説明

ジェットポンプ検査装置

【課題】沸騰水型原子炉(BWR)ジェットポンプ組立体にプローブケーブル組立体を導入するハイブリッド型ガイドファンネルに結合されたエンコーダ付きプローブ駆動装置を含むジェットポンプ検査装置を提供すること。
【解決手段】実施例は、ガイドファンネル(10)に結合されたエンコーダ付きプローブ駆動装置(14)を含むジェットポンプ検査装置に関する。一実施例では、エンコーダ付きプローブ駆動装置(14)とガイドファンネル(10)は、装置の本体(101)上に配置され、検査に必要な時間を短縮し、それによって、作業員が放射能汚染にさらされるのを制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は一般に、沸騰水型原子炉(BWR)ジェットポンプ組立体にプローブケーブル組立体を導入するハイブリッド型ガイドファンネルに結合されたエンコーダ付きプローブ駆動装置を含むジェットポンプ検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
管や円筒形の機器のようなボアは、水または他の液体の槽に浸漬されることが多い。浸漬させたボアにメンテナンス工具または検査プローブを送り込むことが必要になることが多い。たとえば、沸騰水型反応炉(BWR)の原子炉圧力容器(RPV)は通常、定期メンテナンス時に検査する必要のあるボアを浸漬させている。内部ボアを有する中空環状のジェットポンプが環状部内に位置付けられ、必要な原子炉コア水流を生成する。ジェットポンプは、入口ミキサと呼ばれる上部と、ディフューザと呼ばれる下部とを含む。入口ミキサとディフューザは、サイズが大きいため、複数の円筒形部分および円錐部分を溶接することによって形成される。具体的には、互いに隣接する円筒形部分のそれぞれの端部を周方向溶接部によって接合する。原子炉の動作時には、周方向溶接継手は、溶接熱の影響を受けるゾーンにおいて粒界応力腐食割れ(IGSCC)および照射誘起応力腐食割れ(IASCC)を受ける可能性がある。これによって、ジェットポンプの構造上の完全性が低下することがある。
【0003】
ジェットポンプ入口ミキサおよびディフューザの溶接部を周期的に調べて、割れが生じていないかどうかを判定することが重要である。シュラウドと圧力容器壁との間の環状部または領域を目視検査することができるが、このような検査は、原子炉の環状領域への接近が制限されるため、部分的な検査にしかならない可能性が高い。そのため、ジェットポンプ溶接部の検査は、ジェットポンプ入口ミキサおよびジェットポンプディフューザの内側に位置付けた検査工具によって行われることが多い。このような検査工具では、原子炉内のジェットポンプ入口ミキサおよびディフューザの内側からジェットポンプ溶接部の超音波および/または渦電流検査を実施する。
【0004】
通常、槽の表面より上の360°作業台上に配置された作業員は、ポールまたはその他の機械的懸垂装置を操作して、検査すべき各ジェットポンプの入口ミキサにファンネルを位置付ける。場合によっては、燃料補給ブリッジまたは補助ブリッジから工具を設置する。単一のBWRの場合、通常20個のジェットポンプがあるが、BWRは最大で24個のジェットポンプを有することができる。送り工具を槽内に設置する前に、ケーブルを含むプローブヘッドを送り工具に装填する。送り工具をジェットポンプ入口の入口の所に位置付けた後、空気圧クランプを使用してファンネルを入口に固定する。ジェットポンプの入口を、多くの場合槽の表面から最大50フィート(15.24m)まで浸漬させるため、これらのポールおよびファンネルを手動で操作するのは困難になり、時間がかかる。
【0005】
工具送りシステムを入口ミキサと嵌め合わせた後、検査工具またはプローブを較正済みの基準スリーブ内に下降させて検査の前に超音波プローブを較正する。次に、走査ヘッドをポンプの入口内に下降させて検査を開始する。隣接する第1のジェットポンプを検査した後、走査ヘッドを較正スリーブ内に位置付け、検査後較正を行う。次に、工具送りシステムを切り離して次のポンプに移動させる。すべてのジェットポンプを検査するまで、取り付け工程、較正工程、挿入工程、および検査工程を繰り返す。オペレータは、浸漬させた少なくとも1つのカメラを利用して浸漬させた構成部材の移動、操作、取り付け、および取り外しを助ける。
【0006】
プローブ駆動装置は、位置付け装置と走査ヘッドとの間のケーブルの伸びによる位置誤差を低減させるためにポンプの入口にできるだけ近づけて配置される。他のシステムおよび方法では、プローブ駆動装置組立体を槽表面より上に配置することができる。このようなプローブ駆動装置組立体は、巻き取りリールおよび1組のピンチホイールを使用してプローブヘッドを上昇下降させることによって、挿入されたプローブを軸方向に移動させることができる。しかし、このようなシステムは、正確な位置を維持するのが困難とみなされることが多い。
【0007】
このため、水槽の表面から50フィート(15.24m)下に浸漬させることのできる原子炉ジェットポンプのような浸漬させたボアの内側を検査する現在のシステムおよび方法は、困難であり、時間およびコストがかかる。このような作業は、原子炉再装填工程中の重要な経路項目になることが多い。このため、必要な時間を短縮することができれば原子炉のオフライン時間および停止時間を短縮することが可能になり、したがって、原子炉オペレータに関するコストを節約するとともにオペレータおよび技術者の被ばく量を低減させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,543,512号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施例は、潜水組立体を必要とすることなしにプローブケーブル組立体を作業台から沸騰水原子炉(BWR)ジェットポンプ組立体に導入するジェットポンプ検査装置に関する。実施例の利点には、補修時に送り装置、工具、または潜水装置全体を取り外すかあるいは位置を変更する必要なしにプローブヘッドを取り外すのが可能になること、検査時間が短縮されること、および/または燃料の移動のような重要な経路活動を阻害するフットプリントが小さくなることが含まれる。
【0010】
実施例のジェットポンプ検査装置は、検査に必要な時間を短縮し、それによって作業員が放射能汚染にさらされるのを制限するために、装置の本体上にエンコーダ付きプローブ駆動装置およびガイドファンネルを含むことができる。
【0011】
実施例は、添付の図面を詳しく説明することによってより明らかになろう。図面では、同じ部材が同じ参照符号によって表されており、各図面は、一例としてのみ示されており、したがって実施例を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例のジェットポンプ検査装置の側面図である。
【図2】図1に示されているようなポール取り付け具の等角図である。
【図3】図1に示されているようなポール取り付け具に結合されたプローブ駆動装置の等角図である。
【図4】図1に示されているようなガイドファンネルに結合されたポール取り付け具およびプローブ駆動装置の等角図である。
【図5】図1に示されているような案内ラッチの等角図である。
【図6】浸漬させた原子炉ジェットポンプの入口に結合された図1に示されているような実施例のジェットポンプ検査装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書では詳細な例示的な実施例を開示する。しかし、本明細書で開示する構造および機能に関する特定の詳細は、実施例を説明するための代表的なものに過ぎない。しかし、実施例は、多数の他の形態で実現することができ、本明細書に記載された実施例のみに限られると解釈すべきではない。
【0014】
本明細書では第1、第2などの語を使用して様々な部材を説明しているが、これらの部材をこれらの語によって制限すべきではないことが理解されよう。これらの語は、1つの部材を他の部材から区別するためにのみ使用されている。たとえば、実施例の範囲から逸脱せずに、第1の部材を第2の部材と呼ぶことができ、同様に、第2の部材を第1の部材と呼ぶことができる。本明細書では、語「および/または」は、関連する列挙された項目のうちの1つまたは複数の項目のあらゆる組み合わせを含む。
【0015】
ある部材が他の部材に「連結される」、「結合される」、「嵌め合わされる」、「取り付けられる」、あるいは「固定される」と表現されているとき、前者の部材を後者の部材に直接連結または結合することができるか、あるいは介在する部材が存在してよいことが理解されよう。これに対して、ある部材が他の部材に「直接連結される」かあるいは「直接結合される」と表現されているとき、介在する部材は存在しない。部材同士間の関係を記述するのに使用される他の語も同様に解釈すべきである(たとえば「の間」と「の間に直接」、「隣接する」と「すぐ隣に」など)。
【0016】
本明細書で使用される用語は、特定の実施例のみを記述するための用語であり、実施例を制限するものではない。本明細書では、明示的に指示しない限り、単数として表されている部材は複数の該部材を含むものとする。さらに、語「備える」および/または「含む」が本明細書で使用されるときは、述べられた特徴、数、ステップ、動作、部材、および/または構成部材が存在することを明示するが、1つまたは複数の他の特徴、数、ステップ、動作、部材、構成部材、および/またはそれらの群が存在するかあるいは追加されることを除外するものではない。
【0017】
いくつかの他の実施形態では、言及される機能/動作を図に示される順序とは異なる順序で実施できることにも留意されたい。たとえば、連続的に示されている2つの図を、関連する機能/動作に応じて、ほぼ同時に実施するか、あるいは場合によっては逆の順序で実施することができる。
【0018】
図1は、実施例のジェットポンプ検査装置の側面図である。ジェットポンプ検査装置は本体101を含む。本体101は、ポール取り付け具12と、プローブ駆動装置14と、ガイドファンネル10と、較正チューブ15と、ガイドラッチ16とを有する。本体101は、図1に示されているように管状であってよく、装置の使用時に駆動部材が損傷しないように保護する。実施例では、本体101は、高強度アルミニウムで構成される。
【0019】
ガイドファンネル10、プローブ駆動装置14、および較正チューブ15は本体101に沿って配置されている。ポール取り付け具12は本体101の一端上に配置され、ガイドラッチ16は本体101の反対側の端部上に配置されている。
【0020】
ジェットポンプ装置の機能は、コンピュータによる有人操作コンソール300を介して遠隔制御される。コンソール300は、たとえば中央演算処理装置(「CPU」)305、メモリユニット308、入力コンソール304、および/または表示ユニット302を含むことができる。CPU305は、メモリユニット308、入力コンソール304、および表示ユニット302に電気的に接続されており、メモリユニット308と入力コンソール304と表示ユニット302との間の通信を可能にする。技術者は、装置の空気圧機能のために空気制御ステーション310を手動で操作する。CPU305は、以下に詳しく説明するエンコーダ付きDCサーボモータ用の動き制御システム320を備えている。コンソール300は、長さが200フィート(60.96m)の電気および空気圧索150を介して検査装置に連結されており、技術者による遠隔操作を可能にする。
【0021】
図2は、図1に示されているようなポール取り付け具の等角図である。図2を参照すると、ポール取り付け具12は、本体101の一端上に配置されており、ジェットポンプ検査装置を技術者によって取り扱われる少なくとも1つの従来のハンドリングポール(不図示)に連結するのを可能にする。ポール取り付け具12は、以下に図3を参照して詳しく説明するプローブ駆動装置14のふたである。実施例では、様々な長さを有する所定または所与の数のハンドリングポールを利用してジェットポンプ検査装置を設置する。ポール取り付け具は、以下に詳しく説明するように、プレート12aをプローブ駆動装置14に連結するためにプレート12aの周に沿って複数のボルトを有するプレート12aと、プローブ駆動装置14内のモータに接続されるように構成されたプレート12aの中心の防水電気接続部とを含む。
【0022】
コネクタ12bがプレート12aの表面から延びて少なくとも1つのハンドリングポールに連結されている。コネクタ12bは、少なくとも1つのハンドリングポールのペグと連動するJ字形長穴を含む中空シリンダであってよい。プレート12aは、プレート12aからの伸長部を除いて円板の形をしていてよい。プレート12aの伸長部は、長穴12cと、プローブ駆動装置14に取り付けられる、伸長部の側面に沿った最大4本のボルトとを含む。4本のボルトは、プローブ駆動装置14の本体14e内で(図4参照)、コンソール300の空気制御ステーション310を介して遠隔制御される複動式空気圧シリンダ(不図示)の一方の端部に固定されており、プローブケーブル(不図示)をプローブ駆動装置14に装填しかつプローブ駆動装置14から取り外すためにプローブ駆動装置14を開きかつ閉じるように操作する。ポール取り付け具12のプレート12aは厚さが最大で0.5インチ(1.27cm)である。
【0023】
図3は、図1に示されているようなポール取り付け具に結合されたプローブ駆動装置の等角図である。図3を参照すると分かるように、プローブ駆動装置14は、ジェットポンプ検査装置の一方の端部の近くに配置されており、本体14eを含む。プローブ駆動装置14は、1組のホイール14aを使用してプローブケーブルのプローブヘッドを上昇させかつ下降させることによってプローブケーブルを軸方向に移動させることができる。プローブケーブルは、プレート12aの防水連結部から、本体14eの側面に沿って配置された1組のホイール14aを通って延びている。プローブ駆動装置14は、装置の全長に沿って延び、ガイドラッチ16の底部を通って出ている。
【0024】
プローブケーブルのプローブヘッドに注意する必要がある場合、別個のT字形フック組立体(不図示)を任意選択で利用することができる。T字形フック組立体を設置してプローブ駆動装置14からプローブを取り外す助けとすることができる。T字形フック14bを利用する場合、プローブ駆動装置14のT字形フック組立体14bを回転させてT字形フック組立体14bのフィンガを位置付けることができる。T字形フック組立体14bのフィンガは、プローブ駆動装置14のホイール14a同士の間にプローブケーブルを押し込む。
【0025】
1組のホイール14aより上に長穴14bを配置することができる。プローブ駆動装置14は、コンソール300の動き制御システム320を介して遠隔制御される精密DCサーボモータ(不図示)と一体化されることによってプローブヘッドの高さをさらに制御するのを可能にする。モータは、プローブ駆動装置14のハウジング14cの最上シリンダ内に配置された高解像度エンコーダ14fを備えてよい。ハウジング14cは、1組のボルトによってプローブ駆動装置14の本体14eの上面に連結されている。ハウジング14cの最上シリンダは、直径がハウジング14cの最下シリンダより大きくてよい。エンコーダ14fは、モータの回転数に基づいてプローブヘッドの正確な位置を示す。
【0026】
実施例では、プローブ駆動装置14は、1組のホイール14a、たとえば図3に示されているような4つのホイール14aを有してよい。プローブ駆動装置14のホイール14aはブチルゴムで作られており、すべてのホイールを、ユーザが定義した方向に(たとえば上下軸方向に)同じ速度で同期的に駆動する共通の伝動装置によって接合されている。
【0027】
空気圧シリンダ(不図示)は、コンソール300の空気制御ステーション310によって遠隔制御され、ポール取り付け具12のプレート12aからホイール14a上のてこ作用点に固定され、ホイール14aを開位置から閉位置に作動させ、プローブケーブルをプローブ駆動装置14に装填しかつプローブ駆動装置14から取り外すのを可能にする。ガイドファンネル10は、プローブ駆動装置14の側面に連結されるように構成されたL字形ブラケット14dを含む。
【0028】
図4は、図1に示されているようなガイドファンネルに結合されたポール取り付け具およびプローブ駆動装置の等角図である。図4を参照すると分かるように、ガイドファンネル10は、本体101上のプローブ駆動装置14より下に位置している。ガイドファンネル10は、装置の同じ側の長穴14dと一列に並んでいる。ガイドファンネル10は、プローブケーブルのプローブヘッドをジェットポンプ検査装置の管状体101内の所定または所与の深さに案内するために使用される。プローブヘッドを補修する必要がある場合、ジェットポンプ検査装置は、プローブヘッドからガイドファンネル10に接近するために所定の位置に残ることができる。T字形フック組立体は、補修時にプローブヘッドを取り外すのを容易にし、検査装置を所定の位置に残すのを可能にする。
【0029】
プローブ駆動装置14とガイドファンネル10は、ケーブルがジェットポンプ検査装置の表面まで最大50フィート(15.24m)伸ばされることによって生じる誤差を低減させるために、従来技術とは異なり槽の表面上ではなくジェットポンプ検査装置の本体101上に配置されている(図1参照)。プローブ駆動装置14は、水中に位置する間、浸漬させた原子炉ジェットポンプ202の入口に取り付けておくことができる(以下に図6に関して説明する)。プローブヘッドがガイドファンネル10内に位置付けられた後、上記に図3を参照して説明したように、T字形フック14bによって、ユーザはプローブケーブルをプローブ駆動装置14内に導入することができる。
【0030】
図1に戻ると分かるように、本体101の他方の端部は、較正チューブ15を介してガイドラッチ16に連結されている。較正チューブ15は、ジェットポンプ検査装置と一列に配置され、従来の走査プロセスの前後にプローブを較正するのを可能にする。較正チューブ15は、本体101とガイドラッチ16を切り離すのを可能にするコネクタとしても働く。このため、以下により詳しく説明するように、本体101とガイドラッチ16は互いに取り外し可能に取り付けられる。
【0031】
図5は、図1に示されているようなガイドラッチの等角図である。図5を参照すると分かるように、ガイドラッチ16は、装置の底部の近くで較正チューブ15に連結されている。ガイドラッチ16は、1つまたは複数の係合部材16aと1つまたは複数の反対側の係合部材16bとを含む固定または係合機構である。係合機構16aと係合機構16bとの間に隙間16cが形成され、1つまたは複数の種類の形状の入口を囲むように構成される。係合部材16aと係合部材16bは一緒に移動して、隙間16c内に配置された物体または表面を固定する。空気圧または空気式ラッチングアクチュエータ16dは、ガイドラッチ16の上面の近くに位置し、コンソール300の空気制御ステーション310を介して遠隔制御され、係合部材16aおよび16bの一方が移動するかあるいは両方が一緒に移動して、隙間16c内に配置された物体または表面を固定するように、係合部材16aおよび16bの一方または両方に係合する。
【0032】
実際には、係合部材16aおよび16bならびにラッチングアクチュエータ16dは、以下に図6を参照して詳しく説明するように、原子炉200の浸漬させた原子炉ジェットポンプ202の入口に結合されるような寸法を有し、かつ結合されるように配置されている。たとえば、一実施形態では、ラッチングアクチュエータ16dは、外部圧力源から空気圧を受け取るエアシリンダアクチュエータである。他の実施形態では、ラッチングアクチュエータ16dは、モータ、または係合部材16aおよび16bが入口に圧縮結合されるように隙間16cを閉鎖する同様の装置であってよい。ラッチングアクチュエータ16dは、作動すると、反対側の係合部材16bを係合部材16aの方へ圧縮して、隙間16c内に位置するジェットポンプ202のリップまたは縁部上に固定される(図6参照)。プローブ駆動装置14のエンコーダ14fは、ジェットポンプ検査装置がジェットポンプ入口に取り付けられるのに適切な位置に来るようにプローブの位置を中継する。
【0033】
ジェットポンプ検査装置は、重量が乾燥時には最大49ポンド(22.22kg)で湿潤時には最大27ポンド(12.25kg)であり、ジェットポンプ検査装置の全長は、約119インチ(3.02m)から約128インチ(3.25m)の範囲であってよい。
【0034】
説明を明確にするために、図6は、原子炉200の浸漬させた原子炉ジェットポンプ202の入口204に結合された図1に示されているような実施例のジェットポンプ検査装置を示している。原子炉200の槽の表面より上の360°作業台上に配置された技術者は、少なくとも1つのハンドリングポールを操作して、検査すべき各ジェットポンプの入口に装置を結合する。場合によっては、燃料補給ブリッジまたは補助ブリッジから工具を設置する。槽内に装置を設置する前に、ケーブルを含むプローブヘッドを装置内に装填する。
【0035】
ジェットポンプ検査装置を原子炉200の槽内に下降させ、その後、ジェットポンプ検査装置がジェットポンプ入口204の近くのドッキング高さ(たとえば、槽の表面から約50〜60フィート(15.24〜18.29m))に達するまで各々の長さが最大10フィート(3.05m)のハンドリングポールセグメントを付加する。
【0036】
技術者がカメラシステム(不図示)を使用して装置の端部、たとえば、ガイドラッチ16を見て、同時に、装置が入口204のリップに嵌め合わされるまで、ハンドリングポールを操作して装置を案内することができる。装置がリップ上に位置した後、技術者は、ガイドラッチ16のラッチング機能を係合させるようにコンソール200のオペレータに知らせることができる。カメラによって、ラッチング機能が係合状態にあることが視覚的に検証された後、技術者は、インライン較正基準によって較正を開始できることを知らせる。較正が完了した後、オペレータは、プローブケーブルをガイドラッチ16の底部からジェットポンプ202内に下降させ、さらに最下溶接部206まで移動させ、ジェットポンプ202内に含まれるすべての溶接部の超音波監視を開始するようにコンソール200に命令する。オペレータは、コンソール200の動き制御値またはパラメータを走査を開始するように設定する(たとえば、走査高さ、走査速度)。
【0037】
本発明が、沸騰水原子炉のジェットポンプを検査するために使用される遠隔制御装置を実現することが理解されよう。本明細書では、すべてのそのような修正実施形態および改良実施形態が、簡潔さおよび読みやすさのために削除されているが、間違いなく特許請求の範囲内であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0038】
10 ガイドファンネル
12 ポール取り付け具
12a プレート
12b コネクタ
12c 長穴
14 プローブ駆動装置
14a ホイール
14b T字形フック組立体
14c ハウジング
14d L字形ブラケット
14e 本体
14f エンコーダ
15 較正チューブ
16 ガイドラッチ
16a 係合部材
16b 係合部材
16c 隙間
16d ラッチングアクチュエータ
101 本体
150 空気圧索
200 原子炉
202 ジェットポンプ
204 入口
206 溶接部
300 コンソール
302 表示ユニット
304 入力コンソール
305 CPU
308 メモリユニット
310 制御ステーション
320 制御システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジェットポンプ検査装置であって、
本体(101)と、
前記ジェットポンプ検査装置の長さに沿ってプローブを軸方向に移動させるように構成されたプローブ駆動装置(14)と、
前記プローブを前記装置内に所与の深さまで導入するように構成されたガイドファンネル(10)とを備え、
前記プローブ駆動装置(14)と前記ガイドファンネル(10)が前記本体(101)上に配置される、ジェットポンプ検査装置。
【請求項2】
前記本体(101)が較正チューブ部(15)を含み、前記ジェットポンプ検査装置が、
前記本体(101)上の、前記較正チューブ部(15)より上の前記プローブ駆動装置(14)に連結され、少なくとも1つのハンドリングポールに連結されるように構成されたポール取り付け具(12)と、
前記本体(101)上の、前記較正チューブ部(15)より下に位置し、前記装置をジェットポンプ(202)に固定するように構成されたガイドラッチ(16)とをさらに備える、請求項1記載のジェットポンプ検査装置。
【請求項3】
前記プローブ駆動装置(14)が、プローブヘッドの位置を判定するように構成されたエンコーダ(14f)を含む、請求項1記載のジェットポンプ検査装置。
【請求項4】
プローブ駆動装置(14)が、前記エンコーダ(14f)によって確定された位置に基づいて前記プローブヘッドの高さを制御するように構成されている、請求項3記載のジェットポンプ検査装置。
【請求項5】
前記ガイドラッチ(16)および前記本体(101)が前記較正チューブ部(15)によって取り外し可能に取り付けられる、請求項2記載のジェットポンプ検査装置。
【請求項6】
前記プローブ駆動装置(14)が、プローブヘッドを含むケーブルに接触して前記本体(101)内の前記プローブヘッドの位置を制御するように構成された1組のホイール(14a)を含む、請求項1記載のジェットポンプ検査装置。
【請求項7】
前記ポール取り付け具(12)のプレート(12a)の厚さが最大で0.5インチ(1.27cm)である、請求項2記載のジェットポンプ検査装置。
【請求項8】
前記本体(101)がアルミニウムで作られる、請求項2記載のジェットポンプ検査装置。
【請求項9】
前記ガイドラッチ(16)が、前記装置をジェットポンプ(202)に固定するように構成された空気作動式クランプである、請求項2記載のジェットポンプ検査装置。
【請求項10】
前記ガイドラッチ(16)が、
間に隙間(16c)を含む1つまたは複数の係合部材(16a/16b)と、
前記係合部材(16a/16b)の少なくとも一方に係合して前記隙間(16c)内に物体または表面を固定するように構成されたラッチングアクチュエータ(16d)とをさらに備える、請求項9記載のジェットポンプ検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−37520(P2012−37520A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170605(P2011−170605)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(508177046)ジーイー−ヒタチ・ニュークリア・エナジー・アメリカズ・エルエルシー (101)
【氏名又は名称原語表記】GE−HITACHI NUCLEAR ENERGY AMERICAS, LLC
【Fターム(参考)】