説明

シール材の塗布方法、塗布装置及び液晶ディスプレイ・パネル

【課題】シール材の塗布方法、塗布装置及び液晶ディスプレイ・パネルに関する。
【解決手段】当該方法は、光硬化型のシール材、又は光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなり、且つ光硬化型のシール材の含量が熱硬化型のシール材の含量よりも多い第1混合物である内シール材を配置するステップと、熱硬化型のシール材、又は光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなり、且つ光硬化型のシール材の含量が熱硬化型のシール材の含量以下の第2混合物である外シール材を配置するステップと、シール材塗布装置によって内シール材と外シール材を同時に基板表面の四周に塗布し、内シール材の一側を液晶に接近させ、他側を前記外シール材に貼り合わせるステップと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シール材の塗布方法、塗布装置及びディスプレイ・パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の進歩につれ、液晶ディスプレイは、小さくて薄く、設定スペースを大幅に節約できるなどのメリットで、次第に陰極線管ディスプレイの代わりに、テレビ及びコンピューター・ディスプレイなどの分野で主要製品になってきた。液晶ディスプレイ・パネルは液晶ディスプレイの主要な構成部分である。液晶ディスプレイ・パネルは、アレイ基板とカラー膜基板をセル化し、この二つの基板の間に液晶を注入して形成されるものである。アレイ基板とカラー膜基板との間の密封性を確保し、液晶分子と外部との接触を切断することにより、液晶ディスプレイ・パネルの信頼性を保証し、アレイ基板とカラー膜基板との間のセル厚を維持するために、通常はシール材(Sealant)によってアレイ基板とカラー膜基板のセル化を実現する。
【0003】
シール材の主要成分は樹脂であり、熱硬化型と光硬化型との二つ基本的なタイプがある。熱硬化型のシール材は、粘着力が強い一方、硬化するための所要時間が長い。それに対して、光硬化型のシール材は、粘着力が弱いが、硬化するための所要時間が短い。このような異なるタイプのシール材の異なる特徴により、普段、この2種のシール材を混合して使用し、即ち混合型のシール材を使用する。通常、混合型のシール材とは、攪拌によって熱硬化型と光硬化型を均一に分散して形成される混合物である。
【0004】
図1は従来の液晶ディスプレイ・パネル構造の概略図であり、図2は従来の液晶ディスプレイ・パネルの断面図である。液晶ディスプレイ100は、主に導電ペースト1と、シール材2と、液晶3と、アレイ基板4と、カラー基板5と、スペーサ6からなる。シール材2は、液晶ディスプレイ・パネルの四周に塗布され、液晶3の漏洩防止及びセル厚の維持に用いられる。図3は従来のシール材塗布装置における塗布ヘッド構造の概略図である。図3に示すように、従来のシール材塗布装置における塗布ヘッドには通路19が一つしか含まれず、当該塗布ヘッドで塗布されたシール材は依然として単一構成である。図面4はシール材を塗布した後の従来構造の断面図である。
【0005】
通常、サイズの大きい液晶ディスプレイ・パネルのセル化工程は、主に液晶の滴下工程と、シール材の塗布工程と、真空セル化工程と、紫外線硬化工程と、熱硬化工程などを備える。真空セル化する前、液晶とシール材はそれぞれアレイ基板とカラー膜基板に塗布され、紫外線硬化を行った後、液晶とシール材との距離は非常に接近している。通常、熱硬化前と熱硬化の過程において、液晶とシール材は相互に接触することがある。従来、シール材は単一構成であると共に、熱硬化型のシール材を採用する場合、硬化時間が長く、光硬化型のシール材を採用する場合、硬化時間が短いが、粘着力が弱いという問題点がある。混合型のシール材を採用する場合、シール材と液晶の汚染問題が依然として存在する。シール材が完全に硬化していない時に液晶と接触すると、両者は反応して不純物が生じる。これらの不純物により、液晶ディスプレイ・パネルが表示する時にブライトスポット、光漏れ、像の残留などの不良を発生する恐れがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例において、シール材の塗布方法が提出された。当該方法は、光硬化型のシール材、又は光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなり、且つ光硬化型のシール材の含量が熱硬化型のシール材の含量よりも多い第1混合物である内シール材を配置するステップと、熱硬化型のシール材、又は光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなり、且つ光硬化型のシール材の含量が熱硬化型のシール材の含量以下の第2混合物である外シール材を配置するステップと、シール材塗布装置によって前記内シール材と外シール材を同時に基板表面の四周に塗布し、前記内シール材の一側を液晶に接近させ、他側を前記外シール材に貼り合わせるステップと、を備える。
【0007】
本発明の実施例において、液晶ディスプレイ・パネルが更に提出された。当該液晶ディスプレイ・パネルは、アレイ基板と、カラー膜基板とを備え、前記アレイ基板とカラー膜基板はシール材によってセル化され、その間に液晶層がシールされる。前記シール材は内シール材と外シール材によって構成された一体式の構造である。前記内シール材は、一側が液晶に接近し、他側が前記外シール材に貼り合わせられる。前記内シール材は光硬化型のシール材、又は光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなり、且つ光硬化型のシール材の含量が熱硬化型のシール材の含量よりも多い第1混合物である。前記外シール材は熱硬化型のシール材、又は光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなり、且つ光硬化型のシール材の含量が熱硬化型のシール材の含量以下の第2混合物である。
【0008】
本発明の実施例において、シール材塗布装置が更に提出された。当該塗布装置は、内シール材の注入口と、外シール材の注入口と、内シール材を収容する第1通路と、外シール材を収容する第2通路と、シール材塗布口とを有する塗布ヘッドを備える。前記第1通路は前記内シール材の注入口に連通し、前記第2通路は前記外シール材の注入口に連結し、前記シール材塗布口は前記第1通路と第2通路の出口が前記塗布ヘッドの底部で合流することによって形成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】従来の液晶ディスプレイ・パネル構造の概略図である。
【図2】従来の液晶ディスプレイ・パネルの断面図である。
【図3】従来のシール材塗布装置における塗布ヘッド構造の概略図である。
【図4】シール材を塗布した後の従来構造の断面図である。
【図5】本発明に係るシール材塗布方法の実施例のフローチャートである。
【図6】本発明に係るシール材塗布方法の実施例においてシール材を塗布した後の断面図である。
【図7】本発明に係る液晶ディスプレイ・パネルの実施例の構造の概略図である。
【図8】本発明に係る液晶ディスプレイ・パネルの実施例の断面図である。
【図9】本発明に係るシール材塗布装置の実施例1における塗布ヘッド構造の断面図である。
【図10】本発明に係るシール材塗布装置の実施例2における塗布ヘッド構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面と実施例により、本発明の技術案に対して更に詳細に説明する。
【0011】
図5は本発明に係るシール材塗布方法の実施例のフローチャートである。図5に示すように、本実施例により提供されたシール材塗布方法は、具体的に以下のステップを備える。即ち、
【0012】
ステップ101:内シール材を配置する。
【0013】
ステップ102:外シール材を配置する。
【0014】
ステップ103:シール材塗布装置によって内シール材と外シール材を同時に基板表面の四周に塗布し、内シール材の一側を液晶に接近させ、他側を外シール材に貼り合わせる。
【0015】
具体的に、従来のシール材は、光硬化型のシール材、熱硬化型のシール材、或いは光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材との混合物であってもよいが、何れも単一構成である。当該シール材が2種類のシール材の混合物であっても、当該混合物は前記2種類のシール材を均一に混合して形成されるものであるため、単一構成に属する。しかし、本発明の実施例に係るシール材は、それと異なり、内シール材と外シール材との2種類の構成からなり、内シール材と外シール材は、それぞれ上記3つのタイプのシール材から選ばれた1つであってもよいが、両者の間に区別がある。従って、本実施例のシール材を塗布する前に、内シール材と外シール材の成分をそれぞれ設定する必要がある。
【0016】
内シール材を設定する。内シール材は、光硬化型のシール材であってもよく、光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなる第1混合物であってもよい。光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなる第1混合物である場合、第1混合物において光硬化型の密封材の含量を熱硬化型のシール材の含量よりも多くするように設定する必要がある。光硬化型のシール材は硬化時間が短いというメリットを有するため、内シール材は直接に光硬化型のシール材、或いは光硬化型のシール材の含量が大きい光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなる第1混合物を採用する場合、内シール材が硬化するため所要時間を短縮できる。
【0017】
外シール材を設定する。外シール材は熱硬化型のシール材であってもよく、光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなる第2混合物であってもよい。光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなる第2混合物である場合、第2混合物において光硬化型の密封材の含量を熱硬化型のシール材の含量以下にするように設定する必要がある。熱硬化型のシール材は粘着力が強いというメリットを有するため、外シール材は直接に熱硬化型のシール材、或いは熱硬化型のシール材の含量が大きい光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなる第2混合物を採用する場合、外シール材の粘着力を向上できる。
【0018】
ちなみに、ここで言う第1混合物とは、具体的に内シール材に採用された光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなる混合型のシール材であり、第2混合物とは、具体的に外シール材に採用された光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなる混合型のシール材である。この両者は、タイプが同じで、いずれも混合型のシール材である。本実施例では、内シール材と外シール材を区別するために、それぞれ名づける。以下の説明においても同じであるため、その説明を省略する。
【0019】
2つの基板をセル化する。本実施例における基板は、アレイ基板、又はカラー基板である。シール材塗布装置によって内シール材と外シール材を同時にアレイ基板、又はカラー基板表面の四周に塗布し、塗布後の内シール材の一側を液晶に接近させ、他側を外シール材に貼り合わせる。即ち、内シール材はシール材の液晶と直接に接触する部分となり、外シール材はシール材の液晶と直接に接触しない部分となる。各タイプのそれぞれのメリットに基づき、上記内シール材の成分を設定する過程により、内シール材を硬化時間が短い光硬化型のシール材、或いは光硬化型のシール材を主要な成分にするように設定することにより、シール材の液晶に接触する部分の硬化時間を短縮し、完全に硬化しない時にシール材と液晶との接触による汚染を減少できる。一方、外シール材を粘着力が強い熱硬化型のシール材、或いは熱硬化型のシール材を主要な成分にするように設定することにより、シール材の液晶に直接に接触しない部分に強い粘着力を有させ、シール材による上下基板の密封効果を向上でき、液晶と外界の接触を完全に断絶できる。
【0020】
ステップ103において、シール材塗布装置によって、内シール材と外シール材を同時にアレイ基板、又はカラー基板表面の四周に塗布するステップは、具体的に以下のように行われるのが望ましい。即ち、内シール材と外シール材をそれぞれシール材塗布装置の内シール材注入口と外シール材注入口から押入れ、それぞれシール材塗布装置の第1通路と第2通路を通し、シール材塗布装置のシール材塗布口から押し出して基板表面の四周に塗布する。つまり、シール材塗布装置によって内シール材と外シール材をそれぞれ単独に塗布するのではなく、全体として同時に基板表面の四周に塗布するのである。このような塗布方法により、塗布後のシール材が内シール材と外シール材からなる一体式の構成となり、内シール材と外シール材の間に隙間が生じないことを徹底的に保証でき、両者間の隙間による気圧などの関連問題を防止できる。シール材塗布装置の構成については、この後の実施例で具体的に紹介するため、ここでその説明を省略する。
【0021】
更に、内シール材と外シール材との体積比は約1:3〜約1:1であってもよい。どの塗布方法を採用しても、塗布後、内シール材と外シール材は一体式のシール材を形成し、内シール材と外シール材との体積比は約1:3〜約1:1との範囲内にあればよい。即ち、内シール材の体積は少なくともシール材の総体積の約25%を占め、多くともシール材の総体積の約50%を占める。
【0022】
図6は本発明に係るシール材塗布方法の実施例においてシール材を塗布した後の断面図である。図4に示されたシール材を塗布した後の従来の構造の断面図と対比して分かるように、本実施例のシール材塗布方法によって得たシール材の外部輪郭と、従来のシール材塗布方法によって得たシール材の外部輪郭とは類似しており、その断面形状は、何れも放物面に類似している。シール材は、例えば、全体の幅が約1.1mmであり、横断面積が約6000μmである。分析及び多くの実験を経て、発明者は、内シール材と外シール材との体積比が約1:2、即ち内シール材の体積がシール材の総体積の33.3%を占める場合、効果が最もよいことを発見した。
【0023】
更に、第1混合物における光硬化型のシール材の含量は少なくとも約70wt%である。本実施例において、シール材と液晶の相互接触による汚染を避けるために、内シール材は光硬化型のシール材であるのが最もよく、光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなる第1混合物を採用してもよいが、第1混合物における光硬化型のシール材の含量割合は約70wt%以上でないと、硬化の所要時間を短縮するという目的を達成できない。更に、第2混合物における光硬化型のシール材の含量は約50%wt以下である。本実施例において、シール材全体の粘着力を向上させるため、内シール材を光硬化型のシール材、或いは光硬化型のシール材が主要な成分である第1混合物にするように設定した上で、外シール材は熱硬化型であるのが最適である。光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなる第2混合物を採用してもよいが、第2混合物における光硬化型のシール材の含量は約50wt%以下でないと、本発明が達成しようとするシール材全体の粘着力が強いという効果を実現できない。第2混合物における光硬化型のシール材の含量は約40wt%であることが望ましい。
【0024】
本実施例において、シール材は内シール材と外シール材からなる構成に設定される。内シール材は光硬化型のシール材、或いは光硬化型のシール材を主要な成分にした混合型のシール材を採用するため、液晶と接触するシール材の一側の硬化時間が短縮され、硬化が不完全であるシール材と液晶との接触による汚染が減少される。外シール材は熱硬化型のシール材、或いは光硬化型のシール材を主要な成分にした混合型のシール材を採用するため、液晶と接触しないシール材の一側の粘着力が強まる。従って、本実施例のシール材塗布方法により、シール材の粘着力を保証するとともに、硬化時間を短縮できる。しかし、従来技術において、光硬化型のシール材を採用する場合、硬化時間は短いが、上下基板の粘着力は弱まる。熱硬化型のシール材を採用する場合、粘着力は強まるが、硬化時間は長い。混合型のシール材を採用する場合、混合型のシール材は両者を均一に混合して得たものであるため、混合物における光硬化型のシール材の含量が70wt%以上に至るとしても、液晶に接近する側と液晶から離れる側との含量は同じである。即ち、液晶に接近する側の主要成分は光硬化型のシール材であるため、硬化時間が短縮されるが、液晶から離れる側の主要成分も同様に光硬化型のシール材であるため、明らかにシール材全体の粘着力を保証できない。
【0025】
本発明の実施例において、内シール材と外シール材の成分を設定し、シール材塗布装置で内シール材と外シール材を共に基板に塗布するシール材塗布方法が提供された。内シール材は光硬化型のシール材、或いはその主要な成分は光硬化型のシール材であるため、シール材の硬化時間を短縮でき、シール材と液晶との間の汚染を減少でき、不純物の発生による液晶ディスプレイ・パネルが表示する時に現われるブライトスポット、光漏れ、像の残留などの表示不良を防止できる。それと同時に、外シール材は熱硬化型のシール材、或いはその主要な成分は熱硬化型のシール材であるため、シール材の粘着力も向上できる。
【0026】
図7は本発明の他の実施例に係る液晶ディスプレイ・パネル構造の概略図であり、図8は本発明の他の実施例に係る液晶ディスプレイ・パネルの断面図である。
【0027】
図7と図8に示すように、本実施例の液晶ディスプレイ・パネル200は、アレイ基板4と、カラー膜基板5と、内シール材21と外シール材22との二部分からなるシール材2と、液晶3とを備える。シール材のタイプは光硬化型と、熱硬化型と、混合型があり、混合型は光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材を均一に混合して得た混合物である。本実施例におけるシール材は内シール材21と外シール材22からなる一体式の構造である。内シール材21の一側は液晶に接近し、他側は外シール材22に貼り合わせられる。内シール材21は光硬化型のシール材、又は光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなり、且つ光硬化型のシール材の含量が熱硬化型のシール材の含量よりも多い第1混合物である。外シール材22は熱硬化型のシール材、又は光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなり、且つ光硬化型のシール材の含量が熱硬化型のシール材の含量以下の第2混合物である。
【0028】
更に、内シール材と外シール材との体積比は約1:3〜約1:1である。どの塗布方法を採用しても、塗布後、内シール材と外シール材は一体式のシール材を形成し、内シール材と外シール材との体積比は約1:3〜約1:1との範囲内にあればよい。即ち、内シール材の体積は少なくともシール材の総体積の約25%を占め、多くともシール材の総体積の約50%を占める。
【0029】
更に、第1混合物における光硬化型のシール材の含量は少なくとも約70wt%であり、第2混合物における光硬化型のシール材の含量は約50wt%以下である。第2混合物における光硬化型のシール材の含量は約40wt%であることが望ましい。
【0030】
本実施例において、そのシール材が内シール材と外シール材からなる一体式の構造に設定され、各タイプのシール材の特徴によって内シール材と外シール材の成分が異なるように設定された液晶ディスプレイ・パネルが提供された。内シール材は光硬化型のシール材、或いはその主要な成分は光硬化型のシール材であるため、シール材の硬化時間を短縮でき、シール材と液晶との間の汚染を減少でき、不純物の発生による液晶ディスプレイ・パネルが表示する時に現われるブライトスポット、光漏れ、像の残留などの表示不良を防止できる。それと同時に、外シール材は熱硬化型のシール材、或いはその主要な成分は熱硬化型のシール材であるため、シール材の粘着力も向上できる。
【0031】
図9は本発明の他の実施例に係るシール材塗布装置における塗布ヘッド構造の断面図である。当該シール材塗布装置300は、押出装置において多層プラスチックを共に押出すための押出口の構造に類似する構造を有する塗布ヘッドを備える。通常、シール材塗布装置の塗布ヘッドの内径は約0.3〜0.5mmであり、塗布ヘッドの出口が膨張するため、基板表面に塗布されるシール材の幅は約1mmになる。図9に示すように、本実施例のシール材塗布装置における塗布ヘッドの構造と図3に示された従来の塗布ヘッドの構造とは異なり、具体的に、内シール材注入口7と、外シール材注入口8と、内シール材を収容する第1通路9と、外内シール材を収容する第2通路10と、シール材塗布口11とを備える。第1通路9は内シール材注入口7に連通し、第2通路10は外シール材注入口8に連通し、シール材塗布口11は、第1通路と第2通路の出口が塗布ヘッドの底部で合流することによって形成される。内シール材と外シール材の成分を設定した後、内シール材と外シール材をそれぞれ内シール材注入口7と外シール材注入口8から第1通路9と第2通路10に注入する。内シール材と外シール材は圧力作用を受け、それぞれ第1通路9と第2通路10を通り、第1通路9の下部出口と第2通路10の下部出口に到達し、第1通路9の下部出口と第2通路10の下部出口が合流して形成されたシール材塗布口11から押出され、アレイ基板4或いはカラー基板に塗布を行う。
【0032】
更に、本実施例のシール材塗布装置における塗布ヘッドは、第1通路9の出口の面積を調節するための第1調節バルブ14と、第2通路10の出口の面積を調節するための第2調節バルブ15とを更に備えてもよい。第1調節バルブ14は、第1通路9の出口の付近に配置され、第1通路9の出口の面積を調節するために用いられ、第2調節バルブ15は、第2通路10の出口の付近に配置され、第2通路10の出口の面積を調節するために用いられる。第1調節バルブ14と第2調節バルブ15により、内シール材と外シール材を収容する第1通路9と第2通路10の出口の面積の比が約1:3〜約1:1になるように調節する。それにより、第1通路9と第2通路10から押出される内シール材と外シール材との体積比は約1:3〜約1:1になる。第1通路9と第2通路10の出口の面積の比が約1:3である場合、内シール材と外シール材の体積比を約1:3に制御でき、第1通路9と第2通路10の出口面積の比が約1:1である場合、内シール材と外シール材の体積比を約1:1に制御できる。
【0033】
更に、実施例における塗布ヘッドは、塗布ヘッドの先端に配置される圧力室13を備えてもよい。この圧力室13の基端が第1通路と第2通路に連通する。圧力室13における2つのサブ室が第1通路9と第2通路10にそれぞれ与える押出圧力の強さを調整することにより、その中に収容されている内シール材と外シール材に充分な押出圧力を与え、基板表面での塗布を完成する。
【0034】
本発明の実施例においてシール材塗布装置が提供される。第1通路と第2通路により内シール材と外シール材がそれぞれ収容され、塗布後のシール材が内シール材と外シール材からなる一体式の構造にさせるように、塗布ヘッドの構成を設定する。それにより、シール材の粘着力を保証するとともに、シール材が硬化する所要時間を短縮し、シール材と液晶との汚染を減少し、不純物の発生による液晶ディスプレイ・パネルが表示する時に現われるブライトスポット、光漏れ、像の残留などの表示不良を防止できる。
【0035】
図10は、本発明に係るシール材塗布装置の第2の実施例における塗布ヘッド構造の断面図である。図10に示すように、本実施例のシール材塗布装置400と図9に示されたシール材塗布装置の第1の実施例との区別は下記の通りである。即ち、本実施例のシール材塗布装置における塗布ヘッドは、第1通路9と第2通路10に連通し、シール材塗布口11に連通するシール材混合室12を更に備える。具体的に、シール材混合室12の上端口は第1通路9と第2通路10のいずれにも連通し、基端口はシール材塗布口11に連通する。内シール材と外シール材はそれぞれ内シール材注入口7と外シール材注入口8から注入され、第1通路9と第2通路10を通し、シール材混合室12の中で混合され、その後、シール材塗布口11によって基板表面に塗布される。本実施例はシール材混合室12を付加することにより、基板に塗布される前に内シール材と外シール材を接触させ、内シール材と外シール材の貼り合わせ程度をより向上させ、塗布後の内シール材と外シール材の一体化程度をより向上させる。
【0036】
本発明の実施例によりシール材塗布装置が提供された。その塗布ヘッドの構成が設定され、塗布ヘッドにシール材混合室が付加される。それにより、塗布後の内シール材と外シール材の貼り合わせ程度をより向上し、シール材の粘着力を保証するとともに、シール材が硬化する所要時間を短縮し、シール材と液晶との汚染を減少し、不純物の発生による液晶ディスプレイ・パネルが表示する時に現われるブライトスポット、光漏れ、像の残留などの表示不良を防止できる。
【0037】
上記実施例は本発明の技術案を説明するものであり、限定するものではない。最良な実施形態を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者にとって、必要に応じて異なる材料や設備などをもって本発明を実現できる。即ち、その精神を逸脱しない範囲内において種々の形態で実施しうるものである。
【符号の説明】
【0038】
1 導電ペースト
2 シール材
3 液晶
4 アレイ基板
5 カラー膜基板
6 スペーサ
7 内シール材の注入口
8 外シール材の注入口
9 第1通路
10 第2通路
11 シール材塗布口
12 シール材の混合室
13 圧力室
14 第1調節バルブ
15 第2調節バルブ
21 内シール材
22 外シール材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シール材の塗布方法であって、
光硬化型のシール材、又は光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなり、且つ光硬化型のシール材の含量が熱硬化型のシール材の含量よりも多い第1混合物である内シール材を配置するステップと、
熱硬化型のシール材、又は光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなり、且つ光硬化型のシール材の含量が熱硬化型のシール材の含量以下の第2混合物である外シール材を配置するステップと、
シール材塗布装置によって前記内シール材と外シール材を同時に基板表面の四周に塗布し、前記内シール材の一側を液晶に接近させ、他側を前記外シール材に貼り合わせるステップと、
を備えることを特徴とするシール材塗布方法。
【請求項2】
シール材塗布装置によって前記内シール材と前記外シール材を同時に基板表面の四周に塗布するステップは、具体的に、
前記内シール材と前記外シール材を、それぞれ前記シール材塗布装置の内シール材注入口と外シール材注入口から押入れ、それぞれ前記シール材塗布装置の第1通路と第2通路を通し、前記シール材塗布装置のシール材塗布口から押し出して基板表面の四周に塗布するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のシール材塗布方法。
【請求項3】
前記内シール材と前記外シール材との体積比は、約1:3〜約1:1であることを請求項2に記載のシール材塗布方法。
【請求項4】
前記第1混合物において、前記光硬化型のシール材の含量の割合が少なくとも約70wt%であることを特徴とする請求項1に記載のシール材塗布方法。
【請求項5】
前記第2混合物において、前記光硬化型のシール材の含量の割合が約50wt%以下であることを特徴とする請求項1に記載のシール材塗布方法。
【請求項6】
アレイ基板と、カラー膜基板とを備え、前記アレイ基板とカラー膜基板は、シール材によってセル化され、その間に液晶層がシールされる液晶ディスプレイ・パネルであって、
前記シール材は内シール材と外シール材によって構成された一体式の構造であり、
前記内シール材は、一側が液晶に接近し、他側が前記外シール材に貼り合わせられ、シール光硬化型のシール材、又は光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなり、且つ前記光硬化型のシール材の含量が前記熱硬化型のシール材の含量よりも多い第1混合物であり、
前記外シール材は、熱硬化型のシール材、又は光硬化型のシール材と熱硬化型のシール材からなり、且つ前記光硬化型のシール材の含量が前記熱硬化型のシール材の含量以下の第2混合物であることを特徴とする液晶ディスプレイ・パネル。
【請求項7】
前記内シール材と前記外シール材との体積比は、約1:3〜約1:1であることを請求項6に記載の液晶ディスプレイ・パネル。
【請求項8】
前記第1混合物において、前記光硬化型のシール材の含量の割合は少なくとも約70wt%であることを特徴とする請求項6に記載の液晶ディスプレイ・パネル。
【請求項9】
前記第2混合物において、前記光硬化型のシール材の含量の割合は約50wt%以下であることを特徴とする請求項6に記載の液晶ディスプレイ・パネル。
【請求項10】
塗布ヘッドを備えるシール材塗布装置であって、
前記塗布ヘッドは、内シール材の注入口と、外シール材の注入口と、内シール材を収容する第1通路と、外シール材を収容する第2通路と、シール材塗布口とを有し、
前記第1通路は前記内シール材の注入口に連通し、前記第2通路は前記外シール材の注入口に連結し、前記シール材塗布口は、前記第1通路と第2通路の出口が前記塗布ヘッドの底部で合流することによって形成されることを特徴とするシール材塗布装置。
【請求項11】
前記塗布ヘッドは、第1通路の出口面積を調節するための第1調節バルブと、第2通路の出口面積を調節するための第2調節バルブとを更に備えることを特徴とする請求項10に記載のシール材塗布装置。
【請求項12】
前記塗布ヘッドは、第1通路と第2通路とに連通し、前記シール材塗布口に連通するシール材混合室を更に備えることを特徴とする請求項11に記載のシール材塗布装置。
【請求項13】
前記塗布ヘッドは、前記塗布ヘッドの先端に配置され、その基端が前記第1通路と第2通路とに連通する圧力室を更に備えることを特徴とする請求項12に記載のシール材塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−44390(P2010−44390A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−188021(P2009−188021)
【出願日】平成21年8月14日(2009.8.14)
【出願人】(507134301)北京京東方光電科技有限公司 (90)
【Fターム(参考)】