説明

シール材およびそれを用いたベンチレーター

【課題】送気に係る確実な遮断と、摺接音の低減を達成する。
【解決手段】吹出口に連通する空気ダクトの内部に開閉自在に設けられ、調温空気等の送出量を調整する板状ダンパ36の周縁部に沿設され、ダンパ全閉時に空気ダクト内面を流れる該温調空気を遮断するシール材12を、その25%圧縮応力が0.010〜0.070MPaの範囲にあり、その表面のスキン層14aと主体をなす発泡層14bとからなる発泡体14と、この発泡体14上に、エラストマとシリコーンオイルとから形成した所要厚さのシリコーンオイル滲出層16とから構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シール材およびそれを用いたベンチレーターに関し、更に詳細には、調温空気を車内に送出する空気ダクト内で、該調温空気の送出量を調整する板状ダンパに取り付けられて、該調温空気の好適な遮断をなし、かつダンパ作動時における摺接音を長期間に亘って低減するようにしたシール材およびそれを用いたベンチレーターに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車には、図3に示すような、乗員室内の空調を図るためのエアコンユニット(図示せず)からの調温空気を送出するベンチレーター30が搭載され、インストルメントパネル等の所要位置に設けた複数の吹出口32から乗員室内へ吹出されている。ここでベンチレーター30は、インストルメントパネルの裏側にエアコンユニット(図示せず)と各吹出口32とを連通接続する複数の空気ダクト34が配設されている。そして調温空気は、必要に応じて、空気ダクト34の内部に開閉自在に設けられた板状ダンパ36によって、その送出量が調整される構成となっている。また同様の構成が、下記の[特許文献1]の記載の発明「レジスタの操作機構」にも開示されている。
【特許文献1】特許第3597031号公報
【0003】
板状ダンパ36の周縁部には、図4に示す如く、全閉した際に空気ダクト内面34aとの間を密閉するためのシール材12が沿設されている。そしてこのシール材12が、板状ダンパ36の全閉時に空気ダクト内面34aに摺接して、板状ダンパ36とダクト内面34aとの間を密閉し、吹出口32に調温空気が漏れ出さないようにしている。このように調温空気の漏れをなくすために、シール材12の材質として柔軟性の高いポリウレタンフォーム等を好適に採用すると共に、空気ダクト内面34aに対する摺接面の平滑性を高めるようにされていた。
【0004】
しかしこのように空気ダクト内面34aに摺接するシール材12の平滑性が高いと、高い密閉性が確保される一方で、板状ダンパ36の開閉動作時に摺接に関わる異音(以下、摺接音と云う)が発生する問題があった。この問題を解決するため、(1)シール材12を板状ダンパ36と共にベンチレーター30に組み込んだ後に、摺接部にスプレーにより低摩擦物質であるシリコーンオイルをコーティングしたり、または(2)ベンチレーター30に組み込む前に、シール材12をシリコーンオイルにディッピング(つけ込み)することで、摺接音を低減していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし(1)の方法では、シール材12にシリコーンオイルを付与する際に飛散した該オイルを除去する等の後工程が必要であるため作業性が悪く、大量生産には向いていない。また双方とも人手による作業では、スプレーまたはディッピングといった作業を安定的に実施すること、すなわち多数のシール材12に対して常に一定量のシリコーンオイルを付与することが困難であり、その品質が不安定化する。具体的には、付与量が少な過ぎると、前述の摺接音が充分に低減されず、反対に多過ぎると、シール材12から垂れる等して空気ダクト内面34aを汚染してしまう。このように意図せず付着したシリコーンオイルは、埃を引きつけて異臭源となるカビ等の繁殖原因となったり、または空気ダクト34と他の部材との接続部に流れ込む等の問題が発生する。更にシリコーンオイルは、シール材12の表面に対して単に付与されているに過ぎないので、経年的に減量し、最終的には全く摺接音の低減をなし得なくなる問題が指摘される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
吹出口に連通する空気ダクトの内部に開閉自在に設けられ、調温空気等の送出量を調整する板状ダンパの周縁部に沿設され、ダンパ全閉時に空気ダクト内面を流れる該温調空気を遮断するシール材において、
その25%圧縮応力が0.010〜0.070MPaの範囲にあり、その表面のスキン層と主体をなす発泡層とからなる発泡体と、
前記発泡体上に、エラストマとシリコーンオイルとから形成した所要厚さのシリコーンオイル滲出層とから構成したことを要旨とする。
【0007】
従って、請求項1に係る発明によれば、シール材の基材としてスキン層を有すると共に、柔軟性の高い発泡体を採用し、更に該発泡体上に、シリコーンオイルを内添(含有)させることで徐々に該オイルを滲出させるようにしたシリコーンオイル滲出層が付与・形成されているので、シール材に求められる送気に係る確実な遮断と、摺接音の低減をなし得る。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記発泡層の密度は、200〜500kg/mの範囲にされていることを要旨とする。従って、請求項2に係る発明によれば、低密度により25%圧縮応力が好適に確保される。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、
前記シリコーンオイル滲出層の厚さは、1〜300μmの範囲にされていることを要旨とする。従って、請求項3に係る発明によれば、製造容易性と摺接音の低減との双方を好適に達成し得る。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載のシール材を用いたベンチレーターを構成することを要旨とする。従って、請求項4に係る発明によれば、送気に係る確実な遮断と、摺接音の長期的かつ充分な低減がなされて、商品性の高いベンチレーターが得られる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明した如く、本発明に係るシール材およびそれを用いたベンチレーターによれば、送気に係る確実な遮断と、摺接音の低減をなし得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に本発明に係るシール材およびそれを用いたベンチレーターにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお図3および図4に関して既出の部材等については、同じ符号を付すると共に、その詳細な説明は省略する。本願発明者は、シール材において調温空気の送出量を調整する板状ダンパに使用され、ダンパ全閉時に空気ダクト内と流れる調温空気を好適に遮断するために、その25%圧縮応力(25%CLD)が0.010〜0.070MPaの範囲にあり、スキン層を有する発泡体と、その上に所要厚さで形成したシリコーンオイル滲出層とから構成されたシール材を用いることで、好適な密着(シール)性と、その密着性故に発現する摺接音を大きく低減し得ることを知見したものである。なお以下の実施例では、本発明に係るシール材が好適に使用される車載用ベンチレーターを例として説明する。
【0013】
本発明の好適な実施例に係るベンチレーター30に使用されるシール材12は、図1および図2に示す如く、高い柔軟性により好適な密着性を発現する基材としての発泡体14と、この発泡体14上に付与・形成されるシリコーンオイル滲出層16とからなり(図2参照)、板状ダンパ36の周縁部に沿設されている(図1参照)。ここで発泡体14は、その主体をなす発泡層14bと、その表面に位置するスキン層14aとから構成されている。また発泡体14は、シール材12に必要とされる機能、すなわちダンパ全閉時に空気ダクト34内と流れる調温空気を好適に遮断するべく、板状ダンパ36と空気ダクト内面34aとの間を密閉する役割を担う。発泡体14には、この機能を充分に発揮するべく、シール材12が空気ダクト内面34aに摺接した際に容易に変形して追従し、更に接触部分の面積がより大きくなるようにされている。なおスキン層14aと、発泡層14bとの間の境界は実際には曖昧なものであるが、以下の記載および図2においては明確に区分されているとして説明・記載している。
【0014】
このような物性を達成するために、発泡体14の硬度は低く設定、具体的には25%圧縮応力が0.010〜0.070MPaの範囲とされる。この値が0.010MPa未満であると、柔軟性は高くなるがシール材としての充分な構造的強度が得られない。一方、0.070MPaを超えると、硬度が高くなって柔軟性が低下し、変形し難くなり良好な遮断性が発現されず、また空気ダクト内面34aとの間の摺接力が大きくなり、その作動に大きな力が必要となる。なおシール材12に充分な構造的強度がない場合、ベンチレーター30の使用や、板状ダンパ36に取り付けるに際してシール材12が破損してしまう。そして本発明においてこの数値は、発泡層14bの密度を200〜500kg/mの範囲とすることで好適に達成されている。なお後述([0015])の如く、スキン層14aはその厚さが薄いため発泡層14bの密度は、発泡体14の密度と略同等となっている。また本発明において、構造的強度は引張強度によって表され、その値が0.2MPa以上であれば充分であることを確認している。
【0015】
そして、板状ダンパ36全閉時に空気ダクト34内を流れる調温空気の遮断効果の多くは、シール材12の通気性に依存する。すなわち通気性が高ければシール材12を介して調温空気が流通してしまうので、遮断性は大きく損なわれる。そこで本発明には、スキン層14aをその表面に備えることで、通気性を殆ど皆無とした発泡体14をシール材12の基材として用いている。またこの観点から発泡層14bを構成する骨格構造としては、セルが開口していない独泡または半独泡構造が好ましい。なお好適な柔軟性を達成するため、発泡層14bの厚さは好ましくは1.0〜5.0mm程度の範囲とされている。この値がこの範囲外となると、シール材としての構造的強度が得られなくなったり、前述の25%圧縮応力等を達成した場合であっても、好適な柔軟性が達成されなくなったり、板状ダンパ36の作動に大きな力が必要となり操作の容易性が損なわれる。またスキン層14aの厚さは、数μmとなっている。
【0016】
このような密度およびセル径、更には所要の厚みとし得る発泡体14の材質としては、ウレタン系、シリコーン系またはアクリル酸エステル等の熱硬化・熱可塑のポリマーが好適である。また自動車等の寒暖差の大きな環境下で使用されるベンチレーター30での使用を考えた場合、温度依存性の小さな、例えばシリコーン系物質等の採用が好ましい。
【0017】
シリコーンオイル滲出層16は、シリコーンオイルを、例えば加熱硬化型のエラストマに所定割合内添(含有)させ、これに熱を加えて該エラストマを硬化させることで形成される。このような構成のシリコーンオイル滲出層16は、そのシリコーンオイルの全量揮発を防止し、時間の経過に拘わらず一定時間当たりに必要とされるシリコーンオイルを滲出させ続ける。エラストマは、シリコーンオイル滲出層16の外形を形成するものであり、例えばポリウレタンエラストマまたはシリコーンエラストマであって、常温下で液状であり、シリコーンオイルを容易に混合し得る物質が使用される。殊にエラストマとしてシリコーンエラストマを選択した場合、内添されるシリコーンオイルと同系物質であるため馴染みが良く、混合もより容易となって好適である。
【0018】
そしてシリコーンオイル滲出層16は、空気ダクト内面34aとの摺接時に発生する摺接音を低減する役割を担う。従って発泡体14において、少なくとも空気ダクト内面34aに対して摺接する部位に形成される。そしてシリコーンオイルとエラストマとは、重量比で8:2〜2:8の範囲で混合される。この範囲よりシリコーンオイルが少ないと、その滲出量が不充分となって摺接音が充分に低減されなくなる。一方、前記範囲よりシリコーンオイルが多いと、シリコーンオイル滲出層16がその形状を安定的に保持し得なくなったり、滲出量が多くなって粘着音が発生する等の問題を引き起こす。
【0019】
またシリコーンオイル滲出層16は、発泡体14上の全域に付与・形成されるが、より好適には所要のパターンをもって形成される。このパターンは、少なくとも空気ダクト内面34aと摺接する部位において均質であり、かつ該部位(発泡体14における表面を形成するスキン層14a)の20〜80%を覆うようにされる。この割合が20%未満であると、シリコーンオイル滲出量が摺接面積に対して少なくなって、摺接音を好適に低減できなくなる。一方80%を超えると、シリコーンオイル滲出量が摺接面積に対して多くなり、板状ダンパ36全閉時にシール材12が空気ダクト内面34aに密着してしまい、作動に必要とされる力が大きくなって操作性が悪化する。そしてシリコーンオイル滲出層16の厚さは、1〜300μm程度が好適である。この値が1μm未満であると、シール材12の摩擦係数を充分に低減できず摺接音が発生し、また300μmを越える場合、殊に500μmを超える場合には、板状ダンパ36の作動に伴ってシリコーンオイル滲出層16自体が変形して摩擦係数が増加したり、または損傷する問題や、加熱によるシリコーンオイル滲出層16のキュアに時間が掛かり、材料コストが増大する問題が指摘される。殊にキュア時間に関しては300μmを超えると、内部への熱の伝導が等比的に低下するため、500μmを超える場合には、厚さは300μmの2倍以下であるにも拘わらず、2倍以上の時間が必要となり、問題が大きく顕在化する。
【0020】
(製造方法の一例)
以下に、本実施例に係るベンチレーター30の製造方法の一例を説明する。本実施例に係るベンチレーター30は、以下の製造方法でシール材12を製造した後、これを例えば前後に2分割されている板状ダンパ36の2つの構成部材の間に狭持して、図4に係る構成とした後、これを空気ダクト34その他部材と組み合わせて製造される。
【0021】
そして実施例に係るシール材12の製造方法としては、前述の各種物性等を備える発泡体14を容易に製造すると共に、その厚さ制御が容易である機械的発泡法(メカニカルフロス法)が好適である。そして公知のメカニカルフロス法によるシート状物の製造方法と略同等であるため、詳細な説明を省略する。概略を説明すると、フィルムの如き移送媒体を使用し、ここに発泡体14の元である各原料に所要の造泡用気体を混合・調整された発泡原料を付与して所要厚さに制御し、これを加熱して長尺な発泡体14からなるシート状物とする。そして発泡体14上に予め準備したシリコーンオイルおよびエラストマを混合した液状物を、所要のパターンおよび厚さで付与・加熱してシリコーンオイル滲出層16を形成し、打ち抜き等の後加工で得るべきシール材12とする。またシリコーンオイル滲出層16を形成するシリコーンオイルおよびエラストマの混合液状物の付与は、好適にはスクリーンコータ等の使用によりなされる。
【0022】
(実験例)
以下に実施例に係るベンチーレーターを構成するシート材の物性等の変化させた場合の実験例を示す。なお本発明は、この実験例に限定されるものではない。
【0023】
(実験1) 発泡体と、調温空気の遮断性並びに構造的強度および操作性とについて
公知のメカニカルフロス法により、下記の各原料を使用した混合原料100体積部に対して、造泡用気体を80〜500体積部混合・攪拌し、シート化および加熱を施して表1に記載した密度(kg/m)および25%圧縮応力(MPa)となっている実施例1−1〜1−4並びに比較例1−1および1−2に係る発泡体からなるシール材を組み込んだシール材について、板状ダンパ全閉時の調温空気の遮断性(○:問題なし、×:問題あり)並びに板状ダンパを全閉状態から作動させる際のシール材の構造的強度(引張強度)(○:0.2MPa以上、問題なし、×:0.2MPa未満、問題あり)および操作性(作動性(○:問題なし、×:問題あり))を評価し、これらの結果を総合して製品としての総合評価(○:適、×:不適)を行なった、なお発泡体の厚さは2mmとして、スキン層は存在した状態とした。
【0024】
(発泡体の製造に関する各条件)
ポリオールとして汎用のポリエーテルポリオールを使用し、イソシアネートとして汎用のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を使用し、ここに金属系触媒およびシリコーン系整泡剤等の添加剤を使用して、更に造泡用気体としてドライエアー(窒素)を使用した。
【0025】
(測定・評価項目および測定・評価方法)
(1)密度:JIS K 6401(クッション用軟質ウレタンフォーム)に準拠して測定した。
(2)25%圧縮応力:JIS K 6254(加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−低変形における応力・ひずみ特性の求め方)に準拠し、5項(低変形圧縮試験)に基づいて測定した。
(3)構造的強度(引張強度):JIS K 6251(加硫ゴムの引張試験方法)に準拠して測定した。
(4)調温空気の遮断性並びにシール材の操作性については、実際の使用状態で評価した。
【表1】

【0026】
(実験1の結果)
前述した評価法等に従って得られた結果を表1に併記する。この結果から、本発明の数値範囲内にある発泡体を使用した場合、調温空気の遮断性並びに板状ダンパ作動時の構造的強度および操作性は良好であることが確認された。
【0027】
(実験2) シリコーンオイル滲出層と、操作性および摺接音とについて
実験1の実施例1−2に係る発泡体に対して、表2に記載した重量比(エラストマ:シリコーンオイル)、厚さ(μm)およびシリコーンオイル滲出層が発泡体表面を覆う割合(面積率(%))の条件でシリコーンオイル滲出層を形成した厚さ(μm)となっている実施例2−1〜2−4並びに比較例2−1および2−2に係るシール材を組み込んだシール材について、板状ダンパを全閉状態から作動させる際の操作性(作動性(○:問題なし、×:問題あり))および摺接音(◎:良好、○:問題なし、×問題あり)を評価し、これらの結果を総合して製品としての総合評価(○:適、×:不適)を行なった、なお実施例1−2を、表2に参考例として併記する。
【0028】
(シリコーンオイル滲出層の形成に関する各条件)
以下の原料を使用して、スクリーンコーターを使用して表2に記載した厚さとなるように発泡体上に付与した。
・エラストマ:商品名 TSE3033;ジーイー東芝シリコーン製
・シリコーンオイル:商品名 KF96(100,000cSt);信越化学工業製
(評価項目および方法)
(1)シール材の操作性および摺接音については、実際の使用状態で評価した。
【表2】

【0029】
(実験2の結果)
前述した評価法に従って得られた結果を表2に併記する。この結果から、本発明の数値範囲内にあるシリコーンオイル滲出層を使用した場合、板状ダンパ作動時の操作性は良好であり、かつ摺接音は充分に低減されることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の好適な実施例に係るシール材に使用される板状ダンパを示す概略斜視図である。
【図2】図1に係る板状ダンパの構造を示す拡大断面図である。
【図3】一般的なシール材全体の構造を示す概略断面図である。
【図4】図3のシール材の一部をなす板状ダンパを示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
12 シール材、14 発泡体、14a スキン層、14b 発泡層
16 シリコーンオイル滲出層、32 吹出口、34 空気ダクト
34a 空気ダクト内面、36 板状ダンパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吹出口(32)に連通する空気ダクト(34)の内部に開閉自在に設けられ、調温空気等の送出量を調整する板状ダンパ(36)の周縁部に沿設され、ダンパ全閉時に空気ダクト内面(34a)を流れる該温調空気を遮断するシール材(12)において、
その25%圧縮応力が0.010〜0.070MPaの範囲にあり、その表面のスキン層(14a)と主体をなす発泡層(14b)とからなる発泡体(14)と、
前記発泡体(14)上に、エラストマとシリコーンオイルとから形成した所要厚さのシリコーンオイル滲出層(16)とから構成した
ことを特徴とするシール材。
【請求項2】
前記発泡層(14b)の密度は、200〜500kg/mの範囲にされている請求項1記載のシール材。
【請求項3】
前記シリコーンオイル滲出層(16)の厚さは、1〜300μmの範囲にされている請求項1または2記載のシール材。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載のシール材を用いたベンチレーター。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−281943(P2006−281943A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−103514(P2005−103514)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【出願人】(593139123)株式会社ロジャースイノアック (13)
【出願人】(000229955)日本プラスト株式会社 (740)
【Fターム(参考)】