説明

システムの管理装置、システムの管理方法及びシステムの管理プログラム

【課題】異なるシステム間で、構成要素間における障害の波及関係の情報を流用可能にする。
【解決手段】第1の分類部31は、第1のシステム10の構成要素を出力メッセージで構成要素の種別に分類した第1の分類結果を生成する。生成部33は、第1の分類結果に基づき、第1のシステム10における構成要素間でのエラーメッセージの波及関係の情報を、構成要素の種別間でのエラーメッセージの波及関係の情報へとクラス化した関係性情報を生成する。第2の分類部35は、第2のシステム20の構成要素を出力メッセージで構成要素の種別に分類した第2の分類結果を生成する。適用部36は、第2の分類結果を関係性情報に適用することにより、第1のシステム10における構成要素間でのエラーメッセージの波及関係の情報を、第2のシステム20で流用可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムの管理装置、システムの管理方法及びシステムの管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の構成要素が接続されたシステムは、構成要素の数が多いほど管理が難しくなるため、種々のシステムの管理技術が提案されている。例えば、システムの構成要素の稼働情報を蓄積し、蓄積した稼働情報に基づいて、システムの構成要素の障害を判断する技術がある。また、システムの構成要素間における障害の因果関係を予め記憶しておき、障害が発生した場合、予め記憶しておいた障害の因果関係の情報に基づいて障害の原因箇所を絞り込む技術がある。また、障害の原因箇所を視覚的に認識させる技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−62741号公報
【特許文献2】特開2003−179601号公報
【特許文献3】特開2009−3743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、システムの稼働開始直後や構成変更直後は、稼働情報の蓄積がない、もしくは少ないため、蓄積した稼働情報に基づいてシステムの構成要素の障害を判断できないことがある。また、システムの構成が変更されると、変更前のシステムの構成要素間における障害の因果関係に基づいて障害の原因箇所を絞り込むことができない場合がある。また、システムの構成の変更に応じて、システムの構成要素間における障害の因果関係を変更するために、多大な作業工数を要する場合がある。
【0005】
1つの側面では、異なるシステム間で、構成要素間における障害の波及関係の情報を流用可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施の態様では、第1のシステムの構成要素が出力したメッセージのログ情報を参照し、メッセージに共通性がある構成要素を同じ構成要素のグループに分類する。そして、第1のシステムの構成要素を前記構成要素のグループに分類した結果と、第1のシステムの構成要素が出力したメッセージの波及関係とに基づいて、メッセージの波及関係を示す関連性情報を生成する。そして、第2のシステムの構成要素が出力したメッセージのログ情報と、第1のシステムの構成要素を構成要素のグループに分類した結果とを参照し、第2のシステムの構成要素を構成要素のグループの何れかに分類する。そして、第2のシステムのログ情報を参照し、第2のシステムの構成要素を分類した構成要素のグループの何れかのうち、関連性情報に示されるメッセージの波及関係を満たす構成要素のグループに対して関連性情報を対応付けるシステムの管理装置を用いる。
【発明の効果】
【0007】
1つの実施の態様では、異なるシステム間で、構成要素間における障害の波及関係の情報が流用可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、第1の実施の形態に係る管理システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は、第2の実施の形態に係る管理システムの構成例を示すブロック図である。
【図3A】図3Aは、抽象化対象システムの構成情報の例を示す図である。
【図3B】図3Bは、抽象化対象システムのログ情報の例を示す図である。
【図3C】図3Cは、抽象化対象システムにおける障害事例情報の例を示す図である。
【図3D】図3Dは、抽象化対象システムにおける波及関係情報の例を示す図である。
【図3E】図3Eは、抽象化対象システムのメッセージ辞書情報の例を示す図である。
【図3F】図3Fは、抽象化対象システムにおけるCI別のエラーメッセージ情報の例を示す図である。
【図4A】図4Aは、具体化対象システムの構成情報の例を示す図である。
【図4B】図4Bは、具体化対象システムのログ情報の例を示す図である。
【図4C】図4Cは、具体化対象システムのメッセージ辞書情報の例を示す図である。
【図4D】図4Dは、具体化対象システムにおけるCI別のエラーメッセージ情報の例を示す図である。
【図5A】図5Aは、CI種別情報の例を示す図である。
【図5B】図5Bは、関係クラス情報の例を示す図である。
【図6】図6は、CIの抽象化と波及関係の抽象化の処理例を示す図である。
【図7】図7は、CIの具体化と波及関係の具体化の処理例を示す図である。
【図8】図8は、波及関係情報を反映した具体化対象システムの構成情報の例を示す図である。
【図9】図9は、CIの抽象化処理を示すフローチャートである。
【図10】図10は、波及関係の抽象化処理を示すフローチャートである。
【図11】図11は、CIの具体化処理を示すフローチャートである。
【図12】図12は、波及関係の具体化処理を示すフローチャートである。
【図13】図13は、管理プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るシステムの管理装置、システムの管理方法及びシステムの管理プログラムの実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
[第1の実施の形態]
(第1の実施の形態のシステム構成例)
図1は、第1の実施の形態に係る管理システムの構成例を示すブロック図である。図1に示す管理システムS1は、第1のシステム10、第2のシステム20、管理装置30を有する。管理装置30は、第1のシステム10及び第2のシステム20と、それぞれ通信可能に接続される。
【0011】
第1のシステム10は、図示しない構成管理データベースにより管理される構成要素(以下、CI(Configuration Item)と呼ぶ)を有する。第1のシステム10の構成管理データベースは、第1のシステム10が有する各CIの情報(以下、CI情報と呼ぶ)及び各CI間の関係を示す情報(以下、CI関係情報と呼ぶ)を記憶する。第1のシステム10は、第1のシステム10の各CIが出力したメッセージをログ情報として記憶するログ情報記憶部11を有する。なお、第1のシステム10は、第1のシステム10の全体を制御する制御部と、管理装置30との通信を制御するインターフェースを有するが、図示を省略している。
【0012】
また、第1のシステム10は、第1のシステム10のCI関係情報に基づいたメッセージの波及関係の情報(以下、波及関係情報と呼ぶ)を記憶する波及関係情報記憶部12を有する。波及関係情報は、波及元のCI(i)が出力したメッセージに対応する事象の発生から所定時間内に波及先のCI(j)(j≠i)で、波及元の事象に起因する事象が発生してメッセージが出力されるというメッセージの波及を示すCI間の因果関係の情報である。第1の波及関係情報記憶部12は、第1のシステム10における波及元のCI(i)及びメッセージと、波及先のCI(j)及びメッセージの対応を示す第1の波及関係情報を記憶する。
【0013】
第2のシステム20は、図示しない構成管理データベースにより管理されるCIを有する。第2のシステム20の構成管理データベースは、第2のシステム20が有する各CIのCI情報を記憶する。第2のシステム20は、第2のシステム20の各CIが出力したメッセージをログ情報として記憶するログ情報記憶部21を有する。また、第2のシステム20は、第1のシステム10における第1の波及関係情報をもとに生成された、第2のシステム20における波及関係情報を示す第2の波及関係情報を記憶する波及関係情報記憶部22を有する。なお、第2のシステム20は、第2のシステム20の全体を制御する制御部と、管理装置30との通信を制御するインターフェースを有するが、図示を省略している。
【0014】
管理装置30は、第1の分類部31、第1の分類結果情報記憶部32、生成部33、関連性情報記憶部34、第2の分類部35、適用部36を有する。なお、管理装置30は、管理装置30の全体を制御する制御部と、第1のシステム10及び第2のシステム20との通信を制御するインターフェースを有するが、図示を省略している。
【0015】
第1の分類部31は、第1のシステム10のログ情報記憶部11を参照し、第1のシステム10の各CIが出力したメッセージの共通性に基づき各CIを同一のCIのグループ(以下、CIグループと呼ぶ)に分類する。第1の分類部31は、各CIグループを識別する情報と、各CIグループに分類される各CIが出力するメッセージとの対応を示す第1の分類結果の情報(以下、第1の分類結果情報と呼ぶ)を第1の分類結果情報記憶部32に記憶させる。
【0016】
生成部33は、第1の分類結果情報と、第1の波及関係情報とに基づき、CIグループ間でのメッセージの波及関係を示す関連性情報を生成する。すなわち、生成部33は、第1の分類結果情報が示すメッセージと、第1の波及関係情報が示すメッセージとの共通性に基づき、第1の波及関係情報が示す各CIを、第1の分類結果の情報が示すCIグループの何れかに分類する。そして、生成部33は、第1の波及関係情報から、波及元のCIグループから波及先のCIグループへのメッセージの波及関係情報を示す関連性情報を生成し、関連性情報記憶部34に記憶させる。
【0017】
第2の分類部35は、第2のシステム20のログ情報記憶部21を参照し、第2のシステム20の各CIが出力したメッセージに共通性があるCIを、第1の分類結果情報が示す何れかのCIグループに分類する。第2の分類部35は、各CIグループを識別する情報(以下、CIグループ識別情報と呼ぶ)と、各CIグループに分類される各CIが出力するメッセージとの対応を示す第2の分類結果の情報(以下、第2の分類結果情報と呼ぶ)を適用部36へ出力する。
【0018】
適用部36は、第2の分類結果情報に示されるCIグループ及びメッセージに対して、関連性情報記憶部34に記憶される関連性情報を適用することにより、第2のシステム20におけるメッセージの波及関係情報を示す第2の波及関係情報を生成する。すなわち、適用部36は、第2の分類結果の情報が示すCIグループ及びメッセージのうち、関連性情報が示すメッセージの波及関係情報を満たすCIグループ及びメッセージを関連性情報に対応付ける。この対応付けにより、適用部36は、第2のシステム20におけるメッセージの波及関係情報を示す第2の波及関係情報を生成する。適用部36は、第2の波及関係情報を波及関係情報記憶部22に記憶させる。
【0019】
なお、第1の実施の形態では、第1のシステム10及び第2のシステム20の各CIが出力するメッセージは、エラーメッセージ、警告メッセージ、注意メッセージ等、重要度が各種レベルのメッセージであってよい。例えば、警告メッセージについて第1の波及関係情報から第2の波及関係情を生成することにより、システムの障害の発生に至らなくとも、障害の発生に至る可能性がある事象がCI間でどのように波及するかの情報を異なるシステム間で流用できる。
【0020】
第1の実施の形態で示す第1の分類部31、生成部33、第2の分類部35、適用部36は、一例として、ASIC、CPU、MPU等の集積回路で実現できる。ASICは“Application Specific Integrated Circuit”、CPUは“Central Processing Unit”、MPUは“Micro Processing Unit”の略である。また、第1の分類結果情報記憶部32、関連性情報記憶部34は、一例として、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等を記憶媒体とする記憶装置で実現できる。
【0021】
(第1の実施の形態の効果)
管理装置30は、第1のシステム10の各CIが出力したメッセージを各CIグループで分類した第1の分類結果情報を用い、第1のシステム10におけるメッセージの波及関係情報から各CIグループ及びメッセージの対応を示す関連性情報を生成する。そして、管理装置30は、第2のシステム20の各CIを関連性情報が示す各CIグループの何れかに分類し、分類結果を第2の分類結果とする。そして、管理装置30は、第2の分類結果情報が示すCIグループ及びメッセージのうち、関連性情報が示す波及関係情報を満たすCIグループ及びメッセージに、関連性情報を対応付ける。
【0022】
この様にして、管理装置30は、第1のシステム10におけるメッセージの波及関係情報を示す第1の波及関係情報から、第2のシステム20におけるメッセージの波及関係情報を示す第2の波及関係情報を生成する。よって、第2のシステム20において各CIの種別や各CI間の関連が定義されていない場合でも、第1のシステム10の各CI間の因果関係を流用することができる。その結果、例えば第1のシステム10及び第2のシステム10の各CIが出力したメッセージがエラーメッセージの場合、第1のシステム10の各CI間の因果関係を流用して、第2のシステム20におけるエラーメッセージの波及関係情報を簡易に生成できる。
【0023】
[第2の実施の形態]
(第2の実施の形態のシステム構成例)
図2は、第2の実施の形態に係る管理システムの構成例を示すブロック図である。図2に示す管理システムS2は、抽象化対象システム100、具体化対象システム200、管理装置300を有する。管理装置300は、抽象化対象システム100及び具体化対象システム200と、それぞれ通信可能に接続される。
【0024】
第2の実施の形態では、抽象化対象システム100において出力されたエラーメッセージに共通性があるCIを同じCIの種別(以下、CI種別と呼ぶ)に分類することを“CI抽象化”と呼び、各CI種別に分類されたCIを“抽象化されたCI”と呼ぶ。また、抽象化対象システム100における各CI間での障害(エラー)の波及関係情報をCI種別及びエラーメッセージで分類することを“波及関係抽象化”と呼び、CI種別及びエラーメッセージで分類された波及関係情報を“抽象化された波及関係情報”と呼ぶ。抽象化対象システム100は、CI抽象化及び波及関係抽象化の対象となるシステムである。なお、単に波及関係という場合、障害の波及関係を指す。
【0025】
また、第2の実施の形態では、具体化対象システム200においてCI抽象化を行った結果を、抽象化された波及関係情報に適用することにより、抽象化対象システム100における波及関係情報を具体化対象システム200において具体化する。具体化対象システム200は、抽象化された波及関係情報を具体化する対象となるシステムである。
【0026】
抽象化対象システム100は、制御部101、構成情報記憶部102、ログ情報記憶部103、障害事例情報記憶部104、波及関係情報記憶部105、メッセージ辞書記憶部106を有する。図2では、抽象化対象システム100が有するCIの図示を省略している。また、図2では、抽象化対象システム100が有する、管理装置300との通信を制御するインターフェースの図示を省略している。
【0027】
制御部101は、抽象化対象システム100の全体制御をつかさどり、構成情報記憶部102、ログ情報記憶部103、障害事例情報記憶部104、波及関係情報記憶部105、メッセージ辞書記憶部106へのデータアクセスを制御する。
【0028】
構成情報記憶部102は、CMDB(Configuration Management Database、構成情報管理データベース)である。構成情報記憶部102は、抽象化対象システム100の構成情報として、抽象化対象システム100が有するCIを識別する情報(以下、CI識別情報と呼ぶ)及びCI間の接続関係の情報(以下、CI関係情報と呼ぶ)を管理する。ログ情報記憶部103は、抽象化対象システム100において各CIが出力したエラーメッセージ及びエラーメッセージを識別するメッセージIDの少なくとも一つを、出力元のCI識別情報に対応付けて記憶する。障害事例情報記憶部104は、抽象化対象システム100において発生した障害事例の情報(以下、障害事例情報と呼ぶ)を記憶する。
【0029】
波及関係情報記憶部105は、抽象化対象システム100において、障害事例情報記憶部104に記憶される障害事例情報が示す障害について、一方のCI(i)から他方のCI(j)(i≠j)への波及関係情報を記憶する。波及関係情報は、接続関係があるCI(i)、C(j)について、CI(i)に障害が発生してから所定時間内にCI(j)に障害が発生した場合、CI(i)からC(j)へ障害が波及したことを示す情報として生成される。
【0030】
メッセージ辞書記憶部106は、抽象化対象システム100において各CIが出力したエラーメッセージ(msg)に各エラーメッセージを識別するメッセージID(msgID(IDentifier))を対応付けたメッセージ辞書情報を記憶する。なお、メッセージ辞書記憶部106に記憶されるメッセージ辞書情報は、ログ情報に各CIが出力したエラーメッセージの代わりにメッセージIDが記憶される場合に、エラーメッセージを特定するために用いられる。よって、ログ情報に各CIが出力したエラーメッセージ自体が記憶される場合は、メッセージ辞書記憶部106を省略してもよい。
【0031】
具体化対象システム200は、制御部201、構成情報記憶部202、ログ情報記憶部203、メッセージ辞書記憶部206を有する。図2では、具体化対象システム200が有するCIの図示を省略している。また、図2では、抽象化対象システム100が有する、管理装置300との通信を制御するインターフェースの図示を省略している。
【0032】
制御部201は、具体化対象システム200の全体制御をつかさどり、構成情報記憶部202、ログ情報記憶部203、メッセージ辞書記憶部206へのデータアクセスを制御する。
【0033】
構成情報記憶部202は、CMDBであり、具体化対象システム200の構成情報として、具体化対象システム200が有する各CIのCI識別情報を管理する。ログ情報記憶部203は、具体化対象システム200において各CIが出力したエラーメッセージ及びエラーメッセージを識別するメッセージIDの少なくとも一つを、出力元のCI識別情報に対応付けて記憶する。
【0034】
メッセージ辞書記憶部206は、具体化対象システム200において各CIが出力したエラーメッセージ(msg)に各エラーメッセージを識別するメッセージID(msgID(message IDentifier))を対応付けたメッセージ辞書情報を記憶する。なお、メッセージ辞書記憶部206に記憶されるメッセージ辞書情報は、ログ情報に各CIが出力したエラーメッセージの代わりにメッセージIDが記憶される場合に、エラーメッセージを特定するために用いられる。よって、ログ情報に各CIが出力したエラーメッセージ自体が記憶される場合は、メッセージ辞書記憶部206を省略してもよい。
【0035】
管理装置300は、制御部301、CI種別情報記憶部309、関係クラス情報記憶部310を有する。制御部301は、管理装置300の全体制御をつかさどり、CI種別情報記憶部309、関係クラス情報記憶部310へのデータアクセスを制御する。制御部301は、さらに、波及関係情報抽出部302、抽象化部303、具体化部306を有する。抽象化部303は、分類部304、生成部305を有する。また、具体化部306は、分類部307、適用部308を有する。
【0036】
波及関係情報抽出部302は、構成情報記憶部102、ログ情報記憶部103、障害事例情報記憶部104を参照し、波及関係情報とメッセージ辞書情報を生成し、それぞれ波及関係情報記憶部105、メッセージ辞書記憶部106に記憶させる。すなわち、波及関係情報抽出部302は、構成情報記憶部102に記憶される構成情報が示すCI識別情報及びCI関係情報と、障害事例情報記憶部104に記憶される障害事例情報に基づき、各CI間における波及関係情報を生成する。また、波及関係情報抽出部302は、ログ情報記憶部103に記憶されるログ情報に基づき、メッセージ辞書情報を生成する。なお、波及関係情報抽出部302は、ログ情報記憶部103に記憶されるログ情報にエラーメッセージ自体が記憶されている場合は、メッセージ辞書情報の生成を省略してもよい。
【0037】
抽象化部303の分類部304は、ログ情報記憶部103に記憶されるログ情報及びメッセージ辞書記憶部106に記憶されるメッセージ辞書情報に基づいて抽象化対象システム100の各CIを各CI種別に分類する。すなわち、分類部304は、同じ種別のCIが出力するエラーメッセージは共通性があるとし、エラーメッセージの共通性に基づき抽象化対象システム100の各CIを各CI種別に分類する。分類部304は、各CIを各CI種別に分類した結果をCI種別情報としてCI種別情報記憶部309に記憶させる。
【0038】
抽象化部303の生成部305は、同じ種類の波及関係情報は、波及関係情報間で波及元及び波及先の各CIで出力されるエラーメッセージに共通性があるとする。そして、生成部305は、このエラーメッセージの共通性に基づき、波及関係情報記憶部105及びメッセージ辞書記憶部106を参照して、波及関係情報記憶部105に記憶される波及関係を抽象化する。そして、生成部305は、抽象化した波及関係を関係クラスの情報(以下、関係クラス情報と呼ぶ)として、関連クラス情報記憶部310に記憶させる。
【0039】
具体化部306の分類部307は、抽象化部303の分類部304と同様にして、ログ情報記憶部203に記憶されるログ情報に基づいて、具体化対象システム200の各CIを、各CIが出力したエラーメッセージの共通性に基づいて各CI種別に分類する。この際、分類部307は、CI種別情報記憶部309に記憶されるCI種別情報と同様に、具体化対象システム200の各CIを各CI種別に分類してもよい。分類部307は、具体化対象システム200の各CIを各CI種別に分類した結果を適用部308へ出力する。
【0040】
適用部308は、具体化対象システム200の各CI種別、メッセージ辞書記憶部206に記憶されるメッセージ辞書情報、関連クラス情報記憶部310に記憶される関連クラス情報を参照する。そして、適用部308は、抽象化された波及関係情報を示す関連クラス情報を、具体化対象システム200の各CI種別に適用することにより、具体化対象システム200における波及関係情報を生成する。
【0041】
適用部308は、具体化対象システム200における波及関係情報を流用して得られた具体化対象システム200の各CI種別及び各CI関係情報を、構成情報記憶部202に反映させる。また、具体化対象システム200に波及関係情報記憶部を設け、この波及関係情報記憶部に、具体化対象システム200における波及関係情報を流用して得られた具体化対象システム200の波及関係情報を記憶させてもよい。
【0042】
第2の実施の形態で示した制御部301の波及関係情報抽出部302、抽象化部303の分類部304、生成部305、具体化部306の分類部307、適用部308は、一例として、ASIC、CPU、MPU等の集積回路で実現できる。また、CI種別情報記憶部309、関係クラス情報記憶部310は、一例として、RAM、フラッシュメモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等を記憶媒体とする記憶装置で実現できる。
【0043】
(抽象化対象システムの構成情報)
図3Aは、抽象化対象システムの構成情報の例を示す図である。抽象化対象システム100の構成情報102aは、構成情報記憶部102により管理される。図3Aの例では、構成情報102aは、タグ付き言語で記述される。図3Aの例では、「<Graph>」タグと「</Graph>」タグの間に、構成情報が記述される。また、「<CISet>」タグと「</CISet>」タグの間に、CIごとに、各CI識別情報が記述される。図3Aの例では、構成情報102aでは、CI識別情報を示す「CI id(identifier)」が“CI_a”、・・・、“CI_d”である各CIが記述されている。
【0044】
また、図3Aの例では、構成情報102aでは、「<RelSet>」タグと「</RelSet>」タグの間に、各CI関係情報が記述される。図3Aの例では、CI関係情報を示す「Relation id(identifier)」が“r1”、“r2”の各CI関係情報が定義されている。“r1”のCI関係情報は、接続元のCIを示す「src(source)」が“CI_a”であり、接続先のCIを示す「dst(destination)」が“CI_b”であることを示す。これは、“CI_a”のCIを接続元として、“CI_b”のCIが接続されていることを示す。同様に、“r2”のCI関係情報は、“src”が“CI_b”であり、“dst”が“CI_c”であることを示す。
【0045】
(抽象化対象システムのログ情報)
図3Bは、抽象化対象システムのログ情報の例を示す図である。抽象化対象システム100のログ情報103aは、ログ情報記憶部103により記憶される。図3Bの例では、ログ情報103aは、CSV(Comma Separated Values)形式で記述される。図3Bの例では、ログ情報103aは、エラーメッセージが出力された日付(もしくは日時)を示す「date」、エラーメッセージの出力元のCIを示す「CI」、エラーメッセージを識別する情報及びエラーメッセージを示す「(msgID)msg」が対応付けて記憶される。図3Bの例では、ログ情報103aでは、例えば「date」“t01”、「CI」“CI_a”、「(msgID)msg」“(01)Can’t read record in system table.”がログ情報の1つのエントリである。
【0046】
(抽象化対象システムの障害事例情報)
図3Cは、抽象化対象システムにおける障害事例情報の例を示す図である。抽象化対象システム100における障害事例情報104aは、障害事例情報記憶部104に記憶される。障害事例情報は、障害及び障害内容を特定可能な「障害」、障害が発生した時刻を示す「開始時刻」、障害から復旧した時刻を示す「復旧時刻」を対応付けて記憶する。図3Cの例では、障害事例情報104aでは、例えば「障害」“HDD障害01”、「発生時刻」“2010/07/12 03:30:00”、「復旧時刻」“2010/07/12 03:35:25”が障害事例情報の1つのエントリである。
【0047】
(抽象化対象システムにおける波及関係情報)
図3Dは、抽象化対象システムにおける波及関係情報の例を示す図である。抽象化対象システム100の波及関係情報105aでは、各波及関係を識別する情報を示す「ID」、波及元のCIが出力したエラーメッセージ等を示す「波及元障害」、波及先のCIが出力したエラーメッセージ等を示す「波及先障害」を対応付けて記憶される。「波及元障害」は、波及元のCIを識別する情報を示す「CI」、波及元のCIが出力したエラーメッセージを示す「msg」を含む。同様に、「波及先障害」は、波及先のCIを識別する情報を示す「CI」、波及先のCIが出力したエラーメッセージを示す「msg」を含む。
【0048】
図3Dの例では、波及関係情報105aでは、例えば「ID」“r1”、波及元障害が「CI」“CI_a”、「msg」“msg1”であり、波及先障害が「CI」“CI_b”、「msg」“msg2”である波及関係情報が1つのエントリである。
【0049】
(抽象化対象システムのメッセージ辞書情報)
図3Eは、抽象化対象システムのメッセージ辞書情報の例を示す図である。抽象化対象システム100におけるメッセージ辞書情報106aは、各エラーメッセージ(msg)を識別する情報を示す「msgID」、各「msgID」に対応する「msg」(エラーメッセージ)を対応付けて記憶する。図3Eの例では、メッセージ辞書情報106aでは、例えば「msgID」“01”、「msg」“Can’t read record in system table.”がメッセージ辞書情報の1つのエントリである。
【0050】
(抽象化対象システムにおけるCI別エラーメッセージ情報)
図3Fは、抽象化対象システムにおけるCI別のエラーメッセージ情報の例を示す図である。抽象化対象システム100におけるCI別のエラーメッセージ情報(以下、CI別エラーメッセージ情報と呼ぶ)103bは、分類部304によりログ情報記憶部103に記憶されるログ情報103aのエラーメッセージがCIごとに取りまとめられた情報である。CI別エラーメッセージ情報103bは、生成部305が関係クラス情報310aを生成する際に用いる情報であり、分類部304から生成部305へ出力され、生成部305に一時記憶される。
【0051】
(具体化対象システムの構成情報)
図4Aは、具体化対象システムの構成情報の例を示す図である。具体化対象システム200の構成情報202aは、構成情報記憶部202により管理される。図4Aの例では、構成情報202aは、タグ付き言語で記述される。図4Aの例では、「<Graph>」タグと「</Graph>」タグの間に、構成情報が記述される。図4Aの例では、構成情報202aでは、CI識別情報を示す「id(identifier)」が“CI_1”、“CI_2”、“CI_3”、“CI_4”である各CIが記述されている。
【0052】
(具体化対象システムのログ情報)
図4Bは、具体化対象システムのログ情報の例を示す図である。具体化対象システム200のログ情報203aは、ログ情報記憶部203により記憶される。図4Bの例では、ログ情報203aは、CSV形式で記述される。図4Bの例では、ログ情報203aは、エラーメッセージが出力された日付(もしくは日時)を示す「date」、エラーメッセージの出力元のCIを示す「CI」、エラーメッセージを識別する情報及びエラーメッセージを示す「(msgID)msg」が対応付けて記憶される。図4Bの例では、ログ情報203aは、例えば「date」“t11”、「CI」“CI_4”、「(msgID)msg」“(01)Can’t read record in system …”がログ情報の1つのエントリとして記憶されている。
【0053】
(具体化対象システムのメッセージ辞書情報)
図4Cは、具体化対象システムのメッセージ辞書情報の例を示す図である。具体化対象システム200におけるメッセージ辞書情報206aは、各エラーメッセージ(msg)を識別する情報を示す「msgID」、各「msgID」に対応する「msg」(エラーメッセージ)を対応付けて記憶する。図4Cの例では、メッセージ辞書情報206aでは、例えば「msgID」“01”、「msg」“Can’t read record in system table”がメッセージ辞書情報の1つのエントリである。
【0054】
(具体化対象システムにおけるCI別のエラーメッセージ情報)
図4Dは、具体化対象システムにおけるCI別のエラーメッセージ情報の例を示す図である。具体化対象システム200におけるCI別のエラーメッセージ情報203bは、管理装置300の具体化部306の分類部307により、ログ情報記憶部203に記憶されるログ情報203aのエラーメッセージが、CIごとに取りまとめられた情報である。エラーメッセージ情報203bは、適用部308が関係クラス情報310aを具体化対象システム200に適用する際に用いる情報であり、分類部307から適用部308へ出力され、適用部308に一時記憶される。
【0055】
(CI種別情報)
図5Aは、CI種別情報の例を示す図である。CI種別情報309aは、エラーメッセージの共通性に基づき分類されたCIのグループを示す「CI種別」、「CI種別」に分類されたCIが出力したエラーメッセージを識別する情報及びエラーメッセージを示す「(msgID)msg」を対応付けて記憶する。
【0056】
図5Aの例では、CI種別情報309aでは、「(msgID)msg」“(01)Can’t read record in system table.”、“(04)Can’t find record in xx yy zz.”のエラーメッセージを出力した各CIが「CI種別」“type1”に分類されたことを示す。同様に、「(msgID)msg」“(02)ERROR:[YYY]aaa bbb ccc.”、“(05)An exception or error occurred.”のエラーメッセージを出力したCIが「CI種別」“type2”に分類されたことを示す。同様に、「(msgID)msg」“(03)“GET/HTTP/1.0”503 XXX”、“(06)Execution delay:900ms”、“(07)Number of packets over the threshold.”のエラーメッセージを出力したCIが「CI種別」“type3”に分類されたことを示す。
【0057】
(関係クラス情報)
図5Bは、関係クラス情報の例を示す図である。関係クラス情報310aでは、各抽象化された波及関係を識別する情報を示す「ID」、波及元のCI種別が出力したエラーメッセージ等を示す「波及元障害」、波及先のCI種別が出力したエラーメッセージ等を示す「波及先障害」が対応付けて記憶される。「波及元障害」は、波及元のCIのCI種別を識別する情報を示す「CI種別」、波及元のCIが出力したエラーメッセージを示す「msg」を含む。同様に、「波及先障害」は、波及先のCIのCI種別を識別する情報を示す「CI種別」、波及先のCIが出力したエラーメッセージを示す「msg」を含む。
【0058】
図5Bの例では、関係クラス情報310aでは、「ID」“C1”、波及元障害が「CI種別」“type1”、「msg」“Can’t read record in system table.”、波及先障害が「CI種別」“type2”、「msg」“ERROR:[YYY]aaa bbb ccc.”がエントリの一例である。
【0059】
(CIの抽象化と波及関係の抽象化の処理)
図6は、CI抽象化と波及関係の抽象化の処理例を示す図である。図6に示す抽象化対象システム100のログ情報103aは、「date」“t01”に「CI」“CI_a”が「(msgID)msg」“msg1”を出力したことを示す。同様に、ログ情報103aは、「date」“t02”に「CI」“CI_b”が「(msgID)msg」“msg2”を出力したことを示す。同様に、ログ情報103aは、「date」“t03”に「CI」“CI_c”が「(msgID)msg」“msg3”を出力したことを示す。
【0060】
同容に、ログ情報103aは、「date」“t04”に「CI」“CI_d”が「(msgID)msg」“msg3”を出力したことを示す。同様に、ログ情報103aは、「date」“t05”に「CI」“CI_a”が「(msgID)msg」“msg4”を出力したことを示す。
【0061】
同様に、ログ情報103aは、「date」“t06”に「CI」“CI_b”が「(msgID)msg」“msg5”を出力したことを示す。同様に、ログ情報103aは、「date」“t07”に「CI」“CI_c”が「(msgID)msg」“msg6”を出力したことを示す。同様に、ログ情報103aは、「date」“t08”に「CI」“CI_d”が「(msgID)msg」“msg6”を出力したことを示す。
【0062】
管理装置300の抽象化部303の分類部304は、ログ情報103aを参照し、エラーメッセージごとに各CIを各CI種別に分類することでCIの抽象化を行う。具体的には、分類部304は、“msg1”及び“msg4”を出力した「CI」“CI_a”を“type1”のCI種別に分類する。同様に、分類部304は、“msg2”及び“msg5”を出力した「CI」“CI_b”を“type2”のCI種別に分類する。また、分類部304は、“msg3”及び“msg6”を出力した「CI」“CI_c”及び“CI_d”を、同一のエラーメッセージを出力したことにより、“type3”の同一のCI種別に分類する。分類部304は、各CIをCI種別に分類した結果をCI種別情報309aとしてCI種別情報記憶部309に記憶させる。
【0063】
分類部304により各CIが抽象化された結果を構成情報102aに反映させると、“msg1”を出力した“CI_a”は“type1”へと抽象化されたことが分かる。同様に、“msg2”及び“msg5”を出力した“CI_b”は“type2”へ、“msg3”及び“msg6”を出力した“CI_c”、“CI_d”は“type3”へと抽象化されたことが分かる。
【0064】
また、図6の波及関係情報105bは、CI種別情報309aをもとに、波及関係情報105aに示される各CIに各CIが分類されるCI種別を対応付けた情報である。図6に示される波及関係情報105bにおいて、「ID」“r1”の波及関係情報は、「CI」“CI_a”、「msg」“msg1”、「CI種別」“type1”を波及元障害、「CI」“CI_b”、「msg」“msg2”、「CI種別」“type2”を波及先障害とする波及関係情報を示す。
【0065】
同様に、図6に示される波及関係情報105bにおいて、「ID」“r2”の波及関係情報は、「CI」“CI_a”、「msg」“msg1”、「CI種別」“type1”を波及元障害、「CI」“CI_c”、「msg」“msg3”、「CI種別」“type3”を波及先障害とする波及関係情報を示す。同様に、図6に示される波及関係情報105bにおいて、「ID」“r3”の波及関係情報は、「CI」“CI_b”、「msg」“msg2”、「CI種別」“type2”を波及元障害、「CI」“CI_c”、「msg」“msg3”、「CI種別」“type3”を波及先障害とする波及関係情報を示す。
【0066】
同様に、図6に示される波及関係情報105bにおいて、「ID」“r4”の波及関係情報は、「CI」“CI_a”、「msg」“msg1”、「CI種別」“type1”を波及元障害、「CI」“CI_d”、「msg」“msg3”、「CI種別」“type3”を波及先障害とする波及関係情報を示す。また、図6に示される波及関係情報105bにおいて、「ID」“r5”の波及関係情報は、「CI」“CI_b”、「msg」“msg2”、「CI種別」“type2”を波及元障害、「CI」“CI_d”、「msg」“msg3”、「CI種別」“type3”を波及先障害とする波及関係情報を示す。
【0067】
生成部305により各波及関係が抽象化された結果を構成情報102aに反映させると、図6に示されるように、“C1”の波及関係情報により、“type1”の“CI_a”による“msg1”の出力が“type2”の“CI_b”の“msg2”の出力へと波及したことが分かる。同様に、図6に示されるように、“C2”の波及関係情報により、“type1”の“CI_a”による“msg1”の出力が、“type3”の“CI_c”及び“CI_d”の“msg3”の出力へと波及したことが分かる。同様に、図6に示されるように、“C2”の波及関係情報により、“type2”の“CI_b”による“msg2”の出力が、“type3”の“CI_c”及び“CI_d”の“msg3”の出力へと波及したことが分かる。
【0068】
抽象化部303の生成部305は、波及関係情報105bを参照し、CI種別及びエラーメッセージごとに各波及関係情報を集約することで波及関係の抽象化を行う。具体的には、生成部305は、波及関係情報105bにおいて、波及元障害の「msg」、「CI種別」、波及先障害の「msg」、「CI種別」が全て一致するエントリを集約してクラス化する。
【0069】
すなわち、生成部305は、波及関係情報105bにおいて、「msg」“msg1”、「CI種別」“type1”を波及元障害、「msg」“msg2”、「CI種別」“type2”を波及先障害とするエントリを、「ID」“C1”とする関連クラス情報を生成する。同様に、生成部305は、波及関係情報105bにおいて、「msg」“msg1”、「CI種別」“type1”を波及元障害、「msg」“msg3”、「CI種別」“type3”を波及先障害とするエントリを、「ID」“C2”とする関連クラス情報を生成する。同様に、生成部305は、波及関係情報105bにおいて、「msg」“msg2”、「CI種別」“type2”を波及元障害、「msg」“msg3”、「CI種別」“type3”を波及先障害とするエントリを、「ID」“C3”とする関連クラス情報を生成する。
【0070】
すなわち、図6において、生成部305は、波及関係情報105bの「ID」“r1”の波及関係情報を、関連クラス情報310aの「ID」“C1”の関連クラス情報へ抽象化する。また、生成部305は、波及関係情報105bの「ID」“r2”及び“r4”の波及関係情報を、波及元及び波及先のエラーメッセージがともに同一であることにより集約し、関連クラス情報310aの「ID」“C2”の関連クラス情報へ抽象化する。また、生成部305は、波及関係情報105bの「ID」“r3”及び“r5”の波及関係情報を、波及元及び波及先のエラーメッセージがともに同一であることにより集約し、関連クラス情報310aの「ID」“C3”の関連クラス情報へ抽象化する。
【0071】
(CIの具体化と波及関係の具体化の処理)
図7は、CIの具体化と波及関係の具体化の処理例を示す図である。図7に示す具体化対象システム200のログ情報203aは、「date」“t11”に「CI」“CI_4”が「(msgID)msg」“msg1”を出力したことを示す。同様に、ログ情報203aは、「date」“t12”に「CI」“CI_3”が「(msgID)msg」“msg2”を出力したことを示す。同様に、ログ情報203aは、「date」“t13に「CI」“CI_4”が「(msgID)msg」“msg4”を出力したことを示す。
【0072】
同容に、ログ情報203aは、「date」“t14”に「CI」“CI_1”が「(msgID)msg」“msg3”を出力したことを示す。同様に、ログ情報203aは、「date」“t15”に「CI」“CI_3”が「(msgID)msg」“msg5”を出力したことを示す。
【0073】
同様に、ログ情報203aは、「date」“t16”に「CI」“CI_1”が「(msgID)msg」“msg6”を出力したことを示す。同様に、ログ情報203aは、「date」“t17”に「CI」“CI_2”が「(msgID)msg」“msg3”を出力したことを示す。同様に、ログ情報203aは、「date」“t18”に「CI」“CI_2”が「(msgID)msg」“msg6”を出力したことを示す。
【0074】
管理装置300の具体化部306の分類部307は、具体化対象システム200の構成情報202a、ログ情報203a、CI種別情報309aを参照し、ログ情報203aをもとにエラーメッセージを出力したCIのCI種別を特定することでCIの具体化を行う。具体的には、分類部307は、“msg1”及び“msg4”を出力した「CI」“CI_4”は“type1”のCI種別であると特定する。同様に、分類部307は、“msg2”及び“msg5”を出力した「CI」“CI_3”は“type2”のCI種別であると特定する。また、分類部307は、“msg3”及び“msg6”を出力した「CI」“CI_1”及び“CI_2”は“type3”のCI種別であると特定する。分類部307は、CI種別を特定することにより具体化した各CIのCI種別を、構成情報202aに反映させる。
【0075】
分類部307により各CIのCI種別が具体化された結果を構成情報102aに反映させると、“msg1”及び“msg4”を出力した“CI_4”は“type1”へと具体化されたことが分かる。同様に、“msg2”及び“msg5”を出力した“CI_3”は“type2”へと具体化されたことが分かる。同様に、“msg3”及び“msg6”を出力した“CI_1”、“CI_2”は“type3”へと具体化されたことが分かる。
【0076】
具体化部306の適用部308は、具体化対象システム200の構成情報202a、ログ情報203a、関連クラス情報310aをもとに、分類部307によりCI種別が特定された各CI間での波及関係を具体化する。具体的には、関連クラス情報310aを参照すると、「CI種別」“type1”の“msg1”を出力した「CI」“CI_4”と、「CI種別」“type2”の“msg2”を出力した「CI」“CI_3”との間には、「ID」“C1”で示される波及関係が推定される。
【0077】
同様に、関連クラス情報310aを参照すると、「CI種別」“type1”の“msg1”を出力した「CI」“CI_4”と、「CI種別」“type3”の“msg3”を出力した「CI」“CI_1”との間には、「ID」“C2”で示される波及関係が推定される。同様に、関連クラス情報310aを参照すると、「CI種別」“type1”の“msg1”を出力した「CI」“CI_4”と、「CI種別」“type3”の“msg3”を出力した「CI」“CI_2”との間には、「ID」“C2”で示される波及関係が推定される。
【0078】
同様に、関連クラス情報310aを参照すると、「CI種別」“type2”の“msg2”を出力した「CI」“CI_3”と、「CI種別」“type3”の“msg3”を出力した「CI」“CI_1”との間には、「ID」“C3”で示される波及関係が推定される。同様に、関連クラス情報310aを参照すると、「CI種別」“type2”の“msg2”を出力した「CI」“CI_3”と、「CI種別」“type3”の“msg3”を出力した「CI」“CI_2”との間には、「ID」“C3”で示される波及関係が推定される。この様にして、適用部308は、エラーメッセージをもとにCI種別を特定した結果に、関連クラス情報310aに示される波及関係を適用し、具体化対象システム200における波及関係を推定することで、波及関係を具体化する。
【0079】
適用部308により各波及関係が具体化された結果を構成情報202aに反映させると、図7に示されるように、“C1”の波及関係情報により、“type1”の“CI_4”による“msg1”の出力が“type2”の“CI_3”の“msg2”の出力へと波及したことが分かる。同様に、図7に示されるように、“C2”の波及関係情報により、“type1”の“CI_4”による“msg1”の出力が、“type3”の“CI_1”及び“CI_2”の“msg3”の出力へと波及したことが分かる。同様に、図7に示されるように、“C3”の波及関係情報により、“type2”の“CI_3”による“msg2”の出力が、“type3”の“CI_1”及び“CI_2”の“msg3”の出力へと波及したことが分かる。
【0080】
(波及関係情報を反映した構成情報)
図8は、波及関係情報を反映した具体化対象システムの構成情報の例を示す図である。管理装置300の具体化部306の処理により具体化された波及関係は、図8の例では、構成情報202aの「<CISet>」タグと「</CISet>」タグの間に、CIごとに、各CI識別情報に加えて、「CI種別」として“type”の情報が追加される。例えば、「CI id」“CI_1”は、「type」“type3”、「CI id」“CI_2”は、「type」“type3”、「CI id」“CI_3”は、「type」“type2”、「CI id」“CI_4”は、「type」“type1”であるという情報が追加される。
【0081】
また、図8の例では、構成情報202aの「<RelSet>」タグと「</RelSet>」タグの間に記述される、CI関係情報が追加される。図8の例では、CI関係情報を示す「Relation id(identifier)」が“r1”〜“r5”の各CI関係情報の定義が追加されている。図8に示す例では、“r1”のCI関係情報は、接続元のCIを示す「src」が“CI_4”であり、接続先のCIを示す「dst」が“CI_3”であり、関係クラス情報310aにおける関係クラスを示す「class」が“C1”であることを示す。同様に、“r2”のCI関係情報は、接続元のCIを示す「src」が“CI_4”であり、接続先のCIを示す「dst」が“CI_1”であり、関係クラスを示す「class」が“C2”であることを示す。
【0082】
同様に、図8に示す例では、“r3”のCI関係情報は、接続元のCIを示す「src」が“CI_4”であり、接続先のCIを示す「dst」が“CI_2”であり、関係クラスを示す「class」が“C2”であることを示す。同様に、“r4”のCI関係情報は、接続元のCIを示す「src」が“CI_3”であり、接続先のCIを示す「dst」が“CI_1”であり、関係クラスを示す「class」が“C3”であることを示す。同様に、“r5”のCI関係情報は、接続元のCIを示す「src」が“CI_3”であり、接続先のCIを示す「dst」が“CI_2”であり、関係クラスを示す「class」が“C3”であることを示す。
【0083】
(CIの抽象化処理)
図9は、CIの抽象化処理を示すフローチャートである。CIの抽象化処理は、管理装置300のオペレータによる操作タイミングやスケジューリングされた実行タイミングを契機として実行される。
【0084】
先ず、管理装置300は、抽象化対象システム100のログ情報記憶部103に記憶されるログ情報103aからログ情報を1つ取り出す(ステップS101)。そして、管理装置300は、CI別エラーメッセージ情報103bを生成する(ステップS102)。そして、管理装置300は、ステップS101で取り出したログ情報のCI識別情報及びメッセージをCI別エラーメッセージ情報103bに追加する(ステップS103)。
【0085】
そして、管理装置300は、ログ情報103aにおいて未処理のログ情報が残っているか否かを判定する(ステップS104)。管理装置300は、未処理のログ情報が残っていると判定した場合(ステップS104Yes)、ステップS101へ処理を移し、未処理のログ情報が残っていると判定しなかった場合(ステップS104No)、ステップS105へ処理を移す。
【0086】
ステップS105では、管理装置300は、CI別エラーメッセージ情報103bからCIを1つ選択する(ステップS105)。そして、管理装置300は、ステップS105で選択したCIとエラーメッセージに共通性があるCIを同一のCI種別に分類する(ステップS106)。そして、管理装置300は、ステップS106で分類したCI種別をCI種別情報309aに追加し、CI種別情報記憶部309に記憶させる(ステップS107)。
【0087】
そして、管理装置300は、CI別エラーメッセージ情報103bにおいて未処理のCIが残っているか否かを判定する(ステップS108)。管理装置300は、未処理のログ情報が残っていると判定した場合(ステップS108Yes)、ステップS105へ処理を移し、未処理のCIが残っていると判定しなかった場合(ステップS108No)、CIの抽象化処理を終了する。
【0088】
(波及関係の抽象化処理)
図10は、波及関係の抽象化処理を示すフローチャートである。波及関係の抽象化処理は、管理装置300のオペレータによる操作タイミングやスケジューリングされた実行タイミングを契機として実行される。なお、図9に示すCIの抽象化処理と、図10に示す波及関係の抽象化処理は、各処理の実行順序を問わず、また、並列に実行されてもよい。
【0089】
先ず、管理装置300は、抽象化対象システム100の波及関係情報105aから波及関係情報を1つ取り出す(ステップS201)。そして、管理装置300は、関連クラス情報記憶部310に記憶される関連クラス情報310aを取得する(ステップS202)。そして、管理装置300は、関連クラス情報310aに、ステップS201で取り出した波及関係情報と同じ内容の波及関係情報を示す関連クラス情報が存在するか否かを判定する(ステップS203)。
【0090】
管理装置300は、関連クラス情報310aに、ステップS201で取り出した波及関係情報と同じ内容の波及関係情報を示す関連クラス情報が存在すると判定した場合(ステップS203Yes)、ステップS205へ処理を移す。一方、管理装置300は、関連クラス情報310aに、ステップS201で取り出した波及関係情報と同じ内容の波及関係情報を示す関連クラス情報が存在すると判定しなかった場合(ステップS203No)、ステップS204へ処理を移す。
【0091】
ステップS204では、管理装置300は、ステップS201で波及関係情報105aから取り出した波及関係情報を新規の関連クラス情報として関連クラス情報310aに追加し、関連クラス情報記憶部310に記憶させる(ステップS204)。管理装置300は、ステップS204が終了すると、ステップS205へ処理を移す。
【0092】
ステップS205では、管理装置300は、波及関係情報105aに未処理の波及関係情報が残っているか否かを判定する(ステップS205)。管理装置300は、波及関係情報105aに未処理の波及関係情報が残っていると判定した場合(ステップS205Yes)、ステップS201へ処理を移す。一方、管理装置300は、波及関係情報105aに未処理の波及関係情報が残っていると判定しなかった場合(ステップS205No)、波及関係の抽象化処理を終了する。
【0093】
(CIの具体化処理)
図11は、CIの具体化処理を示すフローチャートである。CIの具体化処理は、管理装置300のオペレータによる操作タイミングやスケジューリングされた実行タイミングを契機として実行される。
【0094】
先ず、管理装置300は、CI別エラーメッセージ情報203bを生成する(ステップS301)。そして、管理装置300は、具体化対象システム200のログ情報記憶部203に記憶されるログ情報203aからログ情報を1つ取り出す(ステップS302)。そして、管理装置300は、ステップS302で取り出したログ情報のエラーメッセージをCI別エラーメッセージ情報203bに追加する(ステップS303)。
【0095】
そして、管理装置300は、ログ情報203aにおいてステップS301による処理が未処理のログ情報が残っているか否かを判定する(ステップS304)。管理装置300は、ログ情報203aにおいてステップS301による処理が未処理のログ情報が残っていると判定した場合(ステップS304Yes)、ステップS302へ処理を移す。一方、管理装置300は、ログ情報203aにおいてステップS301による処理が未処理のログ情報が残っていると判定しなかった場合(ステップS304No)、ステップS305へ処理を移す。
【0096】
ステップS305では、管理装置300は、CI別エラーメッセージ情報203bからCI及び対応するエラーメッセージを1つ選択する(ステップS305)。そして、管理装置300は、ステップS305で取得したCIのエラーメッセージが、CI種別情報記憶部309に記憶されるCI種別情報309aのエラーメッセージと共通性があるCI種別を、取得したCIに割り当てる(ステップS306)。この様にして、エラーメッセ−に基づき、CI種別が特定される。そして、管理装置300は、CI別エラーメッセージ情報203bにおいてステップS305による処理が未処理のCIが残っているか否かを判定する(ステップS307)。
【0097】
管理装置300は、CI別エラーメッセージ情報203bにおいてステップS305による処理が未処理のCIが残っていると判定した場合(ステップS307Yes)、ステップS305へ処理を移す。一方、管理装置300は、CI別エラーメッセージ情報203bにおいてステップS305による処理が未処理のCIが残っていると判定しなかった場合(ステップS307No)、CIの具体化処理を終了する。
【0098】
(波及関係の具体化処理)
図12は、波及関係の具体化処理を示すフローチャートである。波及関係の具体化処理は、管理装置300のオペレータによる操作タイミングやスケジューリングされた実行タイミングを契機として実行される。なお、図11に示すCIの具体化処理と、図12に示す波及関係の具体化処理は、各処理の実行順序を問わず、また、並列に実行されてもよい。
【0099】
先ず、管理装置300は、図11に示すCIの具体化処理により生成されたCI別エラーメッセージ情報203bからエントリ順序でエラーメッセージを1つ取得し、取得したエラーメッセージを第1のエラーメッセージmsg_pとする(ステップS401)。なお、ステップS401の初回の実行時では、管理装置300は、CI別エラーメッセージ情報203bの先頭のエントリを取得する。そして、管理装置300は、CI別エラーメッセージ情報203bにおいて、第1のエラーメッセージmsg_p以降にエントリされているエラーメッセージからエントリ順序で取得したエラーメッセージを第2のエラーメッセージmsg_sとする(ステップS402)。
【0100】
そして、管理装置300は、関係クラス情報310aにおいて、第1のエラーメッセージmsg_pから第2のエラーメッセージmsg_sへの波及関係情報を示す関係クラス情報が存在するか否かを判定する(ステップS403)。
【0101】
そして、管理装置300は、関係クラス情報310aにおいて、第1のエラーメッセージmsg_pから第2のエラーメッセージmsg_sへの波及関係情報を示す関係クラス情報が存在すると判定した場合(ステップS403Yes)、ステップS404へ処理を移す。一方、管理装置300は、関係クラス情報310aにおいて、第1のエラーメッセージmsg_pから第2のエラーメッセージmsg_sへの波及関係情報を示す関係クラス情報が存在すると判定しなかった場合(ステップS403No)、ステップS405へ処理を移す。
【0102】
ステップS404では、管理装置300は、第1のエラーメッセージmsg_pから第2のエラーメッセージmsg_sへの波及関係情報を示す関係クラス情報で、具体化対象システム200における波及関係情報を具体化する(ステップS404)。具体的には、管理装置300は、第1のエラーメッセージmsg_pを出力したCI種別から第2のエラーメッセージmsg_sを出力したCI種別への関係クラス情報を、構成情報記憶部202に記憶される構成情報202aに、新たな波及関係情報として追加して定義する。この様にして、具体化対象システム200における波及関係情報やCI関連情報を定義できる。管理装置300は、ステップS404の処理が終了すると、ステップS405へ処理を移す。
【0103】
ステップS405では、管理装置300は、ステップS402で取得した第2のエラーメッセージmsg_sは、CI別エラーメッセージ情報203bにおける最終エントリであるか否かを判定する。管理装置300は、ステップS402で取得した第2のエラーメッセージmsg_sは、CI別エラーメッセージ情報203bにおける最終エントリであると判定した場合(ステップS405Yes)、ステップS406へ処理を移す。一方、管理装置300は、ステップS402で取得した第2のエラーメッセージmsg_sは、CI別エラーメッセージ情報203bにおける最終エントリであると判定しなかった場合(ステップS405No)、ステップS402へ処理を移す。
【0104】
なお、管理装置300は、ステップS405Noから処理を移したステップS402では、CI別のエラーメッセージ情報203bにおいて、第2のエラーメッセージmsg_sとして前回取得したエラーメッセージの次のエントリのエラーメッセージを取得する。
【0105】
ステップS406では、管理装置300は、ステップS401で取得した第1のエラーメッセージmsg_pは、CI別エラーメッセージ情報203bにおける最終エントリの1つ前のエントリであるか否かを判定する。CI別エラーメッセージ情報203bにおいて、ステップS401で取得した第1のエラーメッセージmsg_pが最終エントリの1つ前のエントリである場合、ステップS402で第2のエラーメッセージmsg_sとして取得されたエラーメッセージが最終エントリである。この場合、管理装置300は、CI別エラーメッセージ情報203bにおいて、全ての2つのエントリの組合せについて、ステップS403の処理を行い、該当する波及関係情報を示す関係クラスの存在確認を終了していることになる。よって、管理装置300は、ステップS401で取得した第1のエラーメッセージmsg_pは、CI別エラーメッセージ情報203bにおける最終エントリの1つ前のエントリであるか否かを判定することにより、波及関係の具体化処理の終了判定を行う。
【0106】
管理装置300は、ステップS401で取得した第1のエラーメッセージmsg_pは、CI別エラーメッセージ情報203bにおける最終エントリの1つ前のエントリであると判定した場合(ステップS406Yes)、波及関係の具体化処理を終了する。一方、管理装置300は、ステップS401で取得した第1のエラーメッセージmsg_pは、CI別エラーメッセージ情報203bにおける最終エントリの1つ前のエントリであると判定しなかった場合(ステップS406No)、ステップS401へ処理を移す。
【0107】
なお、管理装置300は、ステップS406Noから処理を移したステップS401では、CI別エラーメッセージ情報203bにおいて、第1のエラーメッセージmsg_pとして前回取得したエラーメッセージの次のエントリのエラーメッセージを取得する。
【0108】
(第2の実施の形態の効果)
管理装置300は、抽象化対象システム100の各CIが出力したエラーメッセージを、エラーメッセージの共通性に着目して、共通性があるエラーメッセージを出力したCIを同一のCI種別に分類したCI種別情報309aを生成する。そして、管理装置300は、CI種別情報309aと、抽象化対象システム100の各CIが出力したエラーメッセージの波及関係情報に基づいて、CI種別間でのエラーメッセージの波及関係情報を示す関連クラスを生成する。
【0109】
また、管理装置300は、具体化対象システム200の各CIを、各CIが出力したエラーメッセージと共通性がある、CI種別情報309aに示されるエラーメッセージを出力したCI種別に分類する。そして、管理装置300は、具体化対象システム200の各CIを各CI種別に分類した結果に対して、CI種別間でのエラーメッセージの波及関係情報を示す関連クラスを適用する。
【0110】
よって、抽象化対象システム100から各CI間の波及関係情報を抽象化して具体化対象システム200に適用することができるので、抽象化対象システム100から得られた情報を流用して、具体化対象システム200の各CI間の因果関係を定義できる。すなわち、具体化対象システム200において各CI情報や各CI関係情報が十分でない場合でも、抽象化対象システム100で蓄積した各CI間でのエラーメッセージの波及関係情報を流用して各CI関係情報やエラーメッセージの波及関係情報を定義できる。よって、異なるシステム間でシステムの運用ノウハウの流用、再利用が可能になるので、迅速な障害対応が可能になり、システムの運用管理のコスト抑制が期待できる場合がある。
【0111】
(管理プログラム)
以上の実施の形態で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行させることで行ってもよい。図13は、以上の実施の形態で説明した各種の処理を管理プログラムにより実行させるコンピュータの一例を示す図である。
【0112】
図13に示すように、コンピュータ500は、バス507を介して接続されるCPU501、RAM502、外部記憶装置503、オペレータの操作を受け付ける操作部504、各種処理の実行に係る情報を表示する表示部505、通信部506を有する。
【0113】
外部記憶装置503には、図2に示した抽象化部303、具体化部306と同様の機能を発揮する管理プログラム及び管理プログラムの実行に要する各種データが予め格納される。管理プログラムには、図9に示すCIの抽象化処理をコンピュータ500に実行させるCI抽象化プログラム503aが含まれる。また、管理プログラムには、図10に示す波及関係の抽象化処理をコンピュータ500に実行させる波及関係抽象化プログラム503bが含まれる。
【0114】
また、管理プログラムには、図11に示すCIの具体化処理をコンピュータ500に実行させるCI具体化プログラム503cが含まれる。また、管理プログラムには、図12に示す波及関係の具体化処理をコンピュータ500に実行させる波及関係具体化プログラム503dが含まれる。管理プログラムは、図2に示した各部と同様、適宜統合又は分離してもよい。
【0115】
また、管理プログラムの実行に要する各種データには、図5Aに示すCI種別情報309a及び図5Bに示す関係クラス情報310aが含まれる。
【0116】
図13に示す様に、CPU501が、各プログラム503a〜503dを外部記憶装置503から読み出して実行する。これにより、CI抽象化プログラム503aは、CI抽象化プロセス501aとして機能する。また、波及関係抽象化プログラム503bは、波及関係抽象化プロセス501bとして機能する。また、CI具体化プログラム503cは、CI具体化プロセス501cとして機能する。また、波及関係具体化プログラム503dは、波及関係具体化プロセス501dとして機能する。
【0117】
CI抽象化プロセス501aは、図2に示す抽象化部303の分類部304が実行する処理、例えば図9に示すCI抽象化処理を含む。また、波及関係抽象化プロセス501bは、図2に示す抽象化部303の生成部305が実行する処理、例えば図10に示す波及関係抽象化処理を含む。また、CI具体化プロセス501cは、図2に示す具体化部306の分類部307が実行する処理、例えば図11に示すCI具体化処理を含む。また、波及関係具体化プロセス501dは、図2に示す具体化部306の適用部308が実行する処理、例えば図11に示す波及関係具体化処理を含む。
【0118】
なお、各プログラム503a〜503dによりCPU501、RAM502及び外部記憶装置503で実現される図2に示す各部は、処理の実行時に適宜に実現されればよい。また、各プログラム503a〜503dについては、予め外部記憶装置503に格納されていなくともよい。例えば、コンピュータ500が読み取り可能な可搬の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、集積回路搭載カード等の可搬用の物理媒体に各プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ500が、媒体読み取り装置を介して可搬用の物理媒体から各プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。また、公衆回線網又は閉域回線網を介してコンピュータ500と通信部506を介して通信可能な他のコンピュータから各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0119】
S1、S2 管理システム
10 第1のシステム
11 ログ情報記憶部
12 波及関係情報記憶部
20 第2のシステム
21 ログ情報記憶部
22 波及関係情報記憶部
30 管理装置
31 第1の分類部
32 第1の分類結果情報記憶部
33 生成部
34 関連性情報記憶部
35 第2の分類部
36 適用部
100 抽象化対象システム
101 制御部
102 構成情報記憶部
103 ログ情報記憶部
104 傷害事例情報記憶部
105 波及関係情報記憶部
106 メッセージ辞書記憶部
200 具体化対象システム
201 制御部
202 構成情報記憶部
203 ログ情報記憶部
206 メッセージ辞書記憶部
300 管理装置
301 制御部
302 波及関係情報抽出部
303 抽象化部
304 分類部
305 生成部
306 具体化部
307 分類部
308 適用部
309 CI種別情報記憶部
310 関係クラス情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシステムの構成要素が出力したメッセージのログ情報を参照し、メッセージに共通性がある構成要素を同じ構成要素のグループに分類する第1の分類部と、
前記第1の分類部による分類結果と、前記第1のシステムの構成要素が出力したメッセージの波及関係とに基づいて、メッセージの波及関係を示す関連性情報を生成する生成部と、
第2のシステムの構成要素が出力したメッセージのログ情報と、前記第1の分類部による分類結果とを参照し、各構成要素を前記構成要素のグループの何れかに分類する第2の分類部と、
前記第2のシステムのログ情報を参照し、前記第2の分類部により分類された構成要素のグループのうち、前記関連性情報に示されるメッセージの波及関係を満たす構成要素のグループに対して前記関連性情報を対応付ける適用部と
を備えたことを特徴とするシステムの管理装置。
【請求項2】
前記第1の分類部は、前記構成要素ごとに前記メッセージを区分けし、区分けされたメッセージに共通性がある構成要素を同じ構成要素のグループに分類する
ことを特徴とする請求項1に記載のシステムの管理装置。
【請求項3】
前記生成部は、波及元のメッセージ、波及先のメッセージ、各メッセージを出力した構成要素を示す情報を含む前記メッセージの波及関係から、前記波及元のメッセージ及び波及先のメッセージに共通性がある波及関係を集約し、前記関連性情報を生成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシステムの管理装置。
【請求項4】
前記第2の分類部は、前記システムの構成要素が出力したメッセージを前記構成要素ごとに区分けし、区分けされたメッセージと、前記第1の分類部により分類されたメッセージとを比較して、各構成要素を前記構成要素のグループの何れかに分類する
ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載のシステムの管理装置。
【請求項5】
前記適用部は、前記第2のシステムのログ情報を参照し、前記関連性情報に示される波及関係に該当する波及元及び波及先のメッセージを出力した構成要素をそれぞれ特定し、前記第2の分類部による分類結果から前記構成要素が属する構成要素のグループそれぞれ特定し、特定した各構成要素のグループ間で前記関連性情報を対応付ける
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載のシステムの管理装置。
【請求項6】
第1のシステムの構成要素が出力したメッセージのログ情報を参照し、メッセージに共通性がある構成要素を同じ構成要素のグループに分類し、
前記第1のシステムの構成要素を前記構成要素のグループに分類した結果と、前記第1のシステムの構成要素が出力したメッセージの波及関係とに基づいて、メッセージの波及関係を示す関連性情報を生成し、
第2のシステムの構成要素が出力したメッセージのログ情報と、前記第1のシステムの構成要素を前記構成要素のグループに分類した結果とを参照し、前記第2のシステムの構成要素を前記構成要素のグループの何れかに分類し、
前記第2のシステムのログ情報を参照し、前記第2のシステムの構成要素を分類した前記構成要素のグループの何れかのうち、前記関連性情報に示されるメッセージの波及関係を満たす構成要素のグループに対して前記関連性情報を対応付ける
処理をシステムの管理装置が実行することを特徴とするシステムの管理方法。
【請求項7】
第1のシステムの構成要素が出力したメッセージのログ情報を参照し、メッセージに共通性がある構成要素を同じ構成要素のグループに分類し、
前記第1のシステムの構成要素を前記構成要素のグループに分類した結果と、前記第1のシステムの構成要素が出力したメッセージの波及関係とに基づいて、メッセージの波及関係を示す関連性情報を生成し、
第2のシステムの構成要素が出力したメッセージのログ情報と、前記第1のシステムの構成要素を前記構成要素のグループに分類した結果とを参照し、前記第2のシステムの構成要素を前記構成要素のグループの何れかに分類し、
前記第2のシステムのログ情報を参照し、前記第2のシステムの構成要素を分類した前記構成要素のグループの何れかのうち、前記関連性情報に示されるメッセージの波及関係を満たす構成要素のグループに対して前記関連性情報を対応付ける
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするシステムの管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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