ジョブ処理装置、印刷処理装置
【課題】自装置を使用する目的以外で接近してきた人物は除外して、人の接近に反応して省電力モードを解除することのできるジョブ処理装置、印刷処理装置を提供する。
【解決手段】省電力モード中に人感センサが人物の接近を検知すると、その接近人物が所有するRFIDタグと通信してユーザIDを取得し、該接近人物が予め設定されている除外人物か否かを判定し、除外人物でない場合は省電力モードを解除して通常モードに切り替え、除外人物の場合は該人物の接近により省電力モードを解除せず、ユーザ操作や原稿セットを契機に省電力モードを解除する。たとえば、印刷依頼者などは印刷後、印刷物が排紙トレイにある間は除外人物に設定される。
【解決手段】省電力モード中に人感センサが人物の接近を検知すると、その接近人物が所有するRFIDタグと通信してユーザIDを取得し、該接近人物が予め設定されている除外人物か否かを判定し、除外人物でない場合は省電力モードを解除して通常モードに切り替え、除外人物の場合は該人物の接近により省電力モードを解除せず、ユーザ操作や原稿セットを契機に省電力モードを解除する。たとえば、印刷依頼者などは印刷後、印刷物が排紙トレイにある間は除外人物に設定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部から投入されたジョブを実行するジョブ処理装置および印刷処理装置に係り、特に、省電力機能を備えたジョブ処理装置、印刷処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複合機などの印刷処理装置では、省電力の観点から、待機状態が一定時間継続すると、電源状態を通常モードから省電力モードへ自動的に移行させる機能を備えたものが普及している。
【0003】
省電力モードから通常モードへの復帰条件は、通常、ユーザから特定の操作ボタンの操作を受けること、あるいは原稿読み取り装置に原稿がセットされることなど、となっている。
【0004】
このように、ユーザの特定操作や原稿セットなどを復帰条件とする場合、その復帰条件を知らないユーザは装置を通常モードに復帰させることができずに困ってしまう。また、省電力モードから通常モードへ復帰するまでには所定の時間を要するので、ユーザの特定操作や原稿セットを契機に復帰動作を開始すると、通常モードに復帰して装置が使用可能になるまでの装置の前でのユーザの待ち時間が長くなってしまう。
【0005】
そこで、印刷処理装置本体に人感センサを設置し、人物が印刷処理装置に近づいたことを感知したとき省電力モードから通常モードへ復帰させ、人物が印刷処理装置の前に到達したときには既に省電力モードが解除されて、通常の操作が出来るようにする技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−217303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年は、ネットワークで接続された端末装置から複合機などの印刷処理装置へ印刷ジョブを送信し、その印刷が完了した頃に印刷処理装置へ印刷物を取りに行く、といったワークケースが増えている。この場合、ユーザが印刷処理装置の前まで行く目的は印刷物の取得であって装置を使用する目的はない。
【0008】
しかしながら、単に人物の接近を検知しただけで省電力モードを解除する場合には、使用目的のないユーザが近づいて来た場合にも省電力モードが解除されてしまい、省エネ効果を低下させてしまう。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、自装置を使用する目的以外で接近してきた人物は除外して、人の接近に反応して省電力モードを解除することのできるジョブ処理装置および印刷処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0011】
[1]ジョブを実行するジョブ実行部と、
自装置の動作モードを、通常モードと、該通常モードより消費電力の少ない省電力モードに切り替える制御部と、
ユーザからジョブの設定に係る操作を受ける操作部と、
人物の接近を検知する検知部と、
接近してきた人物の特定を行う人物特定部と、
を有し、
前記制御部は、
省電力モード中に前記操作部がユーザから操作を受けた場合は、省電力モードを解除して通常モードに切り替え、
省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合は、該接近の検知された人物が所定の除外人物か否かを前記人物特定部による人物特定の結果に基づいて判定し、除外人物でないと判定したときは省電力モードを解除して通常モードに切り替え、除外人物の場合は該人物の接近により省電力モードを解除しない
ことを特徴とするジョブ処理装置。
【0012】
上記発明では、省電力モード中に人物の接近が検知された場合は、接近してきた人物の特定を行う人物特定部による人物特定の結果に基づいて、該接近人物が所定の除外人物か否かを判定し、除外人物でない場合は省電力モードを解除し、除外人物の場合は該人物の接近によっては省電力モードを解除しない。除外人物は、予め登録されているユーザ、あるいは登録されていないユーザとすることができる。たとえば、印刷の実行された印刷ジョブの依頼者などは、除外人物に一時的に登録される。
【0013】
[2]前記制御部は、省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合に、自装置が特定状態にないときは、省電力モードを解除して通常モードに切り替え、自装置が特定状態にあるときは前記判定を行って省電力モードを解除するか否かを制御する
ことを特徴とする[1]に記載のジョブ処理装置。
【0014】
上記発明では、自装置が特定状態にないときは、人物の接近によって直ちに省電力モードを解除し、特定状態にあるときは接近人物が除外人物か否かを判定し、除外人物の場合は省電力モードを解除せず、除外人物でない場合は省電力モードを解除する。特定状態は任意に設定すればよいが、たとえば、印刷物が排紙トレイに存在するとき、印刷終了から一定時間内などを特定状態とすることができる。
【0015】
[3]外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷を行う前記ジョブ実行部としての印刷部と、前記印刷部が印刷出力した印刷物が排紙部に存在するか否かを検出する印刷物検出部とを備え、
前記特定状態は、前記印刷物検出部が印刷物を検出している状態であり、
前記制御部は、前記受信部で受信して前記印刷部で印刷の実行された印刷ジョブを投入したユーザを前記除外人物に登録し、その後、このユーザが自装置に接近して離れたことが検出された場合に該ユーザの除外人物の登録を削除する
ことを特徴とする[2]に記載のジョブ処理装置。
【0016】
上記発明では、印刷の依頼者は、依頼した印刷の終了後の1回目の接近においては除外人物として扱われる。1回目の接近は、印刷物の取得目的と考えられることによる。印刷終了後のその人物の2回目の接近では、通常通り、省電力モードが解除される。
【0017】
[4]外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷を行う前記ジョブ実行部としての印刷部と、前記印刷部が印刷出力した印刷物が排紙部に存在するか否かを検出する印刷物検出部とを備え、
前記特定状態は、前記印刷物検出部が印刷物を検出している状態であり、
前記制御部は、前記受信部で受信して前記印刷部で印刷の実行された印刷ジョブを投入したユーザを前記除外人物に登録し、その後、前記排紙部から印刷物がなくなった場合に該ユーザの除外人物の登録を削除する
ことを特徴とする[2]に記載のジョブ処理装置。
【0018】
上記発明では、印刷の依頼者は、依頼した印刷の終了後、その印刷物が排紙部に存在する間は、除外人物として扱われる。印刷物が排紙部から取り去られた後の接近では、通常通り、省電力モードが解除される。
【0019】
[5]外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷を行う前記ジョブ実行部としての印刷部と、前記印刷部が印刷出力した印刷物が排紙部に存在するか否かを検出する印刷物検出部とを備え、
前記特定状態は、前記印刷物検出部が印刷物を検出している状態であり、
前記制御部は、前記受信部で受信して前記印刷部で印刷の実行された印刷ジョブを投入したユーザを前記除外人物に登録し、その後、このユーザが自装置に接近して離れたことが検出されかつこのとき前記排紙部から印刷物がなくなった場合に該ユーザの除外人物の登録を削除する
ことを特徴とする[2]に記載のジョブ処理装置。
【0020】
上記発明では、印刷の依頼者は、依頼した印刷の終了後は除外人物に登録され、その登録は、該依頼者が接近したときにその印刷物が排紙部から取り去られた場合に、つまり、印刷依頼者が当該装置に来て印刷物を取り去った場合に、削除される。
【0021】
[6]前記人物特定部は、接近してきた人物が保持する無線タグと通信して該無線タグに記憶されている識別情報に基づいて該人物を特定する
ことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか1項に記載のジョブ処理装置。
【0022】
上記発明では、たとえば、各ユーザが所持するIDカードに埋め込まれた無線タグと通信し、その無線タグに記憶されているユーザIDを取得することで、接近人物を特定する。
【0023】
[7]自装置の使用ユーザとして予め登録されていない人物は前記除外人物とする
ことを特徴とする[1]に記載のジョブ処理装置。
【0024】
上記発明では、使用を許可するユーザを予め登録しておき、登録ユーザ以外の人物を除外人物とする。すなわち、使用の許可されないユーザが接近しても省電力モードは解除されない。
【0025】
[8]電源がオフしている端末装置のユーザは前記除外人物とする
ことを特徴とする[1]に記載のジョブ処理装置。
【0026】
上記発明では、自分の端末装置の電源がオフしているユーザは、除外人物にされる。すなわち、接近人物の端末装置が電源オフしている場合は、この人物の今回の接近の目的は、帰宅前にジョブ処理装置の電源をオフすることにあると推定し、省電力モードの解除は行わない。
【0027】
[9]外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、
前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷を行う印刷部と、
自装置の動作モードを、通常モードと、該通常モードより消費電力の少ない省電力モードに切り替える制御部と、
ユーザからジョブの設定に係る操作を受ける操作部と、
人物の接近を検知する検知部と、
を有し、
前記制御部は、
省電力モード中に前記操作部がユーザから操作を受けた場合は、省電力モードを解除して通常モードに切り替え、
省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合は、前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷が終了してから所定時間が経過したか否かを判定し、経過後の場合は省電力モードを解除して通常モードに切り替え、経過前は該人物の接近により省電力モードを解除しない
ことを特徴とする印刷処理装置。
【0028】
上記発明では、印刷終了から所定時間内の人物の接近は、印刷物の取得を目的とする接近であると推定して、省電力モードを解除しない。
【0029】
[10]前記印刷部が印刷出力した印刷物が排紙部に存在するか否かを検出する印刷物検出部を備え、
前記制御部は、省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合に、前記印刷物検出部が印刷物を検出していないときは省電力モードを解除して通常モードに切り替え、前記印刷物検出部が印刷物を検出しているときは前記判定を行って省電力モードを解除するか否かを制御する
ことを特徴とする[9]に記載の印刷処理装置。
【0030】
上記発明では、印刷終了から所定時間内の人物の接近であっても、排紙部に印刷物が存在しない場合は省電力モードを解除し、排紙部に印刷物が存在する場合のみ、印刷物の取得を目的とする接近であると推定して、省電力モードを解除しない。
【0031】
[11]外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、
前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷を行う印刷部と、
自装置の動作モードを、通常モードと、該通常モードより消費電力の少ない省電力モードに切り替える制御部と、
ユーザからジョブの設定に係る操作を受ける操作部と、
人物の接近を検知する検知部と、
を有し、
前記制御部は、
省電力モード中に前記操作部がユーザから操作を受けた場合は、省電力モードを解除して通常モードに切り替え、
省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合は、接近状態の継続時間を計測し、該継続時間が所定時間を越えた場合は省電力モードを解除して通常モードに切り替え、前記継続時間が所定時間を越える前は該人物の接近により省電力モードを解除しない
ことを特徴とする印刷処理装置。
【0032】
上記発明では、接近してきた人物が短時間で立ち去った場合は、印刷物を取りに来た、あるいは、近くを通り過ぎたと推定し、省電力モードを解除しない。接近状態が所定時間以上継続した場合のみ、装置を使用する目的での接近と判断して省電力モードを解除する。
【0033】
[12]前記印刷部が印刷出力した印刷物が排紙部に存在するか否かを検出する印刷物検出部を備え、
前記制御部は、省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合に、前記印刷物検出部が印刷物を検出していないときは省電力モードを解除して通常モードに切り替え、前記印刷物検出部が印刷物を検出しているときは前記継続時間に基づいて省電力モードを解除するか否かを制御する
ことを特徴とする[11]に記載の印刷処理装置。
【0034】
上記発明では、接近の継続時間にかかわらず、排紙部に印刷物が存在しない場合は省電力モードを解除し、排紙部に印刷物が存在する場合は接近状態が所定時間以上継続したことを条件に省電力モードを解除する。
【0035】
[13]前記制御部は、省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合に、前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷が終了してから所定時間が経過したか否かを判定し、経過後の場合は省電力モードを解除して通常モードに切り替え、経過前の場合は前記継続時間に基づいて省電力モードを解除するか否かを制御する
ことを特徴とする[11]または[12]に記載の印刷処理装置。
【0036】
上記発明では、さらに、印刷終了から所定時間が経過後は、接近の継続時間にかかわらず、人物の接近により省電力モードを解除し、印刷終了から所定時間が経過する前は、接近状態が所定時間以上継続したことを条件に省電力モードを解除する。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係るジョブ処理装置および印刷処理装置によれば、自装置を使用する目的以外で接近してきた人物は除外して、人の接近に反応して省電力モードを解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態に係るジョブ処理装置(印刷処理装置)の概略構成を示すブロック図である。
【図2】人感センサの検知範囲を例示した説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るジョブ処理装置の省電力モードの解除に関する処理を示す流れ図である。
【図4】除外人物を判定する処理を示す流れ図である。
【図5】印刷依頼者を除外人物リストへ登録および削除する処理を示す流れ図である。
【図6】印刷依頼者を除外人物リストへ登録および削除する処理の他の例を示す流れ図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るジョブ処理装置の省電力モードの解除に関する処理の第1例を示す流れ図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るジョブ処理装置の省電力モードの解除に関する処理の第2例を示す流れ図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係るジョブ処理装置の省電力モードの解除に関する処理を示す流れ図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係るジョブ処理装置の省電力モードの解除に関する処理の第2例を示す流れ図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係るジョブ処理装置の省電力モードの解除に関する処理の第3例を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面に基づき本発明の各種の実施の形態を説明する。
【0040】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るジョブ処理装置(印刷処理装置)10の概略構成を示すブロック図である。ジョブ処理装置10は、当該ジョブ処理装置10の動作を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)11を有している。CPU11にはバスを通じてROM(Read Only Memory)12と、ワークメモリ(RAM(Random Access Memory))13と、ファイル制御部14と、不揮発メモリ15と、ハードディスク装置(HDD)16と、画像入力部17と、画像印刷部18と、画像メモリ19と、操作表示部21と、圧縮/復号部22と、ネットワーク制御部23と、汎用I/F24が接続されている。この汎用I/F24には、人感センサ25、RFID(Radio Frequency IDentification)通信部26、タイマー部27などが接続されている。さらに、ジョブ処理装置10は、当該ジョブ処理装置10の各部に電力を供給する電源部28を備えている。
【0041】
CPU11は、OS(Operating System)プログラムをベースとし、その上で、ミドルウェアやアプリケーションプログラムなどを実行する。
【0042】
ROM12には、各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPU11が各種処理を実行することでジョブ処理装置10の各機能が実現される。
【0043】
ワークメモリ13は、CPU11がプログラムに基づいて処理を実行する際に各種のデータを一時的に格納するランダムアクセスメモリである。ファイル制御部14は、所謂、ファイルシステムであり、画像データなどをファイル化して管理する。
【0044】
不揮発メモリ15は、電源をオフにしても記憶内容が破壊されないメモリ(フラッシュメモリ)であり、各種設定情報の保存などに使用される。ハードディスク装置16は、不揮発・大容量の記憶装置であり、各種のプログラムのほか、受信した印刷データや画像データの保存に使用される。さらに、後述する除外人物リスト30が記憶される。除外人物リスト30は不揮発メモリ15に記憶されてもよい。
【0045】
画像入力部17は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。画像入力部17は、例えば、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に順次移動させる移動ユニットと、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーなどからなる光学経路と、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する変換部などを備えて構成される。
【0046】
また、画像入力部17は自動原稿搬送部(ADF)を備えており、原稿台にセットされた原稿をその最上のものから1枚ずつ順に繰り出して搬送し、読取位置を通過させて所定の排紙位置へ排紙する機能を果たす。なお、画像入力部17は原稿がセットされたか否かを検出する図示省略の原稿センサが備えている。
【0047】
画像印刷部18は、画像データに応じた画像を記録紙上に画像形成して印刷出力する機能を果たす。ここでは、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有し、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂、レーザープリンタとして構成されている。画像形成は他の方式でもかまわない。
【0048】
画像印刷部18は、印刷の完了した記録紙が排出される排紙トレイを備えている。また、排紙トレイに印刷物が存在するか否かを検知する排紙部センサ29を備えている。
【0049】
画像メモリ19は、画像データを格納するためのメモリである。画像メモリ19上で、画像の拡大縮小、回転などの処理、画像の圧縮、復号などの処理が行われる。
【0050】
操作表示部21は、各種の操作画面、設定画面などを表示する液晶ディスプレイなどの表示部と、ユーザから各種の操作を受ける操作部とから構成される。操作部は表示部の画面上に設けられてタッチペンや指などで画面が押下された座標位置やフリック操作・ドラッグ操作などを検出するタッチパネルのほかスタートボタンなどの各種スイッチ類を備えて構成される。
【0051】
圧縮/復号部22は、画像データの圧縮、復号(伸張)を行う。画像データは圧縮されてハードディスク装置16に保存され、読み出し後に復号(伸張)される。
【0052】
ネットワーク制御部23は、LAN(Local Area Network)などのネットワークを通じて端末装置やその他の外部装置との間でデータを通信する機能を果たす。ネットワーク制御部23を通じて外部の端末装置から印刷ジョブが受信される。
【0053】
汎用I/F24に接続された人感センサ25は、当該ジョブ処理装置10から所定距離の範囲(たとえば3mから5m)内の人物を検出する。人感センサ25には、たとえば、赤外線センサが使用されるが、これに限定されるものではない。
【0054】
RFID通信部26は、RFIDタグ(無線タグ)と通信するためのアンテナと無線制御部とからなり、RFIDタグとデータを送受信したりRFIDタグに無線にて電力を供給したりする機能を果たす。RFIDタグは、無線通信機能を備え、外部から電磁的に電力の供給を受けて動作するICチップとアンテナとを内蔵している。ここでは、各ユーザはRFIDタグの埋め込まれた社員証などのIDカードを所持しており、該IDカード内のICチップには所有者のユーザIDやユーザ情報が予め記憶されている。
【0055】
タイマー部27は、時間の計測に利用される。
【0056】
電源部28は、商用電源を適宜のDC電圧等に変換してジョブ処理装置10の各部へ電力を供給する。また、CPU11からの指示に従って、電力を供給するか供給を停止するかを電力供給先別に制御する機能を備えている。ここでは、動作モードが通常モードの場合は全ての部分に電力供給し、通常モードよりも消費電力の少ない省電力モードでは、該省電力モードから通常モードで復帰するために必要な部分のみに通電し他の部分への電力供給は停止するようになっている。省電力モードでは、たとえば、定着器、操作表示部21の液晶ディスプレイなどは電源オフにする。またCPU11は動作周波数を下げて動作するなどにより省電力化される。
【0057】
ジョブ処理装置10は、ユーザからの操作を受けず、かつジョブを実行していない待機状態が一定時間以上継続すると、自動的に動作モードを省電力モードに移行させる機能を備えている。また、端末装置からのジョブ受信、操作表示部21に対するユーザの特定操作、画像入力部17の原稿台への原稿のセット、人感センサ25によって人物の接近が検知される、などの予め定めた復帰条件が成立したとき、省電力モードから通常モードへ復帰するようになっている。
【0058】
ただし、人感センサ25による人物の接近検知に基づく省電力モードの解除動作は、特定の条件下では作動しないように制御される。すなわち、ジョブ処理装置10を使う目的で接近してくる人物か否かを判定し、使用目的を持たない人物の接近では省電力モードを解除しないようになっている。
【0059】
図2は、人感センサ25の配置および人物の検知範囲の一例を示している。本例では、ジョブ処理装置10の前面上部中央に人感センサ25が設置されており、ジョブ処理装置10の前面手前側の所定範囲が検知範囲となっている。本例では、1つの人感センサ25を用いているが、人感センサを複数配設してもよい。複数の人感センサを使用すれば、人の接近の仕方(方向)などを判断することも可能になる。また、人の接近の仕方を高精度で検出できれば、その情報を学習機能と連動させて、さらに正確な人物の動きを検出して省電力モードの解除を制御することが可能になる。
【0060】
図3は、ジョブ処理装置10が行う省電力モードへの移行および解除に関する動作の流れを示している。CPU11は、省電力モードへの移行条件が成立するか否か(無操作かつジョブ実行なしの状態が一定時間以上継続したか否かなど)を監視し(ステップS101)、移行条件が成立したら(ステップS101;Y)、自装置の動作モードを省電力モードへ移行させる(ステップS102)。そして、省電力モード中は以下の動作を行う。
【0061】
CPU11は、原稿台への原稿セット状態を原稿センサから入力し(ステップS103)、原稿セットが検出された場合は(ステップS104;Y)、省電力モードを解除する(ステップS108)。原稿セットが検出されないときは(ステップS104;N)、CPU11は操作表示部21に対するユーザの操作状態を示す情報を操作表示部21から入力する(ステップS105)。CPU11は、操作表示部21がユーザから何らかの操作(もしくは特定の操作)を受けた場合は(ステップS106;Y)、省電力モードを解除する(ステップS108)。
【0062】
CPU11は、上記の操作をユーザから受けていない場合は(ステップS106;N)、人感センサ25の検出状態を入力する(ステップS107)。人感センサ25が人物を検知していない場合は(ステップS109;N)、ステップS103へ戻って、復帰の契機となる事象の発生を監視する。
【0063】
人感センサ25が人物を検知している場合は(ステップS109;Y)、ジョブ処理装置10が予め定めた特定状態にあるか否かを調べ、特定状態になければ(ステップS110;N)、省電力モードを解除する(ステップS108)。特定状態にあれば(ステップS110;Y)、ステップS111へ移行する。
【0064】
特定状態の内容はユーザや管理者が任意に設定することができる。たとえば、画像印刷部18の排紙トレイに印刷物が存在する状態を特定状態とする、あるいは、印刷完了から所定時間内を特定状態とする。特定状態はジョブ処理装置10を使用する目的でない人物が接近して来ることが予想される状態である。なお、図3の動作において、特定状態にあるか否かの判断(ステップS110)は割愛してもよく、人感センサ25が人物を検知している場合に(ステップS109;Y)、直ちに、ステップS111へ移行してもよい。
【0065】
ステップS111では、接近した人物が携帯しているIDカードのICチップとRFID通信部26によって通信して、ユーザIDを取得する。なお、接近した人物がIDカードを持っていない場合は、RFID通信部26による通信は失敗となり、ユーザIDを取得できない。
【0066】
ステップS111でのRFID通信部26による通信結果から、人感センサ25によって接近の検知された人物が除外人物か否かを判断する(ステップS112)。除外人物か否かの判断の詳細は後述する。
【0067】
除外人物でない場合は(ステップS112;N)、省電力モードを解除する(ステップS108)。
【0068】
除外人物あると判定できたときは(ステップS112;Y)、省電力モードを解除せず、省電力モードを維持したままステップS103へ戻る。なお、この人物が、その後、操作表示部21を操作するなどすれば、その時点で省電力モードは解除される。
【0069】
図4は、除外人物か否かの判定処理を示している。この処理は図3のステップS112に対応する。
【0070】
ジョブ処理装置10は、使用を許可するユーザ(登録ユーザ)を予め登録しており、登録ユーザ以外のユーザによる使用を禁止するようになっている。なお、登録ユーザのリストは、たとえば、不揮発メモリ15などに記憶される。
【0071】
登録ユーザ以外のユーザが接近人物である場合には、この人物によってジョブ処理装置10が使用されることはないので、ジョブ処理装置10は省電力モードを解除すべきでない。そこで、RFID通信部26による通信で得た接近人物のユーザIDが登録ユーザのリストに登録されているか否かを調べ(ステップS131)、登録されていない場合(RFID通信部26によりユーザIDを取得できなかった場合を含む)は(ステップS132;N)、今回の接近人物は除外人物であると判定する(ステップS133)。
【0072】
接近人物が登録ユーザの場合は(ステップS132;Y)、その接近人物が除外人物リストに登録されている人物か否かを調べる(ステップS134)。除外人物リストには、接近しても省電力モードを解除すべきでない人物が予め登録されている。除外人物リストには、たとえば、実行された印刷ジョブの依頼者であって未だ印刷物を取りに来ていないユーザなどが登録される。
【0073】
接近人物が除外人物リストに登録されているいずれかの人物と一致する場合は(ステップS135;Y)、今回の接近人物は除外人物であると判定する(ステップS133)。
【0074】
接近人物が除外人物リストに登録されていない場合は(ステップS135;N)、該接近人物の通常使用する端末装置の電源がオフしているか否かを調べる(ステップS136)。なお、ジョブ処理装置10は、各登録ユーザのユーザIDとそのユーザが通常使用する端末装置のID(IPアドレスなど)とを予め関連付けて記憶している。そして、該当の端末装置の電源オンオフ状態をネットワークを通じて確認するようになっている。
【0075】
たとえば、帰宅前のユーザがジョブ処理装置10に接近する目的は、ジョブ処理装置10の使用ではなく、ジョブ処理装置10の電源をオフする目的と想定される。そのため、帰宅前のユーザがジョブ処理装置10に接近してきた際に省電力モードを解除すると省電力効果を損ねてしまう。すなわち、電源オフが目的ならば、通常モードで復帰することは無駄であり、省電力モードから直接、電源オフへ移行することが好ましい。
【0076】
そこで、接近人物の端末装置の電源がオフしている場合は(ステップS137;Y)、該接近人物は帰宅前にジョブ処理装置10の電源をオフするために接近してきたユーザであると推定し、該人物を除外人物とする(ステップS133)。
【0077】
接近人物の端末装置の電源がオンしている場合は(ステップS137;N)、当該接近人物は除外人物でないと判定する(ステップS138)。なお、帰宅と判定する時刻(たとえば、17時)を予め登録しておき、現時点がその時刻より後であることを、帰宅時の接近と判断する加重要件としてもよい。
【0078】
図5は、印刷ジョブの依頼者を除外人物リストへ一時的に登録する処理の流れを示している。外部端末から受信した印刷ジョブに係る印刷が完了すると(ステップS151)、その印刷ジョブの依頼者(該ユーザのユーザID)を除外人物リストに登録する(ステップS152)。
【0079】
その後、該依頼者が当該ジョブ処理装置10に接近して離れ去ったことを確認したとき(ステップS153;Y)、この依頼者を除外人物リストから削除する(ステップS155)。
【0080】
該依頼者が当該ジョブ処理装置10に接近して離れ去ったことが確認される以前においては(ステップS153;N)、画像印刷部18の排紙トレイに印刷物が存在するか否かを排紙部センサ29の検知状態によって判断し(ステップS154)、排紙トレイに印刷物が存在すれば(ステップS154;Y)、ステップS153に戻って処理を継続する。一方、排紙トレイに印刷物が存在しない場合は(ステップS154;N)、印刷の依頼者が印刷物の取得目的で接近することはないと考えられるので、印刷の依頼者を除外人物リストから削除する(ステップS155)。たとえば、該依頼者の印刷物を他の人物が持ち去った場合などがこのケースになる。
【0081】
図5の処理を行うことで、印刷終了後の、その印刷の依頼者による1回目の接近では、該依頼者は除外人物として扱われて省電力モードは解除されない。印刷終了後の1回目の接近は印刷物を取りに来るための接近であると推定されることによる。また、1回目の接近が終了したら、この依頼者を除外人物リストから削除するので、該依頼者の2回目の接近では、人感センサ25の反応に基づいて省電力モードが解除される。
【0082】
図6は、印刷ジョブの依頼者を除外人物リストへ一時的に登録する他の処理の例を示している。図5では、印刷の依頼者が接近して離れた場合に該依頼者を除外人物リストから削除したが、図6の処理ではさらに、その接近時に排紙トレイから印刷物が取り去られたことを除外人物リストからの削除条件としている。
【0083】
詳細には、外部の端末装置から受信した印刷ジョブに係る印刷が完了すると(ステップS171)、その印刷ジョブの依頼者(該ユーザのユーザID)を除外人物リストに登録する(ステップS172)。その後、該依頼者が当該ジョブ処理装置10に接近して離れ去ったこと(1回目に限らず)を確認したとき(ステップS173;Y)、この依頼者の印刷物が排紙トレイに存在するか否かを排紙部センサ29の検知状態から調べる(ステップS175)。
【0084】
依頼者が接近してから離れ去ったときに排紙トレイから印刷物がなくなっていれば(ステップS175;N)、該依頼者を除外人物リストから削除する(ステップS176)。依頼者が接近してから離れ去ったときにまだ排紙トレイに印刷物があれば(ステップS175;Y)、ステップS173に戻る。
【0085】
該依頼者が当該ジョブ処理装置10に接近して離れ去った状態になったとき(1回目に限定されない)以外では(ステップS173;N)、画像印刷部18の排紙トレイに印刷物が存在するか否かを排紙部センサ29の検知状態によって判断し(ステップS174)、排紙トレイに印刷物が存在すれば(ステップS174;Y)、ステップS173に戻って処理を継続する。一方、排紙トレイに印刷物が存在しない場合は(ステップS174;N)、印刷の依頼者が印刷物の取得目的で接近することはないと考えられるので、印刷の依頼者を除外人物リストから削除する(ステップS176)。
【0086】
以上のように本発明の第1の実施の形態では、接近してきた人物をRFID通信によって特定し、その人物が除外人物であれば、省電力モードを解除しないようにしたので、ジョブ処理装置10を使用しない人物の接近によって省電力モードが解除されて省電力効果が損なわれることが防止される。
【0087】
また、除外人物でない場合は、人感センサ25がその人物の接近を検知したことによって省電力モードが解除されるので、該人物がジョブ処理装置10に到着する前に通常モードへの復帰動作が開始され、到着後の待ち時間を少なくすることができる。
【0088】
また、印刷ジョブを依頼したユーザがその印刷物を取りに来ると推定される期間だけそのユーザを除外人物に登録するので、印刷物取得のための接近によって省電力モードが解除されることが防止される。
【0089】
また、接近人物がジョブ処理装置10の使用を許可された登録ユーザでない場合は、そのユーザを除外人物と扱って省電力モードを解除しないので、ジョブ処理装置10の使用が許可されないユーザの接近によって無駄に省電力モードが解除されることが防止される。
【0090】
また、接近人物の端末装置が電源オフしている場合は、帰宅前にジョブ処理装置10の電源をオフする目的でジョブ処理装置10に接近してきたと推定してこの人物を除外人物と判断するので、ジョブ処理装置10の電源をオフする目的の接近によって無駄に省電力モードが解除されることが防止される。
【0091】
なお、除外人物とする基準は、例示したものに限定されず、任意でよい。たとえば、消耗品にICタグを付けておけば、人物が接近した際に消耗品のICタグが検出されれば、その人物は消耗品の交換目的で接近してきたと推定できる。そこで、人物接近時に消耗品のICタグが検出された場合は、該人物を除外人物として省電力モードを解除しないように制御することができる。
【0092】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0093】
第2の実施の形態ではRFIDは使用しない。第2の実施の形態では、人感センサ25が人物を検出した場合であっても、その検出時点が印刷終了から一定時間内の場合は省電力モードを解除しないように制御される。ジョブ処理装置10の構成は第1の実施の形態と同様である。ただし、RFID通信部26は無くてもよい。
【0094】
図7は、第2の実施の形態のジョブ処理装置10が行う、印刷終了後の省電力モードへの移行・解除に係る動作の第1例を示す流れ図である。印刷ジョブに係る印刷が終了すると(ステップS201)、省電力モードへの移行設定がオンになっているか否かを調べ、オフならば(ステップS202;N)、通常モードでの待機状態を継続する(ステップS203)。
【0095】
省電力モードへの移行設定がオンならば(ステップS202;Y)、省電力モードへの移行条件が成立したか否かを調べ(ステップS204)、成立しない場合は(ステップS204;N)、通常モードでの待機状態を継続する(ステップS203)。
【0096】
省電力モードへの移行条件が成立した場合は(ステップS204;Y)、自装置の動作モードを省電力モードへ移行させる(ステップS205)。そして、省電力モード中は以下の動作を行う。
【0097】
CPU11は、原稿台への原稿セット状態を原稿センサから入力し(ステップS206)、原稿セットが検出された場合は(ステップS207;Y)、省電力モードを解除する(ステップS210)。原稿セットが検出されないときは(ステップS207;N)、操作表示部21に対するユーザの操作状態を示す情報を操作表示部21から入力する(ステップS208)。操作表示部21がユーザから何らかの操作(もしくは特定の操作)を受けた場合は(ステップS209;Y)、省電力モードを解除する(ステップS210)。
【0098】
上記の操作をユーザから受けていない場合は(ステップS209;N)、人感センサ25の検出状態を入力する(ステップS211)。人感センサ25が人物を検知していない場合は(ステップS212;N)、ステップS206へ戻って、復帰条件の成立を監視する。
【0099】
人感センサ25が人物を検知している場合(ステップS212;Y)、印刷終了から一定時間内ならば(ステップS213;Y)、ステップS206へ戻る。印刷終了から一定時間経過後ならば(ステップS213;N)、省電力モードを解除する(ステップS210)。
【0100】
すなわち、印刷終了から一定時間内は、その印刷の印刷物をユーザが取りに来る可能性が高いので、印刷終了から一定時間内の人物の接近は印刷物取得を目的とした接近であると判断し、省電力モードの解除は行わない。
【0101】
図8は、第2の実施の形態のジョブ処理装置10が行う、印刷終了後の省電力モードへの移行・解除に係る動作の第2例を示す流れ図である。第2例では、人物の接近が印刷終了から一定時間内に検出された場合であっても排紙トレイに印刷物がなければ印刷物取得目的での接近ではないと判断して省電力モードを解除するようになっている。
【0102】
図7と同一処理には同一のステップ番号を付してある。ステップS201からS213(N)までは図7と同一であり、その説明は省略する。
【0103】
人感センサ25が人物を検知した時点が印刷終了から一定時間内ならば(ステップS213;Y)、排紙部センサ29の検知状態を入力する(ステップS214)。排紙部センサ29の検知状態が画像印刷部18の排紙トレイに印刷物が存在することを示す場合は(ステップS215;Y)、ステップS206へ戻って復帰条件の成立を監視する。
【0104】
排紙部センサ29の検知状態が画像印刷部18の排紙トレイに印刷物が存在しないことを示す場合は(ステップS215;N)、今回の接近時に排紙トレイから印刷物が取り去られたか否かを判断する(ステップS216)。今回の接近時に排紙トレイから印刷物が取り去られた場合は(ステップS216;Y)、ステップS206に戻って処理を継続する。今回の接近時に排紙トレイから印刷物が取り去られていない場合は(ステップS216;N)、省電力モードを解除する(ステップS210)。ステップS216の判断は、接近してきたユーザが排紙トレイから印刷物を回収するとその時点で排紙部センサ29は印刷物なしを検知するので、このユーザが人感センサ25の検知範囲にいる間(立ち去る前)は、省電力モードを解除しないように制御するものである。
【0105】
たとえば、ステップS215;Yとなった際に所定のフラグをセットし、その後、ステップS212;Nとなった場合にこのフラグをリセットするようにすれば、ステップS216にてこのフラグがセットされているか否かを判断し、セットされていれば今回の接近時に排紙トレイから印刷物が取り去られたとして(ステップS216;Y)処理すればよい。
【0106】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0107】
第3の実施の形態ではRFIDは使用しない。第3の実施の形態では、人感センサ25が接近人物を検出した場合であっても、該人物検出の継続時間が指定時間未満であれば省電力モードを解除しないように制御される。ジョブ処理装置10の構成は第1の実施の形態と同様である。ただし、RFID通信部26は無くてもよい。
【0108】
図9は、第3の実施の形態のジョブ処理装置10が行う、印刷終了後の省電力モードへの移行・解除に係る動作の第1例を示す流れ図である。図7と同一処理には同一のステップ番号を付してある。ステップS201からS211までは図7と同一であり、その説明は省略する。
【0109】
人感センサ25が人物を検出している場合(ステップS212;Y)、人感センサ25が人物を検出している状態の継続時間をタイマー部27で計測する(ステップS222)。人物検出(センサON)の継続時間が予め設定された指定時間未満の場合は(ステップS223;N)、ステップS206へ戻って処理を継続する。
【0110】
人物検出の継続時間が指定時間以上の場合は(ステップS223;Y)、省電力モードを解除する(ステップS210)。すなわち、短時間の接近は、印刷物を取りに来ただけ、あるいはジョブ処理装置10の近くを通過するだけであってジョブ処理装置10の操作を目的としないと想定されるので、省電力モードを解除せず、接近状態が一定時間以上継続した場合に初めて省電力モードを解除する。これにより、無駄な省電力モードの解除が抑制される。なお、人感センサ25が人物の接近を検出しない場合(ステップS212;N)、人物検出の継続時間の計測を中止し、継続時間の計測値をリセットする(ステップS221)。
【0111】
図10は、第3の実施の形態のジョブ処理装置10が行う、印刷終了後の省電力モードへの移行・解除に係る動作の第2例を示す流れ図である。第2例では、人物の接近が印刷終了から一定時間経過後に検出された場合は、人物検出の継続時間にかかわらず省電力モードを解除するようになっている。
【0112】
図9と同一処理には同一のステップ番号を付してある。図9との相違は、ステップS212;Yの場合に、ステップS220へ移行する点である。すなわち、人感センサ25が人物を検出した場合(ステップS212;Y)、その検出時点が印刷終了から一定時間の経過前か否かを判断し(ステップS220)、一定時間の経過後であれば(ステップS220;N)、印刷物を取りに来た人物でないと推定し、省電力モードを解除する(ステップS210)。一定時間の経過前であれば(ステップS220;Y)、ステップS222へ移行して図9と同様の処理を行う。
【0113】
つまり、印刷完了から一定時間経過前にジョブ処理装置10に人物が接近し、かつその人物がジョブ処理装置10の前から短時間で立ち去る場合は印刷物を取りに来たと推定して省電力モードを解除しない。それ以外の接近では省電力モードを解除する。
【0114】
図11は、第3の実施の形態のジョブ処理装置10が行う、印刷終了後の省電力モードへの移行・解除に係る動作の第3例を示す流れ図である。第3例では、人物の接近が検出された場合に排紙トレイに印刷物がなければ印刷物取得目的での接近ではないと判断して省電力モードを解除するようになっている。
【0115】
図9と同一処理には同一のステップ番号を付してある。図9との相違は、ステップS212;Yの場合に、ステップS231へ移行する点である。すなわち、人感センサ25が人物を検出した場合(ステップS212;Y)、排紙部センサ29の検知状態を入力する(ステップS231)。排紙部センサ29の検知状態が画像印刷部18の排紙トレイに印刷物が存在することを示す場合は(ステップS232;Y)、ステップS222へ移行する。
【0116】
排紙部センサ29の検知状態が画像印刷部18の排紙トレイに印刷物が存在しないことを示す場合は(ステップS232;N)、今回の接近時に排紙トレイから印刷物が取り去られたか否かを判断する(ステップS233)。今回の接近時に排紙トレイから印刷物が取り去られた場合は(ステップS233;Y)、ステップS222に戻って処理を継続する。今回の接近時に排紙トレイから印刷物が取り去られていない場合は(ステップS233;N)、省電力モードを解除する(ステップS210)。ステップS233は図8のステップS216と同様の役割を果たす。
【0117】
以上、本発明の各種の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0118】
ジョブ処理装置10は画像印刷部18を備えた装置(印刷処理装置)に限定されず、たとえば、画像入力部17による原稿の読み取りを専ら行う画像読取装置などでもよい。
【0119】
人感センサ25は、ジョブ処理装置10の本体に装着されるものに限定されず、ジョブ処理装置10に接近する人物を検知できれば、たとえば、ジョブ処理装置10とは別体にジョブ処理装置10から離れた場所に設置されてもよい。RFID通信部26も同様である。
【0120】
実施の形態では人感センサ25によって人物の接近を検出し、RFID通信部26によってその人物の特定を行うようにしたが、RFID通信部26の検知範囲を人感センサ25の検知範囲のように設定すれば、RFID通信部26が人物の接近を検出するセンサの機能を兼用する構成としてもよい。人物特定方法が例示したものに限定されず、たとえば、GPS(Global Positioning System)機能によって各ユーザの位置を特定できれば、接近した人物を該GPS機能により特定してもよい。
【符号の説明】
【0121】
10…ジョブ処理装置(印刷処理装置)
11…CPU
12…ROM
13…ワークメモリ(RAM)
14…ファイル制御部
15…不揮発メモリ
16…ハードディスク装置(HDD)
17…画像入力部
18…画像印刷部
19…画像メモリ
21…操作表示部
22…圧縮/復号部
23…ネットワーク制御部
24…汎用I/F
25…人感センサ
26…RFID通信部
27…タイマー部
28…電源部
29…排紙部センサ
30…除外人物リスト
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部から投入されたジョブを実行するジョブ処理装置および印刷処理装置に係り、特に、省電力機能を備えたジョブ処理装置、印刷処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複合機などの印刷処理装置では、省電力の観点から、待機状態が一定時間継続すると、電源状態を通常モードから省電力モードへ自動的に移行させる機能を備えたものが普及している。
【0003】
省電力モードから通常モードへの復帰条件は、通常、ユーザから特定の操作ボタンの操作を受けること、あるいは原稿読み取り装置に原稿がセットされることなど、となっている。
【0004】
このように、ユーザの特定操作や原稿セットなどを復帰条件とする場合、その復帰条件を知らないユーザは装置を通常モードに復帰させることができずに困ってしまう。また、省電力モードから通常モードへ復帰するまでには所定の時間を要するので、ユーザの特定操作や原稿セットを契機に復帰動作を開始すると、通常モードに復帰して装置が使用可能になるまでの装置の前でのユーザの待ち時間が長くなってしまう。
【0005】
そこで、印刷処理装置本体に人感センサを設置し、人物が印刷処理装置に近づいたことを感知したとき省電力モードから通常モードへ復帰させ、人物が印刷処理装置の前に到達したときには既に省電力モードが解除されて、通常の操作が出来るようにする技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−217303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年は、ネットワークで接続された端末装置から複合機などの印刷処理装置へ印刷ジョブを送信し、その印刷が完了した頃に印刷処理装置へ印刷物を取りに行く、といったワークケースが増えている。この場合、ユーザが印刷処理装置の前まで行く目的は印刷物の取得であって装置を使用する目的はない。
【0008】
しかしながら、単に人物の接近を検知しただけで省電力モードを解除する場合には、使用目的のないユーザが近づいて来た場合にも省電力モードが解除されてしまい、省エネ効果を低下させてしまう。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、自装置を使用する目的以外で接近してきた人物は除外して、人の接近に反応して省電力モードを解除することのできるジョブ処理装置および印刷処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0011】
[1]ジョブを実行するジョブ実行部と、
自装置の動作モードを、通常モードと、該通常モードより消費電力の少ない省電力モードに切り替える制御部と、
ユーザからジョブの設定に係る操作を受ける操作部と、
人物の接近を検知する検知部と、
接近してきた人物の特定を行う人物特定部と、
を有し、
前記制御部は、
省電力モード中に前記操作部がユーザから操作を受けた場合は、省電力モードを解除して通常モードに切り替え、
省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合は、該接近の検知された人物が所定の除外人物か否かを前記人物特定部による人物特定の結果に基づいて判定し、除外人物でないと判定したときは省電力モードを解除して通常モードに切り替え、除外人物の場合は該人物の接近により省電力モードを解除しない
ことを特徴とするジョブ処理装置。
【0012】
上記発明では、省電力モード中に人物の接近が検知された場合は、接近してきた人物の特定を行う人物特定部による人物特定の結果に基づいて、該接近人物が所定の除外人物か否かを判定し、除外人物でない場合は省電力モードを解除し、除外人物の場合は該人物の接近によっては省電力モードを解除しない。除外人物は、予め登録されているユーザ、あるいは登録されていないユーザとすることができる。たとえば、印刷の実行された印刷ジョブの依頼者などは、除外人物に一時的に登録される。
【0013】
[2]前記制御部は、省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合に、自装置が特定状態にないときは、省電力モードを解除して通常モードに切り替え、自装置が特定状態にあるときは前記判定を行って省電力モードを解除するか否かを制御する
ことを特徴とする[1]に記載のジョブ処理装置。
【0014】
上記発明では、自装置が特定状態にないときは、人物の接近によって直ちに省電力モードを解除し、特定状態にあるときは接近人物が除外人物か否かを判定し、除外人物の場合は省電力モードを解除せず、除外人物でない場合は省電力モードを解除する。特定状態は任意に設定すればよいが、たとえば、印刷物が排紙トレイに存在するとき、印刷終了から一定時間内などを特定状態とすることができる。
【0015】
[3]外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷を行う前記ジョブ実行部としての印刷部と、前記印刷部が印刷出力した印刷物が排紙部に存在するか否かを検出する印刷物検出部とを備え、
前記特定状態は、前記印刷物検出部が印刷物を検出している状態であり、
前記制御部は、前記受信部で受信して前記印刷部で印刷の実行された印刷ジョブを投入したユーザを前記除外人物に登録し、その後、このユーザが自装置に接近して離れたことが検出された場合に該ユーザの除外人物の登録を削除する
ことを特徴とする[2]に記載のジョブ処理装置。
【0016】
上記発明では、印刷の依頼者は、依頼した印刷の終了後の1回目の接近においては除外人物として扱われる。1回目の接近は、印刷物の取得目的と考えられることによる。印刷終了後のその人物の2回目の接近では、通常通り、省電力モードが解除される。
【0017】
[4]外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷を行う前記ジョブ実行部としての印刷部と、前記印刷部が印刷出力した印刷物が排紙部に存在するか否かを検出する印刷物検出部とを備え、
前記特定状態は、前記印刷物検出部が印刷物を検出している状態であり、
前記制御部は、前記受信部で受信して前記印刷部で印刷の実行された印刷ジョブを投入したユーザを前記除外人物に登録し、その後、前記排紙部から印刷物がなくなった場合に該ユーザの除外人物の登録を削除する
ことを特徴とする[2]に記載のジョブ処理装置。
【0018】
上記発明では、印刷の依頼者は、依頼した印刷の終了後、その印刷物が排紙部に存在する間は、除外人物として扱われる。印刷物が排紙部から取り去られた後の接近では、通常通り、省電力モードが解除される。
【0019】
[5]外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷を行う前記ジョブ実行部としての印刷部と、前記印刷部が印刷出力した印刷物が排紙部に存在するか否かを検出する印刷物検出部とを備え、
前記特定状態は、前記印刷物検出部が印刷物を検出している状態であり、
前記制御部は、前記受信部で受信して前記印刷部で印刷の実行された印刷ジョブを投入したユーザを前記除外人物に登録し、その後、このユーザが自装置に接近して離れたことが検出されかつこのとき前記排紙部から印刷物がなくなった場合に該ユーザの除外人物の登録を削除する
ことを特徴とする[2]に記載のジョブ処理装置。
【0020】
上記発明では、印刷の依頼者は、依頼した印刷の終了後は除外人物に登録され、その登録は、該依頼者が接近したときにその印刷物が排紙部から取り去られた場合に、つまり、印刷依頼者が当該装置に来て印刷物を取り去った場合に、削除される。
【0021】
[6]前記人物特定部は、接近してきた人物が保持する無線タグと通信して該無線タグに記憶されている識別情報に基づいて該人物を特定する
ことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか1項に記載のジョブ処理装置。
【0022】
上記発明では、たとえば、各ユーザが所持するIDカードに埋め込まれた無線タグと通信し、その無線タグに記憶されているユーザIDを取得することで、接近人物を特定する。
【0023】
[7]自装置の使用ユーザとして予め登録されていない人物は前記除外人物とする
ことを特徴とする[1]に記載のジョブ処理装置。
【0024】
上記発明では、使用を許可するユーザを予め登録しておき、登録ユーザ以外の人物を除外人物とする。すなわち、使用の許可されないユーザが接近しても省電力モードは解除されない。
【0025】
[8]電源がオフしている端末装置のユーザは前記除外人物とする
ことを特徴とする[1]に記載のジョブ処理装置。
【0026】
上記発明では、自分の端末装置の電源がオフしているユーザは、除外人物にされる。すなわち、接近人物の端末装置が電源オフしている場合は、この人物の今回の接近の目的は、帰宅前にジョブ処理装置の電源をオフすることにあると推定し、省電力モードの解除は行わない。
【0027】
[9]外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、
前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷を行う印刷部と、
自装置の動作モードを、通常モードと、該通常モードより消費電力の少ない省電力モードに切り替える制御部と、
ユーザからジョブの設定に係る操作を受ける操作部と、
人物の接近を検知する検知部と、
を有し、
前記制御部は、
省電力モード中に前記操作部がユーザから操作を受けた場合は、省電力モードを解除して通常モードに切り替え、
省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合は、前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷が終了してから所定時間が経過したか否かを判定し、経過後の場合は省電力モードを解除して通常モードに切り替え、経過前は該人物の接近により省電力モードを解除しない
ことを特徴とする印刷処理装置。
【0028】
上記発明では、印刷終了から所定時間内の人物の接近は、印刷物の取得を目的とする接近であると推定して、省電力モードを解除しない。
【0029】
[10]前記印刷部が印刷出力した印刷物が排紙部に存在するか否かを検出する印刷物検出部を備え、
前記制御部は、省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合に、前記印刷物検出部が印刷物を検出していないときは省電力モードを解除して通常モードに切り替え、前記印刷物検出部が印刷物を検出しているときは前記判定を行って省電力モードを解除するか否かを制御する
ことを特徴とする[9]に記載の印刷処理装置。
【0030】
上記発明では、印刷終了から所定時間内の人物の接近であっても、排紙部に印刷物が存在しない場合は省電力モードを解除し、排紙部に印刷物が存在する場合のみ、印刷物の取得を目的とする接近であると推定して、省電力モードを解除しない。
【0031】
[11]外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、
前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷を行う印刷部と、
自装置の動作モードを、通常モードと、該通常モードより消費電力の少ない省電力モードに切り替える制御部と、
ユーザからジョブの設定に係る操作を受ける操作部と、
人物の接近を検知する検知部と、
を有し、
前記制御部は、
省電力モード中に前記操作部がユーザから操作を受けた場合は、省電力モードを解除して通常モードに切り替え、
省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合は、接近状態の継続時間を計測し、該継続時間が所定時間を越えた場合は省電力モードを解除して通常モードに切り替え、前記継続時間が所定時間を越える前は該人物の接近により省電力モードを解除しない
ことを特徴とする印刷処理装置。
【0032】
上記発明では、接近してきた人物が短時間で立ち去った場合は、印刷物を取りに来た、あるいは、近くを通り過ぎたと推定し、省電力モードを解除しない。接近状態が所定時間以上継続した場合のみ、装置を使用する目的での接近と判断して省電力モードを解除する。
【0033】
[12]前記印刷部が印刷出力した印刷物が排紙部に存在するか否かを検出する印刷物検出部を備え、
前記制御部は、省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合に、前記印刷物検出部が印刷物を検出していないときは省電力モードを解除して通常モードに切り替え、前記印刷物検出部が印刷物を検出しているときは前記継続時間に基づいて省電力モードを解除するか否かを制御する
ことを特徴とする[11]に記載の印刷処理装置。
【0034】
上記発明では、接近の継続時間にかかわらず、排紙部に印刷物が存在しない場合は省電力モードを解除し、排紙部に印刷物が存在する場合は接近状態が所定時間以上継続したことを条件に省電力モードを解除する。
【0035】
[13]前記制御部は、省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合に、前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷が終了してから所定時間が経過したか否かを判定し、経過後の場合は省電力モードを解除して通常モードに切り替え、経過前の場合は前記継続時間に基づいて省電力モードを解除するか否かを制御する
ことを特徴とする[11]または[12]に記載の印刷処理装置。
【0036】
上記発明では、さらに、印刷終了から所定時間が経過後は、接近の継続時間にかかわらず、人物の接近により省電力モードを解除し、印刷終了から所定時間が経過する前は、接近状態が所定時間以上継続したことを条件に省電力モードを解除する。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係るジョブ処理装置および印刷処理装置によれば、自装置を使用する目的以外で接近してきた人物は除外して、人の接近に反応して省電力モードを解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態に係るジョブ処理装置(印刷処理装置)の概略構成を示すブロック図である。
【図2】人感センサの検知範囲を例示した説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るジョブ処理装置の省電力モードの解除に関する処理を示す流れ図である。
【図4】除外人物を判定する処理を示す流れ図である。
【図5】印刷依頼者を除外人物リストへ登録および削除する処理を示す流れ図である。
【図6】印刷依頼者を除外人物リストへ登録および削除する処理の他の例を示す流れ図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るジョブ処理装置の省電力モードの解除に関する処理の第1例を示す流れ図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るジョブ処理装置の省電力モードの解除に関する処理の第2例を示す流れ図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係るジョブ処理装置の省電力モードの解除に関する処理を示す流れ図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係るジョブ処理装置の省電力モードの解除に関する処理の第2例を示す流れ図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係るジョブ処理装置の省電力モードの解除に関する処理の第3例を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面に基づき本発明の各種の実施の形態を説明する。
【0040】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るジョブ処理装置(印刷処理装置)10の概略構成を示すブロック図である。ジョブ処理装置10は、当該ジョブ処理装置10の動作を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)11を有している。CPU11にはバスを通じてROM(Read Only Memory)12と、ワークメモリ(RAM(Random Access Memory))13と、ファイル制御部14と、不揮発メモリ15と、ハードディスク装置(HDD)16と、画像入力部17と、画像印刷部18と、画像メモリ19と、操作表示部21と、圧縮/復号部22と、ネットワーク制御部23と、汎用I/F24が接続されている。この汎用I/F24には、人感センサ25、RFID(Radio Frequency IDentification)通信部26、タイマー部27などが接続されている。さらに、ジョブ処理装置10は、当該ジョブ処理装置10の各部に電力を供給する電源部28を備えている。
【0041】
CPU11は、OS(Operating System)プログラムをベースとし、その上で、ミドルウェアやアプリケーションプログラムなどを実行する。
【0042】
ROM12には、各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPU11が各種処理を実行することでジョブ処理装置10の各機能が実現される。
【0043】
ワークメモリ13は、CPU11がプログラムに基づいて処理を実行する際に各種のデータを一時的に格納するランダムアクセスメモリである。ファイル制御部14は、所謂、ファイルシステムであり、画像データなどをファイル化して管理する。
【0044】
不揮発メモリ15は、電源をオフにしても記憶内容が破壊されないメモリ(フラッシュメモリ)であり、各種設定情報の保存などに使用される。ハードディスク装置16は、不揮発・大容量の記憶装置であり、各種のプログラムのほか、受信した印刷データや画像データの保存に使用される。さらに、後述する除外人物リスト30が記憶される。除外人物リスト30は不揮発メモリ15に記憶されてもよい。
【0045】
画像入力部17は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。画像入力部17は、例えば、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に順次移動させる移動ユニットと、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーなどからなる光学経路と、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する変換部などを備えて構成される。
【0046】
また、画像入力部17は自動原稿搬送部(ADF)を備えており、原稿台にセットされた原稿をその最上のものから1枚ずつ順に繰り出して搬送し、読取位置を通過させて所定の排紙位置へ排紙する機能を果たす。なお、画像入力部17は原稿がセットされたか否かを検出する図示省略の原稿センサが備えている。
【0047】
画像印刷部18は、画像データに応じた画像を記録紙上に画像形成して印刷出力する機能を果たす。ここでは、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有し、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂、レーザープリンタとして構成されている。画像形成は他の方式でもかまわない。
【0048】
画像印刷部18は、印刷の完了した記録紙が排出される排紙トレイを備えている。また、排紙トレイに印刷物が存在するか否かを検知する排紙部センサ29を備えている。
【0049】
画像メモリ19は、画像データを格納するためのメモリである。画像メモリ19上で、画像の拡大縮小、回転などの処理、画像の圧縮、復号などの処理が行われる。
【0050】
操作表示部21は、各種の操作画面、設定画面などを表示する液晶ディスプレイなどの表示部と、ユーザから各種の操作を受ける操作部とから構成される。操作部は表示部の画面上に設けられてタッチペンや指などで画面が押下された座標位置やフリック操作・ドラッグ操作などを検出するタッチパネルのほかスタートボタンなどの各種スイッチ類を備えて構成される。
【0051】
圧縮/復号部22は、画像データの圧縮、復号(伸張)を行う。画像データは圧縮されてハードディスク装置16に保存され、読み出し後に復号(伸張)される。
【0052】
ネットワーク制御部23は、LAN(Local Area Network)などのネットワークを通じて端末装置やその他の外部装置との間でデータを通信する機能を果たす。ネットワーク制御部23を通じて外部の端末装置から印刷ジョブが受信される。
【0053】
汎用I/F24に接続された人感センサ25は、当該ジョブ処理装置10から所定距離の範囲(たとえば3mから5m)内の人物を検出する。人感センサ25には、たとえば、赤外線センサが使用されるが、これに限定されるものではない。
【0054】
RFID通信部26は、RFIDタグ(無線タグ)と通信するためのアンテナと無線制御部とからなり、RFIDタグとデータを送受信したりRFIDタグに無線にて電力を供給したりする機能を果たす。RFIDタグは、無線通信機能を備え、外部から電磁的に電力の供給を受けて動作するICチップとアンテナとを内蔵している。ここでは、各ユーザはRFIDタグの埋め込まれた社員証などのIDカードを所持しており、該IDカード内のICチップには所有者のユーザIDやユーザ情報が予め記憶されている。
【0055】
タイマー部27は、時間の計測に利用される。
【0056】
電源部28は、商用電源を適宜のDC電圧等に変換してジョブ処理装置10の各部へ電力を供給する。また、CPU11からの指示に従って、電力を供給するか供給を停止するかを電力供給先別に制御する機能を備えている。ここでは、動作モードが通常モードの場合は全ての部分に電力供給し、通常モードよりも消費電力の少ない省電力モードでは、該省電力モードから通常モードで復帰するために必要な部分のみに通電し他の部分への電力供給は停止するようになっている。省電力モードでは、たとえば、定着器、操作表示部21の液晶ディスプレイなどは電源オフにする。またCPU11は動作周波数を下げて動作するなどにより省電力化される。
【0057】
ジョブ処理装置10は、ユーザからの操作を受けず、かつジョブを実行していない待機状態が一定時間以上継続すると、自動的に動作モードを省電力モードに移行させる機能を備えている。また、端末装置からのジョブ受信、操作表示部21に対するユーザの特定操作、画像入力部17の原稿台への原稿のセット、人感センサ25によって人物の接近が検知される、などの予め定めた復帰条件が成立したとき、省電力モードから通常モードへ復帰するようになっている。
【0058】
ただし、人感センサ25による人物の接近検知に基づく省電力モードの解除動作は、特定の条件下では作動しないように制御される。すなわち、ジョブ処理装置10を使う目的で接近してくる人物か否かを判定し、使用目的を持たない人物の接近では省電力モードを解除しないようになっている。
【0059】
図2は、人感センサ25の配置および人物の検知範囲の一例を示している。本例では、ジョブ処理装置10の前面上部中央に人感センサ25が設置されており、ジョブ処理装置10の前面手前側の所定範囲が検知範囲となっている。本例では、1つの人感センサ25を用いているが、人感センサを複数配設してもよい。複数の人感センサを使用すれば、人の接近の仕方(方向)などを判断することも可能になる。また、人の接近の仕方を高精度で検出できれば、その情報を学習機能と連動させて、さらに正確な人物の動きを検出して省電力モードの解除を制御することが可能になる。
【0060】
図3は、ジョブ処理装置10が行う省電力モードへの移行および解除に関する動作の流れを示している。CPU11は、省電力モードへの移行条件が成立するか否か(無操作かつジョブ実行なしの状態が一定時間以上継続したか否かなど)を監視し(ステップS101)、移行条件が成立したら(ステップS101;Y)、自装置の動作モードを省電力モードへ移行させる(ステップS102)。そして、省電力モード中は以下の動作を行う。
【0061】
CPU11は、原稿台への原稿セット状態を原稿センサから入力し(ステップS103)、原稿セットが検出された場合は(ステップS104;Y)、省電力モードを解除する(ステップS108)。原稿セットが検出されないときは(ステップS104;N)、CPU11は操作表示部21に対するユーザの操作状態を示す情報を操作表示部21から入力する(ステップS105)。CPU11は、操作表示部21がユーザから何らかの操作(もしくは特定の操作)を受けた場合は(ステップS106;Y)、省電力モードを解除する(ステップS108)。
【0062】
CPU11は、上記の操作をユーザから受けていない場合は(ステップS106;N)、人感センサ25の検出状態を入力する(ステップS107)。人感センサ25が人物を検知していない場合は(ステップS109;N)、ステップS103へ戻って、復帰の契機となる事象の発生を監視する。
【0063】
人感センサ25が人物を検知している場合は(ステップS109;Y)、ジョブ処理装置10が予め定めた特定状態にあるか否かを調べ、特定状態になければ(ステップS110;N)、省電力モードを解除する(ステップS108)。特定状態にあれば(ステップS110;Y)、ステップS111へ移行する。
【0064】
特定状態の内容はユーザや管理者が任意に設定することができる。たとえば、画像印刷部18の排紙トレイに印刷物が存在する状態を特定状態とする、あるいは、印刷完了から所定時間内を特定状態とする。特定状態はジョブ処理装置10を使用する目的でない人物が接近して来ることが予想される状態である。なお、図3の動作において、特定状態にあるか否かの判断(ステップS110)は割愛してもよく、人感センサ25が人物を検知している場合に(ステップS109;Y)、直ちに、ステップS111へ移行してもよい。
【0065】
ステップS111では、接近した人物が携帯しているIDカードのICチップとRFID通信部26によって通信して、ユーザIDを取得する。なお、接近した人物がIDカードを持っていない場合は、RFID通信部26による通信は失敗となり、ユーザIDを取得できない。
【0066】
ステップS111でのRFID通信部26による通信結果から、人感センサ25によって接近の検知された人物が除外人物か否かを判断する(ステップS112)。除外人物か否かの判断の詳細は後述する。
【0067】
除外人物でない場合は(ステップS112;N)、省電力モードを解除する(ステップS108)。
【0068】
除外人物あると判定できたときは(ステップS112;Y)、省電力モードを解除せず、省電力モードを維持したままステップS103へ戻る。なお、この人物が、その後、操作表示部21を操作するなどすれば、その時点で省電力モードは解除される。
【0069】
図4は、除外人物か否かの判定処理を示している。この処理は図3のステップS112に対応する。
【0070】
ジョブ処理装置10は、使用を許可するユーザ(登録ユーザ)を予め登録しており、登録ユーザ以外のユーザによる使用を禁止するようになっている。なお、登録ユーザのリストは、たとえば、不揮発メモリ15などに記憶される。
【0071】
登録ユーザ以外のユーザが接近人物である場合には、この人物によってジョブ処理装置10が使用されることはないので、ジョブ処理装置10は省電力モードを解除すべきでない。そこで、RFID通信部26による通信で得た接近人物のユーザIDが登録ユーザのリストに登録されているか否かを調べ(ステップS131)、登録されていない場合(RFID通信部26によりユーザIDを取得できなかった場合を含む)は(ステップS132;N)、今回の接近人物は除外人物であると判定する(ステップS133)。
【0072】
接近人物が登録ユーザの場合は(ステップS132;Y)、その接近人物が除外人物リストに登録されている人物か否かを調べる(ステップS134)。除外人物リストには、接近しても省電力モードを解除すべきでない人物が予め登録されている。除外人物リストには、たとえば、実行された印刷ジョブの依頼者であって未だ印刷物を取りに来ていないユーザなどが登録される。
【0073】
接近人物が除外人物リストに登録されているいずれかの人物と一致する場合は(ステップS135;Y)、今回の接近人物は除外人物であると判定する(ステップS133)。
【0074】
接近人物が除外人物リストに登録されていない場合は(ステップS135;N)、該接近人物の通常使用する端末装置の電源がオフしているか否かを調べる(ステップS136)。なお、ジョブ処理装置10は、各登録ユーザのユーザIDとそのユーザが通常使用する端末装置のID(IPアドレスなど)とを予め関連付けて記憶している。そして、該当の端末装置の電源オンオフ状態をネットワークを通じて確認するようになっている。
【0075】
たとえば、帰宅前のユーザがジョブ処理装置10に接近する目的は、ジョブ処理装置10の使用ではなく、ジョブ処理装置10の電源をオフする目的と想定される。そのため、帰宅前のユーザがジョブ処理装置10に接近してきた際に省電力モードを解除すると省電力効果を損ねてしまう。すなわち、電源オフが目的ならば、通常モードで復帰することは無駄であり、省電力モードから直接、電源オフへ移行することが好ましい。
【0076】
そこで、接近人物の端末装置の電源がオフしている場合は(ステップS137;Y)、該接近人物は帰宅前にジョブ処理装置10の電源をオフするために接近してきたユーザであると推定し、該人物を除外人物とする(ステップS133)。
【0077】
接近人物の端末装置の電源がオンしている場合は(ステップS137;N)、当該接近人物は除外人物でないと判定する(ステップS138)。なお、帰宅と判定する時刻(たとえば、17時)を予め登録しておき、現時点がその時刻より後であることを、帰宅時の接近と判断する加重要件としてもよい。
【0078】
図5は、印刷ジョブの依頼者を除外人物リストへ一時的に登録する処理の流れを示している。外部端末から受信した印刷ジョブに係る印刷が完了すると(ステップS151)、その印刷ジョブの依頼者(該ユーザのユーザID)を除外人物リストに登録する(ステップS152)。
【0079】
その後、該依頼者が当該ジョブ処理装置10に接近して離れ去ったことを確認したとき(ステップS153;Y)、この依頼者を除外人物リストから削除する(ステップS155)。
【0080】
該依頼者が当該ジョブ処理装置10に接近して離れ去ったことが確認される以前においては(ステップS153;N)、画像印刷部18の排紙トレイに印刷物が存在するか否かを排紙部センサ29の検知状態によって判断し(ステップS154)、排紙トレイに印刷物が存在すれば(ステップS154;Y)、ステップS153に戻って処理を継続する。一方、排紙トレイに印刷物が存在しない場合は(ステップS154;N)、印刷の依頼者が印刷物の取得目的で接近することはないと考えられるので、印刷の依頼者を除外人物リストから削除する(ステップS155)。たとえば、該依頼者の印刷物を他の人物が持ち去った場合などがこのケースになる。
【0081】
図5の処理を行うことで、印刷終了後の、その印刷の依頼者による1回目の接近では、該依頼者は除外人物として扱われて省電力モードは解除されない。印刷終了後の1回目の接近は印刷物を取りに来るための接近であると推定されることによる。また、1回目の接近が終了したら、この依頼者を除外人物リストから削除するので、該依頼者の2回目の接近では、人感センサ25の反応に基づいて省電力モードが解除される。
【0082】
図6は、印刷ジョブの依頼者を除外人物リストへ一時的に登録する他の処理の例を示している。図5では、印刷の依頼者が接近して離れた場合に該依頼者を除外人物リストから削除したが、図6の処理ではさらに、その接近時に排紙トレイから印刷物が取り去られたことを除外人物リストからの削除条件としている。
【0083】
詳細には、外部の端末装置から受信した印刷ジョブに係る印刷が完了すると(ステップS171)、その印刷ジョブの依頼者(該ユーザのユーザID)を除外人物リストに登録する(ステップS172)。その後、該依頼者が当該ジョブ処理装置10に接近して離れ去ったこと(1回目に限らず)を確認したとき(ステップS173;Y)、この依頼者の印刷物が排紙トレイに存在するか否かを排紙部センサ29の検知状態から調べる(ステップS175)。
【0084】
依頼者が接近してから離れ去ったときに排紙トレイから印刷物がなくなっていれば(ステップS175;N)、該依頼者を除外人物リストから削除する(ステップS176)。依頼者が接近してから離れ去ったときにまだ排紙トレイに印刷物があれば(ステップS175;Y)、ステップS173に戻る。
【0085】
該依頼者が当該ジョブ処理装置10に接近して離れ去った状態になったとき(1回目に限定されない)以外では(ステップS173;N)、画像印刷部18の排紙トレイに印刷物が存在するか否かを排紙部センサ29の検知状態によって判断し(ステップS174)、排紙トレイに印刷物が存在すれば(ステップS174;Y)、ステップS173に戻って処理を継続する。一方、排紙トレイに印刷物が存在しない場合は(ステップS174;N)、印刷の依頼者が印刷物の取得目的で接近することはないと考えられるので、印刷の依頼者を除外人物リストから削除する(ステップS176)。
【0086】
以上のように本発明の第1の実施の形態では、接近してきた人物をRFID通信によって特定し、その人物が除外人物であれば、省電力モードを解除しないようにしたので、ジョブ処理装置10を使用しない人物の接近によって省電力モードが解除されて省電力効果が損なわれることが防止される。
【0087】
また、除外人物でない場合は、人感センサ25がその人物の接近を検知したことによって省電力モードが解除されるので、該人物がジョブ処理装置10に到着する前に通常モードへの復帰動作が開始され、到着後の待ち時間を少なくすることができる。
【0088】
また、印刷ジョブを依頼したユーザがその印刷物を取りに来ると推定される期間だけそのユーザを除外人物に登録するので、印刷物取得のための接近によって省電力モードが解除されることが防止される。
【0089】
また、接近人物がジョブ処理装置10の使用を許可された登録ユーザでない場合は、そのユーザを除外人物と扱って省電力モードを解除しないので、ジョブ処理装置10の使用が許可されないユーザの接近によって無駄に省電力モードが解除されることが防止される。
【0090】
また、接近人物の端末装置が電源オフしている場合は、帰宅前にジョブ処理装置10の電源をオフする目的でジョブ処理装置10に接近してきたと推定してこの人物を除外人物と判断するので、ジョブ処理装置10の電源をオフする目的の接近によって無駄に省電力モードが解除されることが防止される。
【0091】
なお、除外人物とする基準は、例示したものに限定されず、任意でよい。たとえば、消耗品にICタグを付けておけば、人物が接近した際に消耗品のICタグが検出されれば、その人物は消耗品の交換目的で接近してきたと推定できる。そこで、人物接近時に消耗品のICタグが検出された場合は、該人物を除外人物として省電力モードを解除しないように制御することができる。
【0092】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0093】
第2の実施の形態ではRFIDは使用しない。第2の実施の形態では、人感センサ25が人物を検出した場合であっても、その検出時点が印刷終了から一定時間内の場合は省電力モードを解除しないように制御される。ジョブ処理装置10の構成は第1の実施の形態と同様である。ただし、RFID通信部26は無くてもよい。
【0094】
図7は、第2の実施の形態のジョブ処理装置10が行う、印刷終了後の省電力モードへの移行・解除に係る動作の第1例を示す流れ図である。印刷ジョブに係る印刷が終了すると(ステップS201)、省電力モードへの移行設定がオンになっているか否かを調べ、オフならば(ステップS202;N)、通常モードでの待機状態を継続する(ステップS203)。
【0095】
省電力モードへの移行設定がオンならば(ステップS202;Y)、省電力モードへの移行条件が成立したか否かを調べ(ステップS204)、成立しない場合は(ステップS204;N)、通常モードでの待機状態を継続する(ステップS203)。
【0096】
省電力モードへの移行条件が成立した場合は(ステップS204;Y)、自装置の動作モードを省電力モードへ移行させる(ステップS205)。そして、省電力モード中は以下の動作を行う。
【0097】
CPU11は、原稿台への原稿セット状態を原稿センサから入力し(ステップS206)、原稿セットが検出された場合は(ステップS207;Y)、省電力モードを解除する(ステップS210)。原稿セットが検出されないときは(ステップS207;N)、操作表示部21に対するユーザの操作状態を示す情報を操作表示部21から入力する(ステップS208)。操作表示部21がユーザから何らかの操作(もしくは特定の操作)を受けた場合は(ステップS209;Y)、省電力モードを解除する(ステップS210)。
【0098】
上記の操作をユーザから受けていない場合は(ステップS209;N)、人感センサ25の検出状態を入力する(ステップS211)。人感センサ25が人物を検知していない場合は(ステップS212;N)、ステップS206へ戻って、復帰条件の成立を監視する。
【0099】
人感センサ25が人物を検知している場合(ステップS212;Y)、印刷終了から一定時間内ならば(ステップS213;Y)、ステップS206へ戻る。印刷終了から一定時間経過後ならば(ステップS213;N)、省電力モードを解除する(ステップS210)。
【0100】
すなわち、印刷終了から一定時間内は、その印刷の印刷物をユーザが取りに来る可能性が高いので、印刷終了から一定時間内の人物の接近は印刷物取得を目的とした接近であると判断し、省電力モードの解除は行わない。
【0101】
図8は、第2の実施の形態のジョブ処理装置10が行う、印刷終了後の省電力モードへの移行・解除に係る動作の第2例を示す流れ図である。第2例では、人物の接近が印刷終了から一定時間内に検出された場合であっても排紙トレイに印刷物がなければ印刷物取得目的での接近ではないと判断して省電力モードを解除するようになっている。
【0102】
図7と同一処理には同一のステップ番号を付してある。ステップS201からS213(N)までは図7と同一であり、その説明は省略する。
【0103】
人感センサ25が人物を検知した時点が印刷終了から一定時間内ならば(ステップS213;Y)、排紙部センサ29の検知状態を入力する(ステップS214)。排紙部センサ29の検知状態が画像印刷部18の排紙トレイに印刷物が存在することを示す場合は(ステップS215;Y)、ステップS206へ戻って復帰条件の成立を監視する。
【0104】
排紙部センサ29の検知状態が画像印刷部18の排紙トレイに印刷物が存在しないことを示す場合は(ステップS215;N)、今回の接近時に排紙トレイから印刷物が取り去られたか否かを判断する(ステップS216)。今回の接近時に排紙トレイから印刷物が取り去られた場合は(ステップS216;Y)、ステップS206に戻って処理を継続する。今回の接近時に排紙トレイから印刷物が取り去られていない場合は(ステップS216;N)、省電力モードを解除する(ステップS210)。ステップS216の判断は、接近してきたユーザが排紙トレイから印刷物を回収するとその時点で排紙部センサ29は印刷物なしを検知するので、このユーザが人感センサ25の検知範囲にいる間(立ち去る前)は、省電力モードを解除しないように制御するものである。
【0105】
たとえば、ステップS215;Yとなった際に所定のフラグをセットし、その後、ステップS212;Nとなった場合にこのフラグをリセットするようにすれば、ステップS216にてこのフラグがセットされているか否かを判断し、セットされていれば今回の接近時に排紙トレイから印刷物が取り去られたとして(ステップS216;Y)処理すればよい。
【0106】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0107】
第3の実施の形態ではRFIDは使用しない。第3の実施の形態では、人感センサ25が接近人物を検出した場合であっても、該人物検出の継続時間が指定時間未満であれば省電力モードを解除しないように制御される。ジョブ処理装置10の構成は第1の実施の形態と同様である。ただし、RFID通信部26は無くてもよい。
【0108】
図9は、第3の実施の形態のジョブ処理装置10が行う、印刷終了後の省電力モードへの移行・解除に係る動作の第1例を示す流れ図である。図7と同一処理には同一のステップ番号を付してある。ステップS201からS211までは図7と同一であり、その説明は省略する。
【0109】
人感センサ25が人物を検出している場合(ステップS212;Y)、人感センサ25が人物を検出している状態の継続時間をタイマー部27で計測する(ステップS222)。人物検出(センサON)の継続時間が予め設定された指定時間未満の場合は(ステップS223;N)、ステップS206へ戻って処理を継続する。
【0110】
人物検出の継続時間が指定時間以上の場合は(ステップS223;Y)、省電力モードを解除する(ステップS210)。すなわち、短時間の接近は、印刷物を取りに来ただけ、あるいはジョブ処理装置10の近くを通過するだけであってジョブ処理装置10の操作を目的としないと想定されるので、省電力モードを解除せず、接近状態が一定時間以上継続した場合に初めて省電力モードを解除する。これにより、無駄な省電力モードの解除が抑制される。なお、人感センサ25が人物の接近を検出しない場合(ステップS212;N)、人物検出の継続時間の計測を中止し、継続時間の計測値をリセットする(ステップS221)。
【0111】
図10は、第3の実施の形態のジョブ処理装置10が行う、印刷終了後の省電力モードへの移行・解除に係る動作の第2例を示す流れ図である。第2例では、人物の接近が印刷終了から一定時間経過後に検出された場合は、人物検出の継続時間にかかわらず省電力モードを解除するようになっている。
【0112】
図9と同一処理には同一のステップ番号を付してある。図9との相違は、ステップS212;Yの場合に、ステップS220へ移行する点である。すなわち、人感センサ25が人物を検出した場合(ステップS212;Y)、その検出時点が印刷終了から一定時間の経過前か否かを判断し(ステップS220)、一定時間の経過後であれば(ステップS220;N)、印刷物を取りに来た人物でないと推定し、省電力モードを解除する(ステップS210)。一定時間の経過前であれば(ステップS220;Y)、ステップS222へ移行して図9と同様の処理を行う。
【0113】
つまり、印刷完了から一定時間経過前にジョブ処理装置10に人物が接近し、かつその人物がジョブ処理装置10の前から短時間で立ち去る場合は印刷物を取りに来たと推定して省電力モードを解除しない。それ以外の接近では省電力モードを解除する。
【0114】
図11は、第3の実施の形態のジョブ処理装置10が行う、印刷終了後の省電力モードへの移行・解除に係る動作の第3例を示す流れ図である。第3例では、人物の接近が検出された場合に排紙トレイに印刷物がなければ印刷物取得目的での接近ではないと判断して省電力モードを解除するようになっている。
【0115】
図9と同一処理には同一のステップ番号を付してある。図9との相違は、ステップS212;Yの場合に、ステップS231へ移行する点である。すなわち、人感センサ25が人物を検出した場合(ステップS212;Y)、排紙部センサ29の検知状態を入力する(ステップS231)。排紙部センサ29の検知状態が画像印刷部18の排紙トレイに印刷物が存在することを示す場合は(ステップS232;Y)、ステップS222へ移行する。
【0116】
排紙部センサ29の検知状態が画像印刷部18の排紙トレイに印刷物が存在しないことを示す場合は(ステップS232;N)、今回の接近時に排紙トレイから印刷物が取り去られたか否かを判断する(ステップS233)。今回の接近時に排紙トレイから印刷物が取り去られた場合は(ステップS233;Y)、ステップS222に戻って処理を継続する。今回の接近時に排紙トレイから印刷物が取り去られていない場合は(ステップS233;N)、省電力モードを解除する(ステップS210)。ステップS233は図8のステップS216と同様の役割を果たす。
【0117】
以上、本発明の各種の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0118】
ジョブ処理装置10は画像印刷部18を備えた装置(印刷処理装置)に限定されず、たとえば、画像入力部17による原稿の読み取りを専ら行う画像読取装置などでもよい。
【0119】
人感センサ25は、ジョブ処理装置10の本体に装着されるものに限定されず、ジョブ処理装置10に接近する人物を検知できれば、たとえば、ジョブ処理装置10とは別体にジョブ処理装置10から離れた場所に設置されてもよい。RFID通信部26も同様である。
【0120】
実施の形態では人感センサ25によって人物の接近を検出し、RFID通信部26によってその人物の特定を行うようにしたが、RFID通信部26の検知範囲を人感センサ25の検知範囲のように設定すれば、RFID通信部26が人物の接近を検出するセンサの機能を兼用する構成としてもよい。人物特定方法が例示したものに限定されず、たとえば、GPS(Global Positioning System)機能によって各ユーザの位置を特定できれば、接近した人物を該GPS機能により特定してもよい。
【符号の説明】
【0121】
10…ジョブ処理装置(印刷処理装置)
11…CPU
12…ROM
13…ワークメモリ(RAM)
14…ファイル制御部
15…不揮発メモリ
16…ハードディスク装置(HDD)
17…画像入力部
18…画像印刷部
19…画像メモリ
21…操作表示部
22…圧縮/復号部
23…ネットワーク制御部
24…汎用I/F
25…人感センサ
26…RFID通信部
27…タイマー部
28…電源部
29…排紙部センサ
30…除外人物リスト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブを実行するジョブ実行部と、
自装置の動作モードを、通常モードと、該通常モードより消費電力の少ない省電力モードに切り替える制御部と、
ユーザからジョブの設定に係る操作を受ける操作部と、
人物の接近を検知する検知部と、
接近してきた人物の特定を行う人物特定部と、
を有し、
前記制御部は、
省電力モード中に前記操作部がユーザから操作を受けた場合は、省電力モードを解除して通常モードに切り替え、
省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合は、該接近の検知された人物が所定の除外人物か否かを前記人物特定部による人物特定の結果に基づいて判定し、除外人物でないと判定したときは省電力モードを解除して通常モードに切り替え、除外人物の場合は該人物の接近により省電力モードを解除しない
ことを特徴とするジョブ処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合に、自装置が特定状態にないときは、省電力モードを解除して通常モードに切り替え、自装置が特定状態にあるときは前記判定を行って省電力モードを解除するか否かを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のジョブ処理装置。
【請求項3】
外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷を行う前記ジョブ実行部としての印刷部と、前記印刷部が印刷出力した印刷物が排紙部に存在するか否かを検出する印刷物検出部とを備え、
前記特定状態は、前記印刷物検出部が印刷物を検出している状態であり、
前記制御部は、前記受信部で受信して前記印刷部で印刷の実行された印刷ジョブを投入したユーザを前記除外人物に登録し、その後、このユーザが自装置に接近して離れたことが検出された場合に該ユーザの除外人物の登録を削除する
ことを特徴とする請求項2に記載のジョブ処理装置。
【請求項4】
外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷を行う前記ジョブ実行部としての印刷部と、前記印刷部が印刷出力した印刷物が排紙部に存在するか否かを検出する印刷物検出部とを備え、
前記特定状態は、前記印刷物検出部が印刷物を検出している状態であり、
前記制御部は、前記受信部で受信して前記印刷部で印刷の実行された印刷ジョブを投入したユーザを前記除外人物に登録し、その後、前記排紙部から印刷物がなくなった場合に該ユーザの除外人物の登録を削除する
ことを特徴とする請求項2に記載のジョブ処理装置。
【請求項5】
外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷を行う前記ジョブ実行部としての印刷部と、前記印刷部が印刷出力した印刷物が排紙部に存在するか否かを検出する印刷物検出部とを備え、
前記特定状態は、前記印刷物検出部が印刷物を検出している状態であり、
前記制御部は、前記受信部で受信して前記印刷部で印刷の実行された印刷ジョブを投入したユーザを前記除外人物に登録し、その後、このユーザが自装置に接近して離れたことが検出されかつこのとき前記排紙部から印刷物がなくなった場合に該ユーザの除外人物の登録を削除する
ことを特徴とする請求項2に記載のジョブ処理装置。
【請求項6】
前記人物特定部は、接近してきた人物が保持する無線タグと通信して該無線タグに記憶されている識別情報に基づいて該人物を特定する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のジョブ処理装置。
【請求項7】
自装置の使用ユーザとして予め登録されていない人物は前記除外人物とする
ことを特徴とする請求項1に記載のジョブ処理装置。
【請求項8】
電源がオフしている端末装置のユーザは前記除外人物とする
ことを特徴とする請求項1に記載のジョブ処理装置。
【請求項9】
外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、
前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷を行う印刷部と、
自装置の動作モードを、通常モードと、該通常モードより消費電力の少ない省電力モードに切り替える制御部と、
ユーザからジョブの設定に係る操作を受ける操作部と、
人物の接近を検知する検知部と、
を有し、
前記制御部は、
省電力モード中に前記操作部がユーザから操作を受けた場合は、省電力モードを解除して通常モードに切り替え、
省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合は、前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷が終了してから所定時間が経過したか否かを判定し、経過後の場合は省電力モードを解除して通常モードに切り替え、経過前は該人物の接近により省電力モードを解除しない
ことを特徴とする印刷処理装置。
【請求項10】
前記印刷部が印刷出力した印刷物が排紙部に存在するか否かを検出する印刷物検出部を備え、
前記制御部は、省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合に、前記印刷物検出部が印刷物を検出していないときは省電力モードを解除して通常モードに切り替え、前記印刷物検出部が印刷物を検出しているときは前記判定を行って省電力モードを解除するか否かを制御する
ことを特徴とする請求項9に記載の印刷処理装置。
【請求項11】
外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、
前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷を行う印刷部と、
自装置の動作モードを、通常モードと、該通常モードより消費電力の少ない省電力モードに切り替える制御部と、
ユーザからジョブの設定に係る操作を受ける操作部と、
人物の接近を検知する検知部と、
を有し、
前記制御部は、
省電力モード中に前記操作部がユーザから操作を受けた場合は、省電力モードを解除して通常モードに切り替え、
省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合は、接近状態の継続時間を計測し、該継続時間が所定時間を越えた場合は省電力モードを解除して通常モードに切り替え、前記継続時間が所定時間を越える前は該人物の接近により省電力モードを解除しない
ことを特徴とする印刷処理装置。
【請求項12】
前記印刷部が印刷出力した印刷物が排紙部に存在するか否かを検出する印刷物検出部を備え、
前記制御部は、省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合に、前記印刷物検出部が印刷物を検出していないときは省電力モードを解除して通常モードに切り替え、前記印刷物検出部が印刷物を検出しているときは前記継続時間に基づいて省電力モードを解除するか否かを制御する
ことを特徴とする請求項11に記載の印刷処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合に、前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷が終了してから所定時間が経過したか否かを判定し、経過後の場合は省電力モードを解除して通常モードに切り替え、経過前の場合は前記継続時間に基づいて省電力モードを解除するか否かを制御する
ことを特徴とする請求項11または12に記載の印刷処理装置。
【請求項1】
ジョブを実行するジョブ実行部と、
自装置の動作モードを、通常モードと、該通常モードより消費電力の少ない省電力モードに切り替える制御部と、
ユーザからジョブの設定に係る操作を受ける操作部と、
人物の接近を検知する検知部と、
接近してきた人物の特定を行う人物特定部と、
を有し、
前記制御部は、
省電力モード中に前記操作部がユーザから操作を受けた場合は、省電力モードを解除して通常モードに切り替え、
省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合は、該接近の検知された人物が所定の除外人物か否かを前記人物特定部による人物特定の結果に基づいて判定し、除外人物でないと判定したときは省電力モードを解除して通常モードに切り替え、除外人物の場合は該人物の接近により省電力モードを解除しない
ことを特徴とするジョブ処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合に、自装置が特定状態にないときは、省電力モードを解除して通常モードに切り替え、自装置が特定状態にあるときは前記判定を行って省電力モードを解除するか否かを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のジョブ処理装置。
【請求項3】
外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷を行う前記ジョブ実行部としての印刷部と、前記印刷部が印刷出力した印刷物が排紙部に存在するか否かを検出する印刷物検出部とを備え、
前記特定状態は、前記印刷物検出部が印刷物を検出している状態であり、
前記制御部は、前記受信部で受信して前記印刷部で印刷の実行された印刷ジョブを投入したユーザを前記除外人物に登録し、その後、このユーザが自装置に接近して離れたことが検出された場合に該ユーザの除外人物の登録を削除する
ことを特徴とする請求項2に記載のジョブ処理装置。
【請求項4】
外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷を行う前記ジョブ実行部としての印刷部と、前記印刷部が印刷出力した印刷物が排紙部に存在するか否かを検出する印刷物検出部とを備え、
前記特定状態は、前記印刷物検出部が印刷物を検出している状態であり、
前記制御部は、前記受信部で受信して前記印刷部で印刷の実行された印刷ジョブを投入したユーザを前記除外人物に登録し、その後、前記排紙部から印刷物がなくなった場合に該ユーザの除外人物の登録を削除する
ことを特徴とする請求項2に記載のジョブ処理装置。
【請求項5】
外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷を行う前記ジョブ実行部としての印刷部と、前記印刷部が印刷出力した印刷物が排紙部に存在するか否かを検出する印刷物検出部とを備え、
前記特定状態は、前記印刷物検出部が印刷物を検出している状態であり、
前記制御部は、前記受信部で受信して前記印刷部で印刷の実行された印刷ジョブを投入したユーザを前記除外人物に登録し、その後、このユーザが自装置に接近して離れたことが検出されかつこのとき前記排紙部から印刷物がなくなった場合に該ユーザの除外人物の登録を削除する
ことを特徴とする請求項2に記載のジョブ処理装置。
【請求項6】
前記人物特定部は、接近してきた人物が保持する無線タグと通信して該無線タグに記憶されている識別情報に基づいて該人物を特定する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のジョブ処理装置。
【請求項7】
自装置の使用ユーザとして予め登録されていない人物は前記除外人物とする
ことを特徴とする請求項1に記載のジョブ処理装置。
【請求項8】
電源がオフしている端末装置のユーザは前記除外人物とする
ことを特徴とする請求項1に記載のジョブ処理装置。
【請求項9】
外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、
前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷を行う印刷部と、
自装置の動作モードを、通常モードと、該通常モードより消費電力の少ない省電力モードに切り替える制御部と、
ユーザからジョブの設定に係る操作を受ける操作部と、
人物の接近を検知する検知部と、
を有し、
前記制御部は、
省電力モード中に前記操作部がユーザから操作を受けた場合は、省電力モードを解除して通常モードに切り替え、
省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合は、前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷が終了してから所定時間が経過したか否かを判定し、経過後の場合は省電力モードを解除して通常モードに切り替え、経過前は該人物の接近により省電力モードを解除しない
ことを特徴とする印刷処理装置。
【請求項10】
前記印刷部が印刷出力した印刷物が排紙部に存在するか否かを検出する印刷物検出部を備え、
前記制御部は、省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合に、前記印刷物検出部が印刷物を検出していないときは省電力モードを解除して通常モードに切り替え、前記印刷物検出部が印刷物を検出しているときは前記判定を行って省電力モードを解除するか否かを制御する
ことを特徴とする請求項9に記載の印刷処理装置。
【請求項11】
外部装置から印刷ジョブを受信する受信部と、
前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷を行う印刷部と、
自装置の動作モードを、通常モードと、該通常モードより消費電力の少ない省電力モードに切り替える制御部と、
ユーザからジョブの設定に係る操作を受ける操作部と、
人物の接近を検知する検知部と、
を有し、
前記制御部は、
省電力モード中に前記操作部がユーザから操作を受けた場合は、省電力モードを解除して通常モードに切り替え、
省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合は、接近状態の継続時間を計測し、該継続時間が所定時間を越えた場合は省電力モードを解除して通常モードに切り替え、前記継続時間が所定時間を越える前は該人物の接近により省電力モードを解除しない
ことを特徴とする印刷処理装置。
【請求項12】
前記印刷部が印刷出力した印刷物が排紙部に存在するか否かを検出する印刷物検出部を備え、
前記制御部は、省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合に、前記印刷物検出部が印刷物を検出していないときは省電力モードを解除して通常モードに切り替え、前記印刷物検出部が印刷物を検出しているときは前記継続時間に基づいて省電力モードを解除するか否かを制御する
ことを特徴とする請求項11に記載の印刷処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、省電力モード中に前記検知部によって人物の接近が検知された場合に、前記受信部で受信した印刷ジョブに関する印刷が終了してから所定時間が経過したか否かを判定し、経過後の場合は省電力モードを解除して通常モードに切り替え、経過前の場合は前記継続時間に基づいて省電力モードを解除するか否かを制御する
ことを特徴とする請求項11または12に記載の印刷処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−55618(P2013−55618A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194321(P2011−194321)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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