ジオポリマー性粒子、繊維、成形物品および製造方法
少なくとも1種のジオポリマーを取り込む成形ジオポリマー性粒子、繊維および物品が提供される;該ジオポリマー性粒子、繊維、および物品は、固体、泡、中空であるか、または1つもしくは複数の空洞を有する構造を有する。ジオポリマーは、アルミノシリケートおよび/またはアルミノホスフェート物質のアルカリ活性化によって形成される。その最終製品は、球体、フレーク、繊維、その集合体または物品として成形される。このような製品は、低温で形成され;ここで、形成する工程には、スプレー乾燥、溶融紡糸、またはブローイングなどの技術を用いて処理することが含まれる。該成形ジオポリマー性粒子および繊維は、高い化学的耐久性、高い機械的強度、用途目的化された流動性、およびパッキング特性を有し;複合材料、物品中に取り込まれるために、およびセメント質、ポリマー性のペイン(pain)の使用;印刷、接着およびコーティング用途の使用のために特に適切である。空洞、中空または泡様構造を有する成形ジオポリマー性粒子、繊維、および物品は、1種または複数の発泡剤を添加することによって形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2005年12月6日に出願された米国仮特許出願60/748037号の利益を主張する。
連邦政府に支援された研究または開発に関する宣言
該当なし
本発明は、一般に、ジオポリマー性粒子および繊維、製造方法および使用、一般的な使用および複合材料への混合のためのこのような粒子および繊維、ならびに特に、球体、繊維、フレークおよびその集合体を含む、様々な形態に製造することができ化学的に耐久性で、安定したジオポリマー性粒子および繊維に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維セメントなどの複合材料は通常、その材料の特性または製造方法を強化および/または改良するために多くの成分および添加剤を取り込む。例えば、中空ミクロスフェアは、繊維セメントボードおよび軽量セメントスラリーを含む、多くの複合材のための密度調整剤および加工補助剤として使用することができる。固体ミクロスフェアも、充填剤およびレオロジー調整剤などの多くの用途に使用される。さらに、繊維(例えば、セルロース繊維およびガラス繊維)は、強化材として多くの複合材に使用される。
【0003】
従来のミクロスフェアおよび強化繊維は通常、ガラス、ポリマー、金属、および/またはグラファイトから製造される。残念なことに、このような材料からのミクロスフェアおよび繊維の製造に関連していくつかの欠点が存在する。例えば、ガラスミクロスフェアの製造には通常、高温条件の使用を必要とし、これはコストを増加させるとともに、極めて非効率である。さらに、従来の繊維およびミクロスフェアを製造するために使用される多くの材料は通常、相当な劣化なしに高い使用温度に耐えることができない。
【0004】
このような障害に照らして、改良されたミクロスフェアなどおよびそれらの製造方法についての必要性が依然として存在する。したがって、従来技術の1つまたは複数の欠点を克服または改善し、ならびに1つまたは複数の有用な代替物を提供することが本発明の目的である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の要約
本明細書に記載された発明によって、ミクロスフェアなどおよび製造方法に関連した1つまたは複数の欠点が克服される。さらに、このような従来のミクロスフェアおよび製造方法の有用な代替物が提供される。
【0006】
本明細書において、一般に、および1つの形態で提供されるものには、迅速凝結および硬化無機材料(例えば、アルカリ活性化シリケート)、迅速凝結セメント(例えば、アルカリ土類リン酸塩)、および水硬性ペースト(例えば、カルシウム含有セメント)を含む前躯体配合物から加工される成形粒子、繊維、ならびに物品などがある。該成形粒子、繊維、および物品の共通の特性は、これらを製造する方法にあり、ここで、これらは、本明細書において低温加工という、低温(例えば、得られる組成物の融解温度未満)で加工される。前駆体は、例えば、球体、粒子、繊維およびフレークおよびその集合体、ならびに成形された形状を含む、任意の数の最終製品形態で構成することができる。この形成された形状は、好ましくはその機能的構築要素としてジオポリマーを含む。いくつかの実施形態において、形成された成形粒子、繊維または物品には、その中に少なくとも1つの空洞または孔空間が含まれる。このジオポリマー性粒子は通常、ジオポリマーを形成することができる物質を有する前駆体配合物;少なくとも1種のアルカリ活性化シリケート、例えばアルミナシリケートを含む前駆体配合物の重合によって製造される。粒子および物品は、実質的に円形、ドーナツ形、卵形、長形、管状、四角形、多角形、実質的に平ら、およびこの様々な組合せを含む形状を有する。繊維は、実質的に円形、ドーナツ形、卵形、長形、管状、四角形、多角形、実質的に平ら、およびこの様々な組合せを含む断面形状を有する。
【0007】
もう1つの形態において、ジオポリマー性粒子および/または繊維は、1つまたは複数の複合材料または物品に取り込まれ;該ジオポリマー性粒子または繊維には、少なくとも1種のジオポリマーが含まれる。1つまたは複数の実施形態において、該複合物品は繊維強化セメント複合材である。複合物品は、パネル、ボード、柱(post)、羽目板(siding)、プランク(plank)、柱(post)、容器、または建築用などの他の成形物品の形態とすることができる。ジオポリマー性粒子または繊維を含む軽量成形物品について、該粒子には通常、その中に少なくとも1つの空洞が含まれる。成形物品は、型によって規定されてもよいし、泡様の構造を含んでもよい。
【0008】
さらにもう1つの形態において、形成されたジオポリマー性粒子または繊維は、研磨材、塗料、化学的および水硬性破砕用途に関して使用され、ここで、ジオポリマー性粒子および/または繊維は、その中に少なくとも1種のジオポリマーを取り込むことによって形成される。このような組成物が繊維の形態である場合、これらは例として、布、織物、スポンジまたはカーペットを形成するために使用してもよい。
【0009】
さらにもう1つの形態において、少なくとも1種のジオポリマーを有する前駆体配合物は、粒子または繊維を含む、1つまたは複数の形状に製造される。このような形状を形成する方法には通常、前駆体配合物を供給する段階およびジオポリマー性粒子または繊維または物品を形成するために該前駆体を成形する段階が含まれる。該前駆体配合物には通常、少なくとも1種のシリケート源(例えば、アルミノシリケート)および1種のアルカリ源(通常、水酸化物、シリケートおよびその組合せなど)が含まれる。該前駆体配合物には、レオロジー調整剤も含まれ得る。さらに、または場合によって、該前駆体配合物には、1種または複数の好適な発泡剤、1種または複数のカルシウム含有化合物(例えば、セメント質化合物、炭酸カルシウム、石灰石)、1種または複数の充填剤物質(例えば、ポリマー、セルロース、カーボン系化合物、ガラス、セラミックファイバー、リン酸塩クレー)、着色剤、1種または複数の表面活性剤およびその組合せが含まれ得る。充填剤物質、着色剤、および/または表面活性剤は、該組成物の形成後に取り込まれてもよい。成形に好適な処理には、熱スプレー乾燥、スプレー乾燥、溶融紡糸またはブローイングなどがある。該前駆体配合物および処理パラメータは、該配合物の物質粘度を制御するために予め定めてもよく、それにより、得られるジオポリマー性粒子、繊維または物品の形状を制御し得る。
【0010】
当業者であれば、以下に図面とともに続く詳細な説明を読めば、本発明の上記特徴および利点、および他のその重要な態様を理解するであろう。
図面の簡単な説明
本発明の特徴および利点のより完全な理解のために、これから、添付の図面とともに本発明の説明への言及がなされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
好ましい実施形態の詳細な説明
様々な実施形態を製造および使用することが以下に詳細に議論されるが、本発明は、広範で様々な文脈において具現化され得る多くの発明概念を提供することが理解されるべきである。本明細書において議論される特定の態様および実施形態は、本発明を製造および使用するための仕方を単に例証するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0012】
以下に続く説明において、同様な部分は、本明細書および図面全体を通して、それぞれ、同じ参照数字で印を付けることができる。図面は、必ずしも縮尺で製図される必要はなく、ある種の特徴は、明瞭さおよび簡潔さの目的で、縮尺で強調され、またはいくらか一般化されたもしくは略図の形態で示すことができる。
【0013】
本明細書において用いられるように、用語「ジオポリマー」は、広義の用語であり、その通常の意味を有し、限定なしに、シリコアルミネート(silicoaluminate)骨格とともに合成のおよび実質的に無定形のポリマーを含むものとする。
【0014】
用語「ジオポリマー性」は、広義の用語であり、その通常の意味を有し、限定されないが、少なくとも1種のジオポリマーを取り込む物質を含むものとする。
【0015】
用語「アルカリ活性化」は、広義の用語であり、その通常の意味を与えられ、限定されないが、少なくとも1種のアルカリ化合物の存在下で1種または複数の架橋シリコアルミネートを形成する化学反応または化学反応の群を含むものとする。
【0016】
用語「前駆体」(ジオポリマー性前駆体ともいう)は、広義の用語であり、通常の意味を与えられることができ、限定されないが、ジオポリマーに変換され得る開始または出発成分(物質、化合物)の混合物を含む。
【0017】
本発明の1つまたは複数の実施形態では、一般に成形された粒子および繊維ならびにその機能的構築要素としてジオポリマーを取り込むことが提供される。ジオポリマーの強度、化学的耐久性、および耐火性ならびにこのようなジオポリマー性粒子または繊維を製造するコストが低いことにより、このようなジオポリマー性物質は、複合材のための優れた強化物質として機能する。
【0018】
ジオポリマーは、本質的に粘弾性特性を有しないが、本発明者らは、前駆体配合物に粘弾性様挙動を導入する方法を発見し、そして制御された工程によって、該前駆体を所定の形状、例えば、粒子、球体、フレーク、繊維など、およびその集合体に成形することができる。本発明者らはまた、該前駆体配合物を1つまたは複数の成形ジオポリマー性粒子または繊維に形成しながら、その中に1個または複数の空洞、孔、または空間を形成し、したがって有利に該ジオポリマー、該前駆体配合物および該形成された形状に関連する有益なすべての特性を有する低密度ジオポリマー性粒子または繊維を提供する方法を発見した。したがって、ジオポリマーに変換可能な1つまたは複数の化合物をその中に有する前駆体配合物を出発物質として供給することによって、該ジオポリマー性化合物の様々な特性、例えば、優れた強度、熱安定性、高い表面の滑らかさ、精度および硬度が、得られるジオポリマー性製品中に取り込まれる。
【0019】
1980年代初期に最初に用いられた用語「ジオポリマー」は、通常シリコアルミネート(Si−Al)骨格を有する合成無定形ポリマーをいう。ジオポリマーの化学式は、以下のように示すことができる:
Mn[−(SiO2)2−AlO2]n.wH2O (1)
(式中、Mは、アルカリ化学種であり、nは重合度である)。これは、アルミニウムが主に4面体配位にあり、ケイ素が様々な配位構造を有するアルミノシリケート骨格である。アルカリ金属M(例えば、ナトリウムまたはカリウム)は、電荷の均衡を与える。この構造単位には、シアレート(sialate)[−Si−O−Al−O−]、シアレートシロキソ(sialate siloxo)[−Si−O−Al−O−Si−O−]および/またはシレートジシロキソ(silate disiloxo)[−Si−O−Al−O−Si−O−Si−O−]が含まれることができる。
【0020】
ジオ重合(Geopolymerizattion)には、高度にアルカリ性の環境におけるシリコアルミネートとアルカリシリケートとの間の化学反応が含まれる。ジオ重合のための形成反応は一般に、迅速凝結および迅速硬化の反応であることが知られている。ジオ重合の迅速凝結および迅速硬化の特徴のために、以前は、有用な製品、例えば、所定および所望の構成の粒子または繊維を製造するために、ミクロスケールレベルでジオポリマー性粒子または繊維を成形することはできなかった。
【0021】
ジオ重合に関して、アルカリ性溶液は、特定の数のSiおよびAlの原子がアルミノシリケート原液から溶解または加水分解することを誘発し、溶液中にジオ−モノマーを形成させ、次いで、これはポリ縮合(poly−condense)して、加えられた熱の誘因下で硬い網状組織を形成する。架橋反応は、多様な種類のシリコアルミネートを組み合わせて使用する場合に、増強される。該ジオポリマー性粒子または繊維の強度は、架橋が増加すると増加する。
【0022】
ジオポリマー性化合物は、化学的に耐久性、かつ安定である。ジオポリマー性化合物の前駆体には、好ましくはアルミノシリケートの形態で、少なくとも1種の無定形シリケートが含まれる。アルミナは、安定なジオポリマーを形成するために存在することができる。該シリケートは、好ましくは、水酸化物、シリケート、またはその組合せなどのアルカリ化合物によってアルカリ活性化することができる。アルカリ金属R対Alのモル比は、5から0.1、より好ましくは3から0.2、さらに好ましくは2から0.5まで変わることができる。Rは、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム、リチウム、およびその組合せを含む)の群から選択することができる。該好ましいジオポリマー中のSi対Alのモル比は、300から1、好ましくは50から1、より好ましくは10から1まで変わることができる。一部の好ましい実施形態において、Si対Alのモル比は、約2を超える、より好ましくは約3を超える。Si対Al比がより高いとより柔軟なジオポリマー生成物を生じ、これは特に繊維の形態の製品に特に有利であることが留意される。
【0023】
好適なアルミノシリケートの例は、焼成カオリン型のクレー(2SiO2.Al2O3)である。ホスフェート型のクレー、アルミナシリケート鉱物および粉末岩石型物質も、好適なジオポリマー前駆体を形成するために首尾良く用いることができる。さらに、他のクレー物質(焼成または非焼成)、フライアッシュ(fly ash)などの廃棄副産物、高炉スラグ(blast furnace slag)、および廃棄物ガラスも、ジオポリマー前駆体を配合するために用いることができる。出発前駆体物質はまた、ケイ質物質、例えば、珪藻土、シリカヒューム(silica fume)、グラウンドクォーツ(ground quartz)とすることができ、そしてこれにアルミナを有する物質、例えば、ボーキサイト、アルミナ、アルミネートおよびアルミナ白を加えることができる。好適な物質は、大きさの減少、焼成および脱ヒドロキシル化によってアルカリ活性化に対してより反応性になる。したがって、これらの物質は、より高いジオ重合反応速度を有する。
【0024】
アルミナホスフェートも、該ジオポリマー性前駆体として用いることができる。ここで、P対Alのモル比は、10から0.1、より好ましくは5から1まで変わることができる。酸化鉄含有化合物(例えば、水酸化鉄)およびホウ素含有化合物(例えば、ホウ酸またはホウ酸塩)も、ジオポリマー性前駆体配合物に加えることができる。Si対FeまたはBのモル比は、変化してもよい。1つの形態において、それは300から1とすることができる。
【0025】
任意のアルミナシリケートまたはアルミナホスフェートのジオポリマー性前駆体を処理して1種または複数のジオポリマー性化合物を含む成形最終製品(例えば、粒子、繊維または軽量成形物品)を形成することができることが理解されるであろう。
【0026】
該シリケートおよび/またはアルミノシリケート出発物質の平均粒径は、好ましくは300ミクロン未満、好ましくは100ミクロン未満、より好ましくは20ミクロン未満であり、一部の実施形態において、5ミクロン未満である。
【0027】
一部の好ましい実施形態において、該成形ジオポリマー性粒子または繊維の前駆体には、追加的および革新的に発泡剤が含まれる。発泡剤は一般に、特定の誘因条件下で気体を放出し、または気体容積を発生させる物質として知られる。ジオポリマー性前駆体中の発泡剤は、該ジオポリマー性粒子または繊維中の気体空洞、孔、空間または泡様構造の形成を促進する。したがって、空洞を有する得られたジオポリマー性製品は、実質的に固体構造(すなわち、気体空洞、孔、空間もしくは泡様構造を有しないか、または限定的に有する)を有するものより低い密度を有する。
【0028】
本明細書において用いられる発泡剤は、好ましくは、該物質の特性、処理、またはその組合せの変化によって誘発されるように選択される。好適な誘因条件の例には、限定されないが、温度、pH、該物質の物理的特性(例えば、粘度、相変化)の変化、外部の物理的変化(例えば、せん断速度)および化学反応(内的または外的に誘起される)、またはその組合せなどがある。金属粉末、炭化水素および適切な有機物質、炭酸塩/重炭酸塩、硝酸塩/亜硝酸塩、硫酸塩/亜硫酸塩/硫化物、水、ならびに高いpH、熱、または化学反応に暴露後、気体を発生することのできる他の化合物は、発泡剤として使用できる。微粉砕アルミニウム金属粉は、高pH溶液に暴露後、水素を発生する発泡剤の例である。発泡剤のもう1つの例は、加熱すると膨張する気孔(gas pocket)である。発泡剤のさらにもう1つの例は、加熱すると蒸気に変換する化学的に結合された水である。
【0029】
成形ジオポリマー性粒子および繊維を形成するのに好適な発泡剤は、他の種類の粒子組成物、例えば、高温炉で形成されるガラスミクロスフェアなどを形成するのに用いられる発泡剤と明らかに異なる基準で選択される。ジオ重合反応温度は溶融ガラスに用いられる温度よりかなり低いので、温度によって誘発される場合、本明細書における使用のための好適な発泡剤はまた、ガラスに対して必要とされる温度よりも非常に低い誘因温度を有しなければならない。例として、炭酸塩は、300℃未満の温度で誘発され、これは通常約800℃を超える温度を必要とするガラス溶融処理には適切でない。
【0030】
ジオ重合反応に関して、pHによって誘発される発泡剤は、pHが、しばしば12を超える、よりしばしば14を超えるアルカリ性であることを必要とする。
【0031】
本明細書に記載されるように、発泡剤はまた、該ジオポリマー性前駆体が、必要なとき、空洞が該最終製品中に形成および保存されるように、通常は凝結および硬化直前に粘弾性様挙動を経る間に、発泡剤が誘発されるように選択および制御されなければならない。
【0032】
ジオポリマー性前駆体は、所定の粘度および硬化時間を有するように配合される。一部の好ましい実施形態において、該前駆体配合物は、レオロジー調整剤をさらに含む。レオロジー調整剤は、該物質の粘弾性様挙動、例えば、流動、変形、および/または展性を変えることが可能な添加剤である。該粘弾性様挙動は、該前駆体配合物それ自体に、または該形成過程の間に存在することができる。レオロジー調整剤の量および種類は、所定の時間に、および所定の時間の長さの間に該前駆体中の所定の粘弾性様挙動を達成するように選択される。レオロジー調整剤には、天然ゴム(例えば、グアー、デンプン)、変性天然ゴム(例えば、セルロース誘導体)、合成化合物(例えば、アクリルポリマー)、無機物質(例えば、クレーまたは水和もしくはヒュームドシリカの形態の無定形二酸化ケイ素)、および市販のレオロジー調整剤(例えば、スチレン/アクリレート、スチレンアクリルアミド、ポリアクリレート、例えば、ACUSOL(登録商標)、RHEOLATE(登録商標)、CARBOSOL(登録商標)などの商品名のもとで市販されているものを含む)、ならびにその組合せが含むことができる。さらに、水、ポリエチレングリコール(PEG)、およびケイ酸ナトリウムは有用なレオロジー調整剤とすることができる。ケイ酸ナトリウムに関して、該調整剤は通常、粒子または繊維を形成するのに使用される通常の量を超えて使用される。
【0033】
一部の好ましい実施形態において、ジオポリマー性前駆体にはさらに、少なくとも1種のカルシウム含有物質、例えば、炭酸カルシウム、石灰石、石膏、高炉スラグ、キルンダスト(kiln dust)、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、セメント質物質およびその組合せが含まれる。さらに、充填剤物質も含むことができる。充填剤物質を取り込むと、コストを下げることによって経済性を改善し、該前駆体およびその結果得られる組成物の密度を減少させるだけでなく、機械的特性も改善することができる。充填剤物質の例は、ポリマー、セルロースまたは他の天然繊維、およびリン酸塩クレーである。必要な場合は、ジオ重合の間に完全に変換されない場合、1種または複数の初期前駆体物質、例えば、アルミノシリケートの一部が、充填剤の形態で得られるジオポリマー性製品(例えば、粒子または繊維)中にそのままの状態で存在する。
【0034】
本明細書において記載される成形ジオポリマー性粒子または繊維は、ジオポリマー性前駆体配合物に由来するので、該成形最終製品は通常、乾燥ベースで該前駆体配合物と実質的に同じ化学組成を有する。これは、該重合反応を介する質量保存の結果である(蒸気相を介する水および少量のアルカリ金属の蒸発ならびに用いられる場合、発泡剤からの一部の気体の損失/漏れは除く)。同様に、成形ジオポリマー性粒子および繊維は、通常のアルカリ活性化アルミノシリケートの有利な特性を実質的にすべて受け継ぐ。本明細書において議論されるような成形製品は、酸性およびアルカリ性の両環境において優れた化学的耐久性を示す。特に、これらはコンクリートおよびセメント質複合材の使用に好適であることがわかる。
【0035】
ジオ重合は架橋網状組織を与えるので、得られるジオポリマー性粒子または繊維は、その初期前駆体配合物とは異なる構造を有する。該得られる配合物中のジオポリマーの量は、5重量%を超え、より好ましくは10重量%を超え、さらに好ましくは20重量%を超え、さらに好ましくは35重量%を超え、さらに好ましくは50重量%を超え、そしてさらに好ましくは70重量%を超え、最も好ましくは90重量%を超える。アルミニウムが該前駆体配合物中に存在する場合、該得られるジオポリマー性組成物中のアルカリ金属R対Alのモル比は、5から0.1、より好ましくは3から0.2、さらに好ましくは2から0.5まで変わることができる。Rには通常、アルカリ金属、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、およびその組合せなどが含まれる。
【0036】
一部の好ましい実施形態において、該成形ジオポリマー性粒子または繊維は異質な構造を有する。アルミニウムが該前駆体中に存在する場合、該アルミナシリケートの一部は一般に、未反応または不活性化のままである。一部の実施形態において、該得られるジオポリマー性粒子または繊維は、様々な結晶および/または無定形の相を有する多相形態にある。例えば、ゼオライトの一部の結晶相が、ジオポリマー性組成物、微粒子または繊維中に少量存在してもよい。
【0037】
本明細書において製造される成形ジオポリマー性粒子および繊維は、任意の多数の形態、例えば、限定されないが、粉末、球体、繊維、フィラメント、実質的に円形の粒子、フレークなどおよびその集合体とすることができる。本明細書において製造される成形粒子および繊維の大きさは、好ましくは約0.1μmを超え、より好ましくは10μmを超え、さらに好ましくは30μmを超え、さらに好ましくは100μmを超えてもよい。用語「ミクロ」を用いる場合、このような用語は、本明細書において製造される粒子または繊維のサイズをミクロンの大きさに限定しないことが留意される。一部の好ましい実施形態において、得られるジオポリマー性粒子および繊維は、50mm以上の大きさを有することができる。他の好ましい実施形態において、本明細書において記載されるように製造されるジオポリマー性粒子および繊維は、10nm以下程度の小さいサイズを有してもよい。一部の実施形態において、最終成形ジオポリマー性粒子または繊維、あるいは他の好ましい形状は、それらの全体の長さおよび/または大きさに限定されなくてよい。
【0038】
ジオポリマーの存在は、任意の適切な技術により、最終成形製品において検出および定量化することができる。このような技術の1つには、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)が含まれる。ジオポリマー性マトリックスが、〜460cm-1のピーク(Al−OおよびSi−Oの結合の面内曲げに起因する)および〜1000cm-1のピーク(両Al−OおよびSi−Oの不斉伸縮の融合を表す)でFTIRによって同定されることが以前から見出されている。他のピークも有用であるが、これらの2つのピークが、ジオポリマーマトリックスを同定するための主要な特徴として機能し、ポリシアル化(polysialation)の程度を示し得る。
【0039】
固体マジックアングルスピニング核磁気共鳴技術(MAS−NMR)もジオポリマーの重合を同定するのに好適である。ジオポリマー性化合物の27Alスペクトルは、58ppm付近に強い共鳴を示し、これは秩序だったジオポリマー構造中の4面体Alの優勢を示すものである。XRDも、該組成物中に存在する結晶および無定形の相の量を決定するために用いることができる。
【0040】
1つまたは複数の実施形態において、本明細書において記載されるように製造される成形ジオポリマー性粒子および繊維は、中空であるか、または1つもしくは複数の空洞(通常、孔、空間または泡様構造を含む)を有する。空洞は中央に位置してもよいし、および/または中央の空洞付近に空気空洞を含んでもよい。空洞、中空または泡様構造を与えるために、ジオポリマー性前駆体配合物には、発泡剤(前に記載)が含まれる。空洞、中空または泡様の構造を有する成形ジオポリマー性粒子または繊維は、実質的に固体構造を有する同様の大きさの粒子よりも有利により低い密度、異なる音、熱および荷重の伝達機構を有する。したがって、空洞、中空または泡様の構造を有する成形ジオポリマー性粒子または繊維は、このような特性のために多機能を与え、それにより、広範な用途、例えば、密度調整、包装、防音、および断熱用などに好適である。固体ジオポリマー性物質は一般に、2.00g/ccを超える密度を有するが、本明細書において記載されるような1種または複数の空洞を有するジオポリマー性製品は、有利に、約1.70g/cc未満、より好ましくは1.00g/cc未満、さらに好ましくは0.45g/cc未満,さらに好ましくは0.35g/cc未満、さらに好ましくは0.30g/cc未満、さらに好ましくは0.25g/cc未満の密度を与える。
【0041】
成形ジオポリマー性粒子の1つの好ましい構成は、中空ミクロスフェアのものである。中空ジオポリマー性ミクロスフェアは、空洞空間を囲む壁によって規定される実質的に球形の形状を有することができる。この壁厚さは、該ミクロスフェア直径の好ましくは0.1から45%、より好ましくは1から35%、さらに好ましくは10から25%までの範囲である。該空洞空間は、該壁厚さが該ミクロスフェアのすべての周りで実質的に均一であって、用いられる場合に該ミクロスフェアに均等な荷重分布を与えるように、該ミクロスフェア内の好ましくは中央に、または中央ではない位置に存在することができる。
【0042】
ジオポリマー性粒子のもう1つの好ましい構成は、1つを超える内部空洞を有する実質的に球形の形状である。一部の実施形態において、ジオポリマー性粒子または繊維は、泡構造を有してもよい。空洞は、開いたまたは閉じた構造であってもよい。中空および/または泡様の構造内に空洞空間を有すると、該成形ジオポリマー性粒子または繊維の密度(例えば、有効平均密度およびかさ密度)を直接、減少させる。実際、固体ジオポリマー性物質は一般に、2.00g/ccを超える密度を有するが、空洞、中空および/または泡様構造を有する成形ジオポリマー性物質は、有利に、約1.70g/cc未満、より好ましくは1.00g/cc未満、さらに好ましくは0.45g/cc未満、さらに好ましくは0.35g/cc未満、さらに好ましくは0.33g/cc未満、最も好ましくは0.25g/cc未満の密度を有する。
【0043】
本明細書において記載されるように製造される成形ジオポリマー性物質はまた、該アスペクト比が少なくとも1つの寸法の面で約1.0を超える非球形形状を有するように加工することができる。より好ましくは、該アスペクト比は1.10を超え、さらに好ましくは1.20を超え、さらに好ましくは1.40を超え、さらに好ましくは1.70を超え、さらに好ましくは2.10を超え、さらに好ましくは2.50を超える。例えば、ドーナツ形状は、熱スプレー処理を用いて形成することができる。該ドーナツ形状は、処理中に迅速で、大量の水の蒸発がある場合に形成され、これは、スプレー工程の入口および出口温度ならびに該前駆体配合物の水含量を制御することによって加工することができる。多辺形状(multi−edged shape)は、好適な多辺ダイデザインを用いる紡糸または押出工程を用いて最初に繊維を形成し、次いで第2に、該繊維を短い長さに細断し、該粒子を形成することによって得ることができる。多辺形状はまた、ジオ重合反応の終了直前に多角繊維形成ダイからマルチファイバーを交差させ;凝結および硬化させ、次いで交差し、相互に巻きついた繊維を短い多辺粒子に細断することによって形成することができる。連続繊維および細断された繊維の双方を製造することができる。
【0044】
さらにもう1つの形状には、該形成されたジオポリマー性粒子または繊維の表面上にスパイクが含まれる。このような形状を形成する1つの方法には、最初にジオポリマー性ミクロスフェアを形成する工程、次いで該ミクロスフェアを高いpH、高温および高圧の環境、例えば、オートクレーブ中の環境にさらす工程を含む。このような条件下で、該ジオポリマー性ミクロスフェアの一部は洗脱され、他の部分は、1つまたは複数の結晶相、例えば、ゼオライトの結晶相に変換することができ、スパイキーな形態および形状を有する粒子を残す。
【0045】
予め選択された形態には、実質的に円形、球形、ドーナツ形、卵形、長形、管状、四角形、多角形およびその様々な組合せが含まれてよい。形状は、シート状でもよい。様々な加工された形状は、1つまたは多数の有用な用途に有利である。例えば、スパイクまたは多辺のジオポリマー状粒子は、マトリックス内に強化されたロッキング特性(locking property)を与える。粒子はしばしば、充填剤用途に有用である。
【0046】
成形ジオポリマー性粒子および/または繊維は、層状構造において特に有用であり、ここで、層の少なくとも1つは、例えば、コーティングまたは被覆加工としての外層において、あるいは囲いシェルまたは芯層において該ジオポリマー性生成物を含む。もう1つの好ましい実施形態において、該ジオポリマー性化合物は少なくとも1層の異なる物質によって囲われるまたは被覆される芯層中に存在する。成形ジオポリマー性粒子および繊維は、それ自体、多層であってもよい。上記条件すべてにおいて、該得られる成形粒子または繊維は、該前駆体配合物に用いられるジオポリマー性化合物の固有の特性を実質的にすべて有する一方、他の有利な特性、例えば、形状それ自体によって与えられる特性も有する。例えば、一部の形状は、該物質中、複合体マトリックス中の優れたからみ合い特性、または表面不活性を与える。
【0047】
1つまたは複数の成形ジオポリマー性粒子および/または繊維が、複合体に取り込まれた場合、該複合体は任意の望ましい形態、例えば、パネル、ボード、柱(post)、羽目板(siding)、プランク(plank)、または他の適切に成形された物品とすることができる。いくつかの例を与えるべく、成形ジオポリマー性粒子または繊維は、充填剤、コーティング、顔料(例えば、道路標識における着色剤)用基剤としての使用のために取り込まれることができるのみならず、それらの形状、特性のために取り込まれることができ、ならびにセメントスラリーに取り込まれることができる。繊維の形態における場合、成形ジオポリマー性製品は、繊維強化複合材料、例えば、ポリマー−マトリックス、金属−マトリックス、およびセメント−マトリックスの繊維強化複合材料に用いることができる。このような組成物は、必要に応じて、ガラス繊維、セラミック繊維および/または炭素繊維の代わりの使用に適している。
【0048】
一部の好ましい実施形態によれば、1つまたは複数の機能的使用、例えば、研磨および/または水圧破砕用途のための研磨剤のために成形ジオポリマー性粒子および/または繊維が提供される。このようなジオポリマー組成物は、有利に、優れた流動性に適した、形状、大きさ、密度、および表面特性を有する。1つの例として、滑らかな表面領域および低い密度を有する球形または実質的に円形の微粒子は、液体研磨用途のための優れた流動性を与える。1つの好ましい実施形態において、1つまたは複数の繊維の形態のジオポリマー性組成物は、布地、織物、スポンジ、カーペットなどを製造するために取り込まれる。ジオポリマー性繊維を取り込む布地またはスポンジなどは、単独で、あるいは高温使用および/または耐火用途のためのパッキング、フィルター、ガスケット、断熱材用のさらなる材料と組み合わせて使用することができる。
【0049】
それぞれが、その中に空洞を有するまたは有しない1つまたは複数の成形ジオポリマー性粒子および/または繊維を取り込む軽量成形物品も提供される。該空洞は、実質的に別個の空洞(例えば、孔、空間)、網状組織または泡様構造であってもよい。1つの好ましい実施形態において、軽量物品の使用のための前駆体配合物は、少なくとも1種の発泡剤を含み、該発泡剤は空洞、網状組織および/または泡様構造の形成を促進し、これは有利に、得られる物品の見掛け密度を減少させる。このような軽量物品は、任意の多数の形態、例えば、限定されないが、パネル、ボード、柱(post)、プランク(plank)、パイプ、容器、耐火金庫、ハードウェア、書類整理棚、乗り物または航空機用の外部シェルとすることができる。
【0050】
本明細書において記載される成形ジオポリマー性粒子および繊維を製造する方法は、さらに議論され、ここには、迅速凝結および水硬性のセメントと一緒に、または一緒でなしに、アルカリ活性化シリケートが含まれる。成形ジオポイマー性粒子および繊維は、以下の2つの主要な段階で製造される:第1段階、ここでジオポリマー性化合物を有する前駆体配合物が供給される、および第2段階、ここで該前駆体配合物は、該成形ジオポリマー性最終製品を形成するために用いられる。
【0051】
第1の段階において、前駆体配合物は、水酸化物、シリケート、またはその組合せの形態で少なくとも1種のアルミノシリケート源および1種のアルカリ源を組み合わせることによって供給される。所望の配合物を予め選択することによって、該粘度を制御し、それにより、得られる物質の形状を制御することができる。第2の段階において、ジオ重合反応が生じ、ここで、該ジオポリマー性前駆体配合物が、粘度、例えば、熱スプレー、溶融紡糸またはブロー処理をさらに制御する特定の方法によって処理される。成形および/または空洞の形成ならびに乾燥(硬化)が第2の段階の間に起こる。処理パラメータを予め選択すると、処理時間および硬化時間に影響することによって直接的に物質粘度を制御する。したがって、前駆体配合物および処理パラメータを予め決定し、所望の成形ジオポリマー性粒子または繊維を得る。一部の好ましい実施形態において、該物質粘度は第2の段階の間に十分に低い値に制御され、得られる製品の適切な成形を可能にする。さらに、硬化時間は、得られる製品が凝結および硬化する前に形成すべき形状を可能にするために十分に長い。
【0052】
第1の段階において、該前駆体配合物が、該配合物を順々に形成し、成形し、そして固化させるために利用することができる粘弾性領域を有することが重要である。これは、粘弾性を示し、溶融状態で成形され、次いで固化されて、ガラス軟化温度未満に冷却時に実質的に同じ形状を保持するガラスと類似である。そして、これは、成形が、非常に低い粘度化合物を最終形状に成型することによって形成されるゾル−ゲル形成と異なる。ゾル−ゲル形成は、水および砂の混合物から成形された角氷(ice cube)を形成するのに類似させることができる。該前駆体の粘弾性様挙動を制御する1つの仕方は、第2の段階の間に重合反応速度を低下させることによる。反応速度が遅いほど、得られる製品中により組織化されたポリマー構造を生じることが見出された。反応速度を制御する一つの方法は、反応温度を制御することによる。反応温度が高いほど、反応速度は高くなることが見出された。さらに、該反応速度は該前駆体配合物中の粒径分布を決定づけることによって制御できることも見出された。該前駆体中のより微細な粒径は、より高い表面積、したがって反応が起きるためのより高い接触面積を有し、これはより速い反応速度をもたらす。該反応速度は、活性化のために与えられるアルカリ溶液の濃度を制御することによっても制御することができる。該アルカリ濃度が高いほど、該反応速度は速くなることが見出された。
【0053】
1つの好ましい実施形態において、該前駆体用の出発物質は、第1の段階において列を成して(in line)別々にバッチ化および混合され、ここで、該出発物質には、アルミノシリケート、アルカリ活性化剤、および場合によって発泡剤が含まれる。一例として、アルミノシリケート物質は、部分Aおよびアルカリ活性化剤は部分Bとして表すことができる。発泡剤は、部分Cとしてもう1つの原料物質ストリームから分離してバッチ化してもよい。代替として、該発泡剤は、場合によって、部分Aまたは部分Bの成分であってもよい。発泡剤が含まれない場合、密度の高い固体組成物が形成される。
【0054】
1つの好ましい方法において、部分Aおよび部分Bは、1つのフィードラインにバッチ化され、インラインミキサーを介して均一化される。次いで、部分Cを部分Aおよび部分Bの混合物に加える。第2の段階において、得られるスラリーは、中空球形または空洞を有する粒子を形成するために処理することができる(例えば、反応器中にスプレーされて、ブローイングおよび/または紡糸にさらされて)。別に、該得られるスラリーは、空気乾燥され、または当業者に知られた適切な技法を用いて乾燥され、次いで、該処理された製品は、製粉、粉砕、または当業者に知られた同様の適切な技法によって大きさを減少させることができ、ジオポリマー性最終製品、例えば、粉末形態の粒子を形成することができる。さらにもう1つの実施形態において、第2の段階には、該前駆体を加熱チャンバー内で繊維状にブローイングおよび/または紡糸して、過剰の水を除去し、該繊維を硬化させる工程を含むことができる。
【0055】
本明細書において記載されたように、第2の段階は、バッチ方式、連続方式、または半連続方式で実施することができる。さらにもう1つの実施形態において、第1および第2の段階は、同時に実施することができる。
【0056】
第2の段階において、ジオ重合は非高温温度で実施することができる。適切な温度範囲は、約50(約10℃)と600°F(約315.6℃)の間である。該ジオ重合プロセスは、より低い温度、例えば、室温で実施することもできる。さらに、第2の段階は、さらに段階化する(staged)ことができる(例えば、段階(stages)において1つまたは多数の温度を用いる)。1つの実施例において、第2の段階には、粘弾性挙動および成形が生じる70°F(約21.1℃)の温度、次いで、成形後ジオポリマー形成を加速させる110°F(約43.3℃)、その後、過剰の水を最終乾燥させるための300°F(約148.9℃)を含むことができる。このように、1つまたは複数の温度が、ジオ重合速度の制御を助けるように選択される。
【0057】
第2の段階の乾燥工程部分を行うときに、該ジオ重合反応は、まず完了していなければならない。これは、ジオ重合反応が、いくらかの水分の存在を好むからである。乾燥が生じるのが早すぎる場合(ジオ重合が完了する前)、該得られるジオポリマー組成物は、ジオポリマー性微粒子または繊維に形成されず、原料物質の細かく、乾燥して粉々になったものが形成されることが見出された。理論に拘束されることなしに、これは水分がアルカリ金属カチオンを動かし、これらが正しい位置に動き、該4面体配置中のアルミニウムの荷電と均衡させたためと考えられる。
【0058】
1つの好ましい実施形態において、前駆体配合物は、第1の段階で供給される。場合によって、および代替として、前駆体配合物は、1種または複数のさらなる物質(例えば、添加剤)と一緒に提供され、これには、限定されないが、1種または複数の発泡剤、1種または複数のレオロジー調整剤(例えば、セルロース誘導体、アクリルポリマー、クレー、水和またはヒュームドシリカ、市販のレオロジー調整剤)、1種または複数のカルシウム含有化合物(セメント質化合物、炭酸カルシウム、石灰石、石膏またはその組合せから好ましく選択される)、および1種または複数の充填剤物質(例えば、ポリマー、セルロースまたは他の天然繊維、リン酸塩クレー鉱物、シリカヒュームなどの微細シリケート、カーボン系物質など)が含まれる。このような添加剤は、第1の段階または第2の段階で供給することができ、該アルミノシリケート源またはアルカリ源あるいはその組合せ中に存在させることができる。
【0059】
前駆体および発泡剤を供給する場合、該発泡剤は、好ましくは、粘性ジオポリマー物質中に取り込まれる気体を発生させる誘因を含むように選択され、セルレーション(cellulation)をもたらす。本明細書において用いられる用語「セルレーション(cellulation)」は、1つまたは複数の空洞、孔構造または泡様構造の形成をいう。該セルレーション過程は、第2の段階の前または間に粘性ポリマーのバルク中で生じさせることができる。もう1つの実施形態において、セルレーションは、連続的な仕方、したがって、第1の段階および第2の段階に(すなわち、得られる製品の処理/形成の前、間、および後に)生じる。
【0060】
本明細書において記載される改善された方法によれば、所望の形状および構造の別個のジオポリマー性最終製品(例えば、粒子、繊維)の形成に続けて、該製品は、これらの形状をその後に保持するためのジオ重合反応によって迅速に硬化し、さらに、その後の収集および取り扱いの操作を伴う。
【0061】
成形ジオポリマー性粒子および繊維は、スプレーおよび熱スプレーなどの処理を用いて第2の段階で形成することができ、この処理は、前駆体スラリーを噴霧化し、別個の粒子または集合体を形成する。スプレー装置における噴霧化は、略円形で、略球形の粒子を生成させる。発泡剤の添加によって、中空成形粒子が形成される。発泡剤が用いられない場合、実質的に固体の球体が熱スプレーから生じる。驚くべきことに、熱スプレーは、現下の発明者らによって特に有用であることがわかったが、この理由は、該ジオポリマー性前駆体の粘度を、成形粒子を形成するために十分低く保つことができるためである。さらに、加えられた熱は、制御された仕方において、ならびに過剰な水の蒸発、該成形粒子の重合および硬化を促進する。熱スプレーによって、熱は該発泡剤(存在する場合)を誘発することもできる。1つの好ましい実施形態において、発泡剤が存在する場合、硬化は好ましくは、該発泡剤の誘発後、より好ましくは誘発直後に生じる。誘発後の硬化の制御されたタイミングは、任意の所望の空洞、孔網状組織または泡様構造が、得られる成形ジオポリマー性粒子中に保持され、したがって、該発泡剤を十分利用することを保証する。例えば、ジオポリマー性前駆体のスラリーは、スプレー乾燥機で噴霧化することができ、ここで、加えられた熱は、前駆体中の発泡剤を誘発して気体を形成し、したがって、該物質構造中に気体空洞または空間を生じる。加えられた熱はまた、該前駆物質の重合および硬化を活性化し、得られるジオポリマー性粒子または繊維中に空洞を保持する。該発泡剤の量および種類、ならびにスプレー条件は、該成形ジオポリマー性粒子または繊維中に所望の空洞構造を生じるように構成することができる。本発明者らは、該ジオポリマー性前駆体が粘弾性状況にある(例えば、発泡剤によって発生された大部分の気体がセルレーションする粒子内に捕捉される)場合に最も効率的なセルレーションが起こることを発見した。
【0062】
スラリーの噴霧化された液滴は、所定の滞留時間の間、スプレー乾燥機中で乾燥される。該滞留時間は、得られる製品の平均粒径、粒径分布および水分含量に影響を与えることができる。該滞留時間は、好ましくは、上記されたように、1つまたは複数の好ましい特性を与えるように制御される。該滞留時間は、スラリーの水含量、スラリー液滴サイズ(総表面積)、乾燥気体入口温度、スプレー乾燥機内の気体流パターン、および該スプレー乾燥機内の粒子流経路によって制御することができる。好ましくは、該スプレー乾燥機内の滞留時間は、約0.1から10秒の範囲にあるが、約2秒を超える比較的長い滞留時間が一般により好ましい。好ましくは、該スプレー乾燥機内の入口温度は、約200から600℃の範囲にあり、出口温度は、約90から350℃の範囲にある。
【0063】
該スプレー乾燥条件を制御することによって、該粒子の平均粒径および粒径分布を制御することができることが見出された。例えば、回転式噴霧器は、圧力ノズルよりも、より均一な粒径分布を生じることが見出された。さらに、回転噴霧器は、より高い供給速度を可能とし、ごくわずかな閉塞または目詰まりを有し、研磨材に好適である。一部の実施形態において、既知の噴霧技術の混成も所望の特性を有する粒子を得るために用いることができる。スプレー乾燥は有利に、狭い粒径分布を有する物質を生じる。その結果として、スプレー乾燥によって処理された得られた加工ジオポリマー性粒子は、狭い粒径分布を有し、その後の使用に相反しない特性を有する。本発明の特定の好ましい実施形態による粒子は、熱スプレーおよび硬化後に開いたまたは閉じた多孔性を有することができる。
【0064】
さらに、制御された雰囲気チャンバー内で該ジオポリマーをスプレーし、液滴の硬化および成形を容易にすることも可能である。該チャンバー雰囲気は、重合を触媒する気体または蒸気に富んでもよい。例えば、チャンバー雰囲気は、CO2、または水蒸気に富んでもよい。
【0065】
本発明のもう1つの方法によれば、多ジオポリマー性化合物、またはジオポリマー性化合物および他の物質は、共スプレーされて、多層複合粒子を形成する。これは、粘性カプセル化または弾性層の再配列によって得ることができ、密封スキンの中空、多孔性または固体の粒子を形成することができる。該共スプレー物質は好ましくは、異なる粘度を有する。1つの好ましい実施形態において、該発泡剤を含む粘性ジオポリマーは、第2のジオポリマーの固体被覆によって囲まれた多孔性コアを形成する。第2のジオポリマーは、さらに外層を成長させるために該コアジオポリマーよりも低い粘度を有することが好ましい。
【0066】
1つの好ましい実施形態において、第2の段階は、第1の段階のジオポリマー性前駆体を繊維状にブローイング/紡糸/延伸する工程を含むか、またはフレークを製造するために該前駆体を処理する工程を含む。該繊維ストランドは、連続であっても、または細断されていてもよい。標準的な繊維形成技術を用いてジオポリマー性繊維を製造することができる。本発明の好ましい方法による形成機構は、再度の迅速乾燥および粘性ジオポリマー性化合物の重合による。1つの実施形態において、該粘性ジオポリマーは紡糸されて、短繊維を形成する。もう1つの実施形態において、該繊維は、ガラス繊維工業で日常的に用いられる従来の繊維ブローイング装置において粘性ジオポリマー液体の流れに対して圧縮空気を吹き付けることによって形成される。該繊維の寸法およびアスペクト比は、任意の特定の用途に対して完全に制御することができる。該繊維の寸法およびアスペクト比は、任意の特定の用途のために完全に制御することができる。
【0067】
1つの好ましい実施形態において、第2の段階には、任意の適切な技術による第1の段階の前駆体物質配合物から軽量成形物品を形成する工程が含まれる。該前駆体物質は、好ましくは、少なくとも1種の発泡剤を含む。1つの好ましい実施形態において、該方法の段階2には、第1の段階の前駆体物質を型に注入し、次いで、空気乾燥またはオーブン乾燥して該成形物品を形成する工程が含まれる。もう1つの好ましい実施形態において、該前駆体物質は硬化され、次いで所望の形状および寸法に切断されて、該成形物品を形成する。もう1つの好ましい実施形態において、当業者に知られた適切な技術、例えば、場合によって加熱とともに、スクリュー押出機を用いて両段階を同時に実施する。1つまたは複数のジオポリマー性化合物と一緒に新規な発泡剤を使用することによって、空洞、孔網状組織および/または泡様構造の形成を促進し、有利に、得られる物品の見掛け密度を減少させる。該軽量ジオポリマー性成形物品は、様々な形態、例えば、限定されないが、パネル、ボード、プランク(plank)、柱(post)、パイプ、容器、耐火金庫、書類整理棚、および乗り物または航空機用の外部シェルとすることができる。
【0068】
ジオポリマー性繊維を製造するために、該前駆体物質は、安定噴出長さを作るために適切なスラリーまたはペーストの形態で調製することが好ましい。従来の繊維用の安定噴出長さの条件も、ジオポリマー性繊維の形成に適用されることが見出された。従来の繊維形成用の安定噴出長さの既知の理論は、ウェーバー数およびレイノルズ数の組合せによって与えられ、これは、噴出速度、直径、スラリー密度、粘度、および表面張力によって特徴づけられる。スラリーの形態における前駆体は、所望の密度、粘度および表面張力を有するように配合され、選択された安定噴出長さ条件をもたらす。例えば、さらなる充填剤、例えば、粉末フライアッシュ(ground fly ash)を加えて、該スラリー密度および粘度を変更することができる。界面活性剤または異なる流体を該スラリーに加えて、該スラリー表面張力および密度を変えることができる。ジオポリマー性繊維を製造するための前駆体スラリーは、約1500未満、より好ましくは約1000未満、最も好ましくは約800未満のレイノルズ数を有することが好ましい。
【0069】
中空ジオポリマー性繊維は、該成分がノズルを離れる時点で一緒に混合される精密ノズルによって形成することができる。繊維延伸において利用することのできる1つの事象には、紡糸流体中の圧力分布と静止基板との間の不均衡などがある。該基板に隣接する流体は、静止しており、したがって、遠心的に誘導される圧力勾配は該動きによって均衡されず;したがって、重い微粒子は該基板の中心に向かって移動する。このことは該固体を濃縮し、これらを一緒に近づけ、該反応が起こることを可能とする。
【0070】
もう1つのノズルデザインが、図1に示されるようなジオポリマー性繊維を形成するのに使用することができる。示されるような該ノズルデザインは、空気噴射を囲むダイを介して該前駆体スラリーを噴射し、このようにして円形の中空繊維を形成する。図2および図3は、図1のノズルデザインから形成された繊維のいくつかの実施例を示す。
【0071】
特に注目すべきは、本明細書において開示および製造されるようなジオポリマー性配合物は、ジオポリマー性フレークの形成をもたらすことができることである。本明細書において用いられるように、特に断りのない限り、フレークもある程度の幅および均一な厚さを有する粒子であり、ここで該幅は実質的に該厚さを超える。多くの実施形態において、フレークは平面図において不規則な外側輪郭を有する。
【0072】
フレークは、例えば、薄いジオポリマー性シートを形成し、次いで該シートをより小さな粒子に分割することによって調製することができる。ジオポリマー性シートを形成する1つの方法は、ジオポリマー性前駆体を、逆回転ローラーを介して供給することによる。該工程は、熱をかけて、該ジオ重合反応を高めてもよい。1つの好ましい実施形態において、上記方法はジオポリマー性シートおよびその結果として得られる、ローラーの間隔に対応する断面寸法を有するフレークを生成させ、一部の場合には、約1〜3μm程度とすることもできる。
【0073】
もう1つの好適な方法には、ジオ重合の好適な温度および雰囲気を用いて、適当な大きさとしたダイを介して該ジオポリマー性前駆体を押出す工程が含まれる。このような方法によって、該ジオポリマー性最終製品の厚さは、該ローラーの間隔または該ダイの形状によって決定される。ジオポリマー性フレークを製造するこのような方法によれば、該フレークの厚さは、無限に変えることができ、該フレークの最終使用要求に適する任意の所望の値であることができる。フレークの多くの用途は通常、約1000μm未満の厚さを必要とする。このようなものとして、一般に約1000μm未満の厚さを有するフレークが製造され、他の実施形態において、該厚さは、約500μm未満、250μm未満、100μm未満、50μm未満、20μm未満、10μm未満、5μm未満、2μm未満、および1μm未満である。
【0074】
ジオポリマー性フレークを製造するさらにもう1つの方法において、該ジオポリマー性前駆体のスラリーを空気中にスプレーする。例えば、該スラリーは、ジオポリマー性フレークを適切な形状に形成する適切な形をしたノズルを介してスプレーすることができる。
【0075】
本明細書において記載される任意の好適な方法によって製造されるジオポリマー性フレークは、1つまたは複数の粉砕技術、例えば、ボールミル、例えば(または他の適切な処理)によって所望の寸法を生じさせるようにさらに処理することができ;この技法は一般に、該ジオポリマー性フレークをより小さい大きさに減少させるように設計される。1つの特定の実施形態において、フレークは、約10と10,000μmの間の幅および約1と10μmの間の厚さを有するように処理される。
【0076】
ジオポリマー性フレークを製造するさらにもう1つの方法によれば、ジオポリマー性粒子または球体が製造され(本明細書において他に記載されるように)、該得られる粒子または球体は粉砕されるか、または別に破砕され、半球形のフレークをもたらす。半球形のフレークは、1つまたは複数の方向に自然に屈曲を有し;それのみならず、該フレークは、該フレークが所望の機能的または審美的特性を有するように寸法を合わせることができる。平面フレーク(例えば、ジオポリマー性の大きな平らなシートから製造されるもの)をシミュレートする1つの手法は、該フレークの幅を該出発球体直径に比較して小さい大きさに減少させることである。フレーク幅対球体直径の比がゼロに近づくにつれて、該フレークは平面形状に近づく。
【0077】
1つの好ましい実施形態において、約30と1000μmの間の直径を有する球体は破砕されて、約5と200μmの間の幅を有するフレークを生成する。得られるフレークの厚さは、該球体の壁厚さに依存し、多くの実施形態において、得られるフレークの厚さは、約0.5μmから約10μm程度であることができる。
【0078】
有機ポリマーおよびガラスなどの材料からフレークを製造するいくつかの方法が、関連文献に教示され、これらの一部は本明細書において含むのに適切である。さらに、本明細書において開示されるような独特のジオポリマー性配合物およびジオ重合反応の制御は、独特のジオポリマー性フレークを提供するために含まれる。
【実施例】
【0079】
実施例1
第1の実施例において、前駆体は、所与の意図された処理条件のための所定の硬化時間を有するように配合する。この実施例中のすべての前駆体は、メタカオリンクレー、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウムおよび水から配合したが、異なる比率で、異なる処理温度を用いて、および/または異なる硬化時間を有して供給した。
【0080】
少なくとも4つのジオポリマー性前駆体配合物を、それぞれ、15gの水酸化ナトリウムペレットと32.5gの液体PQ社N−タイプ ケイ酸ナトリウムとを混合し、次いで水を加えて混合物を形成することによって調製した。それぞれの配合物に対する水の量を、表1に示す。水酸化ナトリムと水との発熱反応のために、熱が発生した。次いで、この混合物を、表1に示されるような、所与の温度に冷却し、次いで、40gのメタカオリンクレーを加えた。XRFによって測定したこのクレーの組成を表2に示す。それぞれの配合物は、表3に示されるように、異なる硬化時間を示した。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
上記に示されるように、BおよびC双方は、同じ配合であるが、メタカオリン添加時、異なる温度を示し、これは異なる硬化時間をもたらした。他方で、試料CおよびDは、カオリン添加時、同じ温度を示したが、該配合中に異なる量の水を有し、これは異なる硬化時間をもたらした。したがって、この実施例において説明されるように、該配合および処理パラメータの双方を操作して、所定の硬化時間を得た。
【0085】
実施例2
この実施例は、実質的に球形のジオポリマー性粒子を製造する方法を説明する。前駆体を、150gの水酸化ナトリウムペレットと325gの液体PQ社N−タイプ ケイ酸ナトリウムと混合し、次いで400gの水を加えて混合物を形成することによって製造した。水酸化ナトリウムと水との発熱反応により熱が発生した。この混合物を25℃に冷却し、次いで400gのメタカオリンクレーを加えた。この混合物を、機械式混合機を用いて完全に混合した。該前駆体混合物は、スラリー形態にあり、スプレー乾燥機で別個の液滴粒子に噴霧した。該スプレー乾燥機において加えた熱が過剰の水を蒸発させ、重合および硬化を活性化した。該液滴粒子は、乾燥されたジオポリマー性の球形およびほぼ円形の粒子に変換した。得られたジオポリマー性粒子を図4に示す。得られたジオポリマー性粒子は、流動性、強度、および耐久性を含む優れた特性を有することが見出され、したがって優れた強化充填剤として機能する。
【0086】
さらに、驚くべきことに、例えば、図5に示されるように、少しの粒子しかこれらの構造中に円形空洞を含まないことが観察された。この空洞の円形形状は、気体体積が創生されまたは増加し、次いで硬化作用によって抑制および保持されることを示唆した。理論に拘束されることなしに、化学的に結合された水が熱により放出され、蒸気空間を形成し、これは、該形成された粒子中に円形空洞空間として保持されたと推測することができる。このように、この実施例によりさらに、ジオポリマー性前駆体が1種または複数の発泡剤を取り込み、特定の中空度または泡様構造を有する軽量ジオポリマー性粒子を形成するように加工できることが示される。
【0087】
実施例3
この実施例において、4gの亜鉛金属粉末を発泡剤として実施例1の前駆体配合物に意図的に取り込ませる。発泡剤として、亜鉛金属粉末は、水と自己生成的に反応し、水素ガスを放出する。実施例1と同じ製造方法に従って、得られた製品は軽量ジオポリマー性ミクロスフェアであり、大部分のスフェアは、これらの内部に円形空洞を有した。この実施例のジオポリマー性最終製品の代表例を図6に示す。
【0088】
実施例4
この実施例は、発泡剤としてアルミニウム金属粉末を用いて、泡様構造を有するジオポリマー性粒子を製造する方法について説明する。15gの水酸化ナトリウムペレットと32.5gの液体N−タイプ ケイ酸ナトリウムとを混合し、次いで25gの水を加えて混合物を形成することによって、前駆体を調製した。水酸化ナトリウムと水との発熱反応により熱が発生した。この混合物を25℃に冷却し、次いで40gのメタカオリンクレーを加え、機械式混合機を用いて完全に混合した。次いで、アルカリシリケートを加えた5分後に、発泡剤(0.4gのアルミニウム金属粉末)を、この前駆体混合物に加えた。アルミニウム粉末は、水と激しく、発熱的に反応し、熱および水素ガスを放出した。したがって、この混合物は、あたかも沸騰するように泡立ち挙動を示したが、この理由は、一部の水素ガスが、該混合物の自由表面を破り、そこから逃れていっていたためである。さらなる熱を加えることなく、放出された熱により、重合および硬化は、自己生成的に生じた。硬化後、この前駆体混合物は、軽量ジオポリマー性粒子および集合体(泡様構造を有する粒子および集合体)に変換していた。アルミニウム粉末は、水との反応性が高く、水素ガスを激しく発生し、前駆体は、硬化しながら、小さい断片および個々の微粒子の集合体に細分化した。得られた泡様構造および粒子の実施例を、図7および図8にそれぞれ示す。
【0089】
実施例5
この実施例は、その中に空洞を有する軽量ジオポリマー性成形物品の製造方法について説明する。アルミニウム粉末に代えて、0.4gの亜鉛金属粉末を発泡剤として用いたことを除いて、実施例3に記載されたとおりの同じ前駆体配合物を用いた。この前駆体混合物を型内に入れ、放置して、自原的に硬化させた。この実施例において、亜鉛粉末と水との反応は、実施例3のアルミニウム粉末のものより激しくなかった。このように、この前駆体物質は粉々にならなかったが、型によって設定されたとおりの所望の形状の物品を形成した。この物品は、その構造全体に多数の微小空洞を含むので軽量であり;この空洞は主に水素ガスの放出のためである。この成形物品の空洞含有構造は、図9に示されるとおりである。
【0090】
実施例6
この実施例は、スプレー乾燥機を用いて、ジオポリマー性中空ミクロスフェアを製造する方法について説明する。この配合物は、29.65重量%のメタカオリンクレー、4.27重量%のN−タイプ ケイ酸ナトリウム、5.24重量%のD−タイプケイ酸ナトリウム、8.50重量%のSHP(ヘキサメタリン酸ナトリウム)、5.58重量%の水酸化ナトリウム、1.19重量%のアルミニウム粉末、18.00重量%の水酸化ナトリウムからなる。この配合物を水に加えて、27.3重量%の固体含量を有するスラリーを形成する。次いで、このスラリーをスプレー乾燥機の噴霧ノズルによってスプレー乾燥した。スプレー乾燥機は、500℃の入口空気温度および270℃の出口空気温度を示した。スプレー乾燥機から収集された最終製品は、視像およびSEMを用いて調べ、この実施例を図10および図11に示す。図から理解できるように、このジオポリマー性粒子は、中空ミクロスフェアの構成にある。メタカオリンおよび最終製品のFTIRスペクトルを得たが、原料物質からジオポリマー含有粒子への著しい変化を示した。
【0091】
この実施例から形成されたミクロスフェアとしてのジオポリマー性粒子を、本質的にケイ砂、セメント、繊維および水を含む繊維セメント配合物中に取り込ませて繊維セメントパッド(fiber cement pad)を形成した。このパッドを型中で形成し、セメント水和、熟成、凝結および硬化をさせるために繊維セメント建築製品を形成するのに用いられるのと同じオートクレーブ条件下に置いた。このパッドを図12に示されるようにSEM下で調べた。図12は、このジオポリマー性ミクロスフェアがオートクレーブ条件に耐えて存続したことを示すとともに、繊維セメントマトリックス内の実質的に損なわれない中空球形の形態を示した。
【0092】
粒子および繊維を製造するために、ガラス、従来のセラミック、およびポリマーに代えて、ジオポリマーの新規な使用に関連する多くの利点がある。このような利点の1つは、溶融方法およびその後の形成方法に関連した溶融および高温処理をなくすことである。もう1つの利点は、本明細書において記載されるようなジオポリマー性製品は、空気または還元もしくは酸化の雰囲気中にかかわらず、優れた強度を有するのみでなく、重大な劣化を有しないで、例えば、600℃を超える高い使用温度に耐えることができることであり、これは、ポリマー、グラファイトおよび大部分の市販のガラスと違っている。結果として、本明細書において提供されるようなジオポリマー性製品は、化学的安定性、強度、高い汎用性と生産および他の製品への取込みについての経済的利点のみならず、耐火用途に優れている。
【0093】
本明細書において示されるような本発明のさらなる目的、利点および新規な特徴は、上記の詳細な説明を読めば当業者に明らかであるか、または本発明の実施によって知ることができる。本発明の目的および利点は、本明細書に記載され、特に指摘された装置および組合せによって実現および達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】図1は、ジオポリマー性繊維を形成するために使用される代表的なノズルデザインを示す。
【図2】図2は、図1のノズルデザインから形成されるジオポリマー性繊維の視像を示す。
【図3】図3は、図1のノズルデザインから形成される2つのジオポリマー性繊維の視像を示す。
【図4】図4は、成形ジオポリマー性ミクロスフェアの視像を示す。
【図5】図5は、ジオポリマー性ミクロスフェアを含む磨かれた断面の走査電子顕微鏡写真(SEM)像を示す。
【図6】図6は、ジオポリマー性粒子の視像を示す。
【図7】図7は、ジオポリマー性粒子の発泡構造の視像を示す。
【図8】図8は、発泡ジオポリマー性粒子の視像を示す。
【図9】図9は、低密度ジオポリマー性物品のマトリックスの視像を示す。
【図10】図10は、ジオポリマー性ミクロスフェアの視像を示す。
【図11】図11は、実施例6に記載のように製造されたジオポリマー性ミクロスフェアの磨かれた断面のSEM像である。
【図12】図12は、繊維セメントマトリックスに取り込まれたジオポリマー性ミクロスフェアを示す後方散乱電子像(BEI)を示す。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2005年12月6日に出願された米国仮特許出願60/748037号の利益を主張する。
連邦政府に支援された研究または開発に関する宣言
該当なし
本発明は、一般に、ジオポリマー性粒子および繊維、製造方法および使用、一般的な使用および複合材料への混合のためのこのような粒子および繊維、ならびに特に、球体、繊維、フレークおよびその集合体を含む、様々な形態に製造することができ化学的に耐久性で、安定したジオポリマー性粒子および繊維に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維セメントなどの複合材料は通常、その材料の特性または製造方法を強化および/または改良するために多くの成分および添加剤を取り込む。例えば、中空ミクロスフェアは、繊維セメントボードおよび軽量セメントスラリーを含む、多くの複合材のための密度調整剤および加工補助剤として使用することができる。固体ミクロスフェアも、充填剤およびレオロジー調整剤などの多くの用途に使用される。さらに、繊維(例えば、セルロース繊維およびガラス繊維)は、強化材として多くの複合材に使用される。
【0003】
従来のミクロスフェアおよび強化繊維は通常、ガラス、ポリマー、金属、および/またはグラファイトから製造される。残念なことに、このような材料からのミクロスフェアおよび繊維の製造に関連していくつかの欠点が存在する。例えば、ガラスミクロスフェアの製造には通常、高温条件の使用を必要とし、これはコストを増加させるとともに、極めて非効率である。さらに、従来の繊維およびミクロスフェアを製造するために使用される多くの材料は通常、相当な劣化なしに高い使用温度に耐えることができない。
【0004】
このような障害に照らして、改良されたミクロスフェアなどおよびそれらの製造方法についての必要性が依然として存在する。したがって、従来技術の1つまたは複数の欠点を克服または改善し、ならびに1つまたは複数の有用な代替物を提供することが本発明の目的である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の要約
本明細書に記載された発明によって、ミクロスフェアなどおよび製造方法に関連した1つまたは複数の欠点が克服される。さらに、このような従来のミクロスフェアおよび製造方法の有用な代替物が提供される。
【0006】
本明細書において、一般に、および1つの形態で提供されるものには、迅速凝結および硬化無機材料(例えば、アルカリ活性化シリケート)、迅速凝結セメント(例えば、アルカリ土類リン酸塩)、および水硬性ペースト(例えば、カルシウム含有セメント)を含む前躯体配合物から加工される成形粒子、繊維、ならびに物品などがある。該成形粒子、繊維、および物品の共通の特性は、これらを製造する方法にあり、ここで、これらは、本明細書において低温加工という、低温(例えば、得られる組成物の融解温度未満)で加工される。前駆体は、例えば、球体、粒子、繊維およびフレークおよびその集合体、ならびに成形された形状を含む、任意の数の最終製品形態で構成することができる。この形成された形状は、好ましくはその機能的構築要素としてジオポリマーを含む。いくつかの実施形態において、形成された成形粒子、繊維または物品には、その中に少なくとも1つの空洞または孔空間が含まれる。このジオポリマー性粒子は通常、ジオポリマーを形成することができる物質を有する前駆体配合物;少なくとも1種のアルカリ活性化シリケート、例えばアルミナシリケートを含む前駆体配合物の重合によって製造される。粒子および物品は、実質的に円形、ドーナツ形、卵形、長形、管状、四角形、多角形、実質的に平ら、およびこの様々な組合せを含む形状を有する。繊維は、実質的に円形、ドーナツ形、卵形、長形、管状、四角形、多角形、実質的に平ら、およびこの様々な組合せを含む断面形状を有する。
【0007】
もう1つの形態において、ジオポリマー性粒子および/または繊維は、1つまたは複数の複合材料または物品に取り込まれ;該ジオポリマー性粒子または繊維には、少なくとも1種のジオポリマーが含まれる。1つまたは複数の実施形態において、該複合物品は繊維強化セメント複合材である。複合物品は、パネル、ボード、柱(post)、羽目板(siding)、プランク(plank)、柱(post)、容器、または建築用などの他の成形物品の形態とすることができる。ジオポリマー性粒子または繊維を含む軽量成形物品について、該粒子には通常、その中に少なくとも1つの空洞が含まれる。成形物品は、型によって規定されてもよいし、泡様の構造を含んでもよい。
【0008】
さらにもう1つの形態において、形成されたジオポリマー性粒子または繊維は、研磨材、塗料、化学的および水硬性破砕用途に関して使用され、ここで、ジオポリマー性粒子および/または繊維は、その中に少なくとも1種のジオポリマーを取り込むことによって形成される。このような組成物が繊維の形態である場合、これらは例として、布、織物、スポンジまたはカーペットを形成するために使用してもよい。
【0009】
さらにもう1つの形態において、少なくとも1種のジオポリマーを有する前駆体配合物は、粒子または繊維を含む、1つまたは複数の形状に製造される。このような形状を形成する方法には通常、前駆体配合物を供給する段階およびジオポリマー性粒子または繊維または物品を形成するために該前駆体を成形する段階が含まれる。該前駆体配合物には通常、少なくとも1種のシリケート源(例えば、アルミノシリケート)および1種のアルカリ源(通常、水酸化物、シリケートおよびその組合せなど)が含まれる。該前駆体配合物には、レオロジー調整剤も含まれ得る。さらに、または場合によって、該前駆体配合物には、1種または複数の好適な発泡剤、1種または複数のカルシウム含有化合物(例えば、セメント質化合物、炭酸カルシウム、石灰石)、1種または複数の充填剤物質(例えば、ポリマー、セルロース、カーボン系化合物、ガラス、セラミックファイバー、リン酸塩クレー)、着色剤、1種または複数の表面活性剤およびその組合せが含まれ得る。充填剤物質、着色剤、および/または表面活性剤は、該組成物の形成後に取り込まれてもよい。成形に好適な処理には、熱スプレー乾燥、スプレー乾燥、溶融紡糸またはブローイングなどがある。該前駆体配合物および処理パラメータは、該配合物の物質粘度を制御するために予め定めてもよく、それにより、得られるジオポリマー性粒子、繊維または物品の形状を制御し得る。
【0010】
当業者であれば、以下に図面とともに続く詳細な説明を読めば、本発明の上記特徴および利点、および他のその重要な態様を理解するであろう。
図面の簡単な説明
本発明の特徴および利点のより完全な理解のために、これから、添付の図面とともに本発明の説明への言及がなされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
好ましい実施形態の詳細な説明
様々な実施形態を製造および使用することが以下に詳細に議論されるが、本発明は、広範で様々な文脈において具現化され得る多くの発明概念を提供することが理解されるべきである。本明細書において議論される特定の態様および実施形態は、本発明を製造および使用するための仕方を単に例証するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0012】
以下に続く説明において、同様な部分は、本明細書および図面全体を通して、それぞれ、同じ参照数字で印を付けることができる。図面は、必ずしも縮尺で製図される必要はなく、ある種の特徴は、明瞭さおよび簡潔さの目的で、縮尺で強調され、またはいくらか一般化されたもしくは略図の形態で示すことができる。
【0013】
本明細書において用いられるように、用語「ジオポリマー」は、広義の用語であり、その通常の意味を有し、限定なしに、シリコアルミネート(silicoaluminate)骨格とともに合成のおよび実質的に無定形のポリマーを含むものとする。
【0014】
用語「ジオポリマー性」は、広義の用語であり、その通常の意味を有し、限定されないが、少なくとも1種のジオポリマーを取り込む物質を含むものとする。
【0015】
用語「アルカリ活性化」は、広義の用語であり、その通常の意味を与えられ、限定されないが、少なくとも1種のアルカリ化合物の存在下で1種または複数の架橋シリコアルミネートを形成する化学反応または化学反応の群を含むものとする。
【0016】
用語「前駆体」(ジオポリマー性前駆体ともいう)は、広義の用語であり、通常の意味を与えられることができ、限定されないが、ジオポリマーに変換され得る開始または出発成分(物質、化合物)の混合物を含む。
【0017】
本発明の1つまたは複数の実施形態では、一般に成形された粒子および繊維ならびにその機能的構築要素としてジオポリマーを取り込むことが提供される。ジオポリマーの強度、化学的耐久性、および耐火性ならびにこのようなジオポリマー性粒子または繊維を製造するコストが低いことにより、このようなジオポリマー性物質は、複合材のための優れた強化物質として機能する。
【0018】
ジオポリマーは、本質的に粘弾性特性を有しないが、本発明者らは、前駆体配合物に粘弾性様挙動を導入する方法を発見し、そして制御された工程によって、該前駆体を所定の形状、例えば、粒子、球体、フレーク、繊維など、およびその集合体に成形することができる。本発明者らはまた、該前駆体配合物を1つまたは複数の成形ジオポリマー性粒子または繊維に形成しながら、その中に1個または複数の空洞、孔、または空間を形成し、したがって有利に該ジオポリマー、該前駆体配合物および該形成された形状に関連する有益なすべての特性を有する低密度ジオポリマー性粒子または繊維を提供する方法を発見した。したがって、ジオポリマーに変換可能な1つまたは複数の化合物をその中に有する前駆体配合物を出発物質として供給することによって、該ジオポリマー性化合物の様々な特性、例えば、優れた強度、熱安定性、高い表面の滑らかさ、精度および硬度が、得られるジオポリマー性製品中に取り込まれる。
【0019】
1980年代初期に最初に用いられた用語「ジオポリマー」は、通常シリコアルミネート(Si−Al)骨格を有する合成無定形ポリマーをいう。ジオポリマーの化学式は、以下のように示すことができる:
Mn[−(SiO2)2−AlO2]n.wH2O (1)
(式中、Mは、アルカリ化学種であり、nは重合度である)。これは、アルミニウムが主に4面体配位にあり、ケイ素が様々な配位構造を有するアルミノシリケート骨格である。アルカリ金属M(例えば、ナトリウムまたはカリウム)は、電荷の均衡を与える。この構造単位には、シアレート(sialate)[−Si−O−Al−O−]、シアレートシロキソ(sialate siloxo)[−Si−O−Al−O−Si−O−]および/またはシレートジシロキソ(silate disiloxo)[−Si−O−Al−O−Si−O−Si−O−]が含まれることができる。
【0020】
ジオ重合(Geopolymerizattion)には、高度にアルカリ性の環境におけるシリコアルミネートとアルカリシリケートとの間の化学反応が含まれる。ジオ重合のための形成反応は一般に、迅速凝結および迅速硬化の反応であることが知られている。ジオ重合の迅速凝結および迅速硬化の特徴のために、以前は、有用な製品、例えば、所定および所望の構成の粒子または繊維を製造するために、ミクロスケールレベルでジオポリマー性粒子または繊維を成形することはできなかった。
【0021】
ジオ重合に関して、アルカリ性溶液は、特定の数のSiおよびAlの原子がアルミノシリケート原液から溶解または加水分解することを誘発し、溶液中にジオ−モノマーを形成させ、次いで、これはポリ縮合(poly−condense)して、加えられた熱の誘因下で硬い網状組織を形成する。架橋反応は、多様な種類のシリコアルミネートを組み合わせて使用する場合に、増強される。該ジオポリマー性粒子または繊維の強度は、架橋が増加すると増加する。
【0022】
ジオポリマー性化合物は、化学的に耐久性、かつ安定である。ジオポリマー性化合物の前駆体には、好ましくはアルミノシリケートの形態で、少なくとも1種の無定形シリケートが含まれる。アルミナは、安定なジオポリマーを形成するために存在することができる。該シリケートは、好ましくは、水酸化物、シリケート、またはその組合せなどのアルカリ化合物によってアルカリ活性化することができる。アルカリ金属R対Alのモル比は、5から0.1、より好ましくは3から0.2、さらに好ましくは2から0.5まで変わることができる。Rは、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム、リチウム、およびその組合せを含む)の群から選択することができる。該好ましいジオポリマー中のSi対Alのモル比は、300から1、好ましくは50から1、より好ましくは10から1まで変わることができる。一部の好ましい実施形態において、Si対Alのモル比は、約2を超える、より好ましくは約3を超える。Si対Al比がより高いとより柔軟なジオポリマー生成物を生じ、これは特に繊維の形態の製品に特に有利であることが留意される。
【0023】
好適なアルミノシリケートの例は、焼成カオリン型のクレー(2SiO2.Al2O3)である。ホスフェート型のクレー、アルミナシリケート鉱物および粉末岩石型物質も、好適なジオポリマー前駆体を形成するために首尾良く用いることができる。さらに、他のクレー物質(焼成または非焼成)、フライアッシュ(fly ash)などの廃棄副産物、高炉スラグ(blast furnace slag)、および廃棄物ガラスも、ジオポリマー前駆体を配合するために用いることができる。出発前駆体物質はまた、ケイ質物質、例えば、珪藻土、シリカヒューム(silica fume)、グラウンドクォーツ(ground quartz)とすることができ、そしてこれにアルミナを有する物質、例えば、ボーキサイト、アルミナ、アルミネートおよびアルミナ白を加えることができる。好適な物質は、大きさの減少、焼成および脱ヒドロキシル化によってアルカリ活性化に対してより反応性になる。したがって、これらの物質は、より高いジオ重合反応速度を有する。
【0024】
アルミナホスフェートも、該ジオポリマー性前駆体として用いることができる。ここで、P対Alのモル比は、10から0.1、より好ましくは5から1まで変わることができる。酸化鉄含有化合物(例えば、水酸化鉄)およびホウ素含有化合物(例えば、ホウ酸またはホウ酸塩)も、ジオポリマー性前駆体配合物に加えることができる。Si対FeまたはBのモル比は、変化してもよい。1つの形態において、それは300から1とすることができる。
【0025】
任意のアルミナシリケートまたはアルミナホスフェートのジオポリマー性前駆体を処理して1種または複数のジオポリマー性化合物を含む成形最終製品(例えば、粒子、繊維または軽量成形物品)を形成することができることが理解されるであろう。
【0026】
該シリケートおよび/またはアルミノシリケート出発物質の平均粒径は、好ましくは300ミクロン未満、好ましくは100ミクロン未満、より好ましくは20ミクロン未満であり、一部の実施形態において、5ミクロン未満である。
【0027】
一部の好ましい実施形態において、該成形ジオポリマー性粒子または繊維の前駆体には、追加的および革新的に発泡剤が含まれる。発泡剤は一般に、特定の誘因条件下で気体を放出し、または気体容積を発生させる物質として知られる。ジオポリマー性前駆体中の発泡剤は、該ジオポリマー性粒子または繊維中の気体空洞、孔、空間または泡様構造の形成を促進する。したがって、空洞を有する得られたジオポリマー性製品は、実質的に固体構造(すなわち、気体空洞、孔、空間もしくは泡様構造を有しないか、または限定的に有する)を有するものより低い密度を有する。
【0028】
本明細書において用いられる発泡剤は、好ましくは、該物質の特性、処理、またはその組合せの変化によって誘発されるように選択される。好適な誘因条件の例には、限定されないが、温度、pH、該物質の物理的特性(例えば、粘度、相変化)の変化、外部の物理的変化(例えば、せん断速度)および化学反応(内的または外的に誘起される)、またはその組合せなどがある。金属粉末、炭化水素および適切な有機物質、炭酸塩/重炭酸塩、硝酸塩/亜硝酸塩、硫酸塩/亜硫酸塩/硫化物、水、ならびに高いpH、熱、または化学反応に暴露後、気体を発生することのできる他の化合物は、発泡剤として使用できる。微粉砕アルミニウム金属粉は、高pH溶液に暴露後、水素を発生する発泡剤の例である。発泡剤のもう1つの例は、加熱すると膨張する気孔(gas pocket)である。発泡剤のさらにもう1つの例は、加熱すると蒸気に変換する化学的に結合された水である。
【0029】
成形ジオポリマー性粒子および繊維を形成するのに好適な発泡剤は、他の種類の粒子組成物、例えば、高温炉で形成されるガラスミクロスフェアなどを形成するのに用いられる発泡剤と明らかに異なる基準で選択される。ジオ重合反応温度は溶融ガラスに用いられる温度よりかなり低いので、温度によって誘発される場合、本明細書における使用のための好適な発泡剤はまた、ガラスに対して必要とされる温度よりも非常に低い誘因温度を有しなければならない。例として、炭酸塩は、300℃未満の温度で誘発され、これは通常約800℃を超える温度を必要とするガラス溶融処理には適切でない。
【0030】
ジオ重合反応に関して、pHによって誘発される発泡剤は、pHが、しばしば12を超える、よりしばしば14を超えるアルカリ性であることを必要とする。
【0031】
本明細書に記載されるように、発泡剤はまた、該ジオポリマー性前駆体が、必要なとき、空洞が該最終製品中に形成および保存されるように、通常は凝結および硬化直前に粘弾性様挙動を経る間に、発泡剤が誘発されるように選択および制御されなければならない。
【0032】
ジオポリマー性前駆体は、所定の粘度および硬化時間を有するように配合される。一部の好ましい実施形態において、該前駆体配合物は、レオロジー調整剤をさらに含む。レオロジー調整剤は、該物質の粘弾性様挙動、例えば、流動、変形、および/または展性を変えることが可能な添加剤である。該粘弾性様挙動は、該前駆体配合物それ自体に、または該形成過程の間に存在することができる。レオロジー調整剤の量および種類は、所定の時間に、および所定の時間の長さの間に該前駆体中の所定の粘弾性様挙動を達成するように選択される。レオロジー調整剤には、天然ゴム(例えば、グアー、デンプン)、変性天然ゴム(例えば、セルロース誘導体)、合成化合物(例えば、アクリルポリマー)、無機物質(例えば、クレーまたは水和もしくはヒュームドシリカの形態の無定形二酸化ケイ素)、および市販のレオロジー調整剤(例えば、スチレン/アクリレート、スチレンアクリルアミド、ポリアクリレート、例えば、ACUSOL(登録商標)、RHEOLATE(登録商標)、CARBOSOL(登録商標)などの商品名のもとで市販されているものを含む)、ならびにその組合せが含むことができる。さらに、水、ポリエチレングリコール(PEG)、およびケイ酸ナトリウムは有用なレオロジー調整剤とすることができる。ケイ酸ナトリウムに関して、該調整剤は通常、粒子または繊維を形成するのに使用される通常の量を超えて使用される。
【0033】
一部の好ましい実施形態において、ジオポリマー性前駆体にはさらに、少なくとも1種のカルシウム含有物質、例えば、炭酸カルシウム、石灰石、石膏、高炉スラグ、キルンダスト(kiln dust)、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、セメント質物質およびその組合せが含まれる。さらに、充填剤物質も含むことができる。充填剤物質を取り込むと、コストを下げることによって経済性を改善し、該前駆体およびその結果得られる組成物の密度を減少させるだけでなく、機械的特性も改善することができる。充填剤物質の例は、ポリマー、セルロースまたは他の天然繊維、およびリン酸塩クレーである。必要な場合は、ジオ重合の間に完全に変換されない場合、1種または複数の初期前駆体物質、例えば、アルミノシリケートの一部が、充填剤の形態で得られるジオポリマー性製品(例えば、粒子または繊維)中にそのままの状態で存在する。
【0034】
本明細書において記載される成形ジオポリマー性粒子または繊維は、ジオポリマー性前駆体配合物に由来するので、該成形最終製品は通常、乾燥ベースで該前駆体配合物と実質的に同じ化学組成を有する。これは、該重合反応を介する質量保存の結果である(蒸気相を介する水および少量のアルカリ金属の蒸発ならびに用いられる場合、発泡剤からの一部の気体の損失/漏れは除く)。同様に、成形ジオポリマー性粒子および繊維は、通常のアルカリ活性化アルミノシリケートの有利な特性を実質的にすべて受け継ぐ。本明細書において議論されるような成形製品は、酸性およびアルカリ性の両環境において優れた化学的耐久性を示す。特に、これらはコンクリートおよびセメント質複合材の使用に好適であることがわかる。
【0035】
ジオ重合は架橋網状組織を与えるので、得られるジオポリマー性粒子または繊維は、その初期前駆体配合物とは異なる構造を有する。該得られる配合物中のジオポリマーの量は、5重量%を超え、より好ましくは10重量%を超え、さらに好ましくは20重量%を超え、さらに好ましくは35重量%を超え、さらに好ましくは50重量%を超え、そしてさらに好ましくは70重量%を超え、最も好ましくは90重量%を超える。アルミニウムが該前駆体配合物中に存在する場合、該得られるジオポリマー性組成物中のアルカリ金属R対Alのモル比は、5から0.1、より好ましくは3から0.2、さらに好ましくは2から0.5まで変わることができる。Rには通常、アルカリ金属、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、およびその組合せなどが含まれる。
【0036】
一部の好ましい実施形態において、該成形ジオポリマー性粒子または繊維は異質な構造を有する。アルミニウムが該前駆体中に存在する場合、該アルミナシリケートの一部は一般に、未反応または不活性化のままである。一部の実施形態において、該得られるジオポリマー性粒子または繊維は、様々な結晶および/または無定形の相を有する多相形態にある。例えば、ゼオライトの一部の結晶相が、ジオポリマー性組成物、微粒子または繊維中に少量存在してもよい。
【0037】
本明細書において製造される成形ジオポリマー性粒子および繊維は、任意の多数の形態、例えば、限定されないが、粉末、球体、繊維、フィラメント、実質的に円形の粒子、フレークなどおよびその集合体とすることができる。本明細書において製造される成形粒子および繊維の大きさは、好ましくは約0.1μmを超え、より好ましくは10μmを超え、さらに好ましくは30μmを超え、さらに好ましくは100μmを超えてもよい。用語「ミクロ」を用いる場合、このような用語は、本明細書において製造される粒子または繊維のサイズをミクロンの大きさに限定しないことが留意される。一部の好ましい実施形態において、得られるジオポリマー性粒子および繊維は、50mm以上の大きさを有することができる。他の好ましい実施形態において、本明細書において記載されるように製造されるジオポリマー性粒子および繊維は、10nm以下程度の小さいサイズを有してもよい。一部の実施形態において、最終成形ジオポリマー性粒子または繊維、あるいは他の好ましい形状は、それらの全体の長さおよび/または大きさに限定されなくてよい。
【0038】
ジオポリマーの存在は、任意の適切な技術により、最終成形製品において検出および定量化することができる。このような技術の1つには、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)が含まれる。ジオポリマー性マトリックスが、〜460cm-1のピーク(Al−OおよびSi−Oの結合の面内曲げに起因する)および〜1000cm-1のピーク(両Al−OおよびSi−Oの不斉伸縮の融合を表す)でFTIRによって同定されることが以前から見出されている。他のピークも有用であるが、これらの2つのピークが、ジオポリマーマトリックスを同定するための主要な特徴として機能し、ポリシアル化(polysialation)の程度を示し得る。
【0039】
固体マジックアングルスピニング核磁気共鳴技術(MAS−NMR)もジオポリマーの重合を同定するのに好適である。ジオポリマー性化合物の27Alスペクトルは、58ppm付近に強い共鳴を示し、これは秩序だったジオポリマー構造中の4面体Alの優勢を示すものである。XRDも、該組成物中に存在する結晶および無定形の相の量を決定するために用いることができる。
【0040】
1つまたは複数の実施形態において、本明細書において記載されるように製造される成形ジオポリマー性粒子および繊維は、中空であるか、または1つもしくは複数の空洞(通常、孔、空間または泡様構造を含む)を有する。空洞は中央に位置してもよいし、および/または中央の空洞付近に空気空洞を含んでもよい。空洞、中空または泡様構造を与えるために、ジオポリマー性前駆体配合物には、発泡剤(前に記載)が含まれる。空洞、中空または泡様の構造を有する成形ジオポリマー性粒子または繊維は、実質的に固体構造を有する同様の大きさの粒子よりも有利により低い密度、異なる音、熱および荷重の伝達機構を有する。したがって、空洞、中空または泡様の構造を有する成形ジオポリマー性粒子または繊維は、このような特性のために多機能を与え、それにより、広範な用途、例えば、密度調整、包装、防音、および断熱用などに好適である。固体ジオポリマー性物質は一般に、2.00g/ccを超える密度を有するが、本明細書において記載されるような1種または複数の空洞を有するジオポリマー性製品は、有利に、約1.70g/cc未満、より好ましくは1.00g/cc未満、さらに好ましくは0.45g/cc未満,さらに好ましくは0.35g/cc未満、さらに好ましくは0.30g/cc未満、さらに好ましくは0.25g/cc未満の密度を与える。
【0041】
成形ジオポリマー性粒子の1つの好ましい構成は、中空ミクロスフェアのものである。中空ジオポリマー性ミクロスフェアは、空洞空間を囲む壁によって規定される実質的に球形の形状を有することができる。この壁厚さは、該ミクロスフェア直径の好ましくは0.1から45%、より好ましくは1から35%、さらに好ましくは10から25%までの範囲である。該空洞空間は、該壁厚さが該ミクロスフェアのすべての周りで実質的に均一であって、用いられる場合に該ミクロスフェアに均等な荷重分布を与えるように、該ミクロスフェア内の好ましくは中央に、または中央ではない位置に存在することができる。
【0042】
ジオポリマー性粒子のもう1つの好ましい構成は、1つを超える内部空洞を有する実質的に球形の形状である。一部の実施形態において、ジオポリマー性粒子または繊維は、泡構造を有してもよい。空洞は、開いたまたは閉じた構造であってもよい。中空および/または泡様の構造内に空洞空間を有すると、該成形ジオポリマー性粒子または繊維の密度(例えば、有効平均密度およびかさ密度)を直接、減少させる。実際、固体ジオポリマー性物質は一般に、2.00g/ccを超える密度を有するが、空洞、中空および/または泡様構造を有する成形ジオポリマー性物質は、有利に、約1.70g/cc未満、より好ましくは1.00g/cc未満、さらに好ましくは0.45g/cc未満、さらに好ましくは0.35g/cc未満、さらに好ましくは0.33g/cc未満、最も好ましくは0.25g/cc未満の密度を有する。
【0043】
本明細書において記載されるように製造される成形ジオポリマー性物質はまた、該アスペクト比が少なくとも1つの寸法の面で約1.0を超える非球形形状を有するように加工することができる。より好ましくは、該アスペクト比は1.10を超え、さらに好ましくは1.20を超え、さらに好ましくは1.40を超え、さらに好ましくは1.70を超え、さらに好ましくは2.10を超え、さらに好ましくは2.50を超える。例えば、ドーナツ形状は、熱スプレー処理を用いて形成することができる。該ドーナツ形状は、処理中に迅速で、大量の水の蒸発がある場合に形成され、これは、スプレー工程の入口および出口温度ならびに該前駆体配合物の水含量を制御することによって加工することができる。多辺形状(multi−edged shape)は、好適な多辺ダイデザインを用いる紡糸または押出工程を用いて最初に繊維を形成し、次いで第2に、該繊維を短い長さに細断し、該粒子を形成することによって得ることができる。多辺形状はまた、ジオ重合反応の終了直前に多角繊維形成ダイからマルチファイバーを交差させ;凝結および硬化させ、次いで交差し、相互に巻きついた繊維を短い多辺粒子に細断することによって形成することができる。連続繊維および細断された繊維の双方を製造することができる。
【0044】
さらにもう1つの形状には、該形成されたジオポリマー性粒子または繊維の表面上にスパイクが含まれる。このような形状を形成する1つの方法には、最初にジオポリマー性ミクロスフェアを形成する工程、次いで該ミクロスフェアを高いpH、高温および高圧の環境、例えば、オートクレーブ中の環境にさらす工程を含む。このような条件下で、該ジオポリマー性ミクロスフェアの一部は洗脱され、他の部分は、1つまたは複数の結晶相、例えば、ゼオライトの結晶相に変換することができ、スパイキーな形態および形状を有する粒子を残す。
【0045】
予め選択された形態には、実質的に円形、球形、ドーナツ形、卵形、長形、管状、四角形、多角形およびその様々な組合せが含まれてよい。形状は、シート状でもよい。様々な加工された形状は、1つまたは多数の有用な用途に有利である。例えば、スパイクまたは多辺のジオポリマー状粒子は、マトリックス内に強化されたロッキング特性(locking property)を与える。粒子はしばしば、充填剤用途に有用である。
【0046】
成形ジオポリマー性粒子および/または繊維は、層状構造において特に有用であり、ここで、層の少なくとも1つは、例えば、コーティングまたは被覆加工としての外層において、あるいは囲いシェルまたは芯層において該ジオポリマー性生成物を含む。もう1つの好ましい実施形態において、該ジオポリマー性化合物は少なくとも1層の異なる物質によって囲われるまたは被覆される芯層中に存在する。成形ジオポリマー性粒子および繊維は、それ自体、多層であってもよい。上記条件すべてにおいて、該得られる成形粒子または繊維は、該前駆体配合物に用いられるジオポリマー性化合物の固有の特性を実質的にすべて有する一方、他の有利な特性、例えば、形状それ自体によって与えられる特性も有する。例えば、一部の形状は、該物質中、複合体マトリックス中の優れたからみ合い特性、または表面不活性を与える。
【0047】
1つまたは複数の成形ジオポリマー性粒子および/または繊維が、複合体に取り込まれた場合、該複合体は任意の望ましい形態、例えば、パネル、ボード、柱(post)、羽目板(siding)、プランク(plank)、または他の適切に成形された物品とすることができる。いくつかの例を与えるべく、成形ジオポリマー性粒子または繊維は、充填剤、コーティング、顔料(例えば、道路標識における着色剤)用基剤としての使用のために取り込まれることができるのみならず、それらの形状、特性のために取り込まれることができ、ならびにセメントスラリーに取り込まれることができる。繊維の形態における場合、成形ジオポリマー性製品は、繊維強化複合材料、例えば、ポリマー−マトリックス、金属−マトリックス、およびセメント−マトリックスの繊維強化複合材料に用いることができる。このような組成物は、必要に応じて、ガラス繊維、セラミック繊維および/または炭素繊維の代わりの使用に適している。
【0048】
一部の好ましい実施形態によれば、1つまたは複数の機能的使用、例えば、研磨および/または水圧破砕用途のための研磨剤のために成形ジオポリマー性粒子および/または繊維が提供される。このようなジオポリマー組成物は、有利に、優れた流動性に適した、形状、大きさ、密度、および表面特性を有する。1つの例として、滑らかな表面領域および低い密度を有する球形または実質的に円形の微粒子は、液体研磨用途のための優れた流動性を与える。1つの好ましい実施形態において、1つまたは複数の繊維の形態のジオポリマー性組成物は、布地、織物、スポンジ、カーペットなどを製造するために取り込まれる。ジオポリマー性繊維を取り込む布地またはスポンジなどは、単独で、あるいは高温使用および/または耐火用途のためのパッキング、フィルター、ガスケット、断熱材用のさらなる材料と組み合わせて使用することができる。
【0049】
それぞれが、その中に空洞を有するまたは有しない1つまたは複数の成形ジオポリマー性粒子および/または繊維を取り込む軽量成形物品も提供される。該空洞は、実質的に別個の空洞(例えば、孔、空間)、網状組織または泡様構造であってもよい。1つの好ましい実施形態において、軽量物品の使用のための前駆体配合物は、少なくとも1種の発泡剤を含み、該発泡剤は空洞、網状組織および/または泡様構造の形成を促進し、これは有利に、得られる物品の見掛け密度を減少させる。このような軽量物品は、任意の多数の形態、例えば、限定されないが、パネル、ボード、柱(post)、プランク(plank)、パイプ、容器、耐火金庫、ハードウェア、書類整理棚、乗り物または航空機用の外部シェルとすることができる。
【0050】
本明細書において記載される成形ジオポリマー性粒子および繊維を製造する方法は、さらに議論され、ここには、迅速凝結および水硬性のセメントと一緒に、または一緒でなしに、アルカリ活性化シリケートが含まれる。成形ジオポイマー性粒子および繊維は、以下の2つの主要な段階で製造される:第1段階、ここでジオポリマー性化合物を有する前駆体配合物が供給される、および第2段階、ここで該前駆体配合物は、該成形ジオポリマー性最終製品を形成するために用いられる。
【0051】
第1の段階において、前駆体配合物は、水酸化物、シリケート、またはその組合せの形態で少なくとも1種のアルミノシリケート源および1種のアルカリ源を組み合わせることによって供給される。所望の配合物を予め選択することによって、該粘度を制御し、それにより、得られる物質の形状を制御することができる。第2の段階において、ジオ重合反応が生じ、ここで、該ジオポリマー性前駆体配合物が、粘度、例えば、熱スプレー、溶融紡糸またはブロー処理をさらに制御する特定の方法によって処理される。成形および/または空洞の形成ならびに乾燥(硬化)が第2の段階の間に起こる。処理パラメータを予め選択すると、処理時間および硬化時間に影響することによって直接的に物質粘度を制御する。したがって、前駆体配合物および処理パラメータを予め決定し、所望の成形ジオポリマー性粒子または繊維を得る。一部の好ましい実施形態において、該物質粘度は第2の段階の間に十分に低い値に制御され、得られる製品の適切な成形を可能にする。さらに、硬化時間は、得られる製品が凝結および硬化する前に形成すべき形状を可能にするために十分に長い。
【0052】
第1の段階において、該前駆体配合物が、該配合物を順々に形成し、成形し、そして固化させるために利用することができる粘弾性領域を有することが重要である。これは、粘弾性を示し、溶融状態で成形され、次いで固化されて、ガラス軟化温度未満に冷却時に実質的に同じ形状を保持するガラスと類似である。そして、これは、成形が、非常に低い粘度化合物を最終形状に成型することによって形成されるゾル−ゲル形成と異なる。ゾル−ゲル形成は、水および砂の混合物から成形された角氷(ice cube)を形成するのに類似させることができる。該前駆体の粘弾性様挙動を制御する1つの仕方は、第2の段階の間に重合反応速度を低下させることによる。反応速度が遅いほど、得られる製品中により組織化されたポリマー構造を生じることが見出された。反応速度を制御する一つの方法は、反応温度を制御することによる。反応温度が高いほど、反応速度は高くなることが見出された。さらに、該反応速度は該前駆体配合物中の粒径分布を決定づけることによって制御できることも見出された。該前駆体中のより微細な粒径は、より高い表面積、したがって反応が起きるためのより高い接触面積を有し、これはより速い反応速度をもたらす。該反応速度は、活性化のために与えられるアルカリ溶液の濃度を制御することによっても制御することができる。該アルカリ濃度が高いほど、該反応速度は速くなることが見出された。
【0053】
1つの好ましい実施形態において、該前駆体用の出発物質は、第1の段階において列を成して(in line)別々にバッチ化および混合され、ここで、該出発物質には、アルミノシリケート、アルカリ活性化剤、および場合によって発泡剤が含まれる。一例として、アルミノシリケート物質は、部分Aおよびアルカリ活性化剤は部分Bとして表すことができる。発泡剤は、部分Cとしてもう1つの原料物質ストリームから分離してバッチ化してもよい。代替として、該発泡剤は、場合によって、部分Aまたは部分Bの成分であってもよい。発泡剤が含まれない場合、密度の高い固体組成物が形成される。
【0054】
1つの好ましい方法において、部分Aおよび部分Bは、1つのフィードラインにバッチ化され、インラインミキサーを介して均一化される。次いで、部分Cを部分Aおよび部分Bの混合物に加える。第2の段階において、得られるスラリーは、中空球形または空洞を有する粒子を形成するために処理することができる(例えば、反応器中にスプレーされて、ブローイングおよび/または紡糸にさらされて)。別に、該得られるスラリーは、空気乾燥され、または当業者に知られた適切な技法を用いて乾燥され、次いで、該処理された製品は、製粉、粉砕、または当業者に知られた同様の適切な技法によって大きさを減少させることができ、ジオポリマー性最終製品、例えば、粉末形態の粒子を形成することができる。さらにもう1つの実施形態において、第2の段階には、該前駆体を加熱チャンバー内で繊維状にブローイングおよび/または紡糸して、過剰の水を除去し、該繊維を硬化させる工程を含むことができる。
【0055】
本明細書において記載されたように、第2の段階は、バッチ方式、連続方式、または半連続方式で実施することができる。さらにもう1つの実施形態において、第1および第2の段階は、同時に実施することができる。
【0056】
第2の段階において、ジオ重合は非高温温度で実施することができる。適切な温度範囲は、約50(約10℃)と600°F(約315.6℃)の間である。該ジオ重合プロセスは、より低い温度、例えば、室温で実施することもできる。さらに、第2の段階は、さらに段階化する(staged)ことができる(例えば、段階(stages)において1つまたは多数の温度を用いる)。1つの実施例において、第2の段階には、粘弾性挙動および成形が生じる70°F(約21.1℃)の温度、次いで、成形後ジオポリマー形成を加速させる110°F(約43.3℃)、その後、過剰の水を最終乾燥させるための300°F(約148.9℃)を含むことができる。このように、1つまたは複数の温度が、ジオ重合速度の制御を助けるように選択される。
【0057】
第2の段階の乾燥工程部分を行うときに、該ジオ重合反応は、まず完了していなければならない。これは、ジオ重合反応が、いくらかの水分の存在を好むからである。乾燥が生じるのが早すぎる場合(ジオ重合が完了する前)、該得られるジオポリマー組成物は、ジオポリマー性微粒子または繊維に形成されず、原料物質の細かく、乾燥して粉々になったものが形成されることが見出された。理論に拘束されることなしに、これは水分がアルカリ金属カチオンを動かし、これらが正しい位置に動き、該4面体配置中のアルミニウムの荷電と均衡させたためと考えられる。
【0058】
1つの好ましい実施形態において、前駆体配合物は、第1の段階で供給される。場合によって、および代替として、前駆体配合物は、1種または複数のさらなる物質(例えば、添加剤)と一緒に提供され、これには、限定されないが、1種または複数の発泡剤、1種または複数のレオロジー調整剤(例えば、セルロース誘導体、アクリルポリマー、クレー、水和またはヒュームドシリカ、市販のレオロジー調整剤)、1種または複数のカルシウム含有化合物(セメント質化合物、炭酸カルシウム、石灰石、石膏またはその組合せから好ましく選択される)、および1種または複数の充填剤物質(例えば、ポリマー、セルロースまたは他の天然繊維、リン酸塩クレー鉱物、シリカヒュームなどの微細シリケート、カーボン系物質など)が含まれる。このような添加剤は、第1の段階または第2の段階で供給することができ、該アルミノシリケート源またはアルカリ源あるいはその組合せ中に存在させることができる。
【0059】
前駆体および発泡剤を供給する場合、該発泡剤は、好ましくは、粘性ジオポリマー物質中に取り込まれる気体を発生させる誘因を含むように選択され、セルレーション(cellulation)をもたらす。本明細書において用いられる用語「セルレーション(cellulation)」は、1つまたは複数の空洞、孔構造または泡様構造の形成をいう。該セルレーション過程は、第2の段階の前または間に粘性ポリマーのバルク中で生じさせることができる。もう1つの実施形態において、セルレーションは、連続的な仕方、したがって、第1の段階および第2の段階に(すなわち、得られる製品の処理/形成の前、間、および後に)生じる。
【0060】
本明細書において記載される改善された方法によれば、所望の形状および構造の別個のジオポリマー性最終製品(例えば、粒子、繊維)の形成に続けて、該製品は、これらの形状をその後に保持するためのジオ重合反応によって迅速に硬化し、さらに、その後の収集および取り扱いの操作を伴う。
【0061】
成形ジオポリマー性粒子および繊維は、スプレーおよび熱スプレーなどの処理を用いて第2の段階で形成することができ、この処理は、前駆体スラリーを噴霧化し、別個の粒子または集合体を形成する。スプレー装置における噴霧化は、略円形で、略球形の粒子を生成させる。発泡剤の添加によって、中空成形粒子が形成される。発泡剤が用いられない場合、実質的に固体の球体が熱スプレーから生じる。驚くべきことに、熱スプレーは、現下の発明者らによって特に有用であることがわかったが、この理由は、該ジオポリマー性前駆体の粘度を、成形粒子を形成するために十分低く保つことができるためである。さらに、加えられた熱は、制御された仕方において、ならびに過剰な水の蒸発、該成形粒子の重合および硬化を促進する。熱スプレーによって、熱は該発泡剤(存在する場合)を誘発することもできる。1つの好ましい実施形態において、発泡剤が存在する場合、硬化は好ましくは、該発泡剤の誘発後、より好ましくは誘発直後に生じる。誘発後の硬化の制御されたタイミングは、任意の所望の空洞、孔網状組織または泡様構造が、得られる成形ジオポリマー性粒子中に保持され、したがって、該発泡剤を十分利用することを保証する。例えば、ジオポリマー性前駆体のスラリーは、スプレー乾燥機で噴霧化することができ、ここで、加えられた熱は、前駆体中の発泡剤を誘発して気体を形成し、したがって、該物質構造中に気体空洞または空間を生じる。加えられた熱はまた、該前駆物質の重合および硬化を活性化し、得られるジオポリマー性粒子または繊維中に空洞を保持する。該発泡剤の量および種類、ならびにスプレー条件は、該成形ジオポリマー性粒子または繊維中に所望の空洞構造を生じるように構成することができる。本発明者らは、該ジオポリマー性前駆体が粘弾性状況にある(例えば、発泡剤によって発生された大部分の気体がセルレーションする粒子内に捕捉される)場合に最も効率的なセルレーションが起こることを発見した。
【0062】
スラリーの噴霧化された液滴は、所定の滞留時間の間、スプレー乾燥機中で乾燥される。該滞留時間は、得られる製品の平均粒径、粒径分布および水分含量に影響を与えることができる。該滞留時間は、好ましくは、上記されたように、1つまたは複数の好ましい特性を与えるように制御される。該滞留時間は、スラリーの水含量、スラリー液滴サイズ(総表面積)、乾燥気体入口温度、スプレー乾燥機内の気体流パターン、および該スプレー乾燥機内の粒子流経路によって制御することができる。好ましくは、該スプレー乾燥機内の滞留時間は、約0.1から10秒の範囲にあるが、約2秒を超える比較的長い滞留時間が一般により好ましい。好ましくは、該スプレー乾燥機内の入口温度は、約200から600℃の範囲にあり、出口温度は、約90から350℃の範囲にある。
【0063】
該スプレー乾燥条件を制御することによって、該粒子の平均粒径および粒径分布を制御することができることが見出された。例えば、回転式噴霧器は、圧力ノズルよりも、より均一な粒径分布を生じることが見出された。さらに、回転噴霧器は、より高い供給速度を可能とし、ごくわずかな閉塞または目詰まりを有し、研磨材に好適である。一部の実施形態において、既知の噴霧技術の混成も所望の特性を有する粒子を得るために用いることができる。スプレー乾燥は有利に、狭い粒径分布を有する物質を生じる。その結果として、スプレー乾燥によって処理された得られた加工ジオポリマー性粒子は、狭い粒径分布を有し、その後の使用に相反しない特性を有する。本発明の特定の好ましい実施形態による粒子は、熱スプレーおよび硬化後に開いたまたは閉じた多孔性を有することができる。
【0064】
さらに、制御された雰囲気チャンバー内で該ジオポリマーをスプレーし、液滴の硬化および成形を容易にすることも可能である。該チャンバー雰囲気は、重合を触媒する気体または蒸気に富んでもよい。例えば、チャンバー雰囲気は、CO2、または水蒸気に富んでもよい。
【0065】
本発明のもう1つの方法によれば、多ジオポリマー性化合物、またはジオポリマー性化合物および他の物質は、共スプレーされて、多層複合粒子を形成する。これは、粘性カプセル化または弾性層の再配列によって得ることができ、密封スキンの中空、多孔性または固体の粒子を形成することができる。該共スプレー物質は好ましくは、異なる粘度を有する。1つの好ましい実施形態において、該発泡剤を含む粘性ジオポリマーは、第2のジオポリマーの固体被覆によって囲まれた多孔性コアを形成する。第2のジオポリマーは、さらに外層を成長させるために該コアジオポリマーよりも低い粘度を有することが好ましい。
【0066】
1つの好ましい実施形態において、第2の段階は、第1の段階のジオポリマー性前駆体を繊維状にブローイング/紡糸/延伸する工程を含むか、またはフレークを製造するために該前駆体を処理する工程を含む。該繊維ストランドは、連続であっても、または細断されていてもよい。標準的な繊維形成技術を用いてジオポリマー性繊維を製造することができる。本発明の好ましい方法による形成機構は、再度の迅速乾燥および粘性ジオポリマー性化合物の重合による。1つの実施形態において、該粘性ジオポリマーは紡糸されて、短繊維を形成する。もう1つの実施形態において、該繊維は、ガラス繊維工業で日常的に用いられる従来の繊維ブローイング装置において粘性ジオポリマー液体の流れに対して圧縮空気を吹き付けることによって形成される。該繊維の寸法およびアスペクト比は、任意の特定の用途に対して完全に制御することができる。該繊維の寸法およびアスペクト比は、任意の特定の用途のために完全に制御することができる。
【0067】
1つの好ましい実施形態において、第2の段階には、任意の適切な技術による第1の段階の前駆体物質配合物から軽量成形物品を形成する工程が含まれる。該前駆体物質は、好ましくは、少なくとも1種の発泡剤を含む。1つの好ましい実施形態において、該方法の段階2には、第1の段階の前駆体物質を型に注入し、次いで、空気乾燥またはオーブン乾燥して該成形物品を形成する工程が含まれる。もう1つの好ましい実施形態において、該前駆体物質は硬化され、次いで所望の形状および寸法に切断されて、該成形物品を形成する。もう1つの好ましい実施形態において、当業者に知られた適切な技術、例えば、場合によって加熱とともに、スクリュー押出機を用いて両段階を同時に実施する。1つまたは複数のジオポリマー性化合物と一緒に新規な発泡剤を使用することによって、空洞、孔網状組織および/または泡様構造の形成を促進し、有利に、得られる物品の見掛け密度を減少させる。該軽量ジオポリマー性成形物品は、様々な形態、例えば、限定されないが、パネル、ボード、プランク(plank)、柱(post)、パイプ、容器、耐火金庫、書類整理棚、および乗り物または航空機用の外部シェルとすることができる。
【0068】
ジオポリマー性繊維を製造するために、該前駆体物質は、安定噴出長さを作るために適切なスラリーまたはペーストの形態で調製することが好ましい。従来の繊維用の安定噴出長さの条件も、ジオポリマー性繊維の形成に適用されることが見出された。従来の繊維形成用の安定噴出長さの既知の理論は、ウェーバー数およびレイノルズ数の組合せによって与えられ、これは、噴出速度、直径、スラリー密度、粘度、および表面張力によって特徴づけられる。スラリーの形態における前駆体は、所望の密度、粘度および表面張力を有するように配合され、選択された安定噴出長さ条件をもたらす。例えば、さらなる充填剤、例えば、粉末フライアッシュ(ground fly ash)を加えて、該スラリー密度および粘度を変更することができる。界面活性剤または異なる流体を該スラリーに加えて、該スラリー表面張力および密度を変えることができる。ジオポリマー性繊維を製造するための前駆体スラリーは、約1500未満、より好ましくは約1000未満、最も好ましくは約800未満のレイノルズ数を有することが好ましい。
【0069】
中空ジオポリマー性繊維は、該成分がノズルを離れる時点で一緒に混合される精密ノズルによって形成することができる。繊維延伸において利用することのできる1つの事象には、紡糸流体中の圧力分布と静止基板との間の不均衡などがある。該基板に隣接する流体は、静止しており、したがって、遠心的に誘導される圧力勾配は該動きによって均衡されず;したがって、重い微粒子は該基板の中心に向かって移動する。このことは該固体を濃縮し、これらを一緒に近づけ、該反応が起こることを可能とする。
【0070】
もう1つのノズルデザインが、図1に示されるようなジオポリマー性繊維を形成するのに使用することができる。示されるような該ノズルデザインは、空気噴射を囲むダイを介して該前駆体スラリーを噴射し、このようにして円形の中空繊維を形成する。図2および図3は、図1のノズルデザインから形成された繊維のいくつかの実施例を示す。
【0071】
特に注目すべきは、本明細書において開示および製造されるようなジオポリマー性配合物は、ジオポリマー性フレークの形成をもたらすことができることである。本明細書において用いられるように、特に断りのない限り、フレークもある程度の幅および均一な厚さを有する粒子であり、ここで該幅は実質的に該厚さを超える。多くの実施形態において、フレークは平面図において不規則な外側輪郭を有する。
【0072】
フレークは、例えば、薄いジオポリマー性シートを形成し、次いで該シートをより小さな粒子に分割することによって調製することができる。ジオポリマー性シートを形成する1つの方法は、ジオポリマー性前駆体を、逆回転ローラーを介して供給することによる。該工程は、熱をかけて、該ジオ重合反応を高めてもよい。1つの好ましい実施形態において、上記方法はジオポリマー性シートおよびその結果として得られる、ローラーの間隔に対応する断面寸法を有するフレークを生成させ、一部の場合には、約1〜3μm程度とすることもできる。
【0073】
もう1つの好適な方法には、ジオ重合の好適な温度および雰囲気を用いて、適当な大きさとしたダイを介して該ジオポリマー性前駆体を押出す工程が含まれる。このような方法によって、該ジオポリマー性最終製品の厚さは、該ローラーの間隔または該ダイの形状によって決定される。ジオポリマー性フレークを製造するこのような方法によれば、該フレークの厚さは、無限に変えることができ、該フレークの最終使用要求に適する任意の所望の値であることができる。フレークの多くの用途は通常、約1000μm未満の厚さを必要とする。このようなものとして、一般に約1000μm未満の厚さを有するフレークが製造され、他の実施形態において、該厚さは、約500μm未満、250μm未満、100μm未満、50μm未満、20μm未満、10μm未満、5μm未満、2μm未満、および1μm未満である。
【0074】
ジオポリマー性フレークを製造するさらにもう1つの方法において、該ジオポリマー性前駆体のスラリーを空気中にスプレーする。例えば、該スラリーは、ジオポリマー性フレークを適切な形状に形成する適切な形をしたノズルを介してスプレーすることができる。
【0075】
本明細書において記載される任意の好適な方法によって製造されるジオポリマー性フレークは、1つまたは複数の粉砕技術、例えば、ボールミル、例えば(または他の適切な処理)によって所望の寸法を生じさせるようにさらに処理することができ;この技法は一般に、該ジオポリマー性フレークをより小さい大きさに減少させるように設計される。1つの特定の実施形態において、フレークは、約10と10,000μmの間の幅および約1と10μmの間の厚さを有するように処理される。
【0076】
ジオポリマー性フレークを製造するさらにもう1つの方法によれば、ジオポリマー性粒子または球体が製造され(本明細書において他に記載されるように)、該得られる粒子または球体は粉砕されるか、または別に破砕され、半球形のフレークをもたらす。半球形のフレークは、1つまたは複数の方向に自然に屈曲を有し;それのみならず、該フレークは、該フレークが所望の機能的または審美的特性を有するように寸法を合わせることができる。平面フレーク(例えば、ジオポリマー性の大きな平らなシートから製造されるもの)をシミュレートする1つの手法は、該フレークの幅を該出発球体直径に比較して小さい大きさに減少させることである。フレーク幅対球体直径の比がゼロに近づくにつれて、該フレークは平面形状に近づく。
【0077】
1つの好ましい実施形態において、約30と1000μmの間の直径を有する球体は破砕されて、約5と200μmの間の幅を有するフレークを生成する。得られるフレークの厚さは、該球体の壁厚さに依存し、多くの実施形態において、得られるフレークの厚さは、約0.5μmから約10μm程度であることができる。
【0078】
有機ポリマーおよびガラスなどの材料からフレークを製造するいくつかの方法が、関連文献に教示され、これらの一部は本明細書において含むのに適切である。さらに、本明細書において開示されるような独特のジオポリマー性配合物およびジオ重合反応の制御は、独特のジオポリマー性フレークを提供するために含まれる。
【実施例】
【0079】
実施例1
第1の実施例において、前駆体は、所与の意図された処理条件のための所定の硬化時間を有するように配合する。この実施例中のすべての前駆体は、メタカオリンクレー、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウムおよび水から配合したが、異なる比率で、異なる処理温度を用いて、および/または異なる硬化時間を有して供給した。
【0080】
少なくとも4つのジオポリマー性前駆体配合物を、それぞれ、15gの水酸化ナトリウムペレットと32.5gの液体PQ社N−タイプ ケイ酸ナトリウムとを混合し、次いで水を加えて混合物を形成することによって調製した。それぞれの配合物に対する水の量を、表1に示す。水酸化ナトリムと水との発熱反応のために、熱が発生した。次いで、この混合物を、表1に示されるような、所与の温度に冷却し、次いで、40gのメタカオリンクレーを加えた。XRFによって測定したこのクレーの組成を表2に示す。それぞれの配合物は、表3に示されるように、異なる硬化時間を示した。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
上記に示されるように、BおよびC双方は、同じ配合であるが、メタカオリン添加時、異なる温度を示し、これは異なる硬化時間をもたらした。他方で、試料CおよびDは、カオリン添加時、同じ温度を示したが、該配合中に異なる量の水を有し、これは異なる硬化時間をもたらした。したがって、この実施例において説明されるように、該配合および処理パラメータの双方を操作して、所定の硬化時間を得た。
【0085】
実施例2
この実施例は、実質的に球形のジオポリマー性粒子を製造する方法を説明する。前駆体を、150gの水酸化ナトリウムペレットと325gの液体PQ社N−タイプ ケイ酸ナトリウムと混合し、次いで400gの水を加えて混合物を形成することによって製造した。水酸化ナトリウムと水との発熱反応により熱が発生した。この混合物を25℃に冷却し、次いで400gのメタカオリンクレーを加えた。この混合物を、機械式混合機を用いて完全に混合した。該前駆体混合物は、スラリー形態にあり、スプレー乾燥機で別個の液滴粒子に噴霧した。該スプレー乾燥機において加えた熱が過剰の水を蒸発させ、重合および硬化を活性化した。該液滴粒子は、乾燥されたジオポリマー性の球形およびほぼ円形の粒子に変換した。得られたジオポリマー性粒子を図4に示す。得られたジオポリマー性粒子は、流動性、強度、および耐久性を含む優れた特性を有することが見出され、したがって優れた強化充填剤として機能する。
【0086】
さらに、驚くべきことに、例えば、図5に示されるように、少しの粒子しかこれらの構造中に円形空洞を含まないことが観察された。この空洞の円形形状は、気体体積が創生されまたは増加し、次いで硬化作用によって抑制および保持されることを示唆した。理論に拘束されることなしに、化学的に結合された水が熱により放出され、蒸気空間を形成し、これは、該形成された粒子中に円形空洞空間として保持されたと推測することができる。このように、この実施例によりさらに、ジオポリマー性前駆体が1種または複数の発泡剤を取り込み、特定の中空度または泡様構造を有する軽量ジオポリマー性粒子を形成するように加工できることが示される。
【0087】
実施例3
この実施例において、4gの亜鉛金属粉末を発泡剤として実施例1の前駆体配合物に意図的に取り込ませる。発泡剤として、亜鉛金属粉末は、水と自己生成的に反応し、水素ガスを放出する。実施例1と同じ製造方法に従って、得られた製品は軽量ジオポリマー性ミクロスフェアであり、大部分のスフェアは、これらの内部に円形空洞を有した。この実施例のジオポリマー性最終製品の代表例を図6に示す。
【0088】
実施例4
この実施例は、発泡剤としてアルミニウム金属粉末を用いて、泡様構造を有するジオポリマー性粒子を製造する方法について説明する。15gの水酸化ナトリウムペレットと32.5gの液体N−タイプ ケイ酸ナトリウムとを混合し、次いで25gの水を加えて混合物を形成することによって、前駆体を調製した。水酸化ナトリウムと水との発熱反応により熱が発生した。この混合物を25℃に冷却し、次いで40gのメタカオリンクレーを加え、機械式混合機を用いて完全に混合した。次いで、アルカリシリケートを加えた5分後に、発泡剤(0.4gのアルミニウム金属粉末)を、この前駆体混合物に加えた。アルミニウム粉末は、水と激しく、発熱的に反応し、熱および水素ガスを放出した。したがって、この混合物は、あたかも沸騰するように泡立ち挙動を示したが、この理由は、一部の水素ガスが、該混合物の自由表面を破り、そこから逃れていっていたためである。さらなる熱を加えることなく、放出された熱により、重合および硬化は、自己生成的に生じた。硬化後、この前駆体混合物は、軽量ジオポリマー性粒子および集合体(泡様構造を有する粒子および集合体)に変換していた。アルミニウム粉末は、水との反応性が高く、水素ガスを激しく発生し、前駆体は、硬化しながら、小さい断片および個々の微粒子の集合体に細分化した。得られた泡様構造および粒子の実施例を、図7および図8にそれぞれ示す。
【0089】
実施例5
この実施例は、その中に空洞を有する軽量ジオポリマー性成形物品の製造方法について説明する。アルミニウム粉末に代えて、0.4gの亜鉛金属粉末を発泡剤として用いたことを除いて、実施例3に記載されたとおりの同じ前駆体配合物を用いた。この前駆体混合物を型内に入れ、放置して、自原的に硬化させた。この実施例において、亜鉛粉末と水との反応は、実施例3のアルミニウム粉末のものより激しくなかった。このように、この前駆体物質は粉々にならなかったが、型によって設定されたとおりの所望の形状の物品を形成した。この物品は、その構造全体に多数の微小空洞を含むので軽量であり;この空洞は主に水素ガスの放出のためである。この成形物品の空洞含有構造は、図9に示されるとおりである。
【0090】
実施例6
この実施例は、スプレー乾燥機を用いて、ジオポリマー性中空ミクロスフェアを製造する方法について説明する。この配合物は、29.65重量%のメタカオリンクレー、4.27重量%のN−タイプ ケイ酸ナトリウム、5.24重量%のD−タイプケイ酸ナトリウム、8.50重量%のSHP(ヘキサメタリン酸ナトリウム)、5.58重量%の水酸化ナトリウム、1.19重量%のアルミニウム粉末、18.00重量%の水酸化ナトリウムからなる。この配合物を水に加えて、27.3重量%の固体含量を有するスラリーを形成する。次いで、このスラリーをスプレー乾燥機の噴霧ノズルによってスプレー乾燥した。スプレー乾燥機は、500℃の入口空気温度および270℃の出口空気温度を示した。スプレー乾燥機から収集された最終製品は、視像およびSEMを用いて調べ、この実施例を図10および図11に示す。図から理解できるように、このジオポリマー性粒子は、中空ミクロスフェアの構成にある。メタカオリンおよび最終製品のFTIRスペクトルを得たが、原料物質からジオポリマー含有粒子への著しい変化を示した。
【0091】
この実施例から形成されたミクロスフェアとしてのジオポリマー性粒子を、本質的にケイ砂、セメント、繊維および水を含む繊維セメント配合物中に取り込ませて繊維セメントパッド(fiber cement pad)を形成した。このパッドを型中で形成し、セメント水和、熟成、凝結および硬化をさせるために繊維セメント建築製品を形成するのに用いられるのと同じオートクレーブ条件下に置いた。このパッドを図12に示されるようにSEM下で調べた。図12は、このジオポリマー性ミクロスフェアがオートクレーブ条件に耐えて存続したことを示すとともに、繊維セメントマトリックス内の実質的に損なわれない中空球形の形態を示した。
【0092】
粒子および繊維を製造するために、ガラス、従来のセラミック、およびポリマーに代えて、ジオポリマーの新規な使用に関連する多くの利点がある。このような利点の1つは、溶融方法およびその後の形成方法に関連した溶融および高温処理をなくすことである。もう1つの利点は、本明細書において記載されるようなジオポリマー性製品は、空気または還元もしくは酸化の雰囲気中にかかわらず、優れた強度を有するのみでなく、重大な劣化を有しないで、例えば、600℃を超える高い使用温度に耐えることができることであり、これは、ポリマー、グラファイトおよび大部分の市販のガラスと違っている。結果として、本明細書において提供されるようなジオポリマー性製品は、化学的安定性、強度、高い汎用性と生産および他の製品への取込みについての経済的利点のみならず、耐火用途に優れている。
【0093】
本明細書において示されるような本発明のさらなる目的、利点および新規な特徴は、上記の詳細な説明を読めば当業者に明らかであるか、または本発明の実施によって知ることができる。本発明の目的および利点は、本明細書に記載され、特に指摘された装置および組合せによって実現および達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】図1は、ジオポリマー性繊維を形成するために使用される代表的なノズルデザインを示す。
【図2】図2は、図1のノズルデザインから形成されるジオポリマー性繊維の視像を示す。
【図3】図3は、図1のノズルデザインから形成される2つのジオポリマー性繊維の視像を示す。
【図4】図4は、成形ジオポリマー性ミクロスフェアの視像を示す。
【図5】図5は、ジオポリマー性ミクロスフェアを含む磨かれた断面の走査電子顕微鏡写真(SEM)像を示す。
【図6】図6は、ジオポリマー性粒子の視像を示す。
【図7】図7は、ジオポリマー性粒子の発泡構造の視像を示す。
【図8】図8は、発泡ジオポリマー性粒子の視像を示す。
【図9】図9は、低密度ジオポリマー性物品のマトリックスの視像を示す。
【図10】図10は、ジオポリマー性ミクロスフェアの視像を示す。
【図11】図11は、実施例6に記載のように製造されたジオポリマー性ミクロスフェアの磨かれた断面のSEM像である。
【図12】図12は、繊維セメントマトリックスに取り込まれたジオポリマー性ミクロスフェアを示す後方散乱電子像(BEI)を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの寸法における形状が、1.0を超えるアスペクト比を有する、ジオポリマーを含む成形ジオポリマー性粒子。
【請求項2】
300ミクロン以下の平均断面直径を有する、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項3】
成形ジオポリマー性粒子の全体の寸法が、約0.1μmを超える、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項4】
成形ジオポリマー性粒子の表面が、実質的に滑らか、実質的に粗い、スパイク、多孔性およびその様々な組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項5】
約2.0g/cc未満の密度を有する、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項6】
ジオポリマーの量が、成形ジオポリマー性粒子の少なくとも約5重量%であるか、または5重量%を超える、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項7】
1種または複数の添加剤をさらに含む、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項8】
中空である、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項9】
その中に1つまたは複数の空洞を有する、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項10】
1つまたは複数の空洞が、中空、多孔性、泡様およびその様々な組合せからなる群から選択される構造を与える、請求項9に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項11】
成形ジオポリマー性粒子の平均断面直径の約0.1から45%の壁厚さを有する、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項12】
フレークである、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項13】
形状が、実質的に円形、ドーナツ形、卵形、長形、管状、四角形、多角形、実質的に平らおよびその様々な組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項14】
多層である、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項15】
1つまたは複数の複合物品に取り込まれる、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項16】
形状が、型中で与えられる、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項17】
その中に1つまたは複数の空洞を有する、ジオポリマーを含む成形ジオポリマー性粒子。
【請求項18】
300ミクロン以下の平均断面直径を有する、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項19】
全体の寸法が約0.1μmを超える、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項20】
表面が、実質的に滑らか、実質的に粗い、スパイク、多孔性およびその様々な組合せからなる群から選択される、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項21】
約2.0g/cc未満の密度を有する、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項22】
ジオポリマーの量が、成形ジオポリマー性粒子の少なくとも約5重量%であるか、または5重量%を超える、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項23】
添加剤をさらに含む、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項24】
中空である、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項25】
表面に1つまたは複数の空洞を有する、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項26】
1つまたは複数の空洞が、中空、多孔性、泡様およびその様々な組合せからなる群から選択される構造を与える、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項27】
成形ジオポリマー性粒子の平均断面直径の約0.1から45%の壁厚さを有する、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項28】
フレークである、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項29】
形状が、実質的に円形、ドーナツ形、卵形、長形、管状、四角形、多角形、実質的に平坦およびその様々な組合せからなる群から選択される、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項30】
多層である、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項31】
1つまたは複数の複合物品中に取り込まれる、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項32】
約2.0g/cc未満の密度を有する、ジオポリマーを含む成形ジオポリマー性粒子。
【請求項33】
300ミクロン以下の平均断面直径を有する、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項34】
全体の寸法が、約0.1μmを超える、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項35】
表面が、実質的に滑らか、実質的に粗い、スパイク、多孔性およびその様々な組合せからなる群から選択される、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項36】
約2.0g/cc未満の密度を有する、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項37】
ジオポリマーの量が、成形ジオポリマー性粒子の少なくとも約5重量%であるか、または5重量%を超える、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項38】
添加剤をさらに含む、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項39】
中空である、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項40】
その中に1つまたは複数の空洞を有する、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項41】
1つまたは複数の空洞が、中空、多孔性、泡様およびその様々な組合せからなる群から選択される構造を与える、請求項33に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項42】
成形ジオポリマー性粒子の平均断面直径の約0.1から45%の壁厚さを有する、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項43】
フレークである、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項44】
形状が、実質的に円形、ドーナツ形、卵形、長形、管状、四角形、多角形、実質的に平らおよびその様々な組合せからなる群から選択される、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項45】
表面が、多層である、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項46】
1つまたは複数の複合物品に取り込まれる、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項47】
ジオポリマーを含む成形ジオポリマー性繊維。
【請求項48】
300ミクロン以下の平均断面直径を有する、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項49】
全体の寸法が、約0.1μmを超える、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項50】
表面が、実質的に滑らか、実質的に粗い、スパイク、多孔性およびその様々な組合せからなる群から選択される、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項51】
約2.0g/cc未満の密度を有する、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項52】
ジオポリマーの量が、成形ジオポリマー性粒子の少なくとも約5重量%であるかまたは5重量%を超える、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項53】
添加剤をさらに含む、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項54】
中空である、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項55】
その中に1つまたは複数の空洞を有する、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項56】
1つまたは複数の空洞が、中空、多孔性、泡様およびその様々な組合せからなる群から選択される構造を与える、請求項55に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項57】
成形ジオポリマー性繊維の平均断面直径の約0.1から45%の壁厚さを有する、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項58】
細断される、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項59】
断面形状が、実質的に円形、ドーナツ形、卵形、長形、管状、四角形、多角形、実質的に平らおよびその様々な組合せからなる群から選択される、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項60】
多層である、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項61】
1つまたは複数の複合物品に取り込まれる、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項62】
成形ジオポリマー性粒子を製造する方法であって、
ジオポリマーに変換できる物質を含むジオポリマー性前駆体を供給する工程と;
ジオポリマー性前駆体を処理して粒子を形成する工程と
を含む方法。
【請求項63】
処理する工程が、成形、硬化および乾燥をさらに含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
硬化および乾燥をさらに含む、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
処理する工程が、約50(約10℃)と600°F(約315.6℃)の間の非高温温度で起こる、請求項62に記載の方法。
【請求項66】
処理する工程が、室温で起こる、請求項62に記載の方法。
【請求項67】
処理する工程が、熱スプレー、溶融紡糸およびブローイングからなる群の1つを介する、請求項62に記載の方法。
【請求項68】
供給する工程が、バッチ方式、連続方式、および半連続方式からなる群から選択される方式である、請求項62に記載の方法。
【請求項69】
供給する工程および処理する工程が、同時に起こる、請求項62に記載の方法。
【請求項70】
添加物が、ジオポリマー性前駆体に与えられる、請求項62に記載の方法。
【請求項71】
物質が、少なくとも1種のシリケート源、少なくとも1種のアルカリ源、1種または複数の発泡剤、レオロジー調整剤、カルシウム含有化合物、充填剤およびその組合せからなる群から選択される、請求項62に記載の方法。
【請求項72】
処理する工程が、実質的に円形、ドーナツ形、卵形、長形、管状、四角形、多角形、実質的に平らおよびその様々な組合せからなる群から選択される予め選択された形態を与える、請求項62に記載の方法。
【請求項73】
処理する工程が、ジオポリマー性前駆体のセルレーションをさらに含む、請求項62に記載の方法。
【請求項74】
供給する工程が、ジオポリマー性前駆体のセルレーションを含む、請求項62に記載の方法。
【請求項75】
物質が、少なくとも1種のシリケート源および少なくとも1種のアルカリ源を含む、請求項62に記載の方法。
【請求項75】
成形ジオポリマー性繊維を製造する方法であって、
ジオポリマーに変換できる物質を含むジオポリマー性前駆体を供給する工程と;
ジオポリマー性前駆体を処理して繊維を形成する工程と
を含む方法。
【請求項76】
処理する工程が、成形、硬化および乾燥をさらに含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
硬化および乾燥をさらに含む、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
処理する工程が、約50(約10℃)と600°F(約315.6℃)の間の非高温温度で起こる、請求項75に記載の方法。
【請求項79】
処理する工程が、室温で起こる、請求項75に記載の方法。
【請求項80】
処理する工程が、熱スプレー、溶融紡糸およびブローイングからなる群の1つを介する、請求項75に記載の方法。
【請求項81】
供給する工程が、バッチ方式、連続方式、および半連続方式からなる群から選択される方式である、請求項75に記載の方法。
【請求項82】
供給する工程と処理する工程とが同時に起こる、請求項75に記載の方法。
【請求項83】
添加剤が、ジオポリマー性前駆体に与えられる、請求項75に記載の方法。
【請求項84】
物質が、少なくとも1種のシリケート源、少なくとも1種のアルカリ源、1種または複数の発泡剤、レオロジー調整剤、カルシウム含有化合物、充填剤およびその組合せからなる群から選択される、請求項75に記載の方法。
【請求項85】
処理する工程が、実質的に円形、ドーナツ形、卵形、長形、管状、四角形、多角形、実質的に平らおよびその様々な組合せからなる群から選択される予め選択された形態を与える、請求項75に記載の方法。
【請求項86】
処理する工程が、ジオポリマー性前駆体のセルレーションをさらに含む、請求項75に記載の方法。
【請求項87】
供給する工程が、ジオポリマー性前駆体のセルレーションを含む、請求項75に記載の方法。
【請求項88】
物質が、少なくとも1種のシリケート源および少なくとも1種のアルカリ源を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項89】
粒子が、ミクロスフェア(microsphere)である、請求項17に記載の粒子。
【請求項90】
粒子が、ミクロスフェア(microsphere)である、請求項32に記載の粒子。
【請求項91】
少なくとも1つの寸法における形状が1.0を超えるアスペクト比を有する、ジオポリマーを含む成形ジオポリマー性物品。
【請求項92】
その中に1つまたは複数の空洞を有する、ジオポリマーを含む成形ジオポリマー性物品。
【請求項93】
成形ジオポリマー性物品を製造する方法であって、
ジオポリマーに変換できる物質を含むジオポリマー性前駆体を供給する工程と;
ジオポリマー性前駆体を処理して物品を形成する工程と
を含む方法。
【請求項94】
物品が型中で形成される、請求項93に記載の方法。
【請求項1】
少なくとも1つの寸法における形状が、1.0を超えるアスペクト比を有する、ジオポリマーを含む成形ジオポリマー性粒子。
【請求項2】
300ミクロン以下の平均断面直径を有する、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項3】
成形ジオポリマー性粒子の全体の寸法が、約0.1μmを超える、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項4】
成形ジオポリマー性粒子の表面が、実質的に滑らか、実質的に粗い、スパイク、多孔性およびその様々な組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項5】
約2.0g/cc未満の密度を有する、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項6】
ジオポリマーの量が、成形ジオポリマー性粒子の少なくとも約5重量%であるか、または5重量%を超える、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項7】
1種または複数の添加剤をさらに含む、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項8】
中空である、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項9】
その中に1つまたは複数の空洞を有する、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項10】
1つまたは複数の空洞が、中空、多孔性、泡様およびその様々な組合せからなる群から選択される構造を与える、請求項9に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項11】
成形ジオポリマー性粒子の平均断面直径の約0.1から45%の壁厚さを有する、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項12】
フレークである、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項13】
形状が、実質的に円形、ドーナツ形、卵形、長形、管状、四角形、多角形、実質的に平らおよびその様々な組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項14】
多層である、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項15】
1つまたは複数の複合物品に取り込まれる、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項16】
形状が、型中で与えられる、請求項1に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項17】
その中に1つまたは複数の空洞を有する、ジオポリマーを含む成形ジオポリマー性粒子。
【請求項18】
300ミクロン以下の平均断面直径を有する、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項19】
全体の寸法が約0.1μmを超える、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項20】
表面が、実質的に滑らか、実質的に粗い、スパイク、多孔性およびその様々な組合せからなる群から選択される、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項21】
約2.0g/cc未満の密度を有する、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項22】
ジオポリマーの量が、成形ジオポリマー性粒子の少なくとも約5重量%であるか、または5重量%を超える、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項23】
添加剤をさらに含む、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項24】
中空である、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項25】
表面に1つまたは複数の空洞を有する、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項26】
1つまたは複数の空洞が、中空、多孔性、泡様およびその様々な組合せからなる群から選択される構造を与える、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項27】
成形ジオポリマー性粒子の平均断面直径の約0.1から45%の壁厚さを有する、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項28】
フレークである、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項29】
形状が、実質的に円形、ドーナツ形、卵形、長形、管状、四角形、多角形、実質的に平坦およびその様々な組合せからなる群から選択される、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項30】
多層である、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項31】
1つまたは複数の複合物品中に取り込まれる、請求項17に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項32】
約2.0g/cc未満の密度を有する、ジオポリマーを含む成形ジオポリマー性粒子。
【請求項33】
300ミクロン以下の平均断面直径を有する、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項34】
全体の寸法が、約0.1μmを超える、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項35】
表面が、実質的に滑らか、実質的に粗い、スパイク、多孔性およびその様々な組合せからなる群から選択される、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項36】
約2.0g/cc未満の密度を有する、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項37】
ジオポリマーの量が、成形ジオポリマー性粒子の少なくとも約5重量%であるか、または5重量%を超える、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項38】
添加剤をさらに含む、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項39】
中空である、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項40】
その中に1つまたは複数の空洞を有する、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項41】
1つまたは複数の空洞が、中空、多孔性、泡様およびその様々な組合せからなる群から選択される構造を与える、請求項33に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項42】
成形ジオポリマー性粒子の平均断面直径の約0.1から45%の壁厚さを有する、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項43】
フレークである、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項44】
形状が、実質的に円形、ドーナツ形、卵形、長形、管状、四角形、多角形、実質的に平らおよびその様々な組合せからなる群から選択される、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項45】
表面が、多層である、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項46】
1つまたは複数の複合物品に取り込まれる、請求項32に記載の成形ジオポリマー性粒子。
【請求項47】
ジオポリマーを含む成形ジオポリマー性繊維。
【請求項48】
300ミクロン以下の平均断面直径を有する、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項49】
全体の寸法が、約0.1μmを超える、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項50】
表面が、実質的に滑らか、実質的に粗い、スパイク、多孔性およびその様々な組合せからなる群から選択される、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項51】
約2.0g/cc未満の密度を有する、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項52】
ジオポリマーの量が、成形ジオポリマー性粒子の少なくとも約5重量%であるかまたは5重量%を超える、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項53】
添加剤をさらに含む、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項54】
中空である、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項55】
その中に1つまたは複数の空洞を有する、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項56】
1つまたは複数の空洞が、中空、多孔性、泡様およびその様々な組合せからなる群から選択される構造を与える、請求項55に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項57】
成形ジオポリマー性繊維の平均断面直径の約0.1から45%の壁厚さを有する、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項58】
細断される、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項59】
断面形状が、実質的に円形、ドーナツ形、卵形、長形、管状、四角形、多角形、実質的に平らおよびその様々な組合せからなる群から選択される、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項60】
多層である、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項61】
1つまたは複数の複合物品に取り込まれる、請求項47に記載の成形ジオポリマー性繊維。
【請求項62】
成形ジオポリマー性粒子を製造する方法であって、
ジオポリマーに変換できる物質を含むジオポリマー性前駆体を供給する工程と;
ジオポリマー性前駆体を処理して粒子を形成する工程と
を含む方法。
【請求項63】
処理する工程が、成形、硬化および乾燥をさらに含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
硬化および乾燥をさらに含む、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
処理する工程が、約50(約10℃)と600°F(約315.6℃)の間の非高温温度で起こる、請求項62に記載の方法。
【請求項66】
処理する工程が、室温で起こる、請求項62に記載の方法。
【請求項67】
処理する工程が、熱スプレー、溶融紡糸およびブローイングからなる群の1つを介する、請求項62に記載の方法。
【請求項68】
供給する工程が、バッチ方式、連続方式、および半連続方式からなる群から選択される方式である、請求項62に記載の方法。
【請求項69】
供給する工程および処理する工程が、同時に起こる、請求項62に記載の方法。
【請求項70】
添加物が、ジオポリマー性前駆体に与えられる、請求項62に記載の方法。
【請求項71】
物質が、少なくとも1種のシリケート源、少なくとも1種のアルカリ源、1種または複数の発泡剤、レオロジー調整剤、カルシウム含有化合物、充填剤およびその組合せからなる群から選択される、請求項62に記載の方法。
【請求項72】
処理する工程が、実質的に円形、ドーナツ形、卵形、長形、管状、四角形、多角形、実質的に平らおよびその様々な組合せからなる群から選択される予め選択された形態を与える、請求項62に記載の方法。
【請求項73】
処理する工程が、ジオポリマー性前駆体のセルレーションをさらに含む、請求項62に記載の方法。
【請求項74】
供給する工程が、ジオポリマー性前駆体のセルレーションを含む、請求項62に記載の方法。
【請求項75】
物質が、少なくとも1種のシリケート源および少なくとも1種のアルカリ源を含む、請求項62に記載の方法。
【請求項75】
成形ジオポリマー性繊維を製造する方法であって、
ジオポリマーに変換できる物質を含むジオポリマー性前駆体を供給する工程と;
ジオポリマー性前駆体を処理して繊維を形成する工程と
を含む方法。
【請求項76】
処理する工程が、成形、硬化および乾燥をさらに含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
硬化および乾燥をさらに含む、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
処理する工程が、約50(約10℃)と600°F(約315.6℃)の間の非高温温度で起こる、請求項75に記載の方法。
【請求項79】
処理する工程が、室温で起こる、請求項75に記載の方法。
【請求項80】
処理する工程が、熱スプレー、溶融紡糸およびブローイングからなる群の1つを介する、請求項75に記載の方法。
【請求項81】
供給する工程が、バッチ方式、連続方式、および半連続方式からなる群から選択される方式である、請求項75に記載の方法。
【請求項82】
供給する工程と処理する工程とが同時に起こる、請求項75に記載の方法。
【請求項83】
添加剤が、ジオポリマー性前駆体に与えられる、請求項75に記載の方法。
【請求項84】
物質が、少なくとも1種のシリケート源、少なくとも1種のアルカリ源、1種または複数の発泡剤、レオロジー調整剤、カルシウム含有化合物、充填剤およびその組合せからなる群から選択される、請求項75に記載の方法。
【請求項85】
処理する工程が、実質的に円形、ドーナツ形、卵形、長形、管状、四角形、多角形、実質的に平らおよびその様々な組合せからなる群から選択される予め選択された形態を与える、請求項75に記載の方法。
【請求項86】
処理する工程が、ジオポリマー性前駆体のセルレーションをさらに含む、請求項75に記載の方法。
【請求項87】
供給する工程が、ジオポリマー性前駆体のセルレーションを含む、請求項75に記載の方法。
【請求項88】
物質が、少なくとも1種のシリケート源および少なくとも1種のアルカリ源を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項89】
粒子が、ミクロスフェア(microsphere)である、請求項17に記載の粒子。
【請求項90】
粒子が、ミクロスフェア(microsphere)である、請求項32に記載の粒子。
【請求項91】
少なくとも1つの寸法における形状が1.0を超えるアスペクト比を有する、ジオポリマーを含む成形ジオポリマー性物品。
【請求項92】
その中に1つまたは複数の空洞を有する、ジオポリマーを含む成形ジオポリマー性物品。
【請求項93】
成形ジオポリマー性物品を製造する方法であって、
ジオポリマーに変換できる物質を含むジオポリマー性前駆体を供給する工程と;
ジオポリマー性前駆体を処理して物品を形成する工程と
を含む方法。
【請求項94】
物品が型中で形成される、請求項93に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2009−518274(P2009−518274A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543943(P2008−543943)
【出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【国際出願番号】PCT/IB2006/004268
【国際公開番号】WO2007/119121
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(505018256)ジェイムズ ハーディー インターナショナル ファイナンス ベスローテン フェンノートシャップ (11)
【氏名又は名称原語表記】JAMES HARDIE INTERNATIONAL FINANCE B.V.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【国際出願番号】PCT/IB2006/004268
【国際公開番号】WO2007/119121
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(505018256)ジェイムズ ハーディー インターナショナル ファイナンス ベスローテン フェンノートシャップ (11)
【氏名又は名称原語表記】JAMES HARDIE INTERNATIONAL FINANCE B.V.
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]