説明

シェルタ

【課題】 居住者が複数いる場合でも、居住空間をできるだけ各居住者毎に最適な気圧に設定保持できるようにし、居住性を向上させて長期滞在が快適にできるようにする。
【解決手段】 外壁に囲繞され外気を吸入可能な居住空間Kを備えるとともに、居住空間Kの内気圧を調整する気圧調整装置を備え、居住空間Kとして、外気よりも高い互いに異なる内気圧に設定保持可能に区画された第一高圧空間K1及び第二高圧空間K2を備えて構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、居住できる居住空間を備えた居住型のシェルタに係り、特に、外壁に囲繞され外気よりも高い圧力に設定保持可能な居住空間を備えたシェルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のシェルタとしては、例えば、本願出願人が先に提案し、特許文献1(特開2005−16216号公報)に記載された技術が知られている。
図22に示すように、このシェルタSaは、放射線を遮断可能な外壁100に囲繞され外気を吸入可能な2つの居住空間101,102を備えて構成されており、1つの居住空間101は、居間,寝所,シャワー室などが設けられ外気よりも高い圧力に設定保持可能な高圧空間101aとして構成され、他の1つの居住空間102は、外壁100に設けられる開閉可能な外ドア103を有した外出入口104と、高圧空間101aに出入りするための開閉可能な内ドア105を有した内出入口106とを備え、外との出入りの際に使用する出入口空間102aとして構成されている。各居住空間101,102の内気圧は図示外の気圧調整装置により調整され、特に、出入口空間102aは、高圧空間101aと同じ内気圧に設定されるようになっている。
【0003】
そして、シェルタSaに入る際は、まず、内出入口106を閉めた状態で、外出入口104の外ドア103を開けて出入口空間102aに入り外ドア103を閉める。次に、出入口空間102aを高圧空間101aと同じ内気圧に設定し、内ドア105を開けて内出入口106から高圧空間101aに入る。また、シェルタSaから出る際は、出入口空間102aを高圧空間101aと同じ内気圧に設定し、内ドア105を開けて内出入口106から出入口空間101aに入り、内ドア105により内出入口106を閉めてから、外出入口104の外ドア103を開けて外部に出る。これにより、高圧空間101aの内気圧を保持した状態で外との出入りができる。
【0004】
また、高圧空間101aにおいては、例えば、約2000hPaに保持される。そのため、常時外気圧より高い一定の気圧環境で居住することができ、一般に外気圧より高い環境は、健康に良いとされ、また、気圧変動がないことから、居住性が向上させられ長期滞在が快適にできるようになる。
また、災害等の非常時においては、居住空間101が放射線を遮断可能な外壁100により囲繞されているので、シェルタ機能が発揮される。
【0005】
【特許文献1】特開2005−16216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来のシェルタSaにおいては、高圧空間101aが1つなので、居住者が複数いる場合には、各居住者毎に体調等の理由で最適な気圧が異なると、これに対応できないという欠点があった。尚、出入口空間102aは、内気圧調整可能であるが、高圧空間101aと同じ気圧にしか調整できないので、用に供することができない。
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、居住者が複数いる場合でも、居住空間をできるだけ各居住者毎に最適な気圧に設定保持できるようにし、居住性を向上させて長期滞在が快適にできるようにしたシェルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明のシェルタは、外壁に囲繞され外気を吸入可能な居住空間を備えるとともに、該居住空間の内気圧を調整する気圧調整装置を備えたシェルタにおいて、上記居住空間として、外気よりも高い互いに異なる内気圧に設定保持可能に区画された2以上の高圧空間を備えて構成している。
これにより、各高圧空間において、外気よりも高い互いに異なる内気圧環境で居住することができる。そのため、居住者が複数いる場合には、各居住者毎に体調等の理由で最適な気圧が必要になることがあるが、各高圧空間は夫々異なる内気圧に設定できるので、各居住者毎に最適な気圧を選択することができ、そのため、居住性が向上させられ、長期滞在が快適にできるようになる。
【0008】
そして、必要に応じ、上記居住空間として、上記外壁に設けられる開閉可能な外ドアを有した外出入口と、上記高圧空間に出入りするための開閉可能な内ドアを有した内出入口とを備え、外との出入りの際に使用する出入口空間を備えた構成としている。この場合、出入りの際に、出入口空間の気圧と高圧空間の内気圧とを同じにすることができ、そのため、高圧空間の空気と外部の空気の急激な流通を防止でき、安全に出入りを行なうことができるようになる。尚、出入口空間を、外気よりも高い他の高圧空間と互いに異なる内気圧に設定保持可能な高圧空間として構成してよい。
【0009】
また、必要に応じ、上記気圧調整装置を、空気を圧縮するコンプレッサと、該コンプレッサから各居住空間に配管され空気量調整バルブにより給気量を調整可能な給気管と、該各居住空間に配管され排気量調整バルブにより排気量を調整可能な排気管と備えて構成している。簡易な構造で外気を吸入可能できその気圧調整を行なうことができる。
【0010】
更に、必要に応じ、上記居住空間内に、飲料水を給水する給水器と、該給水器から給水されて使用に供された生活廃水を排水する排水口と、上記生活廃水を洗浄水として流して汚水として排水する水洗トイレ装置とを設け、
上記給水器が上水管を介して接続され飲料水を貯留する飲料水貯留タンクと、上記排水口が下水管を介して接続され該排水口から排水される生活廃水を貯留する生活廃水貯留タンクと、該水洗トイレ装置からの汚水を貯留する汚水貯留タンクとを備えた構成としている。
この場合、生活廃水を水洗トイレ装置の洗浄水として二次利用できるので、無駄がなく効率が極めて良くなる。
【0011】
更にまた、必要に応じ、上記給水及び排水の全部若しくは一部を、上記居住空間の圧力差を用いて行なう配管を備えた構成としている。居住空間の圧力差を用いて給水あるいは排水を行なうので、ポンプなどの特別な給排水用の装置が不要になり、それだけ、構造も簡易で省力化が図られる。
この場合、上記水洗トイレ装置は、上記居住空間の圧力差により生活廃水を洗浄水として流して汚水貯留タンクへ汚水として排水する洗浄機構を備えたことが有効である。生活廃水の利用を、構造を簡易にして容易に行なうことができるようになる。
【0012】
また、必要に応じ、上記高圧空間の少なくとも一つを、上記飲料水貯留タンク,生活廃水貯留タンク,汚水貯留タンクのいずれかのタンク内に設置した構成としている。水は放射線を遮り易いので、例えば核爆発が外部で発生して放射線が放射されても、タンク内の高圧空間内は放射線の影響が低減されるので、より安全になる。
【0013】
そしてまた、必要に応じ、上記少なくとも1つの居住空間を、上記外壁の外に分離可能なカプセルで構成している。非常時にカプセルを切り離し、居住者を内部に収容したまま、脱出させることができるので、脱出の安全が確実に図られる。
この場合、上記カプセルに該カプセルを外部から引き上げるための索体が係止される係止体を設けたことが有効である。ヘリコプター等で索体に引っ掛けて吊るして搬送できるので、脱出を容易且つ確実に行なうことができるようになる。
また、必要に応じ、上記外壁に上記カプセルが通過可能な開口を設け、該開口に常閉の開閉扉を設け、該カプセルに該カプセル内で操作され上記開閉扉を開にして上記係止体を外部に露出させる扉駆動機構を設けた構成としている。居住者はカプセル内に入って操作できるので、外部の影響を受けることなく安全に操作することができる。
【0014】
そして、必要に応じ、上記外壁下部に、車輪を設け、自動車で牽引して移動可能にした構成としている。移動が自由になり汎用性が増す。
【発明の効果】
【0015】
本発明のシェルタによれば、平常時には、外気を取り入れて居住空間内に空気を送り込み、しかも、常時外気圧より高い一定の気圧環境で居住することができ、気圧変動がないことから、居住性が向上させられ長期滞在が快適にできるようになり、療養施設としても使用することができ、使用用途を広げることができる。また、災害等の非常時の際にも避難できるシェルタとしての機能を発揮させることができる。
そして、居住空間として、外気よりも高い互いに異なる内気圧に設定保持可能に区画された2以上の高圧空間を備えたので、各高圧空間において、外気よりも高い互いに異なる内気圧環境で居住することができる。そのため、居住者が複数いる場合には、各居住者毎に体調等の理由で最適な気圧が必要になることがあるが、各高圧空間は夫々異なる内気圧に設定できるので、各居住者毎に最適な気圧を選択することができ、そのため、居住性を大幅に向上させ、長期滞在をより一層快適にできるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係るシェルタについて詳細に説明する。
図1乃至図16には、本発明の第一の実施の形態に係るシェルタSを示している。このシェルタSは、自動車Cで牽引されて移動可能なタイプのものであり、外壁1に囲繞され外気を吸入可能な居住空間Kを備えるとともに、居住空間Kの内気圧を調整する気圧調整装置200を備えている。
【0017】
シェルタSの外壁1は、図1乃至図6に示すように、ボックス状に形成されており、後側の矩形状部2と前側の半円形状部3とからなる。外壁1は、図6に示すように、格子状の骨組4の表裏に金属製等の板材5を張設し、この外壁1の内部には、放射線を遮断可能にするとともに、外部と居住空間Kとを断熱する放射線カット断熱材(図示せず)が備えられている。放射線を遮断し、居住空間K内を安全に保つことができる。
【0018】
ボックス状の外壁1は、車台6に搭載されており、車台6には、車輪7が設けられている。車輪7は、鉄製のリムにエアが注入されるゴムタイヤを設けたもので、火災などでゴムが燃えても、リムが機能できるように形成されている。また、車台6の後ろ側には、乗降可能な手摺つきのステップ8が設けられている。
【0019】
また、外壁1内には、各々区画された部屋で構成され、矩形状部2の上部に設けられ飲料水を貯留する飲料水貯留タンク10と、生活廃水を貯留する生活廃水貯留タンク11と、生活廃水よりも更に汚れた汚水を貯留する汚水貯留タンク12とが設けられている。更に、図16に示すように、コンプレッサ13,発電機14,LPガスボンベ15,酸素ボンベ16,給湯器17,ガソリンタンク18を収納する複数の収納庫19a,19b,19c,19dを備えている。また、収納庫としては種々の物を入れておく物置19eも備えられている。発電機14はガソリンタンク18のガソリンを燃料として発電され、図示外の内部の電灯などの電気設備に電力を供給する。LPガスボンベ15のガスは給湯器17や図示外のコンロなどの燃料を供給する。
【0020】
居住空間Kとしては、外気よりも高い互いに異なる内気圧に設定保持可能に区画された2以上の高圧空間K1,K2を備えて構成されている。実施の形態では、円筒状の金属製第一カプセルP1で囲繞された第一高圧空間K1と、同様に円筒状の金属製第二カプセルP2で囲繞された第二高圧空間K2の2つの高圧空間K1,K2を備えている。第一高圧空間K1はその円筒の軸線を垂直にして前側の半円形状部3側に設けられ、第二高圧空間K2はその円筒の軸線を車幅方向に水平にして矩形状部の上側であって飲料水貯留タンク10内に設けられている。水は放射線を遮り易いので、例えば核爆発が外部で発生して放射線が放射されても、タンク10内の第二高圧空間K2内は放射線の影響が低減されるので、より安全になる。
【0021】
また、居住空間Kとしては、外との出入りの際に使用する円筒状の第三カプセルP3で囲繞された出入口空間KAを備えている。出入口空間KAは、その円筒の軸線を垂直にして矩形状部の後部であって第二高圧空間K2の下に設けられている。図8に示すように、出入口空間KAを形成する第三カプセルP3には、上記のステップ8に面した外壁1の後部に設けられ開閉可能かつ閉時に密閉されるヒンジ開閉型の外ドア20を有した外出入口21と、第一高圧空間K1に出入りするための開閉可能かつ閉時に密閉されるヒンジ開閉型の内ドア22を有した内出入口23とが備えられている。
【0022】
図9及び図10に示すように、第一高圧空間K1と第二高圧空間K2とは連通路を有した後述の接続部50を介して接続されており、第一高圧空間K1を形成する第1カプセルの円筒状の連通路53には、開閉可能かつ閉時に第一高圧空間K1と第二高圧空間K2とを密閉して仕切るヒンジ開閉型の開閉ドア24が設けられている。また、第二高圧空間K2を形成する第2カプセルの連通路54にも、開閉可能かつ閉時に第一高圧空間K1と第二高圧空間K2とを密閉して仕切る引戸型のシャッタ25が設けられている。
【0023】
第一高圧空間K1を形成する第一カプセルP1内は、図5,図7乃至図10に示すように、一階フロア30と、二階フロア31とを備え、各階との間に往来可能な階段32が設けられている。
一階フロア30には、内出入口23に隣接し椅子33を備えた入口ホール34と、入口ホール34に隣接しシンク35を備えた居間36と、居間36に隣接し壁で仕切られたトイレ37と、入口ホール34,居間36及びトイレ37に隣接し壁で仕切られ浴槽38を備えたバスルーム39とが設けられている。居間36とトイレ37との間の壁、居間36とバスルーム39との間の壁、バスルーム39とトイレ37との間の壁には、夫々、開閉する折畳式の開閉戸40が設けられている。また、バスルーム39には入口ホール34に開閉する折畳式の窓41が設けられている。階段32の上り口は居間36に設けられている。
【0024】
また、図9に示すように、居間36の床下は、上開放の箱42が複数並べられ且つ移動可能に収納される床下空間43として形成されている。床の数箇所には、着脱自在な蓋44で覆われ箱42に物を収納したり物を取り出すための開口45が設けられている。各箱42は床下空間43において押されあるいは引っ張られて順次スライド移動させられ、物の出し入れの際に開口45に対応させて位置させることができる。
更に、二階フロア31は、寝室として構成されている。
【0025】
第二高圧空間K2を形成する第二カプセルP2は、寝室として用いられ、図4に示すように、第一カプセルP1から切り離されて外壁1の外に分離可能に設けられている。図4,図15及び図16に示すように、第二カプセルP2の下側には空気を貯留する空気タンクATが設けられている。また、図3及び図4,図9乃至図11,図13及び図15に示すように、第一カプセルP1と第二カプセルP2との接続部50は、接続分離可能且つ接続時にシール可能に形成されている。即ち、接続部50は、第一カプセルP1に固定されこの第一カプセルP1側の連通路53が設けられた第一接続体51と、第二カプセルP2に固定されこの第二カプセルP2側の連通路54が設けられた第二接続体52とを備えている。第一接続体51及び第二接続体52は、中空状の矩形の箱体を、上下に2分割した分割体で夫々構成されている。第一接続体51は下側の分割体で構成されその第一カプセルP1側の壁面に第一カプセルP1側の連通路53が固定され、第二接続体52は上側の分割体で構成されその第二カプセルP2側の壁面に第二カプセルP2側の連通路54が固定されている。また、各分割体の分割縁部は、円筒状の連通路53,54に倣って半円形に形成されている。また、図11に示すように、第一カプセルP1側の分割縁部は、第二カプセルP2の分割縁部が嵌合する溝55で形成されており、この溝55にはパッキン56が設けられており、接続時にシールして密封できるようにしている。そして、第一接続体51及び第二接続体52は、その接続時に、後述のロック機構90でロックされ、ロック解除時に分離可能になる。
【0026】
第二カプセルP2には、図1,図3,図4,図12乃至図15に示すように、この第二カプセルP2を外部から引き上げるための例えばヘリコプターから吊下される索体(図示せず)のフック(図示せず)が係止される係止体60が設けられている。図12に示すように、係止体60は、第二カプセルP2の上部に回動可能に設けられている。係止体60は、基端から互いに拡開した2本の棒材61a,61bの組からなる一対のアーム61と、各アーム61の棒材61a,61bの先端間に掛け渡されたロッド62と、ロッド62の両端に設けられたローラ63と、各アーム61の棒材61a,61b間にロッド62に接合されて仮設されロッド62との接合部を上記の索体のフックが係止される係止部64aとして構成する架設杆64とから構成されている。
図12に示すように、このアーム61の基端部は、支持軸65を介して回動可能に第二カプセルP2の天井外側に設けられている。そして、係止体60は、アーム61の回動により第二カプセルP2側に横臥した収納位置Xと、この収納位置Xから起立し上記の索体のフックが係止可能な起立位置Yの2位置に回動する。
【0027】
図12に示すように、第二カプセルP2が対峙する上部の外壁1には、第二カプセルP2が通過可能な開口66が設けられており、この開口66にはヒンジ67を介して両側に開く所謂観音開き型の常閉の開閉扉68が設けられ、上記の係止体60の収納位置Xで係止体60を覆う。また、開閉扉68は、係止体60が収納位置Xから起立位置Yに回動する際、係止体60のローラ63によって押されて開かれる。
第二カプセルP2には、カプセル内で操作されて、開閉扉68を開にして係止体60を収納位置Xから起立位置Yに回動させて係止体60を外部に露出させる扉駆動機構70が設けられている。
【0028】
扉駆動機構70は、図12に示すように、第二カプセルP2の天井を貫通し第二カプセルP2内の基端にハンドル71を有しハンドル71により回転せしめられて進退動する操作ボルト72と、第二カプセルP2の天井に固定され進退動する操作ボルト72が螺合して支持される支持ナット73と、開閉扉68に設けられ操作ボルト72の進出時に先端の雄ネジが螺合して開閉扉68を閉位置に保持する止めナット74と、操作ボルト72の雄ネジの先端側の軸部に抜け止めされて回動自在に設けられる駒75と、駒75に突設され上記のアーム61の基端部に設けた長孔76に係合する係合ピン77とを備えている。
【0029】
また、図13乃至図15に示すように、係止体60を収納位置Xでロックする第一ロック機構80及び第二ロック機構90が設けられている。第一ロック機構80は、上記の第一接続体51及び第二接続体52の接続をロックする機能も兼ね備えており、図13(b)に示すように、第一カプセルP1側の一方のアーム61の基端部で支持軸65よりもローラ63側に後端が軸支され接続部50側に延びる棒状部材81と、第二接続体52に回動可能に設けられ一端が棒状部材81の先端に回動可能に連結され他端にローラ82を有したリンク83と、第一カプセルP1に固定され係止体60の収納位置Xでリンク83のローラ82が係入して第二接続体52を第一接続体51に押圧せしめるローラ支持体84とを備えて構成されている。
【0030】
一方、第二ロック機構90は、図13及び図14に示すように、他方のアーム61の基端部で支持軸65よりもローラ63側に後端が軸支され外壁1の後部側に延びるターンバックル91と、第二カプセルP2の外側補強板92に一端が軸支され他端がフック状に形成されるとともにターンバックル91の前端が軸支される係止フック93と、外壁1に固定され係止体60の収納位置Xで係止フックが係入する被係止部材94とを備えて構成されている。
また、各アーム61の左右には、夫々、第二カプセルP2の外側補強板91との間にチェーン95が架設されている。
【0031】
そして、操作ボルト72のハンドル71を回転させて操作ボルト72を後退させると、止めナット74から操作ボルト72が外れ、更に後退させると、駒75に設けた係合ピン77が長孔76を介してアーム61を回動させるので、係止体60が収納位置Xから起立位置Yに移動する。これにより、係止体60のローラ63が開閉扉68を押して開にするとともに、第一ロック機構80において、棒状部材81がアーム61に引っ張られローラ支持体84からローラ82が外れ、第一接続体51及び第二接続体52のロックを解除する。また、第二ロック機構90において、ターンバックル91の先端の係止フック93が被係止部材94から外れて、第二カプセルP2のロックが解除される。そして、係止体60が起立位置Yに至ると、開いた開閉扉68から係止体60の係止部64aが露出する。
【0032】
気圧調整装置200は、図16に示すように、空気を圧縮するコンプレッサ13と、コンプレッサ13から各居住空間Kの空気供給口201,202,203に配管され空気量調整バルブ204,205,206により給気量を調整可能な給気管207と、各居住空間Kの空気排出口211,212,213に配管され各居住空間Kの空気を外部の集約排気口208から外気に排気し排気量調整バルブ214,215,216により排気量を調整可能な排気管217と備えて構成されている。尚、空気量調整バルブ204,205,206は、窒息を防止するため、全閉にならないようにしてある。第一高圧空間K1に配管された排気管217は、生活廃水貯留タンク11を介して集約排気口208に至っている。また、第二カプセルP2には、空気タンクATが搭載されており、第二高圧空間K2はバルブ209を介してこの空気タンクATにも接続されている。
【0033】
給気量調整バルブ204,205,206及び排気量調整バルブ214,215,216は、予め、居住空間Kの設定すべき内気圧を設定可能になっており、設定後は、居住空間K内の内気圧が設定された内気圧以上になると排気管217の開口面積を大きくして排気される空気の量を多くし、また、内気圧以下になると給気管207の開口面積を大きくしたり、排気管217を閉にして、排気される空気の量を少なくし、居住空間K内の内気圧を一定に保つようにしている。
【0034】
そして、気圧調整装置200により、例えば、第一高圧空間K1内の内気圧を1000hPa〜2000hPaに加圧し、第二高圧空間K2内及び空気タンクATの内気圧を1000hPa〜3000hPaに加圧し、出入口空間KAの内気圧を1000hPa〜2000hPaの範囲で加圧設定保持する。
特に、実施の形態では、第一高圧空間K1内の内気圧を2000hPaに加圧し、第二高圧空間K2内の内気圧を3000hPaに加圧する。
また、酸素ボンベ16の酸素を各居住空間Kに設けた酸素出口221,222,223にバルブを介して供給する酸素供給管224が設けられている。空気タンクATにも酸素出口225を介して供給可能にしている。
【0035】
また、居住空間K内には、飲料水貯留タンク10の飲料水をポンプ230により給水する給水器が設けられている。給水器としては、居間36のシンクに隣接して設けられた蛇口231、バスルーム39の蛇口232,バスルーム39のシャワー233,バスルーム39の浴槽38の給湯口234からなり、何れも飲料水貯留タンク10内のポンプ230により水が供給される。また、各給水器(231〜234)は、給湯器17にも接続されている。
更に、居住空間K内には、給水器(231〜234)から給水されて使用に供された生活廃水を排水する排水口240,241が設けられている。排水口241は、上記の空気排気口211と兼用されており、排気管217を通って生活廃水貯留タンク11に至っている。生活廃水貯留タンク11は外気に開放されているので外気圧に保持され、第一高圧空間K1は、該気圧よりも高い内気圧を有するので、圧力差により、排水口240,241からの生活廃水は、生活廃水貯留タンク11に送給される。
【0036】
更にまた、生活廃水を洗浄水として流して汚水として排水する水洗トイレ装置250が設けられている。水洗トイレ装置250は、居住空間Kの圧力差により生活廃水を洗浄水として流して汚水貯留タンク12へ汚水として排水する洗浄機構251を備えている。詳しくは、洗浄機構251は、バルブ252により大気開放可能で、開放時に生活廃水貯留タンク11から供給管254を通して生活廃水を貯留する床下タンク253と、床下タンク253の生活廃水からなる洗浄水を便器255に供給する供給管256と、使用後の便器255からの汚水を汚水貯留タンク12に流す汚水管257と、空気タンクATから電磁開閉バルブ258を介して床下タンク253に接続され電磁開閉バルブ258の開により空気タンクATの空気を供給する空圧管259とを備えている。そして、空圧管259からの空気(3000hPa)により、床下タンク253内の圧力を上げ、床下タンク253内の生活廃水を洗浄水として便器255内に流し込む。便器255に流し込まれた洗浄水は、圧力差により、汚水管257を通って汚水として汚水貯留タンク12に流し込まれる。
【0037】
尚、本実施の形態においては、各空気配管には、有害ガスを取り除く有害ガスフィルタが備えられている。また、居住空間Kには、周知のエアコンが備えられている。また、テレビ,冷蔵庫,電子レンジ等の電気製品が設置されても良い。更に、居住空間K内の酸素濃度が一定以下になると、居住空間K内に酸素ボンベ16から酸素を供給するようにしている。酸素ボンベ16を備えたので、居住空間K内の酸素濃度が低減しても酸素ボンベ16の酸素を供給すれば良くなる。
【0038】
従って、このシェルタSによれば、以下のように作用する。このシェルタSを使用する際は、シェルタSを自動車C等で牽引して適宜の滞在場所へ輸送する。
先ず、出入りについて説明する。シェルタS内に外部から入る際は、出入口空間KAを形成する第三カプセルP3において、外ドア20を開けて出入口空間KAに入り、外ドア20及び内ドア22を閉め、この状態で、気圧調整装置200の空気量調整バルブ206により、出入口空間KAの気圧を第一高圧空間K1の内気圧と同じにする。それから、内ドア22を開けて第一高圧空間K1に入る。この場合、出入口空間KAの気圧と第一高圧空間K1の内気圧とが同じなので、第一高圧空間K1の空気と外部の空気の急激な流通がなく、安全に入ることができるようになる。その後、内ドア22を閉める。尚、内ドア22を開けたままの状態にして、出入口空間KAを居間36として利用しても良い。
【0039】
また、シェルタSから外部に出る際は、出入口空間KAを形成する第三カプセルP3において、第一高圧空間K1から内ドア22を開けて出入口空間KAに入り、外ドア20及び内ドア22を閉め、この状態で、気圧調整装置200の排気量調整バルブ216により、出入口空間KAの空気を外部に流出させて、出入口空間KAの気圧を外気圧と同じにする。この状態で、外ドア20を開けて外部に出る。この場合、出入口空間KAの気圧が外気圧と同じになっているので、第一高圧空間K1の空気と外部の空気の急激な流通がなく、安全に出ることができるようになる。
【0040】
次に、居住空間K内での居住時について説明する。第一高圧空間K1においては、空気量調整バルブ204及び排気量調整バルブ214により、予め所望の内気圧(例えば、2000hPa)の値に設定しておく。これにより、常時外気圧より高い気圧環境で居住することができ、一般に外気圧より高い環境は、健康に良いとされ、療養施設としても使用することができ、使用用途を広げることができる。また、気圧変動がないことから、居住性が向上させられ長期滞在が快適にできるようになる。更に、外気を取り入れる際、空気は有害ガスフィルタを通ることになり、例えば、外気が放射線物質等に汚染されたりして、外気に有害物質が含まれていたり、また、シェルタSの周囲に有害なガスが発生していても、これらの有害物質やガスを取り除くことができるので、無害な空気を居住空間K内に取り入れることができる。
【0041】
第一高圧空間K1において、例えば、炊事を行なうときは、シンク38を使用する。飲料水は蛇口231から供給され、排水口240から生活廃水貯留タンク11へ排水される。この場合、第一高圧空間K1の圧力は高いので、圧力差により排水が行なわれる。
また、入浴する場合には、バスルーム39に入り、浴槽38やシャワー233を利用する。この場合、バスルーム39の蛇口232,バスルーム39のシャワー233,バスルーム39の浴槽38の給湯口234から、水または湯が、飲料水貯留タンク10内のポンプ230あるいは給湯器17により供給される。排水は、排水口241から生活廃水貯留タンク11へ排水される。この場合、第一高圧空間K1の圧力は高いので、圧力差により排水が行なわれる。
【0042】
また、トイレ37を使用するときは、水洗トイレ装置250において便器255を使用する。使用後は、電磁開閉バルブ258を開にする。これにより、空気タンクATの空気(3000hPa)が床下タンク253内に入り込み、床下タンク253内の圧力を上げ、床下タンク253内の生活廃水を洗浄水として便器255内に流し込む。便器255に流し込まれた洗浄水は、圧力差により、汚水管257を通って汚水として汚水貯留タンク12に流し込まれる。電磁開閉バルブ258が閉になると、床下タンク253はバルブ252により大気開放されているので、生活廃水貯留タンク11から供給管254を通して落差により生活廃水が供給され、貯留される。この場合、生活廃水を二次利用するので無駄がなく効率が極めて良くなる。
【0043】
次に、就寝するときは、先ず、第一高圧空間K1の二階フロア31の寝室を用いる。また、第二高圧空間K2を使用することもできる。第二高圧空間K2を使用する際は、図10に示すように、開閉ドア24及びシャッタ25を開けて、第一高圧空間K1から第二高圧空間K2に入る。そして、第二高圧空間K2においては、空気量調整バルブ205及び排気量調整バルブ215により、予め第一高圧空間K1の内気圧と異なる所望の内気圧(例えば、3000hPa)の値に設定しておく。これにより、第一高圧空間K1の内気圧よりも更に高い内気圧環境あるいは低い内気圧環境で居住することができる。そのため、居住者が複数いる場合で、各居住者毎に体調等の理由で最適な気圧が必要になる際等、特に、睡眠時間は長く、この間の気圧調整は重要であるが、寝室が第一高圧空間K1及び第二高圧空間K2にあり、夫々異なる内気圧に設定できるので、各居住者毎に最適な気圧を選択することができ、そのため、居住性が向上させられ、長期滞在が快適にできるようになる。
また、非常時には、一時的に外気の取り入れをやめて、酸素ボンベ16の酸素により生活することもできる。
【0044】
次に、このシェルタSが非常時において火災等に晒され、出入口空間KAからの脱出が困難になるような場合、第二高圧空間K2を構成する第二カプセルP2を用い、例えば、ヘリコプターの吊下による脱出方法について説明する。
図10に示すように、脱出の際は、第二カプセルP2の第二高圧空間K2に入る。そして、シャッタ25を閉める。この状態で、図12に示すように、操作ボルト72のハンドル71を回転させて操作ボルト72を後退させる。居住者はカプセル内に入って操作できるので、外部の影響を受けることなく安全に操作することができる。
【0045】
これにより、止めナット74から操作ボルト72が外れ、更に後退させると、駒75に設けた係合ピン77が長孔76を介してアーム61を回動させるので、図12及び図15に示すように、係止体60が収納位置Xから起立位置Yに移動する。これにより、係止体60のローラ63が開閉扉68を押して開にするとともに、第一ロック機構80において、棒状部材81がアーム61に引っ張られローラ支持体84からローラ82が外れ、第一接続体51及び第二接続体52のロックを解除する。また、第二ロック機構90において、ターンバックル91の先端の係止フック93が被係止部材94から外れて、第二カプセルP2のロックが解除される。そして、係止体60が起立位置Yに至ると、開いた開閉扉68から係止体60の係止部64aが露出する。
この状態において、ヘリコプターの索体に設けたフックを係止部64aに係止し引き上げる。この場合、第二高圧空間K2内には、空気タンクATから酸素が供給可能なので、安全が確保される。この結果、非常時において、安全な脱出を行なうことができる。
【0046】
図17及び図18には、本発明の第一の実施の形態に係るシェルタSにおいて、第一高圧空間K1の変形例を示している。これは、居間36とバスルーム39を兼用するようにし、スペースを有効利用したタイプのものである。
詳しくは、また、第一高圧空間K1の床には、中央に浴槽38が設けられている。浴槽38の開口には、上下動可能な脚300及び脚300に支持され浴槽38の開口を覆う板体301が設けられている。そして、脚300の上下動により、板体301を居住者の足を浴槽38内に入れかつ床302に座してテーブルとして使用できる上昇位置J1,板体301を床302と面一つにして板体301を床として用いる中間位置J2,板体301を浴槽38の底に位置させて浴槽38を有効にする下降位置J3の3位置に移動可能にしている。
脚300は、上記の空気タンクAT(3000hPa)をエア源として作動させられるエアシリンダ装置になっており、空気タンクATからのエアの供給時に上昇し、エアの非供給時に下降する。また、浴槽38には床板301を中間位置J2に保持し、空気タンクATをエア源として作動するエアシリンダ型のストッパ303が設けられている。ストッパ303は、空気タンクATからのエアの供給時に突出して板体301を支持し、エアの非供給時に後退して板体301の下降を許容する。
【0047】
従って、板体301をテーブルとして使用するときは、空気タンクATからストッパ303へのエアの供給を停止してストッパ303を後退させ、空気タンクATから脚300にエアを供給し板体301を上場位置J1にする。また、板体301を床として使用するときは、空気タンクATからストッパ303へエアを供給してストッパ303を突出させ、空気タンクATから脚300へのエアの供給を停止し板体301を中間位置J2にする。更にまた、浴槽38で入浴するときは、空気タンクATからストッパ303へのエアの供給を停止してストッパ303を後退させ、空気タンクATから脚300へのエアの供給を停止し板体301を下降位置J3にする。
これにより、狭い居住空間Kを効率よく利用することができ、居住性が向上させられ、長期滞在を快適に行なうことができるようになる。
【0048】
図19には、本発明の第一の実施の形態に係るシェルタSにおいて、第一高圧空間K1のまた別の変形例を示している。これは、階段310として折畳タイプのもの2つ設けたものである。また、二階フロア31から、サブフロア311を出し入れ自在に設けた構成としている。二階フロア31及びサブフロア311はベッドとして用いられる。尚、サブフロア311の使用時にはサブフロア311の外延に、落下防止のためのネット(図示せず)が張設される。
これにより、常時は、階段310を折畳んでおく。そのため、居間36を広く利用でき、狭い居住空間Kを効率よく利用することができ、居住性が向上させられ、長期滞在を快適に行なうことができるようになる。また、就寝するときは、階段310を一階フロア30に伸ばす。この場合、階段310は2つあるので、ベッドが複数ある場合往来が容易になる。また、サブフロア311も利用できるので、居住者の収容人数を増加させることができる。
【0049】
図20及び図21には、本発明の第二の実施の形態に係るシェルタSを示している。このシェルタSは、居住空間Kとしては、外気よりも高い互いに異なる内気圧に設定保持可能に区画された2以上の高圧空間K1〜K5を備えて構成されている。また、居住空間Kとしては、外との出入りの際に使用する出入口空間KAを備えている。出入口空間KAには、ヒンジ開閉型の外ドア20と、第一高圧空間K1に出入りするための内ドア22とが備えられている。
【0050】
第一高圧空間K1と第二乃至第五高圧空間K2〜K5とは開閉ドア320を介して連通されている。
第一高圧空間K1は、一階フロア30と、二階フロア31とを備え、各階との間に往来可能な階段32が設けられている。
一階フロア30には、中央のテーブル321及びこれを取り囲む椅子322を配設した居間36と、左右一対ずつ対称に設けられカーテンで仕切られた4つの寝室323と、壁で仕切られたシンクを備えた台所324と、壁で仕切られた3つのトイレ37と、壁で仕切られ浴槽38を備えたバスルーム39とが設けられている。
二階フロア31は、一階フロア30の寝室の上に対応して設けられカーテンで仕切られた4つの寝室323からなる。
これによれば、各高圧空間K1〜K5は、夫々、別々に異なる内気圧に圧力調整が可能なので、そのため、居住者が複数(例えば10人)いる場合には、各居住者毎に体調等の理由で最適な気圧が必要になることがあり、特に、睡眠時間は長く、この間の気圧調整は重要であるが、寝室が第一乃至第五高圧空間K1〜K5に夫々あり、夫々異なる内気圧に設定できるので、各居住者毎に最適な気圧を選択することができ、そのため、居住性が向上させられ、長期滞在が快適にできるようになる。
【0051】
尚、上記高圧空間の数は上述したものに限定されるものではなく、適宜数設けてよい。また、出入口空間KAは、隣接する第一高圧空間K1と同じ圧力にしか設定できないようになっているが、これを、外気よりも高い他の高圧空間と異なる内気圧に設定保持可能な、高圧空間として構成しても良く、適宜変更して差支えない。尚また、上記実施例において、各居住空間Kに、上記以外のどのような備品を備えてもよいことは勿論である。
尚また、生活排水及び汚水は、バイオマスにより清水に戻し非常用水等に利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明のシェルタは、セカンドハウスとしても利用できる。居住においては、居住者の健康を確保できるとともに、高気圧内に貯蔵された食物においても波動調整がなされて健康食にすることができるなどの効果が期待できる。また、シェルタ本来の機能のみならず、大火災の場合等、カプセルを本体から切り離してヘリコプターで吊り上げて脱出ができるので、より一層安全性の高いシェルタとして普及が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係るシェルタをその外壁を一部除いて示す後側から見た斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態に係るシェルタを示す後側から見た斜視図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態に係るシェルタをその外壁を一部除いて示す前側から見た斜視図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態に係るシェルタをその第二カプセルを離脱させた状態で示す後側から見た斜視図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態に係るシェルタの内部構造を示す一部切欠き斜視図である。
【図6】本発明の第一の実施の形態に係るシェルタの外壁構造を示す一部切欠き斜視図である。
【図7】本発明の第一の実施の形態に係るシェルタの内部構造を種々の角度から見た斜視図(a〜b)である。
【図8】本発明の第一の実施の形態に係るシェルタの内部構造を示す下側の平面断面図である。
【図9】本発明の第一の実施の形態に係るシェルタの内部構造を示す上側の平面断面図である。
【図10】本発明の第一の実施の形態に係るシェルタの内部構造を示す中間の平面断面図である。
【図11】本発明の第一の実施の形態に係るシェルタにおいて第一カプセルと第二カプセルの接続状態を示す断面図である。
【図12】本発明の第一の実施の形態に係るシェルタにおいて第二カプセルの係止体及び扉駆動機構を示す断面図である。
【図13】本発明の第一の実施の形態に係るシェルタの第二カプセルにおいて係止体の収納位置の状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図14】本発明の第一の実施の形態に係るシェルタの第二カプセルにおいて係止体の起立位置の状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図15】本発明の第一の実施の形態に係るシェルタの第二カプセルにおいて係止体及び扉駆動機構の作動工程を示す図である。
【図16】本発明の第一の実施の形態に係るシェルタにおいて気圧調整装置を給水,排水管系の状態とともに示す図である。
【図17】本発明の第一の実施の形態に係るシェルタにおいて第一高圧空間の変形例を示す断面図である。
【図18】図17の要部拡大断面図である。
【図19】本発明の第一の実施の形態に係るシェルタにおいて第一高圧空間の別の変形例を示す図である。
【図20】本発明の第二の実施の形態に係るシェルタを示す閉断面図である。
【図21】本発明の第二の実施の形態に係るシェルタを示し、(A)は図20中A−A断面図、(B)は図20中B−B断面図、(C)は図20中C−C断面図、(D)は図20中D−D断面図である。
【図22】従来のシェルタの一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0054】
S シェルタ
C 自動車
1 外壁
K 居住空間
6 車台
7 車輪
10 飲料水貯留タンク
11 生活廃水貯留タンク
12 汚水貯留タンク
13 コンプレッサ
14 発電機
15 LPガスボンベ
16 酸素ボンベ
17 給湯器
18 ガソリンタンク
K1 第一高圧空間
K2 第二高圧空間
K3〜K5 第三〜第五高圧空間
KA 出入口空間
P1 第一カプセル
P2 第二カプセル
P3 第三カプセル
20 外ドア
22 内ドア
30 一階フロア
31 二階フロア
32 階段
34 入口ホール
35 シンク
36 居間
37 トイレ
38 浴槽
39 バスルーム
AT 空気タンク
50 接続部
51 第一接続体
52 第二接続体
53,54 連通路
60 係止体
61 アーム
63 ローラ
64a 係止部
X 収納位置
Y 起立位置
68 開閉扉
70 扉駆動機構
71 ハンドル
72 操作ボルト
74 止めナット
80 第一ロック機構
90 第二ロック機構
200 気圧調整装置
201,202,203 空気供給口
204,205,206 空気量調整バルブ
211,212,213 空気排出口
214,215,216 排気量調整バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁に囲繞され外気を吸入可能な居住空間を備えるとともに、該居住空間の内気圧を調整する気圧調整装置を備えたシェルタにおいて、
上記居住空間として、外気よりも高い互いに異なる内気圧に設定保持可能に区画された2以上の高圧空間を備えて構成したことを特徴とするシェルタ。
【請求項2】
上記居住空間として、上記外壁に設けられる開閉可能な外ドアを有した外出入口と、上記高圧空間に出入りするための開閉可能な内ドアを有した内出入口とを備え、外との出入りの際に使用する出入口空間を備えたことを特徴とする請求項1記載のシェルタ。
【請求項3】
上記気圧調整装置を、空気を圧縮するコンプレッサと、該コンプレッサから各居住空間に配管され空気量調整バルブにより給気量を調整可能な給気管と、該各居住空間に配管され排気量調整バルブにより排気量を調整可能な排気管と備えて構成したことを特徴とする請求項1または2記載のシェルタ。
【請求項4】
上記居住空間内に、飲料水を給水する給水器と、該給水器から給水されて使用に供された生活廃水を排水する排水口と、上記生活廃水を洗浄水として流して汚水として排水する水洗トイレ装置とを設け、
上記給水器が上水管を介して接続され飲料水を貯留する飲料水貯留タンクと、上記排水口が下水管を介して接続され該排水口から排水される生活廃水を貯留する生活廃水貯留タンクと、該水洗トイレ装置からの汚水を貯留する汚水貯留タンクとを備えことを特徴とする請求項1,2または3記載のシェルタ。
【請求項5】
上記給水及び排水の全部若しくは一部を、上記居住空間の圧力差を用いて行なう配管を備えたことを特徴とする請求項4記載のシェルタ。
【請求項6】
上記水洗トイレ装置は、上記居住空間の圧力差により生活廃水を洗浄水として流して汚水貯留タンクへ汚水として排水する洗浄機構を備えたことを特徴とする請求項5記載のシェルタ。
【請求項7】
上記高圧空間の少なくとも一つを、上記飲料水貯留タンク,生活廃水貯留タンク,汚水貯留タンクのいずれかのタンク内に設置したことを特徴とする請求項4乃至6いずれかに記載のシェルタ。
【請求項8】
上記少なくとも1つの居住空間を、上記外壁の外に分離可能なカプセルで構成したことを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載のシェルタ。
【請求項9】
上記カプセルに該カプセルを外部から引き上げるための索体が係止される係止体を設けたことを特徴とする請求項8記載のシェルタ。
【請求項10】
上記外壁に上記カプセルが通過可能な開口を設け、該開口に常閉の開閉扉を設け、該カプセルに該カプセル内で操作され上記開閉扉を開にして上記係止体を外部に露出させる扉駆動機構を設けたことを特徴とする請求項9記載のシェルタ。
【請求項11】
上記外壁下部に、車輪を設け、自動車で牽引して移動可能にしたことを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載のシェルタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2006−328912(P2006−328912A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−157891(P2005−157891)
【出願日】平成17年5月30日(2005.5.30)
【出願人】(597040304)
【Fターム(参考)】