説明

シクロヘキセン化合物

本発明は、式(I):


[式中、A、B、Z、R、R2a、R2b、R、RおよびRは、明細書の記載と同意義である]
で示される化合物、かかる化合物の製造方法、かかる化合物を含む医薬組成物医薬におけるかかる化合物の使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な記載】
【0001】
本発明は、シクロヘキセン化合物、その製造方法、該化合物を含有する医薬組成物および医薬におけるその使用、特にEP受容体でのPGEの作用により介在される症状の治療におけるその使用に関する。
【0002】
EP受容体は7回膜貫通受容体であり、その天然リガンドがプロスタグランジンPGEである。また、PGEは、他のEP受容体(EP、EPおよびEP型)に対してもアフィニティーを有する。EP受容体は、平滑筋収縮、痛み(特に、炎症性、神経障害性および内臓痛)、炎症、アレルギー活性、腎機能調整および胃または腸の粘液分泌に関与している。この度、本発明者らは、EP受容体に対して高いアフィニティーで結合する新規な一群の化合物を見い出した。
【0003】
多くのレビューは、プロスタノイド受容体の特性および治療的関連性ならびに最も頻繁に使用される選択的アゴニストおよびアンタゴニストを記載している:Eicosanoids; From Biotechnology to Therapeutic Applications, Folco, Samuelsson, Maclouf、およびVelo eds, Plenum Press, New York, 1996, chap. 14, 137-154およびJournal of Lipid Mediators and Cell Signalling, 1996, 14, 83-87およびProstanoid Receptors, Structure, Properties and Function, S Narumiya et al, Physiological Reviews 1999, 79(4), 1193-126。The British Journal of Pharmacology (1994, 112, 735- 740)は、プロスタグランジン2(PGE)が、マウス脊髄において、EP受容体サブタイプを介して異痛を、EPおよびEP受容体を介して痛覚過敏を発揮すると示唆している。さらに、Furthermore an article from The Journal of Clinical Investigation (2001, 107 (3), 325)は、EPノックアウトマウスにおいて、痛み−感受性が、約50%まで減少したことを示している。Anesthesia and Analgesiaの2つの論文には、(2001, 93, 1012-7)で、EP受容体アンタゴニスト(ONO−8711)が、ラットの慢性収縮傷害のモデルにおいて痛覚過敏および異痛を減少させ、(2001, 92, 233-238)で、同じアンタゴニストが、囓歯動物の手術後の痛みのモデルで機械的痛覚過敏を阻害することを示している。S. Sarkar et al(Gastroenterology, 2003, 124(1), 18-25)は、ヒトの過敏性モデルにおいて、内臓痛の治療におけるEP受容体アンタゴニストの効果を示している。かくして、選択的プロスタグランジンリガンド、アゴニストまたはアンタゴニストは、そのプロスタグランジンE受容体サブタイプに応じて、慣用的な非ステロイド系抗炎症剤と同様の、抗炎症作用、解熱作用および鎮痛作用を有し、加えてホルモン誘発の子宮収縮を阻害し、かつ抗癌作用を有すると考えられる。これらの化合物は、ある種のシクロオキシゲナーゼ阻害剤であるNSAIDの機構に基づく副作用を誘発する能力が低下している。特に、該化合物は、胃腸毒性の可能性が低く、腎臓に対する副作用の可能性が低く、出血時間に対する作用が小さく、アスピリン感受性喘息対象において喘息の発生を誘発する能力が低い。さらに、有益なプロスタグランジン経路を潜在的に割くことにより、これらの薬剤は、NSAIDおよび/またはCOX−2阻害剤よりも効果が増大しうる。
【0004】
The American Physiological Society(1994, 267, R289-R-294)における実験はラットのPGE−誘発の高熱が優先的にEP受容体を介して媒介されることを示唆している。WO96/06822(1996年3月7日)、WO96/11902(1996年4月25日)、EP752421−A1(1997年1月8日)、WO01/19814(2001年3月22日)、WO03/084917(2003年10月16日)、WO03/101959(2003年12月11日)およびWO2004/039753(2004年5月13日)は、プロスタグランジン介在疾患の治療に有用である化合物を開示している。
【0005】
この度、新規な一群のシクロヘキセン誘導体は、意外にも、EP受容体よりもEP受容体に対して選択性があり、したがって、EP受容体でのPGEの作用により介在される症状の治療に有用であることを示す。かかる症状は、痛みまたは炎症性障害、免疫学的障害、骨障害、神経変性障害または腎機能異常を含む。
【0006】
したがって、本発明は、式(I):
【化1】

[式中:
Aは、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよい5もしくは6員のヘテロサイクリル環または置換されていてもよいビシクロヘテロサイクリル基であり;
Bは、フェニルまたはピリジル環であり;
Zは、O、S、SOまたはSOであり;
は、COH、CN、CONR、CHCOH、置換されていてもよいSOアルキル、SONR、NRCONR、COアルキル、2H−テトラゾール−5−イル−メチル、置換されていてもよいビシクロヘテロサイクルまたは置換されていてもよいヘテロサイクルであり;
2aおよびR2bは、各々独立して、水素、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、CN、SOアルキル、SR、NO、置換されていてもよいアリール、CONRまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり;
は、置換されていてもよいアルキル(ここに、1または2個の非末端炭素原子は、NR、OおよびSO(ここに、nは0、1または2である)から独立して選択される基により置換されていてもよい)、置換されていてもよいアルケニルまたは置換されていてもよいアルキニルであるか:あるいはRは、置換されていてもよいCQヘテロサイクリル、置換されていてもよいCQ−ビシクロヘテロサイクリルまたは置換されていてもよいCQ−アリールであり;
は、水素または置換されていてもよいアルキルであり;
は、水素または置換されていてもよいアルキルであり;
は、水素または置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいSOアリール、置換されていてもよいSOアルキル、置換されていてもよいSOヘテロアリール、CN、置換されていてもよいCQアリール、置換されていてもよいCQヘテロアリールまたはCORであり;
は、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールまたは置換されていてもよいアリールであり;
およびRは、各々独立して、水素、クロロ、フルオロ、CF、C1−3アルコキシまたはC1−3アルキルであり;
およびQは、各々独立して、水素およびCHから選択され;
Aが6員環である場合、R置換基およびシクロヘキセン環は、互いに1、2−、1、3−または1、4−位の炭素原子に結合し、Aが5員環またはビシクロヘテロサイクリル基である場合、R基およびシクロヘキセン環は、互いに1、2−または1、3−位の炭素原子に結合する]
で示されるシクロヘキセン化合物およびその誘導体を提供する。
【0007】
適当には、Aは置換されていてもよいピリジルを含む。
Aに関する任意の置換基は、例えば、ハロゲン、NR、NRCOC1−6アルキル、NRSO1−6アルキル、OR、置換されていてもよいC1−4アルキルから選択される、4個までの置換基、好ましくは0または1個の置換基を含み、ここに、RおよびRは上記と同意義である。
ある態様において、Bはフェニルである。
好ましくは、ZはOである。
適当には、RはCOHを含む。
2aおよびR2bの特定の例としては、水素、ハロおよび置換されていてもよいC1−6アルキル、例えばCFが挙げられる。好ましくは、R2aおよびR2bは、独立して、水素、Cl、BrおよびCFから選択される。
好ましくは、R2aは水素である。好ましくは、R2bは、Z置換基に対して1、4−位に、シクロヘキセンに対して1、3−位に位置する。
【0008】
適当には、Rは水素またはC1−4アルキルを含む。
適当には、Rは水素またはC1−4アルキルを含む。
適当には、Rは水素またはC1−4アルキルを含む。
適当には、Rは水素またはC1−4アルキルを含む。
適当には、RおよびRは、各々水素である。
適当には、Rは、置換されていてもよいアルキル基である場合、C1−8アルキルを含む。
適当には、Rは、ハロゲン、例えば、ClおよびF、およびCFから選択される、2または3個、好ましくは1または2個の置換基により置換されていてもよいCHフェニルである。
の例としては水素が挙げられる。
の例としては水素が挙げられる。
【0009】
ある種の群の式(I)で示される化合物は、式(Ia):
【化2】

[式中:
Aはピリジル環であり;
はCOHであり;
2aおよびR2bは、独立して、水素、ハロ、置換されていてもよいC1−4アルキル、例えばCFから選択され;
は、置換されていてもよいCH−フェニルである]
で示される化合物またはその誘導体である。
【0010】
好ましくは、R2aは水素である。
適当には、R2bは、水素、ハロゲン、例えばClもしくはF、またはCFである。
好ましくは、R2bは、OR置換基に対して1、4−位にあり、シクロヘキセン環に対して1、3−位にある。
好ましくは、Rは、ハロゲン、例えばClまたはF、およびCFから選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよい、CH−フェニルである。
【0011】
式(I)で示される化合物は:
6−[2−(5−クロロ−2−{[(4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−クロロ−2−{[(2、4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−クロロ−2−{[(2、4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−{2−[2−{[(4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボン酸;
6−{2−[2−{[(2、4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−(トリフルオロメチル)−2−{[(2、4、5−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−{2−[2−{[(4−クロロ−2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−(トリフルオロメチル)−2−{[(2、4、6−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−{2−[2−{[(2−クロロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボン酸;
6−{2−[2−{[(3、4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボン酸;
6−{2−[2−{[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボン酸;
6−{2−[2−{[(4−クロロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボン酸;
6−{2−[2−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボン酸;
6−{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボン酸;
5−{2−[2−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−3−ピリジンカルボン酸;
5−{2−[2−{[(2、4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−3−ピリジンカルボン酸;
5−[2−(5−(トリフルオロメチル)−2−{[(2、4、6−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−3−ピリジンカルボン酸;
5−{2−[2−{[(4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−3−ピリジンカルボン酸;
5−[2−(5−(トリフルオロメチル)−2−{[(2、3、4−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−3−ピリジンカルボン酸;
5−[2−(5−(トリフルオロメチル)−2−{[(2、4、5−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−3−ピリジンカルボン酸;
5−{2−[2−{[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−3−ピリジンカルボン酸;
5−{2−[2−{[(4−クロロ−2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−3−ピリジンカルボン酸;
5−{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−3−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−クロロ−2−{[(2、4、5−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−クロロ−2−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−クロロ−2−{[(2、4、6−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−クロロ−2−{[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−クロロ−2−{[(3、4、5−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−クロロ−2−{[(3、4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−クロロ−2−{[(4−クロロ−2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−クロロ−2−{[(4−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
5−(2−{5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1−シクロヘキセン−1−イル)−3−ピリジンカルボキシレート
5−[2−(5−クロロ−2−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−3−ピリジンカルボン酸;
5−[2−(5−クロロ−2−{[(4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−3−ピリジンカルボン酸;
5−[2−(5−クロロ−2−{[(2、4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−3−ピリジンカルボン酸;
5−[2−(5−クロロ−2−{[(2、4、5−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−3−ピリジンカルボン酸;
5−[2−(5−クロロ−2−{[(2、3、4−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−3−ピリジンカルボン酸;
5−[2−(5−クロロ−2−{[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−3−ピリジンカルボン酸;
6−(2−{5−ブロモ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−ブロモ−2−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−ブロモ−2−{[(4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−ブロモ−2−{[(2、4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−ブロモ−2−{[(3、4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−ブロモ−2−{[(2、3、4−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−ブロモ−2−{[(2、4、5−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−ブロモ−2−{[(2、4、6−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−ブロモ−2−{[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;および
3−[2−(5−クロロ−2−{[(2、4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
およびその誘導体を含む。
【0012】
本発明の化合物は、EPよりもEPに対して選択的である。実施例の化合物は、少なくとも20倍選択的である。より好ましくは、該化合物は、EPよりもEPに対して100倍選択的である。
式(I)で示される化合物の誘導体は、医薬上許容される誘導体を含む。
【0013】
本発明は、特記しない限り以下の定義を用いて記載する。
「医薬上許容される誘導体」なる用語は、医薬上許容される塩、溶媒和物またはエステル、式(I)で示される化合物の塩もしくはエステルの溶媒和物または受容者に投与した後、式(I)で示される化合物を(直接的または間接的に)提供することのできるいずれの他の化合物を意味する。
【0014】
式(I)で示される化合物を、該化合物のいずれかの官能基で修飾してその医薬上許容される誘導体を得ること、および、式(I)で示される化合物を1以上の位置で誘導化できることは当業者に明らかであろう。
【0015】
医薬使用に関して、上記に示した塩は、医薬上許容される塩であろうが、他の塩もまた用途があり、例えば、式(I)で示される化合物およびその医薬上許容される塩の調製に用いることができることは明らかだろう。
【0016】
医薬上許容される塩は、Berge, Bighley and Monkhouse, J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1-19に記載されているものを含む。「医薬上許容される塩」なる用語は、無機塩基および有機塩基を含む医薬上許容される塩基から調製される塩を意味する。無機塩基から誘導されるかかる塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン塩、マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の塩を含む。特に好ましい塩は、ナトリウム塩である。医薬上許容される有機塩基から誘導されるかかる塩は、第一級、第二級および三級アミン;天然の置換アミンを含む置換アミン;および環状アミンを含む。特に医薬上許容される有機塩基は、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N、N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等の塩を含む。また、塩は、塩基性イオン交換樹脂、例えばポリアミン樹脂から形成されてもよい。本発明が塩基性である場合、塩は、無機および有機酸を含む医薬上許容される酸から調製することができる。かかる酸は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香真、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、プロピオン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等を含む。
【0017】
式 (I)で示される化合物は、 結晶性または非結晶性形態であってもよく、結晶である場合、水和または溶媒和されていてもよい。本発明 は、化学量論的水和物ならびに種々の量の水を含有する化合物をその範囲内に含む。
【0018】
適当な溶媒和物は、医薬上許容される溶媒和物、例えば水和物を含む。
溶媒和物は、化学量論的溶媒和物および非化学量論的溶媒和物を含む。
【0019】
「ハロゲンまたはハロ」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を示すのに用いられる。
一の基または基の一部として「アルキル」なる用語は、直鎖、分枝鎖または環状鎖アルキル基またはその組み合わせを意味する。本明細書において定義しない限り、アルキルの例は、C1−8アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、1、1−ジメチルエチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルまたはその組み合わせ、例えばシクロヘキシルメチルおよびシクロペンチルメチルが挙げられる。
【0020】
一の基または基の一部として「アルコキシ」なる用語は、直鎖、分枝鎖または環状鎖アルコキシ基を意味する。本明細書において定義しない限り、「アルコキシ」は、C1−8アルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、iso−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシ、シクロペントキシまたはシクロヘキシルオキシを含む。一の態様において、「アルコキシ」は、C1−6アルコキシである。
【0021】
「アルケニル」なる用語は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する、示された数の炭素原子の直鎖または分枝鎖構造およびその組み合わせを意味し、水素が付加的な炭素−炭素二重結合により置換されている。一の態様において、「アルケニル」は、C2−6アルケニル、例えばエテニル、プロペニル、1−メチルエテニル、ブテニル等を含む。
「アルキニル」なる用語は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する、示された数の炭素原子の直鎖または分枝鎖構造およびその組み合わせを意味する。例えば、C2−8アルキニルは、エチニル、プロピニル、ブチニル等を含む。
【0022】
一の基または基の一部として「ヘテロサイクリル」の用語は、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有し、非置換または例えば、3個までの置換基により置換されている、芳香族または非芳香族5または6員環を意味する。5員のヘテロサイクリル基の例としては、フリル、ジオキサラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、チオフェニル、ピラゾリルまたはテトラゾリルが挙げられる。6員のヘテロサイクリル基の例としては、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルまたはテトラジニルが挙げられる。
【0023】
一の基または基の一部として「アリール」なる用語は、5または6員の芳香環、例えば、フェニルまたは少なくとも1つの環が芳香族である7〜12員の二環式環系、例えば、ナフチルを意味する。アリール基は、1個以上の置換基、例えば4、3または2個までの置換基により置換されていてもよい。好ましくは、アリール基はフェニルである。
【0024】
一の基または基の一部として「ヘテロアリール」なる用語は、単環式5または6員の芳香環、またはかかる単環式5または6員の芳香環を含む縮合二環式芳香環系を意味する。これらのヘテロアリール基は、窒素、酸素または硫黄から選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有し、N−オキシド、酸化硫黄および酸化硫黄も、許容されるヘテロ原子置換基である。ヘテロアリール基は、1個またはそれ以上の置換基、例えば3個までまたは2個までの置換基により置換されていてもよい。本明細書で用いられる「ヘテロアリール」の例としては、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インドリルおよびインダゾリルが挙げられる。
【0025】
本明細書で用いられる場合、「二環式ヘテロサイクリル」なる用語は、酸素、窒素および硫黄から選択される4個まで、好ましくは、1または3個のヘテロ原子を含む、縮合二環式芳香族または非芳香族二環式ヘテロサイクリル環系を意味する。各々の環は、4〜7個、好ましくは、5または6個の環原子を有する。二環式ヘテロ芳香環系は、カルボサイクリック環を含む。二環式ヘテロサイクリル基の例としては、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ピリドピラジニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリル、ベンズトリアゾリルまたはナフチリジニルが挙げられる。
【0026】
ヘテロ原子窒素が、アルキル基中の炭素原子と置換されているか、あるいは窒素がヘテロアリール、ヘテロサイクリルまたはビシクロヘテロサイクリル基中に存在する場合、該窒素原子は、適当な場合、水素およびC1−8アルキル、好ましくは水素およびC1−6アルキル、より好ましくは水素から選択される1または2個の置換基により置換されているだろう。
【0027】
アルキル、アルケニルまたはアルキニル基に関する任意の置換基は、特記しない限り、OH、COH、CO1−6アルキル、NHC1−6アルキル、NH、(O)、OC1−6アルキル、フェニルまたはハロ、例えばCl、BrもしくはFを含む。アルキル、アルケニルまたはアルキニル基は、1個以上の置換基、例えば5、4、3、2または1個までの任意の置換基により置換されていてもよい。特定の置換アルキル基は、1個以上のフッ素原子により、過フッ化状態にまで置換されているものを含み、例えばCHF、CHF、CF、C、CHCF、およびCHCHCFを含む。
【0028】
アルコキシ基に関する任意の置換基は、特記しない限り、OHおよびハロ、例えばCl、BrまたはFを含む。アルコキシ基は、1個以上の置換基、例えば5、4、3または2個までの任意の置換基により置換されていてもよい。
【0029】
特記しない限り、一の基または基の一部としての、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロサイクリル基の任意の置換基は、C1−6アルキル、C1−6アルコキシおよびハロゲンから選択される。
【0030】
式(I)で示される化合物は、下記スキームおよび実施例に示すように調製することができる。以下の方法は、本発明のさらなる態様を形成する。
【0031】
例えば、式(I)で示される化合物は、下記一般経路により調製することができる:
【化3】

[式中、LおよびLは、脱離基、例えばハロ、例えばブロモもしくはクロロ、またはトリフレートを意味し;LおよびLは、各々、活性化基、例えばボロン酸であり;Pは任意の保護基であり;A、B、R、R2a、R2b、R、R、ZおよびRは、式(I)で示される化合物の記載と同意義である]
はL1aに変換することができ、LはL2aに変換することができ、ここに、L1aおよびL2aは、各々、活性化基、例えばボロン酸であり、この状況において、LおよびLは、各々、ハロまたはトリフレートであり得る。
がCOHである場合、Pの例としては、メチル、エチルまたはベンジルエステルが挙げられる。
【0032】
式(II)で示される化合物の脱保護に適当な反応条件は、エタノール性水酸化ナトリウム溶液中での加熱を含む。
式(VI)で示される化合物と、式(V、Lは−B(OH)である)で示されるボロン酸または式(IV)で示される化合物と式(III、Lは−B(OH)である)で示されるボロン酸の反応に適当な反応条件は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)および無機塩基、例えば炭酸カリウムとの、溶媒、例えばエチレングリコールジメチルエーテル(DME)、トルエンおよびエタノール中での、好ましくは1:1の比での加熱を含む。
【0033】
したがって、また、本発明は:
【化4】

[式中:
Aは、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよい5−もしくは6員ヘテロサイクリル環または置換されていてもよいビシクロヘテロサイクリル基であり;
Bは、フェニルまたはピリジル環であり;
Zは、O、S、SOまたはSOであり;
は、COH、CN、CONR、CHCOH、置換されていてもよいSOアルキル、SONR、NRCONR、COアルキル、2H−テトラゾール−5−イル−メチル、置換されていてもよいビシクロヘテロサイクルまたは置換されていてもよいヘテロサイクルであり;
2aおよびR2bは、独立して、水素、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、CN、SOアルキル、SR、NO、置換されていてもよいアリール、CONRまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり;
は、置換されていてもよいアルキル(ここに、1または2個の非末端炭素原子は、NR、OおよびSO(ここに、nは0、1または2である)から独立して選択される基により置換されていてもよい)、置換されていてもよいアルケニルまたは置換されていてもよいアルキニルであるか:あるいはRは、置換されていてもよいCQヘテロサイクリル、置換されていてもよいCQ−ビシクロヘテロサイクリルまたは置換されていてもよいCQ−アリールであり;
は、水素または置換されていてもよいアルキルであり;
は、水素または置換されていてもよいアルキルであり;
は、水素または置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいSOアリール、置換されていてもよいSOアルキル、置換されていてもよいSOヘテロアリール、CN、置換されていてもよいCQアリール、置換されていてもよいCQヘテロアリールまたはCORであり;
は、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールまたは置換されていてもよいアリールであり;
およびRは、独立して、水素、クロロ、フルオロ、CF、C1−3アルコキシまたはC1−3アルキルであり;
およびQは、各々独立して、水素およびCHから選択され;
Aが6員環である場合、Rきかん気およびシクロヘキセン環は、互いに1,2−、1,3−または1,4−位の炭素原子に結合し、Aが5員環またはビシクロヘテロサイクリル基である場合、R置換基およびシクロヘキセン環は、互いに1,2−または1,3−位の炭素原子に結合する]
で示されるシクロヘキセン化合物またはその誘導体の製造方法であって、式(IV):
【化5】

[式中、R、R、AおよびRは、式(I)で示される化合物に関する記載と同意義であり、Lは脱離基である、Pは任意の保護基である]
で示される化合物を、式(III):
【化6】

[式中、R2a、R2b、B、ZおよびRは、式(I)で示される化合物に関する記載と同意義であり、Lは活性化基である]
で示される化合物と反応させ、要すれば:
一のR基を他のR基に変換し;
要すれば、いずれもの順番で以下の任意の工程:
脱保護すること;および/または
一のR基を他のR基に変換すること;および/または
このように形成された式(I)で示される化合物の誘導体を形成すること;
を行うことを含む方法を提供する。
【0034】
別法として、式(I)で示される化合物は、下記に記載の経路に従って調製することができる:
【化7】

[式中、L、L、L、LおよびPは上記と同意義であり、A、B、R、R2a、R2b、R、R、ZおよびRは、式(I)で示される化合物に関する記載と同意義である]
はL1aに変換することができ、LはL2aに変換することができ、ここに、L1aおよびL2aは、各々活性化基、例えばボロン酸であり、この状況において、LおよびLはハロまたはトリフレートであってもよい。
【0035】
したがって、また、本発明は:
【化8】

[式中:
Aは、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよい5−もしくは6員ヘテロサイクリル環または置換されていてもよいビシクロヘテロサイクリル基であり;
Bは、フェニルまたはピリジル環であり;
Zは、O、S、SOまたはSOであり;
は、COH、CN、CONR、CHCOH、置換されていてもよいSOアルキル、SONR、NRCONR、COアルキル、2H−テトラゾール−5−イル−メチル、置換されていてもよいビシクロヘテロサイクルまたは置換されていてもよいヘテロサイクルであり;
2aおよびR2bは、独立して、水素、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、CN、SOアルキル、SR、NO、置換されていてもよいアリール、CONRまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり;
は、置換されていてもよいアルキル(ここに、1または2個の非末端炭素原子は、NR、OおよびSO(ここに、nは0、1または2である)から独立して選択される基により置換されていてもよい)、置換されていてもよいアルケニルまたは置換されていてもよいアルキニルであるか:あるいはRは、置換されていてもよいCQヘテロサイクリル、置換されていてもよいCQ−ビシクロヘテロサイクリルまたは置換されていてもよいCQ−アリールであり;
は、水素または置換されていてもよいアルキルであり;
は、水素または置換されていてもよいアルキルであり;
は、水素または置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいSOアリール、置換されていてもよいSOアルキル、置換されていてもよいSOヘテロアリール、CN、置換されていてもよいCQアリール、置換されていてもよいCQヘテロアリールまたはCORであり;
は、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールまたは置換されていてもよいアリールであり;
およびRは、独立して、水素、クロロ、フルオロ、CF、C1−3アルコキシまたはC1−3アルキルであり;
およびQは、各々独立して、水素およびCHから選択され;
Aが6員環である場合、R置換基およびシクロヘキセン環は、互いに1,2−、1,3−または1,4−位の炭素原子に結合し、Aが5員環またはビシクロヘテロサイクリル基である場合、R置換基およびシクロヘキセン環は、互いに1,2−または1,3−位の炭素原子に結合する]
で示されるシクロヘキセン化合物またはその誘導体の製造方法であって、式(VII):
【化9】

[式中、R2a、R2b、R、R、BおよびRは、式(I)で示される化合物に関する記載と同意義であり、Lは脱離基である]
で示される化合物を、式(V):
【化10】

[式中、RおよびAは、式(I)で示される化合物に関する記載と同意義であり;Lは活性化基であり、Pは任意の保護基である]
で示される化合物と反応させ、要すれば:
一のR基を他のR基に変換し;
要すれば、いずれもの順番で以下の任意の工程:
脱保護すること;および/または
一のR基を他のR基に変換すること;および/または
このように形成された式(I)で示される化合物の誘導体を形成すること;
を行うことを含む方法を提供する。
【0036】
中間体および式(I)で示される化合物におけるある種の置換基は、当業者に公知の他の置換基に変換することができることは明らかだろう。
【0037】
基は、当業者に公知の慣用的な有機変換法を用いることにより他のR基に変換することができる。例えば、R=COHは、アミド、例えばCONHCQアリールまたはCONHCQヘテロアリール(ここに、QおよびQは、水素およびCHから選択される)に、例えば、Richard Larock, Comprehensive Organic Transformations, 2nd edition, Wiley-VCH, ISBN 0-471-19031-4に記載のようなアミド形成に関する慣用的な方法により変換することができる。
【0038】
式(VI)で示されるシクロヘキセン誘導体、式(III)および(V)で示されるボロン酸およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)は市販されているか、あるいは、当業者に公知の方法により容易に調製することができる。
式(III)および式(V)で示されるボロン酸の調製および反応は、Suzuki et al, Synth. Commun., 1981, 11, 513;Martin et al, Acta. Chim. Scand., 1993, 47, 221;およびMiyaura et al, Chem. Rev., 1995, 95, 2457に記載されている。例えば、2−ベンジルオキシ−5−クロロフェニルボロン酸は、2−ベンジルオキシ−5−クロロ−ヨウドベンゼンから調製することができる。2−ベンジルオキシ−5−クロロ−ヨウドベンゼンは、4−クロロ−2−ヨウドアニソールから、公知の方法に従って、脱メチル化、ついで、ベンジル化することにより調製することができる。
【0039】
すべての中間体および式(I)で示される化合物におけるある種の置換基は、当業者に公知の慣用的な方法のより他の置換基に変換することができる。変換することができる置換基の例としては、他のR基に変換されるR基;および他のA基上の置換基に変換されるA基上の置換基が挙げられる。かかる変換法の例としては、ニトロ基を還元して、アミノ基を得ること;アミノ基のアルキル化およびアミド化;エステルの加水分解、ヒドロキシおよびアミノ基のアルキル化;およびカルボン酸のアミド化およびエステル化を含む。かかる変換法は当業者によく知られており、例えば、Richard Larock, Comprehensive Organic Transformations, 2nd edition, Wiley-VCH, ISBN 0-471-19031-4に記載されている。
【0040】
例えば、Rがp−メトキシベンジルである場合、エーテルを開裂させて、フェノールまたはピリジノールを得ることは、酸、例えばHCl/ジオキサン、HBr/酢酸を用いて、あるいは、ナトリウムメタンチオエートを用いて行われる。Rがメチルである場合、エーテルを開裂して、フェノールを得ることは、例えば、ナトリウムメタンチオエートを用いて行われる。エーテルを開裂して、ピリジノールを得ることは、例えば、トリフルオロ酢酸の存在下で行われる。他のR基、例えば置換ベンジル基への変換は、フェノールまたはピリジノールを、適当な臭化ベンジルと反応させることにより行うことができる。保護基Pの他の保護基Pへの変換が、用いた反応条件下で生じうることは、当業者には明らかだろう。Rがベンジルである場合、エーテルを開裂して、フェノールまたはピリジノールを得ることは、公知の方法、例えばH−Pd/CまたはNHCOH−Pd/Cに従って水素化することにより行うことができる。ついで、得られたフェノールまたはピリジノールは、上記したように他のR基に変換することができる。
【0041】
上記方法の間、ある種の活性置換基は保護する必要がありうることは理解されるだろう。当業者は、保護基が必要であるかどうかを判断するだろう。Greene T.W. 「Protective groups in organic synthesis」, New York, Wiley (1981)に記載のような、標準的な保護および脱保護技術を用いることができる。例えば、カルボン酸基は、エステルとして保護することができる。かかる基の脱保護は、当該分野で公知の慣用的な方法を用いて行われる。保護基が慣用的な手法により相互変換可能であることは明らかだろう。
【0042】
式(VI):
【化11】

[式中、L、Lは上記と同意義であり、RおよびRは、式(I)で示される化合物の記載と同意義である]
で示されるシクロヘキセン中間体は市販されているか、あるいは公知の方法により容易に調製することができる。
【0043】
式(III):
【化12】

[式中、Lは上記と同意義であり、R2a、R2b、Z、BおよびRは、式(I)で示される化合物の記載と同意義である]
で示される化合物は、市販されているか、あるいは、当業者に公知の方法、例えば適当な市販されているピリジノール、アニソールまたはフェノールから、実施例に記載の方法を用いて調製することができる。
【0044】
式(V):
【化13】

[式中、LおよびPは上記と同意義であり、RおよびAは、式(I)で示される化合物の記載と同意義である]
で示される化合物は、市販されているか、あるいは当業者に公知の方法、例えば適当なハロ安息香酸エステルから、公知の方法、例えば実施例に記載の方法を用いて調製することができる。
【0045】
本発明は、すべての幾何異性体、互変異性体および光学異性体ならびにその混合物(例えば、ラセミ混合物)を含む、式(I)のすべての異性体およびその医薬上許容される誘導体を含むと理解すべきである。式(I)の化合物中にさらなるキラル中心が存在する場合、本発明は、その混合物を含む可能性のあるすべてのジアステレオマーその範囲内に含む。別個の異性体は、慣用的な方法を用いて他から一の異性体を分離または分割するか、あるいは立体特異的または不斉合成法により得ることができる。
【0046】
本発明の化合物はEP受容体に結合し、したがって、これらは、EP受容体でのPGEの作用により介在される症状の治療において有用であると考えられる。
【0047】
EP受容体でのPGEの作用により介在される症状は、痛み;熱病;炎症;免疫学的疾患;血小板機能異常障害;インポテンスまたは勃起不全;骨疾患;非ステロイド性抗炎症剤の血行性副作用;心血管疾患;神経変性疾患および神経変性;傷害後神経変性;耳鳴り;依存誘発性薬剤による依存症;I型糖尿病の合併症;および腎機能不全を含む。
【0048】
式(I)で示される化合物は、鎮痛剤として有用であると考えられる。したがって、これらは痛みの治療または予防においても有用であると考えられる。
【0049】
式(I)で示される化合物は、急性の痛み、慢性の痛み、神経障害性の痛み、炎症性の痛み、内臓痛、癌に付随する痛みおよび線維筋痛、偏頭痛に付随する痛み、緊張性頭痛および群発性頭痛および機能性腸障害に付随する痛み、非心臓性胸痛および非潰瘍性消化不良を治療するための鎮痛剤として有用であると考えられる。
【0050】
式(I)で示される化合物は、疾患の特徴の改善および関節構造の保護を含む、慢性関節痛(例えば、関節リウマチ、変形性関節症、リウマチ様脊椎炎、痛風性関節炎および若年性関節炎);筋骨格系疼痛;腰痛および首痛;くじきおよび捻挫;神経障害性の痛み;交感神経性の痛み;筋炎;癌に付随する痛みおよび線維筋痛;偏頭痛に付随する痛み;インフルエンザまたは一般的な風邪のような他のウイルス感染症に付随する痛み;リウマチ熱;非潰瘍性消化不良のような機能性腸障害に付随する痛み、非心臓性胸痛および過敏性腸症候群;心筋虚血に付随する痛み;術後の痛み;頭痛;歯痛;および月経困難症の治療に有用であると考えられる。また、本発明の化合物は、内臓痛の治療に有用であると考えられる。
【0051】
本発明の化合物は、神経障害性の痛みの治療に特に有用であると考えられる。神経障害性痛症候群、ニューロン損傷後に進行し、生じた痛みは、元の損傷が治癒した後でさえも数ヶ月または数年持続しうる。ニューロン損傷は、末梢神経、後根、脊髄または脳のある領域において生じうる。神経障害性痛症候群は、昔から疾患またはそれを招く事象により分類される。神経障害性痛症候群は:糖尿病性ニューロパシー;坐骨神経痛;非特異性腰痛;多発性硬化症の痛み;線維筋痛;HIV関連ニューロパシー;ヘルペス後神経痛;三叉神経痛;および身体外傷、切断、癌、毒素または慢性炎症性症状から生じる痛みを含む。これらの症状は治療することが困難であり、いくつかの薬剤が限定された効果を有することが知られているが、完全な痛みの制御を達成するものはまれである。神経障害性の痛みの兆候は異種のものであり、しばしば、自発的シューティングおよび電撃痛または継続的な灼熱痛と記載される。加えて、加えて、「しびれてピリピリする感覚」(感覚異常および異常錯感覚)、接触に対する感受性増加(感覚過敏)、無害な刺激後の痛み(動的、静的または熱的異痛)、有害な刺激に対する感受性増加(温熱性、低温性、機械的痛覚過敏)、刺激を除去した後も続く痛覚(痛覚過敏)または選択的感覚経路の欠如または欠損(痛覚低下)のような一般に痛みのない感覚に付随する痛みもある。
【0052】
また、式(I)で示される化合物は、熱病の治療においても有用であると考えられる。
また、式(I)で示される化合物は、炎症の治療、例えば、皮膚の症状(例えば、日焼け、やけど、湿疹、皮膚炎、乾癬);眼の疾患、例えば、緑内障、網膜炎、網膜症、ブドウ膜炎、眼組織に対する急性の損傷(例えば、結膜炎)などの眼病;肺障害(例えば、喘息、気管支炎、気腫、アレルギー性鼻炎、呼吸窮迫症候群、ハト愛好者疾患、農夫肺、慢性閉塞性肺疾患(COPD);胃腸管障害(例えば、アフター性潰瘍、クローン病、アトピー性胃炎、胃炎バリアロフォルム(gastritis varialoforme)、潰瘍性結腸炎、セリアック病、限局性回腸炎、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、胃腸逆流疾患);臓器移植;血管疾患、偏頭痛、結節性動脈周囲炎、甲状腺炎、再生不良性貧血、ホジキン病、強皮症、重症筋無力症、多発性硬化症、サルコイドーシス、ネフローゼ症候群、ベッチェット症候群、歯肉炎、心筋虚血、発熱、全身性エリトマトーデス、多発性筋炎、腱炎、滑液包炎およびシェーグレン症候群の治療に有用であると考えられる。
【0053】
また、式(I)で示される化合物は、免疫学的疾患、例えば自己免疫疾患、免疫学的欠乏症または臓器移植の治療においても有用であると考えられる。また、式(I)で示される化合物は、HIV感染症の潜伏期を増大だせるのに効果的である。
また、式(I)で示される化合物は、血小板機能異常に関連する疾患(例えば、閉塞性血管疾患)の治療において有用である
また、式(I)で示される化合物は、利尿作用を有するの薬剤の製造において有用であると考えられる。
【0054】
また、式(I)で示される化合物は、インポテンスまたは勃起不全の治療において有用であると考えられる。
また、式(I)で示される化合物は、骨代謝異常または吸収異常により特徴付けられる骨疾患、例えば、骨粗鬆症(特に閉経後骨粗鬆症)、高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症、パジェット骨病、骨溶解症、骨代謝を伴うか伴わない悪性腫瘍の高カルシウム血症、関節リウマチ、歯周炎、骨関節炎、骨痛、骨減少症、癌悪液質、結石症、結石(特に尿路結石)、充実性癌、痛風、強直性脊椎炎、腱炎および滑液包炎の治療において有用であると考えられる。
【0055】
また、式(I)で示される化合物は、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)およびシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤の血行性副作用を弱めるのに有用である。
また、式(I)で示される化合物は、高血圧または心筋虚血などの心血管疾患;機能性または臓器静脈機能不全;静脈瘤療法;痔疾;および動脈圧の著しい低下に伴うショック状態(例えば、敗血性ショック)の治療に有用であると考えられる。
【0056】
また、式(I)で示される化合物は、神経変性疾患および神経変性、例えば、痴呆、特に変性痴呆(老年痴呆、アルツハイマー病、ピック病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病およびクロイツフェルト−ヤコブ病、ALS、運動ニューロン疾患を含む);血管性痴呆(多発脳梗塞性痴呆を含む);ならびに頭蓋内腔を占める病変に伴う痴呆;外傷;感染および関連症状(HIV感染を含む);代謝作用;毒素;酸素欠乏症およびビタミン欠乏症;加齢に伴う軽度の認識機能障害、特に年齢に関連する記憶障害の治療に有用であると考えられる。
【0057】
また、式(I)で示される化合物は、発作、心不全、肺バイパス、外傷性脳損傷、脊髄損傷などの後の神経保護の治療において有用であると考えられる。
また、式(I)で示される化合物は、耳鳴りの治療においても有用であると考えられる。
【0058】
また、式(I)で示される化合物は、依存誘発剤に対する依存を防止または減少させるか、あるいは該誘発剤に対する耐性または逆耐性を防止または減少させるのに有用であると考えられる。依存誘発剤の例としては、オピオイド(例えば、モルヒネ)、CNS抑制剤(例えば、エタノール)、精神刺激剤(例えば、コカイン)およびニコチンが挙げられる。
【0059】
また、式(I)で示される化合物は、I型糖尿病の合併症(例えば、糖尿病性細小血管症、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、黄斑変性、緑内障)、ネフローゼ症候群、再生不良性貧血、ブドウ膜炎、カワサキ病およびサルコイドーシスの治療においても有用であると考えられる。
【0060】
また、式(I)で示される化合物は、腎機能不全(腎炎、特にメサンギウム増殖性糸球体腎炎、腎炎症候群)、肝機能障害(肝炎、肝硬変)、胃腸機能障害(下痢)および結腸癌治療において有用であると考えられる。
【0061】
また、式(I)で示される化合物は、過活動膀胱および急迫性尿失禁の治療に有用である。
治療への言及は、特記しない限り、確立された兆候の治療および予防的治療の両方を含むと理解すべきである。
【0062】
本発明のさらなる態様により、ヒトまたは獣医用医薬において用いるための、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を提供する。
本発明のさらなる態様により、EP受容体でのPGEの作用により介在される症状の治療において有用な式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を提供する。
【0063】
本発明のさらなる態様により、EP受容体でのPGEの作用により介在される症状を患っているヒトまたは動物対象の治療方法であって、該対象に有効量の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を投与することを含む方法を提供する。
【0064】
本発明のさらなる態様により、痛み、炎症、免疫病、骨障害、神経変性または腎機能異常を患っているヒトまたは動物対象の治療方法であって、該対象に有効量の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を投与することを含む方法を提供する。
【0065】
本発明のさらなる態様により、炎症性の痛み、神経障害性の痛みまたは内臓痛を患っているヒトまたは動物対象の治療方法であって、有効量の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を投与することを含む方法を提供する。
【0066】
本発明のさらなる態様により、EP受容体でのPGEの作用により介在される症状の治療用の医薬の製造における式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用を提供する。
【0067】
本発明のさらなる態様により、痛みまたは炎症、免疫学的障害、骨障害、神経変性または腎機能異常のような症状の治療または予防用の医薬の製造における式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用を提供する。
【0068】
本発明のさらなる態様により、炎症性の痛み、神経障害性の痛みまたは内臓痛のような症状の治療または予防用の医薬の製造における、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用を提供する。
【0069】
式(I)で示される化合物およびその医薬上許容される誘導体は、慣用的には、医薬組成物の形態で投与される。かかる組成物は、慣用的には、1種またはそれ以上の生理学上許容される担体または賦形剤と一緒に混合されて、慣用的な方法で使用するために提供される。
【0070】
かくして、本発明の別の態様において、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を含む、ヒトまたは獣医学的医薬における使用に適した医薬組成物を提供する。
【0071】
式(I)で示される化合物およびその医薬上許容される誘導体は、いずれかの適当な手段で投与するために処方してもよい。吸入による投与用、より好ましくは、経口、局所、経皮または非経口投与用に処方されていてもよい。医薬組成物は、式(I)で示される化合物およびその医薬上許容される誘導体を制御放出することができる形態であってもよい。
【0072】
経口投与に関して、医薬組成物は、例えば、許容される賦形剤を用いる慣用的な方法により調製された、錠剤(舌下錠を含む)、カプセル、粉末、溶液、シロップまたは懸濁液の形態でありうる。
【0073】
経皮投与に関して、医薬組成物は、経皮パッチ、例えば経皮イオン導入パッチの形態であってもよい。
【0074】
非経口投与に関して、医薬組成物は、注射または持続注入(例えば、静脈内、血管内または皮下)として投与されてもよい。組成物は、油または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンの形態でありえ、処方剤、例えば、懸濁化剤、安定化剤および/または崩壊剤を含有していてもよい。注射による投与に関して、これらは、好ましくは保存剤を添加した、単位投与量で提供する形態または多回数投与量で提供する形態でありうる。
別法として、非経口投与に関して、活性成分は、適当なビヒクルで復元する粉末形態であってもよい。
【0075】
また、本発明の化合物は、デポー製剤として処方してもよい。かかる長期活性処方は、埋め込み(例えば、皮下または筋肉内)により、または筋肉内注射により投与することができる。かくして、例えば、本発明の化合物は、適当なポリマーまたは疎水性物質と(例えば、許容される油中のエマルジョン)またはイオン交換樹脂と、または溶けにくい誘導体として、例えば、溶けにくい塩として処方することができる。
【0076】
本発明において用いるためのEP受容体化合物は、他の治療剤、例えば、COX−2阻害剤、例えば、セレコキシブ、デラコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブまたはCOX−189;5−リポキシゲナーゼ阻害剤;NSAID、例えばジクロフェナク、インドメタシン、ナブメトンまたはイブプロフェン;DMARD、例えば、メトトレキサート;アデノシンA1受容体アゴニスト;ナトリウムチャネルブロッカー、例えば、ラモトリジン;NMDA受容体モジュレーター、例えば、グリシン受容体アンタゴニスト;ガバペンチンおよび関連化合物;三環式抗鬱剤、例えばアミトリプチリン;ニューロン安定化抗癲癇剤;モノ−アミン作用性吸収阻害剤、例えばベンラファキシン;オピオイド鎮痛剤;局所麻酔剤;5HTアゴニス、例えば、トリプタン、例えば、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、アルモトリプタンまたはリザトリプタン;ニコチン様アセチルコリン(nACh)受容体モジュレーター;グルタミン酸塩受容体モジュレーター、例えばNR2Bサブタイプのモジュレーター;ニコチン性アセチルコリン(nACh)受容体モジュレーター;EP受容体リガンド;EP受容体リガンド;EP受容体リガンド;EPアンタゴニスト;EPアンタゴニストおよびEPアンタゴニスト;カンナバノイド受容体リガンド;ブラジキニン受容体リガンドおよびバニロイド受容体リガンドと組み合わせて用いてもよい。化合物が他の治療剤と組み合わせて用いられる場合、化合物は、いずれもの慣用的な経路より、別個または同時に投与することができる。
【0077】
付加的なCOX−2阻害剤は、米国特許第5、474、995号、米国特許第5、633、272号;米国特許第5、466、823号、米国特許第6、310、099号および米国特許第6、291、523号;およびWO96/25405、WO97/38986、WO98/03484、WO97/14691、WO99/12930、WO00/26216、WO00/52008、WO00/38311、WO01/58881およびWO02/18374に開示されている。
【0078】
かくして、本発明は、さらなる態様において、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体とさらなる治療剤(複数でも可)とを一緒に含む組み合わせを提供する。
【0079】
上記した組み合わせは、慣用的に医薬処方の形態で用いるために提供され、かくして、上記した組み合わせと医薬上許容される担体または賦形剤とを一緒に含む医薬処方は、本発明のさらなる態様を構成する。かかる組み合わせの個々の成分は、連続または同時に別個のまたは組み合わせた医薬処方で投与することができる。
【0080】
式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を同じ病態に対して活性な第2の治療剤と組み合わせて用いる場合、各々の化合物の投与量は、その化合物を単独で用いる場合の投与量とは異なっていてもよい。適当な投与量は、当業者により容易に決定されるだろう。
【0081】
ヒトの治療に関して、提案される式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の1日の投与量は、0.01〜30mg/体重kg/日であり、より特別には、0.1〜10mg/体重kg/日であり、これは、単回投与量あるいは、例えば1日当たり1〜4回に分割した投与量で投与することができる。成人の投与量範囲は、一般的には、8〜2000mg/日、例えば、20〜1000mg/日、好ましくは、35〜200mg/日である。
【0082】
ホスト、特にヒト患者に投与される式(I)で示される化合物の正確な量は、かかりつけの医師の責務であるだろう。しかしながら、用いられる投与量は、患者の年齢および性別、治療すべき正確な症状およびその重篤度ならびに投与経路を含む、多くの因子に依存するだろう。
【0083】
本発明の化合物を、本明細書の記載に従って投与した場合、許容できない毒物学的作用はないと考えられる。
限定するものではないが、本明細書に引用されている特許および特許出願を含め、すべての刊行物は、出典明示により本明細書に組み入れる。
下記非限定的実施例は、本発明の薬理学上活性な化合物の調製法を説明する。
【0084】
実施例
略号
Bn(ベンジル)、Bu、Pr、Me、Et(ブチル、プロピル、メチル、エチル)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、DCM(ジクロロメタン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸)、EtOAc(酢酸エチル)、EtOH(エタノール)、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、LCMS(液体クロマトグラフィー/質量分析)、MDAP(質量特異的自動精製)、MeCN(アセトニトリル)、MeOH(メタノール)、NMR(核磁気共鳴(スペクトル))、Ph(フェニル)、pTSA(パラ−トルエンスルホン酸)、SPE(固相抽出)、TBAF(テトラブチルアンモニウムフルオライド)、THF(テトラヒドロフラン)、s、d、t、q、m、br(シングレット、ダブレット、トリプレット、マルチプレット、ブロード)
【0085】
LCMS
カラム:3.3cm×4.6mmID、3umABZ+PLUS
流速:3ml/分
注入量:5μl
温度:RT
UV検出範囲:215〜330nm
【表1】

【0086】
質量特異的自動精製
ハードウェア:
Waters 600 gradient pump
Waters 2767 inject/collector
Waters Reagent Manager
Micromass ZMD mass spectrometer
Gilson Aspec - waste collector
Gilson 115 post-fraction UV detector
ソフトウェア:
Micromass Masslynx version 4.0
カラム
用いるカラムは、典型的には、Supelco LCABZ++カラムであり、その寸法は20mmの内径、100mmの長さである。固定相の粒度は5μmである。
溶媒:
A:水性溶媒=水+0.1%のギ酸
B:有機溶媒=MeCN:水95:5+0.05%のギ酸
メイクアップ溶媒=MeOH:水80:20+50mMの酢酸アンモニウム
ニードルリンス溶媒=MeOH:水:DMSO80:10:10
用いる方法は、目的の化合物の分析保持時間に依存する。15分のランタイムであり、これは、10分の勾配、ついで、5分のカラムフラッシュおよび再平衡工程を含む。
MDP 1.5〜2.2=0〜30%B
MDP 2.0〜2.8=5〜30%B
MDP 2.5〜3.0=15〜55%B
MDP 2.8〜4.0=30〜80%B
MDP 3.8〜5.5=50〜90%B
流速:
流速 20ml/分
【0087】
中間体
2−ベンジルオキシ−5−クロロヨウドベンゼン
アセトン(200ml)中の5−クロロ−2−ヨウドフェノール(20g、78.59mmol)、炭酸カリウム(20g、144.93mmol)および臭化ベンジル(14.78g、86.45mmol)の混合物を3時間加熱還流した。得られた混合物を冷却し、濾過し、減圧下で乾燥させて、イソヘキサン中に溶解させ、結晶を得た。25.74gの明褐色固体を得た。
H NMR(CDCl)δ:5.13(s,2H),6.76(d,1H),7.22−7.48(m,6H),7.77(d,1H)
【0088】
2−ベンジルオキシ−5−クロロフェニルボロン酸
ジエチルエーテル(46.5ml、93mmol)中の2Mのイソプロピルマグネシウムクロライドの溶液を、乾燥THF(150ml)中の2−ベンジルオキシ−5−クロロヨウドベンゼン(16.02g、46.5mmol)の溶液に、20分にわたって窒素雰囲気下−40℃で加えた。−40℃で1時間撹拌した後、混合物を−78℃に冷却し、トリメチルボレート(9.67g、93mmol)を5分にわたって滴下した。得られた混合物を室温に加温し、2Mの塩酸(200ml)を加え、15分間激しく撹拌した。有機相を分離し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、蒸発させて乾燥し、イソヘキサンでトリチュレートして、11.9gの灰白色固体を得た。
LC/MS:Rt3.4,[2MH−]637.3
【0089】
2−(2−ブロモ−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−クロロ−1−[(フェニルメチル)オキシ]ベンゼン
1:1のトルエン/エタノール(250ml)中の2−ベンジルオキシ−5−クロロフェニルボロン酸(2.983g、11.36mmol)、1,2−ジブロモシクロヘキセン(10.91g、45.46mmol)、炭酸カリウム(13.8g、100mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.158g、1mmol)の混合物を撹拌し、90℃に窒素雰囲気下で4時間加熱した。冷却した後、混合物をジエチルエーテルおよび水で希釈し、有機層を分離し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、減圧下で蒸発させた。残渣を、酢酸エチル/イソヘキサン(1:49)で溶出するシリカのクロマトグラフィーに付して、ついで、ジクロロメタン/イソヘキサン(1:9)で溶出するクロマトグラフィーに付し、イソヘキサンから再結晶して、638mgの白色結晶を得た。
H NMR(dDMSO)δ:1.55−1.80(m,4H),2.12−2.22(m,1H),2.30−2.41(m,1H),2.51−2.60(m,2H),5.13(s,2H),7.07(d,1H),7.10(d,1H),7.28−7.43(m,6H)
【0090】
(2−{5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1−シクロヘキセン−1−イル)ボロン酸
ヘキサン(0.21ml、0.34mmol)中の1.6Mのブチルリチウムを、乾燥THF(5ml)中の2−(2−ブロモ−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−クロロ−1−[(フェニルメチル)オキシ]ベンゼン(126mg、0.33mmol)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下−78℃で、15分にわたって滴下した。トリイソプロピルボレート(124mg、0.66mmol)を加え、混合物を室温に加温し、2Mの塩酸(5ml)を加えた。得られた混合物を10分間激しく撹拌し、有機層を分離し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、蒸発させて、酢酸エチル/イソヘキサン(1:4)で溶出するシリカのクロマトグラフィーに付して、44mgの無色ガムを得た。
LC/MS:Rt3.73,[2MH+]689.4
【0091】
エチル6−(2−{5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−ピリジンカルボキシレート
1:1のトルエン/エタノール(3ml)中の(2−{5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1−シクロヘキセン−1−イル)ボロン酸(44mg、0.128mmol)、6−ブロモピコリン酸エチルエステル(30mg、0.13mmol)、炭酸カリウム(138mg、1mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(12mg、0.01mmol)の混合物を撹拌し、窒素雰囲気下90℃で2時間加熱した。冷却した後、混合物をジエチルエーテルおよび水で希釈し、有機層を分離し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、蒸発させて乾燥し、ついで、酢酸エチル/イソヘキサン(1:9)で溶出するシリカのクロマトグラフィーに付して、35mgの無色ガムとして得た。
LC/MS:Rt4.16,[MH+]448.4,450.4
【0092】
エチル6−[2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボキシレート
エチル6−(2−{5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−ピリジンカルボキシレート(310mg、0.69mmol)を、酢酸(1ml)および酢酸(5ml)中の48%の臭化水素の溶液に溶解させ、室温にて1時間静置し、ついで、ジエチルエーテル/水中に注ぎ、炭酸カリウムで塩基性化した。有機層を分離し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、酢酸エチル/イソヘキサン(3:17)で溶出するシリカのクロマトグラフィーに付して、得られた混合物をエタノール(5ml)中に溶解し、60%の水素化ナトリウム(2mg)を加えた。一晩室温にて静置した後、溶液を水/ジエチルエーテルで希釈し、酢酸で酸性化し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、蒸発させて、201mgの無色のガムを得た。
LC/MS:Rt3.56,[MH+]358.4,360.4
【0093】
エチル6−[2−(5−クロロ−2−{[(4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボキシレート
アセトン(5ml)中のエチル6−[2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボキシレート(100mg、0.28mmol)、4−フルオロ臭化ベンジル(63mg、0.33mmol)および炭酸カリウム(138mg、1mmol)の混合物を、3時間加熱還流した。冷却した後、混合物を濾過し、蒸発させ、酢酸エチル/イソヘキサン(1:9)で溶出するシリカのクロマトグラフィーに付して、96mgの白色固体を得た。
LC/MS:Rt4.17,[MH+]466.4,468.3
【0094】
エチル6−[2−(5−クロロ−2−{[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボキシレート
4−フルオロ臭化ベンジルの代わりに2,4−ジフルオロ臭化ベンジルを用いること以外は、エチル6−[2−(5−クロロ−2−{[(4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボキシレートと同様の方法で白色固体として調製した。
LC/MS:Rt4.22,[MH+]484.4,486.3
【0095】
実施例1
6−[2−(5−クロロ−2−{[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸
【化14】

エチル6−[2−(5−クロロ−2−{[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボキシレート(116mg、0.24mmol)を、エタノール(5ml)および2Mの水酸化ナトリウム(1ml)中に溶解し、室温にて1時間静置した。得られた溶液を、水/ジエチルエーテルで希釈し、酢酸で酸性化し、有機層を分離し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、トルエン(10ml)を加え、蒸発して乾燥した。残渣を、イソヘキサンでトリチュレートして、79mgの白色固体を得た。
LC/MS:Rt3.91,[MH+]456.3,458.3
H NMR(dDMSO)δ:1.60−1.82(4H,br.m.),2.05−2.85(4H,br.m.),5.11(2H,s),6.76(1H,d),6.88(1H,dd),7.08−7.19(3H,m),7.27−7.34(1H,dt),7.52−7.59(2H,m),7.25(1H,d),12.7−13.4(1H,br.s.)
【0096】
実施例2
6−[2−(5−クロロ−2−{[(4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸
【化15】

エチル6−[2−(5−クロロ−2−{[(4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボキシレート(96mg、0.21mmol)を、エタノール(5ml)および2Mの水酸化ナトリウム(1ml)中に溶解し、室温にて1時間静置した。得られた溶液を水/ジエチルエーテルで希釈し、酢酸で酸性化し、有機層を分離し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、トルエン(10ml)を加え、蒸発させて乾燥した。残渣を、イソヘキサンでトリチュレートして、72mgの白色固体を得た。
LC/MS:Rt3.80,[MH+]438.3,440.4
H NMR(dDMSO)δ:1.69−1.83(4H,m),2.1−2.8(4H,br.m),5.07(2H,s),6.79(1H,d),6.91(1H,dd),7.00(1H,d),7.16(1H,dd),7.20(2H,t),7.43(2H,dd),7.55(1H,t),7.72(1H,d),12.5−13.4(1H,br.s.)
【0097】
実施例3
6−(2−{5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−ピリジンカルボン酸ナトリウム塩
【化16】

エチル6−(2−{5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−ピリジンカルボキシレート(60mg、0.13mmol)を、エタノール(5ml)および2Mの水酸化ナトリウム(1ml)中に溶解し、室温にて1時間静置した。得られた溶液を、水/ジエチルエーテルで希釈し、酢酸で酸性化し、有機層を分離し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、トルエン(10ml)を加え、蒸発させて乾燥した。残渣をエタノール(2ml)および2Mの水酸化ナトリウム(0.5ml)中に溶解し、ついで、酢酸エチル/水で希釈した。有機層を乾燥し、蒸発させて11mgの白色固体を得た。
LC/MS:Rt3.83,[MH+]420.4,422.3
H NMR(dDMSO)(50C)δ:1.66−1.79(4H,m),2.19−2.25(2H,m),2.46−2.54(2H,m),5.09(2H,s),6.75(1H,d),6.78(1H,d),6.93(1H,d),6.99(1H,dd),7.26−7.46(6H,m),7.75(1H,d)
【0098】
中間体
4−(ベンジルオキシ)ベンゾトリフルオライド
アセトン(200ml)中の4−ヒドロキシベンゾトリフルオライド(8.55g、52.78mmol)の溶液を、臭化ベンジル(9.87g、6.86ml、58.05mmol)および炭酸カリウム(10.94g、79.16mmol)で処理した。混合物を撹拌し、窒素雰囲気下で3時間加熱した。冷却した後、ジエチルエーテル(400ml)および水(400ml)を加え、水相をジエチルエーテル(100ml)で再び抽出した。合した有機層を水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、溶媒を減圧下で除去して、標題化合物を白色固体として得た(12.71g、95%)。
H NMR(CDCl)δ:5.11(2H,s),7.03(2H,d,J=9Hz),7.34−7.44(5H,m),7.55(2H,d,J=9Hz)
【0099】
2−ベンジルオキシ−5−(トリフルオロメチル)ヨウドベンゼン
アセトニトリル(300ml)中の4−(ベンジルオキシ)ベンゾトリフルオライド(12.71g、50.4mmol)の溶液を、窒素雰囲気下で撹拌し、1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)(17.75g、50.4mmol)およびヨウ素(6.4g、25.2mmol)を加えた。混合物を室温にて88時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を酢酸エチル(400ml)および水(400ml)間で分配した。有機相を水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、蒸発させて、橙色油を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、5%酢酸エチル:イソヘキサン)により精製して、標題化合物を橙色油として得た(15.07g、79%)。
H NMR(CDCl)δ:5.21(2H,s),6.89(1H,dJ=9Hz),7.32−7.55(6H,m),8.04(1H,d,J=2Hz)
【0100】
1−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキサノール
無水ジエチルエーテル(5ml)中のシクロヘキサノン(490mg、5mmol)の溶液を、氷浴で冷却しながら、無水ジエチルエーテル(10ml)中の、マグネシウム(122mg、5mmol)および2−ベンジルオキシ−5−(トリフルオロメチル)ヨウドベンゼン(1.895g、5mmol)から調製したグリニャール試薬の溶液に加え、混合物を30分間撹拌し、ついで、飽和塩化アンモニウムでクエンチした。有機層を乾燥し(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、残渣を酢酸エチル/イソヘキサン(7:93)で溶出するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を白色固体として得た(1.04g)。
LC/MS:Rt=3.6分
【0101】
2−(1−シクロヘキセン−1−イル)−1−[(フェニルメチル)オキシ]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン
トルエン(15ml)中の1−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキサノール(1g、2.86mmol)および4−トルエンスルホン酸(10mg、0.05mmol)の混合物を撹拌し、1時間還流し、ついで、冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、蒸発させて標題化合物を明褐色油として得た(951mg)。
LC/MS:Rt=3.7分
【0102】
1−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン
2−(1−シクロヘキセン−1−イル)−1−[(フェニルメチル)オキシ]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(950mg、2.86mmol)および3−クロロペル安息香酸(641mg、77%、2.86mmol)の溶液を、室温にて3時間静置し、ついで、飽和重亜硫酸ナトリウムおよび飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、ついで、乾燥し(硫酸マグネシウム)、蒸発させた。残渣を、酢酸エチル/イソヘキサン(5:95)で溶出するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を無色油として得た(890mg)。
LC/MS:Rt=3.85分
【0103】
2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキサノン
THF(200ml)中の1−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(21.7g、62.36mmol)および塩化インジウム(III)(13.78g、62.36mmol)の混合物を撹拌し、窒素雰囲気下60℃で18時間加熱し、ついで、ジエチルエーテルおよび水で希釈した。有機相を乾燥し(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、残渣を冷ヘキサンでトリチュレートし、白色固体を濾過して、標題化合物(9.5g)を得た。LC/MS:Rt=3.5分
【0104】
2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート
乾燥ジメチルホルムアミド(5ml)中の2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキサノン(2.088g、6mmol)の溶液を、ジメチルホルムアミド(12.5ml)中の60%の水素化ナトリウム(460mg、11.5mmol)の撹拌懸濁液に、水浴で冷却しながら滴下し、得られた混合物を室温にて2時間撹拌した。N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(2.49g、6.9mmol)を加え、一晩撹拌し、ついで、注意深くジエチルエーテル/水で希釈し、有機相を水(×3)で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、蒸発させた。残渣を、酢酸エチル/イソヘキサン(1:49)で溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を無色油として得た(1.67g)。LC/MS:Rt=3.9分
【0105】
4,4,5,5−テトラメチル−2−{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−1,3,2−ジオキサボロラン
ジオキサン(20ml)中の2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート(1.65g、3.43mmol)、ビス(ピナコレート)ジボラン(960mg、3.78mmol)、炭酸カリウム(712mg、5.16mmol)、トリフェニルホスフィン(54mg、0.21mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(73mg、0.105mmol)の混合物を撹拌し、窒素雰囲気下80℃で18時間加熱し、ついで、冷却し、ジエチルエーテル/水で希釈した。有機相を乾燥し(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、残渣を、酢酸エチル/イソヘキサン(1:49)で溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を無色油として得た(1.38g)。LC/MS:Rt=4.1分
【0106】
{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}ボロン酸
4,4,5,5−テトラメチル−2−{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−1,3,2−ジオキサボロラン(4.2g、9.16mmol)を、エタノール(40ml)および2Mの水酸化ナトリウム(20ml)の混合物中に溶解し、室温にて30分間静置した。エタノールを蒸発させ、残渣を2Mの塩酸で酸性化し、ジエチルエーテルで抽出し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、蒸発させて標題化合物を無色油として得た(3.4g)。LC/MS:Rt=3.29分
【0107】
エチル6−{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボキシレート
1:1のトルエン/エタノール(30ml)中の{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}ボロン酸(1.504g、4mmol)、エチル6−ブロモピコリナート(1.15g、5mmol)、炭酸カリウム(2.76g、20mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(463mg、0.4mmol)の混合物を撹拌し、窒素雰囲気下90℃で3時間加熱し、ついで、冷却し、水/ジエチルエーテルで希釈し、有機相を乾燥し(硫酸マグネシウム)、蒸発させた。残渣を、酢酸エチル/イソヘキサン(8:92)で溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を白色固体として得た(1.08g)。
LC/MS:Rt=4.02分
【0108】
エチル5−{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−3−ピリジンカルボキシレート
エチル6−ブロモピコリナートの代わりにエチル5−ブロモニコチナートを用いること以外は、エチル6−{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボキシレートと同様の方法により灰白色固体として調製した。LC/MS:Rt=3.63分
【0109】
エチル6−{2−[2−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボキシレート
エチル6−{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボキシレート(1.07g、2.22mmol)を、酢酸(10ml)中の48%臭化水素に加え、室温にて3時間静置し、ついで、ジエチルエーテル/水で希釈し、炭酸カリウムで塩基性化し、酢酸エチル/イソヘキサン(1:4)で溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーに付した。得られた混合物をエタノール(20ml)に溶解し、60%水素化ナトリウム(5mg)を加えた。一晩撹拌した後、溶液を蒸発させ、ジエチルエーテル/水に溶解し、酢酸で酸性化した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、残渣をイソヘキサンでトリチュレートして、標題化合物を白色固体として得た(740mg)。
LC/MS:Rt=3.37分
【0110】
エチル5−{2−[2−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−3−ピリジンカルボキシレート
エチル6−{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボキシレートの代わりにエチル5−{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−3−ピリジンカルボキシレートを用いること以外は、エチル6−{2−[2−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボキシレートと同様の方法により調製した。
LC/MS:Rt=3.57分
【0111】
4−クロロ−2−(1−シクロヘキセン−1−イル)−1−(メチルオキシ)ベンゼン
無水エーテル(20ml)中のシクロヘキサノン(4.9g、50mmol)の溶液を、無水エーテル(100ml)中の4−クロロ−2−ヨウドアニソール(13.43g、50mmol)およびマグネシウム(1.215g、5mmol)から調製したグリニャール試薬の溶液に冷却しながら添加し、1時間撹拌した。飽和塩化アンモニウムを添加した後、有機相を乾燥し(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、イソヘキサンでトリチュレートして、白色固体(10.1g)を得、これをトルエン(100ml)中に溶解し、トルエンスルホン酸一水和物(50mg)を加えた。2時間還流した後、溶液を冷却し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、蒸発させて標題化合物を黄色油として得た(8.7g)。
LC/MS:Rt=4.15分
【0112】
1−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン
2−(1−シクロヘキセン−1−イル)−1−[(フェニルメチル)オキシ]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンの代わりに4−クロロ−2−(1−シクロヘキセン−1−イル)−1−(メチルオキシ)ベンゼンを用いること以外は、1−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタンと同様の方法により調製した。
LC/MS:Rt=3.20分
【0113】
2−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]シクロヘキサノン
1−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタンの代わりに1−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタンを用いて、2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキサノンと同様の方法により調製した。
LC/MS:Rt=3.03分
【0114】
2−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート
2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキサノンの代わりに2−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]シクロヘキサノンを用いて、2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イルトリフルオロメタンスルホネートと同様の方法により調製した。
LC/MS:Rt=4.08分
【0115】
2−{2−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イルトリフルオロメタンスルホネートの代わりに2−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イルトリフルオロメタンスルホネートを用いて、4,4,5,5−テトラメチル−2−{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−1,3,2−ジオキサボロランと同様の方法により調製した。
LC/MS:Rt=4.30分
【0116】
{2−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}ボロン酸
4,4,5,5−テトラメチル−2−{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−1,3,2−ジオキサボロラン2−{2−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−4,4,5,5−テトラメチルの代わりに−1,3,2−ジオキサボロランを用いて、{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}ボロン酸と同様の方法により調製した。
LC/MS:Rt=3.13分
【0117】
エチル6−{2−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボキシレート
{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}ボロン酸の代わりに{2−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}ボロン酸を用いて、エチル6−{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボキシレートと同様の方法により調製した。
LC/MS:Rt=4.05分
【0118】
エチル5−{2−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−3−ピリジンカルボキシレート
{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}ボロン酸の代わりに2−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}ボロン酸を、および6−ブロモピコリン酸エチルエステルの代わりに5−ブロモニコチン酸エチルエステルを用いて、エチル6−{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボキシレートと同様の方法により調製した。
LC/MS:Rt=3.70分
【0119】
エチル3−{2−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボキシレート
{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}ボロン酸の代わりに2−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}ボロン酸を、および6−ブロモピコリン酸エチルエステルの代わりに3−ヨウドニコチン酸メチルエステルを用いて、エチル6−{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボキシレートと同様の方法により調製した。
LC/MS:Rt=3.73分
【0120】
エチル6−[2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボキシレート
エチル6−{2−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボキシレート(900mg、2.42mmol)を、ジクロロメタン(10ml)中の1Mの三臭化ホウ素に溶解し、室温にて1時間静置し、ついで、氷/エーテルに注ぎ、2Mの水酸化ナトリウム溶液で塩基性化し、酢酸で酸性化した。有機相を乾燥し、蒸発させ、トルエンで再び抽出し、エタノール(25ml)および硫酸(2ml)中に溶解し、20時間還流した。得られた溶液を冷却し、蒸発させ、水/エーテル中に溶解し、炭酸カリウムで塩基性化した。有機相を乾燥し、蒸発させ、残渣を、酢酸エチル/イソヘキサン(3:17)で溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、標題化合物を白色固体として得た(705mg)。
LC/MS:Rt=3.44分
【0121】
エチル5−[2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−3−ピリジンカルボキシレート
エチル6−{2−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボキシレートの代わりにエチル5−{2−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−3−ピリジンカルボキシレートを用いて、エチル6−[2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボキシレートと同様の方法により調製した。
LC/MS:Rt=3.38分
【0122】
エチル3−[2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボキシレート
エチル6−{2−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボキシレートの代わりにエチル3−{2−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボキシレートを用いて、エチル6−[2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボキシレートと同様の方法により調製した。
LC/MS:Rt=3.52分
【0123】
エチル4−クロロ−2−ピリジンカルボキシレート1−オキシド
ジクロロメタン(150ml)中のエチル4−クロロ−2−ピリジンカルボキシレート(15.6g、84.1mmol)および77%3−クロロペル安息香酸(100mmol)の溶液を、室温にて2日間撹拌し、ついで、飽和重亜硫酸ナトリウム溶液および飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。水性洗浄液をジクロロメタンで抽出し(×3)、合した有機抽出物を乾燥し(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、残渣イソヘキサンでトリチュレートして、標題化合物を白色固体として得た(13.95g)。
LC/MS:Rt=1.48分
【0124】
エチル4−クロロ−6−(2−ヒドロキシ−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−ピリジンカルボキシレート
ベンゾイルクロライド(9.71g、69.11mmol)を、ジクロロメタン(175ml)中のエチル4−クロロ−2−ピリジンカルボキシレート1−オキシド(13.93g、69.11mmol)の溶液に氷冷しながら加え、30分間撹拌した。1−(4−モルホリノ)シクロヘキセン(13.84g、82.87mmol)を加え、混合物を1時間還流し、冷却し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、有機物を蒸発させた。残渣をエーテル/2Mの塩酸中に溶解し、黄色固体を分離した。ジクロロメタンで希釈した後、炭酸カリウムで塩基性化し、有機相を乾燥し(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、残渣を、酢酸エチル/イソヘキサン(1:9)でシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を黄色固体として得た(7.52g)。LC/MS:Rt=3.97分
【0125】
エチル6−(2−ヒドロキシ−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−ピリジンカルボキシレート
2:1のエタノール/テトラヒドロフラン(300ml)中のエチル4−クロロ−6−(2−ヒドロキシ−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−ピリジンカルボキシレート(7.5g、26.62mmol)の溶液を、10%の炭素担持パラジウム触媒(1g)を用いて24時間水素化し、濾過し、蒸発させ、エーテル/1Mの炭酸ナトリウム溶液中に溶解した。有機相を乾燥し(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、標題化合物を黄色油として得た(6.47g)。
LC/MS:Rt=3.48分
【0126】
エチル6−(2−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−ピリジンカルボキシレート
2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロヘキサノンの代わりにエチル6−(2−ヒドロキシ−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−ピリジンカルボキシレートを用いて、2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イルトリフルオロメタンスルホネートと同様の方法により調製した。
LC/MS:Rt=3.54分
【0127】
エチル6−{2−[5−ブロモ−2−(メチルオキシ)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボキシレート
ジメトキシエタン(60ml)中のエチル6−(2−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−ピリジンカルボキシレート(3.79g、10mmol)、5−ブロモ−2−メトキシフェニルボロン酸(2.54g、11mmol)、炭酸カリウム(5.52g、40mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.158g、1mmol)の混合物を撹拌し、窒素雰囲気下80℃で2日間加熱し、5−ブロモ−2−メトキシフェニルボロン酸(0.51g、0.22mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(150mg、0.13mmol)を6時間後、再び30分後に加えた。得られた混合物を冷却し、水/ジエチルエーテルで希釈し、有機相を乾燥し(硫酸マグネシウム)、蒸発させた。残渣を、酢酸エチル/イソヘキサン(1:9)で溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して標題化合物を黄色ガムとして得た(1.26g)。
LC/MS:Rt=3.91分
【0128】
エチル6−[2−(5−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボキシレート
エチル6−{2−[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボキシレートの代わりにエチル6−{2−[5−ブロモ−2−(メチルオキシ)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボキシレートを用いて、エチル6−[2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボキシレートと同様の方法により調製した。
LC/MS:Rt=3.71分
【0129】
標準的なアルキル化法
アセトン(5ml)中の適当なフェノール(1等量)、適当な臭化ベンジル(1.3等量)および炭酸カリウム(4等量)の混合物を、2時間還流した。得られた混合物を濾過し、蒸発させ、シリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。
【0130】
以下の化合物を標準的なアルキル化法により調製した:
【表2】

【0131】
【表3】

【0132】
【表4】

【0133】
【表5】

【0134】
【表6】

【0135】
標準的な加水分解法
適当なエステルをエタノール(5ml)に溶解し、2Mの水酸化ナトリウム(2ml)を加えた。室温にて2時間後、エタノールを蒸発させ、残渣を酢酸エチル/水中に溶解した。有機相を乾燥(硫酸ナトリウム)し、蒸発させ、残渣をエーテル/ヘキサンでトリチュレートして、ナトリウム塩を固体として得た。
【0136】
以下の化合物を標準的なアルキル化法により調製した:
【表7】

【0137】
【表8】

【0138】
【表9】

【0139】
【表10】

【0140】
【表11】

【0141】
本発明は、上記した特定のおよび好ましいサブグループのすべての組み合わせを範囲内に含むことは理解されるだろう。
【0142】
生物学的活性の測定用アッセイ
以下のアッセイを用いて式(I)で示される化合物を試験し、そのインビトロおよびインビボにおけるプロスタノイドアンタゴニストまたはアゴニスト活性ならびにその選択性を測定することができる。試験されるプロスタグランジン受容体はDP、EP、EP、EP、EP、FP、IPおよびTPである。
【0143】
化合物のEPおよびEP受容体に拮抗作用を及ぼす能力は、機能的カルシウム動員アッセイを用いて測定することができる。簡単に言えば、化合物のアンタゴニスト特性は、天然のアゴニストホルモンであるプロスタグランジンE(PGE)によるEPまたはEP受容体の活性化に応答する細胞内カルシウム([Ca2+)の動員を阻害する能力で評価する。アンタゴニストの濃度の増加は、所定の濃度のPGEを動員することができるカルシウムの量を減少させる。このネット効果(net effect)は、PGE濃度−効果曲線を、より高いPGEの濃度に移動させる。産生されるカルシウムの量は、Fluo−3、AMのようなカルシウム感受性蛍光色素、およびフルオロメトリック・イメージング・プレート・リーダー(FLIPR)などの適当な装置を用いて評価する。受容体の活性化により産生される[Ca2+の量の増加は、該色素により生成される蛍光強度を増大させ、シグナルの増加をもたらす。該シグナルは、FLIPR装置を用いて検出され、得られたデータは適当な曲線適合ソフトウェアを用いて分析することができる。
【0144】
ヒトEPまたはEPカルシウム動員アッセイ(以下、「カルシウムアッセイ」と称する)は、EPまたはEPのいずれかのcDNAを含有する安定したベクターが、予めトランスフェクトされたチャイニーズ・ハムスター卵巣−K1(CHO−K1)を利用する。細胞を、10%のv/vウシ胎児血清、2mMのL−グルタミン、0.25mg/mlのゲネチシンおよび10μg/mlのプロマイシンを補足したDMEM:F−12のような培地を含有する適当なフラスコにおいて細胞を培養する。
【0145】
アッセイに関しては、Verseneのような細胞を取り出す専用の試薬を用いて細胞を収穫する。384−ウェルのプレートに導入するために、細胞を適量の新鮮な培地に再懸濁させる。37℃で24時間インキュベートした後、該培地をFluo−3および洗浄プルロニック酸を含有する培地と置き換え、さらにインキュベーションを行う。ついで、濃度−効果曲線を作成するために、種々の濃度の化合物を該プレートに添加する。化合物のアゴニスト特性を評価するために、この操作をFLIPRで行ってもよい。ついで、化合物のアンタゴニスト特性を評価するために、種々の濃度のPGEを該プレートに添加する。
【0146】
このように得られたデータは、慣用的なコンピュータで処理する曲線適合操作により解析することができる。ついで、PGEにより誘発されるカルシウム動員の最大の阻害の半分を惹起する化合物の濃度(pIC50)を評価することができる。
【0147】
ヒトプロスタノイドEP受容体に関する結合アッセイ
H]−PGE2を用いる競合アッセイ
化合物の抗力を、放射性リガンドアッセイを用いて測定する。このアッセイにおいて、化合物の抗力は、ヒトEP受容体に対する結合に関して、トリチウム化プロスタグランジンE([H]−PGE)と競合する。
【0148】
このアッセイは、EPのcDNAが予めトランスフェクトされたチャイニーズ・ハムスター卵巣−K1(CHO−K1)細胞を利用する。細胞を、10%のv/vウシ胎児血清、2mMのL−グルタミン、0.25mg/mlのゲネチシン、10μg/mlのプロマイシンおよびの10μMのインドメタシンを補足したDMEM:F−12のような培地を含有する適当なフラスコにおいて細胞を培養する。
【0149】
1mMのエチレンジアミンテトラ酢酸ジナトリウム(NaEDTA)および10μMのインドメタシンが含有するカルシウムおよびマグネシウム不含リン酸塩緩衝化セイライン中で5分間インキュベーションすることにより培養フラスコから細胞を分離する。細胞を、250xgで5分間遠心分離に付して単離し、50mMのTris、1mMのNaEDTA、140mMのNaCl、10μMのインドメタシン(pH7.4)のような氷冷緩衝液中に懸濁させる。細胞を、Polytron tissue disrupter(フルセッティングで2×10sバースト)を用いて均質化し、48,000xgで20分間遠心分離に付し、膜フラクションを含有するペレットを、懸濁し、48,000xgで20分間遠心分離に付すことにより3回洗浄する。最終膜ペレットを、10mMの2−[N−モルホリノ]エタンスルホン酸、1mMのNaEDTA、10mMのMgCl(pH6)のようなアッセイ緩衝液中に懸濁させる。アリコートを必要になるまで−80℃で冷凍する。
【0150】
結合アッセイに関して、細胞膜、競合化合物および[H]−PGE(3nMの最終アッセイ濃度)を、最終容量100μlで、30分間30℃でインキュベートする。すべての試薬をアッセイ緩衝液中で調製する。Brandellセル・ハーベスターを用いるGF/Bフィルターで急激に減圧濾過することにより反応を終了させる。フィルターを、氷冷アッセイ緩衝液で洗浄し、乾燥し、フィルター上に残った放射活性を、Packard TopCountシンチレーションカウンターで液体シンチレーション計数により測定する。
【0151】
データを、非線形曲線フィッティング技法(GraphPad Prism 3)を用いて分析し、特定の結合の50%を阻害する化合物の濃度(IC50)を測定する。
【0152】
この方法を用いることにより、実施例の化合物は、EP受容体では6.5〜9.5のアンタゴニストpIC50値およびEP受容体では<6.0のpIC50値を有していた。
【0153】
(本発明の)化合物を上記した投与量範囲で投与する場合、毒物学的作用は示されず/考えられない。
【0154】
本願明細書および特許請求の範囲は、後の出願の優先権の基礎として用いることができる。かかる後の出願の特許請求の範囲は、本明細書に記載のいずれの特徴または特徴の組み合わせに関するものであってもよい。それらは生成物、組成物、方法または使用クレームの形態を取ることができ、特許請求の範囲を限定するものではないが、例示として含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中:
Aは、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよい5もしくは6員のヘテロサイクリル環または置換されていてもよいビシクロヘテロサイクリル基であり;
Bは、フェニルまたはピリジル環であり;
Zは、O、S、SOまたはSOであり;
は、COH、CN、CONR、CHCOH、置換されていてもよいSOアルキル、SONR、NRCONR、COアルキル、2H−テトラゾール−5−イル−メチル、置換されていてもよいビシクロヘテロサイクルまたは置換されていてもよいヘテロサイクルであり;
2aおよびR2bは、独立して、水素、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、CN、SOアルキル、SR、NO、置換されていてもよいアリール、CONRまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり;
は、置換されていてもよいアルキル(ここに、1または2個の非末端炭素原子は、NR、OおよびSO(ここに、nは0、1または2である)から独立して選択される基により置換されていてもよい)、置換されていてもよいアルケニルまたは置換されていてもよいアルキニル:あるいは、Rは、置換されていてもよいCQヘテロサイクリル、置換されていてもよいCQ−ビシクロヘテロサイクリルまたは置換されていてもよいCQ−アリールであり;
は、水素または置換されていてもよいアルキルであり;
は、水素または置換されていてもよいアルキルであり;
は、水素または置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいSOアリール、置換されていてもよいSOアルキル、置換されていてもよいSOヘテロアリール、CN、置換されていてもよいCQアリール、置換されていてもよいCQヘテロアリールまたはCORであり;
は、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールまたは置換されていてもよいアリールであり;
およびRは、各々独立して、水素、クロロ、フルオロ、CF、C1−3アルコキシまたはC1−3アルキルであり;
およびQは、各々独立して、水素およびCHから選択され;
Aが6員環である場合、R置換基およびシクロヘキセン環は、互いに1,2−、1,3−または1,4−位の炭素原子に結合し、Aが5員環またはビシクロヘテロサイクリル基である場合、R置換基およびシクロヘキセン環は、互いに1,2−または1,3−位の置換可能な炭素原子に結合する]
で示される化合物またはその誘導体。
【請求項2】
Aがピリジルである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
がCOHである、請求項1または請求項2記載の化合物。
【請求項4】
6−[2−(5−クロロ−2−{[(4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−クロロ−2−{[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−クロロ−2−{[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−{2−[2−{[(4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボン酸;
6−{2−[2−{[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−(トリフルオロメチル)−2−{[(2,4,5−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−{2−[2−{[(4−クロロ−2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−(トリフルオロメチル)−2−{[(2,4,6−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−{2−[2−{[(2−クロロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボン酸;
6−{2−[2−{[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボン酸;
6−{2−[2−{[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボン酸;
6−{2−[2−{[(4−クロロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボン酸;
6−{2−[2−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボン酸;
6−{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−2−ピリジンカルボン酸;
5−{2−[2−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−3−ピリジンカルボン酸;
5−{2−[2−{[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−3−ピリジンカルボン酸;
5−[2−(5−(トリフルオロメチル)−2−{[(2,4,6−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−3−ピリジンカルボン酸;
5−{2−[2−{[(4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−3−ピリジンカルボン酸;
5−[2−(5−(トリフルオロメチル)−2−{[(2,3,4−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−3−ピリジンカルボン酸;
5−[2−(5−(トリフルオロメチル)−2−{[(2,4,5−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−3−ピリジンカルボン酸;
5−{2−[2−{[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−3−ピリジンカルボン酸;
5−{2−[2−{[(4−クロロ−2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−3−ピリジンカルボン酸;
5−{2−[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−シクロヘキセン−1−イル}−3−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−クロロ−2−{[(2,4,5−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−クロロ−2−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−クロロ−2−{[(2,4,6−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−クロロ−2−{[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−クロロ−2−{[(3,4,5−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−クロロ−2−{[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−クロロ−2−{[(4−クロロ−2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−クロロ−2−{[(4−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
5−(2−{5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1−シクロヘキセン−1−イル)−3−ピリジンカルボキシレート
5−[2−(5−クロロ−2−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−3−ピリジンカルボン酸;
5−[2−(5−クロロ−2−{[(4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−3−ピリジンカルボン酸;
5−[2−(5−クロロ−2−{[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−3−ピリジンカルボン酸;
5−[2−(5−クロロ−2−{[(2,4,5−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−3−ピリジンカルボン酸;
5−[2−(5−クロロ−2−{[(2,3,4−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−3−ピリジンカルボン酸;
5−[2−(5−クロロ−2−{[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−3−ピリジンカルボン酸;
6−(2−{5−ブロモ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−ブロモ−2−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−ブロモ−2−{[(4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−ブロモ−2−{[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−ブロモ−2−{[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−ブロモ−2−{[(2,3,4−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−ブロモ−2−{[(2,4,5−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−ブロモ−2−{[(2,4,6−トリフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
6−[2−(5−ブロモ−2−{[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;および 3−[2−(5−クロロ−2−{[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1−シクロヘキセン−1−イル]−2−ピリジンカルボン酸;
から選択される化合物またはその誘導体。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体を、医薬担体および/または賦形剤と一緒に含む医薬組成物。
【請求項6】
活性治療物質として用いるための請求項1〜4いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体。
【請求項7】
EP受容体でのPGEの作用により介在される症状の治療に用いるための、請求項1〜4いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体。
【請求項8】
EP受容体でのPGEの作用により介在される症状を患っているヒトまたは動物対象の治療方法であって、該対象に有効量の請求項1〜4いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体を投与することを含む方法。
【請求項9】
痛み、炎症、免疫障害、骨障害、神経変性障害または腎障害を患っているヒトまたは動物対象の治療方法であって、該対象に有効量の請求項1〜4いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体を投与することを含む方法。
【請求項10】
炎症性の痛み、神経障害性の痛みまたは内臓痛を患っているヒトまたは動物対象の治療方法であって有効量の請求項1〜4いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体を投与することを含む方法。
【請求項11】
EP受容体でのPGEの作用により介在される症状の治療用の医薬の製造における、請求項1〜4いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用。
【請求項12】
痛み、炎症、免疫障害、骨障害、神経変性障害または腎障害のような症状の治療または予防用の医薬の製造における、請求項1〜4いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用。
【請求項13】
炎症性の痛み、神経障害性の痛みまたは内臓痛のような症状の治療または予防用の医薬の製造における、請求項1〜4いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用。

【公表番号】特表2007−508266(P2007−508266A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530140(P2006−530140)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011365
【国際公開番号】WO2005/037794
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】