説明

シートロールの搬送装置、シートロールの搬送方法及びシートロールの検査方法

【課題】テールシールの検査をしやすくする。
【解決手段】一定方向に移動する搬送平面の上にシートロールの周面をガイドする一対のガイド板を立設して構成した搬送路の一部に、前記搬送平面の移動方向に対して、一対のガイド板の延在方向が所定角をなすように配置して、通過するシートロールが周方向に転回させるようにした転回部を設けた、ことを特徴とするシートロールの搬送装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートロールを搬送する装置、方法及びそのシートロールの検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレットロール、キッチンロール等に代表される、帯状の連続紙や連続不織布シート等を円筒状に多層巻きしたシートロールの品質検査の一として、テール端部の接着(テールシールとも言う)不良の検査がある。
この検査は、周面が接するようにしてベルトコンベア上に寝かせた状態で連続的に搬送されるシートロールのテールシール部分を上方から目視等にて確認し、不良品があればラインから取り除くという方法が一般的である。
しかし、この方法はテールシール部分が下側に位置していると瞬時の確認ができないため、このような状態のシートロールが搬送されてきた場合に、不良品が検査パスして後段に流れてしまうことがある。
特に、テールの一部のみが剥離しているような不良品を確認することは困難であり、このような不良品が、検査工程後の搬送過程でテール剥離が進み、操業トラブルや不良製品の市場流出への原因となることがあった。
このような問題を解決する技術として、例えば、特開平2003−322510に、ロール端面が上下となるようにコンベア上に円筒姿勢で起立させた状態にしたのちに検査する方法もあるが、この方法では、ロールシートをコンベア上に立たせるためにコンベアの速度を極めて低下させる必要があり、生産速度、検査速度が低下する欠点を有する。
【特許文献1】特開2003−322510
【特許文献2】特開2000−355420
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで本発明の課題は、煩雑な操作、搬送速度の低下なく、また、検査精度の向上、確実なテールシール部分の確認を可能としたロールシートの搬送装置、搬送方法の提供とロールシート検査の精度向上にある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決した本発明は、次記の通りである。
<請求項1記載の発明>
連続シートを円筒状に多層巻きしたシートロールを、その端面を進行方向にして搬送させる搬送装置であって、
一定方向に移動して、載置されたシートロールを移動させる搬送平面と、この搬送平面の上に立設され、シートロールの周面をガイドする一対のガイド板とで構成される搬送路を備え、
この搬送路の一部に、搬送平面の移動方向に対して、一対のガイド板の延在方向が所定角をなし、通過するシートロールが周方向に転回される転回部を設けた、ことを特徴とするシートロールの搬送装置。
【0005】
<請求項2記載の発明>
転回部は、搬送平面とガイド板の下縁との間に隙間が設けられている、請求項1記載のシートロールの搬送装置。
【0006】
<請求項3記載の発明>
転回部は、ガイド板の一方の内壁面に向かって上方から気体を吹き付ける気体吹き付け手段が設けられている、請求項1又は2記載のシートロールの搬送装置。
【0007】
<請求項4記載の発明>
連続シートを円筒状に多層巻きしたシートロールの搬送方法であって、
一定方向に移動して、載置されたシートロールを移動させる搬送平面と、この搬送平面の上に立設され、シートロールの周面をガイドする一対のガイド板とで構成された搬送路を有し、その搬送路の一部が、搬送平面の移動方向に対して、一対のガイド板の延在方向が所定角をなしている搬送装置を用い、
前記シートロールの端面を進行方向にして搬送路に供給し、
前記ガイド板で周面をガイドしつつ前記搬送平面によりシートロールを移動せしめて搬送し、
前記搬送平面の移動方向に対して、一対のガイド板の延在方向が所定角をなしている区間を通過させることで、その搬送過程でシートロールを周方向に転回させることを、特徴とするシートロールの搬送方法。
【0008】
<請求項5記載の発明>
連続シートを円筒状に多層巻きしたシートロールのテールシールを検査するシートロールの検査方法であって、
一定方向に移動して、載置されたシートロールを移動させる搬送平面と、この搬送平面の上に立設され、シートロールの周面をガイドする一対のガイド板とで構成された搬送路を有し、その搬送路の一部が、搬送平面の移動方向に対して、一対のガイド板の延在方向が所定角をなしている搬送装置を用い、
前記シートロールの端面を進行方向にして搬送路内に供給し、
前記ガイド板で周面をガイドしつつ前記搬送平面によりシートロールを移動せしめて搬送し、
前記搬送平面の移動方向に対して、一対のガイド板の延在方向が所定角をなしている区間を通過させることで、その搬送過程でシートロールを周方向に転回させ、
この転回によってシートロールのテールシールを上方側へ露出させて、テールシールの状態を検査する、ことを特徴とするシートロールの検査方法。
【0009】
<請求項6記載の発明>
連続シートを円筒状に多層巻きしたシートロールのテールシールの状態を検査するシートロールの検査方法であって、
一定方向に移動して、載置されたシートロールを移動させる搬送平面と、この搬送平面の上に立設され、シートロールの周面をガイドする一対のガイド板とで構成された搬送路を有し、
その搬送路の一部が、搬送平面とガイド板の下縁との間に隙間を有し、かつ搬送平面の移動方向に対して一対のガイド板の延在方向が所定角をなしている搬送装置を用い、
前記シートロールを、その端面を進行方向とし、かつ、一対のガイド板の延在方向が所定角をなしている区間において、テール端縁と巻き部分との間が上方を向きつつガイド板下方側から上方側に向かって転回される向きで搬送路内に供給し、
前記ガイド板で周面をガイドしつつシートロールを移動せしめて搬送し、
その搬送過程で前記転回部を通過させてシートロールを周方向に転回させるとともに、剥離しているテール端部を前記隙間から搬送路外に露出させ、この露出の有無によりテールシールの状態を検査する、ことを特徴とするシートロールの検査方法。
【0010】
<請求項7記載の発明>
一対のガイド板の延在方向が所定角をなしている区間において、テール端縁と巻き部分との間が上方を向きつつガイド板下方側から上方側に向かって転回される際に、テール端縁と巻き部分との間に近い側のガイド板の内壁面に向かって上方から気体を吹き付ける、請求項6記載のシートロールの検査方法。
【発明の効果】
【0011】
以上のとおり、本発明によれば、煩雑な操作、搬送速度の低下なく、また、検査精度の向上、確実なテールシール部分の確認を可能としたロールシートの搬送装置、搬送方法が提供され、さらに、ロールシート検査の精度も向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次いで、本発明の実施の形態を図面を参照しながら以下に詳述する。
図1は本発明の搬送装置X1の斜視図である。
<搬送装置>
本発明の搬送装置X1は、連続シートを円筒状に多層巻きしたシートロール1を、その端面1eを進行方向に向けて搬送させる搬送装置である。
対象となるシートロール1は、帯状の連続シートを円筒状に多層巻きしたものであり、特にその物性、組成は限定されないが、特に適するのは、連続衛生薄葉紙や連続不織布シート等を円筒状に多層巻きしたトイレットロール、キッチンロール等である。
【0013】
この搬送装置X1は、一定方向に移動する搬送平面10と、この搬送平面10の上に立設され、シートロール1の周面1cをガイドする一対のガイド板20,20とで構成される搬送路2を備える。
そして、この搬送路2は、特徴的にその一部に、搬送平面10の移動方向(図中矢印A)に対して、一対のガイド板20,20の延在方向が所定角をなすように配され、シートロール1が端面1eを進行方向にして進入すると、搬送平面10による強制的な位置移動とこれにともなうガイド板20,20による周面1cのガイドとによって、シートロール1が周方向(図中矢印B)に転回されつつ搬送される転回部2Rを有している。なお、その前後の区間は、搬送平面10の移動方向Aと一対のガイド板20,20の延在方向とは、同じ方向となっている。
【0014】
前記転回部2Rにおける、搬送平面10の移動方向Aとガイド板延在方向との具体的な角度θは、搬送平面10の移動速度によっても調整されるものであるが、4〜20°、好適には8〜12°とするのがよい。4°未満であるとシートロール1を一回転させるのに要する距離が長くなり設備規模を過度に大きくする必要が生じる。反対に20°を超えると十分な搬送速度で搬送しようとするとシートロール1の変形、搬送路2外への飛び出しの事故が生じやすくなる。
また、本装置における転回部2Rの距離L1は、特に限定されない。搬送平面10の移動速度、前記角度θ及び所望のシートロール1の転回数を考慮して適宜定めればよい。
【0015】
前記移動する搬送平面10は、例えば、ベルトコンベア、ロールコンベア等を用いて構成することができる。好適には、搬送平面10となる搬送対象物積載面の平坦性が高く、搬送時におけるシートロール1の変形がなされ難いベルトコンベアを用いて構成するのがよい。図示例は、搬送平面10を構成するのに、駆動ロールと動可能なロールとの間に無端ベルトを架け渡して構成されたベルトコンベアを採用している。
このようにベルトコンベアを用いる場合、搬送平面となる搬送対象物積載面を構成する無端ベルトはゴム製など樹脂性ものが好適である。
【0016】
搬送平面10を移動させるための駆動源は、例えば、ベルトコンベア、ローラコンベア等であれば駆動モータ等を採用することができ、これらは既知の技術に従って採用できる。本発明においては特に限定されるものではない。
搬送平面10の移動速度は、既知のシートロール1の製造ライン等で採用されている搬送速度をそのまま採用できる。具体例を挙げれば、トイレットロールの製造ラインであれば、50〜500m/分、好適には100〜350m/分程度、キッチンロールの製造ラインであれば、50〜500m/分、好適には100〜350m/分程度である。
【0017】
他方、一対のガイド板20,20は、シートロール1が接触した際にシートロール1が破けないようシートロール1の周面が接する側の面(以下、内壁面20iという)が平滑な板であり、その素材としては、樹脂製、金属製、木製など適宜の素材を採用しうる。
特に、内壁面の平滑度を高くできる点で樹脂製、金属製が適する。さらに、耐久性を考慮するとアルミ板、鉄板、ステンレス板、銅板等金属製が適し、腐食による内面の平滑性の低下が少ないこととコストを考慮するとアルミ板が最も適する。
【0018】
他方、一対のガイド板20,20間の間隔L2は、シートロール1の直径1dの1.02〜1.25倍、好適には1.10〜1.18倍とするのがよい。1.02倍未満であると前記転回部2Rへの進入性、及びシートロール1の転回性を悪化させる。また、1.25倍を超えるとガイドされ難くなるとともに、転回部内でシートロールの端面側縁がガイド板20,20に対して強く衝突してシートロール1が変形する事故が生じやすくなる。
【0019】
他方、搬送平面10からガイド板20の上端縁までの距離L3は、シートロール1の直径1dの0.5〜1.25倍、好適には0.60倍〜1倍とするのがよい。0.5倍未満であると、搬送時にシートロール1が搬送路外に飛び出すおそれが高まる。特に、転回部2Rの進入時に飛び出しのおそれが高まる。反対に、1.25倍を超えると搬送路内を搬送されているシートロール1の確認がし難くなる。
【0020】
他方、本形態の搬送装置X1は、特に好適な例として、立設されるガイド板20,20の下縁と搬送平面10との間に、シートロールの直径1dの1/100〜1/2、好適には1/70〜1/10の隙間11が設けられている。なお、図示例では、搬送路2の全体にわたってこの範囲の隙間11を設けているが、少なくとも転回部2Rの区間において設ければ十分である。
また、図示例では、一対のガイド板20,20の双方の下方に隙間11を設けているが、転回部進入時に搬送平面移動方向側に位置するガイド板20Fの下方のみに設けてもよい。
【0021】
さらに、本形態の搬送装置X1は、特に好適な例として、気体噴射手段50が設けられている。この気体噴射手段50は、転回部2Rの区間の上方に複数の空気の吹き出し部51,51…が並設されている。
吹き出し部51…は、図示はしないが搬送路の上方位置で転回部に沿って組まれたフレーム等に取り付けるなどして設置すればよい。
これらの吹き出し部51…には、送気管52が連結されており、吹き出し部に形成された吹き出し口より、圧縮空気などの気体Gが吹き出し可能となっている。
吹き出す気体としては圧縮空気が適するが、その他のガス、特に窒素等の不活性ガスは採用しうる。
前記吹き出し口は、転回部2Rの進入側からみて前方に位置するガイド板20Fの内壁面20iに向かっており、前記内壁面20iに上方から圧縮空気を吹き付けることが可能となっている。
吹き出し口の形状及び構成は、特に限定されず、ガイド板の延在方向に沿うようにスリット形状にしたり、複数の孔をライン状に配した構成とするのが好適である。
【0022】
<搬送方法>
次いで、上述の搬送装置X1によりなされるシートロール1の搬送方法を説明する。
まず、前記シートロール1の端面1eを進行方向にして搬送路2に供給する。
この搬送路2内への供給は、製造ラインの前段から連続的に供給されるようにすることができる。例えば、シートロール1の軸心方向を、搬送平面10の移動方向に合わせて、搬送路の上方から連続的に傾斜面等を利用して転がして、搬送路内に投入する方法等が採用できる。ただし、搬送路内への供給方法は、これに限定されない。
シートロール1を搬送路内に供給する位置は、搬送路の開始端に限らず、前記転回部の手前であれば限定されない。
【0023】
搬送路2内に供給されたシートロール1は、搬送平面10の移動によって移動させて搬送する。
搬送平面10の移動は、シートロール1の供給後に行ってもよいし、供給前に予め移動させておくこともできる。これは、特に限定されない。
搬送路2内に前記搬送平面10の移動による搬送によって、一対のガイド板20,20の延在方向が所定角をなしている区間、すなわち転回部2Rに進入させる。
【0024】
そしてこの転回部2R内において、シートロール2を搬送平面10による強制的な位置移動とこれにともなうガイド板20,20による周面1cのガイドによって、周方向に転回させつつ搬送させる。
なお、この転回時に少なくとも、テールシール部分が上方側にまで至るように、転回部2Rの距離2L及び角度θは調整する。
【0025】
この本搬送方法を採ると、テールシール1tが上方側に位置している際にテールシール1tの状態を視認・撮影などすることが可能となり、後述するテールシール1tの確実な検査方法を行うことが可能となる。
なお前記上方側とは、搬送路内のシートロールを、その軸心を通る搬送平面と平行な面で上下に分けた際の上側半分側は少なくとも含まれる。
【0026】
<検査方法>
次いで、本発明のテールシール1tの検査方法について説明する。
本発明の検査方法は、上述の搬送装置X1及び搬送方法によりなされる前記転回部2Rにおけるシートロール1の周方向の転回を利用し、テールシール1tが上方側へ移動して露出された際に、テールシール1tの状態を検査する。
テールシール1tを検査する場合には、転回部2Rの通過の間にシートロール1が1.5〜2回転以上するように、前記転回部の距離L1及び角度θを調整するのがよい。
上記の検査により、例えば、テールシール1tが不十分、すなわちテール端部の接着が不十分であることが確認されたシートロールを搬送路外へ排出することで、後段へ不良シートロールが流れることが防止される。
【0027】
また、好適な装置例として説明した、少なくとも転回部2Rにおいて、立設されるガイド板20,20の下縁と搬送平面10との間に、所定の隙間を設けた搬送装置を用いる場合には、シートロール1を搬送路10へ供給するにあたって、図示のとおり、転回部2Rにおいてテール端縁と巻き部分との間(1h)が上方を向きつつガイド板20の下方側から上方側に向かって転回される向きで供給する。
このシートロール1の向きは、換言すると、テール端縁と巻き部分との間1hが上方を向くようにシートロールを搬送路内に置いたときに、そのテール端縁と巻き部分との間1hが、転回部2Rの進入時に前方側に位置するガイド板側又はこれに連続するガイド板側に近い位置となる向きである。
【0028】
この好適な例の搬送装置X1を用いて、上記向きで搬送路2内に供給したシートロール1を搬送すると、転回部2Rにおけるシートロール1の転回時に、テール端部が剥離しているもの(図中1K)については、剥離したテール端部が前記隙間11に導かれて搬送路2外に露出される。
従って、この露出の有無によりテールシールの不良を検出することが可能となる。
【0029】
さらに、特に好適な装置例として説明した、転回部2Rの上方に複数の空気の吹き出し部51,51…を並設した搬送装置X1を用いる場合には、シートロール1が転回部2Rを通過している際に、前記前方側に位置するガイド板20Fの内壁面に向かって、上方から圧縮空気Gを吹き付ける。
このようにすると、転回部2Rにおけるシートロール1の転回時に、テール端部が剥離しているものについては、内壁面に沿って搬送平面10方向に向かう圧縮空気Gが、テール端と巻き部との間に入り込み、その圧縮空気の圧力によってテール端部が巻き部から離間されるようになる。
これにより剥離したテール端部が、搬送平面10とガイド板下縁との隙間11により導かれやすく、もって搬送路外と露出されるようになり不良品の検出精度がより向上する。
【0030】
さらに、テール端部1tの一部が剥離しているものについては、そのテール端部が転回にともなって下方から上方に向かう過程で、内壁面20iに沿って搬送平面10方向に向かう圧縮空気Gが、テール端部と巻き部との間に入り込み、その圧縮空気Gの圧力によってテールシール1tが全体にわたって強制的に剥離されるとともに、テール端部が巻き部から確実に離間させられる。
これにより剥離したテール端部が、搬送平面10とガイド板下縁との隙間11に導かれて搬送路外と露出されるようになり、テール端部の一部が剥離している不良品についても検出することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、帯状の連続シートを円筒状に多層巻きしたシートロールの品質検査に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のシートロール搬送装置及び被搬送対象物のシートロールの斜視図である。
【符号の説明】
【0033】
1…シートロール、1K…不良シートロール、1c…シートロール周面、1d…シートロール直径、1e…シートロール端面、1t…テールシール、2…搬送路、2R…転回部、10…搬送平面、11…隙間、20…ガイド板、20i…内壁面、50…気体噴射手段、51…吹き出し部、52…送気管、A…搬送平面移動方向、B…シートロール転回方向(周方向)、L1…転回部の距離、L2…ガイド板間距離、L3…搬送平面からガイド板の上端縁までの距離、θ…転回部における搬送平面の移動方向とガイド板延在方向とがなす角度、R…シートロール、X1…シートロール搬送装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続シートを円筒状に多層巻きしたシートロールを、その端面を進行方向にして搬送させる搬送装置であって、
一定方向に移動して、載置されたシートロールを移動させる搬送平面と、この搬送平面の上に立設され、シートロールの周面をガイドする一対のガイド板とで構成される搬送路を備え、
この搬送路の一部に、搬送平面の移動方向に対して、一対のガイド板の延在方向が所定角をなし、通過するシートロールが周方向に転回される転回部を設けた、ことを特徴とするシートロールの搬送装置。
【請求項2】
転回部は、搬送平面とガイド板の下縁との間に隙間が設けられている、請求項1記載のシートロールの搬送装置。
【請求項3】
転回部は、ガイド板の一方の内壁面に向かって上方から気体を吹き付ける気体吹き付け手段が設けられている、請求項1又は2記載のシートロールの搬送装置。
【請求項4】
連続シートを円筒状に多層巻きしたシートロールの搬送方法であって、
一定方向に移動して、載置されたシートロールを移動させる搬送平面と、この搬送平面の上に立設され、シートロールの周面をガイドする一対のガイド板とで構成された搬送路を有し、その搬送路の一部が、搬送平面の移動方向に対して、一対のガイド板の延在方向が所定角をなしている搬送装置を用い、
前記シートロールの端面を進行方向にして搬送路に供給し、
前記ガイド板で周面をガイドしつつ前記搬送平面によりシートロールを移動せしめて搬送し、
前記搬送平面の移動方向に対して、一対のガイド板の延在方向が所定角をなしている区間を通過させることで、その搬送過程でシートロールを周方向に転回させることを、特徴とするシートロールの搬送方法。
【請求項5】
連続シートを円筒状に多層巻きしたシートロールのテールシールを検査するシートロールの検査方法であって、
一定方向に移動して、載置されたシートロールを移動させる搬送平面と、この搬送平面の上に立設され、シートロールの周面をガイドする一対のガイド板とで構成された搬送路を有し、その搬送路の一部が、搬送平面の移動方向に対して、一対のガイド板の延在方向が所定角をなしている搬送装置を用い、
前記シートロールの端面を進行方向にして搬送路内に供給し、
前記ガイド板で周面をガイドしつつ前記搬送平面によりシートロールを移動せしめて搬送し、
前記搬送平面の移動方向に対して、一対のガイド板の延在方向が所定角をなしている区間を通過させることで、その搬送過程でシートロールを周方向に転回させ、
この転回によってシートロールのテールシールを上方側へ露出させて、テールシールの状態を検査する、ことを特徴とするシートロールの検査方法。
【請求項6】
連続シートを円筒状に多層巻きしたシートロールのテールシールの状態を検査するシートロールの検査方法であって、
一定方向に移動して、載置されたシートロールを移動させる搬送平面と、この搬送平面の上に立設され、シートロールの周面をガイドする一対のガイド板とで構成された搬送路を有し、
その搬送路の一部が、搬送平面とガイド板の下縁との間に隙間を有し、かつ搬送平面の移動方向に対して一対のガイド板の延在方向が所定角をなしている搬送装置を用い、
前記シートロールを、その端面を進行方向とし、かつ、一対のガイド板の延在方向が所定角をなしている区間において、テール端縁と巻き部分との間が上方を向きつつガイド板下方側から上方側に向かって転回される向きで搬送路内に供給し、
前記ガイド板で周面をガイドしつつシートロールを移動せしめて搬送し、
その搬送過程で前記転回部を通過させてシートロールを周方向に転回させるとともに、剥離しているテール端部を前記隙間から搬送路外に露出させ、この露出の有無によりテールシールの状態を検査する、ことを特徴とするシートロールの検査方法。
【請求項7】
一対のガイド板の延在方向が所定角をなしている区間において、テール端縁と巻き部分との間が上方を向きつつガイド板下方側から上方側に向かって転回される際に、テール端縁と巻き部分との間に近い側のガイド板の内壁面に向かって上方から気体を吹き付ける、請求項6記載のシートロールの検査方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−23829(P2009−23829A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−191567(P2007−191567)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】