説明

シリンダ装置

【課題】バルブ特性の適正化を図ることが可能となるシリンダ装置の提供を目的とする。
【解決手段】バルブ部材76に設けられ、ロッドが移動したときに流体が流通する流路95と、流路95を開閉するディスクバルブ110と、ディスクバルブ110を軸方向に押圧するバネ部材111とを備え、バネ部材111が、ディスクバルブ110が流路95を閉じている状態でディスクバルブ110に当接する第1のバネ122と、ディスクバルブ110が流路95を開いている状態でディスクバルブ110に当接する第2のバネ123と、からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シリンダ装置において、バルブに形成される流路を開閉するディスクバルブをスプリングで押さえる構造のものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−34566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シリンダ装置においては、バルブ特性の適正化を図ることが求められている。
【0005】
したがって、本発明は、バルブ特性の適正化を図ることが可能となるシリンダ装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、バネ部材が、ディスクバルブが流路を閉じている状態でディスクバルブに当接する第1のバネと、前記ディスクバルブが前記流路を開いている状態で前記ディスクバルブに当接する第2のバネと、からなる構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、バルブ特性の適正化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係るシリンダ装置の第1実施形態である緩衝器の下部を示す断面図である。
【図2】本発明に係るシリンダ装置の第1実施形態である緩衝器のベースバルブを示す断面図である。
【図3】本発明に係るシリンダ装置の第1実施形態である緩衝器のバネ部材を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)のX1−X1’断面図である。
【図4】本発明に係るシリンダ装置の第1実施形態である緩衝器および従来の緩衝器の特性線図である。
【図5】本発明に係るシリンダ装置の第2実施形態である緩衝器のバネ部材を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)のX2−X2’断面図、(c)は(a)のX2−X2”断面図である。
【図6】本発明に係るシリンダ装置の第3実施形態である緩衝器のバネ部材を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)のX3−X3’断面図である。
【図7】本発明に係るシリンダ装置の第4実施形態である緩衝器のバネ部材を示す分解斜視図である。
【図8】本発明に係るシリンダ装置の第4実施形態である緩衝器のバネ部材の変形例を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
「第1実施形態」
本発明に係るシリンダ装置の第1実施形態である緩衝器を図1〜図4を参照して以下に説明する。
【0010】
図1に示すように、第1実施形態の緩衝器は、液体あるいは気体等の流体が封入されるシリンダ11を有している。このシリンダ11は、内筒12と、内筒12よりも大径で内筒12を覆うように同心状に設けられる外筒13とを有し、これら内筒12と外筒13との間にリザーバ室14が形成された二重筒構造をなしている。
【0011】
シリンダ11の内筒12内には、ピストン17が摺動可能に嵌装されている。このピストン17は、内筒12内つまりシリンダ11内に上室18と下室19とを画成している。シリンダ11内には、具体的に、上室18および下室19内に流体としての作動液が封入され、リザーバ室14内に流体としての作動液およびガスが封入されている。
【0012】
シリンダ11には、一端がシリンダ11の外部へと延出されるロッド22の他端が内筒12内に挿入されており、ピストン17は、このロッド22の内筒12内の他端にナット23によって締結されている。ロッド22の一端側は、図示は略すが、内筒12および外筒13の上端部に装着されたロッドガイドおよびオイルシールに挿通されて外部へと延出されている。
【0013】
ロッド22は、主軸部25と、シリンダ11内側の端部にあって主軸部25より小径の取付軸部26とを有しており、これにより、主軸部25には取付軸部26側の端部に軸直交方向に沿う段面27が形成されている。取付軸部26には、主軸部25とは反対側の所定範囲に上記したナット23を螺合させるオネジ28が形成されている。
【0014】
ピストン17は、シリンダ11内に嵌装されてシリンダ11内を上室18および下室19の2室に仕切る略円板状のピストンバルブ部材31と、ピストンバルブ部材31の外周面に装着されて、内筒12内を摺接する摺接部材32とを有している。ピストンバルブ部材31には、その下室19側の外周側に、軸方向に突出する円筒状突出部34が形成されている。
【0015】
ピストンバルブ部材31には、径方向の中央にロッド挿通孔35が軸方向に貫通するように形成されている。また、ピストンバルブ部材31には、その軸方向の円筒状突出部34とは反対側に、径方向のロッド挿通孔35の外側にて軸方向に突出する環状の上側取付ボス部36と、径方向の上側取付ボス部36よりも外側にて軸方向に突出する環状の内側シート部37と、径方向の内側シート部37よりも外側にて軸方向に突出する環状の外側シート部38とが形成されている。さらに、ピストンバルブ部材31には、その軸方向の円筒状突出部34側に、径方向のロッド挿通孔35の外側にて軸方向に突出する環状の下側取付ボス部40と、径方向の下側取付ボス部40よりも外側かつ円筒状突出部34よりも内側にて軸方向に突出する環状のシート部41とが形成されている。
【0016】
ここで、ピストンバルブ部材31の軸方向において、上側取付ボス部36、内側シート部37および外側シート部38は、互いに高さ位置を一致させており、また、シート部41は、下側取付ボス部40よりも突出方向の高さが若干高くなっている。
【0017】
ピストンバルブ部材31は、軸方向の一端が上側取付ボス部36と内側シート部37との間に開口し、他端が下側取付ボス部40とシート部41との間に開口して軸方向に貫通する流路穴43が、周方向に間隔をあけて複数カ所(図1では断面とした関係上1カ所のみ図示)形成されている。また、ピストンバルブ部材31には、軸方向の一端が内側シート部37と外側シート部38との間に開口し、他端がシート部41と円筒状突出部34との間に開口して軸方向に貫通する流路穴44が周方向に間隔をあけて複数カ所(図1では断面とした関係上1カ所のみ図示)形成されている。
【0018】
内側の流路穴43は、上室18と下室19との間で作動液を流通させる一方の流路45を形成している。外側の流路穴44は、上室18と下室19との間で作動液を流通させる他方の流路46を形成している。
【0019】
ピストン17は、ピストンバルブ部材31の軸方向の円筒状突出部34側に、ピストンバルブ部材31側から順に、ディスクバルブ50、スペーサ51およびバルブ規制部材52を有している。また、ピストン17は、ピストンバルブ部材31の軸方向の円筒状突出部34とは反対側に、ピストンバルブ部材31側から順に、ディスクバルブ55、スペーサ56、バネ部材57、バルブ規制部材58を有している。
【0020】
ディスクバルブ50の径方向の中央にはロッド挿通孔60が、スペーサ51の径方向の中央にはロッド挿通孔61が、バルブ規制部材52の径方向の中央にはロッド挿通孔62が、それぞれ軸方向に貫通して形成されている。ディスクバルブ50、スペーサ51およびバルブ規制部材52は、それぞれのロッド挿通孔60、ロッド挿通孔61およびロッド挿通孔62にロッド22の取付軸部26が挿通され、この状態で、ナット23とピストンバルブ部材31とによって内周側がクランプされる。
【0021】
ディスクバルブ55の径方向の中央にはロッド挿通孔63が、スペーサ56の径方向の中央にはロッド挿通孔64が、バネ部材57の径方向の中央にはロッド挿通孔65が、バルブ規制部材58の径方向の中央にはロッド挿通孔66が、それぞれ軸方向に貫通して形成されている。ディスクバルブ55、スペーサ56、バネ部材57およびバルブ規制部材58は、それぞれのロッド挿通孔63、ロッド挿通孔64、ロッド挿通孔65およびロッド挿通孔66にロッド22の取付軸部26が挿通され、この状態で、ピストンバルブ部材31とロッド22の主軸部25の段面27とによって内周側がクランプされる。
【0022】
下室19側のディスクバルブ50は、シート部41より若干大径の外径を有しており、ピストンバルブ部材31の下側取付ボス部40とシート部41とに当接して内側の流路45を閉じる。そして、ディスクバルブ50は、ロッド22がシリンダ11内から突出する突出量を増やす伸び側に移動したときにシート部41から離座して流路45を開く。これにより、ピストンバルブ部材31に設けられた内側の流路45は、ロッド22が伸び側に移動したときに流体が上室18から下室19に向け流通することになり、ディスクバルブ50は、この流路45を開閉する伸び側のディスクバルブとなっている。
【0023】
スペーサ51は、その外径が、ディスクバルブ50の外径よりも小径であって下側取付ボス部40の外径と略同径となっている。バルブ規制部材52は、その外径が、スペーサ51の外径よりも大径であってディスクバルブ50の外径よりも若干小径となっている。バルブ規制部材52は、ディスクバルブ50がシート部41から離れる方向に所定量変形したときに、ディスクバルブ50に当接してそれ以上の変形を規制する。
【0024】
上室18側のディスクバルブ55は、その外径がピストンバルブ部材31の外側シート部38よりも若干大径となっている。ディスクバルブ55には、内側シート部37との当接位置よりも径方向内側に切欠部68が形成されており、切欠部68を介して内側の流路45を常に上室18に連通させている。
【0025】
ディスクバルブ55は、ピストンバルブ部材31の上側取付ボス部36と内側シート部37と外側シート部38とに当接して外側の流路46を閉じる。そして、ディスクバルブ55は、ロッド22がシリンダ11への進入量を増やす縮み側に移動したときに外側シート部38から離座して外側の流路46を開く。これにより、ピストンバルブ部材31に設けられた外側の流路46は、ロッド22が縮み側に移動したときに流体が下室19から上室18に向け流通することになり、ディスクバルブ55は、この流路46を開閉する縮み側のディスクバルブとなっている。
【0026】
バネ部材57は、ディスクバルブ55に当接しこれを軸方向に押圧してピストンバルブ部材31に当接させる。バルブ規制部材58は、その外径が、ディスクバルブ55の外径と略同径となっている。バルブ規制部材58には、内側の流路45を切欠部68を介して上室18に常時連通させる貫通孔69が円周方向に間隔をあけて複数カ所、軸方向に貫通して形成されている。バルブ規制部材58は、ディスクバルブ55が外側シート部38から離れる方向に所定量変形したときに、ディスクバルブ55に当接してそれ以上の変形を規制する。
【0027】
外筒13は、円筒状の円筒部材72と、円筒部材72の下端に嵌合してその下端の開口部を閉塞する底蓋部材73とからなっている。底蓋部材73は、外周部で円筒部材72の内周部に嵌合されることになり、この状態で中央側ほど外側に位置するように段差状をなしている。底蓋部材73は円筒部材72に溶接により密閉状態で固定される。
【0028】
内筒12の下端部には、シリンダ11内に下室19と上記したリザーバ室14とを画成し、縮み側の減衰力を発生する減衰バルブと伸び側でリザーバ室14からシリンダ内実質的に減衰力を発生せずに油液を流すサクションバルブを有するベースバルブ71が設けられている。
【0029】
ベースバルブ71は、シリンダ11内に嵌装されてシリンダ11内を下室19およびリザーバ室14の2室に仕切る略円板状のベースバルブ部材(バルブ部材)76を有している。ベースバルブ部材76は、上部の外周部に下部よりも小径となる段差部77が形成されており、この段差部77において内筒12の下端の内周部に嵌合する。また、ベースバルブ部材76は、下部の外周側に軸方向に突出する円環状の突出足部78を有しており、この突出足部78において底蓋部材73に当接する。この突出足部78には、径方向に貫通する流路溝79が周方向に間隔をあけて複数カ所(図1では断面とした関係上1カ所のみ図示)形成されている。流路溝79によって、内筒12と外筒13との間からベースバルブ71と底蓋部材73との間までの範囲が、リザーバ室14になる。
【0030】
図2に示すように、ベースバルブ部材76には、径方向の中央にピン挿通孔81が軸方向に貫通するように形成されている。また、ベースバルブ部材76には、その軸方向の突出足部78とは反対側に、径方向のピン挿通孔81の外側にて軸方向に突出する円筒状のガイドボス部84と、径方向のガイドボス部84よりも外側にて軸方向に突出する環状の内側シート部85と、径方向の内側シート部85よりも外側にて軸方向に突出する環状の外側シート部86とが形成されている。さらに、ベースバルブ部材76には、その軸方向の突出足部78側に、径方向のピン挿通孔81の外側にて軸方向に突出する環状の下側取付ボス部88と、径方向の下側取付ボス部88よりも外側かつ突出足部78よりも内側にて軸方向に突出する環状のシート部89とが形成されている。
【0031】
ここで、ベースバルブ部材76の軸方向において、内側シート部85および外側シート部86は、互いに高さ位置を一致させており、ガイドボス部84は、これらよりも突出方向の高さ位置が高くなっている。また、シート部89は、下側取付ボス部88よりも突出方向の高さが若干高くなっている。
【0032】
ベースバルブ部材76は、軸方向の一端がガイドボス部84と内側シート部85との間に開口し、他端が下側取付ボス部88とシート部89との間に開口して軸方向に貫通する流路穴92が、周方向に間隔をあけて複数カ所(図2では断面とした関係上1カ所のみ図示)形成されている。また、ベースバルブ部材76には、軸方向の一端が内側シート部85と外側シート部86との間に開口し、他端がシート部89よりも下側取付ボス部88とは反対側に開口して軸方向に貫通する流路穴93が周方向に間隔をあけて複数カ所(図2では断面とした関係上1カ所のみ図示)形成されている。外側の流路穴93は、突出足部78の流路溝79に一部が繋がるように形成されている。
【0033】
内側の流路穴92は、下室19とリザーバ室14との間で作動液を流通させる一方の流路94を形成している。外側の流路穴93は、下室19とリザーバ室14との間で作動液を流通させる他方の流路95を形成している。
【0034】
ベースバルブ71は、取付ピン98を有しており、取付ピン98は、ベースバルブ部材76のピン挿通孔81に挿通される軸部99と、軸部99の一端に設けられたこれよりも大径の頭部100とを有している。なお、軸部99の頭部100とは反対側の他端には、加締めにより軸部99よりも大径の加締部101が形成されることになる。
【0035】
ベースバルブ71は、ベースバルブ部材76の軸方向の突出足部78側に、ベースバルブ部材76側から順に、減衰バルブとして作用するディスクバルブ103、スペーサ104およびバルブ規制部材105を有している。また、ベースバルブ71は、ベースバルブ部材76の軸方向の突出足部78とは反対側に、ベースバルブ部材76側から順に、サクションバルブとして作用するディスクバルブ110、バネ部材111、バルブ規制部材112を有している。
【0036】
ディスクバルブ103の径方向の中央にはピン挿通孔106が、スペーサ104の径方向の中央にはピン挿通孔107が、バルブ規制部材105の径方向の中央にはピン挿通孔108が、それぞれ軸方向に貫通して形成されている。ディスクバルブ103、スペーサ104およびバルブ規制部材105は、それぞれのピン挿通孔106、ピン挿通孔107およびピン挿通孔108に取付ピン98の軸部99が挿通されることになり、この状態で、取付ピン98の頭部100とベースバルブ部材76とによって内周側がクランプされる。
【0037】
ディスクバルブ110の径方向の中央にはガイド孔113が、軸方向に貫通して形成されている。ディスクバルブ110は、ガイド孔113にベースバルブ部材76のガイドボス部84が挿通され、このガイドボス部84の案内で軸方向に移動可能となっている。
【0038】
バネ部材111の径方向の中央にはピン挿通孔114が、バルブ規制部材112の径方向の中央にはピン挿通孔115が、それぞれ軸方向に貫通して形成されている。バネ部材111およびバルブ規制部材112は、それぞれのピン挿通孔114およびピン挿通孔115に取付ピン98の軸部99が挿通されることになり、この状態で、ベースバルブ部材76と取付ピン98の加締部101とによって内周側がクランプされる。
【0039】
リザーバ室14側のディスクバルブ103は、有孔円板状の複数枚の同一外径のディスクが軸方向に重ねられて構成されるもので、その外径が、シート部89の外径より若干大径となっており、ベースバルブ部材76の下側取付ボス部88とシート部89とに当接して内側の流路94を閉じる。そして、ディスクバルブ103は、図1に示すロッド22が縮み側に移動しピストン17が下室19側に移動して下室19の圧力が上昇すると、図2に示すシート部89から離座して内側の流路94を開く。これにより、ベースバルブ部材76に設けられた内側の流路94は、ロッド22が縮み側に移動したときに流体が下室19からリザーバ室14に向け流通することになり、ディスクバルブ103は、この流路94を開閉し減衰力を発生する縮み側のディスクバルブとなっている。なお、ディスクバルブ103は、ピストン17に設けられた縮み側のディスクバルブ55との関係から、主としてロッド22のシリンダ11への進入により生じる液の余剰分を排出するように下室19からリザーバ室14に液を流す機能を果たす。なお、縮み側のディスクバルブをシリンダ内圧が高くなったときに圧力をリリーフするリリーフ弁としてもよい。
【0040】
スペーサ104は、その外径が、ディスクバルブ103の外径よりも小径であって下側取付ボス部88の外径と略同一外径となっている。バルブ規制部材105は、その外径が、ディスクバルブ103の外径よりも若干小径であってシート部89と略同径となっている。バルブ規制部材105は、ディスクバルブ103がシート部89から離れる方向に所定量変形したときに、ディスクバルブ103に当接してそれ以上の変形を規制する。
【0041】
下室19側のディスクバルブ110は、その外径が、外側シート部86の外径よりも若干大径となっている。ディスクバルブ110には、内側シート部85との当接位置よりも径方向内側に切欠部116が周方向に間隔をあけて複数カ所形成されており、切欠部116は、内側の流路94を常に下室19に連通させている。ディスクバルブ110は、上記したように、ベースバルブ部材76に対し、そのガイドボス部84で案内されて軸方向に移動可能となっている。つまり、ディスクバルブ110は、内外周共にベースバルブ部材76に対してリフトする。
【0042】
ディスクバルブ110は、ベースバルブ部材76の内側シート部85と外側シート部86とに当接して外側の流路95を閉じる。そして、ディスクバルブ110は、図1に示すロッド22が伸び側に移動しピストン17が上室18側に移動して下室19の圧力が下降するとガイドボス部84に沿って移動し外側シート部86および内側シート部85から離間して流路95を開く。これにより、ベースバルブ部材76に設けられた外側の流路95は、ロッド22が伸び側に移動したときに流体がリザーバ室14から下室19に向け流通することになり、ディスクバルブ110は、この流路95を開閉する伸び側のディスクバルブとなっている。なお、ディスクバルブ110は、ピストン17に設けられた伸び側のディスクバルブ50との関係から、主としてロッド22のシリンダ11からの突出に伴う液の不足分を補うようにリザーバ室14から下室19に液を実質的に抵抗なく(減衰力が出ない程度)流す機能を果たす。
【0043】
バネ部材111は、ディスクバルブ110に当接してこれを軸方向に押圧してベースバルブ部材76に当接させる。バルブ規制部材112は、その外径が、ディスクバルブ110の外径よりも若干小径であって外側シート部86と略同径となっている。バルブ規制部材112には、軸方向に貫通して内側の流路94を切欠部116を介して下室19に常時連通させる貫通孔117が円周方向に間隔をあけて複数カ所形成されている。バルブ規制部材112は、ディスクバルブ110が内側シート部85および外側シート部86から離れる方向に所定量リフトすると、ディスクバルブ110に当接してそれ以上のリフトを規制する。
【0044】
バネ部材111は、図3に示すように、中央に円形のピン挿通孔114が形成された平坦な円板状のベース121と、ベース121の外周部から径方向外方に延出する複数カ所の一の種類の弾性脚(第1バネ)122と、ベース121の外周部から径方向外方に延出する複数カ所の他の種類の弾性脚(第2バネ)123とからなる板状のバネとなっている。一の種類の弾性脚122と、これと異なる他の種類の弾性脚123とは、それぞれ3カ所以上設けられているのが良く、ここでは、3カ所ずつ設けられている。つまり、一の種類の弾性脚122と、他の種類の弾性脚123とは、同じ数ずつ設けられている。
【0045】
一の種類の弾性脚122は、常に同じ数のものが、ベース121の円周方向に隣り合う2カ所の他の種類の弾性脚123の間に配置されるように形成されており、他の種類の弾性脚123も、常に同じ数のものが、ベース121の円周方向に隣り合う2カ所の一の種類の弾性脚122の間に配置されるように形成されている。具体的に、弾性脚122は、常にその1カ所が、ベース121の円周方向に隣り合う2カ所の弾性脚123間の中央に配置されるように形成されており、弾性脚123も、常にその1カ所が、ベース121の円周方向に隣り合う2カ所の弾性脚122間の中央に配置されるように形成されている。その結果、弾性脚122と弾性脚123とがベース121つまりバネ部材111の円周方向に1カ所ずつ交互に配置されている。
【0046】
弾性脚122は、自然状態にあるとき平坦な平板状をなしており、ベース121の径方向から見た場合、図3(b)に示すように、ベース121に対し、その径方向外方ほど軸方向の一側に位置するよう鈍角をなして傾斜状に延出する。
【0047】
また、弾性脚122は、図3(a)に示すように、基端側でベース121の円周方向の両側に位置する2カ所の基端縁部122aと、先端側の1カ所の先端縁部122bと、基端縁部122aおよび先端縁部122bを結ぶようにベース121の円周方向の両側に位置する2カ所の側縁部122cとを有している。
【0048】
両基端縁部122aは、隣り合う弾性脚123の後述する基端縁部123aに繋がり、この基端縁部123aとでベース121側に凹む円弧状をなしている。両側縁部122cは、延出先端側ほど互いに近接するように、ベース121の中心と弾性脚122の中心とを通る線に対し等角度で傾斜して直線状に延出している。先端縁部122bは、先方に突出する円弧状をなしている。よって、弾性脚122は、全体として先細の形状をなしている。
【0049】
弾性脚123は、自然状態にあるとき平坦な平板状をなしており、ベース121の径方向から見た場合、図3(b)に示すように、ベース121に対し、その径方向外方ほど、弾性脚122と同じ軸方向の一側に位置するよう鈍角をなして傾斜状に延出する。弾性脚123は、ベース121とのなす角度が、弾性脚122のベース121とのなす角度と同じとなっており、ベース121からの延出長さは、弾性脚122のベース121からの延出長さよりも短くなっている。よって、弾性脚123は、ベース121の軸方向におけるベース121からの突出高さが、弾性脚122のベース121からの突出高さよりも低くなっている。
【0050】
ここで、バネ部材111は、自然状態にあるとき、図2に示すベースバルブ部材76のガイドボス部84と、内側シート部85および外側シート部86との高さの差から、ディスクバルブ110の板厚を減算した値に対して、ベース121の軸方向におけるベース121からの突出量が、弾性脚123は小さく、弾性脚122は大きくなっている。
【0051】
また、弾性脚123は、図3(a)に示すように、基端側でベース121の円周方向の両側に位置する2カ所の基端縁部123aと、先端側の1カ所の先端縁部123bと、基端縁部123aおよび先端縁部123bを結ぶようにベース121の円周方向の両側に位置する2カ所の側縁部123cとを有している。両基端縁部123aは、隣り合う弾性脚122の基端縁部122aに繋がり、この基端縁部122aとでベース121側に凹む円弧状をなしている。両側縁部123cは、延出先端側ほど互いに近接するように、ベース121の中心と弾性脚123の中心とを通る線に対し等角度で傾斜して直線状に延出している。先端縁部123bは、両角部を除いて直線状をなしており、両角部が円弧状をなしている。よって、弾性脚123も、全体として先細の形状をなしている。
【0052】
弾性脚123のベース121の円周方向における幅は、弾性脚122のベース121の円周方向における幅よりも広くなっている。具体的には、両側縁部123c間の幅の最小値が、両側縁部122c間の幅の最大値よりも大きくなっている。
【0053】
以上から、1枚の板状のバネで構成されたバネ部材111は、弾性脚122と弾性脚123とがベース121に対する屈曲角度(つまり図3(b)に示すディスクバルブ110に向けた屈曲角度)が同一とされ、弾性脚123と比して弾性脚122の長さが長くされている。つまり、幅狭で長さが長い複数の弾性脚122と、幅広で長さが短い複数の弾性脚123とが、ベース121に対して同じ角度で傾斜して延出している。なお、弾性脚123は、弾性脚122と比して幅が大きいことから、弾性脚122よりもバネ定数が大きくなっている。バネ部材111は、具体的には、バネ鋼材からなる金属板等の1枚の板からプレス成形機で打ち抜きおよび曲げ加工が行われて上記形状に形成される。
【0054】
このような板状のバネ部材111が、図2に示すように、弾性脚122,123をベース121からディスクバルブ110側に延出させる向きで、バルブ規制部材112と、ベースバルブ部材76およびディスクバルブ110との間に配置されることになり、ベース121においてベースバルブ部材76のガイドボス部84とバルブ規制部材112とにクランプされることになる。すると、上述した高さ関係から、内側シート部85および外側シート部86に当接し流路95を閉じている閉弁状態のディスクバルブ110に対して、幅狭で長さが長い複数の弾性脚122はすべて当接して変形し、幅広で長さが短い複数の弾性脚123はすべて当接せず変形しない。このとき、弾性脚122は、ディスクバルブ110の径方向における切欠部116よりも外側であって、内側シート部85と外側シート部86との間位置に当接する。なお、図3(b)において、自然状態のバネ部材111に対し、閉弁時の位置にあるディスクバルブ110を二点鎖線で示しており、この図からも、閉弁状態のディスクバルブ110に弾性脚122が当接することがわかる。
【0055】
ここで、上記したように弾性脚122はバネ定数が小さく設定されており、より具体的には、変形してもディスクバルブ110を内側シート部85および外側シート部86に当接させるのに必要な最小限の付勢力しか発生していない。このため、ディスクバルブ110は、下室19の圧力がリザーバ室14の圧力以上であれば、弾性脚122の付勢力で流路95を確実に閉じておくことができるものの、下室19の圧力がリザーバ室14の圧力を下回ると、変形容易な弾性脚122を押圧しつつ内側シート部85および外側シート部86から離れて即座に流路95を開くことになる。なお、ディスクバルブ110は、その後、さらにリフトして弾性脚123に当接し、これを押圧し変形させて流路95をさらに開くことになる。このとき、弾性脚123は、ディスクバルブ110の径方向における切欠部116よりも外側であって、略内側シート部85の位置に当接する。弾性脚123についても、弾性脚122よりバネ定数が大きく設定されているものの、ディスクバルブ110による流路95の開放に対して抵抗となることは実質的にない。このように、ディスクバルブ110は、それ自体は、実質的に減衰力を発生しない逆止弁となっており、少なくともピストン速度が0.05m/s以下で開弁する逆止弁となっている。
【0056】
以上に述べた板状のバネ部材111は、ディスクバルブ110に向けて屈曲した弾性脚122および弾性脚123を周方向に複数備え、その一部である複数の弾性脚122が、ディスクバルブ110が流路95を閉じている状態でディスクバルブ110に当接し、他の一部である複数の弾性脚123は、ディスクバルブ110が流路95を閉じている状態ではディスクバルブ110に当接しない。弾性脚123は、ディスクバルブ110が移動して外側シート部86から離間し流路95を開くと、ディスクバルブ110に当接することになる。
【0057】
第1実施形態の緩衝器は、ロッド22がピストン17とともにシリンダ11に対し伸び側に移動すると、ロッド22がシリンダ11から突出する分、上室18ひいては下室19内の作動液の液量が減ることになる。すると、下室19の圧力がリザーバ室14の圧力よりも低くなるが、ディスクバルブ110は、バネ部材111のバネ定数が小さい弾性脚122で押圧されているのみであるため、外側シート部86および内側シート部85から即座に離間し流路95を開いて、リザーバ室14から下室19に液補給を行う。
【0058】
そして、ディスクバルブ110は、その後、バネ部材111の弾性脚123に当接し、これを変形させることになるが、弾性脚123は弾性脚122よりもバネ定数が大きいものの、バネ定数としては低いため、ディスクバルブ110の開弁の抵抗とはならず、ディスクバルブ110自体が減衰力を発生させることは実質的にない。しかしながら、行程が縮み行程に切り替わり、ロッド22のシリンダ11への進入により液が余剰となって下室19の圧力がリザーバ室14の圧力以上となると、ディスクバルブ110は、弾性脚122のみで押圧されている場合と比べて、弾性脚123の付勢力によって素早く外側シート部86および内側シート部85に当接して、流路95を閉じることになる。つまり、バネ部材111によってディスクバルブ110は、開くときには早く開き、閉じるときには早く閉じる構造となり、緩衝器における減衰力が不連続になることを抑制する。これにより、緩衝器は滑らかな減衰力特性を呈することが可能となる。
【0059】
上記した特許文献1に記載の緩衝器は、チェック弁であるディスクバルブをシート部に着座させるためにバネ部材で押さえるようになっている。このような緩衝器において、減衰力波形を滑らかにするためには、バネ部材で押圧されるディスクバルブの特性はリニアな特性であるのが好ましい。ただし、リニアな特性を目指すが故に、ディスクバルブが不必要に動くことができてしまってはディスクバルブが本来の機能を果たさない可能性がある。つまり、減衰力波形の乱れ(減衰力特性が不連続となる)を生じたり、異音が発生したり等するため、好ましくない。バネ部材の配置スペースのバラツキと、バネ部材自体のバラツキとを考慮して設計すると、図4に破線で示すように、どうしても、ディスクバルブ110のリフト量が0のときのバネ部材の初期荷重が高く出てしまい、ディスクバルブが開くことを邪魔してしまう。(初期荷重を低くすると、ばらつきによってディスクバルブ110の閉弁時に当接しない可能性もあるので、ある程度初期荷重を高くすることが必要である。)
【0060】
これに対して、第1実施形態の緩衝器によれば、バネ部材111が、ディスクバルブ110が内側シート部85および外側シート部86に当接して流路95を閉じている閉弁状態でディスクバルブ110に当接する弾性脚122と、この閉弁状態ではディスクバルブ110に当接せず、ディスクバルブ110が外側シート部86から離間して流路95を開いている開弁状態でディスクバルブ110に当接する弾性脚123とを設けた。これにより、図4に実線で示すように、バネ部材111の初期荷重は、一部の弾性脚122によって低く抑えるものの0ではないように確実に発生させる。そして、必要なバネ定数は、他の一部の弾性脚123によって発生させるようにし、これらの弾性脚123は、初期荷重を発生させないように、バラツキを考慮して、閉弁状態ではディスクバルブ110に当接しないように浮かせておく。したがって、ディスクバルブ110が不要時に動いてしまうことを防止しつつ必要時には容易に開弁可能とし、開弁後には必要なバネ定数を発生させることで行程反転後の閉じ遅れを抑制することができる。このように、バルブ特性の適正化を図ることができる。その結果、この緩衝器を車両用のサスペンション装置に設ければ、車両の走行安定性や乗り心地を向上させることができる。
【0061】
また、バネ部材111は、板状のバネであって、周方向に設けられた複数の弾性脚122,123のうち、一部の弾性脚122が閉弁状態にあるディスクバルブ110に当接し、他の一部の弾性脚123が開弁状態でディスクバルブ110に当接するため、簡素な構造で、バルブ特性の適正化を図ることができる。
【0062】
また、バネ部材111は、1枚の板状のバネであって、複数の弾性脚122と複数の弾性脚123とが、ディスクバルブ110に向けた屈曲角度を同一とし、複数の弾性脚123と比して複数の弾性脚122の長さを長くしているため、複数の弾性脚122および複数の弾性脚123の屈曲成形が容易となり、しかも正確な角度で形成することが可能となる。
【0063】
また、複数の弾性脚122と比して複数の弾性脚123のバネ定数を大きくするため、バネ部材111の初期荷重を低く抑えつつ、必要なバネ定数を発生させることができる。
【0064】
また、複数の弾性脚122と比して複数の弾性脚123の幅を大きくしてバネ定数を大きくするため、異なるバネ定数を得るための製造が容易となり、製造コストを低減することができる。
【0065】
また、ディスクバルブ110で開閉される流路95を有するベースバルブ部材76がベースバルブ71を構成するものであるため、ベースバルブ71のバルブ特性の適正化を図ることができる。
【0066】
また、バネ部材111は、ベースバルブ部材76にクランプされるため、バネ部材111の位置を安定させることができ、複数の弾性脚122を閉弁状態のディスクバルブ110に当接させること、および、複数の弾性脚123を閉弁状態のディスクバルブ110に当接させず、開弁状態のディスクバルブ110に当接させることとが、良好にできる。
【0067】
また、ディスクバルブ110が、ベースバルブ部材76に対し内外周共にリフトするため、ディスクバルブ110自体の開弁抵抗を低くでき、ディスクバルブ110をより開弁しやすくできる。
【0068】
また、ディスクバルブ110は、少なくともピストン速度が0.05m/s以下で開弁する逆止弁であるため、ディスクバルブ110をより開弁しやすくすることの効果が高くなる。
【0069】
また、ディスクバルブ110は、実質的に減衰力を発生しない逆止弁であるため、ディスクバルブ110をより開弁しやすくすることの効果が高くなる。
【0070】
「第2実施形態」
次に、第2実施形態を主に図5に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
【0071】
第2実施形態においては、図5に示すように、第1実施形態に対し小変更を行ったバネ部材111Aが用いられている。このバネ部材111Aは、第1実施形態と同様のベース121と、第1実施形態の弾性脚122に対し小変更を行った弾性脚(第1バネ)122Aと、第1実施形態の弾性脚123に対し小変更を行った弾性脚(第2バネ)123Aと、第1実施形態に対し異なる複数の弾性脚(第2バネ)130とを有している。弾性脚130は、具体的には弾性脚122Aおよび弾性脚123Aのそれぞれと同様、ベース121の外周部の3カ所に円周方向に等ピッチで形成されている。つまり、弾性脚122Aと弾性脚123Aと弾性脚130とが、ベース121つまりバネ部材111の円周方向にこの順に配置されている。
【0072】
弾性脚122Aは、弾性脚130が増えた分だけ、ベース121の円周方向における幅が狭くなり、円弧状の基端縁部122aが小さくなっている以外は、第1実施形態の弾性脚122と同様の形状をなしている。弾性脚123Aも、弾性脚130が増えた分だけ、ベース121の円周方向における幅が狭くなり、円弧状の基端縁部123aが小さくなっている以外は、第2実施形態の弾性脚123と同様の形状をなしている。
【0073】
弾性脚130は、自然状態にあるとき平坦な平板状をなしており、図5(c)に示すように、ベース121の径方向から見た場合に、ベース121に対し、その径方向外方ほど、弾性脚122Aと同じ軸方向の一側に位置するように鈍角をなして傾斜状に延出している。弾性脚130は、ベース121とのなす角度が、弾性脚122Aと同じとなっている。図5(b)に示すように弾性脚122A,123Aがベース121とのなす角度が同じであることから、弾性脚130は、ベース121とのなす角度が、弾性脚123Aとも同じとなっている。
【0074】
弾性脚130は、図5(a)に示すように、ベース121からの延出長さが弾性脚122Aよりも短く弾性脚123Aよりも長くなっている。弾性脚122A,123A,130のベース121に対する角度が同じであることから、弾性脚130は、ベース121の軸方向におけるベース121からの突出量が、弾性脚122Aより小さく、弾性脚123Aより大きくなっている。
【0075】
ここで、弾性脚130は、自然状態にあるとき、図2に示すベースバルブ部材76のガイドボス部84と、内側シート部85および外側シート部86との高さの差から、ディスクバルブ110の板厚を減算した値に対して、ベース121の軸方向におけるベース121からの突出量が小さくなっている。
【0076】
弾性脚130は、図5(a)に示すように、基端側でベース121の円周方向の両側に位置する2カ所の基端縁部130aと、先端側の1カ所の先端縁部130bと、基端縁部130aおよび先端縁部130bを結ぶようにベース121の円周方向の両側に位置する2カ所の側縁部130cとを有している。
【0077】
弾性脚130の基端縁部130aは、一方が隣り合う弾性脚122Aの基端縁部122aに繋がって、この基端縁部122aとでベース121側に凹む円弧状をなし、他方が隣り合う弾性脚123Aの基端縁部123aに繋がって、この基端縁部123aとでベース121側に凹む円弧状をなしている。両側縁部130cは、延出先端側ほど互いに近接するように、ベース121の中心と弾性脚130の中心とを通る線に対し等角度で傾斜して直線状に延出している。先端縁部130bは、両角部を除いて直線状をなしており、両角部が円弧状をなしている。よって、弾性脚130も、全体として先細の形状をなしている。弾性脚130のベース121の円周方向における幅は、弾性脚122Aの幅よりも広く、弾性脚123Aの幅よりも狭くなっている。具体的に、弾性脚130の幅は、両側縁部130c間の幅の最小値が弾性脚122Aの幅の最大値よりも大きく、両側縁部130c間の幅の最大値が弾性脚123Aの幅の最小値よりも小さくなっている。
【0078】
以上から、1枚の板状のバネで構成されたバネ部材111Aは、弾性脚122Aと弾性脚123Aと弾性脚130とがベース121に対する屈曲角度(つまりディスクバルブ110に向けた屈曲角度)が同一とされ、弾性脚123Aと比して弾性脚122A,130の長さが長くされ、弾性脚130と比して弾性脚122Aの長さが長くされている。つまり、幅狭で長さの長い複数の弾性脚122Aと、中間幅で中間長さの弾性脚130と、幅広で長さの短い複数の弾性脚123Aとが、円周方向に一定の順番で、ベース121に対して同じ角度で傾斜して延出している。なお、弾性脚130は、弾性脚122Aと比して幅が大きいことから、弾性脚122Aよりもバネ定数が大きくなっており、弾性脚123Aと比して幅が小さいことから、弾性脚123Aよりもバネ定数が小さくなっている。
【0079】
このような板状のバネ部材111Aが、弾性脚122A,123A,130をベース121からディスクバルブ110側に延出させる向きで配置され、ベースバルブ部材76とバルブ規制部材112とにクランプされることになる。すると、上述した高さ関係から、閉弁状態のディスクバルブ110に対しては、幅狭で長さが長い複数の弾性脚122Aはすべて当接して変形し、中間幅で中間長さの複数の弾性脚130および幅広で長さの短い複数の弾性脚123Aはすべて当接せず変形しない。
【0080】
以上に述べた第2実施形態の緩衝器によれば、バネ部材111Aが、ディスクバルブ110に当接する弾性脚122Aは勿論、ディスクバルブ110に当接しない、ディスクバルブ110に対する距離が異なる複数種類の弾性脚123Aおよび弾性脚130を有しているため、バルブ特性のさらなる適正化を図ることができる。
【0081】
なお、第2実施形態において、弾性脚122A,123A,130の3種類ではなく、4種類以上の延出長さの異なる弾性脚を形成しても良い。
【0082】
「第3実施形態」
次に、第3実施形態を主に図6に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
【0083】
第3実施形態においては、図6に示すように、第1実施形態に対し小変更を行ったバネ部材111Bが用いられている。このバネ部材111Bは、第1実施形態と同様のベース121と、第1実施形態の弾性脚122に対し小変更を行った弾性脚(第1バネ)122Bと、第1実施形態の弾性脚123に対し小変更を行った弾性脚(第1バネ)123Bとを有している。
【0084】
弾性脚122Bおよび弾性脚123Bは、図6(b)に示すように、ベース121からの延出長さが同じとされており、弾性脚122Bは、ベース121とのなす角度が弾性脚123Bよりも小さくなっている。言い換えれば、弾性脚122Bは、ディスクバルブ110に向けた屈曲角度が、弾性脚123Bと比して大きくなっている。これにより、弾性脚122Bは、ベース121の軸方向におけるベース121からの突出量が、弾性脚123Bよりも大きくなっている。
【0085】
ここでも、バネ部材111Bは、自然状態にあるとき、図2に示すベースバルブ部材76のガイドボス部84と、内側シート部85および外側シート部86との高さの差から、ディスクバルブ110の板厚を減算した値に対して、ベース121の軸方向におけるベース121からの突出量が、弾性脚123Bは小さく、弾性脚122Bは大きくなっている。
【0086】
以上から、1枚の板状のバネで構成されたバネ部材111Bは、弾性脚122Bおよび弾性脚123Bのベース121からの延出長さが同一とされ、ディスクバルブ110に向けた屈曲角度が、弾性脚123Bと比して弾性脚122Bが大きくされている。つまり、幅狭で屈曲角度の大きい複数の弾性脚122Bと、幅広で屈曲角度の小さい複数の弾性脚123Bとが、ベース121に対して円周方向に交互に同じ延出長さで延出している。
【0087】
このような板状のバネ部材111Bが、弾性脚122B,123Bをベース121からディスクバルブ110側に延出させる向きで配置され、ベースバルブ部材76とバルブ規制部材112とにクランプされることになる。すると、上述した高さ関係から、閉弁状態のディスクバルブ110に対しては、幅狭で屈曲角度の大きい複数の弾性脚122Bはすべて当接して変形し、幅広で屈曲角度の小さい複数の弾性脚123Bはすべて当接せず変形しない。なお、図6(b)における二点鎖線は、自然状態にあるバネ部材111Bに対し閉弁位置にあるディスクバルブ110を示している。
【0088】
以上に述べた第3実施形態の緩衝器によれば、1枚の板状のバネで構成されたバネ部材111Bは、弾性脚122Bと弾性脚123Bとがベース121からの延出長さが同一とされ、ディスクバルブ110に向けた屈曲角度が、弾性脚123Bと比して弾性脚122Bが大きくされている。このため、打ち抜き時に素材板に残る部分を減らすことができ、素材板を効率良く使用できる。
【0089】
なお、第3実施形態において、バネ部材111Bに、弾性脚122B,123Bの2種類ではなく、第1実施形態に対する第2実施形態のように種類を増やし、3種類以上の角度の異なる弾性脚を形成しても良い。また、第3実施形態において、弾性脚122Bおよび弾性脚123Bのベース121に対する屈曲角度に加えて、第1実施形態のように、弾性脚122Bおよび弾性脚123Bのベース121からの延出長さを異ならせても良い。
【0090】
「第4実施形態」
次に、第4実施形態を主に図7に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
【0091】
第4実施形態においては、図7に示すように、第1実施形態に対し異なるバネ部材111Cが用いられている。このバネ部材111Cは、第1の構成体(第1のバネ)131と、第2の構成体(第2のバネ)132とからなっている。第1の構成体131は、第1実施形態のベース部121と同様のベース121Cの外周部から第1実施形態の弾性脚122に対し小変更を行った弾性脚122Cのみが延出しており、第2の構成体132は、第1実施形態のベース部121と同様のベース121C’の外周部から第1実施形態の弾性脚123に対し小変更を行った弾性脚123Cのみが延出している。
【0092】
弾性脚122Cおよび弾性脚123Cは、幅がほぼ等しく形成されている。そして、第1の構成体131は、第2の構成体132よりも板厚が薄くなっており、これにより、弾性脚122Cのバネ定数が、弾性脚123Cのバネ定数よりも小さくなるようになっている。
【0093】
そして、バネ部材111Cは、第1の構成体131と第2の構成体132とが、ベース121Cに対する弾性脚122Cの屈曲方向と、ベース121C’に対する弾性脚123Cの屈曲方向とを同じ方向とし、第2の構成体132のベース121C’に対する弾性脚123Cの屈曲側に、第1の構成体131が配置されるようにして、ベース部121C,121C’同士を重ね合わせる。その際に、弾性脚122Cと弾性脚123Cとがベース121C,121C’つまりバネ部材111Cの円周方向に交互となり、しかも、弾性脚122Cが、隣り合う2カ所の弾性脚123C間の中央に配置され、弾性脚123Cが、隣り合う2カ所の弾性脚122C間の中央に配置されるように、位相が合わせられる。
【0094】
これにより、ディスクバルブ110(図2参照)に向けて屈曲した弾性脚122Cを周方向に複数備える板状のバネからなる第1の構成体131と、ディスクバルブ110に向けて屈曲した弾性脚123Cを周方向に複数備える板状のバネからなる第2の構成体132とを重ね合わせてバネ部材111Cが構成されている。
【0095】
第1の構成体131と第2の構成体132とが上記のように重ね合わせられた状態で、ベース121C,121C’の軸方向における第2の構成体132の弾性脚123Cの第1の構成体131のベース121Cからの突出量は、第1の構成体131の弾性脚122Cのベース121Cからの突出量よりも小さくなるように設定されている。
【0096】
ここでも、バネ部材111Cは、自然状態にあるとき、図2に示すベースバルブ部材76のガイドボス部84と、内側シート部85および外側シート部86との高さの差から、ディスクバルブ110の板厚を減算した値に対して、ベース121C,121C’の軸方向におけるベース121Cからの突出量が、弾性脚123Cは小さく、弾性脚122Cは大きくなっている。
【0097】
そして、ベース121Cからの突出量が上記設定された量となるように、図7に示すように、弾性脚122Cのベース121Cに対する屈曲角度と、弾性脚123Cのベース部121C’に対する屈曲角度とを同じとして、弾性脚122Cのベース121Cからの延出長さを長く、弾性脚123Cのベース121C’からの延出長さを短くする。
【0098】
なお、この場合は、弾性脚122Cの基端となるベース121Cと、弾性脚123Cの基端となるベース部121C’とが軸方向にずれることになるため、弾性脚122Cと弾性脚123Cとで、上記屈曲角度および上記延出長さを両方とも同じとすることも可能になる。あるいは、弾性脚122Cおよび弾性脚123Cで上記延出長さを同じとして上記屈曲角度を異ならせたり、上記延出長さおよび上記屈曲角度の両方を異ならせることも可能である。
【0099】
このような2枚の第1の構成体131と第2の構成体132とからなるバネ部材111Cが、上記した設定位相となるように重ね合わせられ、弾性脚122C,123Cをベース121Cからディスクバルブ110側に延出させる姿勢で、ベースバルブ部材76とバルブ規制部材112とにクランプされることになる。すると、上述した高さ関係から、閉弁状態のディスクバルブ110に対しては、第1の構成体131の複数の弾性脚122Cはすべて当接して変形し、第2の構成体132の複数の弾性脚123Cはすべて当接せず変形しない。
【0100】
以上に述べた第4実施形態の緩衝器によれば、バネ部材111Cが、複数の弾性脚122Cを周方向に複数備える板状のバネである第1の構成体131と、複数の弾性脚123Cを周方向に複数備える板状のバネである第2の構成体132とを重ね合わせて構成されるため、それぞれ単独で板厚を変更したり、素材を変更したりすることができる。したがって、上記のように第2の構成体132に板厚が厚いバネ定数が高いものを用いたりすることができ、バルブ特性のさらなる適正化を図ることができる。
【0101】
なお、第4実施形態において、第1の構成体131,132の2枚ではなく、それぞれが弾性脚を有する3枚以上の構成体でバネ部材を構成しても良い。
【0102】
加えて、図8に示すように、閉弁状態のディスクバルブ110に当接して変形する第1の構成体をコイルスプリング(第1のバネ)141で構成し、これと、上記のようにディスクバルブ110に向けて屈曲した弾性脚123Cを周方向に複数備える板状のバネである第2の構成体132とを組み合わせても良い。このように構成すれば、バルブ特性を別途変更可能となる。なお、図8における二点鎖線は、自然状態にあるコイルスプリング141に対し、閉弁位置にあるディスクバルブ110を示している。
【0103】
以上の第1〜第4実施形態で述べたバネ部材を、図1に示すロッド22の他端に締結されるピストン17のバネ部材57に適用することも可能である。つまり、ピストンバルブ部材31に設けられた流路46を開閉するディスクバルブ55を軸方向に押圧するバネ部材57に、以上の第1〜第4実施形態で述べたバネ部材111,111A,111B,111Cの構成を適用しても良い。このように構成すれば、ピストン17のバルブ特性の適正化を図ることが可能となる。
【0104】
以上に述べた実施形態は、流体が封入されるシリンダと、該シリンダ内に嵌装され、該シリンダ内を少なくとも2室に仕切るバルブ部材と、一端が前記シリンダの外部へ延出されるロッドと、前記バルブ部材に設けられ、前記ロッドが移動したときに流体が流通する流路と、該流路を開閉するディスクバルブと、該ディスクバルブを軸方向に押圧するバネ部材と、を備えたシリンダ装置であって、前記バネ部材は、前記ディスクバルブが前記流路を閉じている状態で前記ディスクバルブに当接する第1のバネと、前記ディスクバルブが前記流路を開いている状態で前記ディスクバルブに当接する第2のバネと、からなる。これにより、バネ部材の初期荷重は、第1のバネによって低く抑えるものの0ではないように発生させることができる。そして、必要なバネ定数は、第2のバネによって発生させるようにし、第2のバネは、初期荷重を発生させないように、バラツキを考慮して、閉弁状態ではディスクバルブに当接しないように浮かせておくことができる。したがって、ディスクバルブが不要時に動いてしまうことを防止しつつ必要時には容易に開弁可能とし、開弁後には必要なバネ定数を発生させることで行程反転後の閉じ遅れを抑制することができる。このように、バルブ特性の適正化を図ることができる。
【0105】
また、前記バネ部材は前記ディスクバルブに向けて屈曲した弾性脚を周方向に複数備える板状のバネであって、前記複数の弾性脚の一部が前記第1のバネを構成し、前記複数の弾性脚の他の一部が前記第2のバネを構成している。これにより、簡素な構造で、バルブ特性の適正化を図ることが可能となる。
【0106】
また、前記バネ部材は1枚の板状のバネで構成され、前記第2のバネと比して前記第1のバネは、前記ディスクバルブに向けた屈曲角度が大きい。これにより、打ち抜き時に素材板に残る部分を減らすことが可能となり、素材板を効率良く使用することが可能となる。
【0107】
また、前記バネ部材は1枚の板状のバネで構成され、前記第1のバネと前記第2のバネとは、前記ディスクバルブに向けた屈曲角度を同一とし、前記第2のバネと比して前記第1のバネの長さを長くする。これにより、第1のバネおよび第2のバネの屈曲成形が容易となり、しかも正確な角度で形成することが可能となる。
【0108】
また、前記第1のバネと比して前記第2のバネのバネ定数を大きくする。これにより、バネ部材の初期荷重を低く抑えつつ、必要なバネ定数を発生させることができる。
【0109】
また、前記第1のバネと比して前記第2のバネの幅を大きくする。これにより、異なるバネ定数を得るための製造が容易となり、製造をコストを低減することができる。
【0110】
また、前記第1のバネを前記ディスクバルブに向けて屈曲した弾性脚を周方向に複数備える板状のバネで構成し、前記第2のバネを前記ディスクバルブに向けて屈曲した弾性脚を周方向に複数備える板状のバネで構成し、前記バネ部材は、前記第1のバネと前記第2のバネとを重ね合わせて構成されている。これにより、第1のバネおよび第2のバネを、それぞれ単独で板厚を変更したり素材を変更したりすることができる。したがって、バルブ特性のさらなる適正化を図ることができる。
【0111】
また、前記第1のバネをコイルスプリングで構成し、前記第2のバネを前記ディスクバルブに向けて屈曲した弾性脚を周方向に複数備える板状のバネで構成している。これにより、バルブ特性を別途変更可能となる。
【0112】
また、前記バルブ部材は前記ロッドの他端に締結されるピストンを構成している。これにより、ピストンのバルブ特性の適正化を図ることが可能となる。
【0113】
また、前記バルブ部材はベースバルブを構成している。これにより、ベースバルブのバルブ特性の適正化を図ることが可能となる。
【0114】
また、前記バネ部材は、前記バルブ部材にクランプされてなる。これにより、バネ部材の位置を安定させることができ、第1のバネを閉弁状態のディスクバルブに当接させること、および、第2のバネを開弁状態のディスクバルブに当接させることとが、良好にできる。
【0115】
また、前記ディスクバルブは、内外周共にリフトする。これにより、ディスクバルブをより開弁しやすくできる。
【0116】
また、前記ディスクバルブは、少なくともピストン速度が0.05m/s以下で開弁する逆止弁である。これにより、ディスクバルブをより開弁しやすくすることの効果が高くなる。
【0117】
また、前記ディスクバルブは、実質的に減衰力を発生しない逆止弁である。これにより、ディスクバルブをより開弁しやすくすることの効果が高くなる。
なお、本実施の形態では、バルブとしてディスクバルブを用いた例を示したが、これに限らず、ポペット弁などを用いても良い。
【符号の説明】
【0118】
11 シリンダ
17 ピストン
18 上室(室)
19 下室(室)
22 ロッド
71 ベースバルブ
76 ベースバルブ部材(バルブ部材)
95 流路
110 ディスクバルブ
111,111A,111B,111C バネ部材
122,122A,122B,122C 弾性脚(第1のバネ)
123,123A,123B,123C 弾性脚(第2のバネ)
131 第1の構成体(第1のバネ)
132 第2の構成体(第2のバネ)
141 コイルスプリング(第1のバネ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が封入されるシリンダと、
該シリンダ内に嵌装され、該シリンダ内を少なくとも2室に仕切るバルブ部材と、
一端が前記シリンダの外部へ延出されるロッドと、
前記バルブ部材に設けられ、前記ロッドが移動したときに流体が流通する流路と、
該流路を開閉するバルブと、
該バルブを軸方向に押圧するバネ部材と、
を備えたシリンダ装置であって、
前記バネ部材は、
前記バルブが前記流路を閉じている状態で前記バルブに当接する第1のバネと、
前記バルブが前記流路を閉じている状態では前記バルブに当接せず、前記流路を開いている状態で前記バルブに当接する第2のバネと、
からなることを特徴とするシリンダ装置。
【請求項2】
前記バネ部材は前記バルブに向けて屈曲した弾性脚を周方向に複数備える板状のバネであって、
前記複数の弾性脚の一部が前記第1のバネを構成し、前記複数の弾性脚の他の一部が前記第2のバネを構成してなることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
【請求項3】
前記バネ部材は1枚の板状のバネで構成され、
前記第2のバネと比して前記第1のバネは、前記バルブに向けた屈曲角度が大きいことを特徴とする請求項2に記載のシリンダ装置。
【請求項4】
前記バネ部材は1枚の板状のバネで構成され、
前記第1のバネと前記第2のバネとは、前記バルブに向けた屈曲角度を同一とし、前記第2のバネと比して前記第1のバネの長さを長くすることを特徴とする請求項2に記載のシリンダ装置。
【請求項5】
前記第1のバネと比して前記第2のバネのバネ定数を大きくすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシリンダ装置。
【請求項6】
前記第1のバネと比して前記第2のバネの幅を大きくすることを特徴とする請求項5に記載のシリンダ装置。
【請求項7】
前記第1のバネを前記バルブに向けて屈曲した弾性脚を周方向に複数備える板状のバネで構成し、
前記第2のバネを前記バルブに向けて屈曲した弾性脚を周方向に複数備える板状のバネで構成し、
前記バネ部材は、前記第1のバネと前記第2のバネとを重ね合わせて構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
【請求項8】
前記第1のバネをコイルスプリングで構成し、
前記第2のバネを前記バルブに向けて屈曲した弾性脚を周方向に複数備える板状のバネで構成したことを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
【請求項9】
前記バルブ部材は前記ロッドの他端に締結されるピストンを構成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシリンダ装置。
【請求項10】
前記バルブ部材はベースバルブを構成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシリンダ装置。
【請求項11】
前記バネ部材は、前記バルブ部材にクランプされてなることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のシリンダ装置。
【請求項12】
前記バルブは、内外周共にリフトすることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のシリンダ装置。
【請求項13】
前記バルブは、少なくともピストン速度が0.05m/s以下で開弁する逆止弁であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のシリンダ装置。
【請求項14】
前記バルブは、実質的に減衰力を発生しない逆止弁であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のシリンダ装置。
【請求項15】
前記バルブはディスクバルブであることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載のシリンダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−29133(P2013−29133A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164363(P2011−164363)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】