シーラガンにおける液だれ防止装置
【課題】塗布剤・充填剤の液材料を、先端のノズルから吐出させるシーラガンにおいて、液材料の吐出を停止したときに、ノズルの先端から液材料が垂れ下がって残るように生じてくる液だれを、確実に生ぜしめないようにする。
【解決手段】シーラガンの吐出筒に、シリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、組み付け、該ポンプのピストンに連繋する作動ロッドと握り部材とを、その握り部材の回動動作によりピストンが出入動作して吸引・吐出のポンプ作動を行うよう連繋機構を介し連繋せしめ、かつ、該ポンプの、吸引・吐出口をノズルの内腔に位置せしめ、握り部材を放して液材料の吐出を停止せしめたときに、握り部材の復元回動によるポンプ作動で、ノズルの内部に、負圧または正圧が導入されるようにする。
【解決手段】シーラガンの吐出筒に、シリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、組み付け、該ポンプのピストンに連繋する作動ロッドと握り部材とを、その握り部材の回動動作によりピストンが出入動作して吸引・吐出のポンプ作動を行うよう連繋機構を介し連繋せしめ、かつ、該ポンプの、吸引・吐出口をノズルの内腔に位置せしめ、握り部材を放して液材料の吐出を停止せしめたときに、握り部材の復元回動によるポンプ作動で、ノズルの内部に、負圧または正圧が導入されるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布剤または充填剤の液材料を、吐出筒の先端のノズルの吐出口から吐出させるシーラガンにおいて、液材料の吐出を停止させたときに、ノズルの先端部に生ずる液材料の液だれを防止する手段についての改良に関する。
【背景技術】
【0002】
塗布剤・充填剤などの液材料を、構造体の隙間・間隔に、塗着・充填する塗布・充填作業に用いられる、シーラガンと呼ばれる形態の液材料の吐出装置は、図1に示しているように、先端側に液材料を吐出するノズル10を装備せる銃身状に形成した吐出筒1の基端側を、中空の筒状に成形された本体ボディaに接続し、この本体ボディaの内部空間に接続してある導入管30に対し、吐出筒1を本体ボディaの内部空間を介し連通させ、そのボディaの内部に、前記導入管30と吐出筒1先端のノズル10との連通を断・接する弁機構2を収蔵せしめ、本体ボディaに接続する前記導入管30の外周側に、把持部3をボディaと一体に連続させて成形して形設し、この把持部3の前面側に、把持部3と共に握り込める握り部材4を配して、この部材4の上端側を、ボディaの上面側に支軸40により軸支して、把持部3と共に握り込むことで把持部3に沿う位置に回動し、握り込みの解放で、復元バネ(図示省略)により把持部3から離れた位置に回動するようにしておき、かつ、その握り部材4の握り込みによる回動と復元回動の回動作動で、前述のボディaの内部に収蔵せしめた弁機構2が、ボディaの内部空間と吐出筒1との間に設けた連通口を開閉するように、握り部材4を弁機構2に連繋しておいて、握り部材4を握り込む作動により、弁機構2を開いてノズル10の先端開口10aから液材料を吐出させ、握り部材4の握り込みの解放で、液材料の吐出が停止するように構成してあるものである。
【0003】
このシーラガンAは、握り部材4を放して、液材料の吐出を停止させたときに、ノズル10の先端部位に、液材料がつららのように垂れ下がった状態に付着して残る液だれの現象が生じてくる。
【0004】
この、液材料の吐出を停止したときに、ノズル10の先端に液だれとして付着して残る液材料は、放置しておくと、外気に曝されることで、次に塗布作業・充填作業を行うときには正常に使用できない性状の液材料に変性することから、吐出を停止したときに、その直後に、ノズル10の先端から拭き取って廃棄するように処理している。
【0005】
シーラガンには、この、液材料の吐出を停止するたびごとに行う液だれを拭き取る作業のため塗布・充填作業の作業性を悪くしている問題があり、また、液だれの廃棄により液材料の損失を招いている問題がある。
【0006】
この液材料の吐出を停止したときに、ノズルの先端部から垂れ下がるように液材料が付着して残る液だれは、塗布剤・充填剤の液材料が、粘性のある特性のもので、付着性と凝集性が大きいことから、“切れ”が悪いことと、液材料が加圧されて吐出筒1内に送給されてくることで、弁機構2を閉じて吐出を停止させたときに、吐出筒1の液材料に残る圧力により、吐出筒1内の液材料が押し出されるようになることによるものと考えられている。
【0007】
この対策として、図2及び図3に示しているように、吐出筒1の先端のノズル10の先端開口10aに極く近い部位に、握り部材4の操作により、ボディa内に収蔵せる弁機構2と共に開閉作動するストップ弁svを組み込み、握り部材4を放して弁機構2を閉じ液材料の吐出を停止させたときに、吐出筒1内に加圧を受けた状態で残る液材料の量を、ノズル10の先端開口10aからストップ弁svまでの間の極く短い距離の間に存在するだけの小量のものとする手段、及び、図4、図5に示しているように、吐出筒1のノズル10の筒先の先端開口10aに極く近い部位に、バネにより弁体をシート面に向け押し付けることで閉弁し、握り部材4の握り込みにより吐出筒1に送り込まれてくる液材料の圧力で開弁するチェッキ弁cvを設け、かつ、ノズル10の筒先の外側部位に、一対に対向して閉じ合わされる挟み板11を、弾性材12を介して装設しておいて、液材料がノズル10の先端開口10aから吐出されているときは、その液材料の吐出圧力で、閉じ合わされた挟み板11の対向部位が開き、液材料の吐出を停止したときに、挟み板11が閉じ合わされて、ノズル10の先端開口10aの前面において液材料を挟み切るようにしておく手段が考えられる。
【0008】
しかし、これらの手段は、前者にあっては、液材料の吐出を停止したときに、図3において、鎖線で示しているようにノズル10の先端部から液材料がつららのように垂れ下がった液だれの状態に付着して残る現象が依然として生じてくる。
【0009】
これは、液材料の粘性のある特性による付着性と凝集性により、ノズル10の先端開口10aからすでに吐出される液材料を吊り上げるように引き戻していることによるものと考えられる。
【0010】
また、後者にあっても、液材料の吐出を停止したときに、ノズル10の先端部から、液材料がつららのように垂れ下がった液だれ状態に付着してくる現象が生じてくる。後者にあっては、吐出する液材料がノズル10の筒先の外側位置で、挟み板11により挟み切られているが、挟み板11の対向間隔を経てすでに吐出された液材料が図4において鎖線に示しているように、挟み板11の外面に付着して垂れ下がるようになり、結果として液だれの現象が生じてくる。しかも、付着面となる挟み板11の外面の面積がノズル10の筒先の周面より広いことで、前者より量の多い液だれを生ぜしめるようになる。これらの手段は、液だれの防止をなし得ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
塗布剤・充填剤の液材料を、先端のノズルから吐出させるシーラガンにおいて、液材料の吐出を停止したときに、ノズルの先端から液材料が垂れ下がって残るように生じてくる液だれを、確実に生ぜしめないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するための手段として、先端側に液材料を吐出するノズルを装備し、基端側に液材料を導入する導入管が接続する吐出筒をボディに支持せしめ、そのボディに、把持部を設けるとともに、その把持部と共に握り込める握り部材を、握り込みで把持部に沿う位置に回動し、握り込みの解放で、復元バネにより把持部から離れた位置に回動するよう軸支し、吐出筒の内部には、導入管側と吐出筒の先端側との連通を断・接制御する弁機構を、収蔵せしめ、かつ、その弁機構の開弁・閉弁の作動を、握り込みによる握り部材の回動または移動で開弁し、握り込みの解放による握り部材の復元作動により閉弁して吐出筒先端のノズルの先端開口からの液材料の吐出を停止させるよう、握り部材の回動または移動動作に連動せしめてなるシーラガンにおいて、吐出筒に、シリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、組み付け、該ポンプのピストンに連繋する作動ロッドと握り部材とを、その握り部材の回動または移動動作によりピストンが出入動作して吸引・吐出のポンプ作動を行うよう連繋機構を介し連繋せしめ、かつ、該ポンプの、吸引・吐出口をノズルの内腔に位置せしめ、握り部材を放して液材料の吐出を停止せしめたときに、握り部材の復元作動によるポンプ作動で、ノズルの内部に、負圧または正圧が導入されるようにしたことを特徴とするシーラガンにおける液だれ防止装置を提起するものである。
また、これに併せて、先端側に液材料を吐出するノズルを装備し、基端側に液材料を導入する導入管が接続する吐出筒をボディに支持せしめ、そのボディに、把持部を設けるとともに、その把持部と共に握り込める握り部材を、握り込みで把持部に沿う位置に回動または移動し、握り込みの解放で、復元バネにより把持部から離れた位置に回動または移動するよう軸支し、吐出筒の内部には、導入管側と吐出筒の先端側との連通を断・接制御する弁機構を、収蔵せしめ、かつ、その弁機構の開弁・閉弁の作動を、握り込みによる握り部材の回動で開弁し、握り込みの解放による握り部材の復元作動により閉弁するよう、握り部材の回動または移動動作に連動せしめてなるシーラガンにおいて、吐出筒に、シリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、組み付け、該ポンプを、前記握り部材に対し、その握り部材が握り込まれたときの作動でピストンが押し込まれて吐出作動を行い、握り部材の握り込みが解放されたときの握り部材の復元作動で、ピストンが引き込まれて吸引作動を行うよう連繋機構を介し連繋せしめ、かつ、該ポンプの吸引・吐出口を、吐出筒の先端側のノズルの内腔に位置せしめ、握り部材の握り込みを放してノズルの先端開口からの液材料の吐出を停止せしめたときに、握り部材の復元作動によるポンプの吸引作動で、ノズル内に負圧が導入されるようにしたことを特徴とするシーラガンにおける液だれ防止装置を提起し、
また、これに併せて、先端側に液材料を吐出するノズルを装備し、基端側に液材料を導入する導入管が接続する吐出筒をボディに支持せしめ、そのボディに、把持部を設けるとともに、その把持部と共に握り込める握り部材を、握り込みで把持部に沿う位置に動かし、握り込みの解放で、復元バネにより把持部から離れた位置に回動または移動するよう軸支し、吐出筒の内部には、導入管側と吐出筒の先端側との連通を断・接制御する弁機構を、収蔵せしめ、かつ、その弁機構の開弁・閉弁の作動を、握り込みによる握り部材の回動で開弁し、握り込みの解放による握り部材の復元作動により閉弁するよう、握り部材の回動または移動動作に連動せしめてなるシーラガンにおいて、吐出筒に、シリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、組み付け、該ポンプを、前記握り部材に対し、その握り部材が握り込まれたときの回動でポンプが引き込まれて吸引作動を行い、握り部材の握り込みが解放されたときの握り部材の復元作動でピストンが押し込まれて吐出作動を行うよう、連繋機構を介し連繋せしめ、かつ、該ポンプの吸引・吐出口を、吐出筒の先端側のノズルの内腔に位置せしめ、握り部材の握り込みを放して液材料の吐出を停止せしめたときに、握り部材の復元回動によるポンプの吐出作動で、ノズル内に正圧が導入されるようにしたことを特徴とするシーラガンにおける液だれ防止装置を提起し、
また、これに併せて、吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、吐出筒の外周の下面側に軸芯線が吐出筒と並列するよう配位して吐出筒に組み付け支架し、該ポンプのピストンを、吐出筒の下面側に配位した連繋機構を介して握り部材に連繋し、ポンプの吸引・吐出口を吐出筒の先端側のノズルの内腔に位置せしめることを特徴とする前記記載のシーラガンにおける液だれ防止装置を提起し、
また、これに併せて、吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、吐出筒の外周側で上面側に、軸芯線が吐出筒と並列するよう配位して吐出筒に組み付け支架し、該ポンプのピストンを吐出筒の上面側に配位した連繋機構を介し握り部材に連繋し、ポンプの吸引・吐出口を吐出筒の先端側のノズルの内腔に位置せしめることを特徴とする前記記載のシーラガンにおける液だれ防止装置を提起し、
また、これに併せて、ポンプの吸引・吐出口を吐出筒の先端側のノズルの内腔に対し接続せしめる接続管の先端側を、パイプ状に形成して、ノズル内に同軸に嵌挿し、先端開口をノズル内に連通させることを特徴とする前記記載のシーラガンにおける液だれ防止装置を提起し、
また、これに併せて、吐出筒の先端側に圧力調整器を組み付け、この圧力調整器を、ポンプの吸引・吐出口に接続する接続管の管路に接続して、その接続管を吐出筒先端のノズルの内腔に対し連通せしめることを特徴とする前記記載のシーラガンにおける液だれ防止装置を提起し、
また、これに併せて、吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、吐出筒内に同軸状に配位し、該ポンプのシリンダの外周側を吐出筒の内周側に固定して吐出筒内に組み付け、ポンプの吸引・吐出口をノズルの内腔に対し開口させることを特徴とする前記記載のシーラガンにおける液だれ防止装置を提起し、
また、これに併せて、吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプのピストンに連繋する作動ロッドに、ピストンを押し込む方向に作動さすよう付勢するバネを、握り部材の握り込みにより連繋機構を介し作動ロッドが引き抜き方向に動く作動で圧縮されるように組み付け、握り部材の握り込みの解放時に、このバネのバネ圧により握り部材が復元回動または復元移動するようにしたことを特徴とする前記記載のシーラガンにおける液だれ防止装置を提起し、
また、これに併せて、吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプのピストンに連繋する作動ロッドに、ピストンを引き出す方向に作動さすよう付勢するバネを、作動ロッドが、握り部材の握り込みにより連繋機構を介し押し込み方向に動く作動で圧縮されるように組み付け、握り部材の握り込みの解放時に該バネの圧縮されたバネ圧により握り部材が復元回動または復元移動するようにしたことを特徴とする前記記載のシーラガンにおける液だれ防止装置を提起し、
また、これに併せて、吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、吐出筒内に同軸状に配位し、そのポンプのシリンダと吐出筒の内周面との間に液材料の流路を形成して、シリンダを吐出筒内に組み付け、そのポンプの吸引・吐出口を、ノズルの内部の空間に対し開口し、ピストンに連繋する作動ロッドを、握り部材に対し、該握り部材の握り込みによる回動または移動と復元作動によりピストンに吸引及び吐出の作動を行わすよう、吐出筒の外周側に配設せる連繋機構を介し連繋し、ピストンには、シリンダに対する出入動作により前記液材料の流路と導入管との連通を断・接する弁機構を組み込み、該弁機構により導入管と吐出筒の先端側との連通を断・接制御せしめることを特徴とする前記記載のシーラガンにおける液だれ防止装置を提起し、
さらに、これに併せて、吐出筒の先端側のノズルの先端に形成する先端開口の口径d1を、ノズルの内径より小径となる口径に形設し、かつ、その先端開口の口径d1がノズル内腔に開口せしめるポンプの吸引・吐出口の口径d2に対し、d1≦d2の関係となるようノズルの先端開口の口径d1を形設することを特徴とする前記記載のシーラガンにおける液だれ防止装置を提起するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明手段によれば、シーラガンによる液材料の塗布作業・充填作業において、握り部材の握り込みを放して、握り部材を復元バネにより復元作動させて、その復元作動により弁機構を閉としてノズルと導入管との連通を遮断し、ノズルからの液材料の吐出を停止させたときに、吐出筒に付設したポンプが、握り部材の復元作動に連動して作動し、ポンプ作動を行い、それによる吸引圧または吐出圧が、吐出筒の先端側のノズル内に導かれ、作用するようになるので、握り部材の握り込みを放して液材料の吐出を停止させたときに、ノズルの先端部に付着して垂れ下がるように生じてくる液材料の液だれを、このノズル内に導かれる吸引圧・吐出圧によって、ポンプのシリンダ内に吸い込むか、ノズルの筒先から吹き飛ばすようになって、ノズルの先端部から消失させるので、液だれの現象を確実に防止し得るようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従前のシーラガンの縦断した側面図である。
【図2】改善策を施したシーラガンの縦断側面図である。
【図3】同上シーラガンの吐出筒の先端部分の拡大した縦断側面図である。
【図4】別の改善策を施したシーラガンの、吐出筒の部分の縦断した側面図である。
【図5】同上シーラガンの吐出筒の先端部の拡大した縦断側面図である。
【図6】本発明手段を実施せるシーラガンの、握り部材の握り込みを解放した状態時における縦断側面図である。
【図7】同上シーラガンの、握り部材の握り込みを行った状態時における縦断側面図である。
【図8】本発明手段の別の実施例の、握り部材を解放した状態時における縦断側面図である。
【図9】同上実施例の、握り部材を握り込んだ状態時における縦断側面図である。
【図10】本発明手段の、さらに別の実施例の、握り部材を握り込んだ状態時における縦断側面図である。
【図11】同上実施例の吐出筒の先端部分の拡大した横断した平面図である。
【図12】本発明手段の、さらに異なる実施例の側面図である。
【図13】同上実施例の、吐出筒の先端部分の拡大した縦断側面図である。
【図14】同上実施例の、吐出筒の先端部分の拡大した横断平面図である。
【図15】さらに別の実施例の、握り部材が握り込まれた位置に回動または移動して、弁機構を開弁させている状態時の縦断側面図である。
【図16】同上実施例の同上状態時の斜視図である。
【図17】同上実施例の同上状態時における要部の拡大縦断側面図である。
【図18】同上実施例の同上状態時における弁機構部分の拡大縦断側面図である。
【図19】同上実施例の同上弁機構部分に組み込まれる弁座部材の斜視図である。
【図20】同上実施例の、吐出筒内に組み込まれるポンプのピストンの斜視図である。
【図21】同上実施例の、握り部材の握り込みを放して、握り部材を復元バネにより復元回動させ、弁機構を閉弁させた状態時の縦断側面図である。
【図22】同上実施例の同上状態時の斜視図である。
【図23】同上実施例の同上状態時における要部の拡大縦断側面図である。
【図24】本発明手段のさらに異なる実施例の斜視図である。
【図25】同上実施例の縦断側面図である。
【図26】同上実施例の吐出筒の先端部分の縦断面図である。
【図27】同上実施例の作用の説明図である。
【図28】本発明手段のさらに異なる実施例のポンプのピストンが引き込まれた状態時の縦断側面図である。
【図29】同上実施例の要部の、ポンプのピストンが押し込まれた状態時の縦断側面図である。
【図30】同上実施例の、流路保持部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明の実施の態様を、実施例につき図面に従い詳述する。
【実施例1】
【0016】
図6は、本発明を実施せるシーラガンの、握り部材である握りレバーの握り込みを放した状態における縦断側面図、図7は、同上のシーラガンの、握り部材を握り込んだ状態時の縦断側面図を示している。
【0017】
図において、Aはシーラガンの全体、1は吐出筒、10は吐出筒1の先端側に設けたノズル、2は吐出筒1内に組み込んだ弁機構で、吐出筒1の基端側に接続する拡径した筒状に形成せる本体ボディa内に収蔵せしめてある。3はシーラガンAの吐出筒1の基端側に接続する本体ボディaに一体に連続させて設けた把持部、4はその把持部3に沿わせてシーラガンAの吐出筒1の基端部が接続する本体ボディaに軸支した握り部材、PはシーラガンAの吐出筒1に付設したシリンダ50とピストン51よりなるポンプ、6は前記ポンプPのピストン51と前述の握り部材4とを連繋する連繋機構を示す。
【0018】
シーラガンAは、先端側にノズル10を設けた吐出筒1の基端側を、その吐出筒1より大径の筒状に形成した本体ボディの内部空間に接続し、この本体ボディaの内部空間には、塗布剤・充填剤の液材料を導入する導入管30を接続し、かつ、本体ボディa内には、導入管30と吐出筒1の先端のノズル10との連通を、断・接する弁機構2を収蔵し、かつ、この本体ボディaに把持部3を一体に連続させて形設し、この把持部3に沿わせて握り部材4を本体ボディaに連結軸40により軸支し、この握り部材4を、前述の本体ボディa内に収蔵せしめた弁機構2に対し、該握り部材4を把持部3と一緒に握り込んで把持部3に沿う状態位置に回動または移動させると、弁機構2が開となり、握り部材4の握り込みを放して、握り部材4が復元バネ(図示省略)により、把持部3から離れた開いた位置に復元作動すると、弁機構2が閉となるように連繋手段(図示省略)を介し連繋させ、これにより、握り部材4を握り込むと、導入管30と吐出筒1先端のノズル10との連通が開となって、導入管30を介して吐出筒1内に加圧されて送給されてくる液材料が、吐出筒1の先端側のノズル10から吐出されるようになり、握り部材4を放すと、導入管30と吐出筒1先端のノズル10との連通が遮断されて、ノズル10からの液材料の吐出が停止するようにしている通常のシーラガンであって、図1に示している従前のシーラガンと変わりない構成のものであり、把持部3は、吐出筒1に対し接続する導入管30を包み込むように、かつ、本体ボディaと一体に連続するように成形してある。
【0019】
ポンプPは、シリンダ50とこれに摺動により出没自在に嵌合するピストン51とからなり、シリンダ50に対しピストン51が押し込まれることで、シリンダ50内のエアーを、該シリンダ50の先端側に筒状に形設した吸引・吐出管5aから吐出し、ピストン51が引き出されることで、吸引・吐出管5aからエアーをシリンダ50内に吸引する通常のシリンダ型のポンプであり、先端側の吸引・吐出管5aが前方に位置し、基端側のピストン51が後方に突出する姿勢として、シーラガンAの吐出筒1に並列させて配位し、シリンダ50を取付部材52により吐出筒1に組み付け支架せしめてある。そして、シリンダ50の先端側の吸引・吐出管5aには、接続管53を介して、シーラガンAの吐出筒1の先端に接続するノズル10の管壁に開設した連通口Oに接続し、ピストン51のシリンダ50に対する進退作動によるポンプ作動により、ノズル10内に対し負圧または正圧が作用するようにしてある。
【0020】
連繋機構6は、このポンプPの吸引・吐出のポンプ作動が、前述の握り部材4の回動作動に連動して行われるように、ポンプPのピストン51と握り部材4とを連繋する機構で、ピストン51の基端側に連結して、吐出筒1の基端側に取付部材52により組み付け支持されたガイド筒60にガイドされて吐出筒1に平行して前後に動くピストンの作動ロッド61と、この作動ロッド61に連結軸62を介し連結する連繋杆63と、この連繋杆63に先端側が長穴により傾斜回動が許容された状態で連繋する第1リンク杆64と、基端側が前記第1リンク杆64の基端側に設けた連繋軸65と長穴を介して連繋し、基端側が前述の握り部材4と一体的に連結する第2リンク杆66と、からなり、握り部材4が図7にあるように、把持部3に沿う位置に回動すると、この握り部材4と一緒に第2リンク杆66が後方に回動することで、第1リンク杆64が、後方に引き寄せられ、これにより作動軸61が後方にスライドしてピストン51を引き出す方向に動かし、シリンダ50に吸引作動を行わせ、握り部材4の握り込みを放して、該部材4が復元バネにより、拡径部1aの下面にストッパ41を衝合させて停止する図6の状態位置まで復元回動してくると、この回動により、第2リンク杆66が前方に回動して第1リンク杆64を前方に押し出し、作動ロッド61を前方に動かしてピストン51を押し込み、シリンダ50に吐出作動を行わせるようにしている。
【0021】
この実施例のポンプPは、上述の連繋機構6により握り部材4を握り込んでいる状態時に、ピストン51が引き出されている位置を占め、握り部材4の握り込みを開放したときに、握り部材4が復元回動していく作動でピストン51が押し込まれて、吐出作動を行うように設定されている。
【0022】
従って、握り部材4を放して、液材料の吐出を停止させると、ポンプPが、吐出筒1の先端のノズル10内に、エアーを吹き込んで、ノズル10に付着して垂れ下がる液材料を吹き出す圧風によりノズル10から吹き飛ばし、ノズル10の先端に付着して残る液材料の液だれを消失させるようになる。
【実施例2】
【0023】
図8及び図9は、第2の実施例を示している。この実施例は、前述の第1の実施例のものが、握り部材4の握り込みを放して液材料の吐出を停止させたときの、握り部材4の復元回動の作動で、ポンプPが、ノズル10の内部にエアーを吹き込むように、正圧が作用するようにしているのに対し、握り部材4の握り込みを放して液材料の吐出を停止させたときに、ポンプPがノズル10内腔に対し、吸引作動を行うよう負圧が作用するようにしている例である。
【0024】
図において、Aはシーラガンの全体を示し、1はそのシーラガンAの吐出筒、10は吐出筒1の先端側に設けたノズル、aは中空の筒状に形成して吐出筒1の基端側に接続する本体ボディ、2はその本体ボディa内に収蔵せる弁機構、3は本体ボディaに連続させて設けた把持部、30は吐出筒1内に液材料を導くよう設けた導入管、4は本体ボディaに、連結軸40を支点軸として前後に回動するよう把持部3に沿わせて軸支した握り部材、PはシーラガンAの吐出筒1の外周側に並列配位して取付部材52により吐出筒1の外周側に組み付けたポンプ、6はこのポンプPとシーラガンAの握り部材4とを連繋する連繋機構を示す。
【0025】
これらは、前述の実施例1のものと同様の構成内容のものであり、ポンプPは、シリンダ50とこれに出入自在に嵌合するピストン51とからなる通常のポンプであり、そのシリンダ50の先端側に形設した吸引・吐出管500の先端側は、接続管53を介して、吐出筒1先端のノズル10の管壁に開設した連通口Oに接続させてあり、また、連繋機構6は、前記ポンプPのピストン51の基端側に連結する作動ロッド61と、この作動ロッド61に連繋杆63を介して連繋する第1リンク杆64と、握り部材4に一体的に設けて、この第1リンク杆64に連繋軸65を介し連繋する第2リンク杆66とにより構成している。
【0026】
しかし、この例においては、握り部材4の握り込みを解放させたときの、握り部材4の復元回動によりポンプPにポンプ作動を行わせるに際し、前述の実施例1のものでは、吐出作動が行われるようにしているのに対し、逆に、吸引作動が行われるようにしていることから、連繋機構6の、握り部材4に一体的に連結させて装設する第2リンク杆66は、握り部材4の連結軸40を上方に越した部位を上方に延長するように、本体ボディaの上面側に突出させた態様として握り部材4に装設してある。
【0027】
そして、ポンプPと連繋機構6とも、吐出筒1の上面側に配位して、取付部材52により吐出筒1に対して取付支架してあって、これにより、握り部材4の握り込みを解放したときの、握り部材4に連結支持せしめた第2リンク杆66の動きが、後方に回動していく動きとなるようにして、連繋機構6を介しポンプPのピストン51を引き出す方向に動かし、ポンプPに吸引作動を与えるようにしている。
【0028】
従って、この実施例のシーラガンは、握り部材4を放して、液材料の吐出を停止させると、ポンプPが吸引作動を行って、吐出筒1のノズル10の先端側に生じてくる液だれの液材料を、シリンダ50内に引き込み、ノズル10先端に生ずる液だれを消失させるようになる。
【実施例3】
【0029】
図10・図11は、さらに別の実施例を示している。この例は、シーラガンAに、ポンプPを、握り部材4の握り込みを解放したときの復元回動の動作により、連動して作動するように組み付け付設しておいて、握り部材4の握り込みを解放して、シーラガンAによる液材料の吐出を停止させたとき、この組み付け付設したポンプPに、吸引または、吐出の作動を行わせ、それによる負圧または正圧を、シーラガンAの吐出筒1の先端のノズル10内に作用させて、ノズル10の先端側に付着して生成してくる液材料の液だれを、吸引または押し出して、消失させるようにするときの、ポンプPのシリンダ50の先端側に設けられる吸引・吐出管5aと、ノズル10の内腔との接続・連通手段について、変更を加えている例である。
【0030】
即ち、ポンプPは、吐出筒1の外周側に、取付部材52により組み付け、シリンダ50の先端側の吸引・吐出管5aに、接続管53を接続し、この接続管53をノズル10に接続することについては、前述の実施例1、2のものと同様であるが、接続管53はそれの先端側を、ノズル取付部100に対し、図11に示しているように、ノズル10の基端側を外周側から同軸状に包むように接続して、ノズル10に対する連通が、ノズル10の内周面と接続管53の外周面との間隙を介して行われるようにしている例である。
【0031】
この実施例で示す接続管53とノズル10との接続連通手段は、握り部材4の握り込みを放して、液材料の吐出を停止させたときの、握り部材4の復元回動によるポンプPのポンプ作動が、吸引作動となるように設定したシーラガンAに適用した例を示しているが、連繋機構6を実施例1のように、握り部材4が復元回動していく作動で、作動ロッド61を押し出し、吐出作動を行うように組み代えたシーラガンに適用した場合においても機能・作用に変わりはない。
【実施例4】
【0032】
次に、図12乃至図14は、さらに別の実施例を示している。この例は、シーラガンAに、握り部材4の復元作動の動作により吐出または吸引作動するポンプPを組み付け付設し、吐出筒1の先端のノズル10の内部に対しポンプPの作動による圧力を作用させる手段において、ポンプPのピストン51の作動で生成する流体の吐出圧、または吸引圧を、組み付け付設した圧力調整器7により所望に調整して設定し得るようにしている例である。
【0033】
図において、符号7により指示しているのが圧力調整器で、市販品のスピードコントローラを用いている。そして、この圧力調整器7を、吐出筒1を挟んでポンプPのシリンダ50と対向するように配位して吐出筒1のノズル取付部100に組み付け、シリンダ50の吸引・吐出管500に接続する接続管53を、ノズル取付部100の内腔を横切るように延長して、圧力調整器7に接続し、この接続管53の途中で、ノズル取付部100内に位置する部位に、開口kを開設し、その開口kに、ノズル10の内腔に同軸上に位置させて嵌挿した吐出管530の基端側を臨ませることで、圧力調整器7により調整されたポンプPの吐出圧力・吸引圧力が、ノズル取付部100の内腔と、吐出管530との両方に作用していくようにしている。
【0034】
この手段によれば、ポンプPの作動より、ノズル10の内部に対して作用するエアーの圧力が、圧力調整器7により所望の圧力に調整されるようになる。
【実施例5】
【0035】
図15乃至図23は、さらに別の実施例を示している。この実施例は、吐出筒1に付設するポンプPを、吐出筒1内に組み込むことで内蔵型として吐出筒1に付設している例である。
【0036】
図において、1は先端側にノズル10を装備せしめて銃身状に形成してある吐出筒である。該吐出筒1は、別体に成形してある本体ボディaの上端側に形設した軸筒部a’の内周側に該吐出筒1の筒壁の外周側を嵌装することで、この本体ボディaに一体的に組み付け支持せしめてある。そして、本体ボディaの内部に抱き込ませてある導入管30とは、該吐出筒1の筒壁の、前述の軸筒部a’の内周面に対向する部位に開設した連通口80を介して接続連通させてあり、導入管30からこの連通口80を経て導入される液材料が、先端側のノズル10から吐出されるようにしている。
【0037】
2は、導入管30の吐出筒1先端のノズル10に対する連通を開・閉制御する弁機構である。この弁機構2は、本体ボディaに、把持部3の前面側に配位して支軸40により軸支し、把持部3とともに握り込めるように設けた握り部材4を、握り込むことで、図17にあるように把持部3に沿う位置に回動させたときに、これに連動して開に作動して、液材料が導入管30から吐出筒1内に送り込まれて吐出筒1先端のノズル10から吐出していくようにし、握り部材4が、握り込みの解放により復元バネbの作動で、図23にあるよう把持部3から離れた位置に回動または移動したときに、その回動または移動動作に連動して、閉に作動し、液材料の吐出筒1内への流入を止め、吐出筒1先端のノズル10からの液材料の吐出を停止させるようにする弁機構である。
【0038】
この弁機構2は、吐出筒1内の、前述の筒壁に開設した連通口80の内側位置に、図19にあるように、内外に貫通する透孔81が周方向に多連に並列して設けられているリング状の弁座82を、固定して装設し、このリング状の弁座82の内周側に、内部に吐出筒1の内部空間に対し連通穴83を介し空室84が形成され周壁に前記空室84と連通する弁口85が開設してある弁軸8を、吐出筒1の軸方向に可動に配設し、この弁軸8の軸方向の動きで、弁口85が前記リングの弁座82と対向する位置を占めることで、導入管30と吐出筒1内との連通を開とし、弁口85が弁座82からずれた位置を占めることで、閉となるようにしている。
【0039】
そして、この弁軸8には、後端側に、吐出筒1の後方延長部内において吐出筒1の軸方向に可動に収蔵せしめた作動ロッド61を、一体に連続させて装設し、この作動ロッド61を握り部材4に対し、握り部材4の支軸40を上方に越した部位に、一体に連結させて設けたリンク杆67と、そのリンク杆67の突出端部と前記作動ロッド61とを連結する連結軸68とからなる連繋機構6を介して連繋し、かつ、作動ロッド61には後方に引き出す方向に付勢するバネbを、作動ロッド61の後端に設けたバネ受座69と吐出筒1の内面側に固定して設けたバネ受座70との間に設けて作用させ、握り部材4を握り込んだときには、リンク杆67が支軸40中心に前方に回動することで、弁軸8をバネbの付勢に抗して前方に押し込んで、弁口85が弁座82に対向する開の位置を占め、握り部材4の握り込みを解放したときは、押し縮めた前述のバネbの復元力により、作動ロッド61とこれに連結する弁軸8を後方に動かし、これにより弁軸8に設けた弁口85が弁座82からずれた位置を占める閉の状態とし、かつ、このとき、握り部材4を、前述のバネbを復元バネとして、そのバネbの復元力により、把持部3から離れて開いた位置に復元回動させるようにしてある。
【0040】
Pは、シーラガンAが、握り部材4の握り込みを解放して、握り部材4の復元回動の動作により弁機構2を閉に作動させて、吐出筒1の先端のノズル10からの液材料の吐出を停止させたときに、ノズル10内に正圧または負圧を作用させるために吐出筒1に付設せるポンプであり、シリンダ50とピストン51からなる通常のポンプであるが、この例においては、それのシリンダ50は、吐出筒1内の先端側の中心部位に、吐出筒1と同軸状に配位して、それの外周面に、図18・図20に示しているよう前後に透通する液材料の流路90を具備せしめた筒状の流路保持部材9を嵌装し、この流路保持部材9の筒壁の内周面側に、ピストン51を保持してピストンを構成している弁軸8の先端側を摺動自在に嵌装することで、この流路保持部材9の内周面をもってシリンダ50に構成している。
【0041】
そして、このシリンダ50を構成する筒状の流路保持部材9の内周面の前端側には、吸引・吐出管500の拡径した基端部を嵌着して、その吸引・吐出管500の先端側を、吐出筒1のノズル10内に突入させ、先端開口がノズル10の内腔で先端に寄る部位において開口するようにすることで、吐出筒1の内部にこのポンプPを組み込んでいる。
【0042】
この実施例のシーラガンAは、握り部材4を握り込んで図17の状態とすると、握り部材4の回動作動に連動して作動ロッド61が、バネbを圧縮しながら前方(図において左方)に押し込まれ、これと一体に弁軸8が押し込まれることで、弁機構2の弁口85が弁座82と対面する位置に動き、弁機構2を開とした状態となって、導入管30で導かれる液材料を、図18において太線の矢印に示しているように連通口80から弁座82→弁口85→空室84→連通穴83→流路90を経てノズル10に流し、ノズル10の先端開口から吐出するようになる。
【0043】
この状態から握り部材4の握り込みを解放すると、圧縮されていたバネbの復元力により作動ロッド61が後方に動き、これと一緒に弁軸8が動くことで、弁口85が弁座82と対面する位置からずれて閉ざされ、弁機構2を閉とし、液材料の吐出筒1内への流入を遮断し、吐出筒1先端のノズル10の先端開口10aからの液材料の吐出を停止させる。
【0044】
このとき、弁軸8の先端側に形成したピストン51が、バネbの復元力により後方に動く弁軸8とともに後方に動くことで、シリンダ50から引き出されるように作動して、ポンプPを吸引作動させ、それによる吸引圧を、吐出筒1の先端のノズル10内に作用させる。そして、この吸引圧により、液材料の吐出を停止させたときに、ノズル10の先端に付着して垂れ下がるように生じてくる液材料の液だれを、ノズル10内を経て、シリンダ50に引き込み、ノズル10の先端部周辺からこの液だれを消失させるようになる。
【0045】
この実施例のポンプ内装型のシーラガンは、握り部材4を放したときに、ポンプPが吸引作動を行うようにしているが、握り部材4を握り込み回動させたときの、作動ロッド61の作動方向をこの例とは逆にし、かつ、その作動ロッド61の作動の際に、バネbが引き伸ばされるようにしておいて、握り部材4を放したときに、それの復元回動でポンプPが吐出作動を行うようにしたときは、液材料の吐出を停止させたときに、ノズル10内に対しポンプPによる正圧が作用し、液だれをエアーにより吹き飛ばして消失させるようになる。
【実施例6】
【0046】
図24乃至図27は、さらに異なる実施例を示している。この例は、吐出筒1の先端部のノズル10の先端開口10aの口径d1を、ノズル10の内部空間に配置するポンプPの吸引・吐出管5aの先端の吸引・吐出口の口径d2に対し、d1≦d2となるよう同径乃至小径に形成して、吐出筒1に組み付けたポンプPが、握り部材4の握り込みの解放によりピストン51の後退で吸引作動を行ったときに、吐出筒1の先端のノズル10の内腔で、そのノズル10の先端開口10aに近接する部位に、負圧の内圧を発生せしめて、その内圧により、ノズル10の先端部に付着してつらら状に垂れ下がる液だれのシーラーSの、ノズル10の先端部に付着している基端部分を、ノズル10内に引き込んで、つらら状に垂れ下がるシーラーSを基端部において千切るように切り放して、つらら状のシーラーSをノズル10から分離させ、落下していくようにしている例である。
【0047】
この例は、吐出筒1の先端側のノズル10の先端開口10a部分とノズル10内腔に位置するポンプPの吸引・吐出口の部分との構成が、前述の実施例5のものと変化しているだけで、その余の構成は基本的には実施例5のものと変わりがないものである。
【0048】
図面に従い具体的に説明すれば、図24及び図25に示しているように、先端側にノズル10を装備せしめた銃身状の吐出筒1の基端側を、内部にシーラー(液材料)Sの導入管30が装備された把持部3の上端側に一体に連続させて成形した円筒状の軸筒部a’の内周側に嵌挿して把持部3に一体的に支持せしめ、その吐出筒1内には、弁機構2を組み込み、その弁機構2は、把持部3の前面側に軸支せる握り部材4を把持部3と共に握り込むことで、リンク杆67と連結軸68よりなる連繋機構6を介し、連繋する作動ロッド61とこれに一体的に連結する弁軸8とが、バネbを圧縮させながら前方に押し込まれることで、弁口85が開くよう開弁作動し、また、握り部材4の握り込みを解放することで、作動ロッド61と弁軸8とがバネbの復元力で後方に押し戻されることにより弁口85を閉じて閉弁作動するよう構成し、これにより、握り部材4を握り込むと弁機構2が開弁作動して、把持部3内の導入管30で導かれてくる液材料のシーラーSが、連通口80から開弁した弁口85→空室84→弁口85→流路90を経て吐出筒1の先端のノズル10内に流れて、先端開口の口径d1から吐出され、握り部材4の握り込みを解放すると、作動ロッド61と弁軸8とが、圧縮されていたバネbの復元力により後方に押し戻されることで弁口85が閉じるよう弁機構2が閉弁作動して、吐出筒1先端のノズル10の先端開口の口径d1からのシーラーの吐出を停止させるようにしている。
【0049】
そして、吐出筒1に組み込むピストン51とシリンダ50よりなるポンプPは、それのピストン51にあっては、前述の弁機構2の弁軸8の前端側に一体的に組み付けて装備せしめ、シリンダ50にあっては、吐出筒1の前端側に、流路90を筒壁の肉部内に形成して、内周面が弁軸8をガイドするスリーブとなるよう一体に成形してある流路保持部材9の内周面をもってシリンダに構成して装備せしめることで、握り部材4の握り込みとその解放により該握り部材4が回動または移動する作動に連動して、ピストン51が往動・復動してポンプ作動を行うこのポンプPを吐出筒1内に組み込ませてあり、また、先端開口でポンプPの吸引・吐出口の口径d2を形成する吸引・吐出管500は、ノズル10の内部に深く突入させて、それの先端の吸引・吐出口の口径d2が、ノズル10の先端開口の口径d1の直ぐ手前に位置するようにしている。
【0050】
しかして、吐出筒1先端のノズル10は、それの先端部に、先端の開放口を塞ぐ堰板状のヘッドを設けて、これに、ノズル10の内径より小径の口径d1とした先端開口10aを開設し、かつ、この開設した先端開口10aの口径d1が、ノズル10内に位置するポンプPの吸引・吐出管5aの先端開口の吸引・吐出口の口径d2に対し、d1≦d2の関係となるように開設している。
【0051】
そして、これにより、握り部材4の握り込みを解放して、バネbの復元力により弁機構2を閉に作動させ、シーラーSの吐出を停止させたとき、これに、連動してポンプPのピストン51がバネbの復元力により後退してポンプPに吸引作動を行うことで、ノズル10の内腔で、先端開口の口径d1に近い部位に、強い負圧の内圧が発生して、その内圧により、図26で鎖線に示しているように、シーラーSの吐出を停めたときにノズル10の先端部からつらら状に垂れ下がる液だれの基端部を、図27にあるように、ノズル10内に強く吸い込んで、液だれを基端部において切り離して、液だれがノズル10から分離して落下していくようにしている。
【実施例7】
【0052】
図28乃至図30は、さらに別の実施例を示している。この例は、上述の図15乃至図23に示す実施例5の変形例であり、その構成態様は、基本的には上述の実施例と変わりがないので、同じ構成部材について同じ符号を付して構成の詳細な説明は省略する。
【0053】
この例は、上述の実施例に対し、弁機構2の構成をシンプルにし、握り部材4の握り込みを解放して閉弁したときの、弁機構2を介してのシーラー(液材料の塗布剤)の漏れ出しを少なくし、またポンプPのピストン51が、シリンダ50に対し出入作動を行い、シリンダ50の内部空間の容積を拡縮させたときに、容積差を大きくして、閉弁時におけるシーラーの吸引量を多くしている例である。
【0054】
この例では、流路保持部材9の内壁面で形成したシリンダ50に嵌入する弁軸8前端に形設したピストン51の前端側の端面の中心部位に、軸状の突起tを設け、吸引・吐出管5aの基端側には、前記突起tが密に嵌入する軸穴状の空室uを形設して、ピストン51がシリンダ50内に押し込まれたときには、突起tにより吸引・吐出管5aの基端の空室uまで密に塞ぎ、閉弁時にピストン50が引き込まれたときには、シリンダ50の内容積を、軸穴状の空室uまで拡げ、これによりシーラーの吸引効果を向上させるようにしている。
【0055】
また、流路保持部材9内に形設する流路90は、図30に示しているように同上部材9の上周側にだけ設けて、これにより、吐出筒1の底面側に開設される連通口80と流路90との間の距離を大きくし、弁機構2の閉弁時に、弁軸8の外周面に密接して閉ざされている流路90からのシーラーの漏れ出しを確実に防止するようにしている。
【符号の説明】
【0056】
A シーラガン
O 連通口
P ポンプ
S シーラー
a 本体ボディ
a’ 軸筒部
b 復元バネ
d1 先端開口の口径
d2 吸引・吐出口の口径
k 開口
t 突起
u 空室
cv チェッキ弁
sv ストップ弁
1 吐出筒
10 ノズル
10a 先端開口
100 ノズル取付部
11 挟み板
12 弾性材
2 弁機構
3 把持部
30 導入管
4 握り部材
40 支軸
41 ストッパ
5a 吸引・吐出管
50 シリンダ
51 ピストン
52 取付部材
53 接続管
530 吐出管
6 連繋機構
60 ガイド筒
61 作動ロッド
62 連結軸
63 連繋杆
64 第1リンク杆
65 連繋軸
66 第2リンク杆
67 リンク杆
68 連結軸
69 バネ受座
7 圧力調整器
70 バネ受座
8 弁軸
80 連通口
81 透孔
82 弁座
83 連結穴
84 空室
85 弁口
9 流路保持部材
90 流路
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布剤または充填剤の液材料を、吐出筒の先端のノズルの吐出口から吐出させるシーラガンにおいて、液材料の吐出を停止させたときに、ノズルの先端部に生ずる液材料の液だれを防止する手段についての改良に関する。
【背景技術】
【0002】
塗布剤・充填剤などの液材料を、構造体の隙間・間隔に、塗着・充填する塗布・充填作業に用いられる、シーラガンと呼ばれる形態の液材料の吐出装置は、図1に示しているように、先端側に液材料を吐出するノズル10を装備せる銃身状に形成した吐出筒1の基端側を、中空の筒状に成形された本体ボディaに接続し、この本体ボディaの内部空間に接続してある導入管30に対し、吐出筒1を本体ボディaの内部空間を介し連通させ、そのボディaの内部に、前記導入管30と吐出筒1先端のノズル10との連通を断・接する弁機構2を収蔵せしめ、本体ボディaに接続する前記導入管30の外周側に、把持部3をボディaと一体に連続させて成形して形設し、この把持部3の前面側に、把持部3と共に握り込める握り部材4を配して、この部材4の上端側を、ボディaの上面側に支軸40により軸支して、把持部3と共に握り込むことで把持部3に沿う位置に回動し、握り込みの解放で、復元バネ(図示省略)により把持部3から離れた位置に回動するようにしておき、かつ、その握り部材4の握り込みによる回動と復元回動の回動作動で、前述のボディaの内部に収蔵せしめた弁機構2が、ボディaの内部空間と吐出筒1との間に設けた連通口を開閉するように、握り部材4を弁機構2に連繋しておいて、握り部材4を握り込む作動により、弁機構2を開いてノズル10の先端開口10aから液材料を吐出させ、握り部材4の握り込みの解放で、液材料の吐出が停止するように構成してあるものである。
【0003】
このシーラガンAは、握り部材4を放して、液材料の吐出を停止させたときに、ノズル10の先端部位に、液材料がつららのように垂れ下がった状態に付着して残る液だれの現象が生じてくる。
【0004】
この、液材料の吐出を停止したときに、ノズル10の先端に液だれとして付着して残る液材料は、放置しておくと、外気に曝されることで、次に塗布作業・充填作業を行うときには正常に使用できない性状の液材料に変性することから、吐出を停止したときに、その直後に、ノズル10の先端から拭き取って廃棄するように処理している。
【0005】
シーラガンには、この、液材料の吐出を停止するたびごとに行う液だれを拭き取る作業のため塗布・充填作業の作業性を悪くしている問題があり、また、液だれの廃棄により液材料の損失を招いている問題がある。
【0006】
この液材料の吐出を停止したときに、ノズルの先端部から垂れ下がるように液材料が付着して残る液だれは、塗布剤・充填剤の液材料が、粘性のある特性のもので、付着性と凝集性が大きいことから、“切れ”が悪いことと、液材料が加圧されて吐出筒1内に送給されてくることで、弁機構2を閉じて吐出を停止させたときに、吐出筒1の液材料に残る圧力により、吐出筒1内の液材料が押し出されるようになることによるものと考えられている。
【0007】
この対策として、図2及び図3に示しているように、吐出筒1の先端のノズル10の先端開口10aに極く近い部位に、握り部材4の操作により、ボディa内に収蔵せる弁機構2と共に開閉作動するストップ弁svを組み込み、握り部材4を放して弁機構2を閉じ液材料の吐出を停止させたときに、吐出筒1内に加圧を受けた状態で残る液材料の量を、ノズル10の先端開口10aからストップ弁svまでの間の極く短い距離の間に存在するだけの小量のものとする手段、及び、図4、図5に示しているように、吐出筒1のノズル10の筒先の先端開口10aに極く近い部位に、バネにより弁体をシート面に向け押し付けることで閉弁し、握り部材4の握り込みにより吐出筒1に送り込まれてくる液材料の圧力で開弁するチェッキ弁cvを設け、かつ、ノズル10の筒先の外側部位に、一対に対向して閉じ合わされる挟み板11を、弾性材12を介して装設しておいて、液材料がノズル10の先端開口10aから吐出されているときは、その液材料の吐出圧力で、閉じ合わされた挟み板11の対向部位が開き、液材料の吐出を停止したときに、挟み板11が閉じ合わされて、ノズル10の先端開口10aの前面において液材料を挟み切るようにしておく手段が考えられる。
【0008】
しかし、これらの手段は、前者にあっては、液材料の吐出を停止したときに、図3において、鎖線で示しているようにノズル10の先端部から液材料がつららのように垂れ下がった液だれの状態に付着して残る現象が依然として生じてくる。
【0009】
これは、液材料の粘性のある特性による付着性と凝集性により、ノズル10の先端開口10aからすでに吐出される液材料を吊り上げるように引き戻していることによるものと考えられる。
【0010】
また、後者にあっても、液材料の吐出を停止したときに、ノズル10の先端部から、液材料がつららのように垂れ下がった液だれ状態に付着してくる現象が生じてくる。後者にあっては、吐出する液材料がノズル10の筒先の外側位置で、挟み板11により挟み切られているが、挟み板11の対向間隔を経てすでに吐出された液材料が図4において鎖線に示しているように、挟み板11の外面に付着して垂れ下がるようになり、結果として液だれの現象が生じてくる。しかも、付着面となる挟み板11の外面の面積がノズル10の筒先の周面より広いことで、前者より量の多い液だれを生ぜしめるようになる。これらの手段は、液だれの防止をなし得ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
塗布剤・充填剤の液材料を、先端のノズルから吐出させるシーラガンにおいて、液材料の吐出を停止したときに、ノズルの先端から液材料が垂れ下がって残るように生じてくる液だれを、確実に生ぜしめないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するための手段として、先端側に液材料を吐出するノズルを装備し、基端側に液材料を導入する導入管が接続する吐出筒をボディに支持せしめ、そのボディに、把持部を設けるとともに、その把持部と共に握り込める握り部材を、握り込みで把持部に沿う位置に回動し、握り込みの解放で、復元バネにより把持部から離れた位置に回動するよう軸支し、吐出筒の内部には、導入管側と吐出筒の先端側との連通を断・接制御する弁機構を、収蔵せしめ、かつ、その弁機構の開弁・閉弁の作動を、握り込みによる握り部材の回動または移動で開弁し、握り込みの解放による握り部材の復元作動により閉弁して吐出筒先端のノズルの先端開口からの液材料の吐出を停止させるよう、握り部材の回動または移動動作に連動せしめてなるシーラガンにおいて、吐出筒に、シリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、組み付け、該ポンプのピストンに連繋する作動ロッドと握り部材とを、その握り部材の回動または移動動作によりピストンが出入動作して吸引・吐出のポンプ作動を行うよう連繋機構を介し連繋せしめ、かつ、該ポンプの、吸引・吐出口をノズルの内腔に位置せしめ、握り部材を放して液材料の吐出を停止せしめたときに、握り部材の復元作動によるポンプ作動で、ノズルの内部に、負圧または正圧が導入されるようにしたことを特徴とするシーラガンにおける液だれ防止装置を提起するものである。
また、これに併せて、先端側に液材料を吐出するノズルを装備し、基端側に液材料を導入する導入管が接続する吐出筒をボディに支持せしめ、そのボディに、把持部を設けるとともに、その把持部と共に握り込める握り部材を、握り込みで把持部に沿う位置に回動または移動し、握り込みの解放で、復元バネにより把持部から離れた位置に回動または移動するよう軸支し、吐出筒の内部には、導入管側と吐出筒の先端側との連通を断・接制御する弁機構を、収蔵せしめ、かつ、その弁機構の開弁・閉弁の作動を、握り込みによる握り部材の回動で開弁し、握り込みの解放による握り部材の復元作動により閉弁するよう、握り部材の回動または移動動作に連動せしめてなるシーラガンにおいて、吐出筒に、シリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、組み付け、該ポンプを、前記握り部材に対し、その握り部材が握り込まれたときの作動でピストンが押し込まれて吐出作動を行い、握り部材の握り込みが解放されたときの握り部材の復元作動で、ピストンが引き込まれて吸引作動を行うよう連繋機構を介し連繋せしめ、かつ、該ポンプの吸引・吐出口を、吐出筒の先端側のノズルの内腔に位置せしめ、握り部材の握り込みを放してノズルの先端開口からの液材料の吐出を停止せしめたときに、握り部材の復元作動によるポンプの吸引作動で、ノズル内に負圧が導入されるようにしたことを特徴とするシーラガンにおける液だれ防止装置を提起し、
また、これに併せて、先端側に液材料を吐出するノズルを装備し、基端側に液材料を導入する導入管が接続する吐出筒をボディに支持せしめ、そのボディに、把持部を設けるとともに、その把持部と共に握り込める握り部材を、握り込みで把持部に沿う位置に動かし、握り込みの解放で、復元バネにより把持部から離れた位置に回動または移動するよう軸支し、吐出筒の内部には、導入管側と吐出筒の先端側との連通を断・接制御する弁機構を、収蔵せしめ、かつ、その弁機構の開弁・閉弁の作動を、握り込みによる握り部材の回動で開弁し、握り込みの解放による握り部材の復元作動により閉弁するよう、握り部材の回動または移動動作に連動せしめてなるシーラガンにおいて、吐出筒に、シリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、組み付け、該ポンプを、前記握り部材に対し、その握り部材が握り込まれたときの回動でポンプが引き込まれて吸引作動を行い、握り部材の握り込みが解放されたときの握り部材の復元作動でピストンが押し込まれて吐出作動を行うよう、連繋機構を介し連繋せしめ、かつ、該ポンプの吸引・吐出口を、吐出筒の先端側のノズルの内腔に位置せしめ、握り部材の握り込みを放して液材料の吐出を停止せしめたときに、握り部材の復元回動によるポンプの吐出作動で、ノズル内に正圧が導入されるようにしたことを特徴とするシーラガンにおける液だれ防止装置を提起し、
また、これに併せて、吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、吐出筒の外周の下面側に軸芯線が吐出筒と並列するよう配位して吐出筒に組み付け支架し、該ポンプのピストンを、吐出筒の下面側に配位した連繋機構を介して握り部材に連繋し、ポンプの吸引・吐出口を吐出筒の先端側のノズルの内腔に位置せしめることを特徴とする前記記載のシーラガンにおける液だれ防止装置を提起し、
また、これに併せて、吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、吐出筒の外周側で上面側に、軸芯線が吐出筒と並列するよう配位して吐出筒に組み付け支架し、該ポンプのピストンを吐出筒の上面側に配位した連繋機構を介し握り部材に連繋し、ポンプの吸引・吐出口を吐出筒の先端側のノズルの内腔に位置せしめることを特徴とする前記記載のシーラガンにおける液だれ防止装置を提起し、
また、これに併せて、ポンプの吸引・吐出口を吐出筒の先端側のノズルの内腔に対し接続せしめる接続管の先端側を、パイプ状に形成して、ノズル内に同軸に嵌挿し、先端開口をノズル内に連通させることを特徴とする前記記載のシーラガンにおける液だれ防止装置を提起し、
また、これに併せて、吐出筒の先端側に圧力調整器を組み付け、この圧力調整器を、ポンプの吸引・吐出口に接続する接続管の管路に接続して、その接続管を吐出筒先端のノズルの内腔に対し連通せしめることを特徴とする前記記載のシーラガンにおける液だれ防止装置を提起し、
また、これに併せて、吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、吐出筒内に同軸状に配位し、該ポンプのシリンダの外周側を吐出筒の内周側に固定して吐出筒内に組み付け、ポンプの吸引・吐出口をノズルの内腔に対し開口させることを特徴とする前記記載のシーラガンにおける液だれ防止装置を提起し、
また、これに併せて、吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプのピストンに連繋する作動ロッドに、ピストンを押し込む方向に作動さすよう付勢するバネを、握り部材の握り込みにより連繋機構を介し作動ロッドが引き抜き方向に動く作動で圧縮されるように組み付け、握り部材の握り込みの解放時に、このバネのバネ圧により握り部材が復元回動または復元移動するようにしたことを特徴とする前記記載のシーラガンにおける液だれ防止装置を提起し、
また、これに併せて、吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプのピストンに連繋する作動ロッドに、ピストンを引き出す方向に作動さすよう付勢するバネを、作動ロッドが、握り部材の握り込みにより連繋機構を介し押し込み方向に動く作動で圧縮されるように組み付け、握り部材の握り込みの解放時に該バネの圧縮されたバネ圧により握り部材が復元回動または復元移動するようにしたことを特徴とする前記記載のシーラガンにおける液だれ防止装置を提起し、
また、これに併せて、吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、吐出筒内に同軸状に配位し、そのポンプのシリンダと吐出筒の内周面との間に液材料の流路を形成して、シリンダを吐出筒内に組み付け、そのポンプの吸引・吐出口を、ノズルの内部の空間に対し開口し、ピストンに連繋する作動ロッドを、握り部材に対し、該握り部材の握り込みによる回動または移動と復元作動によりピストンに吸引及び吐出の作動を行わすよう、吐出筒の外周側に配設せる連繋機構を介し連繋し、ピストンには、シリンダに対する出入動作により前記液材料の流路と導入管との連通を断・接する弁機構を組み込み、該弁機構により導入管と吐出筒の先端側との連通を断・接制御せしめることを特徴とする前記記載のシーラガンにおける液だれ防止装置を提起し、
さらに、これに併せて、吐出筒の先端側のノズルの先端に形成する先端開口の口径d1を、ノズルの内径より小径となる口径に形設し、かつ、その先端開口の口径d1がノズル内腔に開口せしめるポンプの吸引・吐出口の口径d2に対し、d1≦d2の関係となるようノズルの先端開口の口径d1を形設することを特徴とする前記記載のシーラガンにおける液だれ防止装置を提起するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明手段によれば、シーラガンによる液材料の塗布作業・充填作業において、握り部材の握り込みを放して、握り部材を復元バネにより復元作動させて、その復元作動により弁機構を閉としてノズルと導入管との連通を遮断し、ノズルからの液材料の吐出を停止させたときに、吐出筒に付設したポンプが、握り部材の復元作動に連動して作動し、ポンプ作動を行い、それによる吸引圧または吐出圧が、吐出筒の先端側のノズル内に導かれ、作用するようになるので、握り部材の握り込みを放して液材料の吐出を停止させたときに、ノズルの先端部に付着して垂れ下がるように生じてくる液材料の液だれを、このノズル内に導かれる吸引圧・吐出圧によって、ポンプのシリンダ内に吸い込むか、ノズルの筒先から吹き飛ばすようになって、ノズルの先端部から消失させるので、液だれの現象を確実に防止し得るようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従前のシーラガンの縦断した側面図である。
【図2】改善策を施したシーラガンの縦断側面図である。
【図3】同上シーラガンの吐出筒の先端部分の拡大した縦断側面図である。
【図4】別の改善策を施したシーラガンの、吐出筒の部分の縦断した側面図である。
【図5】同上シーラガンの吐出筒の先端部の拡大した縦断側面図である。
【図6】本発明手段を実施せるシーラガンの、握り部材の握り込みを解放した状態時における縦断側面図である。
【図7】同上シーラガンの、握り部材の握り込みを行った状態時における縦断側面図である。
【図8】本発明手段の別の実施例の、握り部材を解放した状態時における縦断側面図である。
【図9】同上実施例の、握り部材を握り込んだ状態時における縦断側面図である。
【図10】本発明手段の、さらに別の実施例の、握り部材を握り込んだ状態時における縦断側面図である。
【図11】同上実施例の吐出筒の先端部分の拡大した横断した平面図である。
【図12】本発明手段の、さらに異なる実施例の側面図である。
【図13】同上実施例の、吐出筒の先端部分の拡大した縦断側面図である。
【図14】同上実施例の、吐出筒の先端部分の拡大した横断平面図である。
【図15】さらに別の実施例の、握り部材が握り込まれた位置に回動または移動して、弁機構を開弁させている状態時の縦断側面図である。
【図16】同上実施例の同上状態時の斜視図である。
【図17】同上実施例の同上状態時における要部の拡大縦断側面図である。
【図18】同上実施例の同上状態時における弁機構部分の拡大縦断側面図である。
【図19】同上実施例の同上弁機構部分に組み込まれる弁座部材の斜視図である。
【図20】同上実施例の、吐出筒内に組み込まれるポンプのピストンの斜視図である。
【図21】同上実施例の、握り部材の握り込みを放して、握り部材を復元バネにより復元回動させ、弁機構を閉弁させた状態時の縦断側面図である。
【図22】同上実施例の同上状態時の斜視図である。
【図23】同上実施例の同上状態時における要部の拡大縦断側面図である。
【図24】本発明手段のさらに異なる実施例の斜視図である。
【図25】同上実施例の縦断側面図である。
【図26】同上実施例の吐出筒の先端部分の縦断面図である。
【図27】同上実施例の作用の説明図である。
【図28】本発明手段のさらに異なる実施例のポンプのピストンが引き込まれた状態時の縦断側面図である。
【図29】同上実施例の要部の、ポンプのピストンが押し込まれた状態時の縦断側面図である。
【図30】同上実施例の、流路保持部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明の実施の態様を、実施例につき図面に従い詳述する。
【実施例1】
【0016】
図6は、本発明を実施せるシーラガンの、握り部材である握りレバーの握り込みを放した状態における縦断側面図、図7は、同上のシーラガンの、握り部材を握り込んだ状態時の縦断側面図を示している。
【0017】
図において、Aはシーラガンの全体、1は吐出筒、10は吐出筒1の先端側に設けたノズル、2は吐出筒1内に組み込んだ弁機構で、吐出筒1の基端側に接続する拡径した筒状に形成せる本体ボディa内に収蔵せしめてある。3はシーラガンAの吐出筒1の基端側に接続する本体ボディaに一体に連続させて設けた把持部、4はその把持部3に沿わせてシーラガンAの吐出筒1の基端部が接続する本体ボディaに軸支した握り部材、PはシーラガンAの吐出筒1に付設したシリンダ50とピストン51よりなるポンプ、6は前記ポンプPのピストン51と前述の握り部材4とを連繋する連繋機構を示す。
【0018】
シーラガンAは、先端側にノズル10を設けた吐出筒1の基端側を、その吐出筒1より大径の筒状に形成した本体ボディの内部空間に接続し、この本体ボディaの内部空間には、塗布剤・充填剤の液材料を導入する導入管30を接続し、かつ、本体ボディa内には、導入管30と吐出筒1の先端のノズル10との連通を、断・接する弁機構2を収蔵し、かつ、この本体ボディaに把持部3を一体に連続させて形設し、この把持部3に沿わせて握り部材4を本体ボディaに連結軸40により軸支し、この握り部材4を、前述の本体ボディa内に収蔵せしめた弁機構2に対し、該握り部材4を把持部3と一緒に握り込んで把持部3に沿う状態位置に回動または移動させると、弁機構2が開となり、握り部材4の握り込みを放して、握り部材4が復元バネ(図示省略)により、把持部3から離れた開いた位置に復元作動すると、弁機構2が閉となるように連繋手段(図示省略)を介し連繋させ、これにより、握り部材4を握り込むと、導入管30と吐出筒1先端のノズル10との連通が開となって、導入管30を介して吐出筒1内に加圧されて送給されてくる液材料が、吐出筒1の先端側のノズル10から吐出されるようになり、握り部材4を放すと、導入管30と吐出筒1先端のノズル10との連通が遮断されて、ノズル10からの液材料の吐出が停止するようにしている通常のシーラガンであって、図1に示している従前のシーラガンと変わりない構成のものであり、把持部3は、吐出筒1に対し接続する導入管30を包み込むように、かつ、本体ボディaと一体に連続するように成形してある。
【0019】
ポンプPは、シリンダ50とこれに摺動により出没自在に嵌合するピストン51とからなり、シリンダ50に対しピストン51が押し込まれることで、シリンダ50内のエアーを、該シリンダ50の先端側に筒状に形設した吸引・吐出管5aから吐出し、ピストン51が引き出されることで、吸引・吐出管5aからエアーをシリンダ50内に吸引する通常のシリンダ型のポンプであり、先端側の吸引・吐出管5aが前方に位置し、基端側のピストン51が後方に突出する姿勢として、シーラガンAの吐出筒1に並列させて配位し、シリンダ50を取付部材52により吐出筒1に組み付け支架せしめてある。そして、シリンダ50の先端側の吸引・吐出管5aには、接続管53を介して、シーラガンAの吐出筒1の先端に接続するノズル10の管壁に開設した連通口Oに接続し、ピストン51のシリンダ50に対する進退作動によるポンプ作動により、ノズル10内に対し負圧または正圧が作用するようにしてある。
【0020】
連繋機構6は、このポンプPの吸引・吐出のポンプ作動が、前述の握り部材4の回動作動に連動して行われるように、ポンプPのピストン51と握り部材4とを連繋する機構で、ピストン51の基端側に連結して、吐出筒1の基端側に取付部材52により組み付け支持されたガイド筒60にガイドされて吐出筒1に平行して前後に動くピストンの作動ロッド61と、この作動ロッド61に連結軸62を介し連結する連繋杆63と、この連繋杆63に先端側が長穴により傾斜回動が許容された状態で連繋する第1リンク杆64と、基端側が前記第1リンク杆64の基端側に設けた連繋軸65と長穴を介して連繋し、基端側が前述の握り部材4と一体的に連結する第2リンク杆66と、からなり、握り部材4が図7にあるように、把持部3に沿う位置に回動すると、この握り部材4と一緒に第2リンク杆66が後方に回動することで、第1リンク杆64が、後方に引き寄せられ、これにより作動軸61が後方にスライドしてピストン51を引き出す方向に動かし、シリンダ50に吸引作動を行わせ、握り部材4の握り込みを放して、該部材4が復元バネにより、拡径部1aの下面にストッパ41を衝合させて停止する図6の状態位置まで復元回動してくると、この回動により、第2リンク杆66が前方に回動して第1リンク杆64を前方に押し出し、作動ロッド61を前方に動かしてピストン51を押し込み、シリンダ50に吐出作動を行わせるようにしている。
【0021】
この実施例のポンプPは、上述の連繋機構6により握り部材4を握り込んでいる状態時に、ピストン51が引き出されている位置を占め、握り部材4の握り込みを開放したときに、握り部材4が復元回動していく作動でピストン51が押し込まれて、吐出作動を行うように設定されている。
【0022】
従って、握り部材4を放して、液材料の吐出を停止させると、ポンプPが、吐出筒1の先端のノズル10内に、エアーを吹き込んで、ノズル10に付着して垂れ下がる液材料を吹き出す圧風によりノズル10から吹き飛ばし、ノズル10の先端に付着して残る液材料の液だれを消失させるようになる。
【実施例2】
【0023】
図8及び図9は、第2の実施例を示している。この実施例は、前述の第1の実施例のものが、握り部材4の握り込みを放して液材料の吐出を停止させたときの、握り部材4の復元回動の作動で、ポンプPが、ノズル10の内部にエアーを吹き込むように、正圧が作用するようにしているのに対し、握り部材4の握り込みを放して液材料の吐出を停止させたときに、ポンプPがノズル10内腔に対し、吸引作動を行うよう負圧が作用するようにしている例である。
【0024】
図において、Aはシーラガンの全体を示し、1はそのシーラガンAの吐出筒、10は吐出筒1の先端側に設けたノズル、aは中空の筒状に形成して吐出筒1の基端側に接続する本体ボディ、2はその本体ボディa内に収蔵せる弁機構、3は本体ボディaに連続させて設けた把持部、30は吐出筒1内に液材料を導くよう設けた導入管、4は本体ボディaに、連結軸40を支点軸として前後に回動するよう把持部3に沿わせて軸支した握り部材、PはシーラガンAの吐出筒1の外周側に並列配位して取付部材52により吐出筒1の外周側に組み付けたポンプ、6はこのポンプPとシーラガンAの握り部材4とを連繋する連繋機構を示す。
【0025】
これらは、前述の実施例1のものと同様の構成内容のものであり、ポンプPは、シリンダ50とこれに出入自在に嵌合するピストン51とからなる通常のポンプであり、そのシリンダ50の先端側に形設した吸引・吐出管500の先端側は、接続管53を介して、吐出筒1先端のノズル10の管壁に開設した連通口Oに接続させてあり、また、連繋機構6は、前記ポンプPのピストン51の基端側に連結する作動ロッド61と、この作動ロッド61に連繋杆63を介して連繋する第1リンク杆64と、握り部材4に一体的に設けて、この第1リンク杆64に連繋軸65を介し連繋する第2リンク杆66とにより構成している。
【0026】
しかし、この例においては、握り部材4の握り込みを解放させたときの、握り部材4の復元回動によりポンプPにポンプ作動を行わせるに際し、前述の実施例1のものでは、吐出作動が行われるようにしているのに対し、逆に、吸引作動が行われるようにしていることから、連繋機構6の、握り部材4に一体的に連結させて装設する第2リンク杆66は、握り部材4の連結軸40を上方に越した部位を上方に延長するように、本体ボディaの上面側に突出させた態様として握り部材4に装設してある。
【0027】
そして、ポンプPと連繋機構6とも、吐出筒1の上面側に配位して、取付部材52により吐出筒1に対して取付支架してあって、これにより、握り部材4の握り込みを解放したときの、握り部材4に連結支持せしめた第2リンク杆66の動きが、後方に回動していく動きとなるようにして、連繋機構6を介しポンプPのピストン51を引き出す方向に動かし、ポンプPに吸引作動を与えるようにしている。
【0028】
従って、この実施例のシーラガンは、握り部材4を放して、液材料の吐出を停止させると、ポンプPが吸引作動を行って、吐出筒1のノズル10の先端側に生じてくる液だれの液材料を、シリンダ50内に引き込み、ノズル10先端に生ずる液だれを消失させるようになる。
【実施例3】
【0029】
図10・図11は、さらに別の実施例を示している。この例は、シーラガンAに、ポンプPを、握り部材4の握り込みを解放したときの復元回動の動作により、連動して作動するように組み付け付設しておいて、握り部材4の握り込みを解放して、シーラガンAによる液材料の吐出を停止させたとき、この組み付け付設したポンプPに、吸引または、吐出の作動を行わせ、それによる負圧または正圧を、シーラガンAの吐出筒1の先端のノズル10内に作用させて、ノズル10の先端側に付着して生成してくる液材料の液だれを、吸引または押し出して、消失させるようにするときの、ポンプPのシリンダ50の先端側に設けられる吸引・吐出管5aと、ノズル10の内腔との接続・連通手段について、変更を加えている例である。
【0030】
即ち、ポンプPは、吐出筒1の外周側に、取付部材52により組み付け、シリンダ50の先端側の吸引・吐出管5aに、接続管53を接続し、この接続管53をノズル10に接続することについては、前述の実施例1、2のものと同様であるが、接続管53はそれの先端側を、ノズル取付部100に対し、図11に示しているように、ノズル10の基端側を外周側から同軸状に包むように接続して、ノズル10に対する連通が、ノズル10の内周面と接続管53の外周面との間隙を介して行われるようにしている例である。
【0031】
この実施例で示す接続管53とノズル10との接続連通手段は、握り部材4の握り込みを放して、液材料の吐出を停止させたときの、握り部材4の復元回動によるポンプPのポンプ作動が、吸引作動となるように設定したシーラガンAに適用した例を示しているが、連繋機構6を実施例1のように、握り部材4が復元回動していく作動で、作動ロッド61を押し出し、吐出作動を行うように組み代えたシーラガンに適用した場合においても機能・作用に変わりはない。
【実施例4】
【0032】
次に、図12乃至図14は、さらに別の実施例を示している。この例は、シーラガンAに、握り部材4の復元作動の動作により吐出または吸引作動するポンプPを組み付け付設し、吐出筒1の先端のノズル10の内部に対しポンプPの作動による圧力を作用させる手段において、ポンプPのピストン51の作動で生成する流体の吐出圧、または吸引圧を、組み付け付設した圧力調整器7により所望に調整して設定し得るようにしている例である。
【0033】
図において、符号7により指示しているのが圧力調整器で、市販品のスピードコントローラを用いている。そして、この圧力調整器7を、吐出筒1を挟んでポンプPのシリンダ50と対向するように配位して吐出筒1のノズル取付部100に組み付け、シリンダ50の吸引・吐出管500に接続する接続管53を、ノズル取付部100の内腔を横切るように延長して、圧力調整器7に接続し、この接続管53の途中で、ノズル取付部100内に位置する部位に、開口kを開設し、その開口kに、ノズル10の内腔に同軸上に位置させて嵌挿した吐出管530の基端側を臨ませることで、圧力調整器7により調整されたポンプPの吐出圧力・吸引圧力が、ノズル取付部100の内腔と、吐出管530との両方に作用していくようにしている。
【0034】
この手段によれば、ポンプPの作動より、ノズル10の内部に対して作用するエアーの圧力が、圧力調整器7により所望の圧力に調整されるようになる。
【実施例5】
【0035】
図15乃至図23は、さらに別の実施例を示している。この実施例は、吐出筒1に付設するポンプPを、吐出筒1内に組み込むことで内蔵型として吐出筒1に付設している例である。
【0036】
図において、1は先端側にノズル10を装備せしめて銃身状に形成してある吐出筒である。該吐出筒1は、別体に成形してある本体ボディaの上端側に形設した軸筒部a’の内周側に該吐出筒1の筒壁の外周側を嵌装することで、この本体ボディaに一体的に組み付け支持せしめてある。そして、本体ボディaの内部に抱き込ませてある導入管30とは、該吐出筒1の筒壁の、前述の軸筒部a’の内周面に対向する部位に開設した連通口80を介して接続連通させてあり、導入管30からこの連通口80を経て導入される液材料が、先端側のノズル10から吐出されるようにしている。
【0037】
2は、導入管30の吐出筒1先端のノズル10に対する連通を開・閉制御する弁機構である。この弁機構2は、本体ボディaに、把持部3の前面側に配位して支軸40により軸支し、把持部3とともに握り込めるように設けた握り部材4を、握り込むことで、図17にあるように把持部3に沿う位置に回動させたときに、これに連動して開に作動して、液材料が導入管30から吐出筒1内に送り込まれて吐出筒1先端のノズル10から吐出していくようにし、握り部材4が、握り込みの解放により復元バネbの作動で、図23にあるよう把持部3から離れた位置に回動または移動したときに、その回動または移動動作に連動して、閉に作動し、液材料の吐出筒1内への流入を止め、吐出筒1先端のノズル10からの液材料の吐出を停止させるようにする弁機構である。
【0038】
この弁機構2は、吐出筒1内の、前述の筒壁に開設した連通口80の内側位置に、図19にあるように、内外に貫通する透孔81が周方向に多連に並列して設けられているリング状の弁座82を、固定して装設し、このリング状の弁座82の内周側に、内部に吐出筒1の内部空間に対し連通穴83を介し空室84が形成され周壁に前記空室84と連通する弁口85が開設してある弁軸8を、吐出筒1の軸方向に可動に配設し、この弁軸8の軸方向の動きで、弁口85が前記リングの弁座82と対向する位置を占めることで、導入管30と吐出筒1内との連通を開とし、弁口85が弁座82からずれた位置を占めることで、閉となるようにしている。
【0039】
そして、この弁軸8には、後端側に、吐出筒1の後方延長部内において吐出筒1の軸方向に可動に収蔵せしめた作動ロッド61を、一体に連続させて装設し、この作動ロッド61を握り部材4に対し、握り部材4の支軸40を上方に越した部位に、一体に連結させて設けたリンク杆67と、そのリンク杆67の突出端部と前記作動ロッド61とを連結する連結軸68とからなる連繋機構6を介して連繋し、かつ、作動ロッド61には後方に引き出す方向に付勢するバネbを、作動ロッド61の後端に設けたバネ受座69と吐出筒1の内面側に固定して設けたバネ受座70との間に設けて作用させ、握り部材4を握り込んだときには、リンク杆67が支軸40中心に前方に回動することで、弁軸8をバネbの付勢に抗して前方に押し込んで、弁口85が弁座82に対向する開の位置を占め、握り部材4の握り込みを解放したときは、押し縮めた前述のバネbの復元力により、作動ロッド61とこれに連結する弁軸8を後方に動かし、これにより弁軸8に設けた弁口85が弁座82からずれた位置を占める閉の状態とし、かつ、このとき、握り部材4を、前述のバネbを復元バネとして、そのバネbの復元力により、把持部3から離れて開いた位置に復元回動させるようにしてある。
【0040】
Pは、シーラガンAが、握り部材4の握り込みを解放して、握り部材4の復元回動の動作により弁機構2を閉に作動させて、吐出筒1の先端のノズル10からの液材料の吐出を停止させたときに、ノズル10内に正圧または負圧を作用させるために吐出筒1に付設せるポンプであり、シリンダ50とピストン51からなる通常のポンプであるが、この例においては、それのシリンダ50は、吐出筒1内の先端側の中心部位に、吐出筒1と同軸状に配位して、それの外周面に、図18・図20に示しているよう前後に透通する液材料の流路90を具備せしめた筒状の流路保持部材9を嵌装し、この流路保持部材9の筒壁の内周面側に、ピストン51を保持してピストンを構成している弁軸8の先端側を摺動自在に嵌装することで、この流路保持部材9の内周面をもってシリンダ50に構成している。
【0041】
そして、このシリンダ50を構成する筒状の流路保持部材9の内周面の前端側には、吸引・吐出管500の拡径した基端部を嵌着して、その吸引・吐出管500の先端側を、吐出筒1のノズル10内に突入させ、先端開口がノズル10の内腔で先端に寄る部位において開口するようにすることで、吐出筒1の内部にこのポンプPを組み込んでいる。
【0042】
この実施例のシーラガンAは、握り部材4を握り込んで図17の状態とすると、握り部材4の回動作動に連動して作動ロッド61が、バネbを圧縮しながら前方(図において左方)に押し込まれ、これと一体に弁軸8が押し込まれることで、弁機構2の弁口85が弁座82と対面する位置に動き、弁機構2を開とした状態となって、導入管30で導かれる液材料を、図18において太線の矢印に示しているように連通口80から弁座82→弁口85→空室84→連通穴83→流路90を経てノズル10に流し、ノズル10の先端開口から吐出するようになる。
【0043】
この状態から握り部材4の握り込みを解放すると、圧縮されていたバネbの復元力により作動ロッド61が後方に動き、これと一緒に弁軸8が動くことで、弁口85が弁座82と対面する位置からずれて閉ざされ、弁機構2を閉とし、液材料の吐出筒1内への流入を遮断し、吐出筒1先端のノズル10の先端開口10aからの液材料の吐出を停止させる。
【0044】
このとき、弁軸8の先端側に形成したピストン51が、バネbの復元力により後方に動く弁軸8とともに後方に動くことで、シリンダ50から引き出されるように作動して、ポンプPを吸引作動させ、それによる吸引圧を、吐出筒1の先端のノズル10内に作用させる。そして、この吸引圧により、液材料の吐出を停止させたときに、ノズル10の先端に付着して垂れ下がるように生じてくる液材料の液だれを、ノズル10内を経て、シリンダ50に引き込み、ノズル10の先端部周辺からこの液だれを消失させるようになる。
【0045】
この実施例のポンプ内装型のシーラガンは、握り部材4を放したときに、ポンプPが吸引作動を行うようにしているが、握り部材4を握り込み回動させたときの、作動ロッド61の作動方向をこの例とは逆にし、かつ、その作動ロッド61の作動の際に、バネbが引き伸ばされるようにしておいて、握り部材4を放したときに、それの復元回動でポンプPが吐出作動を行うようにしたときは、液材料の吐出を停止させたときに、ノズル10内に対しポンプPによる正圧が作用し、液だれをエアーにより吹き飛ばして消失させるようになる。
【実施例6】
【0046】
図24乃至図27は、さらに異なる実施例を示している。この例は、吐出筒1の先端部のノズル10の先端開口10aの口径d1を、ノズル10の内部空間に配置するポンプPの吸引・吐出管5aの先端の吸引・吐出口の口径d2に対し、d1≦d2となるよう同径乃至小径に形成して、吐出筒1に組み付けたポンプPが、握り部材4の握り込みの解放によりピストン51の後退で吸引作動を行ったときに、吐出筒1の先端のノズル10の内腔で、そのノズル10の先端開口10aに近接する部位に、負圧の内圧を発生せしめて、その内圧により、ノズル10の先端部に付着してつらら状に垂れ下がる液だれのシーラーSの、ノズル10の先端部に付着している基端部分を、ノズル10内に引き込んで、つらら状に垂れ下がるシーラーSを基端部において千切るように切り放して、つらら状のシーラーSをノズル10から分離させ、落下していくようにしている例である。
【0047】
この例は、吐出筒1の先端側のノズル10の先端開口10a部分とノズル10内腔に位置するポンプPの吸引・吐出口の部分との構成が、前述の実施例5のものと変化しているだけで、その余の構成は基本的には実施例5のものと変わりがないものである。
【0048】
図面に従い具体的に説明すれば、図24及び図25に示しているように、先端側にノズル10を装備せしめた銃身状の吐出筒1の基端側を、内部にシーラー(液材料)Sの導入管30が装備された把持部3の上端側に一体に連続させて成形した円筒状の軸筒部a’の内周側に嵌挿して把持部3に一体的に支持せしめ、その吐出筒1内には、弁機構2を組み込み、その弁機構2は、把持部3の前面側に軸支せる握り部材4を把持部3と共に握り込むことで、リンク杆67と連結軸68よりなる連繋機構6を介し、連繋する作動ロッド61とこれに一体的に連結する弁軸8とが、バネbを圧縮させながら前方に押し込まれることで、弁口85が開くよう開弁作動し、また、握り部材4の握り込みを解放することで、作動ロッド61と弁軸8とがバネbの復元力で後方に押し戻されることにより弁口85を閉じて閉弁作動するよう構成し、これにより、握り部材4を握り込むと弁機構2が開弁作動して、把持部3内の導入管30で導かれてくる液材料のシーラーSが、連通口80から開弁した弁口85→空室84→弁口85→流路90を経て吐出筒1の先端のノズル10内に流れて、先端開口の口径d1から吐出され、握り部材4の握り込みを解放すると、作動ロッド61と弁軸8とが、圧縮されていたバネbの復元力により後方に押し戻されることで弁口85が閉じるよう弁機構2が閉弁作動して、吐出筒1先端のノズル10の先端開口の口径d1からのシーラーの吐出を停止させるようにしている。
【0049】
そして、吐出筒1に組み込むピストン51とシリンダ50よりなるポンプPは、それのピストン51にあっては、前述の弁機構2の弁軸8の前端側に一体的に組み付けて装備せしめ、シリンダ50にあっては、吐出筒1の前端側に、流路90を筒壁の肉部内に形成して、内周面が弁軸8をガイドするスリーブとなるよう一体に成形してある流路保持部材9の内周面をもってシリンダに構成して装備せしめることで、握り部材4の握り込みとその解放により該握り部材4が回動または移動する作動に連動して、ピストン51が往動・復動してポンプ作動を行うこのポンプPを吐出筒1内に組み込ませてあり、また、先端開口でポンプPの吸引・吐出口の口径d2を形成する吸引・吐出管500は、ノズル10の内部に深く突入させて、それの先端の吸引・吐出口の口径d2が、ノズル10の先端開口の口径d1の直ぐ手前に位置するようにしている。
【0050】
しかして、吐出筒1先端のノズル10は、それの先端部に、先端の開放口を塞ぐ堰板状のヘッドを設けて、これに、ノズル10の内径より小径の口径d1とした先端開口10aを開設し、かつ、この開設した先端開口10aの口径d1が、ノズル10内に位置するポンプPの吸引・吐出管5aの先端開口の吸引・吐出口の口径d2に対し、d1≦d2の関係となるように開設している。
【0051】
そして、これにより、握り部材4の握り込みを解放して、バネbの復元力により弁機構2を閉に作動させ、シーラーSの吐出を停止させたとき、これに、連動してポンプPのピストン51がバネbの復元力により後退してポンプPに吸引作動を行うことで、ノズル10の内腔で、先端開口の口径d1に近い部位に、強い負圧の内圧が発生して、その内圧により、図26で鎖線に示しているように、シーラーSの吐出を停めたときにノズル10の先端部からつらら状に垂れ下がる液だれの基端部を、図27にあるように、ノズル10内に強く吸い込んで、液だれを基端部において切り離して、液だれがノズル10から分離して落下していくようにしている。
【実施例7】
【0052】
図28乃至図30は、さらに別の実施例を示している。この例は、上述の図15乃至図23に示す実施例5の変形例であり、その構成態様は、基本的には上述の実施例と変わりがないので、同じ構成部材について同じ符号を付して構成の詳細な説明は省略する。
【0053】
この例は、上述の実施例に対し、弁機構2の構成をシンプルにし、握り部材4の握り込みを解放して閉弁したときの、弁機構2を介してのシーラー(液材料の塗布剤)の漏れ出しを少なくし、またポンプPのピストン51が、シリンダ50に対し出入作動を行い、シリンダ50の内部空間の容積を拡縮させたときに、容積差を大きくして、閉弁時におけるシーラーの吸引量を多くしている例である。
【0054】
この例では、流路保持部材9の内壁面で形成したシリンダ50に嵌入する弁軸8前端に形設したピストン51の前端側の端面の中心部位に、軸状の突起tを設け、吸引・吐出管5aの基端側には、前記突起tが密に嵌入する軸穴状の空室uを形設して、ピストン51がシリンダ50内に押し込まれたときには、突起tにより吸引・吐出管5aの基端の空室uまで密に塞ぎ、閉弁時にピストン50が引き込まれたときには、シリンダ50の内容積を、軸穴状の空室uまで拡げ、これによりシーラーの吸引効果を向上させるようにしている。
【0055】
また、流路保持部材9内に形設する流路90は、図30に示しているように同上部材9の上周側にだけ設けて、これにより、吐出筒1の底面側に開設される連通口80と流路90との間の距離を大きくし、弁機構2の閉弁時に、弁軸8の外周面に密接して閉ざされている流路90からのシーラーの漏れ出しを確実に防止するようにしている。
【符号の説明】
【0056】
A シーラガン
O 連通口
P ポンプ
S シーラー
a 本体ボディ
a’ 軸筒部
b 復元バネ
d1 先端開口の口径
d2 吸引・吐出口の口径
k 開口
t 突起
u 空室
cv チェッキ弁
sv ストップ弁
1 吐出筒
10 ノズル
10a 先端開口
100 ノズル取付部
11 挟み板
12 弾性材
2 弁機構
3 把持部
30 導入管
4 握り部材
40 支軸
41 ストッパ
5a 吸引・吐出管
50 シリンダ
51 ピストン
52 取付部材
53 接続管
530 吐出管
6 連繋機構
60 ガイド筒
61 作動ロッド
62 連結軸
63 連繋杆
64 第1リンク杆
65 連繋軸
66 第2リンク杆
67 リンク杆
68 連結軸
69 バネ受座
7 圧力調整器
70 バネ受座
8 弁軸
80 連通口
81 透孔
82 弁座
83 連結穴
84 空室
85 弁口
9 流路保持部材
90 流路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側に液材料を吐出するノズルを装備し、基端側に液材料を導入する導入管が接続する吐出筒をボディに支持せしめ、そのボディに、把持部を設けるとともに、その把持部と共に握り込める握り部材を、握り込みで把持部に沿う位置に回動し、握り込みの解放で、復元バネにより把持部から離れた位置に回動するよう軸支し、吐出筒の内部には、導入管側と吐出筒の先端側との連通を断・接制御する弁機構を、収蔵せしめ、かつ、その弁機構の開弁・閉弁の作動を、握り込みによる握り部材の回動で開弁し、握り込みの解放による握り部材の復元回動により閉弁して吐出筒先端のノズルの先端開口からの液材料の吐出を停止させるよう、握り部材の回動動作に連動せしめてなるシーラガンにおいて、吐出筒に、シリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、組み付け、該ポンプのピストンに連繋する作動ロッドと握り部材とを、その握り部材の回動動作によりピストンが出入動作して吸引・吐出のポンプ作動を行うよう連繋機構を介し連繋せしめ、かつ、該ポンプの、吸引・吐出口をノズルの内腔に位置せしめ、握り部材を放して液材料の吐出を停止せしめたときに、握り部材の復元回動によるポンプ作動で、ノズルの内部に、負圧または正圧が導入されるようにしたことを特徴とするシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項2】
先端側に液材料を吐出するノズルを装備し、基端側に液材料を導入する導入管が接続する吐出筒をボディに支持せしめ、そのボディに、把持部を設けるとともに、その把持部と共に握り込める握り部材を、握り込みで把持部に沿う位置に回動し、握り込みの解放で、復元バネにより把持部から離れた位置に回動するよう軸支し、吐出筒の内部には、導入管側と吐出筒の先端側との連通を断・接制御する弁機構を、収蔵せしめ、かつ、その弁機構の開弁・閉弁の作動を、握り込みによる握り部材の回動で開弁し、握り込みの解放による握り部材の復元回動により閉弁するよう、握り部材の回動動作に連動せしめてなるシーラガンにおいて、吐出筒に、シリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、組み付け、該ポンプを、前記握り部材に対し、その握り部材が握り込まれたときの回動でピストンが押し込まれて吐出作動を行い、握り部材の握り込みが解放されたときの握り部材の復元回動で、ピストンが引き込まれて吸引作動を行うよう連繋機構を介し連繋せしめ、かつ、該ポンプの吸引・吐出口を、吐出筒の先端側のノズルの内腔に位置せしめ、握り部材の握り込みを放してノズルの先端開口からの液材料の吐出を停止せしめたときに、握り部材の復元回動によるポンプの吸引作動で、ノズル内に負圧が導入されるようにしたことを特徴とするシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項3】
先端側に液材料を吐出するノズルを装備し、基端側に液材料を導入する導入管が接続する吐出筒をボディに支持せしめ、そのボディに、把持部を設けるとともに、その把持部と共に握り込める握り部材を、握り込みで把持部に沿う位置に回動し、握り込みの解放で、復元バネにより把持部から離れた位置に回動するよう軸支し、吐出筒の内部には、導入管側と吐出筒の先端側との連通を断・接制御する弁機構を、収蔵せしめ、かつ、その弁機構の開弁・閉弁の作動を、握り込みによる握り部材の回動で開弁し、握り込みの解放による握り部材の復元回動により閉弁するよう、握り部材の回動動作に連動せしめてなるシーラガンにおいて、吐出筒に、シリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、組み付け、該ポンプを、前記握り部材に対し、その握り部材が握り込まれたときの回動でポンプが引き込まれて吸引作動を行い、握り部材の握り込みが解放されたときの握り部材の復元回動でピストンが押し込まれて吐出作動を行うよう、連繋機構を介し連繋せしめ、かつ、該ポンプの吸引・吐出口を、吐出筒の先端側のノズルの内腔に位置せしめ、握り部材の握り込みを放して液材料の吐出を停止せしめたときに、握り部材の復元回動によるポンプの吐出作動で、ノズル内に正圧が導入されるようにしたことを特徴とするシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項4】
吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、吐出筒の外周の下面側に軸芯線が吐出筒と並列するよう配位して吐出筒に組み付け支架し、該ポンプのピストンを、吐出筒の下面側に配位した連繋機構を介して握り部材に連繋し、ポンプの吸引・吐出口を吐出筒の先端側のノズルの内腔に位置せしめることを特徴とする請求項1または請求項3記載のシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項5】
吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、吐出筒の外周側で上面側に、軸芯線が吐出筒と並列するよう配位して吐出筒に組み付け支架し、該ポンプのピストンを吐出筒の上面側に配位した連繋機構を介し握り部材に連繋し、ポンプの吸引・吐出口を吐出筒の先端側のノズルの内腔に位置せしめることを特徴とする請求項1または請求項2記載のシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項6】
ポンプの吸引・吐出口を吐出筒の先端側のノズルの内腔に対し接続せしめる接続管の先端側を、パイプ状に形成して、ノズル内に同軸に嵌挿し、先端開口をノズル内に連通させることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載のシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項7】
吐出筒の先端側に圧力調整器を組み付け、この圧力調整器を、ポンプの吸引・吐出口に接続する接続管の管路に接続して、その接続管を吐出筒先端のノズルの内腔に対し連通せしめることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載のシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項8】
吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、吐出筒内に同軸状に配位し、該ポンプのシリンダの外周側を吐出筒の内周側に固定して吐出筒内に組み付け、ポンプの吸引・吐出口をノズルの内腔に対し開口させることを特徴とする請求項1記載のシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項9】
吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプのピストンに連繋する作動ロッドに、ピストンを押し込む方向に作動さすよう付勢するバネを、握り部材の握り込みにより連繋機構を介し作動ロッドが引き抜き方向に動く作動で圧縮されるように組み付け、握り部材の握り込みの解放時に、このバネのバネ圧により握り部材が復元回動または復元移動するようにしたことを特徴とする請求項1記載のシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項10】
吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプのピストンに連繋する作動ロッドに、ピストンを引き出す方向に作動さすよう付勢するバネを、作動ロッドが、握り部材の握り込みにより連繋機構を介し押し込み方向に動く作動で圧縮されるように組み付け、握り部材の握り込みの解放時に該バネの圧縮されたバネ圧により握り部材が復元回動または復元移動するようにしたことを特徴とする請求項1記載のシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項11】
吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、吐出筒内に同軸状に配位し、そのポンプのシリンダと吐出筒の内周面との間に液材料の流路を形成して、シリンダを吐出筒内に組み付け、そのポンプの吸引・吐出口を、ノズルの内部の空間に対し開口し、ピストンに連繋する作動ロッドを、握り部材に対し、該握り部材の握り込みによる回動と復元回動によりピストンに吸引及び吐出の作動を行わすよう、吐出筒の外周側に配設せる連繋機構を介し連繋し、ピストンには、シリンダに対する出入動作により前記液材料の流路と導入管との連通を断・接する弁機構を組み込み、該弁機構により導入管と吐出筒の先端側との連通を断・接制御せしめることを特徴とする請求項1記載のシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項12】
吐出筒の先端側のノズルの先端に形成する先端開口の口径d1を、ノズルの内径より小径となる口径に形設し、かつ、その先端開口の口径d1がノズル内腔に開口せしめるポンプの吸引・吐出口の口径d2に対し、d1≦d2の関係となるようノズルの先端開口の口径d1を形設することを特徴とする請求項1または請求項2記載のシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項1】
先端側に液材料を吐出するノズルを装備し、基端側に液材料を導入する導入管が接続する吐出筒をボディに支持せしめ、そのボディに、把持部を設けるとともに、その把持部と共に握り込める握り部材を、握り込みで把持部に沿う位置に回動し、握り込みの解放で、復元バネにより把持部から離れた位置に回動するよう軸支し、吐出筒の内部には、導入管側と吐出筒の先端側との連通を断・接制御する弁機構を、収蔵せしめ、かつ、その弁機構の開弁・閉弁の作動を、握り込みによる握り部材の回動で開弁し、握り込みの解放による握り部材の復元回動により閉弁して吐出筒先端のノズルの先端開口からの液材料の吐出を停止させるよう、握り部材の回動動作に連動せしめてなるシーラガンにおいて、吐出筒に、シリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、組み付け、該ポンプのピストンに連繋する作動ロッドと握り部材とを、その握り部材の回動動作によりピストンが出入動作して吸引・吐出のポンプ作動を行うよう連繋機構を介し連繋せしめ、かつ、該ポンプの、吸引・吐出口をノズルの内腔に位置せしめ、握り部材を放して液材料の吐出を停止せしめたときに、握り部材の復元回動によるポンプ作動で、ノズルの内部に、負圧または正圧が導入されるようにしたことを特徴とするシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項2】
先端側に液材料を吐出するノズルを装備し、基端側に液材料を導入する導入管が接続する吐出筒をボディに支持せしめ、そのボディに、把持部を設けるとともに、その把持部と共に握り込める握り部材を、握り込みで把持部に沿う位置に回動し、握り込みの解放で、復元バネにより把持部から離れた位置に回動するよう軸支し、吐出筒の内部には、導入管側と吐出筒の先端側との連通を断・接制御する弁機構を、収蔵せしめ、かつ、その弁機構の開弁・閉弁の作動を、握り込みによる握り部材の回動で開弁し、握り込みの解放による握り部材の復元回動により閉弁するよう、握り部材の回動動作に連動せしめてなるシーラガンにおいて、吐出筒に、シリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、組み付け、該ポンプを、前記握り部材に対し、その握り部材が握り込まれたときの回動でピストンが押し込まれて吐出作動を行い、握り部材の握り込みが解放されたときの握り部材の復元回動で、ピストンが引き込まれて吸引作動を行うよう連繋機構を介し連繋せしめ、かつ、該ポンプの吸引・吐出口を、吐出筒の先端側のノズルの内腔に位置せしめ、握り部材の握り込みを放してノズルの先端開口からの液材料の吐出を停止せしめたときに、握り部材の復元回動によるポンプの吸引作動で、ノズル内に負圧が導入されるようにしたことを特徴とするシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項3】
先端側に液材料を吐出するノズルを装備し、基端側に液材料を導入する導入管が接続する吐出筒をボディに支持せしめ、そのボディに、把持部を設けるとともに、その把持部と共に握り込める握り部材を、握り込みで把持部に沿う位置に回動し、握り込みの解放で、復元バネにより把持部から離れた位置に回動するよう軸支し、吐出筒の内部には、導入管側と吐出筒の先端側との連通を断・接制御する弁機構を、収蔵せしめ、かつ、その弁機構の開弁・閉弁の作動を、握り込みによる握り部材の回動で開弁し、握り込みの解放による握り部材の復元回動により閉弁するよう、握り部材の回動動作に連動せしめてなるシーラガンにおいて、吐出筒に、シリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、組み付け、該ポンプを、前記握り部材に対し、その握り部材が握り込まれたときの回動でポンプが引き込まれて吸引作動を行い、握り部材の握り込みが解放されたときの握り部材の復元回動でピストンが押し込まれて吐出作動を行うよう、連繋機構を介し連繋せしめ、かつ、該ポンプの吸引・吐出口を、吐出筒の先端側のノズルの内腔に位置せしめ、握り部材の握り込みを放して液材料の吐出を停止せしめたときに、握り部材の復元回動によるポンプの吐出作動で、ノズル内に正圧が導入されるようにしたことを特徴とするシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項4】
吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、吐出筒の外周の下面側に軸芯線が吐出筒と並列するよう配位して吐出筒に組み付け支架し、該ポンプのピストンを、吐出筒の下面側に配位した連繋機構を介して握り部材に連繋し、ポンプの吸引・吐出口を吐出筒の先端側のノズルの内腔に位置せしめることを特徴とする請求項1または請求項3記載のシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項5】
吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、吐出筒の外周側で上面側に、軸芯線が吐出筒と並列するよう配位して吐出筒に組み付け支架し、該ポンプのピストンを吐出筒の上面側に配位した連繋機構を介し握り部材に連繋し、ポンプの吸引・吐出口を吐出筒の先端側のノズルの内腔に位置せしめることを特徴とする請求項1または請求項2記載のシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項6】
ポンプの吸引・吐出口を吐出筒の先端側のノズルの内腔に対し接続せしめる接続管の先端側を、パイプ状に形成して、ノズル内に同軸に嵌挿し、先端開口をノズル内に連通させることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載のシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項7】
吐出筒の先端側に圧力調整器を組み付け、この圧力調整器を、ポンプの吸引・吐出口に接続する接続管の管路に接続して、その接続管を吐出筒先端のノズルの内腔に対し連通せしめることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載のシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項8】
吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、吐出筒内に同軸状に配位し、該ポンプのシリンダの外周側を吐出筒の内周側に固定して吐出筒内に組み付け、ポンプの吸引・吐出口をノズルの内腔に対し開口させることを特徴とする請求項1記載のシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項9】
吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプのピストンに連繋する作動ロッドに、ピストンを押し込む方向に作動さすよう付勢するバネを、握り部材の握り込みにより連繋機構を介し作動ロッドが引き抜き方向に動く作動で圧縮されるように組み付け、握り部材の握り込みの解放時に、このバネのバネ圧により握り部材が復元回動または復元移動するようにしたことを特徴とする請求項1記載のシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項10】
吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプのピストンに連繋する作動ロッドに、ピストンを引き出す方向に作動さすよう付勢するバネを、作動ロッドが、握り部材の握り込みにより連繋機構を介し押し込み方向に動く作動で圧縮されるように組み付け、握り部材の握り込みの解放時に該バネの圧縮されたバネ圧により握り部材が復元回動または復元移動するようにしたことを特徴とする請求項1記載のシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項11】
吐出筒に付設するシリンダとこれに出入自在に嵌合するピストンとからなるポンプを、吐出筒内に同軸状に配位し、そのポンプのシリンダと吐出筒の内周面との間に液材料の流路を形成して、シリンダを吐出筒内に組み付け、そのポンプの吸引・吐出口を、ノズルの内部の空間に対し開口し、ピストンに連繋する作動ロッドを、握り部材に対し、該握り部材の握り込みによる回動と復元回動によりピストンに吸引及び吐出の作動を行わすよう、吐出筒の外周側に配設せる連繋機構を介し連繋し、ピストンには、シリンダに対する出入動作により前記液材料の流路と導入管との連通を断・接する弁機構を組み込み、該弁機構により導入管と吐出筒の先端側との連通を断・接制御せしめることを特徴とする請求項1記載のシーラガンにおける液だれ防止装置。
【請求項12】
吐出筒の先端側のノズルの先端に形成する先端開口の口径d1を、ノズルの内径より小径となる口径に形設し、かつ、その先端開口の口径d1がノズル内腔に開口せしめるポンプの吸引・吐出口の口径d2に対し、d1≦d2の関係となるようノズルの先端開口の口径d1を形設することを特徴とする請求項1または請求項2記載のシーラガンにおける液だれ防止装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2011−189236(P2011−189236A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55494(P2010−55494)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000146179)エムテックスマツムラ株式会社 (17)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000146179)エムテックスマツムラ株式会社 (17)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】
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