説明

ジャムセッションのシミュレーションを行い、ユーザにドラムの演奏方法を教える方法及び装置

【課題】ゲームセンターのようなコインによる操作環境での使用に適した対話型の電子ドラムシステム及び練習方法を提供する。
【解決手段】電子ドラムパッド21〜28、オーディオスピーカ61〜63、ビジュアルディスプレイ105、練習用ライト2lA〜28A、全体の制御システム85が組み合わされて、ユーザのためにライブドラムの興奮あるいは不活動の音楽ジャムセッションをシミュレーションする。楽器の習得と演奏は、直感的でエキサイティングな体験となり、我慢しなければならないうんざりするような骨の折れる勉強ではなくなる。プレーヤーたちは、ライブの賞賛に沸く聴衆の前でロックバンドで演奏する演奏体験のシミュレーションを経験することができる。この対話型の電子ドラムシステムによって、広く一般の人々にとってドラムとその体験に近づきやすくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、全く又はほとんど訓練を受けたことのない状態から広範囲にわたる音楽訓練を受けている人までの広範囲のユーザが、容易に楽しむことができるエキサイティングな対話型の視聴覚による音楽体験を提供する方法と装置に関する。特に、本発明は、対話型の電子ドラムと音楽の訓練方法に関するもので、これらは、家庭用ビデオゲームやゲームセンターのようなコインで操作する環境で、ユーザにライブジャムセッションの興奮をシミュレーションさせるのに好適である。
【0002】
本発明の背景
近年、楽器の習得と教授のために開発された広範囲の種々の補助装置が見受けられる。例えば、米国特許番号USP.4,919,030「比較された打楽器伝送信号によるテンポの正確さの視覚表示(Visual Indication of Temporal Accuracy of Compared Percussive Transmit Signals)」、USP.5,036,742「テンポモニタ装置及び関連方法(Tempo Monitoring device and Associated Method)」、USP.5,945,786「電子楽器の音階練習を制御するための方法及び装置(Method and Apparatus for Controlling Scale Practice of Electronic Musical Instrument)」、USP.5,214,231「演奏楽器を問わない音楽の電子的伴奏教授及び練習装置(Apparatus for Electronic Teaching Accompaniment and Practice of Music,Which is Independent of a Played Musical Instrument)」などを参照されたい。しかし、これらのまた同様のアプローチには様々な欠点がある。例えば、これらのアプローチは、経験を積んだ音楽家や音楽理論についてかなりの知識を持つ人々にしか利用できない。或いは、これらのアプローチは、その操作が直感的に容易に分かるものではなかったり、人を楽しませて、ユーザが熱心に学び続ける意欲を持つ助けになるような、やる気を起こさせる体験を与えるようなものではない場合がある。
【0003】
ここ数年、電子ドラムパッドが楽器店を通じて購入できるようになった。このようなドラムパッドの様々な態様については、多くの特許に記載がある。例えば、米国特許番号USP.4,781,097、USP.4,947,725、USP.4,932,303、USP.5,009,146、USP.5,177,313及びUSP.5,233,658を参照されたい。これらすべては、参考文献として完全な形で本明細書に組み入れられるものである。しかし、初めてのユーザはこれらの相対的に高価なパッドを購入しなければならず、ドラムパッドの演奏を楽しんだかどうか、何を必要とするか、自分の努力の最終的成果が何を生み出したかについては、後日に決めざるを得ない。これらのパッドの購入後、ユーザは、通常、パッドの演奏方法について何のガイダンスも無く放り出される。このように、未熟なユーザは、定型化された学習体系も、学習の継続を鼓舞するようなやる気にさせるフィードバックを受けることもなかった。更に、典型的な音楽教育での練習は、通常単調で繰り返しの多いものであるのも有名である。
【0004】
更に、様々なコイン操作式の視聴覚音楽装置が現在知られている。例えば、米国特許番号USP.3,990,710「コイン操作式録音装置(Coin-Operated Recording Machine)」、USP.4,695,903「オーディオビデオ娯楽モジュール(Audio Video Entertainment Module)」及びUSP.4,965,673「ビデオ録画ブース用装置(Apparatus for a Video recording Booth)」などを参照されたい。更に、オートレースや種々の戦争や戦闘ゲームのような広範囲の様々の種類のアクションとアドベンチャタイプのゲームセンター向けビデオゲームが知られており、これらのゲームでプレーヤーは装置や別のプレーヤーと戦う。しかし、これらのアプローチは、いずれも、人を鼓舞し積極的に音楽を学習する気持ちにさせるゲームやアドベンチャゲームのように、音楽的技能についての体験を提供するものではない。
普通のゲームセンター用ビデオゲームは非常に人気があるが、暴力的性質のものが多く、またボタン操作とジョイスティック運動の複雑な組み合わせを伴うため、初心者を怯ませることが多い。そのため、未熟な人たちや専門家にも同様にやる気を起こさせる体験を与え、多くの大人たちが受け入れることができないと思うようなありふれたケンカや殺し合いのゲームにとって替わることができる、エキサイティングな非暴力的ゲームに対する要望が存在する。
【0005】
発明の概要
本発明は、上に概説したような要望を扱うものであり、ユニークな特徴の組み合わせを提供して、それらの特徴を適切にパッケージして、ゲームセンターの舞台装置で適切に楽しむことができるようにする。家庭での使用も考えることができる。
【0006】
本発明の1つの実施例では、視聴覚による入力と接続したコイン操作式電子ドラムシステムが提供され、ユーザがドラムでのジャムやドラム演奏の学習を行うことと、ジャム体験を楽しむことの両方が支援される。ここでは、“ジャム”とは音楽の自由な演奏と定義することが適切であろう。すなわち、音楽を読むのではなく、音楽の進行につれて音楽が創造されていくような直感的で自然な演奏と反応である。例えば、ドラムプレーヤーは、適切なドラムビートを創り出してギターやキーボードのような伴奏楽器と調子を合わせることができる。
【0007】
本発明の1つの態様として、ユーザをガイドして所望の操作モードを選択させる対話型の一連のメニューが提供される。ドラムパッド上の又はドラムパッドと関連する一連の合図提示用LEDや他の指示光、或いはディスプレイ上のビデオ表示によって、ユーザはドラムパッドの正しいシーケンスと打撃をガイドされ、オーディオ装置やビデオ装置を制御する制御システムによって適切なフィードバックが与えられ、ユーザを鼓舞すると同時に体験を楽しいものにする。
【0008】
本発明の1つのモードで、ユーザは、コンパクトディスク(“CD”)プレーヤー(ジュークボックス方式のものであってもよい)、テーププレーヤー、ラジオなどのような音楽ソースを内蔵するシステムを用いて、自分の好きなタイプの音楽に合わせて演奏することを選ぶ。別の操作モードでは、ユーザは、難度の高いドラム進行に合わせて演奏しようと努力する。制御システムは、ユーザの演奏をモニタして採点し、ユーザを鼓舞するためのフィードバックを与える。本発明の他の特徴と利点とを更に以下に説明するが、これらの特徴と利点とは、以下の詳細な説明と添付図面を参照することによってすぐに明らかになるであろう。
【0009】
詳細な説明
図1は、本発明による視聴覚による対話型のドラムスタジオシステム100の全体図を示す。
【0010】
システム100は、好適には該システムの種々の構成要素を収納し、取り囲み、据え付けるキャビネット10を含むことが望ましい。キャビネット10は、好適には防音性及び不燃性の枠組みからなることが望ましく、この枠組みは、更に以下に説明するシステムの照明効果を強調するために塗装されていてもよい。システム100にはまたドラムセットレイアウト20が含まれるが、このレイアウトには好適には、バスドラムフットアクチベータやペダル29、ハイハット(HI-HAT)22の開閉を制御するためのフットペダルやアクチベータ30、及び“ワウワウ(wa-wa)”音などのような様々の追加音効果を加えるために含まれる追加のフットペダルやアクチベータ32、のみならず、スネア(SNARE)21用電子ドラムパッド、HI-HATシンバル22、クラッシュ(CRASH)シンバル23、ライド(RIDE)シンバル24、1から4のタム(TOM)25〜28が含まれることが望ましい。打撃の強さのみならずパッド打撃の発生を出力表示するために、圧電センサのようなセンサを採用した標準的電子ドラムパッドを利用することが現在望ましいが、もっと簡単で費用のかからない構成として、単にタッチ、打撃、あるいはユーザが起こしたイベントを引き起こす何らかのスイッチの閉鎖を感知するだけのユーザ入力用センサを採用してもよい。現在はドラムパッドに似た装置であるのが望ましいが、ギター、キーボードあるいは簡単なスイッチ構成に似た装置のような他の形状要素を用いてもよい。例えば、ジョイスティックや他のアクチベータ33及び1つのボタン又は複数のボタン34を用いて、別のユーザや年若い未熟なユーザが該システムを楽しめるようにすることもできる。例えば、ジョイスティック33の左右前後運動によって、別のユーザはHI-HAT、マラカス、タンバリンやその他の音のような別の音を作ることができる。単数のボタン又は複数のボタン34によって、別のユーザや初級のユーザがドラムリズムなどのシーケンスを活用することができる。
【0011】
ドラムパッドやペダルの各々は、好適には1つ以上の関連するLEDや他の表示装置21Aと21B、22A〜22C、23Aと23B、24Aと24B、25Aと25B、26Aと26B、27Aと27B、28Aと28B及び29Aをそれぞれ持ち、システムの利用方法を学習する際初心者ユーザに合図(cue)を提示して、ドラムセットレイアウトの適切なパッドやペダルを適切なタイミングで叩くことによって、初心者ユーザをガイドするようになっていることが望ましい。これについては以下にもっと詳細に説明する。
【0012】
システム100には、更に、ドラムセットレイアウト20の前にユーザが快適に座ることのできる調節可能なスツールや椅子40と、コイン両替機、紙幣確認器などのような貨幣確認装置50と、左右に取り付けた中音域用スピーカ61と62とサブウーファ(超低音域用スピーカ)63を適切に含む一連のオーディオスピーカ60とが含まれる。システムの音質を改善するために所望の追加のスピーカを加えてもよい。
【0013】
更に、図2に例示されているように、システム100には、また、中央演算処理装置すなわち制御システム70、カラーのステージライト81を含む適切な照明装置80、更に以下に説明するような制御システム70によって可変自在に制御できるオーバーヘッド白黒光照明装置82と83が、それぞれ含まれることが望ましい。キャビネット10の天井に取り付けるのが望ましいストロボ84を設けてもよい。
【0014】
ユーザは、選択ボタン86を備えた制御パネル85を用いてデータを入力し、演奏モードを選択することができる。マルチディスクCDプレーヤー90(ジュークボックス・タイプのものであることが望ましい)や他の音楽ソースを用いて、好適には、ユーザが伴奏を選択でき、選択した好きな音楽に合わせてユーザが演奏できるようにすることが望ましい。これについては以下にもっと詳細に説明する。
【0015】
更に、カメラ92とVCR94を設けてもよい。カメラ92は、スクリーン又はディスプレイ105上に表示されるユーザのセッションの一部又は複数部分を記録するために使用することができる。例えば、高得点を達成したユーザは、システム100が使用されていないとき、スクリーン105上に自分の演奏場面を流してもらうのを選ぶことが許される。もう1つの選択肢として、ユーザの演奏をカットして、ユーザと同じ音楽を演奏しているライブバンドのビデオ中に貼り付けることもできる。このように、多くのエキサイティングな可能性がある。
【0016】
ディスプレイスクリーン105はCRTディスプレイであるのが適切かもしれない。
また、このディスプレイを利用して、好適にはユーザに合図と指示情報を提供できることが望ましい。更に、以下に説明するように、スクリーン105を用いて、演奏されている音楽に積極的に反応しているロックコンサートの聴衆を映したビデオのような、ユーザ用ビデオ画像を見せることもできる。そのようなビデオを、制御システム70中のメモリの中から或いはVCR94の中のビデオテープの中から提供してもよい。そのようなビデオテープには、例えば、ユーザが選択できる様々のレッスンと共に該システムの演奏方法を示す教育ビデオやシステム100を利用するプロのドラマーのビデオが含まれてもよい。
【0017】
最終的に、制御システム70と、マルチディスクCDプレーヤー、VCRなどのような他の構成要素は、好適には図1に示すようなサテライト・キャビネット110に収納することが望ましい。このキャビネットは、オペレータか保守点検職員が鍵と錠を使って開けるができる。
【0018】
以上説明した構成要素は、図面で示され、本発明の現在の好ましい実施例の文脈で説明したが、同様のそして他の構成要素を追加して該システムを強化しても、あるいはこれらの構成要素を若干減らしてシステムのコストを低減してもよいことはご理解いただけよう。一例として、現在はコイン式ゲームセンターシステムを好ましい例として挙げているが、コインや紙幣確認装置あるいは特別なキャビネットのような貨幣確認装置を設けずに、本発明は、家庭用コンピュータやビデオゲームコントローラとテレビとを用いて電子ドラムパッドを適切にインターフェースするシステムとして、簡単に家庭環境に適合できることはご理解いただけよう。更に、そのような家庭用システムにおいて、CDやラジオを接続して演奏家による伴奏を提供してもよい。更に、現在好ましい例として電子ドラムパッドとペダルという組み合わせで本明細書の開示はなされているが、ボタンの押下とスイッチの閉止を用いてユーザが上演や演奏を行う他の形式に本発明を適合することもできることはご理解いただけよう。例えば、ユーザ入力装置としていくつかのボタンを備えたギター様装置を利用することもできよう。或いは、単純なキーパッドやキーボードを採用することもできよう。好適には、更に以下に説明する発明の構成の態様を用いて、引き続き未熟なユーザにも近づきやすくすることが望ましい。
【0019】
図2は、更に、図1のシステム100でモニタされ制御される種々の装置と接続されて使用される1つの適切な制御システム70の細部を例示する図である。規格品の組み合わせで簡単に実現できるので、現在は制御システム70が推奨されてはいるが、カスタム設計と異なる部品の使用によって、本発明の所望の機能が簡単に達成できることはご理解いただけよう。
【0020】
図2に示すように、制御システム70は、キャビネット72に中央演算処理装置71を持つ適切にプログラムされたPCコンピュータであってよい。キャビネット72には内蔵型CD-ROM駆動装置73を含むこともできるが、この駆動装置はプレーヤー90に加えて1つの選択肢として用いることができる。制御システム70にはまた、標準のあるいはカスタムのMIDI(楽器デジタルインターフェース;Musical Instrument Digital Interface)ドライバ74も含まれるが、このドライバは内部カードか外部構成要素であってもよい。ドライバ74は、システム70を容易にプログラムして、適切な音を提供するスピーカ61〜63のような音声スピーカを駆動することが可能にする。
【0021】
制御システム70は、通常ドラムセットレイアウト20のパッドとペダル、合図提示用LED21A〜29A、ジョイスティック34、1つあるいは複数の音ボタン35、ミキシングボード75、電力増幅器76、ドラムパッドコントローラ77、照明装置システム80、制御パネル85と制御ボタン86、マルチディスクCDプレーヤー90、カメラ92、VCR94、ディスプレイ105として適切に用いることができるCRTスクリーンを持つモニタ102、及びキーボード120のような、種々の追加の構成要素と接続される。
【0022】
モニタ102は、オーディオピックアップ用マイクロホン107とスピーカ111及び112とを含む統合化された装置の一部であってもよい。これらのスピーカは、前述のスピーカ61と62として、又は、スピーカ61〜63のオーディオ出力を補うスピーカとして、あるいは、ソフトウェア駆動による指示をユーザに与えるために利用してもよい。しかしながら、より上質の体験をユーザに提供するためには、より高い品質のマイクロホンやオーディオスピーカの方が望まれることはご理解いただけよう。このことは、特にゲームセンター環境であてはまる。例えば、カラオケ・モードを提供したり、ユーザの演奏に合わせたユーザの歌いぶりを録画するためには、より性能の良いマイクロホンの方が望まれる。
【0023】
キーボード120は、好適には標準的キーボードであることが望ましく、ユーザが選択でき、あるいは好適には保守点検担当者がシステム100の故障を診断しその定期保守を行うことができるように採用することが望ましい。例えば、キャビネット10内の、スツール40に座っているユーザの手が楽に届く範囲内にキーボード120を取り付けてもよい。このキーボードには、以下に説明するようなプログラム選択を行うための限られた数のキーだけにユーザがアクセスできるようにするため、キーパッドの大部分をカバーする保護用カバーを設けてもよい。保守点検担当者にこのカバーを開けるキーを与えて、システム100の保守点検を行うためにキーボード120にアクセスできるようにしてもよい。
【0024】
例示し易いように、図2は標準的キャビネット72以外の保護ケーシングなしで示されているが、制御システム70は、好適には、通常のゲームセンターのようないくぶんぞんざいで乱雑な環境にある装置に対する損傷を防止するために、図1のサテライト・キャビネット110を保護用ケーシング内に収納することが望ましい。このケーシングによって、所有者又はオペレータと権限を与えられた保守点検担当者にシステムに対するアクセス権が限定される。
【0025】
同様に、ドラムスティック11と12は、好適には鋼製のより線ケーブルのような強くて軽い柔軟性のあるケーブル13と14によってキャビネット10と接続していることが望ましい。使用していないとき、ドラムスティック11と12は、好適には、ドラムスティック11と12が簡単にユーザの目にとまり手を伸ばせるように取り付けたホールダ15と16に配置することが望ましい。家庭環境では、このような保護用ケーシングとドラムスティックケーブルの取り付けは不要である。
【0026】
システム100の動作に目を向けると、演奏するのにどのドラムパッドやペダルにするか、演奏するのにどの手と足にするか、そしていつ演奏するかについての視覚的ガイダンスを提供するために、システムはドラムパッドとペダルとに関連して合図提示用LEDや他の表示装置21A〜29Aを利用する。演奏を訂正するための音による合図を提供するためにスピーカ60を駆動してもよい。更に、以下に説明するように、この合図すなわち指示は、合図提示用LEDとスピーカの双方を駆動する制御システム70による適切なプログラム制御を受ける。制御システム70によって収集されるユーザの演奏に関するデータは、ユーザに対してフィードバックされスクリーン105上に表示することができる。同様に、ドラムを叩く正しい順序やリズムとリズミカルなシーケンスの段階的ステップもスクリーン105上に表示される。
【0027】
このようにして、ユーザは、システム70のCPUによって作成される一定の繰り返しのドラムシーケンスに対する視聴覚的刺激によってガイドされながら、自分の両手両足を使うようになる。好適には、光21A(左)と光21B(右)のようなSNARE21を表す左右の光によって、左右の手がいつ演奏すべきが示されることが望ましい。同様に、光22Cによって、ユーザの足がHI-HAT22を上げるためにフットペダル30をいつ起動するかが示される。更に以下に述べるように、コンピュータのメニュー選択を介してユーザは様々なシーケンスを選択することができる。したがって、更に以下に説明するように、本発明のシステムによって電子ドラムセットの演奏方法を学習する楽しいチャンスが与えられる。
【0028】
演奏の第1レベルは一定の基本的技能を習得することであり、次いでユーザはいくつかのより高度な演奏シナリオへ進むことができる。例えば、本発明の1のレベルすなわち演奏モードは、ユーザをガイドするために与えられるリズムシーケンスの視覚的指示で電子ドラムを演奏することである。このオプションでは、目に見えるLEDすなわち表示装置が光り、適切なリズムの合図が与えられて種々のパッドの所望のオーディオ音が教えられる。
【0029】
演奏の第2レベルは、ユーザの好きなタイプの音楽で前もって書かれた歌のような音楽の実際のシーケンスとともに、視覚的表示器を用いて電子ドラムパッドを演奏することである。更なる演奏レベルは、演奏のテンポをとることのできる視覚的表示器に合わせて演奏することである。例えば、ユーザの演奏リズムの正確さを測定し、得点や他の同様の形でフィードバックを与えることもできる。
【0030】
もう1つの演奏レベルはコンパクトディスクなどから生成される音楽と一緒に演奏することであり、ユーザは自分の好みの音楽に合わせて演奏する試みができる。もう1つのオプションとして自由演奏があり、システムの音と感触に慣れるために電子ドラムパッド20を自由に叩くチャンスがユーザに与えられる。このモードによって、光るディスプレイを介したガイダンスなしで演奏者が学習した能力をテストするチャンスが可能となる。フィードバックなしの自由演奏は、標準的アコースティックドラムを備えた通常の唯一の演奏モードである。以下に一層詳しく説明するように、学習やゲーム体験を強化し、この体験を本当に楽しいものにする様々のフィードバックが可能である。
【0031】
図3は、本発明による1つの方法あるいはプロセス300の全体のフローチャートを図示する。図4は、さらに詳しく種々の現在の好ましい演奏モードを例示する。
【0032】
図3のステップ301で、ユーザは、図1のディスプレイ105のようなゲームの能力を表示するディスプレイを見て、そのゲームが、ゲームセンターの多くのゲームの中から自分が選んでプレイするゲームであるかどうかを決定することができる。この目的のために、制御システム70のような制御システムは、ディスプレイ105にシステムの能力を魅力的に表示させるようにプログラムされていることが望ましい。更に、制御システム70はスピーカ60を駆動して、システムの能力、演奏音楽、ドラムジャムを耳に聞こえる形で説明したり、他の方法で潜在的ユーザの注意を引くこともできる。
【0033】
ステップ302で、潜在的ユーザはゲームをするかどうかを決定する。ステップ303で、ユーザはゲームにトライすべくシステムの起動を決める。例えばユーザは必要な金額を挿入する。この目的のために、ユーザは1ドルコインか1ドル紙幣を図1に示すようなコイン装置識別装置や紙幣確認装置50の中に挿入する。
【0034】
次に、ステップ304で、ディスプレイ105は演奏モードオプションのリストすなわちメニューを表示し、同時に音声によるインストラクションがスピーカ60によって与えられる。ステップ305でユーザは演奏モードを選択する。ユーザは、好適にはディスプレイ105に表示されたオプションメニューの中から選択することが望ましい。更に以下に扱われているように、広範囲の種々の他の演奏タイプを選択することもできる。例えば、ユーザは技能レベルを入力し、光とシーケンス音楽の選択肢、難易度レベル、テンポなどを選択することができる。
【0035】
ステップ306で演奏が始まり例えば3分間のような所定の時間続く。或いは、演奏時間を変更することもできる。例えば、ユーザが好きな歌に合わせた演奏を選んだ場合、その演奏時間は選択された歌の演奏時間に合わせることができる。
【0036】
この時間中、ユーザは、一層詳しく以下に説明するような選択モードに合わせてドラムを演奏する。ドラムセッションが終わると、ステップ307でフィードバックがユーザに対して与えられる。例えば、群集の喝采が聞こえたり、得点表示などが現れる。
【0037】
図4〜4Cは、本発明によるオペレーションの現在の好ましいモードの更なる細部を例示するフローチャートである。
【0038】
図4のステップ401では、システム100のようなシステムが、ユーザがこのシステムを選ぶのを待機している休止あるいはデモンストレーションモードにある。
【0039】
1つの現在の好ましい休止モードでは、デモンストレーション・ソングが演奏される。このデモンストレーション・ソングの中でドラムが演奏される。ドラムの演奏につれて、ユーザの耳に聞こえるドラム音に対応するドラムパッド21〜29と関連するLED21A〜29Aのような学習用の合図光が演奏に合わせて点滅する。デモンストレーション・ソングは、ドラムベースのデモンストレーションから、キーボード音、オーケストラ音、又は種々の他の楽器などのような楽器ベースのデモ演奏へテーマ曲を切り替えることができる。すなわち、デモンストレーション・モードでは、この装置の演奏モードの柔軟性を例示する。
【0040】
また、このデモンストレーション・モードは、パッドでの楽器の演奏方法を示すことができ、システム100で演奏したくなるように人々の興味を引き付けることを意図している。システム100を演奏したり、このシステムの使用方法について速成レッスンをしているプロのドラマーのビデオテープをかけてもよい。この目的のために、VCR94で適切なビデオテープをかけてディスプレイスクリーン105に表示してもよい。
【0041】
ステップ402では、ユーザは演奏の意思を決定をしている。その結果、ユーザは座ってドラムスティックを取り上げ、図1のコインや紙幣確認装置50のような貨幣確認装置の中に金を挿入する。クレジットカード、デビットカード、スマートカード、又はトークンリーダーを用いて、必要な支払いをする際のユーザに柔軟性が付加される。
【0042】
図4の実施例で、金を1回挿入する毎に、好適には音の種類、例えば、バスドラム音がするようになっていることが望ましい。二者択一的に又は追加的に、ディスプレイ105のようなビデオディスプレイ上に群集シーンを表示して、実際のコンサートの開始前に起こるような群集が拍手し喝采する音をスピーカ60のようなオーディオスピーカで発生させてもよい。この目的のために、ステップ403で、貨幣確認装置50がお金の各挿入を検出し、有効な金であることを示す認識を示す出力を生成する。ステップ404で、制御システム70が貨幣確認装置50からの出力を受信し、上に説明したようにディスプレイ105とスピーカ60を駆動する。
【0043】
ステップ405で、ディスプレイ105のようなディスプレイ上に様々の演奏モードを表示してもよい。例えば、ユーザ選択用として、以下の5つのモード:“CDに合わせたジャム”、“装置とのジャム”、“ジャム・ミュージック”、“ジャム・レッスン”、“ジャムのみ”を表示することができる。ユーザは、このモードを様々の方法で選択することができる。例えば、ディスプレイ105はタッチスクリーンであってもよく、ユーザはスクリーンの適切な部分に触れることによって選択を行う。
【0044】
或いは、図5に示すように、ディスプレイ105は、適切なパッドを叩く選択指示のみならずドラムパッド20の中の5つを表示することができる。パッドが叩かれた瞬間、制御システム70はスピーカを駆動して、耳に聞こえる形で同じ指示を出す。図5に示すように、パッド21、22、23、25、26が実線で示され、パッド24、27、28とフットペダル29と30が点線で示されているが、これは5つのメニュー項目の中から選択すべきものとして5つのパッドしか必要ではないからである。
【0045】
同様のアプローチを用いて“はい”又は“いいえ”で答えるか他のデータを入力してもよい。ユーザは適切なパッドを叩くことによって選択を行う。このアプローチには、パッド名、パッドの機能、及びそのタッチの学習プロセスを即座に開始するという利点がある。或いは、制御パネル85に設けた一連の選択ボタン86を用いてこの選択を行うこともできる。
【0046】
ステップ406でユーザがCDモードに合わせたジャムを選択した場合、システム70はステップ407でそのモードを入力する。ディスプレイとスピーカとの双方を利用して、更にステップ408でユーザ入力を要求してもよい。例えば、スピーカ61〜63を用いて、“CDの選択を入力してください”とか“CDのジャム番号を入力してください”のように言ってもよい。これはユーザが一緒に合わせて演奏したいCDと音楽に対応する。例えば、CD選択情報を簡単な選択リストで示したり、ディスプレイ105上に表示してもよい。選択を行った後、ユーザは次に“速成レッスンをお望みですか?”と尋ねられ、ユーザは“はい”又は“いいえ”を選択するオプションを与えられる。好適には、同じ情報をディスプレイ105上に表示することが望ましい。
【0047】
次に、ユーザに、ステップ409でウォーミングアップを通して合図を与えることもできる。例えば、ユーザは“スティックはこのように持ちましょう”と言われ、ドラムスティックの持ち方を例示する画像が適切な方法でスクリーン105上に表示される。次に、装置は“サウンドチェックをしましょう”と言うこともある。この時点で、光21A〜29Aが点灯し、音声でスピーカ61〜63を通じて“SNARE、HI-HAT、HI-HATペダル、BASSペダル、TOM1、TOM2、TOM3、TOM4、RIDEシンバル、CRASHシンバルを叩きましょう”と告げられる。ディスプレイ上に、図5に示すように、パッド名又はペダル名と、ドラムパッド又はペダルの形と他のパッドと関連する位置との両方が、所望のウォームアップシーケンスを例示する正しいシーケンスで表示される。
【0048】
サウンドチェック409中にユーザがドラムをあまりに軽く叩いている場合には、ドラムパッドコントローラ77中の信号測定装置が出力信号を出し、次いでこの出力信号は入力としてシステム制御70へ出力され、このシステムによってスピーカが駆動されて“ドラムをもっと強く叩きましょう”と言う声が聞こえる。
【0049】
次に、システム100によって、光21A〜29Aが正しいシーケンスで点滅して、正しいタイミングと打撃を行う正しい手や足をユーザに例示する標準的4/4ビートを演奏することもできる。“大部分のビートは、SNARE、HI-HATとキックペダルを使って演奏します。基本的フィル(fill)を演奏します。フィル(fill)は通常TOMで演奏され、CRASHシンバルで終了します。リラックスして、音楽に耳を傾け、演奏をつづけ、あちこちをドンドン叩いて楽しみましょう。ミスすることはありません。もっとレッスンを受けたい場合には、メニューの次のジャムの中からジャムレッスンモードを選んでください。さあ開演時刻です。”という声が聞こえることもある。
【0050】
そのようなウォーミングアップには適度の時間がかかることもあるので、オペレータは速成レッスンの省略を選んでシステムの回転率を上げてもよい。特に潜在的ユーザがゲームをするために行列を作って待っていることが多い場合には、ウォーミングアップの省略がオペレータにアピールするかもしれない。
【0051】
この時点で、実際の演奏開始がステップ410で合図を与えられる。例えば、叫んだり、足を踏み鳴らしたり拍手したりしている群集の声をスピーカ61〜63で聞かせてもよい。通常の室内用白色光82を暗くすることもできる。カラーのステージライト81のスイッチを入れて適切なレベルに合わせ、シンコペーションを開始してライブコンサートの雰囲気のシミュレーションを行うことができる。また、黒色光83を点滅させることもできる。また、好適には、コントローラ70によって制御することが望ましい上記のすべての光と共に、ストロボ84の点滅を開始してもよい。ディスプレイ105に熱狂的な群集を示すこともできる。光61、 82、83、84を様々な方法で制御してもよいことはご理解いただけよう。1つの現在の好ましい制御オプションは、ユーザの動きに反応して光を制御することである。例えば、ユーザがより速く演奏した場合には、ストロボがより速く点滅するとよい。
【0052】
ステップ411で、制御システム70が、選択されたCDの歌に合図を与える。ステップ412で、ユーザは歌に合わせて演奏する。歌が演奏されるにつれて、ユーザは、CDをプログラムするとき予めプログラムされた歌の間で、いくつかの異なるパッド(PAD)音のいずれか1つを変更することができる。このモードのために、オペレータは、その音楽を、ロック01、ラップ02、ジャズ03などにコード化し、制御システム70は音楽スタイルにマッチするドラムセットを発生させる。
【0053】
ユーザは、好適には、ドラムや音楽の音量レベルを変更して音量を増減できることが望ましい。例えば、制御パネル85上の音量ノブを介して歌の音量を変えることもできる。或いは、装置100は、“もっと音量を上げて演奏したいですか?”とユーザに尋ねることができ、マイクロホン107によって検出される一定の閾値以上でユーザが叫ぶと、システム制御70によって音量が上げられる。或いは、オペレータが固定レベルに予めセットすることができたり、ユーザがセットアップメニューの一部としてレベルを選択することができる。
歌が終わると、制御システム70は、ステップ413で、CD装置90の出力から出るDC信号の欠落を感知することによって歌が終わったことを検出し、ゲームを停止する。ステップ414で、ユーザに対してやる気を起こさせるフィードバックが与えられる。例えば、長い群集の叫び声をトリガーすることができ、“ナイス・ジャム!”と大きな声でアナウンスを行うことができる。
【0054】
ユーザが、図4に示すステップ406で“装置とのジャム”モードを選択する場合には、図4Aで更に示されるようにそのモードはステップ407Aで入力される。
【0055】
第2のメニューが好適にはステップ408Aで表示され、ユーザは自分の技能レベル(例えば、初心者1、上級初心者2、中級者3、熟練者4)にマッチしたジャムレベルを選択できることが望ましい。
【0056】
次に、ステップ409Aでウォーミングアップの合図が与えられる。例えば、“ウォーミングアップをしましよう。ドラムロールをしてみてください、さあ、スピードを上げて”と音声で指示を出すこともできる。同時に、スクリーン105で、パッドを叩くユーザのスピード(例えば、所定の時間間隔(15秒など)当たり0〜100ビートのスピードレベル)で、ユーザにドラムロールのスピードを示す。次に、“いいぞ、いいぞ、その調子”という声が聞こえる。ユーザの熟達度の様々な程度と同じくらい様々なウォーミングアップ運動を利用できることはご理解いただけよう。例えば、正しいリズムやテンポに正しく従うユーザの熟達度を計測することができる。
【0057】
ステップ411Aで、ユーザは装置の後について演奏するように合図を出される。
例えば、装置は適切なテンポを示す一定のBASSドラムビートの演奏を開始する。
【0058】
次に、ユーザは“今度は私の演奏通りに演奏してみてください”と告げられる。
【0059】
例えば、両手でのドラムリフ(riff;反復楽節)やリズムなど。この文脈では、“リフ(反復楽節)”とはあるパターンの音符やリズムのセットとして定義することができる。
【0060】
ステップ412Aで、例えば“さあ、演奏開始です”というようなアナウンスで演奏が始まる。ステップ413Aで、シーケンスされたドラムトラックが始まり、合図光によって、音楽の演奏中、ユーザが演奏すべきものが示されてゆく。二者択一的にまたは追加的に、同様の内容の教育レッスンを示すビデオテープを表示してもよい。次いで、ユーザはビデオテープによるインストラクタの動作を始めることができる。図5の文脈で説明したようなディスプレイを使って、正しいパッドやペダルそしてストライキングを行う手や足をハイライトで示してもよい。
【0061】
時間が経つにつれて、ステップ414Aで難易度レベルが高くなる。低い難易度レベルでは、装置は採点時により多くの柔軟性を持つことが望ましい。本例では、ユーザの採点は、好適には繰り返し、正確さ、スピードに基づくことが望ましい。採点は各々の正しい打撃の値による得点システムと、それぞれの難易度の進歩に対する増加点とに基づいて行われる。ディスプレイ105は、ジャムが進行するにつれて絶えず更新されるジャムの得点を示してもよい。ステップ416Aでは、タイマによって3分間のような所定の時間の間の演奏の進行が可能になり、演奏の終わりに最終得点が出される。ステップ417Aでゲームの終了シーケンスが始まる。歌が終わる。ゲームが終了し、群集が歓呼し、装置が“グレートジャム”と告げる。
【0062】
図4Bに示されているように“ジャム・ミュージック”モードが選択された場合は、ドラムとソロ楽器用に作曲されたバックグラウンドミュージックの特別作曲トラックが、制御システム70に予めプログラムされている。ジャム・ミュージックモードの入力後、ステップ408Bで、音楽の所望スタイルの選択と、表示光、ディスプレイ又はビデオテープで合図が提示される演奏モードか自由演奏モードかの選択オプションが、ユーザに与えられる。ステップ409Bで、特別に作曲されたトラックが検索され開始される。
【0063】
合図光が選択されて起動されると、その光は、プレーヤーに対して、どのパッドを、何時、どのように演奏するかが示される。光に合わせてジャムを行う場合、合図光をより明瞭に見ることができるように、特別に作曲されたトラックを始める前に、ステージライト81をゆっくり進行させて、ほの暗くする。群集の歓呼が、また特別のジャム音楽トラックの開始と同時に起きる。拡張型ドラムセットが起動され、合図光と同期した基本的フィル(fill)の進行が開始される。本明細書で用いられる“拡張型ドラムセット”とは、未経験プレーヤーのサウンドの改善を目的とし、エコーやBASSドラム起動をシンバルの起動などと組み合わせることによるアクセンティングのような、特殊効果を出すために特別にプログラムされたドラムセットと定義することができよう。
【0064】
歌の第一部が終わり第二部が始まる。次にパッドが起動され音楽パッドになり、合図光が起動される。最後に、歌が終わり群集が歓呼する。
【0065】
ステップ408Bでビジュアル表示が選択されない場合には、ユーザは直感的に装置に合わせて演奏する。ステップ410Bでは、合図光が与えられないモードと合図光が与えられるモードの双方で、ドラムパッドとペダル20が歌が進行するにつれ異なる楽器に応じて変化する。最初に、制御システム70によって標準的拡張型ドラムセット20が起動される。歌のテーマが進行して変化するにつれて、楽器音が制御システム70によってパッドへ送られる。リフ(反復楽節)、進行、コード及び他の音が、特定のパッド上に内蔵されている(ステップ411B)。進行又は相互進行の様々なプログラム可能な変奏曲が用いられる。例えば、音楽キーの5つの音符のバス進行を、特定のパッドに割り当てることもできる。
【0066】
ある特定の速度でこの特定のパッドを演奏する(ステップ412B)ことによって、ステップ413Bで、作曲された順序で演奏が進行され、パッドとペダルのプレーヤーの打撃によってその出力すなわち結果が決定される。例えば、プレーヤーがシーケンス中に演奏を中止した場合には(ステップ412B’)、いつでも、ステップ413B'から再び進行を始めることができる。ステップ412B”で所定の時間特定のパッドが演奏される場合、音の進行によってステップ413B”で順序と長さを変更してもよい。他の方法を用いてパッド音をユーザにとって魅力的なものにしたり、予測できないものにしてもよい。この目的のために、制御システムを簡単に設定してパッドの設定を変更することもできる。
【0067】
図4Cのステップ407Cで示されているように“ジャムレッスン”モードが選択された場合は、ステップ408Cで、初心者1から熟練者4までの範囲の演奏レベルを入力するようにユーザに合図するメニューが表示される。次に、ユーザは、ステップ409Cで、1:ロック、2:ダンス/ラップ、3:カントリー、4:ヘビーメタル、5:ジャズなどの音楽のスタイルを入力する。次に、ステップ4l0Cで、音楽スタイルとその演奏方法の基礎について音声で短い説明が与えられる。ステップ411Cで、ユーザが1:ロックを選択した場合、ユーザは”簡単な例をやってみましょう。これが基本的ロックビートです。”という音声によって鼓舞される。それぞれHI-HAT22、SNARE21及びベースドラムを表す表示光22A〜22C、21Aと21B、及び29Aによって適切な起動合図が与えられる。次に、制御システム70は、HI-HATリズム24を、RIDEシンバルへ、次いでSNARE21へ切り替える。“ほらビートはライドシンバル24とスネアドラム21によっても演奏できます。ベースドラム29が後で加わりますが、さしあたり私たちがあなたのために演奏しています”。次いで、システム70がベースドラムリズムを起動する。
【0068】
次にシステム70は、“ビートが音楽とどう調子を合わせているか分かりますか”と言いながら、短いバックグラウンドのロックスタイル音楽が一曲起動される。ユーザは所定の時間練習する(ステップ413C)。“これらのビートを何度も練習してください。そうすれば無意識にできるようになりますよ”。レッスンが終わると、例えば音声で“いい演奏でしたね”というようなユーザにやる気を起こさせるフィードバックがステップ414Cで与えられる。後続レベルで、前回のレッスンの上に組み立てたもっと上級のレッスン計画を提供してもよい。以上の解説によって典型的レッスンを説明したが、多くの他のレッスンを簡単にプログラムすることができる。
【0069】
最後に、“ジャムのみ”のモードでは、ユーザは、指示や合図なしでドラム演奏ができる。このモードによって、ユーザは、前回のレッスンや自分のレッスンで学習した成果についての自分の演奏能力をテストすることができる。
【0070】
図6に目を向けると、特に通常のゲームセンターの厳しい空間条件で好適な、キャビネット10の組み立てとドラムパッド21〜28のコンパクトな据え付けについての現在の好ましい実施例が図示されている。
【0071】
キャビネット10の現在の好ましい深さは31インチ、好ましい幅は42インチそして好ましい高さは72インチである。図6に示すように、キャビネット10は、底部17、側壁18と19、最上部117と、左と右の正面側部パネル118と119を有する。ドラムパッド21〜28の現在の好ましい据え付けの様子をより良く例示できるように、図6では、正面側部パネル118と119は切り取られた状態で示されている。ライドパネル118と119との間のオープンスペースは、装置100が使用されているときは閉じられ、装置が使用されていないときには開かれるスライド式防音カーテンで満たすことができる。このカーテンは、簡単に手で開閉することができるものや、自動制御構成を利用して、ユーザが椅子40に座っているかどうかを感知したり、演奏の開始と終了を感知して、カーテンを自動的に開閉するものにもできる。
【0072】
キャビネット10には、またドラムパッド22〜28を取り付けるデスクすなわちワークトップ120が含まれる。現在の好ましい据え付け技術により、これらのパッド22〜28はそれぞれ長さを変更できる中空プラスチックパイプ122〜128の先端に取り付けられる。プラスチックパイプ122〜128の先端は、好適には、所望の演奏角度で対応するパッドを簡単に取り付けることができるように、勾配をつけることが望ましい。パイプ122〜128の向かい合う両端はワークトップ120のカットアウトの中を通って伸びて、ワークトップ120に固定されている。パッド21は、好適には、3つのピース121A〜C、2つの直線部121Aと121C、及びL字形継ぎ手121Bを用いて取り付けられることが望ましい。ピース121Aの一方の端部は、キャビネット10の側部19に固定されている。ピース121Cの一方の端部には、パッド21を適切に支持する角度で勾配がつけられている。
【0073】
以上、現在の好ましい構造、構成要素、動作モードなどの文脈で説明してきたが、請求の範囲による限定のみを受けるより大きいあるいはより小さい物理的実施例、より多いあるいはより少ない数の構成要素、異なる構成要素、及び異なるモードを含むように、本発明の開示を幅広く変更することもできることはご理解いただけよう。例を挙げて具体的なユーザレッスンと具体的なユーザへのフィードバックについて説明してきたが、本発明の開示はこれに矛盾しない形で幅広く変更してもよいものであり、そのようなレッスンとフィードバックは、非常にユーザフレンドリーなドラム・ジャムシステムという文脈で、そのような機能を提供するための刺激を与えるものであることはご理解いただけよう。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】コイン式ゲームセンターでの使用に適した、本発明によるドラム装置の一実施例を例示する図である。
【図2】図1の装置と接続して使用するのに適した制御と処理の回路構成の更なる細部をブロック図の形で例示する図である。
【図3】図1のドラム装置の操作を示す全体のフローチャートを例示する図である。
【図4】本発明による種々の可能な演奏モードの詳細を例示するより詳細なフローチャートである。
【図4A】本発明による種々の可能な演奏モードの詳細を例示するより詳細なフローチャートである。
【図4B】本発明による種々の可能な演奏モードの詳細を例示するより詳細なフローチャートである。
【図4C】本発明による種々の可能な演奏モードの詳細を例示するより詳細なフローチャートである。
【図5】種々のドラムパッドと、それらのパッドの叩き方とをユーザが学習する手助けとなる本発明によるメニュー選択方法を例示する図である。
【図6】図1のような、ゲームセンター環境での使用に適した狭いフットプリント(footprint)キャビネットでの、ドラム装置のドラムパッドの据え付けについての適切な据え付け構成の実施例を例示する図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのお金を受け入れ確認する貨幣確認装置と、複数の電子ドラムパッドと、照明システムと、オーディオスピーカシステムと、ビデオディスプレイシステムと、前記貨幣確認装置からの入力を受信し、前記電子ドラムパッドからの入力を受信し、前記照明システムとオーディオスピーカシステムとビデオディスプレイシステムとの駆動を制御する制御システムとを有することを特徴とする視聴覚による対話型のドラム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−25823(P2009−25823A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−193614(P2008−193614)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【分割の表示】特願2002−259059(P2002−259059)の分割
【原出願日】平成9年9月26日(1997.9.26)
【出願人】(503354985)アクティヴィジョン パブリッシング, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】