説明

シールド電線付きコネクタ端子

【課題】コネクタ端子(端子本体)をコネクタハウジングに取り付けた際の、コネクタハウジングの弾性係止片とコネクタ端子との係合状態の不用意な解除に対する防止を簡素な構造で実現することができるシールド電線付きコネクタ端子を提供する。
【解決手段】圧着部材67の圧着部67aの縁部から延長するように一体形成され且つ端子本体43aがコネクタハウジング45に取り付けられた際にコネクタハウジング45に設けられた弾性係止片45aに近接又は接触するように位置する係止片抑え部71が、弾性係止片45aの係合解除方向への動作を規制する。即ち、端子本体43aの構成部品である圧着部材67に係止片抑え部71を一体形成するだけの簡素な構造により、弾性係止片45aの係合解除方向への動作の規制を行うことになり、例えばコネクタハウジング45側に、この規制を行うための部品を別途設ける必要がなくなり、コネクタハウジング45の構造を含めて全体的な構造を簡素化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相手方端子の接続に使用されるシールド電線付きコネクタ端子に関し、特に、コネクタ端子をコネクタハウジングに取り付けた際に、コネクタハウジングの弾性係止片によるコネクタ端子の係合状態の不用意な解除を防止することのできるシールド電線付きコネクタ端子に関する。
【背景技術】
【0002】
図7〜図10は、シールド電線の一種である同軸ケーブル1を相手方端子(不図示)にコネクタ接続するためにこの同軸ケーブル1の一端部に接続されたコネクタ端子(端子本体)3と、このコネクタ端子3を収容保持するためのコネクタハウジング5と、による端子係止構造を有した従来例を示している。
なお、ここに示したコネクタ端子3及びコネクタハウジング5は、特許文献1に開示された構成のものであり、またコネクタ端子3は同軸ケーブル1の端部に接続される所謂プラグ型端子である。
【0003】
同軸ケーブル1は、図7に示すように、内部導体である中心導体(芯線)11と、この中心導体11の外周面を包囲しながらこの中心導体11の長手方向に延長する絶縁物(内部被覆)13と、シールド部材としてこの絶縁物13の外周面を包囲しながらその長手方向に延長する外部導体15と、この外部導体15の外周面を包囲しながらその長手方向に延長する絶縁外皮(外部被覆)17と、を備えて構成されている。そして、その長手方向の一端部(先端部)において、中心導体11、絶縁物13、外部導体15、及び絶縁外皮17のそれぞれの一端部が露出されている。
【0004】
即ち、コネクタ端子3に取り付けられる同軸ケーブル1の一端部は、コネクタ端子3に取り付けられる前に、予め、絶縁外皮17の先端から所定の長さL1だけ外部導体15が露出されるように部分的に切除され、この外部導体15の先端から絶縁物13が所定の長さL2だけ露出されるように部分的に切除され、この絶縁物13の先端から中心導体11が所定の長さL3だけ露出されるように部分的に切除されて、同軸ケーブル1の長手方向の一端部において、中心導体11、絶縁物13、及び外部導体15それぞれが露出されることになる。
【0005】
また、この従来例の端子係止構造では、図9及び図10に示すように、コネクタ端子3がコネクタハウジング5に装着されると、このコネクタハウジング5に設けられた弾性係止片(ランス)31aとの係合によりコネクタハウジング5から抜け止めされると共に、ハウジング本体31に可動に組み付けられるリテーナ33によりこの弾性係止片31aの係合解除方向への移動を規制する二重係止が実現されている。
【0006】
そして、図7に示すように、このコネクタ端子3は、同軸ケーブル1の一端部で中心導体11に圧着接続により電気的に接続された、相手方端子に中心導体11を電気的に接続するための導電性金属製の中心導体導通端子(芯線導通端子:一般的に「中心コンタクト」と呼ばれる。)21と、この中心導体導通端子21が中心導体11に電気的に接続した状態でこの中心導体11と伴に貫通し且つ係止される貫通孔25aが形成された絶縁部材(例えば、ポリエチレン等による発泡誘電体)25と、同軸ケーブル1の一端部で外部導体15と絶縁物13との間に配置される第1の円筒部23aを一端部に有し、その絶縁部材25に外嵌し且つ中心導体導通端子21の周囲を包囲しながら中心導体導通端子21を、その絶縁部材25を介して支持する第2の円筒部23bを他端部に有し、且つ外部導体15に電気的に接続する導電性金属製のシールド端子23と、導体加締片27aを有して、この導体加締片27aにより同軸ケーブル1の一端部におけるその第1の円筒部23aが介在する部分の外部導体15を加締めることにより、外部導体15を第1の円筒部23aに圧着接続する圧着部材27と、を備えている。また、シールド端子23の第1の円筒部23aと第2の円筒部23bとの間には、圧着部材27が取り付けられるための開放部23cが上部に設けられていると共に、前述の弾性係止片31aに係合するための係合凹部23dがシールド端子23の下部に設けられている(図9参照)。
なお、前述の第1の円筒部23aの介在により、圧着部材27の導体加締片27aの加締めの際、絶縁物13の変形が防止されることになり、また絶縁部材25により、シールド端子23の内部に挿入された中心導体導通端子21とシールド端子23との間に所定の誘電率が確保されることになる。
【0007】
圧着部材27は、導体加締片27aの後方(図中右方)に同軸ケーブル1の絶縁外皮17に加締める外皮加締片27bが連設され、また、導体加締片27aの前方(図中左方)には、シールド端子23の開放部23cを覆ってシールド端子23の遮蔽性能を高める遮蔽部27cが設けられている。
【0008】
以上の構成を有する従来のコネクタ端子3は、端部処理された同軸ケーブル1の一端部の中心導体11に中心導体導通端子21を圧着(導通)接続した後、この同軸ケーブル1の一端部に接続されている中心導体導通端子21をシールド端子23の内部に挿通させ、予めシールド端子23の第2の円筒部23b内に位置決めされている絶縁部材25の内部に中心導体導通端子21を貫通させた組立状態にすると同時に、シールド端子23の第1の円筒部23aを同軸ケーブル1の一端部に露出している外部導体15の内側に潜り込ませて外部導体15と絶縁物13との間に配置する。
【0009】
そして、この状態で、同軸ケーブル1の一端部で露出されている外部導体15に圧着部材27の導体導体加締片27aを、この一端部で露出されている絶縁外皮17に圧着部27の外皮加締片27bをそれぞれ加締めることにより、図8に示すように同軸ケーブル1の先端にコネクタ端子3が固定されることになる。そして、図8に示すように同軸ケーブル1の先端に固定されたコネクタ端子3を、コネクタハウジング5に取り付ける。
【0010】
ここで、このコネクタ端子3をコネクタハウジング5に取り付ける際には、予めコネクタハウジング5は、図9に示すように、ハウジング本体31に可動に組み付けられるリテーナ33を、下方に押し下げたロック解除状態にしておく。このロック解除状態では、リテーナ33に装備されているランス抑え部33aは、弾性係止片31aの外側面から下方に所定の距離を有して離間配置されており、このため、コネクタ端子3の挿入を受け入れる際の弾性係止片31aの弾性変位挙動が可能になっている。
【0011】
そして、リテーナ33をロック解除状態にしたハウジング本体31の端子収容室35に、同軸ケーブル1が接続されているコネクタ端子3を取り付けて、係合凹部23dに弾性係止片31aが係合した後、図10に示すように、リテーナ33をハウジング本体31の内方に押し込んで、ロック状態にする。
【0012】
このロック状態では、図10に示すように、リテーナ33のランス抑え部33aが弾性係止片31aの外側面に近接又は接触し、係合用凹部23dと弾性係止片31aとの係合時における、例えば同軸ケーブル1に作用する張力等による、弾性係止片31aの外方への弾性変位を規制することにより、弾性係止片31aのコネクタ端子3との係合状態の不用意な解除を防止している。即ち、弾性係止片31aとランス抑え部33aとにより二重係止状態を実現している。なお、この二重係止状態を実現する構造を、説明の便宜のため、以下「二重係止構造」とも言う。
即ち、このように二重係止構造にすることで、例えばコネクタ端子3から弾性係止片31aに一定以上の応力が作用しても、弾性係止片31aにおいて係合を解除する弾性変位が発生することを防止して、不用意なコネクタ端子3の脱落を防止することができる。
【0013】
【特許文献1】特開2003−297493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、前述した従来のコネクタ端子3の場合、コネクタハウジング5に対する抜け止めするための二重係止構造を実現するには、この実現のための専用部品となるリテーナ33を、コネクタハウジング5に組み込んでおかなければならず、コネクタハウジング5側における構成部品の増加や、コネクタハウジング5の構造の複雑化を招くという問題があり、改善の余地があった。
【0015】
さらに、従来のコネクタ端子3において使用されている圧着部材27は、同軸ケーブル1の一端側に露出されている外部導体15に縦添え状態、即ち仮に支えておいた上で、導体加締片27a,外皮加締片27bを加締めるので、導体用加締片27a又は外皮用加締め爪27bの加締めを完了する前にその支えが外れる(崩れる)と、脱落してしまい作業の遅延を招くおそれがあり、作業の非効率化につながっていた。
【0016】
また、従来のコネクタ端子3は、図10に示したようにコネクタハウジング5に取り付けた状態にするには、予め図8に示したように同軸ケーブル1にコネクタ端子3を組み付けた状態に完成させた後、更に、図9及び図10に示すように、コネクタハウジング5への組み付け作業を行わなければならず、図10に示す最終形態を得るまでに、多数の組み立て工程が必要となり、生産性の向上が難しいという問題が生じていた。
【0017】
本発明は、前述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、コネクタ端子(端子本体)をコネクタハウジングに取り付けた際の、コネクタハウジングの弾性係止片とコネクタ端子との係合状態の不用意な解除に対する防止を簡素な構造で実現することができるシールド電線付きコネクタ端子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の前述した目的は、下記の構成により達成される。
(1) 内部導体である芯線と、当該芯線の外周面を包囲しながら当該芯線の長手方向に延長する内部被覆と、当該内部被覆の外周面を包囲しながら前記長手方向に延長するシールド部材と、当該シールド部材の外周面を包囲しながら前記長手方向に延長する外部被覆と、を備え、且つ前記長手方向の一端部において、前記芯線、前記内部被覆、及び前記シールド部材それぞれの一端部が露出されたシールド電線と、
当該シールド電線の前記一端部に結合され、且つ弾性係止片を有したコネクタハウジングに取り付けられる際、当該弾性係止片との係合により当該コネクタハウジングから抜け止めされる端子本体と、
を備えたシールド電線付きコネクタ端子であって、
前記端子本体は、
前記シールド電線の前記一端部で前記芯線に電気的に接続された、相手方端子に前記芯線を電気的に接続するための導電性金属製の芯線導通端子と、
当該芯線導通端子が前記芯線に電気的に接続した状態で当該芯線と伴に貫通し且つ係止される貫通孔が形成された絶縁部材と、
前記シールド電線の前記一端部で前記シールド部材と前記内部被覆との間に配置される第1の円筒部を一端部に有し、前記絶縁部材に外嵌し且つ前記芯線導通端子の周囲を包囲しながら当該芯線導通端子を、前記絶縁部材を介して支持する第2の円筒部を他端部に有し、且つ前記シールド部材に電気的に接続される導電性金属製のシールド端子と、
圧着部材と、
を有し、そして
前記圧着部材が、前記シールド電線の前記一端部における前記第1の円筒部が介在する部分の前記シールド部材を加締めることにより前記シールド部材を前記第1の円筒部に圧着接続する圧着部と、
前記圧着部の縁部から延長するように一体形成され、且つ前記端子本体が前記コネクタハウジングに取り付けられた際に前記弾性係止片に近接又は接触するように位置する係止片抑え部と、
を有し、
前記係止片抑え部により前記弾性係止片の係合解除方向への動作が規制される
ことを特徴とするシールド電線付きコネクタ端子。
(2) 前記圧着部は、前記シールド電線の前記一端部における前記第1の円筒部が介在する部分の前記シールド部材を加締める前の状態で、前記シールド電線の前記外部被覆を周方向にわたって包囲し得るように略中空円筒状に形成されている
ことを特徴とする上記(1)のシールド電線付きコネクタ端子。
(3) 前記係止片抑え部は、略中空円筒状に形成されており、前記圧着部に略同心となるように配置されている
ことを特徴とする上記(2)のシールド電線付きコネクタ端子。
(4) 内部導体である芯線と、当該芯線の外周面を包囲しながら当該芯線の長手方向に延長する内部被覆と、当該内部被覆の外周面を包囲しながら前記長手方向に延長するシールド部材と、当該シールド部材の外周面を包囲しながら前記長手方向に延長する外部被覆と、を備え、且つ前記長手方向の一端部において、前記芯線、前記内部被覆、及び前記シールド部材それぞれの一端部が露出されたシールド電線を用意するシールド電線用意工程と、
前記シールド電線の前記一端部で前記芯線に電気的に接続された、相手方端子に前記芯線を電気的に接続するための導電性金属製の芯線導通端子と、
当該芯線導通端子が前記芯線に電気的に接続した状態で当該芯線と伴に貫通し且つ係止される貫通孔が形成された絶縁部材と、
前記シールド電線の前記一端部で前記シールド部材と前記内部被覆との間に配置される第1の円筒部を一端部に有し、前記絶縁部材に外嵌し且つ前記芯線導通端子の周囲を包囲しながら当該芯線導通端子を、前記絶縁部材を介して支持する第2の円筒部を他端部に有し、且つ前記シールド部材に電気的に接続されるための導電性金属製のシールド端子と、
前記シールド電線の前記一端部における前記第1の円筒部が介在する部分の前記シールド部材を加締めることにより前記シールド部材を前記第1の円筒部に圧着接続する圧着部と、前記圧着部の縁部から延長するように一体形成され、且つ前記端子本体が前記コネクタハウジングに取り付けられた際に前記弾性係止片に近接又は接触するように位置する係止片抑え部と、を有した圧着部材と、
を有した端子本体を用意する端子本体用意工程と、
前記シールド電線の前記一端部で露出された前記芯線に前記芯線導通端子を導通接続する芯線導通端子接続工程と、
前記絶縁部材が装着された前記シールド端子が前記コネクタハウジングの前記弾性係止片に係合保持されるように、当該シールド端子を当該コネクタハウジングに組み込むコネクタハウジング組込工程と、
前記圧着部材を前記シールド電線に装着したまま、当該圧着部材を、前記シールド部材の前記一端部に位置する露出部よりも離れた位置に退避した状態で、前記芯線導通端子接続工程により前記シールド電線の前記一端部に接続された前記芯線導通端子を、前記コネクタハウジング組込工程により前記コネクタハウジングに組み込まれている前記シールド端子の内部に挿入する芯線導通端子挿入工程と、
当該芯線導通端子挿入工程後に、前記圧着部材の前記圧着部を前記シールド電線の一端部の圧着接続の予定位置に移動させることにより、前記係止片抑え部を前記弾性係止片に近接又は接触するように位置する状態にし、そして前記圧着部を前記シールド電線に加締めることで、前記シールド電線の一端部に前記シールド端子と前記シールド部材とが圧着接続された組立状態にする電線付きコネクタ端子組立工程と、
を備える
ことを特徴とするシールド電線付きコネクタ端子の組立方法。
【0019】
上記(1)の構成によれば、圧着部材の圧着部の縁部から一体的に延出形成され且つ端子本体がコネクタハウジングに取り付けられた際に弾性係止片に近接又は接触するように位置する係止片抑え部が、弾性係止片の係合解除方向への動作を規制することになる。即ち、端子本体の構成部品である圧着部材に係止片抑え部を一体形成するだけの簡素な構造で、弾性係止片の係合解除方向への動作の規制を行うことが可能になり、例えばコネクタハウジング側に、この規制を行うための部品を別途設ける必要がなくなり、コネクタハウジングの構造を含めて全体的な構造を簡素化することができる。したがって、信頼性の高いシールド電線のコネクタ接続を少ない部品構成で実現することができ、構成部品の削減によるコストの低減を図ることができる。
上記(2)の構成によれば、圧着部材の圧着部は、シールド電線の一端部における第1の円筒部が介在する部分のシールド部材を加締める前の状態で、シールド電線の外部被覆を周方向にわたって包囲し得るように略中空円筒状に形成されているため、組立時においても、この圧着部材を予めシールド電線に被冠装着しておくことができる。このため、シールド電線の縦添えする従来のものと比較して、組立作業中に支えが外れて圧着部材が脱落するおそれがなくなり、部品の脱落防止により、組み立て作業を円滑化、作業性の向上を図り、生産性を高めることができる。
上記(3)の構成によれば、圧着部の圧着部と同様に、係止片抑え部が略中空円筒状に形成されており、圧着部に略同心となるように配置されているので、コネクタハウジングに設けられた弾性係止片の位置を気にすることなく、コネクタハウジングに端子本体を取り付けることができ、使い勝手を高めることができる。
上記(4)の構成によれば、コネクタハウジングに組み込む前に端子本体の組立を完了させる必要がなくなり、即ちコネクタ接続と端子本体の組立とを略同時に行うことができて、シールド電線の一端部に接続した端子本体がコネクタハウジングに装着される状態までを、少ない組み立て工程数で実現できるため、生産性を向上させることができ、加えて組立コストの低減により製造コストを低減させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、コネクタ端子(端子本体)をコネクタハウジングに取り付けた際の、コネクタハウジングの弾性係止片とコネクタ端子との係合状態の不用意な解除に対する防止を簡素な構造で実現することができるシールド電線付きコネクタ端子を提供することができる。
【0021】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係るシールド電線付きコネクタ端子(以下、単にコネクタ端子ともいう)の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、本実施形態のシールド電線としては、芯線である中心導体が、内部被覆である絶縁物により被覆され、さらにこの絶縁物が、編組である外部導体(即ち、シールド部材)により覆われ、さらに外部導体が、外部からの衝撃などから内部を保護する絶縁外皮(即ち、外部被覆)により被覆された構造を有した同軸ケーブルを採用している。
【0023】
ここで、図1は本発明に係る一実施形態のシールド電線付きコネクタ端子のシールド端子が装着されたコネクタハウジングと、このシールド電線の内部に挿入される芯線導通端子が装着されたシールド電線との分解斜視図である。図2は図1に示した本発明に係る一実施形態のコネクタ端子のシールド端子が装着されたコネクタハウジングと、このコネクタハウジングに挿入される圧着部材との組立前の状態の縦断面図である。図3は図1のコネクタハウジングに保持されたシールド端子に、シールド電線の端部に接続されている芯線導通端子が挿通された状態を示す斜視図である。図4は図3に示した組立状態を示す縦断面図である。図5は図3に示した状態から圧着部材の先端部をコネクタハウジング内に移動させて、圧着部材を圧着処理した状態の斜視図である。図6は図5に示した組立状態の縦断面図である。
【0024】
本実施形態に係るコネクタ端子43の端子本体43aは、シールド電線の一種である同軸ケーブル1を相手方端子に接続するために、この同軸ケーブル1の先端に接続されるプラグ型端子(雄型コネクタ)として構成されている。
【0025】
同軸ケーブル1は、図7に示したものと略同一構造で良く、図1に示すように内部導体である中心導体(芯線)11と、この中心導体11の外周面を包囲しながらこの中心導体11の長手方向に延長する絶縁物(内部被覆)13と、シールド部材としてこの絶縁物13の外周面を包囲しながらその長手方向に延長する編組の外部導体15と、この外部導体15の外周面を包囲しながらその長手方向に延長する絶縁外皮(外部被覆)17と、を備えて構成されている。そして、その長手方向の一端部において、中心導体11、絶縁物13、外部導体15、及び絶縁外皮17それぞれの一端部が露出されている。
【0026】
即ち、端子本体43aに取り付けられる同軸ケーブル1の一端部は、この端子本体43aに取り付けられる前に、予め、絶縁外皮17の先端から所定の長さL1だけ外部導体15が露出されるように部分的に切除され、この外部導体15の先端から絶縁物13が所定の長さL2だけ露出されるように部分的に切除され、この絶縁物13の先端から中心導体11が所定の長さL3だけ露出されるように部分的に切除されて、同軸ケーブル1の長手方向の一端部において、中心導体11、絶縁物13、及び外部導体15それぞれが露出されることになる。
【0027】
この端子本体43aは、図6に示すように、同軸ケーブル1の一端部に結合され、コネクタハウジング45に取り付けられる際、このコネクタハウジング45に設けられた弾性係止片(ランス)45aとの係合によりコネクタハウジング45から抜け止めされると共に、後述する圧着部材67の係止片抑え部71によりこの弾性係止片45aの係合解除方向への移動を規制する二重係止を実現している。
【0028】
端子本体43aは、図4及び図6に示すように、同軸ケーブル1の一端部で中心導体11に圧着接続により電気的に接続された、相手方端子に中心導体11を電気的に接続するための中心導体導通端子(芯線導通端子:一般的に「中心コンタクト」と呼ばれる。)61と、図2等に示すように、この中心導体導通端子61が中心導体11に電気的に接続した状態でこの中心導体11と伴に貫通し且つ係止される貫通孔65aが形成された絶縁部材(例えば、ポリエチレン等による発泡誘電体)65と、同軸ケーブル1の一端部で外部導体15と絶縁物13との間に配置される第1の円筒部63aを一端部(図中左部)に有し、その絶縁部材65に外嵌し且つ中心導体導通端子61の周囲を包囲しながら中心導体導通端子61を、その絶縁部材25を介して支持する第2の円筒部63bを他端部(図中右部)に有し、且つ外部導体15に電気的に接続する導電性金属製のシールド端子63と、同軸ケーブル1の一端部におけるこの第1の円筒部63aが介在する部分の外部導体15を加締めることにより、外部導体15を第1の円筒部63aに圧着接続するための圧着部67aを有した金属材料製の圧着部材67と、を有している。
【0029】
ここで、前述の第1の円筒部63aの介在により、圧着部材67bの圧着部67aの加締めの際、絶縁物13の変形が防止されると共に、第1の円筒部63aの外周面には溝が周方向にわたって複数形成されており圧着接続時の外部導体15の圧着性能を高めている。また、絶縁部材65により、シールド端子63の内部に挿入された中心導体導通端子61とシールド端子63との間に所定の誘電率が確保されることになる。
【0030】
また、圧着部67aは、同軸ケーブル1の一端部における第1の円筒部63aが介在する部分の外部導体15を加締める前の状態で、同軸ケーブル1の絶縁外皮17を周方向にわたって包囲し得るように略中空円筒状(所謂、スリーブ状)に形成されると共に同軸ケーブル1に被冠装着されている。また、圧着部67aが、同軸ケーブル1の一端部で露出された外部導体15に位置された状態で、例えば加締め加工等により潰されることにより、その内側に位置している外部導体15が縮径方向に押圧されて、外部導体15が第1の円筒部63aに密着された圧着接続状態が実現されることになる。
【0031】
さらに、本実施形態の場合、端子本体43aがコネクタハウジング45に取り付けられた際に前述の弾性係止片45aに近接又は接触するように位置する係止片抑え部71が、圧着部材67の圧着部67aの縁部(図中右部)から延長して、同軸ケーブル1の長手方向に沿ってコネクタハウジング45の内部に向かうように、一体形成される。これにより、弾性係止片45aの係合解除方向(外径方向)への動きを規制する二重係止構造を実現している。
【0032】
そして、係止片抑え部71は、略中空円筒状に形成されており、圧着部67aに略同心となるように配置されており、コネクタハウジング45の弾性係止片45aの外周囲に円筒状に形成された抑え部挿入溝45bに挿入されることにより、弾性係止片45aの外周を略密着状態で包囲して、弾性係止片45aの係合解除方向への変位を規制することになる。
【0033】
このように圧着部材67の一端部(図中右部)に係止片抑え部71が一体形成された略中空筒構造体の圧着部材67は、例えば、係止片抑え部71と略同径の金属性中空円筒体を絞り成形することで容易に成形することができる。
【0034】
次に、図6に示した組立状態を得るまでの組立方法について説明する。
まず、前述した、一端部において、中心導体11、絶縁物13、及び外部導体15のそれぞれが露出された同軸ケーブル1を用意する(シールド電線用意工程)と共に、前述した、中心導体導通端子61、絶縁部材65、シールド端子63、及び圧着部材67を有した端子本体43aを用意する(端子本体用意工程)。
【0035】
そして、同軸ケーブル1の一端部で露出された中心導体11に中心導体導通端子61を導通接続する中心導体導通端子接続工程(芯線導通端子接続工程)を実施して、図1に示すように、中心導体導通端子61が一端に接続された同軸ケーブル1を製造する。なお、このとき、圧着部材67は、同軸ケーブル1の一端部に位置する露出部から退避された状態で、同軸ケーブル1に被冠装着されている。
【0036】
一方、絶縁部材65が装着されたシールド端子63をコネクタハウジング45の内部に挿入して(組み込んで)、コネクタハウジング45の弾性係止片45aに係合保持させるコネクタハウジング組込工程を実施して、図1及び図2に示したように、シールド端子63及び絶縁部材65の組み込みを完了させたコネクタハウジング45を用意する。
なお、この挿入時において、シールド端子63の第1の円筒部63aを外部導体15と絶縁物13との間に配置する。
【0037】
次に、図3及び図4に示すように、圧着部材67を同軸ケーブル1の被冠装着したまま、前述した通り圧着部材67を同軸ケーブル1の一端部に位置する露出部よりも離れた位置に退避した状態で、前述の中心導体導通端子接続工程により同軸ケーブル1の一端部に接続された中心導体導通端子61を、前述のコネクタハウジング組込工程によりコネクタハウジング45に組み込まれているシールド端子63の内部に挿入する中心導体導通端子挿入工程を実施する。
【0038】
そして、図5及び図6に示すように、圧着部材67の圧着部67aを同軸ケーブル1の一端部の圧着接続の予定位置(即ち、露出させた外部導体15の外周囲)に移動させることにより、圧着部材67の一端部において一体形成されている係止片抑え部71をコネクタハウジング45内の抑え部挿入溝45bに挿入して弾性係止片45aに近接又は接触するように位置する状態にし、さらに圧着部材67の圧着部67aを所定の工具等を使って外部導体15に加締める。これにより、同軸ケーブル1の一端部にシールド端子63と外部導体15とが圧着固定されたコネクタ端子43としての組立状態が得られる。加えて、図6に示すように、係止片抑え部71がコネクタハウジング45の弾性係止片45aの外周囲を包囲して、この弾性係止片45aによるシールド端子63への係合を解除する方向(径方向外方)の挙動が拘束される二重係止構造が得られるため、コネクタハウジング45へのコネクタ端子43への二重係止構造による装着も完了することになる。
【0039】
以上説明したとおり、本実施形態によれば、圧着部材67の圧着部67aの縁部から一体的に延出形成され且つ端子本体43aがコネクタハウジング45に取り付けられた際に弾性係止片45aに近接又は接触するように位置する係止片抑え部71が、弾性係止片45aの係合解除方向への動作を規制することになる。
即ち、端子本体43aの構成部品である圧着部材67に係止片抑え部71を一体形成するだけの簡素な構造で、弾性係止片45aの係合解除方向への動作の規制を行うことが可能になり、例えばコネクタハウジング45側に、この規制を行うための部品を別途設ける必要がなくなり、コネクタハウジング45の構造を含めて全体的な構造を簡素化することができる。したがって、信頼性の高い同軸ケーブル1のコネクタ接続を少ない部品構成で実現することができ、構成部品の削減によるコストの低減を図ることができる。
【0040】
さらに、本実施形態によれば、圧着部材67の圧着部67aは、同軸ケーブル1の一端部における第1の円筒部63aが介在する部分の外部導体15を加締める前の状態で、同軸ケーブル1の外部被覆17を周方向にわたって包囲し得るように略中空円筒状に形成されているため、組立時においても、この圧着部材67を予め同軸ケーブル1に被冠装着しておくことができる。このため、同軸ケーブル1の縦添えする従来のものと比較して、組立作業中に支えが外れて圧着部材67が脱落するおそれがなくなり、部品の脱落防止により、組み立て作業を円滑化、作業性の向上を図り、生産性を高めることができる。加えて、圧着部67の圧着部67aと同様に、係止片抑え部71が略中空円筒状に形成されており、圧着部67aに略同心となるように配置されているので、コネクタハウジング45に設けられた弾性係止片45aの位置を気にすることなく、コネクタハウジング45に端子本体43aを取り付けることができ、使い勝手を高めることができる。
また、圧着部67aと係止片抑え部71とを一体化した部品、即ち圧着部材67は、金属性中空円筒体の絞り成形等により、容易に量産することができ、量産による部品コストの削減を図ることもできる。
【0041】
更に、本実施形態の組立方法によれば、コネクタハウジング45に組み込む前に端子本体43aの組立を完了させる必要がなくなり、即ちコネクタ接続と端子本体45aの組立とを略同時に行うことができて、同軸ケーブル1の一端部に接続した端子本体43aがコネクタハウジング45に装着される状態までを、少ない組み立て工程数で実現できるため、生産性を向上させることができ、加えて組立コストの低減により製造コストを低減させることができる。
【0042】
なお、本発明に係るコネクタ端子によりコネクタ接続される電線は、前述した実施形態に示した同軸ケーブルに限るものではなく、例えば、中心導体の他にシールド用の外部導体を備える各種の同軸ケーブル1にも応用可能である。例えば、前述した実施形態では、その絶縁物と絶縁外皮とに介在する外部導体として編組を備えたものを説明したが、これに限らず、外部導体は、編組の外周にアルミニウム箔、銅箔、等といった金属箔を更に巻きつけたもの、或いは絶縁物の外周に巻きつけられたアルミニウム箔、銅箔、等といった金属箔を更に有するものであってもよい。また、同軸ケーブルは、編組の代わりにスパイラル状のシールド線を備えたものであってもよい。
【0043】
また、本発明に係るコネクタ端子は、前述の実施形態に示したプラグ型に限るものではなく、ジャック又はレセプタクル型のものにも適用することができる。
【0044】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る一実施形態のシールド電線付きコネクタ端子のシールド端子が装着されたコネクタハウジングと、このシールド電線の内部に挿入される芯線導通端子が装着されたシールド電線との分解斜視図である。
【図2】図1に示した本発明に係る一実施形態のコネクタ端子のシールド端子が装着されたコネクタハウジングと、このコネクタハウジングに挿入される圧着部材との組立前の状態の縦断面図である。
【図3】図1のコネクタハウジングに保持されたシールド端子に、シールド電線の端部に接続されている芯線導通端子が挿通された状態を示す斜視図である。
【図4】図3に示した組立状態を示す縦断面図である。
【図5】図3に示した状態から圧着部材の先端部をコネクタハウジング内に移動させて、圧着部材を圧着処理した状態の斜視図である。
【図6】図5に示した組立状態の縦断面図である。
【図7】従来のシールド電線付きコネクタ端子の構成を示す分解斜視図である。
【図8】図7に示したシールド電線付きコネクタ端子の組立状態の縦断面図である。
【図9】図8に示したコネクタ端子と、該コネクタ端子が装着されるコネクタハウジングとの構成を示す縦断面図である。
【図10】図9に示したコネクタハウジングとコネクタ端子との組立状態の縦断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 同軸ケーブル(シールド電線)
11 中心導体(芯線)
13 絶縁物(内部被覆)
15 外部導体(シールド部材)
17 絶縁外皮(外部被覆)
43 コネクタ端子(シールド電線付きコネクタ端子)
43a 端子本体
45 コネクタハウジング
45a 弾性係止片(ランス)
45b 抑え部挿入溝
61 中心導体導通端子(芯線導通端子)
63 シールド端子
63a 第1の円筒部
63b 第2の円筒部
65 絶縁部材
67 圧着部材
67a 圧着部
71 係止片抑え部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部導体である芯線と、当該芯線の外周面を包囲しながら当該芯線の長手方向に延長する内部被覆と、当該内部被覆の外周面を包囲しながら前記長手方向に延長するシールド部材と、当該シールド部材の外周面を包囲しながら前記長手方向に延長する外部被覆と、を備え、且つ前記長手方向の一端部において、前記芯線、前記内部被覆、及び前記シールド部材それぞれの一端部が露出されたシールド電線と、
当該シールド電線の前記一端部に結合され、且つ弾性係止片を有したコネクタハウジングに取り付けられる際、当該弾性係止片との係合により当該コネクタハウジングから抜け止めされる端子本体と、
を備えたシールド電線付きコネクタ端子であって、
前記端子本体は、
前記シールド電線の前記一端部で前記芯線に電気的に接続された、相手方端子に前記芯線を電気的に接続するための導電性金属製の芯線導通端子と、
当該芯線導通端子が前記芯線に電気的に接続した状態で当該芯線と伴に貫通し且つ係止される貫通孔が形成された絶縁部材と、
前記シールド電線の前記一端部で前記シールド部材と前記内部被覆との間に配置される第1の円筒部を一端部に有し、前記絶縁部材に外嵌し且つ前記芯線導通端子の周囲を包囲しながら当該芯線導通端子を、前記絶縁部材を介して支持する第2の円筒部を他端部に有し、且つ前記シールド部材に電気的に接続される導電性金属製のシールド端子と、
圧着部材と、
を有し、そして
前記圧着部材が、前記シールド電線の前記一端部における前記第1の円筒部が介在する部分の前記シールド部材を加締めることにより前記シールド部材を前記第1の円筒部に圧着接続する圧着部と、
前記圧着部の縁部から延長するように一体形成され、且つ前記端子本体が前記コネクタハウジングに取り付けられた際に前記弾性係止片に近接又は接触するように位置する係止片抑え部と、
を有し、
前記係止片抑え部により前記弾性係止片の係合解除方向への動作が規制される
ことを特徴とするシールド電線付きコネクタ端子。
【請求項2】
前記圧着部は、前記シールド電線の前記一端部における前記第1の円筒部が介在する部分の前記シールド部材を加締める前の状態で、前記シールド電線の前記外部被覆を周方向にわたって包囲し得るように略中空円筒状に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシールド電線付きコネクタ端子。
【請求項3】
前記係止片抑え部は、略中空円筒状に形成されており、前記圧着部に略同心となるように配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載のシールド電線付きコネクタ端子。
【請求項4】
内部導体である芯線と、当該芯線の外周面を包囲しながら当該芯線の長手方向に延長する内部被覆と、当該内部被覆の外周面を包囲しながら前記長手方向に延長するシールド部材と、当該シールド部材の外周面を包囲しながら前記長手方向に延長する外部被覆と、を備え、且つ前記長手方向の一端部において、前記芯線、前記内部被覆、及び前記シールド部材それぞれの一端部が露出されたシールド電線を用意するシールド電線用意工程と、
前記シールド電線の前記一端部で前記芯線に電気的に接続された、相手方端子に前記芯線を電気的に接続するための導電性金属製の芯線導通端子と、
当該芯線導通端子が前記芯線に電気的に接続した状態で当該芯線と伴に貫通し且つ係止される貫通孔が形成された絶縁部材と、
前記シールド電線の前記一端部で前記シールド部材と前記内部被覆との間に配置される第1の円筒部を一端部に有し、前記絶縁部材に外嵌し且つ前記芯線導通端子の周囲を包囲しながら当該芯線導通端子を、前記絶縁部材を介して支持する第2の円筒部を他端部に有し、且つ前記シールド部材に電気的に接続されるための導電性金属製のシールド端子と、
前記シールド電線の前記一端部における前記第1の円筒部が介在する部分の前記シールド部材を加締めることにより前記シールド部材を前記第1の円筒部に圧着接続する圧着部と、前記圧着部の縁部から延長するように一体形成され、且つ前記端子本体が前記コネクタハウジングに取り付けられた際に前記弾性係止片に近接又は接触するように位置する係止片抑え部と、を有した圧着部材と、
を有した端子本体を用意する端子本体用意工程と、
前記シールド電線の前記一端部で露出された前記芯線に前記芯線導通端子を導通接続する芯線導通端子接続工程と、
前記絶縁部材が装着された前記シールド端子が前記コネクタハウジングの前記弾性係止片に係合保持されるように、当該シールド端子を当該コネクタハウジングに組み込むコネクタハウジング組込工程と、
前記圧着部材を前記シールド電線に装着したまま、当該圧着部材を、前記シールド部材の前記一端部に位置する露出部よりも離れた位置に退避した状態で、前記芯線導通端子接続工程により前記シールド電線の前記一端部に接続された前記芯線導通端子を、前記コネクタハウジング組込工程により前記コネクタハウジングに組み込まれている前記シールド端子の内部に挿入する芯線導通端子挿入工程と、
当該芯線導通端子挿入工程後に、前記圧着部材の前記圧着部を前記シールド電線の一端部の圧着接続の予定位置に移動させることにより、前記係止片抑え部を前記弾性係止片に近接又は接触するように位置する状態にし、そして前記圧着部を前記シールド電線に加締めることで、前記シールド電線の一端部に前記シールド端子と前記シールド部材とが圧着接続された組立状態にする電線付きコネクタ端子組立工程と、
を備える
ことを特徴とするシールド電線付きコネクタ端子の組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−211811(P2009−211811A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50432(P2008−50432)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】