説明

シリンダ錠の保護装置

【課題】夜間等の周囲が暗い状態のときのシャッターの操作性を向上させることができるシリンダ錠の保護装置を提供する。
【解決手段】シリンダ錠のキー孔の上方に設けられるハウジング1と、ハウジング1内において閉塞位置と開放位置との間で移動可能とされ、キー孔を開閉するシャッター2と、閉塞位置にあるシャッター2の所定部位と係止してロックするマグネット錠3と、シャッター2の所定部位と対向させることによりマグネット錠3による係止を解いて当該シャッター2に対するロックを解除可能なマグネットキーMKとを具備し、シリンダ錠を保護し得るシリンダ錠の保護装置において、シャッター2におけるマグネットキーMKとの対向面は、外部の光を光エネルギとして吸収し得るとともに当該吸収した光を発散可能な蓄光材料が形成されたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二輪車等に装備されるシリンダ錠の破壊等を防止し得るシリンダ錠の保護装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、第三者によるはさみやドライバ等のキー孔への差し込みで二輪車等のシリンダ錠がいたずらされて破壊されるのを防止するために、例えば特許文献1で開示されたシリンダ錠の保護装置が提案されている。かかる保護装置は、キー孔を閉状態とする閉塞位置から当該キー孔を開状態とする開放位置まで回動可能なシャッターと、シャッターを閉塞位置で係止させる磁石を有し、当該磁石が係止することによりシャッターを閉塞位置でロックさせつつキー孔を閉塞させるマグネット錠と、マグネット錠の磁石と対向し得る磁石を有し、当該磁石の磁気によってマグネット錠の磁石による係止を解き、シャッターに対するロックを解除するマグネットキーとを具備していた。
【0003】
然るに、マグネット錠によるロックを解除するには、マグネットキーの磁石が形成された面をシャッターの所定部位(マグネット錠の磁石による係止が行われる部位)に対向させ、当該マグネット錠の磁石をアンロック位置まで移動させてシャッターとの係止を解くよう構成されている。かかる係止が解かれた状態を維持しつつマグネットキーを所定方向に回動させれば、シャッターを閉塞位置から開放位置まで移動させることができ、キー孔が開放された状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−239581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のシリンダ錠の保護装置においては、夜間等の周囲が暗い状態のとき、マグネットキーの磁石が形成された面をシャッターの所定部位(マグネット錠の磁石による係止が行われる部位)に対向させるのが困難となってしまうという問題があった。即ち、夜間等の周囲が暗い状態のときは、シャッターの被係止部位である所定部位を目視するのが容易でないため、当該所定部位を視認しつつマグネットキーを対向させるのが困難とされ、シャッターの操作性が悪くなってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、夜間等の周囲が暗い状態のときのシャッターの操作性を向上させることができるシリンダ錠の保護装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、シリンダ錠のキー孔の上方に設けられるハウジングと、該ハウジング内で閉塞位置と開放位置との間で移動可能とされ、前記キー孔を開閉するシャッターと、閉塞位置にある前記シャッターの所定部位と係止してロックするロック手段と、前記シャッターの所定部位と対向させることにより前記ロック手段による係止を解いて当該シャッターに対するロックを解除可能な解錠手段とを具備し、シリンダ錠を保護し得るシリンダ錠の保護装置において、前記シャッターにおける前記解錠手段との対向面は、外部の光を光エネルギとして吸収し得るとともに当該吸収した光を発散可能な蓄光材料が形成されたことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のシリンダ錠の保護装置において、前記蓄光材料は、シート状部材上に塗布されるとともに、当該蓄光材料が塗布されたシート状部材が前記シャッターにおける前記解錠手段との対向面に固定されたことを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のシリンダ錠の保護装置において、前記解錠手段における前記シャッターの所定部位との対向面は、外部の光を光エネルギとして吸収し得るとともに当該吸収した光を発散可能な蓄光材料が形成されたことを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか1つに記載のシリンダ錠の保護装置において、前記キー孔を照明する照明手段を具備するとともに、前記シャッターにおける前記解錠手段との対向面に形成された蓄光材料が当該照明手段による照明で蓄光され得ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、シャッターにおける解錠手段との対向面は、外部の光を光エネルギとして吸収し得るとともに当該吸収した光を発散可能な蓄光材料が形成されたので、蓄光材料から発散される光によってシャッターにおける対向面を容易に視認させることができ、夜間等の周囲が暗い状態のときのシャッターの操作性を向上させることができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、蓄光材料は、シート状部材上に塗布されるとともに、当該蓄光材料が塗布されたシート状部材がシャッターにおける解錠手段との対向面に固定されたので、シャッターにおける対向面に蓄光材料を容易に形成させることができるとともに、既存のシリンダ錠の保護装置にも容易に適用させることができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、解錠手段におけるシャッターの所定部位との対向面は、外部の光を光エネルギとして吸収し得るとともに当該吸収した光を発散可能な蓄光材料が形成されたので、夜間等の周囲が暗い状態のときのシャッターの操作性を更に向上させることができる。
【0014】
請求項4の発明によれば、キー孔を照明する照明手段を具備するとともに、シャッターにおける解錠手段との対向面に形成された蓄光材料が当該照明手段による照明で蓄光され得るので、当該蓄光材料をより確実に光らせることができ、夜間等の周囲が暗い状態のときのシャッターの操作性をより確実に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るシリンダ錠の保護装置を示す平面図
【図2】同シリンダ錠の保護装置を示す正面図、底面図及び右側面図
【図3】図1におけるIII−III線断面図
【図4】同シリンダ錠の保護装置におけるシャッターを示す平面図及び裏面図
【図5】同シリンダ錠の保護装置におけるマグネットキーを示す平面図及び正面図
【図6】同シリンダ錠の保護装置におけるマグネットキーによる操作(シャッターが開放位置)を示す模式図
【図7】同シリンダ錠の保護装置におけるマグネットキーによる操作(シャッターが閉塞位置)を示す模式図
【図8】本発明の他の実施形態に係るシリンダ錠の保護装置を示す平面図
【図9】同シリンダ錠の保護装置を示す斜視図
【図10】図8におけるX−X線断面図
【図11】同シリンダ錠の保護装置を車両のダッシュボードに組み付けた状態を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係るシリンダ錠の保護装置は、二輪車が具備するシリンダ錠のキー孔上方に設けられ、該キー孔を外側から開閉可能とすることによりシリンダ錠を保護し得るもので、図1〜図5に示すように、ケース1a及びカバー1bで構成されるハウジング1と、シャッター2と、ロック手段としてのマグネット錠3と、解錠手段としてのマグネットキーMK(図5参照)と、シート状部材6とから主に構成されている。
【0017】
ケース1aは、例えばダイカスト成形品から成るものであり、図3に示すように、車両のシリンダ錠Sの上部に嵌め込まれ、当該シリンダ錠S内のロータRに形成されたキー孔Raを上方に臨ませ得る挿通孔1aaが形成されるとともに、上方に向かって凸形状とされたボス部Bが一体形成されている。かかるボス部Bは、マグネット錠3を構成する複数の磁石4及びスプリング5が収容された収容穴1abが複数(本実施形態においては4つ)形成されるとともに、その外周面でOリング10を介してシャッター2の円環状部2eを回動自在に嵌合し得るようになっている。
【0018】
シリンダ錠Sは、内部にロータRを回動自在に保持するとともに、当該ロータRに形成されたキー孔RaにイグニッションキーIKのキー部IKa(図5参照)を挿通しつつ所定方向に回転操作すると、所定の電気回路が形成され、車両のエンジンを始動させ得るよう構成されている。尚、図中符号Lは、イグニッションキーIKのキー部IKaをキー孔Raに挿通しつつエンジン始動時とは逆方向に回転操作すると突出し、車両のハンドルバーをロックし得るロックバーを示している。
【0019】
カバー1bは、所定のダイカスト成形品から成り、ケース1aの上面側を覆って該ケース1aとの間に形成される内部空間にシャッター2等のシリンダ錠の保護装置の構成部品を収容するためのもので、挿通孔1aaと対応した位置に形成されてイグニッションキーIK(図5参照)のキー部IKaをキー孔Raに挿通させ得る孔1baと、マグネットキーMKを挿通させ得る孔1bbがそれぞれ形成されている。
【0020】
シャッター2は、図4に示すように、非磁性体材料を所定形状に形成して成るものであり、ハウジング1内で回動することにより閉塞位置(図7参照)と開放位置(図6参照)との間で移動可能とされ、キー孔Raを開閉するためのものである。より具体的には、シャッター2は、磁石4が嵌入し得る係止穴2aと、縁壁2cに囲まれた所定形状の対向面2bと、閉塞面2dとが一体的に形成されている。
【0021】
係止穴2aは、シャッター2がボス部Bに取り付けられた状態で且つ当該シャッター2が閉塞位置にあるとき、スプリング5で上方に付勢された磁石4が嵌入することにより当該シャッター2を係止し得るもので、これによりシャッター2が閉塞位置にてロック(開放位置に対する移動の規制)されることとなる。即ち、シャッター2が開放位置から閉塞位置に至ると、係止穴2aがマグネット錠3(ロック手段)を構成する磁石4と対応した位置となり、当該磁石4にて係止されてロックされるとともに、閉塞面2dが孔1baを塞いだ位置となり、キー孔Raを覆って保護した状態とされ得るのである。
【0022】
対向面2bは、シャッター2の所定部位(具体的には、係止穴2aが形成された部位の反対の面)に形成された平面から成り、縁壁2cに囲まれて方向性を有した所定形状とされている。かかる対向面2bにマグネットキーMKを対向させた状態にて当接(本実施形態においては、シート状部材6を介して当接)させることにより、マグネット錠3によるシャッター2に対するロックが解除されるようになっている。
【0023】
マグネットキーMKは、マグネット錠3によるロックを解除し、シャッター2を閉塞位置から開放位置まで移動させるためのものであり、本実施形態においては、図5に示すように、イグニッションキーIKにおける樹脂製の把持部IKbに一体成形された部位から成る。このマグネットキーMKは、シャッター2の対向面2bと対向する対向面aを有しており、当該対向面aは、シャッター2の対向面2bの形状(即ち、縁壁2cの内周形状)に合致した形状とされることにより当該縁壁2cに嵌合可能とされている。かかるマグネットキーMKには、マグネット錠3の磁石4に対応する位置に磁石Mが複数配設されており、これら磁石4は、マグネットキーMKの対向面aをシャッター2の対向面2bに対向させた状態で、磁石4の上面側の極と異なる極がそれぞれ対向するように配設されている。
【0024】
これにより、シャッター2が閉塞位置にてロックされた状態において、マグネットキーMKを縁壁2c内に嵌合させてその対向面aを対向面2bに対向させると、磁石4とマグネットキーMK内の磁石Mとの反発力により、磁石4がスプリング5の付勢力に抗して下降し、係止が解かれてシャッター2に対するロックが解除されるのである。この状態のままマグネットキーMKを回転させれば、縁壁2cとの嵌合でシャッター2が連れ回されて開放位置まで回動(図6参照)し得るよう構成されている。
【0025】
ハウジング1のケース1aには、スプリング8にて上方に付勢されたスチールボール7が配設されており、シャッター2が開放位置に至ると、当該シャッター2の所定部位に形成された穴部に当該スチールボール7が嵌り込み、開放位置でシャッター2を保持し得るようになっている。尚、開放位置にあるシャッター2の縁壁2cにマグネットキーMKを嵌合させつつ回転させれば、当該シャッター2が閉塞位置まで連れ回しされる(図7参照)こととなり、上述の如く、マグネット錠3にてロックされることとなる。
【0026】
シート状部材6は、シャッター2におけるマグネットキーMK(解錠手段)との対向面2bに貼着等にて固定されたもので、その表面(カバー1bにおける孔1bbから外部に臨ませた面)に蓄光材料が塗布されて成るものである。蓄光材料は、所謂夜光塗料と呼ばれるもので、太陽光などの外部の光を光エネルギとして吸収して一時的に蓄積し得るとともに当該吸収した光を徐々に発散可能なものである。
【0027】
より具体的には、蓄光材料は、例えばZnSCuを主成分とした緑色に発光するもの、或いはSrMgSiを主成分とした青色に発光するもの等を使用することができ、下地が白色のシート状部材6の表面に刷毛やスプレー等にて塗布される。尚、残光時間が比較的長いことから、蓄光材料としてZnSCuを主成分とした緑色に発光するものを使用するのが好ましい。シート状部材6は、蓄光材料が塗布された状態でシャッター2の縁壁2c内側の形状(即ち、対向面2bの形状)に倣った形状に切断(トリミング)され、当該対向面2bに接着剤等で接着されるものであり、例えばシート状の可撓性部材を用いるのが好ましい。而して、マグネットキーMKを縁壁2c内に嵌合させると、当該マグネットキーMKの対向面aがシート状部材6と当接しつつシャッター2の対向面2bと対向することとなる。
【0028】
更に、本実施形態においては、マグネットキーMK(解錠手段)におけるシャッター2の所定部位(対向面2b)との対向面aは、上記と同様の蓄光材料が形成されている。より具体的には、かかる蓄光材料は、シート状部材6と同様の構成から成るシート状部材9の表面に塗布されるとともに、図5に示すように、当該蓄光材料が塗布されたシート状部材9は、マグネットキーMK(解錠手段)の対向面aに接着剤等で接着されている。
【0029】
上記実施形態によれば、シャッター2におけるマグネットキーMK(解錠手段)との対向面2bは、外部の光を光エネルギとして吸収し得るとともに当該吸収した光を発散可能な蓄光材料が形成(具体的には、蓄光材料が塗布されたシート状部材6が配設)されたので、蓄光材料から発散される光によってシャッター2における対向面2bを容易に視認させることができ、夜間等の周囲が暗い状態のときのシャッター2の操作性を向上させることができる。
【0030】
また、本実施形態に係る蓄光材料は、シート状部材6上に塗布されるとともに、当該蓄光材料が塗布されたシート状部材6がシャッター2におけるマグネットキーMK(解錠手段)との対向面2bに固定されたので、シャッター2における対向面2bに蓄光材料を容易に形成させることができるとともに、既存のシリンダ錠の保護装置にも容易に適用させることができる。
【0031】
更に、マグネットキーMK(解錠手段)におけるシャッター2の所定部位(対向面2b)との対向面aは、外部の光を光エネルギとして吸収し得るとともに当該吸収した光を発散可能な蓄光材料が形成されたので、夜間等の周囲が暗い状態のときのシャッター2の操作性を更に向上させることができる。特に、本実施形態においては、対向面2bが方向性を有して形成されているので、マグネットキーMKを当該方向性に合致した状態とすべく視認させることが容易とされる。
【0032】
尚、本実施形態においては、蓄光材料は、シート状部材9上に塗布されるとともに、当該蓄光材料が塗布されたシート状部材9がマグネットキーMK(解錠手段)におけるシャッター2の所定部位(対向面2b)との対向面aに接着剤等で固定されているので、マグネットキーMKに蓄光材料を容易に形成させることができるとともに、既存のシリンダ錠の保護装置にも容易に適用させることができる。
【0033】
次に、本発明の他の実施形態に係るシリンダ錠の保護装置について、図8〜11に基づいて説明する。
本実施形態に係るシリンダ錠の保護装置は、図11に示すように、二輪車のダッシュボードPに配設され、上記実施形態と同様、シリンダ錠のキー孔の上方に設けられるハウジング1と、ハウジング1内で閉塞位置と開放位置との間で移動可能とされ、キー孔を開閉するシャッターと、閉塞位置にあるシャッターの所定部位と係止してロックするマグネット錠(ロック手段)と、シャッターの所定部位と対向させることによりマグネット錠(ロック手段)による係止を解いて当該シャッターに対するロックを解除可能なマグネットキーMK(解錠手段)とを具備している。そして、シャッターにおけるマグネットキー(解錠手段)との対向面2bには、上記実施形態で示した如き蓄光材料が形成されている。
【0034】
ここで、本実施形態においては、ダッシュボードPにおける保護装置近傍(本実施形態においては保護装置の上部)を膨出させた膨出部12が形成され、当該膨出部12に照明手段としてのLED11が取り付けられている。このLED11は、図10に示すように、車体側から延設されたハーネス13(電線)に接続されて通電可能とされており、例えば車両のエンジンが駆動中に通電されることにより点灯し、キー孔Raを照明し得るとともに、シャッターにおけるマグネットキーMK(解錠手段)との対向面2bに形成された蓄光材料に光を照射するようになっている。
【0035】
而して、対向面2bに形成された蓄光材料がLED11(照明手段)による照明で蓄光させることができるので、キー孔Raに対するイグニッションキーIKの挿通をより容易に行わせることができるとともに、当該蓄光材料をより確実に光らせることができ、夜間等の周囲が暗い状態のときのシャッターの操作性をより確実に向上させることができる。特に、膨出部12を形成し、その膨出部12に照明手段としてのLED11を配設させて光を照射しているので、より効率よく且つ確実に、対向面2bに形成された蓄光材料に対して蓄光させることができる。尚、照明手段は、LEDに限定されず、キー孔Raを照明するための汎用的な種々発光手段としてもよい。
【0036】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、本実施形態に係るシャッター2は、閉塞位置と開放位置との間を回動して移動するものとされているが、閉塞位置と開放位置との間を摺動(スライド)して移動するものに適用してもよい。更に、シャッター2を常時、閉塞位置に付勢する付勢手段と、シャッターを開放位置にて係止させる係止手段等を具備させ、押しボタン等の操作手段による操作で係止手段による係止を解き、シャッターを閉塞位置に移動させるものに適用してもよい。この場合、押しボタン等の操作手段に対する操作でシャッター2を閉塞位置まで移動できるとともに、夜間等の周囲が暗い状態のときのシャッターのロック解除時の操作性をより確実に向上させることができる。
【0037】
また、本実施形態においては、シート状部材6、9に蓄光材料を塗布してシャッター2の対向面2b或いはマグネットキーMKの対向面に当該シート状部材6、9を固定させているが、当該シャッター2の対向面2b或いはマグネットキーMKの対向面に対して直接、蓄光材料を塗布するようにしてもよい。また更に、本実施形態においては、ロック手段としてのマグネット錠と、解錠手段としてのマグネットキーとを具備しているが、当該マグネット錠及びマグネットキーを他の形態のもの(磁石によってシャッターを係止してロックさせるもの以外の形態)としてもよい。尚、本実施形態においては二輪車に適用されているが、他の車両に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
シャッターにおける解錠手段との対向面は、外部の光を光エネルギとして吸収し得るとともに当該吸収した光を発散可能な蓄光材料が形成されたシリンダ錠の保護装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用できる。
【符号の説明】
【0039】
1…ハウジング
2…シャッター
2b…(シャッターの)対向面
3…マグネット錠(ロック手段)
4…磁石
5…スプリング
6…シート状部材
7…スチールボール
8…スプリング
9…シート状部材
10…LED(照明手段)
11…膨出部
13…ハーネス
MK…マグネットキー(解錠手段)
M…磁石
a…(マグネットキーの)対向面
S…シリンダ錠
R…ロータ
Ra…キー孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ錠のキー孔の上方に設けられるハウジングと、
該ハウジング内で閉塞位置と開放位置との間で移動可能とされ、前記キー孔を開閉するシャッターと、
閉塞位置にある前記シャッターの所定部位と係止してロックするロック手段と、
前記シャッターの所定部位と対向させることにより前記ロック手段による係止を解いて当該シャッターに対するロックを解除可能な解錠手段と、
を具備し、シリンダ錠を保護し得るシリンダ錠の保護装置において、
前記シャッターにおける前記解錠手段との対向面は、外部の光を光エネルギとして吸収し得るとともに当該吸収した光を発散可能な蓄光材料が形成されたことを特徴とするシリンダ錠の保護装置。
【請求項2】
前記蓄光材料は、シート状部材上に塗布されるとともに、当該蓄光材料が塗布されたシート状部材が前記シャッターにおける前記解錠手段との対向面に固定されたことを特徴とする請求項1記載のシリンダ錠の保護装置。
【請求項3】
前記解錠手段における前記シャッターの所定部位との対向面は、外部の光を光エネルギとして吸収し得るとともに当該吸収した光を発散可能な蓄光材料が形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシリンダ錠の保護装置。
【請求項4】
前記キー孔を照明する照明手段を具備するとともに、前記シャッターにおける前記解錠手段との対向面に形成された蓄光材料が当該照明手段による照明で蓄光され得ることを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載のシリンダ錠の保護装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−220021(P2011−220021A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91847(P2010−91847)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(000213954)朝日電装株式会社 (184)
【Fターム(参考)】