説明

シート搬送装置および画像形成装置

【課題】 シートの剛性が低い場合でもジャムすることがなく精度高くシートの種類等を検知できる、構成が簡易で安価なシート搬送装置を提供する。
【解決手段】 シート搬送路と、シート搬送路を搬送されるシートを受ける受光部24および受光部24にシートを押しつける押し付け部材25を備えていてシートの種類を検知するシート検知ユニット20と、をシート搬送装置は有し、シート検知ユニット20は、一端部がシート搬送路内に突出し、他端部が押し付け部材25および圧縮バネ27で構成された押し付け部に連結されたレバー29と、を備え、搬送されるシートがレバー29の一端部を押す力で、押し付け部による受光部24へのシートの押し付け力が増大される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを搬送するシート搬送装置およびシート上に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シート搬送装置では、シートの種類やシート上の画像の濃度を検知するのに際して、搬送されるシートを厚さ方向でセンサ面やガイド面等に押し付けて検知するように構成されたものがある。例えば、シートに光を照射してその反射光でシートの表面性を検知する構成において、搬送中のシートが厚さ方向でばたついて検知精度が低下しないように、搬送されるシートを押し付け部材でセンサ面に押しつけるようにしたものがある。また、シート上に形成されたパッチ列の濃度又は色度を検知する構成においても、シートがセンサ面から離れてしまって検知精度が低下しないように、シートをセンサ面に押しつけるように構成されたものがある。
【0003】
シートの種類を検知するための検知機構として、具体的には、図9に示すように、シートの厚さに対応して移動する磁性体100の移動量を磁気的な変化により検出する磁気センサ104を備えた検知機構103がある。この検知機構103では、レバー102の一端がガイド面101にシートを押し付けるようになっている。即ち、一端が、ガイド面101に押圧された回動可能なレバー102の他端側に磁性体100が配置されている。ガイド面101とレバー102の一端の間をシートが通過したときのレバー102の回動に応じて磁性体100が移動するように構成されている。シートはガイド面101とレバー102の一端との間に進入するときにレバー102を押し退けるようにしながら搬送される(特許文献1参照)。
【0004】
図9に示す構成では、シートの剛性が大きく且つシートがカールしている場合には、シートのカールした部分がレバー102を持ち上げてしまいレバー102とガイド面の間に隙間が生じることで、本来のシートの厚さよりも厚いシートであると誤検知する虞がある。ここで、誤検知を防止するためにレバー102の押圧力を強く設定すると、剛性が低いシート(薄紙等)を搬送する場合に、シートがガイド面101とレバー102との間に入り込めずにシートの滞留(以下、ジャムと呼ぶ。)が発生してしまう虞がある。
【0005】
そこで、押し付け部材によるシートをセンサ面やガイド面に付勢する付勢力を可変にし、厚いシートの場合に強い付勢力でセンサ面やガイド面にシートを接触させるように構成されたものが提案されている(特許文献2参照)。この特許文献2に開示されている構成では、駆動源からの駆動によって押し付け部材がシートをガイド面に付勢し、駆動源の駆動力を調整することにより押し付け部材の付勢力を可変にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−199593号公報
【特許文献2】特開2006−30736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
シートを検知面に付勢する付勢力を可変にし、厚いシートの場合に強い付勢力で検知面にシートを接触させるようにした従来の構成では、付勢力を変えるのに駆動源が必要となり、構成が複雑となってコストも上がってしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、シートの種類またはシート上の画像の濃度や色度などを精度良く検出することが可能であり、剛性が低いシートの場合でもジャムが発生することが少ない、安価なシート搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明のシート搬送装置は、シートが搬送される搬送路と、前記搬送路を搬送されるシートを受ける受け部と、前記受け部にシートを押しつける押し付け部と、を備え、前記受け部で受けられているシートの種類またはシートに記録された情報を検知する検知部と、前記検知部に設けられ、一端部が前記搬送路内に突出し、他端部が前記押し付け部に連結されたレバーと、を備え、搬送されるシートが前記レバーの一端部を押す力が、前記押し付け部による前記受け部へのシートの押し付け力を増大させるように前記レバーが前記押し付け部に連結されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、シートの剛性が高い場合でもシートを受け部に確実に押し付けることができるので検知精度が高く、シートの剛性が低い場合でもジャムが発生することが少ない、安価なシート搬送装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るシートの剛性が高い場合のシート検知ユニットの検知時の様子を説明する図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るシートの剛性が低い場合のシート検知ユニットの検知時の様子を説明する図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の概略断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るシートの剛性が高い場合のシート検知ユニットの検知時の様子を説明する図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るシートの剛性が低い場合のシート検知ユニットの検知時の様子を説明する図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るシートの剛性が高い場合のシート検知ユニットの検知時の様子を説明する図である。
【図8】本発明を適用可能な第3実施形態に係るシートの剛性が低い場合のシート検知手段の検知時の様子を説明する図である。
【図9】従来例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係るシート搬送装置を具備した画像形成装置を正面から見た概略構成図である。
図1において、1Y、1M、1C、1Kは像担持体である感光体ドラムであり、それぞれイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の現像剤(トナー)を備えたプロセスカートリッジ2Y、2M、2C、2K毎に回転自在にその両端を支持されて設けられ、図示しない駆動モータおよび駆動伝達手段により一方の端部から駆動伝達され、図1の時計回りに回転駆動される。表面に有機光導電体層を塗布された各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kは、帯電ローラ3Y、3M、3C、3Kに帯電バイアスを印加することにより、その表面が一様に帯電させられ、露光手段であるレーザースキャナユニット5から発せられたレーザー光により選択的に露光され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段4Y、4M、4C、4Kにより各色のトナーを付着させられ、トナー像として現像される。
【0014】
中間転写ベルト6は、駆動ローラ7、および従動ローラ8により張架されており、1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kの付勢により感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに当接しながら図示しない駆動モータおよび駆動伝達手段により駆動ローラ7が回転することにより図3の反時計回りに回転駆動される。また、1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kには所定の転写バイアスが印加され、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K表面上の各色トナー像が中間転写ベルト6上に順次重ね合わされて転写され、4色のトナー像となる。
【0015】
給紙カセット10にはシート90が積載されており、シート90には図示しない駆動モータおよび駆動伝達手段により所定のタイミングで駆動される給送ローラ12により給送された後、搬送ローラ対13、レジストローラ対14を通って中間転写ベルト6と2次転写ローラ15とが当接する2次転写位置(画像形成部)に搬送される。2次転写位置では、所定のバイアスを印加された2次転写ローラ15により、中間転写ベルト6上の4色のトナー像がシート90に転写される。
【0016】
4色のトナー像を転写されたシート90は定着ローラ対16に搬送され、トナー像が熱と圧力によりシート90上に溶融固着されることによりカラー画像が得られる。定着ローラ対16により搬送されたシート90は、排出ローラ対17を通過して排出トレイ18上に排出、積載される。
【0017】
搬送ローラ対13とその下流に位置するレジストローラ対14との間に、シートの厚みを検知する、検知部としてのシート検知ユニット20が配設されている。
【0018】
次に、シート検知ユニット20について図2および図3に基づいて説明する。
図2は、例えば厚紙などのシートの剛性が高い場合のシート検知時の様子を示すものである。図3は、例えば薄紙などのシートの剛性が低い場合のシート検知時の様子を示すものである。
【0019】
搬送ローラ対13とその下流に位置するレジストローラ対14の間の搬送路は、内ガイド21と外ガイド22によって湾曲部を有するように形成されている。搬送路の湾曲部の上流側において、発光部23は内ガイド21側に固定されており、その光量を検知する受光部24は外ガイド22側に固定されている。
【0020】
押し付け部材25は受光部24と対向する位置に配設され、案内ガイド26に案内されて上下方向(シートの厚さ方向)に可動である。押し付け部材25は圧縮バネ27により受光部24に付勢される。シートが受光部24上に無い場合、押し付け部材25は受光部24と接している。本実施形態では受光部24の表面が、搬送されるシートを受ける受け部を構成する。押し付け部材25の搬送方向上流側には、傾斜した案内部25aが形成されている。
【0021】
押し付け部材25は白色のPOMなどの材料で形成されており、発光部23からの光を均一に拡散し、シート検知時には受光部24は押し付け部材25により均一に拡散された光を、シート90を介して受光する。受光した光量の値は図示しないコントローラに送られ、光量が大きければ薄紙、小さければ厚紙とコントローラが判断する。コントローラは、判断したシートの種類に応じて、2次転写ローラ15のバイアスや定着ローラ対16の加熱温度およびプロセススピードを所定の条件に変更する。具体的には、厚紙のときに通常のシートの場合よりもプロセススピードを低い速度に設定する。
【0022】
シート検知ユニット20には、内ガイド21側の回動軸28を支点として回動自在に保持されたレバー29が備えられている。レバー29の一端部は内ガイド21と外ガイド22とで形成される湾曲した搬送路内に突出している。レバー29の他端部は、圧縮バネ27と当接しており、発光部23およびその光と干渉しないために貫通穴29aがレバー29の他端部に設けられている。圧縮バネ27はレバー29の他端部と押し付け部材25の間に設けられている。即ち、レバー29の他端部は、押し付け部材25と圧縮バネ27とで構成されている、シートを受光部24へ押し付ける押し付け部に連結されている。圧縮バネ27は、押し付け部材25を受光部24へ付勢する力を発生する。
【0023】
シートが受光部24上に無い場合、押し付け部材25の自重、及び、圧縮バネ27を介して加わるレバー29の自重によって、押しつけ部材25は受光部24に付勢された状態となっている。
【0024】
シート90が搬送ローラ対13を通過すると、傾斜した案内部25aによって案内されて受光部24と押し付け部材25の間にシート90は入り込む。そして、シート90は押し付け部材25を押し上げた状態で搬送される。
【0025】
ここで、シートの剛性が低い場合の動作について説明する。図3のようにシート90は外ガイド22に沿って搬送されることになり、レバー29の一端部には当接しないか、もしくは当接しても圧縮バネ27の付勢に抗してレバー29を回動させるだけのモーメントをレバー29に与えないため、レバー29は回動しない。従って、押し付け部材25を検知部24に付勢する力(押し付け部材25がシートを押し付ける力)はレバー29によって変化されることなく、弱いままではある。シート90の剛性が低いため、押し付け部材25がシートを押し付ける力が弱いままであっても、押し付け部材25によって十分にシート90を受光部24に浮き上がることなく押し付けることができる。
【0026】
次に、シートの剛性が高い場合について説明する。図2のように、シート90の先端のみ外ガイド22に沿うように外ガイド22と接触しながらシートは搬送され、先端以外の部分は外ガイド22から浮き上がるようになる。シートの剛性が高くシートが真っ直ぐになろうとするからである。このとき、浮き上がったシート90に押されることによってレバー29は回動軸28を支点として圧縮バネ27のバネ力に抗して時計回りに回動する。レバー29の他端部に当接する圧縮バネ27は圧縮させられて押し付け部材25を受光部24へ付勢する力が強くなる。従って、押し付け部材25がシートを受光部24に押し付ける押し付け力が、搬送されるシートの剛性によって増大するので、押し付け部材25によってシート90を受光部24に浮き上がることなく押し付けることができる。
【0027】
以上詳述したように、本実施形態においては、湾曲した搬送路の近傍にシート検知部20が配置されている。シートの剛性を利用して回動されるレバー29によって、押し付け部材25を受光部24へ付勢する力を増大させることができるように構成される。シートの剛性が低いとき(薄紙など)は付勢力が弱いので、受光部24と押し付け部材25の間にシートが入り込めないことに起因したジャムの発生が少ない。剛性の高いシート(厚紙など)のときは付勢力が強いのでシートが受光部から浮き上がることが無くなり検知精度を良好に保つことができる。本実施形態は、特に、小型の画像形成装置など、ストレートの搬送路が無い場合において有効な構成である。
【0028】
また、本実施形態においては、シート検知ユニット20を湾曲した搬送路の上流側に配置したが、湾曲部の下流側に配置されていても良い。
【0029】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る画像形成装置について、図4乃至図6を用いて詳細に説明する。図4は、本第2実施形態に係るシート搬送装置を具備した画像形成装置を正面から見た概略構成図である。尚、画像形成装置の概略構成については上述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0030】
図5は、例えば薄紙などのシートの剛性が低い場合のシート検知時の様子を示すものである。また、図6は、例えば厚紙などのシートの剛性が高い場合のシート検知時の様子を示すものである。
【0031】
搬送ローラ対13とその下流に位置するレジストローラ対14の間の搬送路は、上ガイド31と下ガイド32によって概ねストレートにシートが搬送されるように形成されている。下ガイド32には、滑らかな傾斜を有して搬送路内に突出する突起部としての突起形状部32aが形成されている。
【0032】
搬送路の上流側において、発光部33は上ガイド31側に固定されており、その光量を検知する受光部34は下ガイド32側に固定されている。
押し付け部材35は受光部34と対向する位置に配設され、案内ガイド36に案内されて上下方向に可動である。押し付け部材35は圧縮バネ37により受光部34側に付勢されており、シートが受光部34上に無い場合、押し付け部材35は受光部34と当接している。
【0033】
押し付け部材35は白色のPOMなどの材料で形成されており、発光部33からの光を均一に拡散し、シート検知時には受光部34は押し付け部材35により均一に拡散された光を、シート90を介して受光する。受光した光量の値はコントローラに送られ、光量が大きければ薄紙、小さければ厚紙とコントローラは判断する。コントローラは、判断したシートの種類に応じて、2次転写ローラ15のバイアスや定着ローラ対16の加熱温度およびプロセススピードを所定の条件に変更する。
【0034】
シート検知ユニット30には、上ガイド31側の回動軸38を支点として回動自在に保持されたレバー39が備えられている。レバー39の一端部は搬送路内に突出し、下ガイド32に形成された突起形状部32aの下流側近傍に位置し、上下方向(搬送されるシートの厚さ方向)において突起形状部32aとオーバーラップしている。レバー39の他端部は圧縮バネ37と当接しており、発光部33およびその光と干渉しないためにレバー39の他端部には貫通穴39aが設けられている。圧縮バネ37はレバー39の他端部と押し付け部材35の間に設けられている。圧縮バネ37は、押し付け部材35を受光部34へ付勢する力を発生する。
【0035】
シートが受光部34上に無い場合、押し付け部材35の自重、及び、圧縮バネ37を介して加わるレバー39の自重によって、押しつけ部材35は受光部34に付勢された状態となっている。
【0036】
シート90は搬送ローラ対13を通過すると、受光部34と押し付け部材35の間にシートが入り込み、押し付け部材35を押し上げた状態でシートは搬送される。
【0037】
ここで、シートの剛性が低い場合について説明する。図5のようにシート90の全体が下ガイド32に概ね沿って搬送されることになり、レバー39に当接しても圧縮バネ37の付勢に抗してレバー39を回動させるだけのモーメントをレバー39に与えないので、レバー39は回動しない。従って、押し付け部材35を検知部34に付勢する力(押し付け部材35がシートを押し付ける力)は、レバー39によって変化されることなく弱いままである。シート90の剛性が低いため、押し付け部材25がシートを押し付ける力が弱いままであっても、押し付け部材35によって十分にシート90を受光部34に浮き上がることなく押し付けることができる。
【0038】
次に、シートの剛性が高い場合について説明する。図6のように、シート90は突起形状部32aの頂部に当接し、突起形状部32aの頂部よりも下流側且つ突起形状部32aの近傍では下ガイド32からシートは浮き上がった状態で搬送されることになる。シートの剛性が高くシートが真っ直ぐになろうとするからである。このとき、浮き上がったシート90の先端側に押されることよってレバー39は回動軸38を支点として圧縮バネ37の付勢に抗して時計回りに回動する。レバー39の他端部に当接する圧縮バネ37は圧縮させられて押し付け部材35を受光部34へ付勢する力が強くなる。従って、押し付け部材25がシートを押し付ける力が、搬送されるシートによって強まるので、押し付け部材35によって十分にシート90を受光部34に浮き上がることなく押し付けることができる。
【0039】
以上詳述したように、本実施形態においては、ストレートな搬送路にシート検知ユニット30が配置される。シートの剛性を利用して回動するレバー39により押し付け部材35への付勢力を可変できる。つまり、シートの剛性を利用して回動されるレバー39によって、押し付け部材35を受光部34へ付勢する力が高まるように構成されている。シートの剛性が低いとき(薄紙など)は付勢力が弱いので搬送性能に影響を与えることが少なくジャムなどの発生が少ない。剛性の高いシート(厚紙など)のときは付勢力が強いのでシートが受光部から浮き上がることが無くなり検知精度を良好に保つことができる。
【0040】
本第2実施形態においては、シート検知ユニット30の発光部および受光部を、ストレートな搬送路(レバーが突出している箇所)の上流側に配置した形態を例示したが、発光部および受光部をストレートな搬送路の下流側に配置しても良い。
【0041】
また、本第2実施形態においては、レバーの一端部が下ガイド32に形成された突起形状部32aの頂部よりも下流側に位置する形態を例示したが、レバーの一端部が、突起形状部32aの先端より上流側に位置するように構成しても良い。
【0042】
また、本実施形態においては、上ガイド31側に発光部とレバー39を配置し、下ガイド32側に受光部を配置したが、上下逆の構成、即ち、上ガイド31側に受光部を配置し、下ガイド32側に発光部とレバー39を配置してもよい。
【0043】
(第3実施形態)
以下、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置について、図7及び図8を用いて詳細に説明する。尚、画像形成装置の概略構成については上述した第2実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0044】
図7は、例えば薄紙などのシートの剛性が低い場合のシート検知時の様子を示すものである。図8は、例えば厚紙などのシートの剛性が高い場合のシート検知時の様子を示すものである。
【0045】
搬送ローラ対13とその下流に位置するレジストローラ対14の間の搬送路は、上ガイド41と下ガイド42によって概ねストレートにシートが搬送されるように形成されている。下ガイド42には、滑らかな傾斜を有して搬送路の外方向に窪んだ窪み形状部42aが形成されている。
【0046】
搬送路の上流側において、発光部43は上ガイド41側に固定されており、その光量を検知する受光部44は下ガイド42側に固定されている。押し付け部材45は受光部44と対向する位置に配設され、案内ガイド46に案内されて上下方向に可動である。押し付け部材45は圧縮バネ47により受光部44側に付勢されており、シートが受光部44上に無い場合は、押し付け部材45は受光部44と当接している。
【0047】
押し付け部材45は白色のPOMなどの材料で形成されており、発光部43からの光を均一に拡散し、シート検知時には受光部44は、押し付け部材45により均一に拡散された光を、シート90を介して受光する。受光部44が受光した光量の値はコントローラに送られる。コントローラは、光量が大きければ薄紙、小さければ厚紙と判断する。コントローラは判断したシートの種類に応じて、2次転写ローラ15のバイアスや定着ローラ対16の加熱温度およびプロセススピードを所定の条件に変更する。
【0048】
シート検知ユニットには、上ガイド41側の回動軸48を支点として回動自在に保持されたレバー49が備えられている。レバー49の一端部は搬送路内に突出し、下ガイド42に形成された窪み形状部42aの内部に進入している。レバー49の他端部は圧縮バネ47と当接しており、発光部43およびその光と干渉しないために貫通穴49aが設けられている。圧縮バネ47はレバー49の他端部と押し付け部材45の間に設けられている。圧縮バネ47は、押し付け部材45を受光部44へ付勢する力を発生する。
【0049】
シートが受光部44上に無い場合、押し付け部材45の自重、及び、圧縮バネ47を介して加わるレバー49の自重によって、押しつけ部材45は受光部44に付勢された状態となっている。
【0050】
シート90は搬送ローラ対13を通過すると、受光部44と押し付け部材45の間にシートは入り込み、押し付け部材45を押し上げた状態でシートは搬送される。
【0051】
ここで、シートの剛性が低い場合について説明する。図7のようにシート90は、レバー49に当接しても圧縮バネ47のバネ力に抗してレバー49を回動させるだけのモーメントをレバー49に与えないため、レバー49は回動しない。シート90は、レバー49の先端に当接しながら、窪み形状部42aに入り込むように、即ち、窪み形状部42aの部分において窪み形状部42aの形状に沿った撓みを形成した状態で、搬送される。従って、押し付け部材45を受光部44に付勢する力(押し付け部材35がシートを押し付ける力)は変化することなく弱いままである。押し付け部材45を受光部44に付勢する力が弱いままであっても、シート90の剛性が低いので、押し付け部材45によって十分にシート90を受光部44に浮き上がることなく押し付けることができる。
【0052】
次に、シートの剛性が高い場合について説明する。図8に示すように、シート90は窪み形状部42aには入り込まずに搬送されることになる。シートの剛性が高くシートが真っ直ぐになろうとするからである。このとき、シート90に押されることよってレバー49は回動軸48を支点として圧縮バネ47の付勢に抗して時計回りに回動する。レバー47の他端部に当接する圧縮バネ47はさらに圧縮させられて押し付け部材45を受光部44へ付勢する力が強くなる。従って、押し付け部材45がシートを押し付ける力が、搬送されるシートの剛性によって強まるので、押し付け部材45によって十分にシート90を受光部44に浮き上がることなく押し付けることができる。
【0053】
以上詳述したように、本第3実施形態においては、ストレートな搬送路にシート検知ユニットが配置される。シートの剛性を利用して回動されるレバー49によって、押し付け部材45を受光部44へ付勢する力が高まるように構成される。シートの剛性が低いとき(薄紙など)は付勢力が弱いので搬送性能に影響を与えることが少なくジャムなどの発生が少ない。剛性の高いシート(厚紙など)のときは付勢力が強いのでシートが受光部から浮き上がることが無くなり検知精度を良好に保つことができる。
【0054】
なお、本第3実施形態においては、シート検知ユニットの発光部43および受光部44を、ストレートな搬送路(レバーが突出している箇所)の上流側に配置した形態を例示したが、発光部43および受光部44をストレートな搬送路の下流側に配置しても良い。また、上ガイド41側に発光部43とレバー49を配置し、下ガイド42側に受光部44を配置した形態を例示して説明したが、上下逆の構成、即ち、上ガイド41側に受光部44を配置し、下ガイド42側に発光部43とレバー49を配置してもよい。
【0055】
なお、上述のいずれの実施形態においても、シート検知ユニットとして、発光部とシートを透過した光を受ける受光部とから成り、シートの厚さを検知するものを例示した。しかし、シートの表面粗さを検知して普通紙かグロス紙かを検出(種類の判別)するものにも適用できる。例えば、上述の第1実施形態での受光部24に代えて、シートで反射された反射光を受光して表面粗さを検知する反射型メディアセンサを配置するように構成する。また、シート上のパッチ列(パッチ画像)の濃度や色度などのシートに記録された情報を検知する、カラーセンサーを備えたものにも適当できる。例えば、上述の第1実施形態での受光部24に代えてカラーセンサーを配置して画像の濃度や色度を検知するように構成する。
【符号の説明】
【0056】
23、33、43 発光部
24、34、44 受光部
25、35、45 押し付け部材
27、37、47 圧縮バネ
29、39、49 レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートが搬送される搬送路と、
前記搬送路を搬送されるシートを受ける受け部と、前記受け部にシートを押しつける押し付け部と、を備え、前記受け部で受けられているシートの種類またはシートに記録された情報を検知する検知部と、
前記検知部に設けられ、一端部が前記搬送路内に突出し、他端部が前記押し付け部に連結されたレバーと、を備え、
搬送されるシートが前記レバーの一端部を押す力が、前記押し付け部による前記受け部へのシートの押し付け力を増大させるように前記レバーが前記押し付け部に連結されていることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記押し付け部は、押し付け部材と、前記押し付け部材を介してシートを前記受け部に押し付けるように前記押し付け部材を前記受け部へ付勢する付勢力を発生する、前記レバーの他端部と前記押し付け部材との間に設けられたバネと、を備え、
前記レバーは、搬送されるシートによって前記一端部が押されることで、前記レバーの他端部が前記バネを圧縮させて前記押し付け部材によるシートの押し付け力が増大する方向に回動することを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記搬送路は湾曲部を有し、
前記レバーの一端部は、前記湾曲部の内側から前記湾曲部内に突出されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記搬送路を構成するガイドに突起部が形成され、
該レバーの一端部は前記突起部の近傍に配設されていることを特徴とする請求項1または2にシート搬送装置。
【請求項5】
前記搬送路を構成するガイドに窪み部が形成され、
該レバーの一端部は前記窪み部に配設されていることを特徴とする請求項1または2にシート搬送装置。
【請求項6】
前記検知部は、シートの剛性を検知することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のシート搬送装置。
【請求項7】
前記検知部は、シートに記録された画像の濃度または色度を検知することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のシート搬送装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載のシート搬送装置と、前記シート搬送装置によって搬送されるシートに画像を形成する画像形成部と、を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−254865(P2012−254865A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129158(P2011−129158)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】