説明

シザースギヤ

【課題】本発明は、外側に配置したばね部材で相手ギヤの挟み込みに必要な付勢力をメインギヤ、サブギヤに与える構造を採用して、ばね部材のばね強度の自由度の向上、さらにはばね部材の潤滑性を向上させたシザースギヤを提供する。
【解決手段】本発明のシザースギヤは、サブギヤ20のメインギヤ10とは反対側の側部に、相手ギヤ6の挟み込む付勢力を出力するばね部材25を配置した構成とした。これにより、シザースギヤは、ばね部材の大きさの自由度を増し、ばね部材のばね強度の自由度を高められる。しかも、外部から潤滑油の供給が受けやすくなるから、ばね部材の潤滑性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックラッシュを解消しながら相手ギヤと噛み合わせるシザースギヤに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のエンジンやトランスミッションなど、ギヤの噛合いで回転トルクを伝えたりする伝達系では、片側のギヤにシザースギヤを採用して、ギヤの歯部間に生ずるバックラッシュを解消しながら回転トルクを伝えることが行なわれつつある。
こうした伝達系で用いられるシザースギヤは、外周部に歯部を有し、軸心部にボス部を有するメインギヤと、ボス部に外周面に挿入されてメインギヤの側部に並行に配置(同軸)されるサブギヤ(メインギヤと同一の歯数の歯部をもつ)と、メインギヤとサブギヤとを相手ギヤに対して挟み付けるばね部材とを有した構造が用いられ、相手ギヤの歯部をメインギヤの歯部とサブギヤの歯部との双方で挟む込むことにより、バックラッシュをなくしたまま、相手ギヤとの間で噛合いが行われるようにしている。
【0003】
シザースギヤでは、一般的にメインギヤとサブギヤとの間にばね部材を収める構造が用いられている。多くは、特許文献1に開示されているようにメインギヤの側部に、ボス部にならって環状のばね室を形成し、このばね室にばね部材、例えばU字状のばね部材を収容し、同ばね部材の一方の端部をサブギヤの側部に係合し、他方の端部をメインギヤの側部に係合して、メインギヤとサブギヤに、相手ギヤの歯部を挟み込むための付勢力を与える構造が用いられている。
【特許文献1】特開2006−77826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、メインギヤとサブギヤとの間にばね部材を設ける構造は、メインギヤやサブギヤの歯部の内側にばね部材を収める都合上、ばね部材の大きさが、かなりの制約を受ける。このため、ばね部材を大きくするのは難しく、相手ギヤに適したばね強度が確保しにくい。
この点を説明すると、相手ギヤに適したばね定数を確保するのには、ばね部材のばね強度の自由度が求められる。ばね強度は、ばね部材の外形を大きくする方が設定しやすい。しかし、メインギヤとサブギヤ間にばね部材を収めるのでは、大きさの制約を受けるため、自由度が低い。このため、エンジンやトランスミッションのような大きなトルク変動を発生しやすい適用箇所に有効なシザースギヤを確保するのが難しい。
【0005】
そのうえ、シザースギヤのばね部材は、メインギヤやサブギヤに付勢力を付与するために磨耗しやすく、これを防ぐために潤滑油による潤滑が求められるが、ばね部材をメインギヤとサブギヤ間に収める構造だと、外部からの潤滑は期待しにくく、潤滑性の点でも難点がある。
そこで、本発明の目的は、外側に配置したばね部材で相手ギヤの挟み込みに必要な付勢力をメインギヤ、サブギヤに与える構造を採用して、ばね部材のばね強度の自由度の向上、さらにはばね部材の潤滑性を向上させたシザースギヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、並行に配置されたサブギヤ、メインギヤのうち、サブギヤのメインギヤとは反対側の側部に、相手ギヤの挟み込む付勢力を出力するばね部材を配置したシザースギヤを採用した。
サブギヤの外側に配置したばね部材から、相手ギヤの挟み込みに必要な付勢力を与える構造は、ばね部材をメインギヤとサブギヤ間に収める構造に比べ、ばね部材の大きさを制約する障害は大幅に少なく、ばね部材の大きさの自由度が増す。このため、ばね部材のばね強度の自由度が高められる。そのうえ、ばね部材が外側に有ることで、外部から潤滑油の供給が受けやすくなり、接触によるフリクションも低下し、安定した付勢力が得られる。
請求項2に記載の発明は、ばね部材の一対の端部のうちの一方の端部をサブギヤに係合させ、他方の端部をメインギヤに係合させた係合部で、ばね部材の付勢力をメインギヤとサブギヤとに伝え、同サブギヤとメインギヤが該ギヤ軸方向に離間しないように規制する固定部を設ける構成とした。
【0007】
請求項3に記載の発明は、各部が簡単な構造ですむよう、ばね部材には、ボス部の周りに配置されたU字状のばね部材を用い、固定部には、メインギヤのボス部の外周面に沿って形成した、U字状のばね部材のボス部の周りのばね部分を嵌める環状の溝部を用いた。
請求項4に記載の発明は、ばね強度を高めたU字状のばね部材を環状の溝部に組み付けやすくするよう、環状の溝部の底面に、U字状のばね部材が差し込める切欠き部を形成することとした。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、サブギヤの外側に配置したばね部材から、相手ギヤの挟み込みに必要な付勢力を与える構造なので、ばね部材をメインギヤとサブギヤ間に収める構造に比べ、ばね部材の大きさを制約する障害は大幅に少なく、ばね部材の大きさの設定の自由度が増す。このため、ばね部材のばね強度の自由度を高めることができ、相手ギヤに適したばね定数をもつシザースギヤを容易に得ることができる。
【0009】
しかも、外部から潤滑油の供給が受けやすくなり、ばね部材の潤滑性を向上させることができ、接触によるフリクションが低下し、安定した付勢力により安定したシザース効果が得られる。
請求項2の発明によれば、サブギヤとメインギヤがギヤ軸方向に離間せず、シザースギヤと相手ギヤとの噛み合い歯幅が安定的に得られるので、ギヤ摩耗が発生しない。また、シザースギヤの効果も安定的に得られる。
【0010】
請求項3の発明によれば、シザースギヤの各部の構造が簡単となり、より簡素化したシザースギヤを提供できる。特にU字状のばね部材をボス部の溝部で固定する構造は、ばね部材がサブギヤをメインギヤに押さえ付ける部材を兼ねるから、別途、押さえ用のばね部材は不要となる。すなわち、ばね部材をメインギヤとサブギヤ間に収める構造は、ばね部材が変形すると、ばね部材自身のよれ変形が、サブギヤをメインギヤから離反させる挙動を生じさせるため、これを抑えるための措置として押さえ用のばね部材を設ける必要があるが、U字状のばね部材を溝部でサブギヤの外側に固定すると、生じるばね部材のよれ変形がサブギヤをメインギヤに押え付ける機能を果たすから、押さえ用のばね部材は不要となる。これにより、部品点数の削減化が図れ、シザースギヤを簡素化できる。そのうえ、ばね部材が外側に有ることで、ばね部材の固定も、別途、部品を用いずに行なえるので、一層、部品点数の削減化が図れ、一層、シザースギヤが簡素化できる。
【0011】
請求項4の発明によれば、相手ギヤとの設定により、高いばね強度のU字状のばね部材が採用されることになった場合、容易に同ばね部材を環状の溝部に組み付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を図1〜図8に示す一実施形態にもとづいて説明する。
図1は、例えばレシプロエンジンのカムシャフト端部の周辺の構造が示されていて、同図中1はシリンダヘッド、2は同シリンダヘッド1の上部に回転自在に配設されたカムシャフト、3はシリンダヘッド1の上部を覆うように設けたカバーである。
カムシャフト2の端部には、本発明の要部となるシザースギヤ5が組み付けられている。このシザースギヤ5は、相手ギヤとなるドリブンギヤ6との噛合っていて、図示しないクランクシャフトからの軸出力がカムシャフト2へ伝達される。
【0013】
図2および図3にはこのカムシャフト5の駆動力伝達経路に組み込まれたシザースギヤ5の断面が示されている。また図4(a)にはこのシザースギヤ5の単品の外観が詳細図と共に示され、図5には同シザースギヤ5を分解した図が示されている。
これら図2〜図5を参照してシザースギヤ5の構造を説明すると、同図中10はメインギヤ、20はサブギヤである。メインギヤ10は、図5に示されるように例えば円板状の本体部11の外周部に多数の歯部12が形成され、本体部11の片側の軸心部に短円柱状のボス部13が形成された構造となっている。この本体部11から突き出たボス部13端とカムシャフト2の端部とがボルト部材16で締結される(図2)。この締結のため、ボス部12の端部には、カムシャフト端が嵌る凹部14が形成され、ボス部13の中心部には、ボルト部材16が挿通する孔部15が形成してある。
【0014】
サブギヤ20は、図1、図2および図4(a)に示されるようにメインギヤ10の側部に同軸で並行に配置される部品である。すなわち、サブギヤ20は、図3に示されるように外周部にメインギヤ10と同一の歯数の歯部21が形成され、軸心部にボス部13と挿脱可能な孔部22が形成された環状のギヤ部品から構成される。このサブギヤ20は、軸心部(孔部22)をメインギヤ10のボス部13の外周面に回動自在に挿入させることによって、メインギヤ10の本体部11の側部に並行に配置させてある。
【0015】
また図1、図2および図4に示されるようにサブギヤ20のメインギヤ10と反対側の側部となる外側部には、ばね部材25が設けられている。このばね部材25は、相手ギヤの歯部、ここではドリブンギヤ6(相手ギヤ)の歯部6aの挟み込みを行なう付勢力を発生する部品である。同ばね部材25には、ボス部13の周りに組み付く、例えばスナップリングのようなU字状の外形をもつばね部材が用いられている。同ばね部材25は、ボス部12の周りに沿って配置された円弧部27と、円弧部27の両側からサブギヤ20の外周側へ延びる一対の端部28とを有した部材で構成される。またばね部材25の各端部28には一対の係合凹部29が形成してある。
【0016】
ばね部材25の各端部28は、メインギヤ10とサブギヤ20にそれぞれ係合されている。この係合構造(本願の係合部に相当)には、例えばばね部材25の一方の端部に有る係合凹部29を、サブギヤ20の外側部の所定位置から突き出たピン部材31aに係合させ、他方の端部に有る係合凹部29を、例えばサブギヤ20と隣接するメインギヤ10の側部の所定位置から、サブギヤ20に形成された可動範囲規制用の貫通部、例えば通孔32を貫通して突き出たピン部材31bに係合させる構造が用いられる。むろん、貫通部は、通孔32でなく、切欠き部でも構わない。なお、ピン部材31a,31bは、圧入により各ギヤ10,20に取付けてある。この係合構造より、各端部28から、ばね部材25で発生する付勢力、すなわち相手ギヤを挟み込む付勢力をメインギヤ10、サブギヤ20へ出力させる。
【0017】
また通孔32は、各端部28を、若干、広げた状態で組み付ける大きさに定められていて、与えられる予ばね荷重で、図4(b)に示されるようにメインギヤ10とサブギヤ20の歯すじを所定の位置に位置決めている。このばね部材25で付勢されたメインギヤ10とサブギヤ20とで、相手ギヤであるドリブンギヤ6の歯部6aを挟み込ませる。具体的には、メインギヤ10の歯すじとサブギヤ20の歯すじを、ばね部材25が広がる方向へずらし(変位)、ばね部材25を広がる方向へ変形させて、ドリブンギヤ6の歯部6aを、メインギヤ10の歯部12とサブギヤ20の歯部21との双方で挟み込ませている。これにより、図3に示されるようにシザースギヤ6は、バックラッシュを解消したままドリブンギヤ6と噛合う。なお、通孔32は、少なくとも相手ギヤに対するメインギヤ10とサブギヤ20との組み込みを許す大きさをもつ。
【0018】
メインギヤ10、サブギヤ20に付勢力を与えるばね部材25は、図1、図2および図4(a)に示されるように固定部35で脱落しないようにメインギヤ10に固定されている。固定部35には、例えば図5および図6に示されるようにボス部13の外周面に環状の溝部36を形成した構造が用いられ、溝部36内にボス部13の周りに配置されているばね部材25のばね部分、具体的には円弧部27の内周部を嵌め込み係合させることによって、ばね部材25を脱落しないように固定させている。
【0019】
ここで、ばね部材25は、広げられると、円弧部27ではよれる方向の変形を伴うので、この円弧部27で生ずるよれ変形がサブギヤ20をメインギヤ10に押さえ付ける役割りを果たす。すなわち、ばね部材25を固定するだけで、付勢力の発生に伴うばね部材25の変形でサブギヤ20がメインギヤ10へ押圧され、サブギヤ20とメインギヤ10との密接状態が保たれる。つまり、サブギヤ20がメインギヤ10から離間しないように規制している。これで、メインギヤ10からサブギヤ20が離反する挙動を抑えている。
【0020】
また環状の溝部36の底面には、例えば図6および図7に示されるように環状の底面の両側に一対の切欠き部37が形成されている。切欠き部37は、平行な面で切り欠かれている。この切欠き部37間は、ばね部材25の端部間の距離に対応して形成されていて、ばね部材25が開口側から溝部36内へ嵌めやすくしている。特に切欠き部37は、ピン部材31a,31bの有る地点とは位相した地点に形成されていて、これで、ばね部材25をメインギヤ10から脱落しないよう組み付けている。すなわち、ばね部材25を組み付けるときは(ピン部材31aだけ圧入により組付け、ピン部材31bは未だ圧入前)、図6および図7に示されるようにばね部材25を、切欠き部37を通して、溝部36内に差込み、その後、ばね部材25を溝部36内で回動させて、片側の係合凹部29をサブギヤ20のピン部材31aに係合させ、残りの係合凹部29をサブギヤ20の通孔32に合わせてから、ピン部材31bを係合凹部29、通孔32を通じて、サブギヤ20へ圧入することにより、図8に示されるようにばね部材25は溝部36から脱落するおそれがないように組み付く(予ばね荷重の有る状態)。
【0021】
このように構成されたシザースギヤ5は、図1〜図3に示されるように外側部に組み付けたばね部材25から与えられる付勢力で、メインギヤ10の歯部12およびサブギヤ20の歯部21をドリブンギヤ6の歯部6aの両側から挟み込みながら、ドリブンギヤ20から伝わる回転トルクをカムシャフト2に伝える。
こうしたサブギヤ20の外側にばね部材25を設けたシザースギヤ5は、ばね部材25の大きさを制約する障害は少なく、歯部6bの近くまで、ばね部材25の外形を大きくすることができ、メインギヤとサブギヤ間にばね部材を収める構造に比べ、格段に大きな外形のばね部材25を採用することができる。これにより、ばね部材25の大きさの設定の自由度が増し、大幅にばね強度の自由度を高めることができ、相手ギヤに適したばねばね定数をもつシザースギヤ5を容易に確保することができる。特に図2に示されるようにシザースギヤ5の歯幅を相手ギヤより大きくして、ばね部材25を相手ギヤとが噛合う位置から退避させた地点に配置すると、図8に示されるように歯部6bの先端近くまで円弧部27を配置させた大きな外形のばね部材25が採用でき、一層、シザースギヤ25の設計自由度が高められる。
【0022】
しかも、外側にばね部材25を設けると、ばね部材25はサブギヤ20をメインギヤ10に押さえる部材も兼ねるから、別途、サブギヤを押さえるためのばね部材は不要となる。すなわち、ばね部材をメインギヤとサブギヤ間に収める構造の場合、ばね部材が変形すると、ばね部材自身の変形が、サブギヤをメインギヤから離反させる挙動を生じさせるため、これを抑えるための措置として押さえ用のばね部材を設ける必要があるが、U字状のばね部材25をサブギヤ20の外側で固定すると、生じるばね部材25のよれ変形がサブギヤ20をメインギヤ10に押え付ける機能を果たすから、押さえ用のばね部材は不要となる。これにより、部品点数の削減化が図れ、シザースギヤ5が簡素化できる。
【0023】
またばね部材25が外側に有ることで、外部から潤滑油の供給が受けやすくなり、ばね部材25の潤滑性を向上させることができ、接触部の磨耗を防ぎやすくなる。さらには、シザースギヤ5やメインギヤ10の溝部36との接触によるフリクションも低下し、安定した付勢力により安定したシザース効果が得られる。特に図1に示されるようにカバー3の内部のような潤滑油の飛沫が飛び交う環境でシザースギヤ25が使用されるような場合、好適である。
【0024】
またばね部材25の固定をボス部13に形成した溝部36で行なうと、ばね部材25の固定も、別途、部品を用いずに行なえ、一層、シザースギヤ5の部品点数が削減できる。特にU字状のばね部材25を用い、同ばね部材25の各端部をピン構造で、メインギヤ10、サブギヤ20に係合すると、各部の構造が簡単となり、シザースギヤ5を、より簡素化できる。
【0025】
しかも、溝部36の底面に、U字状のばね部材25を差し込みやすくする切欠き部37を設けると、相手ギヤとの設定で、高いばね強度(広がり難い)をもつばね部材25が採用されることになっても、容易に溝部にばね部材25を組み付けることができ、シザースギヤ5の組立性を確保できる。
なお、本発明は一実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々可変して実施しても構わない。例えば一実施形態では、メインギヤから突き出るピン部材を用いてばね部材をメインギヤに係合したが、構造の簡素化を考慮しなければ、例えばボス部の外周面から突き出る係合部材で、ばね部材の端部と係合させて、相手ギヤを挟み込む付勢力を与える構造としてもよく、他の係合構造でも構わない。ばね部材も、構造の簡素化を考慮しなければ、U字状のばね部材でなく、例えばトグルばねでもよい。また一実施形態では、本発明のシザースギヤを、レシプロエンジンのカムシャフトに駆動力を伝えるギヤ部品に適用した例を挙げたが、これに限らず、他の装置や他の動力伝達経路のギヤ部品に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係るシザースギヤが適用されたエンジン部分を示す斜視図。
【図2】図1中のA−A線に沿う断面図。
【図3】図2中のB部におけるギヤ噛合いを示す断面図。
【図4】(a)はシザースギヤ単品の外観を示す斜視図、(b)はシザースギヤのメインギヤとサブギヤとの歯部を示す断面図。
【図5】シザースギヤの分解斜視図。
【図6】ばね部材を組み込むときを説明する斜視図。
【図7】同じく断面図。
【図8】ばね部材を組み終えたときの断面図。
【符号の説明】
【0027】
5 シザースギヤ
6 ドリブンギヤ(相手ギヤ)
10 メインギヤ
13 ボス部
20 サブギヤ
25 ばね部材
28 端部
31a,31b ピン部材(係合部)
36 溝部(固定部)
37 切欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸心部にボス部を有するメインギヤと、
前記ボス部の外周部に挿入され前記メインギヤの側部に並行に配置された、前記メインギヤと同一の歯数を有するサブギヤと、
前記サブギヤのメインギヤとは反対側の側部に配置され、相手ギヤの挟み込みを行なう付勢力を一対の端部から出力するばね部材と
を具備したことを特徴とするシザースギヤ。
【請求項2】
前記ばね部材の前記一対の端部のうちの一方の端部を前記サブギヤに係合させ、他方の端部を前記メインギヤに係合させ、前記ばね部材の付勢力を前記メインギヤと前記サブギヤとに伝える係合部と、
前記サブギヤと前記メインギヤが該ギヤ軸方向に離間しないように規制する固定部と
を具備したことを特徴とする請求項1に記載のシザースギヤ。
【請求項3】
前記ばね部材は、前記ボス部の周りに配置されたU字状のばね部材で構成され、
前記係合部は、前記ばね部材の一方の端部を、前記サブギヤに係合し、他方の端部を、前記サブギヤと隣接するメインギヤに係合し、
前記固定部は、前記メインギヤのボス部の外周面に沿って形成され、前記U字状のばね部材のボス部の周りに配置されるばね部分を嵌める環状の溝部から構成される
ことを特徴とする請求項2に記載のシザースギヤ。
【請求項4】
前記環状の溝部は、当該溝部の環状の底面に、U字状のばね部材が差し込める切欠き部が形成されることを特徴とする請求項3に記載のシザースギヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−96263(P2010−96263A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−267376(P2008−267376)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【出願人】(000176811)三菱自動車エンジニアリング株式会社 (402)
【Fターム(参考)】