説明

システムキッチン

【課題】コンセントをシステムキッチンの外面から見えにくい場所に装備する。
【解決手段】キャビネット110、210上方のワークトップ150、250に、水栓142および排水口141を有するシンク140を配設したステムキッチン100、200において、ワークトップ150、250の周縁に沿ってシンクの縁よりも高い棚部152、252を形成し、棚部152、252の下面、もしくは下面とキャビネット110、210とで成す角部R1、R2近傍に少なくとも一個のコンセント504を配置する。棚部152、252は、ワークトップ150、250の長辺に沿って形成され、電気接続具504を、角部R1、R2近傍の棚部152、252の下面またはキャビネット110、210の側面211に装備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムキッチンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、シンクやコンロ、収納などの要素を組み合わせ、ワークトップ(天板)の下にまとめてシステム構成したシステムキッチンが提供され、広く普及している。
【0003】
また近年、特別な敷居を設けることなく、リビングダイニングとして一つの部屋を構成している全開放型のいわゆる対面式オープンキッチンが生産されている。オープンキッチンは屋内を全体的に広く感じることができ、またキッチンで調理する者と、リビングダイニングに居る者との間でコミュニケーションが交わしやすいという利点を有する。
【0004】
従来、システムキッチンに電気プラグ差し込み用のコンセントを設けた技術として、例えば、特許文献1および特許文献2に記載の技術が知られている。これら特許文献1、2に記載のものは、いずれもコンセントは外部に露呈する形態で組み込まれている。係る構成により、コンセントに各種電気器具のプラグを差し込むことにより、電源電流を電気器具に供給するようになっている。
【特許文献1】特開2003−52467号公報
【特許文献2】特開平6−121719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1および特許文献2に記載の技術におけるコンセントは、システムキッチンの外表面に露呈するような場所に装備されているため、外観体裁が極めて悪く、システムキッチンのデザインを損ねる問題がある。またシステムキッチンの周辺は水に濡れるおそれが高いため、電機器具の設置には大きな制約がある。
【0006】
本発明は、上記技術的課題に着目してなされたものであり、コンセントをシステムキッチンの外面から見えにくく、また極めて濡れにくい場所に装備することで、外観体裁の向上と安全性の確保を図ることのできるシステムキッチンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、キャビネット上方のワークトップに、水栓および排水口を有するシンクを配設したステムキッチンにおいて、ワークトップの周縁に沿ってシンクの縁よりも高い棚部を形成し、棚部の下面、もしくは下面とキャビネットとで成す角部近傍に少なくとも一個の電気プラグ差し込み用のコンセントを配置したことを特徴とする。
【0008】
係る構成によれば、角部近傍にコンセントを装備するので、コンセントは外部から見えにくい。これによりシステムキッチンの外観体裁を向上できるようになる。
【0009】
またシンクにおいて水が飛散しても飛沫をかぶるおそれがなく、高い安全性を確保することができる。特にワークトップの端部に設置した棚部に電気器具を常設する場合に、上記のコンセントを利用することにより、部屋の壁から電気コードを引き回すことなく好適に使用することができる。すなわちシステムキッチンと壁との間にコードがなく、外観上の収まりがよいばかりか、通行する使用者がコードにひっかかることがないため、安全性も向上する。この場合においても、コンセントは棚部下面もしくは下面とキャビネットとで成す角部近傍に設けられていることから、コンセントは外部から見にくく、また水ぬれを防止することができる。
【0010】
(2)また、棚部は、ワークトップの長辺に沿って形成され、コンセントを、角部近傍の棚部の下面またはキャビネットの側面に装備するのが好ましい。
【0011】
これによれば、コンセントは角部近傍の棚部またはキャビネットの側面に装備されるため、システムキッチン周囲に居る人からコンセントを容易には見ることができないように装備されており、システムキッチンの外観体裁を向上できるようになる。またオープンキッチンにおいて居間側から利用することができ、システムキッチンをキッチン側と居間側の両方から有効に利用できる。
【0012】
(3)また、シンクを、長手方向の一端に設ける一方、棚部を該シンクに隣接して長手方向端部からワークトップの外側へ突出させ、さらに、コンセントを棚部下面またはキャビネットの側面に装備するようにしてもよい。
【0013】
このような構成とすることで、システムキッチンの長手方向であって、かつ、ワークトップの外側へ突出して形成した棚部を備えた形態のシステムキッチンの場合でも、コンセントをこの棚部下面とキャビネットの側面との間で形成される角部近傍における棚部下面またはキャビネットの側面に取付けることで、コンセントは外部から見えにくくなり、これによりシステムキッチンの見栄えを損ねることを回避できるようになる。
【0014】
(4)また、棚部は、水平方向に引き出し可能なカトラリートレイを備えていてもよい。これにより、調理具や食器類の収納スペースを増大することができ、システムキッチンの利用価値を高めることができるようになる。
【0015】
(5)また、上記のコンセントを設ける位置には、コンセントに限らず、電気スイッチや電話線のモジュラジャックなどの電気接続具を設けることでもよい。これによりコンセント同様に、外観を損ねること、および水濡れを防止しつつ、棚部において電気器具を常設する際の利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、システムキッチンにおいてコンセントを外部から目立ちにくく水濡れしない位置に装備することで、デザイン性を何ら損ねることがなく、システムキッチンに装備される間接照明装置や種々の調理用電気器具や部屋の電気掃除機等への電源供給を容易に行えるので、家族との接点の場所、食と住の集まる家族のコミュニケーションの場に相応しいシステムキッチンを提供できる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図を参照して詳述する。なお、以下の各実施形態に示される寸法、材料、その他具体的な数値などは本発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0018】
[第一の実施形態]
図1は第一の実施形態に係るシステムキッチン100の概要構成を示す外観斜視図、図2(a)はシステムキッチン100におけるワークトップ(天板)150の平面図、同(b)は(a)のA−A線における矢視断面図、同(c)は(a)のB−B線における矢視断面図である。システムキッチン100は、特別な敷居を設けることなく、リビングとダイニングとが一つの部屋で共存する対面式のオープンキッチンである。システムキッチン100の背後の壁には壁側戸棚120が設置されている。対面式カウンタータイプのキッチン100により、壁側戸棚120とシステムキッチン100との間で調理する人と、ダイニングまたはダイニング兼用のリビング側にいる家族や友人との間でコミュニケーションが取りやすく、また、システムキッチン100周辺でくつろぎの場や時間を過ごすことができる態様となるように構成されている。
【0019】
なお、上記壁側戸棚120には、戸棚170と、これより大容量の収納空間を有する壁側収納部172とが配備されている。壁側収納部172は、戸棚170の底面に設置した図示されない照明装置によりその上面が照明される。また、戸棚170の上部には照明装置が設けられ、壁面の上方を照らすことで間接照明を行い、壁側戸棚120およびシステムキッチン100を配備した周辺空間に落ち着いた上品な高級感と美観を醸し出すようにしている。
【0020】
上記のシステムキッチン100は図1に示されるように、鍋、釜等の調理具、食器類、洗剤等を適宜に収納する収納部等を備えたキャビネット110を有し、全体として直方体形状の対面式カウンターの形態に形成される。その長手方向のほぼ中央にシンク140が配備され、該シンク140に常温水や温水を適宜に供給する水栓142が設けられる。図1においてシンク140の右方側には、加熱調理器144が設けられる一方で、シンク140や加熱調理器144が配備されないそれ以外の部分には、調理作業台としてのカウンター面を形成したワークトップ(天板)150が設けられる。加熱調理器144はワークトップ150の面とほぼ同一面に耐熱ガラス板やセラミック板等を設けたIHヒータで形成されるが、勿論、自体公知のガス加熱調理器を利用する形態のものであってもよい。
【0021】
リビングルーム(あるいはダイニングルーム)側に面したキャビネット110の外壁面(側面)には、軽食やおやつ等を食するためのカフェテーブル160と、本や雑誌等を収納するマガジン収納部164が装備される。カフェテーブル160は図3に示すようにブラケット161を介してキャビネット110の側面に取付けられる。カフェテーブル160の手前に二脚の椅子162を配することで、カフェテーブル160を飲食や家計簿への記帳仕事にも利用できる。
【0022】
上記の加熱調理器144近傍には、透明あるいは半透明の合成樹脂、ガラス等で形成した導風板148が立設される。この導風板148により、加熱調理器144上方の天井から懸垂されレンジフード146へ、加熱調理器144による調理で発生する湯気、油煙等を偏向して導き、図示されない排気手段を介して屋外へ排出するようにしている。
【0023】
ワークトップ150のリビングルーム側の周縁には、その長辺に沿い、かつ、シンク140の縁140aよりも高い棚部152が一体に形成される。より具体的に説明すると、ワークトップ150と棚部152とは、上方に向かうに応じて棚部152側へ後傾して傾斜する棚部側面154により連続している。
【0024】
カフェテーブル160に沿って形成される棚部152の下面に、図示されない照明装置を取付けられる。該照明装置を点灯させることで、カフェテーブル160上の手元が間接照明され、システムキッチン200のデザイン性を高めることができるようになっている。
【0025】
シンク140は、合成樹脂やステンレス鋼板等の素材を用いてワークトップ150と一体成形されるのが好ましいが、別個に成形したもの同士を後から結合してアセンブリする構成としてもよいことは言うまでもない。このシンク140には、図2に示されるように、上記の水栓142の他に、排水口141が設けられ、水栓142は棚部152に隣接する棚部側面154の近傍に設けられる。
【0026】
シンク140の棚部152と隣接する側面には、上方に向かうに応じて棚部152側へ後傾する傾斜面140bが形成される。傾斜面140bはシンク140側面のほぼ中央部、すなわち水栓142の取付け部の周囲にのみ設けられており、傾斜面140bの両側に垂直面140cが形成される。傾斜面140bと垂直面140cとの境界に形成される段部140dは上方にいくほど傾斜が大きくなり、ワークトップ150の上面となだらかに連続するようになっている。
【0027】
そして、水栓142の取付け部周囲の傾斜面140bは、棚部側面154と連続するように形成される。換言すると、水栓142の後方において、棚部側面154からシンク140の底部までなだらかに連続する傾斜面が形成される。
【0028】
本第一の実施形態において、ワークトップ150の幅W1は800mmであり、棚部152の幅は195mmの寸法に設定している。棚部152の高さは40mmである。上記説明した如く、ワークトップ150上にシンク140の縁よりも高い、すなわち、調理作業スペースよりも高い棚部152を設けることで、洗い水が飛散したとしても、棚部152へは到達しにくくなるようにしている。これにより、棚部152はドライエリア(濡れないことが前提の乾いた領域)となる。また、水栓142をシンク140の棚部近傍に設置しているので、棚部152は洗い水の飛散する方向に対して後方側(リビングルーム側)に存することから、棚部152の上まで洗い水が跳ねることを防止できるようになっている。
【0029】
また、棚部152はキッチンの後方、すなわちリビングルーム側に設けられているため、キッチン側およびリビングルーム側の両側から多目的に利用可能な領域として活用できる。したがって、リビングルーム側からも置物、本、時計、ラジオ等を置いたりすることで、オープンキッチン(システムキッチン)をリビングルームに設けた設備の一つとして有効に利用できるようにしている。
【0030】
さらに、上記棚部152はワークトップ150の後方側(リビングルーム側)に配備しているためワークトップ150上の目隠しとすることができる。これにより、雑多な食材や調理道具、雑然とした作業状態などをリビングルーム側から見えにくくすることで、リビングルーム側からの美観を向上させるようにしている。
【0031】
次に、本発明の技術的特徴であるコンセントを配置する構成を、主として図3を参照しながら説明する。すなわち、ワークトップ150の左端(図1からみて)におけるワークトップ150の周縁である棚部152の下面とキャビネット110とで角部R1が形成される。棚部152の下面には、芯材152aが、また、キャビネット110外面には、キャビネットの側面としてのバックパネル110aがそれぞれ適宜の接着剤等の接合手段により被着される。芯材152aとバックパネル110aとが、板金加工でほぼ直角に折曲げて形成した結合部材500を介してビス502により締結される。
【0032】
一方、棚部152に折曲げ形成したフランジ152bからできるだけ奥まった角部R1に存する結合部材500の個所に、コンセント504がビス等の適宜の締結具を介して結合される。このコンセント504の左側部(背部)から引き出された電線506を結合部材500やバックパネル110aに設けた穴を通してキャビネット内部へ配線する。このように、コンセント504は結合部材500を介して棚部152下面の角部R1に位置決め固定される。コンセント504は棚部152下面の角部R1の奥まった位置、換言すると、外部から視認しにくい位置に、外部から目隠しされたような状態で設けられることとなる。
【0033】
本第一の実施形態によれば、システムキッチン100の外観体裁を損ねることなく、コンセント504を角部R1の奥まった棚部152下面に装備したので、外部からコンセント504が見えにくくなり、それだけシステムキッチン100の外観体裁を向上できる利点がある。また、このコンセント504を利用することで、電気掃除機や各種のキッチン用電気器具を容易に利用できて便利である。
【0034】
また上記の棚部152は濡れにくい領域(ドライエリア)であるが、さらに棚部152の下面に装備したことにより、シンクにおいていかに水が飛散してもコンセント504が飛沫をかぶるおそれがなく、極めて高い安全性を確保することができる。
【0035】
上記ではカフェテーブル160は、キャビネット110側に固定した場合について説明したが、キャビネットに対して図示されないヒンジを介して矢印Q方向へ回動するように取付ける構造であってもよい。これにより、カフェテーブル160を使用しない場合には、カフェテーブル160がキャビネット側に接するように垂下し、使用する場合にはカフェテーブル160を矢印Q方向へ回動してほぼ水平な状態となる位置で位置決め固定する形態でもよい。
【0036】
上記第一の実施形態では、コンセント504を棚部152の下面に装備する場合を説明したが、棚部152の下面側でなく、角部R1近傍におけるキャビネット110に装備する構成としてもよいのは勿論である。
【0037】
また、カフェテーブル160を設けない態様のシステムキッチン100にも適用してもよい。
【0038】
また、コンセント504を装備する位置は、棚部152の左端の角部R1であったが、コンセント504が外部から目立たない角部R1であれば、棚部152長手方向に沿う適宜の位置に、かつ、複数個のコンセント504を設置することも可能である。
【0039】
また、上記ではコンセント504を装備した例を挙げて説明したが、この代わりに、シーソ式あるいはプッシュ式の電気スイッチや電話線のモジュラジャック、テレビアンテナのプラグなどの電気接続具を装備してもよい。この電気スイッチをON、OFF操作することで、棚部152下面に沿って設けた照明装置を点消灯させてカフェテーブル160上の手元を間接照明することができるようになる。なお、この場合、電気スイッチと上記のコンセント504とを同時にユニット化した構造の電気接続具を装備する態様にすることも可能である。これらいずれの場合にも、外部から電気接続具が露見されないように装備されるので、システムキッチン100の外観体裁を損ねることを回避できる。
【0040】
また、コンセント504は複数のプラグ508を差し込むことができる態様のものでもよいのは言うまでもない。
【0041】
[第二の実施形態]
本第二の実施形態におけるシステムキッチン200は、その長手方向の一端にシンク140を設けた点、およびシンク140に隣接し、長手方向にワークトップ250の外側へ突出する棚部(以下では、「サポートデッキ」という)252を設けた点、およびコンセント504をキャビネット210の側壁面211に装備した点において大きく相違し、その他の構成は上記の第一の実施形態と実質的に同一である。第一の実施形態の構成要素と実質的に同一または均等である部材または部分には、これらに用いたと同じ符号を付して、その詳細な説明は割愛することとする。
【0042】
本システムキッチン200におけるシンク140には、図5に示すように、サポートデッキ252近傍に水栓142が設置され、キッチン側およびリビングダイニング側の両方に対して横向きに設置されている。これにより、ワークトップ250およびシンク140は、システムキッチン200を隔てた両側から利用できるようになる。
【0043】
このシステムキッチン200は、部屋のどこにも設置可能であり、例えば部屋の中央に設置してもよい。
【0044】
上記のサポートデッキ252は、シンク140に隣接するが、ワークトップ250の外側へ突出するとともに、サポートデッキ252の上面をシンク140の縁よりも高く形成される。これにより、水跳ねを確実に防止し、より完全なドライエリアとして形成することが可能となる。このサポートデッキ252により、本来であればウェットエリアであるはずのシンク140付近に、水仕事以外の作業に用いられるドライエリアが形成される。
【0045】
また、サポートデッキ252を高く形成するには、サポートデッキ252を高所に移動させるのではなく、サポートデッキ252の厚みWを厚くすることで実現できる。なお、サポートデッキ252の厚みWは、カトラリートレイ300を十分に収納する厚みを確保する観点から、80mm以上であることが好ましい。
【0046】
サポートデッキ252には、その厚みを利用して収納箱としてのカトラリートレイ300が設けられる。このカトラリートレイ300は、水平方向へ引出自在にスライドして引き出すことができる。また、カトラリートレイ300の前面に化粧板310が被覆され、サポートデッキ252と一体的な外観体裁を呈するように形成されている。
【0047】
サポートデッキ252とカトラリートレイ300の構成を図6に基づいてさらに説明する。サポートデッキ252は例えば3本のL字状の支持金具(ブラケット)370A〜370Cによりキャビネット210の側壁面211(側面)に固定される。サポートデッキ252にはレール380A、380Bが取付けられ、これらレールにスライド自在にカトラリートレイ300が設けられる。
【0048】
図6(b)に示すように、ワークトップ250の上面とサポートデッキ252の上面とは、サポートデッキ252の側面254により連続している。サポートデッキ252の側面254は上方に向かうに従ってサポートデッキ252側に後退するように傾斜している。
【0049】
また、シンク140の水栓142(図6ではその図示を省略している)の取付部周囲の傾斜面140bは、サポートデッキ側面254と連続するように形成される。
【0050】
こうして形成されるサポートデッキ252は、調理や配膳時の一時置場として利用でき、また、本棚や電話、FAX、コンピュータ等を設置するスペースとしても活用できるようになっている。
【0051】
カトラリートレイ300は、図9、図10に示されるように、例えば5つの収納部300Aから390Eに区画されている。両側の4つの収納部390A〜390Dは、ほぼ等しい寸法を有する大型の収納部であり、中央の収納部390Eは、小物を収容できるようになっている。
【0052】
こうして、サポートデッキ252側に設けたレール380Aおよび380Bを介してカトラリートレイ300の左右両側面がスライド可能にサポートデッキ252に支持され、図10に示すようにカトラリートレイ300を矢印450方向へ引き出し自在に組み込むことができる。なお、カトラリートレイ300を矢印460または470方向へ引き出される形態とすることも可能である。
【0053】
また、図4に示されるように、サポートデッキ252の下方には、実質的に床520からワークトップ250の下面までの高さを有するスペースが形成されるが、このスペースに他の食卓を接近させて配置することが可能であり、また、別の収納棚やタオル掛けなど、食卓以外の物を配置したりするスペースとして有効利用できるようになっている。
【0054】
コンセント504は、図7、図8に示されるように、サポートデッキ252下方におけるキャビネット210の側壁面211(側面)に装備される。具体的には、サポートデッキ252下面と側壁面211とで成す角部R2近傍であって、L字支持金具370Aと370Bとの間、またはL字支持金具370Bと370Cとの間の、カトラリートレイ300の引き出し動作に干渉することのない側壁面211にコンセント504が設けられる。コンセント504は、その外表面が側壁面211とほぼ同一面を成すようにして取付ける。換言すると、コンセント504を側壁面211の内側へ埋設するような形態で装備する。なお、コンセント504の側壁面211への取付けは、適宜のビス等の締結具を用いて取付けられる。こうして、プラグ508がコンセント504へ差し込まれることで、電気器具への電力供給が可能となる。
【0055】
本第二の実施形態によれば、コンセント504はサポートデッキ252の付け根に相当する角部R2近傍の側壁面211に外方へ出っ張ることなく取付けられるので、外部からコンセント504の存在が気付かれることがない。換言すると、コンセント504があからさまに外部に露見しない形態でシステムキッチン200に装備されるため、システムキッチン200の外観デザインを何ら損ねることはない。
【0056】
また特に、本第二の実施形態にかかるサポートデッキ252は面積が大きいため、コーヒーメーカーや電話、FAX、コンピュータ等の電気機器を常設することが考えられる。この場合において、部屋の壁から電気コードを引き回すことなく配電できるため、システムキッチンと壁との間にコードがない。したがって外観上の収まりがよいばかりか、通行する使用者がコードにひっかかることがないため、安全性も向上する。
【0057】
なお、第二の実施形態では、コンセント504をL字支持金具370Cの内側近傍に設けたが、図7に示すように外側近傍にコンセント504aを設けても良い。この場合でも、コンセント504aは角部R2近傍に装備されるので、人目に触れにくく、システムキッチン200の体裁を損ねることはない。
【0058】
また、コンセント504は側壁面211側に設けたが、サポートデッキ252にカトラリートレイ300を装備しない態様の場合には、コンセント504をサポートデッキ252下面に装備してもよい。このとき、コンセント504の装備位置は、角部R2近傍のみならず、サポートデッキ252の下面であって先端寄り(サポートデッキ252の中央よりも端部側)であってもよい。
【0059】
また、コンセント504は、L字支持金具370A、370B、370Cに干渉しない場所であれば、その装備個数は一個に限定されず、任意の個数を装備できるのは言うまでもない。
【0060】
また、上記第一の実施形態の場合と同様に、コンセント504の代わりにプッシュ式あるいはシーソ式のON、OFFスイッチや電話線のモジュラジャックなどの電気接続具でもよく、あるいはこれらを併用する形態の電気接続具であってもよい。
【0061】
以上、本発明を第一の実施形態および第二の実施形態により詳述してきたが、具体的な構成はこの一実施例に限られるものでなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本考案の範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明はシステムキッチンに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第一の実施形態に係るシステムキッチンの概要構成を示す外観斜視図である。
【図2】図1のシステムキッチンを部分的に断面図で示す三面図であり、(a)はシステムキッチンにおけるワークトップ(天板)の平面図、同(b)は(a)のA−A線における矢視断面図、同(c)は(a)のB−B線における矢視断面図である
【図3】図2(a)のC−C線における矢視拡大断面図である。
【図4】本発明の第二の実施形態に係るシステムキッチンを示す外観斜視図である。
【図5】上記のシステムキッチンの概要構成を示す外観斜視図である。
【図6】図5のシステムキッチンを部分的に断面図で示す三面図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線における矢視断面図、(c)は(a)のC−C線における矢視断面図である。
【図7】図6(b)の矢印D方向からカフェテーブル下面を仰いで視た部分外観斜視図である。
【図8】図6(b)の角部R2近傍を拡大して示した要部拡大断面図である。
【図9】カトラリートレイがサポートデッキから引き出される様子を示す外観斜視図である。
【図10】図9のカトラリートレイを他の方向から視た外観斜視図である。
【符号の説明】
【0064】
100 システムキッチン
110 キャビン
110a バックパネル(側面)
140 シンク
141 排水口
142 水栓
144 加熱調理器
150 ワークトップ
152 棚部
152a 芯材
152b フランジ
160 カフェテーブル
200 システムキッチン
210 キャビネット
211 側壁面(側面)
250 ワークトップ
252 サポートデッキ(棚部)
300 カトラリートレイ
370A、370B、370C L字支持金具
500 結合部材
502 ビス
504 コンセント
506 電線
508 プラグ
R1、R2 角部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネット上方のワークトップに、水栓および排水口を有するシンクを配設したステムキッチンにおいて、
前記ワークトップの周縁に沿って前記シンクの縁よりも高い棚部を形成し、
前記棚部の下面、もしくは該下面と前記キャビネットとで成す角部近傍に少なくとも一個の電気プラグ差し込み用のコンセントを配置したことを特徴とするシステムキッチン。
【請求項2】
前記棚部は、前記ワークトップの長辺に沿って形成され、前記コンセントを、前記角部近傍の前記棚部の下面または前記キャビネットの側面に装備したことを特徴とする請求項1記載のシステムキッチン。
【請求項3】
前記シンクを、前記ワークトップの長手方向の一端に設ける一方、前記棚部を該シンクに隣接して前記長手方向端部から前記ワークトップの外側へ突出させ、さらに、前記コンセントを前記棚部下面または前記キャビネットの側面に装備したことを特徴とする請求項1記載のシステムキッチン。
【請求項4】
前記棚部に、水平方向に引き出し可能なカトラリートレイを備えたことを特徴とする請求項3記載のシステムキッチン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−5877(P2009−5877A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−169830(P2007−169830)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(000104973)クリナップ株式会社 (341)
【Fターム(参考)】