説明

スイッチ付き同軸コネクタ及びその組み立て方法

【課題】スイッチ付き同軸コネクタにおいて、折り曲げ加工等の追加工程を必要とせず、製品内部への異物の侵入を少なくすることができる塞構造を実現する技術を提供する。
【解決手段】基板上に実装されるスイッチ付き同軸コネクタ21であって、同軸プラグの中心導体を上方から受入れ可能な縦孔35を有する絶縁ハウジング22と、絶縁ハウジング22の外側に設けられ前記同軸プラグの外部導体が着脱可能な外部導体23と、縦孔35の下方に設けられ互いに接離可能な固定端子24及び可動端子25と、を備える。そして、絶縁ハウジング22は、可動端子25を圧入するための挿入孔50と、挿入孔50の上部に設けられた押圧変形部53とを有し、外部導体23は、押圧変形部53と対面する部分に押圧部70を有し、押圧変形部53は、外部導体23が絶縁ハウジング22に装着される時に、押圧部70により押し下げられ、挿入孔50を塞いでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に実装される同軸コネクタ、特に、高周波信号回路を切り換えるためのスイッチ機構を備えたスイッチ付き同軸コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機のような携帯式の通信機器において、内蔵される高周波回路の検査用にスイッチ付き同軸コネクタが広く使用されている。
従来のスイッチ付き同軸コネクタとして、例えば、同軸プラグの中心導体を受入れ可能な孔を有する絶縁ハウジングと、この絶縁ハウジングの外側に設けられた外部導体と、孔の下方に設けられた固定端子及び可動端子とから成るものがある。さらに、固定端子は、接触部を備え、可動端子は、絶縁ハウジングに固定される固定部と、同軸プラグの中心導体と当接可能且つ接触部と接触可能な弾性部とを備えている(例えば、特許文献1等参照)。
【0003】
この従来のスイッチ付き同軸コネクタにおいて、同軸プラグが装着されていないときは、可動端子は弾性部の弾性力により固定端子の接触部に押し付けられて、固定端子と可動端子は電気的に接続された状態を保持する。一方、同軸プラグが装着されているときは、同軸プラグの中心導体の下端部は、コネクタの縦孔に挿通する。この状態で中心導体は弾性部に当接し、弾性部は中心導体により押し下げられ、弾性変形し、接触部から離間し、固定端子と可動端子は電気的に切り離されると同時に、中心導体と可動端子が接続された状態となる。これにより、可動端子から固定端子へ流れていた信号を可動端子から中心導体へ流して、可動端子に接続されている高周波回路を検査することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−141665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来コネクタでは、可動端子や固定端子を絶縁ハウジングに組み込んだ後であっても、可動端子、特にその弾性部を絶縁ハウジングに挿入するための挿入孔が、開状態とされるため、これら開状態にある挿入孔から製品内部に異物が入り、信号端子間の接触に悪影響を及ぼしてしまうおそれがある。
【0006】
このような課題を解決する技術として、例えば、本願出願人による特開2007−141665号公報(特許文献1)に開示されているものがある。特許文献1に開示されている同軸コネクタは、絶縁ハウジングの可動端子が圧入される側に延伸部を設け、可動端子を挿入した後に、外部導体に設けられた抑え部を下方に折り曲げることにより、絶縁ハウジングの延伸部を下方に折り曲げて、挿入孔を塞ぐものである。
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術は、挿入孔を塞ぐために、抑え部及び延伸部を折り曲げる追加工程が必要であり、また、抑え部及び延伸部により外形サイズが部分的に大きくなってしまう。
【0008】
そこで、本発明の目的は、スイッチ付き同軸コネクタにおいて、折り曲げ加工等の追加工程を必要とせず、製品内部への異物の侵入を少なくすることができる塞構造を実現する技術を提供することにある。
【0009】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
すなわち、本発明による同軸コネクタは、基板上に実装されるスイッチ付き同軸コネクタであって、同軸プラグの中心導体を上方から受入れ可能な孔を有する絶縁ハウジングと、前記絶縁ハウジングの外側に設けられ前記同軸プラグの外部導体が着脱可能な外部導体と、前記孔の下方に設けられ互いに接離可能な固定端子及び可動端子と、を備えるものである。そして、前記絶縁ハウジングは、前記可動端子を圧入するための挿入孔と、前記挿入孔の上部に設けられた押圧変形部とを有し、前記外部導体は、前記押圧変形部と対面する部分に押圧部を有し、前記押圧変形部は、前記外部導体が前記絶縁ハウジングに装着される時に、前記押圧部により押し下げられ、前記挿入孔を塞いでいる。そして、前記固定端子は接触部を有し、前記可動端子は、前記絶縁ハウジングに固定される固定部と、前記固定部から片持ち梁状に延出し、前記同軸プラグの中心導体と当接可能且つ前記接触部と接触可能な弾性部とを有し、前記同軸プラグの中心導体が前記絶縁ハウジングの前記孔に嵌合していないとき、前記弾性部が前記接触部と接触し、前記固定端子と前記可動端子とが電気的に接続され、前記同軸プラグの中心導体が前記絶縁ハウジングの前記孔に嵌合すると、前記中心導体が前記弾性部に当接し、前記弾性部が前記接触部から離間し、前記固定端子と前記可動端子とが電気的に遮断され、前記同軸プラグの中心導体と前記可動端子とが電気的に接続されるように構成されている。
また、本発明による同軸コネクタの組み立て方法は、基板上に実装されるスイッチ付き同軸コネクタの組み立て方法であって、絶縁ハウジングの第1の挿入孔を通して、前記絶縁ハウジング内の空間に可動端子を圧入する第1工程と、前記絶縁ハウジングの第2の挿入孔を通して、前記絶縁ハウジング内の前記空間に固定端子を圧入する第2工程と、前記絶縁ハウジングに外部導体を上方から被せて、前記外部導体の側面を押し曲げて、かしめる第3工程と、を有しているものである。そして、前記第3工程において、前記絶縁ハウジングの前記第1の挿入孔の上部に設けられた押圧変形部が、前記外部導体の押圧部により押し下げられて、前記押圧変形部が下方に曲げられて、前記第1の挿入孔が塞がれるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、容易に且つ簡易な構造を用いて製品内部への異物の侵入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1によるスイッチ付き同軸コネクタの全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1によるスイッチ付き同軸コネクタの全体構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1によるスイッチ付き同軸コネクタの全体構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1によるスイッチ付き同軸コネクタの全体構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態1によるスイッチ付き同軸コネクタの全体構成を示す左側面図である。
【図6】本発明の実施の形態1によるスイッチ付き同軸コネクタの全体構成を示す正面図である。
【図7】本発明の実施の形態1によるスイッチ付き同軸コネクタの全体構成を示す右側面図である。
【図8】本発明の実施の形態1によるスイッチ付き同軸コネクタの全体構成を示す背面図である。
【図9】本発明の実施の形態1によるスイッチ付き同軸コネクタの全体構成を示す上面図である。
【図10】本発明の実施の形態1によるスイッチ付き同軸コネクタの全体構成を示す裏面図である。
【図11】本発明の実施の形態1によるスイッチ付き同軸コネクタの中心線断面図(図9のA−A線断面図)である。
【図12】本発明の実施の形態1によるスイッチ付き同軸コネクタにおいて、可動端子を絶縁ハウジングに組み込む前の状態を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態1によるスイッチ付き同軸コネクタにおいて、固定端子を絶縁ハウジングに組み込む前の状態を示す斜視図である。
【図14】本発明の実施の形態1によるスイッチ付き同軸コネクタにおいて、外部導体を絶縁ハウジングに装着する前の状態を示す斜視図である。
【図15】本発明の実施の形態2によるスイッチ付き同軸コネクタの全体構成を示す斜視図である。
【図16】本発明の実施の形態2によるスイッチ付き同軸コネクタの全体構成を示す上面図である。
【図17】本発明の実施の形態2によるスイッチ付き同軸コネクタの全体構成を示す正面図である。
【図18】本発明の実施の形態2によるスイッチ付き同軸コネクタの中心線断面図(図16のA−A線断面図)である。
【図19】本発明の実施の形態2によるスイッチ付き同軸コネクタにおいて、外部導体を絶縁ハウジングに装着する前の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0014】
(実施の形態1)
図1乃至図10に、本発明の実施の形態1によるスイッチ付き同軸コネクタ21の全体図を示す。更に詳細には、図1乃至図4は、本実施形態1の同軸コネクタ21の斜視図であり、図1は左上側から見た図、図2は左下側から見た図、図3は右上側から見た図、図4は右下側から見た図である。図5乃至図10は、それぞれ、本実施形態1の同軸コネクタ21の左側面図、正面図、右側面図、背面図、上面図、裏面図である。図11は、本実施形態1の同軸コネクタ21の中心線断面図(図9のA−A線断面図)である。図12は、可動端子25を絶縁ハウジング22に組み込む前の状態を示す図、図13は、固定端子24を絶縁ハウジング22に組み込む前の状態を示す図、図14は、外部導体23を絶縁ハウジング22に組み込む前の状態を示す図である。
【0015】
図1乃至図10に示されるように、本実施形態1によるスイッチ付き同軸コネクタ21は、主に、略直方体形状のプラスチック等の樹脂で形成された絶縁ハウジング22と、この絶縁ハウジング22の外側に設けられた金属製の外部導体23と、少なくとも一部が絶縁ハウジング22の内部に設置される固定端子24と可動端子25から成る。同軸コネクタ21は、基板(図示せず)上に実装可能であり、外部に露出した固定端子24の基板接続部38(図2及び図4によく示されている)や可動端子25の基板接続部43を通じて基板に接続されて、基板回路の一部を形成し得る。
【0016】
絶縁ハウジング22の上部には、略円筒状の外周部の下部に環状に段差部30が形成されている。外部導体23の上面には、円筒状の上部31が設けてある。外部導体23の上部31の外周面には半円断面の環状溝32が形成されており、この環状溝32に同軸プラグ側の外部導体の下端部(図示せず)が嵌合可能となっている。また、絶縁ハウジング22の上面には、すり鉢状の凹部34が形成され、この凹部34の底面中央部には、同軸プラグの中心導体を上方から受け入れ可能な縦孔35が穿設されている。さらに、この縦孔35の下方には、この縦孔35と連通する横長の空間36が形成され、同軸プラグ(図示せず)が装着されると、中心導体(図示せず)の下端部は縦孔35を挿通し、空間36に達するようになっている。
【0017】
図12によく示されているように、可動端子25は、平板状の固定部42と、この固定部42の基端側から下方にU字状に曲成された基板接続部43と、更に、固定部42から先端方向斜め上方に片持ち梁状に延出する弾性部44を備えている。弾性部44は同軸プラグの中心導体と当接可能であり、且つ、この当接位置より先端側で、後述する固定端子24の接触部40の下端と接触可能となっている。固定部42の側部には楔状の突起45が形成され、固定部42は突起45を介して固定端子24の圧入方向の反対側から絶縁ハウジング22の挿入孔50を通じて空間36に水平姿勢で圧入される。挿入孔50は、弾性部44の挿入を許容する為に略凸形状の開口をしている。弾性部44の両側外周部46は、当接位置の近傍から可動端子25の固定部42に向かって拡幅され、凹状に湾曲した形状を成している。また、弾性部44には、当接位置より固定部42側に切欠部47が設けられ、この切欠部47は、弾性部44に沿って延びている。また、固定部42には、立上り片61が設けられており、該立上り片61は、挿入孔50の内部(空間36)開口に向けて鋭角な角度を持っている形状である。これらにより、挿入孔50からの異物の侵入を防止している。特に、挿入孔50をそのままの開放状態にしておくと、挿入孔50から直接的に接触部40と弾性部44との接点が見えるので、押圧変形部53を変形させて直接見えないようにすることで、上記の効果が生じる。
【0018】
図13によく示されているように、固定端子24は、平板状の固定部37と、この固定部37の基端側から下方にコ字状に曲成された端部に設けた基板接続部38と、それらの間の腕部48を備えている。尚、固定部37の横方向における幅は、腕部48の幅よりも相当に大きく設定されている。固定部37の側部には楔状の突起39が形成されており、これらの突起39を介して固定部37は絶縁ハウジング22の側方から絶縁ハウジング22の挿入孔80を通じて空間36に水平姿勢で圧入される。この結果、固定部37は、絶縁ハウジング22の内部に設置され、それ以外の腕部48と基板接続部38は、絶縁ハウジング22の外部に露出されたままの状態となる。また、固定部37のほぼ中央部には下方に突出する接触部40(図11参照)が設けられており、弾性部44との接触圧力を高め、接触信頼性を高めることができるようになっている。なお、挿入孔80は、横長矩形状の開口となっている。
【0019】
図1、図2、図12、図14によく示されているように、絶縁ハウジング22の、可動端子25が圧入される側の挿入孔50の上部には、弾性を有する押圧変形部53が設けられている。押圧変形部53は、絶縁ハウジング22の挿入孔50の上部に切り込み(又はスリット)を入れることにより形成されている。また、図14によく示されているように、外部導体23には、押圧変形部53と対面する部分に凸状に突出した押圧部70が設けられている。そして、押圧変形部53は、外部導体23が絶縁ハウジング22に装着される時に、押圧部70により押し下げられて変形し、挿入孔50の押圧変形部53の下の隙間を塞ぐようになっている。つまり、この押圧変形部53は、挿入孔50を塞ぐための塞部として利用できる。
図3乃至図7、図13によく示されているように、絶縁ハウジング22は、固定端子24の固定部37が圧入される側において、固定部37の圧入方向における断面に対応する形状を有した挿入孔80を有する。
【0020】
本実施形態1のスイッチ付き同軸コネクタ21は、携帯電話機のような携帯式の通信機器において、内蔵される高周波回路の検査用などに使用される。また、高周波回路用に、外部導体23はシールドされ、可動端子25及び固定端子24はインピーダンス整合がとられている。
【0021】
同軸プラグ(図示せず)が装着されていないときは、可動端子25は弾性部44の弾性力により固定端子24の接触部40に押し付けられて、固定端子24と可動端子25は電気的に接続された状態を保持する。同軸プラグが装着されているときは、同軸プラグの外部導体(図示せず)の下端部は外部導体23に当接し、同軸プラグの中心導体(図示せず)の下端部は、縦孔35に挿通する。この状態で同軸プラグの中心導体は、弾性部44に当接する。このとき、同軸プラグの中心導体の弾性力は弾性部44よりも強いので、弾性部44は同軸プラグの中心導体により押し下げられ、弾性変形し、接触部40から離間し、固定端子24と可動端子25は電気的に切り離されると同時に、同軸プラグの中心導体と可動端子25が接続された状態となる。これにより、可動端子25から固定端子24へ流れていた信号を可動端子25から同軸プラグの中心導体へ流して、高周波回路を検査することができる。
【0022】
次に、図12乃至図14により、本実施形態1によるスイッチ付き同軸コネクタ21の組み立て方法を説明する。
【0023】
まず、図12に示されるように、絶縁ハウジング22の挿入孔50を通して、絶縁ハウジング22の空間36に可動端子25を圧入する。
【0024】
次に、図13に示されるように、絶縁ハウジング22の挿入孔80を通して、絶縁ハウジング22の空間36に固定端子24を圧入する。この際、接触部40と弾性部44とが擦らないように、絶縁ハウジング22の縦孔35の上方から、治具により弾性部44を押し下げながら、固定端子24を圧入する。
【0025】
続いて、図14に示されるように、絶縁ハウジング22の外側に、外部導体23を装着する。この際、絶縁ハウジング22に外部導体23を上方から被せて、外部導体23の側面を押し曲げて、かしめる。これにより、外部導体23が絶縁ハウジング22に固定される。この時、外部導体23の押圧部70が、絶縁ハウジング22の押圧変形部53に接触して押し下げるので、押圧変形部53が下方に曲げられて、挿入孔50の隙間が塞がれる。
【0026】
したがって、本実施の形態1のスイッチ付き同軸コネクタ21によれば、絶縁ハウジング22に外部導体23を装着すると同時に、挿入孔50が塞がれ、塞部が形成されるので、特許文献1記載の技術のような、抑え部及び延伸部の折り曲げ加工等の追加工程を必要とせず、製品内部への異物の侵入を少なくすることができる。また、抑え部及び延伸部等が必要ないので、製品の外観サイズも小さくすることが可能である。また、可動端子25の固定部42には、立上り片61が設けられているので、さらに、挿入孔50から空間36内部への異物の侵入が防止される。
【0027】
(実施の形態2)
図15乃至図18に、本発明の実施の形態2によるスイッチ付き同軸コネクタ21aの全体図を示す。更に詳細には、図15は、本実施形態2の同軸コネクタ21aの斜視図であり、左上側から見た図である。図16及び図17は、それぞれ、本実施形態2の同軸コネクタ21aの上面図、正面図である。図18は、本実施形態2の同軸コネクタ21aの中心線断面図(図16のA−A線断面図)である。図19は、外部導体23aを絶縁ハウジング22aに組み込む前の状態を示す図である。
【0028】
前記実施の形態1の同軸コネクタ21は、外部導体23の押圧部70の絶縁ハウジング22に対面する部分が凸状に突出していたが、本実施の形態2の同軸コネクタ21aは、外部導体23aの押圧部70aが平らであり、絶縁ハウジング22aの押圧変形部53aは、外部導体23aと対面する部分が凸状に突出する形状となっている。そして、外部導体23aが絶縁ハウジング22aに装着される時に、絶縁ハウジング22aの押圧変形部53aの凸状部分が、押圧部70aにより押し下げられて、押圧変形部53aが変形し、挿入孔50を塞ぐようになっている。つまり、この押圧変形部53aは、挿入孔50を塞ぐための塞部として利用できる。
【0029】
なお、本実施形態2の同軸コネクタ21aにおいて、他の部分は、前記実施の形態1のスイッチ付き同軸コネクタ21と同様であるので、説明を省略する。
【0030】
したがって、本実施の形態2のスイッチ付き同軸コネクタ21aによれば、前記実施の形態1のスイッチ付き同軸コネクタと同様の効果を奏することが可能となる。
【0031】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0032】
例えば、前記実施の形態においては、高周波回路用のスイッチ付き同軸コネクタについて説明したが、これに限定されるものではなく、他の一般的なコネクタについても適用可能であり、特に異物の侵入が問題となるコネクタになるほど本発明の効果は有効である。
【符号の説明】
【0033】
21,21a 同軸コネクタ
22,22a 絶縁ハウジング
23,23a 外部導体
24 固定端子
25 可動端子
30 段差部
31 上部
32 環状溝
34 凹部
35 縦孔
36 空間
37 固定部
38 基板接続部
39 突起
40 接触部
42 固定部
43 基板接続部
44 弾性部
45 突起
46 両側外周部
47 切欠部
48 腕部
50 挿入孔
53,53a 押圧変形部
61 立上り片
70,70a 押圧部
80 挿入孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁ハウジングと、
外部導体と、
固定端子及び可動端子と、を備え、
前記固定端子は接触部を有し、前記可動端子は、前記絶縁ハウジングに固定される固定部と、前記固定部から片持ち梁状に延出し、同軸プラグの中心導体と当接可能且つ前記接触部と接触可能な弾性部とを有し、
前記同軸プラグの中心導体が前記絶縁ハウジングの前記孔に嵌合していないとき、前記弾性部が前記接触部と接触し、前記固定端子と前記可動端子とが電気的に接続され、
前記同軸プラグの中心導体が前記絶縁ハウジングの前記孔に嵌合すると、前記中心導体が前記弾性部に当接し、前記弾性部が前記接触部から離間し、前記固定端子と前記可動端子とが電気的に遮断され、前記同軸プラグの中心導体と前記可動端子とが電気的に接続されるように構成されている、基板上に実装されるスイッチ付き同軸コネクタであって、
前記絶縁ハウジングは、前記同軸プラグの中心導体を上方から受入れ可能な孔を有し、
前記外部導体は、前記絶縁ハウジングの外側に設けられ、
前記固定端子及び可動端子は、前記孔の下方に設けられ、互いに接離可能であり、
前記絶縁ハウジングは、前記可動端子を圧入するための挿入孔と、前記挿入孔の上部に設けられた押圧変形部とを有し、
前記外部導体は、前記押圧変形部と対面する部分に押圧部を有し、
前記押圧変形部は、前記外部導体が前記絶縁ハウジングに装着される時に、前記押圧部により押し下げられ、前記挿入孔を塞いでいることを特徴とする同軸コネクタ。
【請求項2】
前記押圧部は、前記押圧変形部と対面する部分が凸状となっていることを特徴とする請求項1記載の同軸コネクタ。
【請求項3】
前記押圧変形部は、前記押圧部と対面する部分が凸状となっていることを特徴とする請求項1記載の同軸コネクタ。
【請求項4】
前記押圧変形部は、前記絶縁ハウジングの前記挿入孔の上部に切り込みを入れることにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の同軸コネクタ。
【請求項5】
前記可動端子は、前記固定部の一部に、前記挿入孔を塞ぐ立上がり片を有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の同軸コネクタ。
【請求項6】
基板上に実装されるスイッチ付き同軸コネクタの組み立て方法であって、
絶縁ハウジングの第1の挿入孔を通して、前記絶縁ハウジング内の空間に第一の端子を圧入する第1工程と、
前記絶縁ハウジングの第2の挿入孔を通して、前記絶縁ハウジング内の前記空間に第二の端子を圧入する第2工程と、
前記絶縁ハウジングに外部導体を上方から装着する第3工程と、を有し、
前記第3工程において、前記絶縁ハウジングの少なくとも1つの挿入孔の上部に設けられた押圧変形部が、前記外部導体の押圧部により押し下げられて、前記押圧変形部が下方に曲げられて、前記少なくとも1つの挿入孔が塞がれることを特徴とする同軸コネクタの組み立て方法。
【請求項7】
前記押圧部は、前記押圧変形部と対面する部分が凸状となっていることを特徴とする請求項6記載の同軸コネクタの組み立て方法。
【請求項8】
前記押圧変形部は、前記押圧部と対面する部分が凸状となっていることを特徴とする請求項6記載の同軸コネクタの組み立て方法。
【請求項9】
前記押圧変形部は、前記絶縁ハウジングの前記挿入孔の上部に切り込みを入れることにより形成されていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の同軸コネクタの組み立て方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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