シフトレバー
【課題】シフトレバーにおいて、レバー本体へのシフトノブの取り付け作業を簡素化する。
【解決手段】シフトレバー1は、レバー本体2に設けられたストッパー部4と、弾性を有しシフトノブ3に設けられた第1の爪部5と、を備える。レバー本体2の先端部2aがシフトノブ3の嵌合部31に挿入されることにより、第1の爪部5が弾性変形してストッパー部4を乗り越えてストッパー部4に係合してレバー本体2にシフトノブ3を取り付ける。
【解決手段】シフトレバー1は、レバー本体2に設けられたストッパー部4と、弾性を有しシフトノブ3に設けられた第1の爪部5と、を備える。レバー本体2の先端部2aがシフトノブ3の嵌合部31に挿入されることにより、第1の爪部5が弾性変形してストッパー部4を乗り越えてストッパー部4に係合してレバー本体2にシフトノブ3を取り付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速機の変速操作用のシフトレバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば車両における変速機の変速操作用のシフトレバーとして、レバー本体とこのレバー本体に取り付けられるシフトノブとを備えるものがある。このようなシフトレバーには、シフトノブに形成されたガイド突起を、レバー本体に形成されたガイド溝に嵌合しつつ、シフトノブをレバー本体の上端部に挿入し、それらシフトノブとレバー本体の相対応する位置にそれぞれ形成した係合溝に、拡開可能なピンを係合することにより、シフトノブをレバー本体にワンタッチで組み付けることができるようになっているものがある。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−219003号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、かかる従来のシフトレバーでは、レバー本体にシフトノブを取り付けるために、それら両者の係合溝に係合するピンが必要であるため、レバー本体にシフトレバーを取り付ける作業に手間がかかるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、シフトレバーにおいて、レバー本体へのシフトノブの取り付け作業を簡素化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のシフトレバーは、レバー本体に設けられたストッパー部と、弾性を有し、シフトノブに設けられた第1の爪部と、を備え、前記レバー本体の先端部が前記シフトノブに設けられた嵌合部に挿入されることにより、前記第1の爪部が、弾性変形して前記ストッパー部を乗り越えて前記ストッパー部に係合して前記レバー本体に前記シフトノブを係止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、レバー本体の先端部が嵌合部に挿入されることにより、第1の爪部がレバー本体にシフトノブを係止するので、レバー本体へのシフトノブの取り付けにあっては、シフトノブの嵌合部をレバー本体の先端部に外嵌すればよく、レバー本体とシフトノブとを係合するための上記従来のピンを用いる必要が無いので、レバー本体へのシフトノブの取り付け作業を簡素化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態を図1ないし図10を参照して説明する。図1は、本実施形態にかかるシフトレバーを示す断面図、図2は、本実施形態にかかるシフトレバーの上部を示す分解斜視図、図3は、本実施形態にかかるストッパー部と第1の爪部とが初期係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図、図4は、図3中のIV-IV線に沿った断面図、図5は、本実施形態にかかる第2の爪部と係合孔とが初期係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図、図6は、図5中のVI-VI線に沿ったシフトレバーの中央部分の断面図、図7は、本実施形態にかかる第1の爪部に押圧部が圧接した状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図、図8は、図7中のVIII−VIII線に沿った断面図、図9は、本実施形態にかかる第2の爪部と係合孔とが最終係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図、図10は、図9中のX−X線に沿ったシフトレバーの中央部分の断面図である。ここで、図4および図8では、キャップの内部構造が一部省略されている。
【0008】
図1および図2に示すように、本実施形態のシフトレバー1は、棒状のレバー本体2と、このレバー本体2の先端部2aに外嵌状態で取り付けられて把持可能なシフトノブ3と、レバー本体2およびシフトノブ3の連結部を覆うキャップ6と、を備えている。このシフトレバー1は、レバー本体2が変速機に連結された状態で、シフトノブ3が乗員によって操作されることで、変速機の変速操作である走行レンジのセレクト操作を行なうようになっている。また、シフトレバー1には、特定レンジへの投入阻止を解除する解除ボタン33がシフトノブ3から突出して設けられている。
【0009】
レバー本体2は、略直線状の中空パイプ状に形成されている。レバー本体2は、基端部2bが変速機のレバー支持部101に支持される。レバー本体2には、当該レバー本体2にシフトノブ3を取り付けるための取付部材20が一体に設けられている。
【0010】
取付部材20は、略円筒状に形成されて、レバー本体2に外嵌している。具体的には、取付部材20は、レバー本体2の外周面に樹脂アウトサート成形によって一体に形成されている。この取付部材20は、その下部に位置するストッパー部4と、その上部に位置するボス部44と、ストッパー部4およびボス部44の外面に亘って形成された圧入部8と、を有している。即ち、レバー本体2に、ストッパー部4と圧入部8とが設けられている。
【0011】
ストッパー部4は、図3にも示すように、概略円筒状に形成されてレバー本体2に外嵌している。ストッパー部4は、レバー本体2の軸心2cに対して略直角な底面41と、この底面41の外縁から上方に立ち上げ形成された縦面42と、この縦面42の上縁から上方へ延出して形成されたテーパ面43と、を有している。テーパ面43は、その下端から上端に向かうにしたがいレバー本体2の軸心2cに近づくようにレバー本体2の軸心2cに対して傾斜している。そして、このテーパ面43の上縁にボス部44が立ち上げ形成されている。ストッパー部4には、シフトノブ3に設けられた後述する第1の爪部5が係合する。
【0012】
ボス部44は、略直線状の円筒状に形成され、レバー本体2に外嵌している。
【0013】
圧入部8は、図2に示すように、レバー本体2の軸心2cを間にして一対設けられている。圧入部8は、シフトノブ3に設けられた後述する係合片9が圧入されるものである。具体的には、圧入部8は、ストッパー部4のテーパ面43からボス部44の外面に亘って立ち上げ形成された一対の縦壁81、82を有している。これら一対の縦壁81,82は、レバー本体2の軸心2cに直交する方向に相互に間隔をあけて形成され、レバー本体2の軸心2cに沿って延在している。かかる形状の一対の縦壁81,82には、レバー本体2の軸心2c周り方向で相互に対向する対向面8a,8bが形成されている。そして、これら一対の対向面8a,8b間に係合片9が圧入される。
【0014】
シフトノブ3は、図1および図2に示すように、下部に嵌合部31が形成された基体部30と、この基体部30の上部外面を被覆したクッション材32と、を有している。
【0015】
基体部30は、段付きの外周面を有する円柱状に形成されて、シフトノブ3の骨格部材として機能している。この基体部30は、例えば樹脂製である。
【0016】
嵌合部31は、図2および図3に示すように、基体部30の下面において上方へ向けて凹状に形成され、その内部にレバー本体2の先端部2aが挿入されることで先端部2aに外嵌するようになっている。嵌合部31は、レバー本体2を囲繞する内周面31aを有している。この内周面31aには、嵌合部31におけるレバー本体2の挿入方向Aに延在した複数の凸条31bが周方向に相互に間隔をあけて形成されている。これら複数の凸条31bは、嵌合部31に挿入されたレバー本体2に当接してレバー本体2の径方向の位置決めをする。かかる構造の嵌合部31がレバー本体2の先端部2aに外嵌した状態では、上述の通り凸条31bによってレバー本体2の径方向の位置決めがなされるとともに、嵌合部31の天井面31cにレバー本体2の先端が当接し、且つ嵌合部31の下縁を含む基体部30の底面30aに取付部材20の上端が当接して、レバー本体2の挿入方向Aにおけるレバー本体2の位置決めがなされる。ここで、嵌合部31の天井面31cおよび基体部30の底面30aは、挿入方向Aでのレバー本体2の位置決めを行なう位置決め部として機能している。
【0017】
基体部30の下端には、弾性を有する第1の爪部5が一体に形成されている。この第1の爪部5は、レバー本体2にシフトノブ3を係止するためのものである。具体的には、第1の爪部5は、相対向して一対形成されている。第1の爪部5は、基体部30の下端からレバー本体2の挿入方向Aとは反対方向に突出して形成され、その先端部(下端部)には、ストッパー部4の底面41に係合する第1の係合部51が屈曲形成されている。この第1の係合部51には、その内面に内斜面51aが形成されるとともに、その外面に外斜面51bが形成さている。内斜面51aは、嵌合部31にレバー本体2の先端部2aが挿入される際にストッパー部4に当接する。外斜面51bは、内斜面51aの裏側に形成されている。これら内斜面51aおよび外斜面51bは、第1の爪部5における固定端部5a側から先端部5b側へ向うにしたがいレバー本体2の軸心2cに近づくようにレバー本体2の軸心2cに対して傾斜している。かかる構造の第1の爪部5は、レバー本体2の先端部2aが嵌合部31に挿入されることにより、弾性変形してストッパー部4を乗り越えてストッパー部4に係合して、レバー本体2にシフトノブ3を係止する。
【0018】
また、基体部30の下端には、図2に示すように、弾性を有する一対の係合片9が一体に形成されている。係合片9は、レバー本体2の軸心2c周りのシフトノブ3の回転を規制するものである。具体的には、係合片9は、基体部30の下端からレバー本体2の挿入方向Aとは反対方向に突出して一対形成されている。これら係合片9は、一対の第1の爪部5の対向方向に対して直交する方向で相互に対面している。係合片9は、圧入部8の対向面8a、8b間の距離よりも若干幅広な略台形状に形成されるとともに、切欠き部91が形成されている。切欠き部91は、基体部30の周方向での当該係合片9の中央部に上下に延びて形成されている。かかる構造の係合片9は、レバー本体2の先端部2aが嵌合部31に挿入されることにより、圧入部8に圧入されて弾性変形して圧入部8に係合し、当該係合によってレバー本体2の軸心2c周りのシフトノブ3の回転を規制する。
【0019】
また、基体部30における嵌合部31の外側部分には、図2,図5および図6に示すように、係合孔34が形成されている。係合孔34は、レバー本体2の軸心2c周り方向に沿って開口し形成され溝状となっている。係合孔34には、キャップ6の後述する第2の爪部10が係合する。このレバー本体2の軸心2c周り方向での係合孔34の一端部よりも他端部の方が、当該係合孔34への第2の爪部10の係合可能量が多くなっている。詳しくは、係合孔34には、第2の爪部10が比較的浅く係合する凹部34aが一端部に形成されているとともに、第2の爪部10が凹部34aとの係合量よりも多い係合量で係合する貫通孔34bが他端部に形成されている。そして、係合孔34における凹部34aと貫通孔34bとの繋ぐ部分の深さdは、凹部34aから貫通孔34bに向かうにしたがい徐々に深くなるように形成されている。
【0020】
キャップ6は、図1および図5に示すように、レバー本体2が当該キャップ6に挿通された状態でシフトノブ3に取り付けられて、ストッパー部4および第1の爪部5を覆う。このキャップ6は、レバー本体2がレバー支持部101に取り付けられる前に予めレバー本体2に外挿されている。そして、キャップ6は、レバー本体2にシフトノブ3が組み付けられた状態で、当該キャップ6の上端とシフトノブ3の下端とが当接するまで、レバー本体2の軸心2c方向上方に沿って移動され、その後、レバー本体2の軸心2c周り方向の一方向(以後、固定方向という)X(図4参照)に回転されることで、シフトノブ3に組み付けられるようになっている。
【0021】
具体的には、キャップ6は、上面開口の有底筒状に形成されるとともに、その底壁61の中心部に挿通孔62が形成されており、この挿通孔62にレバー本体2が挿通されるようになっている。キャップ6の内部には、シフトノブ3に設けられた係合孔34に係合する一対の第2の爪部10と、シフトノブ3に設けられた第1の爪部5を押圧する一対の押圧部7と、が設けられている。
【0022】
第2の爪部10は、図2および図5に示すように、キャップ6の底壁61の内面に立設されており、弾性力を有している。これら第2の爪部10は、一対の押圧部7の対向方向に対して直交する方向で相互に対面している。第2の爪部10は、その先端部(上端部)にキャップ6の軸心(レバー本体2の軸心2c)に向って突出形成された第2の係合部12を有している。この第2の係合部12の上端には、キャップ6の軸心に向って下方へ傾斜した斜面12aが形成されている。
【0023】
一対の押圧部7は、キャップ6の下部の内面に突出形成されて、キャップの軸心を間にして相互に対向している。押圧部7は、ストッパー部4に第1の爪部5の内斜面51aが圧接する方向に第1の爪部5の外斜面51bを押圧するものである。
【0024】
押圧部7は、具体的には、図4に示すように、ストッパー部4に第1の爪部5の内斜面51aが圧接する方向に第1の爪部5の外斜面51bを押圧する略直線状の押圧頂部7aと、この押圧頂部7aにおけるキャップ6の固定方向Xの前方側に連設された案内頂部7bと、を有している。案内頂部7bは、押圧部7の突出量tがキャップ6の固定方向Xとは反対の回転方向に向かうにしたがい徐々に増大することで形成されて、固定方向Xへのキャップ6の回転に伴ない第1の爪部5に次第に近づく湾曲形状となっている。かかる構造の押圧部7は、第2の爪部10が係合孔34の一端部に位置した状態(図5,図6)、即ち凹部34aに係合した状態では、押圧頂部7aおよび案内頂部7bの両方が第1の爪部5の外斜面51bから離間した状態となる(図4)。一方、キャップ6がレバー本体2の固定方向X(軸心2c周りの一方向)に回転されシフトノブ3の係合孔34の他端部の貫通孔34bに第2の爪部10が係合した状態では(図9,図10)、押圧頂部7aが第1の爪部5の外斜面51bを押圧する(図8)。
【0025】
次に、シフトレバー1の組み立て手順を説明する。まず、予めキャップ6が外挿されたレバー本体2の先端部2aにシフトノブ3の嵌合部31を所定の押し込み力をもって挿入し、図3および図4に示すように、第1の爪部5の第1の係合部51をストッパー部4に係合させるとともに、係合片9を圧入部8に圧入する。この際、第1の爪部5の第1の係合部51は、弾性変形してストッパー部4を乗り越えて内斜面51aがストッパー部4の底面41の周縁部に係合し、係合片9は、圧入されることで弾性変形して圧入部に係合する。そして、ストッパー部4に対する第1の爪部5の係合により、レバー本体2にシフトノブ3が係止され、レバー本体2にシフトノブ3が取り付けられる。また、圧入部8に対する係合片9の係合により、レバー本体2の軸心2c周りのシフトノブ3の回転が確実に規制され、レバー本体2に対するシフトノブ3の回転が確実に阻止される。
【0026】
次に、キャップ6をレバー本体2の軸方向に沿ってシフトノブ3に向けて移動させて、図5および図6に示すように、第2の爪部10を係合孔34の凹部34aに係合する。これにより、キャップ6がシフトノブ3に取り付けられる。このとき、第2の爪部10は、斜面12aがシフトノブ3の係合孔34の下縁部に乗り越えることにより、円滑に係合孔34の下縁部を乗り越えることができる。
【0027】
次に、キャップ6を固定方向Xに略90゜だけ回転すると、図7および図8に示すように、押圧部7の押圧頂部7aが、ストッパー部4に第1の爪部5の内斜面51aが圧接する方向に第1の爪部5の外斜面51bを押圧する。これにより、ストッパー部4と押圧部7とが第1の爪部5の第1の係合部51を挟み込む。この際、レバー本体2に対してキャップ6が多少ずれていた場合であっても、押圧部7の案内頂部7bが第1の爪部5に対して摺動することにより、押圧頂部7aにスムーズに第1の爪部5を当接させることができる。かかる押圧部7による第1の爪部5の押圧により、第1の係合部51がより強固にストッパー部4に係合して、レバー本体2からのシフトノブ3の抜け止めが強固になされる。また、この時、第2の爪部10は、図9および図10に示すように、キャップ6の回転に伴って凹部34aから離脱して、係合孔34によって貫通孔34bまで案内されて、最終的に貫通孔34bに係合する。これにより、キャップ6がシフトノブ3に強固に取り付けられる。この状態でキャップ6の回転方向および上下方向の移動が確実に阻止される。
【0028】
次に、本実施形態の作用効果を対応する構成とともに説明する。
【0029】
上述した通り、本実施形態のシフトレバー1では、レバー本体2の先端部2aが嵌合部31に挿入されることにより、第1の爪部5が、弾性変形してストッパー部4を乗り越えてストッパー部4に係合してレバー本体2にシフトノブ3を係止する。したがって、レバー本体2へのシフトノブ3の取り付けにあっては、シフトノブ3の嵌合部31をレバー本体2の先端部2aに外嵌すればよく、レバー本体とシフトノブとを係合するための従来のピンを用いる必要が無いので、レバー本体2へのシフトノブ3の取り付け作業を簡素化することができる。また、このようにレバー本体2へのシフトノブ3の取り付け作業を簡素化することができるので、シフトレバー1の低コスト化を図ることができる。
【0030】
また、本実施形態のシフトレバー1では、シフトノブ3は、嵌合部31が形成された基体部30を有し、第1の爪部5は、嵌合部31にレバー本体2の先端部2aが挿入される際にストッパー部4に当接する内斜面51aを有し、基体部30からレバー本体2の挿入方向Aとは反対方向に突出して形成され、内斜面51aは、第1の爪部5における固定端部5a側から先端部5b側へ向うにしたがいレバー本体2の軸心2cに近づくようにレバー本体2の軸心2cに対して傾斜している。したがって、第1の爪部5の内斜面51aによって、シフトノブ3をレバー本体2に着脱する際の力を小さくできるとともに、シフトノブ3とレバー本体2との間の軸方向の取り付け誤差を許容して安定した第1の爪部5の係止力を得ることができる。
【0031】
また、本実施形態のシフトレバー1は、レバー本体2が挿通された状態でシフトノブ3に取り付けられてストッパー部4および第1の爪部5を覆うキャップ6を備えている。そして、第1の爪部5は、当該第1の爪部5における固定端部5a側から先端部5b側へ向うにしたがいレバー本体2の軸心2cに近づくようにレバー本体2の軸心2cに対して傾斜して内斜面51aの裏側に形成された外斜面51bを有し、キャップ6は、ストッパー部4に内斜面51aが圧接する方向に外斜面51bを押圧する押圧部7を有する。したがって、押圧部7が外斜面51bを押圧することにより、ストッパー部4に第1の爪部5をより強く係合させることができるので、レバー本体2にシフトノブ3をより強固に取り付けることができ、シフトレバー1の操作時にシフトノブ3にガタ付きが発生するのを抑制することができる。
【0032】
また、本実施形態のシフトレバー1は、レバー本体2の軸心2c周り方向に沿って開口してシフトノブ3に設けられた係合孔34と、弾性を有しキャップ6の内部に設けられ、キャップ6がレバー本体2の軸方向に沿ってシフトノブ3に向けて移動することにより、係合孔34に係合しキャップ6をシフトノブ3に取り付ける第2の爪部10と、を備えている。そして、レバー本体2の軸心2c周り方向での係合孔34の一端部(凹部34a)よりも他端部(貫通孔34b)の方が、当該係合孔34への第2の爪部10の係合可能量が多くなっており、押圧部7は、第2の爪部10が係合孔34の一端部(凹部34a)に位置した状態では外斜面51bから離間し、キャップ6がレバー本体2の軸心2c周りの一方向である固定方向Xに回転され係合孔34の他端部(貫通孔34b)に第2の爪部10が係合した状態では外斜面51bを押圧する。したがって、キャップ6を固定方向Xに回転させることによって、第2の爪部10と係合孔34との係合量を増大でき、シフトノブ3に対してキャップ6をより強固に固定することができるとともに、押圧部7によって第1の爪部5の外斜面51bを押圧してストッパー部4に第1の爪部5をより強く係合させることができる。
【0033】
また、本実施形態のシフトレバー1は、シフトノブ3に設けられ、弾性を有する係合片9と、ストッパー部4に設けられた圧入部36とを備えている。そして、レバー本体2の先端部2aが嵌合部31に挿入されることにより、係合片9が圧入部36に圧入されて弾性変形して圧入部36に係合し、当該係合によってレバー本体2の軸心2c周りのシフトノブ3の回転を規制する。したがって、シフトノブ3をレバー本体2に挿入した際に係合片9が圧入部36に嵌合して、シフトノブ3とレバー本体2の相対回転を阻止することができ、シフトレバー1が操作される際に、シフトノブ3の回転を阻止することができる。また、係合片9は弾性変形して圧入部8に圧入するため、シフトノブ3のレバー本体2への脱着力を比較的小さくできるとともに、シフトノブ3とレバー本体2の回転方向の寸法ばらつきを吸収して係合片9と圧入部36との安定した係合状態を得ることができる。
【0034】
また、本実施形態のシフトレバー1では、嵌合部31は、レバー本体2の挿入方向に延在した複数の凸条31bが周方向に相互に間隔をあけて形成されレバー本体2を囲繞する内周面31aを有し、複数の凸条31bは、レバー本体2に当接してレバー本体2の径方向の位置決めをする。したがって、レバー本体2に対するシフトノブ3の位置決めより高い精度で行なうことができるとともに、シフトノブ3の径方向のガタ付きをより確実に抑制することができる。
【0035】
また、本実施形態のシフトレバー1では、取付部材20が樹脂アウトサート成形によって形成されているので、取付部材20を切削などの機械加工によって形成する場合に比べて、取付部材20を安価に成形することができる。
【0036】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態を図11ないし図19を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図11は、本実施形態にかかるシフトレバーの上部の分解斜視図、図12は、本実施形態にかかるストッパー部と第1の爪部とが初期係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図、図13は、図12中のXIII-XIII線に沿った断面図、図14は、本実施形態にかかる第2の爪部と係合孔とが初期係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図、図15は、図14中のXV−XV線に沿ったシフトレバーの中央部分の断面図、図16は、本実施形態にかかる第1の爪部に押圧部が圧接した状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図、図17は、図16中のXVII-XVII線に沿った断面図、図18は、本実施形態にかかる第2の爪部と係合孔とが最終係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図、図19は、図18中のXIX−XIX線に沿ったシフトレバーの中央部分の断面図である。ここで、図13および図17では、キャップの内部構造が一部省略されている。
【0037】
本実施形態は、シフトレバー1Aにおけるキャップ6のシフトノブ3に対する取付において、キャップの移動をレバー本体2の軸心方向上方への移動のみとしてキャップ6の回転を不要とした点が、第1の実施形態に対して異なる。
【0038】
具体的には、図11に示すように、シフトノブ3に設けられた係合孔34Aが、溝状ではなく貫通孔として形成されている。この係合孔34Aは、第2の爪部10を嵌合する大きさに形成されて、係合した第2の爪部10におけるレバー本体2の軸方向および周方向への移動を阻止するようになっている。
【0039】
また、キャップ6に設けられた押圧部7Aは、図11および図17に示すように、押圧頂部7aは有するが第1の実施形態で説明した案内頂部7b(図4参照)を有していない。
【0040】
次に、シフトレバー1Aの組み立て手順を説明する。まず、図12および図13に示すように、第1の実施形態で説明した通りに、レバー本体2にシフトノブ3を取り付ける。
【0041】
次に、キャップ6をレバー本体2の軸方向に沿ってシフトノブ3に向けて移動させると、図16および図17に示すように、押圧部7Aの押圧頂部7aが、ストッパー部4に第1の爪部5の内斜面51aが圧接する方向に第1の爪部5の外斜面51bを押圧する。これにより、ストッパー部4と押圧部7Aとが第1の爪部5の第1の係合部51を挟み込む。また、これと同時に、図18および図19に示すように、第2の爪部10がシフトノブ3における係合孔34Aに係合する。これにより、キャップ6がシフトノブ3に取り付けられる。この状態でキャップ6の回転方向および上下方向の移動が確実に阻止されるとともに、第1の係合部51がストッパー部4により強固に係合して、レバー本体2からのシフトノブ3の抜け止めがなされる。なお、他の構成は、第1の実施形態と同じである。
【0042】
次に、本実施形態の作用効果を対応する構成とともに説明する。
【0043】
上述した通り、本実施形態のシフトレバー1Aは、シフトノブ3に設けられた係合孔34Aと、弾性を有しキャップ6の内部に設けられ、係合孔34Aに係合しキャップ6をシフトノブ3に取り付ける第2の爪部10と、を備える。そして、キャップ6がレバー本体2の軸方向に沿ってシフトノブ3に向けて移動することにより、第2の爪部10が係合孔34Aに係合するとともに押圧部7Aが第1の爪部5の外斜面51bを押圧する。したがって、キャップ6をシフトノブ3に取り付けるにはキャップ6をレバー本体2の軸方向に沿ってシフトノブ3に向けて移動させるだけで良く、キャップ6を回転させ回転させる必要がないので、シフトノブ3に対するキャップ6の取り付け作業を簡素化することができる。
【0044】
なお、本発明は、上記各実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるシフトレバーを示す断面図。
【図2】本発明の第1の実施形態にかかるシフトレバーの上部を示す分解斜視図。
【図3】本発明の第1の実施形態にかかるストッパー部と第1の爪部とが初期係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図。
【図4】図3中のIV-IV線に沿った断面図。
【図5】本発明の第1の実施形態にかかる第2の爪部と係合孔とが初期係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図。
【図6】図5中のVI-VI線に沿ったシフトレバーの中央部分の断面図。
【図7】本発明の第1の実施形態にかかる第1の爪部に押圧部が圧接した状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図。
【図8】図7中のVIII−VIII線に沿った断面図。
【図9】本発明の第1の実施形態にかかる第2の爪部と係合孔とが最終係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図。
【図10】図9中のX−X線に沿ったシフトレバーの中央部分の断面図。
【図11】本発明の第2の実施形態にかかるシフトレバーの上部の分解斜視図。
【図12】本発明の第2の実施形態にかかるストッパー部と第1の爪部とが初期係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図。
【図13】図12中のXIII-XIII線に沿った断面図。
【図14】本発明の第2の実施形態にかかる第2の爪部と係合孔とが初期係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図。
【図15】図14中のXV−XV線に沿ったシフトレバーの中央部分の断面図。
【図16】本発明の第2の実施形態にかかる第1の爪部に押圧部が圧接した状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図。
【図17】図16中のXVII-XVII線に沿った断面図。
【図18】本発明の第2の実施形態にかかる第2の爪部と係合孔とが最終係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図。
【図19】図18中のXIX−XIX線に沿ったシフトレバーの中央部分の断面図。
【符号の説明】
【0046】
1,1A シフトレバー
2 レバー本体
2a レバー本体の先端部
2c レバー本体の軸心
3 シフトノブ
4 ストッパー部
5 第1の爪部
5a 第1の爪部の固定端部
5b 第1の爪部の先端部
6 キャップ
7,7A 押圧部
8 圧入部
9 係合片
10 第2の爪部
30 基体部
31 嵌合部
31a 内周面
31b 凸条
34,34A 係合孔
51a 内斜面
51b 外斜面
101 レバー支持部
A レバー本体の挿入方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速機の変速操作用のシフトレバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば車両における変速機の変速操作用のシフトレバーとして、レバー本体とこのレバー本体に取り付けられるシフトノブとを備えるものがある。このようなシフトレバーには、シフトノブに形成されたガイド突起を、レバー本体に形成されたガイド溝に嵌合しつつ、シフトノブをレバー本体の上端部に挿入し、それらシフトノブとレバー本体の相対応する位置にそれぞれ形成した係合溝に、拡開可能なピンを係合することにより、シフトノブをレバー本体にワンタッチで組み付けることができるようになっているものがある。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−219003号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、かかる従来のシフトレバーでは、レバー本体にシフトノブを取り付けるために、それら両者の係合溝に係合するピンが必要であるため、レバー本体にシフトレバーを取り付ける作業に手間がかかるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、シフトレバーにおいて、レバー本体へのシフトノブの取り付け作業を簡素化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のシフトレバーは、レバー本体に設けられたストッパー部と、弾性を有し、シフトノブに設けられた第1の爪部と、を備え、前記レバー本体の先端部が前記シフトノブに設けられた嵌合部に挿入されることにより、前記第1の爪部が、弾性変形して前記ストッパー部を乗り越えて前記ストッパー部に係合して前記レバー本体に前記シフトノブを係止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、レバー本体の先端部が嵌合部に挿入されることにより、第1の爪部がレバー本体にシフトノブを係止するので、レバー本体へのシフトノブの取り付けにあっては、シフトノブの嵌合部をレバー本体の先端部に外嵌すればよく、レバー本体とシフトノブとを係合するための上記従来のピンを用いる必要が無いので、レバー本体へのシフトノブの取り付け作業を簡素化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態を図1ないし図10を参照して説明する。図1は、本実施形態にかかるシフトレバーを示す断面図、図2は、本実施形態にかかるシフトレバーの上部を示す分解斜視図、図3は、本実施形態にかかるストッパー部と第1の爪部とが初期係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図、図4は、図3中のIV-IV線に沿った断面図、図5は、本実施形態にかかる第2の爪部と係合孔とが初期係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図、図6は、図5中のVI-VI線に沿ったシフトレバーの中央部分の断面図、図7は、本実施形態にかかる第1の爪部に押圧部が圧接した状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図、図8は、図7中のVIII−VIII線に沿った断面図、図9は、本実施形態にかかる第2の爪部と係合孔とが最終係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図、図10は、図9中のX−X線に沿ったシフトレバーの中央部分の断面図である。ここで、図4および図8では、キャップの内部構造が一部省略されている。
【0008】
図1および図2に示すように、本実施形態のシフトレバー1は、棒状のレバー本体2と、このレバー本体2の先端部2aに外嵌状態で取り付けられて把持可能なシフトノブ3と、レバー本体2およびシフトノブ3の連結部を覆うキャップ6と、を備えている。このシフトレバー1は、レバー本体2が変速機に連結された状態で、シフトノブ3が乗員によって操作されることで、変速機の変速操作である走行レンジのセレクト操作を行なうようになっている。また、シフトレバー1には、特定レンジへの投入阻止を解除する解除ボタン33がシフトノブ3から突出して設けられている。
【0009】
レバー本体2は、略直線状の中空パイプ状に形成されている。レバー本体2は、基端部2bが変速機のレバー支持部101に支持される。レバー本体2には、当該レバー本体2にシフトノブ3を取り付けるための取付部材20が一体に設けられている。
【0010】
取付部材20は、略円筒状に形成されて、レバー本体2に外嵌している。具体的には、取付部材20は、レバー本体2の外周面に樹脂アウトサート成形によって一体に形成されている。この取付部材20は、その下部に位置するストッパー部4と、その上部に位置するボス部44と、ストッパー部4およびボス部44の外面に亘って形成された圧入部8と、を有している。即ち、レバー本体2に、ストッパー部4と圧入部8とが設けられている。
【0011】
ストッパー部4は、図3にも示すように、概略円筒状に形成されてレバー本体2に外嵌している。ストッパー部4は、レバー本体2の軸心2cに対して略直角な底面41と、この底面41の外縁から上方に立ち上げ形成された縦面42と、この縦面42の上縁から上方へ延出して形成されたテーパ面43と、を有している。テーパ面43は、その下端から上端に向かうにしたがいレバー本体2の軸心2cに近づくようにレバー本体2の軸心2cに対して傾斜している。そして、このテーパ面43の上縁にボス部44が立ち上げ形成されている。ストッパー部4には、シフトノブ3に設けられた後述する第1の爪部5が係合する。
【0012】
ボス部44は、略直線状の円筒状に形成され、レバー本体2に外嵌している。
【0013】
圧入部8は、図2に示すように、レバー本体2の軸心2cを間にして一対設けられている。圧入部8は、シフトノブ3に設けられた後述する係合片9が圧入されるものである。具体的には、圧入部8は、ストッパー部4のテーパ面43からボス部44の外面に亘って立ち上げ形成された一対の縦壁81、82を有している。これら一対の縦壁81,82は、レバー本体2の軸心2cに直交する方向に相互に間隔をあけて形成され、レバー本体2の軸心2cに沿って延在している。かかる形状の一対の縦壁81,82には、レバー本体2の軸心2c周り方向で相互に対向する対向面8a,8bが形成されている。そして、これら一対の対向面8a,8b間に係合片9が圧入される。
【0014】
シフトノブ3は、図1および図2に示すように、下部に嵌合部31が形成された基体部30と、この基体部30の上部外面を被覆したクッション材32と、を有している。
【0015】
基体部30は、段付きの外周面を有する円柱状に形成されて、シフトノブ3の骨格部材として機能している。この基体部30は、例えば樹脂製である。
【0016】
嵌合部31は、図2および図3に示すように、基体部30の下面において上方へ向けて凹状に形成され、その内部にレバー本体2の先端部2aが挿入されることで先端部2aに外嵌するようになっている。嵌合部31は、レバー本体2を囲繞する内周面31aを有している。この内周面31aには、嵌合部31におけるレバー本体2の挿入方向Aに延在した複数の凸条31bが周方向に相互に間隔をあけて形成されている。これら複数の凸条31bは、嵌合部31に挿入されたレバー本体2に当接してレバー本体2の径方向の位置決めをする。かかる構造の嵌合部31がレバー本体2の先端部2aに外嵌した状態では、上述の通り凸条31bによってレバー本体2の径方向の位置決めがなされるとともに、嵌合部31の天井面31cにレバー本体2の先端が当接し、且つ嵌合部31の下縁を含む基体部30の底面30aに取付部材20の上端が当接して、レバー本体2の挿入方向Aにおけるレバー本体2の位置決めがなされる。ここで、嵌合部31の天井面31cおよび基体部30の底面30aは、挿入方向Aでのレバー本体2の位置決めを行なう位置決め部として機能している。
【0017】
基体部30の下端には、弾性を有する第1の爪部5が一体に形成されている。この第1の爪部5は、レバー本体2にシフトノブ3を係止するためのものである。具体的には、第1の爪部5は、相対向して一対形成されている。第1の爪部5は、基体部30の下端からレバー本体2の挿入方向Aとは反対方向に突出して形成され、その先端部(下端部)には、ストッパー部4の底面41に係合する第1の係合部51が屈曲形成されている。この第1の係合部51には、その内面に内斜面51aが形成されるとともに、その外面に外斜面51bが形成さている。内斜面51aは、嵌合部31にレバー本体2の先端部2aが挿入される際にストッパー部4に当接する。外斜面51bは、内斜面51aの裏側に形成されている。これら内斜面51aおよび外斜面51bは、第1の爪部5における固定端部5a側から先端部5b側へ向うにしたがいレバー本体2の軸心2cに近づくようにレバー本体2の軸心2cに対して傾斜している。かかる構造の第1の爪部5は、レバー本体2の先端部2aが嵌合部31に挿入されることにより、弾性変形してストッパー部4を乗り越えてストッパー部4に係合して、レバー本体2にシフトノブ3を係止する。
【0018】
また、基体部30の下端には、図2に示すように、弾性を有する一対の係合片9が一体に形成されている。係合片9は、レバー本体2の軸心2c周りのシフトノブ3の回転を規制するものである。具体的には、係合片9は、基体部30の下端からレバー本体2の挿入方向Aとは反対方向に突出して一対形成されている。これら係合片9は、一対の第1の爪部5の対向方向に対して直交する方向で相互に対面している。係合片9は、圧入部8の対向面8a、8b間の距離よりも若干幅広な略台形状に形成されるとともに、切欠き部91が形成されている。切欠き部91は、基体部30の周方向での当該係合片9の中央部に上下に延びて形成されている。かかる構造の係合片9は、レバー本体2の先端部2aが嵌合部31に挿入されることにより、圧入部8に圧入されて弾性変形して圧入部8に係合し、当該係合によってレバー本体2の軸心2c周りのシフトノブ3の回転を規制する。
【0019】
また、基体部30における嵌合部31の外側部分には、図2,図5および図6に示すように、係合孔34が形成されている。係合孔34は、レバー本体2の軸心2c周り方向に沿って開口し形成され溝状となっている。係合孔34には、キャップ6の後述する第2の爪部10が係合する。このレバー本体2の軸心2c周り方向での係合孔34の一端部よりも他端部の方が、当該係合孔34への第2の爪部10の係合可能量が多くなっている。詳しくは、係合孔34には、第2の爪部10が比較的浅く係合する凹部34aが一端部に形成されているとともに、第2の爪部10が凹部34aとの係合量よりも多い係合量で係合する貫通孔34bが他端部に形成されている。そして、係合孔34における凹部34aと貫通孔34bとの繋ぐ部分の深さdは、凹部34aから貫通孔34bに向かうにしたがい徐々に深くなるように形成されている。
【0020】
キャップ6は、図1および図5に示すように、レバー本体2が当該キャップ6に挿通された状態でシフトノブ3に取り付けられて、ストッパー部4および第1の爪部5を覆う。このキャップ6は、レバー本体2がレバー支持部101に取り付けられる前に予めレバー本体2に外挿されている。そして、キャップ6は、レバー本体2にシフトノブ3が組み付けられた状態で、当該キャップ6の上端とシフトノブ3の下端とが当接するまで、レバー本体2の軸心2c方向上方に沿って移動され、その後、レバー本体2の軸心2c周り方向の一方向(以後、固定方向という)X(図4参照)に回転されることで、シフトノブ3に組み付けられるようになっている。
【0021】
具体的には、キャップ6は、上面開口の有底筒状に形成されるとともに、その底壁61の中心部に挿通孔62が形成されており、この挿通孔62にレバー本体2が挿通されるようになっている。キャップ6の内部には、シフトノブ3に設けられた係合孔34に係合する一対の第2の爪部10と、シフトノブ3に設けられた第1の爪部5を押圧する一対の押圧部7と、が設けられている。
【0022】
第2の爪部10は、図2および図5に示すように、キャップ6の底壁61の内面に立設されており、弾性力を有している。これら第2の爪部10は、一対の押圧部7の対向方向に対して直交する方向で相互に対面している。第2の爪部10は、その先端部(上端部)にキャップ6の軸心(レバー本体2の軸心2c)に向って突出形成された第2の係合部12を有している。この第2の係合部12の上端には、キャップ6の軸心に向って下方へ傾斜した斜面12aが形成されている。
【0023】
一対の押圧部7は、キャップ6の下部の内面に突出形成されて、キャップの軸心を間にして相互に対向している。押圧部7は、ストッパー部4に第1の爪部5の内斜面51aが圧接する方向に第1の爪部5の外斜面51bを押圧するものである。
【0024】
押圧部7は、具体的には、図4に示すように、ストッパー部4に第1の爪部5の内斜面51aが圧接する方向に第1の爪部5の外斜面51bを押圧する略直線状の押圧頂部7aと、この押圧頂部7aにおけるキャップ6の固定方向Xの前方側に連設された案内頂部7bと、を有している。案内頂部7bは、押圧部7の突出量tがキャップ6の固定方向Xとは反対の回転方向に向かうにしたがい徐々に増大することで形成されて、固定方向Xへのキャップ6の回転に伴ない第1の爪部5に次第に近づく湾曲形状となっている。かかる構造の押圧部7は、第2の爪部10が係合孔34の一端部に位置した状態(図5,図6)、即ち凹部34aに係合した状態では、押圧頂部7aおよび案内頂部7bの両方が第1の爪部5の外斜面51bから離間した状態となる(図4)。一方、キャップ6がレバー本体2の固定方向X(軸心2c周りの一方向)に回転されシフトノブ3の係合孔34の他端部の貫通孔34bに第2の爪部10が係合した状態では(図9,図10)、押圧頂部7aが第1の爪部5の外斜面51bを押圧する(図8)。
【0025】
次に、シフトレバー1の組み立て手順を説明する。まず、予めキャップ6が外挿されたレバー本体2の先端部2aにシフトノブ3の嵌合部31を所定の押し込み力をもって挿入し、図3および図4に示すように、第1の爪部5の第1の係合部51をストッパー部4に係合させるとともに、係合片9を圧入部8に圧入する。この際、第1の爪部5の第1の係合部51は、弾性変形してストッパー部4を乗り越えて内斜面51aがストッパー部4の底面41の周縁部に係合し、係合片9は、圧入されることで弾性変形して圧入部に係合する。そして、ストッパー部4に対する第1の爪部5の係合により、レバー本体2にシフトノブ3が係止され、レバー本体2にシフトノブ3が取り付けられる。また、圧入部8に対する係合片9の係合により、レバー本体2の軸心2c周りのシフトノブ3の回転が確実に規制され、レバー本体2に対するシフトノブ3の回転が確実に阻止される。
【0026】
次に、キャップ6をレバー本体2の軸方向に沿ってシフトノブ3に向けて移動させて、図5および図6に示すように、第2の爪部10を係合孔34の凹部34aに係合する。これにより、キャップ6がシフトノブ3に取り付けられる。このとき、第2の爪部10は、斜面12aがシフトノブ3の係合孔34の下縁部に乗り越えることにより、円滑に係合孔34の下縁部を乗り越えることができる。
【0027】
次に、キャップ6を固定方向Xに略90゜だけ回転すると、図7および図8に示すように、押圧部7の押圧頂部7aが、ストッパー部4に第1の爪部5の内斜面51aが圧接する方向に第1の爪部5の外斜面51bを押圧する。これにより、ストッパー部4と押圧部7とが第1の爪部5の第1の係合部51を挟み込む。この際、レバー本体2に対してキャップ6が多少ずれていた場合であっても、押圧部7の案内頂部7bが第1の爪部5に対して摺動することにより、押圧頂部7aにスムーズに第1の爪部5を当接させることができる。かかる押圧部7による第1の爪部5の押圧により、第1の係合部51がより強固にストッパー部4に係合して、レバー本体2からのシフトノブ3の抜け止めが強固になされる。また、この時、第2の爪部10は、図9および図10に示すように、キャップ6の回転に伴って凹部34aから離脱して、係合孔34によって貫通孔34bまで案内されて、最終的に貫通孔34bに係合する。これにより、キャップ6がシフトノブ3に強固に取り付けられる。この状態でキャップ6の回転方向および上下方向の移動が確実に阻止される。
【0028】
次に、本実施形態の作用効果を対応する構成とともに説明する。
【0029】
上述した通り、本実施形態のシフトレバー1では、レバー本体2の先端部2aが嵌合部31に挿入されることにより、第1の爪部5が、弾性変形してストッパー部4を乗り越えてストッパー部4に係合してレバー本体2にシフトノブ3を係止する。したがって、レバー本体2へのシフトノブ3の取り付けにあっては、シフトノブ3の嵌合部31をレバー本体2の先端部2aに外嵌すればよく、レバー本体とシフトノブとを係合するための従来のピンを用いる必要が無いので、レバー本体2へのシフトノブ3の取り付け作業を簡素化することができる。また、このようにレバー本体2へのシフトノブ3の取り付け作業を簡素化することができるので、シフトレバー1の低コスト化を図ることができる。
【0030】
また、本実施形態のシフトレバー1では、シフトノブ3は、嵌合部31が形成された基体部30を有し、第1の爪部5は、嵌合部31にレバー本体2の先端部2aが挿入される際にストッパー部4に当接する内斜面51aを有し、基体部30からレバー本体2の挿入方向Aとは反対方向に突出して形成され、内斜面51aは、第1の爪部5における固定端部5a側から先端部5b側へ向うにしたがいレバー本体2の軸心2cに近づくようにレバー本体2の軸心2cに対して傾斜している。したがって、第1の爪部5の内斜面51aによって、シフトノブ3をレバー本体2に着脱する際の力を小さくできるとともに、シフトノブ3とレバー本体2との間の軸方向の取り付け誤差を許容して安定した第1の爪部5の係止力を得ることができる。
【0031】
また、本実施形態のシフトレバー1は、レバー本体2が挿通された状態でシフトノブ3に取り付けられてストッパー部4および第1の爪部5を覆うキャップ6を備えている。そして、第1の爪部5は、当該第1の爪部5における固定端部5a側から先端部5b側へ向うにしたがいレバー本体2の軸心2cに近づくようにレバー本体2の軸心2cに対して傾斜して内斜面51aの裏側に形成された外斜面51bを有し、キャップ6は、ストッパー部4に内斜面51aが圧接する方向に外斜面51bを押圧する押圧部7を有する。したがって、押圧部7が外斜面51bを押圧することにより、ストッパー部4に第1の爪部5をより強く係合させることができるので、レバー本体2にシフトノブ3をより強固に取り付けることができ、シフトレバー1の操作時にシフトノブ3にガタ付きが発生するのを抑制することができる。
【0032】
また、本実施形態のシフトレバー1は、レバー本体2の軸心2c周り方向に沿って開口してシフトノブ3に設けられた係合孔34と、弾性を有しキャップ6の内部に設けられ、キャップ6がレバー本体2の軸方向に沿ってシフトノブ3に向けて移動することにより、係合孔34に係合しキャップ6をシフトノブ3に取り付ける第2の爪部10と、を備えている。そして、レバー本体2の軸心2c周り方向での係合孔34の一端部(凹部34a)よりも他端部(貫通孔34b)の方が、当該係合孔34への第2の爪部10の係合可能量が多くなっており、押圧部7は、第2の爪部10が係合孔34の一端部(凹部34a)に位置した状態では外斜面51bから離間し、キャップ6がレバー本体2の軸心2c周りの一方向である固定方向Xに回転され係合孔34の他端部(貫通孔34b)に第2の爪部10が係合した状態では外斜面51bを押圧する。したがって、キャップ6を固定方向Xに回転させることによって、第2の爪部10と係合孔34との係合量を増大でき、シフトノブ3に対してキャップ6をより強固に固定することができるとともに、押圧部7によって第1の爪部5の外斜面51bを押圧してストッパー部4に第1の爪部5をより強く係合させることができる。
【0033】
また、本実施形態のシフトレバー1は、シフトノブ3に設けられ、弾性を有する係合片9と、ストッパー部4に設けられた圧入部36とを備えている。そして、レバー本体2の先端部2aが嵌合部31に挿入されることにより、係合片9が圧入部36に圧入されて弾性変形して圧入部36に係合し、当該係合によってレバー本体2の軸心2c周りのシフトノブ3の回転を規制する。したがって、シフトノブ3をレバー本体2に挿入した際に係合片9が圧入部36に嵌合して、シフトノブ3とレバー本体2の相対回転を阻止することができ、シフトレバー1が操作される際に、シフトノブ3の回転を阻止することができる。また、係合片9は弾性変形して圧入部8に圧入するため、シフトノブ3のレバー本体2への脱着力を比較的小さくできるとともに、シフトノブ3とレバー本体2の回転方向の寸法ばらつきを吸収して係合片9と圧入部36との安定した係合状態を得ることができる。
【0034】
また、本実施形態のシフトレバー1では、嵌合部31は、レバー本体2の挿入方向に延在した複数の凸条31bが周方向に相互に間隔をあけて形成されレバー本体2を囲繞する内周面31aを有し、複数の凸条31bは、レバー本体2に当接してレバー本体2の径方向の位置決めをする。したがって、レバー本体2に対するシフトノブ3の位置決めより高い精度で行なうことができるとともに、シフトノブ3の径方向のガタ付きをより確実に抑制することができる。
【0035】
また、本実施形態のシフトレバー1では、取付部材20が樹脂アウトサート成形によって形成されているので、取付部材20を切削などの機械加工によって形成する場合に比べて、取付部材20を安価に成形することができる。
【0036】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態を図11ないし図19を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図11は、本実施形態にかかるシフトレバーの上部の分解斜視図、図12は、本実施形態にかかるストッパー部と第1の爪部とが初期係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図、図13は、図12中のXIII-XIII線に沿った断面図、図14は、本実施形態にかかる第2の爪部と係合孔とが初期係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図、図15は、図14中のXV−XV線に沿ったシフトレバーの中央部分の断面図、図16は、本実施形態にかかる第1の爪部に押圧部が圧接した状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図、図17は、図16中のXVII-XVII線に沿った断面図、図18は、本実施形態にかかる第2の爪部と係合孔とが最終係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図、図19は、図18中のXIX−XIX線に沿ったシフトレバーの中央部分の断面図である。ここで、図13および図17では、キャップの内部構造が一部省略されている。
【0037】
本実施形態は、シフトレバー1Aにおけるキャップ6のシフトノブ3に対する取付において、キャップの移動をレバー本体2の軸心方向上方への移動のみとしてキャップ6の回転を不要とした点が、第1の実施形態に対して異なる。
【0038】
具体的には、図11に示すように、シフトノブ3に設けられた係合孔34Aが、溝状ではなく貫通孔として形成されている。この係合孔34Aは、第2の爪部10を嵌合する大きさに形成されて、係合した第2の爪部10におけるレバー本体2の軸方向および周方向への移動を阻止するようになっている。
【0039】
また、キャップ6に設けられた押圧部7Aは、図11および図17に示すように、押圧頂部7aは有するが第1の実施形態で説明した案内頂部7b(図4参照)を有していない。
【0040】
次に、シフトレバー1Aの組み立て手順を説明する。まず、図12および図13に示すように、第1の実施形態で説明した通りに、レバー本体2にシフトノブ3を取り付ける。
【0041】
次に、キャップ6をレバー本体2の軸方向に沿ってシフトノブ3に向けて移動させると、図16および図17に示すように、押圧部7Aの押圧頂部7aが、ストッパー部4に第1の爪部5の内斜面51aが圧接する方向に第1の爪部5の外斜面51bを押圧する。これにより、ストッパー部4と押圧部7Aとが第1の爪部5の第1の係合部51を挟み込む。また、これと同時に、図18および図19に示すように、第2の爪部10がシフトノブ3における係合孔34Aに係合する。これにより、キャップ6がシフトノブ3に取り付けられる。この状態でキャップ6の回転方向および上下方向の移動が確実に阻止されるとともに、第1の係合部51がストッパー部4により強固に係合して、レバー本体2からのシフトノブ3の抜け止めがなされる。なお、他の構成は、第1の実施形態と同じである。
【0042】
次に、本実施形態の作用効果を対応する構成とともに説明する。
【0043】
上述した通り、本実施形態のシフトレバー1Aは、シフトノブ3に設けられた係合孔34Aと、弾性を有しキャップ6の内部に設けられ、係合孔34Aに係合しキャップ6をシフトノブ3に取り付ける第2の爪部10と、を備える。そして、キャップ6がレバー本体2の軸方向に沿ってシフトノブ3に向けて移動することにより、第2の爪部10が係合孔34Aに係合するとともに押圧部7Aが第1の爪部5の外斜面51bを押圧する。したがって、キャップ6をシフトノブ3に取り付けるにはキャップ6をレバー本体2の軸方向に沿ってシフトノブ3に向けて移動させるだけで良く、キャップ6を回転させ回転させる必要がないので、シフトノブ3に対するキャップ6の取り付け作業を簡素化することができる。
【0044】
なお、本発明は、上記各実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるシフトレバーを示す断面図。
【図2】本発明の第1の実施形態にかかるシフトレバーの上部を示す分解斜視図。
【図3】本発明の第1の実施形態にかかるストッパー部と第1の爪部とが初期係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図。
【図4】図3中のIV-IV線に沿った断面図。
【図5】本発明の第1の実施形態にかかる第2の爪部と係合孔とが初期係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図。
【図6】図5中のVI-VI線に沿ったシフトレバーの中央部分の断面図。
【図7】本発明の第1の実施形態にかかる第1の爪部に押圧部が圧接した状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図。
【図8】図7中のVIII−VIII線に沿った断面図。
【図9】本発明の第1の実施形態にかかる第2の爪部と係合孔とが最終係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図。
【図10】図9中のX−X線に沿ったシフトレバーの中央部分の断面図。
【図11】本発明の第2の実施形態にかかるシフトレバーの上部の分解斜視図。
【図12】本発明の第2の実施形態にかかるストッパー部と第1の爪部とが初期係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図。
【図13】図12中のXIII-XIII線に沿った断面図。
【図14】本発明の第2の実施形態にかかる第2の爪部と係合孔とが初期係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図。
【図15】図14中のXV−XV線に沿ったシフトレバーの中央部分の断面図。
【図16】本発明の第2の実施形態にかかる第1の爪部に押圧部が圧接した状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図。
【図17】図16中のXVII-XVII線に沿った断面図。
【図18】本発明の第2の実施形態にかかる第2の爪部と係合孔とが最終係合状態にあるシフトレバーを示す要部拡大断面図。
【図19】図18中のXIX−XIX線に沿ったシフトレバーの中央部分の断面図。
【符号の説明】
【0046】
1,1A シフトレバー
2 レバー本体
2a レバー本体の先端部
2c レバー本体の軸心
3 シフトノブ
4 ストッパー部
5 第1の爪部
5a 第1の爪部の固定端部
5b 第1の爪部の先端部
6 キャップ
7,7A 押圧部
8 圧入部
9 係合片
10 第2の爪部
30 基体部
31 嵌合部
31a 内周面
31b 凸条
34,34A 係合孔
51a 内斜面
51b 外斜面
101 レバー支持部
A レバー本体の挿入方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端部がレバー支持部に支持されるレバー本体と、前記レバー本体の先端部に外嵌する嵌合部を有するシフトノブと、を備えるシフトレバーにおいて、
前記レバー本体に設けられたストッパー部と、
弾性を有し、前記シフトノブに設けられた第1の爪部と、
を備え、
前記レバー本体の先端部が前記嵌合部に挿入されることにより、前記第1の爪部が、弾性変形して前記ストッパー部を乗り越えて前記ストッパー部に係合して前記レバー本体に前記シフトノブを係止することを特徴とするシフトレバー。
【請求項2】
前記シフトノブは、前記嵌合部が形成された基体部を有し、
前記第1の爪部は、前記嵌合部に前記レバー本体の先端部が挿入される際に前記ストッパー部に当接する内斜面を有し、前記基体部から前記レバー本体の挿入方向とは反対方向に突出して形成され、
前記内斜面は、前記第1の爪部における固定端部側から先端部側へ向うにしたがい前記レバー本体の軸心に近づくように前記レバー本体の軸心に対して傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のシフトレバー。
【請求項3】
前記レバー本体が挿通された状態で前記シフトノブに取り付けられて前記ストッパー部および前記第1の爪部を覆うキャップを備え、
前記第1の爪部は、当該第1の爪部における固定端部側から先端部側へ向うにしたがい前記レバー本体の軸心に近づくように前記レバー本体の軸心に対して傾斜して前記内斜面の裏側に形成された外斜面を有し、
前記キャップは、前記ストッパー部に前記内斜面が圧接する方向に前記外斜面を押圧する押圧部を有することを特徴とする請求項2に記載のシフトレバー。
【請求項4】
前記レバー本体の軸心周り方向に沿って開口して前記シフトノブに設けられた係合孔と、
弾性を有し前記キャップの内部に設けられ、前記キャップが前記レバー本体の軸方向に沿って前記シフトノブに向けて移動することにより、前記係合孔に係合し前記キャップを前記シフトノブに取り付ける第2の爪部と、
を備え、
前記レバー本体の軸心周り方向での前記係合孔の一端部よりも他端部の方が、当該係合孔への前記第2の爪部の係合可能量が多くなっており、
前記押圧部は、前記第2の爪部が前記係合孔の前記一端部に位置した状態では前記外斜面から離間し、前記キャップが前記レバー本体の軸心周りの一方向に回転され前記係合孔の前記他端部に前記第2の爪部が係合した状態では前記外斜面を押圧することを特徴とする請求項3に記載のシフトレバー。
【請求項5】
前記シフトノブに設けられ、弾性を有する係合片と、
前記レバー本体に設けられた圧入部と、
を備え、
前記レバー本体の先端部が前記嵌合部に挿入されることにより、前記係合片が前記圧入部に圧入されて弾性変形して前記圧入部に係合し、当該係合によって前記レバー本体の軸心周りの前記シフトノブの回転を規制することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載のシフトレバー。
【請求項6】
前記嵌合部は、前記レバー本体の挿入方向に延在した複数の凸条が周方向に相互に間隔をあけて形成され前記レバー本体を囲繞する内周面を有し、
前記複数の凸条は、前記レバー本体に当接して前記レバー本体の径方向の位置決めをすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のシフトレバー。
【請求項7】
前記シフトノブに設けられた係合孔と、
弾性を有し前記キャップの内部に設けられ、前記係合孔に係合し前記キャップを前記シフトノブに取り付ける第2の爪部と、
を備え、
前記キャップが前記レバー本体の軸方向に沿って前記シフトノブに向けて移動することにより、前記第2の爪部が前記係合孔に係合するとともに前記押圧部が前記外斜面を押圧することを特徴とする請求項3に記載のシフトレバー。
【請求項1】
基端部がレバー支持部に支持されるレバー本体と、前記レバー本体の先端部に外嵌する嵌合部を有するシフトノブと、を備えるシフトレバーにおいて、
前記レバー本体に設けられたストッパー部と、
弾性を有し、前記シフトノブに設けられた第1の爪部と、
を備え、
前記レバー本体の先端部が前記嵌合部に挿入されることにより、前記第1の爪部が、弾性変形して前記ストッパー部を乗り越えて前記ストッパー部に係合して前記レバー本体に前記シフトノブを係止することを特徴とするシフトレバー。
【請求項2】
前記シフトノブは、前記嵌合部が形成された基体部を有し、
前記第1の爪部は、前記嵌合部に前記レバー本体の先端部が挿入される際に前記ストッパー部に当接する内斜面を有し、前記基体部から前記レバー本体の挿入方向とは反対方向に突出して形成され、
前記内斜面は、前記第1の爪部における固定端部側から先端部側へ向うにしたがい前記レバー本体の軸心に近づくように前記レバー本体の軸心に対して傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のシフトレバー。
【請求項3】
前記レバー本体が挿通された状態で前記シフトノブに取り付けられて前記ストッパー部および前記第1の爪部を覆うキャップを備え、
前記第1の爪部は、当該第1の爪部における固定端部側から先端部側へ向うにしたがい前記レバー本体の軸心に近づくように前記レバー本体の軸心に対して傾斜して前記内斜面の裏側に形成された外斜面を有し、
前記キャップは、前記ストッパー部に前記内斜面が圧接する方向に前記外斜面を押圧する押圧部を有することを特徴とする請求項2に記載のシフトレバー。
【請求項4】
前記レバー本体の軸心周り方向に沿って開口して前記シフトノブに設けられた係合孔と、
弾性を有し前記キャップの内部に設けられ、前記キャップが前記レバー本体の軸方向に沿って前記シフトノブに向けて移動することにより、前記係合孔に係合し前記キャップを前記シフトノブに取り付ける第2の爪部と、
を備え、
前記レバー本体の軸心周り方向での前記係合孔の一端部よりも他端部の方が、当該係合孔への前記第2の爪部の係合可能量が多くなっており、
前記押圧部は、前記第2の爪部が前記係合孔の前記一端部に位置した状態では前記外斜面から離間し、前記キャップが前記レバー本体の軸心周りの一方向に回転され前記係合孔の前記他端部に前記第2の爪部が係合した状態では前記外斜面を押圧することを特徴とする請求項3に記載のシフトレバー。
【請求項5】
前記シフトノブに設けられ、弾性を有する係合片と、
前記レバー本体に設けられた圧入部と、
を備え、
前記レバー本体の先端部が前記嵌合部に挿入されることにより、前記係合片が前記圧入部に圧入されて弾性変形して前記圧入部に係合し、当該係合によって前記レバー本体の軸心周りの前記シフトノブの回転を規制することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載のシフトレバー。
【請求項6】
前記嵌合部は、前記レバー本体の挿入方向に延在した複数の凸条が周方向に相互に間隔をあけて形成され前記レバー本体を囲繞する内周面を有し、
前記複数の凸条は、前記レバー本体に当接して前記レバー本体の径方向の位置決めをすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のシフトレバー。
【請求項7】
前記シフトノブに設けられた係合孔と、
弾性を有し前記キャップの内部に設けられ、前記係合孔に係合し前記キャップを前記シフトノブに取り付ける第2の爪部と、
を備え、
前記キャップが前記レバー本体の軸方向に沿って前記シフトノブに向けて移動することにより、前記第2の爪部が前記係合孔に係合するとともに前記押圧部が前記外斜面を押圧することを特徴とする請求項3に記載のシフトレバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2009−280052(P2009−280052A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−133232(P2008−133232)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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