システム状態表示方法、そのプログラムおよび情報処理装置
【課題】システムのコンポーネントの状態を動的なレイアウトで表示し、ユーザに重要な状態を分かりやすく提示する。
【解決手段】S23では、管理サーバ2は検出した起動開始時刻と起動完了時刻のセットの間において発生した店頭端末機1、プリンタ3、ネットワーク8のイベントに対する点数を付与し、各イベントの点数を総和した値である集計点を算出する。S24では、管理サーバ2は集計点に基づいて各コンポーネントの状態情報の表示サイズを決定する。すなわち、管理サーバ2は同一種類に属する全てのコンポーネントの集計点を数字の高いものからソートする。管理サーバ2は、同一種類に属するあるコンポーネントの集計点が、ソートされた集計点の中の数字の高いものから所定の順序内(例えば上位1/2)にあれば、当該コンポーネントの状態情報の表示サイズを「大」に決定する。
【解決手段】S23では、管理サーバ2は検出した起動開始時刻と起動完了時刻のセットの間において発生した店頭端末機1、プリンタ3、ネットワーク8のイベントに対する点数を付与し、各イベントの点数を総和した値である集計点を算出する。S24では、管理サーバ2は集計点に基づいて各コンポーネントの状態情報の表示サイズを決定する。すなわち、管理サーバ2は同一種類に属する全てのコンポーネントの集計点を数字の高いものからソートする。管理サーバ2は、同一種類に属するあるコンポーネントの集計点が、ソートされた集計点の中の数字の高いものから所定の順序内(例えば上位1/2)にあれば、当該コンポーネントの状態情報の表示サイズを「大」に決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムコンポーネントの状態の表示に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の発明は、監視ワークステーションの監視サーバは、監視クライアントより得られる情報をもとに、機器構成情報の管理、ログ情報の保存、各種情報の表示、監視対象ワークステーションの監視クライアントに対するヘルスチェック、音声出力サーバに対する音声出力要求を行う手段を有し、監視対象ワークステーションの監視クライアントは、業務システムから得られる情報をもとに、監視サーバに対して各種イベントログの通知を行う手段を有する、ことを特徴とする監視サーバ/クライアントシステムである。
【0003】
特許文献2は映像伝送装置の受信装置20に内蔵モニタ(MON−DISP)21を設けて、当該内蔵モニタ(MON−DISP)21に、受信映像と、少なくともシステム監視若しくはシステム管理のための情報とを選択して、若しくは合成して表示するモニタ機能を設けたことにより、システム構成を簡素化できるとともに、保守及び管理を簡素化、迅速化できる。
【0004】
特許文献3によると、表示制御部によって、エラー表示の優先度が決定されると、その優先情報が画像データ生成部に送信される。画像データ生成部は、記憶部に格納されたエラー情報と優先情報に基づいて、エラー警告を文字表示する第1画像と、エラー発生箇所の駆動機構の概略構成を示す第2画像とからなる1組の画像をエラー信号ごとに生成する。また、第1画面内には、複数のGUIが設けられており、これらの箇所に触れると、画面が切り替わって適宜な情報が画面上に表示されるようになっている。これらGUIの中で右上の『メッセージクリア』と記載されたGUIに触れると、エラー警告表示から、エラー発生箇所の駆動機構の概略構成と、各駆動部に設けたセンサの位置とが表示された第2画像が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−20427号公報
【特許文献2】特開2001−245327号公報
【特許文献3】特開2007−140918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のシステムでは、固定的な管理画面や装置状況画面があり、ユーザが変更することはできない。また、状況に応じて、最適な画面を出すことができなかった。このため、以下の問題があった。
・エラーなどシステム状態の表現がテキストである場合、内容を把握することが難しい。
・GUIの場合、システムのコンポーネント(個別の機器あるいは一連の処理を実行するソフトウェアユニット)によってトラブル発生時の対応緊急度が異なるが、従来は固定レイアウトのウィンドウに対する色変化やフラッシングによる警告で状況が分かりにくい(図18参照)。
・表示パネルのどこにどのコンポーネントに対応するグラフィック表示を行うかは、ユーザの事情(機器の配置や故障が多いなど重点的な監視が必要な機器)によって異なるが、従来システムではこれらの表示場所は固定されており、ユーザの要望に従っていない。
・システムの起動やシャットダウンの際、定められた手順があるが、手順中の現在の位置で、コンポーネントが電源オンオフ可能かをグラフィックで示す手段がなく、ユーザは手順書に頼っていた。
【0007】
本発明は、システムのコンポーネントの状態を動的なレイアウトで表示し、ユーザに重要な状態を分かりやすく提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、情報処理装置が、システムを構成する各コンポーネントの状態を取得するステップと、取得されたシステムの各コンポーネントの少なくともいずれか1つの状態が所定の状態でない場合、所定の状態でないシステムのコンポーネントの状態を示す情報に対応する優位なレイアウトを決定するステップと、を実行するシステム状態表示方法を提供する。
【0009】
ここで、コンポーネントが所定の状態であるとは、当該コンポーネントから正常な状態が通知されている場合、エラーが通知されていない状態、重大な警告が通知されていない状態などをいう。
【0010】
また、優位なレイアウトとは画面上で優位な位置への配置、画面上で優位な表示サイズの付与などである。典型的には、優位なレイアウトは、所定の状態でないコンポーネントの情報の見やすい位置・サイズや、所定の状態でないコンポーネントの情報に対する操作、あるいは当該コンポーネントの情報に関連するGUIに対する操作(例えば、当該コンポーネントの詳細情報の展開コマンドの指定や、当該コンポーネントの動作の制御に関するコマンドの指定など)のしやすい位置・サイズを含むことができる。コマンドのGUIが画面上部などの所定位置に固定的に配置されていれば、そのGUIに近接する位置に所定の状態でないコンポーネントの情報を配置すると、当該情報に対する操作とGUIに対する操作が互いに行いやすくなる。
【0011】
優位なレイアウトは、ユーザの利き手に応じて定められてもよい。例えば、ユーザから指定されたあるいは公知の利き手の判定手段で判定された利き手に対応する画面部分(画面左側半分または右側半分)を、所定の状態でないコンポーネントの情報を配置する優位なレイアウトに決定する。
【0012】
好ましくは、情報処理装置が、取得されたシステムの各コンポーネントの少なくともいずれか1つの状態が異常であることに応じ、状態が異常のコンポーネントに対応する状態を示す情報の表示サイズに関するレイアウトを状態が正常な他のコンポーネントに対応する状態を示す情報の表示サイズよりも優位なサイズに決定するステップを実行する。
【0013】
好ましくは、情報処理装置が、取得されたシステムの各コンポーネントの少なくともいずれか1つの状態が異常であることに応じ、状態が異常のコンポーネントに対応する状態を示す情報の表示位置に関するレイアウトを状態が正常な他のコンポーネントに対応する状態を示す情報の表示位置よりも優位な位置に決定するステップを実行する。
【0014】
好ましくは、情報処理装置が、システムを構成する各コンポーネントに対応する状態のレイアウトの指定を受け付けるステップと、取得されたシステムの各コンポーネントのいずれの状態も所定の状態である場合、取得された状態を示す情報を指定されたレイアウトで表示するステップと、取得されたシステムの各コンポーネントの少なくともいずれか1つの状態が所定の状態でない場合、取得された状態を示す情報を決定されたレイアウトで表示するステップと、を実行する。
【0015】
好ましくは、情報処理装置が、システムを構成する各コンポーネントの現在の処理フェーズの状態を取得するステップと、取得されたシステムの各コンポーネントのいずれかの現在の処理フェーズの状態が所定の状態でないことに応じ、現在のフェーズの状態が所定の状態でないシステムのコンポーネントの状態を示す情報に対応する優位なレイアウトを決定するステップを実行する。
【0016】
好ましくは、情報処理装置が、取得されたシステムの各コンポーネントのいずれの現在の処理フェーズの状態も所定の状態であることに応じ、システムを構成する各コンポーネントの処理フェーズと同一の処理フェーズの過去の状態を示すログを取得するステップと、取得された過去の状態を示すログが示すシステムの各コンポーネントの少なくともいずれか1つの過去の状態が所定の状態でなかった場合、所定の状態でなかったシステムのコンポーネントの現在の状態を示す情報に対応する優位なレイアウトを決定するステップと、を実行する。
【0017】
本発明は、このシステム状態表示方法を情報処理装置に実行させるためのプログラムを提供する。
【0018】
本発明は、このシステム状態表示方法を実行する情報処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、システムの異常性に基づいて、各コンポーネントの状態情報の表示レイアウトを決定し、そのレイアウトに従って各コンポーネントの状態情報を表示する。異常性が高いコンポーネントの状態情報は、同一種類の他のコンポーネントの状態情報よりも優位な表示位置および表示サイズが割り当てられる。このため、異常性の高いコンポーネントの状態情報の視認性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】プリントシステムの概略構成を示す図
【図2】管理サーバのブロック図
【図3】コンポーネント管理処理のフローチャート
【図4】管理サーバ起動処理のフローチャート
【図5】通常稼働中監視処理のフローチャート
【図6】管理サーバ終了処理
【図7】店頭端末機1aの状態ログの一例を示す図
【図8】店頭端末機1cの状態ログの一例を示す図
【図9】管理サーバ2の状態ログの一例を示す図
【図10】プリンタ3aの状態ログの一例を示す図
【図11】起動時またはシャットダウン時の状態情報の表示例を示す図
【図12】店頭端末機の状態ログに対応するアイコンの表示例を示す図
【図13】プリンタの状態ログに対応するアイコンの表示例を示す図
【図14】ネットワークの状態ログに対応するアイコンの表示例を示す図
【図15】詳細画面の表示例を示す図
【図16】生産情報画面の表示例を示す図
【図17】定常状態での状態情報の表示例を示す図
【図18】従来のシステム監視画面の表示例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明を適用したプリントシステム100の概略構成を示すブロック図である。プリントシステム100は、LANなどのネットワーク8で相互に接続された店頭端末機1、管理サーバ2、プリンタ3c〜fを含む。店頭端末機1にはプリンタ3aが、管理サーバ2にはプリンタ3bがUSBなどの周辺機器ネットワークで接続されている。プリントシステム100は別のラボ(写真プリント店)とインターネットなどのネットワークで接続し、プリントデータを送受信してもよい。ネットワーク8とは、店頭端末機1、管理サーバ2、プリンタ3を結ぶ1または複数の通信経路そのものと、それに接続するための1または複数の周辺機器(ネットワークアダプタ、ルータ)なども含みうる。
【0022】
店頭端末機1は、CDやDVDなどの各種の記録メディアやメモリカードなどの記憶媒体から、あるいはカメラと接続されたUSBなどの周辺機器接続用汎用インターフェースから、あるいはインターネットやLANなどのネットワーク8から、あるいはフィルムスキャナでスキャンした画像(静止画像データまたは動画をキャプチャした静止画である動画コマを含む)を読み込む。管理サーバ2は、店頭端末機1から読み込まれた画像を素材とした画像プリントの出力データをプリンタ3a〜f(これらを単にプリンタ3で表す場合もある)のいずれかに出力する。ただし、画像プリントの素材がカメラの捉えた被写体を有する画像データに限られない。例えば、被写体でないグラフィックデータやテキストデータを単独であるいは被写体画像データと組み合わせて画像プリントの素材とすることができる。
【0023】
画像プリントの出力データの利用先は、プリンタに限定されなくてもよい。出力データは、画像のページごとのレイアウトとデザインで表示装置あるいは印刷装置に画像を出力させるためのデータ、当該データが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体あるいは当該データのネットワーク8上の搬送波を含む。
【0024】
画像プリントは、フォトブック、カレンダー、カード、シャッフルプリント、ステンドグラスなど、所定のレイアウトとデザインで画像が印刷された印刷媒体に基づいた様々な商材の作成に利用される。
【0025】
店頭端末機1は、注文者からマウス、タッチパッド、トラックボールなどのポインタ(カーソル)の移動を指示可能なポインティングデバイスやタッチパネルなどの各種操作装置、表示装置、CPU、RAM、ROMその他の情報処理装置を備えている。店頭端末機1は、画像プリントの作成に使用する画像、画像プリントの種類、レイアウトの選択とその選択結果の表示、画像プリントの作成注文の確定指示の受け付けを行う。管理サーバ2は、店頭端末機1に入力された画像とレイアウトの指示に応じたプリントデータの作成と、当該プリントデータのプリンタ3a〜fへの送信を行ったり、当該プリントデータをCDROMやDVDなどの記録媒体に出力する。
【0026】
管理サーバ2は、各プリンタ3a〜fによるプリントジョブの統括制御を司る。管理サーバ2のユーザはエンドユーザではなく専門のオペレータである。
【0027】
店頭端末機1および管理サーバ2は、コンピュータ(CPU,RAM,ROMなど演算処理に必要な回路、データ記憶媒体、データ入出力回路、表示回路、操作装置、通信回路などを備えたもの)で構成することができる。
【0028】
プリンタ3a〜f(まとめてプリンタ3で表す)は、店内ワークフローPCから送信された1単位のプリント注文に対応する1単位のプリントデータに従って画像プリントを出力する。プリンタ3はソータおよび裏面印字機能を有していてもよい。プリンタ3の印字方式は任意であって、例えば、インクジェット方式、レーザー方式、昇華型熱転写方式、ドットインパクト方式が挙げられる。
【0029】
なお、図1のシステム構成は一例であって、これと同等の構成を有するプリントシステムであれば、本発明の実施は可能である。また、図示の個々のブロックが必ずしも別々の電子機器に構成されている必要はなく、各ブロックが同一の電子機器に一体的に構成されていても本発明の実施は可能であり、特定の機器構成に依存して実施されるものではない。例えば、管理サーバ2が店頭端末機1の備える手段の一部または全部を兼ねていてもよい。店頭端末機1は複数存在してもよい。図1では3台の店頭端末機1a〜1cがネットワークに接続されているが、店頭端末機1の台数はこれ以上でもこれ以下でもよい。
【0030】
図2は管理サーバ2の内部構成を示す。管理サーバ2は、表示装置22(液晶ディスプレイとそのドライバなど)、操作装置23(キー、ボタン、スイッチ、タッチパネルなど)、制御装置25(CPU,RAM,ROMなど制御処理や演算処理に必要な回路)、記憶装置26(RAM、ROM、EEPROM、SDRAM、VRAM、メモリカード、HDDなど)、通信装置27(Ir,Bluetooth, LANネットワークアダプタなど)などを備えている。管理サーバ2はパソコンなどで構成されることができる。なお、通信装置27は、ネットワーク8の状態ログを取得できる。
【0031】
以下、図3〜6のフローチャートを参照し、プリントシステム100の実行するプリント処理の流れを説明する。この処理は管理サーバ2によって制御される。この処理を管理サーバ2の制御装置25に実行させるためのプログラムは管理サーバ2に内蔵あるいは接続されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体(ROM、フラッシュメモリ、DVD、CDROM、MO、穿孔テープなどなど)に記録されており、管理サーバ2のCPUがこの記録媒体から上記プログラムをRAMにロードして実行する。
【0032】
図3は管理サーバ2のコンポーネント管理処理の概略を示す。
【0033】
S11では、管理サーバ2が、操作装置23への起動指示に応じてプリントシステム100の起動処理を行い、かつ後述の管理サーバ起動処理を実行する。この管理サーバ起動処理は全コンポーネント(本実施形態では、店頭端末機1、管理サーバ2、プリンタ3、ネットワーク8を例に挙げるが、ソフトウェアモジュールでもよい)が定常状態(起動完了、エラー停止、または通信不可能)になるまで実行される。
【0034】
S12では、管理サーバ2が、後述の端末・プリンタ起動ループを実行する。
【0035】
S13では、管理サーバ2が、後述の通常稼働中監視処理ループを実行する。このループはシャットダウン指示が入力されるまで定期的に繰り返される。
【0036】
S14では、管理サーバ2が、操作装置からのシャットダウン指示に応じて後述の端末・プリンタ終了ループを実行する。この処理は全コンポーネントが定常状態(シャットダウン完了、エラー停止、または通信不可能)になるまで実行される。
【0037】
S15では、管理サーバ2が、プリントシステム100のシャットダウン処理を実行する。
【0038】
図4は管理サーバ起動処理の詳細フローチャートである。
【0039】
S21では、管理サーバ2が、各コンポーネントすなわち店頭端末機1、管理サーバ2、プリンタ3で発生したイベントを状態ログとして収集する。図7は店頭端末機1aの状態ログ、図8は店頭端末機1cの状態ログ、図9は管理サーバ2の状態ログ、図10はプリンタ3aの状態ログの一例を示す。
【0040】
状態ログの内容は図示したものに限られない。例えば状態ログは、コンポーネントの起動状態(起動または未起動)、コンポーネントのネットワーク8への接続状態(接続または未接続)、プリンタ3a〜fのバックログ(未処理のプリントオーダー)、プリンタ3a〜fのオーダー処理効率(単位時間当たり処理されたオーダーのデータサイズ)、コンポーネントのエラー(紙などの消耗品の残量が少ないまたは無いこと、保守タイミング接近)、当該エラーの緊急度、電源オンオフ操作が可能か不可能かを含むことができる。
【0041】
S22では、管理サーバ2は、プリントシステム100の各コンポーネント(ここでは店頭端末機1、プリンタ3、ネットワーク8)の状態ログに基づき、所定の起動期間内、例えば現在(プリントシステム100の起動時)から過去一週間前までの期間内における各コンポーネントの起動開始時刻と起動完了時刻のセットを検出する。
【0042】
S23では、管理サーバ2は検出した起動開始時刻と起動完了時刻のセットの間(起動フェーズ)において発生した店頭端末機1、プリンタ3、ネットワーク8のイベントに対する点数を付与し、各イベントの点数を総和した値である集計点を算出する。各イベントに付与される点数はその種類に応じて重み付けされていてもよい。例えば、店頭端末機1aが起動に失敗した、ネットワーク8がシステム100の起動中に遮断したといった「重大な」イベントには10点が付与される。プリンタ3の用紙残量がフル装填状態の50%を切っているなどの「警告の」イベントには5点、店頭端末機1やプリンタ3のネットワーク8への接続が正常に完了したなどの「通常の」イベントには1点が付与される。
【0043】
S24では、管理サーバ2は集計点に基づいて各コンポーネントの状態情報の表示サイズを決定する。この表示サイズは、同一種類のコンポーネントの集計点同士の比較に基づいて相対的に決定される。すなわち、まず管理サーバ2は同一種類に属する全てのコンポーネントの集計点を数字の高いものからソートする。次に管理サーバ2は、同一種類に属するあるコンポーネントの集計点が、ソートされた集計点の中の数字の高いものから所定の順序内(例えば上位1/2)にあれば、当該コンポーネントの状態情報の表示サイズを「大」に決定する。管理サーバ2は、同一種類に属するあるコンポーネントの集計点が、ソートされた集計点の中の数字の高いものから所定の順序内(例えば上位1/2)になければ、当該コンポーネントの状態情報の表示サイズを「小」に決定する。各コンポーネントの集計点の間に優劣がない場合は、操作装置23を介して任意に指定されたレイアウトに従うか、全てのコンポーネントに対して一律なレイアウト上の属性(サイズ、位置、色、形状など)を付与する。
【0044】
S25では、管理サーバ2は店頭端末機1のグループに対する表示エリア(例えば画面上側)における各店頭端末機1の状態情報の表示サイズおよび位置を決定する。この際、管理サーバ2は表示エリア内に全ての店頭端末機1の状態情報が収まるように、S24で決定した各店頭端末機1の状態情報の表示サイズ「大」または「小」の相対的な差を保つようにする。
【0045】
S26では、管理サーバ2はプリンタ3のグループに対する表示エリア(例えば画面下側)における各プリンタ3の状態情報の表示サイズおよび位置を決定する。この際、管理サーバ2は表示エリア内に全てのプリンタ3の状態情報が収まるように、S24で決定した各プリンタ3の状態情報の表示サイズ「大」または「小」の相対的な差を保つようにする。
【0046】
S27では、管理サーバ2はネットワーク8のグループに対する表示エリア(例えば画面右側)におけるネットワーク8の状態情報の表示サイズおよび位置を決定する。この際、管理サーバ2は表示エリア内に全てのネットワーク8の状態情報が収まるように、S24で決定した各ネットワーク8の状態情報の表示サイズ「大」または「小」の相対的な差を保つようにする。
【0047】
管理サーバ2は、定常状態に至るまで(システム100の起動開始から完了まで)の間、各コンポーネントから一定周期で取得された状態情報を、決定された各コンポーネントの状態情報の表示サイズおよび位置に基づいて表示装置22に表示する。なお、表示装置22に状態情報を出力する代わりに、プリンタ3bで状態情報を印刷媒体に出力したり、ネットワーク8経由で他のコンピュータに状態情報を送信してもよい。管理サーバ2は、所定の起動期間内の状態ログが正常であれば、その起動期間よりも古い起動フェーズの状態ログ(例えば現在から一週間以上前の起動フェーズの状態ログ)を取得し、その状態ログに基づいて各コンポーネントのレイアウトを決定する。
【0048】
図11はその表示例である。取得されたログの内容を示す状態情報はアイコンで表記されことができる。店頭端末機1、プリンタ3またはネットワーク8の状態情報に対応するアイコンの内容は現時点(システム100の起動時)で収集された状態ログの内容に従っているが、そのレイアウトは過去に収集された状態ログに従っている。つまり、過去の起動時あるいはシャットダウン時にトラブルの発生したコンポーネントに対する現在の状態情報は、目立つ属性(サイズおよび位置)で表示される。
【0049】
例えば、店頭端末機1の状態ログがエラーを示す場合は図12(a)に例示するようなアイコン、店頭端末機1の状態ログがネットワーク8への未接続を示す場合は図12(b)に例示するようなアイコン、店頭端末機1の状態ログがネットワーク8への未接続を示す場合は図12(c)に例示するようなアイコンが、決定されたレイアウトで表示装置22の画面に配置される。
【0050】
あるいは、例えば、プリンタ3の状態ログがエラーを示す場合は図13(a)に例示するようなアイコン、プリンタ3の状態ログがネットワーク8への未接続を示す場合は図13(b)に例示するようなアイコン、プリンタ3の状態ログがネットワーク8への正常を示す場合は図13(c)に例示するようなアイコン、プリンタ3の状態ログが高負荷を示す場合は図13(d)に例示するようなアイコンが、決定されたレイアウトで表示装置22の画面に配置される。
【0051】
あるいは、例えば、ネットワーク8の状態ログが未接続を示す場合は図14(a)に例示するようなアイコン、ネットワーク8の状態ログが正常を示す場合は図14(b)に例示するようなアイコンが、決定されたレイアウトで表示装置22の画面に配置される。
【0052】
管理サーバ2は、各コンポーネントのアイコンがダブルクリック選択さたりタッチ選択したりすると、そのコンポーネントの詳細情報(図15)や生産情報(図16)を表示してもよい。
【0053】
なお、管理サーバ2は、各コンポーネントのデフォルトのレイアウトの案をS25〜S27で作成して表示装置22などによって提示し、そのレイアウト案の変更を操作装置を介して受け付け、操作装置から確定されたレイアウト案の変更をデフォルトのレイアウトとして記憶装置26に記憶してもよい。
【0054】
上記のように、レイアウト案は、過去のシステムの構成情報と過去に取得された各コンポーネントの状態ログに基づいて作成される。レイアウト案の他の例としては、管理サーバ2は、過去に各コンポーネントから検出された状態ログから、異常性の指標(例えば、コンポーネントの安定稼働の有無、各コンポーネントの生産量、未処理オーダー量、未処理オーダー発生率、処理効率、エラーなどの発生率)を算出し、異常性の指標の高かったコンポーネントの状態情報に、他のコンポーネントよりも優位な位置かつサイズを割り当てて表示するレイアウト案を提示する。つまり、管理サーバ2は、過去に異常性の指標の高かったコンポーネントの状態情報を、同一種類の他のコンポーネントよりも優位な位置(画面の左側、真中、あるいは右側など)に配置し、かつそれらの状態情報を同一種類の他のコンポーネントよりも優位なサイズ(大きいサイズ)で表示するレイアウト案を作成して提示する。
【0055】
要するに、管理サーバ2は、各コンポーネントから収集された状態ログを参照して異常性の高かったコンポーネントの状態情報には、同一種類の他のコンポーネントよりも優位な表示属性(位置、サイズ、形状、色など)を割り当てることで、同一種類の他のコンポーネントよりも目立つようにする。
【0056】
異常性の指標は、状態ログ中に記載されているエラーの重要度と一定期間のエラー発生量の積で決定されることができる。さらにエラーの発生タイミングが、時刻や運用状況に対して特異性を有する場合(一定時間帯でのエラー発生回数が標準を1σ以上超えている、毎時のプリントオーダー処理量がN枚を超えると一定時間内のエラー発生頻度が1σを超えるなど)、管理サーバ2は、そのエラーが発生するコンポーネントの状態情報に優位な位置およびサイズを割り当てるレイアウト案を提示する。当然ながらレイアウト案はユーザにより変更されないまま管理サーバ2の起動時の状態情報のレイアウトとなってもよい。
【0057】
図5は通常稼働中監視処理の詳細フローチャートである。
【0058】
S31では、各コンポーネント(店頭端末機1、プリンタ3)がイベントを検出し状態ログとしてそれぞれの有する記憶装置に記憶する。
【0059】
S32では、管理サーバ2は、各店頭端末機1が記憶した状態ログのうち所定の範囲にあるもの、例えば直近30分間に記憶された状態ログを各コンポーネントからネットワーク8経由で収集する。
【0060】
S33では、管理サーバ2は、各プリンタ3が記憶した状態ログのうち所定期間の範囲にあるもの、例えば直近30分間に記憶された状態ログを各コンポーネントから収集する。
【0061】
S34では、管理サーバ2は、各店頭端末機1から収集した状態ログに基づいて、各店頭端末機1の状態情報のレイアウトを決定する。これはS25と同様にして行うことができる。例えば、管理サーバ2は、ある店頭端末機1xから収集した状態ログが致命的な内容(例えばハングアップ、通信応答なし、店頭端末機1がプリンタ3へのオーダー出力に失敗した)である場合、当該店頭端末機1xの状態情報のサイズを「大」に決定し、それ以外の場合は「小」に決定する。この際、管理サーバ2は表示エリア内に全ての店頭端末機1の状態情報が収まるように、決定した各店頭端末機1の状態情報の表示サイズ「大」または「小」の相対的な差を保つようにする。
【0062】
また、管理サーバ2は、各プリンタ3から収集した状態ログに基づいて、各プリンタ3の状態情報のレイアウトを決定する。これはS26と同様にして行うことができる。例えば、管理サーバ2は、あるプリンタ3yから収集した状態ログが致命的な内容(例えば過去30分のプリンタ1yへのプリント要求枚数がプリンタ3yの設計上の最高処理能力の80%を超えた)である場合、当該プリンタ3yの状態情報のサイズを「大」に決定し、それ以外の場合は「小」に決定する。この際、管理サーバ2は表示エリア内に全てのプリンタ3の状態情報が収まるように、決定した各プリンタ3の状態情報の表示サイズ「大」または「小」の相対的な差を保つようにする。
【0063】
なお、システム100の起動完了後、各コンポーネントから状態ログが収集されていない場合(各コンポーネントの起動完了から所定時間、ここでは30分、が経過していない)は、S25〜S27で決定されたレイアウトをそのまま保持することを決定する。
【0064】
また、各コンポーネントの集計点の間に優劣がない場合は、操作装置23を介して任意に指定されたレイアウトに従うか、全てのコンポーネントに対して一律なレイアウト属性(サイズ、位置、色、形状など)を付与する。
【0065】
さらに、S33で収集された状態ログが、いずれのコンポーネントについても正常であることを示している場合、S33よりも過去に収集された状態ログに基づいて、レイアウトを決定する。これはS21〜S24と同様である。具体的には、管理サーバ2は、プリントシステム100の各コンポーネントの状態ログに基づき、過去の所定の通常稼働期間、例えば過去一週間以上前までの期間内における各コンポーネントの通常稼働開始時刻と通常稼働終了時刻のセットを検出する。次に、管理サーバ2は、検出した通常稼働開始時刻と通常稼働時刻のセットの間(通常稼働フェーズ)において発生した店頭端末機1、プリンタ3、ネットワーク8のイベントに対する点数を付与し、各イベントの点数を総和した値である集計点を算出する。そして、管理サーバ2は集計点に基づいて各コンポーネントの状態情報の表示サイズ・位置を決定する。
【0066】
管理サーバ2は、起動完了からシャットダウン指示が入力されるまでの間(定常状態)、各コンポーネントから一定周期で取得された状態情報を、決定された各コンポーネントの状態情報の表示サイズおよび位置に基づいて表示装置22に表示する。図17はその表示例である。エラーの発生している店頭端末機1やプリンタ3の状態情報は大きく配置される。また、高負荷のプリンタ3の状態情報は大きく配置される。
【0067】
図6は管理サーバ終了処理の詳細フローチャートである。
【0068】
S41はS21と同様である。
【0069】
S42では、管理サーバ2は各コンポーネントの状態ログに基づき、過去の所定のシャットダウン処理期間内、例えば現在(システム100のシャットダウン開始時)から過去一週間前までの期間内における各コンポーネントすなわち店頭端末機1、プリンタ3、ネットワーク8のシャットダウン開始時刻とシャットダウン完了時刻のセットを検出する。
【0070】
S43では、管理サーバ2は検出したシャットダウン開始時刻とシャットダウン完了時刻のセット(終了フェーズ)の間において発生した店頭端末機1、プリンタ3、ネットワーク8のイベントに対する点数を付与し、各イベントの点数を総和した値である集計点を算出する。各イベントに付与される点数はその種類に応じて重み付けされている。例えば、店頭端末機1aがシャットダウンに失敗したといった「重大な」イベントには10点が付与される。「警告の」イベントには5点、「通常の」イベントには1点が付与される。
【0071】
S44では、管理サーバ2は集計点に基づいて各コンポーネントの状態情報の表示サイズを決定する。これはS24と同様にして行われる。
【0072】
S45では、管理サーバ2は店頭端末機1のグループに対する表示エリア(例えば画面上側)における各店頭端末機1の状態情報の表示サイズおよび位置を決定する。これはS25と同様にして行われる。
【0073】
S46では、管理サーバ2はプリンタ3のグループに対する表示エリア(例えば画面下側)における各プリンタ3の状態情報の表示サイズおよび位置を決定する。これはS26と同様にして行われる。
【0074】
S47では、管理サーバ2はネットワーク8のグループに対する表示エリア(例えば画面右側)におけるネットワーク8の状態情報の表示サイズおよび位置を決定する。これはS27と同様にして行われる。管理サーバ2は、所定の終了期間内の状態ログが正常であれば、その終了期間よりも古い終了フェーズの状態ログ(例えば現在から一週間以上前の終了フェーズの状態ログ)を取得し、その状態ログに基づいて各コンポーネントのレイアウトを決定する。
【0075】
管理サーバ2は、S45〜S47で決定された各コンポーネントの状態情報の表示サイズおよび位置に基づいて、シャットダウン開始から完了までの任意の時点における各コンポーネントの状態情報を表示装置22に表示する。表示の形態は図11と同様である。
【0076】
各コンポーネントの集計点の間に優劣がない場合は、操作装置23を介して任意に指定されたレイアウトに従うか、全てのコンポーネントに対して一律な属性(サイズ、位置、色、形状など)を付与して表示する。
【0077】
このように、管理サーバ2はシステムの異常性に基づいて、各コンポーネントの状態情報を表示レイアウトを決定し、そのレイアウトに従って各コンポーネントの最新の状態情報を表示する。異常性が高いコンポーネントの状態情報は、同一種類の他のコンポーネントの状態情報よりも優位な表示位置および表示サイズが割り当てられる。このため、異常性の高いコンポーネントの状態情報の視認性が高い。また、ユーザの指定に従ってデフォルトのレイアウトを決めることもできるが、この際、過去に異常性の高かったコンポーネントの状態情報の視認性が高いようなレイアウトの案が提示される。
【0078】
また、管理サーバ2は、起動中、通常稼働中、シャットダウン中の各フェーズごとに、過去の状態ログに基づいて異常の発生したコンポーネントの状態情報の表示レイアウトを決定するから、各フェーズごとに重大な問題を過去に多く発生したコンポーネントの状態情報を優先的にユーザに知らせることができる。
【符号の説明】
【0079】
1:店頭端末機、2:管理サーバ、3:プリンタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムコンポーネントの状態の表示に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の発明は、監視ワークステーションの監視サーバは、監視クライアントより得られる情報をもとに、機器構成情報の管理、ログ情報の保存、各種情報の表示、監視対象ワークステーションの監視クライアントに対するヘルスチェック、音声出力サーバに対する音声出力要求を行う手段を有し、監視対象ワークステーションの監視クライアントは、業務システムから得られる情報をもとに、監視サーバに対して各種イベントログの通知を行う手段を有する、ことを特徴とする監視サーバ/クライアントシステムである。
【0003】
特許文献2は映像伝送装置の受信装置20に内蔵モニタ(MON−DISP)21を設けて、当該内蔵モニタ(MON−DISP)21に、受信映像と、少なくともシステム監視若しくはシステム管理のための情報とを選択して、若しくは合成して表示するモニタ機能を設けたことにより、システム構成を簡素化できるとともに、保守及び管理を簡素化、迅速化できる。
【0004】
特許文献3によると、表示制御部によって、エラー表示の優先度が決定されると、その優先情報が画像データ生成部に送信される。画像データ生成部は、記憶部に格納されたエラー情報と優先情報に基づいて、エラー警告を文字表示する第1画像と、エラー発生箇所の駆動機構の概略構成を示す第2画像とからなる1組の画像をエラー信号ごとに生成する。また、第1画面内には、複数のGUIが設けられており、これらの箇所に触れると、画面が切り替わって適宜な情報が画面上に表示されるようになっている。これらGUIの中で右上の『メッセージクリア』と記載されたGUIに触れると、エラー警告表示から、エラー発生箇所の駆動機構の概略構成と、各駆動部に設けたセンサの位置とが表示された第2画像が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−20427号公報
【特許文献2】特開2001−245327号公報
【特許文献3】特開2007−140918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のシステムでは、固定的な管理画面や装置状況画面があり、ユーザが変更することはできない。また、状況に応じて、最適な画面を出すことができなかった。このため、以下の問題があった。
・エラーなどシステム状態の表現がテキストである場合、内容を把握することが難しい。
・GUIの場合、システムのコンポーネント(個別の機器あるいは一連の処理を実行するソフトウェアユニット)によってトラブル発生時の対応緊急度が異なるが、従来は固定レイアウトのウィンドウに対する色変化やフラッシングによる警告で状況が分かりにくい(図18参照)。
・表示パネルのどこにどのコンポーネントに対応するグラフィック表示を行うかは、ユーザの事情(機器の配置や故障が多いなど重点的な監視が必要な機器)によって異なるが、従来システムではこれらの表示場所は固定されており、ユーザの要望に従っていない。
・システムの起動やシャットダウンの際、定められた手順があるが、手順中の現在の位置で、コンポーネントが電源オンオフ可能かをグラフィックで示す手段がなく、ユーザは手順書に頼っていた。
【0007】
本発明は、システムのコンポーネントの状態を動的なレイアウトで表示し、ユーザに重要な状態を分かりやすく提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、情報処理装置が、システムを構成する各コンポーネントの状態を取得するステップと、取得されたシステムの各コンポーネントの少なくともいずれか1つの状態が所定の状態でない場合、所定の状態でないシステムのコンポーネントの状態を示す情報に対応する優位なレイアウトを決定するステップと、を実行するシステム状態表示方法を提供する。
【0009】
ここで、コンポーネントが所定の状態であるとは、当該コンポーネントから正常な状態が通知されている場合、エラーが通知されていない状態、重大な警告が通知されていない状態などをいう。
【0010】
また、優位なレイアウトとは画面上で優位な位置への配置、画面上で優位な表示サイズの付与などである。典型的には、優位なレイアウトは、所定の状態でないコンポーネントの情報の見やすい位置・サイズや、所定の状態でないコンポーネントの情報に対する操作、あるいは当該コンポーネントの情報に関連するGUIに対する操作(例えば、当該コンポーネントの詳細情報の展開コマンドの指定や、当該コンポーネントの動作の制御に関するコマンドの指定など)のしやすい位置・サイズを含むことができる。コマンドのGUIが画面上部などの所定位置に固定的に配置されていれば、そのGUIに近接する位置に所定の状態でないコンポーネントの情報を配置すると、当該情報に対する操作とGUIに対する操作が互いに行いやすくなる。
【0011】
優位なレイアウトは、ユーザの利き手に応じて定められてもよい。例えば、ユーザから指定されたあるいは公知の利き手の判定手段で判定された利き手に対応する画面部分(画面左側半分または右側半分)を、所定の状態でないコンポーネントの情報を配置する優位なレイアウトに決定する。
【0012】
好ましくは、情報処理装置が、取得されたシステムの各コンポーネントの少なくともいずれか1つの状態が異常であることに応じ、状態が異常のコンポーネントに対応する状態を示す情報の表示サイズに関するレイアウトを状態が正常な他のコンポーネントに対応する状態を示す情報の表示サイズよりも優位なサイズに決定するステップを実行する。
【0013】
好ましくは、情報処理装置が、取得されたシステムの各コンポーネントの少なくともいずれか1つの状態が異常であることに応じ、状態が異常のコンポーネントに対応する状態を示す情報の表示位置に関するレイアウトを状態が正常な他のコンポーネントに対応する状態を示す情報の表示位置よりも優位な位置に決定するステップを実行する。
【0014】
好ましくは、情報処理装置が、システムを構成する各コンポーネントに対応する状態のレイアウトの指定を受け付けるステップと、取得されたシステムの各コンポーネントのいずれの状態も所定の状態である場合、取得された状態を示す情報を指定されたレイアウトで表示するステップと、取得されたシステムの各コンポーネントの少なくともいずれか1つの状態が所定の状態でない場合、取得された状態を示す情報を決定されたレイアウトで表示するステップと、を実行する。
【0015】
好ましくは、情報処理装置が、システムを構成する各コンポーネントの現在の処理フェーズの状態を取得するステップと、取得されたシステムの各コンポーネントのいずれかの現在の処理フェーズの状態が所定の状態でないことに応じ、現在のフェーズの状態が所定の状態でないシステムのコンポーネントの状態を示す情報に対応する優位なレイアウトを決定するステップを実行する。
【0016】
好ましくは、情報処理装置が、取得されたシステムの各コンポーネントのいずれの現在の処理フェーズの状態も所定の状態であることに応じ、システムを構成する各コンポーネントの処理フェーズと同一の処理フェーズの過去の状態を示すログを取得するステップと、取得された過去の状態を示すログが示すシステムの各コンポーネントの少なくともいずれか1つの過去の状態が所定の状態でなかった場合、所定の状態でなかったシステムのコンポーネントの現在の状態を示す情報に対応する優位なレイアウトを決定するステップと、を実行する。
【0017】
本発明は、このシステム状態表示方法を情報処理装置に実行させるためのプログラムを提供する。
【0018】
本発明は、このシステム状態表示方法を実行する情報処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、システムの異常性に基づいて、各コンポーネントの状態情報の表示レイアウトを決定し、そのレイアウトに従って各コンポーネントの状態情報を表示する。異常性が高いコンポーネントの状態情報は、同一種類の他のコンポーネントの状態情報よりも優位な表示位置および表示サイズが割り当てられる。このため、異常性の高いコンポーネントの状態情報の視認性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】プリントシステムの概略構成を示す図
【図2】管理サーバのブロック図
【図3】コンポーネント管理処理のフローチャート
【図4】管理サーバ起動処理のフローチャート
【図5】通常稼働中監視処理のフローチャート
【図6】管理サーバ終了処理
【図7】店頭端末機1aの状態ログの一例を示す図
【図8】店頭端末機1cの状態ログの一例を示す図
【図9】管理サーバ2の状態ログの一例を示す図
【図10】プリンタ3aの状態ログの一例を示す図
【図11】起動時またはシャットダウン時の状態情報の表示例を示す図
【図12】店頭端末機の状態ログに対応するアイコンの表示例を示す図
【図13】プリンタの状態ログに対応するアイコンの表示例を示す図
【図14】ネットワークの状態ログに対応するアイコンの表示例を示す図
【図15】詳細画面の表示例を示す図
【図16】生産情報画面の表示例を示す図
【図17】定常状態での状態情報の表示例を示す図
【図18】従来のシステム監視画面の表示例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明を適用したプリントシステム100の概略構成を示すブロック図である。プリントシステム100は、LANなどのネットワーク8で相互に接続された店頭端末機1、管理サーバ2、プリンタ3c〜fを含む。店頭端末機1にはプリンタ3aが、管理サーバ2にはプリンタ3bがUSBなどの周辺機器ネットワークで接続されている。プリントシステム100は別のラボ(写真プリント店)とインターネットなどのネットワークで接続し、プリントデータを送受信してもよい。ネットワーク8とは、店頭端末機1、管理サーバ2、プリンタ3を結ぶ1または複数の通信経路そのものと、それに接続するための1または複数の周辺機器(ネットワークアダプタ、ルータ)なども含みうる。
【0022】
店頭端末機1は、CDやDVDなどの各種の記録メディアやメモリカードなどの記憶媒体から、あるいはカメラと接続されたUSBなどの周辺機器接続用汎用インターフェースから、あるいはインターネットやLANなどのネットワーク8から、あるいはフィルムスキャナでスキャンした画像(静止画像データまたは動画をキャプチャした静止画である動画コマを含む)を読み込む。管理サーバ2は、店頭端末機1から読み込まれた画像を素材とした画像プリントの出力データをプリンタ3a〜f(これらを単にプリンタ3で表す場合もある)のいずれかに出力する。ただし、画像プリントの素材がカメラの捉えた被写体を有する画像データに限られない。例えば、被写体でないグラフィックデータやテキストデータを単独であるいは被写体画像データと組み合わせて画像プリントの素材とすることができる。
【0023】
画像プリントの出力データの利用先は、プリンタに限定されなくてもよい。出力データは、画像のページごとのレイアウトとデザインで表示装置あるいは印刷装置に画像を出力させるためのデータ、当該データが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体あるいは当該データのネットワーク8上の搬送波を含む。
【0024】
画像プリントは、フォトブック、カレンダー、カード、シャッフルプリント、ステンドグラスなど、所定のレイアウトとデザインで画像が印刷された印刷媒体に基づいた様々な商材の作成に利用される。
【0025】
店頭端末機1は、注文者からマウス、タッチパッド、トラックボールなどのポインタ(カーソル)の移動を指示可能なポインティングデバイスやタッチパネルなどの各種操作装置、表示装置、CPU、RAM、ROMその他の情報処理装置を備えている。店頭端末機1は、画像プリントの作成に使用する画像、画像プリントの種類、レイアウトの選択とその選択結果の表示、画像プリントの作成注文の確定指示の受け付けを行う。管理サーバ2は、店頭端末機1に入力された画像とレイアウトの指示に応じたプリントデータの作成と、当該プリントデータのプリンタ3a〜fへの送信を行ったり、当該プリントデータをCDROMやDVDなどの記録媒体に出力する。
【0026】
管理サーバ2は、各プリンタ3a〜fによるプリントジョブの統括制御を司る。管理サーバ2のユーザはエンドユーザではなく専門のオペレータである。
【0027】
店頭端末機1および管理サーバ2は、コンピュータ(CPU,RAM,ROMなど演算処理に必要な回路、データ記憶媒体、データ入出力回路、表示回路、操作装置、通信回路などを備えたもの)で構成することができる。
【0028】
プリンタ3a〜f(まとめてプリンタ3で表す)は、店内ワークフローPCから送信された1単位のプリント注文に対応する1単位のプリントデータに従って画像プリントを出力する。プリンタ3はソータおよび裏面印字機能を有していてもよい。プリンタ3の印字方式は任意であって、例えば、インクジェット方式、レーザー方式、昇華型熱転写方式、ドットインパクト方式が挙げられる。
【0029】
なお、図1のシステム構成は一例であって、これと同等の構成を有するプリントシステムであれば、本発明の実施は可能である。また、図示の個々のブロックが必ずしも別々の電子機器に構成されている必要はなく、各ブロックが同一の電子機器に一体的に構成されていても本発明の実施は可能であり、特定の機器構成に依存して実施されるものではない。例えば、管理サーバ2が店頭端末機1の備える手段の一部または全部を兼ねていてもよい。店頭端末機1は複数存在してもよい。図1では3台の店頭端末機1a〜1cがネットワークに接続されているが、店頭端末機1の台数はこれ以上でもこれ以下でもよい。
【0030】
図2は管理サーバ2の内部構成を示す。管理サーバ2は、表示装置22(液晶ディスプレイとそのドライバなど)、操作装置23(キー、ボタン、スイッチ、タッチパネルなど)、制御装置25(CPU,RAM,ROMなど制御処理や演算処理に必要な回路)、記憶装置26(RAM、ROM、EEPROM、SDRAM、VRAM、メモリカード、HDDなど)、通信装置27(Ir,Bluetooth, LANネットワークアダプタなど)などを備えている。管理サーバ2はパソコンなどで構成されることができる。なお、通信装置27は、ネットワーク8の状態ログを取得できる。
【0031】
以下、図3〜6のフローチャートを参照し、プリントシステム100の実行するプリント処理の流れを説明する。この処理は管理サーバ2によって制御される。この処理を管理サーバ2の制御装置25に実行させるためのプログラムは管理サーバ2に内蔵あるいは接続されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体(ROM、フラッシュメモリ、DVD、CDROM、MO、穿孔テープなどなど)に記録されており、管理サーバ2のCPUがこの記録媒体から上記プログラムをRAMにロードして実行する。
【0032】
図3は管理サーバ2のコンポーネント管理処理の概略を示す。
【0033】
S11では、管理サーバ2が、操作装置23への起動指示に応じてプリントシステム100の起動処理を行い、かつ後述の管理サーバ起動処理を実行する。この管理サーバ起動処理は全コンポーネント(本実施形態では、店頭端末機1、管理サーバ2、プリンタ3、ネットワーク8を例に挙げるが、ソフトウェアモジュールでもよい)が定常状態(起動完了、エラー停止、または通信不可能)になるまで実行される。
【0034】
S12では、管理サーバ2が、後述の端末・プリンタ起動ループを実行する。
【0035】
S13では、管理サーバ2が、後述の通常稼働中監視処理ループを実行する。このループはシャットダウン指示が入力されるまで定期的に繰り返される。
【0036】
S14では、管理サーバ2が、操作装置からのシャットダウン指示に応じて後述の端末・プリンタ終了ループを実行する。この処理は全コンポーネントが定常状態(シャットダウン完了、エラー停止、または通信不可能)になるまで実行される。
【0037】
S15では、管理サーバ2が、プリントシステム100のシャットダウン処理を実行する。
【0038】
図4は管理サーバ起動処理の詳細フローチャートである。
【0039】
S21では、管理サーバ2が、各コンポーネントすなわち店頭端末機1、管理サーバ2、プリンタ3で発生したイベントを状態ログとして収集する。図7は店頭端末機1aの状態ログ、図8は店頭端末機1cの状態ログ、図9は管理サーバ2の状態ログ、図10はプリンタ3aの状態ログの一例を示す。
【0040】
状態ログの内容は図示したものに限られない。例えば状態ログは、コンポーネントの起動状態(起動または未起動)、コンポーネントのネットワーク8への接続状態(接続または未接続)、プリンタ3a〜fのバックログ(未処理のプリントオーダー)、プリンタ3a〜fのオーダー処理効率(単位時間当たり処理されたオーダーのデータサイズ)、コンポーネントのエラー(紙などの消耗品の残量が少ないまたは無いこと、保守タイミング接近)、当該エラーの緊急度、電源オンオフ操作が可能か不可能かを含むことができる。
【0041】
S22では、管理サーバ2は、プリントシステム100の各コンポーネント(ここでは店頭端末機1、プリンタ3、ネットワーク8)の状態ログに基づき、所定の起動期間内、例えば現在(プリントシステム100の起動時)から過去一週間前までの期間内における各コンポーネントの起動開始時刻と起動完了時刻のセットを検出する。
【0042】
S23では、管理サーバ2は検出した起動開始時刻と起動完了時刻のセットの間(起動フェーズ)において発生した店頭端末機1、プリンタ3、ネットワーク8のイベントに対する点数を付与し、各イベントの点数を総和した値である集計点を算出する。各イベントに付与される点数はその種類に応じて重み付けされていてもよい。例えば、店頭端末機1aが起動に失敗した、ネットワーク8がシステム100の起動中に遮断したといった「重大な」イベントには10点が付与される。プリンタ3の用紙残量がフル装填状態の50%を切っているなどの「警告の」イベントには5点、店頭端末機1やプリンタ3のネットワーク8への接続が正常に完了したなどの「通常の」イベントには1点が付与される。
【0043】
S24では、管理サーバ2は集計点に基づいて各コンポーネントの状態情報の表示サイズを決定する。この表示サイズは、同一種類のコンポーネントの集計点同士の比較に基づいて相対的に決定される。すなわち、まず管理サーバ2は同一種類に属する全てのコンポーネントの集計点を数字の高いものからソートする。次に管理サーバ2は、同一種類に属するあるコンポーネントの集計点が、ソートされた集計点の中の数字の高いものから所定の順序内(例えば上位1/2)にあれば、当該コンポーネントの状態情報の表示サイズを「大」に決定する。管理サーバ2は、同一種類に属するあるコンポーネントの集計点が、ソートされた集計点の中の数字の高いものから所定の順序内(例えば上位1/2)になければ、当該コンポーネントの状態情報の表示サイズを「小」に決定する。各コンポーネントの集計点の間に優劣がない場合は、操作装置23を介して任意に指定されたレイアウトに従うか、全てのコンポーネントに対して一律なレイアウト上の属性(サイズ、位置、色、形状など)を付与する。
【0044】
S25では、管理サーバ2は店頭端末機1のグループに対する表示エリア(例えば画面上側)における各店頭端末機1の状態情報の表示サイズおよび位置を決定する。この際、管理サーバ2は表示エリア内に全ての店頭端末機1の状態情報が収まるように、S24で決定した各店頭端末機1の状態情報の表示サイズ「大」または「小」の相対的な差を保つようにする。
【0045】
S26では、管理サーバ2はプリンタ3のグループに対する表示エリア(例えば画面下側)における各プリンタ3の状態情報の表示サイズおよび位置を決定する。この際、管理サーバ2は表示エリア内に全てのプリンタ3の状態情報が収まるように、S24で決定した各プリンタ3の状態情報の表示サイズ「大」または「小」の相対的な差を保つようにする。
【0046】
S27では、管理サーバ2はネットワーク8のグループに対する表示エリア(例えば画面右側)におけるネットワーク8の状態情報の表示サイズおよび位置を決定する。この際、管理サーバ2は表示エリア内に全てのネットワーク8の状態情報が収まるように、S24で決定した各ネットワーク8の状態情報の表示サイズ「大」または「小」の相対的な差を保つようにする。
【0047】
管理サーバ2は、定常状態に至るまで(システム100の起動開始から完了まで)の間、各コンポーネントから一定周期で取得された状態情報を、決定された各コンポーネントの状態情報の表示サイズおよび位置に基づいて表示装置22に表示する。なお、表示装置22に状態情報を出力する代わりに、プリンタ3bで状態情報を印刷媒体に出力したり、ネットワーク8経由で他のコンピュータに状態情報を送信してもよい。管理サーバ2は、所定の起動期間内の状態ログが正常であれば、その起動期間よりも古い起動フェーズの状態ログ(例えば現在から一週間以上前の起動フェーズの状態ログ)を取得し、その状態ログに基づいて各コンポーネントのレイアウトを決定する。
【0048】
図11はその表示例である。取得されたログの内容を示す状態情報はアイコンで表記されことができる。店頭端末機1、プリンタ3またはネットワーク8の状態情報に対応するアイコンの内容は現時点(システム100の起動時)で収集された状態ログの内容に従っているが、そのレイアウトは過去に収集された状態ログに従っている。つまり、過去の起動時あるいはシャットダウン時にトラブルの発生したコンポーネントに対する現在の状態情報は、目立つ属性(サイズおよび位置)で表示される。
【0049】
例えば、店頭端末機1の状態ログがエラーを示す場合は図12(a)に例示するようなアイコン、店頭端末機1の状態ログがネットワーク8への未接続を示す場合は図12(b)に例示するようなアイコン、店頭端末機1の状態ログがネットワーク8への未接続を示す場合は図12(c)に例示するようなアイコンが、決定されたレイアウトで表示装置22の画面に配置される。
【0050】
あるいは、例えば、プリンタ3の状態ログがエラーを示す場合は図13(a)に例示するようなアイコン、プリンタ3の状態ログがネットワーク8への未接続を示す場合は図13(b)に例示するようなアイコン、プリンタ3の状態ログがネットワーク8への正常を示す場合は図13(c)に例示するようなアイコン、プリンタ3の状態ログが高負荷を示す場合は図13(d)に例示するようなアイコンが、決定されたレイアウトで表示装置22の画面に配置される。
【0051】
あるいは、例えば、ネットワーク8の状態ログが未接続を示す場合は図14(a)に例示するようなアイコン、ネットワーク8の状態ログが正常を示す場合は図14(b)に例示するようなアイコンが、決定されたレイアウトで表示装置22の画面に配置される。
【0052】
管理サーバ2は、各コンポーネントのアイコンがダブルクリック選択さたりタッチ選択したりすると、そのコンポーネントの詳細情報(図15)や生産情報(図16)を表示してもよい。
【0053】
なお、管理サーバ2は、各コンポーネントのデフォルトのレイアウトの案をS25〜S27で作成して表示装置22などによって提示し、そのレイアウト案の変更を操作装置を介して受け付け、操作装置から確定されたレイアウト案の変更をデフォルトのレイアウトとして記憶装置26に記憶してもよい。
【0054】
上記のように、レイアウト案は、過去のシステムの構成情報と過去に取得された各コンポーネントの状態ログに基づいて作成される。レイアウト案の他の例としては、管理サーバ2は、過去に各コンポーネントから検出された状態ログから、異常性の指標(例えば、コンポーネントの安定稼働の有無、各コンポーネントの生産量、未処理オーダー量、未処理オーダー発生率、処理効率、エラーなどの発生率)を算出し、異常性の指標の高かったコンポーネントの状態情報に、他のコンポーネントよりも優位な位置かつサイズを割り当てて表示するレイアウト案を提示する。つまり、管理サーバ2は、過去に異常性の指標の高かったコンポーネントの状態情報を、同一種類の他のコンポーネントよりも優位な位置(画面の左側、真中、あるいは右側など)に配置し、かつそれらの状態情報を同一種類の他のコンポーネントよりも優位なサイズ(大きいサイズ)で表示するレイアウト案を作成して提示する。
【0055】
要するに、管理サーバ2は、各コンポーネントから収集された状態ログを参照して異常性の高かったコンポーネントの状態情報には、同一種類の他のコンポーネントよりも優位な表示属性(位置、サイズ、形状、色など)を割り当てることで、同一種類の他のコンポーネントよりも目立つようにする。
【0056】
異常性の指標は、状態ログ中に記載されているエラーの重要度と一定期間のエラー発生量の積で決定されることができる。さらにエラーの発生タイミングが、時刻や運用状況に対して特異性を有する場合(一定時間帯でのエラー発生回数が標準を1σ以上超えている、毎時のプリントオーダー処理量がN枚を超えると一定時間内のエラー発生頻度が1σを超えるなど)、管理サーバ2は、そのエラーが発生するコンポーネントの状態情報に優位な位置およびサイズを割り当てるレイアウト案を提示する。当然ながらレイアウト案はユーザにより変更されないまま管理サーバ2の起動時の状態情報のレイアウトとなってもよい。
【0057】
図5は通常稼働中監視処理の詳細フローチャートである。
【0058】
S31では、各コンポーネント(店頭端末機1、プリンタ3)がイベントを検出し状態ログとしてそれぞれの有する記憶装置に記憶する。
【0059】
S32では、管理サーバ2は、各店頭端末機1が記憶した状態ログのうち所定の範囲にあるもの、例えば直近30分間に記憶された状態ログを各コンポーネントからネットワーク8経由で収集する。
【0060】
S33では、管理サーバ2は、各プリンタ3が記憶した状態ログのうち所定期間の範囲にあるもの、例えば直近30分間に記憶された状態ログを各コンポーネントから収集する。
【0061】
S34では、管理サーバ2は、各店頭端末機1から収集した状態ログに基づいて、各店頭端末機1の状態情報のレイアウトを決定する。これはS25と同様にして行うことができる。例えば、管理サーバ2は、ある店頭端末機1xから収集した状態ログが致命的な内容(例えばハングアップ、通信応答なし、店頭端末機1がプリンタ3へのオーダー出力に失敗した)である場合、当該店頭端末機1xの状態情報のサイズを「大」に決定し、それ以外の場合は「小」に決定する。この際、管理サーバ2は表示エリア内に全ての店頭端末機1の状態情報が収まるように、決定した各店頭端末機1の状態情報の表示サイズ「大」または「小」の相対的な差を保つようにする。
【0062】
また、管理サーバ2は、各プリンタ3から収集した状態ログに基づいて、各プリンタ3の状態情報のレイアウトを決定する。これはS26と同様にして行うことができる。例えば、管理サーバ2は、あるプリンタ3yから収集した状態ログが致命的な内容(例えば過去30分のプリンタ1yへのプリント要求枚数がプリンタ3yの設計上の最高処理能力の80%を超えた)である場合、当該プリンタ3yの状態情報のサイズを「大」に決定し、それ以外の場合は「小」に決定する。この際、管理サーバ2は表示エリア内に全てのプリンタ3の状態情報が収まるように、決定した各プリンタ3の状態情報の表示サイズ「大」または「小」の相対的な差を保つようにする。
【0063】
なお、システム100の起動完了後、各コンポーネントから状態ログが収集されていない場合(各コンポーネントの起動完了から所定時間、ここでは30分、が経過していない)は、S25〜S27で決定されたレイアウトをそのまま保持することを決定する。
【0064】
また、各コンポーネントの集計点の間に優劣がない場合は、操作装置23を介して任意に指定されたレイアウトに従うか、全てのコンポーネントに対して一律なレイアウト属性(サイズ、位置、色、形状など)を付与する。
【0065】
さらに、S33で収集された状態ログが、いずれのコンポーネントについても正常であることを示している場合、S33よりも過去に収集された状態ログに基づいて、レイアウトを決定する。これはS21〜S24と同様である。具体的には、管理サーバ2は、プリントシステム100の各コンポーネントの状態ログに基づき、過去の所定の通常稼働期間、例えば過去一週間以上前までの期間内における各コンポーネントの通常稼働開始時刻と通常稼働終了時刻のセットを検出する。次に、管理サーバ2は、検出した通常稼働開始時刻と通常稼働時刻のセットの間(通常稼働フェーズ)において発生した店頭端末機1、プリンタ3、ネットワーク8のイベントに対する点数を付与し、各イベントの点数を総和した値である集計点を算出する。そして、管理サーバ2は集計点に基づいて各コンポーネントの状態情報の表示サイズ・位置を決定する。
【0066】
管理サーバ2は、起動完了からシャットダウン指示が入力されるまでの間(定常状態)、各コンポーネントから一定周期で取得された状態情報を、決定された各コンポーネントの状態情報の表示サイズおよび位置に基づいて表示装置22に表示する。図17はその表示例である。エラーの発生している店頭端末機1やプリンタ3の状態情報は大きく配置される。また、高負荷のプリンタ3の状態情報は大きく配置される。
【0067】
図6は管理サーバ終了処理の詳細フローチャートである。
【0068】
S41はS21と同様である。
【0069】
S42では、管理サーバ2は各コンポーネントの状態ログに基づき、過去の所定のシャットダウン処理期間内、例えば現在(システム100のシャットダウン開始時)から過去一週間前までの期間内における各コンポーネントすなわち店頭端末機1、プリンタ3、ネットワーク8のシャットダウン開始時刻とシャットダウン完了時刻のセットを検出する。
【0070】
S43では、管理サーバ2は検出したシャットダウン開始時刻とシャットダウン完了時刻のセット(終了フェーズ)の間において発生した店頭端末機1、プリンタ3、ネットワーク8のイベントに対する点数を付与し、各イベントの点数を総和した値である集計点を算出する。各イベントに付与される点数はその種類に応じて重み付けされている。例えば、店頭端末機1aがシャットダウンに失敗したといった「重大な」イベントには10点が付与される。「警告の」イベントには5点、「通常の」イベントには1点が付与される。
【0071】
S44では、管理サーバ2は集計点に基づいて各コンポーネントの状態情報の表示サイズを決定する。これはS24と同様にして行われる。
【0072】
S45では、管理サーバ2は店頭端末機1のグループに対する表示エリア(例えば画面上側)における各店頭端末機1の状態情報の表示サイズおよび位置を決定する。これはS25と同様にして行われる。
【0073】
S46では、管理サーバ2はプリンタ3のグループに対する表示エリア(例えば画面下側)における各プリンタ3の状態情報の表示サイズおよび位置を決定する。これはS26と同様にして行われる。
【0074】
S47では、管理サーバ2はネットワーク8のグループに対する表示エリア(例えば画面右側)におけるネットワーク8の状態情報の表示サイズおよび位置を決定する。これはS27と同様にして行われる。管理サーバ2は、所定の終了期間内の状態ログが正常であれば、その終了期間よりも古い終了フェーズの状態ログ(例えば現在から一週間以上前の終了フェーズの状態ログ)を取得し、その状態ログに基づいて各コンポーネントのレイアウトを決定する。
【0075】
管理サーバ2は、S45〜S47で決定された各コンポーネントの状態情報の表示サイズおよび位置に基づいて、シャットダウン開始から完了までの任意の時点における各コンポーネントの状態情報を表示装置22に表示する。表示の形態は図11と同様である。
【0076】
各コンポーネントの集計点の間に優劣がない場合は、操作装置23を介して任意に指定されたレイアウトに従うか、全てのコンポーネントに対して一律な属性(サイズ、位置、色、形状など)を付与して表示する。
【0077】
このように、管理サーバ2はシステムの異常性に基づいて、各コンポーネントの状態情報を表示レイアウトを決定し、そのレイアウトに従って各コンポーネントの最新の状態情報を表示する。異常性が高いコンポーネントの状態情報は、同一種類の他のコンポーネントの状態情報よりも優位な表示位置および表示サイズが割り当てられる。このため、異常性の高いコンポーネントの状態情報の視認性が高い。また、ユーザの指定に従ってデフォルトのレイアウトを決めることもできるが、この際、過去に異常性の高かったコンポーネントの状態情報の視認性が高いようなレイアウトの案が提示される。
【0078】
また、管理サーバ2は、起動中、通常稼働中、シャットダウン中の各フェーズごとに、過去の状態ログに基づいて異常の発生したコンポーネントの状態情報の表示レイアウトを決定するから、各フェーズごとに重大な問題を過去に多く発生したコンポーネントの状態情報を優先的にユーザに知らせることができる。
【符号の説明】
【0079】
1:店頭端末機、2:管理サーバ、3:プリンタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が、
システムを構成する各コンポーネントの状態を取得するステップと、
前記取得されたシステムの各コンポーネントの少なくともいずれか1つの状態が所定の状態でない場合、前記所定の状態でないシステムのコンポーネントの状態を示す情報に対応する優位なレイアウトを決定するステップと、
を実行するシステム状態表示方法。
【請求項2】
情報処理装置が、
前記取得されたシステムの各コンポーネントの少なくともいずれか1つの状態が異常であることに応じ、前記状態が異常のコンポーネントに対応する状態を示す情報の表示サイズに関するレイアウトを前記状態が正常な他のコンポーネントに対応する状態を示す情報の表示サイズよりも優位なサイズに決定するステップを実行する請求項1に記載のシステム状態表示方法。
【請求項3】
情報処理装置が、
前記取得されたシステムの各コンポーネントの少なくともいずれか1つの状態が異常であることに応じ、前記状態が異常のコンポーネントに対応する状態を示す情報の表示位置に関するレイアウトを前記状態が正常な他のコンポーネントに対応する状態を示す情報の表示位置よりも優位な位置に決定するステップを実行する請求項1または2に記載のシステム状態表示方法。
【請求項4】
情報処理装置が、
システムを構成する各コンポーネントに対応する状態のレイアウトの指定を受け付けるステップと、
前記取得されたシステムの各コンポーネントのいずれの状態も前記所定の状態である場合、前記取得された状態を示す情報を前記指定されたレイアウトで表示するステップと、
前記取得されたシステムの各コンポーネントの少なくともいずれか1つの状態が前記所定の状態でない場合、前記取得された状態を示す情報を前記決定されたレイアウトで表示するステップと、
を実行する請求項1〜3のいずれかに記載のシステム状態表示方法。
【請求項5】
情報処理装置が、
システムを構成する各コンポーネントの現在の処理フェーズの状態を取得するステップと、
前記取得されたシステムの各コンポーネントのいずれかの現在の処理フェーズの状態が前記所定の状態でないことに応じ、前記現在のフェーズの状態が前記所定の状態でないシステムのコンポーネントの状態を示す情報に対応する優位なレイアウトを決定するステップを実行する請求項1〜4のいずれかに記載のシステム状態表示方法。
【請求項6】
情報処理装置が、
前記取得されたシステムの各コンポーネントのいずれの現在の処理フェーズの状態も前記所定の状態であることに応じ、前記システムを構成する各コンポーネントの前記処理フェーズと同一の処理フェーズの過去の状態を示すログを取得するステップと、
前記取得された過去の状態を示すログが示すシステムの各コンポーネントの少なくともいずれか1つの過去の状態が前記所定の状態でなかった場合、前記所定の状態でなかったシステムのコンポーネントの現在の状態を示す情報に対応する優位なレイアウトを決定するステップと、
を実行する請求項5に記載のシステム状態表示方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のシステム状態表示方法を情報処理装置に実行させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載のシステム状態表示方法を実行する情報処理装置。
【請求項1】
情報処理装置が、
システムを構成する各コンポーネントの状態を取得するステップと、
前記取得されたシステムの各コンポーネントの少なくともいずれか1つの状態が所定の状態でない場合、前記所定の状態でないシステムのコンポーネントの状態を示す情報に対応する優位なレイアウトを決定するステップと、
を実行するシステム状態表示方法。
【請求項2】
情報処理装置が、
前記取得されたシステムの各コンポーネントの少なくともいずれか1つの状態が異常であることに応じ、前記状態が異常のコンポーネントに対応する状態を示す情報の表示サイズに関するレイアウトを前記状態が正常な他のコンポーネントに対応する状態を示す情報の表示サイズよりも優位なサイズに決定するステップを実行する請求項1に記載のシステム状態表示方法。
【請求項3】
情報処理装置が、
前記取得されたシステムの各コンポーネントの少なくともいずれか1つの状態が異常であることに応じ、前記状態が異常のコンポーネントに対応する状態を示す情報の表示位置に関するレイアウトを前記状態が正常な他のコンポーネントに対応する状態を示す情報の表示位置よりも優位な位置に決定するステップを実行する請求項1または2に記載のシステム状態表示方法。
【請求項4】
情報処理装置が、
システムを構成する各コンポーネントに対応する状態のレイアウトの指定を受け付けるステップと、
前記取得されたシステムの各コンポーネントのいずれの状態も前記所定の状態である場合、前記取得された状態を示す情報を前記指定されたレイアウトで表示するステップと、
前記取得されたシステムの各コンポーネントの少なくともいずれか1つの状態が前記所定の状態でない場合、前記取得された状態を示す情報を前記決定されたレイアウトで表示するステップと、
を実行する請求項1〜3のいずれかに記載のシステム状態表示方法。
【請求項5】
情報処理装置が、
システムを構成する各コンポーネントの現在の処理フェーズの状態を取得するステップと、
前記取得されたシステムの各コンポーネントのいずれかの現在の処理フェーズの状態が前記所定の状態でないことに応じ、前記現在のフェーズの状態が前記所定の状態でないシステムのコンポーネントの状態を示す情報に対応する優位なレイアウトを決定するステップを実行する請求項1〜4のいずれかに記載のシステム状態表示方法。
【請求項6】
情報処理装置が、
前記取得されたシステムの各コンポーネントのいずれの現在の処理フェーズの状態も前記所定の状態であることに応じ、前記システムを構成する各コンポーネントの前記処理フェーズと同一の処理フェーズの過去の状態を示すログを取得するステップと、
前記取得された過去の状態を示すログが示すシステムの各コンポーネントの少なくともいずれか1つの過去の状態が前記所定の状態でなかった場合、前記所定の状態でなかったシステムのコンポーネントの現在の状態を示す情報に対応する優位なレイアウトを決定するステップと、
を実行する請求項5に記載のシステム状態表示方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のシステム状態表示方法を情報処理装置に実行させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載のシステム状態表示方法を実行する情報処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−76239(P2011−76239A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225044(P2009−225044)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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