説明

シェーディング補正装置および方法並びにプログラム

【課題】放射線検出器を用いて放射線画像の撮影を行うに際し、適切にシェーディング補正を行うことができるようにする。
【解決手段】シェーディング補正データ取得部42が、あらかじめ放射線源14に起因する第1のシェーディング補正データH1およびカセッテ20A,20BのFPD22A,22Bに起因する第2のシェーディング補正データH2A,H2Bを取得し、記憶部38に記憶しておく。例えばカセッテ20Aを用いての撮影時には、FPD22Aの向きを検出部40が検出し、これに基づいて、画像処理部34が、第1のシェーディング補正データH1を第2のシェーディング補正データに対して回転して、最終的なシェーディング補正データH0を生成する。そして、撮影により取得した放射線画像データを最終的なシェーディング補正データH0によりシェーディング補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線検出器を用いて被写体の放射線画像を撮影するに際して、放射線画像に発生するシェーディングを補正するシェーディング補正装置および方法並びにコンピュータをシェーディング補正装置として機能させるためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、医療分野等において、被写体を透過した放射線の照射により被写体に関する放射線画像を記録する放射線検出器(いわゆる「Flat Panel Detector」 以下、FPDとする)が各種提案、実用化されている。このようなFPDとしては、例えば、放射線の照射により電荷を発生するアモルファスセレン等の半導体を利用したFPDがあり、そのようなFPDとして、いわゆる光読取方式のものやTFT読取方式のものが提案されている。また、FPDとFPDから出力された放射線画像データを記憶する記憶手段としての画像メモリとをケースに収容したカセッテも種々提案されている。また、このようなカセッテにおいて、FPDが検出した放射線画像データを無線通信によって処理装置に送信し、処理装置において画像処理等の信号処理を行うものも提案されている。
【0003】
ところで、FPDを用いて放射線画像を撮影する場合、放射線源から発せられる放射線は非等方性を有し、いわゆるヒール効果により、放射線の照射ムラが発生する。図9はX線源のヒール効果を説明するための図である。図9に示すように、X線源100は、電子ビーム102とターゲット104とを有し、電子ビーム102から発せられた電子がターゲット104に衝突することによりX線が発せられる。この際、電子のターゲット104内における通過距離の相違により、陰極側と陽極側とでは陰極側の方がX線量が多くなるため、図9に示すようにグラデーション状に濃度が徐々に変化する照射ムラが発生する。
【0004】
一方、FPDも全画素の感度が一定となるように製造することが困難であり、さらには画素値を読み取るための読み取り装置のばらつき、およびFPDを収容するカセッテの筐体のばらつき等が存在するためムラが存在する。したがって、FPDを用いて放射線画像を撮影する場合、取得された放射線画像データには、放射線源およびFPDのそれぞれに起因するシェーディングが発生する。
【0005】
このため、放射線が一様に照射されたFPDから取得した画像データをシェーディング補正データとして取得しておき、被写体を撮影することにより取得した放射線画像データをシェーディング補正データにより補正することが行われている。また、シェーディング補正を行う際に、放射線のFPDへの入射角度を検出し、入射角度に応じてシェーディング補正データを修正する手法が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−204810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、シェーディングは放射線源およびFPDのそれぞれに起因するため、例えば放射線源とFPDとの回転位置関係が180度変化すると、放射線源に起因するシェーディングの向きも180度変化する。このため、上述したような、基準となるシェーディング補正画像を予め1枚作成しておいて補正に用いようとすると、放射線源とFPDとの回転位置関係が基準となる補正画像を作成したときと180度変化した状態で撮影された場合、放射線源に起因するシェーディングを逆に補正してしまうおそれがある。とくにFPDは、カセッテに収納されて、様々な体位の被写体放射線画像を撮影することができるため、FPDを用いた撮影時には、放射線源に対するFPDの回転位置が種々変更されることから、放射線源に起因するシェーディングを逆補正してしまうおそれがある。ここで、上記特許文献1に記載された手法は、放射線の入射角に応じてシェーディング補正データを修正するものであり、放射線源とFPDとの回転位置関係が変更される場合には、精度良くシェーディングを補正できない。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、放射線検出器を用いて放射線画像の撮影を行うに際し、適切にシェーディング補正を行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による第1のシェーディング補正装置は、放射線源から発せられて被写体を透過した放射線を放射線検出器により検出することにより取得された、前記被写体の放射線画像を表す放射線画像データのシェーディング補正を行うシェーディング補正装置において、
前記放射線源に起因するシェーディングを補正する第1のシェーディング補正データ、および前記放射線検出器に起因するシェーディングを補正する第2のシェーディング補正データを記憶する記憶手段と、
前記放射線源と前記放射線検出器との回転位置関係に応じて前記第1および前記第2のシェーディング補正データを相対的に回転し、該回転した前記第1および前記第2のシェーディング補正データから最終的なシェーディング補正データを取得するシェーディング補正データ取得手段と、
該最終的なシェーディング補正データにより、前記放射線画像データのシェーディングを補正する補正手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
「回転位置関係」とは、放射線源から発せられる放射線が放射線検出器に照射された状態での、放射線の陰極側および陽極側に延びる方向に対する放射線検出器の平面の回転についての位置関係を意味する。例えば、放射線検出器の上下を反転させれば、放射線源と放射線検出器との回転位置関係は180度変更されることとなる。
【0011】
なお、本発明による第1のシェーディング補正装置においては、前記放射線源と前記放射線検出器との回転位置関係を検出する検出手段をさらに備えるものとし、
前記シェーディング補正データ取得手段を、前記検出結果に応じて前記第1および前記第2のシェーディング補正データを相対的に回転し、該回転した前記第1および前記第2のシェーディング補正データから最終的なシェーディング補正データを取得する手段としてもよい。
【0012】
ここで、放射線源とFPDとの回転位置関係について、撮影台にFPDを装着して使用する場合は、撮影台によってFPDの向きが制約を受けるため、撮影術式とFPDの向きとを関連付けておけば、術式を指定した時点で放射線源とFPDとの回転位置関係を検出することも可能である。また、FPDを撮影台に装着しない場合は、撮影メニュー(脚、膝、頭等)によって撮影する向きがほぼ決まっているため、放射線源とFPDとの回転位置関係を撮影メニューに関連付けておけば、撮影オーダーが入った時点で検出することも可能である。
【0013】
本発明による第2のシェーディング補正装置は、放射線源から発せられて被写体を透過した放射線を放射線検出器により検出することにより取得された、前記被写体の放射線画像を表す放射線画像データのシェーディング補正を行うシェーディング補正装置において、
前記放射線源と前記放射線検出器との回転位置関係に応じた複数のシェーディング補正データを記憶する記憶手段と、
前記放射線源と前記放射線検出器との回転位置関係に応じて、前記複数のシェーディング補正データから最終的なシェーディング補正データを選択し、該選択したシェーディング補正データにより、前記放射線画像データのシェーディングを補正する補正手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0014】
なお、本発明による第2のシェーディング補正装置においては、前記放射線源と前記放射線検出器との回転位置関係を検出する検出手段をさらに備えるものとし、
前記補正手段を、前記検出結果に応じて前記最終的なシェーディング補正データを選択する手段としてもよい。
【0015】
本発明による第1のシェーディング補正方法は、放射線源から発せられて被写体を透過した放射線を放射線検出器により検出することにより取得された、前記被写体の放射線画像を表す放射線画像データのシェーディング補正を行うシェーディング補正方法において、
前記放射線源と前記放射線検出器との回転位置関係に応じて、前記放射線源に起因するシェーディングを補正する第1のシェーディング補正データ、および前記放射線検出器に起因するシェーディングを補正する第2のシェーディング補正データを相対的に回転し、
該回転した前記第1および前記第2のシェーディング補正データから最終的なシェーディング補正データを取得し、
該最終的なシェーディング補正データにより、前記放射線画像データのシェーディングを補正することを特徴とするものである。
【0016】
本発明による第2のシェーディング補正方法は、放射線源から発せられて被写体を透過した放射線を放射線検出器により検出することにより取得された、前記被写体の放射線画像を表す放射線画像データのシェーディング補正を行うシェーディング補正方法において、
前記放射線源と前記放射線検出器との回転位置関係に応じた複数のシェーディング補正データから、前記放射線源と前記放射線検出器との回転位置関係に応じて、最終的なシェーディング補正データを選択し、
該選択したシェーディング補正データにより、前記放射線画像データのシェーディングを補正することを特徴とするものである。
【0017】
なお、コンピュータを本発明による第1および第2のシェーディング補正装置として機能させるためのプログラムを提供してもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の第1のシェーディング補正装置および方法によれば、放射線源用の第1のシェーディング補正データおよび放射線検出器用の第2のシェーディング補正データを記憶しておき、放射線源と放射線検出器との回転位置関係に応じて第1および第2のシェーディング補正データを相対的に回転し、回転した第1および第2のシェーディング補正データから最終的なシェーディング補正データを取得し、この最終的なシェーディング補正データにより放射線画像データを補正するようにしたものである。
【0019】
本発明の第2のシェーディング補正装置および方法によれば、放射線源と放射線検出器との回転位置関係に応じた複数のシェーディング補正データを記憶しておき、放射線源と放射線検出器との回転位置関係に応じて複数のシェーディング補正データから最終的なシェーディング補正データを選択し、この最終的なシェーディング補正データにより、放射線画像データを補正するようにしたものである。
【0020】
このため、撮影時に放射線源と放射線検出器との回転位置関係が種々変更されても、精度良くシェーディングを補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態によるシェーディング補正装置を適用した放射線画像撮影システムの概略図
【図2】カセッテの向きを説明するための図
【図3】第1および第2のシェーディング補正データの回転位置関係を説明するための図
【図4】第1および第2のシェーディング補正データの重なりを説明するための図
【図5】第1の実施形態において行われるシェーディング補正処理を示すフローチャート
【図6】第2の実施形態において行われるシェーディング補正処理を示すフローチャート
【図7】本発明の第3の実施形態によるシェーディング補正装置を適用した放射線画像撮影システムの概略図
【図8】カセッテの構造を示す平面図
【図9】ヒール効果を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態によるシェーディング補正装置を適用した放射線画像撮影システムの概略図である。図1に示すように、本発明の第1の実施形態による放射線画像撮影システム1は、撮影部10およびコンソール30を備える。
【0023】
撮影部10は、照射制御部12、放射線源14、臥位にある被写体Hの放射線画像を取得するための撮影台16A、放射線検出部18A、立位にある被写体Hの放射線画像を取得する架台16B、および放射線検出部18Bを備える。
【0024】
照射制御部12は、放射線源14を駆動して、あらかじめ設定された強度の放射線が設定された時間だけ被写体Hに照射されるように照射量を制御する。放射線源14は、撮影台17Aおよび架台16Bを含む任意の方向を向くことが可能なように構成されており、これにより、放射線源14から照射された放射線は、撮影台16A上または架台16Bの前の被写体Hを透過して放射線検出部18A,18Bに入射される。
【0025】
放射線検出部18A,18Bには、FPD22A,22Bを収容したカセッテ20A,20Bが設置されており、被写体Hを透過した放射線をFPD22A,22Bにより検出して電気信号(放射線画像データ)に変換する。
【0026】
カセッテ20A,20Bはケーブル50A,50Bを介してコンソール30と接続されており、これによりカセッテ20A,20Bからは、被写体Hを撮影することにより取得したアナログの放射線画像データが、ケーブル50A,50Bを介してコンソール30へ出力される。なお、カセッテ20A,20Bにはケーブル50A,50Bに接続するためのコネクタ(不図示)が設けられている。
【0027】
FPD22A,22Bは、放射線を電荷に直接変換する直接方式のFPD、または放射線を一旦光に変換し、変換された光をさらに電気信号に変換する間接方式のFPDのいずれも利用可能である。直接方式のFPDは、アモルファスセレン等の光導電膜、キャパシタおよびスイッチ素子としてのTFT(Thin Film Transistor)等によって構成される。例えば、X線等の放射線が入射されると、光導電膜から電子−正孔対(e−hペア)が発せられる。その電子−正孔対はキャパシタに蓄積され、キャパシタに蓄積された電荷が、TFTを介して電気信号として読み出される。
【0028】
一方、間接方式のFPDは、蛍光体で形成されたシンチレータ層、フォトダイオード、キャパシタおよびTFT等によって構成される。例えば、「CsI:Tl」等の放射線が入射されると、シンチレータ層が発光(蛍光)する。シンチレータ層による発光はフォトダイオードで光電変換されてキャパシタに蓄積され、キャパシタに蓄積された電荷が、TFTを介して電気信号として読み出される。
【0029】
コンソール30は、撮影データ処理部32、画像処理部34、出力部36、記憶部38、検出部40、シェーディング補正データ取得部42、入力部44、タイマー46および制御部48を備える。
【0030】
撮影データ処理部32は、撮影部10から入力された放射線画像データに対して、A/D変換等のデータ処理を行う。撮影データ処理部32からは、データ処理後のデジタルの放射線画像データが出力される。
【0031】
画像処理部34は、撮影データ処理部32が出力した放射線画像データに対して、記憶部38に記憶されている画像処理パラメータを用いて所定の画像処理を施す。画像処理部34が実施する画像処理は、例えば、画素欠陥補正やこれを行うための欠陥マップの作成、オフセット補正や所定の均一露光画像を用いるゲイン補正およびシェーディング補正を含む画像の較正(キャリブレーションデータによる放射線画像データの補正)、さらには階調補正および濃度補正、モニタ表示用およびプリント出力用のデータに画像データを変換するデータ変換等、各種の画像処理が実施可能である。なお、本発明はシェーディング補正を行う点に特徴を有するため、シェーディング補正については別途詳述する。
【0032】
なお、画像処理部34は、コンピュータ上で動作するプログラム(ソフトウェア)、専用のハードウェア、あるいは両者を組み合わせて構成される。画像処理部34からは、画像処理済みの放射線画像データが出力される。
【0033】
出力部36は、画像処理部34から入力された画像処理済みの放射線画像データを出力する。出力部36は、例えば、放射線画像を画面上に表示するモニタ、放射線画像をプリント出力するプリンタ、あるいは放射線画像データを記憶する記憶装置等である。
【0034】
記憶部38は、画像処理部34において、シェーディング補正を行うためのシェーディング補正データ、画像を較正するためのキャリブレーションデータ、各種の画像処理を行うための画像処理パラメータ等を記憶するメモリ38aおよび放射線画像データ等を記憶する画像メモリ38bを内蔵する。なお、メモリ38aおよび画像メモリ38bは、物理的に異なるメモリであってもよく、1つのメモリの異なるメモリ領域であってもよい。また、ハードディスク等の記録媒体であってもよい。また、画像処理部34に内蔵されるものであってもよく、外部に配置されてコンソール30と接続して用いられるものであってもよい。
【0035】
検出部40は、ケーブル50A,50Bにカセッテ20A,20Bが接続されたことおよび取り外されたことを検出するともに、カセッテ20A,20Bが放射線検出部18A,18Bに取り付けられたときの向きを検出して、検出信号を制御部48に出力する。ここで、カセッテ20A,20Bがケーブル50A,50Bに接続されたことの検出は、カセッテ20A,20Bがケーブル50A,50Bと接続され、カセッテ20A,20Bとコンソール30との接続が確立されたことを検出することにより行われる。一方、カセッテ20A,20Bが取り外されたことの検出は、カセッテ20A,20Bとコンソール30との接続が解除されたことを検出することにより行われる。
【0036】
また、カセッテ20A,20Bの向きの検出は、操作者が入力部44から入力したカセッテ20A,20Bの向きの情報を取得することにより行ってもよく、放射線検出部18A,18Bにカセッテ20A,20Bの向きを検出するセンサを設けておき、センサの出力をケーブル50A,50Bを介して取得することにより行ってもよい。ここで、カセッテ20A,20Bはケーブル50A,50Bと接続されるため、カセッテ20A,20Bを放射線検出部18A,18Bに取り付ける場合、ケーブル50A,50Bのカセッテ20A,20Bからの出方により、カセッテ20A,20Bの向きは、図2に示すように4通りとなる。このため、放射線検出部18A,18Bにカセッテ20A,20Bを取り付けたときのケーブル50A,50Bの位置を検出可能な位置に、ケーブル50A,50Bの存在を検出するセンサを設けておくことにより、放射線検出部18A,18Bに取り付けられたカセッテ20A,20Bの向きを検出することが可能である。
【0037】
また、とくに立位の架台16Bにカセッテ20Bを取り付ける場合には、カセッテ20Bのいずれの辺が上側となるかによってカセッテ20Bの向きを検出することができる。このため、カセッテ20Bにジャイロセンサを設けておき、ジャイロセンサの出力をケーブル50Bから検出部40に出力することにより、カセッテ20Bの向きを検出することも可能である。
【0038】
シェーディング補正データ取得部42は、制御部48からの指示により、被写体Hがいない状態でカセッテ20A,20Bに放射線を一様に照射した後に、FPD22A,22Bからデータを読み出す指示をカセッテ20A,20Bに対して行い、シェーディング補正データを取得する。ここで、シェーディングは、放射線源14のヒール効果に起因するものと、FPD22A,22B自身に起因するものとが含まれる。このため、シェーディング補正データ取得部42は、放射線源14に起因する第1のシェーディング補正データH1と、FPD22A,22Bに起因する第2のシェーディング補正データH2とをそれぞれ取得する。
【0039】
なお、第2のシェーディング補正データは、FPD22A,22B毎に取得されるため、以降の説明においては、FPD22Aの第2のシェーディング補正データとしてH2A、FPD22Bの第2のシェーディング補正データとしてH2Bの参照符号を用いるものとする。以下、第1および第2のシェーディング補正データH1,H2の取得について説明するが、FPD22A,22Bとでは第2のシェーディング補正データの取得は同様に行われるため、説明のためにここではFPD22Aからの第2のシェーディング補正データH2Aの取得についてのみ説明する。
【0040】
まず、操作者は、放射線源14と放射線検出部18Aとの間隔を実際の撮影時の間隔に設定するとともに、放射線源14からの放射線の照射中心と放射線検出器18Aに取り付けられたカセッテ20Aの中心と一致させて、放射線源14を放射線検出部18Aに向けて照射し、カセッテ20AのFPD22Aに第1のベタ画像データB1を取得させる。続いて、放射線源14と放射線検出部18Aとの間隔を広げ、同様に放射線源14を放射線検出部18Aに向けて照射して第2のベタ画像データB2をカセッテ20AのFPD22Aに取得させる。ここで、放射線源14に起因するシェーディングは、上述したようにグラデーション状に発生する。このため、第1のベタ画像データB1には、放射線源14およびFPD22Aの双方に起因するシェーディングが含まれるものとなる。一方、放射線源14が放射線検出部18Aから離れるとグラデーションが現れにくくなり、FPD22Aには実質的に均一に放射線が照射されることとなる。このため、第2のベタ画像データB2には、FPD22Aのみに起因するシェーディングが含まれることとなる。
【0041】
したがって、シェーディング補正データ取得部42は、第2のベタデータB2を第2のシェーディング補正データH2Aとして取得して、記憶部38のメモリ38aに記憶する。一方、第1のベタデータB1を第2のベタデータB2により対応する画素毎に除算することにより取得したデータは、放射線源14に起因するシェーディングのみを含むものとなる。したがって、シェーディング補正データ取得部42は、第1のベタデータB1を第2のベタデータB2により対応する画素毎に除算(すなわち、B1(x,y)/B2(x,y)、(x,y)は画素位置)することにより第1のシェーディング補正データH1を取得し、記憶部38のメモリ38aに記憶する。
【0042】
タイマー46は、システム1の電源をオンとしてからの経過時間等を計測する。制御部48は、入力部44から入力された撮影指示信号に応じて、放射線画像撮影システム1の各部の動作を制御する。
【0043】
ここで、シェーディング補正処理について説明する。FPD22A,22Bからの信号の読み出しは、常にFPD22A,22B上の基準となる画素位置から行われるため、FPD22A,22Bにより取得される放射線画像データに含まれる、FPD22A,22Bに起因するシェーディングの向きは変化することはない。一方、上述したようにカセッテ20A,20Bの放射線検出部18A,18Bへの取り付け方は4通りあるため、カセッテ20A,20Bへの放射線の照射のされ方も4通り存在する。このため、放射線源14とFPD22A,22Bとの回転の位置関係に基づいて、図3に示すように第1のシェーディング補正データH1を第2のシェーディング補正データH2A,H2Bに対して回転し、回転した第1のシェーディング補正データH1と第2のシェーディング補正データH2A,H2Bとを対応する画素毎に乗算(すなわちH1(x,y)×H2A(x,y))することにより、放射線源14とFPD22A,22Bとの回転の位置関係に応じて最終的なシェーディング補正データH0を得ることができる。
【0044】
なお、第1のシェーディング補正データH1の回転角度が0度および180度の場合、回転した第1のシェーディング補正データH1と第2のシェーディング補正データH2A,H2Bとの座標のx方向およびy方向の範囲は一致するため、対応する画素同志で乗算を行うことができる。一方、第1のシェーディング補正データH1の回転角度が90度および270度の場合、回転した第1のシェーディング補正データH1と第2のシェーディング補正データH2A,H2Bとの座標のx方向およびy方向の範囲は一致しないため、対応する画素同志で乗算を行うことができない。
【0045】
このため、本実施形態においては、第1のシェーディング補正データH1と第2のシェーディング補正データH2A,H2Bとの中心位置を基準として、第1のシェーディング補正データH1を回転し、図4の斜線部部分に示すように、回転した第1のシェーディング補正データH1と第2のシェーディング補正データH2A,H2Bとが重なる部分A2においてのみ、第1のシェーディング補正データH1と第2のシェーディング補正データH2A,H2Bとを対応する画素毎に乗算し、それ以外の部分A1については、第2のシェーディング補正データH2A,H2Bの値をそのまま用いて、最終的なシェーディング補正データH0を取得するものとする。
【0046】
シェーディング補正データ取得部42は、検出部40からの検出信号に基づいて、第1のシェーディング補正データH1をその中心位置を基準にして回転し、回転した第1のシェーディング補正データH1と第2のシェーディング補正データH2A,H2Bとを対応する画素毎に乗算して、最終的なシェーディング補正データH0を取得する。そして、最終的なシェーディング補正データH0を画像処理部34に出力する。画像処理部34は、撮影により取得した放射線画像データをシェーディング補正データH0により対応する画素毎に除算することにより、放射線画像データのシェーディング補正を行う。
【0047】
次いで、第1の実施形態において行われる処理について説明する。なお、第1の実施形態は、シェーディング補正を行う点に特徴を有するものであるため、シェーディング補正以外の処理については説明を省略する。また、ここでは説明を簡単にするために、臥位の被写体の撮影を行うものとして説明する。また、撮影は、放射線源14からの放射線の照射中心と放射線検出器18Aに取り付けられたカセッテ20Aの中心と一致させて行うものとする。図5は第1の実施形態において行われるシェーディング補正処理のフローチャートである。なお、第1のシェーディング補正データH1および第2のシェーディング補正データH2A,H2Bは、あらかじめ取得されて記憶部38のメモリ38aに記憶されているものとする。制御部48は撮影の指示が行われたか否かを監視しており(ステップST1)、ステップST1が肯定されると、カセッテ20AのFPD22Aからの放射線画像データS1orgを取得する(ステップST2)。
【0048】
また、シェーディング補正データ取得部42は、検出部40の検出信号に基づいて、FPD22Aの回転位置を検出し(ステップST3)、第1のシェーディング補正データH1および第2のシェーディング補正データH2Aを記憶部38のメモリ38aから読み出す(ステップST4)。なお、FPD22Aに対応する第2のシェーディング補正データH2Aは、検出部40の検出信号に基づいて読み出すことができる。そして、シェーディング補正データ取得部42は、第1のシェーディング補正データH1および第2のシェーディング補正データH2Aから最終的なシェーディング補正データH0を生成する(ステップST5)。なお、ステップST3〜ST5の処理は、ステップST2と並列に行ってもよく、ステップST2に先立って行ってもよい。
【0049】
そして、画像処理部34が、放射線画像データS1orgを最終的なシェーディング補正データH0により、対応する画素毎に除算することによってシェーディング補正を行い(ステップST6)、シェーディング補正済みの放射線画像データを取得する。また、シェーディング補正済みの放射線画像データに対して、画像処理部34が、キャリブレーション補正処理、濃度補正処理等の他の画像処理を施し(ステップST7)、出力部36が処理済みの放射線画像データを出力し(ステップST8)、処理を終了する。
【0050】
このように、本実施形態においては、放射線源14に起因する第1のシェーディング補正データH1およびFPD22A,22Bに起因する第2のシェーディング補正データH2A,H2Bを記憶しておき、放射線源14とFPD22A,22Bとの回転位置関係に応じて、回転した第1および第2のシェーディング補正データから最終的なシェーディング補正データH0を生成し、この最終的なシェーディング補正データH0により放射線画像データS1orgのシェーディング補正を行うようにしたものである。このため、撮影時に放射線源14とFPD22A,22Bとの回転位置関係が種々変更されても、精度良くシェーディングを補正することができる。
【0051】
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態によるシェーディング補正装置を適用した放射線撮影システムは、第1の実施形態によるシェーディング補正装置を適用した放射線撮影システムと同一の構成を有し、行われる処理のみが異なるため、ここでは構成についての詳細な説明は省略する。第1の実施形態による放射線撮影システムにおいては、放射線源14に起因する第1のシェーディング補正データH1およびFPD22A,22Bに起因する第2のシェーディング補正データH2A,H2Bを記憶しておき、放射線源14とFPD22A,22Bとの回転位置関係に応じて最終的なシェーディング補正データH0を生成したが、第2の実施形態においては、放射線源14とFPD22A,22Bとの回転位置関係に応じた複数の最終的なシェーディング補正データをFPD22A,22B毎にあらかじめ作成して、記憶部38に記憶しておくようにした点が第1の実施形態と異なる。
【0052】
ここで、上記図3に示すように、放射線源14とFPD22A,22Bとの回転位置関係は4通り存在する。このため、第2の実施形態においては、シェーディング補正データ取得部42は、第1のシェーディング補正データH1を0度〜270度まで90度単位で回転させつつ、第2のシェーディング補正データH2A,H2Bと乗算して、放射線源14とFPD22A,22Bとの回転位置関係に応じた複数のシェーディング補正データHF1A〜HF4A、HF1B〜HF4Bを生成し、記憶部38のメモリ38aに記憶しておく。なお、HF1A〜HF4AはFPD22Aの、HF1B〜HF4BはFPD22Bのシェーディング補正データを表す。
【0053】
次いで、第2の実施形態において行われる処理について説明する。なお、第2の実施形態も、シェーディング補正を行う点に特徴を有するため、シェーディング補正以外の処理については説明を省略する。また、ここでは説明を簡単にするために、臥位の被写体の撮影を行うものとして説明する。図6は第2の実施形態において行われるシェーディング補正の処理のフローチャートである。なお、シェーディング補正データHF1A〜HF4A,HF1B〜HF4Bはあらかじめ取得されて、記憶部38のメモリ38aに記憶されているものとする。制御部48は撮影の指示が行われたか否かを監視しており(ステップST11)、ステップST11が肯定されると、カセッテ20AのFPD22Aからの放射線画像データS1orgを取得する(ステップST12)。
【0054】
また、画像処理部34は、検出部40の検出信号に基づいて、FPD22Aの回転位置を検出し(ステップST13)、回転位置に応じたシェーディング補正データを記憶部38のメモリ38aに記憶された複数のシェーディング補正データHF1A〜HF4Aから選択して読み出す(ステップST14)。なお、FPD22Aに対応する第2のシェーディング補正データH2Aは、検出部40の検出信号に基づいて読み出すことができる。また、ステップST13〜ST14の処理は、ステップST12と並列に行ってもよく、ステップST12に先立って行ってもよい。
【0055】
そして、画像処理部34は、放射線画像データS1orgを読み出したシェーディング補正データにより、対応する画素毎に除算することによってシェーディング補正を行い(ステップST15)、シェーディング補正済みの放射線画像データを取得する。また、シェーディング補正済みの放射線画像データに対して、画像処理部34が、キャリブレーション補正処理、濃度補正処理等の他の画像処理を施し(ステップST16)、出力部36が処理済みの放射線画像データを出力し(ステップST17)、処理を終了する。
【0056】
これにより、第2の実施形態においても、撮影時に放射線源14とFPD22A,22Bとの回転位置関係が種々変更されても、精度良くシェーディングを補正することができる。また、最終的なシェーディング補正データH0を生成する必要がないため、第1の実施形態よりも高速にシェーディング補正を行うことができる。
【0057】
なお、上記第1および第2の実施形態においては、カセッテ20A,20Bとコンソール30とをケーブル50A,50Bにより接続しているが、FPDが検出した放射線画像データを無線通信によってコンソール30に送信する無線タイプのカセッテを使用することも可能である。この場合、コンソール30にはカセッテと通信を行うための無線インターフェースが設けられ、無線インターフェースを介して、無線タイプのカセッテと通信を行って、カセッテIDおよび放射線画像データの送受信等を行うこととなる。
【0058】
ここで、無線タイプのカセッテを使用する場合においては、システム1の電源をオンとするとともに、カセッテの電源をオンとすることにより、コンソール30がカセッテを認識し、カセッテとの通信が確立されることとなる。このため、無線タイプのカセッテを使用する場合には、検出部40は、カセッテとコンソール30との無線通信が確立されたことを検出することにより、カセッテとコンソールとの接続を検出するようにすればよい。
【0059】
また、無線タイプのカセッテを使用する場合においては、放射線源14とカセッテ20A,20BすなわちFPD22A,22Bとの回転位置関係は、操作者が入力部44から入力すればよい。また、カセッテ20A,20Bにカセッテ20A,20Bの向きを検出するセンサを設け、センサの検出結果をカセッテ20A,20Bからコンソール30の検出部40に送信することにより、回転位置を検出するようにしてもよい。
【0060】
なお、上記第1および第2の実施形態においては、2つのカセッテ20A,20Bを使用する放射線画像撮影システムについて説明したが、3つのカセッテを使用する放射線画像撮影システムにも本発明を適用できる。以下、これを第3の実施形態として説明する。図7は本発明の第3の実施形態による放射線画像撮影装置を適用した放射線画像撮影システムの概略図である。なお、図7において図1と同一の構成については同一の参照番号を付与し、ここでは詳細な説明は省略する。図7に示す放射線画像撮影システム1Aにおいては、被写体Hを任意の体勢にて撮影することができるフリー撮影可能なカセッテ20Cを備えた点が第1の実施形態と異なる。フリーのカセッテ20CはFPD22Cを収容し、ケーブル50Cによりコンソール30と接続され、被写体Hを透過した放射線をFPD22Cにより検出して電気信号(放射線画像データ)に変換する。
【0061】
第3の実施形態においては、各カセッテ20A〜20CのFPD22A〜22Cのすべてについての第2のシェーディング補正データH2A,H2B,H2Cを記憶部38に記憶している。そして、FPD22A,22Bを用いての撮影時には、上記第1の実施形態と同様にシェーディング補正を行う。ここで、第3の実施形態において、フリーのカセッテ20Cを用いての撮影時には、操作者が入力部44から放射線源14とFPD22Cとの回転位置の関係を入力する。これにより、フリーのカセッテ20Cを使用しての撮影時においても、第1のシェーディング補正データH1および第2のシェーディング補正データH2Cから最終的なシェーディング補正データH0を生成して、FPD22Cにより取得した放射線画像のシェーディング補正を行うことができる。
【0062】
なお、第3の実施形態においては、各カセッテ20A〜20CのFPD22A〜22Cのすべてについての第2のシェーディング補正データH2A,H2B,H2Cに代えて、第2の実施形態と同様に、放射線源14とFPD22A,22B,22Cとの回転位置関係に応じた複数のシェーディング補正データをあらかじめ作成して、記憶部38に記憶しておくようにしてもよい。
【0063】
また、上記各実施形態においては、コンソール30の画像処理部34において、シェーディング補正を行っているが、図8に示すようにカセッテ(ここでは20Aのみを示す)内に、FPD22Aとともに、FPD22Aのシェーディング補正データ(第2のシェーディング補正データに相当する)および第1のシェーディング補正データH1を記憶する記憶部62、データ処理部64、シェーディング補正を行う補正部66、コンソール30との通信を行う通信部68を設け、カセッテ20Aにおいて取得した信号をデータ処理部64によりデジタルのデータに変換し、これにより取得された放射線画像データに対して補正部66によりシェーディング補正を施した後に、通信部68からコンソール30にシェーディング補正済みの放射線画像データを送信するようにしてもよい。
【0064】
この場合、カセッテ20Aの放射線源14に対する回転位置は、検出部40からの検出信号をカセッテ20Aの通信部68により受信することによって取得すればよい。そして、補正部66において上記第1の実施形態と同様に最終的なシェーディング補正データH0を生成し、これにより、放射線画像データのシェーディング補正を行えばよい。また、第2のシェーディング補正データに代えて、第2の実施形態と同様に、放射線源14とFPDとの回転位置関係に応じた複数のシェーディング補正データH0をあらかじめ作成して、記憶部62に記憶しておくようにしてもよい。また、第1のシェーディング補正データH1については、記憶部62に記憶することに代えて、シェーディング補正を行う際に、コンソール30から取得するようにしてもよい。
【0065】
以上、本発明の実施形態に係るシステム1について説明したが、コンピュータを、上記の撮影データ処理部32、画像処理部34、検出部40、シェーディング補正データ取得部42および制御部48に対応する手段として機能させ、図5,6に示すような処理を行わせるプログラムも本発明の実施形態の1つである。また、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本発明の実施形態の1つである。
【符号の説明】
【0066】
1 放射線画像撮影システム
20A〜20C カセッテ
22A〜22C FPD
30 コンソール
32 撮影データ処理部
34 画像処理部
36 出力部
38 記憶部
40 検出部
42 シェーディング補正データ取得部
44 入力部
46 タイマー
48 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源から発せられて被写体を透過した放射線を放射線検出器により検出することにより取得された、前記被写体の放射線画像を表す放射線画像データのシェーディング補正を行うシェーディング補正装置において、
前記放射線源に起因するシェーディングを補正する第1のシェーディング補正データ、および前記放射線検出器に起因するシェーディングを補正する第2のシェーディング補正データを記憶する記憶手段と、
前記放射線源と前記放射線検出器との回転位置関係に応じて前記第1および前記第2のシェーディング補正データを相対的に回転し、該回転した前記第1および前記第2のシェーディング補正データから最終的なシェーディング補正データを取得するシェーディング補正データ取得手段と、
該最終的なシェーディング補正データにより、前記放射線画像データのシェーディングを補正する補正手段とを備えたことを特徴とするシェーディング補正装置。
【請求項2】
前記放射線源と前記放射線検出器との回転位置関係を検出する検出手段をさらに備え、
前記シェーディング補正データ取得手段は、前記検出結果に応じて前記第1および前記第2のシェーディング補正データを相対的に回転し、該回転した前記第1および前記第2のシェーディング補正データから最終的なシェーディング補正データを取得する手段であることを特徴とする請求項1記載のシェーディング補正装置。
【請求項3】
放射線源から発せられて被写体を透過した放射線を放射線検出器により検出することにより取得された、前記被写体の放射線画像を表す放射線画像データのシェーディング補正を行うシェーディング補正装置において、
前記放射線源と前記放射線検出器との回転位置関係に応じた複数のシェーディング補正データを記憶する記憶手段と、
前記放射線源と前記放射線検出器との回転位置関係に応じて、前記複数のシェーディング補正データから最終的なシェーディング補正データを選択し、該選択したシェーディング補正データにより前記放射線画像データのシェーディングを補正する補正手段とを備えたことを特徴とするシェーディング補正装置。
【請求項4】
前記放射線源と前記放射線検出器との回転位置関係を検出する検出手段をさらに備え、
前記補正手段は、前記検出結果に応じて前記最終的なシェーディング補正データを選択する手段であることを特徴とする請求項3記載のシェーディング補正装置。
【請求項5】
放射線源から発せられて被写体を透過した放射線を放射線検出器により検出することにより取得された、前記被写体の放射線画像を表す放射線画像データのシェーディング補正を行うシェーディング補正方法において、
前記放射線源と前記放射線検出器との回転位置関係に応じて、前記放射線源に起因するシェーディングを補正する第1のシェーディング補正データ、および前記放射線検出器に起因するシェーディングを補正する第2のシェーディング補正データを相対的に回転し、
該回転した前記第1および前記第2のシェーディング補正データから最終的なシェーディング補正データを取得し、
該最終的なシェーディング補正データにより、前記放射線画像データのシェーディングを補正することを特徴とするシェーディング補正方法。
【請求項6】
放射線源から発せられて被写体を透過した放射線を放射線検出器により検出することにより取得された、前記被写体の放射線画像を表す放射線画像データのシェーディング補正を行うシェーディング補正方法において、
前記放射線源と前記放射線検出器との回転位置関係に応じた複数のシェーディング補正データから、前記放射線源と前記放射線検出器との回転位置関係に応じて、最終的なシェーディング補正データを選択し、
該選択したシェーディング補正データにより、前記放射線画像データのシェーディングを補正することを特徴とするシェーディング補正方法。
【請求項7】
コンピュータを、放射線源から発せられて被写体を透過した放射線を放射線検出器により検出することにより取得された、前記被写体の放射線画像を表す放射線画像データのシェーディング補正を行うシェーディング補正装置として機能させるためのプログラムにおいて、
前記コンピュータを、前記放射線源に起因するシェーディングを補正する第1のシェーディング補正データ、および前記放射線検出器に起因するシェーディングを補正する第2のシェーディング補正データを記憶する記憶手段と、
前記放射線源と前記放射線検出器との回転位置関係に応じて前記第1および前記第2のシェーディング補正データを相対的に回転し、該回転した前記第1および前記第2のシェーディング補正データから最終的なシェーディング補正データを取得するシェーディング補正データ取得手段と、
該最終的なシェーディング補正データにより、前記放射線画像データのシェーディングを補正する補正手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
放射線源から発せられて被写体を透過した放射線を放射線検出器により検出することにより取得された、前記被写体の放射線画像を表す放射線画像データのシェーディング補正を行うシェーディング補正装置として機能させるためのプログラムにおいて、
前記コンピュータを、前記放射線源と前記放射線検出器との回転位置関係に応じた複数のシェーディング補正データを記憶する記憶手段と、
前記放射線源と前記放射線検出器との回転位置関係に応じて、前記複数のシェーディング補正データから最終的なシェーディング補正データを選択し、該選択したシェーディング補正データにより、前記放射線画像データのシェーディングを補正する補正手段として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図3】
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【図9】
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