説明

スイッチ装置、その無瞬断切り替え方法及びプログラム

【課題】現用系と予備系スイッチ部のセル蓄積状態とキュー選択状態を一致させる。
【解決手段】現用系スイッチ部のバッファ部における蓄積セル数をカウントするセルカウント部101-10-1と、切り替えシーケンス開始時刻における蓄積セル数を保持し、現用系から予備系スイッチ部に通知する蓄積セル数通知部101-11-1と、予備系スイッチ部に到着するセルの開始から時系列で記憶する到着セル記憶部101-14-1と、現用系スイッチ部のキュー選択を1セル時間より短時間で現時刻に追いつくまでシミュレートする蓄積セル数解析部101-18-1と、蓄積セル数とシミュレート後到着セルを基にキュー選択を行い蓄積セル数分だけキュー選択を行うセル数調整部101-19-1と、切替開始と同時にバッファ制御部に書込開始、セル数調整後に読出開始を指示する状態制御部101-17-1とを備え現用系と予備系スイッチ部から同一のセルを出力した後、現用系から予備系スイッチ部に切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は固定長データを扱うスイッチ装置に関する。特に、本発明は、現用系スイッチ部と予備系スイッチ部のセル出力を一致させるスイッチ装置、その無瞬断切り替え方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現用系スイッチ部と予備系スイッチ部の内部に入力されてきたセルを格納するバッファがある場合、その蓄積状態を合わせ、セルを読み出すバッファ選択方式(Round Robin、Weighted Round Robin、完全優先など)の状態(Round Robinのポインタなど)を一致させなければ、現用系スイッチ部と予備系スイッチ部のセル出力を一致させることはできないため、出力部において現用系スイッチ部から予備系スイッチ部に単純に選択を切り替えても無瞬断に切り替えることはできない。
【0003】
現用系スイッチ部と予備系スイッチ部ではないが、複数のスイッチエレメントでビットスライスされたデータを処理するスイッチにおけるスイッチエレメント間の同期を取る(データ蓄積数を一致させる)方式としては、例えば、以下に、特許文献1に記載の方式がある。
ATMスイッチが複数のスイッチエレメントからなり、各エレメント間の同期動作を監視し保証するATMスイッチの監視回路を提供するため、入力信号は多重化部で多重化されてアドレスフィルタに供給され、アドレスフィルタの出力はカウンタでカウントされ、カウンタは各出力ポート毎のバッファ内のセル蓄積数を周期的にカウンし、カウンタのカウント値は周期的にレジスタに記憶され、レジスタの記憶値と、他のスイッチエレメントのレジスタの値とを比較回路で比較し、比較結果により同期ずれを監視し、不一致のときにリセット信号を送出して各スイッチエレメント間の同期制御を行うものである(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
これは、全てのスイッチエレメントにて自身が蓄積しているデータ蓄積数を他の全てのスイッチエレメントにデータ蓄積情報を送信し、全てのスイッチエレメントのデータ蓄積数が一致すれば同期が取れていると判断し、一致していなければ同期が取れていないと判断してバッファのリセットを行い、処理を再スタートさせることでスイッチエレメント間の同期を取る方式である。
【0005】
この方式の場合、スイッチエレメント間のデータ蓄積数の通知に1セル時間以上(例えば、Kセル時間)かかってしまうような場合には、予備系スイッチ部にはKセル時間前の現用系のセル蓄積数とバッファ選択方式の状態が通知されることになるために、スイッチエレメント間の同期を取ることができない。
また、現用系スイッチ部と予備系スイッチ部のセル出力を一致させる方式としては、例えば、以下に、特許文献2記載の方式がある。
【0006】
遅延優先制御機能を有する場合でもセル遅延を生じることなく無瞬断で冗長切替を行える冗長切替方式を提供するため、各遅延優先クラスごとに切替制御セルを生成し、最も遅延優先クラスの高い切替制御セルから順に、現用系スイッチ部および予備系スイッチ部に設けられた各キューに対して出力し、現用系スイッチの各キューでは、他のセルと同様に切替制御セルを蓄積して読み出し、予備系スイッチ部では切替制御セルの到着に応じてキューを初期化してセル読み出しを停止し、現用系スイッチからの切替制御セルの読み出しに応じて、予備系スイッチ部の対応する遅延優先クラスのキューからのセル読み出しを再開し、最低遅延優先クラスの切替制御セルが現用系スイッチ部ら読み出された場合に、予備系スイッチ部から読み出されたセルを主信号として選択出力するものである(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
これは、スイッチ部のバッファが遅延優先クラス毎に分割されていた場合、全優先クラスのバッファの状態を一度に全てのバッファの状態を合わせるのではなく、最も高優先クラスのバッファから順番に合わせていく方式である。
この方式では、完全優先方式(セルが蓄積されているバッファのうち常に最高優先のバッファを優先的に選択する方式)であれば適用可能であるが、バッファ選択方式が例えば、Round Robin、Weighted Round Robinの場合のようにバッファを順番に選択していくようなバッファ選択方式には不可能である。
【0008】
また、現用系スイッチおよび予備系スイッチ内のバッファの内容を同期化させる方式としては、例えば、以下に、特許文献3記載の方式がある。
実現が簡単な回路だけを用いて構成することができ、しかも、冗長系の無瞬断切替が行えるATMスイッチシステムを提供するため、現用系スイッチおよび予備系スイッチ内のバッファの内容を同期化させるために、各スイッチにおいて、所定の内容のセルが入力されたときにバッファ内に存在しているセル数を検出するための回路(Tセル検出回路及びセル滞留数検出回路)を設けるとともに、それらのセル数の差に応じて、予備系スイッチのバッファの制御(所定の内容のセルの同期化)が行われるようにし、そして、各スイッチの後段において、所定の内容のセルが検出されたときに、外部に対して予備系スイッチのバッファ内のセルが出力されるようにATMスイッチシステムを構成するものである(例えば、特許文献3参照)。
【0009】
これは、同期化させるために、現用系スイッチおよび予備系スイッチにおいて、所定の内容のセルが入力されたときにバッファ内に存在しているセル数を検出し、それらのセル数の差に応じて、予備系スイッチのバッファの制御が行われる方式である。
この方式では、前述のように、完全優先方式(セルが蓄積されているバッファのうち常に最高優先のバッファを優先的に選択する)であれば適用可能であるが、バッファ選択方式が例えば、Round Robin、Weighted Round Robinの場合のようにバッファを順番に選択していくようなバッファ選択方式には不可能である。
【0010】
【特許文献1】特開平08−242233号公報
【特許文献2】特開平10−190683号公報
【特許文献3】特開平08−139726号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明は上記問題点に鑑みて、現用系スイッチ部におけるセル蓄積状態、キュー選択状態などの情報の予備系スイッチ部への通知処理が1セル時間では終わらない場合でも、また、キュー選択制御として完全優先制御以外のアルゴリズムに対しても現用系スイッチ部と予備系スイッチ部のセル蓄積状態とキュー選択状態を一致させ、無瞬断切り替えを実現するスイッチ装置、その無瞬断切り替え方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は前記問題点を解決するために、現用系スイッチ部と予備系スイッチ部の各々に、固定長データをセルとし同じセルを分配する分配部と、セルを内部に蓄積するバッファ部と、予め決められたアルゴリズムに従って前記バッファ部の書込又は読出制御をするバッファ制御部と、前記現用系スイッチ部からの出力セルと前記予備系スイッチ部からの出力セルのいずれか一方を選択する選択部を備えるスイッチ装置において、前記現用系スイッチ部には、前記現用系スイッチ部の前記バッファ部における蓄積セル数をカウントするセルカウント部と、前記セルカウント部からカウント値が通知され、切り替えシーケンス開始時刻における蓄積セル数を保持し、前記現用系スイッチ部から前記予備系スイッチ部に通知する蓄積セル数通知部とを備え、前記予備系スイッチ部には、前記予備系スイッチ部に到着するセルを切り替えシーケンス開始時刻から時系列で記憶する到着セル記憶部と、前記現用系スイッチ部から通知された切り替えシーケンス開始時の前記バッファ部における蓄積セル数を初期状態として前記到着セル記憶部に記憶されている時系列のセル到着情報を使って前記現用系スイッチ部のキュー選択動作を1セル時間より短い時間で現在時刻に追いつくまでシミュレートしていく蓄積セル数解析部と、前記蓄積セル解析部からのシミュレートの結果として得られた蓄積セル数情報とシミュレート後に到着するセルをもとにキュー選択動作を行い、シミュレータの結果として得られた蓄積セル数分だけキュー選択されるまで動作するセル数調整部と、切り替えシーケンス開始と同時に前記バッファ制御部をリセットすると同時に書込制御と読出制御を停止し、前記蓄積セル数解析部での蓄積セル解析終了後にバッファ制御部に書込開始を指示し、前記セル数調整部でのセル数調整終了後にバッファ制御部に読出開始を指示する状態制御部とを備え、前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部の前記バッファ部におけるセル蓄積状態とキュー選択状態が一致し、両方から常に同一のセルが出力されるようになった後に、前記選択部にて前記現用系スイッチ部から前記予備系スイッチ部に切り替えることにより無瞬断切り替えを実現することを特徴とするスイッチ装置を提供する。
【0013】
また、前記バッファ部は複数のキューで構成される。
また、前記バッファ部で構成される複数のキューを優先クラス毎に割り当てる。
また、前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部の切り替えシーケンス開始の同期を共通フレーム位相で実施する。
また、前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部の切り替えシーケンス開始の同期を切り替え制御セルで実施する。
【0014】
また、前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部の切り替えシーケンス開始の同期を前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部のうち一方から他方に通知する。
また、前記蓄積セル数通知部は前記現用系スイッチ部から前記予備系スイッチ部に切り替えシーケンス開始時刻における蓄積セル数の情報に加えてキュー選択動作に使用しているポイント情報も合わせて通知する。
【0015】
また、前記現用系スイッチ部から前記予備系スイッチ部には切り替えシーケンス開始と同時に両系におけるキュー選択動作にて使用しているポインタを予め決められた同じ値に合わせる。
また、前記現用系スイッチ部が蓄積セル数を保持するのと同時刻に前記予備系スイッチ部の蓄積セル数を保持するバッファ制御/セルカウント部を備え、バッファ制御/セルカウント部は保持した蓄積セル数と前記現用系スイッチ部から受信した蓄積セル数との比較を行い、一致していれば何もせず、異なっていれば合わせ込み処理を行うことで、前記選択部での切り替え処理前に予め合わせ込み処理を実施しておく。
【0016】
また、本発明は、固定長データをセルとしセルを内部に蓄積するバッファ部と、予め決められたアルゴリズムに従って前記バッファ部の書込又は読出制御をするバッファ制御部をそれぞれ有する現用系スイッチ部及び予備系スイッチ部を備え、さらに、前記現用系スイッチ部及び前記予備系スイッチ部の各々に同じセルを分配する分配部と、前記現用系スイッチ部からの出力セルと前記予備系スイッチ部からの出力セルのいずれか一方を選択する選択部を備えるスイッチ装置の無瞬断切り替え方法において、前記現用系スイッチ部の前記バッファ部における蓄積セル数をカウントする工程と、前記セルカウント部からカウント値が通知され、切り替えシーケンス開始時刻における蓄積セル数を保持し、前記現用系スイッチ部から前記予備系スイッチ部に通知する工程と、前記予備系スイッチ部に到着するセルを切り替えシーケンス開始時刻から時系列で記憶する工程と、前記現用系スイッチ部から通知された切り替えシーケンス開始時の前記バッファ部における蓄積セル数を初期状態として記憶されている時系列のセル到着情報を使って前記現用系スイッチ部のキュー選択動作を1セル時間より短い時間で現在時刻に追いつくまでシミュレートする工程と、シミュレートの結果として得られた蓄積セル数情報とシミュレート後に到着するセルをもとにキュー選択動作を行い、シミュレータの結果として得られた蓄積セル数分だけキュー選択されるまで動作する工程と、切り替えシーケンス開始と同時に前記バッファ制御部をリセットすると同時に書込制御と読出制御を停止し、蓄積セル解析終了後にバッファ制御部に書込開始を指示し、セル数調整終了後にバッファ制御部に読出開始を指示する工程と、前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部の前記バッファ部におけるセル蓄積状態とキュー選択状態が一致し、両方から常に同一のセルが出力されるようになった後に、前記選択部にて前記現用系スイッチ部から前記予備系スイッチ部に切り替えることにより無瞬断切り替えを実現する工程とを備えることを特徴とするスイッチ装置の無瞬断切り替え方法を提供する。
【0017】
また、前記バッファ部は複数のキューで構成される。
また、前記バッファ部で構成される複数のキューを優先クラス毎に割り当てる。
また、前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部の切り替えシーケンス開始の同期を共通フレーム位相で実施する。
また、前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部の切り替えシーケンス開始の同期を切り替え制御セルで実施する。
【0018】
また、前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部の切り替えシーケンス開始の同期を前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部のうち一方から他方に通知する。
また、前記現用系スイッチ部から前記予備系スイッチ部に切り替えシーケンス開始時刻における蓄積セル数の情報に加えてキュー選択動作に使用しているポイント情報も合わせて通知する。
【0019】
また、前記現用系スイッチ部から前記予備系スイッチ部には切り替えシーケンス開始と同時に両系におけるキュー選択動作にて使用しているポインタを予め決められた同じ値に合わせる。
また、前記現用系スイッチ部が蓄積セル数を保持するのと同時刻に前記予備系スイッチ部の蓄積セル数を保持し、保持した蓄積セル数と前記現用系スイッチ部から受信した蓄積セル数との比較を行い、一致していれば何もせず、異なっていれば合わせ込み処理を行うことで、前記選択部での切り替え処理前に予め合わせ込み処理を実施しておく。
【0020】
また、本発明は、固定長データをセルとしセルを内部に蓄積するバッファ部と、予め決められたアルゴリズムに従って前記バッファ部の書込又は読出制御をするバッファ制御部をそれぞれ有する現用系スイッチ部及び予備系スイッチ部を備え、さらに、前記現用系スイッチ部及び前記予備系スイッチ部の各々に同じセルを分配する分配部と、前記現用系スイッチ部からの出力セルと前記予備系スイッチ部からの出力セルのいずれか一方を選択する選択部を備えるスイッチ装置の無瞬断切り替えプログラムにおいて、前記現用系スイッチ部の前記バッファ部における蓄積セル数をカウントする手順と、前記セルカウント部からカウント値が通知され、切り替えシーケンス開始時刻における蓄積セル数を保持し、前記現用系スイッチ部から前記予備系スイッチ部に通知する手順と、前記予備系スイッチ部に到着するセルを切り替えシーケンス開始時刻から時系列で記憶する手順と、前記現用系スイッチ部から通知された切り替えシーケンス開始時の前記バッファ部における蓄積セル数を初期状態として記憶されている時系列のセル到着情報を使って前記現用系スイッチ部のキュー選択動作を1セル時間より短い時間で現在時刻に追いつくまでシミュレートする手順と、シミュレートの結果として得られた蓄積セル数情報とシミュレート後に到着するセルをもとにキュー選択動作を行い、シミュレータの結果として得られた蓄積セル数分だけキュー選択されるまで動作する手順と、切り替えシーケンス開始と同時に前記バッファ制御部をリセットすると同時に書込制御と読出制御を停止し、蓄積セル解析終了後にバッファ制御部に書込開始を指示し、セル数調整終了後にバッファ制御部に読出開始を指示する手順と、前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部の前記バッファ部におけるセル蓄積状態とキュー選択状態が一致し、両方から常に同一のセルが出力されるようになった後に、前記選択部にて前記現用系スイッチ部から前記予備系スイッチ部に切り替えることにより無瞬断切り替えを実現する手順とを備えることを特徴とするスイッチ装置の無瞬断切り替えプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、現用系スイッチ部のバッファ部における蓄積セル数をカウントし、カウント値が通知され、切り替えシーケンス開始時刻における蓄積セル数を保持し、現用系スイッチ部から予備系スイッチ部に通知し、予備系スイッチ部に到着するセルを切り替えシーケンス開始時刻から時系列で記憶し、現用系スイッチ部から通知された切り替えシーケンス開始時のバッファ部における蓄積セル数を初期状態として記憶されている時系列のセル到着情報を使って現用系スイッチ部のキュー選択動作を1セル時間より短い時間で現在時刻に追いつくまでシミュレートし、シミュレートの結果として得られた蓄積セル数情報とシミュレート後に到着するセルをもとにキュー選択動作を行い、シミュレータの結果として得られた蓄積セル数分だけキュー選択されるまで動作し、切り替えシーケンス開始と同時にバッファ制御部をリセットすると同時に書込制御と読出制御を停止し、蓄積セル解析終了後にバッファ制御部に書込開始を指示し、セル数調整終了後にバッファ制御部に読出開始を指示し、現用系スイッチ部と予備系スイッチ部のバッファ部におけるセル蓄積状態とキュー選択状態が一致し、両方から常に同一のセルが出力されるようになった後に、選択部にて現用系スイッチ部から予備系スイッチ部に切り替えることにより無瞬断切り替えを実現するようにしたので、予備系スイッチ部101−22において、切り替えシーケンス開始時刻の現用系スイッチ部101−4における蓄積セル数と切り替え開始時刻以降の時系列のセル到着情報を基に、切り替えシーケンス開始時刻以降の現用系スイッチ部101−4におけるキュー選択動作を再現できるようにした。
【0022】
従来では、固定長データ(セルと記載)を内部に蓄積するバッファ部とあらかじめ決められたアルゴリズムに従って、バッファ部の書込または読出制御をするバッファ制御部とを持つスイッチ部を現用系スイッチ部と予備系スイッチ部の2つ備え、現用系スイッチ部と予備系スイッチ部に同じセルを分配する分配(コピー)部と現用系スイッチ部からの出力セルと予備系スイッチ部からの出力セルのいずれか一方を選択する選択部を備えるスイッチ装置において、選択部にて選択するスイッチ部を現用系スイッチ部から予備系スイッチ部に切り替える時に、現用系スイッチ部のセル蓄積状態とキュー選択状態(Round Robinのポインタなど)が一致していないと無瞬断に切り替えることができず、現用系スイッチ部と予備系スイッチ部のセル蓄積状態とキュー選択状態を一致させるためには、現用系スイッチ部から自身のセル蓄積状態とキュー選択状態を予備系スイッチ部に通知して、予備系スイッチ部がその情報をもとに動作することが考えられるが、通知処理が1セル時間で終わらないような場合には、予備系スイッチ部では、過去の現用系スイッチ部の状態をもとに動作を開始することになるので現用系スイッチ部と予備系スイッチ部のセル蓄積状態とキュー選択状態が一致せず、選択部における無瞬断切り替えが実現できなかった。
【0023】
これに対して、本発明では、予備系スイッチ部において、切り替えシーケンス開始時刻の現用系スイッチ部における蓄積セル数(Round RobinやWeighted Round RobinのポインタやWeight情報なども含む)と切り替え開始時刻以降の時系列のセル到着情報をもとに、切り替えシーケンス開始時刻以降の現用系スイッチ部におけるキュー選択動作を再現できるようにしたことにより、現用系スイッチと予備系スイッチの蓄積セル数の認識が一致し、現用系スイッチと予備系スイッチの動作を完全に一致させることができるため、出力インタフェース部の選択部にて選択するスイッチを現用系スイッチと予備系スイッチに切り替えることで無瞬断切り替えを実現できるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るスイッチ装置の概略構成を示すブロック図である。本図に示すように、スイッチ装置100は、N個の入力インタフェース101−1−1〜101−1−Nと、N個の出力インタフェース101−20−1〜101−20−Nの間を現用系スイッチ部101−4、予備系スイッチ部101−22にて接続しているスイッチとなっており、その無瞬断切り替え動作を行う。
【0025】
本例では、入力インタフェース数と出力インタフェース数を共にN個で同じ数となっているが異なる数であっても問題はない。
入力インタフェース101−1−1〜101−1−Nはセル化部101−2−1〜101−2−N、分配部101−3−1〜101−3−Nからなるブロックで受信データを固定長データ(セル)に分割し、現用系スイッチ部101−4と予備系スイッチ部101−22にセルを分配(コピー)する。
【0026】
現用系スイッチ部101−4は入力インタフェース101−1−1〜101−1−Nから受信したセルを宛先となる出力インタフェース101−20−1〜101−20−Nにスイッチング処理を行うブロックで、多重部101−5、フィルタ部101−6−1〜101−6−N、宛先データ管理部101−7−1〜101−7−Nからなる。
多重部101−5は入力インタフェース101−1−1〜101−1−Nから入力されたセルを時分割多重するブロックで、多重データはフィルタ部101−6−1〜101−6−Nに出力される。
【0027】
フィルタ部101−6−1〜101−6−Nは多重データからそれぞれ宛先a1(出力インタフェース101−20−1行き)〜宛先aN(出力インタフェース101−20−N行き)のセルのみを通過させそれ以外は削除するブロックで処理後のデータはそれぞれ宛先データ管理部101−7−1〜101−7−Nに送出する。
宛先データ管理部101−7−1は、バッファ部101−8−1、バッファ制御部101−9−1、セルカウント部101−10−1、蓄積セル数通知部101−11からなる。
【0028】
バッファ部101−8−1は内部を優先度毎のキューで構成されるメモリであり、バッファ制御部101−9−1からそれぞれ書込制御と読出制御される。
バッファ制御部101−9−1は入力されてくるセルを優先度毎に分けてバッファ部101−8−1にそれぞれ書き込み、予め決められたアルゴリズムに従ってセルを読み出すキューの選択処理を行い、セルの読み出し制御を行う。
【0029】
ここで、「予め決められたアルゴリズム」とは例えば、各優先度のセルを1セルずつ順番に読み出すキューを選択するRound Robin、順番に読み出しは行うが1セルずつではなく優先度毎に決められた比率に従ってセルを読み出すキューを選択していくWeighted Round Robin、より高い優先度のセルが蓄積されているキューを選択する完全優先方式などが考えられる。
【0030】
バッファ部101−8−1から読み出されるセルは宛先となる出力インタフェース101−20−1に出力される。
また、バッファ制御部101−9−1は、バッファ部101−8−1に書き込み、読み出したセルの優先度情報をセルカウント部101−10−1に送出する。
セルカウント部101−10−1はバッファ制御部101−9−1からの前記優先度を基に、バッファ部101−8−1に格納されている蓄積セル数を優先度毎個別にカウントするブロックであり、カウントした値は蓄積セル数通知部101−11−1に通知される。
【0031】
蓄積セル数通知部101−11−1はタイミング生成部101−25における切り替え開始指示部101−26から切り替えシーケンスの開始を指示されるとセルカウント部101−10−1から受信していた優先度毎個別にカウントされたセル数を保持し、予備系スイッチ部101−22に出力する。
宛先データ管理部101−7−2〜101−7−Nの動作は、それぞれ宛先a2〜aNのセルを扱うことが異なるのみで、動作は宛先データ管理部101−7−1と同様である。
【0032】
予備系スイッチ部101−22は現用系スイッチ部101−4の予備として動作し、入力インタフェース101−1−1〜101−1−Nから受信したセルを宛先となる出力インタフェース101−20−1〜101−20−Nにスイッチング処理を行うブロックで、多重部101−12、フィルタ部101−13−1〜101−13−N、宛先データ管理部101−23−1〜101−23−Nからなる。
【0033】
多重部101−12は入力インタフェース101−1−1〜101−1−Nから入力されたセルを時分割多重するブロックで多重データはフィルタ部101−13−1〜101−13−Nに出力される。
フィルタ部101−13−1〜101−13−Nは多重データからそれぞれ宛先a1(出力インタフェース101−20−1行き)〜宛先aN(出力インタフェース101−20−N行き)のセルのみを通過させそれ以外は削除するブロックで処理後のデータはそれぞれ宛先データ管理部101−23−1〜101−23−Nに送出する。
【0034】
宛先データ管理部101−23−1は、到着セル記憶部101−14−1、バッファ制御部101−15−1、バッファ部101−16−1、状態制御部101−17−1、蓄積セル数解析部101−18−1、セル数調整部101−19−1からなる。
バッファ部101−16−1は内部を優先度毎のキューで構成されるメモリであり、バッファ制御部101−15−1から書込制御され読出制御される。
【0035】
バッファ制御部101−15−1は入力されてくるセルを優先度毎に分けてバッファ部101−16−1に書き込み、予め決められたアルゴリズムに従ってセルを読み出すキューの選択処理を行い、セルの読み出し制御を行う。
また、バッファ制御部101−15−1は状態制御部101−17−1からの指示に従ってバッファ部101−16−1のリセット(バッファ部をクリア、空にする)、セルの書き込み停止/開始、セルの読み出し停止/開始の各状態が定義される。
【0036】
バッファ部101−8−1から読み出されたセルは宛先となる出力インタフェース101−20−1に出力される。
また、到着セル記憶部101−14−1は、タイミング生成部101−25における切り替え開始指示部101−26から切り替えシーケンスの開始を指示されるとその時点から自身に到着するセルの優先度を時系列に記憶するブロックであり、蓄積セル数解析部101−18−1からの要求に従って、記憶した時系列のセル優先度情報を蓄積セル数解析部101−18−1に通知する。
【0037】
蓄積セル数解析部101−18−1は、現用系スイッチ部101−4における蓄積セル数通知部101−11−1から受信した切り替えシーケンス開始時の優先度毎の蓄積セル数情報と到着セル記憶部101−14−1から受信した時系列のセル優先度情報をもとに、切り替えシーケンス開始時点からの現用系スイッチ部のバッファ制御部101−9−1の各優先度のキュー選択動作を解析(シミュレート)するブロックでシミュレート後の優先度毎の蓄積セル数情報をセル数調整部101−19−1に出力し、動作の状態(解析中、非解析中)を状態制御部101−17−1に通知する。
【0038】
セル数調整部101−19−1は、蓄積セル数解析部101−18−1から受信したシミュレート後の優先度毎の蓄積セル数と受信セルの優先度情報をもとに、バッファ部101−16−1内にそれらのセル数があるものとしてキュー選択処理をシミュレートし、蓄積セル数解析部101−18−1から受信した蓄積セル数分だけキューが選択された優先度の情報(以降、調整終了通知と記載)を状態制御部101−17−1に通知する。
【0039】
状態制御部101−17−1は、バッファ制御部101−15−1の動作状態を制御するブロックで、タイミング生成部101−25における切り替え開始指示部101−26からの切り替えシーケンス開始指示を受信するとバッファリセットとセル書き込み停止と読み出し停止の要求をバッファ部101−16−1に送出し、蓄積セル数解析部101−18−1からの通知される動作の状態が非解析中になったら全優先度のセル書き込み開始指示をバッファ制御部101−15−1に通知し、セル数調整部101−19−1から調整終了通知を受信したら該当する優先度のセル読み出し指示をバッファ制御部101−15−1に通知する。
【0040】
出力インタフェース101−20−1〜101−20−Nは、現用系スイッチ部101−4と予備系スイッチ部101−22からスイッチング処理後のセルを受信するブロックで、内部に選択部101−21−1〜101−21−Nを備える。選択部101−21−1〜101−21−Nは、現用系スイッチ部101−4と予備系スイッチ部101−22から受信するセルのうちどちらか一方のセルを選択してデセル化部101-24−1〜101−24−Nに出力するブロックである。
【0041】
また、選択部101−21−1〜101−21−Nは、現用系スイッチ部101−4と予備系スイッチ部101−22から受信するセルを監視し、現用系スイッチ部101−4から受信するセルと予備系スイッチ部101−22から受信するセルの同期が取れているか監視を行い、同期が取れているときに現用系スイッチ部101−4から予備系スイッチ部101−22に切り替えを行えば無瞬断切り替えが実現できる。
【0042】
選択部101−21−1〜101−21−Nにて選択されたセルは、デセル化部101-24−1〜101−24−NにてTDM(Time Division Multiplex)データ、ATM(Asynchronous Transfer Mode)セル、可変長のパケットなど、収容しているインタフェースフォーマットに変換される。
タイミング生成部101−25は、現用系スイッチ部101−4と予備系スイッチ部101−22に切り替えシーケンス開始の同期を共通フレームで実施する切り替えシーケンス開始指示信号を送出するブロックで、切り替え開始指示部101−26を備える。
【0043】
切り替え開始指示部101−26にて切り替えシーケンス開始の起点となるタイミング信号(切り替えシーケンス開始指示信号)を送出する。
次に、図1に示す本実施例の動作について説明する。
まず、図1に示す本実施例におけるデータのスイッチング動作を説明する。入力インタフェース101−1−1〜101−1−Nでは、TDMデータ、ATMセル、可変長のパケットなどを収容し、これらのデータをセル化部101−2−1〜101−2−Nにおいて装置内でのスイッチング単位である固定長データ(セル)に分割する。
【0044】
セルは、分配部101−3−1〜101−3−Nにおいて現用系スイッチ部101−4と予備系スイッチ部101−22に分配される。
入力インタフェース101−1−1〜101−1−Nから現用系スイッチ部101−4に到着したセルは多重部101−5にて時分割多重処理されてフィルタ部101−6−1〜101−6−Nに送出される。
【0045】
フィルタ部101−6−1〜101−6−Nでは多重データからそれぞれ宛先a1(出力インタフェース101−20−1行き)〜宛先aN(出力インタフェース101−20−N行き)のセルのみを通過させそれ以外は削除して後段の宛先データ管理部101−7−1〜101−7−Nへ送出される。
宛先データ管理部101−7−1で受信したセルはバッファ制御部101−9−1の制御によってバッファ部101−8−1の該当する優先度のキューに格納される。
【0046】
バッファ制御部101−9−1では、バッファ部101−8−1からセルを読み出すキューの選択処理を行っており、選択したキューのセル読み出し処理を行う。
読み出されたセルは出力インタフェース101−20−1に出力される。
宛先データ管理部101−7−1〜101−7−Nの動作は、それぞれ宛先a2〜aNのセルを扱うことが異なるのみで、動作は宛先データ管理部101−7−1と同様である。
【0047】
予備系スイッチ部101−22の多重部101−12、フィルタ部101−13−1〜101−13−N、宛先データ管理部101−23−1〜101−23−Nにおける通常時のスイッチング動作に関しては、現用系スイッチ部101−4の多重部101−5、フィルタ部101−6−1〜101−6−N、宛先データ管理部101−7−1〜101−7−Nにおける動作とそれぞれ同様である。
【0048】
出力インタフェース101−20−1〜101−20−Nは、現用系スイッチ部101−4と予備系スイッチ部101−22からスイッチング処理後のセルを受信し、選択部101−21−1〜101−21−Nにて現用系スイッチ部101−4と予備系スイッチ部101−22から受信するセルのうちどちらか一方のセルを選択してデセル化部101-24−1〜101−24−Nに出力する。
【0049】
デセル化部101-24−1〜101−24−Nでは、受信したセルをTDMデータ、ATMセル、可変長のパケットなど、収容しているインタフェースフォーマットに変換する。
次に、本実施例における現用系スイッチ部101−4から予備系スイッチ部101−22への切り替えシーケンスについて以下に説明する。本説明では、出力インタフェース101−20−1行きのセルを扱う宛先データ管理部101−7−1と宛先データ管理部101−23−1について説明するが、宛先データ管理部101−7−2〜101−7−N、宛先データ管理部101−23−2〜101−23−Nに付いてもセルの宛先が異なるのみで処理は同様である。
【0050】
切り替えシーケンスの開始タイミングはタイミング生成部101−25における切り替え開始指示部101−26から現用系スイッチ部101−4と予備系スイッチ部101−22に通知される。
【0051】
現用系スイッチ部101−4では、セルカウント部101−10−1においてバッファ部101−8−1におけるセルの蓄積数を優先度毎にカウントしている。
蓄積セル数通知部101−11−1は、切り替え開始指示部101−26から切り替えシーケンスの開始を通知されるとセルカウント部101−10−1から受信していた優先度毎の蓄積セル数を保持し、予備系スイッチ部101−22における蓄積セル数解析部101−18−1に通知する。
【0052】
予備系スイッチ部101−22では、宛先データ管理部101−23−1における到着セル記憶部101−14−1において、切り替え開始指示部101−26から切り替えシーケンスの開始を通知されると到着するセルの優先度を時系列で記憶する処理を開始する。
また、状態制御部101−17−1では、切り替え開始指示部101−26から切り替えシーケンスの開始を通知されるとバッファ制御部101−15−1に対して、バッファ部101−16−1のリセット(クリア)と書き込み停止、読み出し停止を指示する。
【0053】
蓄積セル数解析部101−18−1では、現用系スイッチ部101−4における蓄積セル数通知部101−11−1からバッファ部101−8−1に蓄積している優先度毎の蓄積セル数を受信すると、到着セル記憶部101−14−1に対して、記憶している時系列のセル優先度情報を蓄積セル数解析部101−18−1に出力させる。
【0054】
蓄積セル数解析部101−18−1では、前記時系列のセル優先度情報と前記優先度毎の蓄積セル数をもとに切り替えシーケンス開始時点からの現用系スイッチ部101−4のバッファ制御部101−9−1の各優先度のキュー選択動作を解析(シミュレート)する。
シミュレートするキュー選択動作は1セル分の処理を1セル時間より短い時間で行うことにより、現時刻でのバッファ制御部101−9−1でのキュー選択処理まで追いつかせることができるため、現用系スイッチ部101−4におけるバッファ部101−8−1における優先度毎の蓄積セル数を蓄積セル数解析部101−18−1にて知ることができる。
【0055】
シミュレートの結果として得られた現時刻における各優先度毎の蓄積セル数はセル数調整部101−19−1に出力される。
また、蓄積セル数解析部101−18−1から状態制御部101−17−1へは、動作の状態(解析中、非解析中)を出力しており、状態制御部101−17−1は、解析中から非解析中への変化を検出するとバッファ制御部101−15−1に対して全優先度のセルの書き込み開始を指示する。
【0056】
セル数調整部101−19−1は、蓄積セル数解析部101−18−1から受信したシミュレート後の優先度毎の蓄積セル数と受信セルの優先度情報をもとに、バッファ部101−16−1内にそれらのセル数があるものとしてキュー選択処理をシミュレートし、蓄積セル数解析部101−18−1から受信した蓄積セル数分だけキューが選択された優先度の情報(以降、調整終了通知と記載)を状態制御部101−17−1に通知する。
【0057】
状態制御部101−17−1にてセル数調整部101−19−1から調整終了通知を受信したら該当する優先度のセル読み出し指示をバッファ制御部101−15−1に通知する。
この処理を全ての優先度において実施すると、現用系スイッチ部101−4におけるバッファ部101−8−1の全優先度の蓄積セル数と予備系スイッチ部101−22におけるバッファ部101−16−1における蓄積セル数を完全に一致させることができるため、現用系スイッチ部101−4と予備系スイッチ部101−22の動作を完全一致させることが可能となる。
【0058】
出力インタフェース101−20−1における選択部101−21−1では、現用系スイッチ部101−4と予備系スイッチ部101−22から受信するセルを監視し、現用系スイッチ部101−4から受信するセルと予備系スイッチ部101−22から受信するセルの同期が取れているか監視を行い、同期が取れているときに現用系スイッチ部101−4から予備系スイッチ部101−22に切り替えを行えば無瞬断切り替えが実現できる。
【0059】
また、図1におけるバッファ制御部101−9−1とバッファ制御部101−15−1において、Round RobinやWeighted Round Robin制御にてキュー選択処理を実施している場合は、そのポインタ情報やWeight情報などがキュー選択処理に必要となるが、蓄積セル数情報とともに現用系スイッチ部101−4から予備系スイッチ部101−22にポインタ情報やWeight情報なども一緒に通知することにより、蓄積セル数解析部101−18−1やセル数調整部101−19−1におけるシミュレート処理で使用現用系のキュー選択処理が再現可能となる。
【0060】
また、ポインタ情報やWeight情報などを現用系スイッチ部101−4から予備系スイッチ部101−22に送付しなくても、切り替えシーケンス開始タイミングと同時に前記ポインタ情報やWeightをリセットすることで現用系スイッチ部101−4から予備系スイッチ部101−22のキュー選択処理におけるポインタ情報やWeightの認識を一緒にすることができる。
【0061】
図2は図1における現用系スイッチ部101−4のバッファ部101−8−1と予備系スイッチ部101−22のバッファ部101−16−1の蓄積セル数を一致させるための一連の処理を時系列に説明する図である。
次に、本図に示す本実施例の動作について説明する。本図における、各ブロックの番号は図1と対応するものとする。
【0062】
本図に示すように、切り替えシーケンス開始時刻(T1)において現用系スイッチ部101−4における蓄積セル数通知部101−11−1は現用系スイッチ部101−4内のバッファの蓄積セル数を予備系スイッチ部101−22における蓄積セル数解析部101−18−1に通知する(図中(1)参照)。
また、切り替え開始時刻(T1)では、到着セル記憶部101−14−1にて到着するセルの優先度を時系列で記憶する処理を開始すると同時に状態制御部101−17−1からバッファ制御部101−15−1に対して、バッファ部101−16−1のリセット(クリア)と書き込み停止、読み出し停止を指示する。
【0063】
到着セル記憶部101−14−1から蓄積セル数解析部101−18−1に到着セルの時系列情報の通知を開始する(図中(2)参照)。蓄積セル数解析部101−18−1では、蓄積セル数情報が到着(時刻T2)すると、蓄積セル数情報と到着セル記憶部101−14−1からの到着セル情報をもとにT1時点からの現用系スイッチ部101−4のキュー選択動作をシミュレートする。
蓄積セル数解析部101−18−1でのシミュレート動作が現時刻の現用系スイッチ部101−4のキュー選択動作に追いついた時点(T3)で現用系スイッチ部101−4の蓄積セル数と予備系スイッチ部101−22における蓄積セル数解析部101−18−1におけるセル数の認識が一致したことになる。
【0064】
蓄積セル数解析部101−18−1におけるシミュレート処理が完了するタイミング(T3)で、蓄積セル数解析部101−18−1からシミュレートの結果が得られた各優先度毎の蓄積セル数をセル数調整部101−19−1に出力し、動作の状態を状態制御部101−17−1に通知し(図中の(3)参照)、状態制御部101−17−1はバッファ制御部101−15−1に全優先度におけるセルの書き込みを指示する。
また、T3ではセル数調整部101−19−1において、蓄積セル数解析部101−18−1でのシミュレート後の優先度毎の蓄積セル数とT3以後に到着するセルをもとにバッファ制御部101−15−1におけるキュー選択動作をシミュレートし、蓄積セル数解析部101−18−1から得られたシミュレート後の蓄積セル数分だけキュー選択された優先度から順次、状態制御部101−17−1に通知し、状態制御部101−17−1では、バッファ制御部101−15−1に対して通知された優先度から読み出し開始を指示する。
【0065】
前記読み出し指示が全ての優先度について終了した時点(T4)で宛先データ管理部101−7−1と宛先データ管理部101−23−1の動作は一致する。
図3は図2における現用系スイッチ部101−4のバッファ部101−8−1と予備系スイッチ部101−22のバッファ部101−16−1の蓄積セル数を一致させるための一連の処理過程を具体的に説明する図である。本図に示すT1、T2、T3、T4は、図2におけるT1、T2、T3、T4と同様であり、また、図中の四角の中に記載された番号はセルの優先度を示す。
【0066】
本図に示すように、現用系スイッチ部101−4のバッファと予備系スイッチ部101−22のバッファはある特定宛先(例えば、図1における出力インタフェース101−20−1)行きのセルを優先度毎に蓄積する構成となっており、優先クラスは2クラスあるものとする。以降、(1)〜(6)までの説明をする。
(1)は時刻T1における状態を示しており、現用系スイッチ部101−4から予備系スイッチ部101−22に対して蓄積セル数(優先度1は3セル・・・優先度Kは4セル)を出力する。
【0067】
予備系スイッチ部101−22では、到着するセルを優先度毎に時系列での記憶を開始する(予備系スイッチ部101−22に到着するセルは現用系スイッチ部101−4に到着するセルと同一)。
また、予備系スイッチ部101−22では、バッファ部101−16−1をクリアし、セルの書き込みと読み出しは停止する。
【0068】
(2)は、時刻T1+1〜時刻T2−1(本例では3セル時間とする)までの動作を示している。
現用系スイッチ部101−4では通常通りの動作をしており、予備系スイッチ部101−22では(1)から引き続き、到着するセルを優先度毎に時系列で記憶する。
(3)は、時刻T2〜T3−1(本例では4セル時間とする)までの動作を示している。
【0069】
時刻T2にて(1)で現用系スイッチから出力した時刻T1時点での現用系スイッチ部101−4の蓄積セル数情報を予備系スイッチ部101−22にて受信する。
予備系スイッチ101−22では、前記セル蓄積情報と時刻T1から記憶している到着セル情報をもとに時刻T1からの現用系スイッチ部101−4におけるキュー選択動作をシミュレートし、時刻T3において現用系スイッチ部101−4では優先度1のセルは3セル、優先度2のセルは4セル蓄積していると認識する。
【0070】
(4)は、時刻T3時点での現用系スイッチ部101−4と予備系スイッチ部101−22のバッファ蓄積状態を示している。
(5)は、時刻T3〜時刻T4−1(本例では7セル時間とする)までの動作を示している。
時刻T3からは予備系スイッチ部101−22でも受信セルをバッファ部101−16−1に書き込みする処理を開始する。
【0071】
また、予備系スイッチ部101−22では、(3)で得たシミュレート結果(優先度1は3セル蓄積、優先度2は4セル蓄積)とT3以降に到着するセルをもとにキュー選択動作をシミュレートする。
(6)は、時刻T4以降の動作を示している。
時刻T3以降、(3)で得たシミュレート結果分だけ該当するキューが選ばれたら、その優先度のキューの読み出し処理を開始し、時刻T4にて全ての優先度のキュー読み出しが開始されるようになり、現用系スイッチ部101−4と予備系スイッチ部101−22の動作が完全一致する。
【0072】
このようにして、予備系スイッチ部101−22において、切り替えシーケンス開始時刻の現用系スイッチ部101−4における蓄積セル数と切り替え開始時刻以降の時系列のセル到着情報を基に、切り替えシーケンス開始時刻以降の現用系スイッチ部101−4におけるキュー選択動作を再現できるようにした。
従来では、固定長データ(セルと記載)を内部に蓄積するバッファ部とあらかじめ決められたアルゴリズムに従って、バッファ部の書込または読出制御をするバッファ制御部とを持つスイッチ部を現用系スイッチ部と予備系スイッチ部の2つ備え、現用系スイッチ部と予備系スイッチ部に同じセルを分配する分配(コピー)部と現用系スイッチ部からの出力セルと予備系スイッチ部からの出力セルのいずれか一方を選択する選択部を備えるスイッチ装置において、選択部にて選択するスイッチ部を現用系スイッチ部から予備系スイッチ部に切り替える時に、現用系スイッチ部のセル蓄積状態とキュー選択状態(Round Robinのポインタなど)が一致していないと無瞬断に切り替えることができず、現用系スイッチ部と予備系スイッチ部のセル蓄積状態とキュー選択状態を一致させるためには、現用系スイッチ部から自身のセル蓄積状態とキュー選択状態を予備系スイッチ部に通知して、予備系スイッチ部がその情報をもとに動作することが考えられるが、通知処理が1セル時間で終わらないような場合には、予備系スイッチ部では、過去の現用系スイッチ部の状態をもとに動作を開始することになるので現用系スイッチ部と予備系スイッチ部のセル蓄積状態とキュー選択状態が一致せず、選択部における無瞬断切り替えが実現できなかった。
【0073】
これに対して、本発明では、予備系スイッチ部において、切り替えシーケンス開始時刻の現用系スイッチ部における蓄積セル数(Round RobinやWeighted Round RobinのポインタやWeight情報なども含む)と切り替え開始時刻以降の時系列のセル到着情報をもとに、切り替えシーケンス開始時刻以降の現用系スイッチ部におけるキュー選択動作を再現できるようにしたことにより、現用系スイッチと予備系スイッチの蓄積セル数の認識が一致し、現用系スイッチと予備系スイッチの動作を完全に一致させることができるため、出力インタフェース部の選択部にて選択するスイッチを現用系スイッチと予備系スイッチに切り替えることで無瞬断切り替えを実現できるようになった。
【実施例1】
【0074】
図4は図1の第1の変形例であり、本発明に係るスイッチ装置の概略部分構成を示すブロック図である。本図に示すように、図1と比較して、現用系スイッチ部101−4と予備系スイッチ部101−22において構成ブロックの違いがないブロックは省略している。
図1では、切り替えシーケンス開始指示信号を切り替え開始指示部101−26から現用系スイッチ部101−4と予備系スイッチ部101−22に分配していたが、切り替え開始指示部101−26に代わり、図4では、現用系スイッチ部101−4と予備系スイッチ部101−22への切り替えシーケンス開始指示は入力インタフェース部101−1−1〜101−1−Nから挿入される切替セルにより認識する。
【0075】
図4において切り替えシーケンスの開始は、入力インタフェース部101−1−1〜101−1−Nにおける切替セル挿入部104−1−1〜104−1−Nから挿入される切替セルにて現用系スイッチ部101−4と予備系スイッチ部101−22に通知される。
切替セルは主信号(パケット、ATMセル、TDMデータなど)をセル化したセルのヘッダ部分に切り替え開始ビットを定義することで実現してもよいし、切り替えシーケンス開始通知用の専用セルを定義してもよい。
【0076】
現用系スイッチ部101−4と予備系スイッチ部101−22では、多重部101−5、多重部101−12の後に切替セル検出部104−2−1〜104−2−N、切替セル検出部104−3−1〜104−3−Nが設けられ、切替セル検出部104−2−1〜104−2−N、切替セル検出部104−3−1〜104−3−Nは受信するセルから切り替えシーケンス開始指示信号を検出し、切り替えシーケンスの開始タイミングを認識して切り替え処理を開始する。
また、切り替えシーケンス開始後の動作は図1の実施例の場合と同様である。
【実施例2】
【0077】
図5は図1の第2の変形例であり、本発明に係るスイッチ装置の概略部分構成を示すブロック図であり、図6は図1の第3の変形例であり、本発明に係るスイッチ装置の概略部分構成を示すブロック図である。
図5に示すように、図4と比較して、図4では切替セルを現用系スイッチ部101−4と予備系スイッチ部101−22の両方で検出していたが、多重部101−5の後に切替セル検出部104−2−1〜104−2−Nが設けられ、切替セル検出部104−2−1〜104−2−Nにより切替セルを現用系スイッチ部101−4でのみ検出し、検出したタイミングを予備系スイッチ部101−22に通知する形態となっている。
【0078】
図6では、図5と比較して、多重部101−12の後に切替セル検出部104−3−1〜104−3−Nが設けられ、切替セル検出部104−3−1〜104−3−Nにより、切替セルを予備系スイッチ部101−22でのみ検出し、検出したタイミングを現用系スイッチ部101−4に通知する形態となっている。また、切り替えシーケンス開始後の動作は図1の実施例の場合と同様である。
【実施例3】
【0079】
図7は図1の第3の変形例であり、本発明に係るスイッチ装置の概略部分構成を示すブロック図であり、図8は図1の第4の変形例であり、本発明に係るスイッチ装置の概略部分構成を示すブロック図である。図7に示すように、図1と比較して、図1では切り替え開始指示部101−26から切り替えシーケンス開始指示信号を現用系スイッチ部101−4と予備系スイッチ部101−22に分配していたが、現用系スイッチ部101−4内に切り替えタイミング検出部107−1−1〜107−1−Nが設けられ、切り替えタイミング検出部107−1−1〜107−1−Nにより切り替え開始指示部101−26からの切り替えシーケンス開始指示信号は、現用系スイッチ部101−4でのみ検出され、検出したタイミングを予備系スイッチ部101−22に通知する形態となっている。
【0080】
図8では、予備系スイッチ部101−22内に切り替えタイミング検出部108−1−1〜108−1−Nが設けられ、切り替えタイミング検出部108−1−1〜108−1−Nにより切り替え開始指示部101−26からの切り替えシーケンス開始指示信号は、予備系スイッチ部101−22でのみ検出され、検出したタイミングを現用系スイッチ部101−4に通知する形態となっている。また、切り替えシーケンス開始後の動作は図1の実施例の場合と同様である。
【実施例4】
【0081】
図9は図1の第5の変形例であり、本発明に係るスイッチ装置の概略部分構成を示すブロック図である。本図に示すように、図1と比較して、予備系スイッチ部101−22宛先データ管理部101−23−1におけるバッファ制御部101−15−1に代わり、バッファ制御/セルカウント部109−1−1が設けられ、バッファ制御部/セルカウント部109−1−1は、図1のバッファ制御部101−15−1の機能に加えて、切り替え開始指示部101−26から切り替えシーケンスの開始を通知されるとその時刻におけるバッファ部101−16−1の蓄積セル数を保持し、保持した蓄積セル数と現用系スイッチ部101−4から送付されたバッファ部101−8−1における蓄積セル数と比較を行い、一致していれば切り替えシーケンスを実施することなくバッファ部101−16−1の書込/読出処理を継続する。
【0082】
これにより、既に現用系スイッチ部101−4内のバッファ部101−8−1と予備系スイッチ部101−22内のバッファ部101−16−1における蓄積セル数が切り替えシーケンスを開始する前に既に一致していた場合にはセル数の合わせ込み処理を改めて実施することを回避し、蓄積セル数が異なるときのみにセルの合わせ込み処理を実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明に係るスイッチ装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1における現用系スイッチ部101−4のバッファ部101−8−1と予備系スイッチ部101−22のバッファ部101−16−1の蓄積セル数を一致させるための一連の処理を時系列に説明する図である。
【図3】図2における現用系スイッチ部101−4のバッファ部101−8−1と予備系スイッチ部101−22のバッファ部101−16−1の蓄積セル数を一致させるための一連の処理過程を具体的に説明する図である。
【図4】図1の第1の変形例であり、発明に係るスイッチ装置の概略部分構成を示すブロック図である。
【図5】図1の第2の変形例であり、発明に係るスイッチ装置の概略部分構成を示すブロック図である。
【図6】図1の第3の変形例であり、発明に係るスイッチ装置の概略部分構成を示すブロック図である。
【図7】図1の第3の変形例であり、発明に係るスイッチ装置の概略部分構成を示すブロック図である。
【図8】図1の第4の変形例であり、発明に係るスイッチ装置の概略部分構成を示すブロック図である。
【図9】図1の第5の変形例であり、本発明に係るスイッチ装置の概略部分構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0084】
100…スイッチ装置
101−1−1〜101−1−N…入力インタフェース
101−2−1〜101−2−N…セル化部
101−3−1〜101−3−N…分配部
101−4…現用系スイッチ部
101−5…多重部
101−6−1〜101−6−N…フィルタ部
101−7−1〜101−7−N…宛先データ管理部
101−8−1〜101−8−N…バッファ部
101−9−1…バッファ制御部
101−10−1…セルカウント部
101−11−1…蓄積セル数通知部
101−12…多重部
101−13−1…フィルタ部
101−14−1…到着セル記憶部
101−15−1…バッファ制御部
101−16−1…バッファ部
101−17−1…状態制御部
101−18−1…蓄積セル数解析部
101−19−1…セル数調整部
101−20−1〜101−20−N…出力インタフェース
101−21−1〜101−21−N…選択部
101−22…予備系スイッチ部
101−23−1〜101−23−N…宛先データ管理部
101-24−1〜101−24−N…デセル化部
101−25…タイミング生成部
101−26…切り替え開始指示部
104−1−1〜104−1−N…切替セル挿入部
104−2−1〜104−2−N…切替セル検出部
104−3−1〜104−3−N…切替セル検出部
107−1−1〜107−1−N…切り替えタイミング検出部
108−1−1〜108−1−N…切り替えタイミング検出部
109−1−1…バッファ制御/セルカウント部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現用系スイッチ部と予備系スイッチ部の各々に、固定長データをセルとし同じセルを分配する分配部と、セルを内部に蓄積するバッファ部と、予め決められたアルゴリズムに従って前記バッファ部の書込又は読出制御をするバッファ制御部と、前記現用系スイッチ部からの出力セルと前記予備系スイッチ部からの出力セルのいずれか一方を選択する選択部を備えるスイッチ装置において、
前記現用系スイッチ部には、
前記現用系スイッチ部の前記バッファ部における蓄積セル数をカウントするセルカウント部と、
前記セルカウント部からカウント値が通知され、切り替えシーケンス開始時刻における蓄積セル数を保持し、前記現用系スイッチ部から前記予備系スイッチ部に通知する蓄積セル数通知部とを備え、
前記予備系スイッチ部には、
前記予備系スイッチ部に到着するセルを切り替えシーケンス開始時刻から時系列で記憶する到着セル記憶部と、
前記現用系スイッチ部から通知された切り替えシーケンス開始時の前記バッファ部における蓄積セル数を初期状態として前記到着セル記憶部に記憶されている時系列のセル到着情報を使って前記現用系スイッチ部のキュー選択動作を1セル時間より短い時間で現在時刻に追いつくまでシミュレートしていく蓄積セル数解析部と、
前記蓄積セル解析部からのシミュレートの結果として得られた蓄積セル数情報とシミュレート後に到着するセルをもとにキュー選択動作を行い、シミュレータの結果として得られた蓄積セル数分だけキュー選択されるまで動作するセル数調整部と、
切り替えシーケンス開始と同時に前記バッファ制御部をリセットすると同時に書込制御と読出制御を停止し、前記蓄積セル数解析部での蓄積セル解析終了後にバッファ制御部に書込開始を指示し、前記セル数調整部でのセル数調整終了後にバッファ制御部に読出開始を指示する状態制御部とを備え、
前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部の前記バッファ部におけるセル蓄積状態とキュー選択状態が一致し、両方から常に同一のセルが出力されるようになった後に、前記選択部にて前記現用系スイッチ部から前記予備系スイッチ部に切り替えることにより無瞬断切り替えを実現することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記バッファ部は複数のキューで構成されることを特徴とする、請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記バッファ部で構成される複数のキューを優先クラス毎に割り当てることを特徴とする、請求項2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部の切り替えシーケンス開始の同期を共通フレーム位相で実施することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1つの請求項に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部の切り替えシーケンス開始の同期を切り替え制御セルで実施することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1つの請求項に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部の切り替えシーケンス開始の同期を前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部のうち一方から他方に通知することを特徴とする、請求項1又は請求項5に記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記蓄積セル数通知部は前記現用系スイッチ部から前記予備系スイッチ部に切り替えシーケンス開始時刻における蓄積セル数の情報に加えてキュー選択動作に使用しているポイント情報も合わせて通知することを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか1つの請求項に記載のスイッチ装置。
【請求項8】
前記現用系スイッチ部から前記予備系スイッチ部には切り替えシーケンス開始と同時に両系におけるキュー選択動作にて使用しているポインタを予め決められた同じ値に合わせることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか1つの請求項に記載のスイッチ装置。
【請求項9】
前記現用系スイッチ部が蓄積セル数を保持するのと同時刻に前記予備系スイッチ部の蓄積セル数を保持するバッファ制御/セルカウント部を備え、バッファ制御/セルカウント部は保持した蓄積セル数と前記現用系スイッチ部から受信した蓄積セル数との比較を行い、一致していれば何もせず、異なっていれば合わせ込み処理を行うことで、前記選択部での切り替え処理前に予め合わせ込み処理を実施しておくことを特徴とする、請求項1乃至請求項8のいずれか1つの請求項に記載のスイッチ装置。
【請求項10】
固定長データをセルとしセルを内部に蓄積するバッファ部と、予め決められたアルゴリズムに従って前記バッファ部の書込又は読出制御をするバッファ制御部をそれぞれ有する現用系スイッチ部及び予備系スイッチ部を備え、さらに、前記現用系スイッチ部及び前記予備系スイッチ部の各々に同じセルを分配する分配部と、前記現用系スイッチ部からの出力セルと前記予備系スイッチ部からの出力セルのいずれか一方を選択する選択部を備えるスイッチ装置の無瞬断切り替え方法において、
前記現用系スイッチ部の前記バッファ部における蓄積セル数をカウントする工程と、
カウント値が通知され、切り替えシーケンス開始時刻における蓄積セル数を保持し、前記現用系スイッチ部から前記予備系スイッチ部に通知する工程と、
前記予備系スイッチ部に到着するセルを切り替えシーケンス開始時刻から時系列で記憶する工程と、
前記現用系スイッチ部から通知された切り替えシーケンス開始時の前記バッファ部における蓄積セル数を初期状態として記憶されている時系列のセル到着情報を使って前記現用系スイッチ部のキュー選択動作を1セル時間より短い時間で現在時刻に追いつくまでシミュレートする工程と、
シミュレートの結果として得られた蓄積セル数情報とシミュレート後に到着するセルをもとにキュー選択動作を行い、シミュレータの結果として得られた蓄積セル数分だけキュー選択されるまで動作する工程と、
切り替えシーケンス開始と同時に前記バッファ制御部をリセットすると同時に書込制御と読出制御を停止し、蓄積セル解析終了後にバッファ制御部に書込開始を指示し、セル数調整終了後にバッファ制御部に読出開始を指示する工程と、
前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部の前記バッファ部におけるセル蓄積状態とキュー選択状態が一致し、両方から常に同一のセルが出力されるようになった後に、前記選択部にて前記現用系スイッチ部から前記予備系スイッチ部に切り替えることにより無瞬断切り替えを実現する工程とを備えることを特徴とするスイッチ装置の無瞬断切り替え方法。
【請求項11】
前記バッファ部は複数のキューで構成されることを特徴とする、請求項10に記載のスイッチ装置の無瞬断切り替え方法。
【請求項12】
前記バッファ部で構成される複数のキューを優先クラス毎に割り当てることを特徴とする、請求項10に記載のスイッチ装置の無瞬断切り替え方法。
【請求項13】
前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部の切り替えシーケンス開始の同期を共通フレーム位相で実施することを特徴とする、請求項10乃至請求項12のいずれか1つの請求項に記載のスイッチ装置の無瞬断切り替え方法。
【請求項14】
前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部の切り替えシーケンス開始の同期を切り替え制御セルで実施することを特徴とする、請求項10乃至請求項12のいずれか1つの請求項に記載のスイッチ装置の無瞬断切り替え方法。
【請求項15】
前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部の切り替えシーケンス開始の同期を前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部のうち一方から他方に通知することを特徴とする、請求項10又は請求項14に記載のスイッチ装置の無瞬断切り替え方法。
【請求項16】
前記現用系スイッチ部から前記予備系スイッチ部に切り替えシーケンス開始時刻における蓄積セル数の情報に加えてキュー選択動作に使用しているポイント情報も合わせて通知することを特徴とする、請求項10乃至請求項15のいずれか1つの請求項に記載のスイッチ装置の無瞬断切り替え方法。
【請求項17】
前記現用系スイッチ部から前記予備系スイッチ部には切り替えシーケンス開始と同時に両系におけるキュー選択動作にて使用しているポインタを予め決められた同じ値に合わせることを特徴とする、請求項10乃至請求項15のいずれか1つの請求項に記載のスイッチ装置の無瞬断切り替え方法。
【請求項18】
前記現用系スイッチ部が蓄積セル数を保持するのと同時刻に前記予備系スイッチ部の蓄積セル数を保持し、保持した蓄積セル数と前記現用系スイッチ部から受信した蓄積セル数との比較を行い、一致していれば何もせず、異なっていれば合わせ込み処理を行うことで、前記選択部での切り替え処理前に予め合わせ込み処理を実施しておくことを特徴とする、請求項10乃至請求項17のいずれか1つの請求項に記載のスイッチ装置の無瞬断切り替え方法。
【請求項19】
固定長データをセルとしセルを内部に蓄積するバッファ部と、予め決められたアルゴリズムに従って前記バッファ部の書込又は読出制御をするバッファ制御部をそれぞれ有する現用系スイッチ部及び予備系スイッチ部を備え、さらに、前記現用系スイッチ部及び前記予備系スイッチ部の各々に同じセルを分配する分配部と、前記現用系スイッチ部からの出力セルと前記予備系スイッチ部からの出力セルのいずれか一方を選択する選択部を備えるスイッチ装置の無瞬断切り替えプログラムにおいて、
前記現用系スイッチ部の前記バッファ部における蓄積セル数をカウントする手順と、
カウント値が通知され、切り替えシーケンス開始時刻における蓄積セル数を保持し、前記現用系スイッチ部から前記予備系スイッチ部に通知する手順と、
前記予備系スイッチ部に到着するセルを切り替えシーケンス開始時刻から時系列で記憶する手順と、
前記現用系スイッチ部から通知された切り替えシーケンス開始時の前記バッファ部における蓄積セル数を初期状態として記憶されている時系列のセル到着情報を使って前記現用系スイッチ部のキュー選択動作を1セル時間より短い時間で現在時刻に追いつくまでシミュレートする手順と、
シミュレートの結果として得られた蓄積セル数情報とシミュレート後に到着するセルをもとにキュー選択動作を行い、シミュレータの結果として得られた蓄積セル数分だけキュー選択されるまで動作する手順と、
切り替えシーケンス開始と同時に前記バッファ制御部をリセットすると同時に書込制御と読出制御を停止し、蓄積セル解析終了後にバッファ制御部に書込開始を指示し、セル数調整終了後にバッファ制御部に読出開始を指示する手順と、
前記現用系スイッチ部と前記予備系スイッチ部の前記バッファ部におけるセル蓄積状態とキュー選択状態が一致し、両方から常に同一のセルが出力されるようになった後に、前記選択部にて前記現用系スイッチ部から前記予備系スイッチ部に切り替えることにより無瞬断切り替えを実現する手順とを備えることを特徴とするスイッチ装置の無瞬断切り替えプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−212724(P2009−212724A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−52598(P2008−52598)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度、総務省、「次世代バックボーンに関する研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願」
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】