説明

スイッチおよびその組み立て方法

【課題】 スイッチを構成する部品の共通化を促進する。
【解決手段】 ベース部から軸心方向にノブ取付用台座22を突出させたホルダ20Aと、ノブ取付用台座22を挿通させる開口部13を有しこの開口部13からノブ取付用台座22を突出させてベース部をホルダ20Aの軸心回りに回動不能で且つ軸心方向に摺動可能に収容するケース10と、ケース10の開口部13から突出するノブ取付用台座22に取り付けられるノブ30と、を備えたスイッチにおいて、開口部13は、ベース部に対するノブ取付用台座22の軸心回りの取付角度を互いに異にするホルダのいずれのノブ取付用台座22をも挿通可能にする形態に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スイッチおよびその組み立て方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば車両には、乗員によって操作される各種のスイッチがインストルメントパネルなどに設置されている(例えば、特許文献1参照)。
スイッチには、ノブ取付座を有するホルダをケースに摺動可能に収容し、前記ケースの開口部から突出させた前記ノブ取付座にノブを装着して構成されるものがある。
ところで、スイッチの取り付け場所やスイッチが取り付けられる相手側部材の形態によっては、ケースをその正面から見て斜めに傾斜した姿勢に固定せざるを得ない場合があり、さらにその場合に、ケースの傾斜角度とは別にノブを正面視において所定の角度(例えば、水平)に配置したい場合がある。このような要求に応えるためには、ケースの取付姿勢を決める基準方向(例えば、スイッチケースが細長く形成されているときのケース長手方向)に対してノブを傾斜して設けなければならない。
【特許文献1】特開平10−223079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようにノブをケースの前記基準方向に対して傾斜して配置したスイッチにおいて、前記基準方向に対するノブの傾斜角度が異なるスイッチが必要になった場合、従来は、ノブについては傾斜角度が異なっても同じノブを使用することができたが、ケースとホルダについては、傾斜角度が異なるごとに各傾斜角度に専用のケースおよびホルダが必要であった。つまり、設定した傾斜角度の数だけケースの種類が必要であり、ホルダの種類が必要であった。このように傾斜角度の異なるタイプの数だけケースとホルダの種類が必要となると、部品管理が極めて面倒であった。
【0004】
また、ケースとホルダを製造するための金型についても、傾斜角度が異なるごとにそれぞれ別々に金型を用意しなくてはならず、金型費用も多くかかり、コストアップを招く。
そこで、この発明は、部品の共通化を促進することができ、コストダウンを図ることができるスイッチを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、
ベース部(例えば、後述する実施例におけるベース部21)から軸心方向にノブ取付用台座(例えば、後述する実施例におけるノブ取付用台座22)を突出させたホルダ(例えば、後述する実施例におけるホルダ20A,20B)と、
前記ノブ取付用台座を挿通させる開口部(例えば、後述する実施例における開口部13)を有し、この開口部から前記ノブ取付用台座を突出させて、前記ベース部を前記ホルダの軸心回りに回動不能で且つ軸心方向に摺動可能に収容するケース(例えば、後述する実施例におけるケース10)と、
前記ケースの開口部から突出する前記ホルダのノブ取付用台座に取り付けられるノブ(例えば、後述する実施例におけるノブ30)と、
を備えたスイッチ(例えば、後述する実施例におけるスイッチ1A,1B)において、
前記ケースの開口部は、前記ベース部に対する前記ノブ取付用台座の前記軸心回りの取付角度を互いに異にするホルダのいずれのノブ取付用台座をも挿通可能にする形態に構成されていることを特徴とする。
このように構成することにより、ノブ取付用台座のベース部に対する軸心回りの取付角度が異なるホルダの中から所望する取付角度のホルダを選択して、これをケースに装着することで、ケースに対するノブの取付角度が異なるスイッチを容易に製造することができる。また、ケースに対するノブの取付角度が異なるスイッチにおいて、ケースとノブの共通化が可能になる。
【0006】
請求項2に係る発明は、
ベース部(例えば、後述する実施例におけるベース部21)から軸心方向にノブ取付用台座(例えば、後述する実施例におけるノブ取付用台座22)を突出させ、前記ベース部に対する前記ノブ取付用台座の前記軸心回りの取付角度を互いに異にする複数種類のホルダ(例えば、後述する実施例におけるホルダ20A,20B)と、
前記複数種類のホルダの前記ノブ取付用台座をいずれも挿通可能な開口部(例えば、後述する実施例における開口部13)を有し、前記ベース部を前記ホルダの軸心回りに回動不能で且つ軸心方向に摺動可能に収容するケース(例えば、後述する実施例におけるケース10)と、
前記ホルダのノブ取付用台座の先部に取り付けられるノブ(例えば、後述する実施例におけるノブ30)と、
を用意し、
前記複数種類のホルダの中から所望する前記取付角度に対応するホルダを選択し、該ホルダの前記ノブ取付用台座を前記ケースの開口部から突出させつつ該ホルダのベース部を前記ケースに収容し、
前記開口部から突出させた前記ノブ取付用台座の先部に前記ノブを取り付けることを特徴とするスイッチの組み立て方法である。
このように構成することにより、ケースに対するノブの取付角度が異なるスイッチを自由に選択し容易に組み立てることができる。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に係る発明によれば、ケースに対するノブの取付角度が異なるスイッチを容易に製造することができる。また、ケースに対するノブの取付角度が異なるスイッチにおいてケースとノブの共通化ができるので、部品管理が容易になる。さらに、部品の共通化により金型を減らすことができるので、金型費用を低減でき、スイッチのコストダウンを図ることができる。。
請求項2に係る発明によれば、ケースに対するノブの取付角度が異なるスイッチを自由に選択し容易に組み立てることができ、スイッチのデザイン自由度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明に係るスイッチの実施例を図1から図10の図面を参照して説明する。なお、この実施例におけるスイッチは、車両のインストルメントパネルに取り付けられる態様である。
図7に示すように、この実施例におけるスイッチ1Aは、右ハンドル車両100のインストルメントパネル101において運転席前のメーターボックス102の左脇に設置されている。メーターボックス102は正面視において左端部103が左下がりに傾斜しており、この左端部103に沿って設置したスイッチ1Aも正面視で左下がりに傾斜して取り付けられている。
ただし、インストルメントパネル101から露出しているのはスイッチ1Aにおける3つのノブ30だけであり、いずれのノブ30もその長手方向を車幅方向(水平方向)に延ばし、下方に位置するノブ30ほど車幅方向左側にずれて配置されている。
【0009】
図3に示すように、スイッチ1Aは、ケース10と、3つのホルダ20Aと、3つのノブ30と、コンタクト40と、プリント基板50と、ベース60と、を備えて構成されている。
ケース10はプラスチック製の一体成型品であり、上側に天板部12を有し、外周を側壁11で囲まれて、下側を開口させた略直方体の箱形をなしている。
図4はケース10を下側から見た底面図であり、この図に示すように、天板部12には、四隅を4分の1円形にアール加工された略長方形の同一形状、同一寸法の開口部13が3つ設けられている。各開口部13は、その長手方向(図4において紙面左右方向)がケース10の長手方向(図4において紙面上下方向)に対して直交するように配置されている。
【0010】
ケース10の内部であって天板部12に近い部分は、ケース10の幅方向(図4において紙面左右方向)に沿って延びる2つの仕切壁14,14によって、各開口部13に対応した3つの部屋15,15・・・に区画されており、この各部屋15に1つずつホルダ20Aが収容される。
また、ケース10の側壁11の内壁面には、各開口部13の中心に対して左右両側に対応する位置に、互いにケース10の長手方向に所定寸法離間して配置された各一対のガイド壁16,16が、ケース10の高さ方向(図4において紙面に直交する方向)に延びて設けられている。ガイド壁16,16間は後述するホルダ20Aのスライド突起25に対するガイド溝17となる。
前述した仕切壁14,14はケース10の下部開口端までは延びておらず、したがって、ケース10の内部であって下部開口端側は区画されずに連通しており、この連通部分にコンタクト40とプリント基板50が収納され、ベース60が取り付けられる。
また、ケース10の長手方向の一端部には丸孔18aを有する取付フランジ18が、他端部には長孔19aを有する取付フランジ19が、それぞれ側壁11に連続して外方へ突出して設けられている。スイッチ1Aは、これら丸孔18a、長孔19aに挿通されたねじ(図示せず)によってインストルメントパネル101に取り付けられる。
【0011】
ホルダ20Aはプラスチック製の一体成型品で筒状をなし、図5に示すように、平坦な段差部23を介して連なりホルダ20Aの軸心方向(図5においてZ方向)に連続して設けられたベース部21とノブ取付用台座22とを備えている。すなわち、ノブ取付用台座22はベース部21からホルダ20Aの軸心方向(Z方向)に突出して形成されている。
【0012】
ベース部21において軸心方向(Z方向)に対し直交する断面は、四隅を面取りされた略長方形状をなし、その短辺側の側壁部24には、ケース10のガイド溝17に挿入されるスライド突起25がその長手方向を軸心方向(Z方向)に延ばして形成されている。各ホルダは、ベース部21のスライド突起25をケース10のガイド溝17に挿入させて、ベース部21をケース10の各部屋15においてケース10の高さ方向に摺動可能に収容される。すなわち、ケース10には、ホルダ20Aのベース部21が軸心回りに回動不能で且つ軸心方向(Z方向)に摺動可能に収容される。
また、ベース部21の段差部23は平面視においてケース10の開口部13よりも大きく、ベース部21がケース10に対して摺動可能に装着された状態において、ケース10の開口部13を塞ぐことができる形状および寸法に形成されている。
図3に示すように、ベース部21の下端部には、コンタクト40を押圧するための押圧片29が設けられている。
【0013】
ノブ取付用台座22は平面視において段差部23内に収まっており、ノブ取付用台座22において軸心方向(Z方向)に対し直交する断面は、四隅を面取りされた略長方形状をなし、その一方の短辺側の側壁部26aには、長手方向を軸心方向(Z方向)に延ばした1条の係合突起27が形成されており、他方の短辺側の側壁部26bには、長手方向を軸心方向(Z方向)に延ばして互いに平行をなす2条の係合突起28,28が形成されている。
ノブ取付用台座22はベース部21に対して軸心回りに所定角度αだけ回転させたように偏位して配置されている。詳述すると、ノブ取付用台座22の断面長軸方向(図5においてP2方向)を、ベース部21の断面長軸方向(図5においてP1方向)に対して反時計回り方向に角度αだけ傾けるように交差させている。
このノブ取付用台座22はケース10の開口部13を隙間を有して挿通可能な大きさにされており、開口部13から突出するノブ取付用台座22にノブ30が嵌合する。
【0014】
ノブ30はプラスチック製の一体成型品であり、上側に天板部32を有し、外周を側壁31で囲まれて、下側を開口させた略直方体の箱形をなしている。図6はノブ30をノブ取付用台座22に装着した状態における断面図であり、ノブ30の内部には、側壁31において対向する長辺部31a同士を連結する左右一対の連結壁部33,34が設けられていて、側壁31の両長辺部31a,31aと連結壁部33,34で囲まれた空間37に、ホルダ20Aのノブ取付用台座22が挿入される。連結壁部33,34には、側壁31の短辺部31bに接近する方向に凹んで形成された係合溝35,36がノブ30の高さ方向に延びている。連結壁部34の係合溝36の幅寸法は連結壁部33の係合溝35の幅寸法よりも大きくされており、係合溝35にはノブ取付用台座22の係合突起27が嵌合し、係合溝36にはノブ取付用台座22の一対の係合突起28,28が嵌合する。なお、この実施例においては、ノブ30の高さは、3つのノブ30のうちの1つが他の2つよりも低く設定されている。
【0015】
ベース60はケース10の下部に嵌合固定されてケース10の下部開口を塞いでおり、ベース60の内側上部に、コンタクト40とプリント基板50が取り付けられている。コンタクト40はホルダ20Aの直ぐ下側に配置され、コンタクト40の下側にプリント基板50が配置されている。コンタクト40はゴム製で、各ホルダ20Aの押圧片29に対応する部位に突部41を有し、突部41の裏面に導体で形成された導通片42が固定されている。そして、ホルダ20Aに押圧されてコンタクト40の突部41が弾性変形し圧縮されると、導通片42がプリント基板50の接点に接触し導通させるようになっている。なお、プリント基板50から延びる6本のピンターミナル51が、ベース60の開口部61において露出している。
【0016】
このスイッチ1Aは次のようにして組み立てられる。まず、ケース10の下部開口から各部屋15にそれぞれホルダ20Aを1つずつ挿入する。その際、各ホルダ20Aのノブ取付用台座22をケース10の開口部13に挿通させるとともに、各ホルダ20Aの左右のスライド突起25をケース10のそれぞれ対応するガイド溝17に挿入する。これにより、ベース部21はホルダ20Aの軸心回りに回動不能で且つ軸心方向(Z方向)に摺動可能にケース10に収容される。図2は、この状態をケース10の天板部12の上方から見た図である。
【0017】
そして、開口部13から上方に突出したノブ取付用台座22にそれぞれノブ30を嵌着する。すなわち、ノブ取付用台座22をノブ30の空間37に挿入するとともに、ノブ取付用台座22の係合突起27をノブ30の係合溝35に挿入し、2つの係合突起28,28をノブ30の係合溝36に挿入して、ノブ取付用台座22にノブ30を嵌合する。これにより、ホルダ20Aとノブ30は不離一体となり、また、ノブ30がケース10の開口部13を通り抜けられないので、ケース10から離脱不能になる。
【0018】
この後、ラバーコンタクト40とプリント基板50を予め装着しておいたベース60を、ケース10の下部開口に嵌合してスイッチ1Aが完成する。
なお、このスイッチ1Aを図1に示すようにメーターボックス102の左端部103に沿って配置し、ノブ30を水平姿勢に配置する場合には、インストルメントパネル101の正面視において、ケース10の長手方向を左下がりの傾斜姿勢に設置することとなる。
【0019】
このように構成されたスイッチ1Aでは、ノブ30に指を押し当て押圧すると、ホルダ20Aがケース10に対してホルダ20Aの軸心方向(Z方向)に沿って押し込まれ、コンタクト40の突部41を弾性圧縮して導通片42をプリント基板50の接点に接触させることができる。そして、ノブ30から指を離しノブ30に加えていた押圧力を脱力すると、コンタクト40の突部41が弾性によって元の形態に復帰するので、導通片42がプリント基板50の接点から離間し、さらにホルダ20Aとともにノブ30を上方に押し上げる。
【0020】
ところで、前述したスイッチ1Aは、右ハンドル車両100の運転席前のメーターボックス102の左端部103に沿って配置しノブ30を水平姿勢に配置する態様であるが、例えば、このメーターボックス102の右下がりに傾斜する右端部に沿ってスイッチを配置しノブ30を水平姿勢に配置する場合、あるいは、左ハンドル車両のメーターボックスの右下がりに傾斜する右端部に沿ってスイッチを配置しノブを水平姿勢に配置する場合には、図8に示すスイッチ1Bが必要になる。つまり、インストルメントパネル101に設置された状態においてスイッチ1Aに対して左右対象な形態となるスイッチ1Bが必要になる。
【0021】
これに対処する場合、この発明では、スイッチ1Bの構成部品のうちケース10、ノブ30、コンタクト40、プリント基板50、ベース60はスイッチ1Aのものと同じ部品を用いるものとし、ホルダ20Bだけをスイッチ1Bに専用の部品として用意するだけで済むようにした。
ここで、図10を参照して、ホルダ20Bについて説明する。ホルダ20Bがホルダ20Aと相違する点は、ベース部21に対するノブ取付用台座22の取付角度だけである。ホルダ20Bにおいては、ノブ取付用台座22の断面長軸方向(図10においてP2方向)を、ベース部21の断面長軸方向(図10においてP1方向)に対して時計回り方向に角度αだけ傾けるように交差させており、ホルダ20Bのノブ取付用台座22もケース10の開口部13を隙間を有して挿通可能な大きさにされている。換言すると、ケース10の開口部13の形状および寸法(すなわち、開口部13の形態)を予め、ノブ取付用台座22のベース部21に対する軸心回りの取付角度を互いに異にするホルダ20A,20Bのいずれのノブ取付用台座22をも挿通可能に設定しておく。ホルダ20Bのその他の構成はホルダ20Aと全く同じであるので、同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0022】
このように構成されたホルダ20Bを、前述したスイッチ1Aの組み立て手順でホルダ20Aの代わりにケース10に取り付けると、図8に示すスイッチ1Bが完成する。なお、図9は、ホルダ20Bのノブ取付用台座22にノブ30を嵌着する前の平面図であり、スイッチ1Aにおける図2に対応する図である。
【0023】
つまり、この発明のスイッチ1A,1Bでは、その共通部品となるケース10の開口部13に、ノブ取付用台座22のベース部21に対する軸心回りの取付角度を互いに異にするホルダ20A,20Bのいずれのノブ取付用台座22をも挿通可能であるので、ケース10とノブ30をスイッチ1A,1Bの共通部品とすることができ、スイッチ1A,1Bに専用の部品はホルダ20A,20Bだけとなる。その結果、共通部品が増えるので、部品管理が極めて容易になる。
また、共通部品が多くなることから用意すべき金型の数が少なくて済み、金型費用を減らすことができて、コストダウンを図ることができる。
【0024】
また、ケース10と、ノブ取付用台座22のベース部21に対する軸心回りの取付角度を互いに異にするホルダ20A,20Bと、ノブ30とを用意し、ホルダ20A,20Bのいずれか一方を選択してケース10に収容し、ケース10の開口部13から突出させたノブ取付用台座22の先部にノブ30を取り付けることで、ケース10に対するノブ30の取付角度が異なるスイッチ1Aあるいはスイッチ1Bを自由に選択し容易に組み立てることができる。
また、ケース10に対するノブ30の取付角度を変更する場合には、ベース部21に対するノブ取付用台座22の取付角度を変更したホルダを用意すれば容易に対応することができるので、スイッチのデザイン自由度を向上させることができる。
【0025】
〔他の実施例〕
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、前述した実施例では、ケース10に対するノブ30の取付角度をスイッチ1A,1Bで左右対称となる角度としたが、これに限るものではなく、例えば、いずれのスイッチもノブ30がケース10に対して同じ方向に傾いていて、その傾き角度がスイッチ同士で互いに異なる場合にも、この発明を適用することができる。
また、1つのスイッチが有するノブの数も3つに限らず、2つあるいは4つ以上の複数でもよく、あるいは単数でもよい。
また、ケース10の開口部13の形状、およびホルダ20A,20Bにおけるノブ取付用台座22の断面形状は前述した実施例に限るものではない。例えば、開口部13を円形にし、ノブ取付用台座22の基部側を円形断面として、ノブが装着されるノブ取付用台座22の先部だけを非円形断面にして、ベース部21に対しノブ30の取付角度を設定可能にしてもよい。
さらに、スイッチの設置場所は車両のインストルメントパネルに限るものではなく、スイッチの用途も車両用に限るものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明に係るスイッチの外観斜視図である。
【図2】ノブを外した状態を示す前記スイッチの平面図である。
【図3】前記スイッチの断面図である。
【図4】前記スイッチにおけるケースの底面図である。
【図5】前記スイッチにおけるホルダの外観斜視図である。
【図6】前記スイッチにおいてホルダとノブの取付部における断面図である。
【図7】前記スイッチをインストルメントパネルに備えた右ハンドル車両の運転席前方の斜視図である
【図8】この発明に係る他のスイッチの外観斜視図である。
【図9】前記他のスイッチにおいてノブを外した状態を示す平面図である。
【図10】前記他のスイッチにおけるホルダの外観斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
1A,1B スイッチ
10 ケース
13 開口部
20A,20B ホルダ
21 ベース部
22 ノブ取付用台座
30 ノブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部から軸心方向にノブ取付用台座を突出させたホルダと、
前記ノブ取付用台座を挿通させる開口部を有し、この開口部から前記ノブ取付用台座を突出させて、前記ベース部を前記ホルダの軸心回りに回動不能で且つ軸心方向に摺動可能に収容するケースと、
前記ケースの開口部から突出する前記ホルダのノブ取付用台座に取り付けられるノブと、
を備えたスイッチにおいて、
前記ケースの開口部は、前記ベース部に対する前記ノブ取付用台座の前記軸心回りの取付角度を互いに異にするホルダのいずれのノブ取付用台座をも挿通可能にする形態に構成されていることを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
ベース部から軸心方向にノブ取付用台座を突出させ、前記ベース部に対する前記ノブ取付用台座の前記軸心回りの取付角度を互いに異にする複数種類のホルダと、
前記複数種類のホルダの前記ノブ取付用台座をいずれも挿通可能な開口部を有し、前記ベース部を前記ホルダの軸心回りに回動不能で且つ軸心方向に摺動可能に収容するケースと、
前記ホルダのノブ取付用台座の先部に取り付けられるノブと、
を用意し、
前記複数種類のホルダの中から所望する前記取付角度に対応するホルダを選択し、該ホルダの前記ノブ取付用台座を前記ケースの開口部から突出させつつ該ホルダのベース部を前記ケースに収容し、
前記開口部から突出させた前記ノブ取付用台座の先部に前記ノブを取り付けることを特徴とするスイッチの組み立て方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−66190(P2006−66190A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−246563(P2004−246563)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【出願人】(000222934)東洋電装株式会社 (69)
【Fターム(参考)】