シリンダ装置
【課題】ピストンロッドの微小ストローク時のフリクションを低減することができるシリンダ装置の提供。
【解決手段】一端に開口部を有するシリンダ12と、一端がシリンダ12の開口部11から突出するピストンロッド13と、シリンダ12の開口側に設けられてピストンロッド13を案内する筒状のロッドガイド14と、ロッドガイド14とシリンダ12の開口側端部22との間に配置されるシール機構35と、を含み、シール機構35は、環状部材36と、環状部材36に設けられて外周側を密封する外周側シール45と、環状部材36の内周側にピストンロッド13に摺接可能に設けられて内周側を密封する筒状のオイルシール37と、からなり、環状部材36はシリンダ12の開口側端部22とロッドガイド14との間で軸方向に移動可能に設けられている。
【解決手段】一端に開口部を有するシリンダ12と、一端がシリンダ12の開口部11から突出するピストンロッド13と、シリンダ12の開口側に設けられてピストンロッド13を案内する筒状のロッドガイド14と、ロッドガイド14とシリンダ12の開口側端部22との間に配置されるシール機構35と、を含み、シール機構35は、環状部材36と、環状部材36に設けられて外周側を密封する外周側シール45と、環状部材36の内周側にピストンロッド13に摺接可能に設けられて内周側を密封する筒状のオイルシール37と、からなり、環状部材36はシリンダ12の開口側端部22とロッドガイド14との間で軸方向に移動可能に設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シリンダ装置において、ロッドガイドの端面にシール機構を当接させ、シリンダの開口側端部をカシメ加工するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−243629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のシリンダ装置では、ピストンロッドの微小ストローク時にシール機構がフリクションを発生させてしまう。
【0005】
したがって、本発明は、ピストンロッドの微小ストローク時のフリクションを低減することができるシリンダ装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、シール機構の環状部材がシリンダの開口側端部とロッドガイドとの間で軸方向に移動可能に設けられる構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ピストンロッドの微小ストローク時のフリクションを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係るシリンダ装置の第1実施形態を示す部分断面図である。
【図2】本発明に係るシリンダ装置の第1実施形態を示す要部の部分断面図である。
【図3】本発明に係るシリンダ装置の第1実施形態のロッドストロークに対するロッドにかかる抵抗力を従来構造と比較した特性線図である。
【図4】本発明に係るシリンダ装置の第2実施形態を示す要部の部分断面図である。
【図5】本発明に係るシリンダ装置の第3実施形態を示す要部の部分断面図である。
【図6】本発明に係るシリンダ装置の第4実施形態を示す要部の部分断面図である。
【図7】本発明に係るシリンダ装置の第5実施形態を示す要部の部分断面図である。
【図8】本発明に係るシリンダ装置の第6実施形態を示す要部の部分断面図である。
【図9】本発明に係るシリンダ装置の第7実施形態を示す要部の部分断面図である。
【図10】本発明に係るシリンダ装置の第8実施形態を示す要部の部分断面図である。
【図11】本発明に係るシリンダ装置の第9実施形態を示す要部の部分断面図である。
【図12】本発明に係るシリンダ装置の第10実施形態を示す要部の部分断面図である。
【図13】本発明に係るシリンダ装置の第11実施形態を示す要部の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
「第1実施形態」
本発明に係るシリンダ装置の第1実施形態を図1〜図3を参照して以下に説明する。
【0010】
図1に示すように、第1実施形態は、一端に開口部11を有するシリンダ12と、シリンダ12内に挿入されるとともに一端がシリンダ12の開口部11から突出するピストンロッド13と、シリンダ12の開口部11側に設けられてピストンロッド13を案内する筒状のロッドガイド14とを有している。なお、このシリンダ装置は、具体的には、シリンダ12内に油液等の流体が封入されるとともに、ピストンロッド13の他端にシリンダ12内を二室に区画する図示略のピストンが取り付けられ、このピストン等に二室間の流体の流れを制御して減衰力を発生させる減衰力発生機構が設けられた緩衝器となっている。
【0011】
シリンダ12は、円筒部21と、この円筒部21の軸方向の一端からカール加工されて径方向内側に延出する内フランジ部22とを有している。この内フランジ部22の径方向内側が上記した開口部11となっており、よって、内フランジ部22は、シリンダ12の開口側端部を構成している。
【0012】
ピストンロッド13は、端部を除いて一定径の軸部25が形成されており、図2に示すように、ロッドガイド14は、この軸部25を摺動可能に嵌合させる円筒状のカラー27と、このカラー27を内側に保持する段付き円筒状のロッドガイド本体28とを有している。ロッドガイド本体28は、その径方向内側が、カラー27と同等の軸方向長さとされてカラー27を嵌合させるカラー保持部29となっており、径方向外側が、カラー保持部29よりも軸方向長さが長く軸方向一側に突出するシリンダ嵌合部30となっている。ロッドガイド14の外周側つまりロッドガイド本体28のシリンダ嵌合部30の外周側には、軸方向中間位置において径方向内側に凹んで周方向に延びる円環状の溝部31が形成されている。
【0013】
シリンダ12は、その円筒部21における溝部31の位置がこの溝部31に向けてカシメ加工されることになり、このカシメ加工で円筒部21に外側から凹み内側に突出するように形成されるカシメ部32が溝部31に入り込むことで、ロッドガイド14を軸方向移動不可に固定する。ここでは、シリンダ12の開口側端部である内フランジ部22とロッドガイド14との間に所定の軸方向長さの隙間が形成されるようになっている。
【0014】
そして、ロッドガイド14とシリンダ12の内フランジ部22との間にはシール機構35が配置されている。このシール機構35は、シリンダ12内の高い圧力を外部に漏らさないようにシリンダ12とピストンロッド13との隙間を塞ぐものである。シール機構35は、円環状をなす金属製の環状部材36と、この環状部材36の内周側にピストンロッド13に摺接可能に設けられてシール機構35の内周側、つまりピストンロッド13とシール機構35との隙間をシールするオイルシール37とを有している。オイルシール37は、弾性材料であるゴムからなっており、金属製の環状部材36に一体的に溶着等で接着されている。一体化された環状部材36とオイルシール37とがシール本体38を構成する。
【0015】
オイルシール37は、環状部材36からシリンダ12の外側に向けて軸方向一側に突出する外側筒状部40と、環状部材36からシリンダ12の内側に向けて軸方向他側に突出する内側筒状部41と、環状部材36の内周面に設けられて外側筒状部40および内側筒状部41を繋ぐ中間筒状部42とを有している。中間筒状部42は、ピストンロッド13の外径よりも大径の内径を有しており、外側筒状部40および内側筒状部41は、中間筒状部42の内周面と連続するとともに突出先端側ほど縮径状をなし、最小内径が自然状態においてピストンロッド13の外径よりも小径となっている。
【0016】
シール本体38の環状部材36の外周側には軸方向の中間部から径方向内側に凹む円環状の外周保持溝44が形成されており、シール機構35は、この外周保持溝44に嵌合されて保持されるOリング(外周側シール)45を有している。このようにシール本体38の外周保持溝44に設けられるOリング45は、弾性材料であるゴムからなっており、自然状態で断面円形状をなしている。そして、Oリング45は、シリンダ12の内壁面に接触してシール機構35の外周側、つまりシリンダ12とシール機構35との隙間を密封する。
【0017】
ここで、環状部材36の軸方向厚さは、シリンダ12に固定されたロッドガイド14のシリンダ嵌合部30とシリンダ12の内フランジ部22との隙間の軸方向距離より薄くなっており、これにより、環状部材36を含むシール機構35は、シリンダ12の内フランジ部22とロッドガイド14との間でこれらに対し軸方向に移動可能に設けられている。つまり、シール機構35は、シリンダ12に対して完全に固定されてはおらず、軸方向の動きが許容されている。そして、Oリング45は、シリンダ12に対し摺接する摺動リングとなっている。また、シール機構35は、内周側がゴム製のオイルシール37によってピストンロッド13の外側に保持され、外周側がゴム製のOリング45によってシリンダ12の内側に保持されるため、ピストンロッド13およびシリンダ12に対して径方向にも変位可能となっている。
【0018】
このような第1実施形態によれば、ピストンロッド13の軸方向移動時に、環状部材36における、内フランジ部22とロッドガイド14との間の移動可能範囲にて、シール機構35が外側のOリング45をシリンダ12の内壁面に摺接させながらシリンダ12に対してピストンロッド13と一体に軸方向に移動可能となる。このため、ピストンロッド13に図3に実線で示すような特性の抵抗力を与えることになる。つまり、破線で示す従来構造における静止摩擦の区間S=0〜±s1よりも、静止摩擦の区間S=0〜±s1’を広くすることができるとともに、この静止摩擦の区間においては同じロッドストロークに対する抵抗力を小さくすることができる。また、動摩擦の区間S>s1’,S<−s1’においては従来の動摩擦の区間S>s1,S<−s1と同様の一定の抵抗力をピストンロッド13に与えることができる。
【0019】
以上に述べたように、第1実施形態によれば、環状部材36の外周側に設けられてシリンダ12に摺接するOリング45でシール機構35の外周側を密封し、環状部材36の内周側に設けられてピストンロッド13に摺接するオイルシール37でシール機構35の内周側を密封するシール機構35において、環状部材36が、シリンダ12の開口側端部である内フランジ部22とロッドガイド14との間で軸方向に移動可能に設けられているため、内部流体の密封性能を維持したまま、ピストンロッド13の静止摩擦区間の占める割合が高い微小ストローク時に、シール機構35から受ける抵抗力、すなわち見かけのフリクションを低減することができる。したがって、車両の緩衝器として用いれば、高周波振動領域における緩衝器の応答性が向上し、車両の乗り心地を良好にすることができる。
【0020】
また、内フランジ部22とピストンロッド13との隙間の軸方向長さやOリング45、オイルシール37の材料・形状を変更することで、上記効果が得られるストローク域を容易に調整することができる。
【0021】
シール機構35が、金属製の環状部材36の外周部に弾性部材からなるOリング45を設けることで、軸方向だけではなく、径方向の動きも許容できることになるため、ピストンロッド13のシリンダ12に対する芯ズレ等に対するオイルシール37の追従性が向上し、シール機構35の密封性能を良好に保つことができる。
【0022】
ロッドガイド14の外周側には周方向に溝部31が形成され、この溝部31に向けてシリンダ12がカシメられて固定されているため、簡素な構造でロッドガイド14をシリンダ12に固定することができる。本実施の形態のシリンダ装置は、単筒式であるが、複筒式のシリンダ装置に本発明を適用することが可能である。複筒式のシリンダ装置では、例えばシリンダの開口側端部をカシメ加工する際に軸力を加えることにより、カシメ部、ロッドガイドを介してシリンダに軸力が加わり、シリンダを介してシリンダ内の各部品に残留軸力を発生させている。本発明を複筒式に適用した場合には、ロッドガイド14に軸力を直接与え、ロッドガイド14の溝部31にシリンダ12をカシメ加工する。これにより、本発明を複筒式のシリンダ装置に適用した場合でも、シリンダ内の各部品に残留軸力を発生させることができる。
【0023】
「第2実施形態」
次に、本発明に係るシリンダ装置の第2実施形態を主に図4に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一の称呼、同一の符号で表す。
【0024】
第2実施形態においては、シール機構35の環状部材36に第1実施形態の外周保持溝44が形成されておらず、環状部材36の外周側の軸方向両側に、軸方向外側ほど小径となる面取り50,51がそれぞれ形成されている。そして、シール機構35が、シリンダ12の内フランジ部22とシリンダ12の円筒部21と面取り50との間に配置されるOリング(外周側シール)52と、ロッドガイド14とシリンダ12の円筒部21と面取り51との間に配置されるOリング(外周側シール)53とを有している。環状部材36の外周側に設けられたこれらのOリング52,53は、弾性材料であるゴムからなっており、自然状態で断面円形状をなしている。そして、Oリング52,53は、シール機構35の外周側、つまりシール機構35とシリンダ12との隙間を密封する。
【0025】
第2実施形態では、ピストンロッド13から軸方向の力をシール機構35が受けると、Oリング52,53が弾性変形してシール機構35の軸方向の移動を許容する。また、ピストンロッド13から軸方向の力を受けない状態で、シール機構35は、両側のOリング52,53の弾性で、シール本体38をシリンダ12およびロッドガイド14に対して一定の中立位置に保持することになる。
【0026】
「第3実施形態」
次に、本発明に係るシリンダ装置の第3実施形態を主に図5に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一の称呼、同一の符号で表す。
【0027】
第3実施形態においては、シリンダ12の円筒部21の内フランジ部22に近接する所定位置に、内周面から径方向外側に凹む円環状の内周保持溝55が形成されている。そして、この内周保持溝55とシール機構35の外周保持溝44とで、角リング(外周側シール)56が保持されている。角リング56は、弾性材料であるゴムからなっており、自然状態で断面四角形状をなしている。環状部材36の外周側に設けられたこの角リング56が、シール機構35の外周側、つまりシール機構35とシリンダ12との隙間を密封する。
【0028】
第3実施形態では、シリンダ12の内周保持溝55で角リング56の摺動を抑制することになり、ピストンロッド13から軸方向の力をシール機構35が受けると、角リング56がせん断変形することによって、シール機構35の軸方向の移動を許容する。また、ピストンロッド13から軸方向の力を受けない状態では、シール機構35の角リング56の弾性で、シール本体38をシリンダ12およびロッドガイド14に対して、内周保持溝55と位置が合う一定の中立位置に保持することになる。
【0029】
「第4実施形態」
次に、本発明に係るシリンダ装置の第4実施形態を主に図6に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一の称呼、同一の符号で表す。
【0030】
第4実施形態においては、シール機構35の環状部材36に第1実施形態の外周保持溝44が形成されておらず、この環状部材36の外周側の軸方向両面に円環状のゴムからなる、自然状態で断面半円状のクッション(外周側シール)58,59がそれぞれ溶着等で接着されている。内フランジ部22側のクッション58は内フランジ部22に全周にわたって接触しており、ロッドガイド14側のクッション59はロッドガイド14のシリンダ嵌合部30に全周にわたって接触している。環状部材36の外周側に設けられたこれらのクッション58,59が、シール機構35の外周側、つまりシール機構35とシリンダ12との隙間を密封する。
【0031】
第4実施形態では、ピストンロッド13から軸方向の力をシール機構35が受けると、クッション58,59が弾性変形してシール機構35の軸方向の移動を許容する。また、ピストンロッド13から軸方向の力を受けない状態では、シール機構35の両側のクッション58,59の弾性で、シール本体38をシリンダ12およびロッドガイド14に対して一定の中立位置に保持することになる。
【0032】
「第5実施形態」
次に、本発明に係るシリンダ装置の第5実施形態を主に図7に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一の称呼、同一の符号で表す。
【0033】
第5実施形態においては、シール機構35の環状部材36に第1実施形態の外周保持溝44が形成されておらず、この環状部材36の外周面に円環状のゴムからなるクッション(外周側シール)61が溶着等で接着されている。クッション61は、自然状態で、その軸方向一側にあって径方向外側ほど軸方向一側に位置するように傾斜するテーパクッション部62と、軸方向他側にあって径方向外側ほど軸方向他側に位置するように傾斜するテーパクッション部63とを有する断面V字状をなしている。内フランジ部22側のテーパクッション部62は内フランジ部22と円筒部21とに全周にわたって接触しており、ロッドガイド14側のテーパクッション部63はロッドガイド14と円筒部21とに全周にわたって接触している。環状部材36の外周側に設けられたこのクッション61が、シール機構35の外周側、つまりシール機構35とシリンダ12との隙間を密封する。
【0034】
第5実施形態では、ピストンロッド13から軸方向の力をシール機構35が受けると、テーパクッション部62,63が弾性変形してシール機構35の軸方向の移動を許容する。また、ピストンロッド13から軸方向の力を受けない状態では、シール機構35の両側のテーパクッション部62,63の弾性で、シール本体38をシリンダ12およびロッドガイド14に対して一定の中立位置に保持することになる。
【0035】
「第6実施形態」
次に、本発明に係るシリンダ装置の第6実施形態を主に図8に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一の称呼、同一の符号で表す。
【0036】
第6実施形態においては、シール機構35の環状部材36の外周に、複数の円環状の外周保持溝65が形成されており、これらの外周保持溝65に嵌合するようにして環状部材36の外周面には円環状の樹脂バンドからなる摺動部材66が固定されている。
【0037】
また、オイルシール37には、内側筒状部41の外周側から軸方向のロッドガイド14側ほど大径となるように傾斜して突出する円環状のゴムからなる外側シールリップ部(外周側シール)67が形成されている。この外側シールリップ部67は、ロッドガイド14に全周にわたって接触している。環状部材36に設けられたこの外側シールリップ部67が、シール機構35の外周側、この場合はシール機構35とロッドガイド14との隙間を密封する。
【0038】
第6実施形態では、ピストンロッド13から軸方向の力をシール機構35が受けると、外周面の摺動部材66がシリンダ12に対し摺動することによってシール機構35の軸方向の移動を許容する。
【0039】
「第7実施形態」
次に、本発明に係るシリンダ装置の第7実施形態を主に図9に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一の称呼、同一の符号で表す。
【0040】
第7実施形態においては、シリンダ12が、上記した円筒部21を有するシリンダ本体70と、内フランジ部22を有するキャップ71とに分割されている。つまり、このキャップ71は、シリンダ本体70の円筒部21を内側に嵌合させる円筒部72と、この円筒部72の軸方向の一端から径方向内側に延出する上記した内フランジ部22とを有している。
【0041】
そして、ロッドガイド14からシリンダ本体70を、内フランジ部22とロッドガイド14とに必要な隙間分の長さだけ突出させる状態として、円筒部21の溝部31の位置がこの溝部31に向けてカシメ加工されることになり、このカシメ加工で円筒部21に外側から凹み内側に突出するように形成されるカシメ部73が溝部31に入り込むことでロッドガイド14がシリンダ本体70に対し軸方向移動不可に固定される。
【0042】
次に、内フランジ部22に円筒部21が当接する位置までキャップ71がシリンダ本体70に被せられ、キャップ71の円筒部72のカシメ部73の位置がこのカシメ部73に向けてカシメ加工されることになり、このカシメ加工で円筒部72に外側から凹み内側に突出するように形成されるカシメ部74がカシメ部73に入り込むことでキャップ71がシリンダ本体70に対し軸方向移動不可に固定される。
【0043】
なお、ロッドガイド14からシリンダ本体70を所定長さ突出させるとともに、キャップ71をシリンダ本体70に被せて、キャップ71およびシリンダ本体70の溝部31の位置を同時に溝部31に向けて同時にカシメ加工することにより、カシメ部73およびカシメ部74を一度に形成しても良い。
【0044】
「第8実施形態」
次に、本発明に係るシリンダ装置の第8実施形態を主に図10に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一の称呼、同一の符号で表す。
【0045】
第8実施形態においては、ロッドガイド14におけるロッドガイド本体28のシリンダ嵌合部30の外周側から軸方向一側に突出する円筒突出部75を、シリンダ嵌合部30に一体に形成し、この円筒突出部75の先端面をシリンダ12の内フランジ部22の内側に当接させている。そして、この円筒突出部75の内周面にシール機構35のOリング45を摺接させている。この場合、内フランジ部22とロッドガイド14のシリンダ嵌合部30との隙間の軸方向長さがシール機構35の環状部材36の軸方向厚さよりも長くされており、これにより、環状部材36がシリンダ12の内フランジ部22とロッドガイド14のシリンダ嵌合部30との間で軸方向に移動可能に設けられている。
【0046】
ここで、円筒突出部75の軸方向長さはシール機構35の移動可能な軸方向長さに設定されている。よって、シリンダ12を円筒突出部75の位置でカール加工して内フランジ部22を形成すれば、内フランジ部22とロッドガイド14のシリンダ嵌合部30との隙間にシール機構35を移動可能とする所定の軸方向長さが得られることになる。
【0047】
「第9実施形態」
次に、本発明に係るシリンダ装置の第9実施形態を主に図11に基づいて第1,第7,第8実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1,第7,第8実施形態と共通する部位については、同一の称呼、同一の符号で表す。
【0048】
第9実施形態においては、第7実施形態と同様、シリンダ12が、上記した円筒部21を有するシリンダ本体70と、内フランジ部22を有するキャップ71とに分割されており、また、第8実施形態と同様、ロッドガイド14が、円筒突出部75を有していて、この円筒突出部75の先端面をキャップ71の内フランジ部22の内側に当接させている。そして、この円筒突出部75の内周面にシール機構35のOリング45を摺接させている。
【0049】
この場合、ロッドガイド14の円筒突出部75をシリンダ本体70から若干突出させた状態でロッドガイド14にシリンダ本体70をカシメ加工で固定し、その後、キャップ71を内フランジ部22が円筒突出部75に当接するまでシリンダ本体70に被せて、キャップ71をシリンダ本体70にカシメ加工で固定すれば、内フランジ部22とロッドガイド14のシリンダ嵌合部30との隙間にシール機構35を移動可能とする所定の軸方向長さが得られることになる。
【0050】
「第10実施形態」
次に、本発明に係るシリンダ装置の第10実施形態を主に図12に基づいて第1,第9実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1,第9実施形態と共通する部位については、同一の称呼、同一の符号で表す。
【0051】
第10実施形態においては、ロッドガイド14におけるロッドガイド本体28のシリンダ嵌合部30の外周側に、径方向内側に凹んで周方向に延びる溝部78が軸方向の円筒突出部75側に形成されており、円筒突出部75とは反対側にも、径方向内側に凹んで周方向に延びる溝部79が形成されている。
【0052】
そして、シリンダ本体70の円筒部21には、ロッドガイド14のシリンダ嵌合部30の円筒突出部75とは反対側が嵌合され、円筒部21の溝部79の位置がこの溝部79に向けてカシメ加工されることになる。このカシメ加工で円筒部21に外側から凹み内側に突出するように形成されるカシメ部81が溝部79に入り込むことで、シリンダ本体70に対しロッドガイド14が軸方向移動不可に固定される。
【0053】
次に、キャップ71に、内フランジ部22に当接するまで、ロッドガイド14のシリンダ嵌合部30が嵌合され、円筒部72の溝部78の位置がこの溝部78に向けてカシメ加工されることになる。このカシメ加工で円筒部72に外側から凹み内側に突出するように形成されるカシメ部80が溝部78に入り込むことで、キャップ71に対しロッドガイド14が軸方向移動不可に固定される。このとき、キャップ71とシリンダ本体70とには軸方向に隙間が形成される設定となっている。
【0054】
この場合も、キャップ71を、その内フランジ部22が円筒突出部75に当接するまでロッドガイド14に被せて、キャップ71をロッドガイド14に固定すれば、内フランジ部22とロッドガイド14のシリンダ嵌合部30との隙間にシール機構35を移動可能とする所定の軸方向長さが得られることになる。
【0055】
「第11実施形態」
次に、本発明に係るシリンダ装置の第11実施形態を主に図13に基づいて第1,第9実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1,第9実施形態と共通する部位については、同一の称呼、同一の符号で表す。
【0056】
第11実施形態においては、ロッドガイド14のロッドガイド本体28に、シリンダ嵌合部30および円筒突出部75の両方から径方向外側に突出する円環状の大径嵌合部84が形成されている。そして、シリンダ本体70の円筒部21がキャップ71の内フランジ部22と離間しており、キャップ71の円筒部72の、シリンダ本体70の円筒部21に対し非嵌合の部分に、ロッドガイド14の大径嵌合部84が嵌合されることになる。
【0057】
この場合、シリンダ本体70の円筒部21に、ロッドガイド14のシリンダ嵌合部30の軸方向における大径嵌合部84とは反対側が嵌合され、円筒部21の溝部31の位置がこの溝部31に向けてカシメ加工されることになる。このカシメ加工で円筒部21に外側から凹み内側に突出するように形成されるカシメ部73が溝部31に入り込むことで、シリンダ本体70に対しロッドガイド14が軸方向移動不可に固定される。このとき、大径嵌合部84とシリンダ本体70とには軸方向に隙間が形成される設定となっている。
【0058】
そして、キャップ71の円筒部72の内側に、内フランジ部22に当接するまで、ロッドガイド14の大径嵌合部84およびシリンダ本体70が嵌合され、円筒部72のカシメ部73の位置がこのカシメ部73に向けてカシメ加工されることになる。このカシメ加工で円筒部72に外側から凹み内側に突出するように形成されるカシメ部74がカシメ部73に入り込むことで、キャップ71が、シリンダ本体70およびロッドガイド14に対し軸方向移動不可に固定される。
【0059】
この場合も、キャップ71を内フランジ部22が円筒突出部75および大径嵌合部84に当接するまでロッドガイド14およびシリンダ本体70に被せて、キャップ71をシリンダ本体70に固定すれば、内フランジ部22とロッドガイド14のシリンダ嵌合部30との隙間にシール機構35を移動可能とする所定の軸方向長さが得られることになる。
【0060】
なお、ロッドガイド14の円筒突出部75の大径嵌合部84が形成されていない部分にシリンダ本体70を嵌合させるとともに、キャップ71をロッドガイド14の大径嵌合部84およびシリンダ本体70に被せて、キャップ71およびシリンダ本体70の、溝部31の位置をこの溝部31に向けて同時にカシメ加工することで、カシメ部73およびカシメ部74を一度に形成することも可能である。
【0061】
なお、第7〜第11実施形態では、第1実施形態のシール機構35を採用したが、第2〜第6実施形態のシール機構35を採用することも勿論可能である。
【0062】
また、第1〜第11実施形態以外にも、図示は略すが、シール機構35の環状部材36の外周にゴム製の円筒状部材を配置し、環状部材36の両側にゴム製のシート状部材を配置しても良い。
【符号の説明】
【0063】
11 開口部
12 シリンダ
13 ピストンロッド
14 ロッドガイド
22 内フランジ部(開口側端部)
31,78,79 溝部
36 環状部材
37 オイルシール
45,52,53 Oリング(外周側シール)
56 角リング(外周側シール)
58,59,61 クッション(外周側シール)
67 外側シールリップ部(外周側シール)
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シリンダ装置において、ロッドガイドの端面にシール機構を当接させ、シリンダの開口側端部をカシメ加工するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−243629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のシリンダ装置では、ピストンロッドの微小ストローク時にシール機構がフリクションを発生させてしまう。
【0005】
したがって、本発明は、ピストンロッドの微小ストローク時のフリクションを低減することができるシリンダ装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、シール機構の環状部材がシリンダの開口側端部とロッドガイドとの間で軸方向に移動可能に設けられる構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ピストンロッドの微小ストローク時のフリクションを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係るシリンダ装置の第1実施形態を示す部分断面図である。
【図2】本発明に係るシリンダ装置の第1実施形態を示す要部の部分断面図である。
【図3】本発明に係るシリンダ装置の第1実施形態のロッドストロークに対するロッドにかかる抵抗力を従来構造と比較した特性線図である。
【図4】本発明に係るシリンダ装置の第2実施形態を示す要部の部分断面図である。
【図5】本発明に係るシリンダ装置の第3実施形態を示す要部の部分断面図である。
【図6】本発明に係るシリンダ装置の第4実施形態を示す要部の部分断面図である。
【図7】本発明に係るシリンダ装置の第5実施形態を示す要部の部分断面図である。
【図8】本発明に係るシリンダ装置の第6実施形態を示す要部の部分断面図である。
【図9】本発明に係るシリンダ装置の第7実施形態を示す要部の部分断面図である。
【図10】本発明に係るシリンダ装置の第8実施形態を示す要部の部分断面図である。
【図11】本発明に係るシリンダ装置の第9実施形態を示す要部の部分断面図である。
【図12】本発明に係るシリンダ装置の第10実施形態を示す要部の部分断面図である。
【図13】本発明に係るシリンダ装置の第11実施形態を示す要部の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
「第1実施形態」
本発明に係るシリンダ装置の第1実施形態を図1〜図3を参照して以下に説明する。
【0010】
図1に示すように、第1実施形態は、一端に開口部11を有するシリンダ12と、シリンダ12内に挿入されるとともに一端がシリンダ12の開口部11から突出するピストンロッド13と、シリンダ12の開口部11側に設けられてピストンロッド13を案内する筒状のロッドガイド14とを有している。なお、このシリンダ装置は、具体的には、シリンダ12内に油液等の流体が封入されるとともに、ピストンロッド13の他端にシリンダ12内を二室に区画する図示略のピストンが取り付けられ、このピストン等に二室間の流体の流れを制御して減衰力を発生させる減衰力発生機構が設けられた緩衝器となっている。
【0011】
シリンダ12は、円筒部21と、この円筒部21の軸方向の一端からカール加工されて径方向内側に延出する内フランジ部22とを有している。この内フランジ部22の径方向内側が上記した開口部11となっており、よって、内フランジ部22は、シリンダ12の開口側端部を構成している。
【0012】
ピストンロッド13は、端部を除いて一定径の軸部25が形成されており、図2に示すように、ロッドガイド14は、この軸部25を摺動可能に嵌合させる円筒状のカラー27と、このカラー27を内側に保持する段付き円筒状のロッドガイド本体28とを有している。ロッドガイド本体28は、その径方向内側が、カラー27と同等の軸方向長さとされてカラー27を嵌合させるカラー保持部29となっており、径方向外側が、カラー保持部29よりも軸方向長さが長く軸方向一側に突出するシリンダ嵌合部30となっている。ロッドガイド14の外周側つまりロッドガイド本体28のシリンダ嵌合部30の外周側には、軸方向中間位置において径方向内側に凹んで周方向に延びる円環状の溝部31が形成されている。
【0013】
シリンダ12は、その円筒部21における溝部31の位置がこの溝部31に向けてカシメ加工されることになり、このカシメ加工で円筒部21に外側から凹み内側に突出するように形成されるカシメ部32が溝部31に入り込むことで、ロッドガイド14を軸方向移動不可に固定する。ここでは、シリンダ12の開口側端部である内フランジ部22とロッドガイド14との間に所定の軸方向長さの隙間が形成されるようになっている。
【0014】
そして、ロッドガイド14とシリンダ12の内フランジ部22との間にはシール機構35が配置されている。このシール機構35は、シリンダ12内の高い圧力を外部に漏らさないようにシリンダ12とピストンロッド13との隙間を塞ぐものである。シール機構35は、円環状をなす金属製の環状部材36と、この環状部材36の内周側にピストンロッド13に摺接可能に設けられてシール機構35の内周側、つまりピストンロッド13とシール機構35との隙間をシールするオイルシール37とを有している。オイルシール37は、弾性材料であるゴムからなっており、金属製の環状部材36に一体的に溶着等で接着されている。一体化された環状部材36とオイルシール37とがシール本体38を構成する。
【0015】
オイルシール37は、環状部材36からシリンダ12の外側に向けて軸方向一側に突出する外側筒状部40と、環状部材36からシリンダ12の内側に向けて軸方向他側に突出する内側筒状部41と、環状部材36の内周面に設けられて外側筒状部40および内側筒状部41を繋ぐ中間筒状部42とを有している。中間筒状部42は、ピストンロッド13の外径よりも大径の内径を有しており、外側筒状部40および内側筒状部41は、中間筒状部42の内周面と連続するとともに突出先端側ほど縮径状をなし、最小内径が自然状態においてピストンロッド13の外径よりも小径となっている。
【0016】
シール本体38の環状部材36の外周側には軸方向の中間部から径方向内側に凹む円環状の外周保持溝44が形成されており、シール機構35は、この外周保持溝44に嵌合されて保持されるOリング(外周側シール)45を有している。このようにシール本体38の外周保持溝44に設けられるOリング45は、弾性材料であるゴムからなっており、自然状態で断面円形状をなしている。そして、Oリング45は、シリンダ12の内壁面に接触してシール機構35の外周側、つまりシリンダ12とシール機構35との隙間を密封する。
【0017】
ここで、環状部材36の軸方向厚さは、シリンダ12に固定されたロッドガイド14のシリンダ嵌合部30とシリンダ12の内フランジ部22との隙間の軸方向距離より薄くなっており、これにより、環状部材36を含むシール機構35は、シリンダ12の内フランジ部22とロッドガイド14との間でこれらに対し軸方向に移動可能に設けられている。つまり、シール機構35は、シリンダ12に対して完全に固定されてはおらず、軸方向の動きが許容されている。そして、Oリング45は、シリンダ12に対し摺接する摺動リングとなっている。また、シール機構35は、内周側がゴム製のオイルシール37によってピストンロッド13の外側に保持され、外周側がゴム製のOリング45によってシリンダ12の内側に保持されるため、ピストンロッド13およびシリンダ12に対して径方向にも変位可能となっている。
【0018】
このような第1実施形態によれば、ピストンロッド13の軸方向移動時に、環状部材36における、内フランジ部22とロッドガイド14との間の移動可能範囲にて、シール機構35が外側のOリング45をシリンダ12の内壁面に摺接させながらシリンダ12に対してピストンロッド13と一体に軸方向に移動可能となる。このため、ピストンロッド13に図3に実線で示すような特性の抵抗力を与えることになる。つまり、破線で示す従来構造における静止摩擦の区間S=0〜±s1よりも、静止摩擦の区間S=0〜±s1’を広くすることができるとともに、この静止摩擦の区間においては同じロッドストロークに対する抵抗力を小さくすることができる。また、動摩擦の区間S>s1’,S<−s1’においては従来の動摩擦の区間S>s1,S<−s1と同様の一定の抵抗力をピストンロッド13に与えることができる。
【0019】
以上に述べたように、第1実施形態によれば、環状部材36の外周側に設けられてシリンダ12に摺接するOリング45でシール機構35の外周側を密封し、環状部材36の内周側に設けられてピストンロッド13に摺接するオイルシール37でシール機構35の内周側を密封するシール機構35において、環状部材36が、シリンダ12の開口側端部である内フランジ部22とロッドガイド14との間で軸方向に移動可能に設けられているため、内部流体の密封性能を維持したまま、ピストンロッド13の静止摩擦区間の占める割合が高い微小ストローク時に、シール機構35から受ける抵抗力、すなわち見かけのフリクションを低減することができる。したがって、車両の緩衝器として用いれば、高周波振動領域における緩衝器の応答性が向上し、車両の乗り心地を良好にすることができる。
【0020】
また、内フランジ部22とピストンロッド13との隙間の軸方向長さやOリング45、オイルシール37の材料・形状を変更することで、上記効果が得られるストローク域を容易に調整することができる。
【0021】
シール機構35が、金属製の環状部材36の外周部に弾性部材からなるOリング45を設けることで、軸方向だけではなく、径方向の動きも許容できることになるため、ピストンロッド13のシリンダ12に対する芯ズレ等に対するオイルシール37の追従性が向上し、シール機構35の密封性能を良好に保つことができる。
【0022】
ロッドガイド14の外周側には周方向に溝部31が形成され、この溝部31に向けてシリンダ12がカシメられて固定されているため、簡素な構造でロッドガイド14をシリンダ12に固定することができる。本実施の形態のシリンダ装置は、単筒式であるが、複筒式のシリンダ装置に本発明を適用することが可能である。複筒式のシリンダ装置では、例えばシリンダの開口側端部をカシメ加工する際に軸力を加えることにより、カシメ部、ロッドガイドを介してシリンダに軸力が加わり、シリンダを介してシリンダ内の各部品に残留軸力を発生させている。本発明を複筒式に適用した場合には、ロッドガイド14に軸力を直接与え、ロッドガイド14の溝部31にシリンダ12をカシメ加工する。これにより、本発明を複筒式のシリンダ装置に適用した場合でも、シリンダ内の各部品に残留軸力を発生させることができる。
【0023】
「第2実施形態」
次に、本発明に係るシリンダ装置の第2実施形態を主に図4に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一の称呼、同一の符号で表す。
【0024】
第2実施形態においては、シール機構35の環状部材36に第1実施形態の外周保持溝44が形成されておらず、環状部材36の外周側の軸方向両側に、軸方向外側ほど小径となる面取り50,51がそれぞれ形成されている。そして、シール機構35が、シリンダ12の内フランジ部22とシリンダ12の円筒部21と面取り50との間に配置されるOリング(外周側シール)52と、ロッドガイド14とシリンダ12の円筒部21と面取り51との間に配置されるOリング(外周側シール)53とを有している。環状部材36の外周側に設けられたこれらのOリング52,53は、弾性材料であるゴムからなっており、自然状態で断面円形状をなしている。そして、Oリング52,53は、シール機構35の外周側、つまりシール機構35とシリンダ12との隙間を密封する。
【0025】
第2実施形態では、ピストンロッド13から軸方向の力をシール機構35が受けると、Oリング52,53が弾性変形してシール機構35の軸方向の移動を許容する。また、ピストンロッド13から軸方向の力を受けない状態で、シール機構35は、両側のOリング52,53の弾性で、シール本体38をシリンダ12およびロッドガイド14に対して一定の中立位置に保持することになる。
【0026】
「第3実施形態」
次に、本発明に係るシリンダ装置の第3実施形態を主に図5に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一の称呼、同一の符号で表す。
【0027】
第3実施形態においては、シリンダ12の円筒部21の内フランジ部22に近接する所定位置に、内周面から径方向外側に凹む円環状の内周保持溝55が形成されている。そして、この内周保持溝55とシール機構35の外周保持溝44とで、角リング(外周側シール)56が保持されている。角リング56は、弾性材料であるゴムからなっており、自然状態で断面四角形状をなしている。環状部材36の外周側に設けられたこの角リング56が、シール機構35の外周側、つまりシール機構35とシリンダ12との隙間を密封する。
【0028】
第3実施形態では、シリンダ12の内周保持溝55で角リング56の摺動を抑制することになり、ピストンロッド13から軸方向の力をシール機構35が受けると、角リング56がせん断変形することによって、シール機構35の軸方向の移動を許容する。また、ピストンロッド13から軸方向の力を受けない状態では、シール機構35の角リング56の弾性で、シール本体38をシリンダ12およびロッドガイド14に対して、内周保持溝55と位置が合う一定の中立位置に保持することになる。
【0029】
「第4実施形態」
次に、本発明に係るシリンダ装置の第4実施形態を主に図6に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一の称呼、同一の符号で表す。
【0030】
第4実施形態においては、シール機構35の環状部材36に第1実施形態の外周保持溝44が形成されておらず、この環状部材36の外周側の軸方向両面に円環状のゴムからなる、自然状態で断面半円状のクッション(外周側シール)58,59がそれぞれ溶着等で接着されている。内フランジ部22側のクッション58は内フランジ部22に全周にわたって接触しており、ロッドガイド14側のクッション59はロッドガイド14のシリンダ嵌合部30に全周にわたって接触している。環状部材36の外周側に設けられたこれらのクッション58,59が、シール機構35の外周側、つまりシール機構35とシリンダ12との隙間を密封する。
【0031】
第4実施形態では、ピストンロッド13から軸方向の力をシール機構35が受けると、クッション58,59が弾性変形してシール機構35の軸方向の移動を許容する。また、ピストンロッド13から軸方向の力を受けない状態では、シール機構35の両側のクッション58,59の弾性で、シール本体38をシリンダ12およびロッドガイド14に対して一定の中立位置に保持することになる。
【0032】
「第5実施形態」
次に、本発明に係るシリンダ装置の第5実施形態を主に図7に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一の称呼、同一の符号で表す。
【0033】
第5実施形態においては、シール機構35の環状部材36に第1実施形態の外周保持溝44が形成されておらず、この環状部材36の外周面に円環状のゴムからなるクッション(外周側シール)61が溶着等で接着されている。クッション61は、自然状態で、その軸方向一側にあって径方向外側ほど軸方向一側に位置するように傾斜するテーパクッション部62と、軸方向他側にあって径方向外側ほど軸方向他側に位置するように傾斜するテーパクッション部63とを有する断面V字状をなしている。内フランジ部22側のテーパクッション部62は内フランジ部22と円筒部21とに全周にわたって接触しており、ロッドガイド14側のテーパクッション部63はロッドガイド14と円筒部21とに全周にわたって接触している。環状部材36の外周側に設けられたこのクッション61が、シール機構35の外周側、つまりシール機構35とシリンダ12との隙間を密封する。
【0034】
第5実施形態では、ピストンロッド13から軸方向の力をシール機構35が受けると、テーパクッション部62,63が弾性変形してシール機構35の軸方向の移動を許容する。また、ピストンロッド13から軸方向の力を受けない状態では、シール機構35の両側のテーパクッション部62,63の弾性で、シール本体38をシリンダ12およびロッドガイド14に対して一定の中立位置に保持することになる。
【0035】
「第6実施形態」
次に、本発明に係るシリンダ装置の第6実施形態を主に図8に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一の称呼、同一の符号で表す。
【0036】
第6実施形態においては、シール機構35の環状部材36の外周に、複数の円環状の外周保持溝65が形成されており、これらの外周保持溝65に嵌合するようにして環状部材36の外周面には円環状の樹脂バンドからなる摺動部材66が固定されている。
【0037】
また、オイルシール37には、内側筒状部41の外周側から軸方向のロッドガイド14側ほど大径となるように傾斜して突出する円環状のゴムからなる外側シールリップ部(外周側シール)67が形成されている。この外側シールリップ部67は、ロッドガイド14に全周にわたって接触している。環状部材36に設けられたこの外側シールリップ部67が、シール機構35の外周側、この場合はシール機構35とロッドガイド14との隙間を密封する。
【0038】
第6実施形態では、ピストンロッド13から軸方向の力をシール機構35が受けると、外周面の摺動部材66がシリンダ12に対し摺動することによってシール機構35の軸方向の移動を許容する。
【0039】
「第7実施形態」
次に、本発明に係るシリンダ装置の第7実施形態を主に図9に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一の称呼、同一の符号で表す。
【0040】
第7実施形態においては、シリンダ12が、上記した円筒部21を有するシリンダ本体70と、内フランジ部22を有するキャップ71とに分割されている。つまり、このキャップ71は、シリンダ本体70の円筒部21を内側に嵌合させる円筒部72と、この円筒部72の軸方向の一端から径方向内側に延出する上記した内フランジ部22とを有している。
【0041】
そして、ロッドガイド14からシリンダ本体70を、内フランジ部22とロッドガイド14とに必要な隙間分の長さだけ突出させる状態として、円筒部21の溝部31の位置がこの溝部31に向けてカシメ加工されることになり、このカシメ加工で円筒部21に外側から凹み内側に突出するように形成されるカシメ部73が溝部31に入り込むことでロッドガイド14がシリンダ本体70に対し軸方向移動不可に固定される。
【0042】
次に、内フランジ部22に円筒部21が当接する位置までキャップ71がシリンダ本体70に被せられ、キャップ71の円筒部72のカシメ部73の位置がこのカシメ部73に向けてカシメ加工されることになり、このカシメ加工で円筒部72に外側から凹み内側に突出するように形成されるカシメ部74がカシメ部73に入り込むことでキャップ71がシリンダ本体70に対し軸方向移動不可に固定される。
【0043】
なお、ロッドガイド14からシリンダ本体70を所定長さ突出させるとともに、キャップ71をシリンダ本体70に被せて、キャップ71およびシリンダ本体70の溝部31の位置を同時に溝部31に向けて同時にカシメ加工することにより、カシメ部73およびカシメ部74を一度に形成しても良い。
【0044】
「第8実施形態」
次に、本発明に係るシリンダ装置の第8実施形態を主に図10に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一の称呼、同一の符号で表す。
【0045】
第8実施形態においては、ロッドガイド14におけるロッドガイド本体28のシリンダ嵌合部30の外周側から軸方向一側に突出する円筒突出部75を、シリンダ嵌合部30に一体に形成し、この円筒突出部75の先端面をシリンダ12の内フランジ部22の内側に当接させている。そして、この円筒突出部75の内周面にシール機構35のOリング45を摺接させている。この場合、内フランジ部22とロッドガイド14のシリンダ嵌合部30との隙間の軸方向長さがシール機構35の環状部材36の軸方向厚さよりも長くされており、これにより、環状部材36がシリンダ12の内フランジ部22とロッドガイド14のシリンダ嵌合部30との間で軸方向に移動可能に設けられている。
【0046】
ここで、円筒突出部75の軸方向長さはシール機構35の移動可能な軸方向長さに設定されている。よって、シリンダ12を円筒突出部75の位置でカール加工して内フランジ部22を形成すれば、内フランジ部22とロッドガイド14のシリンダ嵌合部30との隙間にシール機構35を移動可能とする所定の軸方向長さが得られることになる。
【0047】
「第9実施形態」
次に、本発明に係るシリンダ装置の第9実施形態を主に図11に基づいて第1,第7,第8実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1,第7,第8実施形態と共通する部位については、同一の称呼、同一の符号で表す。
【0048】
第9実施形態においては、第7実施形態と同様、シリンダ12が、上記した円筒部21を有するシリンダ本体70と、内フランジ部22を有するキャップ71とに分割されており、また、第8実施形態と同様、ロッドガイド14が、円筒突出部75を有していて、この円筒突出部75の先端面をキャップ71の内フランジ部22の内側に当接させている。そして、この円筒突出部75の内周面にシール機構35のOリング45を摺接させている。
【0049】
この場合、ロッドガイド14の円筒突出部75をシリンダ本体70から若干突出させた状態でロッドガイド14にシリンダ本体70をカシメ加工で固定し、その後、キャップ71を内フランジ部22が円筒突出部75に当接するまでシリンダ本体70に被せて、キャップ71をシリンダ本体70にカシメ加工で固定すれば、内フランジ部22とロッドガイド14のシリンダ嵌合部30との隙間にシール機構35を移動可能とする所定の軸方向長さが得られることになる。
【0050】
「第10実施形態」
次に、本発明に係るシリンダ装置の第10実施形態を主に図12に基づいて第1,第9実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1,第9実施形態と共通する部位については、同一の称呼、同一の符号で表す。
【0051】
第10実施形態においては、ロッドガイド14におけるロッドガイド本体28のシリンダ嵌合部30の外周側に、径方向内側に凹んで周方向に延びる溝部78が軸方向の円筒突出部75側に形成されており、円筒突出部75とは反対側にも、径方向内側に凹んで周方向に延びる溝部79が形成されている。
【0052】
そして、シリンダ本体70の円筒部21には、ロッドガイド14のシリンダ嵌合部30の円筒突出部75とは反対側が嵌合され、円筒部21の溝部79の位置がこの溝部79に向けてカシメ加工されることになる。このカシメ加工で円筒部21に外側から凹み内側に突出するように形成されるカシメ部81が溝部79に入り込むことで、シリンダ本体70に対しロッドガイド14が軸方向移動不可に固定される。
【0053】
次に、キャップ71に、内フランジ部22に当接するまで、ロッドガイド14のシリンダ嵌合部30が嵌合され、円筒部72の溝部78の位置がこの溝部78に向けてカシメ加工されることになる。このカシメ加工で円筒部72に外側から凹み内側に突出するように形成されるカシメ部80が溝部78に入り込むことで、キャップ71に対しロッドガイド14が軸方向移動不可に固定される。このとき、キャップ71とシリンダ本体70とには軸方向に隙間が形成される設定となっている。
【0054】
この場合も、キャップ71を、その内フランジ部22が円筒突出部75に当接するまでロッドガイド14に被せて、キャップ71をロッドガイド14に固定すれば、内フランジ部22とロッドガイド14のシリンダ嵌合部30との隙間にシール機構35を移動可能とする所定の軸方向長さが得られることになる。
【0055】
「第11実施形態」
次に、本発明に係るシリンダ装置の第11実施形態を主に図13に基づいて第1,第9実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1,第9実施形態と共通する部位については、同一の称呼、同一の符号で表す。
【0056】
第11実施形態においては、ロッドガイド14のロッドガイド本体28に、シリンダ嵌合部30および円筒突出部75の両方から径方向外側に突出する円環状の大径嵌合部84が形成されている。そして、シリンダ本体70の円筒部21がキャップ71の内フランジ部22と離間しており、キャップ71の円筒部72の、シリンダ本体70の円筒部21に対し非嵌合の部分に、ロッドガイド14の大径嵌合部84が嵌合されることになる。
【0057】
この場合、シリンダ本体70の円筒部21に、ロッドガイド14のシリンダ嵌合部30の軸方向における大径嵌合部84とは反対側が嵌合され、円筒部21の溝部31の位置がこの溝部31に向けてカシメ加工されることになる。このカシメ加工で円筒部21に外側から凹み内側に突出するように形成されるカシメ部73が溝部31に入り込むことで、シリンダ本体70に対しロッドガイド14が軸方向移動不可に固定される。このとき、大径嵌合部84とシリンダ本体70とには軸方向に隙間が形成される設定となっている。
【0058】
そして、キャップ71の円筒部72の内側に、内フランジ部22に当接するまで、ロッドガイド14の大径嵌合部84およびシリンダ本体70が嵌合され、円筒部72のカシメ部73の位置がこのカシメ部73に向けてカシメ加工されることになる。このカシメ加工で円筒部72に外側から凹み内側に突出するように形成されるカシメ部74がカシメ部73に入り込むことで、キャップ71が、シリンダ本体70およびロッドガイド14に対し軸方向移動不可に固定される。
【0059】
この場合も、キャップ71を内フランジ部22が円筒突出部75および大径嵌合部84に当接するまでロッドガイド14およびシリンダ本体70に被せて、キャップ71をシリンダ本体70に固定すれば、内フランジ部22とロッドガイド14のシリンダ嵌合部30との隙間にシール機構35を移動可能とする所定の軸方向長さが得られることになる。
【0060】
なお、ロッドガイド14の円筒突出部75の大径嵌合部84が形成されていない部分にシリンダ本体70を嵌合させるとともに、キャップ71をロッドガイド14の大径嵌合部84およびシリンダ本体70に被せて、キャップ71およびシリンダ本体70の、溝部31の位置をこの溝部31に向けて同時にカシメ加工することで、カシメ部73およびカシメ部74を一度に形成することも可能である。
【0061】
なお、第7〜第11実施形態では、第1実施形態のシール機構35を採用したが、第2〜第6実施形態のシール機構35を採用することも勿論可能である。
【0062】
また、第1〜第11実施形態以外にも、図示は略すが、シール機構35の環状部材36の外周にゴム製の円筒状部材を配置し、環状部材36の両側にゴム製のシート状部材を配置しても良い。
【符号の説明】
【0063】
11 開口部
12 シリンダ
13 ピストンロッド
14 ロッドガイド
22 内フランジ部(開口側端部)
31,78,79 溝部
36 環状部材
37 オイルシール
45,52,53 Oリング(外周側シール)
56 角リング(外周側シール)
58,59,61 クッション(外周側シール)
67 外側シールリップ部(外周側シール)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に開口部を有するシリンダと、
一端が前記シリンダの開口部から突出するピストンロッドと、
前記シリンダの開口側に設けられて前記ピストンロッドを案内する筒状のロッドガイドと、
前記ロッドガイドと前記シリンダの開口側端部との間に配置されるシール機構と、を含むシリンダ装置であって、
前記シール機構は、
環状部材と、
前記環状部材に設けられて外周側を密封する外周側シールと、
前記環状部材の内周側に前記ピストンロッドに摺接可能に設けられて内周側を密封する筒状のオイルシールと、からなり、
前記環状部材は前記シリンダの開口側端部と前記ロッドガイドとの間で軸方向に移動可能に設けられていることを特徴とするシリンダ装置。
【請求項2】
前記ロッドガイドの外周側には周方向に溝部が形成され、該溝部に向けて前記シリンダがカシメられて固定されていることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
【請求項1】
一端に開口部を有するシリンダと、
一端が前記シリンダの開口部から突出するピストンロッドと、
前記シリンダの開口側に設けられて前記ピストンロッドを案内する筒状のロッドガイドと、
前記ロッドガイドと前記シリンダの開口側端部との間に配置されるシール機構と、を含むシリンダ装置であって、
前記シール機構は、
環状部材と、
前記環状部材に設けられて外周側を密封する外周側シールと、
前記環状部材の内周側に前記ピストンロッドに摺接可能に設けられて内周側を密封する筒状のオイルシールと、からなり、
前記環状部材は前記シリンダの開口側端部と前記ロッドガイドとの間で軸方向に移動可能に設けられていることを特徴とするシリンダ装置。
【請求項2】
前記ロッドガイドの外周側には周方向に溝部が形成され、該溝部に向けて前記シリンダがカシメられて固定されていることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−117562(P2012−117562A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265516(P2010−265516)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
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