説明

シート状洗濯用品の製造方法

【課題】 高い洗浄性や溶解性を保持しつつ、気泡等の欠陥を発生させること無く、ドウ状洗剤組成物からなる薄層を、均一な厚さ及び幅で形成し得るシート状洗濯用品の製造方法を提供すること。
【解決手段】 界面活性剤、アルカリ剤及び金属イオン捕捉剤をそれぞれ一種以上含有するドウ状洗剤組成物を、以下の式(1)で表されるその塑性流動指数BFの値が6以下である状態下に、薄層に形成するシート状洗濯用品の製造方法。
【数1】

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可撓性支持体上にドウ状洗剤組成物の薄層が形成されたシート状洗濯用品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】洗剤組成物の飛散や漏れの無いシート状洗濯用品として、本出願人は先に特開平10−204400号公報において、進入硬度が特定の範囲内にあるドウ状洗剤組成物からなる薄層と、該薄層の両側に配置されたシート状水溶性基体とを有するシート状洗濯用品を提案した。
【0003】前記シート状洗濯用品によれば、粉末洗剤と異なり、洗濯機への洗剤の投入時に粉末の飛散が起こらず、取り扱い性に優れるという利点がある。しかし、ドウ状洗剤組成物は流動性が必ずしも高くないので、該ドウ状洗剤組成物からなる薄層を、均一な厚さ及び幅で且つ使用時に高い、優れた溶解性が発現するように形成することが必要である。また、該薄層を気泡等の欠陥を発生させること無く形成することは容易ではない。
【0004】ドウ状洗剤組成物は、液体界面活性剤等の流動性を有する物質中に固体洗剤粒子等の粉末組成物が高濃度で分散している状態の捏和物であり、湿潤粉体とスラリーの中間的な性質を有する複雑な流動特性を示す。特に、調整後からの経時変化によって、該ドウ状洗剤組成物の性質は流体的なものから粉体的なものへの変化する。更に、この性質は前記ドウ状洗剤組成物における粉末組成物の濃度が高くなるとより一層顕著となる。このような性質を有するドウ状洗剤組成物から薄層を形成する場合、該ドウ状洗剤組成物はその流動性が高いことが好ましく、そのためには固体洗剤粒子の濃度が低いことが好ましい。一方、十分な洗浄性能を発現させるためには、固体洗剤粒子の濃度は高いことが好ましい。このように、ドウ状洗剤組成物の流動性と洗浄性とは二律背反の関係にある。
【0005】ドウ状洗剤組成物からなる薄層を形成することについては、特開平10−72599号公報の第9欄14〜17行及び特開平10−204499号公報の第14欄10〜13行にその記載があるが、量産等工業的に実施するにあたっての条件等は、前記出願の発明に直接かかわらないため具体的に記載されていない。
【0006】これとは別に、特開平7−209512号公報には、降伏値が0.1Pa以上であり、且つ非ニュートン粘性指数が0.9以下であるカラーフィルタ用粘着ペーストが記載されている。しかし、この公報記載の発明は、粘度−剪断速度曲線における切片の値に着目するものであり、粘度−剪断速度曲線全体の傾きが表す、流体的な性質と粉体的な性質との中間的な性質に対する記載はない。
【0007】従って、本発明は、高い洗浄性や溶解性を保持しつつ、気泡等の欠陥を発生させること無く、ドウ状洗剤組成物からなる薄層を、均一な厚さ及び幅で形成し得るシート状洗濯用品の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、界面活性剤、アルカリ剤及び金属イオン捕捉剤をそれぞれ一種以上含有するドウ状洗剤組成物を、以下の式(1)で表されるその塑性流動指数BFの値が6以下である状態下に、薄層に形成するシート状洗濯用品の製造方法を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0009】
【数3】


【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明のシート状洗濯用品の製造方法に好ましく用いられる製造装置10の要部が示されている。製造装置10は、同方向に回動する一対のロール11,11’に支持されて周回する無端縁ベルト12を備えている。無端縁ベルト12は、図中、矢印Aで示す方向に走行する。
【0011】無端縁ベルト12の外面側には、該無端縁ベルト12に対向してエクストルージョン型のダイコータ13が設置されている。エクストルージョン型のダイコータ13を用いると、他のコータに比して広い粘度範囲のドウ状洗剤組成物を塗布することができ、且つ他のコータを用いる場合に比して均一な塗工膜を形成し得るので好ましい。またドウの供給から塗布までが密閉系であることから、他のコータに比してドウ状洗剤組成物の物性変化が小さく、且つドウ状洗剤組成物の損失が殆どないので好ましい。塗工能力についても他のコータに比して大きくすることができる。ダイコータ13は、その先端にフロントエッジ面(図示せず)及びバックエッジ面(図示せず)を有しており、これら両者の間に、無端縁ベルト12の走行方向と直交する方向に亘って幅狭のスリット(図示せず)が形成されている。ダイコータ13は、電熱ヒータによって一定の温度に温調されている。
【0012】前記フロントエッジ面及びバックエッジ面は、前記ドウ状洗剤組成物のレオロジー特性に応じて平面でもよく、或いは所定の曲率を有する曲面でもよい。また、前記スリットの幅は、前記ドウ状洗剤組成物のレオロジー特性及び形成すべき前記薄層の厚み等にもよるが、0.5mm〜30mmであることが、塗布時のドウ状洗剤組成物の流動安定化による塗工膜の均一形成と、塗布圧力に対する実際上の送液の容易さとの両立の点から好ましい。
【0013】原反(図示せず)から連続的に繰り出された長尺帯状の可撓性支持体14は、ガイドロール15に案内された後、無端縁ベルト12上を、該無端縁ベルト12と同方向に走行する。そして、可撓性支持体14は、ダイコータ13におけるフロントエッジ面及びバックエッジ面に沿って連続走行する。
【0014】ダイコータ13はドウ状洗剤組成物の供給源(図示せず)に接続されている。該ドウ状洗剤組成物は定量送液ポンプ等の供給手段によって、該供給源からダイコータ13の先端に形成された前記スリットへ向けて押し出され、該スリットを通じて、連続走行する可撓性支持体14上に塗工される。
【0015】ダイコータ13は、可撓性支持体14の走行面と直交する方向(図1中、矢印Bで示す方向)に移動可能となっており、これによりダイコータ13の先端が可撓性支持体14と接離可能になされている。
【0016】ダイコータ13によって可撓性支持体14上に前記ドウ状洗剤組成物が塗工されることで、可撓性支持体14上には該ドウ状洗剤組成物からなる薄層17が形成される。ダイコータ13が常時可撓性支持体14に近接する位置に配置されている場合には、薄層17は可撓性支持体14上に連続的に形成される。一方、ダイコータ13が可撓性支持体14に対して接離動作を行っている場合には、薄層17は可撓性支持体14上に不連続に形成される。
【0017】薄層17は、可撓性支持体14の全幅に亘って形成されていてもよい。好ましくは、可撓性支持体14の両側に所定幅の非塗工部分がそれぞれ存在するように薄層17を形成する。また、可撓性支持体の走行方向に一条以上の所定幅の非塗工部分が存在して、複数列の薄層を同時に形成しても良い。
【0018】可撓性支持体14は一対のロール11,11’に直接支持されても良く、または可撓性支持体14を挟んでダイコータ13の直下にロールを配して、これにより支持しても良い。好ましくは、可撓性支持体14は、本実施形態のようにロール11,11’に支持される無端縁ベルト12によって支持される。
【0019】可撓性支持体14上に塗工される前記ドウ状洗剤組成物としては、特に衣料用の洗剤として好適なものが用いられる。また、前記ドウ状洗剤組成物としては、可撓性支持体14の表面に供給可能な流動性を備えると共に可撓性支持体14上に塗工された後に薄層状態としての保形性を備えたものが好適に用いられる。本発明においてドウとは、本出願人の先の出願に係る特開平10−204499号公報に記載されるように、粉末組成物と液体、ペースト又はゲル等の流動性を有する物質との捏和物をいう。該流動性を有する物質には加熱や加圧、剪断により流動化するものも含まれる。
【0020】前記ドウ状洗剤組成物は粉末組成物と液体界面活性剤等の流動性を有する物質との捏和物であることから、該ドウ状洗剤組成物は湿潤粉体とスラリーの中間的な性質を有する複雑な流動特性を示す。従って、前記ドウ状洗剤組成物のレオロジー特性を通常の流体と同一視することはできない。このような特殊なレオロジー特性を有する前記ドウ状洗剤組成物から均一な薄層を連続的且つ安定的に 形成する手段について本発明者らは種々検討した結果、前記ドウ状洗剤組成物の流動特性の線形性が大きく影響することを見出した。一般に、前記ドウ状洗剤組成物のうち、高い比率で固体洗剤粒子等の粉末組成物を含有するものは、塑性的性質が現れやすく、流動性が不安定になりやすい。また、前記ドウ状洗剤組成物の流動特性の不安定性は、該ドウ状洗剤組成物を調製してから塗布するまでの経過時間が長くなることによっても現れる。この前記ドウ状洗剤組成物の流動安定性の経時変化は、含有する固体粒子の凝集及び液体成分に対する固体粒子の吸油効果によるものと類推される。一方、塗布方式を用いて連続的且つ安定的に薄層形成を行うためには、前記ドウ状洗剤組成物の流動特性が安定していることが不可欠である。しかしながら、塗布方式を用いた薄層形成工程においては、ポンプによる送液操作、配管中での流動、液溜り部での滞留、薄層形成部分での変形および薄層形成工程自身の開始/終了操作など、前記ドウ状洗剤組成物を取り扱う幅広い剪断速度が、薄層形成を不安定化させやすい。加えて、前記ドウ状洗剤組成物を調製する工程において発生する混合・送液・貯蔵等の単位操作に要する時間が、該ドウ状洗剤組成物を調製してから塗布するまでの時間にばらつきを与え、不可避的に薄層形成を不安定化する方向に作用する。従って、塗布方式を用いて連続的且つ安定的に薄層形成を行うためには、前記ドウ状洗剤組成物の流動特性が広い剪断速度の範囲で線形性を保ち、且つ該ドウ状洗剤組成物の経時変化が未だ生じていない安定な状態のもとで塗布されることが重要となる。しかしながら、粘度、チキソ指数など固液分散系の流動特性を表す代表的な指標では、前記ドウ状洗剤組成物の流動特性の安定性を把握することができなかった。そこで種々検討を行った結果、本発明者らは前記ドウ状洗剤組成物の流動特性の安定性が前記式(1)塑性流動指数BFにより表すことが出来ることを見出し、これを一定の状態に保ったまま薄層形成工程を終了すればよいとの知見を得た。
【0021】前記塑性流動指数BFは、前記ドウ状洗剤組成物の粘度ηと剪断速度τとの関係に関するものであり、詳細には粘度ηの対数値と剪断速度τの対数値との関係において、剪断速度τが1〜10s-1の範囲における粘度ηの傾きDη1 に対する、剪断速度τが10〜100s-1の範囲における粘度ηの傾きDη2 の変化率を表すものである。この変化率が小さい程、剪断速度τが1〜100s-1の範囲において、logτとlogηとの関係が直線に近づく。このことは、剪断速度の広い範囲においてドウ状洗剤組成物の流動特性が均一になることを意味する。更に検討を推し進めたところ、ドウ状洗剤組成物を、前記式(1)で表されるその塑性流動指数BFの値が6以下である状態下に薄層に形成することで、高い比率で固体粒子成分を含有したドウ状洗剤組成物を安定的に薄層に形成でき、また薄層形成過程において品質のばらつきを最小限に抑えることができ、更に十分な洗浄性能が発揮されることを見出した。
【0022】詳細には、薄層を形成する際にドウ状洗剤組成物の塑性流動指数BFが6超の状態となると、ポンプによる送液流量が安定しなくなり、薄層の幅方向寸法が変動してしまう。更に塗布装置内での幅方向の圧力分布が不均一となることから薄層の高さ寸法が幅方向で不均一になってしまう。加えて配管内での滞留部分で凝集物が発生しやすくなり、薄層形成部分で薄層のカスレ、チギレが発生しやすくなる。従って、ドウ状洗剤組成物の塑性流動指数BFの値が6以下である時間内に塗布することによって、形成された薄層の幅方向寸法および高さ方向寸法が均一になり、配管内での凝集物の発生が防止され、薄膜形成部分での薄層のカスレ、チギレを防止することができる。更に得られるシート状洗濯用品の洗浄性能を向上させるためには、前記ドウ状洗剤組成物中に高い比率で固体洗剤粒子等の粉末組成物を含有させることが必要であるが、塑性的性質が弱い状態で該ドウ状洗剤組成物の塗布を終了することにより、該ドウ状洗剤組成物の流動性のばらつきを小さくすることができることから、調製段階でより多くの粉末組成物を含有させることができ、シート状洗濯用品の洗浄性能を高めることができる。
【0023】前記塑性流動指数BFは、その値が4.5以下、とりわけ3以下であると、前述の効果が一層顕著なものとなるので好ましい。尚、前述の説明及び前記式(1)から明らかなように、前記塑性流動指数BFの値は0であることが最も好ましい。
【0024】前記塑性流動指数BFの値は、前記ドウ状洗剤組成物が調製されてから時間を経るにつれて変化するが、本発明では該塑性流動指数BFの値が6以下となっている間に、前記ドウ状洗剤組成物の薄層への形成を完了させる。
【0025】前記ドウ状洗剤組成物は、前記式(1)におけるDη1の値が0.95以下、特に0.9以下、とりわけ0.85以下である状態下に、薄層に形成されることが、ポンプ等の輸送手段を用いた送液が容易となり、薄層のチギレや泡かみが防止される点から好ましい。Dη1の値は小さいほど好ましいが、その下限値は0.5程度である。
【0026】更に、前記ドウ状洗剤組成物は、前記式(1)におけるDη2の値が0.95以下、特に0.9以下、とりわけ0.88以下である状態下に、薄層に形成されることが、塗布後の前記ドウ状洗剤組成物のレベリング性が向上することで、薄層上面の平滑性が向上する点から好ましい。Dη2の値は小さいほど好ましいが、その下限値は0.5程度である。
【0027】前記塑性流動指数BFの値は、以下のように測定される。例えばHaake社製の回転型粘度計ロトビスコRV20に、内径19.3mm、外径23.1mm、全長32.0mmの二重円筒型テストフィクスチュアを装着し、これににドウ状洗剤組成物を装填し、ドウ状洗剤組成物の温度を80℃に状態に保つ。シート状洗濯用品の製造においては、配管の場所によって剪断速度が1〜1s-1まで変化するので、その変化に注目し、前記状態に保ったドウ状洗剤組成物を、剪断速度γ100s-1まで上昇下降させて、γに対する粘度ηの関係を表すドウ状洗剤組成物の粘度曲線を得る。そして剪断速度γの上昇過程・下降過程において得られる剪断速度1s-1、10s-1、100s-1の条件下で、粘度η(1)、η(10)、η(100)を用いて、上昇過程・下降過程における塑性流動指数BFUP、BFDOWNの値をそれぞれ求める。そして、その平均値を算出して、塑性流動指数BFの値を得る。
【0028】粘度ηを測定する際に与える剪断速度γは、測定の再現性を確保する為に最低限必要な安定時間、測定時間、測定点数を考慮して、且つ実際の塗布装置において供給源から塗布されるまでにドウ状洗剤組成物に与える剪断履歴を代表するように与えるのが望ましく、例えばγを変化させるのに要する時間6s、γを維持する時間10sの条件下で、1s-1→3.2s-1→10s-1→32s-1→100s-1→32s-1→10s-1→3.2s-1→1s-1と順次変化させた。
【0029】前記塑性流動指数BFの値が前述の値以下である状態下に薄層を形成することに加えて、ドウ状洗剤組成物を、以下の式(2)で表されるそのチキソ流動指数TRの値が60以下、特に40以下、とりわけ30以下である状態下に該薄層を形成することが、高い比率で固体粒子成分を含有したドウ状洗剤組成物を一層安定的に薄層に形成でき、また薄層形成過程において品質のばらつきを一層最小限に抑えることができ、更に一層十分な洗浄性能が発揮される点から好ましい。前記チキソ流動指数TRの値は0であることが最も好ましい。
【0030】
【数4】


【0031】前記チキソ流動指数TRは、ドウ状洗剤組成物の粘度に関するチキソトロピーを表すものであり、剪断速度を上昇させたときに測定された粘度カーブと、剪断速度を降下させたときに測定された粘度カーブとが一致する程、前記チキソ流動指数TRの値は0に近づく。
【0032】前記チキソ流動指数TRの値は、以下のように測定される。例えばHaake社製の回転型粘度計ロトビスコRV20に、内径19.3mm、外径23.1mm、全長32.0mmの二重円筒型テストフィクスチュアを装着し、これにドウ状洗剤組成物を装填し、ドウ状洗剤組成物の温度を80℃の状態に保つ。シート状洗濯用品の製造においては、配管の場所によって剪断速度が1〜100s-1まで変化するので、その変化に対応した粘度差に注目し、前記状態に保ったドウ状洗剤組成物を、剪断速度γ100s-1まで上昇下降させる間に、上昇過程及び下降過程それぞれにおいて1s-1で得られる粘度η(1)UP、η(1)DOWN、及び10s-1で得られる粘度η(10)UP、η(10) DOWNを用い、前記式(2)を用いてチキソ流動指数TRの値を得る。
【0033】粘度ηを測定する際に与える剪断速度γは、前記塑性流動指数BFの測定と同様に変化させた。
【0034】前記ドウ状洗剤組成物としては、剪断速度10s-1における粘度が10,000mPa・s〜100,000mPa・s、特に15,000mPa・s〜80,000mPa・sとなるように調製されたものを用いることが、薄層17の幅方向両側縁部の保形性が良好となり、また気泡等の欠陥を生じることなく連続的な安定した薄層17を形成でき、更にポンプ等の輸送手段を用いた送液が容易となる点から好ましい。
【0035】前記ドウ状洗剤組成物を薄層に形成するには、その剪断速度が10s-1〜1000s-1となる条件を用いることが、該薄層を安定的に形成し得る点から好ましい。例えば、本実施形態において、前記ドウ状洗剤組成物をダイコータ13によって可撓性支持体14上に塗工するときには、その塗工条件として、前記ドウ状洗剤組成物の剪断速度が10s-1〜1000s-1となるように前記ドウ状洗剤組成物の供給速度を調整して塗工を行うことが好ましい。前記ドウ状洗剤組成物をダイコータ13によって可撓性支持体14上に塗工する場合の剪断速度は以下の式(3)で表される。
【0036】
【数5】


【0037】前記ドウ状洗剤組成物をダイコータ13によって可撓性支持体14上に塗工する場合、剪断速度を10s-1以上とすることで、バックエッジ面でビード形状が安定的に保持され、ビード形状の壊れによる塗布スジなどの塗膜欠陥が防止される。また、剪断速度を1000s-1以下とすることで、バックエッジ面でのビード形成時におけるエアの巻き込みと、塗膜ヌケなどの塗膜欠陥が防止される。前記剪断速度が20s-1〜900s-1、特に50s-1〜700s-1の条件で塗工を行うことが、塗布スジと塗膜ヌケを防止する点から好ましい。
【0038】前述の通り、前記ドウ状洗剤組成物をダイコータ13によって可撓性支持体14上に塗工する場合の剪断速度は、可撓性支持体14の走行速度及び薄層17の厚みから決定される。この場合、可撓性支持体14の走行速度Uは、5m/min〜100m/min、特に10m/min〜80m/minであることが、塗工スジ、塗膜ヌケ等の抑制による塗工の安定性及び使用時の可撓性支持体14の溶解性と生産性との双方の点から好ましい。一方、薄層17の厚みは、0.5mm〜10mm、特に1.0mm〜5.0mm、更に1.5mm〜3.5mmであることが、シート状洗濯用品の性能として必須である使用時の可撓性支持体14の溶解性、洗浄性及び大きさ・形状に由来するシート状洗濯用品の使いやすさと経済性との双方の点から好ましい。
【0039】また、薄層17を可撓性支持体17の長手方向に亘り不連続に形成する場合、前記実施形態においては、ダイコータ13を可撓性支持体14に対して接離動作させたが、これに代えて、ダイコータ13は可撓性支持体14に近接する位置に固定しておき、且つダイコータ13にシャッタを配して、該シャッタの開閉によりドウ状洗剤組成物を間欠的に塗工してもよい。
【0040】前記ドウ状洗剤組成物を塗工するときの塗工手段としては、エアドクタコータ、ブレードコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、カーテンコータ、ファウンテンコータなどを用いることもできる。このとき、塗工する場合の剪断速度γは、可撓性支持体の走行速度V(m/min) 及び薄層厚みd(mm)から以下の式(4)に従って決定される。
【0041】
【数6】


【0042】前記ドウ状洗剤組成物は、100℃以下、特に60〜100℃で薄層に形成されることが、経時的に洗剤成分の蒸発による組成の変化や、高温に起因する化学的な変質の発生を防止し得る点から好ましい。例えば、本実施形態においては、前記ドウ状洗剤組成物をダイコータ13によって可撓性支持体14上に塗工するときに、その塗工条件として、前記ドウ状洗剤組成物の温度が100℃以下となるように前記ドウ状洗剤組成物を調温することが好ましい。
【0043】可撓性支持体14上に薄層17が形成されて、目的物たるシート状洗濯用品が得られる。この後、必要に応じて薄層17の上面に可撓性支持体14と同一又は異なる材質の第2の可撓性支持体を重ね合わせて、二枚の可撓性支持体によって薄層17の両面が被覆されたシート状洗濯用品となしてもよい。
【0044】可撓性支持体14上に薄層17が形成されてなる長尺状のシート状洗濯用品、又は薄層17の両面に可撓性支持体が配されてなる長尺状のシート状洗濯用品を、幅方向に亘って裁断して毎葉のシート状洗濯用品となしてもよい。薄層17が可撓性支持体14の長手方向に亘って不連続に形成されている場合には、不連続部において裁断することが好ましい。
【0045】更に、シート状洗濯用品が薄層17と、これを挟持する二枚の可撓性支持体から構成されており、且つ可撓性支持体の両側に非塗工部分が存在している場合には、シート状洗濯用品が裁断前の長尺状又は裁断後の毎葉の状態のときに、可撓性支持体を所定の接合手段によって接合して、薄層17の脱落を防止してもよい。
【0046】前記ドウ状洗剤組成物が塗工される長尺帯状の可撓性支持体14としては、可撓性を有するシートやウエブ、例えば合成樹脂製のフィルム並びに織布及び不織布等の繊維シート等が用いられる。可撓性支持体14は水溶性または水分散性であることが好ましい。可撓性支持体14が水溶性である場合、可撓性支持体14を構成する材料としては、例えば特開平10−204499号公報の第12欄16〜33行に記載の■水溶性フィルム、■水溶性高分子繊維からなる不織布もしくは織布、又は、■水溶性フィルムと水溶性高分子繊維からなる不織布もしくは織布の積層シートが好ましい。これらの可撓性支持体は、水溶性高分子により構成される。具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、プルラン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリビニルメチレンエーテル、キサンタンガム、ガーガム、コラーゲン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース等や、ポリアクリル酸またはその塩、ポリメタクリル酸またはその塩、ポリイタコン酸またはその塩等のカルボキシル基及び/又はスルホン酸基を有する有機ポリマー及び/又はその塩が例示され、特にポリビニルアルコール或いはマレイン酸やイタコン酸で変性されたポリビニルアルコールが好ましい。
【0047】前記ドウ状洗剤組成物のレオロジー特性は前述の通りであり、また、その配合組成は以下の通りである。該ドウ状洗剤組成物は、界面活性剤、アルカリ剤及び金属イオン捕捉剤をそれぞれ少なくとも一種含んでいる。
【0048】前記界面活性剤としては非イオン界面活性剤及び陰イオン界面活性剤が好ましい。非イオン界面活性剤の例としては、特開平10−204499号公報の第5欄6〜31行に記載のもの等が挙げられ、特に炭素数10〜18の直鎖又は分岐鎖の1級又は2級のアルコールにエチレンオキシドやプロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドを付加し、HLB値(グリフィン法で算出)が10.5〜15.0、特に11.0〜14.5になるようにしたポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。また、陰イオン界面活性剤の例としては、特開平10−204499号公報の第5欄39〜49行に記載のもの等が挙げられ、特に炭素数12〜18のアルキル硫酸塩、アルキル鎖の炭素数が10〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく、対イオンとしてはアルカリ金属類、特にナトリウムやカリウムが好ましい。界面活性剤の含有量は、洗浄力の点でドウ状洗浄剤組成物中に好ましくは5〜80重量%、より好ましくは20〜60重量%である。また、非イオン界面活性剤と陰イオン界面活性剤の併用も好ましく、その場合、両者の合計が界面活性剤中に50〜100重量%、特に70〜100重量%であるのが洗浄性の点で好ましい。また、非イオン界面活性剤と陰イオン界面活性剤の重量比は、溶解性の点で、非イオン界面活性剤/陰イオン界面活性剤=100/0〜10/90、特に90/10〜50/50が好ましい。
【0049】前記アルカリ剤としては、特開平10−204499号公報の第5欄末行〜第6欄9行に記載のもの等が挙げられ、特に炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、非晶質珪酸塩及び結晶性珪酸塩が好ましい。
【0050】前記金属イオン捕捉剤としては、特開平10−204499号公報の第8欄41〜47行に記載のもの等が挙げられ、特に結晶性アルミノ珪酸塩(ゼオライト)、非晶質アルミノ珪酸塩、有機キレート剤及びポリカルボン酸ポリマー、特にポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸マレイン酸コポリマーが好ましい。
【0051】前記ドウ状洗剤組成物は、前記界面活性剤を5〜50重量%、特に10〜30重量%含有し、前記アルカリ剤を5〜60重量%、特に10〜50重量%含有し、前記金属イオン捕捉剤を5〜60重量%、特に10〜50重量%含有することが好ましい。
【0052】前記ドウ状洗剤組成物の流動性を維持する点、及び可撓性支持体14を通じて前記ドウ状洗剤組成物中の洗浄活性物質が遺漏することを防止する点から、前記ドウ状洗剤組成物に含まれる有機化合物と無機化合物との混合比率を調整することが好ましい。有機化合物と無機化合物との好ましい混合比率は、有機化合物/無機化合物=80/20〜10/90、特に70/30〜15/85(重量比)である。
【0053】本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、前記実施形態においては、ドウ状洗剤組成物を薄層に形成する手段として塗工手段を用いたが、これに代えて摺り切り手段、ロール等を用いた一段又は多段の圧延手段を用いてもよい。
【0054】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。尚、特に断らない限り、「%」及び「部」はそれぞれ「重量%」及び「重量部」を意味する。実施例に先立ち、ドウ状洗剤組成物の調製方法(調製例1〜調製例3)を説明する。
【0055】〔ドウ状洗剤組成物の調製方法〕
調製例1(実施例1及び比較例6の組成のもの)
ゼオライト、炭酸ソーダ、芒硝、亜硫酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ及び蛍光染料を表1中の比率で含有する水分50%のスラリーを、噴霧乾燥法により乾燥させ、下記の乾燥粒子1(平均粒径約250μm)を得た。尚、表1における各成分の詳細は表2に示す通りである。
【0056】〔乾燥粒子1組成〕
・ゼオライト 33.7部・炭酸ソーダ 9.1部・芒硝 4.6部・亜硫酸ソーダ 0.5部・ポリアクリル酸ソーダ 4.6部・蛍光染料 0.4部・残留水分 1.3部
【0057】非イオン界面活性剤11.44kg、ラウリン酸ナトリウム0.82kgを50リットル容バッチニーダ(佐竹化学機械工業(株)製、1600−65CVJA−3.7型)に入れ、65℃加温下、ラウリン酸ナトリウムが溶融し均一になるまで混合した。次いで48%NaOHaq0.34kgを撹拌を続けながら、同時に徐々に加え、更に10分間撹拌を続けることで、中和反応を充分行った。反応終了後、乾燥粒子17.12kgを加え、均質になるまで約5分間混合し、酵素0.27kgおよび香料0.15kgを添加して更に2分間混合することにより、実施例1に示すドウ状洗剤混合物1を得た。
【0058】調製例2(実施例2及び比較例1〜3、5の組成のもの)
非イオン界面活性剤9.02kg、PEG0.27kgを50リットル容バッチニーダ(佐竹化学機械工業(株)製、1600−65CVJA−3.7型)に入れ、65℃加温下、混合した。次いでAS−Na粉末を1.80kg、乾燥粒子を18.61kgを加え、均質になるまで約5分間混合し、酵素0.29kgおよび香料0.15kgを添加して更に2分間混合することにより、実施例2および比較例1、比較例2に示すドウ状洗剤混合物2を得た。
【0059】調製例3(実施例3及び比較例4の組成のもの)
非イオン界面活性剤7.45kg、ラウリン酸ナトリウム0.34kgを50L容バッチニーダ〔佐竹化学機械工業(株)製、1600−65CVJA−3.7型〕に入れ、65℃加温下、ラウリン酸ナトリウムが溶融し均一になるまで混合した。次いでアルキルベンゼンスルホン酸2.79kg及び48%NaOHaq0.86kgを撹拌を続けながら、同時に徐々に加え、更に10分間撹拌を続けることで、中和反応を充分行った。反応終了後、乾燥粒子18.26kgを加え、均質になるまで約5分間混合し、酵素0.30kgおよび香料0.15kgを添加して更に2分間混合することにより、実施例1に示すドウ状洗剤混合物3を得た。
【0060】〔粘度の測定方法〕各調製例で得られた各ドウ状洗剤組成物について、以下の方法で粘度を測定した。その結果を表1に示す。Haake社製の回転型粘度計ロトビスコRV20に、内径19.3mm、外径23.1mm、全長32.0mmの二重円筒型テストフィクスチュアを装着し、これにドウ状洗剤組成物を装填し、ドウ状洗剤組成物の温度を80℃に保った状態で、剪断速度γを変化させるのに要する時間6s、γを維持する時間5s、γを維持したまま粘度ηを測定する時間5sの条件下で、γを1s-1→3.2s-1→10s-1とステップ的に上昇させ、ηを測定する時間中に0.5s間隔で得られるηの10回の測定値の平均値を算出して粘度を測定した。
【0061】〔実施例1〜3及び比較例1〜6〕特開平8−3848号公報の実施例2に準じて調製された目付(坪量)20g/m2 の水溶性不織布と日本合成化学工業(株)製「ハイセロン」(水溶性フィルム)とを積層した積層シートにおける水溶性フィルム上に、各調製例で得られた各ドウ状洗剤組成物を、表1に示す時間の経過後に、同表に示す剪断速度及び温度の条件下で図1に示す製造装置を用いて塗工した。塗工時のドウ状洗剤組成物の塑性流動指数BF及びチキソ流動指数TRは表1に示す通りであった。塗工されたドウ状洗剤組成物の上に水溶性不織布が最外層になるように積層シートを重ね合わせた。次いで、積層シートの周囲をFUJI IMPULSE AUTO SEALER(FA-600-5)でヒートシールしてシート状洗濯用品を得た。塗工されたドウ状洗剤組成物は、厚さ2mmで、7cm×6.5cmの矩形状であった。
【0062】〔性能評価〕各実施例及び比較例で得られたシート状洗濯用品について、以下の方法で塗工性、保形性、溶解性及び洗浄性を評価した。その結果を表1に示す。
【0063】〔塗工性の評価方法〕前記ダイコータを用いて、剪断速度10〜1000s-1となる種々の塗布条件で可撓性支持体上にそれぞれドウ状洗剤組成物を塗布し、得られた薄層の状態を下記基準で観察した。
○;長手方向及び幅方向何れも均一な厚みとなる。気泡等の欠陥が殆ど認められない。
△;長手方向及び幅方向の厚みが変動する。小さな気泡等の欠陥が常に認められ、大きな気泡等の欠陥が認められる場合がある。
×;長手方向及び幅方向で膜切れが生じる。大きな気泡等の欠陥が常に認められる。
【0064】〔溶解性の評価方法〕得られたシート状洗濯用品を1辺10cmの正方形に切り取り、5℃、30リットルの水道水を入れた洗濯機〔東芝(株)製、銀河3.6(VH360S1型)〕に投入した。直ちに「強回転」で撹拌をはじめ、撹拌開始3分後及び15分後に、先端に東洋濾紙(株)製ディスポーザブルメンブランフィルターユニット25AS020AN(孔径0.20ミクロン)を装着した10ミリリットル容シリンジを用いて、洗濯水を速やかに濾別し濾液のサンプリングを行った。評価に使用した水道水、3分後および15分後の濾液それぞれを、よく室温に戻した後、東亜電波工業(株)製電気伝導度計(CM−60V型)を用いて各液の電気伝導度を測定した。以下の式(5)から溶解率を算出し、下記基準に従って溶解性を評価した。
【0065】
【数7】


【0066】
◎:溶解率80%以上○:溶解率75%以上80%未満△:溶解率70%以上75%未満×:溶解率70%未満
【0067】〔洗浄性の評価方法〕
(1)人工汚染布の調整下記組成の人工汚染液を、グラビアロールコーターを用いて布に印刷することで人工汚染布を調製した。グラビア印刷の条件は、グラビアロールのセル容量58cm3/cm2、塗布速度1.0m/min、乾燥温度100℃、乾燥時間1時間とした。布は木綿金巾2003布(谷頭商店製)を使用した。
【0068】人工汚染液の組成ラウリン酸 0.44%ミリスチン酸 3.09%ペンタデカン酸 2.31%パルミチン酸 6.18%ヘプタデカン酸 0.44%ステアリン酸 1.57%オレイン酸 7.75%トリオレイン酸 13.06%パルミチン酸n−ヘキサデシル 2.18%スクアレン 6.53%卵白レシチン液晶物 1.94%鹿沼赤土 8.11%カーボンブラック 0.01%水道水 バランス
【0069】(2)洗浄条件及び評価方法評価用洗剤水溶液1リットルに、上記で作製した10cm×10cmの人工汚染布を5枚入れ、ターゴトメーターにて100rpmで洗浄した。洗浄条件は次の通りである。
洗浄時間 10分洗浄剤濃度 0.0005水の硬度 4゜DH水温 20℃すすぎ 水道水にて5分間
【0070】洗浄力は汚染前の原布及び洗浄前後の汚染布の550nmにおける反射率を自記色彩計(島津製作所製)にて測定し、次式(6)によって洗浄率(%)を求め、5枚の測定平均値を用いて下記基準に従って判定した。
【0071】
【数8】


【0072】
◎:60%以上○:55%以上60%未満△:50%以上55%未満×:50%未満
【0073】
【表1】


【0074】
【表2】


【0075】表1に示す結果から明らかなように、各実施例の条件でドウ状洗剤組成物を塗工すると、長手方向及び幅方向何れも均一な厚みとなり、また気泡などの欠陥が殆ど認められない良好な薄層が得られることが判る。また溶解性の評価においても、洗剤組成物の残留物が殆ど認められず、良好な溶解性を示すことが判る。更に、十分に高い洗浄性も発揮されることが判る。
【0076】
【発明の効果】本発明のシート状洗濯用品の製造方法によれば、高い洗浄性や溶解性を保持しつつ、気泡等の欠陥を発生させること無く、ドウ状洗剤組成物からなる薄層を、均一な厚さ及び幅で形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート状洗濯用品の製造方法に好ましく用いられる製造装置の要部を示す模式図である。
【符号の説明】
10 製造装置
11,11’ ロール
12 無端縁ベルト
13 ダイコータ
14 可撓性支持体
15 ガイドロール
16 ニップロール
17 薄層

【特許請求の範囲】
【請求項1】 界面活性剤、アルカリ剤及び金属イオン捕捉剤をそれぞれ一種以上含有するドウ状洗剤組成物を、以下の式(1)で表されるその塑性流動指数BFの値が6以下である状態下に、薄層に形成するシート状洗濯用品の製造方法。
【数1】


【請求項2】 前記ドウ状洗剤組成物を、前記Dη1の値が0.95以下である状態下に、前記薄層に形成する請求項1記載のシート状洗濯用品の製造方法。
【請求項3】 前記ドウ状洗剤組成物を、前記Dη2の値が0.95以下である状態下に、前記薄層に形成する請求項1又は2記載のシート状洗濯用品の製造方法。
【請求項4】 前記ドウ状洗剤組成物を、以下の式(2)で表されるそのチキソ流動指数TRの値が60以下である状態下に、前記薄層に形成する請求項1〜3の何れかに記載のシート状洗濯用品の製造方法。
【数2】


【請求項5】 剪断速度10s-1における粘度が10,000mPa・s〜100,000mPa・sとなるように調製された前記ドウ状洗剤組成物を用いる請求項1〜4の何れかに記載のシート状洗濯用品の製造方法。
【請求項6】 前記ドウ状洗剤組成物を、剪断速度10s-1〜1000s-1の条件下に、前記薄層に形成する請求項1〜5の何れかに記載のシート状洗濯用品の製造方法。
【請求項7】 前記薄層の厚みが0.5mm〜10mmである請求項1〜6の何れかに記載のシート状洗濯用品の製造方法。
【請求項8】 前記ドウ状洗剤組成物を、100℃以下で前記薄層に形成する請求項1〜7の何れかに記載のシート状洗濯用品の製造方法。
【請求項9】 前記ドウ状洗剤組成物を、所定方向に連続走行する長尺帯状の水溶性または水分散性である可撓性支持体上に、所定の塗工手段によって連続または不連続に塗工して、前記薄層を形成する請求項1〜8の何れかに記載のシート状洗濯用品の製造方法。
【請求項10】 前記薄層の形成後に、該薄層の上面に更に可撓性支持体を重ね合わせることで該薄層の両面を被覆する請求項9記載のシート状洗濯用品の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2002−115000(P2002−115000A)
【公開日】平成14年4月16日(2002.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−306601(P2000−306601)
【出願日】平成12年10月5日(2000.10.5)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】