説明

シリコーン消泡粒子

【解決手段】本発明の主題は、
(A)尿素又はメラミン又はその混合物とアルカナールからなる多孔性コポリマー及び
(B)0℃で液状のシリコーン消泡組成物
を含有する消泡粒子(P)である。本発明の主題は、消泡粒子(P)並びに更なる担体材料を含有する粉末状消泡剤でもある。
【効果】消泡粒子(P)は、さらさらの凝結しない顆粒を生じ、これは傑出した貯蔵安定性を有する。消泡粒子(P)は、他の多孔性担体材料と極めて良好に相容性であり、これと一緒に粉末状消泡剤へと混合されることができる。粉末状消泡剤の有効性は、貯蔵の後でも高められた温度及び高められた空気湿分で、例えば粉末状洗浄剤マトリックスにおいて数ヶ月間を超えても維持したまま得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿素又はメラミン又はその混合物とアルカナールからなる多孔性コポリマー及び液状シリコーン消泡組成物を含有する消泡粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末形状シリコーン消泡剤は公知である。この剤は、様々な用途のために適している様々な担体材料からなることができ、かつ、例えば粉末洗浄剤における泡の制御のために、成分として農業用化学薬品において、かつ、再分散可能なポリマー粉末において建材の仕上げのために使用される。
【0003】
DE69421462 T2には、粒子形状の泡制御剤が記載され、この剤ではシリコーン消泡剤がゼオライト担体に設けられており、かつ、ポリカルボキシラートからなるカプセル化剤で取り囲まれている。シリコーン消泡剤をゼオライト担体のアルカリ性媒質から保護するために、担体材料にシリコーン消泡剤を設ける前にオルガノポリシロキサン/ポリオキシアルキレン−コポリマーが設けられなくてはならない。この方法の欠点は比較的手間のかかるプロセスである。
【0004】
WO2005/123892 A1は、作用物質粒子を記載し、この粒子はコア材料からなり、この材料は、パフューム、シリコーンオイル、ワックス、炭化水素、高級脂肪酸、オイルエッセンス(Oelessenze)、脂質、二酸化ケイ素粒子及び類似の作用物質からなる。このコア材料は、ポリマー、例えばポリ尿素からなるシェル材料で取り囲まれている。この欠点は、この場合に、この作用物質含有粒子のカプセル化のために手間のかかるプロセスが使用されなくてはならないことであり、これは特に高められた温度で実施されなくてはならない。
【0005】
WO2008/063625 A1には、コア材料及びシェルからなる1種以上の粒子からなる粒子組成物が記載されている。コア材料は、特にシリコーンオイル、二酸化ケイ素粒子、泡制御剤又は消泡剤であることができ、このシェル材料は特にポリ尿素である。やはりここでは尿素が粒子を取り囲むために利用され、シリコーンオイルのための担体材料としては使用されない。カプセル化した材料の製造のためには手間のかかる製造方法が使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE69421462 T2
【特許文献2】WO2005/123892 A1
【特許文献3】WO2008/063625 A1
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主題は、
(A)尿素又はメラミン又はその混合物とアルカナールからなる多孔性コポリマー及び
(B)0℃で液状のシリコーン消泡組成物
を含有する消泡粒子(P)である。
【0008】
コポリマー(A)は、多孔性担体材料であり、これは液状シリコーン消泡組成物(B)を極めて良好に取り込み(aufnehmen)、すぐさまゆっくりとかつ一様に水性系中に再放出する。これによりシリコーン消泡組成物(B)は低濃度で、例えば洗浄剤中で使用されることができる。洗浄プロセスの早期の段階における消泡組成物(B)の早期の放出はこのようにして達成される。
【発明の効果】
【0009】
消泡粒子(P)は、さらさらの凝結しない顆粒を生じ、これは傑出した貯蔵安定性を有する。消泡粒子(P)は、他の多孔性担体材料と極めて良好に相容性であり、これと一緒に粉末状消泡剤へと混合されることができる。粉末状消泡剤の有効性は、貯蔵の後でも高められた温度及び高められた空気湿分で、例えば粉末状洗浄剤マトリックスにおいて数ヶ月間を超えても維持したまま得られる。
【0010】
コポリマー(A)は、有利には、尿素又はメラミン又はその混合物と一般式(1)
【化1】

[式中、
*は、水素原子又は1〜6個のC原子を有するアルキル残基である]
のアルカナールとからの縮合生成物である。
【0011】
有利には、R*は、水素原子又はメチル残基である。
【0012】
コポリマー(A)の製造の際に尿素が使用される場合には、有利には少なくとも1.05モル、特に少なくとも1.1モルの一般式(1)のアルカナールが、かつ、有利には最高で1.5モル、特に最高で1.4モルのアルカナールが1モルの尿素につき使用される。
【0013】
コポリマー(A)の製造の際にメラミンが使用される場合には、有利には少なくとも0.7モル、特に少なくとも0.8モルの一般式(1)のアルカナールが、かつ、有利には最高で1.0モル、特に最高で0.9モルのアルカナールが1モルのメラミンにつき使用される。
【0014】
コポリマー(A)の製造の際にアルカナールと一緒にメラミンからなる混合物が使用される場合には、有利には少なくとも10質量部、特に有利には少なくとも30質量部、とりわけ有利には少なくとも50質量部のアルカナールが、かつ、有利には最高で500質量部、特に有利には最高で300質量部、とりわけ有利には最高で200質量部のアルカナールが100質量部のメラミンにつき使用される。
【0015】
有利には、100gのコポリマー(A)は20℃かつ1barで少なくとも100cm3、特に有利には少なくとも200cm3の液状の消泡組成物(B)を取り込むことができる。
【0016】
特に有利なコポリマー(A)は、尿素−ホルムアミド−コポリマーであり、これはPERGOPAK(登録商標) MとしてAlbemarle Corp.から得られる。
【0017】
使用されるコポリマー(A)は、有利には1.3〜1.6g/cm3の密度を有する。コポリマー(A)は有利にはかさ密度(Schuettdichte)60〜80kg/m3を有する顆粒として使用される。この一次粒子の粒径は有利には少なくとも0.05μm、特に少なくとも0.1μm、かつ、有利には最高で2μm、特に有利には最高で1μm、とりわけ最高で0.5μmの範囲内にある。この一次粒子はアグロメレーションし、有利にはより大きな粒子になり、その際、この粒子の80%、特に90%が有利には20〜35μmの範囲内にある。
【0018】
0℃で液状のシリコーン消泡組成物(B)として慣用のシリコーン消泡組成物が使用でき、これは例えばEP301531 A及びEP1781393 Aに記載されている。
【0019】
有利なシリコーン消泡組成物(B)は、一般式(2)
【化2】

[式中、
Rは、水素原子、一価のSiC結合した、場合により置換されている脂肪族の又は脂肪族基を介してケイ素原子に結合している芳香族の、1〜18個のC原子を有する炭化水素残基である、
1は、水素原子又は一価の場合により置換されている、1〜30個のC原子を有する炭化水素残基である、
2は、一価の場合により置換されている、6〜18個のC原子を有する芳香族の炭化水素残基であり、これは環の炭素原子を介してケイ素原子に結合している、かつ
a、b、cは、0、1、2又は3の値を意味する、
但し、a+b+cの合計は3以下であり、一分子につき一般式(2)の全単位の1〜100%、有利には10〜60%、特に有利には20〜40%においてcが0とは異なり、かつ、一般式(2)の全単位の少なくとも50%において有機ケイ素化合物中でa+b+cの合計が2である、との条件付きである]
の単位を有する少なくとも1の有機ケイ素化合物(C)を含有する。
【0020】
有利なシリコーン消泡組成物(B)は、
(D1)充填剤粒子及び
(D2)一般式(3)
【化3】

[式中、
3、R4は、水素原子又は一価の場合により置換されている、1〜18個のC原子を有する炭化水素残基である、かつ
d、eは、0、1、2又は3の値を意味する、
但し、d+eの合計は≦3であり、一般式(3)の全単位の50%未満において有機ポリシロキサン樹脂中でd+eの合計が2である、との条件付きである]
の単位からなる有機ポリシロキサン樹脂
から選択される少なくとも1の添加材料(D)を含有する。
【0021】
有利なシリコーン消泡組成物(B)は、一般式(4)
【化4】

[式中、
5は、Rについて挙げた意味合いを有する、
6は、R1について挙げた意味合いを有する、かつ、
g、hは、0、1、2又は3の値を意味する、
但し、g+hの合計は≦3であり、一般式(4)の全単位の少なくとも50%において有機ケイ素化合物中でg+hの合計が2である、との条件付きである]
の単位を有する有機ケイ素化合物(E)を含有する。
【0022】
有利な一実施態様において成分(A)は、直接的にケイ素原子に結合している芳香族残基を含有する。つまり、一般式(2)の単位中の1つのケイ素原子と、芳香環に属する1つの炭素原子との間に共有結合が存在している。
【0023】
残基Rの例は、アルキル残基、例えばメチル残基、エチル残基、n−プロピル残基、イソプロピル残基、n−ブチル残基、イソブチル残基、tert−ブチル残基、n−ペンチル残基、イソペンチル残基、ネオペンチル残基、tert−ペンチル残基、ヘキシル残基、例えばn−ヘキシル残基、ヘプチル残基、例えばn−ヘプチル残基、オクチル残基、例えばn−オクチル残基及びイソオクチル残基、例えば2,2,4−トリメチルペンチル残基、ノニル残基、例えばn−ノニル残基、デシル残基、例えばn−デシル残基、ドデシル残基、例えばn−ドデシル残基;アルケニル残基、例えばビニル残基及びアリル残基;シクロアルキル残基、例えばシクロペンチル残基、シクロヘキシル残基、シクロヘプチル残基及びメチルシクロヘキシル残基、脂肪族基を介してケイ素原子と結合した芳香族基、例えば、例えばベンジル残基、フェニルエチル残基又は2−フェニルプロピル残基である。
【0024】
置換された残基Rの例は、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル残基、シアノエチル残基、グリシドオキシ−n−プロピル残基、ポリアルキレングリコール−n−プロピル残基、アミノ−n−プロピル残基、アミノエチルアミノ−n−プロピル残基及びメタクリルオキシ−n−プロピル残基である。
【0025】
有利に、残基Rは水素原子又は場合により置換された、1〜10個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素残基、特に有利に1〜4個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素残基、とりわけメチル残基である。
【0026】
残基R1の例は、水素原子及びR及びR2について挙げた残基である。
【0027】
有利に、残基R1は水素原子又は場合により置換された、1〜20個の炭素原子を有する炭化水素残基、特に有利に水素原子又は1〜4個の炭素原子を有する炭化水素残基、殊にメチル残基又はエチル残基である。
【0028】
2の例は、アリール残基、例えばフェニル残基、トルイル残基、キシリル残基、クミル残基、ナフチル残基、アントラシル残基、有利にはフェニル残基である。
【0029】
有利に、成分(C)中のSiC結合した残基の10〜100%、特に有利に15〜50%が残基R2である。
【0030】
有利にはbは0又は1である。
【0031】
有利にcは0、1又は2である。
【0032】
有利に、残基Rの5%未満、特に1%未満が水素を表す。
【0033】
成分(C)として使用される、一般式(2)の単位を有する有機ケイ素化合物は、有利に分枝したか又は線状のオルガノポリシロキサンであり、これは特に有利に一般式(2)の単位からなる。
【0034】
本発明の範囲内で、オルガノポリシロキサンの概念は、ポリマーの、オリゴマーの、また同様にダイマーのシロキサンも一緒に含んでいる。
【0035】
成分(C)のための例は、単位

からなるものであり、その際Meはメチル残基を、Phはフェニル残基を意味し、
例えば

であり、その際係数v、x、yの値は1より大きく(groesser gleich l annehmen)、zは0であるか又は1より大きい。v、x、y及びzの合計は重合度を決定し、vは分枝の数を決定し、従って粘度を決定する。
【0036】
有機ケイ素化合物(C)は、有利には少なくとも10、特に有利には少なくとも100、とりわけ少なくとも500mPasの、かつ、有利には最高で1000000mPas、特に有利には最高で50000mPas、とりわけ最高で5000mPasの粘度をそれぞれ25℃で測定して有する。
【0037】
有機ケイ素化合物(C)は市販の製品であるかもしくは任意の、有機ケイ素化学において今まで公知の方法、例えば相応するシランの共加水分解により製造することができる。
【0038】
シリコーン消泡組成物(B)は添加材料(D)を、それぞれ成分(C)100質量部に対して、有利には少なくとも0.1、特に有利には少なくとも1質量部で、かつ、有利には最高で30、特に有利には最高で15質量部の量で含有する。
【0039】
添加材料(D)として成分(D1)のみが、成分(D2)のみが、又は成分(D1)及び(D2)からなる混合物が使用されることができ、その際後者のものが有利である。
【0040】
成分(D1)は、有利に粉末状の充填剤、特に粉末状の疎水性の充填剤である。
【0041】
有利には、成分(D1)は20〜1000m2/gのBET表面積、10μm未満の粒径、及び100μm未満のアグロメレートサイズを有する。
【0042】
成分(D1)の例は、二酸化ケイ素(シリカ)、二酸化チタン、酸化アルミニウム、金属セッケン、石英粉、PTFE−粉末、脂肪酸アミド、例えばエチレンビスステアルアミド及び微細に分散された疎水性ポリウレタンである。
【0043】
有利には、成分(D1)として、20〜1000m2/gのBET表面積、10μm未満の粒径及び100μm未満のアグロメレートサイズを有する二酸化ケイ素(シリカ)、二酸化チタン又は酸化アルミニウムが使用される。
【0044】
特に有利には、成分(D1)はシリカ、特に50〜800m2/gのBET表面積を有するシリカである。このシリカは、熱分解シリカ又は沈殿シリカであることができる。成分(D1)として前処理されたシリカ、つまり市販の疎水性シリカも、また同様に親水性シリカも使用可能である。
【0045】
本発明により使用することができる疎水性シリカの例は、HDK(登録商標) H2000、ヘキサメチルジシラザンで処理された、BET表面積140m2/gのヒュームドシリカ(Wacker-Chemie AG、ドイツ国在により市販されている)及びポリジメチルシロキサンで処理された、BET表面積90m2/gの沈降シリカ(Degussa AG、ドイツ国在により、「Sipernat(R) D10」の商品名で市販されている)である。
【0046】
成分(D1)として疎水性シリカを使用する場合に、消泡剤処方物の所望な作用に対して有利である場合には親水性シリカをin situで疎水化することもできる。
【0047】
残基R3の例は、水素原子及びR及びR2について挙げた残基である。
【0048】
有利には、残基R3は、場合により置換された、1〜20個の炭素原子を有する炭化水素残基、特に有利に1〜6個の炭素原子を有する炭化水素残基、とりわけメチル残基である。
【0049】
残基R4の例は、残基R1について挙げた残基である。
【0050】
有利には、残基R4は水素原子又は1から4個の炭素原子を有する炭化水素残基、特に水素原子、メチル残基又はエチル残基である。
【0051】
有利にはdについての値は3又は0である。
【0052】
場合により使用される成分(D2)は、有利に一般式(3)の単位からなるシリコーン樹脂であり、その際、樹脂中の単位の30%未満、有利に5%未満においてd+eの合計は2に等しい。
【0053】
特に有利には、成分(D2)は、少なくとも90モル%がR33SiO1/2(M)単位及びSiO4/2(Q)単位からなり、R3は上記の意味を表すオルガノポリシロキサン樹脂であり、この樹脂はMQ樹脂とも言われる。M−単位対Q−単位のモル比は、有利には0.5〜2.0の範囲内に、特に有利には0.6〜1.0の範囲内にある。このシリコーン樹脂は更に、10質量%までが遊離のヒドロキシル基又はアルコキシ基を含有することができる。
【0054】
有利には、このオルガノポリシロキサン樹脂(B2)は25℃で1000mPasより大きな粘度を有するか又は固形物質である。この樹脂の、ゲル浸透クロマトグラフィにより測定された質量平均分子量(ポリスチレン標準に対する)は、有利には少なくとも200g/mol、特に有利には少なくとも1000g/mol、かつ、有利には最高で200000、特に有利には最高で20000g/molである。
【0055】
成分(D2)は、市販の製品であるかもしくはケイ素化学において通常の、例えばEP−A927733による方法により製造することができる。
【0056】
使用された添加材料(D)が成分(D1)と(D2)とからなる混合物である場合に、前記混合物中の(D1)対(D2)の質量比は、有利に0.01〜50、特に有利に0.1〜7である。
【0057】
残基R5のための例は、残基Rについて挙げた例である。
【0058】
有利には、残基R5は水素原子又は場合により置換された、1〜20個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素残基、特に有利には1〜4個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素残基、特にメチル残基である。
【0059】
残基R6の例は、水素原子及び残基R及びR2について挙げた残基である。
【0060】
有利には、残基R6は水素原子又は場合により置換された、1〜20個の炭素原子を有する炭化水素残基、特に有利に水素原子又は1〜4個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素残基、特にメチル残基又はエチル残基である。
【0061】
gの値は、有利に1、2又は3である。
【0062】
hの値は、有利に0又は1である。
【0063】
場合により使用されたオルガノポリシロキサン(C)は、25℃で有利に10〜1000000mm2/sの粘度を有する。
【0064】
場合により使用された成分(E)のための例は、成分(A)について挙げた例であり、その際このケイ素有機化合物は直接的にケイ素に結合した芳香族残基R2を含有せず、例えば25℃で100〜1000000mPasの粘度を有するポリジメチルシロキサンである。このポリジメチルシロキサンは、例えば、全単位の最大5%までのR5SiO3/2−単位又はSiO4/2−単位の組み込みにより分枝されていることができる。この分枝したか又は架橋した(anvernetzen)シロキサンはそうすると粘弾性の特性を有する。
【0065】
有利にはこの場合により使用された成分(E)は少なくとも90mol%、特に少なくとも95mol%の単位R52SiO2/2を有する。特に有利には、シラノール基及び/又はアルコキシ基及び/又はトリメチルシロキシ基で末端化されていることができるポリジメチルシロキサン又はポリエーテル基を有するシロキサンである。この種のポリエーテル変性されたポリシロキサンは公知であり、例えばEP−A1076073に記載されている。
【0066】
特に有利に、成分(E)は一般式(4)の構成単位を有する有機ケイ素化合物であり、その際、R5はメチル残基を表し、R6は少なくとも6個の炭素原子を有する線状の及び/又は分枝状の炭化水素残基を表し、hは0.005〜0.5の平均値を表し、合計(g+h)は1.9〜2.1の平均値を表す。この種の生成物は、例えば25℃で50〜50000mPasの粘度のシラノール末端基を有するポリジメチルシロキサンと、6個より多い炭素原子を有する脂肪族アルコール、例えばイソトリデシルアルコール、n−オクタノール、ステアリルアルコール、4−エチル−ヘキサデカノール又はエイコサノールのアルカリ性の触媒作用した縮合により得られる。
【0067】
このシリコーン消泡組成物(B)が成分(E)を含有する場合には、この量は、それぞれ成分(C)100質量部に対して、有利には少なくとも1、特に有利には少なくとも2質量部であり、かつ、有利には最高で900質量部、特に有利には最高で100質量部、特に最高で10質量部である。
【0068】
成分(E)は、市販の生成物であるかもしくはケイ素化学において通常の方法により製造することができる。
【0069】
成分(C)、(D)及び場合により(E)の他にはシリコーン消泡組成物(B)は、これまでの消泡処方物中においても使用されている全ての更なる物質を含有することができ、これは例えば25℃かつ1013.25hPaの圧力で水中で最大2質量パーセント溶解性である有機化合物(F)である。
【0070】
場合により使用された成分(F)は、有利に周囲雰囲気の圧力、つまり900〜1100hPaで100℃より高い沸点を有する有機化合物であり、特に鉱油、天然油、イソパラフィン、ポリイソブチレン、オキソアルコール合成からの残留物、低分子量の合成カルボン酸のエステル、脂肪酸エステル、例えばオクチルステアラート、ドデシルパルミタート、脂肪アルコール、低分子量のアルコールのエーテル、フタラート、リン酸のエステル及びワックスから選択されるものである。
【0071】
シリコーン消泡組成物(B)は有機化合物(F)を、それぞれ成分(C)、(D)及び場合により(E)の全質量の100質量部に対して、有利には最高で1000質量部、特に有利には最高で100質量部の量で含有する。
【0072】
有利にはシリコーン消泡組成物(B)は、
有機ケイ素化合物(C)100質量部、
(D1)及び(D2)から選択された添加材料0.1〜30質量部、場合により
有機ケイ素化合物(E)1〜900質量部及び場合により
有機化合物(F)0〜10000、特に0〜1000質量部
を含有する組成物である。
【0073】
シリコーン消泡組成物(B)は、有利に粘性の透明〜不透明の、無色〜褐色を帯びた液体である。
【0074】
シリコーン消泡組成物(B)は、それぞれ25℃で、有利には少なくとも10mPas、特に有利には少なくとも2000mPasの、かつ、有利には最高で2000000mPas、特に有利には最高で50000mPasの粘度を有する。
【0075】
シリコーン消泡組成物(B)は、溶液又は分散物であることができる。
【0076】
シリコーン消泡組成物(B)がエマルションである場合に、シリコーンエマルションの製造のために当業者に公知の全ての乳化剤、例えばアニオン性、カチオン性又は非イオン性乳化剤を使用することができる。乳化剤混合物を使用するのが有利であり、その際、少なくとも1種の非イオン性乳化剤、例えばソルビタン脂肪酸エステル、エトキシル化されたソルビタン脂肪酸エステル、エトキシル化された脂肪酸、エトキシル化された10〜20個の炭素原子を有する線状の又は分枝状のアルコール及び/又はグリセリンエステルを含有しているのが好ましい。さらに、増粘剤として公知の化合物、例えばポリアクリル酸、ポリアクリラート、セルロースエーテル、例えばカルボキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース、天然ゴム、例えばキサンタンゴム及びポリウレタン並びに保存剤、及び他の慣用かつ当業者に公知の添加剤を添加することができる。
【0077】
エマルションの連続層は有利に水である。しかしながらシリコーン消泡組成物(B)はエマルションの形で製造されることもでき、この場合にこの連続相は成分(C)、(D)及び場合により(E)により形成されるか又は成分(F)により形成される。これはこの場合に複合エマルションであることもできる。
【0078】
シリコーン消泡組成物(B)がエマルションである場合には、成分(C)〜(F)5〜50質量%、乳化剤及び増粘剤1〜20質量%及び水30〜94質量%を有する水中油型エマルションが有利である。
【0079】
本発明の主題は、消泡粒子(P)並びに更なる担体材料を含有する粉末形状消泡剤でもある。
【0080】
消泡粒子(P)は、この粉末特性、例えば組成、かさ密度、粒径分布及び安息角(Schuettwinkel)を調節するために更なる担体混合物と混合されていることができる。粉末状消泡剤が粉末洗浄剤中で使用されることが望ましい場合には、この両方の成分のかさ密度の大きな差異で生じるものである消泡粉末と洗浄剤との間の分離(Entmischung)に抵抗するために、有利には粉末状消泡剤のかさ密度は粉末洗浄剤のかさ密度に相応することが望ましい。
【0081】
粉末状消泡剤の特に有利な一製造方法において、この液状のシリコーン消泡組成物(B)はコポリマー(A)及び更なる担体材料からなる混合物に付与され、特に吹き付けられる。この場合に、消泡粒子(P)が生じ、というのはコポリマー(A)は特に強力に液状のシリコーン消泡組成物(B)を吸収するからである。
【0082】
更なる担体材料は、水溶性の、水不溶性の及び水中に分散可能な材料を含む。担体材料のための例は、スルファート、カルボナート、ホスファート、ポリホスファート、二酸化ケイ素種、シリカート、粘土、デンプン、セルロース材料及びアルモシリカート(alumosilicate)である。
【0083】
前記式の全ての存在する記号は、それらの意味をそれぞれ互いに無関係に有する。全ての式中でケイ素原子は四価である。
【0084】
以下の実施例では、その都度、特に示されていなければ、全ての量及び%の記載は質量に対するものであり、全ての圧力は0.10MPa(abs.)であり、かつ全ての温度は20℃である。
【実施例】
【0085】
消泡粉末の製造
500mlの容器中に担体粉末として固形の成分127.5gを装入し、ブレード撹拌機(Fluegelruehrer)を用いてこの混合物を均質化する。引き続き22.5gの(15%)液状シリコーン消泡組成物を約80℃の温度で撹拌し、良好に均質化する。
【0086】
洗浄機中での泡試験
この消泡粉末の泡抑制作用を市販の洗浄機中で試験した。Miele社のNovotronic W 918型の洗浄機中で試験した場合に、市販の消泡剤不含の粉末洗浄剤130gを1.69g(1.3%)の消泡粉末と混合した。この粉末混合物の泡の発生を主洗浄段階中で3.5kgの清浄な綿洗浄物と一緒に40℃の温度かつ3°GHの水硬度で試験した。この洗浄機のサイトグラスレベルを6つの同じ高さの部分に分割した。洗浄プロセスの間に生じた泡を0〜6の段階で読み取り、その際0は泡なしであり、6は最大の泡量に相当する。
【0087】
消泡粉末を用いた洗浄粉末処方物の気候調節貯蔵
粉末洗浄剤と消泡粉末からなる混合物を35℃かつ70%の相対空気湿分で貯蔵した。この消泡粉末は以下の組成を有した。
【0088】
比較例V(本発明によらない):
炭酸水素ナトリウム 40%
馬鈴薯デンプン 45%
液状シリコーン消泡組成物 15%
【0089】
実施例A
炭酸水素ナトリウム 35%
馬鈴薯デンプン 45%
Albemarie Corp.のPERGOPAK(登録商標) M 5%
液状シリコーン消泡組成物 15%
【0090】
実施例B
炭酸水素ナトリウム 80%
Albemarle Corp.のPERGOPAK(登録商標) M 5%
液状シリコーン消泡組成物 15%
【0091】
実施例C
炭酸水素ナトリウム 70%
Aeromyl 115 10%
Albemarle Corp.のPERGOPAK(登録商標) M 5%
液状シリコーン消泡組成物 15%
【0092】
実施例D
炭酸水素ナトリウム 53%
Aeromyl 115 27%
Albemarle Corp.のPERGOPAK(登録商標) M 5%
液状シリコーン消泡組成物 15%
【0093】
実施例E
炭酸水素ナトリウム 40%
硫酸ナトリウム 40%
Albemarle Corp.のPERGOPAK(登録商標) M 5%
液状シリコーン消泡組成物 15%
【0094】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)尿素又はメラミン又はその混合物とアルカナールからの多孔性コポリマー及び
(B)0℃で液状のシリコーン消泡組成物
を含有する消泡粒子(P)。
【請求項2】
コポリマー(A)が、尿素又はメラミン又はその混合物と一般式(1)
【化1】

[式中、
*は、水素原子又は1〜6個のC原子を有するアルキル残基である]
のアルカナールとからの縮合生成物である、請求項1記載の消泡粒子(P)。
【請求項3】
100gのコポリマー(A)が20℃かつ1barで少なくとも100cm3の液状消泡組成物(B)を取り込む請求項1又は2記載の消泡粒子(P)。
【請求項4】
シリコーン消泡組成物(B)が、一般式(2)
【化2】

[式中、
Rは、水素原子、一価のSiC結合した、場合により置換されている脂肪族の又は脂肪族基を介してケイ素原子に結合している芳香族の、1〜18個のC原子を有する炭化水素残基である、
1は、水素原子又は一価の場合により置換されている、1〜30個のC原子を有する炭化水素残基である、
2は、一価の場合により置換されている、6〜18個のC原子を有する芳香族の炭化水素残基であり、これは環の炭素原子を介してケイ素原子に結合している、かつ、
a、b、cは、0、1、2又は3の値を意味する、
但し、a+b+cの合計は3以下であり、一分子につき一般式(2)の全単位の1〜100%、有利には10〜60%、特に有利には20〜40%においてcが0とは異なり、かつ、一般式(2)の全単位の少なくとも50%において有機ケイ素化合物中でa+b+cの合計が2である、との条件付きである]
の単位を有する少なくとも1の有機ケイ素化合物(C)を含有する、請求項1から3までのいずれか1項記載の消泡粒子(P)。
【請求項5】
シリコーン消泡組成物(B)が、
(D1)充填剤粒子及び
(D2)一般式(3)
【化3】

[式中、
3、R4は、水素原子又は一価の場合により置換されている、1〜18個のC原子を有する炭化水素残基である、かつ
d、eは、0、1、2又は3の値を意味する、
但し、d+eの合計は≦3であり、一般式(3)の全単位の50%未満において有機ポリシロキサン樹脂中でd+eの合計が2である、との条件付きである]
の単位からなる有機ポリシロキサン樹脂
から選択される少なくとも1の添加材料(D)を含有する
請求項1から4までのいずれか1項記載の消泡粒子(P)。
【請求項6】
シリコーン消泡組成物(B)が、一般式(4)
【化4】

[式中、
5は、Rについて挙げた意味合いを有する、
6は、R1について挙げた意味合いを有する、かつ、
g、hは、0、1、2又は3の値を意味する、
但し、g+hの合計は≦3であり、一般式(4)の全単位の少なくとも50%において有機ケイ素化合物中でg+hの合計が2である、との条件付きである]
の単位を有する有機ケイ素化合物(E)を含有する請求項1から5までのいずれか1項記載の消泡粒子(P)。
【請求項7】
消泡粒子(P)並びに更なる担体材料を含有する粉末状消泡剤。
【請求項8】
更なる担体材料が、スルファート、カルボナート、ホスファート、ポリホスファート、二酸化ケイ素種、シリカート、粘土、デンプン、セルロース材料及びアルモシリカートから選択される請求項7記載の粉末状消泡剤。

【公開番号】特開2010−264443(P2010−264443A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113069(P2010−113069)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】