説明

シクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共重合体、及びその製造方法、並びその応用

本発明は、下記一般式(Ι)で表されるシクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体及びその製造方法、並びその応用を開示した。当該製造方法は、ジケトン化合物とo−フェニレンジアミンを反応させてキノキサリンヘテロアリール環化合物の二臭化物中間体を得、該中間体を、4,4−ジアルキル−2,6−ビス(トリメチルスズ)−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン化合物及び4,4−ジアルキル−2,6−ジブロモーシクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン化合物とスティレカップリング(Stille coupling)反応をさせて、前記シクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体を得る工程を含む。該重合体は、その溶解性が優れ、キャリア移動度が高く、化学性能及び化学構造の可修飾性が強いため、ポリマー太陽電池などの分野に応用することができる。前記製造方法は簡単で、操作及び制御が容易である。
【化11】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機化合物の合成技術分野に属し、具体的には、シクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共重合体、及びその製造方法、並びその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
安価な材料で低コスト、高効率の太陽電池を製造することは、太陽光発電分野における研究焦点と難点となっていた。現在、地面で用いられるシリコン太陽電池は、生産プロセスが複雑で、且つコストが高いため、その応用も限られている。従って、生産コストを削減し、応用範囲を拡大させるため、人々は長期間にわたって新規太陽電池材料を探し求めていた。ポリマー太陽電池は、原料が安価で、且つ軽量で柔軟性を有すると共に、製造プロセスが簡単で、塗布、印刷などの方式で大面積に製造され得るなどの利点で注目されている。例え、ポリマー太陽電池のエネルギー変換率を市販のシリコン太陽電池のレベルに高める場合、その市場見通しは非常に莫大であると予測される。1992年に共役ポリマーとC60間の光誘起電子移動現象が、N.S.Sariciftciらによって発表された後、人々はポリマー太陽電池分野で多くの研究を行って急速な発展を収めている。現在、ポリマー太陽電池に対する研究は、主に供与体と受容体の混合システムに集中されており、PCPDTBTとPCBMの混合システムによるエネルギー変換率は既に6.5%に達しているものの、無機太陽電池の変換率に比べる場合、やはり非常に低いものである。その性能向上を制限する主な制約要素としては、有機半導体デバイスの低いキャリア移動度、部品のスペクトル応答と太陽放出スペクトルがマッチングしていないこと、高光子束の赤色領域が効率的に利用されていないこと、及び電極によるキャリア収集効率が低いなどが挙げられる。ポリマー太陽電池の実際的応用を達成するために、新規材料の開発と、そのエネルギー変換率を大幅に向上させることは、やはりこの研究分野の最も重要な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、優れた溶解性及びキャリア移動度を有し、且つ強い化学及び構造的可修飾性のあるシクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体を提供することを目的とする。
【0004】
また、プロセスが簡単で、操作及び制御がやすく、工業的生産に適したシクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
さらに、本発明の実施形態によれば、ポリマー太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス(EL)、有機電界効果トランジスタ、有機光記憶素子、有機非線形材料又は/及び有機レーザーデバイス分野におけるシクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体の応用を提供する。
【0006】
本発明のシクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体は、下記一般式(Ι)により表される。
【化1】


式中で、x+y=1、0.5≦x<1、nは100より小さい正の整数であり;RはC〜C20のアルキルであり;R、R、R、Rは互いに異なっていてもよく、水素原子、C1〜C20のアルキル又はアルコキシ、アルキル含有フルオレニル基、アルキル含有ピロリル基、アルキル含有ベンゼン環である。
【0007】
また、本発明のシクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体の製造方法は、
ジケトン化合物とo−フェニレンジアミンを有機酸水溶液中に加入してキノキサリン系ヘテロアリール環の二臭化物を製造する工程と、
前記キノキサリン系ヘテロアリール環の二臭化物を、4,4−ジアルキル−2,6−ビス(トリメチルスズ)−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン化合物及び4,4−ジアルキル−2,6−ジブロモーシクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン化合物とスティレカップリング(Stille coupling)反応をさせて、前記シクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体を製造する工程と、を含む。
【0008】
さらに、本発明は、ポリマー太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス(EL)、有機電界効果トランジスタ、有機光記憶素子、有機非線形材料又は/及び有機レーザーデバイスの分野における前記シクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体の応用も提供する。
【0009】
前記本発明の技術案は以下の利点を持っている。
1、前記重合体はシクロペンタジエンジチオフェン又はその誘導体の構造単位を含み、該構造単位中の二つのチオフェン環が同一の平面上に存在しているため、重合体の共役性能を効果的に延長させ、重合体のエネルギーギャップを低下させることができ、且つこのような共平面構造は、二つ主鎖の間におけるキャリアの移動をより容易にさせ、これによりキャリア移動度を高めた。
2、前記重合体は、キノキサリン単位を含有することで、重合物が高電子伝達特性、高ガラス転移温度、及び優れた電気化学的還元特性を有することになる。且つ、キノキサリン単位は強い電子吸引能力を持っている優れた受容体であるため、本発明の重合体が強い化学及び構造的可修飾性も有することになり、簡単な方法で電子供与性基及び電子受容性基を導入することで、その電子吸引性を調整することができた。
3.前記シクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体は、長いアルキル鎖を導入することによって、材料の溶解性を効果的に高め、加工性能を改善して、ポリマー太陽電池などの分野における応用範囲を拡大した。
4、前記重合体の製造において、温度を制御することによって、限られた反応物が適切な環境下で反応して目的生成物を製造することができるため、その製造方法が簡単で、操作及び制御が容易であり、工業生産に適する。
5、前記共役重合体を活性材料として、ポリマー太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス(EL)、有機電界効果トランジスタ、有機光記憶素子、有機非線形材料又は/及び有機レーザーデバイスの製造分野に用いる場合、高温処理を経た後、材料の分子内における各基及び分子鎖間の配列の秩序性と規則性が効果的に増加されるため、キャリア移動度の伝達速度及び効率が改善されて、部品の光電変換率をより効果的に向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下、図面と実施形態に基づき本発明をさらに詳しく説明する。
【図1】本発明の実施形態のポリ4,4−ジオクチルーシクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリンを活性層として使用したポリマー太陽電池装置構造の概略図である。
【図2】本発明の実施形態のポリ4,4−ジオクチルーシクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリンを採用した有機エレクトロルミネッセンス(EL)構造の概略図である。
【図3】本発明の実施形態のポリ4,4−ジオクチルーシクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリンを採用した有機電界効果トランジスタ構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明が解決しようとする課題、該課題を解決するための手段及び有益な効果をより明瞭にするため、以下、実施形態に基づき本発明をさらに詳細に説明する。ただし、ここに記載されている具体的な実施形態は、本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0012】
本発明の実施形態によれば、下記一般式(Ι)で表されるシクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体を提供する。
【化2】


式中で、x+y=1、0.5≦x<1、nは100より小さい正の整数であり;RはC〜C20のアルキルであり;R、R、R、Rは互いに異なっていても良く、H、C〜C20のアルキル又はアルコキシ、アルキル含有フルオレニル基、アルキル含有ピリル基、アルキル含有ベンゼン環である。
【0013】
前記アルキル含有フルオレニル構造の一般式は、下記(A)により表されることが好ましく、その中で、R、RはC〜C20のアルキルから選択され、該アルキル含有フルオレニルにおいて、ベンゼン環上の未置換位置は任意に置換されることができる。
【化3】


前記アルキル含有ピロリル構造の一般式は、下記(B)により表されることが好ましく、その中で、RはC〜C20のアルキルであり、該アルキル含有ピロリルにおいて、ベンゼン環上の未置換位置は任意に置換されることができる。
【化4】


前記アルキル含有ベンゼン環構造の一般式は、下記(C)により表されることが好ましく、その中で、R10はC〜C20のアルキルであり、該R10はベンゼン環の未置換位置の任意位置にあることができる。
【化5】

【0014】
本発明の実施形態の重合体は、シクロペンタジエンジチオフェン又はその誘導体の構造単位を含み、該構造単位中の二つのチオフェン環が同一平面上に存在しているため、重合体の共役性能を効果的に延長させ、重合体のエネルギーギャップを低下させることができ、且つこのような共平面構造は、二つの主鎖の間におけるキャリアの移動をより容易にさせて、キャリア移動度を増加させることになる。例えば、シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェンとベンゾチアジアゾールの共役重合体(PCPDTBT)において、最適化されていないキャリアの移動度は既に2×10−2cm−1.s−に達しているため、シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェンの構造単位のようなシクロペンタジエンジチオフェン構造単位を含む重合体は、有機太陽電池などの分野で重要な応用見通しを持っている。
【0015】
また、本発明の実施形態における重合体がキノキサリン単位をさらに含有しているため、本発明の重合物は高電子伝達特性、高ガラス転移温度、及び優れた電気化学的還元特性を有することになり、且つ、キノキサリン単位は強い電子吸引能力を持っている優れた受容体単位であるため、本発明の重合体が強い化学及び構造的可修飾性をさらに有することになり、簡単な方法で電子供与性基及び電子受容性基を導入することで、その電子吸引性を調整でき、前記重合体の有機光電材料分野における応用範囲を拡大した。同時に、本発明の好ましい実施形態において、シクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体は、長いアルキル鎖又はアルコキシ鎖を導入することで、例えばR〜RがC1〜C〜C20のアルキル基又はアルコキシ基であることで、材料の溶解性を効果的に高め、加工性能を改善して、ポリマー太陽電池などの分野における応用範囲を拡大した。
【0016】
本発明の実施形態により提供される前記シクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体の製造方法は下記の通りである。
【化6】


具体的に、前記方法は、
工程i:ジケトン化合物とo−フェニレンジアミンを有機溶媒中に加入してキノキサリン系ヘテロアリール環の二臭化物を製造する工程と、
工程ii:前記キノキサリン系ヘテロアリール環の二臭化物を、4,4−ジアルキル−2,6−ビス(トリメチルスズ)ーシクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン化合物及び4,4−ジアルキル−2,6−ジブロモーシクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン化合物とスティレカップリング(Stille coupling)反応をさせて、前記シクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体を製造する工程と、を含む。
【0017】
前記キノキサリン系ヘテロアリール環の二臭化物の製造(即ち、工程i)は、ジケトン化合物とo−フェニレンジアミンを、1:0.1〜10のモル比で有機溶媒中に加入し、20℃〜120℃の温度下で1〜24h反応させる工程である。その中で、該有機溶媒の最小用量は反応の溶解が確保できる用量であり、最小用量を保証する前提の下で、実際の生産に応じて該有機溶媒の用量を適当に調整することができる。該有機溶媒としては、酢酸、メタクレゾール、メタノール、エタノール又はブタノールなどが好ましく、その中で、酢酸が最も好ましい。
【0018】
前記スティレカップリング反応(即ち、工程ii)は、4,4−ジアルキル−2,6−ビス(トリメチルスズ)ーシクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン、4,4−ジアルキル−2,6−ジブロモーシクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン及びキノキサリン系ヘテロアリール環の二臭化物を、1:1〜100:1のモル比で有機反応溶媒中に加入し、50℃〜150℃の温度下で24〜72hのスティレカップリング反応を行う工程である。その中で、該有機溶媒の最小用量は反応の溶解が確保できる用量であり、最小用量を保証する前提の下で、実際の生産に応じて該有機溶媒の用量を適当に調整することができる。該有機反応溶媒としては、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ベンゼン、トルエンから選択された少なくとも1種であることが好ましい。前記スティレカップリング反応の反応時間が短いほど共役重合体の分子量が小さくなり、又は全く重合していない可能性もあるものの、反応時間がある程度長くなった後、共役重合体の分子量はそれ以上増加しなく安定になり、また反応時間が長いほどエネルギー消耗量も高くなり、生産コストが向上されるため、反応時間を24〜72hとすることが好ましい。
【0019】
前記スティレカップリング反応において、さらに触媒を添加して、該カップリング反応の速度及び目的の共役重合体の収率を高めることができる。該触媒は、有機パラジウム触媒、又は有機パラジウム触媒と有機リン配位子の混合物であり、その使用量はモル比で4,4−ジアルキル−2,6−ビス(トリメチルスズ)ーシクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェンの0.05〜50%である。その中で、有機パラジウム触媒は、Pd(dba)/P(o−Tol)、Pd(PPh、Pd(PPhCl中の少なくとも1種であり、有機パラジウム触媒と有機リン配位子の混合物において、有機パラジウム触媒と有機リン配位子のモル比は1:2〜20のである。
【0020】
キノキサリン系ヘテロアリール環の二臭化物の製造及び/又はシクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体の製造工程は、好気的条件又は嫌気的条件の下で行うことができるが、嫌気的条件の下で行うことが好ましい。前記嫌気的条件は、真空又は不活性ガスを充填することにより実現できるが、不活性ガスを充填することによって嫌気的条件を実現することが好ましい。前記不活性ガスは、本技術分野でよく用いられている窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスを用い、好ましくは窒素ガスである。好ましくは嫌気的条件の下で反応を行うことで、二つの反応工程の反応産物の収率をそれぞれ向上させることができる。その理由は、強い活性成分としての酸素が反応物と反応を行って、反応の円滑な進行を妨げ、さらに各反応産物の収率を低下させるからである。
【0021】
本発明の実施形態における重合体の製造方法において、温度を制御することによって、限られた反応物が適切な環境の下で反応して目的生成物を製造することができるため、その製造方法が簡単で、操作及び制御が容易で、工業的生産に適する。
【0022】
本発明の実施形態における共役重合体は、高温処理を経た後、材料中分子内の各基及び分子鎖間の配列の秩序性と規則性を効果的に高めることができ、キャリア移動度の伝達速度及び効率が改善されて、部品の光電変換率を効果的に向上することができる。
【0023】
従って、本発明の実施形態に係るシクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体を活性材料として、有機光電材料、ポリマー太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス(EL)、有機電界効果トランジスタ、有機光記憶素子、有機非線形材料又は/及び有機レーザーデバイス分野での応用に用いられることができる。
【0024】
以下、具体的な重合体の製造を例にして、本発明をさらに詳細に説明する。
【0025】
実施例1
ポリ4,4−ジオクチルーシクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリンの製造
窒素ガス雰囲気の下で、3,6‐ジブロモ‐o‐フェニレンジアミン3.7mmol(1.0g)及びジフェニルグリオキザール化合物1.84mmol(0.39g)を酢酸溶液20mLに加えた。そして、120℃の温度の下で1時間の還流を行った後、反応液を水に加入し、まず、炭酸水素ナトリウムで溶液を中性になるまで中和し、さらにクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムによる乾燥を行ってから、回転蒸発によって溶媒を除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して白色固体を得た後、クロロホルム/n−へキサンを用いて前記白色固体に対し再結晶を行うことにより白色固体産物、即ち5,8‐ジブロモ−2,3−ビス(フェニル)キノキサリン化合物を得た。ここで、収率は81%であり、MS(EI)m/z:440(M)であった。
窒素ガス雰囲気の下で、5,8‐ジブロモ−2,3−ビス(フェニル)キノキサリン化合物0.5mmol(0.22g)、4,4−ジオクチル−2,6−ビス(トリメチルスズ)−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン0.5mmol(0.356g)及び4,4−ジアルキル−2,6−ジブロモ−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン0.5mmolを、トルエン溶液30mLに加入し、バブリング処理を0.5h施して反応環境中に残留した酸素を除去した後、0.015mol(0.014g)のPd(dba)及び0.027mmol(0.0083g)のP(o−Tol)を添加し、1hのバブリング処理を継続して反応環境中に残留した酸素を除去し、その後、50℃まで加熱して72時間の還流を行った。反応が終わった後、まず混合液滴をメタノールに加えて沈降させた後、吸引ろ過、メタノールによる洗浄、乾燥を行い、さらにクロロベンゼンで溶解してジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム水溶液に添加し、次に、混合液を80℃まで加熱し、12時間の攪拌を行った後、有機相に対して、アルミナのカラムクロマトグラフィー、クロロベンゼンによる溶離、減圧による有機溶媒の除去、メタノールによる沈降、吸引ろ過処理を行うことにより固体を得た。該得られた固体に対して、アセトンで72時間のソックスレー抽出を行った後、メタノールによる沈降、吸引ろ過を行い、真空ポンプで一晩の真空引きを行うことで固体産物を得た。ここで、収率は53%であり、GPC:Mn=39500、PDI=2.3であった。
【0026】
実施例2
ポリ4,4−ジオクチル−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリンの製造
窒素ガス雰囲気の下で、3,6‐ジブロモ‐o‐フェニレンジアミン0.184mmol(0.050g)及びジフェニルグリオキザール化合物1.84mmol(0.39g)を、メタクレゾールとメタノールが1:1の体積比で混合された有機溶媒20mLに加えた。そして、80℃の温度下で12時間の還流を行った後、反応液を水に加入し、まず、炭酸水素ナトリウムで溶液を中性になるまで中和し、さらにクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムによる乾燥を行ってから、回転蒸発によって溶媒を除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して白色固体を得た後、クロロホルム/n−へキサンを用いて前記白色固体に対し再結晶を行うことにより白色固体産物、即ち、5,8‐ジブロモ−2,3−ビス(フェニル)キノキサリン化合物を得た。ここで、収率は93%であり、MS(EI)m/z:480(M)であった。
5,8‐ジブロモ−2,3−ビス(フェニル)キノキサリン化合物0.5mmol(0.22g)、4,4−ジオクチル−2,6−ビス(トリメチルスズ)−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン0.5mmol(0.356g)及び4,4−ジアルキル−2,6−ジブロモ−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン50mmolを、エチレングリコールジメチルエーテルとテトラヒドロフランが1:1の体積比で混合された有機反応溶媒50mLに加入し、バブリング処理を0.8h施して反応環境中に残留した酸素を除去した後、0.025mmolのPd(PPhを添加し、1hのバブリング処理を継続して反応環境中に残留した酸素を除去し、その後、150℃まで加熱して24時間の還流を行った。反応が終わった後、まず混合液滴をメタノールに加えて沈降させた後、吸引ろ過、メタノールによる洗浄、乾燥を行い、さらにクロロベンゼンで溶解してジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム水溶液に添加し、次に、混合液を80℃まで加熱し、12時間の攪拌を行った後、有機相に対して、アルミナのカラムクロマトグラフィー、クロロベンゼンによる溶離、減圧による有機溶媒の除去、メタノールによる沈降、吸引ろ過処理を行うことにより固体を得た。該得られた固体に対して、アセトンで72時間のソックスレー抽出を行った後、メタノールによる沈降、吸引ろ過を行い、真空ポンプで一晩の真空引きを行うことで固体産物を得た。ここで、収率は41%であり、GPC:Mn=39300、PDI=2.2であった。
【0027】
実施例3
ポリ4,4−ジオクチル−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリンの製造
3,6‐ジブロモ‐o‐フェニレンジアミン18.4mmol(4.973g)及びジフェニルグリオキザール化合物1.84mmol(0.39g)をブタノール溶媒20mLに加えた。そして、20℃の温度下で24時間の還流を行った後、反応液を水に加入し、まず、炭酸水素ナトリウムで溶液を中性になるまで中和し、さらにクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムによる乾燥を行ってから、回転蒸発によって溶媒を除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して白色固体を得た後、クロロホルム/n−へキサンを用いて前記白色固体に対し再結晶を行うことにより白色固体産物、即ち、5,8‐ジブロモ−2,3−ビス(フェニル)キノキサリン化合物を得た。ここで、収率は74%であり、MS(EI)m/z:410(M)であった。
窒素ガス雰囲気の下で、5,8‐ジブロモ−2,3−ビス(フェニル)キノキサリン化合物0.5mmol(0.22g)、4,4−ジオクチル−2,6−ビス(トリメチルスズ)−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン0.5mmol(0.356g)及び4,4−ジアルキル−2,6−ジブロモ−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン25mmolを、テトラヒドロフラン水溶液40mL中に加入し、バブリング処理を0.8h施して反応環境中に残留した酸素を除去した後、12.5mmolのPd(PPhCIを添加し、1hのバブリング処理を継続して反応環境中に残留した酸素を除去し、その後、100℃まで加熱して36時間の還流を行った。反応が終わった後、まず混合液滴をメタノールに加えて沈降させた後、吸引ろ過、メタノールによる洗浄、乾燥を行い、さらにクロロベンゼンで溶解してジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム水溶液に添加し、次に、混合液を80℃まで加熱し、12時間の攪拌を行った後、有機相に対して、アルミナのカラムクロマトグラフィー、クロロベンゼンによる溶離、減圧による有機溶媒の除去、メタノールによる沈降、吸引ろ過処理を行うことにより固体を得た。該得られた固体に対して、アセトンで72時間のソックスレー抽出を行った後、メタノールによる沈降、吸引ろ過を行い、真空ポンプで一晩の真空引きを行うことで固体産物を得た。ここで、収率は49%であり、GPC:Mn=39470、PDI=2.3であった。
【0028】
応用実施例4
ポリ4,4−ジオクチル−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリンを活性層とする太陽電池装置における応用
図1は太陽電池装置の構造を表す。
活性層材料は、電子供与体材料としての本発明のポリ4,4−ジオクチル−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリン重合体及び電子受容体材料としての[6,6]フェニル−C61−酪酸メチルエステル(PCBMと略称)を含む。即ち、前記太陽電池装置の構造は、順次にガラス層11、ITO層12、PEDOT:PSS層13、共重合体活性層14及び金属層15を有し、その中で、ITOはシート抵抗値が10〜20Ω/口の酸化インジウムスズであり、PEDOTはポリエチレンジオキシチオフェンであり、PSSはポリスチレンスルホン酸である。また、ITO層12が塗布されたガラス11を、まず超音波洗浄を行った後、酸素プラズマ処理を行い、次に、ITO層の上にPEDOT:PSS層13を塗布した後、本発明のポリ4,4−ジオクチル−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリン及びPCBMを溶解して得た混合物をPEDOT:PSS層表面に塗布することによって、共重合体活性層14を形成し、最後に真空蒸着技術を利用して活性層上に金属Alを蒸着して金属層15を形成し、該金属層15を陰極とし、ITO層12を陽極として、本実施例の重合体を含む有機太陽電池装置得た。該有機太陽電池装置は熱処理を経た後、その材料の化学構造がより規則になり、キャリアの伝達速度及び効率を向上させたため、太陽電池装置の光電変換率を向上させた。
【0029】
応用実施例5
ポリ4,4−ジオクチル−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリンを活性層とする太陽電池装置における応用
図面1を参照する。前記実施例のポリ4,4−ジオクチル−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリンを採用した太陽電池装置において、該太陽電池装置は、順次に積層されたガラス層11、透明陽極12、中間補助層13、活性層14及び陰極15を有する。前記中間補助層13は、ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルホン酸複合材料(PEDOT:PSSと略称する)を採用し、活性層14は電子供与体材料及び電子受容体材料を含み、前記電子供与体材料は前記ポリ4,4−ジオクチル−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリンを採用し、前記電子受容体材料は[6,6]フェニル−C61−酪酸メチルエステル(PCBMと略称する)を採用する。前記透明陽極12は、酸化インジウムスズ(ITOと略称する)を採用することができ、好ましくは、シート抵抗値が10〜20Ω/口の酸化インジウムスズである。陰極15は、例えば、Ca/Al又はBa/Alなどのアルミニウム電極又はバイメタル電極を採用できる。その中で、ガラス層11を底層とすることができ、製造する際に、ITOガラスを選択して超音波洗浄を行った後、酸素プラズマ処理を行い、そしてITOガラスの上に中間補助層13を塗布し、さらにポリ4,4−ジオクチル−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリン及び電子受容体材料を混合した後、中間補助層13上に塗布して活性層14を形成し、その後、真空蒸着技術を利用して活性層14の上に陰極15を堆積させて、前記太陽電池装置を得た。一つの好ましい実施例において、透明陽極12、中間補助層13、活性層14、バイメタル層であるCa層及びAl層の厚さは、それぞれ160nm、40nm、150nm、20nm、70nmである。
【0030】
図1に示すように、光照射下で、活性層14中のポリ4,4−ジオクチル−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリンは、ガラス基層11及びITO電極12を透過した光エネルギーを吸収し、且つ励起子を生成し、さらに、これらの励起子は、電子供与体/電子受容体材料の界面に移動し、電子をPCBMのような電子受容体材料に移動させて電荷の分離を実現し、これにより自由キャリア、即ち自由電子と自由正孔を形成する。これらの自由電子は、電子受容体材料に沿って金属陰極に伝達されて陰極に収集され、また、自由正孔は電子供与体材料に沿ってITO陽極に伝達されて陽極に収集され、これにより光電流と光電圧が形成され、光電変換を実現する。外部に負荷16を接続した場合、それに電力供給を行うことができる。この過程において、ポリ4,4−ジオクチル−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリンが幅広いスペクトル応答範囲を有することで、光エネルギーをより十分に利用できるため、より高い光電変換率を得ることができ、太陽電池装置の電力生産能力を増加することになる。しかも、このような有機材料は、太陽電池装置をさらに軽量にさせることができ、且つスピンコートなどの技術を利用することで製造できるため、量産化製造に適する。
【0031】
応用実施例6
ポリ4,4−ジオクチル−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリンの有機エレクトロルミネッセンス(EL)における応用
図2は、前記実施例のポリ4,4−ジオクチル−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリンを採用した有機エレクトロルミネッセンス(EL)を表し、該有機エレクトロルミネッセンス(EL)は、順次に積層されたガラス層21、透明陽極22、発光層23、バッファー層24及び陰極25を有する。その中で、透明陽極22は、酸化インジウムスズ(ITOと略称する)を採用することができ、好ましくはシート抵抗値が10〜20Ω/口の酸化インジウムスズである。発光層23は、前記実施例のポリ4,4−ジオクチル−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリンを含む。バッファー層24は、LiFなどを採用することができるが、これらに限定されるものではない。陰極25は、金属Al又はBaなどであってもよいが、これらに限定されるものではない。従って、一つの具体的な実施例において、有機エレクトロルミネッセンス(EL)の構造は、ITO/ポリ4,4−ジオクチル−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリン/LiF/Alで示される。従来の方法で各層を形成することができるが、ポリ4,4−ジオクチル−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリンは、スピンコート技術によってITOの上に形成されることができる。
【0032】
応用実施例7
ポリ4,4−ジオクチル−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリンの有機電界効果トランジスタにおける応用
図3は、前記実施例のポリ4,4−ジオクチル−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリンを採用した有機電界効果トランジスタを表し、該有機電界効果トランジスタは、順次に積層された基板31、絶縁層32、修飾層33、有機半導体層34及び有機半導体層34に設けられたソース電極35とドレイン電極36を有する。その中で、基板31は、高濃度にドープされたシリコンウエハー(Si)を採用することができるが、これに限定らされるものではない。絶縁層32は、マイクロナノ厚さ(例えば450nm)のSiOであってもよいが、これに限定されるものではない。有機半導体層34は、前記のポリ4,4−ジオクチル−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリンを採用する。ソース電極35とドレイン電極36は、すべて金属を採用することができるが、これに限定されるものでもない。修飾層33は、オクタデシルトリクロロシランであってもよいが、これに限定されるものではない。基板31、絶縁層32、修飾層33及びソース電極35とドレイン電極36は、いずれも従来の方法により形成されることができる。有機半導体層34は、前記実施例のポリ4,4−ジオクチル−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン−2,3−ビス(フェニル)キノキサリンを、修飾層33によって修飾された絶縁層32の上にスピンコートすることによって形成されたものでもよい。
【0033】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、これらは本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び主旨を逸脱しない範囲での種々の変更、等価差し替え及び改良はすべて本発明の保護範囲に含まれるものと解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(Ι)で表されるシクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体、
【化7】


式中で、x+y=1、0.5≦x<1、nは100より小さい正の整数であり;RはC〜C20のアルキルであり;R、R、R、Rは、互いに異なっていてもよく、H、C〜C20のアルキル又はアルコキシ、アルキル含有フルオレニル、アルキル含有ピロリル、アルキル含有ベンゼン環から選択される。

【請求項2】
前記アルキル含有フルオレニル構造の一般式が下記(A)により表され、式中、R、RはC〜C20のアルキルから選択され、
【化8】


前記アルキル含有ピロリル構造の一般式が下記(B)により表され、式中、RはC〜C20のアルキルから選択され、
【化9】


前記アルキル含有ベンゼン環構造の一般式が下記(C)により表され、式中、R10はC〜C20のアルキルから選択されることを特徴とする、請求項1に記載のシクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体。
【化10】

【請求項3】
ジケトン化合物とo−フェニレンジアミンを有機溶媒中に加入し、反応させてキノキサリン系ヘテロアリール環の二臭化物を製造する工程と、
前記キノキサリン系ヘテロアリール環の二臭化物を、4,4−ジアルキル−2,6−ビス(トリメチルスズ)−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン化合物及び4,4−ジアルキル−2,6−ジブロモーシクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン化合物とスティレカップリング反応をさせて、前記シクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体を製造する工程と、を含むシクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体の製造方法。
【請求項4】
前記キノキサリン系ヘテロアリール環の二臭化物の製造工程及び/又はスティレカップリング反応による製造工程は、嫌気的条件の下で行われることを特徴とする、請求項3に記載のシクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体の製造方法。
【請求項5】
前記キノキサリン系ヘテロアリール環の二臭化物の製造工程は、ジケトン化合物とo−フェニレンジアミンを、1:0.1〜10のモル比で有機溶媒中に加えた後、20℃〜120℃の温度下で1〜24h反応する工程であり、
前記有機溶媒は、酢酸、メタクレゾール、メタノール、エタノール又はブタノール中の少なくとも一種であることを特徴とする、請求項3に記載のシクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体の製造方法。
【請求項6】
前記スティレカップリング反応は、4,4−ジアルキル−2,6−ビス(トリメチルスズ)−シクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン、4,4−ジアルキル−2,6−ジブロモーシクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェン及びキノキサリン系ヘテロアリール環の二臭化物を、1:1〜100:1のモル比で有機反応溶媒中に加えた後、50℃〜150℃の温度下で24〜72hの反応を行うことであり、
前記有機反応溶液は、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ベンゼン、トルエンから選択された少なくとも1種であることを特徴とする、請求項3に記載のシクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体の製造方法。
【請求項7】
前記スティレカップリング反応中に、さらに触媒が添加され、
前記触媒は、有機パラジウム触媒、又は有機パラジウム触媒と有機リン配位子の混合物であり、
前記触媒の添加量は、モル比で4,4−ジアルキル−2,6−ビス(トリメチルスズ)ーシクロペンタジエン(2,1−b:3,4−b’)ジチオフェンの0.05〜50%であることを特徴とする、請求項3に記載のシクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体の製造方法。
【請求項8】
前記有機パラジウム触媒は、Pd(dba)/P(o−Tol)、Pd(PPh又はPd(PPhClであることを特徴とする、請求項7に記載のシクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体の製造方法。
【請求項9】
前記有機パラジウム触媒と有機リン配位子の混合比は、モル比で1:2〜20であることを特徴とする、請求項8に記載のシクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体の製造方法。
【請求項10】
有機光電材料、ポリマー太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス(EL)、有機電界効果トランジスタ、有機光記憶素子、有機非線形材料又は/及び有機レーザーデバイスにおける請求項1に記載のシクロペンタジエンジチオフェン−キノキサリン共役重合体の応用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−521347(P2013−521347A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555277(P2012−555277)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【国際出願番号】PCT/CN2010/071053
【国際公開番号】WO2011/113194
【国際公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(511210109)海洋王照明科技股▲ふん▼有限公司 (21)
【Fターム(参考)】