説明

シャッター方式の蓋体を備えた収納装置

【課題】たとえシャッター式の蓋体の外側面側を表装材で加飾したとしても、従来装置において生起してしまう周長の差を吸収するようにして、常に蓋体の開閉動を円滑に行えるように構成する。
【構成】蓋体3を共に構成する蓋体本体31に対して蓋体表装体32を相対移動可能に構成していると共に、蓋体3が屈曲して蓋体収納袋部9に収納される際の蓋体本体31に対する蓋体表装体32側に発生する周長の差を調整するために、蓋体本体31と蓋体表装体32との間にスプリング6を有して構成する周長調整手段7を設置して、スプリング6の弾発付勢力によって蓋体本体31に対して蓋体表装体32を蓋体3の閉動方向に引っ張り込むことによって蓋体本体31に対する蓋体表装体32の周長差を調整するように構成した.

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品が出し入れ可能な開口部をシャッター式の蓋体により開閉可能とするとともに、前記蓋体をその開口部閉成時に屈曲させて収納するように構成することにより、例えば自動車のコンソールボックス或いはカップホルダーなどとして使用されるシャッター方式の蓋体を備えた収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来におけるこの種の収納装置においては、例えば特許文献1に記載されているように、開口部を開閉するドア (蓋体)が、屈曲可能な軟質シートからなるテープに互いに別々の複数のピース(セル)を個別的に揺動可能にヒンジ結合して構成され、湾曲部を有するレール部材(ガイドレール部材)にスライド可能に支持され、レール部材にスライドさせた後収納するようになっている。
【0003】
したがって、開口部が屈曲可能なドアによって開閉され、しかも開口部の閉時には収納されることになって、開口部の開口面積を拡大することができるとともに、ドアのスライド量を調整することによって、開口部を半開状態に保持することも可能となり、使用者の便宜に適った収納装置であるといえ、比較的大型の収納スペースを必要とする自動車などに最近広く適用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−20851号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の収納装置におけるドアは、複数のピースをテープに固定することによってレール部材の屈曲部に合わせて屈曲可能になるように構成しているために、互いに隣接するピース同士の対向部位には、どうしても隙間が形成されてしまい、面一・一体感のあるドアには構成することができず、意匠面において課題を残すものであった。
【0006】
かかる課題を解消するための対策としては、当該ドアの外側面側に例えばシート状或いはフィルム状の表装材を張設することにより、加飾を施すことが考えられる。
【0007】
このようにドアの外側面側に表装材により加飾を施して構成する場合には、新たな課題が生起することになる。
【0008】
即ち、かかるドアは、各セルが個別に揺動することにより屈曲可能に構成されてガイドレール部材の屈曲部にスライド可能に追従するように構成しているために、屈曲によってドアの外側面側に存するシート状或いはフィルム状の表装材との間に周長の差が生じてしまい、かかる周長の差をそのままにドアを開閉動させた場合には、当該開閉動作に大きな操作力が必要となって、ドアの開閉動作を円滑に行うことができなくなってしまう。
【0009】
そこで、本発明は、たとえシャッター式の蓋体の外側面側を表装材で加飾したとしても、従来装置において生起してしまう周長の差を吸収するようにして、常に蓋体の開閉動を円滑に行えるように構成したシャッター方式の蓋体を備えた収納装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るシャッター方式の蓋体を備えた収納装置は、物品を出し入れ可能にする開口部を有する収納部と、前記開口部の対向側壁にそれぞれ互いに対向するように設置された一対のガイドレールと、該ガイドレールにスライド可能に配設されて前記開口部を開閉するとともに当該開口部の開時に前記収納部に設けられた蓋体収納袋部に屈曲して収納されるシャッター式の蓋体とを、備える収納装置であって、前記蓋体は、前記ガイドレールの延在方向に屈曲可能に構成されて前記一対のガイドレールにスライド可能に係合する蓋体本体と、前記蓋体本体の外側面側を加飾すべく張設する蓋体表装体とを有して構成し、前記蓋体本体に対して前記蓋体表装体を相対移動可能に構成していると共に、前記蓋体が屈曲して前記蓋体収納袋部に収納される際の前記蓋体本体に対する前記蓋体表装体側に発生する周長の差を調整する周長調整手段を、前記蓋体本体と前記蓋体表装体との間に設置したことを特徴とする。
【0011】
かかる構成を有する本発明は、たとえ蓋体が蓋体収納袋部に屈曲して収納される際に蓋体本体に対して蓋体表装体に周長差が生じたとしても、かかる周長差を周長調整手段が調整して吸収することができることになり、蓋体の開閉動を常に円滑に行うことができる。
【0012】
また、本発明は、上記発明の実施の形態として、前記周長調整手段を、前記蓋体本体と前記蓋体表装体との間にスプリングを縮設し、該スプリングの弾発付勢力によって前記蓋体本体に対して前記蓋体表装体を前記蓋体の閉動方向に引っ張り込むことによって前記蓋体本体に対する前記蓋体表装体の周長差を調整するように構成することができる。
【0013】
かかる構成を有する本発明の実施の形態においては、スプリングにより蓋体表装体が蓋体本体に対して相対的に蓋体の閉動方向に付勢されているために、たとえ蓋体が蓋体収納袋部に収納される際に屈曲したとしても、蓋体表装体の周長差はスプリングの弾発力により吸収されることになり、蓋体の開閉動を常に円滑に行うことができる。
【0014】
また、本発明は、上記発明の実施の形態として、前記スプリングを、前記蓋体本体に一体成形されたスプリング着座部に設置した状態で、前記蓋体本体と前記蓋体表装体との間に縮設されているように構成することができる。
【0015】
かかる構成を有する本発明は、スプリングを取付けるためのスプリング座を蓋体本体に一体成形したことにより、部品点数を削減して周長調整手段を構成することができ、しかも、スプリングの設置作業を簡単化することができる。
【0016】
また、本発明は、上記発明の実施の形態として、前記蓋体本体の前記外側面に、前記蓋体の開閉動方向に長く延在するような複数個の長孔を形成するとともに、前記蓋体表装体に内側面側に前記長孔内を前記蓋体の開閉動方向に摺動可能なピン体を設けることにより、前記蓋体本体に対して前記蓋体表装体を前記開閉動方向に相対移動可能に構成していることを特徴とする。
【0017】
かかる構成を有する本発明は、蓋体本体に蓋体表装体を張設して加飾するには、単に、長孔内にピン体を嵌合した上で、例えば収納部の開口部の外延縁部に取付けることにより縁取り加飾する額縁状のフィニッシャ部材を用いて蓋体自体を押さえ込むようにすることだけで、可能となり、また、かかるフィニッシャ部材を取り外すことにより、蓋体表装体をデザインの異なったものに交換することができ、意匠面の選択自由度を増すことができる。
【0018】
また、本発明は、上記発明の実施の形態として、前記蓋体表装体を、前記蓋体本体の外側面側側に張設される屈曲可能なプレート体と、該プレート体の外側面側側に重合して表装するフィルム体とを有して構成することができる。
【0019】
かかる構成を有する本発明は、蓋体表装体が蓋体本体の外側面側を張設するプレート体とこのプレート体の外側面側に重合して表出するフィルム体との二構成タイプとしたことにより、異なったデザインを持ったフィルム体を色々に選択することによって、多種多様な意匠面を有する蓋体を製作することができる。
【0020】
また、本発明は、上記発明の実施の形態として、前記プレート体を、軟質板材により構成することができる。
【0021】
かかる構成を有する本発明は、蓋体本体の屈曲変形をさらに容易にすることができて、蓋体の開閉動をますます円滑に果たせることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、たとえ蓋体が蓋体収納袋部に屈曲して収納される際に、蓋体本体に対して蓋体表装体に周長差が生じたとしても、かかる周長差を周長調整手段が調整して吸収することができることになり、蓋体の開閉動を常に円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例におけるシャッター方式の蓋体を備えた収納装置を描画した概略斜視図である。
【図2】同じく、分解斜視図である。
【図3】図1におけるレール部材を省略して描画した概略縦断面図である。
【図4】図1の要部を描画した一部概略横断面図である。
【図5】図1における蓋体の閉時状態を描画した作用説明図である。
【図6】図1における蓋体の開時状態を描画した作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実際例に係るシャッター方式の蓋体を備えた収納装置は、たとえ蓋体本体が蓋体収納袋部に屈曲して収納された際に蓋体本体に対して蓋体表装体に周長差が生じたとしても、かかる周長差を周長調整手段が調整して吸収することにより、蓋体の開閉動を常に円滑に行うことができるように構成したものである。
【0025】
次に、本発明のシャッター方式の蓋体を備えた収納装置に係る実施例について、図を用いて説明する。
【実施例1】
【0026】
図に示す蓋体を備えた収納装置は、自動車の運転席と助手席との間に配設されるアームレスト兼用のコンソールボックスに適用した場合の実施例を示している。
【0027】
まず、図1において、本実施例に係る収納装置1は、ほぼ矩形状箱型に形成された収納部2を有しており、収納部2は、上部が物品が出し入れ可能とする開口部2aとなっており、開口部2aは、その長辺側の対向側壁に互いに対向するように設置されたガイドレール部材5(図2参照)に配設されたシャッター方式の蓋体3により開閉可能になっていると共に、開口部2aの外延縁部は、額縁状に形成したフィニッシャ部材4により縁取り加飾されている。
【0028】
そして、開口部2aを開閉する蓋体3は、ガイドレール部材5の延在方向に配列された複数のセル31aを連結体31bに形成したヒンジ部31b−1により互いに屈曲可能に例えば一体成形により連結して構成する蓋体本体31と、蓋体本体31の外側面側を加飾すべく張設される蓋体表装体32とを有して構成されている。
【0029】
連結体31bの前端側には前端ピース33が形成されており、前端ピース33は、蓋体表装体32の前端片32eとともに、蓋体3の開閉動の際の乗員のつまみ部となるノブ片33aを装着するようになっている。
【0030】
蓋体本体31の各セル31aの両側部には、ガイド軸31aー1が突設されており、また、蓋体本体31の連結体31bの外側面側(図において上面側)は、セル31a間にヒンジ部31b−1が存するために複数の凹部31a−2を有して構成されていると共に、長辺側両側端に複数個のピン体31b−3が上向きに突出形成されている。
【0031】
蓋体表装体32は、蓋体本体31の外側面側に張設する屈曲可能なプレート体32aと、プレート体32aの外側面側に重合して貼着表装されるフィルム体32bとを有して構成している。プレート体32aの内側面側には、連結体31bに形成された凹部31b−2にそれぞれ係合する複数の係合突起32a−1が形成されている。
【0032】
そして、プレート体32aは、屈曲可能な硬質板材で構成してもよいが、本実施例においては、エラストマーのような軟質材にて構成している。また、フィルム体32bは、予め木目調或いは色彩等施して製作した薄板プラスチック板等により構成して、意匠的効果を醸し出している。
【0033】
このように構成された蓋体表装体32は、その長辺側両側端にピン体31b−3に対応して蓋体3の開閉動方向に長尺となる複数個の長孔32cが貫通形成されており、長孔32c内にピン体31b−3を嵌合することにより、蓋体本体31に組み付けられることになる。この組み付けは、蓋体本体31に対して蓋体表装体32が、長孔32c内をピン体31b−3が蓋体3の開閉動方向に摺動することによって、相対移動可能に構成すべくなされていると共に、かかる開閉動方向に対して交差する方向に対しては、ピン体31b−3が長孔32cの両対向側壁に当接して、相対移動しないようになっている。
【0034】
また、蓋体本体31の連結体31bの後端側には、後端ピース34が設けられており、後端ピース34は、その後方端面に一対の突起34aが突設され、突起34aにそれぞれコイル状のスプリング6を挿入することにより、スプリング座を構成している。
【0035】
さらに、プレート体32aの後端側には、後端片32fが形成されており、後端片32fには、下向きに突出するフランジ片32f−1が形成されており、フランジ片32f−1には、後端ピース34に設けた突起34aを遊嵌する筒状体32f−2が突設されている。
【0036】
そこで、後端ピース34の突起34aが、スプリング6を嵌合した状態で筒状体32f−2に遊嵌することにより、スプリング6を蓋体本体31と蓋体表装体32との間に縮設できるように構成しており、これにより、周長調整手段7を構成していることになる。
【0037】
かかる周長調整手段7は、スプリング6の弾発力により蓋体本体31に対して、蓋体表装体32を蓋体3の閉動方向に付勢力を付与するように構成している。
【0038】
収納部2の開口部2aにおける対向側壁には、収納部2の長手方向に延在するように、ピン体31b−3が嵌合摺動することにより、蓋体3を開閉動すべくスライド可能に配設する一対のガイドレール部材5が設置されている。ガイドレール部材5は、その後端側が屈曲した状態で、収納部2が構成する蓋体収納袋部9へと延設されている。
【0039】
そして、本実施例に係る収納装置は、まず、プレート体32a及びフィルム体32bを貼設して構成された蓋体表装体32を、係合突起32eー1が凹部31b−2に係合されると共に長孔32cがピン体31b−3を嵌合した状態において、蓋体本体31の外側面側に張設されて、蓋体3を構成することになる。
【0040】
この際、スプリング6を挿入した突起34aを筒状態32f−2に嵌合することによって、蓋体表装体32は、ピン体31b−3が長孔32c内を蓋体3の開閉方向に摺動できる状態で、蓋体本体31に対して蓋体3の閉動方向に付勢されることになる。
【0041】
かかる組み付け状態を保持した状態で、蓋体本体31ガイド軸31a−1をガイドレール部材5内に嵌合することにより、蓋体3は、収納部2の開口部2aを閉塞することになり(図1及び図3に示す状態)、フィニッシャ部材4を収納部2にビス等により固着することにより、フィニッシャ部材4が開口部2aの外延縁部を縁取り加飾することになる。
【0042】
この結果、蓋体3は開口部2aに装着され、また、周長調整手段7を構成するスプリング6は蓋体本体31に対して蓋体表装体32を配動方向(図3に記載の矢印方向)に付勢していることになり、かかる付勢力はピン体31b−3が長孔32cの後端側側壁に弾設することにより、受け止められている。
【0043】
かかる状態においては、図5に示す蓋体3が開口部2aを閉成している状態においては、蓋体本体31の周長A1と蓋体表装体32の周長B1は、A1=B1の関係を有していて、両者の間に周長の差は生じていない。
【0044】
このように蓋体3が開口部2aを閉成した状態から、開口部2aを開口すべく、ノブ片33aを持って蓋体3を図3の矢印方向である閉動方向に操作した場合には、蓋体3は、ガイド軸31a−1がガイドレール部材5内を摺動して、後端部側からガイドレール部材5の屈曲部5aに到達していきながら、徐々に屈曲させられ、蓋体収納袋部9内に収納されていくことになる。
【0045】
かかる状態においては、図6に示すように、ガイドレール部材5の屈曲部5aの存在により、蓋体本体31の周長A2と蓋体表装体32の周長B2とは、A2<B2の関係を有することになって、両者の間に周長の差が生じることになる。
【0046】
このように蓋体本体31と蓋体表装体32の間に生じた周長の差は、周長調整手段7のスプリング6の弾発力により、蓋体本体31に対して、蓋体表装体32が蓋体3の閉動方向である図3の矢印方向にスライド移動して、吸収されることになる。
【0047】
以上説明した構成を有する本発明に係る実施例によれば、蓋体本体31の外側面がセル31aの組み合わせによる凹凸面に形成されたとしても、当該外側面側には蓋体表装体32が飾表装されて加飾されることになり、シャッター式の蓋体3を意匠的に優れたものとして構成することができる。
【0048】
しかも、蓋体本体31の外側面側に蓋体表装体32を張設したことによって、蓋体3が蓋体収納袋部に屈曲して収納される際に、蓋体本体31に対して蓋体表装体32に周長差が生じたとしても、かかる周長差を周長調整手段7が調整して吸収することができることになり、蓋体の開閉動を常に円滑に行うことができる。即ち、周長調整手段7を構成するスプリング6により蓋体表装体32が蓋体本体31に対して相対的に蓋体3の閉動方向に付勢されているために、たとえ蓋体3が蓋体収納袋部9に収納される際にガイドレール部材5の屈曲部5aの存在により屈曲して、蓋体本体31と蓋体表装体との間に周長差が生じたとしても、蓋体表装体32の周長差はスプリング6の弾発力により吸収されることになり、蓋体の開閉動を常に円滑に行うことができる。
【0049】
また、かかる実施例においては、周長調整手段7を構成するスプリング6を取付けるためのスプリング座を蓋体本体31の後端ピース34に形成した突起34aにより構成したことにより、部品点数を削減して周長調整手段を構成することができ、しかも、スプリング6の設置作業を簡単化することができる。
【0050】
また、かかる実施例においては、蓋体本体31に蓋体表装体32を張設して加飾するには、単に、長孔32c内にピン体31b−3を嵌合した上で、例えば、収納部2の開口部2aの外延縁部を縁取り加飾する額縁状のフィニッシャ部材4を用いて蓋体3自体を押さえ込むだけで、可能となり、また、かかるフィニッシャ部材4を取り外すことにより、蓋体表装体32体をデザインの異なったものに交換することができ、意匠面の選択自由度を増すことができる。
【0051】
また、かかる実施例においては、蓋体表装体32について、蓋体本体31の外側面側を張設するプレート体32aとプレート体32aの外側面側に重合して表出するフィルム体32bとの二構成タイプとしたことにより、異なったデザインを持ったフィルム体32bを色々に選択することによって、多種多様な意匠面をもった蓋体3を製作することができる。
【0052】
また、かかる実施例においては、プレート体32aが、軟質板材により構成されていることから、蓋体本体31の屈曲変形をさらに容易にすることができて、蓋体3の開閉動を益々円滑に果たせることができる。
【0053】
なお、上記実施例においては、周長調節手段は、コイル状のスプリング6を用いて構成したが、これに限定されるものではなく、蓋体本体31と蓋体表装体32との間にマグネットで構成する磁力引き合い手段を介在させて、構成するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上説明したように、本発明は、たとえ蓋体が蓋体収納袋部に屈曲して収納される際に、蓋体本体に対して蓋体表装体に周長差が生じたとしても、かかる周長差を周長調整手段が調整して吸収することができることになり、蓋体の開閉動を常に円滑に行うことができるため、物品が出し入れ可能な開口部をシャッター式の蓋体により開閉可能とするとともに、前記蓋体の開口部閉成時に屈曲させて収納するようにに構成して、例えば自動車のコンソールボックス或いはカップホルダーなどとして使用されるシャッター方式の蓋体を備えた収納装置等に好適であるといえる。
【符号の説明】
【0055】
1 収納装置
2 収納部
2a 開口部
3 蓋体
31 蓋体本体
31b−3 ピン体
32 蓋体表装体
32a プレート体
32b フィルム
31c 長孔
34 後端ピース(スプリング座)
4 フィニッシャ部材
5 ガイドレール部材
6 スプリング(周長調節手段)
9 蓋体収納袋部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を出し入れ可能にする開口部を有する収納部と、前記開口部の対向側壁にそれぞれ互いに対向するように設置された一対のガイドレールと、該ガイドレールにスライド可能に配設されて前記開口部を開閉するとともに当該開口部の開時に前記収納部に設けられた蓋体収納袋部に屈曲して収納されるシャッター式の蓋体とを、備える収納装置であって、前記蓋体は、前記ガイドレールの延在方向に屈曲可能に構成されて前記一対のガイドレールにスライド可能に係合する蓋体本体と、前記蓋体本体の外側面側を加飾すべく張設する蓋体表装体とを有して構成し、前記蓋体本体に対して前記蓋体表装体を相対移動可能に構成していると共に、前記蓋体が屈曲して前記蓋体収納袋部に収納される際の前記蓋体本体に対する前記蓋体表装体側に発生する周長の差を調整する周長調整手段を、前記蓋体本体と前記蓋体表装体との間に設置したことを特徴とするシャッター方式の蓋体を備えた収納装置。
【請求項2】
前記周長調整手段は、前記蓋体本体と前記蓋体表装体との間にスプリングを縮設し、該スプリングの弾発付勢力によって前記蓋体本体に対して前記蓋体表装体を前記蓋体の閉動方向に引っ張り込むことによって前記蓋体本体に対する前記蓋体表装体の周長差を調整するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のシャッター方式の蓋体を備えた収納装置。
【請求項3】
前記スプリングは、前記蓋体本体に一体成形されたスプリング着座部に設置した状態で、前記蓋体本体と前記蓋体表装体との間に縮設されていることを特徴とする請求項2に記載のシャッター方式の蓋体を備えた収納装置。
【請求項4】
前記蓋体本体の前記外側面に、前記蓋体の開閉動方向に長尺となる複数個の長孔を形成するとともに、前記蓋体表装体の内側面側に前記長孔内を前記蓋体の開閉動方向に摺動可能に嵌合されるピン体を設けることにより、前記蓋体本体に対して前記蓋体表装体を前記開閉動方向に相対移動可能に構成していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載のシャッター方式の蓋体を備えた収納装置。
【請求項5】
前記蓋体表装体は、前記蓋体本体の前記外側面側に張設される屈曲可能なプレート体と、該プレート体の外側面側に重合して表装するフィルム体とを有して構成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載のシャッター方式の蓋体を備えた収納装置。
【請求項6】
前記プレート体は、軟質板材により構成したことを特徴とする請求項5に記載のシャッター方式の蓋体を備えた収納装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−190601(P2011−190601A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57191(P2010−57191)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000229955)日本プラスト株式会社 (740)
【Fターム(参考)】