説明

スイッチ

【課題】操作部が操作される際に異音が発生することを抑制する。
【解決手段】スイッチ10では、操作部14が圧縮コイルスプリング16の付勢力に抗して押圧操作されることで、操作部14の移動接点20が基部12の固定接点18に接触されて、ON状態にされる。ここで、操作部14が押圧操作される際には、操作部14の移動柱24が操作部14と共に移動されると共に、基部12の案内柱22間に移動柱24の移動が案内される。このため、圧縮コイルスプリング16の座屈による移動柱24及び案内柱22への干渉が抑制されることで、異音の発生を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部が操作されることで移動されるスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の空気量制御装置としては、スロットルボディーと回動可能なスロットルアームとの間に、複数のリターンスプリングが架け渡されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この内燃機関の空気量制御装置では、スロットルボディーとスロットルアームとの間に、複数のリターンスプリング間において、カラーが架け渡されることで、複数のリターンスプリング同士が干渉することが抑制されて、異音が発生することが抑制される。
【特許文献1】特開平7−317576号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事実を考慮し、操作部が操作される際に異音が発生することを抑制できるスイッチを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載のスイッチは、操作されることで移動される操作部と、前記操作部が操作されることで前記操作部が接近される接近部と、前記操作部に設けられ、前記操作部と共に移動される移動部と、前記接近部に設けられ、前記移動部の移動を案内する案内部と、前記操作部と前記接近部との間に架け渡され、前記操作部を前記接近部に対し反操作方向側へ付勢すると共に、前記移動部の移動を前記案内部が案内して前記移動部及び前記案内部への干渉が抑制される付勢手段と、を備えている。
【0006】
請求項2に記載のスイッチは、請求項1に記載のスイッチにおいて、前記操作部が操作されない際に前記移動部と前記案内部とが前記移動部移動方向において重合する、ことを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載のスイッチは、請求項1又は請求項2に記載のスイッチにおいて、前記移動部と前記案内部との間に間隙を設けて、前記操作部が操作される際に前記移動部と前記案内部との干渉を抑制する、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載のスイッチでは、操作部と接近部との間に架け渡された付勢手段が、操作部を接近部に対し反操作方向側へ付勢しており、操作部が操作されることで、操作部が移動されて接近部に接近される。
【0009】
ここで、操作部が操作される際には、操作部に設けられた移動部が操作部と共に移動されると共に、接近部に設けられた案内部が移動部の移動を案内して、付勢手段の移動部及び案内部への干渉が抑制される。このため、付勢手段の移動部や案内部への干渉による異音の発生を抑制することができる。
【0010】
請求項2に記載のスイッチでは、操作部が操作されない際に、移動部と案内部とが移動部移動方向において重合する。このため、案内部が移動部の移動を良好に案内することができる。
【0011】
請求項3に記載のスイッチでは、移動部と案内部との間に間隙が設けられて、操作部が操作される際に移動部と案内部との干渉が抑制される。このため、移動部と案内部とが干渉して操作部の操作が阻害されることを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1には、本発明の実施の形態に係るスイッチ10が側面図にて示されており、図2には、スイッチ10が断面図(図1の2−2線断面図)にて示されている。さらに、図3には、スイッチ10の主要部が分解斜視図にて示されている。なお、図面では、スイッチ10の縦方向一側を矢印LOで示し、スイッチ10の横方向一側を矢印WOで示す。
【0013】
本実施の形態に係るスイッチ10には、接近部としての基部12が設けられており、基部12は、移動不能に係止されている。基部12の縦方向一側面は、平面状にされて、縦方向に垂直されている。
【0014】
基部12の縦方向一側には、操作部14が設けられており、操作部14の縦方向他側面は、平面状にされて、縦方向に垂直されている。操作部14は、基部12に対する縦方向一側への移動を係止されており、操作部14が縦方向他側へ押圧操作されることで、操作部14が基部12に対して縦方向他側へ移動されて基部12に接近可能にされている。
【0015】
基部12と操作部14との間には、縦方向に沿って、付勢手段としての圧縮コイルスプリング16(コイルスプリング)が架け渡されており、圧縮コイルスプリング16は、操作部14を基部12に対して縦方向一側へ付勢して、操作部14を基部12に対して離間させている。操作部14が縦方向他側へ押圧操作される際には、圧縮コイルスプリング16の付勢力に抗して、操作部14が基部12に対して縦方向他側へ移動される。
【0016】
基部12には、圧縮コイルスプリング16の内側において、円柱状の固定接点18が固定されており、固定接点18は、基部12から縦方向一側へ突出されている。
【0017】
操作部14には、圧縮コイルスプリング16の内側において、円柱状の移動接点20が固定されており、移動接点20は、操作部14から縦方向他側へ突出されている。移動接点20は、固定接点18から縦方向一側へ離間されており、これにより、スイッチ10がOFF状態にされている。移動接点20は、固定接点18と縦方向において対向されており、操作部14が縦方向他側へ押圧操作されることで、移動接点20が操作部14と共に基部12に対して縦方向他側へ移動されて、移動接点20の縦方向他側端が固定接点18の縦方向一側端に接触される。これにより、スイッチ10がOFF状態からON状態に変更される。また、移動接点20と固定接点18との縦方向における離間距離(スイッチ10がON状態になるまでに操作部14が押圧操作(移動)される距離であり、スイッチ10のフルストローク量)は、図1のX(例えば6mm以上、特に11mm以上)にされて、長くされている。
【0018】
基部12には、圧縮コイルスプリング16の内側かつ固定接点18の周囲において、案内部としての略台形柱状の案内柱22(ガイドボス)が複数(3つ以上が好ましい)固定されており、複数の案内柱22は、それぞれ基部12から縦方向一側へ延伸されると共に、圧縮コイルスプリング16の周方向に沿って等間隔に配置されている。各案内柱22の外周面(圧縮コイルスプリング16側の面)は、圧縮コイルスプリング16に沿って湾曲されており、圧縮コイルスプリング16は、複数の案内柱22の外周面に略嵌合されている。案内柱22の縦方向一側面には、案内柱22の外周部以外の部分において、傾斜部22Aが形成されており、傾斜部22Aは、案内柱22の外周側から内周側(圧縮コイルスプリング16と反対側)へ向かうに従い縦方向他側へ向かう方向へ傾斜されている。
【0019】
操作部14には、圧縮コイルスプリング16の内側かつ移動接点20の周囲において、移動部としての略台形柱状の移動柱24(移動ボス)が複数(案内柱22と同数であり、3つ以上が好ましい)固定されており、複数の移動柱24は、操作部14が縦方向他側へ押圧操作されることで、操作部14と共に縦方向他側へ移動される。複数の移動柱24は、それぞれ操作部14から縦方向他側へ延伸されると共に、圧縮コイルスプリング16の周方向に沿って等間隔に配置されている。各移動柱24の外周面(圧縮コイルスプリング16側の面)は、圧縮コイルスプリング16に沿って湾曲されており、圧縮コイルスプリング16は、複数の移動柱24の外周面に略嵌合されている。移動柱24の縦方向他側面には、移動柱24の外周部以外の部分において、傾斜部24Aが形成されており、傾斜部24Aは、移動柱24の外周側から内周側(圧縮コイルスプリング16と反対側)へ向かうに従い縦方向一側へ向かう方向へ傾斜されている。
【0020】
移動柱24は、圧縮コイルスプリング16の周方向において、案内柱22間に配置されており、操作部14が縦方向他側へ押圧操作される際には、移動柱24の縦方向他側への移動が案内柱22間に案内される。移動柱24と案内柱22との間には圧縮コイルスプリング16の周方向において間隙が設けられて、移動柱24と案内柱22とが圧縮コイルスプリング16の周方向において離間されており、操作部14が縦方向他側へ押圧操作される際には、移動柱24と案内柱22とが圧縮コイルスプリング16周方向において干渉することが抑制される。移動柱24の縦方向他側端部と案内柱22の縦方向一側端部とは縦方向において重合(オーバーラップ)されており、操作部14が縦方向他側へ押圧操作される際に移動柱24の縦方向他側端が案内柱22の縦方向一側端に当接することが防止される。
【0021】
基部12と移動柱24との縦方向における離間距離、及び、操作部14と案内柱22との縦方向における離間距離は、図1のLにされており、L≧Xにされている。このため、基部12と移動柱24との干渉や操作部14と案内柱22との干渉によってスイッチ10がON状態になること(移動接点20の縦方向他側端と固定接点18の縦方向一側端との接触)が阻害されることが防止される。
【0022】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0023】
以上の構成のスイッチ10では、操作部14が圧縮コイルスプリング16の付勢力に抗して縦方向他側へ押圧操作されることで、操作部14及び移動接点20が縦方向他側へ移動されて基部12及び固定接点18に接近される。さらに、移動接点20の縦方向他側端が固定接点18の縦方向一側端に接触されることで、スイッチ10がOFF状態からON状態に変更される。
【0024】
ここで、操作部14が圧縮コイルスプリング16の付勢力に抗して縦方向他側へ押圧操作される際には、操作部14の移動柱24が操作部14と共に縦方向他側へ移動されると共に、基部12の案内柱22間に移動柱24の縦方向他側への移動が案内される。このため、スイッチ10がON状態になるまでに操作部14が押圧操作される距離が長い場合(例えばスイッチ10が車両のブレーキランプの点灯スイッチに適用された場合)でも、圧縮コイルスプリング16の座屈による移動柱24及び案内柱22への干渉(押圧接触)が抑制される。これにより、圧縮コイルスプリング16の座屈による移動柱24や案内柱22への干渉による異音の発生を抑制することができ、スイッチ10の操作音(操作部14の押圧操作時に発生する異音)を低減することができて、スイッチ10の商品性を向上させることができる。
【0025】
また、操作部14が縦方向他側へ押圧操作されない際(スイッチ10がフリーの状態である際)に、移動柱24の縦方向他側端部と案内柱22の縦方向一側端部とが縦方向において重合する。このため、操作部14が縦方向他側へ押圧操作される際に、移動柱24の縦方向他側端が案内柱22の縦方向一側端に当接することが防止されることで、操作部14の縦方向他側への押圧操作が阻害されることを防止できると共に、案内柱22間において移動柱24の縦方向他側への移動を良好に案内することができる。
【0026】
さらに、移動柱24と案内柱22との間に、圧縮コイルスプリング16周方向において、間隙が設けられている。このため、移動柱24や案内柱22に製造バラツキによる寸法誤差が発生した場合でも、操作部14が縦方向他側へ押圧操作される際に移動柱24と案内柱22とが圧縮コイルスプリング16周方向において干渉することが抑制される。これにより、移動柱24と案内柱22とが圧縮コイルスプリング16周方向において干渉して操作部14の縦方向他側への押圧操作が阻害されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態に係るスイッチを示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るスイッチを示す断面図(図1の2−2線断面図)である。
【図3】本発明の実施の形態に係るスイッチの移動柱及び案内柱を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0028】
10 スイッチ
12 基部(接近部)
14 操作部
16 圧縮コイルスプリング(付勢手段)
22 案内柱(案内部)
24 移動柱(移動部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作されることで移動される操作部と、
前記操作部が操作されることで前記操作部が接近される接近部と、
前記操作部に設けられ、前記操作部と共に移動される移動部と、
前記接近部に設けられ、前記移動部の移動を案内する案内部と、
前記操作部と前記接近部との間に架け渡され、前記操作部を前記接近部に対し反操作方向側へ付勢すると共に、前記移動部の移動を前記案内部が案内して前記移動部及び前記案内部への干渉が抑制される付勢手段と、
を備えたスイッチ。
【請求項2】
前記操作部が操作されない際に前記移動部と前記案内部とが前記移動部移動方向において重合する、ことを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
【請求項3】
前記移動部と前記案内部との間に間隙を設けて、前記操作部が操作される際に前記移動部と前記案内部との干渉を抑制する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−259677(P2009−259677A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−108765(P2008−108765)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】