説明

シンチレータパネルの製造方法、放射線撮像装置および放射線検出システム

【課題】温湿度耐久による電気化学的腐食の発生を抑制する。
【解決手段】蛍光体層と、前記蛍光体層を支持するための基材と、前記蛍光体層と前記基材との間に配置された反射層と、を備えたシンチレータパネルの製造方法は、前記基材の上に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層の端部をマスキングした状態で前記絶縁層の上に前記反射層を形成する工程と、前記反射層の上に前記蛍光体層を形成する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンチレータパネルの製造方法、放射線撮像装置及び放射線検出システムに関し、特に、産業用非破壊検査や、医療用のX線撮像装置などの放射線撮像装置及びそれに用いるシンチレータパネル、放射線検出システムに関する。
【0002】
なお、本明細書においては、放射線の範ちゅうにはX線、α線、β線、γ線などの種々の電磁波を含むものとして説明する。
【背景技術】
【0003】
近年、医療機業界のデジタル化が加速しており、レントゲン撮影の方式もコンベンショナルなフィルムスクリーン方式からX線デジタルラジオグラフィー方式へのパラダイムシフトが進んでいる。
【0004】
X線デジタルラジオグラフィー方式のレントゲン撮影用のX線検出装置には、アモルファスシリコンなどを用いたフォトセンサー及びTFTを有する光電変換素子部を備えたセンサパネルと、柱状の蛍光体よりなる蛍光体層及び蛍光体層で発光した可視光をセンサパネル側へ反射させる金属薄膜などの反射膜を備えたシンチレータとを、透明な接着剤よりなる接着層によって接着したものがある。
【0005】
このようなX線検出装置は、センサパネルの素子構成やシンチレータの蛍光体材料の制約を受けることなく、さまざまなものを用途に応じて組み合わせることが可能である。
【0006】
つぎに、X線検出装置の動作について説明する。まず、装置本体にX線が入射されると、このX線は、反射層を透過し、蛍光体層で吸収される。その後、蛍光体層は吸収したX線に応じた強度の可視光を発光する。可視光は光電変換素子部のフォトセンサーで電気信号に変換され、TFTのオン/オフの切り替えに応じて外部に出力される。こうして、入射したX線情報を2次元のデジタル画像に変換している。
【0007】
ここで、シンチレータを構成する基材にアモルファスカーボンなどがよく用いられている。その理由は、(1)アモルファスカーボン等がガラスやアルミニウムに比べ、X線の吸収が少ないため、より多くのX線を蛍光体層側へ送ることができるからである。たとえば、各材料を実用的な厚み(日本電気硝子製OA−10ガラス板:0.7mm、Al板:0.5mm、アモルファスカーボン板:1mm)にした場合には、どの材料もフォトンエネルギー60keV以上ならば90%以上の透過率を確保できるが、OA−10ガラス板は60keV以下、Al板は35keV以下で、急激に透過率が低下する。一方、他の材料よりも厚いにもかかわらず、アモルファスカーボン板は20keVまで95%以上を確保するので、医療で使用されるX線のエネルギー領域では、ほぼフラットな透過率特性を示すことが可能である。
【0008】
(2)アモルファスカーボン等が耐薬品性に優れているからである。アモルファスカーボンは、フッ酸などの強酸や、溶剤に対しても侵食されることはない。
【0009】
(3)アモルファスカーボン等が耐熱性に優れているからである。アモルファスカーボンは、ガラスやアルミニウムよりも高い耐熱性を有する。
【0010】
(4)アモルファスカーボン等の導電性がよいからである。アモルファスカーボンは、導電率がσ=2.4×10-2Ω-1cm-1なので、電磁シールドとしても機能するし、製造時の静電気対策としても機能する。
【0011】
(5)アモルファスカーボン等の熱膨張係数がガラスと近いため、貼り合わせ後の膨張率の差による剥がれ等の心配が少ないからである。一般的に用いられるパネルガラスの熱膨張係数は、4.6×10-6だが、アモルファスカーボンはそれに近い2.0×10-6である。
【0012】
また、反射層を用いる理由は、アモルファスカーボン等の反射率が対空気層では約20%と低いため、金属薄膜からなる反射層を設けることによって、光の利用効率を向上させるためである。
【0013】
反射層としてアルミニウムを材料として用いる理由は、(1)アルミニウムが、可視光のほぼ全域に渡って高い反射率を示すからである。なお、詳細は、Journal of the optical society of America,vol45,no.11,p945,1955に詳しい。
【0014】
(2)アルミニウムが安価だからである。
【0015】
(3)蒸着した薄膜は鏡面が得られやすいので、乱反射による解像力の乱れを生じることが少ないからである。
【0016】
また、シンチレータは、具体的に以下のような手法により製造する。まず、表面を鏡面に研磨されたアモルファスカーボンなどの基材を洗浄し、スパッタ等でアルミニウム薄膜を成膜するアルミニウム薄膜は厚すぎると表面の凹凸によって乱反射を起こし、薄すぎると光が透過してしまうので、通常、厚みは100nm〜500nmとしている。
【0017】
つぎに、蒸着によって柱状の蛍光体層をアルミニウム薄膜上に蒸着する。この時のプロセス温度は200℃を超える。つぎに、周りに保護層を形成し、シンチレータを完成する。
【0018】
しかし、これらの技術では、アモルファスカーボンなどからなる基材に形成した反射層の上にアルカリハライド蛍光体、たとえばCsIを形成すると、数日の内に腐食が開始することが我々の検討から判明した。この原因としては、CsI中のハロゲン、つまりヨウ素が、反射層の材料であるアルミニウムを腐食させることが考えられる。
【0019】
従って、これを防止する一つの方法として、反射層の表面側に保護層を設けてみたが、反射層と基材との接触がある限り、本件のような短期間で発生する腐食は抑制できないこともわかった。
【0020】
また、このような問題は基材の材料としてガラスを用い、反射層の材料としてアルミニウムを用いた場合には発生が極端に抑制されることもわかった。従って、もう一つの原因として、アモルファスカーボンやシリコンなどと、アルミニウムなどという異種の導電性材料を積層したことによる電気化学的腐食が考えられる。
【0021】
ここで、特開昭53−122356号公報には、基板の全面にアルミニウム蒸着膜を介して沃化セシウムよりなる蛍光体を設ける旨の記載があるが、この公報に記載されている技術では、上記電気化学的腐食を防止することができない。
【0022】
また、特開平10−160898号公報には、腐食の防止のために、光反射層の蛍光体が設けられていない側に保護膜としてPET(ポリエチレンテレフタレート)を設ける旨が記載されているが、PETは200℃を超える蛍光体形成プロセスに耐えうる材料でないので、アモルファスカーボンやシリコン、アルミニウムという異種の導電性材料を積層したことによる電気化学的腐食を抑制するものではない。
【0023】
そこで、シンチレータパネルの電気化学的腐食を防止策として、本件出願人は特願2001−31164において、以下ような対策を提案した。
【0024】
すなわち、蛍光体層を支持するための基材と、前記蛍光体層で変換された光を光電変換素子側へ反射させる反射層との間に該反射層の腐食を防止する絶縁層を形成するものである。
【0025】
具体的には、シンチレータパネルは、たとえばアモルファスカーボン基材と、絶縁層と、反射層と、蛍光体層と、保護層とが順次積層されたものである。
【0026】
絶縁層の物理的性質としては、体積抵抗率が1×1010Ωcm以上、耐熱温度として、200℃以上であり、シリコンを含む材料か、金属酸化膜か、耐熱性樹脂よりなる単層、又はそれらいずれかの材料の積層膜が望ましい。
【0027】
絶縁層に用いる耐熱性樹脂としては、ポリイミド、ジビニルシロキサンビスベンゾブテン系樹脂、メチルシルセスキオキサン系樹脂、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、芳香族ポリエステルなどであることが望ましい。
【0028】
絶縁層に、耐熱性絶縁樹脂を用いる場合は、アモルファスカーボンの凹凸差が0.02μmから5μm程度とすることが望ましい。
【0029】
また、絶縁層をたとえば化学気相成長法(CVD法)で複数形成する場合には、各層を気体を変えて連続して形成すると、各層間の密着度を高めることができて好ましい。
【0030】
反射層は、アルミニウム、銀、銅又は金を含む材料からなる。また、光電変換素子は、アモルファスシリコン又はクリスタルシリコンからなることが好ましい。
【0031】
さらに、シンチレータは、例えばアモルファスカーボン基材などを研磨する工程と、アモルファスカーボン基材などを洗浄する工程と、アモルファスカーボン基材などに絶縁層を形成する工程と、絶縁層に反射層を形成する工程と、反射層に蛍光体を形成する工程と、上記各層を覆うように保護層を形成する工程とによって製造されている。
【0032】
絶縁層は、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法、プラズマ重合法、スピンナー法又はスプレー法で形成している。なお、基材の表面を粗し、その表面に絶縁層を形成すると、密着度が増すので好ましい。
【0033】
ここで、絶縁層に200℃以上の耐熱性を必要とする理由は、蛍光体を形成する際に一般的に必要とされる温度が200℃以上に達するためであり、このような耐熱性を備えておけば、絶縁層の形成工程以外は、従来の放射線検出装置の製造工程をそのまま用いることができるので好ましい。
【0034】
この電気化学的腐食の防止策によれば、図6のようなシンチレータパネルの構成になる。
【0035】
図6は、導電性基材501上に絶縁層502、さらにその上に反射層503、蛍光体層504と積層していき、最後に全周を保護層505で保護している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0036】
図6により、電気化学的腐食の対策は取られたが、図6での構成の場合、温度70℃、90%の温湿度耐久試験を行うと、1000hで、ほぼ10%(10枚中1枚)の確率で、一部電気化学的腐食の発生が見られた。
【0037】
この原因としては、以下に挙げることが考えられる。図6(a)はシンチレータパネルの断面図、図6(b)は図6(a)のシンチレータパネルの端部の拡大図である。
【0038】
絶縁層502上に反射層503が形成されているが、絶縁層の形成エリア(形成領域)と反射層の形成エリア(形成領域)が等しく、図6(b)からわかる通り、端面がそろって形成されている。
【0039】
このように、端面がそろって形成されていることにより、以下のような問題が発生する。
(1)反射層の回り込み図7(a)は、従来の絶縁層502と反射層503の形成を示したものである。本来、絶縁層502は、金属性の反射層503と導電性の基材501を絶縁する為に設けられ、絶縁を行うことにより、反射層503の電気化学的腐食を防ぐが、金属性反射層503を形成する際に使用するスパッタは、ターゲットから飛び出した金属反射層粒子が、基材501及び絶縁層502の端面および裏面に、ある範囲で回り込む場合がある。
【0040】
その為、図7(a)のように、反射層503が基材501及び絶縁層502の端面511に回りこみ、基材501と反射層503が導通してしまう。
【0041】
このような、基材端面511の導通は、温湿度耐久試験を行うことにより、電気化学的腐食が見られる。
(2)水分による導通図7(b)も従来の絶縁層502と反射層503の形成方法である。
【0042】
基材501と絶縁層502及び反射層503を積層していき、蛍光体層504を形成する際、もしくは、反射層保護膜を形成していく際に洗浄を行うことがある。蛍光体層504を形成する際、異物上に形成してしまうと、その領域で発光量が減少するからであり、また反射層保護膜の場合も同様の理由である。
【0043】
洗浄の際、基材501端面に水分512が付着すると反射層503と基材501の間で導通してしまい、電気化学的腐食の原因となる。
【0044】
また、温湿度耐久試験の際も、保護膜を通じ湿気が端面に付着すると電気化学的腐食が促進される。
(3)反射層の密着力図8(a)は、従来の基材501/絶縁層502/反射層503の形成を示したものである。
【0045】
反射層503を大面積に渡り形成する際、中心から端面へ向かうに従い、絶縁層502に対する反射層503の密着力は弱くなる。(図の端部514部)
これは、通常、反射層をスパッタする際、基材501/絶縁層502からターゲットまでの距離が、基材501/絶縁層502の中心部で最も近く、また、基材501/絶縁層502の端部が最も遠くなる為であると考えられる。(ターゲットの大きさ<基材501/絶縁層502と考えた場合)その為、端部514の絶縁層502と反射層503との間の密着力が弱いため、この間からの剥がれることがあり、また、端部514を起点にし、剥がれが内部方向へ進行することがある。
(4)表面(表皮)電流によるリーク図8(b)は、従来の基材501/絶縁層502/反射層503の構成を示したものである。
【0046】
従来の構成では、基材501/絶縁層502/反射層503もしくは、絶縁層502/反射層503の形成エリア(大きさ)が同じであり、端面が揃っている。
【0047】
その為、導電性の基材501と反射層503の距離が端面515では、絶縁層502の厚み分しか離れていない。例えは、絶縁層502の厚みが1μmの場合は、端面515での基材501−反射層503の距離は1μmである。
【0048】
基材501/絶縁層502/反射層503の端面515には、微小な表面(表皮)電流が流れる。その表面電流は、導電性である基材501と反射層503間に流れるのだが、その大きさは、基材501と反射層503の距離に反比例し、距離が長い程表面電流は流れ難くなる。
【0049】
また、電気化学的腐食は、導電性である基材501と反射層503の間に電流が流れることにより発生する。その為、基材501と反射層503の距離を可能な限り広げる必要がある。
【0050】
電気化学的腐食に対する温湿度耐久性を向上させるには、以上(1)〜(4)までの原因を解決することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0051】
本発明のシンチレータパネルは、蛍光体層を支持するための基材と、前記蛍光体層で変換された光を該基材側とは反対の側へ反射させる反射層とを備えたシンチレータパネルにおいて、前記基材と前記反射層との間に該反射層の腐食を防止する絶縁層を形成し、さらに該反射層の形成領域よりも該絶縁層の形成領域を大きくしたことを特徴とする。
【0052】
また、本発明のシンチレータパネルは、蛍光体層を支持するための基材と、前記蛍光体層で変換された光を該基材側とは反対の側へ反射させる反射層とを備えたシンチレータパネルにおいて、反射層の基材面側及び蛍光体層側及び端面を含める全周を絶縁層もしくは反射層保護膜で覆うことを特徴とする。
【0053】
以下、本発明について図面を用いて説明する。
【0054】
図9(a),(b)、図10(a),(b)は、電気化学的腐食防止効果をより高めるための手段である。
【0055】
図9(a)、(b)のように導電性基材501/絶縁層502上に反射層503を形成する際、反射層503を絶縁層502端面に対し、隙間518を開けて形成する。
【0056】
反射層の隙間を開ける手段は、あらかじめ、絶縁層502上にテープを張りマスキングする手法や、スパッタ時に冶具を用いてマスキングする手法、また、後で、端面のみエッチッグしてもかまわない。
【0057】
それにより、導電性の基材501と反射層503との間に距離が開き、回り込みによる導通や水分吸着による導通、表面電流も距離が長くなることにより抵抗が増し、導電性の基材501と反射層503との絶縁効果が高まる。
【0058】
図10(a)、(b)は、図9(a)、(b)の構成のものに対し、反射層503上に反射層保護層508を形成した例である。
【0059】
この例のように、反射層503の全周を樹脂等の絶縁性材料で囲むことにより電気化学的腐食の発生は軽減され、特に端面を絶縁層502及び反射層保護層508で覆うことにより、外部からの導通の要因、例えば水分や異物等を完全に防ぐことが可能になる。
【0060】
また、端部のみ絶縁を強化したい場合には、反射層保護層508と絶縁層502に同材料を用い端部の密着を良くしたり、端部のみプラズマ処理やコロナ放電処理によりヌレ性を高め密着をよくすることも可能である。
【0061】
また、端部の面を粗面化することによっても、凹凸の分だけ、基材−反射層間の距離が長くなるので、表面電流は流れにくくなる。
【0062】
このほかにも、反射層自体ではなく、導電性基材をディッピング等の手法で、絶縁層により全周覆うことも効果的な手法である。
【発明の効果】
【0063】
以上説明したように、本発明によれば、(1)反射層形成時の回り込みや吸着水分による反射層と基材の導通を抑え、温湿度耐久による電気化学的腐食の発生を抑制することができる。
(2)反射層の全周を絶縁層および反射層保護膜で覆うことにより、反射層の剥がれを抑制することができる。
(3)反射層−導電性基材間の距離を空けることにより、表面電流による電気化学的腐食の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態1の放射線検出装置の模式的な断面図である。
【図2】本発明の実施形態2のシンチレータパネルの模式的な断面図である。
【図3】本発明の実施形態3のシンチレータパネルの模式的な断面図である。
【図4】本発明の実施形態4のシンチレータパネルの模式的な断面図である。
【図5】本発明の実施形態5のシンチレータパネルの模式的な断面図である。
【図6】本発明に関連するシンチレータパネルの模式的な断面図である。
【図7】図6に示すシンチレータパネルの課題を説明するための図である。
【図8】図6に示すシンチレータパネルの課題を説明するための図である。
【図9】本発明のシンチレータの構成を示す模式的な断面図である。
【図10】本発明のシンチレータの構成を示す模式的な断面図である。
【図11】本発明の実施形態6のX線診断システムへ模式的な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0066】
まず、本発明の実施形態の放射線検出装置の原理について簡単に説明する。本発明の実施形態の放射線検出装置は、シンチレータパネルを構成するアモルファスカーボンなどの基材と、腐食されやすいアルミニウムなどの反射層との間に、反射層の電気化学的な腐食を防止する絶縁層であって、耐熱性を有する層を形成する。
【0067】
すなわち絶縁層は、反射層や蛍光体などの形成プロセス時に高温状態となるような場合には耐熱性を有する必要がある。
【0068】
導電性を有する材料としては、カーボンを成分として有するものが用いられ、特にアモルファスカーボンが好適に利用される。
【0069】
絶縁層は、たとえば200℃以上の熱に耐えられるようにしておけば、反射層やアルカリハライドからなる柱状結晶蛍光体などの蛍光体層を形成する際にかかる熱に耐えられるようになる。
【0070】
また、絶縁層は、単層でも多層でもよいが、少なくとも反射層との接触部に相当する絶縁層の体積抵抗率が1×1010Ωcm以上であることが望ましい。これは、体積抵抗率が、ほぼ1×108Ωcm以下までは半導体の領域であり、この領域であれば、状態の変化たとえば、温度の上昇などによって、抵抗率が変化する可能性があり、完全な絶縁を得ることは難しいので、これにマージンを含んだ値としたものである。ちなみに、半導体のシリコン単体の体積抵抗率は3×105Ωcm、GaAsでは7×107Ωcmである。
【0071】
シリコンの化合物を形成すれば、光学バンドギャップが広くなり体積抵抗率が1×1010Ωcm以上の絶縁物となる。ちなみに、SiOX、SiNXなどは全てこれを満足する材料である。さらに、このようなシリコン化合物はカーボンと化学結合しやすく、SiCなどは非常に硬い材料であることが知られている。
【0072】
半導体分野では配線材料としてAl及びAl合金薄膜が一般的に用いられており、シリコン化合物との密着は半導体デバイスとして実績がある。一方、プラズマ重合より得られるテトラアルキルシラン(Si−OR、R=CH3、C25、C37)は、1×1010Ωcm以上の絶縁性があり、カーボンを主体とした有機材料と金属とのカップリング層として実用化されているものである。
【0073】
この材料はプラズマ重合により形成されるので、アルキル基の炭素数が1〜3程度であれば、200℃以上の耐熱性も有するものである。つまり、シリコンを含む材料は導電性を有する基材と反射層との間の絶縁耐熱層として機能するし、密着性もよい。
【0074】
金属酸化膜は、安定した絶縁物質なので、ほとんどは、1×1010Ωcm以上の体積抵抗率と200℃以上の耐熱性を有する。ちなみに、Al23、SiO2、TiO2、MgO、BeO、CeO、HfO2、ThO2、UO2、ZrO2などを具体的に用いることができる。但し、これらは、組成比が変化すると半導体転移を示すものもあるため、組成比が変化しないようにする。
【0075】
また、ポリイミド、ジビニルシロキサンビスベンゾブテン系樹脂、メチルシルセスキオキサン系樹脂、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、芳香族ポリエステルなどは、全て体積抵抗率1×1010Ωcm以上で、200℃以上の耐熱性を有する絶縁材料である。これらの耐熱性樹脂を使用する場合は、シリコンを含む材料を用いる場合に比べ、膜厚を厚くできるので、下地の粗れやゴミによる絶縁破壊を起こす可能性が減少する。
【0076】
ちなみに、シリコンを含む材料を用いる場合は自身の内部応力の影響から厚くしすぎることはできないため、一般的には数10nm〜数100nmにするのが適切であるが、耐熱性樹脂は数100nm〜数10000nmの範囲で制御が可能である。さらに、これらの樹脂はカーボンを含むため、カーボンとの密着性は良好であるが、下地を凹凸差が0.02μm以上に粗らしてアンカー効果をもたせることで、更に密着力を向上させることが可能である。
【0077】
その際、樹脂の表面は平坦化されるので、反射層の平坦性を確保し、鏡面を維持することが可能である。但し、凹凸差が5μmを超えると、上記の平坦化効果が減少してしまうので、0.02μmから5μmに納まるようにするとよい。Alとの密着性に関しては、弱い組み合わせもあるが、Al成膜前に何らかの表面処理、たとえば逆スパッタを行なえば密着力が向上する。
【0078】
これらシリコンを含む材料、金属酸化膜、及び耐熱性樹脂はどちらも密着力のよいものであるが、更なる効果をもたせるにために、これらから選ばれる複数の材料を積層してもかまわない。この場合は、少なくとも金属薄膜と接触する層に1×1010Ωcm以上の絶縁性を持たせればよく、その下の層の抵抗率を問うものではない。
【0079】
また、アモルファスカーボンとの接触層はできる限りアモルファスカーボンとの密着性の高い材料を、Alとの接触層はできる限りAlとの密着性の高い材料を選ぶとよい。もしも、積層する層同士の密着性が悪くなる場合は、組成を漸進的に変化させるとよい。
【0080】
(実施形態1)図1(a)〜(e)は、本発明の実施形態1の放射線検出装置の模式的な断面図である。
【0081】
図1(a)において、シンチレータを形成する為の基材には、導電性でX線の吸収の少ないアモルファスカーボン101を使用し、表面粗さ=0.2μmに粗し、この上に積層する絶縁層との密着力をアンカー効果により高める。このアモルファスカーボン上101に絶縁層を設けるのだが、絶縁層の材料は、耐熱性が200℃以上で、体積抵抗率が1×1010Ω以上であるポリイミド樹脂102を使用する。
【0082】
ポリイミド樹脂102は、スピンコート法により、厚さが5μmになるよう塗布・キュアする。
【0083】
図1(b)は、アモルファスカーボン101/ポリイミド樹脂102上に反射層を形成する際の模式図である。
【0084】
反射層材料としては、可視光域ほぼ全域において高反射率を示すアルミニウム103をスパッタする。
【0085】
スパッタする際は、基板ホルダー104により、図1(e)に示すようにアモルファスカーボン101/ポリイミド樹脂102の外周端部105を6mmマスキングできるようにしておく。
【0086】
このように、基板ホルダー104により、外周部をマスキングし、アルミニウム103の形成エリア(形成領域)を限定し、アモルファスカーボン101/ポリイミド樹脂102の端部に回り込まないようにすることにより、アルミニウム103とアモルファスカーボン101の距離を空けることができる。
【0087】
それにより、アルミニウム103の回り込みによるアモルファスカーボン101とアルミニウム103との絶縁を確保し、さらに水分吸着による導通や表面電流の影響を緩和することができる。
【0088】
図1(c)は、図1(b)の基板にアルカリハライドからなる柱状結晶蛍光体、例えばCsI(ヨウ化セシウム)107を蒸着し、その後、基板全体を保護層としてパリレン108で覆ったものである。
【0089】
CsI(ヨウ化セシウム)107の蒸着は、真空蒸着により行い、その際基板温度が200℃前後まで上昇するが、絶縁層に耐熱性のポリイミド樹脂102を使用しているため、溶解によるアモルファスカーボン101及びアルミニウム102間の絶縁破壊は起こらない。
【0090】
また、保護層としてのパリレン108は、透過率が高く、又透湿度の低い材料で、蛍光体層−センサパネル間に形成する材料としては適した材料で、CVD(化学気相成長法)により基板全周をコーティングする。
【0091】
図1(d)に示すように、このようにしてできたシンチレータパネル120を熱硬化型アクリル系樹脂118によりセンサパネルに貼り合わせ放射線撮像装置となる。
【0092】
図1(d)において、90はセンサパネルであり、ガラス基板91と、アモルファスシリコンを用いたフォトセンサー及びTFTからなる光電変換素子部92と、光電変換素子部92で変換された電気信号を伝送する配線部93と、配線部93を伝送された電気信号を外部に取り出す電極取り出し部94と、窒化シリコン等よりなる第一の保護層95と、ポリイミド等よりなる第二の保護層96とを備えている。
【0093】
センサパネル90とシンチレータ120とは、接着剤118により貼り合わされ、その周囲を封止材109によって封止されている。なお、光電変換素子部92は、蛍光体層107からの可視光を検知できる物であればよく、センサーとしてはアモルファスシリコンなどからなるMIS型のものやPIN型のもの、スイッチとしては、TFTやPIN型ダイオードスイッチのものでもよい。更にはCMOSセンサーやCCD撮像素子を用いてもかまわない。この場合、基板101はクリスタルシリコンを用いることになる。
【0094】
また、図1に示す放射線撮像装置を用途に応じて複数枚タイリングしてもよい。さらに、シンチレータパネル120は、図1の上から、基材101、絶縁層102、反射層103、蛍光体107の順になるように積層している場合を例に図示しているが、反射層103、絶縁層102、基材101、蛍光体107の順になるように積層してもよい。
【0095】
本実施形態では、絶縁層102としてポリイミドの例を示したが、これ以外にもジビニルシロキサンビスベンゾブテン系樹脂、メチルシルセスキオキサン系樹脂、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、芳香族ポリエステル等を用いてもよい。さらに、基材101に用いる材料との密着性のよい樹脂であれば粗らす必然性はない。
【0096】
絶縁層102として上記のような有機材料を用いれば厚く(数μm〜20μm)形成することができるので、異物等による絶縁破壊に対しては強い構造となるというメリットと、基材101を鏡面研磨する必要がない分、コストが安いというメリットがある。
【0097】
(実施形態2)図2(a)、(b)は、本発明の実施形態2のシンチレータパネルの模式的な断面図である。図2(b)は図2(a)の一部121の拡大図である。
【0098】
基材・反射層・絶縁層の使用する材料及び形成方法は、実施形態1と同様である。
【0099】
実施形態2では、反射層としてのアルミニウム102を基板ホルダーによりマスキングしながらスパッタした後、その上層に反射層保護膜として絶縁層と同じ材料のポリイミド樹脂119をスピンコートにより形成する。
【0100】
このように、反射層としてのアルミニウム103を、絶縁層としてのポリイミド樹脂102及び反射層保護膜としてのポリイミド樹脂119で両面覆うことにより、同時にアルミニウム103の端面も覆われる為、アモルファスカーボン101との絶縁を強めることができる。
【0101】
また、絶縁層としてのポリイミド樹脂102と反射層保護膜としてのポリイミド樹脂119のようにアルミニウム103を挟みこむ際に、同材料を使用することにより、端部122での絶縁層と反射層保護膜の密着を高めることができ、アルミニウムの剥がれを防止できる。
【0102】
(実施形態3)図3は、本発明の実施形態3のシンチレータパネルの模式的な断面図である。
【0103】
実施形態3は、実施形態2と層構成は同じで、基材/絶縁層/反射層/反射層保護膜/蛍光体層/保護層の構成であり、使用材料も実施形態2と同様である。
【0104】
実施形態3では、反射層保護層としてのポリイミド樹脂123を形成する前に、端部123にヌレ性及び密着性を高める為に、プラズマ124によりプラズマ処理を行う。
【0105】
プラズマ処理を行うことにより、粗面効果・清掃効果・活性化が行われ、この後塗る反射層保護層としてのポリイミド樹脂のヌレ性を高めることができ、より、端部123の密着をよくし、反射層−基材間の絶縁を高められる。
【0106】
また、プラズマ処理以外にも、コロナ放電処理やIPA等の溶剤で清掃することによっても密着性は高まる。
【0107】
(実施形態4)図4(a)〜(c)は、本発明の実施形態4のシンチレータパネルの模式的な断面図である。
【0108】
実施形態4では、実施形態2および3と層構成および材料は同様である。
【0109】
実施形態4では、図4(a)のように、基材となるアモルファスカーボン125の端面に曲率半径Rとなるように面取りを行う。
【0110】
実施形態4では、アモルファスカーボン125の厚み1mmに対し面取り126を行い曲率半径R=3mmとしている。
【0111】
このようにアモルファスカーボン125の端面を面取りすることにより、まず、絶縁層を形成する際にポリイミド樹脂127の端面への流れが良くなり、面取りをしないときには、塗れなかった端面にポリイミド樹脂127を塗れることができるようになる。
【0112】
それにより、アモルファスカーボン125とアルミニウム103との距離をより長く空けることができる。
【0113】
また、上層に形成する反射層保護層のポリイミド樹脂128も端面へ回り込むため、下地のポリイミド樹脂127との接着距離(面積)も増し、より絶縁が強化される。129はCsI(ヨウ化セシウム)を蒸着して作成された蛍光体層、130は保護層としてパリレンである。
【0114】
(実施形態5)図5(a)〜(d)は、本発明の実施形態5のシンチレータパネルの模式的な断面図である。
【0115】
実施形態5では、図5(a)に示すように基材であるアモルファスカーボン130に絶縁層としてのポリイミド樹脂131を形成する際、ディッピングにより行う。ディッピングにより絶縁層のポリイミド樹脂131を形成するメリットは、アモルファスカーボン130の全周に、耐熱性絶縁層のポリイミド樹脂131をコーティングできることである。
【0116】
このように、アモルファスカーボン130の全周にポリイミド樹脂131をコーティングすることによって、基材側の絶縁を行うことにより、図5(b)に示すように、アルミニウム等の反射層132の形成時において、マスキングしながらのスパッタを行わずに済み、蛍光体層の有効エリアをより広くとることができる。
【0117】
図5(c)では、その反射層アルミニウム132上にさらにディッピングにより、ポリイミド樹脂133を全周に渡り形成し、その後、図5(d)に示すように蛍光体層CsI134を基板に対しほぼ全面に形成している。そして、保護層135としてのパリレンを形成する。このようにして、シンチレータパネル136を形成する。
【0118】
図6に示した形態(基材/絶縁層/反射層/蛍光体層/保護層の構成で、反射層が絶縁層端面まで形成されている)、実施形態1、実施形態2のそれぞれを、シンチレータパネル単体で同時に温湿度耐久試験を行った際の結果を表1に記載する。
【0119】
表1から明らかなように、図6の形態に比べ、実施形態1、2の方が耐久性がよく、また、実施形態2が最も耐久性が高いことがわかる。
【0120】
【表1】

【0121】
※条件:温度=70℃、湿度=90%※評価はアルミニウムの電気化学的腐食が発生した時間であり、目視で判定を行った。(斑点模様の発生有無)
(実施形態6)図11は、本発明の実施形態6のX線診断システムへ模式的な構成を示すブロック図である。X線チューブ6050で発生したX線6060は患者あるいは被験者6061の胸部6062を透過し、蛍光体を上部に実装した光電変換装置6040に入射する。この入射したX線には患者6061の体内部の情報が含まれている。X線の入射に対応して蛍光体は発光し、これを光電変換して電気的情報を得る。この情報は、ディジタルに変換されイメージプロセッサ6070により画像処理され制御室のディスプレイ6080で観察できる。
【0122】
また、この情報は電話回線6090等の伝送手段により遠隔地へ転送でき、別の場所のドクタールームなどディスプレイ6081に表示もしくは光ディスク等の保存手段に保存することができ、遠隔地の医師が診断することも可能である。またフィルムプロセッサ6100によりフィルム6110に記録することもできる。
【0123】
なお、本実施形態では、放射線検出装置を、X線診断システムへ適用する場合について説明したが、たとえば非破壊検査装置などの放射線撮像システムにも適用することができる。
【符号の説明】
【0124】
101 アモルファスカーボン(基材)
102 ポリイミド樹脂(絶縁層)
103 アルミニウム(反射層)
104 基板ホルダー
105 アルミニウムのスパッタ時のマスキングエリア
106 アルミニウム(スパッタ時の方向)
107 CsI(ヨウ化セシウム)
108 パリレン(保護層)
109 シンチレータパネル
110 センサパネル
111 ガラス基板
112 光電変換素子
113 配線部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光体層と、前記蛍光体層を支持するための基材と、前記蛍光体層と前記基材との間に配置された反射層と、を備えたシンチレータパネルの製造方法であって、
前記基材の上に絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層の端部をマスキングした状態で前記絶縁層の上に前記反射層を形成する工程と、
前記反射層の上に前記蛍光体層を形成する工程と、
を含むことを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
【請求項2】
前記反射層を形成する工程において、前記基材と前記絶縁層は保持部材により保持されており、前記保持部材により前記絶縁層の端部をマスキングした状態で前記反射層が形成されることを特徴とする請求項1に記載のシンチレータパネルの製造方法。
【請求項3】
前記反射層を形成する工程と前記蛍光体層を形成する工程との間に、前記絶縁層の端部と前記反射層とを覆うように保護層を形成する工程を含み、前記蛍光体層は、前記保護層の上に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のシンチレータパネルの製造方法。
【請求項4】
前記反射層を形成する工程と前記保護層を形成する工程との間に、前記絶縁層の端部にプラズマ処理又はコロナ放電処理を行う工程を含むことを特徴とする請求項3に記載のシンチレータパネルの製造方法。
【請求項5】
前記保護層は、ポリイミドよりなることを特徴とする請求項3又は4に記載のシンチレータパネルの製造方法。
【請求項6】
前記基材は、体積抵抗率が10Ωcm以下の材料からなることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のシンチレータパネルの製造方法。
【請求項7】
前記基材は、アモルファスカーボンを含む材料で構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のシンチレータパネルの製造方法。
【請求項8】
前記基材は、前記絶縁層を形成する側の面を凹凸差が0.02μmから5μmとなるように粗らして構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のシンチレータパネルの製造方法。
【請求項9】
前記基材の端面は面取りされ、曲率半径Rが1mm以上であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のシンチレータパネルの製造方法。
【請求項10】
前記絶縁層は、ポリイミド、ジビニルシロキサンビスベンゾブテン系樹脂、メチルシルセスキオキサン系樹脂、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、又は芳香族ポリエステルよりなることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のシンチレータパネルの製造方法。
【請求項11】
前記反射層は、アルミニウム、銀、銅又は金を含む材料であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のシンチレータパネルの製造方法。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたシンチレータパネルを、光電変換素子を有するセンサパネルに貼り合せてなる放射線撮像装置。
【請求項13】
請求項12に記載の前記放射線撮像装置からの信号を処理する信号処理手段と、前記信号処理手段からの信号を記録するための記録手段と、前記信号処理手段からの信号を表示するための表示手段と、前記信号処理手段からの信号を伝送するための伝送処理手段と、前記放射線を発生させるための放射線発生源と、を具備することを特徴とする放射線検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−185946(P2011−185946A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104754(P2011−104754)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【分割の表示】特願2001−272024(P2001−272024)の分割
【原出願日】平成13年9月7日(2001.9.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】