説明

シリンダヘッド、その搬送方法、及び、その搬送装置

【課題】排気部品取付面が従来のシリンダヘッドと比較して小さい場合であっても、高速で搬送を行うことができる、シリンダヘッド、その搬送方法、及び、その搬送装置を提供する。
【解決手段】シリンダヘッド10には、排気部品取付面11を挟んで、排気側面10aにおける長手方向の両側に、排気部品取付面11と平行となるように、2箇所の搬送座面13・13が加工して形成され、それぞれの搬送座面13・13と、排気部品取付面11における2点と、を搬送座P11〜P14として、これら4箇所の搬送座P11〜P14によって形成される四角形(本実施形態においては等脚台形)の内部に、シリンダヘッド10の重心Gが位置するように、搬送座P11〜P14を搬送装置40の支持具31・32で支持して搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダヘッドに関し、詳しくは、シリンダヘッドを搬送する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シリンダヘッドを搬送する装置において、シリンダヘッドにおける排気側面を下方にして搬送装置の支持具に載置した状態で、シリンダヘッドをトランスファ搬送する技術が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。
一方、隣接する気筒の排気ポートが排気側に集合して形成された、いわゆるエキマニ集合ポート型のシリンダヘッド(以下、「集合ポート型シリンダヘッド」と記載する)が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−18102号公報
【特許文献2】特開2009−14003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術に係る搬送装置について、図4(a)及び(b)を用いて説明する。なお、図4(a)は搬送装置を搬送方向から見た概略断面図、(b)は搬送されている状態のワークを下方から示した図である。
従来技術に係る搬送装置は図4(a)に示す如く、ワークであるシリンダヘッドを搬送部の支持具の上に載置した状態で、搬送部を図4(a)における紙面手前方向に駆動させることにより、シリンダヘッドを搬送する。具体的には図4(a)に示す如く、シリンダヘッドの排気側面を下方とし、この排気側面が搬送部の支持具に当接するように載置するのである。
【0005】
この際、シリンダヘッドの排気側面に形成された加工面における複数の点(図4(b)においては4点)を搬送座とし、この搬送座を搬送部における支持具で支持することにより、シリンダヘッドを搬送する構成としている。このとき、シリンダヘッドを安定して搬送するために、複数の搬送座によって形成される多角形(図4(b)においては四角形)の内部にシリンダヘッドの重心が位置するように、前記搬送座の位置が選択される。
【0006】
なお、図4(a)に示す如く、シリンダヘッドの搬送方向に沿って、搬送経路の前後にわたってワーク受けをフレームに掛け渡している(図2(b)を参照)。そして、シリンダヘッドがこのワーク受けの間を通過するように搬送することによって、もしも搬送部の上でシリンダヘッドがバランスを崩すことがあってもシリンダヘッドが落下しないように構成している。
【0007】
しかし、前記従来技術に係る搬送装置では、前記集合ポート型シリンダヘッドを搬送することが困難であった。以下、具体的に図5(a)及び(b)を用いて説明する。図5(a)は集合ポート型シリンダヘッドを下方から示した図、(b)は図5(a)におけるC−C線断面図である。集合ポート型シリンダヘッドは図5(a)及び(b)に示す如く、複数の排気ポートを纏めて排気側面に開口させているため、排気側面における加工面である排気部品取付面が従来のシリンダヘッドと比較して小さい。詳細には、図5(a)に示す排気部品取付面における長手方向の幅Hが、図4(b)に示す加工面における長手方向の幅hと比較して短いのである。このため、この排気部品取付面における複数の点を搬送座として支持具で支持しても、特に集合ポート型シリンダヘッドの長手方向におけるバランスが悪くなり、安定して搬送することができないのである。
一方、集合ポート型シリンダヘッドを搬送ロボット等でクランプして搬送する場合は、高速で搬送することができないため、作業時間が延びるという問題があった。
【0008】
そこで本発明は、上記現状に鑑み、排気部品取付面が従来のシリンダヘッドと比較して小さい場合であっても、高速で搬送を行うことができる、シリンダヘッド、その搬送方法、及び、その搬送装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0010】
即ち、請求項1においては、隣接する気筒の排気ポートが排気側面に集合して開口し、その排気側面における排気ポートの開口部分が排気部品取付面として加工されているシリンダヘッドにおいて、前記排気部品取付面を挟んで、シリンダヘッドの排気側面における長手方向の両側に、前記排気部品取付面と平行な面となるように、搬送座面が少なくとも1箇所ずつ加工して形成されるものである。
【0011】
請求項2においては、前記各搬送座面は、シリンダヘッドの排気側面における短手方向の端部から、所定距離以上離間して形成されるものである。
【0012】
請求項3においては、前記各搬送座面は、シリンダヘッドの排気側面における長手方向の両端部に形成されるものである。
【0013】
請求項4においては、請求項1から請求項3の何れか1項に記載のシリンダヘッドを搬送する、シリンダヘッドの搬送方法であって、前記各搬送座面と前記排気部品取付面における少なくとも1点とを搬送座とし、複数の前記搬送座によって形成される多角形の内部に、前記シリンダヘッドの重心が位置するように、前記各搬送座を搬送装置の支持具で支持しながら前記シリンダヘッドを搬送するものである。
【0014】
請求項5においては、請求項1から請求項3の何れか1項に記載のシリンダヘッドを、支持具で支持しながら搬送する、シリンダヘッドの搬送装置であって、前記各搬送座面と前記排気部品取付面における少なくとも1点とを搬送座とし、複数の前記搬送座によって形成される多角形の内部に、前記シリンダヘッドの重心が位置するように、前記各搬送座を前記支持具で支持しながら前記シリンダヘッドを搬送するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
本発明により、排気部品取付面が従来のシリンダヘッドと比較して小さい場合であっても、高速で搬送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)は第一実施形態に係るシリンダヘッドを示した排気側側面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図、(c)は第一実施形態に係るシリンダヘッドを搬送する際の搬送座を示した図。
【図2】(a)は搬送装置を搬送方向から見た概略断面図、(b)は(a)におけるB−B線断面図。
【図3】(a)から(c)はそれぞれ、第二実施形態から第四実施形態に係るシリンダヘッドを搬送する際の搬送座を示した図。
【図4】(a)は従来技術に係る搬送装置を搬送方向から見た概略断面図、(b)は搬送されている状態のワークを下方から示した図。
【図5】(a)は従来技術に係る集合ポート型シリンダヘッドを下方から示した図、(b)は(a)におけるC−C線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、発明の実施の形態を説明する。
なお、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
【0019】
[シリンダヘッド10]
まず始めに、本発明の第一実施形態に係るシリンダヘッド10の構成について、図1を用いて説明する。なお、本明細書においては説明の便宜上、図1(a)における上側及び下側を、それぞれシリンダヘッド10の上方及び下方として、左側及び右側を、それぞれシリンダヘッド10の左側方及び右側方として説明する。
【0020】
本実施形態に係るシリンダヘッド10は、図1(a)及び(b)に示す如く、吸気ポート21・21・・が形成された吸気側(図1(b)における上側)とは反対の側である排気側(図1(b)における下側)に、隣接する気筒の排気ポート22が集合して形成された、いわゆるエキマニ集合ポート型のシリンダヘッドである。また、シリンダヘッド10の排気側面10aにおける左右方向中央部下側には、その一部の端面が突出して、排気部品取付面11として平面状に加工されている。さらに、隣接する複数の気筒の排気ポート22が纏めて排気部品取付面11に開口している。つまり、シリンダヘッド10においては、隣接する気筒の排気ポート22が排気側面10aに集合して開口し、その排気側面10aにおける排気ポート22の開口部分が排気部品取付面11として加工されているのである。
そして、シリンダヘッド10を用いてエンジンを組み立てた後は、排気部品取付面11に排気マニホールドやマフラーなどの排気部品が組み付けられるのである。
【0021】
シリンダヘッド10には、排気部品取付面11を挟んで、排気側面10aにおける長手方向の両側に、排気部品取付面11と平行な面となるように、2箇所の搬送座面13・13が加工して形成されている。具体的には、排気部品取付面11の左右両側に、排気側面10aから突出する突起部12・12を、シリンダヘッド10を鋳造する際に形成し、この突起部12・12の先端面を搬送座面13・13とするのである。本実施形態においては、搬送座面13・13は排気部品取付面11と同一面上に位置するように形成されている。また、搬送座面13の個数は2箇所に限定されるものではなく、排気側面10aにおける長手方向の両側に少なくとも1箇所ずつ加工して形成されていればよく、その数は3箇所以上に形成することも可能である(図3(b)を参照)。
【0022】
上記の如く構成したシリンダヘッド10を搬送する際は、それぞれの搬送座面13・13と、排気部品取付面11における2点と、を搬送座P11〜P14とする。具体的には、図1(c)に示す如く、左側に形成した搬送座面13を第一搬送座P11とし、右側に形成した搬送座面13を第二搬送座P12とする。また、排気部品取付面11のうち、右上部を第三搬送座P13とし、同じく左上部を第四搬送座P14とするのである。
【0023】
この場合、図1(c)及び図2(a)に示す如く、これらの4箇所の搬送座P11〜P14は、搬送座P11〜P14によって形成される四角形(本実施形態においては等脚台形)の内部に、シリンダヘッド10の重心Gが位置するような位置に配置される。つまり、搬送座P11〜P14によって形成される四角形の内部にシリンダヘッド10の重心Gを位置させることができるような位置に、第一搬送座P11および第二搬送座P12となる搬送座面13・13が形成されるとともに、第三搬送座P13および第四搬送座P14を、搬送座P11〜P14によって形成される四角形の内部にシリンダヘッド10の重心Gを位置させることができるような位置に配置できるような形状に、排気部品取付面11が形成されるのである。このようにして設定された搬送座P11〜P14を搬送装置40の支持具31・32で支持するのである。
【0024】
また、シリンダヘッド10を搬送装置40の支持具31・32で支持する際には、排気側面10aに形成される搬送座面13・13の位置に応じて、排気部品取付面11における第三搬送座P13および第四搬送座P14の位置を、搬送座P11〜P14によって形成される四角形の内部にシリンダヘッド10の重心Gを位置させることができるような位置に設定する。換言すれば、排気部品取付面11のなかで、搬送座P11〜P14によって形成される四角形の内部にシリンダヘッド10の重心Gを位置させることができるような箇所を、第三搬送座P13および第四搬送座P14として設定するのである。
なお、本実施形態においては、排気部品取付面11における2点を搬送座P13・P14としたが、排気部品取付面11に設ける搬送座を1箇所とし、合計3箇所の搬送座を支持する構成とすることも可能である。
【0025】
この際、シリンダヘッド10を、排気側面10aを下方として、搬送座P11〜P14が支持具31・32に当接するように載置する。具体的には後述するように、搬送座P11・P12である搬送座面13・13と支持具31・31の上面とが当接し、搬送座P13・P14である排気部品取付面11と支持具32・32の上面とが当接するように、シリンダヘッド10を搬送部30に載置するのである。
また、図1(c)及び図2(b)に示す如く、排気ポート22に搬送部30の位置決めピン33が挿入されることにより、シリンダヘッド10が搬送部30において位置決めされる。
【0026】
搬送装置40は図2(a)及び(b)に示す如く、主に、搬送方向(図2(b)中の矢印αに示す方向)に駆動可能に構成された搬送部30、フレーム41、及び、フレーム41の間を搬送方向に掛け渡されたワーク受け42・43で構成される。そして、シリンダヘッド10を搬送部30の上面から上方に突出して形成された支持具31・32の上に載置した状態で、搬送部30を図2(a)における紙面手前方向(図2(b)における矢印αの方向)に駆動させることにより、シリンダヘッド10を搬送するのである。換言すれば、支持具31・31はシリンダヘッド10における搬送座P11・P12に対向する位置に形成され、また、支持具32・32はシリンダヘッド10における搬送座P13・P14に対向する位置に形成されているのである。
【0027】
図2(a)及び(b)に示す如く、シリンダヘッド10の搬送方向に沿って、搬送経路の前後にわたって上側ワーク受け42a・42b、及び、断面視でL字状に形成された下側ワーク受け43a・43bをフレーム41・41・・に掛け渡している。そして、シリンダヘッド10がこの上側ワーク受け42a・42bの間及び下側ワーク受け43a・43bの上を通過するように搬送することによって、もしも搬送部30の上でシリンダヘッド10がバランスを崩すことがあってもシリンダヘッド10が落下しないように構成している。
【0028】
本実施形態においては上記の如く構成することにより、集合ポート型シリンダヘッドであるシリンダヘッド10を搬送することを可能としている。つまり、排気部品取付面11における長手方向の外側に搬送座面13・13を形成し、搬送座P11・P12を設けている。また、排気部品取付面11における2点を搬送座P13・P14として設けている。そして、これらの搬送座P11〜P14を搬送装置40の支持具31・32で支持することにより、シリンダヘッド10の長手方向におけるバランスを確保して、シリンダヘッド10を安定して搬送することができるのである。これにより、シリンダヘッド10を搬送ロボット等でクランプして搬送する場合と比べて高速で搬送することができるため、作業時間を短縮することが可能となるのである。
【0029】
次に、他の実施形態に係るシリンダヘッドの構成について、図3(a)から(c)を用いて説明する。
なお、以下において説明するシリンダヘッドにおいては、上述した第一実施形態に係るシリンダヘッド10と共通する部分についてはその説明を省略する。
【0030】
[第二実施形態]
図3(a)は第二実施形態に係るシリンダヘッド110の排気側面10aを示した図である。シリンダヘッド110には、排気部品取付面11を挟んで、排気側面10aにおける長手方向の両側に、排気部品取付面11と平行な面となるように、2箇所の搬送座面113・113が加工して形成されている。具体的には、排気部品取付面11の上側における左右両側に、シリンダヘッド110を鋳造する際に排気側面10aから突出する突起部を形成し、この突起部の先端面を搬送座面113・113とするのである。
【0031】
上記の如く構成したシリンダヘッド110を搬送する際は、それぞれの搬送座面113・113と、排気部品取付面11における2点と、を搬送座P21〜P24とする。具体的には、図3(a)に示す如く、左側に形成した搬送座面113を第一搬送座P21とし、右側に形成した搬送座面113を第二搬送座P22とする。また、排気部品取付面11のうち、右下部を第三搬送座P23とし、同じく左下部を第四搬送座P24とするのである。
この場合、図3(a)に示す如く、これらの4箇所の搬送座P21〜P24は、搬送座P21〜P24によって形成される四角形(本実施形態においては逆向きの等脚台形)の内部に、シリンダヘッド110の重心Gが位置するような位置に配置される。
このようにして設定された搬送座P21〜P24を搬送装置40の支持具31・32で支持し、シリンダヘッド110を搬送するのである。
【0032】
本実施形態に係るシリンダヘッド110においては、それぞれの搬送座面113・113は、シリンダヘッド110の排気側面10aにおける短手方向の端部(図3(a)における上端部)から、所定距離(図3(a)における幅d)以上離間して形成されている。ここで所定距離とは、図2(a)に示す下側ワーク受け43bのワーク側への突出長さによって規定される。つまり、搬送座面113・113は、シリンダヘッド110の上端部から、下側ワーク受け43bの突出長さ以上の距離を確保して配置されるのである。このように構成することにより、シリンダヘッド110を搬送する際に、搬送部30の支持具31と下側ワーク受け43bとが干渉することを防いでいるのである。
【0033】
また、本実施形態に係るシリンダヘッド110においては、それぞれの搬送座面113・113は、シリンダヘッド110の排気側面10aにおける長手方向の両端部に形成されている。このように、搬送座面113・113に設けられる搬送座P21・P22を含めた搬送座P21〜P24を搬送装置40の支持具31・32で支持することにより、シリンダヘッド110の長手方向におけるバランスをより確保して、シリンダヘッド110をより安定して搬送することができるのである。
【0034】
図3(b)は第三実施形態に係るシリンダヘッド120の排気側面10aを示した図である。シリンダヘッド120には、排気部品取付面11を挟んで、排気側面10aにおける長手方向の両側に、排気部品取付面11と平行な面となるように、2箇所の搬送座面123・123が加工して形成されている。また、排気側面10aにおける排気部品取付面11よりも上側に、排気部品取付面11と平行な面となるように、1箇所の搬送座面124が加工して形成されている。
【0035】
上記の如く構成したシリンダヘッド120を搬送する際は、それぞれの搬送座面123・123及び搬送座面124と、排気部品取付面11における1点と、を搬送座P21〜P24とする。具体的には、図3(b)に示す如く、左側に形成した搬送座面123を第一搬送座P31とし、右側に形成した搬送座面123を第二搬送座P32とし、中央上側に形成した搬送座面124を第三搬送座P33とする。また、排気部品取付面11のうち、中央下部を第四搬送座P34とするのである。
この場合、図3(b)に示す如く、これらの4箇所の搬送座P31〜P34は、搬送座P31〜P34によって形成される四角形(本実施形態においては二つの対向する二等辺三角形の底辺を重ねた形)の内部に、シリンダヘッド110の重心Gが位置するような位置に配置される。
このようにして設定された搬送座P31〜P34を搬送装置40の支持具31・32で支持し、シリンダヘッド120を搬送するのである。本実施形態の如く、搬送座面123・124を3箇所以上として形成することもできるのである。
【0036】
[第四実施形態]
図3(c)は第四実施形態に係るシリンダヘッド130の排気側面10aを示した図である。シリンダヘッド130には、排気部品取付面11を挟んで、排気側面10aにおける長手方向の左下側及び右上側に、排気部品取付面11と平行な面となるように、2箇所の搬送座面133・133が加工して形成されている。
【0037】
上記の如く構成したシリンダヘッド130を搬送する際は、それぞれの搬送座面133・133と、排気部品取付面11における2点と、を搬送座P31〜P34とする。具体的には、図3(c)に示す如く、左側に形成した搬送座面133を第一搬送座P41とし、右側に形成した搬送座面133を第二搬送座P32とする。また、排気部品取付面11のうち、右下部を第三搬送座P43とし、左上部を第四搬送座P44とするのである。
この場合、図3(c)に示す如く、これらの4箇所の搬送座P41〜P44は、搬送座P41〜P44によって形成される四角形(本実施形態においては平行四辺形)の内部に、シリンダヘッド130の重心Gが位置するような位置に配置される。
このようにして設定された搬送座P41〜P44を搬送装置40の支持具31・32で支持し、シリンダヘッド130を搬送するのである。本実施形態の如く、搬送座P41〜P44によって形成される四角形を左右非対称に形成することもできるのである。
【符号の説明】
【0038】
10 シリンダヘッド
10a 排気側面
11 排気部品取付面
13 搬送座面
P11〜P14 搬送座
30 搬送部
31 支持具
32 支持具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接する気筒の排気ポートが排気側面に集合して開口し、その排気側面における排気ポートの開口部分が排気部品取付面として加工されているシリンダヘッドにおいて、
前記排気部品取付面を挟んで、シリンダヘッドの排気側面における長手方向の両側に、前記排気部品取付面と平行な面となるように、搬送座面が少なくとも1箇所ずつ加工して形成される、
ことを特徴とする、シリンダヘッド。
【請求項2】
前記各搬送座面は、シリンダヘッドの排気側面における短手方向の端部から、所定距離以上離間して形成される、
ことを特徴とする、請求項1に記載のシリンダヘッド。
【請求項3】
前記各搬送座面は、シリンダヘッドの排気側面における長手方向の両端部に形成される、
ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のシリンダヘッド。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のシリンダヘッドを搬送する、シリンダヘッドの搬送方法であって、
前記各搬送座面と前記排気部品取付面における少なくとも1点とを搬送座とし、
複数の前記搬送座によって形成される多角形の内部に、前記シリンダヘッドの重心が位置するように、前記各搬送座を搬送装置の支持具で支持しながら前記シリンダヘッドを搬送する、
ことを特徴とする、シリンダヘッドの搬送方法。
【請求項5】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のシリンダヘッドを、支持具で支持しながら搬送する、シリンダヘッドの搬送装置であって、
前記各搬送座面と前記排気部品取付面における少なくとも1点とを搬送座とし、
複数の前記搬送座によって形成される多角形の内部に、前記シリンダヘッドの重心が位置するように、前記各搬送座を前記支持具で支持しながら前記シリンダヘッドを搬送する、
ことを特徴とする、シリンダヘッドの搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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