説明

シュレッダーダストの処理方法及びその設備

【課題】 シュレッダーダストからプラスチック類、ゴム類、裁断線類、アルミニウム、及び非鉄金属類を効率的に、かつ精度よく選別して回収することが可能なシュレッダーダストの処理方法及びその設備を提供する。
【解決手段】 シュレッダーダストを篩分装置11で処理して、粒径が5〜100mmの塊状ダストを選別する第1工程と、塊状ダストを水選別手段12で処理して、浮遊する軽プラスチック類を主体とする軽量ダストと、沈降するプラスチック類、ゴム類、基板類、及び金属類を主体とする重量ダストを分離する第2工程と、重量ダストを少なくとも異なる2つの比重の重液を用いた重液選別装置15で処理して、重量ダストから、非鉄金属類、アルミニウム、基板類、裁断線類類、並びにプラスチック類及びゴム類に分離する第3工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車や廃家電製品等を破砕し磁力選別機で除鉄した後のシュレッダーダストから、比重が1以下の軽プラスチック類(例えば、ポリエステル)、比重が1を超えるプラスチック類(例えば、塩化ビニル)、ゴム類、基板類、裁断線類(例えば、裁断されたハーネス線)、アルミニウム、及び非鉄金属類等に選別するシュレッダーダストの処理方法及びその設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車や廃家電製品等を破砕して生じるシュレッダーダストは、風力選別機により軽いダストと重いダストとに分離され、重いダストからは磁力選別機により鉄が回収され資源として再利用されている。また、鉄が除去された残りの重いダストには、銅、アルミニウム、及び亜鉛等の非鉄金属、ステンレス、及び裁断線類を含む金属類と、基板類と、プラスチック類及びゴム類を含む非金属類が混在しているので、マグネタイト等の磁性粉体を分散させて比重を調整した重液が貯留された選別容器内に重いダストを投入し、比重差によりアルミニウム、裁断線類、基板類、プラスチック類、及びゴム類等を含む混合物と、非鉄金属類とに選別していた(例えば、特許文献1参照)。そして、混合物からは渦流選別機等を用いてアルミニウムを回収していた。
【0003】
【特許文献1】特開平6−142546号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された発明では、重いダストから選別された軽量物と重量物をそれぞれ水切り篩により水洗しながらふるい取り、各水切り篩から排出された重液を一旦タンクに貯留した後、ポンプにより磁選機に圧送して磁性粉体を回収し、磁性粉体を重液選別機に戻して循環使用するようにしていた。このため、自動車のシュレッダーダストのように、除鉄ダスト中に裁断線類が混入している場合、裁断線類中の被覆が除去された屑線が、重液と共に水切り篩を通過し、回収された重液を溜めるタンクの底部やポンプ中に詰まって重液の循環系を停止させるという問題が発生していた。
また、重いダストに混在している土砂が重液中に混入すると重液の比重が変動し軽量物と重量物の選別精度が低下するという問題が生じていた。また、アルミニウムを回収した残りの混合物は廃棄処分されるため、裁断線類、基板類、プラスチック類、ゴム類等の有価物が利用されず、廃棄物の有効活用の観点から問題となっていた。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、シュレッダーダストから軽プラスチック類、プラスチック類、ゴム類、基板類、裁断線類、アルミニウム、及び非鉄金属類を効率的に、かつ精度よく選別して回収することが可能なシュレッダーダストの処理方法及びその設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う請求項1記載のシュレッダーダストの処理方法は、磁着分が除去され、プラスチック類、ゴム類、土砂、ガラス類、基板類、及び金属類を主体とし、更に前記金属類には裁断線類を含むシュレッダーダストを篩分装置で処理して、粒径の上限が150mm、粒径の下限が5mmでプラスチック類、ゴム類、基板類、及び金属類を含む塊状ダストを選別する第1工程と、
前記塊状ダストを水選別手段で処理して、比重が1以下の浮遊する軽プラスチック類を主体とする軽量ダストと、比重が1を超えて沈降するプラスチック類、ゴム類、基板類、及び裁断線類を含む金属類を主体とする重量ダストを分離する第2工程と
前記重量ダストを少なくとも異なる2つの比重の重液を用いた重液選別装置で処理して、前記重量ダストから、(1)比重が3以上の非鉄金属類、(2)アルミニウム、比重がそれぞれ3未満の基板類及び裁断線類、(3)比重が1より大きいプラスチック類及びゴム類に分離する第3工程とを有する。
【0007】
請求項2記載のシュレッダーダストの処理方法は、請求項1記載のシュレッダーダストの処理方法において、前記2つの重液より更に比重の小さい重液を用いて、前記比重が1より大きいプラスチック類及びゴム類を更に個々に分離する。
【0008】
請求項3記載のシュレッダーダストの処理方法は、請求項1及び2記載のシュレッダーダストの処理方法において、前記アルミニウム、比重がそれぞれ3未満の基板類及び裁断線類の混合物から前記アルミニウムのみを渦流選別機で分離する。
【0009】
請求項4記載のシュレッダーダストの処理方法は、請求項1〜3記載のシュレッダーダストの処理方法において、前記第1工程で選別された塊状ダストを風力選別手段で処理して、前記塊状ダストに付着している土砂を主体とする不要ダストを除去する。これによって、微細ダストが塊状ダストと共に水選別手段及び重液選別装置に侵入するのを防止できる。
【0010】
請求項5記載のシュレッダーダストの処理方法は、請求項1〜4記載のシュレッダーダストの処理方法において、前記第2工程で選別された軽量ダストを水選水と共にウェッジワイヤが縦方向に所定間隔で傾斜配置された縦ウェッジワイヤスクリーンを通過させて、前記軽量ダストに付着する土砂及び綿屑を含む繊維状物を除去する。
これによって、水と共に回収した軽量ダストから土砂及び綿屑を含む繊維状物を除去して軽プラスチック類を分離することができ、分離した軽プラスチック類は縦ウェッジワイヤスクリーン上を滑落させて回収できる。
【0011】
請求項6記載のシュレッダーダストの処理方法は、請求項1〜5項に記載のシュレッダーダストの処理方法において、前記水選別機から排出される重量ダストは、上流側は塞がって下流側に開口する小孔を底部に多数備えた第1の振動トラフに上から水を加えながら流下させて、前記重量ダストから不要なダスト及び水を除去する。
これによって、重量ダストに含まれる不要なダスト及び水を除去して、初めに使用する重液の濃度、すなわち比重値の変動を防止できる。また、上流側は塞がって下流側に開口する小孔を底部に多数備えた第1の振動トラフを使用するので、重量ダストの移動の際に重量ダスト中に含まれる裁断線類が小孔に詰まるのが防止できる。
【0012】
請求項7記載のシュレッダーダストの処理方法は、請求項1〜6記載のシュレッダーダストの処理方法において、前記第3工程で重液を用いて重液浮遊ダストと重液沈降ダストに区分する際に、前記重液浮遊ダストと重液沈降ダストを上流側は塞がって下流側に開口する小孔を底部に多数備えた第2、第3の振動トラフに個別に通過させて重液の大部分を除去した後水洗して残り重液を除去する。
これによって、重液浮遊ダストと重液沈降ダストに含まれる重液を回収して再使用することができる。また、上流側は塞がって下流側に開口する小孔を底部に多数備えた第2、第3の振動トラフを使用するので、重液浮遊ダストと重液沈降ダストの移動の際に重液浮遊ダストと重液沈降ダスト中にそれぞれ含まれる裁断線類が小孔に詰まるのが防止できる。
【0013】
請求項8記載のシュレッダーダストの処理方法は、請求項7記載のシュレッダーダストの処理方法においては、前記残り重液の除去時に発生する洗浄水は、ウェッジワイヤが横方向に所定間隔で配置され、しかも該ウェッジワイヤが傾斜湾曲して配置された横ウェッジワイヤスクリーンを通過させて、前記洗浄水から前記裁断線類中被覆が除去された屑線と前記残り重液とを分離する。
【0014】
前記目的に沿う請求項9記載のシュレッダーダストの処理設備は、磁着分が除去され、プラスチック類、ゴム類、土砂、ガラス類、基板類、及び裁断線類を含む金属類を主体とするシュレッダーダストを篩分けて、粒径の上限が150mm、粒径の下限が5mmの塊状ダストを選別する篩分装置と、
前記塊状ダストを受け入れ、該塊状ダストを水中に分散させて比重が1以下の軽プラスチック類を主体とする軽量ダスト、及び比重が1を超えるプラスチック類、ゴム類、基板類、及び裁断線類を含む金属類を主体とする重量ダストとに分離する水選別手段と、
前記重量ダストを受け入れ、該重量ダストを第1の重液中に供給して浮遊する第1の重液浮遊ダスト及び沈降する第1の重液沈降ダストに選別する第1の重液選別手段と、前記第1の重液浮遊ダスト及び前記第1の重液沈降ダストのいずれか一方を受け入れ、第2の重液中に供給して浮遊する第2の重液浮遊ダスト及び沈降する第2の重液沈降ダストに選別する第2の重液選別手段を備え、(1)比重が3以上の非鉄金属類、(2)アルミニウム、比重がそれぞれ3未満の基板類及び裁断線類、(3)比重が1より大きいプラスチック類及びゴム類に分離する重液選別装置とを有する。
【0015】
請求項10記載のシュレッダーダストの処理設備は、請求項9記載のシュレッダーダストの処理設備において、前記第1の重液沈降ダストを前記第2の重液選別手段に供給し、前記第1の重液浮遊ダストを前記第1の重液の比重より小さい第3の重液を使用して、前記第1の重液浮遊ダストをプラスチック類とゴム類に選別する。
【0016】
請求項11記載のシュレッダーダストの処理設備は、請求項9記載のシュレッダーダストの処理設備において、前記第1の重液浮遊ダストを前記第2の重液選別手段に供給し、該第2の重液選別手段で選別された前記第2の重液浮遊ダストを前記第2の重液の比重より小さい第3の重液を使用して、前記第2の重液浮遊ダストをプラスチック類とゴム類に選別する。
【0017】
請求項12記載のシュレッダーダストの処理設備は、請求項9〜11記載のシュレッダーダストの処理設備において、前記篩分装置で選別した前記塊状ダストから付着している土砂を主体とする不要ダストを吹き飛ばす風力選別手段が設けられている。これによって、微細ダストが塊状ダストと共に重液選別装置に供給されるのを防止できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るシュレッダーダストの処理方法においては、シュレッダーダストから塊状ダストを選別し、更に水選別して重量ダストを取り出し、この重量ダストを重液選別装置により選別するようにしたので、シュレッダーダストから軽プラスチック類、プラスチック類、ゴム類、基板類、裁断線類、アルミニウム、及び非鉄金属類を効率的に、かつ精度よく選別して回収することが可能になる。
特に、2つの重液より更に比重の小さい重液を用いて、比重が1より大きいプラスチック類及びゴム類を更に個々に分離する場合は、プラスチック類及びゴム類をそれぞれ固形化して燃料として利用することが可能になる。
【0019】
アルミニウム、比重がそれぞれ3未満の基板類及び裁断線類の混合物からアルミニウムのみを渦流選別機で分離する場合は、アルミニウムを選別することにより、効率的に基板類及び裁断線類を回収することが可能になる。その結果、基板類及び裁断線類の再利用率を向上させることができる。
第1工程で選別された塊状ダストを風力選別手段で処理して、塊状ダストに付着している土砂を主体とする不要ダストを除去する場合は、土砂を主体とした不要ダストが重液中に混入するのを防止でき、重液の比重変動を防止して比重差による選別精度の安定化を更に図ることが可能になる。
【0020】
第2工程で選別された軽量ダストを水選水と共にウェッジワイヤが縦方向に所定間隔で傾斜配置された縦ウェッジワイヤスクリーンを通過させて、軽量ダストに付着する土砂及び綿屑を含む繊維状物を除去する場合は、分離した軽プラスチック類を縦ウェッジワイヤスクリーン上で滑落させて、効率的に回収することが可能になる。そして、軽プラスチック類は固形化し燃料として利用することが可能になる。
【0021】
水選別手段から排出される重量ダストを、上流側は塞がって下流側に開口する小孔を底部に多数備えた第1の振動トラフに上から水を加えながら流下させて、重量ダストから不要なダスト及び水を除去する場合は、受け入れた重量ダストを移動させながら水切りする際に重量ダスト中の裁断線類が詰まるのが防止でき、効率的な水切りを行うことが可能になると共に、水選別手段の保守管理の負担を低減させて水選別手段の稼働率を向上させることが可能になる。
【0022】
第3工程で重液を用いて重液浮遊ダストと重液沈降ダストに区分する際に、重液浮遊ダストと重液沈降ダストを上流側は塞がって下流側に開口する小孔を底部に多数備えた第2、第3の振動トラフに個別に通過させて重液の大部分を除去した後水洗して残り重液を除去する場合は、受け入れた重液沈降ダスト及び重液浮遊ダストをそれぞれ移動させながら重液を分離する際に重液沈降ダスト及び重液浮遊ダスト中に含まれる裁断線類が底部に詰まるのが防止でき、効率的に重液が分離された重液沈降ダスト及び重液浮遊ダストを得ることが可能になる。その結果、処理設備の保守管理の負担を低減させて処理設備の稼働率を向上させることが可能になる。
残り重液の除去時に発生する洗浄水を、ウェッジワイヤが横方向に所定間隔で配置され、しかもウェッジワイヤが傾斜湾曲して配置された横ウェッジワイヤスクリーンに通過させて洗浄水から裁断線類中被覆が除去された屑線と残り重液とを分離する場合は、回収した残り重液を溜める貯留槽の底部や残り重液を輸送する輸送用ポンプの中に屑線が詰まって残り重液の輸送が停止するのを防止することが可能になる。その結果、処理設備の保守管理の負担を低減させて処理設備の稼働率を向上させることが可能になる。
【0023】
本発明に係るシュレッダーダストの処理設備においては、篩分装置でシュレッダーダストから塊状ダストを選別し、更に水選別手段で水に沈降する重量ダストを取り出し、この重量ダストを重液選別装置により選別するようにしたので、シュレッダーダストから軽プラスチック類、プラスチック類、ゴム類、基板類、裁断線類、アルミニウム、及び非鉄金属類を効率的に、かつ精度よく選別して回収することが可能になる。
特に第1の重液沈降ダストを第2の重液選別手段に供給し、第1の重液浮遊ダストを第1の重液の比重より小さい第3の重液を使用して、第1の重液浮遊ダストをプラスチック類とゴム類に選別する場合、又は第1の重液浮遊ダストを第2の重液選別手段に供給し、第2の重液選別手段で選別された第2の重液浮遊ダストを第2の重液の比重より小さい第3の重液を使用して、第2の重液浮遊ダストをプラスチック類とゴム類に選別する場合は、重量ダストから材質別に有価物を連続的に、かつ効率的に選別することができる。
篩分装置で、選別した塊状ダストから、付着している土砂を主体とする不要ダストを吹き飛ばす風選別手段が設けられている場合は、土砂を主体とした不要ダストが重液中に混入するのを防止でき、重液の使用寿命の延長を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の第1の実施の形態に係るシュレッダーダストの処理方法の工程説明図、図2は同シュレッダーダストの処理方法を適用する処理設備の篩分装置及び風選別手段の説明図、図3は同処理設備の篩分装置に設けられた回転篩の説明図、図4は同処理設備の水選別手段の説明図、図5は(A)は同処理設備の軽プラスチック選別手段に設けられたウェッジワイヤスクリーンの部分側面図、(B)は部分正面図、(C)は(B)のP−P矢視断面図、図6は(A)、(B)はそれぞれ同処理設備の水切り手段の部分平面図、部分断面図、図7は同処理設備の重液選別装置に設けられた第1の重液選別手段の説明図、図8は(A)、(B)はそれぞれ同処理設備の第1の重液選別手段に設けられた縦ウェッジワイヤスクリーンの部分側面図、部分平面図、図9は同処理設備の重液選別装置に設けられた第2の重液選別手段の説明図、図10は同処理設備に設けられた第3の重液選別手段の説明図、図11は本発明の第2の実施の形態に係るシュレッダーダストの処理方法の工程説明図である。
【0025】
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るシュレッダーダストの処理方法を適応するシュレッダーダストの処理設備10(以下、単に処理設備10という)は、磁着分が除去され、プラスチック類、ゴム類、土砂、ガラス類、基板類、及び裁断線類を含む金属類を主体とするシュレッダーダスト(以下、原料ダストという)から粒径の上限が100mm、粒径の下限が14mmの塊状ダストを選別する篩分装置11を有している。更に、処理設備10は、塊状ダストを受け入れ、塊状ダストを水中に分散させて比重が1以下の軽プラスチック類を主体とする軽量ダスト、及び比重が1を超えるプラスチック類、ゴム類、基板類、及び裁断線類を含む金属類を主体とする重量ダストとに分離する水選別手段12と、重量ダストを受け入れ、重量ダストを第1の重液中に供給して浮遊する第1の重液浮遊ダスト及び沈降する第1の重液沈降ダストに選別する第1の重液選別手段13と、第1の重液沈降ダストを受け入れ、第1の重液よりも比重の大きな第2の重液中に供給して浮遊する第2の重液浮遊ダスト及び沈降する第2の重液沈降ダストに選別する第2の重液選別手段14を備えた重液選別装置15を有している。以下これらについて、詳細に説明する。
【0026】
図2に示すように、篩分装置11は、原料ダストを受け入れる原料供給ホッパー16と、原料供給ホッパー16の下部に取付けられ原料ダストを送り出す原料フィーダー17と、原料フィーダー17で送り出された原料ダストを更に搬送する原料移送コンベア18を備えた原料ダスト供給手段19を有している。ここで、原料移送コンベア18の上流側の上方には鉄片分離機20が設けられ、原料ダスト中に残留している鉄片の分離が行われる。そして、分離された鉄片は鉄片回収缶21内に集積される。
また、篩分装置11は、原料移送コンベア18で移送された原料ダストを受け入れ、粒径が14mm未満の土砂及びガラス類を主体とする細粒ダストと、粒径が14mm以上かつ100mm以下で、プラスチック類、ゴム類、基板類、及び裁断線類を含む金属類を主体とする塊状ダストと、粒径が100mmを超えプラスチック類、ゴム類、基板類、及び裁断線類を含む金属類を有する粗大ダストに篩分ける回転篩(長尺物選別トロンメル)22を有している。
【0027】
ここで、図3に示すように、回転篩22の篩部23は、上流側に網目間隔が14mmの第1篩部24、中央部に径が100mmの孔24aが多数形成された第2篩部25、下流側に排出部26が設けられており、篩部23は全体がカバー27で覆われている。そして、カバー27の下部には、第1篩部24、第2篩部25、及び排出部26の各領域に合わせて排出口28、29、30がそれぞれ形成されている。また、第2篩部25の各孔24aの出側には長さが、例えば100mmの短管30aが取付けられ、短管30aの先部から、例えば100mm離れた位置には複数の孔24aを覆うように複数の邪魔板30bが設けられている。そして、各邪魔板30bの間には、例えば、100mmの隙間が形成されている。
このような構成とすることにより、受け入れた原料ダストは回転篩22内を移動する際に、先ず細粒ダストが第1篩部24で篩分けられて排出口28から排出され、次いで塊状ダストが第2篩部25で分離されて排出口29から排出され、最終的に100mmを超える粗大ダストのみが排出部26に到達して排出口30から排出されることになる。なお、長さが100mmを超えるが断面の最大径が100mm未満のダストは、回転篩22の回転に伴って孔24a内に進入して外部に出ようとするが、邪魔板30bに遮られて上方まで持ち上げられ再び回転篩22内に落下するので、長さが100mmを超え断面の最大径が100mm未満のダストを排出部26から確実に排出させることができる。
【0028】
篩分手段11は、排出口28から排出された細粒ダストを移送するダストコンベア31と、排出口29から排出された塊状ダストを上方に移送する塊状ダストコンベア32と、排出口30から排出された粗大ダストを移送する複数(図2では2基)の粗大ダストコンベア33を有している。
これによって、ダストコンベア31で移送された細粒ダストはダスト回収缶34で回収することができ、複数の粗大ダストコンベア33で移送される粗大ダストは移送中に手選別により、例えば、プラスチック類、ゴム類、ハーネス線を主体とする裁断線類、及び金属類に選別してそれぞれプラスチック回収缶35、ゴム回収缶36、裁断線類回収缶37、金属類回収缶37aに集積することができる。
【0029】
ここで、排出口30内にはプッシュファン38から空気が吹き込まれ粗大ダストに付着している土砂、ガラス類、綿屑、紙類を主体とする微細ダストが除去されるようになっている。そして、空気で吹き飛ばされた微細粒ダストは、空気に混入してカバー27に接続した空気排出管39を介してサイクロン40内に供給されて分離され、微細ダスト回収缶41で回収される。なお、サイクロン40で微細粒ダストが分離された後の空気は排気ファン42で吸引されて大気中に放出される。
また、ダスト回収缶34に回収された細粒ダストは、図示しない5mmの篩網で再度篩分けられ、5mmを超えるサイズのダストは、塊状ダストコンベア32の上方に配置された塊状ダスト供給ホッパー43に投入され、塊状ダスト供給ホッパー43の下部に取付けられた搬送フィーダー44を介して塊状ダストコンベア32に払い出される。一方、5mm未満のダスト(土砂及びガラス類が主体)は図示しない容器で回収される。
【0030】
更に、篩分装置11の下流側には、図2に示すように、選別した塊状ダストから付着している土砂を主体とする不要ダストの一例である微細ダストを吹き飛ばす風力選別手段45が設けられている。
ここで、風力選別手段45は、例えば、塊状ダストコンベア32の下流側を覆うように取付けられ、下部に排出口46を備えた排出部47が形成されたフード48と、排出部47内に空気を送るプッシュファン49と、フード48の上部に設けられ排出部47内に送り込まれた空気を取り出す空気取り出し管50を有している。更に、風力選別手段45は、空気取り出し管50と連通するサイクロン51と、サイクロン51内を排気する排気ファン52を有している。
【0031】
このような構成とすることにより、塊状ダストに付着している微細ダストをプッシュファン49から送り込まれる空気で吹き飛ばし、排出口46から微細ダストが除去された塊状ダストAを排出することができる。なお、微細ダストが混入した空気は、空気取り出し管50を介してサイクロン51内に供給され、微細ダストと空気を分離することができる。更に、分離された微細ダストは微細ダスト回収缶53で回収され、微細ダストが分離された空気は排気ファン52で吸引されて大気中に放出される。なお、微細ダスト回収缶53を設けないで、サイクロン51で分離した微細ダストを直接微細ダスト回収缶41に移送するようにしてもよい。
【0032】
図4に示すように、処理設備10は、微細ダストが表面から除去された塊状ダストAを受け入れ、この塊状ダストAを水中に分散させて軽量ダストと重量ダストとに分離する水選別手段12と、水と共に回収した軽量ダストから軽プラスチック類を分離して回収する軽プラスチック類回収手段55と、水と共に回収した重量ダストを受け入れて移動させながら水洗して水切りを行う水切り手段56を有している。
【0033】
ここで、水選別手段12は、軸が水平に保持され両端部に堰57、58が設けられて外周側に設置された支持部材59に支持されながら軸周りに自転する筒状の選別容器60と、選別容器60の内面に軸に平行に、しかも周方向に等間隔に配置され複数の小孔が形成されたリフター61と、選別容器60の上流側の開口部62から装入され水と共に塊状ダストAを選別容器60の下部に投入する投入シュート63と、選別容器60内の上部に重量ダストの受け入れ口64が形成され、選別容器60の下流側の開口部65から斜め下外側に突出し先端部に重ダストの排出口66が設けられている排出シュート67を備えたドラム式水選別機68を有している。
【0034】
このような構成とすることにより、ドラム式水選別機68の選別容器60内に水と共に塊状ダストAを投入すると、水より軽い軽プラスチック類を主体とする軽量ダストを選別容器60内で浮遊させることができ、堰57を越えて外部に水と共に排出することができる。一方、比重が1より大きなプラスチック類、ゴム類、基板類、及び金属類を主体とする重量ダストは水より重いため、選別容器60の底に沈み、選別容器60の自転と共にリフター61で掻き上げられ水切りされながら上方に移送される。そして、上方に移送された重量ダストは重力の作用で排出シュート67の受け入れ口64内に落下し排出シュート67内を移動することができるので、重量ダストを排出口66より外部に取り出すことができる。
【0035】
図4に示すように、軽プラスチック類回収手段55は、縦ウェッジワイヤスクリーン69と、縦ウェッジワイヤスクリーン69の周囲を保持して固定する取付け部を備え分離した水を回収する篩枠体70と、篩枠体70の下部に接続した排水管71と連通する水貯留槽72を有している。ここで、縦ウェッジワイヤスクリーン69は、図5(A)、(B)、(C)に示すように、篩面69aが側面視して傾斜し、篩面69aを正面視した際に、各ウェッジワイヤ69b(各ウェッジワイヤ69b間の隙間は、例えば1〜3mm)が縦方向に配置され、各ウェッジワイヤ69bを支持する複数の支持部材69cが横方向に配置されている。
【0036】
このような縦ウェッジワイヤスクリーン69を使用することで、縦ウェッジワイヤスクリーン69の上流側に水(水選水)と共に軽量ダストを供給すると、軽量ダストは水によって縦ウェッジワイヤスクリーン69の篩面69a上を下流側に押し流される。このとき、水は混入している土砂及び綿屑を含む繊維状物と共に容易に縦ウェッジワイヤスクリーン69を通過することができるので、軽量ダストの移動と共に水、土砂、及び繊維状物は軽プラスチック類から分離されていく。
このため、縦ウェッジワイヤスクリーン69の下流側では縦ウェッジワイヤスクリーン69上には軽プラスチック類が残留することになる。そして、ウェッジワイヤ69bの方向と軽プラスチック類の移動方向は平行のため、軽プラスチック類がウェッジワイヤ69bの縁に引っかかることがなく、軽プラスチック類は容易に篩面69c上を移動して下流端から振動篩73に排出され、軽プラスチック類に付着している水が分離されて軽プラスチック類回収缶74内に集積される。また、分離された水は排水管71に導かれて水貯留槽72に送られる。なお、繊維状物がウェッジワイヤ69bに一時引っ掛かっても、繊維状物は軽量プラスチック類と共に水で押し流されて移動できるため、容易にウェッジワイヤ69bから離脱することができる。このため、縦ウェッジワイヤスクリーン69に繊維状物が絡まって網目を閉塞させることがなく、安定して軽量ダストから軽プラスチック類を分離することができる。
【0037】
また、水貯留槽72内には、水貯留槽72の底に堆積した土砂及び綿屑を含む繊維状物を掻き上げて水貯留槽72の外部に排出する、例えばベルトコンベアを備えた異物掻き上げ機75と、異物掻き上げ機75から排出された異物を受けて送り出す異物排出コンベア76と、排出された異物を回収する異物回収缶77が設けられている。更に、水貯留槽72には、水貯留槽72内の、例えば上澄層部分の水を取り出す水回収ポンプ78と、水回収ポンプ78の排出口に接続し投入シュート63の上流側に設けられた投入口79内に水を供給する水循環配管80が設けられている。
このような構成とすることにより、軽量ダストと共に排出された水を回収して水選別手段12で再使用することができる。なお、水貯留槽72には、水位計81が設けられ、水貯留槽72内の水位が設定された位置より低くなると、水貯留槽72の水位が回復するまで開閉弁82を開けて水源83から給水管84を介して水が水貯留槽72内に供給されるようになっている。
【0038】
図4に示すように、水切り手段56は、排出シュート67の排出口66から水と共に排出された重量ダストを上流側で受け入れ、下流側に向かって移動させて水洗水シャワー85から放出する水で表面を水洗しながら水切りを行う第1の振動トラフ86と、第1の振動トラフ86の下方に設けられ第1の振動トラフ86を通過した水を回収する水回収部87と、水回収部87の下部と水貯留層72を連通する排水管88を有している。なお、第1の振動トラフ86は下流側が水平方向に対して、例えば2〜5°斜め上方に傾斜して設けられている。また、図6(A)、(B)に示すように、第1の振動トラフ86の底部89には、上流側は塞がって下流側に開口部90が形成された小孔91が多数段に形成されている。なお、第1の振動トラフ86は、通常、出窓式振動篩とも呼ばれる。
【0039】
これによって、第1の振動トラフ86の篩面上で重量ダストを移動させる際に、裁断線類が小孔91に詰まったり、水と共に小孔91を通過したりするのが防止でき、効率的な水切りを行って第1の振動トラフ86の下流端から不要ダスト、例えば、土砂及び綿屑を含む繊維状物が除去された重量ダストBを排出することができる。また、水洗水シャワー85には、水循環配管80から分岐した第1分岐管92を介して水洗用の水が供給されるようになっており、更に、第1分岐管92には、排出シュート67の上流側と連通する第2分岐管93が接続されている。これによって、水洗用の水を循環させて使用することができると共に、重量ダストの排出用の水も循環させて使用することができる。
【0040】
図7に示すように、第1の重液選別手段13は、重量ダストBを受け入れて、プラスチック類及びゴム類を主体とする第1の重液浮遊ダストと、アルミニウム、基板類、裁断線類、及び非鉄金属類を主体とする第1の重液沈降ダストに選別する第1の重液選別機94と、第1の重液沈降ダスト及び第1の重液浮遊ダストをそれぞれ移動させながら第1の重液を分離して第1の重液沈降ダスト及び第1の重液浮遊ダストをそれぞれ排出すると共に、分離した第1の重液中に混在している裁断線類中の被覆が除去された屑線を捕集してから第1の重液を第1の重液選別機94に戻す第1の重液回収機95を有している。なお、第1の重液は、例えば、重質剤の一例であるマグネタイトを水中に均一に分散させて、比重値を1.5〜2の範囲の特定値、例えば、比重2に調整したものである。
【0041】
第1の重液選別機94は、軸が水平に保持され両端部に堰96、97が設けられて外周側に設置された支持部材98に支持されながら軸周りに自転する筒状の選別容器99と、選別容器99の内面に軸に平行に、しかも周方向に等間隔に配置されたリフター100を有している。更に、第1の重液選別機94は、第1の振動トラフ86から排出された重量ダストBを受け入れて移送する重量ダスト移送コンベア101と、重量ダスト移送コンベア101で移送された重量ダストBを上流側に設けられた受け入れ口102で受け入れ選別容器99の上流側に形成された開口部103に先部が装入されて重量ダストBを選別容器99内に第1の重液と共に投入する投入シュート104と、選別容器99内の上部に受け入れ口105が形成され、選別容器99の下流側の開口部106から斜め下外側に突出し先端部に排出口107が設けられている排出シュート108を有している。
【0042】
このような構成とすることにより、第1の重液選別機94の選別容器99内に第1の重液と共に重量ダストBを投入すると、第1の重液より比重が軽いプラスチック類及びゴム類を主体とする第1の重液浮遊ダストを選別容器99内で浮遊させることができ、堰97を超えて外部に第1の重液と共に排出することができる。一方、第1の重液より比重が重いアルミニウム、基板類、裁断線類、及び非鉄金属類を主体とする第1の重液沈降ダストは選別容器99の底に沈み、選別容器99の自転と共にリフター100で掻き上げられ第1の重液と共に上方に移送される。そして、上方に移送された第1の重液沈降ダストは重力の作用で排出シュート108の受け入れ口105内に落下し排出シュート108内を移動することができるので、第1の重液沈降ダストを排出口107より外部に取り出すことができる。
【0043】
図7に示すように、第1の重液回収機95は、堰97を超えて第1の重液と共に外部に排出された第1の重液浮遊ダストと、排出シュート108の排出口107から第1の重液と共に排出された第1の重液沈降ダストをそれぞれ分離させて受け入れ、それぞれ移動させながら上流側で第1の重液を分離する重液分離部109と、重液分離部109に連接して下流側に設けられ水洗水シャワー110、111から放出する水で第1の重液浮遊ダスト及び第1の重液沈降ダストの表面を個別に水洗して残り重液を除去するダスト水洗部112をそれぞれ有する第2の振動トラフ及び第3の振動トラフを備えた第1の振動トラフ群113を有している。また、第1の重液回収機95は、第1の振動トラフ群113の下方に重液分離部109及びダスト水洗部112の各領域に合わせて設けられ通過した第1の重液を受け入れて排出する排出部114及び通過した水を受け入れて排出する排出部115がそれぞれ形成されている回収部116を有している。
【0044】
ここで、第1の振動トラフ群113の第2第3の振動トラフは、第1の振動トラフ86と同様の構成とすることができるので、詳しい説明は省略する。これによって、受け入れた第1の重液浮遊ダスト及び第1の重液沈降ダストから先ず第1の重液を分離し、次いで第1の重液浮遊ダスト及び第1の重液沈降ダストを水洗しながら下流側に向けて移動させることができると共に、第1の重液浮遊ダスト及び第1の重液沈降ダスト中に含まれる裁断線類が通過口に詰まり難くすることもでき、効率的に第1の重液の分離と水洗水の水切りを行って第1の振動トラフ群113の下流端から第1の重液が除去された第1の重液浮遊ダストC及び第1沈降ダストDをそれぞれ分離して排出することができる。
【0045】
更に、図7に示すように、第1の重液回収機95は、排出部114から排出された第1の重液を重液回収管117を介して受け入れ、撹拌手段の一例であるリフター118で撹拌してマグネタイトの沈降を防止しながら比重値を1.5〜2の範囲の特定値に調整して貯留する重液タンク119と、重液タンク119内の第1の重液を取り出す重液ポンプ120と、重液ポンプ120の排出口に接続し第1の重液を輸送する重液輸送管121と、重液輸送管121で輸送された第1の重液の供給先を選定する重液供給弁122と、重液供給弁122を切り換えて投入シュート104の上流側に設けられた受け入れ口102内に第1の重液を輸送する重液供給管123を有している。更に、重液輸送管121の先部には分岐配管121aが接続され、輸送された第1の重液の一部が排出シュート108の上流側に設けられた受け入れ口105内に供給されるようになっている。
これによって、投入シュート104の受け入れ口102から投入された重量ダストBは第1の重液と共に選別容器99内に容易に進入でき、排出シュート108の受け入れ口105内に落下した第1の重液沈降ダストは第1の重液に押し流されて排出シュート108内を容易に移動して排出口107から排出される。
【0046】
また、図7に示すように、第1の重液回収機95は、排出部115から排出された洗浄水(残り重液を含む)、すなわち、希釈された第1の重液を輸送する希釈重液管124と、希釈重液管124で輸送された希釈された第1の重液を受け入れ混在する裁断線類中被覆が除去された屑線を捕集する横ウェッジワイヤスクリーン125と、横ウェッジワイヤスクリーン125を支持すると共に横ウェッジワイヤスクリーン125を通過した希釈された第1の重液を回収する篩枠体126を備えた第1の屑線回収部127を有している。
ここで、図8(A)、(B)に示すように、横ウェッジワイヤスクリーン125は、一側が矩形で他側が二等辺三角形となった断面を有する複数のウェッジワイヤ125aが、例えば1〜3mm間隔で横方向に並べられ、各ウェッジワイヤ125aの他側が各ウェッジワイヤ125aに交差して並べて配置された複数の支持部材125bで固定されて、各ウェッジワイヤ125aの一側で篩面125cが構成されており、篩面125cは側面視して傾斜湾曲して下方に凸の弧状となっている。
【0047】
このような構成とすることにより、横ウェッジワイヤスクリーン125の上流側に屑線が混入した希釈された第1の重液を供給すると、希釈された第1の重液中の屑線は希釈された第1の重液で押し流されて横ウェッジワイヤスクリーン125の篩面125c上を移動することができ、このとき、希釈された第1の重液は容易に横ウェッジワイヤスクリーン125を通過し、希釈された第1の重液から分離された屑線が篩面125cに堆積する。そして、屑線は、篩面125c上を重力の作用で下流側に移動する際に屑線に付着する希釈された第1の重液が更に除去され、篩面125cの下流側から希釈された第1の重液の含有率が低い、すなわちマグネタイトの付着の少ない屑線が排出される。
【0048】
ここで、第1の重液回収機95には、篩枠体126から排出される希釈された第1の重液を貯留する希釈重液タンク128と、希釈重液タンク128内の希釈された第1の重液を取り出す重液回収ポンプ129と、重液回収ポンプ129で取り出された希釈された第1の重液からマグネタイトを分離して回収する磁選機を備えた重質剤回収部130と、回収された帯磁状態のマグネタイトに図示しない水源から供給される搬送用の水を加えて重質剤スラリーを調製するスラリー調製タンク131と、スラリー調製タンク131から排出された重質剤スラリー中のマグネタイトの消磁を行う脱磁機132が設けられている。更に、第1の重液回収機95には、スラリー調製タンク131から排出された重質剤スラリーを受け入れて貯留しながら底に沈降したマグネタイトを排出して重液タンク119内に供給する、例えば、スクリュー133を備えたエーキンス134が設けられている。
【0049】
重液タンク119内に貯留される第1の重液の比重が低下した場合は、重質剤投入ホッパー136からマグネタイトをエーキンス134に投入して重液タンク119内にマグネタイトを供給するようにする。また、エーキンス134内の上澄み水は輸送管137を介して希釈重液タンク128に戻すようにする。また、重質剤回収部130でマグネタイトが回収された後の希釈された第1の重液は、戻し配管134aを介して水貯留タンク138に戻され、水貯留タンク138内の水は水供給ポンプ139により取り出され、給水管140を介して水洗水シャワー110、111に供給される。そして、水貯留タンク138には希釈重液タンク128の上澄み水が連通管141を介して供給されると共に、水貯留タンク138の水面レベルが予め設定されたレベル値より低下したことが水面レベル計142により検知されると、開閉弁143が開いて水源144から導水管145を介して水が水面レベルが回復するまで供給される。
【0050】
このような構成とすることにより、第1の重液浮遊ダスト及び第1の重液沈降ダストと共に排出された第1の重液を回収して第1の重液選別機94で再使用することができると共に、第1の重液浮遊ダスト及び第1の重液沈降ダストの水洗に使用した水も回収して再使用することができる。このとき、第1の重液回収機95における水洗時に混入した屑線は、第1の屑線回収部127で捕集されるため、屑線が希釈重液タンク128の底部や重液回収ポンプ128中に詰まって希釈された第1の重液の輸送が停止するのが防止される。更に、重液供給弁122とエーキンス134とはバイパス管146で接続され、第1の重液選別機94を停止した際に、重液供給弁122を切り換えて、重液タンク119内の重液を重液ポンプ120で酌み出してエーキンス134内に貯留されるようになっている。
【0051】
図7に示すように、第2の重液選別手段14は、第1の重液沈降ダストDを受け入れて、基板類、裁断線類、及びアルミニウムを主体とする第2の重液浮遊ダスト、並びに非鉄金属類を主体とする第2の重液沈降ダストに選別する第2の重液選別機147と、第2の重液沈降ダスト及び第2の重液浮遊ダストをそれぞれ移動させながら第2の重液を分離して第2の重液沈降ダスト及び第2の重液浮遊ダストをそれぞれ排出すると共に、分離した第2の重液中に混在している裁断線類を捕集してから第2の重液を第2の重液選別機147に戻す第2の重液回収機148を有している。なお、第2の重液は、例えば、重質剤の一例であるフェロシリコンを水中に均一に分散させて、比重値を3〜3.6の範囲の特定値、例えば、比重値3に調整したものである。
【0052】
ここで、第2の重液選別機147及び第2の重液回収機148は、それぞれ第1の重液選別機94及び第1の重液回収機95と実質的に同一の構成とすることができるので、同一の構成部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。更に、第2の重液回収機148に設けられた第2の屑線回収部149と、第2及び第3の振動トラフを有する第2の振動トラフ群150も、第1の重液回収機95に設けられた第1の屑線回収部127及び第1の振動トラフ群113と実質的に同一の構成とすることができるので、同一の構成部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0053】
このような構成とすることにより、第2の振動トラフ群150の下流端から第2の重液が除去された第2の重液浮遊ダストE及び第2の重液沈降ダストFをそれぞれ分離して排出することができる。また、第2の重液浮遊ダスト及び第2の重液沈降ダストと共に排出された第2の重液を回収して第2の重液選別機147で再使用することができると共に、第2の重液浮遊ダスト及び第2の重液沈降ダストの水洗に使用した水も回収して再使用することができる。このとき、第2の重液回収機148における水洗時に混入した屑線は、第2の屑線回収部149で捕集されるため、裁断線類が希釈重液タンク128の底部や重液回収ポンプ129中に詰まって希釈された第2の重液の輸送が停止するのが防止される。
【0054】
図7に示すように、重液選別装置15には、第2の振動トラフ群150から排出された第2の重液浮遊ダストEを受け入れるは第2の浮遊ダスト回収ホッパー151と、第2の重液沈降ダストFを受け入れる第2の沈降ダスト回収ホッパー152が設けられ、更に、第2の沈降ダスト回収ホッパー152から取り出された第2の重液沈降ダストFを移送する第2の沈降ダスト移送コンベア153と、移送された第2の重液沈降ダストFを集積する第2の沈降ダスト回収缶154を有している。
なお、第2の重液沈降ダスト回収缶154に集積された第2の重液沈降ダストFは、比重値からアルミニウムより重い非鉄金属類(比重が3以上)なので、磁力選別機及び渦流選別機を利用して更に処理することにより、金属種別、例えば、ステンレス、銅、亜鉛、真鍮等に選別できる。
【0055】
また、重液選別装置15には、第2の浮遊ダスト回収ホッパー151から取り出された第2の重液浮遊ダストEを移送する第2の浮遊ダスト移送コンベア155と、移送された第2の重液浮遊ダストEを受け入れ、例えば、アルミニウムのみを飛散させてアルミニウム回収ホッパー156に収容すると共に、それぞれ比重が3未満の基板類及び裁断線類を主体とする残ダスト(混合物)を回収する残ダスト回収ホッパー157に回収する渦流選別機158を有している。そして、アルミニウム回収ホッパー156から排出されたアルミニウムは、アルミニウム移送コンベア搬送159により移送されて、アルミニウム回収缶160に集積され、残ダスト回収ホッパー157から排出された基板類及び裁断線類を主体とする残ダストは残ダスト移送コンベア161により移送されて残ダスト回収缶162に集積される。
【0056】
図10に示すように、重液選別装置15には、第1の重液浮遊ダストCを第1の重液より比重の小さな第3の重液中に投入し、プラスチック類とゴム類に選別する第3の重液選別手段163が設けられている。ここで、第3の重液選別手段163は、プラスチック類を主体とする第3の重液浮遊ダスト、及びゴム類を主体とする第3の重液沈降ダストに選別する第3の重液を貯留する第3重液選別機164と、第3の重液沈降ダスト及び第3の重液浮遊ダストをそれぞれ移動させながら第3の重液を分離して第3の重液沈降ダスト及び第3の重液浮遊ダストをそれぞれ排出すると共に、分離した第3の重液を第3の重液選別機164に戻す第3の重液回収機165を有している。なお、第3の重液は、例えば、重質剤の一例であるマグネタイトを水中に均一に分散させて、例えば、比重値1.6〜1.7に調整したものである。
【0057】
ここで、第3の重液選別機164は、第1の重液選別機94と実質的に同一の構成とすることができるので、同一の構成部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。また、第3の重液回収機165は、実質的に第1の重液回収機95から第1の屑線回収部127を除いた構成とすることができるので、同一の構成部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。更に、第3の重液回収機165に設けられた第2及び第3の振動トラフを有する第3の振動トラフ群166も、第1の重液回収機95に設けられた第1の振動トラフ群113と実質的に同一の構成とすることができるので、同一の構成部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0058】
このような構成とすることにより、第3の振動トラフ群166の下流端から第3の重液が除去された第3の重液浮遊ダストG及び第3の重液沈降ダストHをそれぞれ分離して排出することができる。また、第3の重液浮遊ダスト及び第3の重液沈降ダストと共に排出された第3の重液を回収して第3重液選別機164で再使用することができると共に、第3の重液浮遊ダスト及び第3の重液沈降ダストの水洗に使用した水も回収して再使用することができる。
なお、図10に示すように、第3の重液選別手段163には、第3の振動トラフ群166から排出された第3の重液浮遊ダストGを受け入れて移送する第3の重液浮遊ダスト移送コンベア167と、第3の重液沈降ダストHを移送する第3の重液沈降ダスト移送コンベア168がそれぞれ設けられ、移送された第3の重液浮遊ダストは第3の重液浮遊ダスト回収缶169に、移送された第3の重液沈降ダストHは第3の重液沈降ダスト回収缶170にそれぞれ集積されるようになっている。
【0059】
次に、本発明の第1の実施の形態に係るシュレッダーダストの処理方法について説明する。
[第1工程]
図2に示すように、原料ダストを原料供給ホッパー16に供給して、原料フィーダー17により原料ダストを原料移送コンベア18に送り込む。ここで、原料フィーダー17により送り込む原料ダストの重量は、シュレッダーダストの処理設備10の処理能力に応じて決定する。原料移送コンベア18に送り込まれた原料ダストは、篩分装置11に供給され、先ず14mm未満のダストを除去する。次いで、篩分装置11では、10〜100mmの塊状ダストが選別されて塊状ダストコンベア32に排出される。更に、篩分装置11では、100mmを超える粗大ダストが排出される。
排出された粗大ダストは粗大ダストコンベア33で移送中に、金属類(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、ステンレス等)と、プラスチック類(例えば、ポリエステル、塩化ビニル等)、及びゴム類に手選別する。また、塊状ダストコンベア32で移送中の塊状ダストには、風力選別手段45により空気が吹き付けられ表面に付着している土砂を主体とする微細ダストが吹き飛ばされ、塊状ダストコンベア32からは微細ダストが表面から除去された塊状ダストAが排出される。
【0060】
[第2工程]
図4に示すように、微細ダストが表面から除去された塊状ダストAは水と共に水選別手段12のドラム式水選別機68に供給される。ドラム式水選別機68に供給された塊状ダストAは、水より軽い軽プラスチック類を主体とする軽量ダストは水に浮遊するので、堰57を越えて外部に水と共に排出することができ、水と共に排出した軽量ダストは軽プラスチック類回収手段55に移送される。一方、プラスチック類、ゴム類、基板類、裁断線類、アルミニウム、及び非鉄金属類を主体とする重量ダストは水より重いため底に沈み、リフター61で掻き上げられ水と共に上方に移送され重力の作用で排出シュート67の開口部65内に落下し排出シュート67内を移動して排出口66から取り出すことができ、水切り手段56に移送される。
【0061】
ここで、軽プラスチック類回収手段55の縦ウェッジワイヤスクリーン69の上流側に水と共に軽量ダストを供給すると、水は容易に縦ウェッジワイヤスクリーン69を通過し、このとき、混入している土砂及び綿屑を含む繊維状物も水と共に縦ウェッジワイヤスクリーン69を通過する。このため、主に軽プラスチック類が篩面69a上に分離され、縦ウェッジワイヤスクリーン69の下流側から排出される。排出された軽プラスチック類は振動篩73を介して軽プラスチック類回収缶74内に集積される。軽プラスチック類には塩化ビニール系プラスチックは含まれないため、例えば、固形化し燃料として利用する。
【0062】
一方、水と共に水切り手段56に設けられた第1の振動トラフ86の上流側に排出された重量ダストは、第1の振動トラフ86の底部89を下流側に向かって移動し、そのとき、水洗水シャワー85から水が供給されて重量ダストの表面が洗浄され土砂を主体とする微細ダストは水と共に第1の振動トラフ86を通過して、第1の振動トラフ86の下流側には微細ダストが除去された重量ダストBが到達して下流端から排出される。
なお、軽プラスチック類回収手段55及び水切り手段56で回収された水は水貯留槽72に移送され、土砂を主体とする異物が除去されてから、投入シュート63、排出シュート67、及び水洗水シャワー85に供給され再使用される。
【0063】
[第3工程]
次いで、重量ダストBは、図7に示すように、重液選別装置15に設けられた第1の重液選別手段13の第1の重液選別機94に供給され、プラスチック類及びゴム類を主体とする第1の重液浮遊ダスト、並びに基板類、裁断線類、アルミニウム、及び非鉄金属類とを主体とする第1の重液沈降ダストに選別される。そして、第1の重液沈降ダスト及び第1の重液浮遊ダストはそれぞれ第1の重液と共に第1の重液選別機94から排出されて第1の重液回収機95に設けられた第1の振動トラフ群113の重液分離部109に供給される。重液分離部109では、受け入れた第1の重液浮遊ダスト及び第1の重液沈降ダストから第1の重液の大半が分離される。そして、第1の重液が残留した状態の第1の重液浮遊ダスト及び第1の重液沈降ダストは下流側のダスト水洗部112に送り出され、水洗されながら下流側に向けて移動される。このとき、水洗に使用した水は残留していた第1の重液と共に第1の振動トラフ群113を通過し、第1の振動トラフ群113の下流端からは第1の重液と水が除去された第1の重液浮遊ダストC及び第1の重液沈降ダストDがそれぞれ分離して排出される。
【0064】
なお、重液分離部109で分離された第1の重液は重液タンク119に供給され、投入シュート104及び排出シュート108に供給され再使用される。また、ダスト水洗部112で分離され水で希釈された第1の重液は、第1の屑線回収部127により混入した屑線が除去され、希釈重液タンク128に一時貯留されてから重質剤回収部130でマグネタイトが分離され、マグネタイトはエーキンス134により重液タンク119に送られる。一方、マグネタイトが回収された後の希釈された第1の重液、すなわち実質的に水は水貯留タンク138に蓄えられ、水洗水シャワー110、111に供給されて再使用される。
【0065】
ここで、第1の屑線回収部127に設けられた横ウェッジワイヤスクリーン125の篩面125cは、図8(A)に示すように下方に凸の湾曲となっているので、篩面125cを上流側の傾斜角度の大きな高角傾斜部X、中流域の傾斜角度が徐々に減少する中角傾斜部Yに大別ができる。このため、屑線が混入した希釈された第1の重液は、先ず上流側の高角傾斜部Xで受け止められ、希釈された第1の重液のほとんどは横ウェッジワイヤスクリーン125を通過し篩面125cには裁断線類が取り残される。そして、取り残された裁断線類は傾斜角度の大きな高角傾斜部Xを下流側に向かって移動し中角傾斜部Yに進入する。このとき、屑線の間に存在している希釈された第1の重液は横ウェッジワイヤスクリーン125を通過するので、裁断線類の間の希釈された第1の重液は徐々に減少する。
【0066】
中角傾斜部Yでも屑線は下流側に向かって移動して行くが、中角傾斜部Yの傾斜角度は徐々に小さくなるので、中角傾斜部Yに進入した裁断線類の移動速度が徐々に減少する。そして中角傾斜部Yでも屑線の間に存在している希釈された第1の重液の減少が促進される。そして、希釈された第1の重液が十分に除去された屑線は、中角傾斜部Yから押し出される。
【0067】
第1の重液沈降ダストDは、図9に示すように、重液選別装置15に設けられた第2の重液選別手段14の第2の重液選別機147に供給され、基板類、裁断線類、及びアルミニウムを主体とする第2の重液浮遊ダスト、並びに非鉄金属類を主体とする第2の重液沈降ダストに選別される。そして、第2の重液沈降ダスト及び第2の重液浮遊ダストはそれぞれ第2の重液と共に第2の重液選別機147から排出されて第2の重液回収機148に設けられた第2の振動トラフ群150の重液分離部109に供給される。重液分離部109では、受け入れた第2の重液浮遊ダスト及び第2の重液沈降ダストから第2の重液の大半が分離される。そして、第2の重液が残留した状態の第2の重液浮遊ダスト及び第2の重液沈降ダストは下流側のダスト水洗部112に送り出され、水洗されながら下流側に向けて移動される。このとき、水洗に使用した水は残留していた第2の重液と共に第2の振動トラフ群150を通過し、第2の振動トラフ群150の下流端からは第2の重液と水が除去された第2の重液浮遊ダストE及び第2の重液沈降ダストFがそれぞれ分離して排出される。
【0068】
重液分離部109で分離された第2の重液は重液タンク119に供給され、投入シュート104及び排出シュート108に供給され再使用される。また、ダスト水洗部112で分離され水で希釈された第2の重液は、第2の屑線回収部149により混入した屑線が除去され、希釈重液タンク128に一時貯留されてから重質剤回収部130でフェロシリコンが分離され、フェロシリコンはエーキンス134により重液タンク119に送られる。
一方、フェロシリコンが回収された後の希釈された第2の重液、すなわち実質的に水は水貯留タンク138に蓄えられ、水洗水シャワー110、111に供給されて再使用される。なお、屑線を除去する第2の屑線回収部149の作用は第1の屑線回収部127の作用と実質的に同一であるので説明は省略する。
【0069】
第2の振動トラフ群150から排出された第2の重液沈降ダストFは、第2の沈降ダスト回収ホッパー152で受けられて第2の沈降ダスト移送コンベア153に排出され、第2の沈降ダスト回収缶154に移送される。なお、第2の重液沈降ダストFは、比重値からアルミニウムより重い金属類なので、必要に応じて磁力選別機及び渦流選別機で更に処理して、金属種別、例えば、ステンレス、銅、亜鉛、真鍮等に選別する。
一方、第2の重液浮遊ダストEは、第2の浮遊ダスト回収ホッパー151で受けられてから第2の浮遊ダスト移送コンベア155を介して渦流選別機158に供給され、選別されたアルミニウムはアルミニウム移送コンベア搬送159でアルミニウム回収缶160に移送されて集積される。なお、アルミニウムが選別された後の残ダストは、残ダスト移送コンベア161により移送されて残ダスト回収缶162に集積される。
【0070】
第1の重液浮遊ダストCは、図10に示すように、重液選別装置15に設けられた第3の重液選別手段163の第3の重液選別機164に供給され、プラスチック類を主体とする第3の重液浮遊ダスト、及びゴム類を主体とする第3の重液沈降ダストに選別される。そして、第3の重液沈降ダスト及び第3の重液浮遊ダストはそれぞれ第3の重液と共に第3の重液選別機164から排出されて第3の重液回収機165に設けられた第3の振動トラフ群166の重液分離部109に供給される。重液分離部109では、受け入れた第3の重液浮遊ダスト及び第3の重液沈降ダストから第3の重液の大半が分離される。そして、第3の重液が残留した状態の第3の重液浮遊ダスト及び第3の重液沈降ダストは下流側のダスト水洗部112に送り出され、水洗されながら下流側に向けて移動される。このとき、水洗に使用した水は残留していた第3の重液と共に第3の振動トラフ群166を通過し、第3の振動トラフ群166の下流端からは第3の重液と水が除去された第3の重液浮遊ダストG及び第3の重液沈降ダストHがそれぞれ分離して排出される。
【0071】
なお、重液分離部109で分離された第3の重液は重液タンク119に供給され、投入シュート104及び排出シュート108に供給され再使用される。また、ダスト水洗部112で分離され水で希釈された第3の重液は、希釈重液タンク128に一時貯留されてから重質剤回収部130でマグネタイトが分離され、マグネタイトはエーキンス134により重液タンク119に送られる。一方、マグネタイトが回収された後の希釈された第3の重液、すなわち実質的に水は水貯留タンク138に蓄えられ、水洗水シャワー110、111に供給されて再使用される。
第3の振動トラフ群166から排出された第3の重液浮遊ダストGは第3の重液浮遊ダスト移送コンベア167により第3の重液浮遊ダスト回収缶169に移送され集積される。また、第3の重液沈降ダストHは第3の重液沈降ダスト移送コンベア168により第3の重液沈降ダスト回収缶170に移送されて集積される。ここで、第3の重液浮遊ダストは比重値からプラスチック類を主体とし、第3の重液沈降ダストは比重値からゴム類を主体とするので、それぞれ固形化し燃料として利用する。
【0072】
図11に示すように、本発明の第2の実施の形態に係るシュレッダーダストの処理方法を適用するシュレッダーダストの処理設備171は、磁着分が除去され、プラスチック類、ゴム類、土砂、ガラス類、及び裁断線類を含む金属類を主体とし、更に前記金属類には裁断線類を含むシュレッダーダスト(以下、原料ダストという)から粒径の上限が100mm、粒径の下限が14mmの塊状ダストを選別する篩分装置11を有している。
また、シュレッダーダストの処理設備171は、塊状ダストを受け入れ、塊状ダストを水中に分散させて比重が1以下の軽プラスチック類を主体とする軽量ダスト、及び比重が1を超えるプラスチック類、ゴム類、基板類、及び裁断線類を含む金属類を主体とする重量ダストとに分離する水選別手段12を有している。
更に、シュレッダーダストの処理設備171は、重量ダストを受け入れ、重量ダストを第1の重液中に供給して浮遊する第1の重液浮遊ダスト及び沈降する第1の重液沈降ダストに選別する第1の重液選別手段174と、第1の重液浮遊ダストを受け入れ、第2の重液中に供給して浮遊する第2の重液浮遊ダスト及び沈降する第2の重液沈降ダストに選別する第2の重液選別手段175と、第2の重液沈降ダストを受け入れてアルミニウムを選別する渦流選別機176と、第2の重液浮遊ダストを受け入れてプラスチック類とゴム類に選別する第3の重液選別手段177を有している。
【0073】
ここで、第1の重液選別手段174は、重量ダストBを第1の重液中に分散させて、プラスチック類、ゴム類、基板類、裁断線類、及びアルミニウムを主体とする第1の重液浮遊ダストと、非鉄金属類を主体とする第1の重液沈降ダストに選別する第1の重液選別機178と、第1の重液沈降ダスト及び第1の重液浮遊ダストをそれぞれ移動させながら第1の重液を分離して第1の重液沈降ダスト及び第1の重液浮遊ダストをそれぞれ排出すると共に、分離した第1の重液中に混在している裁断線類中の被覆が除去された屑線を捕集してから第1の重液を第1の重液選別機178に戻す第1の重液回収機179を有している。なお、第1の重液は、例えば、重質剤の一例であるフェロシリコンを水中に均一に分散させて、比重値を3に調整したものである。また、第1の重液選別機178及び第1の重液回収機179の構成は、それぞれ第1の重液選別機94及び第1の重液回収機95と同一の構成とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0074】
また、第2の重液選別手段175は、第1の重液浮遊ダストを第2の重液中に分散させて、プラスチック類及びゴム類を主体とする第2の重液浮遊ダストと、基板類、裁断線類、及びアルミニウムを主体とする第2の重液沈降ダストとに選別する第2の重液選別機180と、第12重液沈降ダスト及び第2の重液浮遊ダストをそれぞれ移動させながら第2の重液を分離して第2の重液沈降ダスト及び第2の重液浮遊ダストをそれぞれ排出すると共に、分離した第2の重液中に混在している裁断線類中の被覆が除去された屑線を捕集してから第2の重液を第2の重液選別機180に戻す第2の重液回収機181を有している。なお、第2の重液は、例えば、重質剤の一例であるマグネタイトを水中に均一に分散させて、比重値を1.5〜2の範囲の特定値に調整したものである。また、第2の重液選別機180及び第2の重液回収機181の構成は、それぞれ第1の重液選別機94及び第1の重液回収機95と同一の構成とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0075】
また、第3の重液選別手段177は、第2の重液浮遊ダストを第3の重液中に分散させて、プラスチック類を主体とする第3の重液浮遊ダストと、ゴム類を主体とする第3の重液沈降ダストに選別する第3重液選別機182と、第3の重液沈降ダスト及び第3の重液浮遊ダストをそれぞれ移動させながら第3の重液を分離して第3の重液沈降ダスト及び第3の重液浮遊ダストをそれぞれ排出すると共に、分離した第3の重液を第3の重液選別機182に戻す第3の重液回収機183を有している。なお、第3の重液は、例えば、重質剤の一例であるマグネタイトを水中に均一に分散させて、例えば、比重値1.5に調整したものである。また、第3の重液選別機182及び第3の重液回収機183の構成は、それぞれ第1の重液選別機94及び第1の重液回収機95と同一の構成とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0076】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るシュレッダーダストの処理方法について説明するが、第1及び第2工程は、第1の実施の形態に係るシュレッダーダストの処理方法と同一であるので、第3工程についてのみ説明する。
[第3工程]
図11に示すように、重量ダストBは、第1の重液選別手段174の第1の重液選別機178に供給され、プラスチック類、ゴム類、基板類、裁断線類、及びアルミニウムを主体とする第1の重液浮遊ダストと、非鉄金属類を主体とする第1の重液沈降ダストに選別される。そして、第1の重液沈降ダスト及び第1の重液浮遊ダストはそれぞれ第1の重液と共に第1の重液選別機178から排出されて第1の重液回収機179に供給され、第1の重液の大半が分離されてから水洗され、水切りされて排出される。排出された第1の重液浮遊ダストは第2の重液選別手段175に送られ、第1の重液沈降ダストは回収される。
なお、第1の重液沈降ダストは、比重値からアルミニウムより重い非鉄金属類(比重が3以上)なので、磁力選別機及び渦流選別機を利用して更に処理することにより、金属種別、例えば、ステンレス、銅、亜鉛、真鍮等に選別する。
【0077】
第1の重液浮遊ダストは、第2の重液選別手段175の第2の重液選別機180でプラスチック類及びゴム類を主体とする第2の重液浮遊ダストと、基板類、裁断線類、及びアルミニウムを主体とする第2の重液沈降ダストに選別される。そして、第2の重液沈降ダスト及び第2の重液浮遊ダストはそれぞれ第2の重液と共に第2の重液選別機180から排出されて第2の重液回収機181に供給され、第2の重液の大半が分離されてから水洗され、水切りされて排出される。排出された第2の重液沈降ダストは渦流選別機176に供給され、アルミニウムと基板類及び裁断線類に分離されそれぞれ集積される。一方、第2の浮遊沈降ダストは、第3の重液選別手段177に送られる。
【0078】
第2の重液浮遊ダストは、第3の重液選別手段177の第3の重液選別機182でプラスチック類を主体とする第3の重液浮遊ダストと、ゴム類を主体とする第3の重液沈降ダストに選別される。そして、第3の重液沈降ダスト及び第3の重液浮遊ダストはそれぞれ第3の重液と共に第3の重液選別機182から排出されて第2の重液回収機183に供給され、第3の重液の大半が分離されてから水洗され、水切りされて排出される。排出された第3の重液浮遊ダストは比重値からプラスチック類を主体とし、第3の重液沈降ダストは比重値からゴム類を主体とするので、それぞれ固形化し燃料として利用する。
【0079】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明のシュレッダーダストの処理設備を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
例えば、塊状ダストの粒径範囲を14〜100mmとしたが、粒径の上限を100mm以上で150mm以下の範囲に、粒径の下限を10mm以上で15mm以下の範囲にしてもよい。また、洗浄水タンクと水循環槽を連通させて、洗浄水タンクで過剰となった洗浄水を水循環槽に供給して洗浄水の経済的な再利用を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るシュレッダーダストの処理方法の工程説明図である。
【図2】同シュレッダーダストの処理方法を適用する処理設備の篩分装置及び風選別手段の説明図である。
【図3】同処理設備の篩分装置に設けられた回転篩の説明図である。
【図4】同処理設備の水選別手段の説明図である。
【図5】(A)は同処理設備の軽プラスチック選別手段に設けられたウェッジワイヤスクリーンの部分側面図、(B)は部分正面図、(C)は(B)のP−P矢視断面図である。
【図6】(A)、(B)はそれぞれ同処理設備の水切り手段の部分平面図、部分断面図である。
【図7】同処理設備の重液選別装置に設けられた第1の重液選別手段の説明図である。
【図8】(A)、(B)はそれぞれ同処理設備の第1の重液選別手段に設けられた縦ウェッジワイヤスクリーンの部分側面図、部分平面図である。
【図9】同処理設備の重液選別装置に設けられた第2の重液選別手段の説明図である。
【図10】同処理設備に設けられた第3の重液選別手段の説明図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るシュレッダーダストの処理方法の工程説明図である。
【符号の説明】
【0081】
10:シュレッダーダストの処理設備、11:篩分装置、12:水選別手段、13:第1の重液選別手段、14:第2の重液選別手段、15:重液選別装置、16:原料供給ホッパー、17:原料フィーダー、18:原料移送コンベア、19:原料ダスト供給手段、20:鉄片分離機、21:鉄片回収缶、22:回転篩、23:篩部、24:第1篩部、24a:孔、25:第2篩部、26:排出部、27:カバー、28、29、30:排出口、30a:短管、30b:邪魔板、31:ダストコンベア、32:塊状ダストコンベア、33:粗大ダストコンベア、34:ダスト回収缶、35:プラスチック回収缶、36:ゴム回収缶、37:裁断線類回収缶、37a:金属類回収缶、金属類回収缶、38:プッシュファン、39:空気排出管、40:サイクロン、41:微細ダスト回収缶、42:排気ファン、43:塊状ダスト供給ホッパー、44:搬送フィーダー、45:風力選別手段、46:排出口、47:排出部、48:フード、49:プッシュファン、50:空気取り出し管、51:サイクロン、52:排気ファン、53:微細ダスト回収缶、55:軽プラスチック類回収手段、56:水切り手段、57、58:堰、59:支持部材、60:選別容器、61:リフター、62:開口部、63:投入シュート、64受け入れ口、65:開口部、66:排出口、67:排出シュート、68:ドラム式水選別機、69:縦ウェッジワイヤスクリーン、69a:篩面、69b:ウェッジワイヤ、69c:支持部材、70:篩枠体、71:排水管、72:水貯留槽、73:振動篩、74:軽プラスチック類回収缶、75:異物掻き上げ機、76:異物排出コンベア、77:異物回収缶、78:水回収ポンプ、79:投入口、80:水循環配管、81:水位計、82:開閉弁、83:水源、84:給水管、85:水洗水シャワー、86:第1の振動トラフ、87:水回収部、88:排水管、89:底部、90:開口部、91:小孔、92:第1分岐管、93:第2分岐管、94:第1の重液選別機、95:第1の重液回収機、96、97:堰、98:支持部材、99:選別容器、100:リフター、101:重量ダスト移送コンベア、102:受け入れ口、103:開口部、104:投入シュート、105:受け入れ口、106:開口部、107:排出口、108:排出シュート、109:重液分離部、110、111:水洗水シャワー、112:ダスト水洗部、113:第1の振動トラフ群、114、115:排出部、116:回収部、117:重液回収管、118:リフター、119:重液タンク、120:重液ポンプ、121:重液輸送管、121a:分岐配管、122:重液供給弁、123:重液供給管、124:希釈重液管、125:横ウェッジワイヤスクリーン、125a:ウェッジワイヤ、125b:支持部材、125c:篩面、126:篩枠体、127:第1の屑線回収部、128:希釈重液タンク、129:重液回収ポンプ、130:重質剤回収部、131:スラリー調製タンク、132:脱磁機、133:スクリュー、134:エーキンス、134a:戻し配管、136:重質剤投入ホッパー、137:輸送管、138:水貯留タンク、139:水供給ポンプ、140:給水管、141:連通管、142:水面レベル計、143:開閉弁、144:水源、145:導水管、146:バイパス管、147:第2の重液選別機、148:第2の重液回収機、149:第2の屑線回収部、150:第2の振動トラフ群、151:第2浮遊ダスト回収ホッパー、152:第2沈降ダスト回収ホッパー、153:第2沈降ダスト移送コンベア、154:第2沈降ダスト回収缶、155:第2浮遊ダスト移送コンベア、156:アルミニウム回収ホッパー、157:残ダスト回収ホッパー、158:渦流選別機、159:アルミニウム移送コンベア搬送、160:アルミニウム回収缶、161:残ダスト移送コンベア、162:残ダスト回収缶、163:第3の重液選別手段、164:第3の重液選別機、165:第3の重液回収機、166:第3の振動トラフ群、167:第3の浮遊ダスト移送コンベア、168:第3の沈降ダスト移送コンベア、169:第3の浮遊ダスト回収缶、170:第3の沈降ダスト回収缶、171:シュレッダーダストの処理設備、174:第1の重液選別手段、175:第2の重液選別手段、176:渦流選別機、177:第3の重液選別手段、178:第1の重液選別機、179:第1の重液回収機、180:第2の重液選別機、181:第2の重液回収機、182:第3の重液選別機、183:第3の重液回収機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁着分が除去され、プラスチック類、ゴム類、土砂、ガラス類、基板類、及び金属類を主体とし、更に前記金属類には裁断線類を含むシュレッダーダストを篩分装置で処理して、粒径の上限が150mm、粒径の下限が5mmでプラスチック類、ゴム類、基板類、及び金属類を含む塊状ダストを選別する第1工程と、
前記塊状ダストを水選別手段で処理して、比重が1以下の浮遊する軽プラスチック類を主体とする軽量ダストと、比重が1を超えて沈降するプラスチック類、ゴム類、基板類、及び裁断線類を含む金属類を主体とする重量ダストを分離する第2工程と
前記重量ダストを少なくとも異なる2つの比重の重液を用いた重液選別装置で処理して、前記重量ダストから、(1)比重が3以上の非鉄金属類、(2)アルミニウム、比重がそれぞれ3未満の基板類及び裁断線類、(3)比重が1より大きいプラスチック類及びゴム類に分離する第3工程とを有することを特徴とするシュレッダーダストの処理方法。
【請求項2】
請求項1記載のシュレッダーダストの処理方法において、前記2つの重液より更に比重の小さい重液を用いて、前記比重が1より大きいプラスチック類及びゴム類を更に個々に分離することを特徴とするシュレッダーダストの処理方法。
【請求項3】
請求項1及び2のいずれか1項に記載のシュレッダーダストの処理方法において、前記アルミニウム、比重がそれぞれ3未満の基板類及び裁断線類の混合物から前記アルミニウムのみを渦流選別機で分離することを特徴とするシュレッダーダストの処理方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のシュレッダーダストの処理方法において、前記第1工程で選別された塊状ダストを風力選別手段で処理して、前記塊状ダストに付着している土砂を主体とする不要ダストを除去することを特徴とするシュレッダーダストの処理方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のシュレッダーダストの処理方法において、前記第2工程で選別された軽量ダストを水選水と共にウェッジワイヤが縦方向に所定間隔で傾斜配置された縦ウェッジワイヤスクリーンを通過させて、前記軽量ダストに付着する土砂及び綿屑を含む繊維状物を除去することを特徴とするシュレッダーダストの処理方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のシュレッダーダストの処理方法において、前記水選別機から排出される重量ダストは、上流側は塞がって下流側に開口する小孔を底部に多数備えた第1の振動トラフに上から水を加えながら流下させて、前記重量ダストから不要なダスト及び水を除去することを特徴とするシュレッダーダストの処理方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のシュレッダーダストの処理方法において、前記第3工程で重液を用いて重液浮遊ダストと重液沈降ダストに区分する際に、前記重液浮遊ダストと重液沈降ダストを上流側は塞がって下流側に開口する小孔を底部に多数備えた第2、第3の振動トラフに個別に通過させて重液の大部分を除去した後水洗して残り重液を除去することを特徴とするシュレッダーダストの処理方法。
【請求項8】
請求項7記載のシュレッダーダストの処理方法においては、前記残り重液の除去時に発生する洗浄水は、ウェッジワイヤが横方向に所定間隔で配置され、しかも該ウェッジワイヤが傾斜湾曲して配置された横ウェッジワイヤスクリーンを通過させて、前記洗浄水から前記裁断線類中被覆が除去された屑線と前記残り重液とを分離することを特徴とするシュレッダーダストの処理方法。
【請求項9】
磁着分が除去され、プラスチック類、ゴム類、土砂、ガラス類、基板類、及び裁断線類を含む金属類を主体とするシュレッダーダストを篩分けて、粒径の上限が150mm、粒径の下限が5mmの塊状ダストを選別する篩分装置と、
前記塊状ダストを受け入れ、該塊状ダストを水中に分散させて比重が1以下の軽プラスチック類を主体とする軽量ダスト、及び比重が1を超えるプラスチック類、ゴム類、基板類、及び裁断線類を含む金属類を主体とする重量ダストとに分離する水選別手段と、
前記重量ダストを受け入れ、該重量ダストを第1の重液中に供給して浮遊する第1の重液浮遊ダスト及び沈降する第1の重液沈降ダストに選別する第1の重液選別手段と、前記第1の重液浮遊ダスト及び前記第1の重液沈降ダストのいずれか一方を受け入れ、第2の重液中に供給して浮遊する第2の重液浮遊ダスト及び沈降する第2の重液沈降ダストに選別する第2の重液選別手段を備え、(1)比重が3以上の非鉄金属類、(2)アルミニウム、比重がそれぞれ3未満の基板類及び裁断線類、(3)比重が1より大きいプラスチック類及びゴム類に分離する重液選別装置とを有することを特徴とするシュレッダーダストの処理設備。
【請求項10】
請求項9記載のシュレッダーダストの処理設備において、前記第1の重液沈降ダストを前記第2の重液選別手段に供給し、前記第1の重液浮遊ダストを前記第1の重液の比重より小さい第3の重液を使用して、前記第1の重液浮遊ダストをプラスチック類とゴム類に選別することを特徴とするシュレッダーダストの処理設備。
【請求項11】
請求項9記載のシュレッダーダストの処理設備において、前記第1の重液浮遊ダストを前記第2の重液選別手段に供給し、該第2の重液選別手段で選別された前記第2の重液浮遊ダストを前記第2の重液の比重より小さい第3の重液を使用して、前記第2の重液浮遊ダストをプラスチック類とゴム類に選別することを特徴とするシュレッダーダストの処理設備。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか1項に記載のシュレッダーダストの処理設備において、前記篩分装置で選別した前記塊状ダストから付着している土砂を主体とする不要ダストを吹き飛ばす風力選別手段が設けられていることを特徴とするシュレッダーダストの処理設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−181464(P2006−181464A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−377219(P2004−377219)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2004年(平成16年)12月17日 「日刊工業新聞」に発表
【出願人】(000231327)日本磁力選鉱株式会社 (24)
【出願人】(598155483)株式会社佐野マルカ (1)
【Fターム(参考)】