説明

シート材料の殺菌用電子線照射装置

【課題】ヘリウムガスを満たした照射処理室の内で、連続搬送するシート材料を低エネルギーの電子線により効果的に滅菌処理でき、全体を小型化して経済的に製作できるシート材料の殺菌用電子線照射装置を提供する。
【解決手段】シート材料1を搬送する搬送路に、電子線照射手段12を備える照射処理室10を設置している。照射処理室10には、室内の圧力を検出する圧力検知器と室内にヘリウムガスを供給するヘリウムガス供給系統20とを設け、しかも照射処理室10のシート材料1の搬入口11A側及び搬出口11B側にガス圧維持手段19A、19Bを設けている。ヘリウムガス供給系統20は、圧力検知器18の設定圧力値に連動して動作するガス供給量の調整手段24を備えており、これによって照射処理室10内を大気圧より高い圧力のヘリウムガスで満たし、電子線照射手段12からの電子線EBでシート材料1を搬送移動中に滅菌処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシート材料の殺菌用電子線照射装置に係り、特にヘリウムガスを満たした照射処理室内で、電子線によりシート材料を搬送中に殺菌処理するのに好適なシート材料の殺菌用電子線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、流体状食品や飲料等を充填する樹脂フィルム袋は、供給装置から送り出されるシート材料を、成型工程において所定の形状に成型する。そして、シート材料は、供給装置から成型工程側に搬送するまでの間に、滅菌処理を施して雑菌付着のない無菌状態で後工程側に供給することが行われている。
【0003】
通常、シート材料の滅菌処理は、薬剤を用いた装置を用いる設備が大掛かりとなり、しかも薬剤がシート材料に残留する恐れがあるため、薬剤を完全に除去せねばならない等の種々の問題が生じる。このため、シート材料の滅菌処理は、電子線照射装置の電子線照射手段からの電子線を活用し、電子線の照射でシート材料面を滅菌処理するようになってきている。
【0004】
この種の殺菌用電子線照射装置の例として、搬送路中に二つの電子線照射手段を配置し、シート材料が両電子線照射手段間を搬送されるようにして、電子線照射手段からの電子線をシート材料の各面に照射させ、大気中での移動中に電子線で滅菌処理を行うことが提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1の装置の電子線照射手段は、100kV以下の電圧で電子線を加速し、発生した低エネルギーの電子線を使用している。この装置では、小型化でき、しかも搬送されてくるシート材料の両面を、連続して電子線により効果的に滅菌処理することができる。
【0006】
ところが、電子線の滅菌処理を大気中で行う場合、電子線の飛程を考慮してある程度の大きなエネルギーを持つ電子線が発生する電子線発生源を備えた電子線照射手段が必要になる。また、大気中で電子線の照射をすると、大量のオゾンが発生するため、オゾンを除去する処理設備などを大掛かりにせねばならない問題が生じる。
【0007】
このため、電子線の照射処理室内を10−3Pa〜0.1MPaの減圧状態にし、搬送中の容器やシート材料等の処理対象物に対して、電子線照射手段から電子線を照射することにより、滅菌処理する電子線照射装置が提案されている(特許文献2参照)。
【0008】
上記特許文献2の装置は、容器の滅菌処理の際は、照射処理室内に容器を配置してから、内部を所定値まで減圧してから電子線照射手段からの電子線で滅菌処理を行っている。また、シート材料の滅菌処理の際は、減圧状態を維持する照射処理室内に連続搬送し、移動中にシート材料の電子線による滅菌処理を行い、その後外部に搬出する。
【0009】
その上、上記の装置では、シート材料の滅菌処理に使用する照射処理室は、内部を減圧状態に維持する必要上、シート材料の搬入口側及び搬出口側の照射処理室部分に、直列に予備室を設けている。各予備室は、シート材料が通過できる程度の微少なギャップを有する。例えば、隔壁とギャップローラーを多段に設けるラビリンスシール構造を用い、これにより照射処理室内の真空漏れを防いで所定の減圧状態が維持できるようにしている。
【0010】
また、半導体ウェハ等に塗布されたレジストの硬化や、基板等に塗布された塗料やインキ、更には接着剤や保護用樹脂の乾燥や硬化をするために、電子線を照射して行う電子線照射処理装置も知られている(特許文献3参照)。
【0011】
特許文献3の電子線照射処理装置は、照射対象物を配置する照射処理室内に、空気よりも低い密度のヘリウムガス等を流し、このガス雰囲気中で電子線源から照射対象物に対して電子線の照射を行わせている。これにより、電子線発生源からの電子線の到達距離を長く、かつ到達範囲を広くし、照射対象物の良好な処理ができるようにしている。
【0012】
【特許文献1】特表2004−524895号公報
【特許文献2】特開2007−113936号公報
【特許文献3】特開2001−143983号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記特許文献2に記載の殺菌用電子線照射装置の如く、照射処理室の内部を10−3Pa〜0.1MPaの減圧状態にすると、低いエネルギーの電子線を使用しても照射対象物を良好に滅菌処理できるため、電子線照射手段及び電源部を小型にして、装置全体を経済的に製作することができる。
【0014】
しかし、装置の照射対象物が連続して移動するシート材料であると、照射処理室の内部を減圧状態に維持するには、その搬入口側及び搬出口側の減圧漏れ防止に工夫を要し、密封維持構造が複雑になる。また、照射処理室内が減圧状態にあるため、外部から照射処理室内に雑菌が混入する恐れがあり、特に搬出側から内部に雑菌が入って、滅菌処理後の無菌状態のシート材料に付着した場合には大きな問題となる。
【0015】
また、特許文献3に記載の電子線照射処理装置の如く、照射処理室内にヘリウムガス等を流しながら、照射対象物に電子線の照射処理を行う場合、上記と同様に低いエネルギーの電子線を使用して照射処理できる。
【0016】
しかし、この装置を連続して移動するシート材料の滅菌処理に適用するとなると、高価なヘリウムガス等を大量に使用しているので、ガス排気側での回収を適切に行い、再利用できるようにしない場合は、経済的に滅菌処理できない欠点が生ずることになる。
【0017】
本発明の目的は、ヘリウムガスを満たした照射処理室の内で、連続搬送するシート材料を低エネルギーの電子線により効果的に滅菌処理でき、全体を小型化して経済的に製作できるシート材料の殺菌用電子線照射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明のシート材料の殺菌用電子線照射装置は、シート材料を搬送する搬送路に、電子線照射手段を備える照射処理室を設置し、前記照射処理室にヘリウムガスを満たした状態で前記電子線照射手段からの電子線によりシート材料を搬送中に滅菌処理する際に、前記照射処理室に室内の圧力を検出する圧力検知器と、室内をヘリウムガスで満たして大気圧より高い圧力にするヘリウムガス供給系統とを設けると共に、前記照射処理室に形成したシート材料の搬入口側及び搬出口側にガス圧維持手段を設け、前記ヘリウムガス供給系統は前記圧力検知器の設定圧力値に連動して動作するガス供給量の調整手段を備えて構成したことを特徴としている。
【0019】
好ましくは、前記照射処理室はヘリウムガスと混合する清浄空気を供給する清浄空気供給系統を設けて構成したことを特徴としている。
【0020】
また、本発明のシート材料の殺菌用電子線照射装置は、シート材料を搬送する搬送路に、電子線照射手段を備える照射処理室を設置し、前記照射処理室にヘリウムガスを満たした状態で前記電子線照射手段からの電子線によりシート材料を搬送中に滅菌処理する際に、前記照射処理室に室内の圧力を検出する圧力検知器と、室内をヘリウムガスで満たして大気圧より高い圧力にするヘリウムガス供給系統と、室内に清浄空気を供給してヘリウムガスと混合する清浄空気供給系統と、前記照射処理室内を清浄化する際に用いる排気処理系統とを設けると共に、前記照射処理室に形成したシート材料の搬入口側及び搬出口側にガス圧維持手段を設け、前記ヘリウムガス供給系統に前記圧力検知器の設定圧力値に連動して動作するガス供給量の調整手段を備えて構成したことを特徴としている。
【0021】
更に好ましくは、前記照射処理室のシート材料の搬入口側及び搬出口側に、電子線による滅菌処理の停止時に動作するガス密閉手段を設けて構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明のようにシート材料の殺菌用電子線照射装置を構成すれば、シート材料を搬送移動させる照射処理室内を、大気圧より高い圧力のヘリウムガスを満たした状態にできるので、照射処理室の内に雑菌が入る恐れもなくなるし、低エネルギーの電子線によりシート材料を効果的に滅菌処理することができる。
【0023】
しかも、照射処理室に満たした高価なヘリウムガスの漏れを、シート材料の搬入口側及び搬出口側に設けるガス圧維持手段により少なくできるし、かつヘリウムガス供給系統に備える調整手段を圧力検知器の設定圧力に連動させた構成であるため、漏れ分を適切に補充できて滅菌処理が安価に行え、装置全体を小型化して経済的に製作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明のシート材料の殺菌用電子線照射装置は、シート材料を搬送する搬送路に、電子線照射手段を備える照射処理室を設置し、前記照射処理室にヘリウムガスを満たした状態で前記電子線照射手段からの電子線により搬送中にシート材料を滅菌処理する。照射処理室には、室内の圧力を検出する圧力検知器と、室内をヘリウムガスで満たして大気圧より高い圧力にするヘリウムガス供給系統とを設けると共に、照射処理室のシート材料の搬入口側及び搬出口側にガス圧維持手段を設けている。しかも、ヘリウムガス供給系統に圧力検知器の設定圧力値に連動して動作するガス供給量の調整手段を備えている。
【実施例1】
【0025】
以下、本発明のシート材料の殺菌用電子線照射装置を、図1に示す実施例で説明する。
本発明の装置に用いる照射処理室10は、シート材料1を直線的に搬送移動する搬送路中に設置される。照射処理室10は、この上面側及び下面側に電子線照射手段12を取り付けてシート材料1の各面に対向するようにしており、また内部にシート材料1を搬送するフリーローラー14、15を設けている。
【0026】
電子線照射手段12は、内部に電子線発生源(図示せず)を備えて高圧直流電源と接続し、電子線発生源で発生させた電子線EBを、破線矢印で示すように電子線EBを照射窓12Aから照射し、搬送移動中のシート材料1の各面を連続して滅菌処理を実施する。各電子線照射手段12内は、電子線が発生する所定の減圧状態とするため、それぞれ真空ポンプVP等の減圧手段を有する排気系統17を連結している。
【0027】
この実施例では、照射処理室10のシート材料1は、右側の前工程から搬送されてきて、フリーローラー13で直角に上方に方向を変えられ、下方の搬入口11Aから照射処理室10内に入り、右内部のフリーローラー14で直角に折り曲げられて、略水平に左側に移動する構成である。
【0028】
この後、シート材料1は照射処理室10内を直線移動中に、各電子線照射手段12からの電子線の照射を受けて滅菌処理され、左内部のフリーローラー15で下方に直角に折り曲げられて、照射処理室10の下方の搬出口11Bから搬出され、続いて外部に配置したフリーローラー16により直角に折れ曲げられて水平に方向を変え、左側の次の工程に送り出される構成としている。
【0029】
本発明の照射処理室10には、ヘリウムガス供給系統20を設け、電子線EBを照射する室内をヘリウムガスで満たし、予め定めた大気圧より少し高いヘリウムガス雰囲気にしている。ヘリウムガス供給系統20は、ボンベ等のヘリウムガス供給源21と、開閉弁22やフィルタFや流量計等の流量調整手段23を有し、しかも電動弁の如きガス供給量の調整手段24を備えている。
【0030】
図1のヘリウムガス供給系統20の例では、照射処理室10内へのヘリウムガスの供給を速やかに行うため、シート材料1の搬入側及び搬出側に調整手段24を備える分岐部を接続しているが、いずれか一方のみに接続しても使用できる。
【0031】
また、照射処理室10に室内の圧力を計測する圧力検知器18や、ヘリウムガス検知部25を設けている。圧力検知器18は、照射処理室10に室内の圧力が予め定めた設定圧力値になったとき、これに連動してヘリウムガス供給系統20のガス供給量の調整手段24を動作させるために使用される。
【0032】
圧力検知器18に応動するヘリウムガス供給系統20に備える調整手段24の動作により、照射処理室10内を予め定めた大気圧より少し高いヘリウムガスの圧力値に常に維持することにより、電子線照射によるシート材料1の滅菌処理を良好に行うことができる。
【0033】
上記した図1の例では、照射処理室10の搬入及び搬出側の上部に、ヘリウムガス供給系統20を分岐させて接続しているが、ヘリウムガスを照射処理室10内に供給して、速やかに内部をヘリウムガスで均一に満たすことができるならば、いずれか一方のみとすることもできる。
【0034】
しかも、照射処理室10はシート材料1の搬入口11A及び搬出口11B部分に、例えばラビリンス構造や小ローラや隔壁等を組み合せた構造のガス圧維持手段19A、19Bを取り付け、シート材料21の搬入及び搬出時に搬入口11A及び搬出口11Bから、ヘリウムガスが極力漏れ出ない構造にしている。
【0035】
このように、照射処理室10にヘリウムガス供給系統20を連結し、室内を大気圧より少し高いヘリウムガスに満たしていると、電子線照射手段12から照射する電子線EBは、減衰が大幅に軽減されて飛程が数倍も長くなる。このため、低い加速電圧で加速した低エネルギーの電子線EBであっても、シート材料1の滅菌処理を効果的に行うことができるし、搬入口11A及び搬出口11Bから室内に雑菌が入ることがなくなる。
【0036】
また、照射処理室10は清浄空気を供給する清浄空気供給系統30を設けることができる。清浄空気供給系統30は、空気供給源31と開閉弁32やフィルタFや流量調整弁33を有している。
【0037】
この清浄空気供給系統30から、照射処理室10内に電子線でシート材料1を滅菌処理するのに支障のない程度の清浄空気を供給してヘリウムガスと混合すれば、高価なヘリウムガスの使用量を少なくすることができる。清浄空気は、ヘリウムガスに比べて重いため両者は上下に分離し易いから、循環手段により循環或いは攪拌手段で攪拌し、清浄空気が照射処理室10の下側に溜まるのを防止する。
【0038】
なお、照射処理室10の一部に、ヘリウムガスのガス回収系統を設けておくことができる。ガス回収系統を設ければ、シート材料1の滅菌処理を長時間停止する必要が生じた時に、高価なヘリウムガスを回収しておき、滅菌処理開始前に再供給して満たすことで、ヘリウムガスガスの損耗を少なくすることもできる。
【0039】
また、図1の照射処理室10は、搬入口11A及び搬出口11Bを下側に設けたものであるが、例えば照射処理室10の左右の側面に形成してシート材料1を直線的に搬送、或いは据付けて使用する場所に応じて適宜変更することができる。この場合でも、左右の搬入口11A及び搬出口11B部分には、同様にガス圧維持手段19A、19Bを取り付けて使用する。
【実施例2】
【0040】
次に、本発明の他の実施例として図2に示したシート材料の殺菌用電子線照射装置を説明する。この図2の例では、照射処理室10の搬入口11A及び搬出口11B付近に、開口閉鎖手段34A、34Bを設け、また照射処理室10に減圧排気処理系統35を設けており、その他の点については上記図1の例と同様な構成としている。
【0041】
開口閉鎖手段34A、34Bは、例えば摺動可能に配置した閉鎖板とこの駆動機構から構成して用い、電子線によるシート材料1の滅菌処理の運転停止時に、搬入口11A及び搬出口11Bを閉鎖し、ヘリウムガスの流出や照射処理室10内への雑菌の侵入を防止する。
【0042】
また、減圧排気処理系統35は、圧力計36や開閉弁37や真空排気装置38等を備えている。減圧排気処理系統35は、真空計26を設けた照射処理室10内を清浄化する際に、単独で減圧動作或いは照射処理室10内に清浄空気供給系統30から清浄空気を供給しながら減圧動作し、ヘリウムガスを満たして行うシート材料1の滅菌処理が支障のなく行えるようにする。
【0043】
この実施例においても、上記した実施例1と同様な効果を達成でき、しかも減圧排気処理系統35を設けているため、照射処理室10内を適宜清浄化できるし、また搬入口11A及び搬出口11B付近に開口閉鎖手段34A、34Bを設けたので、シート材料1の滅菌処理停止時に室内からのヘリウムガスの漏れ出しや、外部から室内へ雑菌等が侵入するのを効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施例であるシート材料の殺菌用電子線照射装置を示す概略縦断面図である。
【図2】本発明の他の実施例であるシート材料の殺菌用電子線照射装置を示す概略縦断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1…シート材料、10…照射処理室、11A…搬入口、11B…搬出口、12…電子線照射手段、12A…照射窓、18…圧力検知器、19A,19B…ガス圧維持手段、20…ヘリウムガス供給系統、24…調整手段、30…清浄空気供給系統、35…減圧排気処理系統、EB…電子線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材料を搬送する搬送路に、電子線照射手段を備える照射処理室を設置し、前記照射処理室にヘリウムガスを満たした状態で前記電子線照射手段からの電子線によりシート材料を搬送中に滅菌処理するシート材料の殺菌用電子線照射装置において、前記照射処理室に室内の圧力を検出する圧力検知器と、室内をヘリウムガスで満たして大気圧より高い圧力にするヘリウムガス供給系統とを設けると共に、前記照射処理室に形成したシート材料の搬入口側及び搬出口側にガス圧維持手段を設け、前記ヘリウムガス供給系統は前記圧力検知器の設定圧力値に連動して動作するガス供給量の調整手段を備えて構成したことを特徴とするシート材料の殺菌用電子線照射装置。
【請求項2】
請求項1において、前記照射処理室はヘリウムガスと混合する清浄空気を供給する清浄空気供給系統を設けて構成したことを特徴とするシート材料の殺菌用電子線照射装置。
【請求項3】
シート材料を搬送する搬送路に、電子線照射手段を備える照射処理室を設置し、前記照射処理室にヘリウムガスを満たした状態で前記電子線照射手段からの電子線によりシート材料を搬送中に滅菌処理するシート材料の殺菌用電子線照射装置において、前記照射処理室に室内の圧力を検出する圧力検知器と、室内をヘリウムガスで満たして大気圧より高い圧力にするヘリウムガス供給系統と、室内に清浄空気を供給してヘリウムガスと混合する清浄空気供給系統と、前記照射処理室内を清浄化する際に用いる減圧排気処理系統とを設けると共に、前記照射処理室に形成したシート材料の搬入口側及び搬出口側にガス圧維持手段を設け、前記ヘリウムガス供給系統に前記圧力検知器の設定圧力値に連動して動作するガス供給量の調整手段を備えて構成したことを特徴とするシート材料の殺菌用電子線照射装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかにおいて、前記照射処理室のシート材料の搬入口側及び搬出口側に、電子線による滅菌処理の停止時に動作するガス閉鎖手段を設けて構成したことを特徴とするシート材料の殺菌用電子線照射装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−64766(P2010−64766A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−231664(P2008−231664)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【出願人】(501383635)株式会社日本AEパワーシステムズ (168)
【Fターム(参考)】