説明

シャッタ付きアダプタ外皮把持型コネクタ

【課題】部品点数を少なくして、加工工程および組立工程を簡易化し、コストの低下を図ることのできるシャッタ付きアダプタ外皮把持型コネクタを提供する。
【解決手段】コネクタハウジング12の両端に、光学軸が一致するように光コネクタプラグP1の一方の嵌合部Bと、光コネクタプラグP1その他の光学部品の他方の嵌合部Aとをそれぞれ備える。他方の嵌合部Aに、斜め配置で当該嵌合部Aを閉鎖する方向に付勢し、当該嵌合部Aに光コネクタプラグP1を嵌合することによって付勢力に抗して開放するシャッタ板11を備える。一方の嵌合部Bをハウジングスリーブ13fによって一体に形成し、該ハウジングスリーブ13fに、ケーブルクランプユニット21を装着するための開閉可能な蓋体32を有する嵌合部本体31を備えた保持部材4を嵌合一体化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクタの現場組立作業において、二つの光ファイバ同士を光学的に接続するために使用されるシャッタ付きアダプタ外皮把持型コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現場組立式の光コネクタにおいては、ケーブル外被をコネクタに直接把持することでキャビネット等への収納作業を専用工具なしで簡易に組立てることが可能となるメカニカルスプライス方式を採用したケーブル外皮把持型SCコネクタが普及されている。
【0003】
すなわち、この種ケーブル外皮把持型SCコネクタは、図7(a)に示すように、摘み部101がプラグフレーム102の後端側に装着された保持部材103の後端部側に、ケーブルクランプユニット121装着後の光ファイバPの撓み状態を確認するための開閉可能な蓋体132を有する嵌合部本体131を備えている。なお、図7(a)中の符号105は、ケーブル外皮把持型SCコネクタを使用しないときにおいてフェルール104先端を保護するためのフェルールキャップである。
【0004】
一方、前記ケーブルクランプユニット121は、光ファイバPの案内溝を備えた身部125と開閉可能な蓋部126とから構成されている。そして、当該ケーブルクランプユニット121を光コネクタ1に接続する際には、嵌合部本体131から蓋体132を開けておき、フェルール104のファイバ孔に挿入される光ファイバPの撓み状態を確認し、これを修正、調整した後に蓋体132を閉蓋して固定されるものとなっている。
【0005】
また、従来のこの種光コネクタとしては、例えば特許文献1および図7(b)に開示されているように、コネクタハウジング112の中央部に配される左右一対の接合端壁部材113dの一方には、一方の円筒115aが、コネクタハウジング112の嵌合端113eに向かって突設してあると共に、他方の接合端壁部材113dには、他方の円筒115bがコネクタハウジング112の接続端113fに向かって形成してあり、両円筒115a、115bが光学軸上で中心軸を一致させて接合端壁部材113d同士を嵌合爪114を介して係合固定することによってスリーブホルダ115が形成されている。このとき、スリーブホルダ115内側に円筒状の割りスリーブ116が装着保持され、両接合端壁部材113dの左右対称位置には、光コネクタに対するラッチ片117、118が、夫々の円筒115a、115bとコネクタハウジング112の側壁113cの間に沿って形成されている。
【0006】
また、コネクタハウジング112の一方の嵌合部Aにおける斜め開口となっている嵌合端113eには、当該嵌合端113eと同じ斜め配置で当該嵌合端113eを閉鎖するためのシャッタ板111が内側で開閉可能となるように設けられ、該シャッタ板111は、一端(上端側)が底壁113bに圧接され且つ他端(下端側)がシャッタ板111の内側面に圧接されている板バネ118を介して、閉鎖方向に常時付勢されている。なお、図7(b)中の符号119は、不使用時においてコネクタハウジング112の接続端113fを塞いでおくためのアダプタキャップである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−225133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記背景技術に記載されていることから明らかなように、従来のケーブル外皮把持型SCコネクタ等においては、アダプタとプラグフレームとがそれぞれが独立した別体構成であることから、部品点数が多くなり、これに伴って加工工程および組立工程も複雑化し、さらにコストアップとなるという問題点を有していた。
【0009】
そこで、本発明は、叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、部品点数を少なくして、加工工程、組立工程を簡易化し、コストの低下を図ることのできるシャッタ付きアダプタ外皮把持型コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明にあっては、コネクタハウジングの両端に、光学軸が一致するように光コネクタプラグの一方の嵌合部と、光コネクタプラグその他の光学部品の他方の嵌合部とをそれぞれ備え、前記他方の嵌合部に、斜め配置で当該嵌合部を閉鎖する方向に付勢され、当該嵌合部に光コネクタプラグを嵌合させることによって付勢力に抗して開放させるシャッタ板を備えた光コネクタ用アダプタにおいて、、前記一方の嵌合部をハウジングスリーブによって一体形成し、該ハウジングスリーブに、ケーブルクランプユニットが装着される開閉可能な蓋体を有する嵌合部本体を備えた保持部材が嵌合一体化されて成ることを特徴とする。
【0011】
コネクタハウジングは、内部に配された中央の接合端壁部材から一方の嵌合部および他方の嵌合部それぞれに向けて前後に突設された円筒の内側に割りスリーブが装着保持されて成る1個のスリーブホルダが配されて成る。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、部品点数を少なくして、加工工程および組立工程を簡易化し、コストの低下を図ることができる。
【0013】
すなわち、本発明では、一方の嵌合部をハウジングスリーブによって一体形成し、該ハウジングスリーブに、ケーブルクランプユニットが装着される開閉可能な蓋体を有する嵌合部本体を備えた保持部材が嵌合一体化されて成るので、従来のシャッタ付SCアダプタに対しプラグフレーム相当部分が一体化されていることから、これによって、プラグフレーム、摘み部、フェルールキャップ、一対のスリーブホルダのうちの1個、アダプタキャップそれぞれを削減することができ、したがって加工工程および組立工程を簡易化でき、コストの低下を図ることができる。
【0014】
コネクタハウジングは、内部に配された中央の接合端壁部材から一方の嵌合部および他方の嵌合部それぞれに向けて前後に突設された円筒の内側に割りスリーブが装着保持されて成る1個のスリーブホルダが配されて成るので、一対のスリーブホルダのうちの1個、アダプタキャップそれぞれを削減することができ、これにより光コネクタ用アダプタのコネクタハウジング側の加工工程および組立工程を簡易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を実施するための一形態を示すシャッタ付きアダプタ外皮把持型コネクタの分解状態の斜視図である。
【図2】同上の組立時の斜視図である。
【図3】光コネクタ用アダプタの概略構成を示すもので、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は正面図、(e)は背面図である。
【図4】シャッタ付きアダプタ外皮把持型コネクタの嵌合部本体の蓋体を開けた状態を示す断面図である。
【図5】同上の嵌合部本体にケーブルクランプユニットを接続した状態を示す断面図である。
【図6】同上の相手方の光コネクタ用プラグを接続した状態を示す断面図である。
【図7】従来例を示すもので、(a)は光コネクタ全体の分解斜視図、(b)はシャッタ付の光コネクタ用アダプタの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明に係るシャッタ付きアダプタ外皮把持型コネクタの実施の一形態を詳細に説明する。
【0017】
本発明に係るシャッタ付きアダプタ外皮把持型コネクタ1は、図1に示すように、相手側フェルール(図6参照)に突き合わせられることにより、フェルール2内に挿入された光ファイバPとの接続を行うための合成樹脂の成型品でなる角筒状のコネクタハウジング12と、光ファイバPの案内溝22Aを備えた身部25、当該身部25の案内溝22Aに対向して案内溝22Bを形成した開閉可能な蓋部26それぞれから成るケーブルクランプユニット21と、コネクタハウジング12の後部より角筒状となって一体に延設されたハウジングスリーブ13f(従来のプラグフレームに相当する部分)に嵌合され、後端部側においてケーブルクランプユニット21装着後の光ファイバPの撓み状態を確認するための開閉可能な蓋体32を有する嵌合部本体31を備えて成る略矩形状の保持部材4とから概ね構成されている。
【0018】
コネクタハウジング12は、図1、図3(a)乃至(e)に示すように、上側壁13aと左右の側壁13cとが一体に形成して成り、底壁13bが上側壁13aに対向して左右の側壁13c間に取り付けられている。この中央には略コ字枠状となった後述する1個のスリーブホルダ19が配置され、コネクタハウジング12の一方の嵌合部Bを形成するハウジングスリーブ13fの開口端は水平方向に開口している。また、コネクタハウジング12の他方の嵌合部Aにおける嵌合端13eは斜め上方向に向けて開口している。
【0019】
コネクタハウジング12の他方の嵌合部Aにおける斜め開口となっている嵌合端13eには、当該嵌合端13eと同じ斜め配置で当該嵌合端13eを閉鎖するためのシャッタ板11が内側で開閉可能となるように設けられている。すなわち、このシャッタ板11は、その下端左右対称位置に支軸15を一体に突設し、該支軸15両端に設けられた突部15aを、コネクタハウジング12の嵌合端13e下部の左右対向位置における底壁13b、左右の側壁13cそれぞれに跨って形成された軸孔16に回動可能に支承させてある。
【0020】
そして、前記シャッタ板11下端と支軸15とが連設されている略中央には矩形状の開口部17が形成され、該開口部17を介して、略L字形状に折曲して形成された板バネ18を支軸15中央に外嵌合させ、板バネ18の一端を底壁13bに圧接させ、他端をシャッタ板11の内側面に圧接させることで当該シャッタ板11を閉鎖方向に付勢している。こうして開口部17は、板バネ18の弾性力によって常に閉止された状態となっており、コネクタハウジング12の他方の嵌合部Aに光コネクタプラグP1を嵌合させることによって、シャッタ板11を板バネ18の押圧力に抗して開放させる。つまり、シャッタ板11の開口部17からはコネクタハウジング12内に塵埃等が侵入しない構造となっている。
【0021】
前記板バネ18は、シャッタ板11をコネクタハウジング12の他方の嵌合部Aにおける嵌合端13e内側に圧接させた際には、当該板バネ18の一端は光軸上まで延設配置されるに足る長さを備えている。
【0022】
また、コネクタハウジング12の他方の嵌合部Aにおける上側壁13aの内側中央には、光コネクタプラグP1挿入時のガイドのために、光軸方向に沿って直線溝条となったキー溝12Aが形成されている。そして、シャッタ板11が斜め配置となって嵌合部Aの嵌合端13eを閉鎖した際には、外部からの塵埃等の侵入を防ぐために、シャッタ板11上端の中央に突設した凸部11Aで当該キー溝12Aを内側から密閉するようにしてある。すなわち、シャッタ板11で嵌合部Aの嵌合端13eを内側から閉鎖した状態では、キー溝12Aと凸部11A、およびコネクタハウジング12の上側壁13aとシャッタ板11の上端縁とがそれぞれ接触することで当該シャッタ板11は嵌合端13eを確実に係止させるものとなる。
【0023】
さらに、シャッタ板11の前面には、縦長多数条となった突起11Bが突設されており、これら多数条の突起11Bにより相手方の光コネクタプラグP1(プラグフレーム)が突き当った際の接触面を小いさくし、可能な限り塵埃等が光コネクタ用アダプタ1内に入らないようにしている。
【0024】
前記コネクタハウジング12の内部中央に配されるスリーブホルダ19は、中央の接合端壁部材19aに対して、円筒19bが、コネクタハウジング12の他方の嵌合部Aの嵌合端13eに向かって突設してあると共に、該円筒19bの後端側はコネクタハウジング12の一方の嵌合部Bを形成するハウジングスリーブ13fの開口側に向かって形成してあり、当該円筒19bによって光学軸上で中心軸を一致させている。このとき、円筒19b内側に円筒状の割りスリーブ16が装着され保持されている。
【0025】
前記フェルール2は、図4、図5、図6に示すように、両端部が開口されたファイバ孔42Aが中心部軸方向に形成されており、挿入される光ファイバPの突き当て接続部Cの位置する後部側には、当該ファイバ孔42Aまで達する矩形状の凹部48を設けてある。このファイバ孔42Aにおいて、光ファイバPの突き当て接続部Cまでの前部側にはあらかじめ他方の光ファイバP’が挿着されると共に、フェルール2の前端は研磨加工されている。
【0026】
そして、上面側に前部から後部に向かって前傾するテーパ面47Aを有する板状のチャック47がフェルール2の凹部48に合致するように被せられることで、光ファイバPのの突き当て接続部Cを下面側で押さえ付けて、あらかじめファイバ孔42Aに挿着されている他方の光ファイバP’と前記光ファイバPの調心保持が円滑且つ確実に行えるようにしてある。なお、フェルール2の後端にはファイバ孔42Aよりも拡径された末広がりの案内用ファイバ孔42Bが連通形成されている。
【0027】
また、フェルール2のファイバ孔42Aよりも拡径され、しかも後端部側では開口端に向けて末広がりとなる案内用ファイバ孔43Aが形成されたブッシュ3を備え、このブッシュ3には、チャック47のテーパ面47Aに外側から密着するよう一部にテーパ内面49Aを有する矩形状の嵌合孔49が前端部に形成されており、組付後にはフェルール2のファイバ孔42Aと同軸で連通するようにしてある。
【0028】
前記保持部材4は、ファイバ孔42Aよりも拡径され、しかも後端部側では開口端に向けて末広がりとなるテーパ状ファイバ孔44Aが後端部に形成され、さらに、ブッシュ3に外側から嵌合する矩形状の嵌合孔44Cが前端部に形成されており、組付後にはブッシュ3の案内用ファイバ孔43Aと同軸で連通するようにしてある。そして、保持部材4の後端部には、後述するケーブルクランプユニット21を装着可能としてある。
【0029】
そして、前記保持部材4の前端部とブッシュ3前端部の外面側に形成されたフランジ状の係止部43Bの間に形成されている矩形環状の空間部Sには、弾性部材10としてコイルスプリングがブッシュ3を巻装させるようにした状態で介在配置させてある。
【0030】
前記コネクタハウジング12の一方の嵌合部Bを形成するハウジングスリーブ13f(従来のプラグフレームに相当する部分)は、矩形状の保持部材4を挿入するよう矩形筒状に形成されており、当該保持部材4の外面側前方にはフランジ状の係止突起(図示せず)を形成し、この係止突起を係合させて一体的に保持させるようハウジングスリーブ13fの両側面には係合孔45(図1参照)を設けてある。
【0031】
図1乃至図6に示すように、ハウジングスリーブ13fに装着された保持部材4の後端部側には、ケーブルクランプユニット21装着後の光ファイバPの撓み状態を確認するための開閉可能な蓋体32を有する嵌合部本体31を備えている。すなわち、嵌合部本体31は、角筒体を略半割した形状を有し、これの前端開口側内壁部に形成されている突部を、保持部材4の後端部一側面に形成されている凹部(それぞれ図示せず)に嵌め込み、さらに蓋体32の端部に形成した支軸32Aを、保持部材4の後端部他側面に形成されている凹状の軸承部32Bに嵌め込むと同時に、嵌合部本体31の後端開口側に形成されている係止板33中央に突設された係止突部33Aを、蓋体32の両側面部に形成されている係止孔33Bに係合する。また、嵌合部本体31、蓋体32それぞれの中央内壁面には、図5および図6に示すように係止突起38が突設され、ケーブルクランプユニット21を嵌合部本体31内に装着して蓋体32を閉蓋した際に、当該ケーブルクランプユニット21の後述する係止孔27Bに係止突起38が係合されるようにしてある。
【0032】
この係止板33の係止突部33Aと、蓋体32の係止孔33Bとは、嵌合部本体31から蓋体32を開けるに際し、互いに両者の嵌合状態が解除されるものとなっている。そして、基部34の両端対向位置に2個一対の係止爪部35を突設した押さえ具36の当該基部34によって蓋体32の支軸32Aを被せるようにして保持部材4に装着させ、係止爪部35それぞれに形成されている係止孔35Aを、嵌合部本体31の前端開口側外壁部に形成されている係止突起37に係合させることで、保持部材4側に嵌合部本体31が取り付けられる。
【0033】
一方、ケーブルクランプユニット21は、図1、図2、図5、図6に示したように、光ファイバPの案内溝22Aを備えた身部25と、当該身部25の案内溝22Aに対向して案内溝22Bを形成した開閉可能な蓋部26とから構成されている。そして、蓋部26には、光ファイバケーブルを押さえるための二段爪状の押圧突起(図示せず)を付設し、ケーブルクランプユニット21は、略コ字枠状の身部25の一端開口側上部に蓋部26が支軸26Aを介して回動可能に取り付けられている。そして、蓋部26の左右両側には係止突起27Aが形成され、身部25の左右壁面にそれぞれ形成されている係止孔27Bに当該係止突起27Aが係合されて閉蓋状態を維持できるようにしてある。
【0034】
そして、光ファイバPを貫通させるよう身部25、蓋部26相互の案内溝22A、22Bによって、閉蓋状態で中央の光ファイバ貫通孔22が形成されると共に、図5および図6に示すように、光ファイバPに対して左右に二股状に引き裂かれた外被Qをそれぞれ挿入して保持可能にするよう身部25内底面において左右二股に分岐した外被挿入路23を備え、蓋部26の支軸26Aには光ファイバケーブルを押さえるための二段爪状の押圧突起(図示せず)を形成してある。すなわち、光ファイバPの撓みをケーブルクランプユニット21で吸収すべく二芯の外被Qを股裂きして抑える構造とし、二股に分かれた外被Qは、この押圧突起によって堅固に保持されるものとなっている。
【0035】
次に、以上のように構成された最良の形態についての使用、組立の一例を説明するに、
先ず、ケーブルクランプユニット21に光ファイバPを取り付ける。すなわち、図2および図4に示すように、ケーブルクランプユニット21の身部25から蓋部26を開いて、身部25の案内溝22Aに光ファイバPを挿入すると同時に、左右二股に分岐した外被挿入路23に対し、光ファイバPに対して左右に二股状に引き裂かれた外被Qをそれぞれ挿入した後、蓋部26を身部25に閉蓋固定する。このとき、中央の光ファイバ貫通孔22に光ファイバPを貫通させると同時に、左右二股に分岐した外被挿入路23に対し、光ファイバPに対して左右に二股状に引き裂かれた外被Qがそれぞれ挿入され、押圧突起(不図示)でもって外被Qが固定される。このように二股に裂いた外被Qを左右の外被挿入路23で固定させるため、中央の光ファイバ貫通孔22から出た光ファイバPに撓みを持たせるための長い自由度が付与されるのである。
【0036】
次に、ケーブルクランプユニット21を保持部材4の嵌合部本体31に接続する。すなわち、図4に示すように、嵌合部本体31から蓋体32を開けておき、フェルール2のファイバ孔42Aに挿入される光ファイバPの撓み状態を確認し、これを修正、調整した後に蓋体32を閉蓋する(図5参照)。これによって、嵌合部本体31、蓋体32それぞれの中央内壁面の係止突起38が、ケーブルクランプユニット21の係止孔27Bに係合されて抜脱されないようにしっかりと固定される。
【0037】
光コネクタ用アダプタ1の使用に際し、先ず、コネクタハウジング12の他方の嵌合部Aに相手方の光コネクタプラグP1を嵌合させる前では、シャッタ板11は、板バネ18により、他方の嵌合部Aにおける嵌合端13eを閉鎖している。
【0038】
光コネクタプラグP1によってシャッタ板11が押され、板バネ18の弾発力に抗して嵌合端13e内側に当該シャッタ板11が傾倒する。
【0039】
光コネクタプラグP1を更に押し込むと、シャッタ板11は水平状態となり、光コネクタプラグP1はそのまま移動する。
【0040】
図6に示すように、光コネクタプラグP1が完全に押し込まれた際には、板バネ18の弾発力によって、シャッタ板11と、コネクタハウジング12の上側壁13aとの間で光コネクタプラグP1がしっかりと挟持された状態となって接続が完了する。
【0041】
尚、相手方の光コネクタプラグP1は、従来のSCコネクタプラグと同様に、フェルール2の先端部分が挿入されるブッシュ3と、ブッシュ3が前後方向で僅かに移動可能となるように挿入されたプラグフレーム102と、プラグフレーム102の外側を被覆する摘み部101、その他ブーツ等とから構成される。
【0042】
また、本願発明に係る外皮把持型コネクタは上記した実施形態に限られるものではなく、例えばクサビ構造のコネクタ等、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0043】
P 光ファイバ
P1 光コネクタプラグ
Q 外被
S 空間部
A 他方の嵌合部
B 一方の嵌合部
1 シャッタ付きアダプタ外皮把持型コネクタ
2 フェルール
3 ブッシュ
4 保持部材
10 弾性部材
11 シャッタ板
11A 凸部
11B 突部
12 コネクタハウジング
12A キー溝
13a 上側壁
13b 底壁
13c 側壁
13e 嵌合端
13f ハウジングスリーブ
16 割りスリーブ
18 板バネ
19 スリーブホルダ
21 ケーブルクランプユニット
22 光ファイバ貫通孔
22A、22B 案内溝
23 外被挿入路
25 身部
26 蓋部
27A 係止突起
27B 係止孔
31 嵌合部本体
32 蓋体
32A 支軸
32B 軸承部
33 係止板
33A 係止突部
34 基部
35 係止爪部
35A 係止孔
36 押さえ具
37 係止突起
38 係止突起
42A ファイバ孔
43A 案内用ファイバ孔
43B 係止部
44A テーパ状ファイバ孔
47 チャック
47A テーパ面
48 凹部
49 嵌合孔
49A テーパ内面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタハウジングの両端に、光学軸が一致するように光コネクタプラグの一方の嵌合部と、光コネクタプラグその他の光学部品の他方の嵌合部とをそれぞれ備え、前記他方の嵌合部に、斜め配置で当該嵌合部を閉鎖する方向に付勢され、当該嵌合部に光コネクタプラグを嵌合させることによって付勢力に抗して開放させるシャッタ板を備えた光コネクタ用アダプタにおいて、前記一方の嵌合部をハウジングスリーブによって一体に形成し、該ハウジングスリーブに、ケーブルクランプユニットが装着される開閉可能な蓋体を有する嵌合部本体を備えた保持部材が嵌合一体化されて成ることを特徴とするシャッタ付きアダプタ外皮把持型コネクタ。
【請求項2】
前記コネクタハウジングは、内部に配された中央の接合端壁部材から一方の嵌合部および他方の嵌合部それぞれに向けて前後に突設された円筒の内側に割りスリーブが装着保持されて成る1個のスリーブホルダが配されて成る請求項1記載のシャッタ付きアダプタ外皮把持型コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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