説明

シートスイッチ及び入力装置

【課題】 磁石の反発力を利用することで、キー入力が必要な際に適度なキーストロークが確保できると共に、構成が簡易で薄型化が可能なシートスイッチを提供することである。
【解決手段】 複数のキースイッチ13と、該キースイッチ13の上方に配置され、このキースイッチ13と対向する部分を押圧するように構成されるキートップシート19と、前記キースイッチ13の配列に対応する可動磁石17が設けられた磁石保持シート16と、前記キースイッチ13側又はキートップシート19側に設けられ、前記可動磁石17と同じ磁極が対向するように配置される固定磁石14とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄型のキースイッチで構成されたシートスイッチ及びこのシートスイッチを備えた入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器の入力装置には、様々な種類の押ボタンスイッチが用いられている。これらの押ボタンスイッチは、機械式の接点やバネ部材を備えて構成されているため、押圧感覚(クリック感)が得られやすい構造となっていた。ところが、近年の電子機器の薄型化に伴い、押ボタンスイッチやキーボードなどの入力装置についても薄型化が要求され、このような薄型化に適した構造のスイッチ類が用いられるようになってきている。
【0003】
薄型化に適したスイッチ構造としては、薄いシート状の基板と、この基板上にプリント形成されるスイッチ電極パターン及び固定接点と、この固定接点上に配置されるドーム状の金属部材で押圧変形可能な可動接点とを備えたシートスイッチがある。このシートスイッチは、前記可動接点のバネ性を利用してクリック操作を行うようになっている。
【0004】
しかしながら、薄型のキースイッチを備えた入力装置にあっては、押圧時のストローク量が少ないため、クリック感が十分得られないことがある。このため、目的のスイッチをオンしたかオフしたかどうかが不明確となり、誤操作を生じる場合があるといった欠点を有していた。このため、従来の押ボタンスイッチやキーボード等の入力装置を備えた電子機器にあっては、スイッチ操作やキー入力操作において適度なクリック感を得るために、ある程度の押圧ストロークが確保できる構造を有したキースイッチが用いられている。
【0005】
特許文献1には、永久磁石や電磁石を用いて、スイッチのクリック時にある程度の重みを付与した構造の入力装置が開示されている。この入力装置では、押圧時におけるストローク量がモータ及び歯車等の機械部品によって調整可能となっている。
【0006】
また、特許文献2には、液体の圧によって、キースイッチに一定のストロークを付与する入力部を備えた折りたたみ式の電子機器が開示されている。この電子機器は、折りたたみのヒンジ部分に液体が予め注入されており、入力部を開閉する度に前記液体がキースイッチ側に流れるようになっている。これによって、入力部を開いてキー入力操作を行う際には、キースイッチの緩衝材となる液体が溜まって一定の押圧ストロークが確保され、入力部を閉じる際には、液体がキースイッチからヒンジ部に戻るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平2−37627号公報
【特許文献2】特開2009−284022号公報
【特許文献3】特開2009−279825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献に開示されているような磁石やモータ等の機械部品あるいは液体等を利用したスイッチやキーボード等の入力装置にあっては、機構が複雑であり、製造工数やコストも増えるため、携帯電話機や他の一般向けの電子機器などには、スペースやコスト面で採用するのが困難であった。特に、機械部品で構成した場合にあっては、故障等が起きやすく、また、消費電力も多くなるといった欠点を有していた。一方、液体を用いた構造の入力装置にあっては、液体が電子機器内部に漏れ出し、ショート等の電気的不具合を引き起こすおそれがあった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、磁石の反発力を利用することで、キー入力が必要な際に適度なキーストロークが確保できると共に、構成が簡易で薄型化が可能なシートスイッチ及びこのシートスイッチを備えた入力装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のシートスイッチは、複数のキースイッチと、該キースイッチの上方に配置され、このキースイッチと対向する部分を押圧するように構成されるキートップシートと、前記キースイッチの配列に対応する可動磁石が設けられた磁石保持シートと、前記キースイッチ側又はキートップシート側に設けられ、前記可動磁石と同じ磁極が対向するように配置される固定磁石とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の入力装置は、下ケースと、該下ケース内に収容される基板と、該基板上に複数配列され、上面に固定磁石が配置されるキースイッチと、該キースイッチの上方に配置され、このキースイッチと対向する部分を押圧するように構成されるキートップシートと、前記キースイッチとキートップシートとの間にスライド可能に配置され、前記固定磁石と同じ磁極が対向するように配置される可動磁石を有する磁石保持シートと、該磁石保持シートと連動するように、前記キートップシートの上方にスライド可能に配置される上ケースとを備え、前記上ケースをスライド開放することによって、前記可動磁石が固定磁石と対向する位置にスライドし、両磁石の反発力によって、前記キートップシートのキースイッチと対向する部分が隆起することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るシートスイッチによれば、キースイッチとキートップシートとの間に、キースイッチの配列に対応する可動磁石が設けられた磁石保持シートを配置し、前記キースイッチ側又はキートップシート側のいずれかに前記可動磁石と同じ磁極が対向する固定磁石を配置したことによって、キースイッチ自体が有するバネ性に可動磁石及び固定磁石の反発力を加えた分のキーストローク量を確保することが可能となる。これによって、薄型且つ簡易なシートスイッチ構成でありながら、適度なクリック感を得ることができる。
【0013】
また、前記磁石保持シートをキースイッチとキートップシートとの間でスライド可能に配置することによって、可動磁石と固定磁石との反発力によってキーストローク量を高く設定する場合と、キースイッチのバネ性のみによってキーストローク量を低く設定する場合とで切り替えて使用することができる。
【0014】
また、本発明に係る入力装置によれば、上ケースのスライド開閉動作によって、可動磁石を有する磁石保持シートがスライドするため、キー入力操作を行う場合は、前記固定磁石の反発力によって、キートップシートを下から押し上げてストローク量を多くし、キー入力操作を行わない場合は、前記固定磁石の反発力を回避してキートップシートを平坦面とすることで収納が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る第1実施形態のシートスイッチの分解斜視図である。
【図2】上記シートスイッチにおける磁石保持シートの開スライド動作を示す要部断面図である。
【図3】上記シートスイッチにおける磁石保持シートの閉スライド動作を示す要部断面図である。
【図4】第1実施形態のシートスイッチの断面図である。
【図5】第2実施形態のシートスイッチの断面図である。
【図6】第3実施形態のシートスイッチの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面に基づいて本発明に係るシートスイッチ及び入力装置の実施形態を詳細に説明する。図1は入力装置に組み込まれる第1実施形態のシートスイッチの分解斜視図、図2及び図3は前記入力装置の要部断面図、図4は第1実施形態のシートスイッチの断面図、図5は第2実施形態のシートスイッチの断面図、図3は第3実施形態のシートスイッチの断面図である。
【0017】
図1に示すように、本発明の入力装置10に備えるシートスイッチ11は、頂上部に固定磁石14を有する複数のキースイッチ13が配列形成された基板12と、この基板12上にスライド可能に配置され、可動磁石17及び保持磁石18が配置された磁石保持シート16と、この磁石保持シート16の上に配置されるキートップシート19とを有して構成されている。
【0018】
前記基板12は、薄く成形されたエポキシ樹脂板やフレキシブル(FPC)板が用いられる。各キースイッチ13は、図2及び図3に示すように、前記基板12上にパターン形成される固定接点13aと、この固定接点13a上に配置されるタクトバネからなる可動接点13bとで構成され、この可動接点13bの頂上部に円盤状の固定磁石14が配置される。この固定磁石14は、裏面側に粘着面を有する薄い保持シート15を可動接点13b上に被覆することによって固定させている。
【0019】
基板12は、例えば、携帯電話機の操作パネルのシートスイッチとして形成される場合は、その操作パネルと略同様な形状及び大きさに形成され、数字キーやアルファベットキー、その他のファンクションキー等が配置される箇所に合わせて前記固定接点13aが複数設けられる。前記可動接点13bは、バネ性を有する薄い金属材料によってドーム状に形成されたタクトバネであり、前記各固定接点13aが中心となるように配置される。
【0020】
前記保持シート15は、片面に粘着層を有する可撓性の粘着シートであり、粘着層の所定位置に前記固定磁石14を予め貼着固定しておき、前記固定磁石14を設けた面を下向きにして各キースイッチ13の頂上部に載せるようにして被着される。前記固定磁石14は、対向する面がS極とN極からなる永久磁石である。
【0021】
前記磁石保持シート16は、平板状の樹脂材で形成され、前記固定磁石14に対応する箇所に円形状の貫通孔20が設けられ、この貫通孔20に可動磁石17が嵌め込み配置される。この可動磁石17は、前記固定磁石14と同様にS極面とN極面とを有する円盤状の永久磁石であり、互いに反発し合うように、固定磁石14と同じ磁極が対向するように配置される。例えば、固定磁石14のS極面が上であれば、同じS極面が下となるように可動磁石17が配置され、固定磁石14のN極面が上であれば、同じN極面が下となるように可動磁石17が配置される。
【0022】
前記可動磁石17は、一定の厚みを有して形成され、上部(押圧部)17aが磁石保持シート16から突出するように配置固定される。前記押圧部17aは、キートップシート19と接するように配置されるため、摺動や押圧が容易となるように、ドーム状に曲面形成するのが好ましい。なお、キー入力操作をソフトに行いたい場合は、前記可動磁石17の押圧部17aを樹脂性のシートで覆うか、又は押圧部17aを樹脂部材で形成することも可能である。
【0023】
また、前記磁石保持シート16の下面には、前記各可動磁石17から一定間隔で離間した位置に保持磁石18が配置される。この保持磁石18は、前記固定磁石14に対して吸着し合うように、異なる磁極が対向するように配置される。例えば、固定磁石14のS極面が上であれば、N極面が下となるように保持磁石18が配置され、固定磁石14のN極面が上であれば、S極面が下となるように保持磁石18が配置される。この保持磁石18は、キースイッチ13の押圧操作を可動接点13bのバネ性のみのストーク量で行うことが可能な位置に前記磁石保持シート16を固定するために設けられるものである。なお、図2(a)に示されるように、キートップシート19に携帯電話機等の上ケース32で覆われる場合は、キー入力が禁止される状態となる。
【0024】
前記キートップシート19は、前記磁石保持シート16の上方に配置され、キースイッチ13と対向する部分が撓み変形可能な押圧ポイントとなっている。また、図2乃至図4に示したように、このキートップシート19の下面にはキートップ保持シート22が一体に又は貼り合わせることによって設けられる。このキートップ保持シート22は、薄く可撓性を有するキートップシート19が撓まないように保持すると共に、磁石保持シート16をスライドさせた際に、可動磁石17がキースイッチ13上に位置するように案内させるために設けられる。このため、キートップ保持シート22の前記キースイッチ13と対向する位置には、前記可動磁石17の押圧部17aが侵入する孔部21が形成される。キートップシート19は、前記孔部21を塞ぐようにして載置され、キースイッチ13に対応した部分に数字や記号等が印刷される。このキートップシート19は、可撓性を有した樹脂材によって形成されており、特に、前記孔部21を塞ぐ部分は、前記押圧部17aの下からの押し上げによって上方に突出するように撓み変形可能となっている。前記孔部21の一方の内周縁は、可動磁石17の押圧部17aが磁石保持シート16のスライドによって侵入しやすいように傾斜面21a(図2(a),(b)及び図3(b),(c))とし、他方の内周面は、ここに係合された押圧部17aのスライド移動を阻止するような垂直面21b(図2(c)、図3(a))となるように形成するのが好ましい。
【0025】
上記構成によるシートスイッチ11は、各種の入力装置に搭載することができる。図1乃至図3に示した入力装置10は、スライド開閉式の携帯電話機を想定したものである。この種の携帯電話機は、前記基板12、磁石保持シート16及びキートップシート19が一体となったシートスイッチモジュールを携帯電話機の下ケース31内に組み込み、キートップシート19上を覆うようにして、液晶画面が搭載された上ケース32を配置して構成される。
【0026】
図2は前記上ケース32をキー入力操作が可能となるように開く動作、図3は上ケース32を閉じる動作において、前記磁石保持シート16の動きを示したものである。前記磁石保持シート16には、前記上ケース32のスライド開閉に連動させる係合突起33が長手方向の両サイドに設けられる。一方、前記上ケース32側には、前記係合突起33を引っ掛ける係合長孔34が設けられる。
【0027】
図2(a)は、キースイッチ13上の固定磁石14と保持磁石18が吸着し合う位置に磁石保持シート16が固定され、前記キースイッチ13が隠れるように上ケース32で覆われる収納時の状態を示す。この状態から図2(b)に示すように、上ケース32を図中左側にスライドさせていくと、保持磁石18が固定磁石14から外れ、上ケース32の係合長孔34に磁石保持シート16の係合突起33が引っ掛かる。これによって、磁石保持シート16が図中左側にスライドする。そして、図2(c)に示すように、固定磁石14上に可動磁石17がスライドすると、その磁性反発力によって磁石保持シート16が浮き上がり、可動磁石17の押圧部17aがキートップシート19の孔部21に嵌り込んだ位置で磁石保持シート16のスライドが停止される。
【0028】
図3(a)は、上ケース32が開いて、固定磁石14と可動磁石17との反発力によるストローク量を保持してキー入力可能な状態である。この状態から図3(b)に示すように、上ケース32を図中右側にスライドさせていくと、可動磁石17が固定磁石14から外れ、上ケース32の係合長孔34に磁石保持シート16の係合突起33が引っ掛かる。これによって、磁石保持シート16が図中右側にスライドする。そして、図3(c)に示すように、保持磁石18が固定磁石14の上にスライドして吸着することによって、キー入力時におけるストローク量が可動接点13bのバネ性のみの最小量となる。この時点で上ケース32と磁石保持シート16の係合が解除されるので、そのまま上ケース32をさらに図中右側にスライドさせることによって、図2(a)に示したように、上ケース32が閉じてシートスイッチ11が収納された状態となる。
【0029】
次に、上記第1実施形態のシートスイッチ11の作用について説明する。なお、磁石保持シート16のスライド機構は省略する。図4(a)はキーストローク量が最小の状態におけるシートスイッチの断面図、図4(b)はキーストローク量が最大の状態におけるシートスイッチの断面図である。
【0030】
図4(a)の状態では、可動磁石17がキースイッチ13から離間した位置に退避され、保持磁石18が固定磁石14に吸着して磁石保持シート16を固定する。この状態では、キーストローク量が可動接点13bのバネ性のみに依存しているため最小となる。図4(b)の状態では、保持磁石18が固定磁石14から外れ、磁石保持シート16が図4(a)の状態から図中左側にスライドする。これによって、固定磁石14上に可動磁石17が移動し、その磁性反発力によって可動磁石17が浮き上がり、その押圧部17aがキートップ保持シート22の孔部21を通して、キートップシート19を押し上げる。これによって、前記固定磁石14と可動磁石17との磁性反発力分のストローク量が確保され、適度なクリック感を伴ったキー入力操作を行うことができる。
【0031】
図5(a),(b)は、第2実施形態のシートスイッチ41の構成及び作用を示したものである。なお、第1実施形態のシートスイッチ11と共通する部分は同一符号を付して説明する。この実施形態のキートップシート42は、第1実施形態で用いたキートップ保持シート22は用いず、押圧可能な可撓性を有しながら平面形状を維持することのできる単一の樹脂材によって形成され、下面に可動磁石17の押圧部17aが侵入する凹み部43を設けている。このように、キートップシート42を単一構成とすることで、全体の厚みを抑えることが可能となる。また、前記凹み部43を設けたことによって、可動磁石17がキースイッチ13に対応した位置に案内しやすくなると共に、凹み部43に可動磁石の押圧部17aが侵入した際に、その部分のキートップシート42を押圧しやすいように隆起させることができる。なお、他の構成要素である基板、固定磁石が配置されたキースイッチ、可動磁石及び保持磁石が配置された磁石保持シート等については、第1実施形態のシートスイッチ11と同様である。
【0032】
図5(a)の状態では、可動磁石17がキースイッチ13から離間した位置に退避され、保持磁石18が固定磁石14に吸着して磁石保持シート16を固定する。図5(b)の状態では、保持磁石18が固定磁石14から外れ、磁石保持シート16が図5(a)の状態から図中左側にスライドする。そして、固定磁石14上に可動磁石17が移動すると、その磁性反発力によって可動磁石17が浮き上がり、その押圧部17aがキートップシート42の下面を押し上げる。これによって、前記固定磁石14と可動磁石17との反発力分のストロークが確保され、適度なクリック感を伴ったキー入力操作を行うことができる。
【0033】
図6(a),(b)は、第3実施形態のシートスイッチ51の構成及び作用を示したものである。この実施形態は、キートップシート52が単一の樹脂材で形成され、キースイッチ13と対応する下面に固定磁石14が配置され、磁石保持シート16の上面に前記固定磁石14と反発し合う磁性面を有した可動磁石17が配置されている。なお、固定磁石14がキートップシート52側に設けられている点を除き、基板及びキースイッチは第1及び第2の実施形態におけるシートスイッチと同様であるので説明は省略する。この実施形態におけるシートスイッチ51は、図6(a)に示したように、キー入力操作を行わない場合は、可動磁石17が固定磁石14から離れた位置に退避され、図6(b)に示したように、キー入力操作を行う際に、可動磁石17が固定磁石14と対向する位置に磁石保持シート16をスライドさせる。これによって、固定磁石14が配置されている部分のキートップシート52が押し上がり、一定のストローク量が確保される。本実施形態は、固定磁石14と可動磁石17の磁性反発力のみによってキー入力のストローク量を可変にする最も簡易且つ薄型の構成となっている。また、キースイッチ13上に固定磁石14を配置する必要がないので、磁石保持シート16とキートップシート52とでモジュール化したものをバネ性等の異なる他の形態のキースイッチに搭載させることも可能である。
【0034】
上記実施形態では、本発明のシートスイッチをスライド開閉式の携帯電話機に応用した例を示したが、折りたたみ式の携帯電話機にあっては、ヒンジ部などにスライド機構を持たせることによって組み込みが可能となる。また、携帯電話機に限らず、携帯端末のキーボードやその他のキー入力装置を備えた電子機器にも搭載することができる。
【符号の説明】
【0035】
10 入力装置
11 シートスイッチ
12 基板
13 キースイッチ
13a 固定接点
13b 可動接点
14 固定磁石
15 保持シート
16 磁石保持シート
17 可動磁石
17a 押圧部
18 保持磁石
19 キートップシート
20 貫通孔
21 孔部
21a 傾斜面
21b 垂直面
22 キートップ保持シート
31 下ケース
32 上ケース
33 係合突起
34 係合長孔
41 シートスイッチ
42 キートップシート
43 凹み部
51 シートスイッチ
52 キートップシート


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキースイッチと、
該キースイッチの上方に配置され、このキースイッチと対向する部分を押圧するように構成されるキートップシートと、
前記キースイッチの配列に対応する可動磁石が設けられた磁石保持シートと、
前記キースイッチ側又はキートップシート側に設けられ、前記可動磁石と同じ磁極が対向するように配置される固定磁石とを備えたことを特徴とするシートスイッチ。
【請求項2】
前記キートップシートは、前記可動磁石が固定磁石と対向する位置で、両磁石の反発力によってキースイッチと対向する部分が隆起する請求項1に記載のシートスイッチ。
【請求項3】
前記キートップシートの下面にキートップ保持シートが設けられ、このキートップ保持シートの前記キースイッチと対向する位置に前記可動磁石の上部が侵入する孔部が形成される請求項1に記載のシートスイッチ。
【請求項4】
前記孔部は、前記可動磁石が侵入する側の内周縁が傾斜している請求項3に記載のシートスイッチ。
【請求項5】
前記キートップシートの下面には、前記キースイッチと対向する位置に前記可動磁石の上部が侵入する凹み部が形成される請求項1に記載のシートスイッチ。
【請求項6】
前記磁石保持シートは、前記可動磁石と離れた位置に、前記固定磁石と異なる磁極が対向するように配置される保持磁石を備える請求項1に記載のシートスイッチ。
【請求項7】
前記磁石保持シートは、前記キースイッチとキートップシートとの間に配設されると共に、少なくとも前記可動磁石と保持磁石が固定磁石と対向する位置に移動する間でキートップシートに沿ってスライド可能である請求項1に記載のシートスイッチ。
【請求項8】
前記可動磁石が磁石保持シートの上面から突出し、その上部がドーム状に曲面形成されている請求項1に記載のシートスイッチ。
【請求項9】
下ケースと、
該下ケース内に収容される基板と、
該基板上に複数配列され、上面に固定磁石が配置されるキースイッチと、
該キースイッチの上方に配置され、このキースイッチと対向する部分を押圧するように構成されるキートップシートと、
前記キースイッチとキートップシートとの間にスライド可能に配置され、前記固定磁石と同じ磁極が対向するように配置される可動磁石を有する磁石保持シートと、
該磁石保持シートと連動するように、前記キートップシートの上方にスライド可能に配置される上ケースとを備え、
前記上ケースをスライド開放することによって、前記可動磁石が固定磁石と対向する位置にスライドし、両磁石の反発力によって、前記キートップシートのキースイッチと対向する部分が隆起することを特徴とする入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−22793(P2012−22793A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157685(P2010−157685)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000131430)シチズン電子株式会社 (798)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【Fターム(参考)】