説明

ジョブ設定登録装置および画像処理装置

【課題】複数のジョブが実行中であるときに、これら複数のジョブのそれぞれのジョブ設定の中から登録されるべきジョブ設定の選択指示を受け付け、この選択されたジョブ設定を登録するジョブ登録装置および画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置1は、並行に実行中の複数のジョブの中から、呼び出して再設定可能な登録ジョブ設定として登録するジョブ設定を選択するための選択指示を受け付け、選択されたジョブ設定を不揮発メモリ16に記憶させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実行中のジョブのジョブ設定を登録するジョブ設定登録装置および画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機能などを有する画像処理装置においては、例えば、コピー倍率、用紙サイズ、コピー部数などのコピー条件をジョブ設定として設定し、このジョブ設定を有するジョブを実行することで、所望のコピー動作が行われる。
【0003】
また、一度に1のジョブのみを実行する、所謂、シングルジョブのみ対応の画像処理装置の中には、ユーザによって頻繁に使用されるジョブ設定をジョブ実行毎に一から行う手間を省くために、ジョブ実行中に当該ジョブのジョブ設定を登録するものがある。この画像処理装置によれば、登録されたジョブ設定を呼び出すだけで、当該ジョブを実行することができる。また、実行中のジョブが1つのみなので、登録されるべきジョブ設定を容易に特定することができ、当該ジョブのジョブ設定を簡単な操作で登録することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−24511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、一度に複数のジョブを実行することができる、所謂、マルチジョブ対応の画像処理装置が主流となっている。このマルチジョブ対応の画像処理装置では、あるジョブが実行されている間に、他のジョブが入力され、実行されることが可能である。従って、マルチジョブ対応の画像処理装置では、実行中のジョブが複数存在する場合がある。シングルジョブのみ対応の画像処理装置で実行される上記ジョブ設定登録がそのままマルチジョブ対応の画像処理装置に採用されると、実行中のジョブが複数あるので、これら複数のジョブのジョブ設定から登録されるべきジョブ設定を容易に特定することができなかった。
【0006】
また、マルチジョブ対応の画像処理装置では、複数のジョブのうちほとんどのジョブ(例えば、入力された複数のジョブのうち最新のジョブ以外)はバックグランドで実行されることが多い。しかしながら、上記のようなジョブ設定登録では、バックグランドで実行されているジョブのジョブ設定を登録ジョブ設定として登録することは想定されていない。従って、ジョブがバックグランドで実行されてしまうと、当該ジョブのジョブ設定を登録ジョブ設定として登録することはできなかった。
【0007】
本発明は、複数のジョブが実行中であるときに、これら複数のジョブのそれぞれのジョブ設定の中から登録されるべきジョブ設定の選択指示を受け付け、この選択されたジョブ設定を登録するジョブ設定登録装置および画像処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0009】
[1]所定の画像処理装置で並行に実行中の複数のジョブのジョブ設定の中から、呼び出して再設定可能な登録ジョブ設定として登録するジョブ設定を選択するための選択指示を受け付けるジョブ設定選択受付部と、
前記ジョブ設定選択受付部によって受け付けられた前記選択指示に基づいて、前記選択されたジョブ設定を前記登録ジョブ設定として記憶する登録ジョブ設定記憶部と、
を有する
ことを特徴とするジョブ設定登録装置。
【0010】
上記発明では、ジョブ設定選択受付部が、実行中の複数のジョブのジョブ設定の中から、登録ジョブ設定として登録するジョブ設定を選択するための選択指示を受け付け、登録ジョブ設定記憶部が、前記選択指示に基づいて、前記選択されたジョブ設定を前記登録ジョブ設定として記憶する。これにより、ユーザは、これら実行中の複数のジョブのジョブ設定の中から登録されるべきジョブ設定を選択し、この選択されたジョブ設定を登録することができる。
【0011】
[2]さらに、表示部と、
前記ジョブ設定選択受付部が前記選択指示を受け付けるとき、ジョブ設定を選択するための選択情報を表示するように前記表示部を制御する表示制御部と、
を有する
ことを特徴とする[1]に記載のジョブ設定登録装置。
【0012】
ここで、選択情報とは、ジョブの仮名称、ジョブ設定そのもの、実行状態など、ジョブ設定を選択するために、当該ジョブ設定を特定することができる情報のことを言う。
【0013】
[3]前記複数のジョブのうち少なくとも1のジョブは、原稿を光学的に読み取るスキャン動作を伴うジョブであって、
前記表示制御部は、前記スキャン動作が実行される間、前記スキャン動作を伴う1のジョブのジョブ設定を登録するための登録ボタンを表示するように前記表示部を制御し、
前記ジョブ設定選択受付部は、前記登録ボタンが押下されることによって、前記選択指示を受け付ける
ことを特徴とする[2]に記載のジョブ設定登録装置。
【0014】
上記発明では、実行中のジョブが原稿のスキャン動作を伴うジョブである場合、このスキャン動作中に、表示部に当該ジョブのジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するための登録ボタンが表示され、この登録ボタンを押下することにより、当該ジョブ設定が登録される。これにより、スキャン動作中のジョブのジョブ設定を簡単な操作で登録ジョブ設定として登録することができる。
【0015】
スキャン動作を伴うジョブとは、例えば、原稿をスキャンすることによって当該原稿の画像データを取得し、その画像データに基づいて当該原稿をコピーするためのジョブなど、実行中に原稿のスキャン動作を必要とするジョブのことである。
【0016】
[4]前記複数のジョブのうち少なくとも1のジョブは、原稿を光学的に読み取るスキャン動作を伴うジョブであって、
前記ジョブ設定選択受付部は、少なくとも前記スキャン動作が完了してから前記スキャン動作を伴う1のジョブが完了するまでの間に、前記1のジョブに関する選択情報を表示するための表示指示を受け付け、
前記表示制御部は、前記表示指示に基づいて、前記1のジョブに関する選択情報を表示するように前記表示部を制御し、
前記登録ジョブ設定記憶部は、前記ジョブ設定選択受付部が、前記表示部によって表示された前記1のジョブに関する選択情報から前記1のジョブを選択する旨の選択指示を受け付けたとき、前記1のジョブのジョブ設定を前記登録ジョブ設定として記憶する
ことを特徴とする[2]または[3]に記載のジョブ設定登録装置。
【0017】
上記発明では、実行中のジョブがスキャン動作を伴うジョブである場合、このスキャン動作が完了してから当該ジョブが完了するまでの間に、このジョブに関する選択情報を表示部に表示させ、表示された選択情報から当該ジョブを選択することにより、当該ジョブのジョブ設定が登録ジョブ設定として登録される。これにより、スキャン動作が完了し、その後の動作がバックグランドで実行されているジョブのジョブ設定を登録ジョブ設定として登録することができる。
【0018】
[5]前記登録ジョブ設定として登録されることが禁止されるジョブ設定か否かを判定し、禁止されると判定したジョブ設定を前記登録ジョブ設定として登録することを禁止するジョブ設定登録判定部をさらに有する
ことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1項に記載のジョブ設定登録装置。
【0019】
[6]前記表示制御部は、前記画像処理装置が新たなジョブを受け付け可能な状態であるときに、実行中のジョブのジョブ設定を前記登録ジョブ設定として登録することを促す旨を表示するように前記表示部を制御する
ことを特徴とする[2]乃至[4]のいずれか1項に記載のジョブ設定登録装置。
【0020】
[7]前記登録ジョブ設定記憶部は、実行中のジョブのジョブ設定に対する前記選択指示を前記ジョブ設定選択受付部が受け付けていない状態で前記ジョブがバックグランドで実行されるとき、前記ジョブのジョブ設定を仮登録ジョブ設定として記憶し、
前記仮登録ジョブ設定として記憶されたジョブ設定を有するジョブが、前記記憶されてから所定期間経過前に、前記登録ジョブ設定記憶部から呼び出されることによって実行された場合、前記ジョブ設定を前記登録ジョブ設定として記憶し、
前記仮登録ジョブ設定として記憶されたジョブ設定が、前記所定期間経過前に、前記登録ジョブ設定記憶部から呼び出されることによって実行されなかった場合、前記ジョブ設定を消去する
ことを特徴とする[1]乃至[6]のいずれか1項に記載のジョブ設定登録装置。
【0021】
[8][1]乃至[7]のいずれか1項に記載のジョブ設定登録装置と、
複数のジョブを並行に実行可能なジョブ実行部と、
を有し、
前記ジョブ実行部は、前記登録ジョブ設定を前記登録ジョブ設定記憶部から呼び出すことで、前記登録ジョブ設定を再設定して、ジョブを実行する
ことを特徴とする画像処理装置。
【0022】
上記発明では、マルチジョブ対応の画像処理装置においても、ユーザは、同一のジョブが実行されるごとに一から当該ジョブ設定を行う手間を省くことができる。
【0023】
[9]前記ジョブ実行部は、原稿をスキャンすることによって取得された当該原稿の画像データに基づいて当該原稿をコピーするためのコピー機能と、外部の装置から送信された画像データに基づいて画像を印刷するための印刷機能と、原稿をスキャンすることによって取得された当該原稿の画像データを送信するためのファクシミリ機能のうち2以上の機能を有する
ことを特徴とする[8]に記載の画像処理装置。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るジョブ設定登録装置および画像処理装置によれば、複数のジョブが実行中であるときに、これら複数のジョブのそれぞれのジョブ設定の中から登録されるべきジョブ設定の選択指示を受け付け、この選択されたジョブ設定を登録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】画像処理装置において実行中のジョブのジョブ設定を登録するためのジョブ設定登録操作に関するフローチャートである。
【図3】入力ジョブのジョブ設定が登録ジョブ設定として登録されるまでの操作表示部に表示される表示画面の変化を示す説明図である。
【図4】入力ジョブのジョブ設定が登録ジョブ設定として登録されるまでの操作表示部に表示される表示画面の変化を示す説明図である。
【図5】入力ジョブのジョブ設定がすでに登録済みである場合の操作表示部に表示される表示画面の変化を示す説明図である。
【図6】画像処理装置に入力されるジョブ「Job1」から「Job4」までのそれぞれの状態(ステータス)を時系列で示したタイムチャートである。
【図7】ジョブ「Job1」が実行中であるときに、ジョブ「Job2」が画像処理装置に入力され、ジョブ「Job2」のジョブ設定が登録ジョブ設定として登録される場合における操作表示部に表示される表示画面の変化を示す説明図である。
【図8】ジョブ「Job2」およびジョブ「Job3」が実行中である場合のジョブに関する選択情報のリストを示す画面例である。
【図9】ジョブ「Job3」およびジョブ「Job4」が実行中である場合のジョブに関する選択情報のリストを示す画面例である。
【図10】登録ジョブ設定として登録されるべきジョブ設定の登録名およびアイコンの設定操作に関するフローチャートである。
【図11】(a)は、登録されるべきジョブ設定の登録名およびアイコンを設定するための画面例であり、(b)は、ジョブ設定で使用されるパラメータと、当該パラメータに対応する登録名候補およびアイコン候補を表す表である。
【図12】登録ジョブ設定を呼び出すことで再設定するためのプログラムボタンの表示位置を設定するためのプログラムボタン表示位置設定に関するフローチャートである。
【図13】新規のプログラムボタンが追加される前と追加された後の操作表示部に表示される表示画面を示す説明図である。
【図14】通常モードとプログラムボタン編集モードとの間の移行を示す説明図である。
【図15】登録ジョブ設定を呼び出すことで再設定するためのプログラムボタンを削除するプログラムボタン削除処理に関するフローチャートである。
【図16】プログラムボタン編集モードでプログラムボタンが削除されるまでの操作表示部に表示される表示画面の変化を示す説明図である。
【図17】登録ジョブ設定に対応するプログラムボタンを押下することによって登録ジョブ設定を呼び出して再設定し、ジョブを実行するためのジョブ実行操作に関するフローチャートである。
【図18】ジョブ実行操作によってジョブが実行される場合の操作表示部に表示される表示画面の変化を示す説明図である。
【図19】変形例1に係る、ジョブ「Job1」が実行中であるときに操作表示部に表示される表示画面の変化を示す説明図である。
【図20】変形例2に係る、ジョブ「Job1」が実行中であるときに、ジョブ「Job2」が画像処理装置に入力される場合における操作表示部に表示される表示画面の変化を示す説明図である。
【図21】変形例3に係る、ジョブ「Job1」のジョブ設定が仮登録されるときに操作表示部に表示される表示画面の変化を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置(MFP)1の概略構成を示すブロック図である。画像処理装置1は、この画像処理装置1の動作を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)10と、このCPU10に接続されたROM(Read Only Memory)11と、RAM(Random Access Memory)12と、画像読取部13と、プリンタ部14と、画像処理部15と、不揮発メモリ16と、自動原稿搬送部(ADF)17と、ファクシミリ通信部18と、ネットワーク通信部19と、操作表示部20とを備えている。
【0028】
CPU10は、OS(Operating System)プログラムをベースとし、その上で、ミドルウェアやアプリケーションプログラムなどを実行する。また、CPU10は、後述する画像処理装置1において実行中のジョブのジョブ設定を登録するためのジョブ設定登録操作に関する制御を実行する。
【0029】
ROM11には、各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPU10が各種処理を実行することで画像処理装置1の各機能が実現される。また、ROM11には、後述する実行中のジョブのジョブ設定を登録するためのジョブ設定登録操作に関する制御を実行するためのプログラムが格納される。
【0030】
RAM12は、CPU10がプログラムに基づいて処理を実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや画像データを格納する画像メモリなどとして使用される。
【0031】
画像読取部13は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能、すなわち、スキャン機能を果たす。画像読取部13は、例えば、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に順次移動させる移動ユニットと、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーなどからなる光学経路と、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する変換部などを備える。
【0032】
プリンタ部14は、画像データに応じた画像を記録紙上に画像形成する機能、すなわち、印刷機能を果たす。ここでは、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有し、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂、レーザープリンタとして構成されている。画像形成は他の方式でもかまわない。
【0033】
画像処理部15は、画像の拡大縮小、回転などの処理のほか、印刷データをイメージデータに変換するラスタライズ処理、画像データの圧縮、伸張処理などを行う。
【0034】
不揮発メモリ16は、電源をオフにしても記憶内容が破壊されないメモリ(フラッシュメモリ)であり、各種設定情報の記憶などに使用される。また、不揮発メモリ16に、実行中のジョブのジョブ設定が登録ジョブ設定として登録される場合、このジョブ設定が記憶される。
【0035】
自動原稿搬送部(ADF)17は、原稿台にセットされた原稿をその最上のものから1枚ずつ順に繰り出して搬送し、画像読取部13の読み取り位置を通過させて所定の排紙位置へ排紙する機能を果たす。
【0036】
ファクシミリ通信部18は、ファクシミリ機能を備えた外部装置と公衆回線を通じて画像データを送受信する。
【0037】
ネットワーク通信部19は、LAN(Local Area Network)などのネットワークを通じて端末装置やその他の外部装置との間でデータを通信する。
【0038】
操作表示部20は、ディスプレイ部20aと、タッチセンサ部20bとを備える。ディスプレイ部20aは、液晶ディスプレイ(LCD…Liquid Crystal Display)などで構成され、各種の操作画面、設定画面などを表示する機能を果たす。また、ディスプレイ部20aには、画像処理装置1にジョブを入力し、当該ジョブのジョブ設定を登録するための設定画面を表示する。
【0039】
タッチセンサ部20bは、ディスプレイ部20aの画面上に設けられており、タッチペンや指などで画面を押下することにより画像処理装置1にジョブ設定をし、登録するためのタッチパネルなどを備える。また、操作表示部20は、その他、画像処理装置1に対する操作入力のためのハードキーなどを有する。
【0040】
図2は、画像処理装置1において実行中のジョブのジョブ設定を登録するためのジョブ設定登録操作に関するフローチャートである。このフローチャートには、主に、登録ジョブ設定として登録されるジョブ設定がスキャン動作を伴うジョブのジョブ設定である場合についてのジョブ設定登録操作が示されている。スキャン動作を伴うジョブとは、例えば、原稿をスキャンすることによって当該原稿の画像データを取得し、その画像データに基づいて当該原稿をコピーするためのジョブなど、実行中に原稿のスキャン動作を必要とするジョブのことである。
【0041】
登録ジョブ設定とは、不揮発メモリ16等に記憶されたジョブ設定であって、この記憶されたジョブが不揮発メモリ16等から呼び出されることによって再設定されることが可能なジョブ設定をいう。
【0042】
まず、ジョブが画像処理装置1に入力されるとき、CPU10は、入力されたジョブのジョブ設定が、登録ジョブ設定として登録されることが可能なジョブ設定であるか、あるいは、登録ジョブ設定として登録されることが禁止されているジョブ設定かを判断する(ステップS101)。画像処理装置1に入力されるジョブには、操作表示部20から入力されるジョブや、あるいは、外部のPC等からネットワーク通信部19を介して入力されるジョブなどがある。
【0043】
CPU10は、入力されたジョブの設定が登録ジョブ設定として登録されることが禁止されるジョブ設定であると判断した場合(ステップS101;No)、ディスプレイ部20aには、このジョブ設定を登録ジョブ設定として登録することはできないという旨が表示される(ステップS102)。その後、このジョブ設定についてのジョブ設定登録操作に関する制御は終了する。
【0044】
登録ジョブ設定として登録されることが禁止されるジョブ設定としては、例えば、外部のPC等から送信された文書データ等の印刷に関するジョブのジョブ設定などのように、外部の装置からネットワーク通信部19を介して入力されたジョブのジョブ設定などがある。外部の装置から入力されたジョブのジョブ設定は、操作表示部20から入力されたジョブのジョブ設定と異なり、外部の装置独自のパラメータを使用していることが多い。外部の装置から入力されたジョブのジョブ設定が不揮発メモリ16に記憶されても、通常、画像処理装置1は当該ジョブのパラメータを使用することができないので、外部の装置から入力されたジョブの設定が登録ジョブ設定として登録されることが禁止されている。
【0045】
入力されたジョブのジョブ設定が登録ジョブ設定として登録されることが可能であるジョブ設定であるとCPU10が判断した場合(ステップS101;Yes)、CPU10は、当該ジョブ設定がすでに不揮発メモリ16に記憶されているか、すなわち、当該ジョブ設定が登録ジョブ設定として登録済みであるか否かを判断する(ステップS103)。
【0046】
当該ジョブ設定が登録ジョブ設定として登録済みであるとCPU10が判断した場合(ステップS103;Yes)、このジョブ設定は登録ジョブ設定として登録済みである旨のメッセージがディスプレイ部20aに表示される(ステップS104)。その後、このジョブ設定についてのジョブ設定登録操作に関する制御は終了する。
【0047】
また、ジョブ設定が登録ジョブ設定として登録されていないとCPU10が判断した場合(ステップS103;No)、ステップS105へ進む。ステップS105では、画像処理装置1に入力されたジョブがスキャン動作を伴うジョブである場合、CPU10は、このスキャン動作が完了しているか否かを判断する。
【0048】
スキャン動作が完了していないとCPU10が判断した場合(ステップS105;No)、ディスプレイ部20aには、このスキャン動作が実行中である旨のメッセージが表示され、さらに、このスキャン動作を伴うジョブのジョブ設定を登録ジョブ設定として登録することを促す旨が表示される(ステップS107)。このとき、このスキャン動作を伴うジョブのジョブ設定を登録するためのジョブ設定登録ボタン36(図3(c)参照)がディスプレイ部20aに表示される。このとき、タッチセンサ部20bは、ジョブ設定登録ボタン36が押下されることによって、当該ジョブ設定を登録ジョブ設定として登録する旨のユーザからの指示を受け付ける。
【0049】
タッチセンサ部20bがこのジョブ設定登録ボタン36の押下を検出したとCPU10が判断した場合(ステップS108;Yes)、このジョブ設定の登録名、アイコンなどが設定され、当該ジョブ設定が、このジョブ設定の登録名やアイコンなどの関連登録情報とともに不揮発メモリ16に記憶される(ステップS109)。このことにより、このジョブ設定が登録ジョブ設定として登録され、このジョブ設定についてのジョブ設定登録操作に関する制御は終了する。
【0050】
タッチセンサ部20bがジョブ設定登録ボタン36の押下を検出しないとCPU10が判断する場合(ステップS108;No)、再びステップS105へ戻る。そして、このスキャン動作が完了するまで、ディスプレイ部20aには、このスキャン動作が実行中である旨のメッセージが表示され、さらに、このスキャン動作を伴うジョブのジョブ設定を登録ジョブ設定として登録することを促す旨が表示される(ステップS107)。さらに、CPU10は、ジョブ設定登録ボタン36が押下されたか否かを監視する。
【0051】
ジョブ設定が登録されない状態で、スキャン動作が完了した場合(ステップS105;Yes)、ディスプレイ部20aでは、スキャン動作が実行中である旨のメッセージが消え、新たなジョブを入力するための画面に戻る(ステップS106)。このとき、スキャン動作が完了したジョブについては、バックグランドで、例えば、当該スキャン動作によって取得された画像データに基づいて画像を印刷する印刷動作などが実行される。
【0052】
新たなジョブを入力するための画面に戻ると、タッチセンサ部20bがバックグランドで実行されているジョブを表示するためのリストボタン40(図4(c)参照)の押下を検出したか否かをCPU10が判断する(ステップS110)。このとき、タッチセンサ部20bは、リストボタン40が押下されることによって、バックグランドで実行されているジョブに関する情報を表示する旨のユーザからの指示を受け付ける。
【0053】
タッチセンサ部20bがリストボタン40の押下を検出していないとCPU10が判断すると(ステップS110;No)、バックグランドで実行されているジョブが完了したか否かをCPU10が判断する(ステップS112)。当該ジョブが完了していないことをCPU10が判断すると(ステップS112;No)、再びステップS110へ戻り、当該ジョブが完了するまで、CPU10は、リストボタン40が押下されたか否かを監視する。
【0054】
タッチセンサ部20bがリストボタン40の押下を検出せずにバックグランドで実行されているジョブが完了すると(ステップS112;Yes)、このジョブのジョブ設定が登録ジョブ設定として登録されずに、このジョブ設定についてのジョブ設定登録操作に関する制御は終了する。
【0055】
また、バックグランドで実行されているジョブが完了する前に、タッチセンサ部20bがリストボタン40の押下を検出したとCPU10が判断すると(ステップS110;Yes)、ディスプレイ部20aに実行中のジョブに関する選択情報がリストとして表示され、さらに、この実行中のジョブのジョブ設定を登録ジョブ設定として登録することを促す旨が表示される(ステップS111)。このとき、タッチセンサ部20bは、バックグランドで実行されているジョブの設定を登録ジョブ設定として登録するために当該ジョブに関する選択情報の選択を受け付ける。
【0056】
タッチセンサ部20bがこのリストに表示されている選択情報の選択を検出したことをCPU10が判断すると(ステップS113;Yes)、ステップS109へ進む。このとき、登録されるジョブ設定の登録名、アイコンなどが設定され、当該ジョブ設定が、このジョブ設定の登録名やアイコンなどの関連登録情報とともに不揮発メモリ16に記憶される。このことにより、このジョブ設定が登録ジョブ設定として登録され、このジョブ設定についてのジョブ設定登録操作に関する制御は終了する。
【0057】
タッチセンサ部20bがリストに表示されている選択情報の選択を検出していないことをCPU10が判断する場合(ステップS113;No)、当該ジョブが完了したか否かをCPU10が判断する(ステップS114)。当該ジョブが完了していないことをCPU10が判断すると(ステップS114;No)、再びステップS113へ戻り、当該ジョブが完了するまで、タッチセンサ部20bは、バックグランドで実行されているジョブに関する選択情報の選択を受け付ける。
【0058】
また、リストに表示されているジョブのジョブ設定が登録されずに当該ジョブが完了すると(ステップS114;Yes)、このジョブ設定が登録ジョブ設定として登録されずに、このジョブ設定についてのジョブ設定登録操作に関する制御は終了する。
【0059】
図3(a)から(f)は、入力ジョブのジョブ設定が登録ジョブ設定として登録されるまでのディスプレイ部20aに表示される表示画面の変化を示す説明図である。具体的には、図3(a)から(f)では、原稿をスキャンすることによって当該原稿の画像データを取得し、この画像データに基づいて当該原稿をコピーするためのジョブのジョブ設定が、当該原稿のスキャン動作中に登録ジョブ設定として登録される場合の表示画面の変化が示されている。
【0060】
図3(a)では、画像処理装置1の各種機能(コピー機能、ファクシミリ機能など)のうち、入力されるべきジョブを実行するために利用される1の機能を選択するための表示画面(ホーム画面)が示されている。この表示画面には、ディスプレイ部20aの表示画面をホーム画面に戻すためのホームボタン29、メッセージ欄30、リストボタン40、さまざまなファンクションボタンなどが表示されている。メッセージ欄30には、ファンクションボタンを選択する旨のメッセージが表示されている。ファンクションボタンには、コピーボタン31、ファックスボタン32、メールボタン33、フォルダーボタン34があり、これらのボタンのうち1のボタンを押下することによって、押下されたボタンに対応する機能が利用される。
【0061】
コピーボタン31が押下されると、図3(b)のように、コピーに関するジョブを入力するための画面が表示される。この画面には、カラー設定ボタン31a、記録紙サイズ設定ボタン31b、倍率設定ボタン31c、片面・両面設定ボタン31dなど、コピーに関する各種設定ボタンが表示される。この画面を通じて、コピーに関するジョブの各種パラメータが、上記各種設定ボタンを使用することによって設定される。図3(b)では、両面印刷された2枚の原稿がコピーされるときに、コピー部数100、2In1(2ページ分の画像データを1枚の記録紙に印刷することを意味する)、2→1(両面印刷された原稿を記録紙の片面に印刷することを意味する)がパラメータとしてユーザによって設定される。残りのパラメータについては、画像処理装置1で予め設定されたデフォルト値(例えば、A4サイズの記録紙への印刷、等倍印刷など)が使用される。
【0062】
図3(b)に示された画面でジョブのさまざまなパラメータが設定され、画像処理装置1の原稿台に原稿がセットされた状態で、スタートボタン35が押下されると、画像読取部13による原稿のスキャン動作が開始され、図3(c)のような画面が表示される。
【0063】
図3(c)に示される画面では、原稿のスキャン動作が実行中である旨のメッセージがメッセージ欄30に表示される。さらに、図3(c)の画面では、図3(b)の画面で設定されたジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するためのジョブ設定登録ボタン36が表示される。このジョブ設定登録ボタン36には、このボタン36を押下することによって登録されるジョブ設定は最新のジョブ設定(current setting)である旨のメッセージなど、このボタン36を押下することによって登録されるジョブ設定を特定するための情報、すなわち、ジョブ設定に関する情報が表示されている。また、ジョブ設定登録ボタン36は、ユーザに、当該ジョブ設定を登録ジョブ設定として登録することを促す役割を果たす。当該ジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するために、このジョブ設定登録ボタン36が、スキャン動作が実行されている間に押下されると、図3(d)のような画面が表示される。
【0064】
図3(d)には、登録されるべきジョブ設定の登録名およびアイコンを設定するための表示画面が示されている。登録されるべきジョブ設定の登録名については、通常、当該ジョブ設定を連想させるような名称などが登録名として設定される。例えば、ジョブ入力時に、2In1や2→1がパラメータとして設定された場合、図3(d)のように、当該ジョブ設定の登録名が「2In1 2−Sided」と設定されてもよい。また、アイコンは任意に設定されてもよい。しかしながら、ユーザ別にアイコンが設定されると、それぞれ登録されたジョブ設定がどのユーザによって設定されたものなのかを簡単に認識することができる。図3(d)に示された画面のOKボタン37が押下されることによって、ジョブ設定の登録名およびアイコンが決定されると、図3(e)のような画面が表示される。
【0065】
図3(e)に示された画面では、図3(b)の画面で設定されたジョブ設定が、図3(d)の画面で設定された当該ジョブ設定の登録名およびアイコンとともに、登録ジョブ設定として登録された旨のメッセージが表示される。ジョブ設定が登録されたことが確認された上で、図3(e)に示された画面のOKボタン38が押下されると、図3(b)の画面が表示される。
【0066】
さらに、図3(b)の画面に表示されているホームボタン29が押下されると、図3(f)に示されているホーム画面が表示される。
【0067】
図3(f)の画面では、図3(a)で表示された各種ボタンの他に、一連のジョブ設定登録操作によって登録された登録ジョブ設定を呼び出すことで再設定するためのプログラムボタン39が追加される。このプログラムボタン39には、図3(d)の画面で設定された登録名やアイコンが表示されている。
【0068】
ジョブ設定が登録ジョブ設定として登録された後、再び同一のジョブ設定を有するジョブが実行されるときにユーザがこのプログラムボタン39を押下することによって、登録ジョブ設定が不揮発メモリ16から呼び出される。このことにより、同一のジョブが実行されるごとに、ユーザが一から当該ジョブ設定を行う手間を省くことができる。
【0069】
図4(a)から(f)は、入力ジョブのジョブ設定が登録ジョブ設定として登録されるまでのディスプレイ部20aに表示される表示画面の変化を示す説明図である。具体的には、図4(a)から(f)では、原稿をスキャンすることによって当該原稿の画像データを取得し、この画像データに基づいて当該原稿をコピーするためのジョブのジョブ設定が登録ジョブ設定として登録される場合の表示画面の変化であって、この原稿のスキャン動作完了後で、ジョブ完了前に当該ジョブの設定が登録される場合における表示画面の変化が示されている。
【0070】
図4(a)では、コピーに関するジョブを入力するための画面が示されている。図4(b)に示される画面では、原稿のスキャン動作中に、入力されたジョブのジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するためのジョブ設定登録ボタン36が表示される。なお、図4(a)の画面に入力されたジョブは、図3(b)の画面に入力されたジョブと同一である。図4(a)および図4(b)は、図3(b)および図3(c)とそれぞれ同一である。また、図4(a)および図4(b)に関する説明も、図3(b)および図3(c)に関するものと同一であるので、図4(a)および図4(b)に関する詳細な説明を省略する。
【0071】
図4(b)の画面にジョブ設定登録ボタン36が表示された状態で、ジョブ設定登録ボタン36が押下されずに原稿のスキャン動作が完了した場合、図4(c)のように新たなコピーに関するジョブを入力するための画面が表示される。このとき、スキャン動作が完了したジョブについては、バックグランドで印刷動作などが実行されている。
【0072】
このジョブがバックグランドで実行されている状態で、図4(c)の画面に表示されているリストボタン40が押下されると、図4(d)に示される表示画面が表示される。
【0073】
図4(d)の画面では、画像処理装置1において実行中のジョブに関する選択情報がリストとして表示される。このリストでは、実行中のジョブの仮名称、状態(ステイタス)などの情報が表示される。さらに、実行中のジョブのジョブ設定が登録ジョブ設定として登録可能か否かについて表示される。図4(d)のリストに表示されているジョブに関する選択情報については、ジョブの仮名称が「Job1」であり、現在のジョブの状態が印刷動作中(Printing)である。ジョブ設定の登録可否については、当該ジョブ設定は登録可能(Yes)である。また、図4(d)の画面中のメッセージ欄30には、実行中のジョブのジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するために、リストに表示されているジョブに関する選択情報を選択することを促す旨のメッセージが表示される。図4(d)の画面でジョブ「Job1」が選択されると、図4(e)に示される表示画面が表示される。
【0074】
図4(e)では、図3(c)と同様に、ジョブ「Job1」のジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するためのジョブ設定登録ボタン36が表示される。このジョブ設定登録ボタン36が、ジョブ「Job1」が実行されている間に押下されると、図4(f)のような画面が表示される。
【0075】
図4(f)は、登録ジョブ設定の登録名およびアイコンを設定するための表示画面が示されている。図4(f)は、図3(d)とほぼ同様である。また、図4(f)に関する説明も、図3(d)に関するものと同一であるので、図4(f)に関する詳細な説明を省略する。
【0076】
ジョブ設定の登録名およびアイコンとともにジョブ設定が登録された後、ホームボタン29を押下することによりホーム画面がディスプレイ部20aに表示されると、図3(f)と同様に、一連のジョブ設定登録操作によって登録された登録ジョブ設定を呼び出して再設定するためのプログラムボタン39がホーム画面に追加される。
【0077】
このように、ジョブがバックグランドで実行されることになっても、当該ジョブのジョブ設定を登録ジョブ設定として登録することができる。
【0078】
図5(a)から(c)は、入力ジョブのジョブ設定がすでに登録済みである場合のディスプレイ部20aに表示される表示画面の変化を示す説明図である。具体的には、図5(a)から(c)では、原稿をスキャンすることによって当該原稿の画像データを取得し、この画像データに基づいて当該原稿をコピーするためのジョブのジョブ設定が、すでに登録ジョブ設定として登録済みである場合の表示画面の変化が示されている。
【0079】
図5(a)では、画像処理装置1の各種機能(コピー機能、ファクシミリ機能など)のうち、入力されるべきジョブを実行するために利用される1の機能を選択するための表示画面(ホーム画面)が示されている。図5(b)では、コピーに関するジョブを入力するための画面が示されている。なお、図5(b)の画面に入力されたジョブについては、図3(b)の画面で入力されたジョブと同一である。図5(a)および図5(b)は、図3(a)および図3(b)とそれぞれ同一である。また、図5(a)および図5(b)に関する説明も、図3(b)および図3(c)に関するものと同一であるので、図5(a)および図5(b)に関する詳細な説明を省略する。
【0080】
図5(b)の画面に入力されたジョブのジョブ設定が、すでに登録ジョブ設定として登録されている場合、すなわち、図5(b)の画面で設定されたジョブのパラメータが、登録ジョブ設定として不揮発メモリ16に記憶されている何れかのジョブ設定の各パラメータと完全に同一である場合、図5(c)のような画面が表示される。
【0081】
図5(c)では、メッセージ欄50に、実行中のジョブのジョブ設定はすでに登録ジョブ設定として登録済みである旨のメッセージが表示される。その後、ディスプレイ部20aには、図5(b)のようなコピーに関するジョブを入力するための画面や、図5(a)のようなホーム画面などが表示され、この実行中のジョブのジョブ設定についてのジョブ設定登録操作に関する制御は終了する。
【0082】
次に、画像処理装置1において1以上のジョブが実行中であるときに、他のジョブが画像処理装置1に入力される場合のジョブ登録操作について説明する。
【0083】
図6は、画像処理装置1に入力されるジョブ「Job1」から「Job4」までのそれぞれの状態(ステータス)を時系列で示したタイムチャートである。後述する複数の実行中のジョブの中から1以上のジョブのジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するためのジョブ設定登録操作に関する説明の中で、画像処理装置1に入力されるジョブの例として、図6に示されたジョブ「Job1」から「Job4」が使用される。
【0084】
ジョブ「Job1」は、コピーに関するジョブである。このジョブについては、両面印刷された2枚の原稿がコピーされるときに、パラメータとして、コピー部数100、2In1(2ページ分の画像データを1枚の記録紙に印刷することを意味する)、2→1(両面印刷された原稿を記録紙の片面に印刷することを意味する)が、ユーザによって操作表示部20で設定される。残りのパラメータについては、画像処理装置1で予め設定されたデフォルト値が使用される。また、ジョブ「Job1」のジョブ設定は、登録ジョブ設定として登録されることが可能である。
【0085】
ジョブ「Job2」は、コピーに関するジョブである。このジョブについては、片面印刷された10枚の原稿がコピーされるとき、パラメータとして、コピー部数20がユーザによって操作表示部20で設定される。残りのパラメータについては、画像処理装置1で予め設定されたデフォルト値が使用される。また、ジョブ「Job2」のジョブ設定は、登録ジョブ設定として登録されることが可能である。
【0086】
ジョブ「Job3」は、外部のPCから送信された文書データの印刷に関するジョブである。このジョブについては、10ページ分の文書データが印刷されるとき、パラメータとして、印刷部数20がユーザによって外部のPCで設定される。残りのパラメータについては、外部のPCで予め設定されたデフォルト値が使用される。また、ジョブ「Job3」は、外部のPCで入力されたジョブであるので、ジョブ「Job3」のジョブ設定は、登録ジョブ設定として登録されることが禁止されているジョブ設定である。
【0087】
ジョブ「Job4」は、ファクシミリ通信に関するジョブである。このジョブについては、10枚の原稿をスキャンすることによって、当該原稿の画像データをファクシミリ通信により送信される前に、パラメータとして、ある特定の宛先がユーザによって操作表示部20で設定される。残りのパラメータについては、画像処理装置1で予め設定されたデフォルト値が使用される。また、ジョブ「Job4」のジョブ設定は、登録ジョブ設定として登録されることが可能である。
【0088】
図6のタイムチャートにおいて、ジョブ「Job1」、「Job2」および「Job4」に記載されている”Scan Status”(スキャン状態)中の矢印は、それぞれのジョブのスキャン動作が実行されている期間を表す。ジョブ「Job1」、「Job2」および「Job3」に記載されている”Print Status”(印刷状態)中の矢印は、それぞれのジョブの印刷動作が実行されている期間を表す。ジョブ「Job3」に記載されている”PrintRx Status”中の矢印は、PCから画像データが画像処理装置1へ送信している期間を表す。ジョブ「Job4」に記載されている”FaxTx & Print Status”中の矢印は、スキャン動作によってスキャンされた原稿の画像データの送信が開始されてから、この画像データの送信結果が画像処理装置1に印刷されるまでの期間を表す。
【0089】
図7(a)から(f)は、ジョブ「Job1」が実行中であるときに、ジョブ「Job2」が画像処理装置1に入力され、ジョブ「Job2」のジョブ設定が登録ジョブ設定として登録される場合におけるディスプレイ部20aに表示される表示画面の変化を示す説明図である。
【0090】
図7(a)では、ジョブ「Job1」のスキャン動作が実行中であるときの表示画面が示されている。図7(a)に示される画面では、原稿のスキャン動作が実行中である旨のメッセージがメッセージ欄30に表示される。さらに、図7(a)の画面では、ジョブ「Job1」のジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するためのジョブ設定登録ボタン36が表示される。
【0091】
その後、ジョブ設定登録ボタン36が押下されずにジョブ「Job1」のスキャン動作が完了した場合、図7(b)のような、ホーム画面が表示される。このとき、スキャン動作が完了したジョブ「Job1」については、バックグランドで印刷動作が実行されている。ジョブ「Job1」がバックグランドで実行している間に、ジョブ「Job2」を入力するためにコピーボタン31が押下されると、図7(c)のようなコピーに関するジョブを入力するための画面が表示される。
【0092】
原稿が原稿台にセットされた上で、図7(c)の画面で、ジョブ「Job2」を実行するための必要なパラメータ(コピー部数20)が設定される。図7(c)のスタートボタン35が押下されると、画像読取部13による原稿のスキャン動作が開始され、図7(d)のような画面が表示される。
【0093】
図7(d)に示される画面では、ジョブ「Job2」のスキャン動作が実行中である旨のメッセージがメッセージ欄30に表示される。さらに、図7(d)の画面では、図7(c)の画面で設定されたジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するためのジョブ設定登録ボタン36が表示される。
【0094】
図7(d)に表示されるジョブ設定登録ボタン36を押下することによって、ジョブ「Job2」のジョブ設定が登録される。しかしながら、以下では、リストボタン40を押下することによって表示される実行中のジョブに関する選択情報のリストからジョブ「Job2」のジョブ設定を登録する方法について説明する。
【0095】
図7(d)の画面に表示されているリストボタン40が押下されると、図7(e)のように、実行中のジョブ「Job1」および「Job2」に関する選択情報がリストとして表示される。このリストには、ジョブ「Job1」の状態が印刷動作中(Printing)であり、ジョブ「Job1」のジョブ設定は登録可能(Yes)であることが表示されている。また、ジョブ「Job2」の状態はスキャン動作中であるが、ジョブ「Job1」の印刷動作が完了するまでジョブ「Job2」の印刷動作を実行することができないので、リストには、ジョブ「Job2」の状態は印刷待ち(Print Wait)であることが表示されている。さらに、リストには、ジョブ「Job2」のジョブ設定は登録可能(Yes)であることが表示されている。
【0096】
図7(f)の画面中のメッセージ欄30には、実行中の何れかのジョブのジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するために、リストに表示されているジョブに関する選択情報を選択することを促す旨のメッセージが表示される。図7(e)の画面でジョブ「Job2」が選択されると、図7(f)に示される表示画面が表示される。
【0097】
図7(f)では、図7(d)と同様に、ジョブ「Job2」のジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するためのジョブ設定登録ボタン36が表示される。このジョブ設定登録ボタン36が押下されると、ジョブ「Job2」のジョブ設定の登録名およびアイコンを設定するための画面(図3(d)参照)が表示される。ジョブ「Job2」のジョブ設定の登録名およびアイコンの設定後、ジョブ「Job2」のジョブ設定は登録ジョブ設定として登録される。
【0098】
バックグランドで実行中のジョブ「Job1」のジョブ設定の登録方法についても、同様に、上記リストからジョブ「Job1」が選択されると、ジョブ「Job1」のジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するためのジョブ設定登録ボタン36が表示される。そして、このジョブ設定登録ボタン36を押下し、ジョブ「Job1」のジョブ設定の登録名およびアイコンを設定することにより、ジョブ「Job1」のジョブ設定が登録される。これにより、バックグランドで実行中のジョブ「Job1」のジョブ設定を登録ジョブ設定として登録することができる。
【0099】
図8は、ジョブ「Job2」およびジョブ「Job3」が実行中である場合のジョブに関する選択情報のリストを示す画面例である。
【0100】
図8を参考に、ジョブ「Job2」のジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するためのジョブ設定登録ボタン36が押下されずにジョブ「Job2」のスキャン動作が完了した後、ジョブ「Job2」の印刷動作が実行中であるときに、ジョブ「Job3」が外部のPCから画像処理装置1に入力された場合のジョブ設定登録操作について説明する。
【0101】
ジョブ「Job2」の印刷動作が実行中であるときにジョブ「Job3」が画像処理装置1に入力されると、PCから文書データが画像処理装置1に送信されるが、ジョブ「Job2」の印刷動作が完了するまで、「Job3」の状態は印刷待ちとなる。しかしながら、ジョブ「Job3」のジョブ設定は登録ジョブ設定として登録されることが禁止されているジョブ設定であるので、図7(d)のようなジョブ「Job3」のジョブ設定を登録するためのジョブ設定登録ボタン36が表示されない。
【0102】
ジョブ「Job3」が入力された後リストボタン40が押下されると、図8のように、実行中のジョブ「Job2」および「Job3」に関する選択情報がリストとして表示される。このリストの中で、ジョブ「Job2」の状態が印刷動作中(Printing)であり、ジョブ「Job2」のジョブ設定は登録可能(Yes)であることが表示されている。また、ジョブ「Job3」の状態は印刷待ち(Print Wait)であり、ジョブ「Job3」のジョブ設定は登録ジョブ設定として登録不可(No)であることが表示されている。ジョブ「Job3」のジョブ設定は登録ジョブ設定として登録されることが禁止されているジョブ設定であるので、上記リストからジョブ「Job3」が選択されたとしても、図7(f)のようなジョブ設定登録ボタン36は表示されない。これにより、ジョブ「Job3」のジョブ設定のような登録ジョブ設定として登録されることが禁止されているジョブ設定を登録することができない。
【0103】
図9は、ジョブ「Job3」およびジョブ「Job4」が実行中である場合のジョブに関する選択情報のリストを示す画面例である。
【0104】
図9を参考に、ジョブ「Job3」の印刷動作が実行中であるときに、ジョブ「Job4」のファクシミリ送信動作が実行されている場合のジョブ設定登録操作について説明する。
【0105】
ジョブ「Job3」は、外部のPCから送信された文書データの印刷に関するジョブであり、スキャン動作を伴うジョブではない。従って、ジョブ「Job2」のスキャン動作が完了すると、スキャン動作を伴うジョブ「Job4」の入力が可能になる。原稿が原稿台にセットされた上で、ジョブ「Job4」を実行するための必要なパラメータが設定される。画面上のスタートボタン35が押下されると、ジョブ「Job4」のスキャン動作が開始される。このとき、図7(d)のように、ジョブ「Job4」のジョブ設定を登録するためのジョブ設定登録ボタン36が画面上に表示される。
【0106】
ジョブ設定登録ボタン36が押下されずに、ジョブ「Job3」およびジョブ「Job4」が実行中であるときにリストボタン40が押下されると、図9のように、実行中のジョブ「Job3」および「Job4」に関する選択情報がリストとして表示される。このリストには、ジョブ「Job3」の状態が印刷動作中(Printing)であり、ジョブ「Job3」のジョブ設定は登録不可(No)であることが表示されている。また、ジョブ「Job4」の状態はファクシミリ送信中(Fax Transmitting)であり、ジョブ「Job4」のジョブ設定は登録可能(Yes)であることが表示されている。
【0107】
図9の画面中のメッセージ欄30には、実行中の何れかのジョブのジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するために、リストに表示されているジョブに関する選択情報を選択することを促す旨のメッセージが表示される。図9の画面でジョブ「Job4」が選択されると、図7(f)と同様に、ジョブ「Job4」のジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するためのジョブ設定登録ボタン36が表示される。
【0108】
このジョブ設定登録ボタン36が押下されると、ジョブ「Job4」のジョブ設定の登録名およびアイコンを設定するための画面(図3(d)参照)が表示される。ジョブ「Job4」のジョブ設定の登録名およびアイコンの設定後、ジョブ「Job4」のジョブ設定は登録ジョブ設定として登録される。
【0109】
図10は、登録ジョブ設定として登録されるべきジョブ設定の登録名およびアイコンの設定操作に関するフローチャートである。
【0110】
スキャン動作が実行中であるジョブのジョブ設定に対応するジョブ設定登録ボタン36を押下することにより、または、実行中のジョブに関する選択情報のリストの中から登録されるべきジョブ設定を有するジョブを選択した後に、この選択されたジョブのジョブ設定に対応するジョブ設定登録ボタン36を押下することにより、登録されるべきジョブ設定が決定される。その後、以下のような当該ジョブ設定の登録名およびアイコンの設定操作が実行される。
【0111】
登録ジョブ設定として登録されるべきジョブ設定が決定されるとき、CPU10は、ROM11に格納されているジョブ設定用の登録名およびアイコンのデータベースから、このジョブ設定のパラメータに対応した登録名候補およびアイコン候補を読み出す。その読み出された登録名候補およびアイコン候補は、操作表示部20のディスプレイ部20aに表示される(ステップS201)。
【0112】
読み出された登録名候補およびアイコン候補としては、ジョブ設定のパラメータをすぐに連想させるような登録名およびアイコンなどが挙げられる。例えば、2In1がパラメータとして設定されるジョブ設定の場合、2In1という用語が含まれている登録名および2In1印刷が連想されやすいアイコンが候補として上記データベースから読み出されてもよい。
【0113】
読み出された登録名候補およびアイコン候補がディスプレイ部20aに表示されたとき、当該登録名候補およびアイコン候補を別の登録名候補およびアイコン候補に変更するか否かの確認を促す旨がディスプレイ部20aに表示される。このとき、タッチセンサ部20bは、登録名候補およびアイコン候補の変更指示を受け付ける(ステップS202)。
【0114】
タッチセンサ部20bが読み出された登録名候補およびアイコン候補を変更しない旨の指示を受け付けたことをCPU10が判断したとき(ステップS202;No)、登録されるべきジョブ設定の登録名およびアイコンが確定される(ステップS203)。このジョブ設定が確定された登録名およびアイコンとともに不揮発メモリ16に記憶されることにより、ジョブ設定が登録ジョブ設定として登録され、ジョブ設定の登録名およびアイコンの設定操作が終了する。
【0115】
タッチセンサ部20bが読み出された登録名候補およびアイコン候補を変更する旨の指示を受け付けたことをCPU10が判断したとき(ステップS202;Yes)、登録名およびアイコンの編集が実行される(ステップS204)。この登録名等の編集としては、例えば、CPU10は、上記登録名およびアイコンのデータベースからさらに別の複数の登録名候補およびアイコン候補を読み出し、ユーザがこれら読み出された登録名候補等から1の登録名および1のアイコンを選択することにより、登録名等の編集が実行されてもよい。また、登録名の編集としては、タッチセンサ部20bを利用してユーザが一から登録名を入力することで登録名の編集が実行されてもよい。
【0116】
CPU10は、登録名およびアイコンの編集を実行することによって当該登録名等を確定したとき(ステップS203)、登録されるべきジョブ設定が確定された登録名およびアイコンとともに不揮発メモリ16に記憶される。このことにより、当該ジョブ設定が登録ジョブ設定として登録され、ジョブ設定の登録名およびアイコンの設定操作が終了する。
【0117】
図11(a)は、登録されるべきジョブ設定の登録名およびアイコンを設定するための画面例であり、図11(b)は、ジョブ設定で使用されるパラメータと、当該パラメータに対応する登録名候補およびアイコン候補を表す表である。
【0118】
図11(a)に示された画面では、登録されるべきジョブ設定の登録名候補およびアイコン候補が表示される。この表示された登録名候補およびアイコン候補に変更がなければ、ユーザがOKボタン37を押下することにより、ジョブ設定の登録名およびアイコンが確定される。また、この登録名候補およびアイコン候補に変更があれば、ユーザがキャンセルボタン37aを押下することにより、登録名およびアイコンの編集が実行される。
【0119】
図11(b)によれば、例えば、2In1がパラメータとして設定された場合、このパラメータを有するジョブ設定の登録名候補として、パラメータ名2In1と、ユーザ名User1と、プログラム名Pro1とが組み合わされた”User1_Pro1_2In1”が生成される。また、アイコン候補についても、2In1印刷が連想されやすいアイコンが候補として、図11(b)に示されているようなアイコンが読み出される。同様に、例えば、パンチ・ステイプルを実行するためのパラメータが設定された場合、このパラメータを有するジョブ設定の登録名候補として、パラメータPunch Stapleと、ユーザ名User2と、プログラム名Pro4とが組み合わされた”User2_Pro4_Punch Staple”が生成される。また、アイコン候補についても、パンチ・ステイプルが連想されやすいアイコンが候補として、図11(b)に示されているようなアイコンが読み出される。
【0120】
図12は、登録ジョブ設定を呼び出すことで再設定するためのプログラムボタン39の表示位置を設定するためのプログラムボタン表示位置設定に関するフローチャートである。
【0121】
まず、新規にジョブ設定が登録されたとき(ステップS301)、画像処理装置1のシステム設定モードで予め設定された位置に、新規の登録ジョブ設定を呼び出すことで再設定するためのプログラムボタン39(以下、「新規のプログラムボタン39」という)が表示される。
【0122】
上記システム設定モードでは、新規のプログラムボタン39が、コピーボタン31などの複数のファンクションボタンの直後であって、すでに登録済みのジョブ設定を再設定するための1以上のプログラムボタンよりも前の位置に追加されるか、または、上記1以上のプログラムボタンよりも後ろの位置に追加されるかが設定される。
【0123】
新規のプログラムボタン39が、複数のファンクションボタンの直後であって、上記1以上のプログラムボタンよりも前の位置に追加されることが設定されていた場合(ステップS302;前から)、この新規のプログラムボタン39は、複数のファンクションボタンの直後であって、上記1以上のプログラムボタンよりも前の位置に追加される(ステップS303)。これにより、新規のプログラムボタン39のプログラムボタン表示位置設定が終了する。
【0124】
複数のファンクションボタンの直後に新規のプログラムボタン39が追加されることにしたのは、以下の理由による。ファンクションボタンは、画像処理装置1の各種機能のうち、利用されるべき機能を選択するためのボタンであるので、新規のプログラムボタン39が追加されることによってファンクションボタンの表示位置が変化することは好ましくない。また、ファンクションボタンは、画像処理装置1の各種機能に基づく動作(コピー、ファクシミリ通信など)に対する詳細な設定がジョブ設定として登録される登録ジョブ設定を呼び出すことで再設定するためのプログラムボタン39とは異なる。従って、ファンクションボタンをプログラムボタンから分離して表示することが好ましい。
【0125】
新規のプログラムボタン39が、すでに登録済みのジョブ設定を再設定するための1以上のプログラムボタンよりも後ろの位置に追加されることが設定されていた場合(ステップS302;後ろから)、新規のプログラムボタン39は、上記1以上のプログラムボタンよりも後ろの位置に追加される(ステップS304)。これにより、新規のプログラムボタン39のプログラムボタン表示位置設定が終了する。
【0126】
図13(a)から(c)は、新規のプログラムボタン39が追加される前と追加された後のディスプレイ部20aに表示される表示画面を示す説明図である。
【0127】
図13(a)は、新規のプログラムボタン39が追加される前のホーム画面を示す。図13(a)に示される例では、すでに2の登録ジョブ設定が不揮発メモリ16に記憶されており、これらジョブ設定を再設定するための2のプログラムボタンが表示されている。
【0128】
2の登録ジョブ設定が不揮発メモリ16に記憶されている状態で、新規にジョブのジョブ設定が登録ジョブ設定として登録されるとき、画像処理装置1のシステム設定モードで予め設定された位置に、新規のプログラムボタン39が追加される。上記システム設定モードで、複数のファンクションボタンの直後であって、既存のプログラムボタンよりも前の位置に、新規のプログラムボタン39が追加されることが設定されていた場合、図13(b)のように、新規のプログラムボタン39が、これら2つのプログラムボタンよりも前の位置に追加される。一方、上記システム設定モードで、既存のプログラムボタンよりも後ろの位置に、新規のプログラムボタン39が追加されることが設定されていた場合、図13(c)のように、新規のプログラムボタン39が、これら2つのプログラムボタンよりも前の位置に追加される。
【0129】
画像処理装置1のシステム設定モードにおける新規のプログラムボタン39の表示位置に関する設定については、上記システム設定モードで、適宜、当該設定を変更することは可能である。また、上記の例では、新規のプログラムボタン39の表示位置が上記システム設定モードで予め設定されていたが、新規にジョブのジョブ設定が登録ジョブ設定として登録される度に、画像処理装置1は、ユーザからの新規のプログラムボタン39の表示位置に関する指示を受け付けてもよい。
【0130】
次に、ディスプレイ部20aに表示されるプログラムボタン39を削除するためのプログラムボタン削除処理について説明する。
【0131】
図14は、通常モードとプログラムボタン編集モードとの間の移行を示す説明図である。通常モードとは、画像処理装置1の各種機能(コピー機能、ファクシミリ機能など)に基づく動作(原稿のコピー、画像データを送信するためのファクシミリ通信など)を実行するためのモードである。この通常モードでは、さらに、上述のように、実行中のジョブのジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するためのジョブ設定登録操作などが実行される。プログラムボタン編集モードとは、登録ジョブ設定に対応するプログラムボタン39を削除するためのモードである。また、プログラムボタン39が削除されることによって、このプログラムボタン39に対応する登録ジョブ設定が不揮発メモリ16から削除される。
【0132】
画像処理装置1のモードが通常モードである場合、ホーム画面に表示されている編集ボタン60(図16(a)参照)がユーザによって押下されると、画像処理装置1のモードは、プログラムボタン編集モードへ移行する。
【0133】
画像処理装置1のモードがプログラムボタン編集モードである場合、ホーム画面に表示されている編集解除ボタン62(図16(b)参照)が押下されるか、または、削除されるべきプログラムボタン39が選択された上で、削除ボタン63(図16(b)参照)が押下されると、画像処理装置1のモードは、通常モードへ移行する。
【0134】
図15は、登録ジョブ設定を呼び出すことで再設定するためのプログラムボタン39を削除するプログラムボタン削除処理に関するフローチャートである。このプログラムボタン削除処理によってプログラムボタン39が削除されると、このプログラムボタン39に対応する登録ジョブ設定もまた不揮発メモリ16から削除される。
【0135】
まず、画像処理装置1のモードが通常モードである場合、CPU10は、ディスプレイ部20aに表示される1以上のプログラムボタン39を削除するためのプログラムボタン編集モードに移行したか否かを監視する(ステップS401;No)。
【0136】
タッチセンサ部20bがホーム画面に表示されている編集ボタン60(図16(a)参照)の押下を検出することにより、CPU10がプログラムボタン編集モードに移行したことを判断すると(ステップS401;Yes)、削除されることが可能であるプログラムボタン39にX印61(図16(b)等参照)が付加情報として付加される(ステップS402)。これにより、X印61が付加されたプログラムボタン39が削除対象であることが表示される。
【0137】
CPU10は、X印61が付加されたプログラムボタン39から1以上のプログラムボタン39を選択する旨の指示をタッチセンサ部20bが受け付けたか否かを判断する(ステップS403)。上記1以上のプログラムボタン39の選択指示をタッチセンサ部20bが受け付けたことをCPU10が判断すると(ステップS403;Yes)、ステップS404へ進む。
【0138】
X印61が付加されたプログラムボタン39から1以上のプログラムボタン39を選択する旨の指示をタッチセンサ部20bが受け付けていないことをCPU10が判断すると(ステップS403;No)、CPU10は、タッチセンサ部20bがディスプレイ部20aに表示される編集解除ボタン62(図16(b)参照)の押下を検出したか否かを判断する(ステップS405)。
【0139】
タッチセンサ部20bがこの編集解除ボタン62の押下を検出したことをCPU10が判断すると(ステップS405;Yes)、プログラムボタン編集モードから、画像処理装置1の各種機能に基づく動作(コピー、ファクシミリ通信など)を実行する通常モードに移行し(ステップS406)、プログラムボタン削除処理が終了する。
【0140】
タッチセンサ部20bがこの編集解除ボタン62の押下を検出していないことをCPU10が判断すると(ステップS405;No)、再びステップS403へ戻り、CPU10は、削除対象であるプログラムボタン39の選択、または、編集解除ボタン62の押下を監視する。
【0141】
一方、X印61が付加されたプログラムボタン39から1以上のプログラムボタン39を選択する旨の指示をタッチセンサ部20bが受け付けたことをCPU10が判断すると(ステップS403;Yes)、CPU10は、タッチセンサ部20bが選択されたプログラムボタン39を削除するための削除ボタン63(図16(b)参照)の押下を検出したか否かを判断する(ステップS404)。
【0142】
タッチセンサ部20bがこの削除ボタン63の押下を検出したことをCPU10が判断すると(ステップS404;Yes)、選択されたプログラムボタン39を削除するための削除処理が実行される(ステップS407)。これにより、当該プログラムボタン39がホーム画面から削除されて、プログラムボタン削除処理が終了する。
【0143】
タッチセンサ部20bが削除ボタン63の押下を検出していないことをCPU10が判断すると(ステップS404;No)、CPU10は、編集解除ボタン62の押下を検出したか否かを判断する(ステップS408)。
【0144】
タッチセンサ部20bがこの編集解除ボタン62の押下を検出したことをCPU10が判断すると(ステップS408;Yes)、プログラムボタン編集モードから、通常モードに移行し(ステップS406)、プログラムボタン削除処理が終了する。
【0145】
タッチセンサ部20bがこの編集解除ボタン62の押下を検出していないことをCPU10が判断すると(ステップS408;No)、再びステップS404へ戻り、CPU10は、削除ボタン63の押下、または、編集解除ボタン62の押下を監視する。
【0146】
図16(a)から(e)は、プログラムボタン編集モードでプログラムボタン39が削除されるまでのディスプレイ部20aに表示される表示画面の変化を示す説明図である。
【0147】
図16(a)では、画像処理装置1の各種機能(コピー機能、ファクシミリ機能など)のうち、入力されるべきジョブを実行するために利用される1の機能を選択するための表示画面(ホーム画面)が示されている。この表示画面には、画像処理装置1のモードをプログラムボタン編集モードへ移行させるための編集ボタン60が表示されている。
【0148】
図16(b)では、編集ボタン60が押下された後の表示画面が示されている。この編集ボタン60が押下されると、画像処理装置1のモードが上記プログラムボタン編集モードへ移行し、削除されることが可能であるプログラムボタン39aから39cにX印61が付加情報として付加される。これにより、X印61が付加されたプログラムボタン39aから39cが削除対象であることがユーザに認識される。一方、コピーボタン31、ファックスボタン32、メールボタン33およびフォルダーボタン34にはX印61が付加されない。コピーボタン31等のファンクションボタンは、システムアイコンとして機能しているので、上記プログラムボタン編集モードにおいて、これらファンクションボタンは削除対象とはならない。さらに、メッセージ欄30では、削除対象であるプログラムボタン39aから39cのうち、削除されるべきプログラムボタンを選択するよう促す旨のメッセージが表示される。
【0149】
削除対象となっているプログラムボタン39aから39cの中から、第1プログラムボタン39a(登録名「Pro1」)を削除されるべきボタンとして選択するために、プログラムボタン39aが押下されると、第1プログラムボタン39aのX印61が、図16(c)のようなチェック印64に変化する。このチェック印64が付加された第1プログラムボタン39aは、削除ボタン63を押下することによって削除される。
【0150】
図16(c)の画面でさらに第3プログラムボタン39c(登録名「Pro3」)が押下されると、図16(d)のように、第3プログラムボタン39cのX印61がチェック印64に変化する。図16(d)の画面で削除ボタン63が押下されると、図16(e)のように、第1プログラムボタン39aと第3プログラムボタン39cが削除され、第2プログラムボタン39bが残された状態となる。
【0151】
また、削除された第1プログラムボタン39aに対応するジョブ「Pro1」のジョブ設定および第3プログラムボタン39cに対応するジョブ「Pro3」のジョブ設定は、不揮発メモリ16から削除される。
【0152】
上述のプログラムボタン削除処理では、すべてのプログラムボタン39aから39cが削除対象であるとして、プログラムボタン39aから39cのすべてにX印61が付加される。しかしながら、プログラムボタン39aから39cの中で削除されたくないプログラムボタンがある場合には、このプログラムボタンが削除されないように、当該プログラムボタンを公知の方法で保護してもよい。この場合には、編集ボタン60が押下されても、保護されたプログラムボタンにはX印61が付加されない。このことにより、保護されたプログラムボタンが誤って削除されることが防止される。
【0153】
図17は、登録ジョブ設定に対応するプログラムボタン39を押下することによって登録ジョブ設定を呼び出して再設定し、ジョブを実行するためのジョブ実行操作に関するフローチャートである。
【0154】
まず、CPU10は、タッチセンサ部20bがホーム画面に表示されるプログラムボタン39の押下を検出しているか否かを監視する(ステップS501;No)。
【0155】
タッチセンサ部20bがこのプログラムボタン39の押下を検出することをCPU10が判断すると(ステップS501;Yes)、このプログラムボタン39に対応する登録ジョブ設定が呼び出される。そして、CPU10は、この登録ジョブ設定を自動的に画像処理装置1に設定する。タッチセンサ部20bがスタートボタン35の押下を検出することによって、CPU10は、これらのジョブ設定に基づいてジョブを実行し(ステップS502)、ジョブ実行操作を終了させる。
【0156】
図18(a)から(c)は、ジョブ実行操作によってジョブが実行される場合のディスプレイ部20aに表示される表示画面の変化を示す説明図である。
【0157】
図18(a)では、実行されるべきジョブの登録ジョブ設定に対応したプログラムボタン39が表示されたホーム画面が示されている。このプログラムボタン39が押下されると、図18(b)のように、このプログラムボタン39に対応する登録ジョブ設定が自動的に設定される。
【0158】
図18(b)に示された画面でスタートボタン35が押下されると、当該設定に基づいてジョブが実行され、図18(c)のような画面が表示される。
【0159】
図18(c)では、原稿のスキャン動作が実行中である旨のメッセージがメッセージ欄30に表示されるとともに、実行中のジョブのジョブ設定がすでに登録ジョブ設定として登録済みである旨のメッセージがメッセージ欄50に表示される。
【0160】
このように、上記実施の形態では、操作表示部20に実行中の複数のジョブの中の1以上のジョブに関する情報が、ジョブ設定登録ボタン36やリストとして表示され、表示された情報から1以上のジョブが選択され、選択されたジョブのジョブ設定が不揮発メモリ16に記憶される。これにより、画像処理装置1がマルチジョブ対応の画像処理装置であるとしても、複数のジョブが実行中であるときに、ユーザは、これら実行中の複数のジョブの中からジョブを選択し、この選択されたジョブのジョブ設定を登録することができる。
【0161】
また、入力されたジョブが原稿のスキャン動作を伴うジョブである場合、このスキャン動作中に、ディスプレイ部20aに当該ジョブのジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するためのジョブ設定登録ボタン36が表示され、ユーザがこのジョブ設定登録ボタン36を押下することにより、当該ジョブのジョブ設定が登録される。これにより、スキャン動作中のジョブのジョブ設定を簡単な操作で登録ジョブ設定として登録することができる。
【0162】
入力されたジョブが原稿のスキャン動作を伴うジョブである場合、このスキャン動作が完了してから当該ジョブが完了するまでの間に、CPU10は、このジョブに関する情報をリストとしてディスプレイ部20aに表示させ、ユーザがこのリストからこのジョブを選択することにより、当該ジョブのジョブ設定が登録ジョブ設定として登録される。これにより、スキャン動作が完了し、その後の動作がバックグランドで実行されているジョブのジョブ設定を簡単な操作で登録ジョブ設定として登録することができる。
【0163】
以上、本発明の実施の形態および各変形例を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0164】
本実施の形態では、主にスキャン動作を伴うジョブのジョブ設定を登録ジョブ設定として登録する場合を例として説明した。しかしながら、スキャン動作を伴わないジョブのジョブ設定についても、当該ジョブがフォアグランドで実行中であるときには、ジョブ設定登録ボタン36をディスプレイ部20aに表示させ、このジョブ設定登録ボタン36を押下することによって当該ジョブのジョブ設定が登録されてもよい。また、スキャン動作を伴わないジョブがバックグランドで実行中であるときには、リストボタン40を押下することによってリストを表示させ、このリストからこの実行中のジョブを選択することにより当該ジョブのジョブ設定が登録されてもよい。
【0165】
また、本実施の形態では、外部のPCから入力されたジョブのジョブ設定を登録ジョブ設定として登録することが禁止されている。しかしながら、外部のPCから入力されたジョブ以外にも、登録ジョブ設定として登録することを禁止するジョブ設定がある場合には、これらジョブ設定を登録することを禁止するように、画像処理装置1の設定がユーザによって任意に変更されてもよい。
【0166】
<変形例1>
図19(a)および(b)は、変形例1に係る、ジョブ「Job1」が実行中であるときに操作表示部20に表示される表示画面の変化を示す説明図である。
【0167】
図19(a)には、図7(a)と同様に、上記ジョブ「Job1」のスキャン動作が実行中であるときに、当該ジョブ「Job1」のジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するためのジョブ設定登録ボタン36が表示されている。ジョブ設定登録ボタン36が押下されずにジョブ「Job1」のスキャン動作が完了した後、画像処理装置1は、新たなジョブを受け付けることが可能な状態になり、ディスプレイ部20aには、ホーム画面が表示される。
【0168】
図19(b)では、このホーム画面上に、バックグランドで実行中のジョブ「Job1」のジョブ設定を登録することを促す旨のアナウンス70が表示されている。これにより、実行中のジョブのジョブ設定の登録漏れを防ぐことができる。
【0169】
<変形例2>
図20(a)から(d)は、変形例2に係る、ジョブ「Job1」が実行中であるときに、ジョブ「Job2」が画像処理装置1に入力される場合における操作表示部20に表示される表示画面の変化を示す説明図である。この変形例2では、バックグランドで実行中の各ジョブのジョブ設定に対応するジョブ設定登録ボタンは、操作表示部20に表示される。
【0170】
図20(a)には、図7(a)と同様に、上記ジョブ「Job1」のスキャン動作が実行中であるときに、当該ジョブ「Job1」のジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するためのジョブ設定登録ボタン36が表示されている。ジョブ設定登録ボタン36が押下されずにジョブ「Job1」のスキャン動作が完了した後、ホーム画面でコピーボタン31が押下されると、図20(b)のように、上記ジョブ「Job2」を入力するための画面が表示される。
【0171】
このとき、図20(b)の画面には、バックグランドで実行中のジョブ「Job1」のジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するためのジョブ設定登録ボタン80が表示されている。このジョブ設定登録ボタン80により、リストボタン40を押下することなしに、バックグランドで実行中のジョブ「Job1」のジョブ設定を簡単に登録することができる。
【0172】
さらに、ジョブ「Job2」のスキャン動作が実行されているときに、図20(c)の画面では、ジョブ「Job2」のジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するためのジョブ設定登録ボタン81の他に、バックグランドで実行中のジョブ「Job1」のジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するためのジョブ設定登録ボタン82が表示されている。このジョブ設定登録ボタン82により、リストボタン40を押下することなしに、バックグランドで実行中のジョブ「Job1」のジョブ設定を簡単に登録することができる。
【0173】
ジョブ「Job2」のスキャン動作が完了した後、ホーム画面でコピーボタン31が押下されると、図20(d)のような画面が表示される。
【0174】
図20(d)の画面には、バックグランドで実行中のジョブ「Job1」のジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するためのジョブ設定登録ボタン83と、バックグランドで実行中のジョブ「Job2」のジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するためのジョブ設定登録ボタン84が表示される。このことにより、リストボタン40を押下することなしに、バックグランドで実行中のジョブ「Job1」および「Job2」のジョブ設定を簡単に登録することができる。
【0175】
<変形例3>
図21(a)から(d)は、変形例3に係る、ジョブ「Job1」のジョブ設定が仮登録されるときに操作表示部20に表示される表示画面の変化を示す説明図である。これらの図を参考に、上記ジョブ「Job1」のジョブ設定を仮登録する操作を説明する。
【0176】
図21(a)には、図7(a)と同様に、上記ジョブ「Job1」のスキャン動作が実行中であるときに、当該ジョブ「Job1」のジョブ設定を登録ジョブ設定として登録するためのジョブ設定登録ボタン36が表示されている。ジョブ設定登録ボタン36が押下されずにジョブ「Job1」のスキャン動作が完了した後、すなわち、ジョブ「Job1」のジョブ設定が登録されずにバックグランドでジョブ「Job1」の印刷動作が実行されるとき、ジョブ「Job1」のジョブ設定は仮登録ジョブ設定として不揮発メモリ16に記憶され、図21(b)のようなホーム画面が表示される。
【0177】
図21(b)のホーム画面では、ジョブ「Job1」に対応するプログラムボタン90が表示される。このプログラムボタン90は、本登録された登録ジョブ設定に対応するプログラムボタン39から区別されるために、点線で表示される。
【0178】
このジョブ「Job1」のジョブ設定が仮登録ジョブとして記憶されてから所定期間経過前に、このプログラムボタン90を押下することによってジョブ「Job1」のジョブ設定が不揮発メモリ16から呼び出され、ジョブ「Job1」が実行されると、この仮登録ジョブ「Job1」のジョブ設定が登録ジョブ設定として本登録される。このとき、ホーム画面には、図21(c)のように、当該プログラムボタン90が実線で表示される。
【0179】
一方、このジョブ「Job1」のジョブ設定が仮登録ジョブ設定として記憶されてから所定期間経過前に、このプログラムボタン90を押下することによってジョブ「Job1」が実行されなかった場合、この仮登録されたジョブ「Job1」のジョブ設定は、自動的に不揮発メモリ16から削除される。このとき、ホーム画面には、図21(d)のように、当該プログラムボタン90が削除される。
【0180】
ここで、所定期間は、例えば、1週間など、この所定期間内で再び仮登録ジョブ設定が呼び出されることによって再設定され、ジョブが実行されなければ、この仮登録ジョブ設定が今後実行される可能性が低いと想定されるような期間に設定されるのが好ましい。この所定期間は、ユーザによって変更されてもよい。
【0181】
マルチジョブ対応の画像処理装置1では、複数のジョブが一度に実行されるので、1のジョブがフォアグランドで実行される時間は、シングルジョブのみ対応の画像処理装置と比べて一般的に短い。従って、ジョブがフォアグランドで実行されている間に表示されるジョブ設定登録ボタン36は、すぐに表示画面から消えてしまうことが多い。
【0182】
そこで、変形例3では、ジョブ設定登録ボタン36が消えてしまうことにより、ジョブ設定登録ボタン36を押下するだけの簡単な操作でジョブ設定を登録することができなくなるといったことを解決するために、ジョブ設定登録ボタン36が押下されずにジョブがバックグランドで実行されるとき、当該ジョブ設定が仮登録ジョブ設定として不揮発メモリ16に記憶される。このとき、当該ジョブ設定に対応するプログラムボタン90がホーム画面に表示される。
【0183】
このジョブ設定が仮登録されてから所定期間経過前に、プログラムボタン90を押下することによってジョブのジョブ設定が不揮発メモリ16から呼び出され、ジョブが実行されると、この仮登録されたジョブ設定が登録ジョブ設定として本登録される。これにより、簡単な操作でジョブ設定を登録することができる。
【0184】
一方、ジョブ設定が仮登録されてから所定期間経過前に、プログラムボタン90を押下することによってジョブが実行されなかった場合、この仮登録されたジョブ設定が不揮発メモリ16から削除される。上記所定期間内に実行されない仮登録ジョブ設定は今後実行される可能性が低い。変形例3では、当該仮登録ジョブ設定が前記所定期間経過後に自動的に削除されるので、ユーザによる当該仮登録ジョブ設定の削除操作を省くことができる。
【0185】
また、変形例3では、所定期間を、たとえば1週間など、ある一定の時間としたが、所定期間は一定の時間に限られない。たとえば、所定期間は画像処理装置1の使用回数で決定されてもよい。具体的には、ユーザが画像処理装置1をある回数使用した間に仮登録ジョブ設定を有するジョブが実行されない場合には、仮登録ジョブ設定が自動的に削除されてもよい。
【0186】
さらに、所定期間が経過しなくとも、仮登録ジョブ設定に対する削除操作が実行された場合には、この仮登録ジョブ設定が削除されてもよい。また、所定期間において仮登録ジョブ設定を有するが実行されなくとも、仮登録ジョブ設定を本登録する操作が実行されれば、この仮登録ジョブ設定は本登録されてもよい。
【0187】
上述の変形例1から変形例3について、これら変形例で示された2以上の特徴が、本実施の形態で記載された画像処理装置1に適宜組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0188】
1…画像処理装置(MFP)
10…CPU
11…ROM
12…RAM
13…画像読取部
14…プリンタ部
15…画像処理部
16…不揮発メモリ
17…自動原稿搬送部(ADF)
18…ファクシミリ通信部
19…ネットワーク通信部
20…操作表示部
20a…ディスプレイ部
20b…タッチセンサ部
29…ホームボタン
30…メッセージ欄
31…コピーボタン
31a…カラー設定ボタン
31b…記録紙サイズ設定ボタン
31c…倍率設定ボタン
31d…片面・両面設定ボタン
32…ファックスボタン
33…メールボタン
34…フォルダーボタン
35…スタートボタン
36…ジョブ設定登録ボタン
37…OKボタン
37a…キャンセルボタン
38…OKボタン
39…プログラムボタン
39a…第1プログラムボタン
39b…第2プログラムボタン
39c…第3プログラムボタン
40…リストボタン
50…メッセージ欄
60…編集ボタン
61…X印
62…編集解除ボタン
63…削除ボタン
64…チェック印
70…アナウンス
80…ジョブ設定登録ボタン
81…ジョブ設定登録ボタン
82…ジョブ設定登録ボタン
83…ジョブ設定登録ボタン
84…ジョブ設定登録ボタン
90…プログラムボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の画像処理装置で並行に実行中の複数のジョブのジョブ設定の中から、呼び出して再設定可能な登録ジョブ設定として登録するジョブ設定を選択するための選択指示を受け付けるジョブ設定選択受付部と、
前記ジョブ設定選択受付部によって受け付けられた前記選択指示に基づいて、前記選択されたジョブ設定を前記登録ジョブ設定として記憶する登録ジョブ設定記憶部と、
を有する
ことを特徴とするジョブ設定登録装置。
【請求項2】
さらに、表示部と、
前記ジョブ設定選択受付部が前記選択指示を受け付けるとき、ジョブ設定を選択するための選択情報を表示するように前記表示部を制御する表示制御部と、
を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のジョブ設定登録装置。
【請求項3】
前記複数のジョブのうち少なくとも1のジョブは、原稿を光学的に読み取るスキャン動作を伴うジョブであって、
前記表示制御部は、前記スキャン動作が実行される間、前記スキャン動作を伴う1のジョブのジョブ設定を登録するための登録ボタンを表示するように前記表示部を制御し、
前記ジョブ設定選択受付部は、前記登録ボタンが押下されることによって、前記選択指示を受け付ける
ことを特徴とする請求項2に記載のジョブ設定登録装置。
【請求項4】
前記複数のジョブのうち少なくとも1のジョブは、原稿を光学的に読み取るスキャン動作を伴うジョブであって、
前記ジョブ設定選択受付部は、少なくとも前記スキャン動作が完了してから前記スキャン動作を伴う1のジョブが完了するまでの間に、前記1のジョブに関する選択情報を表示するための表示指示を受け付け、
前記表示制御部は、前記表示指示に基づいて、前記1のジョブに関する選択情報を表示するように前記表示部を制御し、
前記登録ジョブ設定記憶部は、前記ジョブ設定選択受付部が、前記表示部によって表示された前記1のジョブに関する選択情報から前記1のジョブを選択する旨の選択指示を受け付けたとき、前記1のジョブのジョブ設定を前記登録ジョブ設定として記憶する
ことを特徴とする請求項2または3に記載のジョブ登録装置。
【請求項5】
前記登録ジョブ設定として登録されることが禁止されるジョブ設定か否かを判定し、禁止されると判定したジョブ設定を前記登録ジョブ設定として登録することを禁止するジョブ設定登録判定部をさらに有する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のジョブ設定登録装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記画像処理装置が新たなジョブを受け付け可能な状態であるときに、実行中のジョブのジョブ設定を前記登録ジョブ設定として登録することを促す旨を表示するように前記表示部を制御する
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のジョブ設定登録装置。
【請求項7】
前記登録ジョブ設定記憶部は、実行中のジョブのジョブ設定に対する前記選択指示を前記ジョブ設定選択受付部が受け付けていない状態で前記ジョブがバックグランドで実行されるとき、前記ジョブのジョブ設定を仮登録ジョブ設定として記憶し、
前記仮登録ジョブ設定として記憶されたジョブ設定を有するジョブが、前記記憶されてから所定期間経過前に、前記登録ジョブ設定記憶部から呼び出されることによって実行された場合、前記ジョブ設定を前記登録ジョブ設定として記憶し、
前記仮登録ジョブ設定として記憶されたジョブ設定が、前記所定期間経過前に、前記登録ジョブ設定記憶部から呼び出されることによって実行されなかった場合、前記ジョブ設定を消去する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のジョブ設定登録装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のジョブ設定登録装置と、
複数のジョブを並行に実行可能なジョブ実行部と、
を有し、
前記ジョブ実行部は、前記登録ジョブ設定を前記登録ジョブ設定記憶部から呼び出すことで、前記登録ジョブ設定を再設定して、ジョブを実行する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
前記ジョブ実行部は、原稿をスキャンすることによって取得された当該原稿の画像データに基づいて当該原稿をコピーするためのコピー機能と、外部の装置から送信された画像データに基づいて画像を印刷するための印刷機能と、原稿をスキャンすることによって取得された当該原稿の画像データを送信するためのファクシミリ機能のうち2以上の機能を有する
ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−46307(P2013−46307A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184010(P2011−184010)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】