説明

シート材給送装置及び画像形成装置

【課題】給送不具合が少ないシート材給送装置を提供する。
【解決手段】シート材を給送する給送姿勢と給送しない待避姿勢とに変更可能なシート材リフト部材62と、下降付勢力が付与され、給送姿勢のシート材リフト部材62により持ち上げられたシート材を送り出す給送ローラーと、給送ローラーの位置を検出するローラー位置センサー413と、リフト作動部材500に上昇付勢力に抗して下降する方向の押圧力を付与して、シート材リフト部材62の姿勢を給送姿勢又は待避姿勢に切り換える下降押圧部材71と、下降押圧部材71を駆動する下降押圧部材駆動部72と、給送ローラーの位置をローラー位置センサー413により所定範囲内で保持するように制御された第1給送姿勢と、給送ローラーの位置が上昇付勢力及び下降付勢力により定まる第2給送姿勢と、待避姿勢とに切り換えるように、下降押圧部材駆動部72を制御する下降押圧部材制御部73とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置における画像形成部などにシート材を給送するシート材給送装置、及び該シート材給送装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シート材給送装置は、コピー機やプリンタ等の画像形成装置やその周辺機器等の一部を構成する装置であり、例えば、画像形成装置の画像形成部にシート材を給送する。シート材給送装置は、例えば、シート材が載置されるシート材載置部と、シート材載置部に載置されるシート材の下流側の下面側に配置され、シート材の下流側端部を持ち上げるように上昇した給送姿勢とシート材が載置された状態を維持する待避姿勢とに姿勢変更可能なシート材リフト部材と、シート材リフト部材を上昇又は下降させるように作動するリフト作動部材と、シート材リフト部材により持ち上げられたシート材の上面に当接させながら回転させることにより、シート材を送り出す給送ローラーと、を備える。
このようなシート材給送装置においては、シート材の下流側端部が持ち上げられるようにリフト作動部材によりシート材リフト部材を上昇させ、この上昇状態でシート材の上面に給送ローラーを当接させながら回転させることにより、シート材を送り出す(給送する)ことができる。
【0003】
上記のシート材給送装置において、給送されるシート材の上昇限度位置(上限位置)は、円滑なシート材の給送の重要な要素である。例えば、シート材の上限位置が高すぎると、給送ローラーへのシート材の接触圧が過大となり、シート材が重なったまま給送される重送が発生しやすい。一方、シート材の上限位置が低すぎると、給紙ローラーへのシート材の接触圧が不足して、空送が発生しやすい。
【0004】
ところで、給送されるシート材には、厚さが異なる複数種のものがある。シート材の上限位置について特段の工夫がされていない装置において、厚さの異なる複数種のシート材を給送する場合には、シート材と給紙ローラーとの接触圧が過剰となって、シート材が給送されずに詰まったり、シート材に無理な力が働いて、シート材に皺が発生したりする等の給送不具合を生じることになる。
【0005】
従来、シート材の厚さにかかわらず、重送、空送、皺の発生等の給紙不具合を生じないようにするために、リフト部材の上昇を検知してシート材の上限位置を規制する上限センサーについて、その検知高さ位置を上下に可変に構成したシート材給送装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−344359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されるシート材給送装置においては、上限センサーの検知高さ位置を可変にするための構成が必要となると共に、更に、給送動作中にシート材が厚さの異なるものに変更されることに応じて、上限センサーの高さ位置を可変にするための構成も必要となる。そのため、装置の構造が複雑になる。
【0008】
本発明は、装置の構造が簡単でありながら、厚さの異なるシート材を用いる場合でも重送や空送等の給送不具合を生じにくいシート材給送装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記シート材給送装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、シート材を給送するシート材給送装置であって、給送される前のシート材が載置されるシート材載置部と、前記シート材載置部に載置されるシート材の下流側の下面側に配置され、上昇する方向に上昇付勢力が付与されているシート材リフト部材であって、シート材の下流側端部を持ち上げるように上昇してシート材を給送する給送姿勢と、シート材が載置された状態を維持してシート材を給送しない待避姿勢と、に姿勢を変更可能なシート材リフト部材と、前記シート材リフト部材を上昇又は下降させるように作動するリフト作動部材と、前記シート材リフト部材の上面に対向し、下降する方向に下降付勢力が付与されている給送ローラーであって、前記給送姿勢の前記シート材リフト部材により持ち上げられたシート材の上面に該給送ローラーを当接させながら回転させることにより、シート材を送り出す給送ローラーと、前記給送ローラーの高さ方向位置を検出するローラー位置センサーと、前記リフト作動部材に直接的に又は間接的に、前記上昇付勢力に抗して下降する方向の押圧力を付与して、前記シート材リフト部材の姿勢を前記給送姿勢又は前記待避姿勢に切り換える下降押圧部材と、前記下降押圧部材を駆動する下降押圧部材駆動部と、前記シート材リフト部材の姿勢により、前記給送姿勢のうち、前記給送ローラーの高さ方向位置を前記ローラー位置センサーにより所定範囲内で保持するように制御された第1給送姿勢と、前記給送ローラーの高さ方向位置を前記ローラー位置センサーにより所定範囲内で保持するように制御することなく、前記給送ローラーの高さ方向位置が前記上昇付勢力及び前記下降付勢力により定まる第2給送姿勢と、前記待避姿勢とに切り換えるように、前記下降押圧部材駆動部を制御する下降押圧部材制御部と、を備えるシート材給送装置に関する。
【0010】
また、前記リフト作動部材は、前記シート材リフト部材の下面に当接する持ち上げ部材と、前記シート材リフト部材の姿勢を前記第1給送姿勢と前記第2給送姿勢と前記待避姿勢とに切り換えられるように、前記持ち上げ部材を回転させる軸部材と、前記軸部材と一体的に回転し、前記下降押圧部材から前記押圧力が付与されるレバー部材と、を備えていることが好ましい。
【0011】
また、前記下降押圧部材駆動部は、前記下降押圧部材を回転させるモーター及び歯車列群からなることが好ましい。
【0012】
また、前記シート材リフト部材の姿勢が前記第2給送姿勢である場合に、シート材の先端部が前記シート材載置部よりも給送方向の下流側のローラーに挟み込まれたことが検出されたときには、前記下降押圧部材制御部は、前記シート材リフト部材の姿勢を前記第2給送姿勢から前記第1給送姿勢側に変更させるように、前記下降押圧部材駆動部を駆動させることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、前記シート材給送装置と、前記シート材給送装置により給送されるシート材に画像を形成する画像形成部と、を備える画像形成装置に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、装置の構造が簡単でありながら、厚さの異なるシート材を用いる場合でも重送や空送等の給送不具合を生じにくいシート材給送装置を提供することができる。
また、本発明によれば、前記シート材給送装置を備える画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の画像形成装置の実施形態としてのコピー機1の各構成要素の配置を説明するための側面図である。
【図2】手差し給紙部64の全体構成を示す斜視図である。
【図3】図2に示す上カバー部401及び前カバー部402を取り外した状態の手差し給紙部64を示す斜視図である。
【図4】シート材リフト部材62が下降した状態の手差しトレイ65を示す斜視図である。
【図5】シート材リフト部材62が上昇した状態の手差しトレイ65を示す斜視図である。
【図6】リフト作動部材500が手差しトレイ65内に組み込まれた状態を示す斜視図である。
【図7】図6に示すA−A切断線に沿った断面図である。
【図8】第1給送姿勢の状態における給送ローラーホルダー411の要部を示す斜視図である。
【図9】第2給送姿勢の状態における給送ローラーホルダー411の要部を示す斜視図である。
【図10】図8に示す状態における給送ローラー66の近傍を示す拡大斜視図である。
【図11】図9に示す状態における給送ローラー66の近傍を示す拡大斜視図である。
【図12】シート材リフト部材62が待避姿勢に切り換えられたときにおける下降機構70の動作状態を示す側面図である。
【図13】シート材リフト部材62が第1給送姿勢に切り換えられたときにおける下降機構70の動作状態を示す側面図である。
【図14】シート材リフト部材62が第2給送姿勢に切り換えられたときにおける下降機構70の動作状態を示す側面図である。
【図15】手差し給紙部64の手差しトレイ65が装置本体Mの右側面の一部を構成するように閉状態とされた状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。まず、図1を参照して、本実施形態における画像形成装置としてのコピー機1における全体構造を説明する。図1は、本発明の画像形成装置の実施形態としてのコピー機1の各構成要素の配置を説明するための側面図である。
図1に示すように、画像形成装置としてのコピー機1は、画像読取装置200と、装置本体Mとを備える。
【0017】
画像読取装置200は、装置本体Mの上部に組み込まれた画像読取部201と、画像読取部201の上面を開閉可能に覆う読取部カバー210とを備える。画像読取部201の上面は、原稿Gを載置する原稿載置面202である。原稿Gは、読取部カバー210を開いて、原稿載置面202に載置される。
画像読取装置200は、原稿載置面202に載置された原稿Gの画像を画像読取部201で読み取り、読み取った画像の情報を、装置本体M内に組み込まれている画像形成部GKに送る。
【0018】
装置本体Mは、画像読取装置200から送られる画像情報に基づいてシート材としての用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHと、を有する。装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成される。
【0019】
図1に示すように、画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、露光ユニットとしてのレーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給部6a、6b、6c、6dと、ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dと、除電器12a、12b、12c、12dと、転写ローラー8と、定着部9とを備える。
【0020】
図1に示すように、給排紙部KHは、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラー対80と、排紙部50とを備える。
【0021】
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に沿って順に、上流側から下流側に順に、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像器16a、16b、16c、16dによる現像、中間転写ベルト7及び1次転写ローラー37a、37b、37c、37dによる1次転写、除電器12a、12b、12c、12dによる除電、及びドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dによるクリーニングが行われる。
また、画像形成部GKにおいては、中間転写ベルト7、2次転写ローラー8及び対向ローラー18による2次転写、並びに定着部9による定着が行われる。
【0022】
感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、中間転写ベルト7の進行方向に対して直交する方向に延びる機軸を中心に、矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成され得る。
【0023】
帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
【0024】
レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dは、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面から離間して配置される。レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザー光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モーター等を有して構成される。
【0025】
レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、画像読取部201で読み取られた画像の情報に基づいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
【0026】
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して設けられ、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向して配置される。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成された静電潜像に各色のトナーを付着させて、カラーのトナー画像を感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの色に対応する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向配置された現像ローラー、トナー攪拌用の攪拌ローラー等を有して構成される。
【0027】
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対応して設けられており、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
【0028】
トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5d及び現像器16a、16b、16c、16dにそれぞれ対応して設けられている。トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれと現像器16a、16b、16c、16dそれぞれとは、不図示のトナー供給路により結ばれている。
【0029】
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された各色のトナー画像が順次1次転写される。中間転写ベルト7は、従動ローラー35、駆動ローラーからなる対向ローラー18、テンションローラー36等に掛け渡される。テンションローラー36が中間転写ベルト7を内側から外側に付勢するため、中間転写ベルト7には、所定の張力が与えられる。
【0030】
中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラー37a、37b、37c、37dが、それぞれ対向して配置される。
【0031】
中間転写ベルト7における所定部分は、1次転写ローラー37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとにより挟み込まれる。この挟み込まれた所定部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれと1次転写ローラー37a、37b、37c、37dそれぞれとの間で、それぞれ1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成される。1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dそれぞれにおいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色のトナー画像は、中間転写ベルト7に順次1次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
【0032】
1次転写ローラー37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の1次転写バイアス印加部により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに形成された各色のトナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
【0033】
除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に光を照射することにより、1次転写が行われた後の感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を除電する(電荷を除去する)。
【0034】
ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナー等を所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
【0035】
2次転写ローラー8は、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像を、用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラー8には、不図示の2次転写バイアス印加部により、中間転写ベルト7に形成されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
【0036】
2次転写ローラー8は、中間転写ベルト7に対して当接したり離間したりする。具体的には、2次転写ローラー8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、2次転写ローラー8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には、当接位置に配置され、他の場合には離間位置に配置される。
【0037】
中間転写ベルト7における2次転写ローラー8とは反対側には、対向ローラー18が配置される。中間転写ベルト7における所定部分は、2次転写ローラー8と対向ローラー18とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは、中間転写ベルト7の外面(トナー画像が1次転写された面)に押し当てられる。中間転写ベルト7と2次転写ローラー8との間で、2次転写ニップN2が形成される。2次転写ニップN2において、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像は、用紙Tに2次転写される。
【0038】
定着部9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色のトナーを、溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒーターにより加熱される加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接される加圧回転体9bと、を備える。加熱回転体9aと加圧回転体9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを、挟み込んで加圧すると共に、搬送する。加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間に挟まれた状態で用紙Tが搬送されることによって、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧をされて、用紙Tに定着される。
【0039】
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する1個の給紙カセット52が配置される。給紙カセット52は、装置本体Mから水平方向に引き出し可能に構成される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52における用紙送り出し側の端部(図1において右側の端部)に配置されるカセット給紙部51により、搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ84と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラー対81とからなる重送防止機構を備える。
【0040】
装置本体Mの右側面(図1において右側)には、シート材である用紙Tを給送するシート材給送装置としての手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされる用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを、手差し搬送路Laを介して第1搬送路L1に給送することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において装置本体Mの右側面の一部を構成する手差しトレイ65と、給送ローラー66とを備える。手差しトレイ65は、その下端が給送ローラー66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65は、給送される前の用紙Tが載置されるシート材載置部として機能する。給送ローラー66は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
手差し給紙部64の詳細については後述する。
【0041】
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から2次転写ニップN2までの第1搬送路L1と、2次転写ニップN2から定着部9までの第2搬送路L2と、定着部9から排紙部50までの第3搬送路L3と、手差し給紙部64から供給される用紙を第1搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、第3搬送路L3を下流側から上流側へ搬送する用紙を、表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻し搬送路Lbと、を備える。
【0042】
第1搬送路L1は、給紙カセット52に収容される用紙Tを画像形成部GKに向けて搬送する。手差し搬送路Laは、手差し給紙部64に収容される用紙Tを後述するレジストローラー対80に向けて搬送する。
【0043】
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻し搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、戻し搬送路Lbが第3搬送路L3から分岐する分岐部である。
【0044】
第1搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と2次転写ローラー8との間)には、用紙Tを検出するための用紙検出センサー(図示せず)と、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とタイミングを合わせるためのレジストローラー対80と、が配置される。前記用紙検出センサーは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラー対80の直前(搬送方向における上流側)に配置される。レジストローラー対80は、前記用紙検出センサーからの検出信号情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして、用紙Tを搬送する。
【0045】
第1搬送路L1における第1合流部P1と第2合流部P2との間には、第1搬送ローラー対82が配置される。第1搬送ローラー対82は、給紙ローラー対81の下流側に配置され、給紙ローラー対81により搬送される用紙Tを挟持して、レジストローラー対80へ搬送する。
【0046】
戻し搬送路Lbは、用紙Tに両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(未印刷面)を中間転写ベルト7に対向させるために設けられる搬送路である。戻し搬送路Lbには、用紙Tを第2合流部P2に向けて搬送する複数の第2搬送ローラー対83が所定の間隔ごとに配置される。戻し搬送路Lbによれば、第1分岐部Q1から排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第1搬送路L1に戻して、2次転写ローラー8の上流側に配置されたレジストローラー対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、2次転写ニップN2において未印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
【0047】
第1分岐部Q1には、分岐部材58が設けられている。分岐部材58は、定着部9から搬出され第3搬送路L3を上流側から下流側に向けて搬送する用紙Tの搬送方向を、排紙部50に向かう方向に分岐すると共に、排紙部50から第3搬送路L3を下流側から上流側に向けて搬送する用紙Tの搬送方向を、戻し搬送路Lbに向かう方向に分岐する。
【0048】
第3搬送路L3における端部には、排紙部50が形成される。排紙部50は、装置本体Mにおける上方側に配置される。排紙部50は、装置本体Mの左側面側(図1において左側)に向けて開口している。排紙部50は、用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。排紙部50は、排出ローラー対53を有している。排出ローラー対53によれば、第3搬送路L3を上流側から下流側に搬送される用紙Tを装置本体Mの外部に排紙すると共に、排紙部50において用紙Tの搬送方向を反転させて用紙Tを第3搬送路L3の上流側に向けて搬送することができる。
【0049】
排紙部50における開口側には、排紙集積部M1が形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面(外面)に形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、装置本体Mにおける上面の一部を構成する開閉部材としてのトップカバー部材M2により形成される。排紙集積部M1を形成するトップカバー部材M2の上面には、所定のトナー画像が形成された状態で排紙部50から排紙された用紙Tが、積層して集積される。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサーが配置される。
【0050】
次に、図1を参照して、本実施形態のコピー機1の動作について、簡単に説明する。
まず、給紙カセット52に収容された用紙Tに片面印刷を行う場合について説明する。
給紙カセット52に収容された用紙Tは、前送りコロ84及び給紙ローラー対81によって第1搬送路L1に送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介して、第1搬送ローラー対82により、レジストローラー対80に搬送される。
レジストローラー対80においては、用紙Tのスキュー補正や、画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とのタイミング調整が行われる。
【0051】
レジストローラー対80から排出された用紙Tは、第1搬送路L1を介して中間転写ベルト7と2次転写ローラー8との間(2次転写ニップN2)に導入される。そして、用紙Tには、中間転写ベルト7と2次転写ローラー8との間において、トナー画像が転写される。
その後、用紙Tは、中間転写ベルト7と2次転写ローラー8との間から排出され、第2搬送路L2を介して、定着部9における加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間の定着ニップに導入される。そして、定着ニップにおいてトナーが溶融し、トナーが用紙Tに定着される。
【0052】
次いで、用紙Tは、第3搬送路L3を通して排紙部50に搬送され、排出ローラー対53により排紙部50から排紙集積部M1に排出される。
このようにして、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷が完了する。
【0053】
手差しトレイ65に載置された用紙Tに片面印刷を行う場合には、手差しトレイ65に載置された用紙Tは、給送ローラー66によって手差し搬送路Laに送り出され、手差し搬送ローラー対421により更に送り出された後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介して、レジストローラー対80に搬送される。それ以降の動作は、前述した、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷の動作と同様であり、説明を省略する。
【0054】
次に、両面印刷を行う場合のコピー機1の動作について説明する。
片面印刷の場合には、前述した通り、片面印刷がされた用紙Tが、排紙部50から排紙集積部M1に排出されて印刷動作が完了する。
これに対し、両面印刷を行う場合には、片面印刷がされた用紙Tが、戻し搬送路Lbを介して、片面印刷時とは表裏反転して、レジストローラー対80に再度搬送されることにより、用紙Tに両面印刷が施される。
【0055】
詳述すると、片面印刷がされた用紙Tが排出ローラー対53により排紙部50から排出されるまでは、前述した片面印刷の動作と同様である。而して、両面印刷の場合には、片面印刷がされた用紙Tが排出ローラー対53により保持されている状態において、排出ローラー対53の回転を停止させ、逆方向に回転させる。このように排出ローラー対53を逆方向に回転させると、排出ローラー対53に保持されている用紙Tは、第3搬送路L3を逆方向(排紙部50から第1分岐部Q1に向かう方向)に搬送される。
【0056】
前述したように、用紙Tが、第3搬送路L3を逆方向に搬送されると、分岐部材58により、用紙Tは、戻し搬送路Lbへ分岐され、その後、第2合流部P2を介して、第1搬送路L1に合流する。ここで、用紙Tは、片面印刷時とは表裏反転している。
【0057】
更に、用紙Tは、レジストローラー対80により前記補正又は前記調整が行われ、第1搬送路L1を介して、2次転写ニップN2に導入される。用紙Tが戻し搬送路Lbを経由することにより、その未印刷面は、中間転写ベルト7に対向する。未印刷面には、トナー画像が転写され、その結果、両面印刷が施される。
【0058】
次に、図2から図7を参照して、シート材給送装置としての手差し給紙部64の詳細について説明する。図2は、手差し給紙部64の全体構成を示す斜視図である。図3は、図2に示す上カバー部401及び前カバー部402を取り外した状態の手差し給紙部64を示す斜視図である。図4は、シート材リフト部材62が下降した状態の手差しトレイ65を示す斜視図である。図5は、シート材リフト部材62が上昇した状態の手差しトレイ65を示す斜視図である。図6は、リフト作動部材500が手差しトレイ65内に組み込まれた状態を示す斜視図である。図7は、図6に示すA−A切断線に沿った断面図である。
【0059】
本実施形態における手差し給紙部64は、図2から図7に示すように、シート材載置部61及びシート材リフト部材62を有する手差しトレイ65と、給送ローラー66(図1参照)と、給紙ユニット40と、リフト作動部材500と、下降機構70と、を備える。
【0060】
シート材載置部61は、給送される前の用紙Tが載置される手差しトレイ65の主体となるトレイ本体である。このシート材載置部61は、ハウジング63に取り付けられている。シート材載置部61は、主トレイ部611と、主トレイ部611から給送方向の反対方向に引き出し可能な延長トレイ部612と、を有する。
主トレイ部611は、給紙方向下流側の端部において、コピー機1の装置本体Mの右側部に回動自在に連結されている。
延長トレイ部612は、主トレイ部611の給紙方向上流側の端部に形成された開口を介して、主トレイ部611内に対して引き出し又は収容自在に取り付けられている。
【0061】
手差しトレイ65を使用しないときには、延長トレイ部612を主トレイ部611内に収容させて、主トレイ部611を装置本体Mに対して閉じるように回動させることにより、手差しトレイ65は、装置本体Mの右側面の一部を形成する。
また、手差しトレイ65を使用するときには、装置本体Mの右側面が開くように主トレイ部611を回動させ、用紙Tをシート材載置部61上に載置することが可能となる。また、必要に応じて延長トレイ部612を引き出すことにより、サイズの大きい用紙Tを、シート材載置部61上に載置することが可能となる。
【0062】
シート材リフト部材62は、図2から図7に示すように、シート材載置部61に載置される用紙Tの下流側の下面側に配置されるように、シート材載置部61の給紙方向下流側の上面に組み付けられる。このシート材リフト部材62の上面62Aは、シート材載置部61に載置される用紙Tの下流側が載置される載置面となる。
【0063】
シート材リフト部材62は、リフト部材本体621と、シート材載置部61上に載置される用紙Tの両側(給紙方向と直交するY方向の両側)の位置を規制する一対の可動側壁622と、導入板部623と、を有している。一対の可動側壁622は、図2及び図3に矢印Y1で示すように、用紙Tの幅方向(Y方向)に移動可能に設けられている。
一対の可動側壁622は、互いに離間する方向又は接近する方向に移動可能であり、種々のサイズの用紙Tの両側を位置決めすることができる。
導入板部623は、リフト部材本体621の給紙方向下流側の端部に連設され、給送ローラー66に対向して配置される。
【0064】
シート材リフト部材62は、後述のリフト作動部材500の上方への回動動作によって、図5から図7に示すように、下流側端部62Bを上昇させるように回動する。これにより、用紙Tの下流側端部が持ち上がり、用紙Tを給送する給送姿勢に変更される。また、シート材リフト部材62は、後述のリフト作動部材500の下方への回動によって、図2から図4に示したように、下流側端部62Bを下降させるように回動する。これにより、用紙Tの下流側端部が下がり、シート材リフト部材62は、用紙Tが載置された状態を維持して用紙Tを給送しない待避姿勢に変更される。
【0065】
図示していないが、シート材リフト部材62は、上流側端部62Cにおいて、シート材載置部61に回動可能に係合している。後述のリフト作動部材500の上方への回動動作によって、図7に矢印R1で示すように、上流側端部62Cを回動支点として下流側端部62Bが上方に移動するように、シート材リフト部材62は回動する。このときの回動を、正方向への回動と呼ぶ。即ち、シート材リフト部材62は、正方向に回動することにより上昇し、逆方向に回動することにより下降する。
【0066】
給送ローラー66は、シート材リフト部材62の上面62Aに対向して配置される。給送ローラー66は、給送姿勢のシート材リフト部材62により持ち上げられた用紙Tの上面に給送ローラー66を当接させながら回転させることにより、用紙Tを送り出す。詳細には、シート材リフト部材62の下流側端部62Bがリフト作動部材500により上昇した給送姿勢において、シート材リフト部材62の上昇により用紙Tが持ち上げられると、給送ローラー66は、シート材リフト部材62上に載置されている用紙Tの上面に当接する。用紙Tに当接している給送ローラー66が回転することにより、用紙Tは、シート材リフト部材62上から、装置本体M内の手差し搬送路Laに送り出される。本実施形態において、給送ローラー66は、中空ゴムからなる。
【0067】
図2及び図3に示すように、給紙ユニット40は、上カバー部401と、前カバー部402と、右壁部403と、左壁部404と、を有する筐体構造に構成されている。上カバー部401の表面には、複数のリブ401Lが形成されている。複数のリブ401Lは、戻し搬送路Lb(図1参照)を搬送される用紙Tの搬送をガイドするガイド面として機能する。
【0068】
次に、図8から図11を参照して、給紙ユニット40の具体的な構成について説明する。図8は、第1給送姿勢の状態における給送ローラーホルダー411の要部を示す斜視図である。図9は、第2給送姿勢の状態における給紙ユニット40給送ローラーホルダー411の要部を示す斜視図である。図10は、図8に示す状態における給送ローラー66の近傍を示す拡大斜視図である。図11は、図9に示す状態における給送ローラー66の近傍を示す拡大斜視図である。
【0069】
図3、図8及び図9に示すように、給紙ユニット40は、給送ローラー66を保持する給送ローラーホルダー411と、給送ローラー66と、シート材載置部61に用紙Tが載置されたことを検知する揺動片412と、給送ローラー66の高さ方向位置を検出するローラー位置センサー413と、用紙Tを搬送するコロユニット42と、を備える。
【0070】
給送ローラーホルダー411は、給紙ユニット40の筐体に、軸41(図8及び図9参照)の周りを上下に揺動可能に支持されている。給送ローラーホルダー411は、給紙ユニット40との間に介在されたコイルバネ417(図10参照)により、軸41の周りを下方に向けて揺動するように付勢されている。給送ローラー66は、給送ローラーホルダー411における軸41とは反対側に、回転自在に保持されている。つまり、給送ローラーホルダー411及び給送ローラー66には、下降する方向に下降付勢力が付与されている。シート材載置部61に用紙Tが載置された状態において、シート材リフト部材62が上昇されることにより、用紙Tの上面は、給送ローラー66の周面に当接する。また、給送ローラー66及び給送ローラーホルダー411は、コイルバネ417の下降付勢力に抗して上方へ持ち上げられる。
【0071】
給送ローラーホルダー411は、上方に突出するガイドストッパー418を有する。ガイドストッパー418の上方に位置する給紙ユニット40の筐体には、ガイド孔419が設けられている。ガイドストッパー418はガイド孔419に配置する。この状態において、ガイドストッパー418及びガイド孔419は、軸41の周りにおける給送ローラーホルダー411の上下の揺動をガイドすると共に、給送ローラーホルダー411及び給送ローラー66の下限位置を規制する。
【0072】
揺動片412は、給紙ユニット40の筐体に揺動自在に支持されている。揺動片412の揺動軌跡上には、光線の発光を行う光センサー及び受光を行う光センサー(図示せず)が配置されている。シート材載置部61に用紙Tが載置された状態において、用紙Tにより揺動片412が上方に傾くように揺動されることに伴って、前記光センサーから発光された光線が遮断される。これにより、揺動片412は、用紙Tがシート材載置部61に載置されたことを検知する。
【0073】
ローラー位置センサー413は、フォトインタラプター(PI)を有し、給送ローラー66の高さ方向位置を検出する。これにより、例えば、ローラー位置センサー413は、シート材リフト部材62が所定の位置まで持ち上げられて、給送ローラー66と用紙T(シート材)の間に所定の接触圧(給紙圧)が確保されたか否かを検知する。図8から図11に示すように、ローラー位置センサー(PI)413は、発光素子414と、この発光素子414に所定のギャップをあけて対向配置される受光素子415と、このギャップに配置可能な遮光板416と、から構成される。ローラー位置センサー413の遮光板416は、給送ローラーホルダー411の上面に取り付けられており、給送ローラーホルダー411と共に上下に揺動する。
【0074】
図3に示すように、コロユニット42は、手差し搬送ローラー対421と、この手差し搬送ローラー対421を回転可能に支持するコロホルダー422と、を有する。コロユニット42は、用紙Tの搬送方向(給送方向)に直交する方向に適宜間隔をあけて、複数個一列に配置されている。コロユニット42は、図3では4個設けられているが、2個以上の複数個であればよい。コイルバネ423は、各コロユニット42の手差し搬送ローラー対421の一部分を、左壁部404から用紙Tの搬送方向に突出するように付勢する。
【0075】
次に、リフト作動部材500について説明する。
リフト作動部材500は、シート材リフト部材62を上昇又は下降させるように作動する。図6及び図7に示すように、リフト作動部材500は、シート材リフト部材62の下面に当接する持ち上げ部材511と、持ち上げ部材511を回転させる軸部材512と、軸部材512に取り付けられるレバー部材530と、持ち上げ部材511を付勢するコイルバネ513と、を備えている。
【0076】
持ち上げ部材511は、シート材リフト部材62の下面のリブ部62Lに当接する自由端511Aと、軸部材512に挿通されて固定される基端部511Bと、を備える。
軸部材512は、ハウジング63に回転自在に支持されている。軸部材512は、シート材リフト部材62の姿勢を第1給送姿勢(後述)と第2給送姿勢(後述)と待避姿勢とに切り換えられるように、持ち上げ部材511を回転させる。
【0077】
レバー部材530は、軸部材512と一体的に回転する。レバー部材530には、下降押圧部材71から押圧力が付与される。レバー部材530は、筒体部531と、筒体部531と一体的なレバー本体部532と、レバー本体部532と一体的な先端部533と、を有する。レバー部材530は、筒体部531を軸部材512に嵌合させることにより、軸部材512の軸心周りに回転自在に支持されている。先端部533は、筒体部531よりも、用紙Tの給送方向下流側に配置する。レバー部材530が軸部材512の軸心周りに回転することにより、持ち上げ部材511は、レバー部材530と一体的に同一の方向に回転する。レバー部材530には、コイルバネ513により、軸部材512の軸心周りで上昇する方向(シート材リフト部材62の姿勢を給送姿勢とする方向)へ回転する上昇付勢力が付与されている。
【0078】
コイルバネ513は、持ち上げ部材511を上方へ持ち上げる上昇付勢力を持ち上げ部材511に付与する。コイルバネ513の上昇付勢力を受けて、持ち上げ部材511は、上方に持ち上げられる。これにより、シート材リフト部材62は、用紙Tの下流側端部を持ち上げるように上昇して、シート材リフト部材62の姿勢は、用紙Tを給送する給送姿勢に変更される。
【0079】
次に、図12から図15を参照して、手差し給紙部64の特徴的な構成である下降機構70について説明する。図12は、シート材リフト部材62が待避姿勢に切り換えられたときにおける下降機構70の動作状態を示す側面図である。図13は、シート材リフト部材62が第1給送姿勢に切り換えられたときにおける下降機構70の動作状態を示す側面図である。図14は、シート材リフト部材62が第2給送姿勢に切り換えられたときにおける下降機構70の動作状態を示す側面図である。図15は、手差し給紙部64の手差しトレイ65が装置本体Mの右側面の一部を構成するように閉状態とされた状態を示す側面図である。
【0080】
図12から図15に示すように、下降機構70は、下降押圧部材71と、下降押圧部材駆動部72と、下降押圧部材制御部73と、を備える。
下降押圧部材71は、押圧部材本体711と、押圧部材本体711の一端側の筒体部712と、押圧部材本体711の他端側の湾曲先端部713と、を有する。湾曲先端部713は、筒体部712よりも、用紙Tの給送方向上流側に配置する。下降押圧部材71は、その一端側の筒体部712を回転軸74に嵌合させることにより、回転軸74の軸心周りで上下に揺動自在に構成されている。
【0081】
押圧部材本体711における湾曲先端部713側の下面715は、平坦状に形成される。下面715には、レバー部材530の先端部533が当接されている。下降押圧部材71は、リフト作動部材500のレバー部材530に、コイルバネ513によるレバー部材530の上昇方向への回転付勢力に抗して下降する方向の押圧力を付与する。これにより、下降押圧部材71は、シート材リフト部材62の姿勢を給送姿勢又は待避姿勢に切り換える。
【0082】
下降押圧部材駆動部72は、下降押圧部材71を駆動する。下降押圧部材駆動部72は、モーター720と、歯車列群721と、姿勢変更用の偏心カム726と、を備える。歯車列群721は、ウォーム722と、ウォームホィール723と、第1減速ギア対724と、第2減速ギア対725とからなる。
モーター720は、正逆転切換可能なDCモーターからなり、歯車列群721を介して偏心カム726を回転駆動する。歯車列群721のウォーム722は、モーター720の出力軸に固定される。ウォームホィール723、第1減速ギア対724及び第2減速ギア対725それぞれは、給紙ユニット40の前カバー部402にそれぞれ固定された第1軸733、第2軸734及び第3軸735に、自由回転可能に支持されている。
【0083】
偏心カム726は、回転軸736の軸心の周りに回転する。偏心カム726の周面には、偏心量の大きい大径部726Aと、偏心量の小さい小径部726Cと、大径部726Aと小径部726Cとの間に位置する中間径部726Bとが、図12に矢印R2で示す回転方向に連続して形成されている。偏心カム726の周面は、下降押圧部材71における押圧部材本体711の上面714に当接される(押し付けられる)。
【0084】
下降押圧部材制御部73は、ローラー位置センサー413からの出力信号に基づいて、下降押圧部材駆動部72の動作を制御する。詳しくは、下降押圧部材制御部73は、シート材リフト部材62の姿勢により、給送姿勢のうち通常厚さの用紙Tを給送可能な第1給送姿勢と、給送姿勢のうち厚さの大きい用紙Tを給送可能な第2給送姿勢と、用紙Tを給送しない待避姿勢と、に切り換えるように、下降押圧部材駆動部72におけるモーター720の回転を制御する。
【0085】
第1給送姿勢は、給送姿勢のうち、給送ローラー66の高さ方向位置をローラー位置センサー413により所定範囲内で保持するように制御された姿勢である。第1給送姿勢では、シート材リフト部材62の位置は、給送ローラー66が検知された位置で下降押圧部材71により規制される。そのため、シート材リフト部材62に上昇付勢力が100%発現することはない。
【0086】
第2給送姿勢は、通常厚さの用紙Tよりも厚さの大きい用紙Tを給送可能な姿勢である。また、第2給送姿勢は、給送姿勢のうち、給送ローラー66の高さ方向位置をローラー位置センサー413により所定範囲内で保持するように制御することなく、給送ローラー66の高さ方向位置がシート材リフト部材62の上昇付勢力及び給送ローラー66の下降付勢力により定まる姿勢である。第2給送姿勢では、シート材リフト部材62の位置は、下降押圧部材71により規制されない。そのため、シート材リフト部材62に上昇付勢力は、100%発現することができる。
【0087】
厚さの大きい用紙Tは、一般的に厚紙と呼ばれるものである。
第1給送姿勢と第2給送姿勢と待避姿勢との切り換えは、図示しない操作ボタンを利用して、ユーザーにより選択される。
【0088】
続いて、上記のように構成された下降機構70の動作について説明する。
手差しトレイ65におけるシート材載置部61の主トレイ部611が装置本体Mの右側面を開くように回動されて、シート材リフト部材62が図2から図4に示すような待避姿勢に切り換えられている状態においては、図12に示すように、下降押圧部材駆動部72における偏心カム726の大径部726Aは、下降押圧部材71における押圧部材本体711の上面714に当接すると共に、レバー部材530の先端部533は、押圧部材本体711の下面715に当接する。
これによって、レバー部材530及びリフト作動部材500は、コイルバネ513の上昇付勢力に抗して下降する方向に押圧される。また、シート材リフト部材62は、図2から図4に示すような待避姿勢に保持される。
【0089】
次に、上述の待避姿勢において、ユーザーが操作ボタンを操作して第1給送姿勢を選択すると、モーター720は回転する。その回転力は、ウォーム722、ウォームホィール723、第1減速ギア対724及び第2減速ギア対725からなる歯車列群721を経て、姿勢変更用の偏心カム726に伝達される。その結果、偏心カム726は、回転軸736の軸周りに回転される。偏心カム726の回転により、下降押圧部材71は、回転軸74の軸心周りで上方に揺動する。この揺動に伴って、レバー部材530及びリフト作動部材500は、コイルバネ513の上昇付勢力により上昇する。
【0090】
そして、図12に示すように、偏心カム726の大径部726Aが下降押圧部材71における押圧部材本体711の上面714に当接する状態では、ローラー位置センサー413により給送ローラーホルダー411の遮光板416は検知されない。この状態から、ローラー位置センサー413により給送ローラーホルダー411の遮光板416が検知されるまで、偏心カム726が回転するように、モーター720を回転させる。この過程において、ローラー位置センサー413により給送ローラーホルダー411の遮光板416が検知されると、ローラー位置センサー413からの出力信号に基づいて、下降押圧部材制御部73から出力される制御信号により、モーター720の回転は停止される。
【0091】
モーター720の回転が停止した時において、シート材リフト部材62は、レバー部材530及びリフト作動部材500を介して上昇し、図6、図7及び図13に示すような第1給送姿勢に切り換えられる。なお、シート材リフト部材62の位置は、給送ローラー66が検知された位置で下降押圧部材71により規制されるため、シート材リフト部材62に上昇付勢力が100%発現することはない。
【0092】
第1給送姿勢において、シート材リフト部材62の上昇により用紙Tが持ち上げられると、給送ローラー66は、シート材リフト部材62上に載置されている用紙Tの上面に当接して回転する。これにより、通常厚さの用紙Tは、シート材リフト部材62上から、装置本体M内の手差し搬送路Laに送り出される。
【0093】
シート材リフト部材62上に載置されている用紙Tが給送されて、減少すると、これに伴って、シート材リフト部材62上に載置されている用紙Tの高さ方向位置は、低くなる。シート材リフト部材62は上昇しないため、給送ローラー66及び給送ローラーホルダー411の遮光板416は下降する。そして、遮光板416がローラー位置センサー413の検知位置から外れると、遮光板416がローラー位置センサー413により検知されるまで、偏心カム726が回転されるように、モーター720は回転される。その後、遮光板416がローラー位置センサー413により検知されると、偏心カム726の回転が停止されるように、モーター720の回転は停止される。つまり、ローラー位置センサー413は、最上位に位置する用紙Tの高さ方向(上下方向)の位置を一定にする制御を行う。
【0094】
まとめると、シート材載置部61及びシート材リフト部材62に載置される用紙Tが給送されて減少することによって、ローラー位置センサー413により、給送ローラー66の高さ方向位置が、第1給送姿勢として規定される所定範囲を外れたことが検知された場合に、下降押圧部材制御部73は、給送ローラー66の高さ方向位置を前記所定範囲で保持するように、下降押圧部材駆動部72を制御する。
【0095】
また、上述の待避姿勢又は第1給送姿勢において、ユーザーが操作ボタンを操作して第2給送姿勢を選択すると、モーター720は回転する。その回転力は、ウォーム722、ウォームホィール723、第1減速ギア対724及び第2減速ギア対725からなる歯車列群721を経て、姿勢変更用の偏心カム726に伝達される。その結果、偏心カム726は回転軸736の軸周りに回転される。偏心カム726の回転により、下降押圧部材71は、回転軸74の軸心周りで上方に揺動する、この揺動に伴って、レバー部材530及びリフト作動部材500は、コイルバネ513の上昇付勢力により上昇する。
【0096】
そして、図12に示すように、偏心カム726の大径部726Aが下降押圧部材71における押圧部材本体711の上面714に当接する状態から、図14に示すように、偏心カム726の小径部726Cが下降押圧部材71における押圧部材本体711の上面714に当接する状態になるまで、偏心カム726が回転するように、モーター720を回転させる。この位置まで偏心カム726が回転すると、モーター720の回転は停止される。また、シート材リフト部材62の位置は、下降押圧部材71により規制されないため、シート材リフト部材62に上昇付勢力が、100%発現することができる。この結果、シート材リフト部材62の高さ方向位置は、第1給送姿勢における位置以上に高い位置まで移動することが可能となる。従って、同じ厚さの1枚又は複数枚の用紙T(シート材)で比較した場合に、給送ローラー66と用紙T(シート材)との間の接触圧(給紙圧)は、第1給送姿勢における接触圧(給紙圧)よりも高くなる。
【0097】
第2給送姿勢において、シート材リフト部材62の上昇により用紙Tが持ち上げられると、給送ローラー66は、シート材リフト部材62上に載置されている用紙Tの上面に当接して回転する。これにより、通常厚さよりも厚さの大きい用紙Tは、シート材リフト部材62上から、装置本体M内の手差し搬送路Laに送り出される。
【0098】
また、シート材リフト部材62の姿勢が第2給送姿勢である場合に、用紙Tの先端部がシート材載置部61よりも給送方向の下流側の手差し搬送ローラー対421(図3参照)に挟み込まれたことが検出されたときには、下降押圧部材制御部73は、シート材リフト部材62の姿勢を第2給送姿勢から第1給送姿勢側に変更させるように、下降押圧部材駆動部72を駆動させる。
【0099】
なお、押圧部材本体711の先端部には、平坦な下面715の一端から湾曲先端部713まで延びる略90度に湾曲した湾曲面716が形成されている。レバー部材530の先端部533は、円弧状に形成されている。これによって、図15に示すように、手差しトレイ65におけるシート材載置部61の主トレイ部611が装置本体Mの右側面を閉じるように回動されるときには、レバー部材530の円弧状の先端部533は、押圧部材本体711の先端部の湾曲面716に摺動しながら移動する。これにより、レバー部材530は、その先端部533が最も低く位置する姿勢に変更された状態で、装置本体Mの内部に収容される。
【0100】
本実施形態によれば、次の効果が奏される。
本実施形態の手差し給紙部64(シート材給送装置)は、シート材載置部61に載置される用紙T(シート材)の下流側の下面側に配置され、上昇する方向に上昇付勢力が付与されているシート材リフト部材62であって、用紙Tの下流側端部を持ち上げるように上昇して用紙Tを給送する給送姿勢と、用紙Tが載置された状態を維持して用紙Tを給送しない待避姿勢と、に姿勢を変更可能なシート材リフト部材62と、シート材リフト部材62を上昇又は下降させるように作動するリフト作動部材500と、シート材リフト部材62の上面に対向し、下降する方向に下降付勢力が付与されている給送ローラー66であって、給送姿勢のシート材リフト部材62により持ち上げられた用紙Tの上面に給送ローラー66を当接させながら回転させることにより、用紙Tを送り出す給送ローラー66と、給送ローラー66の高さ方向位置を検出するローラー位置センサー413と、リフト作動部材500に直接的に又は間接的に、上昇付勢力に抗して下降する方向の押圧力を付与して、シート材リフト部材62の姿勢を給送姿勢又は待避姿勢に切り換える下降押圧部材71と、下降押圧部材71を駆動する下降押圧部材駆動部72と、シート材リフト部材62の姿勢により、給送姿勢のうち、給送ローラー66の高さ方向位置をローラー位置センサー413により所定範囲内で保持するように制御された第1給送姿勢と、給送ローラー66の高さ方向位置をローラー位置センサー413により所定範囲内で保持するように制御することなく、給送ローラー66の高さ方向位置が上昇付勢力及び下降付勢力により定まる第2給送姿勢と、待避姿勢とに切り換えるように、下降押圧部材駆動部72を制御する下降押圧部材制御部73と、を備える。
【0101】
そのため、下降押圧部材駆動部72及び下降押圧部材制御部73を介して下降押圧部材71を駆動制御するのみで、通常厚さの用紙の給送に適した第1給送姿勢(図13参照)と、通常厚さよりも厚さの大きい用紙の給送に適した第2給送姿勢(図14参照)とに切り換えることが可能である。
従って、用紙の厚さに対応する給送姿勢が得られるように、シート材リフト部材の上昇に伴う用紙の上限位置を規制する上限センサーの検知高さ位置を上下に可変に構成していた従来のシート材給送装置に比べて、構造を非常に簡単化することができる。また、装置における狭いスペースに多くの構成部材、部品を組み込む必要もなくなり、装置全体の製作組付けの容易化及び製作コストの低減を図りながら、厚さの異なる複数種の用紙の給送に対応させることができる。
【0102】
また、通常厚さよりも厚さの大きい用紙を給送する第2給送姿勢において、シート材リフト部材62を、通常厚さの用紙を給送する第1給送姿勢よりも給送ローラー66に接近させる。そのため、厚さの大きい用紙を給送する場合は、給送ローラー66による強い接触圧を確保することが可能である。
従って、厚さの大きい用紙であっても、空送や重送等の給送不具合が生じにくく、安定的に給送することができる。つまり、厚さの異なる複数種の用紙のいずれであっても、安定した給送性能を発揮させることができる。
【0103】
また、本実施形態においては、下降押圧部材71を駆動する下降押圧部材駆動部72は、下降押圧部材71を回転させるモーター720及び歯車列群721から構成されている。
そのため、シート材リフト部材62の姿勢の切り換えのための下降押圧部材制御部73の制御構成自体が簡単であると共に、姿勢の切り換え動作も円滑、確実に行うことができ、第1給送姿勢,第2給送姿勢及び待避姿勢を一定の姿勢に維持することができる。従って、長期間の使用においても、用紙の厚さにかかわらず安定した給送性能を確保することができる。
【0104】
また、本実施形態においては、シート材リフト部材62の姿勢が第2給送姿勢である場合に、用紙Tの先端部がシート材載置部61よりも給送方向の下流側の第1搬送ローラー対82(図1参照)に挟み込まれたことが検出されたときには、下降押圧部材制御部73は、シート材リフト部材62の姿勢を第2給送姿勢から第1給送姿勢側に変更させるように、下降押圧部材駆動部72を駆動させる。そのため、給送姿勢の切り換え直後において、第1搬送ローラー対82に対する負荷(用紙との間の接触抵抗)が急激に増加することによる搬送詰まり(JAM)の発生などを抑制することができる。
【0105】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、本実施形態においては、下降押圧部材駆動部72として、モーター720及び歯車列群721を用いたが、これに制限されない。例えば、下降押圧部材駆動部として、モーター及びベルト式の回転伝動機構などを用いてもよい。また、下降押圧部材71を、回転軸74に直結したモーターにより、駆動させるようにしてもよい。
下降押圧部材71は、リフト作動部材500に、直接的に押圧力を付与してもよく、あるいは、他の部材などを介して押圧力を付与してもよい。
【0106】
また、本実施形態では、本発明のシート材給送装置を手差し給紙部64に適用した場合について説明したが、これに制限されない。本発明のシート材給送装置は、給紙カセット52、原稿搬送装置における原稿給紙部などに適用することも可能である。
本実施形態においては、画像形成装置としてカラーのコピー機について説明しているが、これに限定されない。画像形成装置は、例えば、モノクロコピー機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機等であってもよい。
シート材としては、用紙に限らず、例えば、フィルム状のシートや、フィルムと紙との複合シートであってもよい。
【符号の説明】
【0107】
1……コピー機(画像形成装置)、61……シート材載置部、62……シート材リフト部材、64……手差し給紙部(シート材給送装置)、66……給送ローラー、71……下降押圧部材、72……下降押圧部材駆動部、73……下降押圧部材制御部、413……ローラー位置センサー、500……リフト作動部材、511……持ち上げ部材、512……軸部材、530……レバー部材、720……モーター、721……歯車列群、GK……画像形成部、T……用紙(シート材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材を給送するシート材給送装置であって、
給送される前のシート材が載置されるシート材載置部と、
前記シート材載置部に載置されるシート材の下流側の下面側に配置され、上昇する方向に上昇付勢力が付与されているシート材リフト部材であって、シート材の下流側端部を持ち上げるように上昇してシート材を給送する給送姿勢と、シート材が載置された状態を維持してシート材を給送しない待避姿勢と、に姿勢を変更可能なシート材リフト部材と、
前記シート材リフト部材を上昇又は下降させるように作動するリフト作動部材と、
前記シート材リフト部材の上面に対向し、下降する方向に下降付勢力が付与されている給送ローラーであって、前記給送姿勢の前記シート材リフト部材により持ち上げられたシート材の上面に該給送ローラーを当接させながら回転させることにより、シート材を送り出す給送ローラーと、
前記給送ローラーの高さ方向位置を検出するローラー位置センサーと、
前記リフト作動部材に直接的に又は間接的に、前記上昇付勢力に抗して下降する方向の押圧力を付与して、前記シート材リフト部材の姿勢を前記給送姿勢又は前記待避姿勢に切り換える下降押圧部材と、
前記下降押圧部材を駆動する下降押圧部材駆動部と、
前記シート材リフト部材の姿勢により、前記給送姿勢のうち、前記給送ローラーの高さ方向位置を前記ローラー位置センサーにより所定範囲内で保持するように制御された第1給送姿勢と、前記給送ローラーの高さ方向位置を前記ローラー位置センサーにより所定範囲内で保持するように制御することなく、前記給送ローラーの高さ方向位置が前記上昇付勢力及び前記下降付勢力により定まる第2給送姿勢と、前記待避姿勢とに切り換えるように、前記下降押圧部材駆動部を制御する下降押圧部材制御部と、
を備えるシート材給送装置。
【請求項2】
前記リフト作動部材は、
前記シート材リフト部材の下面に当接する持ち上げ部材と、
前記シート材リフト部材の姿勢を前記第1給送姿勢と前記第2給送姿勢と前記待避姿勢とに切り換えられるように、前記持ち上げ部材を回転させる軸部材と、
前記軸部材と一体的に回転し、前記下降押圧部材から前記押圧力が付与されるレバー部材と、を備えている
請求項1に記載のシート材給送装置。
【請求項3】
前記下降押圧部材駆動部は、前記下降押圧部材を回転させるモーター及び歯車列群からなる
請求項1又は2に記載のシート材給送装置。
【請求項4】
前記シート材リフト部材の姿勢が前記第2給送姿勢である場合に、シート材の先端部が前記シート材載置部よりも給送方向の下流側のローラーに挟み込まれたことが検出されたときには、前記下降押圧部材制御部は、前記シート材リフト部材の姿勢を前記第2給送姿勢から前記第1給送姿勢側に変更させるように、前記下降押圧部材駆動部を駆動させる
請求項1から3のいずれかに記載のシート材給送装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のシート材給送装置と、
前記シート材給送装置により給送されるシート材に画像を形成する画像形成部と、を備える
画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−214257(P2012−214257A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78896(P2011−78896)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】