーベイランス試験装置1の制御盤・操作パネル2は、プラントPを集中監視するためのプラントの中央操作室(中操)に設置されており、前掲図28に示す制御盤・操作パネル101と同様に長手方向の長さが約8mの卓型構成を有している。
【0062】すなわち、制御盤・操作パネル2は、緊急時対応機器の動作状況を運転員が立位姿勢で確認できる例えば動作状況表示ランプが例えば各系統毎に配設された表示エリア2aと、緊急時対応機器動作用の制御操作デバイスである例えば制御操作SWが対応する動作状況表示ランプの設置位置に応じて配設された操作パネル2bとを備えている。
【0063】このとき、本実施形態の試験手順表示装置3は可搬型であるため、運転員は、例えば手に持って試験手順表示装置3を持ち運ぶことにより、図3に示すように、中操内の任意の位置、すなわち制御盤・操作パネル2における任意の制御操作SWおよび動作表示用ランプの近傍に上記試験手順表示装置3を配置させることができる。
【0064】試験手順表示装置(計算機システム)3は、CPU等の演算処理回路を有し、試験手順ガイド表示処理、試験結果表示処理およびサーベイランス試験進行指令送信処理等を実行するコンソール制御部10と、このコンソール制御部10およびサーベイランスサーバ4の後述するサーバデータ通信部間のデータ送受信(通信)に関するインタフェース処理を行なう通信インタフェースを含むデータ通信部11と、コンソール制御部10の演算制御処理実行用のプログラムおよび予め画面レイアウトが設定された試験手順ガイド表示用画面ファイルIFを記憶し、かつコンソール制御部10の演算結果等を記憶可能な記憶部(メモリ)12と、サーベイランス試験手順、サーベイランス試験結果等の情報を表示出力するための表示デバイスとしての表示部13と、例えば表示部13の表示画面に形成された後述する試験進行指示に係わる各種PB、およびこれら各種PBを運転員の操作により押圧(クリック)するための例えばキーボード、ポインティングデバイス(マウス・トラックボール等)の入力装置を含む試験進行指示入力用の試験進行指示部14とを備えている。
【0065】表示部13および試験進行指示部14を含む試験手順表示装置13は、試験進行制御機能を有するサーベイランスサーバ4に対するコンソールを構成しており、制御部(コンソール制御部)10は、表示部13および試験進行指示部14と協調してGUI機能を実行可能になっている。
【0066】すなわち、コンソール制御部10は、表示部13および試験進行指示部14と協調したGUI処理により、サーベイランス試験開始に応じて上記試験ガイド表示用画面ファイルIFに基づいて、所定の画面表示エリアから構成された試験ガイド表示画面Iを表示部13に表示し、サーベイランスサーバ4からデータ通信部11を介して送信された試験手順データ、計測結果データおよび判定結果データ等を試験ガイド表示画面Iにおける対応する表示エリアに更新表示するようになっている。
【0067】また、サーベイランスサーバ4は、例えば外部機器インタフェース、A/D変換器およびデータ記憶バッファ等をそれぞれ有しており、プラントP内の弁やポンプ等の現場機器(系統機器)104に取り付けられたセンサSにより検出された現場機器104の動作状態を表すプラントデータを高速周期で入力し、ディジタル型のプラントデータDとして記録するプラントデータ入力部20と、複数の試験手順データを記憶する例えばデータベース等の試験手順データ記憶部21と、CPU等の演算処理回路およびプログラム・データ記憶用のメモリを有し、プラントデータ入力部20に保持されたプラントデータを入力する処理、試験手順データ記憶部21に記憶された試験手順データおよび入力されたプラントデータに基づくサーベイランス試験実行処理およびサーベイランス試験の進行を制御する処理を上記プログラムに従って行なう試験進行制御部22と、試験手順表示装置3のデータ通信部11およびサーベイランスサーバ4の試験進行制御部22間のデータ送受信(通信)に関するインタフェース処理を行なうサーバデータ通信部23とを備えている。
【0068】試験手順データ記憶部21には、図4に示すように、複数の試験対象系統機器の試験手順をそれぞれ表す複数の試験手順データD1(試験番号1)〜DN(試験番号N)が統合化されて記憶されている。
【0069】各試験手順データD1〜DN(図4においては、試験手順データD1のデータ構造のみ示しているが、他のデータ構造も同様である)には、図4に示すように、対応する試験対象系統に対する複数の試験手順を表す情報(試験手順情報)がシーケンシャルに配列された状態で記憶されている。
【0070】複数の試験手順情報は、それぞれ試験項目(試験ステップ)としてステップ番号が割当てられ、その試験ステップ番号毎にシーケンシャルに配列されており、各試験手順情報{第1試験手順情報(第1試験ステップ)、第2試験手順情報(第2試験ステップ)、・・・}は、上記試験ステップ番号(ステップ:no{1}等)、その試験ステップ番号の試験名(例えば、“弁開閉確認1等)および自試験ステップから他の試験ステップへ処理をスキップさせる際のスキップ先のステップ番号等を含むステップ情報(“、スキップ先ステップ={6};{}内の数字がスキップ先のステップ番号を表し、空欄の場合にはスキップが不可能であることを表す)、および具体的な複数の試験手順(複数の試験サブステップ)を有している。
【0071】複数の試験サブステップは、それぞれサブステップ番号が割当てられており、そのサブステップ番号毎に、試験対象系統機器に対する試験内容(例えば、F001 CSP側吸込弁→全開)、試験種別を表す情報(例えば、注釈文(コメント)を表す“コメント”、実際の試験対象系統機器の動作状態計測動作を表す“計測”、運転員による試験対象系統機器の確認操作を表す“運転員確認”等)、対応する試験対象系統機器のID(例えば、装置=“F001)および試験種別が“計測”の際の計測結果判定基準を表す情報(例えば、全開であれば正常であることを表す“判定=全開”等を有している。
【0072】また、図5は、表示部13に表示された試験ガイド表示画面Iの画面レイアウトの一例を示す図である。図5に示す試験ガイド表示画面Iは2つの表示エリアA1、A2に分割されており、画面向かって左側の表示エリアA1は、試験進行制御部22による試験手順/結果表示エリアである。そして、この試験手順/結果表示エリアA1は、異なる3つの表示エリア、すなわち、試験手順を表示するための試験手順表示エリアA1a、計測データを表示するための計測データ表示エリアA1bおよび計測データの判定結果を表示するための判定結果表示エリアA1cにより構成されている。
【0073】一方、画面向かって右側の表示エリアA2は、運転員の操作により試験進行に必要な指示を入力する機能、および運転員に対して試験進行指示入力操作を要求する機能を有する複数のグラフィカルなPB(プッシュボタン)が設定されたコンソール表示エリアである。
【0074】すなわち、コンソール表示エリアA2には、“試験開始”指示用の試験開始PB(PB1)と、“試験終了”指示用の試験終了PB(PB2)と、試験対象系統およびその系統に対する試験内容をそれぞれ選択できるウインドウ(系統・試験選択操作用ウインドウ)の表示指示用のPB(“系統・試験選択”PB)(PB3)とがそれぞれ形成されている。
【0075】さらに、コンソール表示エリアA2には、試験進行を指示するための試験進行指示用PBとして、現在の実行中の試験ステップを他の試験ステップにスキップさせる指示を行なうためのPB(“スキップPB”)(PB4)と、実行中の試験ステップをカウントダウン(実行中の試験ステップ番号が“X”なら、“X−1”の試験ステップに移行)させる指示を行なうためのPB(“ステップ後進”PB)(PB5)と、実行中の試験ステップをカウントアップ(実行中の試験ステップ番号が“X”なら、“X+1”の試験ステップに移行)させるためのPB(“ステップ進行”PB)(PB6)と、運転員に対して確認動作を要求するためのPB(“運転員確認”PB)(PB7)とがそれぞれ形成されている。
【0076】図6は、運転員が“系統・試験選択”PB3を操作(押圧)した際に、試験ガイド表示画面I上にオーバーラップ表示される系統・試験選択操作用ウインドウWを示す図である。
【0077】図6によれば、系統・試験選択操作用ウインドウWには、プラントPに係わるサーベイランス試験対象となる全ての系統をスクロールにより表示可能であり、運転員の入力機器操作により所望の試験対象系統を選択可能な試験対象系統表示選択エリアWA1と、この試験対象系統表示選択エリアWA1により選択された試験対象系統毎に、その選択試験対象系統に係わる全てのサーベイランス試験を表示可能であり、運転員の入力機器操作により所望の試験(試験名称)を選択可能な試験表示選択エリアWA2と、サーベイランス試験対象系統およびサーベイランス試験内容を、試験対象系統表示選択エリアWA1および試験表示選択エリアWA2でそれぞれ選択された試験対象系統および試験名称に確定するための選択確定PB(PB10)と、この選択確定PB10操作による選択確定状態をキャンセルするキャンセルPB(PB11)とがそれぞれ形成されている。
【0078】次に、本実施形態のサーベイランス試験装置1の全体動作について、特に、サーベイランスサーバ4内に存在し、サーベイランス試験装置1の中心的な役割を担う試験進行制御部22の処理動作および関連する試験手順表示装置3の動作を中心に説明する。
【0079】本実施形態においては、サーベイランス試験装置1起動時(試験手順表示装置3およびサーベイランスサーバ4起動時)において、試験手順表示装置3の表示部13には、コンソール制御部10の処理により図5R>5に示す試験ガイド表示画面Iが表示されている。
【0080】サーベイランス試験を実行する際に、運転員は、サーベイランス試験対象系統および試験内容を設定するため、試験進行指示部14の入力装置を操作して試験ガイド表示画面I上のコンソール表示エリアA2における“系統・試験選択”PB3を押圧(クリック)する。コンソール制御部10は、試験進行指示部14の入力装置操作によりクリックされた“系統・試験選択”PB3に基づく要求に応じて、図6に示す系統・試験選択操作用ウインドウWを表示部13に表示する。
【0081】運転員は、試験進行指示部14の入力装置を操作して、系統・試験選択操作用ウインドウW上の試験対象系統表示選択エリアWA1および試験表示選択エリアWA2から所望の試験対象系統{例えば、XXXX(X22)系統}および試験名称(例えば、XXXX全開全閉試験)をそれぞれ選択・確定する。
【0082】そして、運転員は、選択確定された試験対象系統および試験名称に基づくサーベイランス試験を実行するために、試験進行指示部14の入力装置を操作してコンソール表示エリアA2における“試験開始”PB1をクリックする。この“試験開始”PB1クリックに応じて、試験開始指令が上記試験対象系統および試験名称に対応する試験番号とともにコンソール制御部10に送信される。
【0083】試験手順表示装置3のコンソール制御部10は、送信されてきた試験開始指令および試験番号を受信する。そして、コンソール制御部10は、受信した試験開始指令および試験番号に対応する試験対象系統名および試験名称を選択して表示部13に通知することにより試験手順表示処理の開始指示を行なう。
【0084】上記試験手順表示処理の開始指示と同時に、コンソール制御部10は、運転員に選択された試験対象系統および試験名称に対応する試験開始指令および試験番号をデータ通信部11および通信ネットワーク5を介してサーベイランスサーバ4のサーバデータ通信部23に送信する。サーベイランスサーバ4のサーバデータ通信部23は、送信されてきた試験開始指令および試験番号を試験進行制御部22に送信する。
【0085】このとき、運転員は、試験手順表示装置3を持ち運んで、制御盤・操作パネル2における自らが選択した試験対象系統に対応する動作状況表示ランプおよび制御操作SWの近傍に設置する。
【0086】一方、試験進行制御部22は、その試験進行制御部22のメモリに記憶されたプログラムに従って、図7および図9〜図11に示す処理を行なう。
【0087】すなわち、試験進行制御部22は、初期処理として、送信された試験開始指令および試験番号に応じて、試験手順データ記憶部21に記憶された複数の試験手順データの中から、対応する試験番号の試験手順データDK(1≦K≦N)を読み出し(図7;ステップS1)、実行中の試験ステップ番号を表す変数(実行試験ステップ変数)を“0”に初期化し(実行試験ステップ変数=0)(ステップS2)、読み出した試験手順データDKを編集して、試験ガイド表示画面Iの試験手順表示エリアA1aに表示できる複数の試験ステップ[例えば、図5に示すように、ステップ番号1の試験ステップ{以下、試験ステップ(1)とする}〜ステップ番号5の試験ステップ(5)]から構成された試験手順表示データDK1を作成する(ステップS3)。そして、試験進行制御部22は、作成した試験手順表示データDK1および運転員の試験進行操作を促すための“ステップ進行”PB6のフリッカ要求をサーバデータ通信部23、通信ネットワーク5および試験手順表示装置3のデータ通信部11を介してコンソール制御部10に送信する(ステップS4)。
【0088】このとき、コンソール制御部10は、記憶部12に記憶されたプログラムに従って図8、図12および図13に示す処理を行なう。
【0089】すなわち、コンソール制御部10は、試験手順表示データDK1および“ステップ進行”PB6フリッカ要求が送信されてくると、試験手順表示データDK1に基づく複数の試験手順を表示部13の試験ガイド表示画面Iにおける試験手順表示エリアA1aに表示する(図8;ステップS51)。
【0090】次いで、コンソール制御部10は、“ステップ進行”PB6フリッカ要求に応じてコンソール表示エリアA2の“ステップ進行”PB6をフリッカ表示させ(ステップS52)、運転員から“ステップ進行”指示が行なわれたか否か判断し(ステップS53)、運転員から“ステップ進行”指示が行なわれるまで上記判断を繰り返す(ステップS53→NO(図中では“N”と略記する)。
【0091】このとき、運転員は、“ステップ進行”PB6のフリッカ表示を視認し、試験進行指示部14を操作して、コンソール表示エリアA2における複数の試験進行PB(PB4〜PB7)の中から所望のPBをクリックする。今、実行試験ステップ変数=0であるから、運転員は、試験手順データDKの最初の試験ステップ(試験ステップ(1))を実行させるために、コンソール表示エリアA2の“ステップ進行”PB6をクリックする。
【0092】何れかの試験進行PB4〜PB7のクリックにより送信されてきた試験進行指示がコンソール制御部10に送信されてくると、ステップS53の判断はYES(図中では“Y”と略記する)となり、コンソール制御部10は、送信されてきた試験進行指示をデータ通信部11、通信ネットワーク5およびサーバデータ通信部23を介して試験進行制御部22に送信する(ステップS54)。
【0093】このとき、試験進行制御部22は、コンソール制御部10から試験進行指示が送信されてくるか否か判断しており(ステップS5)、試験手順表示装置3のコンソール制御部10から試験進行指示が送信されてくるまで上記判断を繰り返す。なお、図中の“T/D”は、タイムディレイを表している。
【0094】上記コンソール制御部10のステップS54の処理によりコンソール制御部10から試験進行指示が送信されてくると、ステップS5の判断はYESとなり、試験進行制御部22は、送信されてきた試験進行指示の種別を判別する(ステップS6)。上述したように、運転員は“ステップ進行”PB6をクリックしているため、試験進行制御部22は、送信されてきた試験進行指示を“ステップ進行”と判別し(ステップS6→“ステップ進行”)、試験進行制御部22は、現在実行中の試験ステップが存在するか否か(すなわち、実行試験ステップ変数>0か否か)を判断する(ステップS7)。
【0095】今、実行試験ステップ変数=0であるため、ステップS7の判断はNOとなり、試験進行制御部22は、実行試験ステップ変数を“1”インクリメントして、実行する試験ステップを試験ステップ(1)に設定し(「実行試験ステップ変数=実行試験ステップ変数+1」;ステップS8)、全試験ステップが完了したか否かを判断する(ステップS9)。
【0096】図5に示すように、試験手順データDKに含まれる試験ステップは少なくとも5以上であるから、ステップS9の判断の結果はNOとなり、試験進行制御部22は、実行試験ステップ、すなわち試験ステップ(1)の試験手順が試験ガイド表示画面I上に表示されているか否か判断する(ステップS10)。図5に示すように、試験ステップ(1)の試験手順は試験ガイド表示画面Iの試験手順表示エリア上に表示されているためステップS10の判断はYESとなり、試験進行制御部22は、試験ステップ(1)における実行中のサブステップ番号を表す実行サブステップ変数を“1”に設定し(ステップS11)、実行サブステップ変数1に対応する試験サブステップ(第1サブステップ)の種別を判別する(図9;ステップS12)。
【0097】図6に示すように、第1サブステップの種別は“コメント”であるため(ステップS11→“コメント”)、試験進行制御部22は、実行サブステップ変数を“1”カウントアップし(ステップS13)、全試験サブステップが完了したか否かを判断する(ステップS14)。
【0098】今、“1”カウントアップされたサブステップ変数は“2”であり、図5に示すように、試験ステップ(1)に含まれる試験サブステップは、第1サブステップ〜第4サブステップまで存在するため、ステップS14の判断の結果はNOとなり、試験進行制御部22は、ステップS12の処理に戻り、以下、カウントアップされたサブステップ変数(2)に対応する試験サブステップ(第2サブステップ)の種別の判別処理を行なう。
【0099】図5に示すように、第2サブステップの種別は“計測”であるため(ステップS12→“計測”)、試験進行制御部22は、計測判定処理が完了したか否か判断する(ステップS15)。
【0100】このとき、運転員は、試験手順表示装置3の試験手順表示エリアA1aに表示された第2サブステップの装置情報(系統機器ID:F001)および試験内容(F001 CSP側吸込弁→全開)に基づいて、操作パネル2における試験対象系統に対応する制御操作SWを操作して、試験対象系統機器(F001 CSP側吸込弁)を動作させる。
【0101】ステップS15の判断の結果NO(計測判定が未完了)の場合、試験進行制御部22は、上記運転員の制御操作SW操作に応じて動作した試験対象系統機器(F001 CSP側吸込弁)のプラントデータD(F001)を入力し(ステップS16)、入力したプラントデータD(F001)に基づいて対応する系統機器(F001 CSP側吸込弁)の状態を計測する(ステップS17)。
【0102】次いで、試験進行制御部22は、計測された系統機器(F001 CSP側吸込弁)の状態(計測データ値)が正常であるか否かを第2サブステップの判定情報(全開)に従って判定する(ステップS18)。
【0103】このとき、系統機器(F001 CSP側吸込弁)の計測データ値が正常(“OK”)であれば(ステップS18→YES)、試験進行制御部22は、計測判定処理の完了をサブステップ番号に対応付けて記憶部12に記憶し(ステップS19)、計測値およびサブステップ判定結果を、サーバデータ通信部23、通信ネットワーク5およびデータ通信部11を介して周期的にコンソール制御部10に送信して(ステップS20)、ステップS13の処理に移行する。
【0104】一方、試験手順表示装置3のコンソール制御部10は、送信されてきた計測データ値および判定結果を、試験ガイド表示画面Iの計測データ表示エリアA1b上および判定結果表示エリアA1c上において、対応する第2サブステップ手順と並ぶようにそれぞれ表示する(ステップS55)。
【0105】このようにして、試験進行制御部11は、ステップS13の処理においてカウントアップされた実行サブステップ変数が試験ステップ(1)の最終サブステップ番号に一致しない間、すなわち、全サブステップの処理が未完了の間、ステップS12で判別されたサブステップの“種別”に基づく試験を実行する。
【0106】例えば、試験ステップ(1)の第4サブステップの種別は“運転員確認”であるため(ステップS12→“運転員確認”)、試験進行制御部22は、運転員が確認処理を完了したか否か判断し(ステップS21)、この判断の結果NO、すなわち、対応サブステップ(第4サブステップ)が運転員の確認処理が未完了であるサブステップである場合においては、運転員の操作を促すための“運転員確認”PB7のフリッカ要求、および運転員未確認を表す“!”マーク表示要求をサーバデータ通信部23、通信ネットワーク5およびデータ通信部11を介してコンソール制御部10に送信する(ステップS22)。
【0107】試験手順表示装置3のコンソール制御部10は、“運転員確認”PB7フリッカ要求および未確認“!”マーク表示要求が送信されてくると、その要求に応じてコンソール表示エリアA2の“運転員確認”PB7をフリッカ表示させるとともに、未確認“!”マークを、試験ガイド表示画面Iの計測データ表示エリアA1b上における対応する第4サブステップ手順と並ぶ位置に表示する(ステップS56)。
【0108】そして、コンソール制御部10は、運転員から“運転員確認”PB7が操作されたか否か判断し(ステップS57)、運転員が“運転員確認”PB7を操作するまで上記判断を繰り返す(ステップS57→NO)。
【0109】このとき、運転員は、“運転員確認”PB7のフリッカ表示を視認し、対応する系統機器(F003)の状態(全開か否か)を、操作パネル2における系統機器(F003)の動作状態表示ランプ等に基づいて確認し、確認結果を含む確認通知を、試験進行指示部14を操作してコンソール制御部10に送る。
【0110】試験進行指示部14から確認通知が送られると、ステップS57の判断はYESとなり、コンソール制御部10は、確認通知を、データ通信部11、通信ネットワーク5およびサーバデータ通信部23を介して試験進行制御部22に送信する(ステップS58)。
【0111】このとき、試験進行制御部22は、ステップS22の送信処理後、試験手順表示装置3から確認通知が送信されてきたか否か判断しており(ステップS23)、この判断の結果未送信の場合には(ステップS23→NO)、上記判断を繰り返し行なう。
【0112】一方、コンソール制御部10のステップS58の処理により確認通知が送信されてくると(ステップS23→YES)、試験進行制御部22は、送信された確認通知に応じて、確認結果をサブステップ番号と対応付けて記憶部12に記憶し、上記計測データ表示エリアA1bにおける未確認“!”マークを、“運転員確認済み”の内容を表すマークに更新するための要求(判定結果表示更新要求)を、サーバデータ通信部23、通信ネットワーク5およびデータ通信部11を介してコンソール制御部10に送信し(ステップS24)、ステップS13の処理に移行する。
【0113】コンソール制御部10は、送信されてきた判定結果表示更新要求に応じて、計測データ表示エリアA1b上に表示された未確認“!”マークを、“運転員確認済み”を表すマークに更新表示する(ステップS59)。
【0114】上述した試験進行制御部11の各サブステップに対する処理により、ステップS13の処理においてカウントアップされた実行サブステップ変数が試験ステップ(1)の最終サブステップ番号に一致すると、全サブステップの処理が完了したことになり、試験進行制御部11のステップS14の処理はYESとなる。
【0115】ステップS14の判断がYESとなると、試験進行制御部22は、記憶部12に記憶されたサブステップ番号に対応する判定結果・確認結果を参照して全サブステップに基づく試験結果(判定結果・確認結果)が正常であるか否かを判断し(ステップS25)、この判断の結果、正常の場合には(ステップS25→YES)、試験進行制御部11は、実行試験ステップ(1)の試験が正常に終了したことを運転員に通知するための正常終了マーク(例えば“OK”)表示要求、および次の試験ステップへ進むことが可能であることを運転員へ促すための“ステップ進行”PB6フリッカ要求をサーバデータ通信部23、通信ネットワーク5およびデータ通信部11を介してコンソール制御部10に送信し(ステップS26)、ステップS5の処理に移行する。一方、ステップS25の判断の結果、正常でない場合には(ステップS25→NO)、試験進行制御部11は、直接ステップS6の処理に移行する。
【0116】一方、コンソール制御部10は、ステップS26の処理により送信されてきた正常終了マーク表示要求に応じて、正常終了マーク“OK”を、試験ガイド表示画面Iの判定結果表示エリアA1c上において、対応する試験ステップ(1)の試験手順に並ぶように表示し(ステップS60)、ステップS52の“ステップ進行”PBフリッカ表示処理に移行する。
【0117】上述したコンソール制御部10のステップS52〜S54の処理により、コンソール制御部10から試験進行指示(例えば、その種別が“ステップ進行”の試験進行指示)が送信されてくると、試験進行制御部22は、ステップS6の判別処理を介して(ステップS6→“ステップ進行”)、ステップS7の処理に移行する。
【0118】今、現在の実行試験ステップ変数は“1”であるため、ステップS7の判断はYESとなり、試験進行制御部22は、実行試験ステップ判定が確定しているか否か判断する(ステップS27)。現実行試験ステップ(1)の判定は“OK”で確定しているためステップS27の判断はYESとなり、試験進行制御部22は、ステップS8で実行試験ステップ変数を“2”にインクリメントし、ステップS9〜ステップS10の処理を経由して(ステップS9→NO、ステップS10→YES)、上述した試験ステップ(2)の全ての試験サブステップの試験を実行する。
【0119】このように、試験進行制御部22は、現実行試験ステップ(全試験サブステップ)の試験を実行した後、“ステップ進行”PB6のフリッカ表示に応じて運転員から、種別が“ステップ進行”の試験進行指示が送信されてくると、この“ステップ進行”の試験進行指示に応じて実行試験ステップを“1”ずつインクリメントし、インクリメントされた実行試験ステップ(全試験サブステップ)に対応する試験を行なうようになっている。
【0120】一方、例えばステップS26の処理に基づいて“ステップ進行”PB6がフリッカ表示されている際に、運転員が、次に実行する試験ステップを、次の(+1インクリメントした)試験ステップではなく、他の試験ステップへ移行させたいと考えた場合、運転員は、“ステップ進行”PB6ではなく、“スキップ”PB4をクリックする。
【0121】コンソール制御部10のステップS52〜S54の処理により、種別“スキップ”の試験進行指示が試験進行制御部22に送信されてくると、ステップS6の処理は(ステップS6→“スキップ”)となり、試験進行制御部22は、スキップ可能か否か、すなわち、現実行試験ステップ(例えば、試験ステップ(3))に対応する試験手順におけるスキップ情報として、スキップ先の試験ステップ番号が設定されているか否か判断する(ステップS28)。
【0122】現実行試験ステップが例えば試験ステップ(1)、(2)等であれば、図4に示すように、スキップ先の番号は設定されていないため、ステップS28の判断はNO(スキップ不可能)となり、試験進行制御部22は、ステップS8に移行して、現実行試験ステップ変数を“1”インクリメントし、上述した“ステップ進行”と同様の処理を行なう。
【0123】一方、現実行試験ステップが例えば試験ステップ(3)等であれば、図4に示すように、スキップ先の番号は{6}、すなわち試験ステップ番号6に設定されているため、ステップS28の判断はYES(スキップ可能)となり、試験進行制御部22は、現実行試験ステップ変数を、スキップ先の試験ステップ番号(6)に設定して(「実行試験ステップ変数=スキップ先ステップ番号」;ステップS29)、ステップS10の処理を経由して(ステップS10→YES)ステップS11の処理に移行し、スキップ先ステップ番号(6)に対応する試験ステップ(6)の試験サブステップの試験を実行する。
【0124】また、例えばステップS26の処理に基づいて“ステップ進行”PB6がフリッカ表示されている際に、運転員が、次に実行する試験ステップを、次の(+1インクリメントした)試験ステップではなく、“1”デクリメントした試験ステップ、すなわち、前回の試験ステップへ移行させたいと考えた場合、運転員は、“ステップ進行”PB6ではなく、“ステップ後進”PB5をクリックする。
【0125】このとき、コンソール制御部10のステップS52〜S54の処理により、種別“ステップ後進”の試験進行指示が試験進行制御部22に送信されてくると、ステップS6の処理は(ステップS6→“ステップ後進”)となり、試験進行制御部22は、現実行試験ステップ変数(M)を“1”デクリメントして実行する試験ステップを試験ステップ(M−1)に設定し(「実行試験ステップ変数=実行試験ステップ変数−1」;ステップS30)、ステップS10の処理を経由して(ステップS10→YES)ステップS11の処理に移行し、“1”デクリメントされたステップ番号(M−1)に対応する試験ステップ(M−1)の試験サブステップの試験を再度(繰り返し)実行する。
【0126】さらに、上述したように試験ステップ番号毎に順次サーベイランス試験が実行されていき、上述したステップS8やステップS29で新たに設定された実行試験ステップ(X)に対応する試験手順が、試験ガイド表示画面Iの試験手順表示エリアA1aに表示された複数の試験手順の中に含まれない場合、すなわち、実行試験ステップの試験手順が試験ガイド表示画面Iの試験手順表示エリアA1aに表示されていない場合には(ステップS10→NO)、試験進行制御部22は、新たに設定された実行試験ステップ(X)を含む、この新設定実行試験ステップ(X)以降の試験手順表示エリアA1aに表示できる複数の実行試験ステップ{実行試験ステップ(X)、実行試験ステップ(X+1)、実行試験ステップ(X+2)、・・・}から構成された試験手順表示データDK2を作成し(ステップS31)、作成した試験手順表示データDK2を含む試験手順要求をサーバデータ通信部23、通信ネットワーク5および試験手順表示装置3のデータ通信部11を介してコンソール制御部10に送信し(ステップS32)、ステップS11の処理に移行する。
【0127】コンソール制御部10は、上記ステップS51〜60の処理と並列的に試験手順表示更新要求が送信されてきたか否か判断しており(ステップS61)、試験手順表示更新要求が送信されてくると(ステップS61→YES)、送信されてきた試験手順表示更新要求に含まれる試験手順表示データDK2に基づく複数の試験手順を試験ガイド表示画面Iにおける試験手順表示エリアA1aに更新表示する(図12;ステップS62)。
【0128】この結果、運転員は、試験手順表示装置3の試験手順表示エリアA1aを見ることにより、常に対応するサブステップ・ステップを含む試験手順を確認することができる。
【0129】一方、ステップS7の処理後、すなわち、運転員から“ステップ進行”PBが選択された際において、現実行試験ステップの判定が確定していない場合には(ステップS27→NO)、試験進行制御部22は、試験不良を運転員が判断し、試験進行指示を行なったものと認識して、現試験実行ステップの試験判定結果が不良であることを表すマーク“NG”表示要求を、サーバデータ通信部23、通信ネットワーク5およびデータ通信部11を介してコンソール制御部10に送信する(ステップS33)。
【0130】コンソール制御部10は、上記ステップS51〜60の処理、およびステップS61〜62の処理と並列的にマーク“NG”表示要求が送信されてきたか否か判断しており(図13;ステップS63)、マーク“NG”表示要求が送信されてくると(ステップS63→YES)、対応するマーク“NG”を判定結果表示エリアA1cにおける対応する実行試験ステップの試験手順に並ぶように表示する(ステップS64)。
【0131】この結果、運転員は、試験手順表示装置3の判定結果表示エリアA1cを見ることにより、対応する試験ステップの試験不良(試験結果判定不良)を確認することができる。
【0132】以上述べたように、本実施形態のサーベイランス試験装置1によれば、サーベイランス試験の試験手順をガイド表示する機能、サーベイランス試験の試験結果(計測データや、計測データの判定結果等)を表示する機能および運転員の操作による試験進行指示入力機能を、サーベイランス試験装置1のプラントデータ入力機能およびサーベイランス試験実行機能から分離することにより、これら分離した試験手順ガイド表示機能、試験結果表示機能および試験進行指示入力機能を、試験対象系統機器に対する実際の制御操作用および試験対象系統機器の動作状態表示用の操作パネル2とは独立のハードウエア端末である試験手順表示装置3に搭載することができる。
【0133】したがって、上記プラントデータ入力機能およびサーベイランス試験実行機能をサーベイランスサーバ4に搭載し、上記試験手順表示装置3およびサーベイランスサーバ4を通信可能に通信ネットワーク5で接続することにより、サーベイランス試験を実行可能なサーベイランス試験装置1を構築することができる。
【0134】また、本実施形態のサーベイランス試験装置1によれば、試験手順表示装置3として、操作パネル2とは独立のハードウエア端末を用いることができるため、この試験手順表示装置(ハードウエア端末)3を、例えばラップトップパソコン等の可搬型ハードウエア端末とすることができる。したがって、試験手順表示装置3を、試験対象系統に対応する操作パネル2の制御操作デバイスおよび動作表示用ランプの近傍に設置することができる。
【0135】この結果、運転員は、試験手順表示装置3に表示された試験手順表示内容の確認処理、サーベイランス試験進行指示入力処理、制御操作デバイス操作処理および動作表示用ランプ確認処理を非常に容易に略同時に行なうことができる。
【0136】したがって、サーベイランス試験装置1の操作性およびサーベイランス試験効率を大幅に向上させることができ、運転員の上記試験手順表示内容の確認処理、サーベイランス試験進行指示入力処理、制御操作デバイス操作処理および動作表示用ランプ確認処理にかかる負担を大幅に低減することができる。
【0137】さらに、本実施形態のサーベイランス試験装置1によれば、上述したように、試験手順表示装置3を、操作パネル2における対応する試験対象系統の動作表示用ランプの近傍に設置することができるため、試験手順表示装置3に表示された試験手順と動作表示用ランプとを容易に略同時に視認することができる。
【0138】そして、本実施形態のサーベイランス試験装置1によれば、上述したように、試験手順表示装置3を、操作パネル2における試験対象系統に対応する制御操作デバイスおよび動作表示用ランプの近傍に設置することができるため、運転員は、試験手順表示装置3を介した視認処理および操作指示入力処理と操作パネル2を介した制御操作入力処理および動作状態視認処理とを、頻繁に移動することなく略同一の位置で実行することができる。したがって、運転員の上記各処理を実行する際に要する負担をさらに低減することができる。
【0139】(第2の実施の形態)図14は、本発明の第2の実施の形態に係わるサーベイランス試験装置の機能ブロック構成を概略的に示す図である。なお、図14に示すサーベイランス試験装置において、第1実施形態のサーベイランス試験装置(図1参照)と略同等の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0140】図14に示すサーベイランス試験装置1Aにおいて、制御盤・操作パネル2Aは、第1実施形態で説明した構成に加えて、図3に示す表示エリア2a内の所定位置に配置された系統図等を表示するための表示装置30を有しており、サーベイランスサーバ4Aは、第1実施形態で説明した構成に加えて、サーベイランス試験対象系統に係わる系統図を制御盤・操作パネル2Aの表示装置30に表示するための処理を行なう系統図表示部31を有している。そして、図14に示すサーベイランスサーバ4Aの試験進行制御部22Aは、第1実施形態で説明した処理に加えて、系統図表示部31に対して系統図表示指示を行なうようになっている。
【0141】図15は、系統図表示部31の概略構成を示すブロック図である。図15に示すように、系統図表示部31は、サーベイランス試験実施時において状態変化しない系統機器、配管等(以下、固定系統機器と呼ぶ)を表示装置30の画面上に図的に表示するための固定表示データ(図形、絵文字等のシンボルデータ)を試験対象系統毎に記憶する系統図固定表示データ記憶部31Aと、サーベイランス試験実施時において状態変化する弁、ポンプ等(以下、可変系統機器と呼ぶ)の動作状態(可変動作状態)を表示装置30の画面上に図的に表示するための可変表示データ(シンボルデータ)を上記試験対象系統毎に記憶する系統図可変表示データ記憶部31Bと、系統図固定表示データ記憶部31Aに記憶された固定表示データおよび系統図可変表示データ記憶部31Bに記憶された可変表示データをそれぞれ読み出して表示装置30に送る処理を行なう系統図表示処理部31Cとを備えている。なお、系統図表示処理部31Cは、試験進行制御部22Aとは別個の演算処理回路で具体化することも可能であり、試験進行制御部22Aと同一の演算処理回路の処理として具体化することも可能である。
【0142】次に、本実施形態のサーベイランス試験装置1Aの全体動作について、系統図表示処理を中心に説明する。
【0143】本実施形態において、サーベイランスサーバ4Aの試験進行制御部22Aは、第1実施形態における前掲図7のステップS1の処理として、試験手順表示装置3から送信されてきた試験開始指令および試験番号に応じて対応する試験番号の試験手順データを試験手順データ記憶部21から読み出す処理に加えて、上記試験番号に対応する試験対象系統(例えば、XXXX系統)の系統図表示指示を系統図表示部31に送るようになっている。
【0144】このとき、系統図表示部31の系統図表示処理部31Cは、送られた試験対象系統(XXXX系統)の系統図表示指示に応じて、その試験対象系統に対応する固定表示データを系統図固定表示データ記憶部31Aから読み出し、読み出した固定表示データを制御盤・操作パネル2Aの表示装置30に送る。表示装置30は、送られた固定表示データに基づいて、上記固定系統機器がシンボルとして図的に表された上記試験対象系統に対応する系統図を作成して画面上に表示するようになっている。
【0145】そして、系統図表示処理部31Cは、系統図表示指示に応じて、プラントデータ入力部20により入力された試験対象系統機器(可変系統機器)のプラントデータD1を取り込み、取り込んだプラントデータD1の値(計測データ値)に対応する可変表示データを系統図可変表示データ記憶部31Bから読み出し、読み出した可変表示データを制御盤・操作パネル2Aの表示装置30に送る。表示装置30は、送られた可変表示データに基づいて、固定系統機器を含む試験対象系統に対応する系統図上において、対応する可変系統機器の動作状態を表すシンボルを重畳表示するようになっている。
【0146】この結果、図16に示すように、表示装置30には、XXXXサーベイランス試験対象系統における固定系統機器のシンボルおよび可変表示機器の動作状態を表すシンボルをそれぞれ含むサーベイランス試験対象系統図(系統画面)SIが表示される。
【0147】したがって、運転員は、制御盤・操作パネル2の表示エリア2a内に配置された表示装置30に表示されたサーベイランス試験対象系統図SIを視認することにより、実際のサーベイランス試験対象系統における試験対象系統機器の動作状態を非常に容易に把握することができる。
【0148】(第3の実施の形態)図17は、本発明の第3の実施の形態に係わるサーベイランス試験装置の機能ブロック構成を概略的に示す図である。なお、図17に示すサーベイランス試験装置において、第1実施形態のサーベイランス試験装置(図1参照)と略同等の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0149】図17に示すサーベイランス試験装置1Bにおいて、試験手順表示装置3Bにおける試験ガイド表示画面Iのコンソール表示エリアA2には、図5に示す構成に加えて、系統図表示を指示するための系統図表示指示用PB(“系統図表示PB”)PB8がさらに形成されており、試験進行指示部14Bは、運転員の系統図表示PB8操作に応じて、系統図表示要求をコンソール制御部10Bに送るようになっている。
【0150】さらに、試験手順表示装置3Bは、第1実施形態で説明した構成に加えて、サーベイランス試験実施中のサーベイランス試験対象系統に係わる系統図を表示するための処理を行なう系統図表示部40を有している。
【0151】一方、サーベイランスサーバ4Bは、第1実施形態で説明した構成に加えて、プラントデータ入力部20により入力されたプラントデータDを収集し、上記系統図表示用のプラントデータに編集する処理を行なう系統図プラントデータ収集部41を備えている。
【0152】図18は、系統図表示部40の概略構成を示すブロック図である。図18に示すように、系統図表示部40は、系統図(系統画面)表示用の表示部(表示デバイス)40Aと、サーベイランス試験実施時において状態変化しない系統機器、配管等の固定系統機器を画面表示部40Aの画面上に図的に表示するための固定表示データを試験対象系統毎に記憶する系統図固定表示データ記憶部40Bと、サーベイランス試験実施時において状態変化する弁、ポンプ等の可変系統機器の可変動作状態を画面表示部40Aの画面上に図的に表示するための可変表示データを上記試験対象系統毎に記憶する系統図可変表示データ記憶部40Cと、系統図固定表示データ記憶部40Bに記憶された固定表示データおよび系統図可変表示データ記憶部40Cに記憶された可変表示データをそれぞれ読み出して画面表示部40Aに表示出力する処理を行なう系統図表示処理部40Dとを備えている。
【0153】なお、系統図プラントデータ収集部41は、試験進行制御部22Aとは別個の演算処理回路で具体化することも可能であり、試験進行制御部22Aと同一の演算処理回路の処理として具体化することも可能である。また、系統図表示処理部40Dは、コンソール制御部10Bとは別個の演算処理回路で具体化することも可能であり、コンソール制御部10Bと同一の演算処理回路の処理として具体化することも可能である。
【0154】次に、本実施形態のサーベイランス試験装置1Bの全体動作について、系統図表示処理を中心に説明する。
【0155】本実施形態において、運転員は、第1実施形態で説明したサーベイランス試験実施中において、試験進行指示部14を操作して試験ガイド表示画面I上のコンソール表示エリアA2における“系統図表示”PB8を押圧(クリック)する。
【0156】コンソール制御部10Bは、試験進行指示部14操作によりクリックされた“系統図表示”PB8に基づく系統図表示要求に応じて、サーベイランス試験が実施された試験対象系統(例えば、XXXX系統)の系統図表示指示を系統図表示部40に送る。
【0157】このとき、系統図表示部40の系統図表示処理部40Dは、送られた試験対象系統(XXXX系統)の系統図表示指示に応じて、その試験対象系統に対応する固定表示データを系統図固定表示データ記憶部40Bから読み出し、読み出した固定表示データに基づいて、上記固定系統機器がシンボルとして図的に表された上記試験対象系統に対応する系統図を作成し、作成した系統図を画面表示部40Aの画面上に表示する。
【0158】そして、系統図表示処理部40Dは、系統図可変表示データ記憶部31Bを参照して上記試験対象系統の系統図に対応する可変系統機器のプラントデータ項目を編集し、編集したプラントデータ項目およびプラントデータ送信要求をデータ通信部11Bおよび通信ネットワーク5を介してサーベイランスサーバ4Bのサーバデータ通信部23に送信する。
【0159】サーベイランスサーバ4Bの系統図プラントデータ収集部41は、サーバデータ通信部23を介して送られたプラントデータ項目およびプラントデータ送信要求に基づいて、プラントデータ入力部20により入力・保持されたプラントデータの中から、上記プラントデータ項目に対応するプラントデータD2を周期的に収集し、収集したプラントデータD2をサーバデータ通信部23およびデータ通信部11Bを経由して周期的に試験手順表示装置3Bに送信する。
【0160】系統図表示部40の系統図表示処理部40Dは、データ通信部11Bを介して周期的に送信されてきたプラントデータD2の計測データ値に対応する可変表示データを系統図可変表示データ記憶部40Cから読み出し、読み出した可変表示データに対応する可変系統機器の動作状態を表すシンボルを、固定系統機器を含む試験対象系統に対応する系統図上に重畳表示する。
【0161】この結果、前掲図16に示すように、画面表示部40Aには、XXXXサーベイランス試験対象系統における固定系統機器のシンボルおよび可変表示機器の動作状態を表すシンボルをそれぞれ含むサーベイランス試験対象系統図(系統画面)SIが表示される。
【0162】したがって、運転員は、試験手順表示装置3Bの画面表示部40Aに表示されたサーベイランス試験対象系統図SIを視認することにより、実際のサーベイランス試験対象系統における試験対象系統機器の動作状態を非常に容易に把握することができる。
【0163】なお、本実施形態においては、画面表示部40Aを試験手順等を表示するための表示部13Bとは別個に設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、系統図表示処理部40Dは、固定表示データおよび可変表示データを含む系統図を、表示部13の試験ガイド表示画面Iにおける所定の表示エリア(例えば、試験手順/結果表示エリアA1)上にオーバーラップ表示することもできる。
【0164】(第4の実施の形態)図19は、本発明の第4の実施の形態に係わるサーベイランス試験装置の機能ブロック構成を概略的に示す図である。なお、図19に示すサーベイランス試験装置において、第1実施形態のサーベイランス試験装置(図1参照)と略同等の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0165】図19に示すサーベイランス試験装置1Cにおいて、サーベイランスサーバ4Cは、複数の試験手順データD1(試験番号1)〜DN(試験番号N)それぞれに対応して予め用意された、対応する試験手順の詳細な内容(詳細な操作手順)を表す試験詳細手順データTD1〜TDNを記憶する試験詳細手順データ記憶部50と、記憶された試験詳細手順データTD1〜TDNを編集するための試験詳細手順編集部51とを備えている。
【0166】各試験詳細手順データTD1〜TDN(図2020においては、試験詳細手順データTD1のデータ構造のみ示しているが、他のデータ構造も同様である)には、図20に示すように、対応する試験手順データD1〜DNの各試験ステップ毎の詳細な試験手順を表す情報が記憶されている。
【0167】一方、試験手順表示装置3Cにおける試験ガイド表示画面Iのコンソール表示エリアA2には、図5R>5に示す構成に加えて、試験詳細手順表示を指示するための試験詳細手順表示指示用PB(“試験手順詳細PB”)PB9がさらに形成されており、試験進行指示部14Cは、運転員の試験手順詳細PB9操作に応じて、試験詳細手順表示要求をコンソール制御部10Cに送るようになっている。
【0168】また、試験手順表示装置3Cは、第1実施形態の構成に加えて、図19に示すように、サーベイランス試験実施中における実行試験ステップの試験詳細手順を表示部13の試験ガイド表示画面Iにおける所定の表示エリアにオーバーラップ表示するための処理を行なう試験詳細手順表示処理部52を備えている。
【0169】なお、試験詳細手順編集部51は、試験進行制御部22とは別個の演算処理回路で具体化することも可能であり、試験進行制御部22と同一の演算処理回路の処理として具体化することも可能である。また、試験詳細手順表示処理部52は、コンソール制御部10Cとは別個の演算処理回路で具体化することも可能であり、コンソール制御部10Cと同一の演算処理回路の処理として具体化することも可能である。
【0170】次に、本実施形態のサーベイランス試験装置1Cの全体動作について、試験詳細手順表示処理を中心に説明する。
【0171】本実施形態において、運転員は、第1実施形態で説明したサーベイランス試験実施中に、例えば、制御操作SWの位置等が分からなくなった場合や、通常の試験手順実行時の結果とは相違する判定結果が発生した場合等において、試験進行指示部14を操作して試験ガイド表示画面I上のコンソール表示エリアA2における“試験詳細手順”PB9をクリックする。
【0172】コンソール制御部10Cは、試験進行指示部14操作によりクリックされた“試験詳細手順”PB9に基づく試験詳細手順表示要求に応じて、その試験詳細手順表示要求に現在の試験実行中ステップ(例えば、ステップXX)の試験ステップ番号を付加し、試験ステップ番号付きの試験詳細手順表示要求をデータ通信部11Cおよび通信ネットワーク5を介してサーベイランスサーバ4Cのサーバデータ通信部23に送信する。
【0173】サーベイランスサーバ4Cの試験詳細手順編集部51は、サーバデータ通信部23を介して送られてきた試験詳細手順表示要求における試験ステップ番号に対応する試験詳細手順データを試験詳細手順データ記憶部51から読み出し、読み出した試験詳細手順データを表示用の試験詳細手順データに編集してサーバデータ通信部23およびデータ通信部11Cを経由して試験手順表示装置3Cに送信する。
【0174】試験手順表示装置3Cの試験詳細手順表示処理部52は、データ通信部11およびコンソール制御部10Cを介して送信されてきた、試験詳細手順表示要求に対応する表示用試験詳細手順データに基づいて、試験詳細手順から構成されたウインドウW1を作成し、作成した試験詳細手順ウインドウW1を表示部13の試験ガイド表示画面Iにおける所定の表示エリア上にオーバーラップ表示する。
【0175】この結果、試験ガイド表示画面Iの所定の表示エリア上には、図21に示すように、縦方向スクロールバーB1および“閉じる”操作(イベント)を入力可能な“閉じる”PB10を含む試験詳細手順ウインドウW1がオーバーラップ表示される。
【0176】なお、運転員は、試験進行指示部14Cを操作して縦方向スクロールバーB1をクリックすることにより、このクリックに応じた試験手順表示処理部52のスクロール処理が実行され、現在表示された試験実行中ステップを含む複数ステップに対応する試験詳細手順を、他の試験実行ステップに対応する試験詳細手順にスクロールすることができる。また、運転員は、何時でも“閉じる”PB10をクリックすることにより、このクリックに応じた試験手順表示処理部52の処理が実行され、表示された試験詳細手順ウインドウW1を閉じることができる。
【0177】以上述べたように、本実施形態によれば、運転員は、サーベイランス試験実施時において、制御操作SWの位置等が分からなくなった場合や、通常の試験手順実行時の結果とは相違する結果が発生した場合等、従来において定例試験手順書を参照する様な場合においても、サーベイランス試験実施中に、サーベイランス試験実行中の試験ステップの詳細手順表示を要求することにより、容易に実行中試験ステップの試験詳細手順(ウインドウW1)を表示部13に表示させることができるため、表示された試験詳細手順を簡単に確認することができる。この結果、サーベイランス試験装置1Cによる試験業務の効率化が図れる。
【0178】(第5の実施の形態)図22は、本発明の第5の実施の形態に係わるサーベイランス試験装置の機能ブロック構成を概略的に示す図である。なお、図22に示すサーベイランス試験装置において、第1実施形態のサーベイランス試験装置(図1参照)と略同等の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0179】図22に示すサーベイランス試験装置1Dの試験手順表示装置3Dにおける試験ガイド表示画面Iのコンソール表示エリアA2には、図5に示す構成に加えて、試験実行中ステップの拡大表示を指示するためのステップ拡大指示用PB(“ステップ拡大PB”)PB12がさらに形成されており、試験進行指示部14Dは、運転員のステップ拡大PB12操作に応じて、試験実行中ステップ拡大表示要求をコンソール制御部10Dに送るようになっている。
【0180】また、試験手順表示装置3Dは、第1実施形態の構成に加えて、図22に示すように、サーベイランス試験実施中における試験実行中ステップ、すなわち、その試験実行中ステップの試験手順(サブステップ)、サブステップ計測データおよびサブステップ判定結果を拡大して試験ガイド表示画面I全体に表示するための処理を行なうステップ手順拡大表示処理部60を備えている。
【0181】なお、ステップ手順拡大表示処理部60は、コンソール制御部10Dとは別個の演算処理回路で具体化することも可能であり、コンソール制御部10Dと同一の演算処理回路の処理として具体化することも可能である。
【0182】次に、本実施形態のサーベイランス試験装置1Dの全体動作について、実行中ステップ拡大表示処理を中心に説明する。
【0183】本実施形態において、運転員は、第1実施形態で説明した所定のサーベイランス試験実施中において、試験ガイド表示画面I上の試験手順/結果表示エリアA1に表示された上記所定のサーベイランス試験に対応する試験ステップの内容{試験手順(サブステップ)、計測データ、サブステップ判定結果等}を拡大して見たい際に、試験進行指示部14を操作して試験ガイド表示画面I上のコンソール表示エリアA2における“ステップ拡大”PB12をクリックする。
【0184】コンソール制御部10Dは、試験進行指示部14操作によりクリックされた“ステップ拡大”PB12に基づくステップ拡大表示要求に応じて、そのステップ拡大表示要求に現在の実行中試験ステップ(例えば、ステップXX)の試験ステップ番号を付加し、試験ステップ番号付きのステップ拡大表示要求をステップ手順拡大表示処理部60に通知する。また、コンソール制御部10Dは、ステップ拡大表示要求時において、実行中試験ステップが変化する際には、変化後の実行中試験ステップ番号を含む拡大表示更新要求を通知する。
【0185】試験手順表示装置3Dのステップ手順拡大表示処理部60は、通知されたステップ拡大表示要求に応じて、コンソール制御部10Dを介して表示部13Dの試験ガイド表示画面Iにおける試験手順/結果表示エリアA1に周期的に表示される実行中試験ステップの試験手順(サブステップ)、サブステップ計測データ、サブステップ判定結果およびステップ判定結果を周期的に取り込む(図23;ステップS70)。
【0186】次いで、ステップ手順拡大表示処理部60は、取り込んだ実行中試験ステップに含まれるサブステップ数(行数)が予め設定された表示行数(本実施形態では8行)以内であるか判断する(ステップS71)。
【0187】ステップS71の判断の結果、実行中試験ステップに含まれるサブステップ数が表示行数以内である場合には(ステップS71→YES)、該当試験ステップに含まれる全サブステップ、サブステップ計測データ、サブステップ判定結果およびステップ判定結果に基づいて、各サブステップ、各サブステップ計測データ、各サブステップ判定結果が互いに対応付けられて構成され、かつ試験ガイド表示画面I全体に匹敵する面積を有する実行中試験ステップ拡大表示データを作成し(ステップS72)、作成した実行中試験ステップ拡大表示データに基づく拡大ウインドウW2を表示部13の試験ガイド表示画面I全体にオーバーラップ表示する(ステップS73)。
【0188】この結果、試験ガイド表示画面Iには、図2424に示すように、実行中試験ステップXXの試験手順(サブステップ)、サブステップ計測データ等を含む拡大ウインドウW2が試験ガイド表示画面I全体に拡大された状態でオーバーラップ表示されており、実行中試験ステップXXの各サブステップ、各サブステップ計測データ、各サブステップ判定結果は、互いに対応付けられて拡大表示される。
【0189】一方、ステップS71の判断の結果、実行中試験ステップに含まれるサブステップ数が表示行数を超えた場合には(ステップS71→NO)、取り込んだサブステップ判定結果に応じて、未判定(運転員未確認等)の項目(現在実行すべきサブステップ)を抽出し(ステップS74)、抽出したサブステップを表示行の先頭として、抽出サブステップを含むそれ以降の各サブステップ、各サブステップ計測データ、各サブステップ判定結果が互いに対応付けられて構成され、かつ試験ガイド表示画面I全体に匹敵する面積を有する実行中試験ステップ拡大表示データを作成して(ステップS75)、ステップS73の処理に移行する。
【0190】この結果、実行中試験ステップに含まれるサブステップ数が表示行数を超えた場合でも、運転員が確認したい未判定(未確認)の試験サブステップを含む実行中試験ステップ内容が拡大表示される。
【0191】また、本実施形態においても、運転員は、拡大ウインドウW2に含まれる“閉じる”操作入力用の“閉じる”PB13をクリックすることにより、このクリックに応じたステップ手順拡大表示処理部60の処理が実行され、表示された拡大ウインドウW2を閉じることができる。
【0192】一方、ステップ手順拡大表示処理部60は、ステップS73の処理後において、コンソール制御部10Dから拡大表示更新要求が送信されてきたか否かを判断しており(ステップS76)、拡大表示更新要求が送信されてきた際には(ステップS76→YES)、ステップ手順拡大表示処理部60は、ステップS70の処理に移行し、拡大表示更新要求に含まれる試験ステップ番号の試験ステップ、すなわち実行中試験ステップの試験手順(サブステップ)、サブステップ計測データ、サブステップ判定結果およびステップ判定結果を周期的に取り込んでステップS71の処理に移行する。
【0193】この結果、実行中試験ステップ拡大表示時において実行中試験ステップが変更された場合でも、その実行中試験ステップの変更に応じて、表示部13Dのステップ拡大表示内容を変化させることができる。
【0194】以上述べたように、本実施形態によれば、サーベイランス試験実施中において、実行中試験ステップの内容(サブステップ手順、サブステップ計測データ、サブステップ判定結果等)を表示部13D上で拡大表示することができるため、運転員は、制御盤・操作パネル2の近傍において立位姿勢で実行中試験ステップの試験手順(サブステップ)確認処理、制御盤・操作パネル2の試験対象系統機器に対応する制御操作SWの操作処理および対応する動作表示用ランプの確認処理を同時に行なう場合においても、実行中試験ステップの内容{試験手順(サブステップ)、計測データ、サブステップ判定結果等}を正確に視認することができる。
【0195】したがって、運転員の上記実行中試験ステップ内容確認動作に係わる姿勢変更や視線変更等を大幅に減らすことができ、運転員は、実行中試験ステップ内容確認作業を行ないながら、無理なく制御操作SW操作および動作表示用ランプ確認作業を行なうことができるため、サーベイランス試験効率を向上させ、かつ運転員のサーベイランス試験実施時の負担を低減させることができる。
【0196】(第6の実施の形態)図25は、本発明の第6の実施の形態に係わるサーベイランス試験装置の機能ブロック構成を概略的に示す図である。なお、図25に示すサーベイランス試験装置において、第1実施形態のサーベイランス試験装置(図1参照)と略同等の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0197】図25に示すサーベイランス試験装置1Eの試験手順表示装置3Eは、第1実施形態の構成に加えて、図25に示すように、運転員の頭(ヘッド)に装着された図示しないヘッドセットマイク等の変換器を介して運転員から発話された音声を電気信号(音声信号)として入力して音声分析し、上記発話内容を認識(例えば、音声信号に含まれる単語を認識)する機能を有する音声入力部65を備えており、試験手順表示装置3Eの試験進行指示部14Eは、音声入力部65から通知された操作指令をコンソール制御部10に送信するようになっている。
【0198】本実施形態によれば、運転員は、試験進行指示部14(その入力機器)を操作して試験ガイド表示画面I上に形成された所望のPBをクリックせずに、所望のPBに対応する指令(要求)内容を表す予め設定されたキーワード(例えば、“ステップ進行”や“運転員確認”、“スキップ”等)を発話する。
【0199】この発話されたキーワード(音声)は、ヘッドセットマイク等の変換器を介して音声入力部65により音声信号として入力され、入力された音声信号は、音声入力部65の音声分析処理により、上記キーワードを表す単語に変換される。
【0200】このとき、音声入力部65は、試験ガイド表示画面I上に設定された試験進行指示入力操作要求用の各種PBに対応する上記キーワード情報(“ステップ進行”、“運転員確認”、“スキップ”等)を予め保持しており、変換された単語が保持された試験操作要求用のキーワード情報と一致する場合、音声入力部65は、一致したキーワード情報を操作指令として試験進行指示部14Eに通知する。そして、試験進行指示部14Eは、第1実施形態で説明した運転員の所定のPB操作に基づく操作指令と同様に、音声入力部65を介して通知された操作指令をコンソール制御部10に送信するようになっている。
【0201】コンソール制御部10のサーベイランス試験に係わる処理については、第1実施形態と同様である。
【0202】すなわち、本実施形態によれば、試験ガイド表示画面Iの各種PBを操作することなく、通常のサーベイランス試験進行指示を、運転員の発声による音声指令により行なうことができるため、運転員は、サーベイランス試験進行指示を行なう際の試験進行指示操作性の向上が図れる。
【0203】そして、サーベイランス試験装置3E側、すなわち、その表示部13に向かっての試験進行指示操作が不要となり、サーベイランス試験実施時に試験対象系統に対応する制御盤・操作パネルの制御操作SWの操作、動作表示用ランプの確認動作、サーベイランス試験装置3Eの表示部13の試験ガイド表示画面Iを介して表示提供される試験手順の確認動作およびこの確認動作に基づく音声による試験進行指示操作を略同時に行なうことができ、サーベイランス試験業務の効率化を図ることができる。
【0204】(第7の実施の形態)図26は、本発明の第7の実施の形態に係わるサーベイランス試験装置の機能ブロック構成を概略的に示す図である。なお、図26に示すサーベイランス試験装置において、第1実施形態のサーベイランス試験装置(図1参照)と略同等の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0205】図26に示すサーベイランス試験装置1Fは、複数台(本実施形態では2台)の試験手順表示装置3F1、3F2を備えており、その内の一方の試験手順表示装置3F1は中操側に配置され、他方の試験手順表示装置3F2は、プラント現場側に配置される。
【0206】そして、試験手順表示装置3F1、3F2およびサーベイランスサーバ4Fは、通信ネットワーク5を介して互いに通信可能に接続されており、サーベイランスサーバ4F、試験手順表示装置3F1および3F2には、ネットワーク環境下での情報送信先指定用のネットワークアドレスがそれぞれ設定されている。
【0207】各試験手順表示装置3F1、3F2は、記憶部12Fに記憶された、自試験手順表示装置にサーベイランス試験進行指示を行なう権限(以下、制御権と呼ぶ)があるか否かを定める情報(以下、制御権有無情報Rと呼ぶ)に基づいて、自試験手順表示装置の制御権の有無を判定する処理を行なう制御権判定部70を備えており、運転員が試験進行指示部14E(その入力機器)を操作(例えば、試験進行指示入力用のPBクリック)することにより入力された試験進行指示は、コンソール制御部10に直接送られるのではなく、一旦制御権判定部70に送られるようになっている。
【0208】そして、制御権判定部70は、試験進行指示部14Eを介して運転員から試験進行指示が送られると、記憶部12Fに記憶された制御権有無情報Rを参照し、自試験手順表示装置に制御権が有る場合にのみ試験進行指示をコンソール制御部10に送るようになっている。なお、制御権を有する試験手順表示装置の操作モードを制御権モードと呼び、制御権を有しない試験手順表示装置の操作モードをモニタモードと呼ぶ。
【0209】一方、本実施形態のサーベイランス試験装置1Fにおけるサーベイランスサーバ4Fは、複数の試験手順表示装置3F1、3F2のモード情報、すなわち、複数の試験手順表示装置3F1、3F2が制御権モードであるか否かを表すモード情報、例えば、制御権モードの試験手順表示装置を表すネットワークアドレスおよびモニタモードの試験手順表示装置を表すネットワークアドレスを、対応するモード毎に記憶するモード情報記憶部71と、記憶されたモード情報に応じて、試験進行制御部22に対して操作指示可能なコンソール(試験手順表示装置)およびモニタ用のコンソール(試験手順表示装置)を、複数の試験手順表示装置3F1、3F2の中から設定し管理するための処理を行なうコンソール管理部72とを備えている。
【0210】なお、コンソール管理部72は、試験進行制御部22とは別個の演算処理回路で具体化することも可能であり、試験進行制御部22と同一の演算処理回路の処理として具体化することも可能である。また、制御権判定部70は、コンソール制御部10Fとは別個の演算処理回路で具体化することも可能であり、コンソール制御部10Fと同一の演算処理回路の処理として具体化することも可能である。
【0211】次に、本実施形態のサーベイランス試験装置1Fの全体動作について、特に、サーベイランスサーバ4Fのコンソール管理部72の処理動作および制御権判定部70の処理動作を中心に説明する。
【0212】サーベイランス試験装置1F起動時(試験手順表示装置3F1、3F2およびサーベイランスサーバ4F起動時)において、複数の試験手順表示装置3F1、3F2の内の一方(例えば、中操側の試験手順表示装置3F1)の制御権判定部70は、中操側運転員からの試験進行指示部14F操作等に応じて、自試験手順表示装置3F1の制御権の有無(起動時においては、記憶部12Fには制御権有無情報は記憶されていない)をサーバ4F側へ問い合わせるための試験手順表示装置接続要求を、コンソール制御部10Fおよびデータ通信部11を介してサーベイランスサーバ4Fに送信する(図27R>7;ステップS80)。サーベイランスサーバ4Fのサーバデータ通信部23を介して受信された試験手順接続要求は、サーベイランスサーバ4Fのコンソール管理部72に送られる。
【0213】このとき、コンソール管理部72は、送られた情報が“試験手順表示装置接続要求”(単に、“接続要求”とも呼ぶ)であるか否か判断し(図28;ステップS90)、この判断の結果接続要求であれば(ステップS90→YES)、コンソール管理部72は、送られた“接続要求”に応じて、モード情報記憶部71を参照して、制御権を有する試験手順表示装置のネットワークアドレスが記憶されているか否か判断する(ステップS91)。
【0214】今、サーベイランスサーバ4Fは起動時であり、モード情報記憶部71には何も記憶されてはいないため、ステップS91の判断はNOとなり、コンソール管理部72は、接続要求送信元の試験手順表示装置3F1に対して、制御権モードであることを表すモード通知をサーバデータ通信部23を介して送信する(ステップS92)。次いで、コンソール管理部72は、対応する試験手順表示装置3F1のネットワークアドレスを、制御権モードのネットワークアドレスとしてモード情報記憶部71に記憶して(ステップS93)、接続中試験手順表示装置台数をカウントアップし(ステップS94)、ステップS90の処理に戻る。
【0215】このとき、試験手順表示装置3F1の制御権判定部70は、データ通信部11およびコンソール制御部10Fを介して送信されてきたモード通知を受信して、そのモード通知が制御権モードを表すモード通知であるか否か判断する(ステップS81)。
【0216】今、試験手順表示装置3F1に対応するモード通知は制御権モード通知であるためステップS81の判断はYESであり、試験手順表示装置3F1の制御権判定部70は、自試験手順表示装置3F1に制御権がある(制御権モードである)ことを表す制御権有無情報Rを記憶部12Fに記憶する(ステップS82)。
【0217】一方、例えば、上記サーベイランスサーバ4FのステップS91〜S94の処理後において、他方、すなわち現場側の試験手順表示装置3F2の制御権判定部70からサーベイランスサーバ4Fに対して接続要求が送信された際には(ステップS80参照)、サーベイランスサーバ4Fのコンソール管理部72は、送信されてきた接続要求に応じたステップS91の処理により試験手順表示装置3F1のネットワークアドレスが記憶されていると判断し(ステップS91→YES)、接続要求送信元の試験手順表示装置3F2に対して、モニタモードであることを表すモード通知をサーバデータ通信部23を介して送信する(ステップS95)。そして、コンソール管理部72は、対応する試験手順表示装置3F2のネットワークアドレスを、モニタモードのネットワークアドレスとしてモード情報記憶部71に記憶し(ステップS96)、ステップS94の処理に移行して接続中試験手順表示装置台数をカウントアップし(ステップS94)、ステップS90の処理に戻る。
【0218】上記ステップS95の処理の結果、モード通知はモニタモードであるため、試験手順表示装置3F2の制御権判定部70の上記ステップS81の判断はNOとなり、試験手順表示装置3F2の制御権判定部70は、自試験手順表示装置7F2に制御権がない(モニタモードである)ことを表す制御権有無情報Rを記憶部12Fに記憶する(ステップS83)。
【0219】そして、各試験手順表示装置3F1、3F2の制御権判定部70は、制御権有無情報記憶部Rに記憶された制御権有無情報Rを参照して自試験手順表示装置が制御権モードであるか否か判断し(ステップS84)、このステップS84により制御権モードでない(モニタモード)と判断された場合、対応する試験手順表示装置(3F2)の制御権判定部70は、試験進行指示部14Fおよび表示部13に対して試験進行指示(図5R>5に示す各種PB)の入力禁止通知を送信する(ステップS85)。この結果、試験手順表示装置7F2の試験進行指示部14Fによる表示部13の試験ガイド表示画面I上の各種PBクリックは全て無効となる。
【0220】また、ステップS84により制御権モードであると判断された試験手順表示装置(7F1)の制御権判定部70は、中操側運転員の試験進行指示部14Fを介した試験終了PB2クリックに基づく試験終了要求が送信されたか否か判断しており(ステップS86)、この判断により試験終了要求が送信されたと判断された場合(ステップS86→YES)、制御権判定部70は、上記試験終了要求に加えて自試験手順表示装置(3F1)の切り離し要求をコンソール制御部10Fおよびデータ通信部11を介してサーベイランスサーバ4Fに送信する(ステップS87)。
【0221】一方、コンソール管理部72に対して送られた要求が“接続要求”でない場合には、上記コンソール管理部72のステップS90の判断はNOとなり、コンソール管理部72は、送られた情報が、“試験進行指示”要求であるか否か判断する(ステップS97)。
【0222】今、第1実施形態で説明したサーベイランス試験実行中に、“制御権モード”の試験手順表示装置3F1のコンソール制御部10Fからデータ通信部11およびサーバデータ通信部23を介して試験進行指示(例えば、試験開始PB1操作に基づく試験開始指示、ステップ進行PB6操作に基づくステップ進行指示等)が送信された場合には(前掲図8:ステップS53、S54および前掲図7:ステップS5参照)、上記コンソール管理部72のステップS90の判断はNO、ステップS97の判断はYESとなり、コンソール管理部72は、上記試験進行指示の送信元が、制御権を有する試験手順表示装置3F1であるか否かを、送られた試験進行指示およびモード情報記憶部71に記憶された制御権モードに対応するネットワークアドレスに基づいて判断する(ステップS98)。
【0223】このとき、上記試験進行指示が、制御権を有する試験手順表示装置3F1から送られたものでない場合には(ステップS98→NO)、コンソール管理部72は、その試験進行指示を試験進行制御部22に送ることなく、ステップS90の処理に戻る。
【0224】一方、ステップS98の判断の結果、制御権を有する試験手順表示装置3F1からの試験進行指示であった場合には(ステップS98→YES)、コンソール管理部72は、その試験進行指示を試験進行制御部22に送り(ステップS99)、ステップS90の処理に戻る。
【0225】試験進行制御部22は、上記試験進行指示が試験開始指示である場合においては、ステップS1〜ステップS3の処理により試験手順表示データDK1を作成し、作成した試験手順表示データDK1および“ステップ進行”PB6のフリッカ要求をコンソール管理部72に順次送信する(ステップS4参照)。
【0226】このとき、コンソール管理部72に送信された情報は“試験進行指示”要求ではないため、上記コンソール管理部72のステップS97の判断はNOとなり、コンソール管理部72は、送られた情報が“試験手順表示データ”、“計測データ値”、“判定結果”等の表示用情報であるか否か判断する(ステップS100)。
【0227】今、コンソール管理部72に送信された最初の情報は、表示用情報の1つである“試験手順表示データDK1”であるため、コンソール管理部72のステップS100の判断はYESとなり、コンソール管理部72は、“試験手順表示データDK1”を、サーバデータ通信部23を介して全ての接続中試験手順表示装置、すなわち、制御権モードおよびモニタモードの試験手順表示装置3F1、3F2それぞれに送信し(ステップS101)、ステップS90の処理に戻る。
【0228】この結果、各試験手順表示装置3F1、3F2においては、コンソール制御部10FのステップS51の処理により、表示部13の試験ガイド表示画面Iの試験手順表示エリアA1aには、上記試験手順表示データDK1に基づく試験手順がそれぞれ表示される。
【0229】すなわち、実際に試験進行指示を行なった制御権モードの試験手順表示装置3F1に加えて、モニタモードの試験手順表示装置3F2に対しても、試験手順が表示される。
【0230】同様に、表示用情報が“計測データ”や“判定結果であった場合においても、上記ステップS100、S101の処理により、上記計測データや判定結果が各試験手順表示装置3F1および3F2にそれぞれ表示される。
【0231】一方、コンソール管理部72に次に送られてきた情報(ステップ進行”PB6のフリッカ要求)は、表示用情報ではないため、上記コンソール管理部72のステップS100の判断はNOとなり、コンソール管理部72は、送られた情報が“試験進行指示用PBフリッカ要求”であるか否か判断する(ステップS102)。
【0232】今、コンソール管理部72に送信された次の情報は、“ステップ進行”PB6のフリッカ要求であるため、ステップS102の判断はYESとなり、コンソール管理部72は、“試験進行指示用PBフリッカ要求”としての“ステップ進行”PB6のフリッカ要求を制御権を有する試験手順表示装置3F1に送信して(ステップS103)、ステップS90の処理に戻る。
【0233】また、コンソール管理部72に対して送られた情報が“試験進行指示用PBフリッカ要求”でない場合には、上記コンソール管理部72のステップS102の判断はNOとなり、コンソール管理部72は、送られた情報の中に判定結果や試験手順等の“表示更新要求”であるか否か判断する(ステップS104)。
【0234】今、第1実施形態で説明したサーベイランス試験実行中に、試験進行制御部22から“表示更新要求”が試験手順表示装置3F1へ向けて送信されると(ステップS24、ステップS32参照)、コンソール管理部72のステップS104の判断はYESとなり、コンソール管理部72は、モード情報記憶部71に記憶された全ての制御権モードおよびモニタモードに対応する接続中試験手順表示装置(本実施形態では試験手順表示装置3F1、3F2)に対して、送信された“表示更新要求”を通知し(ステップS105)、ステップS90の処理に戻る。
【0235】この結果、各試験手順表示装置3F1、3F2の試験ガイド表示画面Iにおいては、サーベイランス試験進行状況に応じて試験手順および判定結果等が変化しても、その変化に対応する試験手順および判定結果等が順次更新表示されることになる。
【0236】一方、コンソール管理部72に対して送られた要求が“表示更新要求”でない場合には、上記コンソール管理部72のステップS104の判断はNOとなり、コンソール管理部72は、送られた情報が“切り離し要求”であるか否か判断する(ステップS106)。
【0237】今、“制御権モード”の試験手順表示装置3F1および“モニタモード”の試験手順表示装置3F2の内の少なくとも一方から試験進行指示部14F等を介して“切り離し要求”がコンソール管理部72に送信されてきたとすると、ステップS106の判断はYESとなり、コンソール管理部72は、モード情報記憶部71に記憶された、“切り離し要求”送信元の試験手順表示装置のモード情報(制御権モード、あるいはモニタモードのネットワークアドレス)を消去し(ステップS107)、消去したネットワークアドレスに対応する試験手順装置が制御権モードの試験手順表示装置(3F1)であるか否か判断する(ステップS108)。
【0238】例えば、制御権モードの試験手順表示装置3F1から“切り離し要求”が送信されてきた場合においては、ステップS108の判断はYESとなり、コンソール管理部72は、“試験終了”をサーバデータ通信部23を介して全ての接続中試験手順表示装置、すなわち、制御権モード・モニタモードの試験手順表示装置3F1、3F2、および試験進行制御部22にそれぞれに通知し、続いてモード情報記憶部71に記憶された他の全ての接続中試験手順表示装置のモード情報を消去して(ステップS109)、処理を終了する。
【0239】この結果、全ての試験手順表示装置3F1、3F2およびサーベイランスサーバ4Fのサーベイランス試験が終了される。
【0240】一方、例えば、モニタモードの試験手順表示装置3F2から“切り離し要求”が送信されてきた場合においては、ステップS108の判断はNOとなり、そのまま処理を終了する。
【0241】以上述べたように、本実施形態によれば、サーベイランス試験に係わる試験進行指示、試験手順表示および試験手順・判定結果更新表示を実行可能な複数の試験手順表示装置を、例えば中操側および現場側にそれぞれ配置し、サーベイランス試験手順、計測データおよび判定結果等のサーベイランス試験実施状況を複数の試験手順表示装置の表示部を介して表示出力することにより、上記サーベイランス試験実施状況に係わる情報を中操側運転員および現場側運転員に対してそれぞれ提供することができる。
【0242】したがって、本実施形態においては、サーベイランス試験実施状況に関する情報(試験手順、計測データ値、判定結果等)を、ページング等の音声通話を用いることなく現場側の運転員に伝達することができるため、音声通話に伴うサーベイランス試験業務の中断・遅延等がなくなり、かつ音声通話に起因した聞き違え等もなくなるため、サーベイランス試験の効率化および信頼性の向上に寄与することができる。
【0243】また、本実施形態においては、複数の試験手順表示装置を用いた際に、サーベイランス試験指示を行なう制御権モードの試験手順表示装置を、上記複数の試験手順表示装置の内の何れか1台に限定するようにしたため、複数の試験手順表示装置からの無秩序な試験進行指示によるサーベイランスサーバ側での試験進行制御の混乱を生じさせることなく、サーベイランス試験進行指示を行なうことができ、さらにサーベイランス試験の信頼性を向上させることができる。
【0244】(第8の実施の形態)図30は、本発明の第8の実施の形態に係わるサーベイランス試験装置の機能ブロック構成を概略的に示す図である。なお、図30に示すサーベイランス試験装置において、第1実施形態のサーベイランス試験装置(図1参照)および第7実施形態のサーベイランス試験装置(図26参照)と略同等の構成要素については、略同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0245】図30に示すサーベイランス試験装置1Faは、第7実施形態で示したサーベイランス試験装置1Fと略同等の構成を有している。
【0246】本実施形態においては、複数台(本実施形態では3台)の試験手順表示装置3Fa1〜3Fa3を備えており、各試験手順表示装置3Fa1〜3Fa3の制御権有無情報Raにおける“制御権有り”を表す制御権モードは、さらに中操側の操作指示モードである中操モードと現場側の操作指示モードである現場モードに分けられている。
【0247】本実施形態においては、複数台の試験手順表示装置3Fa1〜3Fa3の内、試験手順表示装置3Fa1は中操側に配置され、試験手順表示装置3Fa2は、プラント現場側に配置されている。
【0248】そして、各試験手順表示装置3Fa1〜3Fa3の制御権判定部70aは、上記制御権有無情報Raに基づいて自試験手順表示装置が制御権を有するのか否かを判定するとともに、自試験手順表示装置が中操側に配置されているのか現場側に配置されているのかを判定する処理SP1を行なうようになっている。
【0249】一方、本実施形態のサーベイランス試験装置1Faは、第1実施形態で説明した試験手順データD1〜DNに対して現場・中操側操作情報が付加された試験手順データD1a〜DNaを記憶する現場・中操操作情報・試験手順データ記憶部21Faを備えている。
【0250】図31に示すように、各試験手順データD1a〜DNa(図31においては、試験手順データD1aのデータ構造のみ示しているが、他のデータ構造も同様である)には、図4と同様に、試験ステップ番号毎に複数の試験手順(複数の試験サブステップがシーケンシャルに配列されており、その中の“運転員確認”サブステップには、確認操作を行なう試験員を特定する中操・現場操作情報(例えば、中操側の運転員に確認操作を行なわせる場合には“確認=中操”、プラント現場側の運転員に確認操作を行なわせる場合には“確認=現場”)が含まれている。
【0251】そして、サーベイランスサーバ4Faのモード情報記憶部71aは、各試験手順表示装置3Fa1〜3Fa3のモード情報(中操モード、現場モード、モニタモード)を、対応するモード毎にネットワークアドレスとして記憶するようになっており、コンソール管理部72aは、記憶されたモード情報に応じて、中操側に配置され、試験進行制御部22に対して操作指示可能な中操モード用コンソール(試験手順表示装置)、プラント現場側に配置され、試験進行制御部22に対して操作指示可能な現場モード用コンソール(試験手順表示装置)およびモニタモード用のコンソール(試験手順表示装置)を、複数の試験手順表示装置3F1〜3F3の中から設定し管理するための処理SP2を行なうようになっている。
【0252】次に、本実施形態のサーベイランス試験装置1Faの全体動作について、特に、サーベイランスサーバ4Faのコンソール管理部72aの処理動作および制御権判定部70aの処理動作を中心に説明する。
【0253】第7実施形態と同様に、サーベイランス試験装置1Fa起動時において、複数の試験手順表示装置3F1a〜3F3aにおけるの内の一方(例えば、中操側の試験手順表示装置3F1a)の制御権判定部70は、試験手順表示装置接続要求を、サーベイランスサーバ4Faに送信する(ステップS80参照)。
【0254】このとき、サーベイランスサーバ4Faのコンソール管理部72aは、送られた情報が“接続要求”であるか否か判断し(ステップS90参照)、この判断がYESであるため、中操モードの試験手順表示装置のネットワークアドレスが既に記憶されているか否か判断する(図32;ステップS91a)。
【0255】サーベイランスサーバ4Faは起動時であり、モード情報記憶部71aには何も記憶されてはいないため、ステップS91の判断はNOとなり、コンソール管理部72aは、中操モードであることを表すモード通知を接続要求送信元の試験手順表示装置3F1aに対して送信する(ステップS92a)。
【0256】次いで、コンソール管理部72aは、対応する試験手順表示装置3F1のネットワークアドレスを、中操モードのネットワークアドレスとしてモード情報記憶部71aに記憶して(ステップS93a)、ステップS94の処理に移行する。
【0257】このとき、試験手順表示装置3F1aの制御権判定部70aは、送信されてきたモード通知が中操モードであるか否か判断し(図33;ステップS81a)、この判断の結果はYESであるため、制御権判定部70aは、自試験手順表示装置3F1aに制御権があり、かつ中操側に配置されている(中操モードである)ことを表す制御権有無情報Raを記憶部12Faに記憶し(ステップS82a)、ステップS84の処理に移行する。
【0258】一方、例えば、上記サーベイランスサーバ4FaのステップS91a〜93aおよびS94の処理後において、例えば現場側運転員の操作により現場側の試験手順表示装置3F2aの制御権判定部70aからサーベイランスサーバ4Faに対して接続要求が送信された際には(ステップS80参照)、サーベイランスサーバ4Faのコンソール管理部72aは、送信されてきた接続要求に応じたステップS91aの処理により中操モードの試験手順表示装置3F1aのネットワークアドレスが既に記憶されていると判断し(ステップS91a→YES)、次いで現場モードの試験手順表示装置のネットワークアドレスが既に記憶されているか否か判断する(ステップS91b)。
【0259】今、現場モードの試験手順表示装置のネットワークアドレスは記憶されていないため、ステップS91bの判断はNOになり、コンソール管理部72aは、接続要求送信元の試験手順表示装置3F2aに対して、現場モードであることを表すモード通知をサーバデータ通信部23を介して送信する(ステップS95a)。
【0260】次いで、コンソール管理部72aは、対応する試験手順表示装置3F2のネットワークアドレスを、現場モードのネットワークアドレスとしてモード情報記憶部71aに記憶して(ステップS96a)、ステップS94の処理に移行する。
【0261】一方、上記ステップS95aの処理の結果、試験手順表示装置3F2aの制御権判定部70aの上記ステップS81aの判断はNOとなり、試験手順表示装置3F2aの制御権判定部70aは、送信されてきたモード通知が現場モードであるか否か判断し(ステップS81b)、この判断の結果はYESであるため、制御権判定部70aは、自試験手順表示装置3F1aに制御権があり、かつプラント現場側に配置されている(現場モードである)ことを表す制御権有無情報Raを記憶部12Faに記憶し(ステップS82b)、ステップS84aの処理に移行する。
【0262】一方、例えば、上記サーベイランスサーバ4FaのステップS91a〜93aおよびS94の処理後において、他の試験手順表示装置3F3aの制御権判定部70aからサーベイランスサーバ4Faに対して接続要求が送信された際には(ステップS80参照)、サーベイランスサーバ4Faのコンソール管理部72aは、送信されてきた接続要求に応じたステップS91aおよび91bの処理により、中操モードおよび現場モードの試験手順表示装置3F1aおよび3F2aのネットワークアドレスが既に記憶されていると判断し(ステップS91a、91b→YES)、コンソール管理部72aは、接続要求送信元の試験手順表示装置3F3aに対して、モニタモードであることを表すモード通知をサーバデータ通信部23を介して送信する(ステップS95)。
【0263】次いで、コンソール管理部72aは、対応する試験手順表示装置3F3aのネットワークアドレスを、モニタモードのネットワークアドレスとしてモード情報記憶部71aに記憶して(ステップS96)、ステップS94の処理に移行する。
【0264】一方、上記ステップS95bの処理の結果、試験手順表示装置3F3aの制御権判定部70aの上記ステップS81aおよび81bの判断は何れもNOとなり、試験手順表示装置3F3aの制御権判定部70aは、自試験手順表示装置3F3aはモニタモードであることを表す制御権有無情報Raを記憶部12Faに記憶して(ステップS83参照)、ステップS84aの処理に移行する。
【0265】続いて、各試験手順表示装置3F1a〜3F3aの制御権判定部70aは、記憶部12Faにおける制御権有無情報Raを参照し、自試験手順表示装置の操作モードが何れのモードであるかを判断する(ステップS84a)。
【0266】ステップS84aの判断の結果、中操モードであると判断された場合には、制御権判定部70aは、中操・現場操作情報が“確認=現場”であるサブステップにおける“運転員確認”フリッカ要求を無効に制御する要求(フリッカ無効要求)をコンソール制御部10Faに通知し(ステップS85a)ステップS86の処理に移行する。
【0267】また、ステップS84aの判断の結果、現場モードであると判断された場合には、制御権判定部70aは、中操・現場操作情報が“確認=現場”であるサブステップにおける“運転員確認”PBフリッカ要求のみを有効にするための制御要求をコンソール制御部10Faに通知し、かつ試験進行指示部14Faおよび表示部13に対して、“運転員確認”PB7フリッカ要求に対応する運転員確認結果入力処理のみを有効にするための制御要求(フリッカ・現場側運転員確認操作要求)を通知して(ステップS85b)ステップS86の処理に移行する。
【0268】そして、ステップS84aの判断の結果、モニタモードであると判断された場合には、制御権判定部70aはステップS85の処理に移行する。
【0269】なお、中操モードと判断された試験手順表示装置においては、“運転員確認PB”フリッカしない現場確認項目においても、中操側運転員により確認することが可能である。
【0270】以下、サーベイランスサーバ4Faのコンソール管理部72aによりステップS97以降の処理が行なわれる。この結果、第1および第7実施形態で説明したように、中操モードの試験手順表示装置3F1aの試験進行指示に基づく試験手順データ、計測データ、判定結果等が全ての操作モードの試験手順表示装置3F1a〜3F3aにそれぞれ表示される。
【0271】このとき、サーベイランスサーバ4FaのステップS103の処理により、中操・現場操作情報が“確認=現場”であるサブステップに対応する“運転員確認PB”フリッカ要求が制御権モード(中操モード、現場モード)の試験手順表示装置3F1aおよび3F2aにそれぞれ送信されてくると、中操モードの試験手順表示装置3F1aのコンソール制御部10Faは、制御権判定部70aから通知されたフリッカ無効要求に応じて、サーバ4Fa側から送信された“運転員確認PB”フリッカ要求を無効にし(ステップS56a)、ステップS59の処理に移行する。この結果、対応するサブステップの計測データ表示エリアA1b上には、未確認!マークのみが表示される。
【0272】一方、現場モードの試験手順表示装置3F2aのコンソール制御部10Faは、制御権判定部70aから通知されたフリッカ・現場側運転員確認操作要求に応じて、サーバ4Fa側から送信された“運転員確認PB”フリッカ要求に従ってステップS56の処理に移行する。
【0273】この結果、ステップS56〜58の処理により、現場側運転員は、サーベイランス試験サブステップとして、現場側運転員に確認操作してもらいたい項目について、“運転員確認”PB7のフリッカに応じて確認することができ、その確認結果をサーベイランスサーバ4Faの試験進行制御部22に送信することができる。
【0274】そして、試験進行制御部22のステップS23〜S24およびコンソール管理部72aのステップS105の処理により、各試験手順表示装置3F1a、3F2aのコンソール制御部10Faに判定結果表示更新要求が送信されてくると、ステップS59の処理により、計測データ表示エリアA1b上に表示された未確認“!”マークが“運転員確認済み”を表すマークに更新表示される(ステップS59)。
【0275】以上述べたように、本実施形態によれば、従来、サーベイランス試験実施時において、現場側の運転員による確認結果をページング(有線通話装置)等により中操側運転員を媒介としてサーベイランス試験装置側へ伝達してサーベイランス試験の進行指示を行なっていたものが、現場側運転員により直接サーベイランスサーバに対して確認操作指示を行なうことが可能になり、サーベイランス試験時の運転員確認操作の効率化を図ることができ、かつページングの聞き違え等の伝達ミスを防止して、プラント現場確認情報のサーバ側への伝達に関する信頼性を大幅に向上させることができる。
【0276】(第9の実施の形態)図34は、本発明の第9の実施の形態に係わるサーベイランス試験装置の機能ブロック構成を概略的に示す図である。なお、図34に示すサーベイランス試験装置において、第1実施形態のサーベイランス試験装置(図1参照)および第7実施形態のサーベイランス試験装置(図26参照)と略同等の構成要素については、略同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0277】図34に示すサーベイランス試験装置1Fbは、第7実施形態で示したサーベイランス試験装置1Fと略同等の構成を有している。
【0278】本実施形態のサーベイランス試験装置1Fbにおけるサーベイランスサーバ4Fbは、複数台の試験手順表示装置3F1および3F2の内のどちらか一方に与えられた制御権を切替えるべきか否かを判定し、切替えるべきと判定された際に他の試験手順表示装置に切替えるための処理を行なう制御権切替判定部80を備えている。
【0279】なお、制御権切替判定部80は、試験進行制御部22とは別個の演算処理回路で具体化することも可能であり、試験進行制御部22と同一の演算処理回路の処理として具体化することも可能である。
【0280】次に、本実施形態のサーベイランス試験装置1Fbの全体動作について、特に、サーベイランスサーバ4Fbの制御権切替判定部80の処理動作および制御権判定部70bの処理動作を中心に説明する。
【0281】本実施形態において、制御権判定部70bのステップS80〜S83の処理およびコンソール管理部72bのステップS90〜ステップS96の処理により複数の試験手順表示装置3F1、3F2における1台の装置3F1が制御権を有する装置(制御権モードの装置)に設定され、残りの装置3F2が制御権を有さない装置(モニタモードの装置)に設定された後、制御権切替判定部80は、サーバデータ通信部23および11を介して制御権モードの試験手順表示装置3F1のコンソール制御部10Fbに対して、当該試験手順表示装置3F1の例えば各構成要素単位(ハードウエアブロック単位、ソフトウエアブロック単位)のチェック信号を周期的に送信し、制御権モードの表示装置3F1の対応する構成要素(ハードウエアブロック、ソフトウエアブロック)からデータ通信部11および23bを介して周期的に返送されてくる信号に応じて、該試験手順表示装置3F1が正常に動作しているか否かを各構成要素単位(ハードウエアブロック単位、ソフトウエアブロック単位)で監視する(図35;ステップS120)。
【0282】そして、このステップS120の周期監視の結果、上記返送信号に基づいて制御権モードの試験手順表示装置3F1の動作が異常であると判断された場合(ステップS120→NO)、制御権切替判定部80は、モード情報記憶部71に記憶されたモード情報を参照してモニタモードの試験手順表示装置が存在するか否か判断する(ステップS121)。
【0283】今、モニタモードの試験手順表示装置3F2が存在するため(ステップS121→YES)、制御権切替判定部80は、制御権切替指令、すなわちモニタモードの試験手順表示装置3F2を制御権モードにする指令をコンソール管理部72bに送信するとともに、サーバデータ通信部23b等を介して制御権モードに切替った試験手順表示装置3F2の制御権判定部70bに対して、制御権モード設定通知を送信する(ステップS122)。
【0284】この結果、コンソール管理部72bは、制御権切替指令送信後において、試験手順表示装置3F2を制御権モードの試験手順表示装置として処理を継続する。
【0285】一方、試験手順表示装置3F2の制御権判定部70bは、送信された制御権設定通知に応じて、モード情報記憶部71に記憶された“モニタモード”を表すモード情報を“制御権モード”に書替える。
【0286】この結果、“制御権モード”に切替った試験手順表示装置3F2を介して、後続のサーベイランス試験進行指示操作が行なわれる。
【0287】以上述べたように、本実施形態によれば、複数の可搬型試験手順表示装置を用いてサーベイランス試験を実施する場合において、制御権モードの試験手順表示装置が例えば故障等の障害により異常な動作を起こした場合でも、他のモニタモードの試験手順表示装置を自動的に制御権モードに切替えてサーベイランス試験を継続して実行することができるため、上記複数の可搬型試験手順表示装置を用いたサーベイランス試験装置の信頼性を大幅に向上させることができる。
【0288】(第10の実施の形態)図36は、本発明の第10の実施の形態に係わるサーベイランス試験装置の機能ブロック構成を概略的に示す図である。なお、図3636に示すサーベイランス試験装置において、第1実施形態のサーベイランス試験装置(図1参照)および第8実施形態のサーベイランス試験装置(図30参照)と略同等の構成要素については、略同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0289】図36に示すサーベイランス試験装置1Gは、第8実施形態で示したサーベイランス試験装置1Faと略同等の構成を有している。
【0290】本実施形態において、第8実施形態の試験手順表示装置と略同等の機能・構成を有する複数台の試験手順表示装置3G1〜3G3を備えており、複数台の試験手順表示装置3G1〜3G3の内、試験手順表示装置3G1は中操側に配置され、試験手順表示装置3G2は、プラント現場側に配置されている。
【0291】そして、各試験手順表示装置3G1〜3G3の試験進行指示部14Gは、操作モード選択用ウインドウを表示して自試験手順表示装置の操作モードを選択するためのPB(“操作モード選択”)PB15を有しており、この操作モード選択PB15は、表示部13Gにおける試験ガイド表示画面Iのコンソール表示エリアA2に形成されている。試験進行指示部14Gは、運転員の入力装置を介した操作モード選択PB15操作に応じて、操作モード選択ウインドウ表示要求を後述する操作モード選択部に送るようになっている。
【0292】操作モード選択部90は、操作モード選択ウインドウ表示要求に応じて、操作モード選択ウインドウW3を試験ガイド表示画面I上にオーバーラップ表示するようになっている(図37参照)。
【0293】図37によれば、操作モード選択ウインドウW3には、各操作モード選択指定用PB(中操モード選択指定PB15A1、現場モード選択指定PB15A2、モニタモード選択指定PB15A3)がそれぞれ設定された操作モード選択エリアAR1と、操作モード選択エリアAR1の何れかのPB操作(クリック)により選択指定された操作モードを表示する表示エリアAR2と、“閉じる”操作を入力可能な“閉じる”PB15A4とがそれぞれグラフィカルに形成されている。
【0294】一方、本実施形態のサーベイランスサーバ4Gのモード情報記憶部71Gは、各試験手順表示装置3G1〜3G3のモード情報(中操モード、現場モード、モニタモード)を、対応するモード毎にネットワークアドレスとして記憶するようになっており、コンソール管理部72Gは、各試験手順表示装置3G1〜3G3から送られた操作モード選択要求およびモード情報記憶部71Gに記憶されたモード情報に応じて、複数の試験手順表示装置(コンソール)3G1〜3G3を、中操モード用コンソール、プラント現場用コンソールおよびモニタ用コンソールの何れかに割当るための処理SP3を行なうようになっている。
【0295】なお、操作モード選択部90は、コンソール制御部10Faとは別個の演算処理回路で具体化することも可能であり、コンソール制御部10Faと同一の演算処理回路の処理として具体化することも可能である。
【0296】サーベイランス試験装置1G起動時(試験手順表示装置3G1〜3G3およびサーベイランスサーバ4G起動時)において、中操側運転員は、自試験手順表示装置3G1の試験進行指示部14の入力装置を操作して試験ガイド表示画面I上のコンソール表示エリアA2における“操作モード選択”PB15を押圧(クリック)する。操作モード選択部90は、試験進行指示部14の入力装置操作によりクリックされた“操作モード選択”PB15に基づく要求に応じて、図37に示す操作モード選択ウインドウW3を表示部13の試験ガイド表示画面I上に表示する。
【0297】そして、中操運転員は、試験進行指示部14の入力装置を操作して、操作モード選択ウインドウW3上の操作モード選択エリアAR1における複数の操作モード選択指定PBの中から、中操モード選択指定PB15A1を選択してクリックする。
【0298】操作モード選択部90は、中操運転員によりクリックされた、中操モード選択指定PB15A1に基づく中操モード接続要求を、制御権判定部70a、コンソール制御部10Faおよびデータ通信部11を介してサーベイランスサーバ4Gのデータ通信部23に送信する。
【0299】このとき、サーベイランスサーバ4Gのコンソール管理部72Gは、送られた情報が“接続要求”であるか否か判断し(ステップS90参照)、この判断がYESであるため、コンソール管理部72Gは、その接続要求が中操モード要求であるか否か判断し(図38R>8;ステップS130)、この判断の結果中操モード要求である場合(ステップS130→YES)、コンソール管理部72Gは、中操モードの試験手順表示装置のネットワークアドレスが既に記憶されているか否か判断する(ステップS131)。
【0300】サーベイランスサーバ4Gは起動時であり、モード情報記憶部71Gには何も記憶されてはいないため、ステップS130の判断はNOとなり、コンソール管理部72Gは、中操モード許可通知を接続要求送信元の試験手順表示装置3G1に対して送信する(ステップS132)。
【0301】次いで、コンソール管理部72Gは、対応する試験手順表示装置3G1のネットワークアドレスを、中操モードのネットワークアドレスとしてモード情報記憶部71Gに記憶して(ステップS133)、前掲図28のステップS94の処理に移行する。
【0302】このとき、試験手順表示装置3G1の制御権判定部70aは、前掲図33のステップS81a〜ステップS82aの処理を行なうことにより、自試験手順表示装置3G1が中操モードであることを記憶・認識する。
【0303】また、ステップS131〜ステップS133の処理の後、すなわち、モード情報記憶部71Gに中操モードの試験手順表示装置3G1のネットワークアドレスが記憶された後において、他の試験手順表示装置から中操モード選択指定PB15A1に基づく中操モード接続要求がコンソール管理部72Gに送信されてきても、既に1台の試験手順表示装置3G1が中操モードとして設定され、そのネットワークアドレスがモード情報記憶部71Gに記憶されているため、ステップS131の判断はYESとなり、コンソール管理部72Gは、中操モード不許可通知を接続要求送信元の試験手順表示装置に対して送信する(ステップS134)。この結果、1台の試験手順表示装置3G1が中操モードとして設定された後の中操モード接続要求は許可されない。
【0304】一方、上述したサーベイランス試験装置1G起動時において、プラント現場側運転員は、中操側運転員と同様に、自試験手順表示装置3G2の“操作モード選択”PB15クリックに基づいて表示された操作モード選択ウインドウW3上の操作モード選択エリアAR1において、現場モード選択指定PB15A2を選択してクリックする。
【0305】操作モード選択部90は、プラント現場側運転員によりクリックされた現場モード選択指定PB15A2に基づく現場モード接続要求をサーベイランスサーバ4Gのデータ通信部23に送信する。
【0306】このとき、送信された情報は“現場モード接続要求”であるため、コンソール管理部72GのステップS90の判断はYES、およびステップS130の判断はNOとなり、コンソール管理部72Gは、送信された接続要求が現場モード要求であるか否か判断し(ステップS135)、この判断の結果現場モード要求である場合(ステップS135→YES)、コンソール管理部72Gは、現場モードの試験手順表示装置のネットワークアドレスが既に記憶されているか否か判断する(ステップS136)。
【0307】今、モード情報記憶部71Gには現場モードの試験手順表示装置のネットワークアドレスは記憶されてはいないため、ステップS136の判断はNOとなり、コンソール管理部72Gは、現場モード許可通知を接続要求送信元の試験手順表示装置3G2に対して送信する(ステップS137)。
【0308】次いで、コンソール管理部72Gは、対応する試験手順表示装置3G2のネットワークアドレスを、現場モードのネットワークアドレスとしてモード情報記憶部71Gに記憶して(ステップS138)、前掲図28のステップS94の処理に移行する。
【0309】このとき、試験手順表示装置3G2の制御権判定部70aは、前掲図33のステップS81b〜ステップS82bの処理を行なうことにより、自試験手順表示装置3G2が現場モードであることを記憶・認識する。
【0310】中操モードの場合と同様に、ステップS136〜ステップS138の処理の後、すなわち、モード情報記憶部71Gに現場モードの試験手順表示装置3G2のネットワークアドレスが記憶された後において、他の試験手順表示装置から現場モード選択指定PB15A2に基づく現場モード接続要求がコンソール管理部72Gに送信されてきても、既に1台の試験手順表示装置3G2が現場モードとして設定され、そのネットワークアドレスがモード情報記憶部71Gに記憶されているため、ステップS136の判断はYESとなり、コンソール管理部72Gは、現場モード不許可通知を接続要求送信元の試験手順表示装置に対して送信する(ステップS139)。この結果、1台の試験手順表示装置3G2が現場モードとして設定された後の現場モード接続要求は許可されない。
【0311】一方、サーベイランス試験装置1G起動時において、例えば中操側およびプラント現場側以外の運転員は、中操側・現場側運転員と同様に、自試験手順表示装置3G3の“操作モード選択”PB15クリックに基づいて表示された操作モード選択ウインドウW3上の操作モード選択エリアAR1において、モニタモード選択指定PB15A3を選択してクリックする。
【0312】操作モード選択部90は、運転員によりクリックされたモニタモード選択指定PB15A3に基づくモニタモード接続要求をサーベイランスサーバ4Gのデータ通信部23に送信する。
【0313】このとき、送信された情報は“モニタモード接続要求”であるため、コンソール管理部72GのステップS90の判断はYES、ステップS130の判断はNO、およびステップS135の判断はNOとなり、コンソール管理部72Gは、送信された接続要求がモニタモード要求であるか否か判断する(ステップS140)。
【0314】今、接続要求はモニタモード要求であるため、ステップS140の判断はYESとなり、コンソール管理部72Gは、モニタモード許可通知を接続要求送信元の試験手順表示装置3G3に対して送信する(ステップS141)。
【0315】次いで、コンソール管理部72Gは、対応する試験手順表示装置3G3のネットワークアドレスを、モニタモードのネットワークアドレスとしてモード情報記憶部71Gに記憶する(ステップS142)。
【0316】そして、試験手順表示装置3G3の制御権判定部70aは、前掲図33のステップS81b、S83の処理を行なうことにより、自試験手順表示装置3G3がモニタモードであることを記憶・認識する。
【0317】このとき、ステップS140〜ステップS142の処理の後、すなわち、モード情報記憶部71Gにモニタモードの試験手順表示装置3G3のネットワークアドレスが記憶された後において、他の試験手順表示装置からモニタモード選択指定PB15A3に基づくモニタモード接続要求がコンソール管理部72Gに送信されてきた際には、他のモードと異なり、既にモニタモードとして試験手順表示装置3G3のネットワークアドレスが記憶されているか否かを判断する処理を行なっていないため、モニタモード接続要求送信元の全ての試験手順表示装置はモニタモードとして無条件で許可される。
【0318】一方、コンソール管理部72Gは、モード情報記憶部71Gを参照して全ての操作モードに対して試験手順表示装置が割当てられたか否か判断しており(ステップS143)、割当てられていると判断された場合(ステップS143→YES)、コンソール管理部72Gは、“試験開始”PB1操作許可を中操モードの試験手順表示装置3G1へサーバデータ通信部23等を介して通知し(ステップS144)、ステップS90の処理へ移行する。
【0319】このとき、中操モードの試験手順表示装置3G1の試験進行指示部14Gは、起動時から操作許可が通知されるまでの間、運転員の各種PBクリックに基づく試験進行指示を無効にしており、通知された操作許可に応じて、制御権判定部70aを介して、中操側運転員のPBクリックに基づく試験進行指示をコンソール制御部10Faに対して送信するようになって(前掲図8R>8:ステップS53、S54および前掲図7:ステップS5)いる。この結果、コンソール管理部28の前掲図2828のステップS97の判断はYESとなり、前掲図28R>8のステップS98以降の処理が行なわれる。
【0320】この結果、第1、第7および第8実施形態で説明したように、中操モードの試験手順表示装置3G1の試験進行指示に基づく試験手順データ、計測データ、判定結果等が全ての操作モードの試験手順表示装置3G1〜3G3にそれぞれ表示される。
【0321】以上述べたように、本実施形態によれば、各運転員が有する各試験手順表示装置の操作モードを、その各試験手順表示装置の利用形態に応じて選択し、選択した操作モードに基づいて複数の試験手順表示装置間で連携してサーベイランス試験を実施することができるため、サーベイランス試験実施時の運転員配置や、サーベイランス試験準備における試験環境設定が容易になり、サーベイランス試験業務効率をさらに向上させることができる。
【0322】
【発明の効果】請求項1乃至5および請求項15記載の発明によれば、サーベイランス試験進行指示入力手段(機能)と、サーベイランス試験手順データ、サーベイランス試験結果である計測データおよび判定結果を表示する表示手段(機能)とを、上記試験進行指示に応じてサーベイランス試験を実行するサーベイランス試験実行手段(機能)から分離して、そのサーベイランス試験実行手段が搭載される計算機(第1の計算機)とは別個で、その第1の計算機とは通信ネットワークを介して通信可能な第2の計算機に上記サーベイランス試験進行指示入力手段および表示手段を搭載しているため、上記第2の計算機を可搬型とすることが可能になる。
【0323】したがって、サーベイランス試験実施時において、上記第2の計算機を、例えば長手方向が約8mもあるサーベイランス試験対象系統機器の操作パネルにおける試験対象系統機器操作部の近傍位置に移動設置することができ、試験手順表示情報の視認性およびサーベイランス試験進行指示入力に関する操作性をそれぞれ向上させることができる。
【0324】請求項6に記載された発明によれば、サーベイランス試験対象系統機器動作状態が操作パネルの表示装置により系統図として模式的に表示されるため、運転員は、表示装置に表示された系統図を視認することにより、試験対象系統機器の動作状態を容易に把握することができ、サーベイランス試験業務の効率を向上させることができる。
【0325】請求項7に記載された発明によれば、サーベイランス試験対象系統機器動作状態が第2の計算機により系統図として表示されるため、運転員は、第2の計算機により表示された系統図を視認することにより、試験対象系統機器の動作状態を容易に把握することができ、サーベイランス試験業務の効率を向上させることができる。
【0326】請求項8に記載された発明によれば、サーベイランス試験実施時に、例えば試験対象系統機器を操作するための機器操作部の位置等が分からなくなった場合や、通常のサーベイランス試験手順とは相違する判定結果が発生した場合等において、運転員は、従来の定例試験手順書を参照する代りに、所定の試験項目の詳細手順の表示要求を入力し、その試験項目に対応する試験詳細手順を第2の計算機上で表示することができるため、運転員は、表示された試験詳細手順を容易に確認することができ、サーベイランス試験業務の効率化が図れる。
【0327】請求項9に記載された発明によれば、運転員は、例えば立位姿勢における、サーベイランス試験対象系統機器に対応する操作部の操作や、その試験対象系統機器に対応するランプ確認動作等と並行して、サーベイランス試験の所定の試験項目の試験手順表示を参照する場合において、上記所定の試験項目の試験手順の拡大表示要求を入力し、その試験項目の試験手順を第2の計算機上で拡大表示することができるため、運転員は、表示された拡大試験手順を容易に確認することができる。
【0328】したがって、運転員の拡大試験手順確認動作における、運転員の姿勢変更、視線変更等の必要性を減少させることができ、サーベイランス試験効率を向上させることができる。
【0329】請求項10に記載された発明によれば、運転員の音声により試験進行指示を入力することができるため、第1の計算機のサーベイランス試験実行手段に対する手動での試験進行指示入力操作を、大幅に減少させることができ、サーベイランス試験業務の効率化を図ることができる。
【0330】請求項11に記載された発明によれば、複数の第2の計算機に対してサーベイランス試験実施情報(試験手順、計測データ、判定結果)を送ることにより、従来ページング等でしか連絡を取ることができなかった現場側運転員を含む複数の運転員(現場側運転員、中操側運転員)に対して、上記複数の第2の計算機を介して上記サーベイランス試験情報を提供することができるため、サーベイランス試験業務の大幅な効率化を図ることができる。
【0331】請求項12に記載された発明によれば、従来、サーベイランス試験実施時において、ページング等で現場確認項目の確認結果を中操側へ連絡し、中操側運転員による代理確認操作にてサーベイランス試験を進行していたものが、現場側運転員により、現場モード計算機を介して直接確認操作指示を行なうことが可能になり、サーベイランス試験時の運転員確認操作に伴う処理の効率化および現場確認結果の信頼性の向上をそれぞれ図ることができる。
【0332】請求項13に記載された発明によれば、複数の第2の計算機を用いてサーベイランス試験を実施する場合に、サーベイランス試験進行指示を入力可能な進行指示モード計算機に何らかの障害が発生してその動作が異常になった場合においても、進行指示モード計算機以外の表示モード計算機の操作モードを進行指示モードに切替えることができるため、上記進行指示モードに障害が発生してもサーベイランス試験を継続して実行することが可能になり、サーベイランス試験装置の信頼性および稼働効率を大幅に向上させることができる。
【0333】請求項14に記載された発明によれば、運転員による複数の第2の計算機の利用形態に応じて操作モード(中操モード、現場モード、表示モード)を選択してサーベイランス試験を実施することができるため、サーベイランス試験実施時の運転員配置や、サーベイランス試験準備における試験環境設定等を容易かつ柔軟に行なうことができ、サーベイランス試験業務の大幅な効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るサーベイランス試験装置の機能ブロック構成を概略的に示す図。
【図2】図1に示すサーベイランス試験装置のハードウエア構成および各ハードウエア構成要素の接続関係を示す図。
【図3】第1の実施形態に係わるサーベイランス試験装置の機器配置イメージを示す図。
【図4】図1に示す試験手順データ記憶部に記憶された試験手順データを示す図。
【図5】図1に示す表示部に表示された試験ガイド表示画面の画面レイアウトの一例を示す図。
【図6】図5に示す試験ガイド表示画面上にオーバーラップ表示される系統・試験選択操作用ウインドウを示す図。
【図7】図1に示すサーベイランスサーバの試験進行制御部の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図8】図1に示す試験手順表示装置のコンソール制御部の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図9】図1に示すサーベイランスサーバの試験進行制御部の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図10】図1に示すサーベイランスサーバの試験進行制御部の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図11】図1に示すサーベイランスサーバの試験進行制御部の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図12】図1に示す試験手順表示装置のコンソール制御部の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図13】図1に示す試験手順表示装置のコンソール制御部の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係るサーベイランス試験装置の機能ブロック構成を概略的に示す図。
【図15】図14に示す系統図表示部の概略構成を示すブロック図。
【図16】図14に示す表示装置に表示されるサーベイランス試験対象系統図(系統画面)を示す図。
【図17】本発明の第3の実施の形態に係るサーベイランス試験装置の機能ブロック構成を概略的に示す図。
【図18】図17に示す系統図表示部の概略構成を示すブロック図。
【図19】本発明の第4の実施の形態に係るサーベイランス試験装置の機能ブロック構成を概略的に示す図。
【図20】図19に示す試験詳細手順データ記憶部に記憶された試験詳細手順データを示す図。
【図21】図19に示す試験手順表示装置の試験ガイド表示画面にオーバーラップ表示される試験詳細手順ウインドウを示す図。
【図22】本発明の第5の実施の形態に係るサーベイランス試験装置の機能ブロック構成を概略的に示す図。
【図23】図22に示すステップ拡大表示処理部の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図24】図22に示す試験手順表示装置の試験ガイド表示画面にオーバーラップ表示される拡大ウインドウを示す図。
【図25】本発明の第6の実施の形態に係るサーベイランス試験装置の機能ブロック構成を概略的に示す図。
【図26】本発明の第7の実施の形態に係るサーベイランス試験装置の機能ブロック構成を概略的に示す図。
【図27】図26に示す制御権判定部の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図28】図26に示すコンソール管理部の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図29】図26に示すコンソール管理部の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図30】本発明の第8の実施の形態に係るサーベイランス試験装置の機能ブロック構成を概略的に示す図。
【図31】図30に示す現場・中操操作情報・試験手順データ記憶部に記憶された試験手順データを示す図。
【図32】図30に示すコンソール管理部の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図33】図30に示す制御権判定部の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図34】本発明の第9の実施の形態に係るサーベイランス試験装置の機能ブロック構成を概略的に示す図。
【図35】図34に示す制御権切替判定部の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図36】本発明の第10の実施の形態に係るサーベイランス試験装置の機能ブロック構成を概略的に示す図。
【図37】図36に示す試験手順表示装置の試験ガイド表示画面にオーバーラップ表示される操作モード選択ウインドウを示す図。
【図38】図36に示すコンソール管理部の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図39】図36に示すコンソール管理部の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図40】従来のサーベイランス試験装置の概略構成を示す図。
【図41】従来のサーベイランス試験装置の機器配置イメージを示す図。
【符号の説明】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1Fa、1Fb、1G サーベイランス試験装置
2、2A 制御盤・操作パネル
3、3B、3C、3E、3F1、3F2、3F1a〜3F3a、3G1〜3G3試験手順表示装置
4、4A、4B、4C、4F、4Fa、4Fb、4G サーベイランスサーバ5 通信ネットワーク
10、10B、10C、10D、10F、10Fa、10Fb コンソール制御部
11、11B データ通信部
12、12F、12Fa 記憶部
13、13B、13D、13G 表示部
14、14C、14E、14F、14Fa、14G 試験進行指示部
20 プラントデータ入力部
21 試験手順データ記憶部
21Fa 現場・中操操作情報・試験手順データ記憶部
22、22A 試験進行制御部
23 サーバデータ通信部
30 表示装置
31 系統図表示部
41 系統図プラントデータ収集部
50 試験詳細手順データ記憶部
51 試験詳細手順編集部
52 試験詳細手順表示処理部
60 ステップ手順拡大表示処理部
65 音声入力部
70、70a、70b 制御権判定部
71、71a、71G モード情報記憶部
72、72a、72b、72G コンソール管理部
80 制御権切替判定部
90 操作モード選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 通信ネットワークを介して互いに通信可能な複数の計算機を有しており、プラントの試験対象系統を構成する試験対象系統機器を操作して得られた当該試験対象系統機器の状態を表すプラントデータに基づいて前記試験対象系統機器の動作確認用サーベイランス試験を行なうサーベイランス試験装置において、複数のサーベイランス試験項目が順番に配列された試験手順データを記憶する試験手順データ記憶手段と、前記試験対象系統機器の動作確認用サーベイランス試験を前記試験対象系統に係わる試験手順データの試験項目に従って進行させるための指示を入力して前記通信ネットワークを介して送信する進行指示入力手段と、前記通信ネットワークを介して送信されてきた進行指示に対応する試験項目に基づくデータを前記試験対象系統機器のプラントデータに基づいて計測し、この計測データを判定することにより前記サーベイランス試験を実行し、前記計測データおよび判定結果を前記通信ネットワークを介して送信するサーベイランス試験実行手段と、前記試験対象系統に係わる試験手順データ、前記通信ネットワークを介して送信されてきた前記計測データおよび判定結果を表示する表示手段とを備え、前記サーベイランス試験実行手段を前記複数の計算機における少なくとも1台の第1の計算機に搭載し、前記進行指示入力手段および前記表示手段を、前記複数の計算機における前記第1の計算機以外の少なくとも1台の第2の計算機に搭載したことを特徴とするサーベイランス試験装置。
【請求項2】 前記第2の計算機は可搬型の計算機であることを特徴とする請求項1記載のサーベイランス試験装置。
【請求項3】 前記表示手段は、前記サーベイランス試験ガイド用の表示画面を有し、前記試験対象系統に係わる試験手順データにおける複数の試験項目、当該試験項目に対応する計測データおよび判定結果を前記試験ガイド用表示画面における試験手順結果表示エリア上に互いに対応付けて表示する手段である請求項2記載のサーベイランス試験装置。
【請求項4】 前記進行指示入力手段は、前記サーベイランス試験ガイド用表示画面上に形成され、プラント運転員の操作により複数の進行指示を入力可能なグラフィカルな複数の操作部を備えており、前記第1の計算機は、前記プラントの試験対象系統機器のプラントデータを入力する入力手段と、前記サーベイランス試験実行手段のサーベイランス試験進行状況に応じて、当該サーベイランス試験進行状況に対応する操作部の操作要求を前記通信ネットワークを介して前記第2の計算機に送信する操作要求送信手段とを備えており、前記表示手段は、前記送信手段により送信されてきた計測データおよび判定結果を受信する受信手段と、この受信手段により受信された計測データおよび判定結果を前記試験手順結果表示エリア上に更新表示する更新表示手段と、送信されてきた操作要求に対応する操作部の表示態様を変化させる表示態様変化手段とを備えたことを特徴とする請求項3記載のサーベイランス試験装置。
【請求項5】 前記第1の計算機は、前記サーベイランス試験実行手段のサーベイランス試験実行処理前において、前記試験対象系統に係わる試験手順データにおける先頭から複数番目までの複数の試験項目を前記通信ネットワークを介して前記第2の計算機に送信する試験項目送信手段を備えており、前記表示手段は、送信された複数の試験項目を受信する試験項目受信手段と、受信された複数の試験項目を前記試験手順表示エリア上に表示する手段と、前記受信手段により受信された計測データおよび判定結果に応じて、前記サーベイランス試験実行手段により次に実行される試験項目が前記試験手順結果表示エリア上に表示された複数の試験項目に含まれるか否か判断する判断手段と、この判断手段により含まれないと判断された際に、前記試験手順表示エリア上に表示された複数の試験項目を、前記サーベイランス試験実行手段により次に処理される試験項目から複数番目までの新たな複数の試験項目に更新する更新手段とを備えたことを特徴とする請求項4記載のサーベイランス試験装置。
【請求項6】 前記試験対象系統機器を操作するための機器操作部を有する操作パネルと、この操作パネルの所定位置に設置された表示装置とをさらに備えるとともに、前記進行指示入力手段は、前記試験対象系統に係わる系統図の表示要求を入力する手段と、入力した系統図表示要求を前記通信ネットワークを介して前記第1の計算機に送信する手段とを備えており、前記第1の計算機は、前記試験対象系統に係わる系統機器および前記試験対象系統機器の動作状態を系統図として表すためのシンボルデータを記憶するシンボルデータ記憶手段と、前記進行指示入力手段により入力された系統図表示要求に応じて、前記シンボルデータ記憶手段に記憶されたデータを用いて前記試験対象系統機器の動作状態を含む前記試験対象系統の系統図を作成して前記表示装置に表示する系統図表示手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載のサーベイランス試験装置。
【請求項7】 前記進行指示入力手段は、前記試験対象系統に係わる系統図を表示するための系統図表示要求を入力する手段と、前記試験対象系統機器のプラントデータ送信要求を入力する手段と、入力されたプラントデータ送信要求を前記通信ネットワークを介して前記第1の計算機に送信する手段とを備えており、前記第1の計算機は、前記プラントデータ送信要求に応じて前記試験対象系統機器のプラントデータを周期的に収集する手段と、収集されたプラントデータを前記通信ネットワークを介して前記第2の計算機に送信するプラントデータ送信手段と備え、前記第2の計算機は、前記試験対象系統に係わる固定の系統機器を系統図として表すための第1のシンボルデータおよび前記試験対象系統機器の動作状態を系統図として表すための第2のシンボルデータをそれぞれ記憶するシンボルデータ記憶手段と、入力された系統図表示要求に対応する第1のシンボルデータを用いて固定系統機器用の系統図を作成して表示する作成表示手段と、前記プラントデータ送信手段から送信されてきたプラントデータに対応する第2のシンボルデータに基づいて前記試験対象系統機器用の系統図を作成し、前記固定系統機器用系統図上に重畳表示する重畳表示手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載のサーベイランス試験装置。
【請求項8】 前記進行指示入力手段は、前記サーベイランス試験実行中の試験項目の詳細手順の表示要求を入力する手段と、入力された実行中試験項目の詳細手順表示要求を前記通信ネットワークを介して前記第1の計算機に送信する手段とを備えており、前記第1の計算機は、前記試験手順データの各試験項目毎に、その各試験項目の詳細な試験手順を表すデータを記憶する試験詳細手順データ記憶手段と、前記進行指示入力手段から送信された詳細手順表示要求に対応する試験詳細手順データを前記試験詳細手順データ記憶手段から読み出し、表示用の試験詳細手順データに編集して前記通信ネットワークを介して前記第2の計算機に送信する手段とを備えるとともに、前記第2の計算機は、送信されてきた前記詳細手順表示要求に対応する表示用試験詳細手順データを表示する試験詳細手順データ表示手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のサーベイランス試験装置。
【請求項9】 前記進行指示入力手段は、前記サーベイランス試験実行中の試験項目の試験手順の拡大表示要求を入力する手段を備えており、前記第2の計算機は、前記拡大表示要求に応じて、前記サーベイランス試験実行中の試験項目の試験手順、この試験項目に対応する計測データおよび判定結果を拡大して前記試験ガイド用表示画面全体にオーバーラップ表示する拡大表示手段を備えたことを特徴とする請求項3記載のサーベイランス試験装置。
【請求項10】 前記進行指示入力手段は、前記サーベイランス試験の進行指示を運転員の音声により入力する音声入力手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のサーベイランス試験装置。
【請求項11】 前記第2の計算機は複数台であり、これら複数台の第2の計算機それぞれに前記進行指示入力手段および前記表示手段が搭載されているとともに、各第2の計算機は、自計算機の進行指示入力手段により試験進行指示の入力可否要求を前記通信ネットワークを介して前記第1の計算機に送信する入力可否要求送信手段を備えており、前記第1の計算機は、前記複数の第2の計算機それぞれの操作モードを記憶可能な操作モード記憶手段と、前記各第2の計算機の進行指示入力手段から送信された入力可否要求に応じて操作モード記憶手段の記憶内容を参照し、その参照結果に基づいて、前記試験進行指示入力が可能な進行指示モードを前記複数台の第2の計算機における何れか1台に設定し、この設定された1台の第2の計算機(進行指示モード計算機)の操作モードを進行指示モードとして前記操作モード記憶手段に書き込む進行指示モード設定手段と、進行指示モードを前記通信ネットワークを介して前記進行指示モード計算機に通知する第1のモード通知手段と、前記操作モード記憶手段の記憶内容参照結果に基づいて、前記進行指示計算機以外の第2の計算機の操作モードを、前記試験進行指示入力が不可で前記表示処理専用であることを表す表示モードとして前記操作モード記憶手段に書き込む表示モード設定手段と、表示モードを前記通信ネットワークを介して前記表示モードに設定された第2の計算機(表示モード計算機)に対して通知する第2のモード通知手段とを備えており、前記進行指示モード計算機は、通知された進行指示モードを記憶する第1のモード記憶手段と、記憶された進行指示モードに応じて自計算機の進行指示入力手段からの試験進行指示入力を許可する手段とを備え、前記表示モード計算機は、通知された表示モードを記憶する第2のモード記憶手段と、記憶された表示モードに応じて自計算機の進行指示入力手段からの試験進行指示入力を無効にする手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載のサーベイランス試験装置。
【請求項12】 前記第2の計算機は少なくとも3台以上であり、これら3台以上の第2の計算機それぞれに前記進行指示入力手段および前記表示手段が搭載され、前記3台以上の第2の計算機における少なくとも1台の計算機は前記プラントの中央操作室(中操)用に割当てられ、残りの第2の計算機における少なくとも1台の計算機は前記プラント現場用に割当てられる一方、前記試験手順データの複数の試験項目には、前記プラント運転員に前記試験対象系統機器の動作状態を確認させるための確認項目が含まれ、その確認項目には、確認場所として前記中操および前記プラント現場の何れか一方を表す確認場所情報が設定されているとともに、前記各第2の計算機は、自計算機の進行指示入力手段からの試験進行指示の入力可否要求を前記通信ネットワークを介して前記第1の計算機に送信する入力可否要求送信手段を備えており、前記第1の計算機は、前記複数の第2の計算機それぞれの操作モードを記憶可能な操作モード記憶手段と、前記各第2の計算機の進行指示入力手段から送信された入力可否要求に応じて操作モード記憶手段の記憶内容を参照し、その参照結果に基づいて、前記試験進行指示入力が可能で、かつ前記中操用に割当てられたことを表す中操モードを前記3台以上の第2の計算機における何れか1台に設定し、この設定された1台の第2の計算機(中操モード計算機)の操作モードを中操モードとして前記操作モード記憶手段に書き込む中操モード設定手段と、中操モードを前記通信ネットワークを介して前記中操モード計算機に対して通知する中操モード通知手段と、前記操作モード記憶手段の記憶内容参照結果に基づいて、前記試験進行指示入力が可能で、かつ前記プラント現場用に割当てられたことを表す現場モードを前記中操モード計算機以外の複数の第2の計算機における何れか1台に設定し、この設定された1台の第2の計算機(現場モード計算機)の操作モードを現場モードとして前記操作モード記憶手段に書き込む現場モード設定手段と、現場モードを前記通信ネットワークを介して前記現場モード計算機に対して通知する現場モード通知手段と、前記操作モード記憶手段の記憶内容参照結果に基づいて、前記試験進行指示入力が不可で前記表示処理専用であることを表す表示モードを前記中操モード計算機および現場モード計算機以外の第2の計算機に対して設定し、この設定された第2の計算機(表示モード計算機)の操作モードを表示モードとして前記操作モード記憶手段に書き込む表示モード設定手段と、表示モードを前記通信ネットワークを介して前記表示モード計算機に対して通知する表示モード通知手段とを備えており、前記中操モード計算機は、通知された中操モードを記憶する中操モード記憶手段と、自計算機の進行指示入力手段における複数の操作部を介した中操側のプラント運転員からの進行指示入力を許可するとともに、前記操作要求送信手段から前記現場側確認項目に対応する操作部の操作要求が送信された際に、当該操作要求を無効にする手段とを備え、前記現場モード計算機は、通知された現場モードを記憶する現場モード記憶手段と、自計算機の進行指示入力手段における前記現場確認項目に対応する操作部以外の複数の操作部を介した現場側のプラント運転員からの進行指示入力を無効にするととともに、前記操作要求送信手段から前記現場側確認項目に対応する操作部の操作要求が送信された際に、当該操作要求を有効にして前記表示態様変化手段に通知する手段とを備え、前記表示モード計算機は、通知された表示モードを記憶する表示モード記憶手段と、記憶された表示モードに応じて自計算機の進行指示入力手段における前記複数の操作部を介した現場側のプラント運転員からの進行指示入力を無効する手段とを備えたことを特徴とする請求項4記載のサーベイランス試験装置。
【請求項13】 前記第1の計算機は、前記進行指示モード計算機が正常に動作しているか否かを判断する動作判断手段と、この動作判断手段により前記進行指示モード計算機が正常に動作していないと判断された際に、前記表示モード計算機の操作モードを前記進行指示モードに切替えるための要求を前記通信ネットワークを介して前記表示モード計算機に送信する切替要求送信手段とを備え、前記表示モード計算機は、送信されてきた切替要求に応じて前記第2のモード記憶手段に記憶された表示モードを前記進行指示モードに書替える書替手段と、書替えられた進行指示モードに応じて自計算機の進行指示入力手段からの試験進行指示入力を許可する手段とを備えたことを特徴とする請求項11記載のサーベイランス試験装置。
【請求項14】 前記各第2の計算機は、前記中操モード、現場モードおよび表示モードの内の何れか1つの操作モードを選択する操作モード選択手段を備え、前記入力可否要求送信手段は、前記選択された操作モードに基づく入力可否要求を前記通信ネットワークを介して前記第1の計算機に送信する手段であることを特徴とする請求項12記載のサーベイランス試験装置。
【請求項15】 通信ネットワークを介して互いに通信可能な複数の計算機を有しており、プラントの試験対象系統を構成する試験対象系統機器を操作して得られた当該試験対象系統機器の状態を表すプラントデータに基づいて前記試験対象系統機器の動作確認用サーベイランス試験を行なうサーベイランス試験装置における前記複数の計算機が読取り可能な記憶媒体であって、前記記憶媒体は、複数のサーベイランス試験項目が順番に配列された試験手順データと、前記試験対象系統機器の動作確認用サーベイランス試験を前記試験対象系統に係わる試験手順データの試験項目に従って進行させるための指示を入力して前記通信ネットワークを介して送信する処理を前記複数の計算機の内の少なくとも1台の第1の計算機に実行させるための第1のプログラムと、前記通信ネットワークを介して送信されてきた進行指示に対応する試験項目に基づくデータを前記試験対象系統機器のプラントデータに基づいて計測する処理、この計測データを判定することにより前記サーベイランス試験を実行する処理、および前記計測データおよび判定結果を前記通信ネットワークを介して送信する処理を前記複数の計算機の内の前記第1の計算機以外の少なくとも1台の第2の計算機に実行させるための第2のプログラムと、前記試験対象系統に係わる試験手順データ、前記通信ネットワークを介して送信されてきた計測データおよび判定結果を表示する処理を前記第2の計算機に実行させるための第3のプログラムとを備えたことを特徴とする計算機が読取り可能な記憶媒体。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図10】
image rotate


【図11】
image rotate


【図15】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図12】
image rotate


【図13】
image rotate


【図24】
image rotate


【図41】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate


【図16】
image rotate


【図18】
image rotate


【図37】
image rotate


【図9】
image rotate


【図14】
image rotate


【図17】
image rotate


【図39】
image rotate


【図40】
image rotate


【図19】
image rotate


【図20】
image rotate


【図21】
image rotate


【図22】
image rotate


【図25】
image rotate


【図23】
image rotate


【図26】
image rotate


【図30】
image rotate


【図27】
image rotate


【図28】
image rotate


【図29】
image rotate


【図31】
image rotate


【図32】
image rotate


【図34】
image rotate


【図33】
image rotate


【図35】
image rotate


【図36】
image rotate


【図38】
image rotate


【公開番号】特開2001−208885(P2001−208885A)
【公開日】平成13年8月3日(2001.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−19188(P2000−19188)
【出願日】平成12年1月27日(2000.1.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】