説明

シート搬送装置

【課題】単にシートに応じた物理量の変化のみに基づき重送の有無を判断する構成に比べて、重送と誤って判断されることを抑制することが可能な技術を開示する。
【解決手段】画像読取装置1は、超音波センサ28の検出値が規定範囲外であると判定し、且つ、判定対象の原稿Mの後に別の原稿Mが有ると判定した場合には、重送有りと判断し、超音波センサ28の検出値が規定範囲外であると判定し、且つ、上記別の原稿Mが無いと判定した場合には、重送無しと判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚のシートが重なって搬送される重送の有無を判断する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置、画像読取装置やファクシミリ装置などには、原稿や記録紙などのシートを搬送する搬送機構が備えられている。このような搬送機構を備えるシート搬送装置では複数のシートが重なって搬送される、いわゆる重送を防止する必要がある。従来、この重送を防止するためのものの一例として、超音波センサを利用するシート搬送装置がある(特許文献1参照)。超音波センサは、シートの搬送経路を挟んで対向配置される超音波発振器と超音波受信器とを有する。上記シート搬送装置では、超音波発振器と超音波受信器との間にシートが1枚搬送されるときと2枚以上搬送されるときとでは、シートでの超音波の減衰量が異なるため、その減衰量が所定の閾値と比較されることにより重送の有無が判断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−95390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記従来技術のように、搬送されるシートに応じた物理量の変化で重送の有無を判断するものでは、厚いシートや複数のシートが一体化されたキャリアシートなどが1枚搬送される場合でも、重送有りと判断されてしまうという問題がある。
【0005】
本明細書では、単にシートに応じた物理量の変化のみに基づき重送の有無を判断する構成に比べて、重送と誤って判断されることを抑制することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示されるシート搬送装置は、シートを搬送する搬送機構と、前記搬送機構により搬送されるシートに応じた物理量を検出するシートセンサと、前記シートセンサの検出値が規定範囲内であるかどうかを判定する物理量判定部と、前記物理量判定部の判定対象とされたシートの後に、前記搬送機構により搬送される別シートが有るかどうかを判定する別シート判定部と、前記検出値が前記規定範囲外であると前記物理量判定部が判定し、且つ、前記別シートが有ると前記別シート判定部が判定した場合には、重送有りと判断し、前記検出値が前記規定範囲外であると前記物理量判定部が判定し、且つ、前記別シートが無いと前記別シート判定部が判定した場合には、重送無しと判断する重送判断部と、を備える。
【0007】
上記シート搬送装置では、前記別シート判定部は、前記搬送機構により搬送されるシートの有無を検知するシート有無センサを有し、当該シート有無センサが、前記検出値が前記規定範囲外であると判定されたシートを検出しなくなった後、再び、シートを検出した場合に前記別シートが有ると判定してもよい。
【0008】
上記シート搬送装置では、前記物理量判定部は、前記シート有無センサがシート有りを検知しているときにおける前記シートセンサの検出値が前記規定範囲内であるかどうかを判定してもよい。
【0009】
上記シート搬送装置では、前記重送判断部は、前記シート有無センサがシート有りを検知している期間内に、前記シートセンサの検出値が前記規定範囲内であると前記物理量判定部が判定した状態と、前記シートセンサの検出値が前記規定範囲外であると前記物理量判定部が判定した状態とがある場合には、前記別シート判定部の判定にかかわらず、重送有りと判断してもよい。
【0010】
上記シート搬送装置では、前記シート有無センサは、前記シートセンサの検出領域よりもシート搬送方向上流側でシートの有無を検知する構成でもよい。
【0011】
上記シート搬送装置では、前記シートセンサは、超音波センサまたは光学センサでもよい。
【0012】
上記シート搬送装置では、前記重送判断部は、1つのジョブの2枚目以降のシートについては、前記検出値が前記規定範囲外であると前記物理量判定部が判定した場合に重送有りと判断してもよい。
【0013】
上記シート搬送装置では、前記重送判断部が重送有りと判断したことを報知する報知部を備えてもよい。
【0014】
上記シート搬送装置では、前記重送判断部が重送有りと判断した場合に、前記搬送機構によるシート搬送を停止する搬送制御部を備えてもよい。
【0015】
上記シート搬送装置では、前記重送有りの判断禁止指示を受け付ける指示受付部を備え、前記重送判断部は、前記指示受付部が前記判断禁止指示を受け付けた場合には、前記物理量判定部及び前記別シート判定部の判定にかかわらず、重送有りの判断を禁止してもよい。
【0016】
上記シート搬送装置では、前記搬送機構により搬送するシートのサイズ指定を受け付けるサイズ受付部を備え、前記重送判断部は、前記サイズ受付部が所定サイズのサイズ指定を受け付けた場合には、前記物理量判定部及び前記別シート判定部の判定にかかわらず、重送有りの判断を禁止してよい。
【0017】
シート搬送装置では、前記搬送機構により搬送されるシート上の画像を読み取る画像読取部と、少なくとも前記重送判断部が重送有りと判断する前まで前記画像読取部が読み取った画像データを記憶する画像記憶部とを備えてもよい。
【0018】
なお、この発明は、重送判断方法、印刷装置、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、単にシートに応じた物理量の変化のみに基づき重送の有無を判断する構成に比べて、重送と誤って判断されることを抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】一実施形態の画像読取装置1の概略的な内部構成図
【図2】画像読取部24の概略的な構成図
【図3】画像読取装置1の電気的構成を概略的に示すブロック図
【図4】重送判定処理を示すフローチャート
【図5】第1処理を示すフローチャート
【図6】連れ重送時のシートの搬送状態と検出値の変位との関係を示す模式図
【図7】重送時のシートの搬送状態と検出値の変位との関係を示す模式図
【図8】第2処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0021】
<一実施形態>
一実施形態について図1から図8を参照しつつ説明する。以下の説明では、図1,図2中の符号Xが付された方向が画像読取装置1の前方向であり、符号Yが付された方向が右方向であり、符号Zが付された方向が上方向であるものとする。なお、画像読取装置1は、シート搬送装置の一例である。
【0022】
1.画像読取装置の機械的構成
図1は画像読取装置1の概略的な内部構成図である。画像読取装置1は、原稿トレイ2と、本体部3と、排出トレイ4と、を含む。この画像読取装置1は、原稿トレイ2に載置された原稿Mを本体部3内に搬送しつつ、その搬送中の原稿M上の画像を、本体部3内に設けられた画像読取部24により読み取り、その画像が読み取られた原稿Mを排出トレイ4に排出するシートフィードスキャナである。なお、原稿Mは、シートの一例であり、紙製に限らずプラスチック製などでもよい。
【0023】
原稿トレイ2は、前側が下方に傾斜した状態で、本体部3の後側に設けられており、1または複数枚の原稿Mが載置される。本体部3の内部には、原稿トレイ2の前端から排出トレイ4の後端まで延びる搬送経路22が設けられている。また、この搬送経路22の周辺に、ピックアップローラ20と、分離パッド21と、フィードローラ23と、画像読取部24と、排出ローラ25と、フロントセンサ26、リヤセンサ27、超音波センサ28とが設けられている。リヤセンサ27はシート有無センサの一例であり、超音波センサ28はシートセンサの一例である。
【0024】
ピックアップローラ20は、原稿トレイ2の前側に配置され、原稿トレイ2に載置された1または複数枚の原稿Mを、摩擦力により、本体部3の内部へと引き込む。分離パッド21は、ピックアップローラ20に対向するように配置され、摩擦力により、複数枚の原稿Mを1枚ずつ分離する。これにより、原稿Mが1枚ずつ本体部3の内部へと搬送される。
【0025】
フィードローラ23は、ピックアップローラ20等よりも搬送経路22の下流側に設けられ、図示しないモータにより駆動され、搬送経路22上に存在する原稿Mを前方へと搬送する。画像読取部24は、フィードローラ23よりも搬送経路22の下流側に設けられ、そのフィードローラ23による搬送中の原稿Mの画像を読み取る。
【0026】
排出ローラ25は、画像読取部24よりも搬送経路22の下流側に設けられ、画像読取部24にて画像読取処理がされた原稿Mを、本体部3の外部に送り出す。排出トレイ4は本体部3の前側に設けられ、その排出トレイ4に、本体部3の外部に送り出された原稿Mが積層される。なお、搬送経路22、ピックアップローラ20、フィードローラ23、排出ローラ25が搬送機構29を構成する。
【0027】
フロントセンサ26は、原稿トレイ2の前端側に設けられ、原稿トレイ2上に配置されている原稿Mの有無を検知し、その検知結果に応じた検知信号SG1を出力する。リヤセンサ27は、搬送経路22途中に存在する原稿Mの有無を検知し、その検知結果に応じた検知信号SG2を出力する。なお、フロントセンサ26、リヤセンサ27は、例えば、圧力センサなどの接触式センサでも、光学センサや磁気センサなどの非接触式センサでもよい。
【0028】
超音波センサ28は、搬送経路22を挟んで配置される超音波発振器28Aと、超音波受信器28Bとを有し、超音波受信器28Bでの超音波の受信量に応じた検出信号SG3を出力する。超音波受信器28Bでの超音波の受信量は、搬送経路22中を搬送されるシートが厚くなるほどが減衰する。従って、この受信量に基づきシートの重送の有無を一応判断することができる。ただし、本実施形態では、後述するように、原則、超音波センサ28からの検出信号SG3だけでは、シートの重送有りと判断しない。
【0029】
2.画像読取部の構成
図2は画像読取部24の概略的な構成図である。画像読取部24は、読取デバイス30と読取デバイス40とが搬送経路22を挟んで対向配置された構成とされている。両読取デバイス30,40は、搬送経路22の搬送方向においてお互いに相対移動不能に設けられており、両読取デバイス30,40の間の領域が読取領域である。なお、両読取デバイス30,40は、CIS(Contact Image sensor)やCCD(Charge Coupled Drive Image Sensor)であることが好ましい。
【0030】
読取デバイス30は、搬送経路22の上側に配置されており、搬送中の原稿Mの一面、換言すれば上面の画像を読み取る。具体的には、読取デバイス30は、光源31、受光部32、基準部材33、プラテンガラス34がキャリッジ35に搭載された構成とされている。光源31は、発光ダイオードなどの発光素子を備えて構成されている。光源31は、発光素子以外に、投光レンズなどの光学系を備える構成でもよい。受光部32は、図示しない複数の受光素子が左右方向に配列されて構成されている。プラテンガラス34は、搬送経路22に沿って配置されている。光源31は、プラテンガラス34を介して搬送経路22内を搬送される原稿M、または、読取デバイス40の基準部材43に光L1を照射し、受光部32は、原稿Mまたは基準部材43からの反射光L2を受光する。
【0031】
読取デバイス40は、搬送経路22の下側に配置されており、搬送中の原稿Mの他面、換言すれば下面の画像を読み取る。具体的には、読取デバイス40は、光源41、受光部42、基準部材43、プラテンガラス44がキャリッジ45に搭載された構成とされている。光源41及び受光部42は、上記光源31及び受光部42と同様の構成である。プラテンガラス44は、搬送経路22に沿って配置されている。光源41は、プラテンガラス44を介して搬送経路22内を搬送される原稿M、または、読取デバイス30の基準部材33に光L3を照射し、受光部42は、原稿Mまたは基準部材33からの反射光L4を受光する。
【0032】
基準部材33及び基準部材43は、白色基準板に限らず灰色基準板などでもよく、また、図2に示すようにプラテンガラス34,44に埋設された構成以外に、プラテンガラス34,44の前面または背面に配置された構成でもよい。読取デバイス30は、読取デバイス40が有する基準部材43を用いてシェーディング補正等に必要な白基準データを取得し、読取デバイス40は、読取デバイス30が有する基準部材33を用いてシェーディング補正等に必要な白基準データを取得する。
【0033】
また、本体部3には、この他に、電源スイッチや各種設定ボタンからなり、ユーザからの操作指令等を受け付ける操作部5や、液晶ディスプレイからなり、画像読取装置1の状況や画像読取部24が原稿を読み取った画像を表示する表示部6を含む(図2参照)。
【0034】
3.画像読取装置の電気的構成
図3は画像読取装置1の電気的構成を概略的に示すブロック図である。画像読取装置1は、画像読取装置1の各部を制御する制御回路10を含む。制御回路10は、中央処理装置(以下、CPU)11、ROM12、RAM13を備え、これらにバス14を介して操作部5、表示部6、アナログフロントエンド(以下、AFE)15、点灯回路16、搬送機構29に含まれる各ローラを駆動する駆動回路17、読取デバイス30、40、フロントセンサ26、リヤセンサ27、超音波センサ28などが接続されている。
【0035】
ROM12には、画像読取装置1の動作を制御するための制御プログラムなど、各種のプログラムが記憶されており、CPU11は、ROM12から読み出した制御プログラムに従って各部の制御を行う。なお、制御プログラムが記憶される媒体は、ROM12以外に、CD−ROM、ハードディスク装置、フラッシュメモリ(登録商標)などの不揮発性メモリであることが好ましい。
【0036】
点灯回路16は、読取デバイス30、40に各々接続されており、CPU11からの命令に基づいて、光源31、41の点灯及び照射時間を制御する信号を読取デバイス30、40に送信する。読取デバイス30、40は、点灯回路16から信号を受け取ると、光源31、41を点灯し、照射時間に亘って光源31、41を発光させる。その際、読取デバイス30、40は、CPU11からの命令に基づいて、搬送経路22内を搬送される原稿M又は基準部材33、43から反射される反射光を受光部32、42にて受光し、受光部32、42が受光した受光量に応じたアナログ信号である読取電圧をAFE15に出力する。読取デバイス30、40は、受光部32、42の各受光素子を用いて反射光を受光し、各受光素子が受光した受光量に応じた読取電圧を順次、AFE15に出力する。
【0037】
AFE15は、読取デバイス30、40に各々接続されており、CPU11からの命令に基づいて、読取デバイス30、40から出力される読取電圧をデジタル信号である読取データに変換するA/D変換回路を有している。AFE15は、予め定められた分解能B(例えば、8ビットであるならば0から255の階調)を有している。AFE15は、読取デバイス30、40から出力された読取電圧を8ビット(0〜255)の読取データにA/D変換を行う。そして、AFE15によってA/D変換された読取データは、バス14を介してRAM13に記憶される。
【0038】
4.重送判断処理
図4は、制御回路10、換言すればCPU11が実行する重送判断処理を示すフローチャートである。
【0039】
CPU11は、ユーザによる操作部5での操作や外部機器からの指示信号の受信に基づき、画像読取の開始指示を受け付け、且つ、フロントセンサ26からの検知信号SG1に基づき原稿トレイ2上に原稿Mが有ると判断した場合、上記制御プログラムに従って図4に示す重送判断処理を実行する。CPU11は、まず駆動回路17を介して搬送機構29の駆動を開始させる(S1)。これにより、原稿トレイ2上に配置された原稿Mが搬送経路22に沿って搬送される。
【0040】
次に、CPU11は、重送有りの判断を禁止する判断禁止指示を受け付けたかどうかを判断する(S2)。なお、判断禁止指示は、例えばユーザによる操作部5での操作や外部機器からの指示信号に基づき受け付けられる。このとき、CPU11は指示受付部の一例である。
【0041】
CPU11は、上記判断禁止指示を受け付けた場合には(S2:YES)、本重送判断処理を終了する一方で、原稿トレイ2上に配置された原稿Mの搬送及び画像読取処理は続行する。これにより、ユーザは、例えばキャリアシートやカードなど重送と誤判断され易い、複数枚の原稿Mについて、画像読取処理を実行したい場合には、上記判断禁止指示の入力操作等を行うことで、重送有りとの判断を禁止して、それら複数枚の原稿Mの搬送及び画像読取処理を続行することができる。
【0042】
CPU11は、上記判断禁止指示を受け付けない場合には(S2:NO)、読取対象の原稿Mについて所定サイズのサイズ指定を受け付けたかどうかどうかを判断する(S3)。所定サイズとは、例えばクレジットカードのカードサイズなど、普通紙よりも厚いため、重送と誤判断され易い原稿で特に多く使用されるサイズが好ましい。サイズ指定は、例えばユーザによる操作部5での操作や外部機器からの指示信号に基づき受け付けられる。このとき、CPU11はサイズ受付部の一例である。なお、画像読取装置1が、原稿トレイ2上に配置された原稿Mのサイズを検出するサイズ検出センサ(図示せず)を備える場合には、当該サイズ検出センサの検出結果に基づきサイズ指定を受け付ける構成でもよい。
【0043】
CPU11は、所定サイズのサイズ指定を受け付けた場合には(S3:YES)、本重送判断処理を終了する一方で、原稿トレイ2上に配置された原稿Mの搬送及び画像読取処理は続行する。これにより、ユーザは、例えばカードなど重送と誤判断され易い、複数枚の原稿Mについて、画像読取処理を実行したい場合には、サイズ指定の入力操作等を行うことで、重送有りとの判断を禁止して、それら複数枚の原稿Mの搬送及び画像読取処理を続行することができる。CPU11は、上記所定サイズのサイズ指定を受け付けない場合には(S3:NO)、リヤセンサ27からの検知信号SG2が示す検出結果が原稿Mの先端の有無を判断する(S4)。CPU11は、検知信号SG2が示す検知結果が原稿M無しである場合には(S4:NO)、原稿Mの先端を検知していないとして待機する(S4:NO)。一方、CPU11は、検知信号SG2が示す検出結果が原稿M無しから原稿M有りに切り替わったときには、原稿Mの先端を検知したとする(S4:YES)。CPU11は、原稿Mの先端を検知すると、先端が検知された原稿Mに対する画像読取処理を上記画像読取部24に実行させ、また、第1処理を実行する(S5)。
【0044】
(1)第1処理
図5は、第1処理を示すフローチャートである。CPU11は、まず異常判定開始設定を行う(S101)。具体的には、CPU11は、例えばRAM13に記憶された異常カウント値及び正常カウント値をそれぞれゼロに初期化したり、超音波センサ28を起動させたりする。CPU11は、例えば内蔵タイマにより時間カウントし、予め定めた時間間隔ごとの検出タイミングが到来したかどうかを判断する(S102)。そして、CPU11は、検出タイミングが到来しないと判断すれば(S102:NO)、待機する。
【0045】
CPU11は、検出タイミングが到来した場合には(S102:YES)、超音波センサ28からの検出信号SG3を図示しないA/D変換器によりA/D変換し、その変換後の検出値が閾値未満であるかどうかを判定する(S103)。このときCPU11は物理量判定部として機能する。閾値は、例えば超音波発振器28Aと超音波受信器28Bとの間に、普通用紙など定格シートが2枚存在するときにおける超音波センサ28の検出値よりも大きく、1枚存在するときにおける超音波センサ28の検出値よりも小さいことが好ましい。
【0046】
CPU11は、検出値が閾値未満である場合(S103:YES)、超音波発振器28Aと超音波受信器28Bとの間には、上記定格シート1枚分よりも厚い1又は複数枚の原稿Mが存在し得る。そこで、CPU11は、この場合、異常とみなし、上記異常カウント値Kに1加算する(S104)。一方、CPU11は、検出値が閾値以上である場合(S103:NO)、超音波発振器28Aと超音波受信器28Bとの間には、上記定格シート1枚分以下の原稿Mが存在し得る。そこで、CPU11は、この場合、正常とみなし、上記正常カウント値Nに1加算し(S109)、異常カウント値Kをゼロに初期化する(S108)。
【0047】
CPU11は、加算後の異常カウント値Kが上限値X、例えば4に達したかどうかを判断する(S105)。CPU11は、異常カウント値Kが上限値Xに達したと判断した場合には(S105:YES)、加算後の正常カウント値Nが上限値Y、例えば12未満であるかどうかを判断する(S106)。CPU11は、正常カウント値Nが上限値Y未満であると判断すれば(S106:NO)、異常情報を例えばRAM13等に記憶し(S107)、S108に進む。即ち、CPU11は、X回連続して異常であると判断した場合に、異常フラグなどの異常情報を記憶する。但し、後述するように、CPU11は、この判断結果だけで重送有りとの判断をしない。
【0048】
また、CPU11は、加算後の異常カウント値Kが上限値Xに達したと判断しても(S105:YES)、正常カウント値Nが上限値Y以上であると判断した場合には(S106:YES)、異常情報を記憶しない。このように、CPU11は、原稿Mの先端を検知してから次に後端を検知するまでの間に、Y回以上、正常であると判断し、且つ、X回連続して異常であると判断した場合には、2枚以上の原稿Mの端部同士が重なった、いわゆる連れ重送であるとみなす。
【0049】
図6は、連れ重送時におけるシートの搬送状態と検出値の変位との関係を示す模式図である。同図では、1枚目の原稿M1の後端部に、2枚目の原稿M2の先端部が重なった状態で両原稿Mが搬送されている。両原稿M1、M2は普通紙である。このような場合、原稿M1の先端がリヤセンサ27により検知された後(S2:YES)、時間T1から時間T2までの間に、Y回以上、正常であると判断され(S106:YES)、時間T3から時間T4までの間にX回連続して異常であると判断される(S105:YES)。
【0050】
このとき、原稿M2の後端はまだリヤセンサ27により検知されていない。キャリアシートやカードでは、全長に亘って略同一の厚さなので、リヤセンサ27が原稿M有りを検知し続けている間に、X回連続して異常であると判断されることに加えて、Y回以上、正常であると判断されることはほとんどないと考えられる。このため、このような判断結果の場合には、連れ重送であるとみなされる。
【0051】
CPU11は、連れ重送であるとみなすと(S106:YES)、原稿搬送を停止し、重送エラーの報知動作を行う(S10)。なお、報知動作としては、重送エラーを示すメッセージを表示部6に表示したり、図示しない発音装置にて音声出力したり、画像読取装置1に通信可能に接続された外部機器に通知信号を出力したりすることが挙げられる。これにより、ユーザに重送が発生したことを知らせることができる。このとき表示部6等が報知部の一例である。
【0052】
CPU11は、更に、この時点まで画像読取部24が読み取った画像データを例えばRAM13に記憶する(S10)。ここで、例えば複数枚分の原稿Mの画像データをまとめて1つのファイル、例えばPDFファイルとする場合、重送や連れ重送と判断されると、既に読み取った画像データもまとめて破棄されてしまうおそれがある。これを回避するために、CPU11は、この時点まで画像読取部24が読み取った画像データを例えばRAM13に記憶して破棄しないようにしている。このときCPU11及びRAM13は、画像記憶部として機能する。
【0053】
CPU11は、異常カウント値Kが上限値Xに達していないと判断した場合(S105:NO)や、異常カウント値Kをゼロに初期化した場合(S108)には、リヤセンサ27からの検知信号SG2に基づき原稿Mの後端を検知したかどうかを判断する(S110)。CPU11は、原稿Mの後端を検知しなければ(S110:NO)、S102に戻り、原稿Mの後端を検知すれば(S110:YES)、異常判定停止設定をし(S111)、本第1処理を終了し、図4のS6に進む。異常判定停止設定では、例えば超音波センサ28をオフする。
【0054】
(2)重送判断
S6では、CPU11は、リヤセンサ27からの検知信号SG1に基づき原稿Mの先端を検知したかどうかを判断する。即ち、CPU11は、リヤセンサ27を利用して、第1処理で異常かどうかの判定対象とされた1または複数の原稿Mの後に、更に読取対象として別の原稿Mがあるかどうかを判定する。リヤセンサ27及びCPU11は、別シート判定部の一例である。
【0055】
CPU11は、所定時間経っても原稿Mの先端を検知しなければ(S6:NO)、別の原稿Mがないとし、たとえ第1処理で前の原稿Mについて異常であると判定されたとしても、重送無しとして本重送判断処理を終了する。一方、CPU11は、所定時間内に原稿Mの先端を検知し(S6:YES)、且つ、RAM13に異常情報が記憶されているかどうかを判断する(S7)。CPU11は、異常情報が記憶されていれば(S7:YES)、重送有りであるとみなしてS10に進む。CPU11は重送判断部の一例である。
【0056】
図7は、重送時におけるシートの搬送状態と検出値の変位との関係を示す模式図である。同図では、1枚目の原稿M3が搬送されており、この原稿M3はキャリアシートである。このような場合、時間T5で原稿M3の先端がリヤセンサ27により検知された後(S2:YES)、時間T6から時間T7までの間に、X回連続して異常であると判断される(S105:YES)。しかし、この時点では、異常情報を記憶するだけであり(S107)、重送有りとは判断しない。
【0057】
時間T8で原稿M3の後端がリヤセンサ27により検知された後(S110:YES)、所定時間後の時間T9までに次の原稿Mの先端がリヤセンサ27により検知されなければ(S6:NO)、この時点で重送無しとみなす。一般にキャリアシートは1枚分だけ搬送して画像読取をすることが多い。このため、X回連続して異常であると判断されても、別の原稿Mが無い場合には、原稿M3はキャリアシートなど、重送有りと判断すべきでないシートであるとし、重送無しとみなすのである。なお、図7の場合、X回連続して異常であると判断される前に、Y回以上、正常であると判断されることはない。
【0058】
CPU11は、所定時間内に原稿Mの先端を検知し(S6:YES)、且つ、RAM13に異常情報が記憶されていなければ(S7:NO)、重送無しであるとみなしてS8の第2処理に進む。例えば、図7に対し、仮に原稿M3が普通紙で、その後に、同じく普通紙の原稿Mが搬送される場合には、重送無しとされ、原稿Mの搬送及び画像読取処理が続行される。
【0059】
(3)第2処理
図8は、第2処理を示すフローチャートである。同図では、図5の第1処理と同じ処理については同一符号を付して説明を省略し、第1処理との相違点を説明する。CPU11は、異常判定開始設定において例えばRAM13に記憶された異常カウント値をゼロに初期化したり、超音波センサ28を起動させたり、更に、RAM13に異常情報が記憶されていれば当該異常情報を削除する。即ち、第2処理では正常カウント値を使用しない。
【0060】
また、前述したように、第2処理は、第1処理で判定対象とされた原稿Mの後に、搬送される別の原稿Mについて実行される。このため、第2処理が実行される場合には、原稿Mは普通紙である可能性が高く、普通紙よりも厚いキャリアシート等である可能性は低い。従って、第2処理では、異常カウント値Kが上限値Xに達した時点で、重送有りと判断し、図4のS10に進む。CPU11は、所定時間内に次の原稿Mの先端をリヤセンサ27により検出すれば(S9:YES)、第2処理(S8)を繰り返し、次の原稿Mの先端を検出しなければ(S9:NO)、本重送判断処理を終了する。
【0061】
5.本実施形態の効果
一般に、厚い原稿Mや、複数のシートが一体化された原稿は、複数枚連続ではなく、1枚だけ搬送されることが多い。そこで、本実施形態によれば、搬送機構29により搬送される原稿の厚さに応じた検出値が規定範囲外である場合、このことのみで重送有りとは判断されない。更に、先の原稿Mの後に搬送される別の原稿Mが有る場合に限り、重送有りと判断される。従って、単に原稿の厚さに応じた物理量の変化のみに基づき重送の有無を判断する構成に比べて、重送有りと誤って判断されることを抑制することができる。
【0062】
リヤセンサ27を利用して実際に搬送機構29により搬送された原稿Mの検出の有無により、1または複数の原稿Mの後に搬送される別の原稿Mが有るかどうかを判定する。これにより、例えば原稿トレイ2に配置された原稿Mの有無により上記別の原稿Mが有るかどうかを判定する構成に比べて、先の原稿Mに続いて搬送されるべき別の原稿Mの有無の判定精度を高めることができる。
【0063】
また、リヤセンサ27は、超音波センサ28の検出領域よりも原稿Mの搬送方向下流側にて原稿Mの有無を検知する。これにより、一の原稿Mの先端側で超音波センサ28の検出値が規定範囲内と判定され、且つ、同原稿Mが超音波センサ28の検出領域を抜け切る前に、当該原稿Mの後端を別の原稿Mと誤って判定することを抑制することができる。
【0064】
リヤセンサ27が搬送経路22途中で原稿Mの有りを検知しているときに、超音波センサ28の検出値が規定範囲内であるかどうかが判定される。これにより、リヤセンサ27が搬送経路22途中で原稿Mの有りを検知していないときの超音波センサ28の検出値により、重送の有無を誤判断することを抑制することができる。
【0065】
1回の読取指示により複数枚の原稿Mを連続または間欠的に搬送して画像読取がされる場合、第2処理により、2枚目以降の原稿Mについて、異常と判定されると、その後の別の原稿Mの有無にかかわらず、重送有りと判断される。これにより、2枚目以降の原稿Mについては、1枚目の原稿に比べて、早期に重送有りと判断することができる。また、重送有りと判断された場合、搬送機構29を停止するから、重送が発生したまま原稿Mの搬送が続行されてしまうことを抑制することができる。
【0066】
また、原稿Mの厚さを検出する超音波センサ28を利用するので、同じサイズの複数の原稿が全体的に重なったような重送であっても、異常であることを判定することができる。また、リヤセンサ27が原稿Mの有りを検知している場合に重送と判断するので、複数の原稿が全体的に重なった重送なのか、キャリアシート等の厚みのある原稿を1枚だけ搬送したのか、区別することができる。
【0067】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0068】
(1)上記実施形態では、シート搬送装置の一例として画像読取装置1を挙げた。しかし、シート搬送装置は、印刷装置、ファクシミリ装置、コピー機、スキャナ機能及びコピー機能等の複数機能を有する複合機などでもよい。更に、紙幣等を搬送する紙幣搬送装置などでもよい。要するに、シート搬送装置は、シートを搬送する搬送機構を備える装置であればよい。なお、シートの例には、用紙、キャリアシート、免許証やクレジットカードなどのカードなどが挙げられる。
【0069】
(2)上記実施形態では、シートセンサの一例として超音波センサを例に挙げた。しかし、シートセンサは、シートの重さを検出する重量センサ、シートの光透過率を検出する光学センサ、シート有りの検出時間に基づきシートの通過長さを検出する長さセンサなどでもよい。なお、超音波、重さ、検出長さが、シートに応じた物理量の例である。
【0070】
(3)上記実施形態では、別シート判定部の一例として、リヤセンサ27を利用する構成を例に挙げた。しかし、シート判定部は、フロントセンサ26を利用し、当該フロントセンサ26が原稿トレイ2上に原稿Mが有ることを検知した場合には別シート有りと判定する構成でもよい。また、特にシート搬送装置が印刷装置やファクシミリ装置である場合には、一ジョブの印刷設定枚数と印刷済枚数とから別シートの有無を判定する構成でもよい。更に、シート搬送装置が、シートをユーザによる手差しでセットする手差しトレイを有する場合、手差しトレイ上のシートを搬送する場合には別シート無しと判定する構成でもよい。
【0071】
(4)上記実施形態では、リヤセンサ27は、超音波センサ28の検出領域よりも原稿Mの搬送方向下流側にて別の原稿Mの有無を検知する構成であった。しかし、リヤセンサ27の代わりに、フロントセンサ26のように、超音波センサ28の検出領域よりも原稿Mの搬送方向上流側にて別の原稿Mの有無を検知するセンサを利用してもよい。これにより、上記実施形態に比べて、別の原稿の有無を早期に検出できる分だけ、重送の有無を早期に判断することができる。
【0072】
(4)上記実施形態では、搬送機構の一例として、シートを直線状に搬送する構成を挙げた。しかし、搬送機構は、シートをU字状やS字状に折り返し搬送する構成でもよい。
【0073】
(5)上記実施形態では、判断禁止指示や所定サイズのサイズ指定を受け付けた場合(S3:NO、S4:YES)、重送判定処理を終了することで重送有りとの判定を禁止した。しかし、このような場合に、異常の有無判定等を実行するが、その判定結果にかかわらず、重送有りとの判定を禁止してもよい。
【0074】
(6)上記実施形態では、判断禁止指示の有無や、所定サイズのサイズ指定の有無に応じて重送判定処理を終了した。しかし、上記重送判定処理のうち、判断禁止指示の有無判断(S3)、及び、所定サイズのサイズ指定の有無判断(S4)の少なくとも一方を除いてもよい。
【0075】
(7)上記実施形態では、CPU11は、X回連続して異常であると判断した場合に異常情報を記憶した。しかし、CPU11は、1回だけ異常であると判断した場合に異常情報を記憶してもよい。但し、上記実施形態によれば、ノイズなどによる影響を抑制することができる。
また、CPU11が、異常であると判断している継続時間を計時し、その計時時間が基準時間に達した場合に異常情報を記憶してもよい。
【0076】
(8)上記実施形態では、CPU11は、Y回以上、正常であると判断した場合に連れ重送とした。しかし、CPU11は、1回だけ正常であると判断した場合に連れ重送としてもよい。また、所定回数連続して正常であると判断した場合に連れ重送としてもよい。また、CPU11が、正常であると判断している継続時間を計時し、その計時時間が基準時間に達した場合に連れ重送としてもよい。なお、基準時間は、原稿Mの搬送方向における所定の長さ分、例えば3分の1以上または2分の1以上の長さ分がリヤセンサ27の検出領域を通過する時間に設定することが好ましい。
【0077】
(9)上記実施形態では、1つのジョブは、1回の読取指示により搬送される1または複数枚の原稿Mの画像読取であった。しかし、例えば印刷装置の場合には、1つのジョブは、1回の印刷指示により搬送される1または複数枚のシートへの印刷である。また、CPU11が、リヤセンサ27にて一の原稿Mが検知されてから次の原稿Mを検知するまでの検出時間間隔が所定の基準時間内である場合に、両原稿Mの画像読取は同一ジョブに属するとし、同検出時間間隔が基準時間を超える場合に、両原稿Mの画像読取は互いに異なるジョブに属するとすることにより、1つのジョブを判別してもよい。更に、CPU11が、リヤセンサ27にて一の原稿Mの後端が検知されてから、フロントセンサ26が次の原稿Mの先端を検知するまでの検出時間間隔が所定の基準時間内である場合に、両原稿Mの画像読取は同一ジョブに属するとし、同検出時間間隔が基準時間を超える場合に、両原稿Mの画像読取は互いに異なるジョブに属するとすることにより、1つのジョブを判別してもよい。
【0078】
(10)上記実施形態の第1処理において、正常カウント値に関する処理(S109、S106)を除いて連れ重送の有無を判断しない構成でもよい。
【0079】
(11)上記実施形態では、制御回路10は、1つのCPU11を備え、その1つのCPU11により重送判断処理や画像読取処理が実行される構成であった。しかし、複数のCPU11により上記制御処理が実行される構成でもよい。例えば別の原稿の有無判定処理、重送判断処理、画像読取処理のうち、一部の処理または全部の処理を別々のCPUに実行させる構成でもよい。また、制御回路10は、汎用性のあるCPUで構成したものに限らず、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field−Programmable Gate Array)などの専用回路で構成したものでもよい。
【符号の説明】
【0080】
1:画像読取装置 6:表示部 11:CPU 13:RAM 27:リヤセンサ 28:超音波センサ 29:搬送機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送する搬送機構と、
前記搬送機構により搬送されるシートに応じた物理量を検出するシートセンサと、
前記シートセンサの検出値が規定範囲内であるかどうかを判定する物理量判定部と、
前記物理量判定部の判定対象とされたシートの後に、前記搬送機構により搬送される別シートが有るかどうかを判定する別シート判定部と、
前記検出値が前記規定範囲外であると前記物理量判定部が判定し、且つ、前記別シートが有ると前記別シート判定部が判定した場合には、重送有りと判断し、前記検出値が前記規定範囲外であると前記物理量判定部が判定し、且つ、前記別シートが無いと前記別シート判定部が判定した場合には、重送無しと判断する重送判断部と、を備えるシート搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート搬送装置であって、
前記別シート判定部は、前記搬送機構により搬送されるシートの有無を検知するシート有無センサを有し、当該シート有無センサが、前記検出値が前記規定範囲外であると判定された1または複数のシートを検出しなくなった後、再び、シートを検出した場合に前記別シートが有ると判定する、シート搬送装置。
【請求項3】
請求項2に記載のシート搬送装置であって、
前記物理量判定部は、前記シート有無センサがシート有りを検知しているときにおける前記シートセンサの検出値が前記規定範囲内であるかどうかを判定する、シート搬送装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載のシート搬送装置であって、
前記重送判断部は、前記シート有無センサがシート有りを検知している期間内に、前記シートセンサの検出値が前記規定範囲内であると前記物理量判定部が判定した状態と、前記シートセンサの検出値が前記規定範囲外であると前記物理量判定部が判定した状態とがある場合には、前記別シート判定部の判定にかかわらず、重送有りと判断する、シート搬送装置。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか一項に記載のシート搬送装置であって、
前記シート有無センサは、前記シートセンサの検出領域よりもシート搬送方向上流側でシートの有無を検知する構成である、シート搬送装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のシート搬送装置であって、
前記シートセンサは、超音波センサまたは光学センサである、シート搬送装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のシート搬送装置であって、
前記重送判断部は、1つのジョブの2枚目以降のシートについては、前記検出値が前記規定範囲外であると前記物理量判定部が判定した場合に重送有りと判断する、シート搬送装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のシート搬送装置であって、
前記重送判断部が重送有りと判断したことを報知する報知部を備える、シート搬送装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のシート搬送装置であって、
前記重送判断部が重送有りと判断した場合に、前記搬送機構によるシート搬送を停止する搬送制御部を備える、シート搬送装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のシート搬送装置であって、
前記重送有りの判断禁止指示を受け付ける指示受付部を備え、
前記重送判断部は、前記指示受付部が前記判断禁止指示を受け付けた場合には、前記物理量判定部及び前記別シート判定部の判定にかかわらず、重送有りの判断を禁止する、シート搬送装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のシート搬送装置であって、
前記搬送機構により搬送するシートのサイズ指定を受け付けるサイズ受付部を備え、
前記重送判断部は、前記サイズ受付部が所定サイズのサイズ指定を受け付けた場合には、前記物理量判定部及び前記別シート判定部の判定にかかわらず、重送有りの判断を禁止する、シート搬送装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のシート搬送装置であって、
前記搬送機構により搬送されるシート上の画像を読み取る画像読取部と、
少なくとも前記重送判断部が重送有りと判断する前まで前記画像読取部が読み取った画像データを記憶する画像記憶部とを備える、シート搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−250782(P2012−250782A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122242(P2011−122242)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】