説明

ジベレリン代謝酵素

【課題】 イネなどの植物の節間伸長に関連する遺伝子、並びにその機能を解明すること。
【解決手段】 下記の何れかのアミノ酸配列から成る酵素をジベレリン類に作用させてジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化することを含む、C−16,17位がエポキシ化されたジベレリン類を製造する方法。
(1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列:

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジベレリン代謝酵素及びその利用に関する。より詳細には、本発明は、ジベレリンのC-16,17位をエポキシ化して不活性化する新規酵素及びその利用に関する。
【背景技術】
【0002】
植物ホルモンの一種であるジベレリンは、幹/節間伸長を含む様々な生物学的プロセスにおいて重要な役割を演じている(非特許文献1及び2)。イネにおける節間伸長は、単子葉植物におけるジベレリンシグナル伝達のモデル系である。
【0003】
一方、イネの突然変異体eui (elongated upper-most internode)は出穂時に節間を異常に伸長させる表現型を示す。eui植物体のもっとも伸長する上部の節間の内生ジベレリン含量を測定したところ、野生型と比べてGA4の異常な蓄積が認められている。イネ出穂時における節間伸長に関連するイネのゲノム上の遺伝子領域については研究が進められ、節間伸長に関連する遺伝子領域がある程度特定されている(非特許文献3)。しかしながら、節間伸長に関連する遺伝子、並びにその機能については未だ解明されていなかった。
【0004】
【非特許文献1】Hedden, P. in Biochemistry and Molecular Biology of Plant Hormones (eds Hooykaas, P.J.J., Hall, M.A. & Libbenga, K.R.) 161-188 (Elsevier Science B.V., 1999).
【非特許文献2】Sun, T.-P. & Gubler, F. Molecular mechanism of gibberellin signaling in plants. Annu. Rev. Plant Biol. 55, 197-223 (2004)
【非特許文献3】Xu, Y.-H. et al. (2004)Mol. Gen. Genomics. 272, 149-155
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、イネなどの植物の節間伸長に関連する遺伝子、並びにその機能を解明することを解決すべき課題とした。さらに本発明は、イネなどの植物の生長を制御するジベレリンを代謝する新規な酵素を提供することを解決すべき課題とした。さらに本発明は、上記のジベレリン代謝酵素を用いてエポキシ化されたジベレリン類を製造する方法、並びに上記のジベレリン代謝酵素を用いたジベレリンエポキシ化剤を提供することを解決すべき課題とした。さらに本発明は、上記のジベレリン代謝酵素をコードする遺伝子を用いた植物の生長を抑制する方法、及び上記のジベレリン代謝酵素をコードする遺伝子を導入した遺伝子改変植物を提供することを解決すべき課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
eui植物体のもっとも伸長する上部の節間の内生ジベレリン含量を測定したところ、野生型と比べてGA4の異常な蓄積が認められた。このことから、eui突然変異体ではジベレリンの代謝に異常が起きていると推測された。eui突然変異体の原因遺伝子としてシトクロームP450酵素遺伝子CYP714D1が単離された。今回、本発明者らは、そのP450酵素を酵母にて機能的に発現させることにより、そのタンパク質はジベレリンのC-16,17位をエポキシ化する酵素であることを証明することに成功した。ジベレリンの代謝は2-オキソグルタル酸依存性2原子酸素添加酵素(可溶性タンパク質)であるC-2位酸化酵素GA2oxにのみ行われると考えられてきたので、シトクロムP450系1原子酸素添加酵素(膜タンパク質)に行われるジベレリンC-16,17位エポキシ化の代謝は全く新規な経路であった。本発明によれば、eui突然変異体の表現型がジベレリンの代謝異常が原因であることが初めて明らかにされた。また、CYP714D1タンパク質の機能も本発明により初めて明らかにされた。本発明は、これらの知見に基づいて完成したものである。
【0007】
即ち、本発明によれば、下記の何れかのアミノ酸配列から成る酵素をジベレリン類に作用させてジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化することを含む、C−16,17位がエポキシ化されたジベレリン類を製造する方法が提供される。
(1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列:
【0008】
好ましくは、ジベレリン類は、C-13位に水酸基を有さないジベレリン類である。
さらに好ましくは、ジベレリン類は、ジベレリンA4(GA4)又はジベレリンA9(GA9)である。
【0009】
本発明の別の側面によれば、下記の何れかのアミノ酸配列から成る酵素を含む、ジベレリンエポキシ化剤が提供される。
(1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列:
【0010】
本発明のさらに別の側面によれば、下記の何れかのアミノ酸配列をコードする遺伝子を植物に導入することを特徴とする、植物の生長を抑制する方法が提供される。
(1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列:
【0011】
本発明のさらに別の側面によれば、下記の何れかの塩基配列から成る遺伝子を植物に導入することを特徴とする、植物の生長を抑制する方法が提供される。
(1)配列表の配列番号1に記載の塩基配列;
(2)配列表の配列番号1に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するタンパク質をコードする塩基配列;又は
(3)配列表の配列番号1に記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するタンパク質をコードする塩基配列:
【0012】
本発明のさらに別の側面によれば、下記の何れかのアミノ酸配列をコードする遺伝子が遺伝子導入により導入されており、かつ該アミノ酸配列から成る酵素を発現することによりジベレリンが不活性化され、それにより生長が抑制されている、遺伝子改変植物が提供される。
(1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列:
【0013】
本発明のさらに別の側面によれば、下記の何れかの塩基配列から成る遺伝子が遺伝子導入により導入されており、かつ該アミノ酸配列から成る酵素を発現することによりジベレリンが不活性化され、それにより生長が抑制されている、遺伝子改変植物が提供される。
(1)配列表の配列番号1に記載の塩基配列;
(2)配列表の配列番号1に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するタンパク質をコードする塩基配列;又は
(3)配列表の配列番号1に記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するタンパク質をコードする塩基配列:
【0014】
本発明のさらに別の側面によれば、下記の何れかの構造を有する16,17-エポキシジベレリンA4又は16,17-エポキシジベレリンA9が提供される。
【化1】

【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、イネのシトクロムP450酵素CYP714D1が、ジベレリンのC-16,17位をエポキシ化して不活性化する新規酵素であることが判明した。この酵素を制御することにより植物内生の活性型ジベレリン量を変動させることを可能となり、それにより植物の背丈や発芽などジベレリンの生理作用として知られる現象を人為的に制御することを可能となる。本酵素はジベレリンの代謝酵素としては初めてのP450酵素であるので、その阻害剤を開発することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
1.ジベレリンエポキシ化酵素及びその利用
本発明は、下記の何れかのアミノ酸配列から成る酵素をジベレリン類に作用させてジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化することを含む、C−16,17位がエポキシ化されたジベレリン類を製造する方法に関する。
(1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列:
【0017】
また、上記(1)〜(3)の何れかのアミノ酸配列から成る酵素は、ジベレリンをエポキシ化する活性を有することから、ジベレリンエポキシ化剤として有用である。上記酵素を含むジベレリンエポキシ化剤も本発明の範囲内である。
【0018】
本発明で用いるジベレリン類の種類は特に限定されず、例えば、下記に示すジベレリン生合成経路における各種ジベレリンを用いることができる。
【0019】
【化2】

【0020】
ジベレリン類は、好ましくは、C-13位に水酸基を有さないジベレリン類(例えば、GA12、GA15、GA24、GA9、GA25、GA4、又はGA34など)であり、特に好ましくはジベレリンA4(GA4)又はジベレリンA9(GA9)である。
【0021】
本発明で用いる配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列は、イネの徒長突然変異体eui (elongated upper-most internode)の原因遺伝子として同定されたシトクロームP450酵素遺伝子CYP714D1の完全長cDNAのアミノ酸配列である。
【0022】
本明細書で言う「1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列」における「1から数個」の範囲は特には限定されないが、例えば、1から20個、好ましくは1から10個、より好ましくは1から7個、さらに好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個程度を意味する。
【0023】
本明細書で言う「配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列」における相同性は、70%以上であれば特に限定されないが、さらに好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%、特に好ましくは95%以上である。
【0024】
本発明のジベレリンエポキシ化酵素の取得方法は特に制限されず、化学合成により合成したタンパク質でもよいし、遺伝子組み換え技術により作製した組み換えタンパク質でもよいが、好ましくは組み換えタンパク質である。
【0025】
組み換えタンパク質を作製する場合には、先ず、当該タンパク質をコードする遺伝子(DNA)を取得する。このDNAを適当な発現系に導入することにより、目的とする組み換えタンパク質を産生することができる。発現系でのタンパク質の発現について、以下に説明する。
【0026】
本発明の酵素をコードする遺伝子としては、下記の何れかのアミノ酸配列をコードする遺伝子を挙げることができる。
(1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列:
【0027】
本発明の酵素をコードする遺伝子のさらなる具体例としては、下記の何れかの塩基配列から成る遺伝子を挙げることができる。
(1)配列表の配列番号1に記載の塩基配列;
(2)配列表の配列番号1に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するタンパク質をコードする塩基配列;又は
(3)配列表の配列番号1に記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するタンパク質をコードする塩基配列:
【0028】
本明細書で言う「1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列」における「1から数個」の範囲は特には限定されないが、例えば、1から40個、好ましくは1から30個、より好ましくは1から20個、より好ましくは1から10個、さらに好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個程度を意味する。
【0029】
上記した「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」とは、DNAをプローブとして使用し、コロニーハイブリダイゼーション法、プラークハイブリダイゼーション法、あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAの塩基配列を意味し、例えば、コロニーあるいはプラーク由来のDNA又は該DNAの断片を固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0MのNaCl存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2×SSC溶液(1×SSC溶液は、150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナトリウム)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるDNA等を挙げることができる。ハイブリダイゼーションは、Molecular Cloning: A laboratory Mannual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY.,1989(以下、モレキュラークローニング第2版と略す)、Current Protocols in Molecular Biology, Supplement 1〜38, John Wiley & Sons (1987-1997)(以下、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーと略す)モレキュラークローニング第2版等に記載されている方法に準じて行うことができる。
【0030】
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとしては、プローブとして使用するDNAの塩基配列と一定以上の相同性を有するDNAが挙げられ、例えば70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上の相同性を有するDNAが挙げられる。
【0031】
本発明の遺伝子の取得方法は特に限定されない。本明細書中の配列表の配列番号1又は2に記載した塩基配列及びアミノ酸配列の情報に基づいて適当なブローブやプライマーを調製し、それらを用いてイネ由来のcDNAライブラリーをスクリーニングすることにより本発明の遺伝子を単離することができる。
【0032】
PCR法により本発明の遺伝子を取得することもできる。イネ由来のcDNAライブラリーを鋳型として使用し、配列番号1に記載した塩基配列を増幅できるように設計した1対のプライマーを用いてPCRを行う。PCRの反応条件は適宜設定することができ、例えば、94℃で30秒間(変性)、55℃で30秒〜1分間(アニーリング)、72℃で2分間(伸長)からなる反応工程を1サイクルとして、例えば30サイクル行った後、72℃で7分間反応させる条件などを挙げることができる。次いで、増幅されたDNA断片を、大腸菌等の宿主で増幅可能な適切なベクター中にクローニングすることができる。
【0033】
上記したプローブ又はプライマーの調製、cDNAライブラリーの構築、cDNAライブラリーのスクリーニング、並びに目的遺伝子のクローニングなどの操作は当業者に既知であり、例えば、モレキュラークローニング第2版、又はカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー等に記載の方法に準じて行うことができる。
【0034】
また、配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;並びに配列表の配列番号1に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するタンパク質をコードする塩基配列を有する遺伝子(以下、これらの遺伝子を変異遺伝子と称する)については、配列番号1又は2に記載の塩基配列及びアミノ酸配列の情報に基づいて、化学合成、遺伝子工学的手法又は突然変異誘発などの当業者に既知の任意の方法で作製することができる。
【0035】
例えば、配列表の配列番号1に記載の塩基配列を有するDNAに対し、変異原となる薬剤と接触作用させる方法、紫外線を照射する方法、遺伝子工学的手法等を用いて行うことができる。遺伝子工学的手法の一つである部位特異的変異誘発法は特定の位置に特定の変異を導入できる手法であることから有用であり、モレキュラークローニング第2版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー等に記載の方法に準じて行うことができる。
【0036】
本発明の酵素を組み換えタンパク質として製造するためには、上記した当該酵素をコードする遺伝子は適当な発現ベクター中に挿入する。発現ベクターにおいて本発明の遺伝子は、転写に必要な要素(例えば、プロモーター等)が機能的に連結されている。プロモータは宿主細胞において転写活性を示すDNA配列であり、宿主の種類に応じて適宜選択することができる。
【0037】
細菌細胞で作動可能なプロモータとしては、バチルス・ステアロテルモフィルス・マルトジェニック・アミラーゼ遺伝子(Bacillus stearothermophilus maltogenic amylase gene)、バチルス・リケニホルミスαアミラーゼ遺伝子(Bacillus licheniformis alpha-amylase gene)、バチルス・アミロリケファチエンス・BANアミラーゼ遺伝子(Bacillus amyloliquefaciens BAN amylase gene)、バチルス・サブチリス・アルカリプロテアーゼ遺伝子(Bacillus Subtilis alkaline protease gene)もしくはバチルス・プミルス・キシロシダーゼ遺伝子(Bacillus pumilus xylosldase gene)のプロモータ、またはファージ・ラムダのPR若しくはPLプロモータ、大腸菌の lac、trp若しくはtacプロモータなどが挙げられる。
【0038】
哺乳動物細胞で作動可能なプロモータの例としては、SV40プロモータ、MT−1(メタロチオネイン遺伝子)プロモータ、またはアデノウイルス2主後期プロモータなどがある。昆虫細胞で作動可能なプロモータの例としては、ポリヘドリンプロモータ、P10プロモータ、オートグラファ・カリホルニカ・ポリヘドロシス塩基性タンパクプロモータ、バキュウロウイルス即時型初期遺伝子1プロモータ、またはバキュウロウイルス39K遅延型初期遺伝子プロモータ等がある。酵母宿主細胞で作動可能なプロモータの例としては、酵母解糖系遺伝子由来のプロモータ、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子プロモータ、TPI1プロモータ、ADH2-4cプロモータなどが挙げられる。糸状菌細胞で作動可能なプロモータの例としては、ADH3プロモータまたはtpiAプロモータなどがある。また、本発明の酵素遺伝子は必要に応じて、適切なターミネータに機能的に結合されてもよい。
【0039】
上記した組み換え発現ベクターを適当な宿主に導入することによって形質転換体を作製することができる。組み換えベクターが導入される宿主細胞は、本発明の酵素をコードする遺伝子を発現できれば任意の細胞でよく、細菌、酵母、真菌および高等真核細胞等が挙げられる。
【0040】
細菌細胞の例としては、バチルスまたはストレプトマイセス等のグラム陽性菌又は大腸菌等のグラム陰性菌が挙げられる。これら細菌の形質転換は、プロトプラスト法、または公知の方法でコンピテント細胞を用いることにより行えばよい。
哺乳類細胞の例としては、HEK293細胞、HeLa細胞、COS細胞、BHK細胞、CHL細胞またはCHO細胞等が挙げられる。哺乳類細胞を形質転換し、該細胞に導入されたDNA配列を発現させる方法も公知であり、例えば、エレクトロポーレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等を用いることができる。
【0041】
酵母細胞の例としては、サッカロマイセスまたはシゾサッカロマイセスに属する細胞が挙げられ、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevis1ae)またはサッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)等が挙げられる。酵母宿主への組み換えベクターの導入方法としては、例えば、エレクトロポレーション法、スフェロブラスト法、酢酸リチウム法等を挙げることができる。
【0042】
他の真菌細胞の例は、糸状菌、例えばアスペルギルス、ニューロスポラ、フザリウム、またはトリコデルマに属する細胞である。宿主細胞として糸状菌を用いる場合、DNA構築物を宿主染色体に組み込んで組換え宿主細胞を得ることにより形質転換を行うことができる。DNA構築物の宿主染色体への組み込みは、公知の方法に従い、例えば相同組換えまたは異種組換えにより行うことができる。
【0043】
昆虫細胞を宿主として用いる場合には、組換え遺伝子導入ベクターおよびバキュロウイルスを昆虫細胞に共導入して昆虫細胞培養上清中に組換えウイルスを得た後、さらに組換えウイルスを昆虫細胞に感染させ、タンパク質を発現させることができる(例えば、Baculovirus Expression Vectors, A Laboratory Manua1;及びカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、Bio/Technology, 6, 47(1988)等に記載)。バキュロウイルスとしては、例えば、ヨトウガ科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・カリフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイルス(Autographa californica nuclear polyhedrosis virus)等を用いることができる。昆虫細胞としては、Spodoptera frugiperdaの卵巣細胞であるSf9、Sf21〔バキュロウイルス・エクスプレッション・ベクターズ、ア・ラボラトリー・マニュアル、ダブリュー・エイチ・フリーマン・アンド・カンパニー(W. H. Freeman and Company)、ニューヨーク(New York)、(1992)〕、Trichoplusia niの卵巣細胞であるHiFive(インビトロジェン社製)等を用いることができる。組換えウイルスを調製するための、昆虫細胞への組換え遺伝子導入ベクターと上記バキュロウイルスの共導入方法としては、例えば、リン酸カルシウム法又はリポフェクション法等を挙げることができる。
【0044】
上記の形質転換体は、導入された遺伝子の発現を可能にする条件下で適切な栄養培地中で培養する。形質転換体の培養物から、本発明の酵素タンパク質を単離精製するには、通常のタンパク質の単離、精製法を用いればよい。
【0045】
例えば、本発明のタンパク質が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了後、細胞を遠心分離により回収し水系緩衝液に懸濁後、超音波破砕機等により細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。該無細胞抽出液を遠心分離することにより得られた上清から、通常のタンパク質の単離精製法、即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒による沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)セファロース等のレジンを用いた陰イオン交換クロマトグラフィー法、S-Sepharose FF(ファルマシア社製)等のレジンを用いた陽イオン交換クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセファロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロマトグラフィ一法、クロマトフォーカシング法、等電点電気泳動等の電気泳動法等の手法を単独あるいは組み合わせて用い、精製標品を得ることができる。
【0046】
2.ジベレリンエポキシ化酵素をコードする遺伝子及びその利用
本発明のジベレリンエポキシ化酵素をコードする遺伝子は、植物へ導入することによって、当該植物の生長を抑制するために使用することができる。即ち、本発明のジベレリンエポキシ化酵素をコードする遺伝子を導入した遺伝子改変植物においては、本発明のジベレリンエポキシ化酵素を、当該遺伝子を導入していない植物と比較して多量に発現しているため、植物内におけるジベレリンがエポキシ化されることにより不活化され、それにより生長が抑制されることが期待できる。このような、ジベレリンエポキシ化酵素をコードする遺伝子を植物へ導入することにより植物の生長を抑制する方法、並びにジベレリンエポキシ化酵素をコードする遺伝子を導入した遺伝子改変植物も本発明の範囲内のものである。
【0047】
上記した目的で、本発明のジベレリンエポキシ化酵素をコードする遺伝子(以下、本発明の遺伝子とも称する)を植物細胞に形質転換する場合には、その宿主は目的に応じて任意に選択できる。
【0048】
本発明において形質転換の対象となる植物は、植物体全体、植物器官(例えば葉、花弁、茎、根、種子等)、植物組織(例えば表皮、師部、柔組織、木部、維管束、柵状組織、海綿状組織等)又は植物培養細胞のいずれをでもよい。形質転換に用いられる植物の種類は特に限定されず、例えばイネ科、ナス科、アブラナ科、キク科、ゴマ科、モクセイ科、フトモモ科、バラ科、マメ科、ヤシ科又はアカネ科に属する植物が挙げられる。これらの科に属する植物の具体例を以下に記載するが、これらの植物に限定されるものではない。
【0049】
ナス科:タバコ、ジャガイモ、トマト、コショウなど
イネ科:トウモロコシ 、イネ、コムギなど
アオイ科:ワタ 、オクラなど
アブラナ科:キャベツ、ハツカダイコン、シロイヌナズナ、ナタネなど
ウリ科:メロン、キューリなど
セリ科:ニンジン、セロリー、アメリカボウフウなど
キク科:ヒマワリ 、キクなど
ゴマ科:ゴマ 、ヒマなど
モクセイ科:オリーブなど
フトモモ科:ユーカリ、グアバなど
バラ科:バラなど
ツバキ科:ツバキなど
マメ科:レンゲソウ、ダイズ、アルファルファ、ダイズなど
ヤシ科:ココナツなど
アオギリ科:ココアなど
アカネ科:コーヒーの木など
【0050】
本明細書において、形質転換植物源としては、種子、芽生え、苗、カルス、培養細胞、植物体などが挙げられ、例えば、ナタネの場合には芽生えまたはプロトプラスト;ダイズの場合には芽生え、カルスまたは培養細胞;ヒマワリの場合には芽生え;パーム椰子の場合にはカルスまたは培養細胞;イネの場合には、芽生え、カルス、培養細胞またはプロトプラスト;トウモロコシには、芽生え、苗、カルス、培養細胞またはプロトプラスト;コムギの場合には、芽生え、カルスまたは培養細胞;キャベツの場合には、芽生え、カルス、培養細胞またはプロトプラスト;レタスの場合には、芽生え、カルス、培養細胞またはプロトプラスト等と言ったように、当業者が通常行うように、対象植物によって適宜好ましい部位を選択して行えばよい。
【0051】
本発明の遺伝子を植物体に形質転換するためのベクターの種類は特に限定されないが、本発明の遺伝子をコードするDNAを発現させるためのプロモーター/エンハンサー配列を含むことが好ましい。プロモーター/エンハンサー配列としては、植物細胞において本発明の遺伝子を発現しうるものであれば任意のものを使用することができ、例えばアグロバクテリウムまたはリゾビウムのような植物細胞内で発現する遺伝子を含む、植物、植物 ウイルス、細菌由来のプロモーターを用いることができる。プロモーターの具体例としては、Agrobacterium tumefaciensのT−DNA由来のプロモーター、Smasプロモーター、桂皮アルコールデヒドロゲナーゼプロモータ、Nosプロモーター、リブロース二リン酸カルボキシラーゼオキシゲナーゼ(Rubisco)プロモーター、GRP1−8プロモーター、カリフラワー・モザイク・ウイルス(CaMV)からの35Sプロモーター、植物由来のアクチンやヒストン等のプロモーター/エンハンサーおよび公知である種々の植物遺伝子からのその他の転写開始領域が包含される。また、AtMID1A遺伝子のプロモーター配列も用いることができる。
【0052】
本発明の遺伝子を効率よく発現させるために、遺伝子のコード領域のポリヌクレオチドコーディング領域の3′末端にポリ(A)+配列を包含させるのが好ましい。ポリ(A)+配列は、種々の植物 遺伝子またはT−DNA由来のものを用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、所望の遺伝子を高レベルにて発現させるのに有用な他の配列、例えば特定の遺伝子のイントロン配列、5′不翻訳領域の配列などを本願発明の組換え発現ベクターに含めることもできる。
【0053】
さらに組換え発現ベクターには、選択マーカー遺伝子として種々の抗生物質耐性遺伝子や他のマーカー遺伝子をコードする配列を含めることができる。マーカー遺伝子の例としては、抗スペクチノマイシン遺伝子、ストレプトマイシン耐性遺伝子(ストレプトマイシンホスホトランスフェラーゼ(SPT)遺伝子)、カナマイシンまたはジェネティシン耐性のネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(NPTII)遺伝子、ハイグロマイシン耐性のハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(HPT)遺伝子、アセト乳酸合成酵素(ALS)を阻害する除草剤に対する耐性遺伝子、グルタミン合成酵素を阻害する除草剤に対する耐性遺伝子(例えばbar 遺伝子)、β−グルクロニダーゼ遺伝子、ルシフェラーゼ遺伝子等を挙げることができる。
【0054】
また、高等植物 の遺伝子発現に有用な代表的なベクターは当該技術分野においてよく知られており、Agrobacterium tumefaciensのTiプラスミド由来のベクターなどのベクターDNAの一部を植物 細胞に導入した際に宿主植物のゲノムに組込みうるベクター、例えばTiプラスミド由来のpKYLX6、pKYLX7、pBI101、pBH2113、pBI121(Clontech Laboratories, Inc.)などを挙げることができる。
【0055】
上記した発現ベクターは、外来性遺伝子を植物 細胞に導入するための公知の方法、例えばパーティクルガン法、エレクトロポレーション法、ポリエチレングリコール(PEG)法、リン酸カルシウム法、DEAEデキストラン法、マイクロインジェクション、リポフェクション法およびアグロバクテリウム法などの微生物媒介トランスフェクション法を用いて所望の植物細胞に導入することができる。植物 細胞においては、パーティクルガン法、エレクトロポレーション法、ポリエチレングリコール(PEG)法およびアグロバクテリウム法が好ましく、アグロバクテリウム法が特に好ましい(Bechtold N. & Pelletier G., Methods Mol. Biol. 82, pp.259-266, 1998)。本発明の遺伝子改変植物は上記した方法により作製することができる。
以下の実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0056】
材料:
イネの徒長突然変異体eui (elongated upper-most internode)の原因遺伝子として同定されたシトクロームP450酵素遺伝子CYP714D1の完全長cDNAは、中国科学院のZ.-H.He博士より提供された。このcDNAは独立法人農業生物資源研究所のイネゲノムリソースセンター(http://www.rgrc.dna.affrc.go.jp/jp/)からも取得可能(Clone name: 002-115-G10、Accession NO: AK109526)である。CYP714D1の完全長cDNAの塩基配列及びアミノ酸配列を配列表の配列番号1及び2にそれぞれ示す。
【0057】
ジベレリン代謝酵素の機能実験:
イネのCYP714D1遺伝子は、PCRプライマーOsEUI-F1(CGGGATCCATGGAGAGCTTCTTCGTCTTC:翻訳開始コドン直前にBamH I 制限酵素部位を配置)(配列番号3)とOsEUI-R1(GGGGTACCTTAATTATGAGAACTATGCACGG:停止コドン直後にKpn I制限酵素部位を配置)(配列番号4)を用いて、そのcDNAからPCR増幅を行うことにより制限酵素部位を導入した。その産物をBamH I及びKpn I制限酵素で消化した後、制限酵素BamH I及び Kpn Iで消化したpYeDP60ベクターに結合した。pYeDP60ベクターはガラクトース存在下でシトクロームP450タンパク質を誘導する既知ベクターである(Pompon,D. et al., 1996, Methods Enzymol. 272, 51-64.)。そのプラスミドは、ガラクトース存在下でアラビドプシスのシトクロームP450還元酵素1を共発現させる既知のWAT11 酵母に形質転換させた(Pompon, D. et al., 1996, Methods Enzymol. 272, 51-64)。
【0058】
形質転換体は10 ml のSGI 液体培地(Glucose 20 g, Yeast Nitrogen Base without Amino Acids 6.7 g, Bacto Casamino Acid 1 g, DL-Tryptophan 40 mg, dist H2O 1 L)に植え付け、30℃で24時間振とう(200 rpm)培養した。その培養液1 ml を50 mlの SLI液体培地(Galactose 20 g, Yeast Nitrogen Base without Amino Acids 6.7 g, Bacto Casamino acid 1 g, DL-Tryptophan 40 mg, dist H2O 1 L, pH 5.4) に植え付け、28℃で4 x 107 cells per ml濃度に増殖するまで振とう培養した。増殖した形質転換酵母は500 x g の遠心(5分間)で沈殿させ、500 mlの新しいSLI液体培地で5x 107 cells per mlに増殖するまで28℃で振とう培養した。その増殖した形質転換酵母を3,000 x g の遠心(5分間)で沈殿させ、10 mlの氷冷0.1 Mリン酸カリウムバッファー(pH 7.6)で懸濁した。その懸濁液をFrench Press(25,000 psi)に通すことにより細胞を破砕した。その溶液を10,000 x g の遠心(4℃、15分間)にかけた後、その上清を100,000 x g の遠心(4℃、60分間)にかけた。得られたペレット(ミクロソーム画分)を1 mlの氷冷0.1 Mリン酸カリウムバッファー(pH 7.6)で懸濁した。
【0059】
ミクロソーム溶液50μlにNADPH(500μM)および基質ジベレリン(30μM)を加え、25 ℃、150 rpmで4時間インキュベートさせた。インキュベート後のミクロソーム溶液はODSカラム(Bond Elut C18, 100 mg, VARIAN)にチャージし、2 mlの1%酢酸で洗った後、2 mlの80%メタノールで溶出させた。80 %メタノール区は溶媒を乾燥除去した後、メチル化またはメチル-TMSi化した。GC-MS分析において、Euiタンパク質によるGA4(活性型ジベレリン)の代謝物のマススペクトルは標品16,17-ジヒドロ-16α,17-ジヒドロキシGA4と一致した(表1)。また、GA9(GA4の前駆体)の代謝物のマススペクトルは標品16,17-ジヒドロ-16α,17-ジヒドロキシGA9と一致した。しかしながら、隣接した2つの水酸基導入はP450酵素による反応としては考えにくい。C-16およびC-17位の水酸基は16,17-エポキシ基が精製過程における酸性条件によって開いたためと推測された。実際に、精製過程で用いた1%酢酸を蒸留水に換えて中和条件下で精製すると16,17-ジヒドロ-16α,17-ジヒドロキシGA4および16,17-ジヒドロ-16α,17-ジヒドロキシGA9のピークは消え、それぞれ16,17-エポキシGA4および16,17-エポキシGA9と思われる分子量をもつ化合物が検出された(表2)。したがって、本発明のEuiタンパク質はジベレリンのC-16,17位の二重結合をエポキシ化する酵素であることが明らかとなった。
【0060】
【化3】

【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【配列表フリーテキスト】
【0063】
<110> RIKEN
<120> Gibberellin metabolizing enzyme
<130> A51452A
<160> 4
<210> 1
<211> 1734
<212> DNA
<213> rice
<400> 1
atg gag agc ttc ttc gtc ttc ttc acg gcg gcg gcg ttg ccg gtg gtg 48
Met Glu Ser Phe Phe Val Phe Phe Thr Ala Ala Ala Leu Pro Val Val
1 5 10 15
gtg gcg gcg gcg gtg atc gcc ggg ctg tgc att acg gcg gcg tgg ctg 96
Val Ala Ala Ala Val Ile Ala Gly Leu Cys Ile Thr Ala Ala Trp Leu
20 25 30
gcg agg ccg cgg cgc gtg gcg gag gtg ttc cgg agg cag ggg atc gac 144
Ala Arg Pro Arg Arg Val Ala Glu Val Phe Arg Arg Gln Gly Ile Asp
35 40 45
ggc ccg ccg ccg tcg tcg ttc ctg gcg ggg aac ctc ccg gag atg aag 192
Gly Pro Pro Pro Ser Ser Phe Leu Ala Gly Asn Leu Pro Glu Met Lys
50 55 60
gcg agg gtg gcc gcc gcg gcg tcg gcg gcg gcg cca acg gcg gac ggg 240
Ala Arg Val Ala Ala Ala Ala Ser Ala Ala Ala Pro Thr Ala Asp Gly
65 70 75 80
gag gag acc gcc tcc gcc ggc ggc ggc ggc ggt ggc cgg gac ttc gag 288
Glu Glu Thr Ala Ser Ala Gly Gly Gly Gly Gly Gly Arg Asp Phe Glu
85 90 95
aag gac ggg ttc gac gac tac tgc acc agg atc ttc cct tac ttc cac 336
Lys Asp Gly Phe Asp Asp Tyr Cys Thr Arg Ile Phe Pro Tyr Phe His
100 105 110
aag tgg agg aaa gcc tac ggc gag acg tac ctg tac tgg ctg cgg cgg 384
Lys Trp Arg Lys Ala Tyr Gly Glu Thr Tyr Leu Tyr Trp Leu Arg Arg
115 120 125
cgg ccg gcg ctg tac gtg acg gac ccg gag ctc atc ggc gag atc ggg 432
Arg Pro Ala Leu Tyr Val Thr Asp Pro Glu Leu Ile Gly Glu Ile Gly
130 135 140
cgg tgc gtg tcg ctc gac atg ggc aag ccc aag tac ctc cag aaa ggc 480
Arg Cys Val Ser Leu Asp Met Gly Lys Pro Lys Tyr Leu Gln Lys Gly
145 150 155 160
cag gag cca ctc ttc ggc ggc ggc gtc ctc aag gcc aac ggc gcg tgc 528
Gln Glu Pro Leu Phe Gly Gly Gly Val Leu Lys Ala Asn Gly Ala Cys
165 170 175
tgg gcg cgc cag cgc aag gtc atc gcg ccg gag ttc tac atg gcc cgt 576
Trp Ala Arg Gln Arg Lys Val Ile Ala Pro Glu Phe Tyr Met Ala Arg
180 185 190
gtc agg gcc atg gtc cag ctc atg gtc gac gcc gcg cag ccg ctg atc 624
Val Arg Ala Met Val Gln Leu Met Val Asp Ala Ala Gln Pro Leu Ile
195 200 205
gcc tcc tgg gaa tcc agg atc gac gcc gct gga ggc gcg gcg gcg gcg 672
Ala Ser Trp Glu Ser Arg Ile Asp Ala Ala Gly Gly Ala Ala Ala Ala
210 215 220
gag gtc gtc gtc gac ggc gac ctc cgg agc ttc tcc ttc gat gtg ata 720
Glu Val Val Val Asp Gly Asp Leu Arg Ser Phe Ser Phe Asp Val Ile
225 230 235 240
tcg cgg gct tgc ttt ggg agt gat tac tcg agg ggg agg gag atc ttc 768
Ser Arg Ala Cys Phe Gly Ser Asp Tyr Ser Arg Gly Arg Glu Ile Phe
245 250 255
ctc cgc ctc cgt gag ctg tcc ggg ctc atg tcg gag acc agc gtc atc 816
Leu Arg Leu Arg Glu Leu Ser Gly Leu Met Ser Glu Thr Ser Val Ile
260 265 270
ttc agc atc cct tcg ctg agg cac ctg ccg acg ggg aag aac cgg agg 864
Phe Ser Ile Pro Ser Leu Arg His Leu Pro Thr Gly Lys Asn Arg Arg
275 280 285
atc tgg agg ctc acg ggg gag atc cgg tcg ctg atc atg gag ctc gtc 912
Ile Trp Arg Leu Thr Gly Glu Ile Arg Ser Leu Ile Met Glu Leu Val
290 295 300
agg gag cgg agg tgc gcg gcg agg gcg gcg agg gag cac ggc ggg aag 960
Arg Glu Arg Arg Cys Ala Ala Arg Ala Ala Arg Glu His Gly Gly Lys
305 310 315 320
gcg gcg ccg ccg tcg ccg ccg gag cgc gac ttc ctc ggc tcc atc atc 1008
Ala Ala Pro Pro Ser Pro Pro Glu Arg Asp Phe Leu Gly Ser Ile Ile
325 330 335
gag aac agc ggc ggg cag ccg cgg ccg gac gac ttc gtg gtg gac aac 1056
Glu Asn Ser Gly Gly Gln Pro Arg Pro Asp Asp Phe Val Val Asp Asn
340 345 350
tgc aag aac atc tac ttc gcc ggg cac gag acg agc gcg gtc acc gcg 1104
Cys Lys Asn Ile Tyr Phe Ala Gly His Glu Thr Ser Ala Val Thr Ala
355 360 365
acg tgg tgc ctc atg ctg ctc gcc gcg cac ccg gag tgg cag gac cgc 1152
Thr Trp Cys Leu Met Leu Leu Ala Ala His Pro Glu Trp Gln Asp Arg
370 375 380
gcc cgc gcc gag gtg ctc gag gtc tgc ggc ggc gac ggc gcc gcc gcc 1200
Ala Arg Ala Glu Val Leu Glu Val Cys Gly Gly Asp Gly Ala Ala Ala
385 390 395 400
ccc gcc gcg ccg gac ttc gac atg gtg tcc cgg atg cgg acg gtg ggg 1248
Pro Ala Ala Pro Asp Phe Asp Met Val Ser Arg Met Arg Thr Val Gly
405 410 415
atg gtg gtg cag gaa acg ctg cgg ctg ttc ccg ccg tcg tcg ttc gtg 1296
Met Val Val Gln Glu Thr Leu Arg Leu Phe Pro Pro Ser Ser Phe Val
420 425 430
gtg cgg gag acg ttc cgg gac atg cag ttg ggt agg ctg ctg gcg ccc 1344
Val Arg Glu Thr Phe Arg Asp Met Gln Leu Gly Arg Leu Leu Ala Pro
435 440 445
aag ggc acc tac ctg ttc gtc ccg gtg tcc acc atg cac cac gac gtc 1392
Lys Gly Thr Tyr Leu Phe Val Pro Val Ser Thr Met His His Asp Val
450 455 460
gcc gcc tgg ggc ccg acg gcg agg ctg ttc gac ccg tcc cgc ttc cgc 1440
Ala Ala Trp Gly Pro Thr Ala Arg Leu Phe Asp Pro Ser Arg Phe Arg
465 470 475 480
gac ggc gtg gcg gcg gcg tgc aag cac ccg cag gcg tcg ttc atg ccg 1488
Asp Gly Val Ala Ala Ala Cys Lys His Pro Gln Ala Ser Phe Met Pro
485 490 495
ttc ggc ctc ggc gcc cgc acc tgc ctc ggc cag aac ctc gcg ctc gtc 1536
Phe Gly Leu Gly Ala Arg Thr Cys Leu Gly Gln Asn Leu Ala Leu Val
500 505 510
gag gtc aag acg ctc gtc gcc gtc gtc ctc gcc cgg ttc gag ttc acg 1584
Glu Val Lys Thr Leu Val Ala Val Val Leu Ala Arg Phe Glu Phe Thr
515 520 525
ctc tcg ccg gag tac agg cac tcg ccg gcg ttc cgg ctc atc atc gag 1632
Leu Ser Pro Glu Tyr Arg His Ser Pro Ala Phe Arg Leu Ile Ile Glu
530 535 540
ccg gag ttc ggc ctc cgc ctc cgc atc cgc cgc gcc ggc ggt cag gac 1680
Pro Glu Phe Gly Leu Arg Leu Arg Ile Arg Arg Ala Gly Gly Gln Asp
545 550 555 560
gcc acg tca caa gtt gac aca tct act gca ccc gtg cat agt tct cat 1728
Ala Thr Ser Gln Val Asp Thr Ser Thr Ala Pro Val His Ser Ser His
565 570 575
aat taa 1734
Asn

<210> 2
<211> 577
<212> PRT
<213> rice
<400> 2
Met Glu Ser Phe Phe Val Phe Phe Thr Ala Ala Ala Leu Pro Val Val
1 5 10 15
Val Ala Ala Ala Val Ile Ala Gly Leu Cys Ile Thr Ala Ala Trp Leu
20 25 30
Ala Arg Pro Arg Arg Val Ala Glu Val Phe Arg Arg Gln Gly Ile Asp
35 40 45
Gly Pro Pro Pro Ser Ser Phe Leu Ala Gly Asn Leu Pro Glu Met Lys
50 55 60
Ala Arg Val Ala Ala Ala Ala Ser Ala Ala Ala Pro Thr Ala Asp Gly
65 70 75 80
Glu Glu Thr Ala Ser Ala Gly Gly Gly Gly Gly Gly Arg Asp Phe Glu
85 90 95
Lys Asp Gly Phe Asp Asp Tyr Cys Thr Arg Ile Phe Pro Tyr Phe His
100 105 110
Lys Trp Arg Lys Ala Tyr Gly Glu Thr Tyr Leu Tyr Trp Leu Arg Arg
115 120 125
Arg Pro Ala Leu Tyr Val Thr Asp Pro Glu Leu Ile Gly Glu Ile Gly
130 135 140
Arg Cys Val Ser Leu Asp Met Gly Lys Pro Lys Tyr Leu Gln Lys Gly
145 150 155 160
Gln Glu Pro Leu Phe Gly Gly Gly Val Leu Lys Ala Asn Gly Ala Cys
165 170 175
Trp Ala Arg Gln Arg Lys Val Ile Ala Pro Glu Phe Tyr Met Ala Arg
180 185 190
Val Arg Ala Met Val Gln Leu Met Val Asp Ala Ala Gln Pro Leu Ile
195 200 205
Ala Ser Trp Glu Ser Arg Ile Asp Ala Ala Gly Gly Ala Ala Ala Ala
210 215 220
Glu Val Val Val Asp Gly Asp Leu Arg Ser Phe Ser Phe Asp Val Ile
225 230 235 240
Ser Arg Ala Cys Phe Gly Ser Asp Tyr Ser Arg Gly Arg Glu Ile Phe
245 250 255
Leu Arg Leu Arg Glu Leu Ser Gly Leu Met Ser Glu Thr Ser Val Ile
260 265 270
Phe Ser Ile Pro Ser Leu Arg His Leu Pro Thr Gly Lys Asn Arg Arg
275 280 285
Ile Trp Arg Leu Thr Gly Glu Ile Arg Ser Leu Ile Met Glu Leu Val
290 295 300
Arg Glu Arg Arg Cys Ala Ala Arg Ala Ala Arg Glu His Gly Gly Lys
305 310 315 320
Ala Ala Pro Pro Ser Pro Pro Glu Arg Asp Phe Leu Gly Ser Ile Ile
325 330 335
Glu Asn Ser Gly Gly Gln Pro Arg Pro Asp Asp Phe Val Val Asp Asn
340 345 350
Cys Lys Asn Ile Tyr Phe Ala Gly His Glu Thr Ser Ala Val Thr Ala
355 360 365
Thr Trp Cys Leu Met Leu Leu Ala Ala His Pro Glu Trp Gln Asp Arg
370 375 380
Ala Arg Ala Glu Val Leu Glu Val Cys Gly Gly Asp Gly Ala Ala Ala
385 390 395 400
Pro Ala Ala Pro Asp Phe Asp Met Val Ser Arg Met Arg Thr Val Gly
405 410 415
Met Val Val Gln Glu Thr Leu Arg Leu Phe Pro Pro Ser Ser Phe Val
420 425 430
Val Arg Glu Thr Phe Arg Asp Met Gln Leu Gly Arg Leu Leu Ala Pro
435 440 445
Lys Gly Thr Tyr Leu Phe Val Pro Val Ser Thr Met His His Asp Val
450 455 460
Ala Ala Trp Gly Pro Thr Ala Arg Leu Phe Asp Pro Ser Arg Phe Arg
465 470 475 480
Asp Gly Val Ala Ala Ala Cys Lys His Pro Gln Ala Ser Phe Met Pro
485 490 495
Phe Gly Leu Gly Ala Arg Thr Cys Leu Gly Gln Asn Leu Ala Leu Val
500 505 510
Glu Val Lys Thr Leu Val Ala Val Val Leu Ala Arg Phe Glu Phe Thr
515 520 525
Leu Ser Pro Glu Tyr Arg His Ser Pro Ala Phe Arg Leu Ile Ile Glu
530 535 540
Pro Glu Phe Gly Leu Arg Leu Arg Ile Arg Arg Ala Gly Gly Gln Asp
545 550 555 560
Ala Thr Ser Gln Val Asp Thr Ser Thr Ala Pro Val His Ser Ser His
565 570 575
Asn

<210> 3
<211> 29
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 3
cgggatccat ggagagcttc ttcgtcttc 29
<210> 4
<211> 31
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 4
ggggtacctt aattatgaga actatgcacg g 31



【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の何れかのアミノ酸配列から成る酵素をジベレリン類に作用させてジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化することを含む、C−16,17位がエポキシ化されたジベレリン類を製造する方法。
(1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列:
【請求項2】
ジベレリン類が、C-13位に水酸基を有さないジベレリン類である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ジベレリン類が、ジベレリンA4(GA4)又はジベレリンA9(GA9)である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
下記の何れかのアミノ酸配列から成る酵素を含む、ジベレリンエポキシ化剤。
(1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列:
【請求項5】
下記の何れかのアミノ酸配列をコードする遺伝子を植物に導入することを特徴とする、植物の生長を抑制する方法。
(1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列:
【請求項6】
下記の何れかの塩基配列から成る遺伝子を植物に導入することを特徴とする、植物の生長を抑制する方法。
(1)配列表の配列番号1に記載の塩基配列;
(2)配列表の配列番号1に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するタンパク質をコードする塩基配列;又は
(3)配列表の配列番号1に記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するタンパク質をコードする塩基配列:
【請求項7】
下記の何れかのアミノ酸配列をコードする遺伝子が遺伝子導入により導入されており、かつ該アミノ酸配列から成る酵素を発現することによりジベレリンが不活性化され、それにより生長が抑制されている、遺伝子改変植物。
(1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列;又は
(3)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の相同性を有するアミノ酸配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するアミノ酸配列:
【請求項8】
下記の何れかの塩基配列から成る遺伝子が遺伝子導入により導入されており、かつ該アミノ酸配列から成る酵素を発現することによりジベレリンが不活性化され、それにより生長が抑制されている、遺伝子改変植物。
(1)配列表の配列番号1に記載の塩基配列;
(2)配列表の配列番号1に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するタンパク質をコードする塩基配列;又は
(3)配列表の配列番号1に記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列から成り、ジベレリン類のC−16,17位をエポキシ化する活性を有するタンパク質をコードする塩基配列:
【請求項9】
下記の何れかの構造を有する16,17-エポキシジベレリンA4又は16,17-エポキシジベレリンA9。
【化1】


【公開番号】特開2006−340611(P2006−340611A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−166646(P2005−166646)
【出願日】平成17年6月7日(2005.6.7)
【出願人】(503359821)独立行政法人理化学研究所 (1,056)
【Fターム(参考)】