説明

ジャック

【課題】プラグのグランド電極がいずれの位置に配設されても、プラグの挿入を確実に検出できるジャックを提供すること。
【解決手段】プラグ挿入孔を有する電気絶縁性のジャックハウジング内に、少なくとも1本の信号コンタクトと、第1の接点部8cを設けた第1のスイッチコンタクト8および前記第1の接点部に接触する第2の接点部9cを設けた第2のスイッチコンタクト9とからなるスイッチ機構を組込んだジャック1であって、第1、第2のスイッチコンタクトは、一方のスイッチコンタクト9を電気導電性の弾性変形可能なアーム片で形成して、該アーム片からなるスイッチコンタクトに、プラグ挿入孔3へのプラグの挿入により該プラグが摺動接触し変位させて該スイッチコンタクトの接点部を作動させる電気絶縁性のプッシャー10が装着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イヤホンやマイクロホンなどに接続されたプラグが差込み接続されるコネクタ、いわゆるジャックに係り、さらに詳しくは、プラグ挿入孔にプラグが挿入されたことを検知できるプラグ挿入検出機構を備えたジャックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラグ挿入検出機構を備えたジャックは、既に公知であり、このプラグ挿入検出機構は、概ね、以下の2タイプに大別されるものとなっている。1つのタイプは、プラグの電極とジャックハウジング内に配設したコンタクトとの間で電気的接続を行って検出するものであり、他のタイプは、ジャックハウジング内にスイッチ機構を設けて、このスイッチ機構の作動により検出するものとなっている。
【0003】
前者のタイプは、例えば、下記特許文献1に開示されている。この特許文献1のプラグ挿入検知装置は、図14A、14Bに示すように、3極プラグ15が接続される4極端子17において、この4極端子17は、ジャックを構成するハウジング内に配設されているが、プラグ15が挿入されたときにプラグの接地部16aに接触される第1及び第4の端子17a、17dと、このプラグ15が挿入されたときに少なくともプラグ接地部16aに接触されない第2及び第3の端子17b、17cとを備えたものとなっている。この4極端子17は、プラグ15が挿入されていない状態において、4極端子17の1番ピン17aの電圧が電源Vccの電圧と等しくなる。この状態で、3極プラグ15が矢印A方向から移動して4極端子17に挿入接続されると、4極端子17の1番ピン17aは、3極プラグの接地部16aに接触するので、1番ピン17aと4番ピン17dとの間がショートして1番ピン17aの電圧が0Vとなる。これにより4極端子17に対して3極プラグ15の挿入が検出される。なお、4極端子17の1〜4番ピン17a〜17dはコンタクト端子となっている。
【0004】
後者のタイプは、例えば、下記特許文献2、3に開示されている。これらの特許文献2、3のうち、特許文献2のプラグ挿入検出機構20は、図15A〜15Eに示すように、ハウジング21に組込んだ第1スリーブバネ22と、これと離接するメークバネ23と、第2スリーブバネ24とからなり、プラグ挿入孔21aに電気信号用および光信号用のいずれかのプラグを挿入してもそれらを識別して検出できるものとなっている。なお、記号p1〜p4は電気信号用プラグに設けられた電極であり電極p1は接地(グランド)電極であり、第1スリーブバネ22とメークバネ23とでスイッチ機構を構成し、またこれらはスイッチコンタクトとなっている。
【0005】
イ 電気信号用プラグの挿入検出
プラグ挿入孔21aに電気信号用プラグpが挿入されると、図14A、図14Bに示すように、第1スリーブバネ22の作用部22bが電気信号用プラグpの周側部に当接して後退し、この作用部22bの背後の接片部22cがメークバネ23の接触部23bに接触して通電する。この通電により、プラグ挿入孔21aに何らかのプラグが挿入されたことが検出され、さらに、第1スリーブバネ22と第2スリーブバネ24とが通電するので、そのプラグが電気信号用プラグpであることが判別される。
【0006】
ロ 光信号用プラグの挿入検出
プラグ挿入孔21aに光信号用プラグが挿入されると、電気信号用プラグpが挿入された場合と同様に、第1スリーブバネ22とメークバネ23とが通電する。このとき、第1スリーブバネ22の作用部22bは、プラグの周側部に当接して後退するので、第2スリーブバネ24の先端接触部24bもプラグ周側部の上方の部位に接触する。しかしながら、光信号用プラグは、その周側に電気信号用プラグpにあるスリーブ電極p4のような導電性部材がないので、第1スリーブバネ22と第2スリーブバネ24とが導通せずに非導通状態になる。その結果、第1スリーブバネ22とメークバネ23とが導通することで、プラグ挿入孔21aに何らかのプラグが挿入されたことが検出されるが、第1スリーブバネ22と第2スリーブバネ24とが非導通状態になるので、そのプラグが電気信号用プラグでなく光信号用プラグであることが判別される。なお、下記特許文献3のジャックも、電気信号用プラグの挿入を検出できるものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−288766号公報(段落〔0010〕、〔0011〕、図1)
【特許文献2】特開2007−323960号(段落〔0049〕〜〔0053〕、図2)
【特許文献3】特開2011−9122号公報(段落〔0029〕〜〔0032〕、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1〜3のジャックは、いずれもハウジング内に組込まれたプラグ挿入検出機構(装置)により、プラグがプラグ挿入孔へ差込まれると、その挿入を検出できる。しかしながら、これらのプラグ挿入検出機構は、いずれもプラグの接地(グランド)電極とジャックハウジング内に配設されたコンタクトとの電気的接続によってプラグ挿入を検出するものとなっているので、プラグはグランド電極が特定位置にあるもののみのプラグに限定されて、グランド電極がこの位置と異なる位置(箇所)にあるとそのプラグの挿入を検出できない。すなわち、上記特許文献1のプラグ挿入検知装置は、プラグの接地部(グランド電極)と4極端子の2つのピンがプラグの挿入でショートするので、このショートによりプラグ挿入が検出されるものであることから、プラグの接地部が異なる位置にあるとそのプラグの挿入を検出できない。また、上記特許文献2、3のプラグ挿入検出機構も同様に、プラグ電極とスイッチ機構を構成するスイッチコンタクト及び他のコンタクト間の電気的接続によって、プラグ挿入が検出されるものとなっているので、同様にプラグのグランド電極が異なる箇所にあるとそのプラグの挿入を検出できない。
【0009】
この種のプラグは、様々な電子機器、例えばデジタルオーディオプレーヤー、ポータブルCDプレーヤー、MDレコーダー、ポータブルカセットプレーヤー、ポータブルカセットレコーダ及びマイクロカセットレコーダーなどに設けたジャックに接続して使用されている。これらの電子機器に使用されるプラグは、それぞれの電子機器に適合するものであることは当然であるが、近年、これらの電子機器には、様々な機能が組込まれて多機能化しており、この動向に対応して、それらに使用されるプラグは、その電極数が増えると共にこれらの電極がこれまでのものと異なる位置に配設されるものとなっている。これらのプラグのうち、特に、グランド電極が従来のプラグと異なる位置に配設されたものが出現している。すなわち、これまでのプラグは、例えば上記特許文献1〜3にみられるプラグのように、そのグランド電極が、図13Aに示すように、先端電極から一番離れた、すなわちハウジング側に設けられている。しかしながら、例えば欧州などの国々或いは電子機器の種類によっては、この位置になく、図13Bのように、先端電極とプラブハウジングとの間、すなわち電極間の途中に設けたものがある。そして、これらのプラグのうち、前者タイプのプラグは、上記特許文献1〜3のジャックでプラグの挿入を検出できるが、これらのジャックでは後者タイプのプラグの挿入を検出できない。
【0010】
この不都合を解消するために、上記特許文献1〜3のジャックを後者タイプのプラグにも使用可能なように改造することが考えられる。その改造は、概ね、このようなプラグに使用できるようにプラグ検出機構を構成するコンタクト或いはスイッチ機構の位置を変更する方法、或いは同じようなプラグ検出機構をさらに追加する方法となる。しかしながら、これらの改造のうち、前者の改造は、グランド電極の位置が異なるプラグ毎にそれ専用のジャックが必要となり、そのためにプラグ毎のジャックが必須となって、品種が多くなりその管理が面倒でコスト高を招来することなる。また、上記特許文献2、3のジャックではスイッチ機構の位置変更が難しく、強いてスイッチ機構をプラグ挿入口に近い位置に変更すると、プラグ挿入時にノイズがイヤホンを通して耳に入り込むことがある。また、後者の改造は、複数のプラグ検出機構の組込みとなり、この組込みにより、ジャックが大型で複雑な構造及びコスト高を招来することなり実用的なものにならない。
【0011】
そこで、本発明者らは、従来技術のジャックがこのような課題を抱えていることから、この課題を解消するために、前者及び後者タイプのいずれのプラグ挿入をも検出、すなわち共通に検出ができるようにし、しかも、プラグ電極の位置が変更されても、この変更に伴いジャックハウジング内の他のコンタクトの位置をプラグ電極に対応できる改造を試みた。この試みの過程において、これまでのジャックは、プラグ挿入検出がプラグ電極とジャックハウジング内のコンタクトとの電気的接続で行っているので、上記の課題が出現することを突き止め、これらの電気的接続に依存しない、すなわち、いずれのプラグ電極によっても、このプラグ電極とスイッチ機構とが電気的に接続されないようにして、プラグ挿入時にスイッチを作動させれば、グランド電極がどの位置にあってもプラグ挿入を検出できるようになることに想到し、本発明を完成させるに至ったものである。
【0012】
そこで、本発明は、このような従来技術が抱える課題を解決し上記知見に基づいてなされたもので、本発明の目的は、プラグのグランド電極がいずれの位置に配設されても、そのプラグの挿入を確実に検出できるジャックを提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、プラグ挿入を検出するスイッチ機構をジャックハウジング内で任意の位置に設けることができると共に、所定の位置にこのスイッチ機構を設けることによってプラグ挿入時のノイズの低減ができるジャックを提供することにある。
【0014】
本発明のまた他の目的は、プラグ電極の位置が変更されても、この変更に伴うプラグ電極に対応できるジャック内の信号コンタクトをジャックハウジング内に配設できるジャックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的は、以下の手段によって達成できる。本願発明の第1の態様のジャックによれば、プラグ挿入孔を有する電気絶縁性のジャックハウジング内に、少なくとも1本の信号コンタクトと、第1の接点部を設けた第1のスイッチコンタクトおよび前記第1の接点部に接触する第2の接点部を設けた第2のスイッチコンタクトとからなるスイッチ機構を組込んだジャックにおいて、前記第1、第2のスイッチコンタクトは、少なくともいずれか一方のスイッチコンタクトを電気導電性の弾性変形可能なアーム片で形成して、該アーム片からなるスイッチコンタクトに、前記プラグ挿入孔へのプラグの挿入により該プラグが摺動接触し変位させて該スイッチコンタクトの接点部を作動させる電気絶縁性のプッシャーが装着されていることを特徴とする。
【0016】
また、第2の態様のジャックは、前記第1の態様のジャックにおいて、前記プッシャーは、前記スイッチコンタクトの長手方向の略中間部に装着されていることを特徴とする。
【0017】
また、第3の態様のジャックは、前記第1又は2の態様のジャックにおいて、前記プッシャーは、前記プラグが摺動接触する摺動面を有する電気絶縁性の合成樹脂成型体からなり、前記合成樹脂成型体が前記スイッチコンタクトにモールド成型により固定されていることを特徴とする。
【0018】
また、第4の態様のジャックは、前記第1又は2の態様のジャックにおいて、前記プッシャーは、前記スイッチコンタクトに電気絶縁性樹脂を塗布することにより形成さていることを特徴とする。
【0019】
また、第5の態様のジャックは、前記第1の態様のジャックにおいて、前記スイッチ機構は、前記第1、第2のスイッチコンタクトの前記第1、第2の接点部が常閉接点又は常開接点からなり、前記プラグ挿入孔へのプラグの挿入により、開成又は閉成されることを特徴とする。
【0020】
また、第6の態様のジャックは、前記第1の態様のジャックにおいて、前記信号コンタクトおよび前記第1、第2のスイッチコンタクトは、いずれも前記ジャックハウジングへ固定するハウジング固定部、プリント配線基板に接触接続される基板接触部を設けた基板接触脚部とを設けて、前記ジャックハウジングは、その内部に前記プラグ挿入孔に連通し、プリント配線基板に載置する面を開口させた所定大きさの空間を設けて、前記ジャックハウジングは、前記信号コンタクトおよび前記第1、第2のスイッチコンタクトを収容して、前記開口側へ前記基板接触脚部が位置し前記基板接触部が開口から外方へ突出していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
第1の態様のジャックによれば、プラグ挿入孔への挿入時に、プラグ電極とスイッチ機構とが電気的に接続されないので、プラグのグランド電極がいずれの位置に配設されても、プラグの挿入を確実に検出できる。また、スイッチ機構をジャックハウジング内で任意の位置に設けることができると共に、所定の位置にこのスイッチ機構を設けることによってプラグ挿入時のノイズの低減ができる。さらに、プラグ電極の位置が変更されても、この変更に伴うプラグ電極に対応できるジャック内の信号コンタクトをジャックハウジング内に配設できる。
【0022】
第2の態様のジャックによれば、プラグ挿入時に、スイッチ機構の作動がスムーズになる。
【0023】
第3の態様のジャックによれば、スイッチコンタクトへのプッシャーの固定が堅固になる。
【0024】
第4の態様のジャックによれば、プッシャーをスイッチコンタクトへ簡単に設けることができる。
【0025】
第5の態様のジャックによれば、特に、スイッチ機構を常閉接点にすることにより、水が浸入したとしてもスイッチ機構を作動させてプラグの挿入を確実に検出することができる。
【0026】
第6の態様のジャックによれば、信号コンタクトおよび第1、第2のスイッチコンタクトは、それぞれの基板接触脚部がジャックハウジングの開口側に配設されるので、ジャックを背低化および小型化できる。また、これらのコンタクトは、基板接触部が開口から外方へ突出するので、各コンタクトの基板接触脚部の弾性を利用して基板接触部をプリント配線基板の配線パターン上をスライド移動させて確実に電気接続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は本発明の実施形態に係るジャックを示し、図1Aはプラグ未挿入状態の斜視図、図1Bはジャックハウジング内の複数コンタクトの配置概略図である。
【図2】図2は図1のジャックを所定の各方向からみたもので、図2Aは底面図、図2Bは前面図、図2Cは背面図、図2Dは一側面図、図2Eは他の側面図である。
【図3】図3は図2のジャックを示し、図3Aは特に上方及びその周辺が見えるように図示した斜視図、図3Bは特に底面がよく見えるように図示した斜視図である。
【図4】図4は図3Aを分解したもので、図4Aはジャックハウジングの斜視図、図4Bはコンタクトの斜視図である。
【図5】図5は図3Bを分解したもので、図5Aはジャックハウジングの斜視図、図5Bはコンタクトの斜視図である。
【図6】図6AはGNDコンタクトの斜視図、図6BはRコンタクトの斜視図である。
【図7】図7AはMICコンタクトの斜視図、図7BはSW1コンタクトの斜視図である。
【図8】図8はSW2コンタクトを示し、図8Aは一方からみた斜視図、図8Bは他方からみた斜視図である。
【図9】図9は図8のSW2コンタクトを示し、図9Aは図8のSW2コンタクトを別の角度からみた斜視図、図9Bはプッシャーを分離した状態の斜視図である。
【図10】図10AはLコンタクトの斜視図、図10Bはロックピンの斜視図である。
【図11】図11はプラグ挿入検出を説明するもので、図11Aはプラグ未挿入状態の断面図、図11Bはプラグ挿入状態の断面図である。
【図12】図12は図1Bと異なる複数コンタクトの配置概略図である。
【図13】図13は公知のプラグを示し、図13Aは一タイプのプラグ側面図、図13Bは他タイプの側面図である。
【図14】図1は一従来技術のプラグ挿入検知装置を備えたジャックを示し、図14Aはプラグ未挿入状態の模式図、図14Bは挿入状態の模式図である。
【図15】図15は他の従来技術のプラグ挿入検出機構を備えたジャックを示し、図15Aはジャック背面の断面図、図15Bはジャック平面の断面図、図15Cはジャック底面の断面図、図15Dおよび図15Eは側面で切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのジャックを例示するものであって、本発明をこれに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
【0029】
図1を参照して、本発明の実施形態に係るジャックの概要を説明する。なお、図1は本発明の実施形態に係るジャックを示し、図1Aはプラグ未挿入状態の斜視図、図1Bはジャックハウジング内の複数コンタクトの配置概略図である。本発明の実施形態に係るジャック1は、正面にプラグ13が差込み接続されるプラグ挿入孔3を設けたジャックハウジング2と、このジャックハウジング内に組込んでプラグ13のプラグ電極部14、すなわち第1〜第4の電極14a〜14dにそれぞれ電気的に接続される第1〜第4のコンタクト5〜7、11(図3、図4参照)と、第1、第2のスイッチコンタクト8、9(図3、図4参照)と、同様にこのジャックハウジング2に組み込んでプラグ13の抜け止めをするロックピン12(図4、図5参照)とで構成されている。このジャック1は、図示を省略したプリント配線基板に実装できる構造となっている。
【0030】
プラグ13は、図1に示すように、複数の電極14a〜14dを設けたプラグ電極部14と、この電極部を支持固定する電気絶縁性材料からなるプラグハウジング15と、このプラグハウジングの後方に固定して複数の電極14a〜14dに接続したリード線16とを有している。電極部14は、第1〜第4の電極14a〜14dからなり、プラグハウジング15から、先方へ向かって順にグランド接続用、イヤホン右側信号接続用、マイクロホン信号接続用、及びマイクロホン左側信号接続用の各電極となっている。これらの電極は、ジャック内のコンタクトGND、R、MIC及びLに接続される。なお、これらの電極は、この順序に限定されるものでなく、後述するが任意に変更できるものとなっている。これらの電極のうち、第1〜第3の電極14a〜14cは、所定の直径および長さ方向に所定の長さを有し内部に貫通孔を設けた筒状電極体からなり、これらの筒状電極体は良導電体の金属材料で形成されている。また、先端の第4の電極14dは、砲弾型の先端電極部と、この電極部から後方へ延びた細棒の棒状導体とを有し、良導電体の金属材料で形成されている。なお、このプラグの直径は、例えば3.5mm又は2.5mmとなっている。
【0031】
図2〜図5を参照して、図1のジャックの構成を詳述する。なお、図2は図1のジャックを所定の各方向からみたもので、図2Aは底面図、図2Bは前面図、図2Cは背面図、図2Dは一側面図、図2Eは他の側面図、図3は図2のジャックを示し、図3Aは特に上方及びその周辺が見えるように図示した斜視図、図3Bは特に底面がよく見えるように図示した斜視図、図4は図3Aを分解したもので、図4Aはジャックハウジングの斜視図、図4Bはコンタクトの斜視図、図5は図3Bを分解したもので、図5Aはジャックハウジングの斜視図、図5Bはコンタクトの斜視図である。
【0032】
ジャック1は、図2〜図5に示すように、正面にプラグ13が挿入されるプラグ挿入孔(以下、挿入孔という)3を設けたジャックハウジング(以下、ハウジングという)2と、このハウジングに装着される複数本、例えば6本のコンタクト5〜11およびロックピン12とで構成されている。複数本のコンタクトは、第1〜第4のコンタクト5〜7、11と、第1、第2のスイッチコンタクト8、9となっている。この実施形態では、第1〜第4のコンタクトのうち、第1のコンタクト5はグランド接続用(以下、GNDコンタクトという)、第2のコンタクト6はイヤホン右側信号接続用(以下、Rコンタクトという)、第3のコンタクト7はマイクロホン信号接続用(以下、MICコンタクトという)、及び第4のコンタクト11はイヤホン左側信号接続用(以下、Lコンタクトという)となっている。また、第1のスイッチコンタクト(以下、SW1コンタクトという)8及び第2のスイッチコンタクト(以下、SW2コンタクトという)9とで、プラグ13の挿入を検出するスイッチ機構を構成している。
【0033】
ハウジング2は、図2に示すように、所定の幅長および長さを有し長方形状の底壁面2aと、この底壁面の周囲から所定高さ立設した側壁面2b〜2eと、これらの側壁面の頂部を繋ぐ上壁面2fとを有する直方体形状のブロックからなり、電気絶縁性の合成樹脂成型体で形成されている。
【0034】
これらの側壁面2b〜2eのうち、側壁面2dは、ジャック1がポータブルオーディオプレーヤーなどの機器(以下、携帯機器ともいう)に取付けられるときに、この携帯機器の筐体の外壁面に設けた開口から露出する正面壁(前面壁)となっている。この側壁面、すなわち正面壁2dは、底壁面2aから上壁面2fに向かって所定角度、例えば80°前後の角度に傾斜した傾斜面で形成されている。この傾斜面の角度は、携帯機器の筐体形状に合わせて決められている。この正面壁2dには、プラグ13のプラグ電極部14が挿入される挿入孔3が形成されている。このハウジング2は、内部にこの挿入孔3に連通した所定大きさの空間部4が形成されている。この空間部4は、底壁面2aから上壁面2fへ向かって所定深さ窪ませた凹み穴で形成されている。なお、挿入孔3は、直径3.5mm又は2.5mmのプラグを差込むことができる大きさになっている。
【0035】
ハウジング2の空間部4、すなわち凹み穴の内壁面には、図5Aに示すように、正面壁2d側から背面壁2e側に向かって順に、GNDコンタクト5が装着される装着溝4、Rコンタクト6が装着される装着溝4、MICコンタクト7が装着される装着溝4、Lコンタクト11が装着される装着溝4、SW1コンタクト8が装着される装着溝4及びSW2コンタクト9が装着される装着溝4がそれぞれ形成されている。これらの装着溝4〜4のうち、幾つかの装着溝4〜4は側壁2c側に、他の装着溝4、4は他の側壁2b側に分けて形成されている。各装着溝を両側壁側に分けることによって、複数本のコンタクトを分けてハウジング内にコンパクトに効率よく配設できる。また、上壁面2fには、ロックピン12が装着される装着溝4(図4参照)が形成されている。それぞれの装着溝4〜4は、後述するコンタクトのハウジング固定部が圧入される大きさの嵌入溝となっている。
【0036】
図6〜図10を参照して、これらのコンタクトを説明する。なお、図6AはGNDコンタクトの斜視図、図6BはRコンタクトの斜視図、図7AはMICコンタクトの斜視図、図7BはSW1コンタクトの斜視図、図8はSW2コンタクトを示し、図8Aは一方からみた斜視図、図8Bは他方からみた斜視図、図9は図8のSW2コンタクトを示し、図9Aは図8のSW2コンタクトを別の角度からみた斜視図、図9Bはプッシャーを分離した状態の斜視図、図10AはLコンタクトの斜視図、図10Bはロックピンの斜視図である。
【0037】
複数本(6本)のコンタクト5〜7、11、すなわちGNDコンタクト5、Rコンタクト6、MICコンタクト7およびLコンタクト11は、プラグ13の第1〜第4の電極14a〜14dと接続されるプラグ接触部を有するプラグ接続腕部およびプリント配線基板上の配線と接続される基板接触部を有する基板接続脚部と、ハウジング2へ固定されるハウジング固定部とをそれぞれ有し、各コンタクトの基板接続部はハウジング2の底壁面2a側に、また、プラグ接触部はハウジング2の空間部4内の内壁面側に整列させて配置されるようにしてハウジング2内に装着・固定される構成となっている。また、SW1コンタクト8及びSW2コンタクト9も基板接触部およびハウジング固定部を有しており、その基板接触部がハウジング2の底壁面2a側に配設されるようにして、ハウジング2内に装着・固定される構成となっている。
【0038】
これら複数本のコンタクト5〜11は、ハウジング2に装着されると、各コンタクトの基板接続脚部が底壁面2a側に配設されるのでジャックの小型化、特に、低背および薄型化が可能になる。すなわち、基板接続脚部は、略同一面上に位置するので、ハウジングに組込んだときに、該ハウジングを小型化でき、結果としてジャックを背低化および薄型化できる。また、これらのコンタクトは、同一底面側からの差込み嵌入でできるので、ハウジング内への組込み固定が簡単になる。以下、これらのコンタクトの構成を詳述する。
【0039】
GNDコンタクト5は、図6Aに示すように、ハウジング2の装着溝4に嵌入固定するハウジング固定部5aと、このハウジング固定部の一辺から延設した弾性を有する基板接続脚部5bと、同じ辺から折曲して同じ方向へ延設した弾性を有するプラグ接続腕部5cとを有し、これらの基板接続脚部5bおよびプラグ接続腕部5cの各先端に基板接触部5bおよびプラグ接触部5cを設けて、良導電性の板状体の打ち抜き折曲加工により形成されている。すなわち、ハウジング固定部5aは、所定長さおよび幅長を有し所定面積の矩形状の板状片で形成されている。この板状片は、ハウジング2の装着溝4の形状に合わせたものとなっている。このハウジング固定部5aは、基板接続脚部5b、プラグ接続腕部5cより幅広に形成されている。この幅広によりハウジング2への固定が安定になる。基板接続脚部5bは、ハウジング固定部5aの一辺から一方向へ略鈍角に折曲し所定幅長で且つ直線状に比較的長く延設した弾性を有する板状片で形成されている。この板状片は、ハウジング固定部5aから先端部に向かって下方に緩やかに屈曲し、先端が上方へ跳ね上がった形状にして、端部に基板接触部5bが設けてある。この基板接続脚部5bは、コンタクト5を装着したジャック1がプリント配線基板に固定されると、基板接触部5bがプリント配線基板上の配線にスライド接触される。また、プラグ接続腕部5cは、ハウジング固定部5aの一辺から該ハウジング固定部に接近するように折曲させ、その先端にプラグ接触部5bが設けてある。
【0040】
Rコンタクト6は、図6Bに示すように、GNDコンタクト5と同様に、ハウジング2の装着溝4に嵌入固定するハウジング固定部6aと、このハウジング固定部の一辺から略鈍角に折曲して一方向へ所定幅長で且つ直線状に比較的長く延設した弾性を有する基板接続脚部6bと、他の対向する辺から略U字型に折曲させた弾性を有するU字型のプラグ接続腕部6cとを有し、基板接続脚部6bおよびプラグ接続腕部6cの各先端に基板接触部6bおよびプラグ接触部6cを設け、良導電性の板状体の打ち抜き折曲加工により形成されている。
【0041】
MICコンタクト7は、図7Aに示すように、GNDコンタクト5と同様に、ハウジング2の装着溝4に嵌入固定するハウジング固定部7aと、このハウジング固定部の一辺から略鈍角に折曲して一方向へ所定幅長で且つ直線状に比較的長く延設した弾性を有する基板接続脚部7bと、他の対向する辺から略U字型に折曲した弾性を有するU字型のプラグ接続腕部7cとを有し、基板接続脚部7bおよびプラグ接続腕部7cの各先端に基板接触部7bおよびプラグ接触部7cを設け、良導電性の板状体の打ち抜き折曲加工により形成されている。
【0042】
SW1コンタクト8は、図7Bに示すように、ハウジング2の装着溝4に固定する一対のハウジング固定部8aと、このハウジング固定部の一辺から略鈍角に所定長さ直線状に延設した弾性を有する基板接続脚部8bと、同じハウジング固定部の長手方向から所定長さ延設したスイッチ腕部8cとを有し、基板接続脚部8bの先端に基板接触部8b、スイッチ腕部8cの先端に接点部8cをそれぞれ設け、良導電性の板状体の打ち抜き折曲加工により形成されている。さらに詳述すると、一対のハウジング固定部8aは、所定の幅長および長さで比較的大面積の略矩形状の板状片からなり、ハウジング2の装着溝4に差込み固定する大きさになっている。この板状片は、面積を比較的大きくしてあるので、ハウジングの装着溝4への固定が安定になる。基板接続脚部8bは、ハウジング固定部8aの一辺から一方向へ略鈍角に折曲し所定幅長で且つ直線状に長く延設した弾性を有する板状片からなり、先端に基板接触部8bが設けてある。スイッチ腕部8cは、ハウジング固定部8aの一端(図の長手方向)から所定の幅長および長さで延設した腕片からなり、この腕片の先端に接点部8cが設けてある。
【0043】
SW2コンタクト9は、図8及び図9に示すように、SW1コンタクト8と同様に、ハウジング2の装着溝4に固定するハウジング固定部9aと、このハウジング固定部の一辺から鈍角に所定長さ直線状に延設した弾性を有する基板接続脚部9bと、同じハウジング固定部の他の辺から所定長さ延設した弾性を有するスイッチ腕片部9cとを有し、基板接続脚部9bの先端に基板接触部9b、スイッチ腕片部9cの先端に接点部9cをそれぞれ設け、良導電性の板状体の打ち抜き折曲加工により形成されている。スイッチ腕片部9cは、その途中に電気絶縁性のプッシャー10が装着されている。
【0044】
さらに詳述すると、ハウジング固定部9aは、所定の幅長および長さで比較的大面積の略矩形状の板状片からなり、ハウジング2の装着溝4に差込固定する大きさになっている。基板接続脚部9bは、ハウジング固定部9aの一辺から一方向へ略鈍角に折曲し所定幅長で且つ直線状に長く延設した弾性を有する板状片からなり、先端に基板接触部9bが設けてある。スイッチ腕片部9cは、ハウジング固定部9aの一端から所定幅長で且つ直線状に長く延設した弾性を有し長手方向の中間部がハウジング2内へ取付けたときにプラグ挿通路の方向へ膨らませた「略弓型」乃至「く字型」の板状片からなり、先端に接点部9cおよびその中間部に電気絶縁性のプッシャー10がそれぞれ設けられている。すなわち、スイッチ腕片部9cは、ハウジング固定部9aと接点部9cとを結ぶ線より離れる方向に膨らみ「略く字」状に折曲し長手方向の略中間部が山型突起9cとなっている(図9B参照)。そして、この山型突起部9cに、電気絶縁性のプッシャー10が装着されている。中間部にプッシャー10を設けることによって、プラグ挿入時にスイッチの作動がスムーズになる。
【0045】
プッシャー10は、図8、9に示すように、一面にプラグ13の電極部14に当接して、該電極部が摺動する摺動面10a及びその反対面に固定部10bを有する絶縁ブロックで形成されている。絶縁ブロックからなるプッシャー10は、スイッチ腕片部9cの山型突起部9cに樹脂モールド成型で一体固定或いは任意の固着手段を用いて固定されている。なお、プッシャー10は、樹脂絶縁ブロックに限定されるものでなく、絶縁性塗料を用い、この塗布によって形成してもよい。SW2コンタクト9は、接点部9cがSW1コンタクト8の接点部8cに常時接触する常閉接点となるようにハウジング2内に組込まれる。常閉接点にすることにより、ジャック内に水が入ったときに、常開接点にするよりも対応が良好になる。この常閉接点は、プラグの挿入により、プラグの電極部がプッシャー10に当接・押動されて開成される。
【0046】
Lコンタクト11は、図10Aに示すように、MICコンタクト7と同様に、ハウジング2の装着溝4に嵌入固定するハウジング固定部11aと、このハウジング固定部の一辺から略鈍角に折曲して一方向へ所定幅長で且つ直線状に比較的長く延設した弾性を有する基板接続脚部11bと、他の対向する辺から略U字型に折曲した弾性を有するU字型のプラグ接続腕部11cとを有し、基板接続脚部11bおよびプラグ接続腕部11cの各先端に基板接触部11bおよびプラグ接触部11cを設け、良導電性の板状体の打ち抜き折曲加工により形成されている。
【0047】
ロックピン12は、図10Aに示すように、対向する一対の弾性脚部12b、12cと、これらの弾性脚部を結合する連結部12aとを有する略U字状をなし、弾性を有する細棒状体で形成されている。
【0048】
これらのコンタクト5〜11をハウジング2に組込んでジャック1を組立てる。この
ジャック1の組立ては、まず、ハウジング2のそれぞれの装着溝4〜4へそれぞれのコンタクト5〜11を嵌入し固定する。また、ロックピン12は、ハウジング2の装着溝4に挿入固定して組立てを完了する。この組立てにより、それぞれのコンタクト5〜11は、それらの基板接続脚部5a〜11aがハウジング2の底壁面2a側に配設されると共に、各基板接続脚部5a〜11aの各基板接触部5a〜11aが底壁面2aから突出した状態になり、また、各コンタクト5〜11のそれぞれのプラグ接触部5c,6c,7c及び11cが同じ方向、すなわち側壁2c側へ整列した状態となる。さらに、SW1およびSW2コンタクト8、9は、第1、第2の接点部8c、9cが側壁2b側へ整列し接触した状態になる。ロックピン12は、このロックピンとLコンタクト11との間に所定の隙間ができ、この隙間でプラグ13の先端部が所定の力で挟持される。この組立てにより、ジャックは、各コンタクトの基板接続脚部が底壁面2a側に配設されるので小型化、特に、低背および薄型化が可能になる。すなわち、基板接続脚部は、略同一面上に位置するので、ハウジングに組込んだときに、該ハウジングを小型化でき、結果としてジャックを背低化および薄型化できる。また、これらのコンタクトは、同一底面側からの差込み嵌入でできるので、ハウジング内への組込み固定が簡単になる。
【0049】
この組立てたジャック1は、プリント配線基板(図示省略)に載置して、このジャック1を機器筐体でプリント配線基板に押し付けることにより固定される。プリント配線基板は、所定の大きさを有し、その表面に各コンタクト5〜11の各基板接触部5a〜11aに対応する箇所に配線パターンが形成されている。なお、機器筐体は、略箱型形状をなし、一側壁面にジャック1の正面壁2d部分が入り込む大きさのコ字型の開口が形成されている。したがって、機器筐体とプリント配線基板とは、間にジャック1を挟んだ状態で固定して、ジャックの実装が完了する。この実装により、基板接触部が配線パターン上をスライド移動し、プラグ13の電極と配線パターンとが確実に電気接続される。
【0050】
この組立てたジャック1の挿入孔3にプラグ13を差込むと、プラグの電極14a〜14dがハウジング2内の各コンタクト5〜11のそれぞれのプラグ接触部5a〜11aに接触する。同時に、プラグ13の電極部14はSW2コンタクト9のプッシャー10の固定部10bに当接・摺動して、プッシャー10の摺動面10aがこのSW2コンタクト9を変位させて、SW2コンタクト9の接点部9cをSW1コンタクト8の接点部8cから切離して、これまで接触・導通していた電気回路がOFFされる。すなわち、プラグ13の挿入前は、接点部9cと接点部8cとが図11Aに示すように接触しており、プラグ13が挿入されると、図11Bに示すように、接点部9cが接点部8cから切離されて電気回路がOFFされる。このOFFにより、プラグ挿入孔3にプラグ13が挿入されたことが検出される。
【0051】
このジャック1によれば、SW2コンタクト9がプラグ13の電極部14と電気的に接続されずにプラグ挿入検出ができる。その結果、プラグ13のグランド電極がいずれの位置に配設されても、プラグの挿入を確実に検出できる。また、プラグを挿入検出するスイッチ機構をハウジング2内で任意の位置に設けることができると共に、所定の位置、例えばプラグ挿入孔の近くに、このスイッチ機構を設けることによってプラグ挿入時のノイズの低減ができる。さらに、プラグ電極の位置が変更されても、スイッチ機構(コンタクト)と他のコンタクトとが分離されているので、この変更に伴うプラグ電極に対応できるジャック内の信号コンタクト5〜7、11をハウジング2内に配設できる。すなわち、図12に示すように、ハウジング2内において、スイッチコンタクトSW1、SW2の配設位置に関係なく、他のコンタクトGND、MIC、R、Lを変更できる。なお、この実施形態では、スッチ機構を常閉接点で構成したが、常開接点にしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 ジャック
2 ジャックハウジング
3 プラグ挿入孔
4 空間
〜4 装着溝
5 グランド接続用コンタクト
5a ハウジング固定部
5b 基板接続脚部
5b 基板接触部
5c プラグ接続腕部
5c プラグ接触部
6 イヤホン右側信号用コンタクト
6b 基板接続脚部
6b 基板接触部
6c プラグ接続腕部
6c プラグ接触部
6 マイクロホン信号接続用コンタクト
6b 基板接続脚部
6b 基板接触部
6c プラグ接続腕部
6c プラグ接触部
8 第1のスイッチコンタクト
8a ハウジング固定部
8b 基板接続脚部
8b 基板接触部
8c スイッチ腕部
8c 接点部
9 第2のスイッチコンタクト
9a ハウジング固定部
9b 基板接続脚部
9b 基板接触部
9c 接点部
10 プッシャー
10a 摺動面
11 イヤホン左側信号用コンタクト
12 ロックピン
11b 基板接続脚部
11b 基板接触部
11c プラグ接続腕部
11c プラグ接触部
13 プラグ
14 電極部
14a〜14d 電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグ挿入孔を有する電気絶縁性のジャックハウジング内に、少なくとも1本の信号コンタクトと、第1の接点部を設けた第1のスイッチコンタクトおよび前記第1の接点部に接触する第2の接点部を設けた第2のスイッチコンタクトとからなるスイッチ機構を組込んだジャックにおいて、
前記第1、第2のスイッチコンタクトは、少なくともいずれか一方のスイッチコンタクトを電気導電性の弾性変形可能なアーム片で形成して、該アーム片からなるスイッチコンタクトに、前記プラグ挿入孔へのプラグの挿入により該プラグが摺動接触し変位させて該スイッチコンタクトの接点部を作動させる電気絶縁性のプッシャーが装着されていることを特徴とするジャック。
【請求項2】
前記プッシャーは、前記スイッチコンタクトの長手方向の略中間部に装着されていることを特徴とする請求項1に記載のジャック。
【請求項3】
前記プッシャーは、前記プラグが摺動接触する摺動面を有する電気絶縁性の合成樹脂成型体からなり、前記合成樹脂成型体が前記スイッチコンタクトにモールド成型により固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のジャック。
【請求項4】
前記プッシャーは、前記スイッチコンタクトに電気絶縁性樹脂を塗布することにより形成さていることを特徴とする請求項1又は2に記載のジャック。
【請求項5】
前記スイッチ機構は、前記第1、第2のスイッチコンタクトの前記第1、第2の接点部が常閉接点又は常開接点からなり、前記プラグ挿入孔へのプラグの挿入により、開成又は閉成されることを特徴とする請求項1に記載のジャック。
【請求項6】
前記信号コンタクトおよび前記第1、第2のスイッチコンタクトは、いずれも前記ジャックハウジングへ固定するハウジング固定部、プリント配線基板に接触接続される基板接触部を設けた基板接触脚部とを設けて、前記ジャックハウジングは、その内部に前記プラグ挿入孔に連通し、プリント配線基板に載置する面を開口させた所定大きさの空間を設けて、前記ジャックハウジングは、前記信号コンタクトおよび前記第1、第2のスイッチコンタクトを収容して、前記開口側へ前記基板接触脚部が位置し前記基板接触部が開口から外方へ突出していることを特徴とする請求項1に記載されたジャック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−230877(P2012−230877A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100214(P2011−100214)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(390033318)日本圧着端子製造株式会社 (457)
【Fターム(参考)】