説明

シーソースイッチ

【課題】操作後の自動復帰時に懸念されるアクチュエータとケーシングとの衝突音を安価かつ効果的に抑制することができるシーソースイッチを提供すること。
【解決手段】操作ノブ4を傾動させる操作時には、ケーシング1の貫通穴21aに上下動可能に挿通されている所定のアクチュエータ5が操作ノブ4に押下されることによって、該アクチュエータ5の下方で可動接点(板ばね)62が固定接点63に接触し、操作後の自動復帰時には、押下されたアクチュエータ5の鍔部51をケーシング1の受け部21bに当接させることによって該アクチュエータ5の上動が規制されるようにしたシーソースイッチであって、鍔部51の外周部にその上面51aを包囲する周壁52を立設すると共に、該上面51aに消音用のグリス7を塗布しておく。そして、周壁52をケーシング1に対して非接触に保ちつつ、鍔部51の上面51aをケーシング1の受け部21bに接離可能に対向させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車のパワーウィンドウやドアミラーの操作スイッチなどとして使用され、揺動可能な操作ノブを2方向または4方向へ傾動させて異なる信号を出力させるシーソースイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のシーソースイッチとしては、揺動可能に支持された操作ノブに操作力が付与されると該操作ノブが傾動して所定のアクチュエータ(駆動力伝達部材)を押下し、このアクチュエータによってスイッチ素子が押圧駆動されると共に、操作力が除去されると該スイッチ素子の弾性復帰力によってアクチュエータおよび操作ノブが元の位置まで押し戻されるという構成のものが従来より広く知られている。
【0003】
かかる従来のシーソースイッチにおいて、アクチュエータがケーシングの貫通穴に上下動可能に挿通されている構成のものについて説明すると、非操作時にアクチュエータの上端は操作ノブの下面に当接しており、前記貫通穴の下方でアクチュエータの底板部がスイッチ素子上に搭載されている。ケーシングには貫通穴の下端周縁部にアクチュエータの上動を規制する受け部が設けられており、貫通穴よりも大径なアクチュエータの底板部が該受け部と接離可能に対向している。また、スイッチ素子には、固定接点と、この固定接点に対して接離可能な可動接点と、ゴムやばね等からなる弾性部材とが配設されている。そして、ユーザが操作ノブを押し込んで所定角度傾動させると、この操作ノブが前記弾性部材の弾性反発力に抗してアクチュエータを所定量下動させるため、アクチュエータに押圧駆動される可動接点が固定接点に接触して所定のオン信号が出力されるようになっている。また、操作後にユーザが操作力を除去すると、前記弾性部材の弾性復帰力によって可動接点が固定接点から離れると共に、アクチュエータが押し上げられていき、それに伴い操作ノブの傾動角度が減少していく。アクチュエータは底板部の上面がケーシングの受け部に当接すると上動が規制されるため、自動的に元の高さ位置に復帰し、それに伴い操作ノブは元の水平姿勢に復帰するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−231103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来のシーソースイッチでは、操作ノブを傾動操作した後の自動復帰時に、弾性部材の弾性復帰力によって押し上げられるアクチュエータの底板部がケーシングの受け部に衝突するため、かかる自動復帰時に耳障りな異音(衝突音)が発生しやすいという問題があった。なお、アクチュエータの底板部やケーシングの受け部に緩衝部材を付設することも考えられるが、その場合、部品点数や組立工数の増加によってコストアップを余儀なくされるという別の問題が生じてしまう。
【0005】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、操作後の自動復帰時に懸念されるアクチュエータとケーシングとの衝突音を安価かつ効果的に抑制することができるシーソースイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明は、揺動可能に支持されて操作時に傾動する操作ノブと、ケーシングの貫通穴に上下動可能に挿通されて操作時に前記操作ノブに押下されるアクチュエータと、このアクチュエータの下方に配置されて操作時に該アクチュエータに押圧駆動される可動接点と、この可動接点に接離可能に対向する固定接点と、前記アクチュエータを上方へ弾性付勢する復帰手段とを備え、前記ケーシングには前記貫通穴の下端周縁部に前記アクチュエータの上動を規制する受け部が突出して設けられているシーソースイッチにおいて、前記アクチュエータの前記ケーシング内に位置する部分に前記受け部よりも大きな鍔部を設け、前記受け部の外側に位置する前記鍔部に前記受け部を囲むようにして周壁を立設すると共に、前記受け部と前記周壁に包囲された前記鍔部の上面との間にグリスを介在させ、前記周壁の高さを前記受け部の突出量に比べて低く形成し、前記周壁を前記ケーシングに対して非接触に保ちつつ、前記上面を前記受け部に接離可能に対向させるという構成にした。
【0007】
このように構成されたシーソースイッチでは、操作ノブを傾動操作した後の自動復帰時に、弾性部材の弾性復帰力によって押し上げられるアクチュエータの鍔部の上面がケーシングの受け部に当接することにより、該アクチュエータの上動が規制されるが、鍔部の上面が受け部に衝突しても受け部と鍔部の上面間に介在するグリスの消音効果によって耳障りな衝突音の発生を抑制できる。なお、周壁の高さを受け部の突出量に比べて低く形成し、周壁の上端がケーシングに対して非接触に保たれているので、アクチュエータの自動復帰時にケーシングと衝突するのは受け部と鍔部の上面となり、シーソースイッチとしての耳障りな衝突音の発生を抑制できる。また、グリスを受け部と鍔部の上面間に介在させるためには、アクチュエータの鍔部あるいは受け部にグリスを塗布等すれば良く、かかる作業は容易であって、緩衝部材を別途組み込む必要もないので、コスト面で有利な消音対策が実現できる。さらに、アクチュエータの鍔部に立設した周壁によってグリスの漏出を防止できるため、漏れたグリスが接点部に付着するなどして信頼性を損なう虞がなく、かつ長期に亘って消音効果が維持しやすい。
【0008】
上記の構成において、アクチュエータの鍔部の上面に凹溝が形成されていると、この凹溝をグリス溜りとして利用できるため、消音効果の向上や長期化が図りやすくなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のシーソースイッチは、ケーシングの受け部とアクチュエータの鍔部の上面との間にグリスを介在させてあるため、鍔部の上面が受け部に衝突しても受け部と鍔部の上面間に介在するグリスの消音効果によって耳障りな衝突音の発生を抑制できる。なお、周壁の高さを受け部の突出量に比べて低く形成し、周壁の上端がケーシングに対して非接触に保たれているので、アクチュエータの自動復帰時にケーシングと衝突するのは受け部と鍔部の上面となり、シーソースイッチとしての耳障りな衝突音の発生を抑制できる。また、グリスを受け部と鍔部の上面間に介在させるためには、アクチュエータの鍔部あるいは受け部にグリスを塗布等すれば良く、かかる作業は容易であって、緩衝部材を別途組み込む必要もないので、コスト面で有利な消音対策が実現できる。さらに、アクチュエータの鍔部に立設した周壁によってグリスの漏出を防止できるため、漏れたグリスが接点部に付着するなどして信頼性を損なう虞がなく、かつ長期に亘って消音効果が維持しやすい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
発明の実施の形態を図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施形態例に係るシーソースイッチの上面図、図2は該シーソースイッチの非操作時の断面図、図3は該シーソースイッチの操作時の断面図、図4は図3のB部拡大図である。ただし、図2は図1のA−A線に沿う断面図であり、図3は図2において操作ノブの右上端部をユーザが押し込んだときの動作状態を示している。
【0011】
これらの図に示すシーソースイッチは、上ケース2および下ケース3をスナップ結合等で一体化してなる箱状のケーシング1と、上ケース2の上端部に装着されて揺動可能に支持された操作ノブ4と、上ケース2内の4箇所に垂設されているガイド筒21の貫通穴21aに上下動可能に挿通された4個のアクチュエータ5と、これら4個のアクチュエータ5の下方に配設された4個のスイッチ素子6と、これらスイッチ素子6等が実装された図示せぬ基板とを備えて概略構成されている。このシーソースイッチは、操作ノブ4が操作位置に応じて4方向へ傾動可能であり、その傾動方向に応じて操作ノブ4が選択的にアクチュエータ5を押下するため、スイッチ素子6が選択的に押圧駆動できるようになっている。
【0012】
ケーシング1の上ケース2には、操作ノブ4を揺動可能に支持する図示せぬ支持機構が設けられており、この支持機構に支持された操作ノブ4が直交する2軸を揺動中心として4方向へ傾動できるようになっている。上ケース2の内部には周方向に沿って等間隔な4箇所に円筒状のガイド筒21が突出して垂設されており、各ガイド筒21の下端部、つまり貫通穴21aの下端周縁部が、アクチュエータ5の上動を規制する受け部21bとなっている。
【0013】
図2に示すように、非操作時において操作ノブ4は水平姿勢に保持されている。この操作ノブ4は、図1に示す4箇所の押圧部41をユーザが選択的に押し込むことによって、例えば図3に示すように傾動させることができる。操作ノブ4の下面側には各押圧部41と対応する4箇所に駆動突起42が垂設されており、非操作時には各駆動突起42がそれぞれ下方に存するアクチュエータ5の上端に当接している。
【0014】
各アクチュエータ5の下端部には、ガイド筒21よりも大径な鍔部51と、ガイド筒21より外側に位置する鍔部51の外周縁に起立する円環状の周壁52とが設けられており、鍔部51の上面51aが上方に存するガイド筒21の受け部21bと接離可能に対向している。ただし、周壁52の高さは受け部21bの突出量よりも低く形成されており、周壁52はケーシング1に対して非接触に保たれている。各アクチュエータ5の鍔部51はそれぞれ下方に存するスイッチ素子6上に搭載されており、アクチュエータ5を所定量下動させることで下方のスイッチ素子6が押圧駆動できるようになっている。また、各鍔部51の上面51aには予め消音用のグリス7(図4参照)が塗布されており、この上面51aの最内周部に形成されている凹溝51bがグリス溜りとして機能していると共に、上面51aを包囲する周壁52によってグリス7の漏出が防止されている。なお、本実施形態例では、鍔部51の上面51aにグリス7を塗布しているが、その代わりに受け部21bにグリス7を塗布しても良い。この場合には、グリス7を必要とする部分、すなわち上面51aと受け部21bが衝突する部分にグリス7を容易に塗布できるので、グリス7を余分な所に塗布してしまう可能性が少なくなり、グリス7の塗布量を抑えることができる。アクチュエータ5は、操作ノブ4の操作時に駆動突起42に押し込まれて下動し、操作後の自動復帰時には下方のスイッチ素子6に押し込まれて上動するようになっている。
【0015】
各スイッチ素子6はタクトスイッチと呼ばれる公知のプッシュスイッチであり、ステム61と、可動接点および復帰手段を兼ねたドーム形状の板ばね62と、板ばね62の中央部に接離可能に対向する固定接点63とを備えている。ステム61は、上方に存するアクチュエータ5が下動するとその鍔部51によって押下される。板ばね62の中央部はステム61によって押下され、ステム61が所定量下動すると、板ばね62の中央部が反転して固定接点63に接触するため、板ばね(可動接点)62と固定接点63とが導通されて所定のオン信号が出力されるようになっている。また、板ばね62の中央部が反転するとクリック感が生起され、このクリック感が上方のアクチュエータ5および操作ノブ4を介してユーザの手指に伝達されるため、ユーザはスイッチ素子6が押圧駆動されたことを手指で感得することができる。
【0016】
このように構成されたシーソースイッチは、前述したように、ユーザが任意の押圧部41を押し込んで操作ノブ4を傾動させると、その押圧部41に対応する駆動突起42が下方に存するアクチュエータ5を押し込んで下動させ、このアクチュエータ5が下方に存するスイッチ素子6のステム61を下動させるようになっている。したがって、このスイッチ素子6の板ばね62の弾性反発力に抗して操作ノブ4を所定角度傾動させることによって、図3に示すように、このスイッチ素子6のステム61を所定量下動させて該板ばね62の中央部を反転させることができ、これにより該板ばね62を下方の固定接点63に接触させることができる。すなわち、このシーソースイッチは、操作ノブ4の操作位置に応じて異なるスイッチ素子6が押圧駆動できるようになっているため、4箇所の押圧部41をユーザが選択的に押し込むことによって4種類のオン信号を選択的に出力させることができる。
【0017】
また、このシーソースイッチは、操作後にユーザが操作力を除去すると、反転状態の板ばね62が自身の弾性復帰力によって元のドーム形状に戻るため、板ばね62の中央部が固定接点63から離れると共に、ステム61が元の高さ位置まで押し上げられる。それゆえ、ステム61を介してアクチュエータ5が押し上げられていき、鍔部51の上面51aがガイド筒21の受け部21bに当接した時点でアクチュエータ5の上動が規制され、これによりアクチュエータ5は元の高さ位置(図2参照)に戻る。このとき、板ばね62の弾性復帰力によって鍔部51の上面51aが受け部21bに突き当たるが、鍔部51の上面51aと受け部21bとの間にはグリス7が介在しているため耳障りな衝突音が発生する虞はない。また、アクチュエータ5が押し上げられるのに伴って操作ノブ4は傾動角度を減少させていき、アクチュエータ5の上動が受け部21bによって規制された時点で、操作ノブ4は元の水平姿勢(図2参照)に戻る。
【0018】
なお、本実施形態例では、操作ノブ4の水平位置で該操作ノブ4がガタつかにいようにするために、スイッチ素子6に設けられた復帰手段の弾発力によって操作ノブ4に下からの予圧(プリテンション)を付与する構造としているので、鍔部51の上面51aとガイド筒21の受け部21bとの間に0.1mm程度の隙間が確保されている。このような構造により、操作ノブ4の傾動に伴って任意のアクチュエータ5が下動したとき、例えば図3の右側のアクチュエータ5が下動したとき、このアクチュエータ5と揺動中心を挟んで対向配置された他方(図3の左側)のアクチュエータ5は、操作ノブ4の駆動突起42から離れることで上記隙間の分だけ僅かに上方へ移動する。したがって、操作ノブ4が操作力の除去によって水平位置に復帰する際に、駆動突起42が左側のアクチュエータ5の上端に当接した後に、右側のアクチュエータ5の鍔部51の上面51aが受け部21bに当接することとなる。その際、前述したように上記隙間にはグリス7が介在しているため、右側のアクチュエータ5の上方への復帰の勢いで鍔部51の上面51aが受け部21bに衝突しても、両者間に介在させたグリス7によって衝突音の防止が図れる。しかも、このグリス7は鍔部51の上面51aと受け部21bの衝突音を防止するという機能の他に、アクチュエータ5の上昇速度を落とすという機能を併せ持つため、操作ノブ4が水平位置に戻る手前位置で右側のアクチュエータ5のグリス7によって操作ノブ4の復帰速度にブレーキがかかり、それによって駆動突起42が左側のアクチュエータ5の上端に当接する衝突音を軽減することができる。すなわち、操作ノブ4の揺動中心を挟んで対向する一対のアクチュエータ5のうち、一方のアクチュエータ5の鍔部51の上面51aと受け部21bとの間に介在させたグリス7は、該アクチュエータ5と受け部21bの衝突音の低下だけでなく、他方のアクチュエータ5の上端と操作ノブ4の駆動突起42との衝突音の低下にも貢献する。
【0019】
なお、予圧を付与せずに操作ノブ4の水平位置で鍔部51の上面51aとガイド筒21の受け部21bとが接触するようにした場合、例えば図3の右側のアクチュエータ5の上動に伴って鍔部51の上面51aと受け部21bとが当接した後、あるいは両者が当接するのと同時に、同図左側のアクチュエータ5の上端と駆動突起42が当接することになるが、この場合も上記と同様の理由で操作ノブ4の復帰速度にブレーキがかけられるため、アクチュエータ5の上端と駆動突起42との衝突音を軽減することができる。
【0020】
以上説明したように、本実施形態例に係るシーソースイッチでは、操作後の自動復帰時にアクチュエータ5の鍔部51の上面51aがケーシング1のガイド筒21の受け部21bに当接することによって、アクチュエータ5の上動が規制されるようにしてあるが、鍔部51の上面51aには予めグリス7が塗布してあるため、この上面51aがケーシング1の受け部21bに衝突しても、両者51a,21b間に介在するグリス7の消音効果によって耳障りな衝突音の発生を抑制できる。また、アクチュエータ5の鍔部51にグリス7を塗布する作業は容易であり、緩衝部材を別途組み込む必要もないので、コスト面で有利な消音対策となっている。さらに、アクチュエータ5の鍔部51に立設した周壁52によってグリス7の漏出を防止できるため、漏れたグリスが接点部に付着するなどして信頼性を損なう虞がなく、かつ長期に亘って消音効果が維持しやすい。しかも、アクチュエータ5の鍔部51の上面51aに凹溝51bが形成されており、この凹溝51bがグリス溜りとして機能するため、消音効果の向上や長期化が図りやすくなっている。
【0021】
なお、上記の実施形態例では、可動接点と復帰手段を兼ねた板ばね62をアクチュエータ5がステム61を介して押圧駆動するように構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、可動接点と復帰手段が別体であってもよく、復帰手段がゴム等の弾性部材であってもよく、ステムが省略されていてもよい。また、操作ノブが2方向にのみ傾動可能なシーソースイッチであっても、本発明を適用することで同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0022】
また、上記の実施形態例では、アクチュエータ5の下端部に鍔部51を設け、この鍔部51の下面でスイッチ素子6を駆動するようにしているが、鍔部51はケーシング1内に位置するアクチュエータ5の中間部分に形成しても良い。
【0023】
また、上記の実施形態例では、鍔部51の外周縁に円環状に周壁52を設けているが、その外側にさらに鍔部を設け、その結果、鍔部の中間部分に周壁が形成されていても良い。また、鍔部51は受け部21bを囲む形状であれば円形に限らず、平面的に見て四角形状であっても良い。
【0024】
また、上記の実施形態例では、アクチュエータ5のガイドを行うガイド筒21の下端が受け部21bとして機能しているが、貫通穴21aの下側部分の径をアクチュエータ5が接しないように十分に大きくすることで、ガイド筒にガイド機能を持たせないようにし、このようなガイド筒の下端を受け部として機能させても良い。
【0025】
また、上記の実施形態例では、スイッチ素子6に設けた復帰手段によってアクチュエータ5上方へ弾性付勢しているが、復帰手段をスイッチ素子6とは別に設けても良い。また、スイッチ素子6として、例えばゴムラバーに可動接点を設けたラバースイッチ等、他のタイプのものを用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態例に係るシーソースイッチの上面図である。
【図2】該シーソースイッチの非操作時の断面図である。
【図3】該シーソースイッチの操作時の断面図である。
【図4】図3のB部拡大図である。
【符号の説明】
【0027】
1 ケーシング
2 上ケース
4 操作ノブ
5 アクチュエータ
6 スイッチ素子
7 グリス
21 ガイド筒
21a 貫通穴
21b 受け部
51 鍔部
51a 上面
51b 凹溝
52 周壁
62 板ばね(可動接点,復帰手段)
63 固定接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揺動可能に支持されて操作時に傾動する操作ノブと、ケーシングの貫通穴に上下動可能に挿通されて操作時に前記操作ノブに押下されるアクチュエータと、このアクチュエータの下方に配置されて操作時に該アクチュエータに押圧駆動される可動接点と、この可動接点に接離可能に対向する固定接点と、前記アクチュエータを上方へ弾性付勢する復帰手段とを備え、前記ケーシングには前記貫通穴の下端周縁部に前記アクチュエータの上動を規制する受け部が突出して設けられているシーソースイッチであって、
前記アクチュエータの前記ケーシング内に位置する部分に前記受け部よりも大きな鍔部を設け、前記受け部の外側に位置する前記鍔部に前記受け部を囲むようにして周壁を立設すると共に、前記受け部と前記周壁に包囲された前記鍔部の上面との間にグリスを介在させ、前記周壁の高さを前記受け部の突出量に比べて低く形成し、前記周壁を前記ケーシングに対して非接触に保ちつつ、前記上面を前記受け部に接離可能に対向させたことを特徴とするシーソースイッチ。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記鍔部の前記上面に凹溝が形成されていることを特徴とするシーソースイッチ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−67397(P2010−67397A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−230980(P2008−230980)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】