説明

スイッチ付き同軸コネクタ

【課題】可動接片部の寿命性及び接触信頼性を向上し、従来より更に小型、低背で、簡素
な部品構成によりコストも安価なスイッチ付き同軸コネクタを提供する。
【解決手段】スイッチ付き同軸コネクタ1は台座部11を有する絶縁ボディ10と、半田
接続部をそれぞれが有する外部導体シェル30、固定接続部材40、可動接続部材50の
4部品で構成する。可動接続部材50は金属薄板からなる板バネ状の可動接片部51を有
し、板幅方向がプラグピン挿抜方向と平行となるようボディ内部に片持状態で収容し、自
由側端部54bはプラグピン挿入領域15の一部を側方から通過して固定接点部41に延
設し可動接点部56と同一平面にプラグピン接触部57を有する。相手側コネクタとの嵌合によりプラグピン100がプラグピン接触部に弾性接触し、可動接片部がバネ力に抗しプラグピン挿抜方向に対して略垂直方向に変位し固定接点部から離反する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、例えば、携帯電話などの通信機器に使用され、相手側コネクタ(同軸ケーブルの末端に取り付けられているプラグ)との嵌合により接点が切り換えられるスイッチ付き同軸コネクタ(スイッチ付きレセプタクル)に関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチ付き同軸コネクタは、例えば、携帯電話においては、出荷時に高周波回路の電気特性をチェックする場合に、その測定装置に接続された相手側コネクタを嵌合することにより、高周波回路をアンテナから測定装置に切り換え接続し、相手側コネクタを外すことにより、再び高周波回路をアンテナに接続するよう、基板に表面実装されており、携帯電話など使用対象機器を小形化、薄型化するために、可能な限りの小形化、低背化が望まれている。
【0003】
スイッチ付き同軸コネクタの小型化、低背化を実現するためには、金属薄板からなる板バネ状の可動接片部材の設計でいかに集中応力が低く繰り返し挿抜に対する寿命性を向上するかが重要となる。従来、可動接片部材を断面S字状に形成することで、バネ全長を長くして小型でありながら集中応力を下げ寿命性を向上する技術(例えば、「特許文献1」参照。)があった。しかし、プラグピン挿抜方向にバネが形成されているため、低背化には限界がある。またプラグピンの挿入ストロークによって、プラグピン接触部の接点荷重が変化するため、電気的接続の安定性に欠け、高周波特性の測定などには不向きである。などの問題を具備していた。そこで、可動接片部材をプラグピン挿抜方向に対して略垂直方向に変位させて接点を切り換えるように構成したスイッチ付き同軸コネクタが開発された(例えば、「特許文献2」参照。)。
【特許文献1】特許第2889562号公報
【特許文献2】特開2003−59597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のスイッチ付き同軸コネクタは、絶縁ボディ、外部導体シェル、スイッチ用の固定接片部材及び可動接片部材の4部品の他に、プリント配線基板へ表面実装するための半田接続部を有するサブ基板やサブ基板の半田接続部に対して固定接片部材及び可動接片部材を電気的に接続するための中継用ピンなどが別部品で備えられており、部品点数が多く、構造が複雑で、部品コスト及び組み立てコストが高く付く問題がある。また可動接片部材のプラグピン接触部が、可動接片部材の自由側端部からプラグピン挿入領域の下側を通過してその側部に立ち上がるようL字形に形成されており、相手側コネクタとの嵌合に伴って、プラグピンがプラグピン接触部の立ち上がり部に接触し、プラグピン接触部全体がプラグピン挿抜方向に対して略垂直方向に変位することにより、可動接片部材の可動接点部がバネ力に抗して固定接点部から解離するように構成されているため、プラグピン挿入領域の下側にさらに、プラグピン接触部の横向き部の板厚分と、その横向き部の摺動隙間を確保する必要があり、低背化には不利な構造となっていた。
【0005】
本発明の目的は、可動接片部の寿命性及び接触信頼性を向上し、従来より更に小型、低背で、簡素な部品構成によりコストも安価なスイッチ付き同軸コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るスイッチ付き同軸コネクタは、底側に台座部を一体に有し、相手側コネクタのプラグピンを円筒内部中心部に円筒軸芯に沿って挿抜自在とするプラグピン挿入孔が天面中心部に形成される天付き円筒形の絶縁ボディと、絶縁ボディの円筒外側に嵌合される円筒形のシェル本体と、絶縁ボディの底面に沿うようシェル本体から一体に延設される半田接続部と、を有する外部導体シェルと、絶縁ボディの円筒内部でプラグピン挿入領域から外れた位置に収容固定される固定接点部と、絶縁ボディの底面に沿うよう固定接点部から一体に延設される半田接続部と、を有するスイッチ用の固定接続部材と、板幅方向がプラグピン挿抜方向と平行となるよう絶縁ボディの円筒内部でプラグピン挿入領域の周りに片持ち状態で収容されると共に、自由側端部がプラグピン挿入領域の一部を側方から通過して固定接点部に延設され、バネ力によって固定接点部に弾性接触する可動接点部と同一平面にプラグピン接触部を有する、金属薄板からなる板バネ状の可動接片部と、絶縁ボディの底面に沿うよう可動接片部から一体に延設される半田接続部と、を有する可動接続部材と、を備え、相手側コネクタとの嵌合に伴って、プラグピンがプラグピン接触部に弾性接触し、可動接片部がバネ力に抗してプラグピン挿抜方向に対して略垂直方向に変位することにより、可動接点部が固定接点部から離反するように構成したことを特徴とする。
【0007】
上記構成を採用したことにより、スイッチ付き同軸コネクタが、絶縁ボディ、外部導体シェル、スイッチ用の固定接続部材及び可動接続部材のみで構成され、すなわち、この種スイッチ付き同軸コネクタとしては最小部品点数の4部品で構成され、スイッチ付き同軸コネクタの部品コスト及び組み立てコストを低減でき、同時に構造も簡素化できる。
【0008】
可動接片部は、プラグピン挿抜方向に対して略垂直方向に変位し、その変位量は、プラグピンの外径寸法とプラグピン接触部(接触面)のプラグピン軸芯からの距離寸法だけで確定され、プラグピンの挿入ストロークによって変化しないため、可動接片部が受ける応力及びプラグピン接触部の接触荷重が一定となり、電気的接続状態が安定し、接触信頼性を向上し、スイッチ付き同軸コネクタを、例えば、携帯電話などに使用した場合、良好な高周波特性の測定環境が得られる。
【0009】
金属薄板からなる板バネ状の可動接片部は、板幅方向がプラグピン挿抜方向と平行となるよう絶縁ボディの円筒内部で収容されるため、適正なバネ特性を得るために、可動接片部の形状を変化させて、バネ長を変更したり、応力を分散させるための曲げ部の追加削除や曲げ半径を変更することは、スペース的には、可動接片部の断面積を増減するだけで、スペースの増減が少ない範囲で効果的に対応できるため、可動接片部の寿命性及び接触信頼性を向上し、スイッチ付き同軸コネクタの更なる小型化を実現できる。
【0010】
可動接片部は、長方形の金属薄板を長さ方向に曲げ加工して板バネ状に形成するだけで、自由側端部にプラグピン接触部及び可動接点部を設定できるため、可動接続部材の形状が簡素化されて小さい部品加工が容易に行え、スイッチ付き同軸コネクタの更なる部品コスト及び組み立てコストの低減化を図ることができる。
【0011】
プラグピン接触部は、プラグピン挿入領域の下側を通過することなくプラグピン挿入領域に延出できるため、プラグピンの挿入ストロークと同じ高さのスペースでも可動接片部が収容可能となり、スイッチ付き同軸コネクタの更なる低背化を実現できる。
【0012】
本発明のスイッチ付き同軸コネクタにおいては、プラグピン接触部のプラグピン挿入側端部には、プラグピン挿入領域の外側に向かって湾曲するプラグピン誘い込み部が形成されていることが望ましい。また絶縁ボディには、その円筒内部のプラグピン挿入領域を挟む対向位置に、プラグピン挿入孔の孔壁面から連続してプラグピン挿入方向に垂下するプラグピン挿入ガイド壁面が形成されていることが望ましい。この構成を採用した場合、プラグピンは円筒形の一部がDカットされたプラグピン挿入ガイド壁面にガイドされて挿入されるため、プラグピンの軸芯が大きく偏芯したり、斜めに挿入されることがなく、しかもプラグピン誘い込み部によってプラグピン接触部の接触面側にプラグピンが確実に摺接挿入され、高い接触信頼性と同時に、スイッチの確実な接点切り換え動作が得られる。
【0013】
また、プラグピン誘い込み部のプラグピン誘い込み面と先端面が作る角部に面取りを施すことが望ましい。この構成を採用した場合、プラグピン誘い込み部のプラグピン誘い込み面と先端面が作る角部(エッジ部)がボディ天面部に引っ掛かるのを防止でき、可動接片部のボディ天面部との干渉による動作不良をなくし、高い接触信頼性と同時に、スイッチの確実な接点切り換え動作が得られる。
【0014】
さらに、可動接片部は、固定側端部から自由側端部かけての全ての部位の周方向位置が異なる形態とすることが望ましい。この構成を採用した場合、可動接片部の固定側端部から自由側端部にかけての部位間で半径方向で重複し離間距離が著しく接近し高周波的に干渉し易い部位をなくすことができる。また可動接片部の固定側端部から自由側端部かけての自由側端部を除く部位で半径方向で重複しプラグピン挿入領域に一部が食い込みプラグピン挿抜時にプラグピンと干渉し易い部位をなくすことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、可動接片部の寿命性及び接触信頼性を向上し、スイッチ付き同軸コネクタの更なる小型化、低背化を実現できる上に、簡素な部品構成によりコストダウンも実現できる。という顕著な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図10を参照して説明する。図1は第1実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1の分解斜視図である。図1に示す如く、スイッチ付き同軸コネクタ1は、絶縁ボディ10、外部導体シェル30、スイッチ用の固定接続部材40及び可動接続部材50の4部品のみで構成されている。
【0017】
次に、各部品構成について説明する。図2は第1実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1の絶縁ボディ10を示す図であり、(a)は正面図(絶縁ボディ10を相手側コネクタの嵌合方向から見た図。)、(b)は平面図、(c)は右側面図、(d)は底面図、(e)は正面図におけるA−A断面図(絶縁ボディ10’をプラグピン挿抜方向と平行な平面で切った切断面。)である。図3は第1実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1の外部導体シェル30を示す図であり、(a)は正面図(外部導体シェル30を相手側コネクタの嵌合方向から見た図。)、(b)は平面図、(c)は右側面図である。図4は第1実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1の固定接続部材40を示す図であり、(a)は正面図(固定接続部材40を相手側コネクタの嵌合方向から見た図。)、(b)は平面図、(c)は右側面図である。図5は第1実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1の可動接続部材50を示す図であり、(a)は正面図(可動接続部材50を相手側コネクタの嵌合方向から見た図。)、(b)は平面図、(c)は右側面図である。
【0018】
絶縁ボディ10は、図1、図2に示す如く、絶縁性を有する樹脂材料(例えば、「LCP」。)からなり、底側に略直方体形状の台座部11を一体に有する天付き円筒形に形成される。台座部11は、1辺の長さが、円筒形のボディ本体12の外径寸法に外部導体シェル30を形成する金属薄板の板厚を加えた寸法、すなわち、外部導体シェル30のシェル本体31の外径寸法と略同じ寸法の正方形の板状に形成され、ボディ本体12を、台座部11の上面同心位置に垂直に一体形成する。円板状のボディ天面部13の中心部には、相手側コネクタのプラグピン100(図10参照。)を、ボディ本体12の内部中心部にボディ本体12の軸芯に沿って挿抜自在とする円形のプラグピン挿入孔14が形成される。従って、ボディ本体12の内部における中心部で、その軸芯と同芯の細長い円柱空間がプラグピン挿入領域15となる。プラグピン挿入孔14は、孔径が、ボディ天面部13の外面から内面に向かって、すなわち、プラグピン挿入方向に向かって順次縮径されるテーパ孔に形成され、プラグピン挿入孔14が、プラグピン100のピン径より僅かに大きい開口径でボディ天面部13の内面に開口される。プラグピン挿入孔14の逆円錐台形状の孔壁面が、プラグピン100の挿入時の誘い込み面14aになっている。
【0019】
ボディ本体12の内部には、図7にも示す如く、4方が、台座部11の3側面と平行な平らな3つの第1内側壁12a、第2内側壁12b、第3内側壁12cと、ボディ本体12の外周面に沿う湾曲した第4内側壁12dと、で囲われ、天面が、中心部にプラグピン挿入孔14が形成されたボディ天面部13で覆われる、スイッチ収容室16が形成される。スイッチ収容室16は、台座部11を貫通してこの下面、すなわち、絶縁ボディ10の底面に開放されている。スイッチ収容室16には、湾曲した第4内側壁12dと対向する平らな第3内側壁12cの幅方向中央部とプラグピン挿入領域15との間に、ボディ天面部13から一体に垂下され、一側端面が第3内側壁12cの幅方向中央部に一体連結され、他側端面をプラグピン挿入領域15に臨ませる、断面I型の第1仕切り壁17と、相対向する平らな第1内側壁12aと第2内側壁12bのいずれか一方(本実施形態では第2内側壁12b。)と第1仕切り壁17との間から湾曲した第4内側壁12dとプラグ挿入領域15との間にわたって、ボディ天面部13から一体に垂下され、一側端面が第2内側壁12bと第1仕切り壁17との間の第3内側壁12cに所定の隙間を設けて対向し、他側端面を第1仕切り壁17の他側端面と反対側からプラグピン挿入領域15に臨ませる、断面J型の第2仕切り壁18と、が備えられる。第1仕切り壁17と第2仕切り壁18とによって、第2仕切り壁18の曲げ部を始点とし、第1内側壁12aと第1仕切り壁17との間の第3内側壁12cを終点とする、断面略「e」字形の可動接片収容溝19を、スイッチ収容室16におけるプラグピン挿入領域15の周りに形成すると共に、プラグピン挿入領域15を挟んで対向する第1仕切り壁17の他側端面と第2仕切り壁18の他側端面を、プラグピン挿入領域15の外側面(プラグピン100の外側面)に沿う円柱面に形成し、第1仕切り壁17の他側端面と第2仕切り壁18の他側端面とによって、プラグピン挿入領域15を挟む対向位置に、プラグピン挿入孔14の孔壁面、すなわち、誘い込み面14aから連続してプラグピン挿入方向に垂下する、円筒形の一部がDカットされたプラグピン挿入ガイド壁面17a,18aを、スイッチ収容室16に形成している。
【0020】
可動接片収容溝19は、第2仕切り壁18の曲げ部から始まり、プラグピン挿入領域15の直ぐ外側を接線状に第2内側壁12bに沿う方向で第4内側壁12d側から第3内側壁12c側に向かうよう、第2仕切り壁18と第1仕切り壁17との間に直線状に形成される内溝部19aと、内溝部19aの外側から一連の第2内側壁12b、第4内側壁12d、第1内側壁12aに沿って、内溝部19aと反対側のプラグピン挿入領域15の外側に回り込むよう、第2仕切り壁18及び第1仕切り壁17と一連の第2内側壁12b、第4内側壁12d、第1内側壁12aとの間に略U字形に形成される外周溝部19bと、内溝部19aの終端を外周溝部19bの始端に接続するよう、第2内側壁12bの一側端面と第3内側壁12cとの間に略U字形に形成される折り返し溝部19cと、を有する。内溝部19aと反対側のプラグピン挿入領域15の外側に回り込む外周溝部19bの終端部は、プラグピン挿入領域15の一部を含めて接線状に第4内側壁12d側から第3内側壁12cに向かうように、第1内側壁12aとそれに対向する第2仕切り壁18の他側端部及び第1仕切り壁17との間に直線状に形成され、外周溝部19bの終端部溝内側壁が途切れる部分から、すなわち、第2仕切り壁18側のプラグピン挿入ガイド壁面18aと第1仕切り壁17側のプラグピン挿入ガイド壁面17aとの間から、プラグピン挿入領域15の一部が張り出している。可動接片収容溝19は、内溝部19aが、可動接続部材50を形成する薄板金属の板厚と略同じ溝幅に形成されて最も幅狭に形成され、折り返し溝部19cを経て、第2内側壁12bに沿う外周溝部19bの始端部までが、内溝部19aよりやや幅広に形成され、第4内側壁12dに沿って湾曲する外周溝部19bの中間部で順次溝幅が拡げられ、内溝部19aと反対側のプラグピン挿入領域15の外側に第1内側壁に沿って回り込む外周溝部19bの終端部で溝幅が最も幅広になるよう形成される。
【0021】
絶縁ボディ10には、固定接続部材40の固定接点収容溝20と、外部導体シェル30の一対の半田接続部収容溝21a,21bと、固定接続部材40の半田接続部収容溝22と、可動接続部材50の半田接続部収容溝23と、が形成される。固定接点収容溝20は、外周溝部19bの終端部で、第1内側壁12aと対向している第1仕切り壁17の壁面に凹状に形成し、その他の半田接続部収容溝21a,21b、22、23は、台座部11の下面、すなわち、絶縁ボディ10の底面に凹状に形成している。
【0022】
外部導体シェル30は、図1、図3、図7に示す如く、導電性の金属板(例えば、「銅合金」。)からなり、ボディ本体12の外側に嵌合される円筒形のシェル本体31と、台座部11の下面、すなわち、絶縁ボディ10の底面に沿うようシェル本体31の下端対称位置からそれぞれ曲げ片部31a,31bを介して一体に延設される一対の半田接続部32a,32bと、を有している。各半田接続部32a,32bは、絶縁ボディ10に対する外部導体シェル30の組み付け前はシェル本体31の下端対称位置から垂下状態で延設され、組み付け時にそれぞれが内側に直角に折り曲げられて、絶縁ボディ10の底面に形成された各半田接続部収容溝21a、21bに嵌め込まれる。各半田接続部収容溝21a、21bは、深さが、各半田接続部32a,32bの板厚より若干浅く、各半田接続部32a,32bの下表面が、絶縁ボディ10の底面から若干張り出した状態で露出するよう形成される。
【0023】
固定接続部材40は、図1、図4、図7に示す如く、導電性の金属板(例えば、「銅合金」。)を略L字形に打ち抜いた後、一片を他片に対して直角に折り立て(曲げ)加工したもので、絶縁ボディ10の固定接点収容溝20に嵌め込まれ、スイッチ収容室16におけるプラグピン挿入領域15から外れた位置に収容固定される固定接点部41と、絶縁ボディ10の底面に沿うよう固定接点部41の下端から直角に一体延設される半田接続部42と、を有している。固定接点収容溝20は、固定接点部41の金属表面が、外周溝部19bの終端部で、第1内側壁12aと対向している第1仕切り壁17の壁面に面一状態で露出するよう、固定接点部41を第1仕切り壁17の壁面に埋め込み状態で収容固定し、外周溝部19bの終端溝内側壁を固定接点部41の金属表面で構成する。このように、外周溝部19bの終端溝内側壁に面一状態に露出する固定接点部41の金属表面には、固定接点41aが球面状に膨出形成される。半田接続部42を嵌め込む絶縁ボディ10の底面の半田接続部収容溝22も、深さが、半田接続部42の板厚より若干浅く、半田接続部41の下表面が絶縁ボディ10の底面から若干張り出した状態で、外部導体シェル30の各半田接続部32a,32bの下表面と同一平面内で露出するよう形成される。
【0024】
可動接続部材50は、図1、図5、図7に示す如く、導電性の金属薄板(例えば、「銅合金」。)を、一片の長さに比べて他片の長さが大幅に長くなるよう略L字状に打ち抜いた後、長い一片を長手方向に沿って曲げ加工すると共に、短い一片を長い一片に対して直角に折り曲げ加工したもので、絶縁ボディ10の可動接片収容溝19に収容される可動接片部51と、絶縁ボディ10の底面に沿うよう可動接片部51の固定端側下端から直角に一体延設される半田接続部55と、を有している。可動接片部51は、細長い長方形状の金属薄板を長手方向に沿って断面略「e」字形に曲げ形成したもので、略U字形の外周溝部19bに嵌り込む略U字形のバネ部54と、バネ部54の一端から内側に曲げ込まれた状態で連続し、内溝部19aに嵌合固定される固定端部52と、折り返し溝部19cに嵌り込む固定端部52の折り返し部53と、を有し、板幅方向がプラグピン挿抜方向と平行となるよう可動接片収容溝19によってプラグピン挿入領域15の周りに片持ち状態で収容できるように形成される。固定端部52側のプラグピン挿入領域15の外側から外周溝部19bを通り固定端部52と反対側のプラグピン挿入領域15の外側に回り込むバネ部54は、自由状態において、固定端部52に連続する固定側端部54aとその反対側の自由側端部54bとの間隔が、第2内側壁12bに沿う外周溝部19bの始端部と第1内周壁12aに沿う外周溝部19bの終端部との間隔より、狭くなるよう形成される。従って、可動接片収容溝19に可動接片部51を収容した時、外周溝部19bの終端部に嵌り込むバネ部54の自由側端部54bは、バネ部54のバネ力によって、プラグピン挿入領域15の一部が張り出している外周溝部19bの終端部溝内側壁側に常時付勢されて、プラグピン挿入領域15の一部を側方から通過して固定接点部41と対向する位置に延設されると共に、外周溝部19bの終端部の中でプラグピン挿抜方向に対して略垂直方向に弾性変位可能となり、固定接点部41の固定接点41aに弾性接触する可動接点部56と同一平面にプラグピン接触部57を有する。すなわち、プラグピン挿入領域15の一部が張り出し、それより終端側で固定接点41aが膨出する、外周溝部19bの終端部溝内側壁に対向し、その溝内側壁に対して接離可能となるバネ部54の自由側端部54bの金属表面における、基端部にプラグピン接触部57が、先端部に可動接点部56が設定される。
【0025】
バネ部54は、第2内側壁12bに沿う外周溝部19bの始端部に嵌り込む平らな固定側端部54aと、第1内側壁12aに沿う外周溝部19bの終端部に嵌り込む平らな自由側端部54bと、湾曲した第4内側壁12dに沿う外周溝部19bの中間部に嵌り込む平らな中間部51cと、固定側端部54aと中間部54cとを繋ぐ第1曲げ部54dと、中間部54cと自由側端部54bとを繋ぐ第2曲げ部54eと、を有し、全体として略U字形に形成され、応力を2箇所の曲げ部54d,54eに分散させて受けるようバネ設計されると共に、中間部54cに対する自由側端部54bの曲げ角度が、固定側端部54aに対する中間部54cの曲げ角度より、小さくなるよう(例えば、前者を鋭角に、後者を鈍角とする。)、第1曲げ部54dと第2曲げ部54eが形成され、第1曲げ部54dを支点に中間部54cと自由側端部54bとを一体的に弾性変位させながら、自由側端部54bを第2曲げ部54eを支点に弾性変位させるようバネ設計される。
【0026】
バネ部54における自由側端部54bの基端部に、プラグ挿入側端部となる上端部から板幅方向に沿って所定長さの切り込み58を形成すると共に、切り込み58より先の自由側端部54bの上端部を、その全長にわたって、上端面が第1内側壁12a側に向くよう、プラグピン挿入領域15の外側に向かって曲げ加工するもので、自由側端部54bの上端部に、その全長にわたって、この板幅方向に沿って外向きに曲がる曲げ部を形成し、プラグピン接触部57のプラグピン挿入側端部に連続してプラグピン挿入領域15の外側に向かって湾曲する曲げ部が、プラグピン100の挿入時に、プラグピン挿入領域15の一部が張り出し、それより終端側で固定接点41aが膨出する、外周溝部19bの終端部溝内側壁に対向し、その溝内側壁に対して接離可能となる自由側端部54bの金属表面、すなわち、プラグピン接触部57のプラグピン接触面側にプラグピン100を誘い込むプラグピン誘い込み部59となっている。バネ部54の金属薄板の板幅は、自由側端部54bの板幅が、プラグピン誘い込み部59の曲げ代分、自由側端部54b以外のバネ部54の板幅より幅広に形成されており、自由側端部54bの上端部の高さ、すなわち、プラグピン誘い込み部59の誘い込み面の高さが、自由側端部54b以外のバネ部54の上端部の高より下がることなく揃うようにしている。
【0027】
可動接続部材50の半田接続部55は、絶縁ボディ10の底面に沿うよう可動接片部51の固定端部52の下端から直角に一体延設されており、半田接続部55が嵌め込まれる絶縁ボディ10の底面の半田接続部収容溝23も、深さが、半田接続部55の板厚より若干浅く、半田接続部55の下表面が絶縁ボディ10の底面から若干張り出した状態で、外部導体シェル30の各半田接続部32a,32bと固定接続部材40の半田接続部42の下表面と同一平面内で露出するよう形成される。
【0028】
次に、スイッチ付き同軸コネクタ1の組み立てについて説明する。スイッチ付き同軸コネクタ1は、前記の絶縁ボディ10、外部導体シェル30、固定接続部材40及び可動接続部材50の4部品のみで構成されるため、絶縁ボディ10に対する外部導体シェル30の組み付け工程と、同絶縁ボディ10に対する固定接続部材40の組み付け工程と、同絶縁ボディ10に対する可動接続部材50の組み付け工程の、3工程で、図6乃至図10に示す状態に組み立てることができる。図6は第1実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1を示す図であり、(a)は正面図(スイッチ付き同軸コネクタ1を相手側コネクタの嵌合方向から見た図。)、(b)は平面図、(c)は右側面図、(d)は底面図である。図7は図6の(c)右側面図におけるB−B断面図(スイッチ付き同軸コネクタ1のボディ本体12部をプラグピン挿抜方向に対して垂直な平面で切った切断面。)を示す図であり、(a)はプラグピン100の未挿入時の断面図、(b)はプラグピン100の挿入時の断面図である。図8は第1実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1を示す外観斜視図である。図9は第1実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1の内部を示す断面斜視図である。図10はプラグピン100の挿入状態の第1実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1の内部を示す斜視図である。
【0029】
絶縁ボディ10に対する外部導体シェル30の組み付けは、一対の半田接続部32a,32bが下端対称位置から垂下状態で延設されている状態のシェル本体31を、ボディ本体12の外側に嵌合した後、各半田接続部32a,32bを絶縁ボディ10の底面に沿うよう曲げ加工し、各半田接続部32a,32bを絶縁ボディ10の底面に形成された各半田接続部収容溝21a、21bに嵌め込むことによって行うことができる。
【0030】
絶縁ボディ10に対する固定接続部材40の組み付けは、固定接点部41を、絶縁ボディ10における可動接片収容溝19の外周溝部19bの終端部で、第1内側壁12aと対向している第1仕切り壁17の壁面に凹状に形成された固定接点収容溝20に、絶縁ボディ10の底側から圧入固定し、半田接続部42を絶縁ボディ10の底面に形成された半田接続部収容溝22に嵌め込むことによって行うことができる。
【0031】
絶縁ボディ10に対する可動接続部材50の組み付けは、可動接片部51を、この板幅方向がプラグピン挿抜方向と平行となるよう、絶縁ボディ10における可動接片収容溝19に、絶縁ボディ10の底側から嵌め込み、半田接続部55を絶縁ボディ10の底面に形成された半田接続部収容溝23に嵌め込むことによって行うことができる。ところで、この工程では、可動接片部51のバネ部54における自由側端部54bの上端部に、この全長にわたって、形成された曲げ部、すなわち、プラグピン誘い込み部59が、バネ部54の自由側端部54bを、可動接片収容溝19の外周溝部19bにおける終端部に嵌め込む時の、バネ拡張ガイドとして機能し、バネ部54を自由状態から外周溝部19bに嵌め込むことができるため、可動接片部51の可動接片収容溝19への嵌め込みが、スムーズ、かつ、簡単に行えて、可動接続部材50の組み付け工程を簡易化でき、引いては、スイッチ付き同軸コネクタ1の組み立てを簡易化できる。しかも、可動接続部材50の組み付け時に、可動接片部51のバネ部54を強制的に拡張する必要がないため、バネ部54の強制拡張によって生じる可動接片部51のバネ特性の変化、劣化、消失をなくすことができ、不良品の発生を防止できる。
【0032】
以上3工程の順序は、どの工程が先でも後になっても、スイッチ付き同軸コネクタ1は組み立てることができるが、絶縁ボディ10に対する可動接続部材50の組み付け工程より後に、絶縁ボディ10に対する固定接続部材40の組み付け工程を行うと、可動接続部材50の可動接片部51が、固定接続部材40の固定接点部41を固定接点収容溝20に圧入する際の邪魔になる場合があるため、絶縁ボディ10に対する可動接続部材50の組み付け工程より前に、絶縁ボディ10に対する固定接続部材40の組み付け工程を行うことが望ましい。
【0033】
以上の3工程でスイッチ付き同軸コネクタ1を組み立てると、図6乃至図10に示す如く、絶縁ボディ10のボディ本体12外側には外部導体シェル30のシェル本体31が嵌合され、また絶縁ボディ10の天面部13中心部に形成されたプラグピン挿入孔14によって絶縁ボディ10の外側に連通しているボディ本体12の内部スイッチ収容室16には、固定接点収容溝20に収容された固定接続部材40の固定接点部41と可動接片収容溝19に収容された可動接続部材50の可動接片部51とによって構成されたノーマルクローズの切り換えスイッチ60が収容され、さらに絶縁ボディ10の台座部11の下面、すなわち、絶縁ボディ10の底面には、外部導体シェル30の各半田接続部32a,32bと、固定接続部材40の半田接続部42と、可動接続部材50の半田接続部55とが、それぞれ離されて非接触状態で、それぞれの下表面が絶縁ボディ10の底面から若干張り出した状態で、絶縁ボディ10の底面と平行な一平面内で露出される。これにより、ノーマルクローズの切り換えスイッチ60を内蔵する表面実装タイプのスイッチ付き同軸コネクタ1が得られる。
【0034】
切り換えスイッチ60の固定接点部41は、固定接点収容溝20に収容されることによって、固定接点41aが球面状に膨出形成された固定接点部41の金属表面が、可動接片収容溝19の外周溝部19bの終端部で、第1内側壁12aと対向している第1仕切り壁17の壁面に面一状態で露出され、外周溝部19bの終端溝内側壁を金属表面に構成すると共に、その金属表面から外周溝部19bに固定接点41aを突出させる。一方、切り換えスイッチ60の可動接片部51は、可動接片収容溝19に収容されることによって、可動接片部51の固定端部52が可動接片収容溝19の内溝部19aに嵌合固定されて、固定端部52から折り返し部53を介して連続する可動接片部51のバネ部54が、その板幅方向がプラグピン挿抜方向と平行となる状態で、可動接片収容溝19の外周溝部19bに嵌り込み、プラグピン挿入領域15の周りに片持ち状態で支持され、バネ部54の自由側端部54bが、固定端部52と反対側のプラグピン挿入領域15の外側に回り込み、バネ部54のバネ力によって、プラグピン挿入領域15の一部が張り出している外周溝部19bの終端部溝内側壁側に常時付勢されて、プラグピン挿入領域15の一部を側方から通過して固定接点部41と対向する位置に延設され、自由側端部54bの先端部に設定された可動接点部56が、自由側端部54bの基端部に設定されたプラグピン接触部57をプラグピン挿入領域15の一部に入り込ませた状態で、固定接点部41の固定接点41aに弾性接触する。このような固定接点部41と可動接片部51とによって、ボディ本体12の内部スイッチ収容室16に、ノーマルクローズの切り換えスイッチ60が構成されて内蔵されている。
【0035】
以上のようにして得られたスイッチ付き同軸コネクタ1は、絶縁ボディ10の底面を実装対象の図示しないプリント配線基板の実装面に接合させるよう、プリント配線基板上に表面実装することによって、絶縁ボディ10の底面に露出された外部導体シェル30の各半田接続部32a,32bと、固定接続部材40の半田接続部42と、可動接続部材50の半田接続部55とが、プリント配線基板の対応するパターンに半田接続される。本実施形態では、外部導体シェル30の各半田接続部32a,32bをプリント配線基板のアースパターンに電気接続し、固定接続部材40の半田接続部42をプリント配線基板のパターンを介して携帯電話のアンテナに電気接続し、可動接続部材50の半田接続部55を携帯電話の高周波回路に電気接続し、スイッチ付き同軸コネクタ1を、その切り換えスイッチ60が、携帯電話の高周波回路とアンテナとの間に組み込まれるよう、携帯電話のプリント配線基板に表面実装するものとし、次に、図7及び図10を参照しながら本実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1の作用を説明する。この場合の相手側コネクタは、高周波回路の電気特性をチェックする測定装置に接続された測定用プローブであり、周知の如く、プラグピン100を、図示しない円筒形の外部導体の中心に備えたものである。
【0036】
図7の(a)に示す如く、スイッチ付き同軸コネクタ1は、相手側コネクタの嵌合前でプラグピン100の未挿入時には、可動接続部材50の可動接点部56が、バネ部54のバネ力によって、固定接点部材40の固定接点41aに弾性接触し、これら接続部材50,40とプリント配線基板のパターンを介して、高周波回路とアンテナとを電気接続している。
【0037】
相手側コネクタをスイッチ付き同軸コネクタ1に嵌合すると、この嵌合に伴って、図7の(b)、図9に示す如く、プラグピン100が、プラグ挿入孔14から誘い込み面14a及びプラグピン挿入ガイド壁面17a,18aでガイドされて、ボディ本体12の内部中心部のプラグ挿入領域15へとボディ本体12の軸芯に沿って挿入される。この挿入過程で、プラグピン100の球状先端面とプラグピン誘い込み部59のロール状表面とが摺接し、プラグピン接触部57をプラグピン挿入領域15(プラグピン100)の半径方向外側に押し退けるように、プラグピン接触部57をバネ部54のバネ力に抗してプラグピン挿抜方向に対して垂直方向に変位させることによって、プラグピン100は、プラグピン接触部57のプラグピン接触面側に摺接状態で挿入される。これによって、プラグピン接触部57がプラグピン100の外側面に弾性接触すると共に、このプラグピン接触部57と同一平面上に設定されている可動接点部56が固定接点部40の固定接点41aから離反し、高周波回路がプラグピン100を介してアンテナから測定装置に切り換え接続される。
【0038】
可動接片部51のバネ部54は、スイッチ収容室16の最も外側に形成される外周溝部19bを通り、固定端部52側のプラグピン挿入領域15の外側から固定端部52と反対側のプラグピン挿入領域15の外側に回り込むため、充分なバネ長を有し、しかも、バネ部54は、第1曲げ部54dと第2曲げ部54eとを有し、応力を2箇所の曲げ部54d,54eに分散させて受けるようにバネ設計されているため、部分的に大きな曲げモーメントを生じることがなく、プラグピン100の繰り返し挿抜きに対するバネ特性の劣化が生じにくく、プラグピン100の繰り返し挿抜に対する寿命性を向上させることができる。またプラグピン接触部57と可動接点部56とが、バネ部54における板幅方向がプラグピン挿抜方向と平行な自由側端部54bの同一平面上に設定され、しかも、プラグピン接触部57が自由側端部54bの基端側に設定され、可動接点部56が自由側端部54bの先端側に設定されているため、プラグピン接触部57と可動接点部56との変位量は1対1ではなく、プラグピン接触部57の変位量に比べて可動接点部56の変位量が大きくなる。このため、切り換えスイッチ60の確実な接点切り換え動作を得ることができる。逆に言えば、切り換えスイッチ60の接点切り換え動作に必要な可動接点部56の変位量が、その変位量よりも少ないプラグピン接触部57の変位量によって得ることができる。このため、バネ部54の弾性変位量を小さくでき、可動接片部51の寿命性の向上と同時に、スイッチ付き同軸コネクタ1の小型化にも有効となる。
【0039】
相手側コネクタをスイッチ付き同軸コネクタ1から外すと、プラグピン100が絶縁ボディ10のボディ本体12の内部スイッチ収容室13から抜去られ、プラグピン接触部57とプラグピン100との接触が断たれると共に、バネ部54のバネ力によって、可動接点部56が、再び固定接点部41の固定接点41aに弾性接触し、プラグピン接触部57が、プラグピン挿入領域15の一部に入り込む位置に弾性復帰し、高周波回路がアンテナに電気接続される。
【0040】
以上のように、スイッチ付き同軸コネクタ1は、底側に台座部11を一体に有し、相手側コネクタのプラグピン100を円筒内部中心部に円筒軸芯に沿って挿抜自在とするプラグピン挿入孔14が天面中心部に形成された天付き円筒形の絶縁ボディ10と、絶縁ボディ10の円筒外側に嵌合される円筒形のシェル本体31と、絶縁ボディ10の底面に沿うようシェル本体31から一体に延設される半田接続部32a,32bと、を有する外部導体シェルと30と、絶縁ボディ10の円筒内部でプラグピン挿入領域15から外れた位置に収容固定される固定接点部41と、絶縁ボディ10の底面に沿うよう固定接点部41から一体に延設される半田接続部42と、を有するスイッチ用の固定接続部材40と、板幅方向がプラグピン挿抜方向と平行となるよう絶縁ボディ10の円筒内部でプラグピン挿入領域15の周りに片持ち状態で収容されると共に、自由側端部54bがプラグピン挿入領域15の一部を側方から通過して固定接点部41に延設され、バネ力によって固定接点部41に弾性接触する可動接点部56と同一平面上にプラグピン接触部57を有する、金属薄板からなる板バネ状の可動接片部51と、絶縁ボディ10の底面に沿うよう可動接片部51から一体に延設される半田接続部55と、を有する可動接続部材50と、を備え、相手側コネクタとの嵌合に伴って、プラグピン100がプラグピン接触部57に弾性接触し、可動接片部51がバネ力に抗してプラグピン挿抜方向に対して略垂直方向に変位することにより、可動接点部56が固定接点部41から離反するように構成したものである。
【0041】
スイッチ付き同軸コネクタ1が、絶縁ボディ10、外部導体シェル30、スイッチ用の固定接続部材40及び可動接続部材50のみで構成され、すなわち、この種スイッチ付き同軸コネクタとしては最小部品点数の4部品で構成されるため、スイッチ付き同軸コネクタ1の部品コスト及び組み立てコストを低減でき、同時に構造も簡素化できる。
【0042】
可動接片部51は、プラグピン挿抜方向に対して略垂直方向に変位し、その変位量は、プラグピン100の外径寸法とプラグピン接触部57(接触面)のプラグピン100軸芯からの距離寸法だけで確定され、プラグピン100の挿入ストロークによって変化しないため、可動接片部51が受ける応力及びプラグピン接触部57の接触荷重が一定となり、電気的接続状態が安定し、接触信頼性を向上し、スイッチ付き同軸コネクタ1を、本実施形態のように携帯電話などに使用した場合に、良好な高周波特性の測定環境が得られる。
【0043】
金属薄板からなる板バネ状の可動接片部51は、板幅方向がプラグピン挿抜方向と平行となるよう絶縁ボディ10の円筒内部でプラグピン挿入領域15の周りに片持ち状態で収容されるため、適正なバネ特性を得るために、可動接片部51の形状を変化させて、バネ長を変更したり、応力を分散させるための曲げ部の追加削除や曲げ半径を変更することは、スペース的には、可動接片部51の断面積を増減するだけで、スペースの増減が少ない範囲で効果的に対応できるため、可動接片部51の寿命性及び接触信頼性を向上し、スイッチ付き同軸コネクタ1の更なる小型化を実現できる。
【0044】
可動接片部51は、長方形の金属薄板を長さ方向に曲げ加工して板バネ状に形成するだけで、自由側端部にプラグピン接触部57及び可動接点部56を設定できるため、可動接続部材50の形状が簡素化されて小さい部品加工が容易に行え、スイッチ付き同軸コネクタ1の更なる部品コスト及び組み立てコストの低減化を図ることができる。
【0045】
プラグピン接触部57は、プラグピン挿入領域15の下側を通過することなくプラグピン挿入領域15に延出できるため、プラグピン100の挿入ストロークと同じ高さのスペースでも可動接片部51が収容可能となり、スイッチ付き同軸コネクタ1の更なる低背化を実現できる。
【0046】
スイッチ付き同軸コネクタ1において、プラグピン接触部57のプラグピン挿入側端部には、プラグピン挿入領域15の外側に向かって湾曲するプラグピン誘い込み部59が形成されている。また絶縁ボディ10には、その円筒内部のプラグピン挿入領域15を挟む対向位置に、プラグピン挿入孔14の孔壁面から連続してプラグピン挿入方向に垂下するプラグピン挿入ガイド壁面17a,18aが形成されている。これにより、プラグピン100は円筒形の一部がDカットされたプラグピン挿入ガイド壁面17a,18aにガイドされて挿入されるため、プラグピン100の軸芯が大きく偏芯したり、斜めに挿入されることがなく、しかもプラグピン誘い込み部59によってプラグピン接触部57の接触面側にプラグピン100が確実に摺接挿入され、高い接触信頼性と同時に、切り換えスイッチ60の確実な接点切り換え動作が得られる。
【0047】
続いて、本発明の第2実施形態を図11〜図21を参照して説明する。図11は第2実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1'の分解斜視図である。図11に示す如く、スイッチ付き同軸コネクタ1'は、絶縁ボディ10'、外部導体シェル30'、スイッチ用の固定接続部材40'及び可動接続部材50'の4部品のみで構成されている。
【0048】
次に、各部品構成について説明する。図12は第2実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1'の絶縁ボディ10'を示す図であり、(a)は正面図(絶縁ボディ10'を相手側コネクタの嵌合方向から見た図。)、(b)は平面図、(c)は右側面図、(d)は底面図、(e)は正面図におけるA−A断面図(絶縁ボディ10'をプラグピン挿抜方向と平行な平面で切った切断面。)である。図13は第2実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1'の外部導体シェル30'を示す図であり、(a)は正面図(外部導体シェル30'を相手側コネクタの嵌合方向から見た図。)、(b)は平面図、(c)は右側面図である。図14は第2実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1'の固定接続部材40'を示す図であり、(a)は正面図(固定接続部材40'を相手側コネクタの嵌合方向から見た図。)、(b)は平面図、(c)は右側面図である。図15は第2実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1'の可動接続部材50'を示す図であり、(a)は正面図(可動接続部材50'を相手側コネクタの嵌合方向から見た図。)、(b)は平面図、(c)は右側面図である。
【0049】
絶縁ボディ10'は、図11、図12に示す如く、絶縁性を有する樹脂材料(例えば、「LCP」。)からなり、底側に略直方体形状の台座部11'を一体に有する天付き円筒形に形成される。台座部11'は、1辺の長さが、円筒形のボディ本体12'の外径寸法に外部導体シェル30'を形成する金属薄板の板厚を加えた寸法、すなわち、外部導体シェル30'のシェル本体31'の外径寸法と略同じ寸法の正方形の板状に形成され、ボディ本体12'を、台座部11'の上面同心位置に垂直に一体形成する。ボディ本体12'から大きく張り出す台座部11'の4つの角部は落とされている(面取りされている)。円板状のボディ天面部13'の中心部には、相手側コネクタのプラグピン100'(図20参照。)を、ボディ本体12'の内部中心部にボディ本体12'の軸芯に沿って挿抜自在とする円形のプラグピン挿入孔14'が形成される。従って、ボディ本体12'の内部における中心部で、その軸芯と同芯の細長い円柱空間がプラグピン挿入領域15'となる。プラグピン挿入孔14'は、孔径が、ボディ天面部13'の外面から内面に向かって、すなわち、プラグピン挿入方向に向かって順次縮径されるテーパ孔に形成され、プラグピン挿入孔14'が、プラグピン100'のピン径より僅かに大きい開口径でボディ天面部13'の内面に開口される。プラグピン挿入孔14'の逆円錐台形状の孔壁面が、プラグピン100'の挿入時の誘い込み面14a'になっている。
【0050】
ボディ本体12'の内部には、図17にも示す如く、プラグピン挿入領域15'の周囲に断面略「c」字形のスイッチ収容室16'を形成するよう、ボディ本体12'の内側壁1箇所からプラグピン挿入領域15'を含むボディ本体12の内部中央部に片持ち状態で突出する仕切り壁17'が、ボディ天面部13'から一体に垂下される。仕切り壁17'は、先端部のプラグピン挿入領域15'に対応する部分を円柱面で切り欠き、ボディ本体12'の内部における中心部に、プラグピン挿入領域15'、すなわち、ボディ本体12'の軸芯と同芯の細長い円柱空間を形成する。またプラグピン挿入領域15'を囲う仕切り壁17'先端部の円柱状の切り欠き面が、プラグピン挿入孔14'の孔壁面、すなわち、誘い込み面14a'から連続してプラグピン挿入方向に垂下する、プラグピン挿入ガイド壁面17a'になっている。而して、ボディ本体12'の内部には、仕切り壁17'を介してプラグピン挿入領域15'の周囲に断面略「c」字形のスイッチ収容室16'が形成される。プラグピン挿入領域15'及びスイッチ収容室16'は、台座部11'を貫通してこの下面、すなわち、絶縁ボディ10'の底面に開放されている。スイッチ収容室16'は、その略全域を占める断面略「c」字形の可動接片収容溝19'と、その可動接片収容溝19'の一端に連続形成する固定接点収容溝20'と、を有している。
【0051】
可動接片収容溝19'は、可動接続部材50'を形成する薄板金属の板厚と略同じ溝幅に形成されて最も幅狭の始端部19a'と、その始端部19a'に連続形成され、順次溝幅が広げられる中間部19b'と、その中間部19b'に連続形成され、溝幅が最も幅広になる終端部19c'とを、有し、その終端部19c'に固定接点収容溝20'が連続形成される。また可動接片収容溝19'は、その終端部19c’の一部分がプラグピン挿入領域15'の一部分に重複するよう、プラグピン挿入領域15'の周囲で偏芯した位置に形成され、プラグピン挿入領域15'と可動接片収容溝19'との重複部分で仕切り壁17'が破られて相互に連通している。
【0052】
絶縁ボディ10'には、外部導体シェル30'の半田接続部挿通孔21a'及び半田接続部収容溝21b'と、固定接続部材40'の半田接続部収容溝22'と、可動接続部材50'の半田接続部収容溝23'と、が形成される。外部導体シェル30'の半田接続部挿通孔21a'は、台座部11'を上下に貫通する貫通孔でなり、台座部11'の各角落とし端面と平行にボディ本体12'の周囲4箇所に等間隔に形成し、その他の半田接続部収容溝21b',22',23'は、台座部11'の下面、すなわち、絶縁ボディ10'の底面に凹状に形成する。外部導体シェル30'の半田接続部収容溝21b'は、半田接続部挿通孔21a'の下端開口部から台座部11'の各角落とし端にわたって形成し、固定接続部材40'の半田接続部収容溝22'は、可動接片収容溝19'の終端部19c’の下端開口部からその外側の台座部11'の一側端中間部にわたって形成し、可動接続部材50'の半田接続部収容溝23'は、可動接片収容溝19'の始端部19a’の下端開口部からその外側の台座部11'の一側端中間部にわたって形成している。
【0053】
外部導体シェル30'は、図11、図13、図17に示す如く、導電性の金属板(例えば、「銅合金」。)からなり、ボディ本体12'の外側に嵌合される円筒形のシェル本体31'と、台座部11'の下面、すなわち、絶縁ボディ10'の底面に沿うようシェル本体31'の下端縁から一体に延設される4つのL字形の半田接続部32'と、を有している。各半田接続部32'は、絶縁ボディ10'に対する外部導体シェル30'の組み付け前はシェル本体31'の下端縁から下向きに伸展状態で一体に延設され、組み付け時に台座部11'の上面側から下面側に各半田接続部挿通孔21a'を介して挿通可能になっている。また挿通後に台座部11'の下面側に突出する各半田接続部32'をボディ本体12'の径方向外側に曲げ加工することで、L字形の各半田接続部32'の折り曲げ部より先の水平部分を、その基部を絶縁ボディ10'の底面各角落とし部に形成された各半田接続部収容溝21b'に嵌め込むと共に、先端部を絶縁ボディ10'の底面各角落とし領域に突出した状態で、絶縁ボディ10'の底面に沿わせている。各半田接続部収容溝21b'は、深さが、各半田接続部32'の板厚より若干浅く、L字形の各半田接続部32'の折り曲げ部より先の水平部分下表面が、絶縁ボディ10'の底面から若干張り出した状態で露出するよう形成される。
【0054】
固定接続部材40'は、図11、図14、図17に示す如く、導電性の金属板(例えば、「銅合金」。)を所定形状に打ち抜いた後、一端側を直角に折り立て(曲げ)加工したもので、絶縁ボディ10'の固定接点収容溝20'に嵌め込まれ、スイッチ収容室16'におけるプラグピン挿入領域15'から外れた位置に収容固定される固定接点部41'と、絶縁ボディ10'の底面に沿うよう固定接点部41'の下端から直角に一体に延設される半田接続部42'と、を有している。固定接点収容溝20'は、固定接点部41'の金属表面が、可動接片収容溝19'の終端部19c'の終端壁面に面一状態で露出するよう、その壁面に埋め込み状態で収容固定し、可動接片収容溝19'の終端部19c'の終端壁面を固定接点部41'の金属表面で構成する。このように、可動接片収容溝19'の終端部19c'の終端壁面に面一状態に露出する固定接点部41'の金属表面には、固定接点41a'が球面状に膨出形成される。固定接続部材40'の半田接続部42'を嵌め込む絶縁ボディ10'の底面の半田接続部収容溝22'も、深さが、半田接続部42'の板厚より若干浅く、半田接続部41'の下表面が絶縁ボディ10'の底面から若干張り出した状態で、外部導体シェル30'の各半田接続部32'の下表面と同一平面内で露出するよう形成される。
【0055】
可動接続部材50'は、図11、図15、図17に示す如く、導電性の金属薄板(例えば、「銅合金」。)を、所定形状に打ち抜いた後、曲げ加工したもので、絶縁ボディ10'の可動接片収容溝19'に収容される板バネである可動接片部51'と、絶縁ボディ10'の底面に沿うよう可動接片部51'の固定側部51a'下端から直角に一体に延設される半田接続部55'と、を有している。可動接片部51'は、その固定側端部から自由側端部かけての全ての部位の周方向位置が異なるように、細長い長方形状の金属薄板を長さ向に沿って略「c」字形に曲げ形成したもので、可動接片収容溝19'の始端部19a'に嵌合固定される固定側部51a'と、可動接片収容溝19'の中間部19b'に嵌り込むアーム部51b'と、可動接片収容溝19'の終端部19c'に嵌り込む自由側部51cと、固定側部51a'とアーム部51b'とを繋ぐ第1曲げ部51d'と、アーム部51b'と自由側部51c'とを繋ぐ第2曲げ部51e'と、を有し、板幅方向がプラグピン挿抜方向と平行となるよう可動接片収容溝19'によってプラグピン挿入領域15'の周りに片持ち状態で収容できるように形成される。また可動接片部51'は、可動接片収容溝19'に収容した時、自由側部51c'の端部が、固定側部51a'から先の各部位51d',51b',51e',51b'のバネ力によって、固定接点部41'の固定接点41a'に当接し、自由側部51c'の中間部が、プラグピン挿入領域15'と可動接片収容溝19'の終端部19c'との重複部分を通過する、プラグピン100'の未挿入時の状態と、自由側部51c'の中間部が、プラグピン挿入領域15'の外側を通過し、自由側部51c'の端部が、固定接点部41'の固定接点41a'から離反する、プラグピン100'の挿入時の状態とに、固定側部51a'から先の各部位51d',51b',51e',51b'が、可動接片収容溝19'の中間部19b'から終端部19c'の中で、プラグピン挿抜方向に対して略垂直方向に弾性変位可能となり、固定接点部41'の固定接点41a'に弾性接触する自由側部51c'の端部が可動接点部56'となり、プラグピン挿入領域15'と可動接片収容溝19'の終端部19c'との重複部分を通過する自由側部51c'の中間部がプラグピン接触部57'となる。すなわち、可動接片部51'の自由側部51c'における長さ向に連続する同一平面上に、可動接点部56'とプラグピン接触部57'が設定される。
【0056】
可動接片部51'は、応力を2箇所の第1曲げ部51d'と第2曲げ部51e'に分散させて受けるようバネ設計されるもので、アーム部51b'に対する自由側部51c'の曲げ角度が、固定側部51a'に対するアーム部51b'の曲げ角度より、小さくなるよう(例えば、前者を鋭角に、後者を鈍角とする。)、第1曲げ部51d'と第2曲げ部51e'が形成され、第1曲げ部51d'を支点にアーム部51b'と自由側部51c'とを一体的に弾性変位させながら、自由側部51c'を第2曲げ部51e'を支点に弾性変位させるようバネ設計される。
【0057】
可動接片部51'における自由側部51c'の中間部、すなわち、プラグピン接触部57'のプラグ挿入側端部となる上端部には、プラグピン100'をプラグピン接触部57'のプラグピン接触面側に誘い込むために、プラグピン挿入領域15'の外側に向かって湾曲するプラグピン誘い込み部59'が連続して形成される。図21にも示す如く、プラグピン誘い込み部59'は、そのプラグピン誘い込み面59a'の上端がボディ天面部13'に摺接するように形成されると共に、プラグピン誘い込み面59a'と先端面が作る角部に面取り59b'を施している。
【0058】
可動接続部材50'の半田接続部55'は、絶縁ボディ10'の底面に沿うよう可動接片部51'の固定側部51a'の下端から直角に一体に延設されており、半田接続部55'が嵌め込まれる絶縁ボディ10'の底面の半田接続部収容溝23'も、深さが、半田接続部55'の板厚より若干浅く、半田接続部55'の下表面が絶縁ボディ10'の底面から若干張り出した状態で、外部導体シェル30'の各半田接続部32'と固定接続部材40'の半田接続部42'の下表面と同一平面内で露出するよう形成される。
【0059】
次に、スイッチ付き同軸コネクタ1'の組み立てについて説明する。スイッチ付き同軸コネクタ1'は、前記の絶縁ボディ10'、外部導体シェル30'、固定接続部材40'及び可動接続部材50'の4部品のみで構成されるため、絶縁ボディ10'に対する外部導体シェル30'の組み付け工程と、同絶縁ボディ10'に対する固定接続部材40'の組み付け工程と、同絶縁ボディ10'に対する可動接続部材50'の組み付け工程の、3工程で、図16乃至図20に示す状態に組み立てることができる。図16は第2実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1'を示す図であり、(a)は正面図(スイッチ付き同軸コネクタ1'を相手側コネクタの嵌合方向から見た図。)、(b)は平面図、(c)は右側面図、(d)は底面図である。図17は図16の(c)右側面図におけるB−B断面図(スイッチ付き同軸コネクタ1'のボディ本体12'部をプラグピン挿抜方向に対して垂直な平面で切った切断面。)を示す図であり、(a)はプラグピン100'の未挿入時の断面図、(b)はプラグピン100'の挿入時の断面図である。図18は第2実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1'を示す外観斜視図である。図19は第2実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1'の内部を示す断面斜視図である。図20はプラグピン100'の挿入状態の第2実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1'の内部を示す斜視図である。
【0060】
絶縁ボディ10'に対する外部導体シェル30'の組み付けは、伸展状態の各半田接続部32'を台座部11'の上方から各半田接続部挿通孔21a'に挿通させながら、シェル本体31'を上方からボディ本体12'の外側に嵌合させた後、台座部11'の下面側に突出する各半田接続部32'をボディ本体12'の径方向外側に曲げ加工し、L字形の各半田接続部32'の折り曲げ部より先の水平部分を、その基部を絶縁ボディ10'の底面各角落とし部に形成された各半田接続部収容溝21b'に嵌め込むと共に、先端部を絶縁ボディ10'の底面各角落とし領域に突出した状態で、絶縁ボディ10'の底面に沿わせることによって行うことができる。
【0061】
絶縁ボディ10'に対する固定接続部材40'の組み付けは、固定接点部41'を、絶縁ボディ10'における可動接片収容溝19'の終端部19c'に連続形成された固定接点収容溝20'に、絶縁ボディ10'の底側から圧入固定し、半田接続部42'を絶縁ボディ10'の底面に形成された半田接続部収容溝22'に嵌め込むことによって行うことができる。
【0062】
絶縁ボディ10'に対する可動接続部材50'の組み付けは、可動接片部51'を、この板幅方向がプラグピン挿抜方向と平行となるよう、絶縁ボディ10'における可動接片収容溝19'に、絶縁ボディ10'の底側から嵌め込み、半田接続部55'を絶縁ボディ10'の底面に形成された半田接続部収容溝23'に嵌め込むことによって行うことができる。
【0063】
以上3工程の順序は、絶縁ボディ10'に対する可動接続部材50'の組み付け後に、固定接続部材40'の組み付け工程を行うことで、固定接続部材40'の半田接続部42'が、可動接続部材50'の可動接片部51'を可動接片収容溝19'に嵌め込む際の邪魔にならない。絶縁ボディ10'に対する外部導体シェル30'の組み付けは、可動接続部材50'及び固定接続部材40'の組み付け工程の前後いずれでも行うことができる。なお、外部導体シェル30'の絶縁ボディ10'に対する組み付けは、上記した嵌め込みの他、インサート成形でも行うことができる。
【0064】
以上の3工程でスイッチ付き同軸コネクタ1'を組み立てると、図16乃至図20に示す如く、絶縁ボディ10'のボディ本体12'外側には外部導体シェル30'のシェル本体31'が嵌合され、また絶縁ボディ10'の天面部13'中心部に形成されたプラグピン挿入孔14'によって絶縁ボディ10'の外側に連通しているボディ本体12'の内部のスイッチ収容室16'には、固定接点収容溝20'に収容された固定接続部材40'の固定接点部41'と可動接片収容溝19'に収容された可動接続部材50'の可動接片部51'とによって構成されたノーマルクローズの切り換えスイッチ60'が収容され、さらに絶縁ボディ10'の台座部11'の下面、すなわち、絶縁ボディ10'の底面には、外部導体シェル30'の各半田接続部32'と、固定接続部材40'の半田接続部42'と、可動接続部材50'の半田接続部55'とが、それぞれ離されて非接触状態で、それぞれの下表面が絶縁ボディ10'の底面から若干張り出した状態で、絶縁ボディ10'の底面と平行な一平面内で露出される。これにより、ノーマルクローズの切り換えスイッチ60'を内蔵する表面実装タイプのスイッチ付き同軸コネクタ1'が得られる。
【0065】
切り換えスイッチ60'の固定接点部41'は、固定接点収容溝20'に収容されることによって、固定接点41a'が球面状に膨出形成された固定接点部41'の金属表面が、可動接片収容溝19'の終端部19cの終端壁面に面一状態で露出され、その金属表面から可動接片収容溝19'の終端部19cに固定接点41a'を突出させる。一方、切り換えスイッチ60'の可動接片部51'は、可動接片収容溝19'に収容されることによって、可動接片部51'の固定側部51a'が、可動接片収容溝19'の始端部19a'に嵌合固定されて、固定側部51a'から先の各部位51d',51b',51e',51b'が、その板幅方向がプラグピン挿抜方向と平行となる状態で、可動接片収容溝19'の中間部19b'から終端部19c'に嵌り込み、プラグピン挿入領域15'の周りに片持ち状態で支持され、可動接片部51'の自由側部51c'の端部が、固定側部51a'から先の各部位51d',51b',51e',51b'のバネ力によって、固定接点部41'の固定接点41a'に当接し、自由側部51c'の中間部が、プラグピン挿入領域15'と可動接片収容溝19'の終端部19c'との重複部分を通過する。このような固定接点部41'と可動接片部51'とによって、ボディ本体12'の内部スイッチ収容室16'に、ノーマルクローズの切り換えスイッチ60'が構成されて内蔵されている。
【0066】
以上のようにして得られたスイッチ付き同軸コネクタ1'は、絶縁ボディ10'の底面を実装対象の図示しないプリント配線基板の実装面に接合させるよう、プリント配線基板上に表面実装することによって、絶縁ボディ10'の底面に露出された外部導体シェル30'の各半田接続部32'と、固定接続部材40'の半田接続部42'と、可動接続部材50'の半田接続部55'とが、プリント配線基板の対応するパターンに半田接続される。本実施形態では、外部導体シェル30'の各半田接続部32'をプリント配線基板のアースパターンに電気接続し、固定接続部材40'の半田接続部42'をプリント配線基板のパターンを介して携帯電話のアンテナに電気接続し、可動接続部材50'の半田接続部55'を携帯電話の高周波回路に電気接続し、スイッチ付き同軸コネクタ1'を、その切り換えスイッチ60'が、携帯電話の高周波回路とアンテナとの間に組み込まれるよう、携帯電話のプリント配線基板に表面実装するものとし、次に、図17及び図20を参照しながら本実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1'の作用を説明する。この場合の相手側コネクタは、高周波回路の電気特性をチェックする測定装置に接続された測定用プローブであり、周知の如く、プラグピン100'を、図示しない円筒形の外部導体の中心に備えたものである。
【0067】
図17の(a)に示す如く、スイッチ付き同軸コネクタ1'は、相手側コネクタの嵌合前でプラグピン100'の未挿入時には、可動接続部材50のプラグピン接触部57'が、可動接片部51の固定側部51a'から先の各部位51d',51b',51e',51c'のバネ力によって、プラグピン挿入領域15'と可動接片収容溝19'の終端部19c'との重複部分に位置した状態で、可動接続部材50'の可動接点部56'が、固定接点部材40'の固定接点41a'に弾性接触し、これら接続部材50',40'とプリント配線基板のパターンを介して、高周波回路とアンテナとを電気接続している。
【0068】
相手側コネクタをスイッチ付き同軸コネクタ1'に嵌合すると、この嵌合に伴って、図17の(b)、図20に示す如く、プラグピン100'が、プラグ挿入孔14'からプラグピン誘い込み面59a'及びプラグピン挿入ガイド壁面17a'でガイドされて、ボディ本体12'の内部中心部のプラグ挿入領域15'へとボディ本体12'の軸芯に沿って挿入される。この挿入過程で、プラグピン100'の球状先端面とプラグピン誘い込み部59'の4/1円弧状のプラグピン誘い込み面59a'とが摺接し、プラグピン接触部57'をプラグピン挿入領域15'(プラグピン100')の半径方向外側に押し退けるように、プラグピン接触部57'をバネ力に抗してプラグピン挿抜方向に対して垂直方向に変位させることによって、プラグピン100'は、プラグピン接触部57'のプラグピン接触面側に摺接状態で挿入される。これによって、プラグピン接触部57'がプラグピン100'の外側面に弾性接触すると共に、このプラグピン接触部57'と長さ向で連続する同一平面上で、プラグピン接触部57'より先端側に設定されている可動接点部56'が、固定接点部40'の固定接点41a'から離反し、高周波回路がプラグピン100'を介してアンテナから測定装置に切り換え接続される。
【0069】
可動接片部51'は、略「c」字形に曲げ形成され、スイッチ収容室16'の断面略「c」字形の可動接片収容溝19'を通り、プラグピン挿入領域15'の一側から反対側に回り込むため、充分なバネ長を有し、しかも、第1曲げ部54d'と第2曲げ部54e'とを有し、応力を2箇所の曲げ部51d',51e'に分散させて受けるようにバネ設計されているため、部分的に大きな曲げモーメントを生じることがなく、プラグピン100'の繰り返し挿抜きに対するバネ特性の劣化が生じにくく、プラグピン100'の繰り返し挿抜に対する寿命性を向上させることができる。またプラグピン接触部57'と可動接点部56'とが、可動接片部51'における板幅方向がプラグピン挿抜方向と平行な自由側部51c'の同一平面上に設定され、しかも、プラグピン接触部57'が可動接点部56'より先端側に設定されているため、プラグピン接触部57'と可動接点部56'との変位量は1対1ではなく、プラグピン接触部57'の変位量に比べて可動接点部56'の変位量が大きくなる。このため、切り換えスイッチ60'の確実な接点切り換え動作を得ることができる。逆に言えば、切り換えスイッチ60'の接点切り換え動作に必要な可動接点部56'の変位量が、その変位量よりも少ないプラグピン接触部57'の変位量によって得ることができる。このため、可動接片部51'の固定側部51a'から先の各部位51d',51b',51e',51c'の弾性変位量を小さくでき、可動接片部51'の寿命性の向上と同時に、スイッチ付き同軸コネクタ1'の小型化にも有効となる。さらに可動接片部51'は、略「c」字形に曲げ形成され、その固定側端部から自由側端部かけての全ての部位51a'、51d',51b',51e',51c'の周方向位置が異なるため、可動接片部51'の固定側端部から自由側端部にかけての部位間で半径方向で重複し離間距離が著しく接近し高周波的に干渉し易い部位をなくすことができると共に、可動接片部51'の固定側端部から自由側端部かけての自由側部51c'を除く部位で半径方向で重複しプラグピン挿入領域に一部が食い込みプラグピン挿抜時にプラグピン100’と干渉し易い部位をなくすことができ、同時にスイッチ付き同軸コネクタ1'の小型化にも有効となる。またプラグピン誘い込み部59'のプラグピン誘い込み面59a'と先端面が作る角部に面取り59b'を施したため、プラグピン誘い込み部59'のプラグピン誘い込み面59a'と先端面が作る角部(エッジ部)がボディ天面部13'に引っ掛かるのを防止でき、可動接片部51'のボディ天面部13'との干渉による動作不良をなくし、高い接触信頼性と同時に、スイッチ60'の確実な接点切り換え動作を得ることができる。
【0070】
相手側コネクタをスイッチ付き同軸コネクタ1'から外すと、プラグピン100'が絶縁ボディ10'のボディ本体12'の内部スイッチ収容室13'から抜去られ、プラグピン接触部57'とプラグピン100'との接触が断たれると共に、可動接片部51の固定側部51a'から先の各部位51d',51b',51e',51c'のバネ力によって、プラグピン接触部57'が、プラグピン挿入領域15'と可動接片収容溝19'の終端部19c'との重複部分にに弾性復帰し、可動接点部56'が、再び固定接点部41'の固定接点41a'に弾性接触し、高周波回路がアンテナに電気接続される。
【0071】
以上のように、スイッチ付き同軸コネクタ1'は、底側に台座部11'を一体に有し、相手側コネクタのプラグピン100'を円筒内部中心部に円筒軸芯に沿って挿抜自在とするプラグピン挿入孔14'が天面中心部に形成された天付き円筒形の絶縁ボディ10'と、絶縁ボディ10'の円筒外側に嵌合される円筒形のシェル本体31'と、絶縁ボディ10'の底面に沿うようシェル本体31'から一体に延設される複数の半田接続部32'と、を有する外部導体シェルと30'と、絶縁ボディ10'の円筒内部でプラグピン挿入領域15'から外れた位置に収容固定される固定接点部41'と、絶縁ボディ10'の底面に沿うよう固定接点部41'から一体に延設される半田接続部42'と、を有するスイッチ用の固定接続部材40'と、板幅方向がプラグピン挿抜方向と平行となるよう絶縁ボディ10'の円筒内部でプラグピン挿入領域15'の周りに片持ち状態で収容されると共に、自由側部51c'がプラグピン挿入領域15'の一部を側方から通過して固定接点部41'に延設され、バネ力によって固定接点部41'に弾性接触する可動接点部56'と同一平面上にプラグピン接触部57'を有する、金属薄板からなる板バネ状の可動接片部51'と、絶縁ボディ10'の底面に沿うよう可動接片部51'から一体に延設される半田接続部55'と、を有する可動接続部材50'と、を備え、相手側コネクタとの嵌合に伴って、プラグピン100'がプラグピン接触部57'に弾性接触し、可動接片部51'がバネ力に抗してプラグピン挿抜方向に対して略垂直方向に変位することにより、可動接点部56'が固定接点部41'から離反するように構成したものである。
【0072】
スイッチ付き同軸コネクタ1'が、絶縁ボディ10'、外部導体シェル30'、スイッチ用の固定接続部材40'及び可動接続部材50'のみで構成され、すなわち、この種スイッチ付き同軸コネクタとしては最小部品点数の4部品で構成されるため、スイッチ付き同軸コネクタ1'の部品コスト及び組み立てコストを低減でき、同時に構造も簡素化できる。
【0073】
可動接片部51'は、プラグピン挿抜方向に対して略垂直方向に変位し、その変位量は、プラグピン100'の外径寸法とプラグピン接触部57'(接触面)のプラグピン100'軸芯からの距離寸法だけで確定され、プラグピン100'の挿入ストロークによって変化しないため、可動接片部51'が受ける応力及びプラグピン接触部57'の接触荷重が一定となり、電気的接続状態が安定し、接触信頼性を向上し、スイッチ付き同軸コネクタ1'を、本実施形態のように携帯電話などに使用した場合に、良好な高周波特性の測定環境が得られる。
【0074】
金属薄板からなる板バネ状の可動接片部51'は、板幅方向がプラグピン挿抜方向と平行となるよう絶縁ボディ10'の円筒内部でプラグピン挿入領域15'の周りに片持ち状態で収容されるため、適正なバネ特性を得るために、可動接片部51'の形状を変化させて、バネ長を変更したり、応力を分散させるための曲げ部の追加削除や曲げ半径を変更することは、スペース的には、可動接片部51'の断面積を増減するだけで、スペースの増減が少ない範囲で効果的に対応できるため、可動接片部51'の寿命性及び接触信頼性を向上し、スイッチ付き同軸コネクタ1'の更なる小型化を実現できる。
【0075】
可動接片部51'は、長方形の金属薄板を長さ方向に曲げ加工して板バネ状に形成するだけで、自由側部51c'にプラグピン接触部57'及び可動接点部56'を設定できるため、可動接続部材50'の形状が簡素化されて小さい部品加工が容易に行え、スイッチ付き同軸コネクタ1'の更なる部品コスト及び組み立てコストの低減化を図ることができる。
【0076】
プラグピン接触部57'は、プラグピン挿入領域15'の下側を通過することなくプラグピン挿入領域15'に延出できるため、プラグピン100'の挿入ストロークと同じ高さのスペースでも可動接片部51'が収容可能となり、スイッチ付き同軸コネクタ1'の更なる低背化を実現できる。
【0077】
スイッチ付き同軸コネクタ1'において、プラグピン接触部57'のプラグピン挿入側端部には、プラグピン挿入領域15'の外側に向かって湾曲するプラグピン誘い込み部59'が形成されている。また絶縁ボディ10'には、その円筒内部のプラグピン挿入領域15の外周側に、プラグピン挿入孔14の孔壁面から連続してプラグピン挿入方向に垂下するプラグピン挿入ガイド壁面17aが形成されている。これにより、プラグピン100'はプラグピン挿入ガイド壁面17aにガイドされて挿入されるため、プラグピン100'の軸芯が大きく偏芯したり、斜めに挿入されることがなく、しかもプラグピン誘い込み部59'によってプラグピン接触部57'の接触面側にプラグピン100'が確実に摺接挿入され、高い接触信頼性と同時に、切り換えスイッチ60'の確実な接点切り換え動作が得られる。
【0078】
また、プラグピン誘い込み部59'のプラグピン誘い込み面59a'と先端面が作る角部に面取り59b'を施している。これにより、プラグピン誘い込み部59'のプラグピン誘い込み面59a'と先端面が作る角部(エッジ部)がボディ天面部13'に引っ掛かるのを防止でき、可動接片部51'のボディ天面部13'との干渉による動作不良をなくし、高い接触信頼性と同時に、スイッチ60'の確実な接点切り換え動作が得られる。
【0079】
さらに、可動接片部51'は、固定側端部から自由側端部かけての全ての部位51a'、51d',51b',51e',51c'の周方向位置が異なる形態としている。これにより、可動接片部51'の固定側端部から自由側端部にかけての部位間で半径方向で重複し離間距離が著しく接近し高周波的に干渉し易い部位をなくすことができる。また可動接片部51'の固定側端部から自由側端部にかけての自由側部51c'を除く部位で半径方向で重複しプラグピン挿入領域15'に一部が食い込みプラグピン挿抜時にプラグピン100'と干渉し易い部位をなくすことができる。
【0080】
以上から明らかなように、本発明の第1実施形態及び第2実施形態では、可動接片部51の寿命性及び接触信頼性を向上し、更なる小型化、低背化を実現でき、簡素な部品構成によりコストダウンも実現できるスイッチ付き同軸コネクタ1,1'を得ている。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】第1実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1の分解斜視図である。
【図2】第1実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1の絶縁ボディ10を示す図であり、(a)は正面図(絶縁ボディ10を相手側コネクタの嵌合方向から見た図。)、(b)は平面図、(c)は右側面図、(d)は底面図、(e)は正面図におけるA−A断面図(絶縁ボディ10をプラグピン挿抜方向と平行な平面で切った切断面。)である。
【図3】第1実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1の外部導体シェル30を示す図であり、(a)は正面図(外部導体シェル30を相手側コネクタの嵌合方向から見た図。)、(b)は平面図、(c)は右側面図である。
【図4】第1実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1のスイッチ用の固定接続部材40を示す図であり、(a)は正面図(固定接続部材40を相手側コネクタの嵌合方向から見た図。)、(b)は平面図、(c)は右側面図である。
【図5】第1実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1のスイッチ用の可動接続部材50を示す図でり、(a)は正面図(可動接続部材50を相手側コネクタの嵌合方向から見た図。)、(b)は平面図、(c)は右側面図である。
【図6】第1実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1を示す図であり、(a)は正面図(スイッチ付き同軸コネクタ1を相手側コネクタの嵌合方向から見た図。)、(b)は平面図、(c)は右側面図、(d)は底面図である。
【図7】図6の(c)右側面図におけるB−B断面図(スイッチ付き同軸コネクタ1のボディ本体12部をプラグピン挿抜方向に対して垂直な平面で切った切断面。)を示す図であり、(a)はプラグピン100の未挿入時の断面図、(b)はプラグピン100の挿入時の断面図である。
【図8】第1実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1を示す外観斜視図である。
【図9】第1実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1の内部を示す断面斜視図である。
【図10】プラグピン100の挿入状態の第1実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1の内部を示す斜視図である。
【図11】第2実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1'の分解斜視図である。
【図12】第2実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1'の絶縁ボディ10'を示す図であり、(a)は正面図(絶縁ボディ10'を相手側コネクタの嵌合方向から見た図。)、(b)は平面図、(c)は右側面図、(d)は底面図、(e)は正面図におけるA−A断面図(絶縁ボディ10'をプラグピン挿抜方向と平行な平面で切った切断面。)である。
【図13】第2実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1'の外部導体シェル30'を示す図であり、(a)は正面図(外部導体シェル30'を相手側コネクタの嵌合方向から見た図。)、(b)は平面図、(c)は右側面図である。
【図14】第2実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1'の固定接続部材40'を示す図であり、(a)は正面図(固定接続部材40'を相手側コネクタの嵌合方向から見た図。)、(b)は平面図、(c)は右側面図である。
【図15】第2実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1'の可動接続部材50'を示す図であり、(a)は正面図(可動接続部材50'を相手側コネクタの嵌合方向から見た図。)、(b)は平面図、(c)は右側面図である。
【図16】第2実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1'を示す図であり、(a)は正面図(スイッチ付き同軸コネクタ1'を相手側コネクタの嵌合方向から見た図。)、(b)は平面図、(c)は右側面図、(d)は底面図である。
【図17】図16の(c)右側面図におけるB−B断面図(スイッチ付き同軸コネクタ1'のボディ本体12'部をプラグピン挿抜方向に対して垂直な平面で切った切断面。)を示す図であり、(a)はプラグピン100'の未挿入時の断面図、(b)はプラグピン100'の挿入時の断面図である。
【図18】第2実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1'を示す外観斜視図である。
【図19】第2実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1'の内部を示す断面斜視図である。
【図20】プラグピン100'の挿入状態の第2実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1'の内部を示す斜視図である。
【図21】第2実施形態のスイッチ付き同軸コネクタ1'の内部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0082】
1,1' スイッチ付き同軸コネクタ
10,10' 絶縁ボディ
11,11' 台座部
14,14' プラグピン挿入孔
15,15' プラグピン挿入領域
17a,18a,17a' プラグピン挿入ガイド壁面
30,30' 外部導体シェル
31,31' シェル本体
32a,32b,32' 半田接続部
40,40' 固定接続部材
41,41' 固定接点部
42,42' 半田接続部
50,50' 可動接続部材
51,51' 可動接片部
51c' 自由側部
54 バネ部
54b 自由側端部
55,55' 半田接続部
56,56' 可動接点部
57,57' プラグピン接触部
59,,59' プラグピン誘い込み部
59a' プラグピン誘い込み面
60,60' 切り換えスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底側に台座部を一体に有し、相手側コネクタのプラグピンを円筒内部中心部に円筒軸芯に沿って挿抜自在とするプラグピン挿入孔が天面中心部に形成される天付き円筒形の絶縁ボディと、
絶縁ボディの円筒外側に嵌合される円筒形のシェル本体と、絶縁ボディの底面に沿うようシェル本体から一体に延設される半田接続部と、を有する外部導体シェルと、
絶縁ボディの円筒内部でプラグピン挿入領域から外れた位置に収容固定される固定接点部と、絶縁ボディの底面に沿うよう固定接点部から一体に延設される半田接続部と、を有するスイッチ用の固定接続部材と、
板幅方向がプラグピン挿抜方向と平行となるよう絶縁ボディの円筒内部でプラグピン挿入領域の周りに片持ち状態で収容されると共に、自由側端部がプラグピン挿入領域の一部を側方から通過して固定接点部に延設され、バネ力によって固定接点部に弾性接触する可動接点部と同一平面にプラグピン接触部を有する、金属薄板からなる板バネ状の可動接片部と、絶縁ボディの底面に沿うよう可動接片部から一体に延設される半田接続部と、を有する可動接続部材と、を備え、
相手側コネクタとの嵌合に伴って、プラグピンがプラグピン接触部に弾性接触し、可動接片部がバネ力に抗してプラグピン挿抜方向に対して略垂直方向に変位することにより、可動接点部が固定接点部から離反するように構成したことを特徴とするスイッチ付き同軸コネクタ。
【請求項2】
プラグピン接触部のプラグピン挿入側端部には、プラグピン挿入領域の外側に向かって湾曲するプラグピン誘い込み部が形成されている請求項1に記載のスイッチ付き同軸コネクタ。
【請求項3】
絶縁ボディには、その円筒内部のプラグピン挿入領域を挟む対向位置に、プラグピン挿入孔の孔壁面から連続してプラグピン挿入方向に垂下するプラグピン挿入ガイド壁面が形成されている請求項1又は請求項2に記載のスイッチ付き同軸コネクタ。
【請求項4】
プラグピン誘い込み部のプラグピン誘い込み面と先端面が作る角部に面取りを施す請求項2に記載のスイッチ付き同軸コネクタ。
【請求項5】
可動接片部は、固定側端部から自由側端部かけての全ての部位の周方向位置が異なる形態とする請求項1乃至請求項4に記載のスイッチ付き同軸コネクタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate