スイッチ
【課題】操作感触が良く、部品の寿命が長いとともに、薄型で設計作業が簡単なスイッチを提供する。
【解決手段】プランジャ40を上下動させることにより、コイルバネ50の一端部を可動接触片30の他端縁部に圧接しつつ、スライド移動させることにより、前記可動接触片30を反転させて可動接点31を固定接点26に接離する。ベース10上に一対の可動接触片30,30を、その軸心がベース10の長手方向の軸心に沿って平行に、かつ、前記ベース10の長手方向の中央部の両側にそれぞれ配置した。
【解決手段】プランジャ40を上下動させることにより、コイルバネ50の一端部を可動接触片30の他端縁部に圧接しつつ、スライド移動させることにより、前記可動接触片30を反転させて可動接点31を固定接点26に接離する。ベース10上に一対の可動接触片30,30を、その軸心がベース10の長手方向の軸心に沿って平行に、かつ、前記ベース10の長手方向の中央部の両側にそれぞれ配置した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスイッチ、特に、押圧操作で接点を開閉できるスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、押圧操作で接点を開閉できるスイッチとしては、例えば、下記のようなスイッチがある(特許文献1参照)。
【0003】
すなわち、プランジャ40を上下動させてコイルバネ50の一端部51を可動接触片30の他端縁部に圧接しつつ、スライド移動させることにより、前記可動接触片30を反転させて可動接点31を固定接点26に接離するスイッチである。
【特許文献1】特開2009−32646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述のスイッチでは、本願に添付した図22に示すように、コイルバネ50,50間の支点間距離が長く、かつ、水平分力が対偶となる点対称の位置関係にある。このため、プランジャ40に鉛直軸心を中心とするモーメントが作用し、プランジャ40がハウジング60の内周面に片当たりし、操作感触が悪く、部品の寿命が短い。
また、前記スイッチでは、背中合わせに配置した接点機構の中央にロックピンを配置してあるので、奥行寸法が大きく、薄型のスイッチが得られない。
さらに、前記スイッチでは、プランジャ40内に組み込んだコイルバネ50,50のバネ力により、前記プランジャ40に水平軸心を中心とするモーメントが作用する。このため、前記プランジャ40に生じる微小な傾きにより、接点圧に偏りが生じ、接点バランスを確保するための設計作業が煩雑になるという問題点がある。
【0005】
本発明に係るスイッチは、前記問題点に鑑み、操作感触が良く、部品の寿命が長いとともに、薄型で設計作業が簡単なスイッチを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るスイッチは、ベースに組み付けた支持端子と、断面略J字形状に屈曲した帯状導電材からなり、一端部に可動接点を有するとともに、中間部を前記支持端子の回動用受け部に回動可能に支持した可動接触片と、前記ベースにハウジングを嵌合して形成した内部空間内に上下動可能に収納されたプランジャと、前記プランジャに回動自在に支持されたコイルバネと、からなり、前記プランジャを上下動させることにより、前記コイルバネの一端部を前記可動接触片の他端縁部に圧接しつつ、スライド移動させることにより、前記可動接触片を反転させて前記可動接点を固定接点に接離するスイッチであって、前記ベース上に一対の可動接触片を、その軸心がベース長手方向の軸心に沿って平行に、かつ、前記ベース長手方向の中央部の両側にそれぞれ配置した構成としてある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、垂直軸心を中心とする大きなモーメントがプランジャに作用しないので、前記プランジャがハウジングの内周面に片当たりせず、操作感触が良く、部品の寿命の長いスイッチが得られる。
また、ロックピンの長手方向の両側に可動接触片が配置されることになるので、奥行き寸法が短く、薄型のスイッチが得られる。
さらに、水平軸心を中心とする大きなモーメントがプランジャに作用しないので、前記プランジャに傾きが生ぜず、接点圧力に偏りが生じない。このため、接点バランスを確保するための設計作業が不要となり、設計作業が簡単なスイッチが得られる。
【0008】
本発明に係る実施形態としては、下端部をベース長手方向の中央部に回動可能に支持し、かつ、上端部をプランジャの側面中央に設けたカム溝に摺動可能に当接するロックピンを有し、前記プランジャを上下動させることにより、前記ロックピンの上端部を前記カム溝に沿って摺動させる構成としてもよい。
本実施形態によれば、ロックピンの上端部をプランジャのカム溝に係止することにより、オルタネートタイプのスイッチが得られる。
【0009】
本発明に係る別の実施形態としては、一対の可動接触片の可動接点を、一対の支持端子に設けた回動用受け部の外側にそれぞれ配置しておいてもよい。
本実施形態によれば、一対の可動接点が離れた位置に配置されるので、絶縁特性の高いスイッチが得られる。
【0010】
本発明の他の実施形態としては、一対の可動接触片の可動接点を、一対の支持端子に設けた回動用受け部の内側にそれぞれ配置しておいてもよい。
また、本発明に係る新たな実施形態としては、一対の可動接触片の可動接点を、一対の支持端子に設けた回動用受け部の同一方向の片側にそれぞれ配置しておいてもよい。
【0011】
本発明の異なる実施形態としては、ベースの上面縁部に突設した位置規制用突部で、支持端子の回動用受け部を設けた起立片を、位置規制してもよい。
本実施形態によれば、支持端子の回動用受け部を設けた起立片が位置規制され、組立精度が高くなり、動作特性にバラツキのないスイッチが得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1Aおよび図1Bは本発明に係るスイッチの第1実施形態を示す斜視図および部分断面斜視図である。
【図2】図1で示したスイッチの分解斜視図である。
【図3】図1で示したスイッチを異なる角度から視た分解斜視図である。
【図4】図4A,4Bは図2で示したプランジャの斜視図である。
【図5】図5A,5Bは図1で示したスイッチの正面断面図、側面断面図である。
【図6】図6A,6Bは操作過程を示す拡大断面図である。
【図7】図7A,7Bは図6に続く操作過程を示す拡大断面図である。
【図8】図7に続く操作過程を示す拡大断面図である。
【図9】図9A,9Bは図8に続く操作過程を示す拡大断面図である。
【図10】図10A,10Bは図9に続く操作過程を示す拡大断面図である。
【図11】図11A,11B,11Cは捩りモーメントの作用を説明するための断面図である。
【図12】図12Aおよび図12Bは本発明に係るスイッチの第2実施形態を示す斜視図および部分断面斜視図である。
【図13】図12で示したスイッチの分解斜視図である。
【図14】図12で示したスイッチを異なる角度から視た分解斜視図である。
【図15】図15A,15Bは図13で示したプランジャの斜視図である。
【図16】図16A,16Bは操作過程を示す拡大断面図である。
【図17】図17A,17Bは図16に続く操作過程を示す拡大断面図である。
【図18】図17に続く操作過程を示す拡大断面図である。
【図19】図19A,19Bは図18に続く操作過程を示す拡大断面図である。
【図20】図20A,20Bは図19に続く操作過程を示す拡大断面図である。
【図21】図21A,21B,21Cは本発明に係るスイッチの第3実施形態を示す横断面図および縦断面図である。
【図22】図22A,22B,22Cは従来例に係るスイッチを示す横断面図および縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明にかかる実施形態を図1ないし図21の添付図面に従って説明する。
第1実施形態に係るスイッチは、図1ないし図11に示すように、ベース10と、前記ベース10に組み付けられる2組の接点機構20,20と、一対のコイルバネ50,50およびロックピン35を備え、前記接点機構20,20を操作するプランジャ40と、前記ベース10に嵌合して前記接点機構20,20を被覆するとともに、前記プランジャ40を上下動可能に支持するハウジング60と、で構成されている。
【0014】
前記ベース10は、図2に示すように、その上面周辺縁部に沿って環状リブ11を突設するとともに、前記環状リブ11の上端縁部に2対の位置規制用突部12を突設してある。また、前記環状リブ11の側面には係止用爪部13を側方に突設してあるとともに、前記係止用爪部13,13の間に軸孔14を設けてある。さらに、前記ベース10は、その底面縁部に、図示しないコネクタに接続するための係合用爪部15を下方側に突設してある。そして、前記ベース10は、前記環状リブ11内に、後述する支持端子21,固定接点端子25をそれぞれ圧入するための圧入用角孔16,17を設けてあるとともに、前記固定接点端子25の圧入用舌片27を圧入するための圧入用角孔18を設けてある。
【0015】
接点機構20は、支持端子21、固定接点端子25および可動接触片30からなるものである。前記支持端子21は、断面L字形状に屈曲した導電材からなり、その上端部から延在した起立片23の先端縁部を切り欠いて回動用受け部24を形成してある。そして、前記支持端子21は、その下端部を前記ベース10の圧入用角孔16に圧入して組み付けられる。これにより、起立片23の両側縁部は前記ベース10の位置規制用突部12に位置規制される(図1B)。
【0016】
固定接点端子25は、断面略L字形状に屈曲するとともに、その一端部に固定接点26を設けてあるとともに、その一端部の両側縁部から圧入用舌片27を延在してある。そして、前記固定接点端子25は、その下端部および前記圧入用舌片27を前記ベース10の角孔17,18にそれぞれ圧入して組み付けられる。
【0017】
可動接触片30は、断面略J字形状に屈曲した帯状導電材からなり、その一端部に可動接点31を設けてある一方、その他端部の先端面にスライド用舌片32を切り出してある。そして、前記可動接触片30は、その両側縁部を切り欠いて形成した巾狭部33を前記支持端子21の回動用受け部24に係合することにより、回動自在に支持される(図1B)。
【0018】
ロックピン35は、棒状金属材の両端部を反対方向にそれぞれ屈曲することにより、上,下端部36,37をそれぞれ形成してある。
【0019】
プランジャ40は、図2に示すように、前記ベース10の上面に重なり合う平面形状を有し、その上面中央部から操作部41を突設してある。さらに、図4に示すように、前記プランジャ40は、その正面および背面に、コイルバネ50,50を側方から挿入して支持する軸部42が点対称となるように形成されている。また、前記プランジャ40は、その外側面中央にカム溝43を形成してある。前記カム溝43は、前記ロックピン35を介して前記プランジャ40を所定の位置でロックするためのものである。さらに、前記プランジャ40は、その下面に押圧用突部45を前記軸部42と平行に突設してある。そして、前記コイルバネ50を前記軸部42に挿通するとともに、その一端部を前記プランジャ40の天井面に形成した位置規制用段部46に係合し、コイルバネ50の空回りを防止する。
【0020】
ハウジング60は、図2に示すように、前記接点機構20,20および前記プランジャ40を組み付けたベース10の外周部に嵌合可能な箱形状を有し、その上面中央に設けた操作孔61の開口縁部に環状段部62を設けてある。さらに、前記ハウジング60は、その下方開口縁部に係合孔63を対向するように設けてあるとともに、その対向する内側面にストッパ64(図6)をそれぞれ設けてある。
【0021】
そして、本実施形態にかかるスイッチを組み立てる場合には、ベース10の角孔16,17,18に支持端子21および固定接点端子25,圧入用舌片27をそれぞれ圧入する。これにより、ベース10の位置規制用突部12に支持端子21の起立片23の両側縁部が当接し、位置規制される。ついで、前記支持端子21の回動用受け部24に可動接触片30の巾狭部33を係合するとともに、前記ベース10の軸孔14にロックピン35の下端部37を挿入する。そして、図示しない治具を介して前記可動接触片30,30および前記ロックピン35を起立させておく。
一方、軸部42にコイルバネ50を挿通したプランジャ40の操作部41をハウジング60の操作孔61に挿入して組み付ける。ついで、前記ハウジング60をベース10に上方から組み付け、コイルバネ50の一端部51を可動接触片30のスライド用舌片32に当接させるとともに、ロックピン35の上端部36をプランジャ40のカム溝43に係合する。そして、ベース10の係止用爪部13にハウジング60の係合孔63を係合することにより、組立作業が完了する。
【0022】
次に、第1実施形態に係るスイッチの操作方法について説明する。
まず、図6Aに示すように、操作前においては、コイルバネ50のバネ力でプランジャ40が上方に付勢されている。一方、前記コイルバネ50の一端部51が可動接触片30のスライド用舌片32を押し下げている。このため、前記可動接触片30の一端部がハウジング60の内側面に突設したストッパ64の下端部に当接して位置規制され、脱落することがない。このとき、ロックピン35の上端部36はプランジャ40のカム溝43の初期領域44aに位置している。
【0023】
そして、前記プランジャ40の操作部41を押し下げると、コイルバネ50が撓むとともに、その一端部51が可動接触片30のスライド用舌片32上をスライドしつつ、前記可動接触片30を引き起こす方向に付勢する。そして、押圧用突部45が可動接触片30の一端部を押し下げる。このとき、ロックピン35の上端部36がカム溝43の初期領域44aから第1,第2傾斜溝44b,44cを移動する(図6B)。さらに、プランジャ40の操作部41を押し込むことにより、コイルバネ50の一端部51が所定の位置を越えると、コイルバネ50の一端部51が可動接触片30を押し倒す方向に付勢する。このため、可動接触片30が回動用受け部24を支点として瞬間的に回動し、可動接点31が固定接点26に接触する(図7A)。
【0024】
ついで、プランジャ40の操作部41を最下位まで押し込むことにより(図7B)、ロックピン35の上端部36が第3傾斜溝44dに達する。そして、プランジャ40の押圧を解除すると、コイルバネ50のバネ力でプランジャ40が上方に押し上げられるが、ロックピン35の上端部36がロック位置44eで係止し(図8)、プランジャ40の上方への復帰を規制し、ロック状態となる。このため、コイルバネ50の一端部51が可動接触片30を押し倒すように付勢し続け、可動接点31が固定接点26に接触し続ける。
【0025】
次に、前述のロック状態(図8)を解除する場合には、プランジャ40の操作部41を一段深く押し下げることにより(図9A)、ロックピン35の上端部36がロック位置44eから第4傾斜溝44fに移動し、ロック状態が解除される。ついで、前記操作部41への押圧を解除すると、コイルバネ50が可動接触片30を押し倒す方向に付勢しつつ、プランジャ40を上方に押し上げる(図9B)。このため、ロックピン35の上端部36が第5傾斜溝44gを通過して第1傾斜溝44bに復帰する。さらに、プランジャ40が元の位置に自動復帰すると、コイルバネ50の一端部51が所定の位置から可動接触片30を引き起こす方向に付勢し、可動接触片30が回動用受け部24を支点として瞬間的に回動し、可動接点31が固定接点26から開離する(図10A)。さらに、可動接触片30が回動し、その一端部がプランジャ40の押圧用突部45に当接した後、ハウジング60の内側面に設けたストッパ64に当接して位置規制される。そして、ロックピン35の上端部36が初期領域44aに復帰する(図10B)。
【0026】
本実施形態によれば、図11Aに示すように、コイルバネ50の水平分力F2(図11B,図11C)が、図22に示す従来例の水平分力F1(図22)と同等であっても、本願のコイルバネ50の支点間距離L2(図11A)が従来例の支点間距離L1(図22)よりも短かい。このため、プランジャ40に負荷される鉛直軸心を中心とする捩りモーメントが小さいので、前記プランジャ40がハウジング60の内側面に片当たりすることがなく、操作感触の良いスイッチが得られるという利点がある。
【0027】
第2実施形態は、図12ないし図15に示すように、前述の第1実施形態とほぼ同様であり、異なる点は可動接触片30,30の可動接点31,31を回動支点となる回動用受け部24の内側にそれぞれ配置した場合である。他は前述の第1実施形態と同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
なお、第1実施形態と同様、ベース10に突設した環状リブ11の上端縁部に位置規制用突部12を突設し、支持端子21の起立片23を位置規制するようにしてもよいことは勿論である。
【0028】
次に、図16ないし図20に図示するように、第2実施形態に係るスイッチの操作方法について説明する。
まず、図16Aに示すように、操作前においては、コイルバネ50のバネ力でプランジャ40が上方に付勢されている。一方、前記コイルバネ50の一端部51が可動接触片30のスライド用舌片32を押し下げている。このため、前記可動接触片30の一端部がハウジング60の内側面に突設したストッパ64の下端部に当接して位置規制され、脱落することがない。このとき、ロックピン35の上端部36はプランジャ40のカム溝43の初期領域44aに位置している。
【0029】
そして、前記プランジャ40の操作部41を押し下げると、コイルバネ50が撓むとともに、その一端部51が可動接触片30のスライド用舌片32上をスライドしつつ、前記可動接触片30を引き起こす方向に付勢する。そして、押圧用突部45が可動接触片30の一端部を押し下げる。このとき、ロックピン35の上端部36がカム溝43の初期領域44aから第1,第2傾斜溝44b,44cを移動する(図16B)。さらに、プランジャ40の操作部41を押し込むことにより、コイルバネ50の一端部51が所定の位置を越えると、コイルバネ50の一端部51が可動接触片30を押し倒す方向に付勢する。このため、可動接触片30が回動用受け部24を支点として瞬間的に回動し、可動接点31が固定接点26に接触する(図17A)。
【0030】
ついで、プランジャ40の操作部41を最下位まで押し込むことにより(図17B)、ロックピン35の上端部36が第3傾斜溝44dに達する。そして、プランジャ40の押圧を解除すると、コイルバネ50のバネ力でプランジャ40が上方に押し上げられるが、ロックピン35の上端部36がロック位置44eで係止し(図18)、プランジャ40の上方への復帰を規制し、ロック状態となる。このため、コイルバネ50の一端部51が可動接触片30を押し倒すように付勢し続け、可動接点31が固定接点26に接触し続ける。
【0031】
次に、前述のロック状態(図18)を解除する場合には、プランジャ40の操作部41を一段深く押し下げることにより(図19A)、ロックピン35の上端部36がロック位置44eから第4傾斜溝44fに移動し、ロック状態が解除される。ついで、前記操作部41への押圧を解除すると、コイルバネ50が可動接触片30を押し倒す方向に付勢しつつ、プランジャ40を上方に押し上げる(図19B)。このため、ロックピン35の上端部36が第5傾斜溝44gを通過して第1傾斜溝44bに復帰する。さらに、プランジャ40が元の位置に自動復帰すると、コイルバネ50の一端部51が所定の位置から可動接触片30を引き起こす方向に付勢し、可動接触片30が回動用受け部24を支点として瞬間的に回動し、可動接点31が固定接点26から開離する(図20A)。さらに、可動接触片30が回動し、その一端部がプランジャ40の押圧用突部45に当接した後、ハウジング60の内側面に設けたストッパ64に当接して位置規制される。そして、ロックピン35の上端部36が初期領域44aに復帰する(図20B)。
【0032】
第3実施形態は、図21の概略図面に示すように、前述の第1実施形態と基本的構造がほぼ同様であり、異なる点は可動接触片30,30の可動接点31,31を、回動支点となる起立片23の回動用受け部(図示せず)の同一方向の片側に配置した場合である。
他は前述の実施形態とほぼ同様であるので、同一部品については同一番号を附して説明を省略する。
【0033】
本実施形態によれば、プランジャ40にコイルバネ50,50を同一方向から組み付けることができ、組立性が良いという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係るスイッチでは、プランジャ40の押圧用突部45を必要に応じて設ければよく、不要であれば、設けなくともよい。
また、本願発明は、ロックピンを必要とするオルタネートタイプのスイッチに限らず、ロックピンを必要としないモーメンタリータイプのスイッチに適用してもよい。
【符号の説明】
【0035】
10:ベース
11:環状リブ
12:位置規制用突部
13:係止用爪部
14:軸孔
16,17,18:圧入用角孔
20:接点機構
21:支持端子
23:起立片
24:回動用受け部
25:固定接点端子
26:固定接点
27:圧入用舌片
30:可動接触片
31:可動接点
32:スライド用舌片
33:巾狭部
35:ロックピン
36:上端部
37:下端部
40:プランジャ
41:操作部
42:軸部
43:カム溝
50:コイルバネ
51:一端部
52:他端部
60:ハウジング
61:操作孔
64:ストッパ
【技術分野】
【0001】
本発明はスイッチ、特に、押圧操作で接点を開閉できるスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、押圧操作で接点を開閉できるスイッチとしては、例えば、下記のようなスイッチがある(特許文献1参照)。
【0003】
すなわち、プランジャ40を上下動させてコイルバネ50の一端部51を可動接触片30の他端縁部に圧接しつつ、スライド移動させることにより、前記可動接触片30を反転させて可動接点31を固定接点26に接離するスイッチである。
【特許文献1】特開2009−32646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述のスイッチでは、本願に添付した図22に示すように、コイルバネ50,50間の支点間距離が長く、かつ、水平分力が対偶となる点対称の位置関係にある。このため、プランジャ40に鉛直軸心を中心とするモーメントが作用し、プランジャ40がハウジング60の内周面に片当たりし、操作感触が悪く、部品の寿命が短い。
また、前記スイッチでは、背中合わせに配置した接点機構の中央にロックピンを配置してあるので、奥行寸法が大きく、薄型のスイッチが得られない。
さらに、前記スイッチでは、プランジャ40内に組み込んだコイルバネ50,50のバネ力により、前記プランジャ40に水平軸心を中心とするモーメントが作用する。このため、前記プランジャ40に生じる微小な傾きにより、接点圧に偏りが生じ、接点バランスを確保するための設計作業が煩雑になるという問題点がある。
【0005】
本発明に係るスイッチは、前記問題点に鑑み、操作感触が良く、部品の寿命が長いとともに、薄型で設計作業が簡単なスイッチを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るスイッチは、ベースに組み付けた支持端子と、断面略J字形状に屈曲した帯状導電材からなり、一端部に可動接点を有するとともに、中間部を前記支持端子の回動用受け部に回動可能に支持した可動接触片と、前記ベースにハウジングを嵌合して形成した内部空間内に上下動可能に収納されたプランジャと、前記プランジャに回動自在に支持されたコイルバネと、からなり、前記プランジャを上下動させることにより、前記コイルバネの一端部を前記可動接触片の他端縁部に圧接しつつ、スライド移動させることにより、前記可動接触片を反転させて前記可動接点を固定接点に接離するスイッチであって、前記ベース上に一対の可動接触片を、その軸心がベース長手方向の軸心に沿って平行に、かつ、前記ベース長手方向の中央部の両側にそれぞれ配置した構成としてある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、垂直軸心を中心とする大きなモーメントがプランジャに作用しないので、前記プランジャがハウジングの内周面に片当たりせず、操作感触が良く、部品の寿命の長いスイッチが得られる。
また、ロックピンの長手方向の両側に可動接触片が配置されることになるので、奥行き寸法が短く、薄型のスイッチが得られる。
さらに、水平軸心を中心とする大きなモーメントがプランジャに作用しないので、前記プランジャに傾きが生ぜず、接点圧力に偏りが生じない。このため、接点バランスを確保するための設計作業が不要となり、設計作業が簡単なスイッチが得られる。
【0008】
本発明に係る実施形態としては、下端部をベース長手方向の中央部に回動可能に支持し、かつ、上端部をプランジャの側面中央に設けたカム溝に摺動可能に当接するロックピンを有し、前記プランジャを上下動させることにより、前記ロックピンの上端部を前記カム溝に沿って摺動させる構成としてもよい。
本実施形態によれば、ロックピンの上端部をプランジャのカム溝に係止することにより、オルタネートタイプのスイッチが得られる。
【0009】
本発明に係る別の実施形態としては、一対の可動接触片の可動接点を、一対の支持端子に設けた回動用受け部の外側にそれぞれ配置しておいてもよい。
本実施形態によれば、一対の可動接点が離れた位置に配置されるので、絶縁特性の高いスイッチが得られる。
【0010】
本発明の他の実施形態としては、一対の可動接触片の可動接点を、一対の支持端子に設けた回動用受け部の内側にそれぞれ配置しておいてもよい。
また、本発明に係る新たな実施形態としては、一対の可動接触片の可動接点を、一対の支持端子に設けた回動用受け部の同一方向の片側にそれぞれ配置しておいてもよい。
【0011】
本発明の異なる実施形態としては、ベースの上面縁部に突設した位置規制用突部で、支持端子の回動用受け部を設けた起立片を、位置規制してもよい。
本実施形態によれば、支持端子の回動用受け部を設けた起立片が位置規制され、組立精度が高くなり、動作特性にバラツキのないスイッチが得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1Aおよび図1Bは本発明に係るスイッチの第1実施形態を示す斜視図および部分断面斜視図である。
【図2】図1で示したスイッチの分解斜視図である。
【図3】図1で示したスイッチを異なる角度から視た分解斜視図である。
【図4】図4A,4Bは図2で示したプランジャの斜視図である。
【図5】図5A,5Bは図1で示したスイッチの正面断面図、側面断面図である。
【図6】図6A,6Bは操作過程を示す拡大断面図である。
【図7】図7A,7Bは図6に続く操作過程を示す拡大断面図である。
【図8】図7に続く操作過程を示す拡大断面図である。
【図9】図9A,9Bは図8に続く操作過程を示す拡大断面図である。
【図10】図10A,10Bは図9に続く操作過程を示す拡大断面図である。
【図11】図11A,11B,11Cは捩りモーメントの作用を説明するための断面図である。
【図12】図12Aおよび図12Bは本発明に係るスイッチの第2実施形態を示す斜視図および部分断面斜視図である。
【図13】図12で示したスイッチの分解斜視図である。
【図14】図12で示したスイッチを異なる角度から視た分解斜視図である。
【図15】図15A,15Bは図13で示したプランジャの斜視図である。
【図16】図16A,16Bは操作過程を示す拡大断面図である。
【図17】図17A,17Bは図16に続く操作過程を示す拡大断面図である。
【図18】図17に続く操作過程を示す拡大断面図である。
【図19】図19A,19Bは図18に続く操作過程を示す拡大断面図である。
【図20】図20A,20Bは図19に続く操作過程を示す拡大断面図である。
【図21】図21A,21B,21Cは本発明に係るスイッチの第3実施形態を示す横断面図および縦断面図である。
【図22】図22A,22B,22Cは従来例に係るスイッチを示す横断面図および縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明にかかる実施形態を図1ないし図21の添付図面に従って説明する。
第1実施形態に係るスイッチは、図1ないし図11に示すように、ベース10と、前記ベース10に組み付けられる2組の接点機構20,20と、一対のコイルバネ50,50およびロックピン35を備え、前記接点機構20,20を操作するプランジャ40と、前記ベース10に嵌合して前記接点機構20,20を被覆するとともに、前記プランジャ40を上下動可能に支持するハウジング60と、で構成されている。
【0014】
前記ベース10は、図2に示すように、その上面周辺縁部に沿って環状リブ11を突設するとともに、前記環状リブ11の上端縁部に2対の位置規制用突部12を突設してある。また、前記環状リブ11の側面には係止用爪部13を側方に突設してあるとともに、前記係止用爪部13,13の間に軸孔14を設けてある。さらに、前記ベース10は、その底面縁部に、図示しないコネクタに接続するための係合用爪部15を下方側に突設してある。そして、前記ベース10は、前記環状リブ11内に、後述する支持端子21,固定接点端子25をそれぞれ圧入するための圧入用角孔16,17を設けてあるとともに、前記固定接点端子25の圧入用舌片27を圧入するための圧入用角孔18を設けてある。
【0015】
接点機構20は、支持端子21、固定接点端子25および可動接触片30からなるものである。前記支持端子21は、断面L字形状に屈曲した導電材からなり、その上端部から延在した起立片23の先端縁部を切り欠いて回動用受け部24を形成してある。そして、前記支持端子21は、その下端部を前記ベース10の圧入用角孔16に圧入して組み付けられる。これにより、起立片23の両側縁部は前記ベース10の位置規制用突部12に位置規制される(図1B)。
【0016】
固定接点端子25は、断面略L字形状に屈曲するとともに、その一端部に固定接点26を設けてあるとともに、その一端部の両側縁部から圧入用舌片27を延在してある。そして、前記固定接点端子25は、その下端部および前記圧入用舌片27を前記ベース10の角孔17,18にそれぞれ圧入して組み付けられる。
【0017】
可動接触片30は、断面略J字形状に屈曲した帯状導電材からなり、その一端部に可動接点31を設けてある一方、その他端部の先端面にスライド用舌片32を切り出してある。そして、前記可動接触片30は、その両側縁部を切り欠いて形成した巾狭部33を前記支持端子21の回動用受け部24に係合することにより、回動自在に支持される(図1B)。
【0018】
ロックピン35は、棒状金属材の両端部を反対方向にそれぞれ屈曲することにより、上,下端部36,37をそれぞれ形成してある。
【0019】
プランジャ40は、図2に示すように、前記ベース10の上面に重なり合う平面形状を有し、その上面中央部から操作部41を突設してある。さらに、図4に示すように、前記プランジャ40は、その正面および背面に、コイルバネ50,50を側方から挿入して支持する軸部42が点対称となるように形成されている。また、前記プランジャ40は、その外側面中央にカム溝43を形成してある。前記カム溝43は、前記ロックピン35を介して前記プランジャ40を所定の位置でロックするためのものである。さらに、前記プランジャ40は、その下面に押圧用突部45を前記軸部42と平行に突設してある。そして、前記コイルバネ50を前記軸部42に挿通するとともに、その一端部を前記プランジャ40の天井面に形成した位置規制用段部46に係合し、コイルバネ50の空回りを防止する。
【0020】
ハウジング60は、図2に示すように、前記接点機構20,20および前記プランジャ40を組み付けたベース10の外周部に嵌合可能な箱形状を有し、その上面中央に設けた操作孔61の開口縁部に環状段部62を設けてある。さらに、前記ハウジング60は、その下方開口縁部に係合孔63を対向するように設けてあるとともに、その対向する内側面にストッパ64(図6)をそれぞれ設けてある。
【0021】
そして、本実施形態にかかるスイッチを組み立てる場合には、ベース10の角孔16,17,18に支持端子21および固定接点端子25,圧入用舌片27をそれぞれ圧入する。これにより、ベース10の位置規制用突部12に支持端子21の起立片23の両側縁部が当接し、位置規制される。ついで、前記支持端子21の回動用受け部24に可動接触片30の巾狭部33を係合するとともに、前記ベース10の軸孔14にロックピン35の下端部37を挿入する。そして、図示しない治具を介して前記可動接触片30,30および前記ロックピン35を起立させておく。
一方、軸部42にコイルバネ50を挿通したプランジャ40の操作部41をハウジング60の操作孔61に挿入して組み付ける。ついで、前記ハウジング60をベース10に上方から組み付け、コイルバネ50の一端部51を可動接触片30のスライド用舌片32に当接させるとともに、ロックピン35の上端部36をプランジャ40のカム溝43に係合する。そして、ベース10の係止用爪部13にハウジング60の係合孔63を係合することにより、組立作業が完了する。
【0022】
次に、第1実施形態に係るスイッチの操作方法について説明する。
まず、図6Aに示すように、操作前においては、コイルバネ50のバネ力でプランジャ40が上方に付勢されている。一方、前記コイルバネ50の一端部51が可動接触片30のスライド用舌片32を押し下げている。このため、前記可動接触片30の一端部がハウジング60の内側面に突設したストッパ64の下端部に当接して位置規制され、脱落することがない。このとき、ロックピン35の上端部36はプランジャ40のカム溝43の初期領域44aに位置している。
【0023】
そして、前記プランジャ40の操作部41を押し下げると、コイルバネ50が撓むとともに、その一端部51が可動接触片30のスライド用舌片32上をスライドしつつ、前記可動接触片30を引き起こす方向に付勢する。そして、押圧用突部45が可動接触片30の一端部を押し下げる。このとき、ロックピン35の上端部36がカム溝43の初期領域44aから第1,第2傾斜溝44b,44cを移動する(図6B)。さらに、プランジャ40の操作部41を押し込むことにより、コイルバネ50の一端部51が所定の位置を越えると、コイルバネ50の一端部51が可動接触片30を押し倒す方向に付勢する。このため、可動接触片30が回動用受け部24を支点として瞬間的に回動し、可動接点31が固定接点26に接触する(図7A)。
【0024】
ついで、プランジャ40の操作部41を最下位まで押し込むことにより(図7B)、ロックピン35の上端部36が第3傾斜溝44dに達する。そして、プランジャ40の押圧を解除すると、コイルバネ50のバネ力でプランジャ40が上方に押し上げられるが、ロックピン35の上端部36がロック位置44eで係止し(図8)、プランジャ40の上方への復帰を規制し、ロック状態となる。このため、コイルバネ50の一端部51が可動接触片30を押し倒すように付勢し続け、可動接点31が固定接点26に接触し続ける。
【0025】
次に、前述のロック状態(図8)を解除する場合には、プランジャ40の操作部41を一段深く押し下げることにより(図9A)、ロックピン35の上端部36がロック位置44eから第4傾斜溝44fに移動し、ロック状態が解除される。ついで、前記操作部41への押圧を解除すると、コイルバネ50が可動接触片30を押し倒す方向に付勢しつつ、プランジャ40を上方に押し上げる(図9B)。このため、ロックピン35の上端部36が第5傾斜溝44gを通過して第1傾斜溝44bに復帰する。さらに、プランジャ40が元の位置に自動復帰すると、コイルバネ50の一端部51が所定の位置から可動接触片30を引き起こす方向に付勢し、可動接触片30が回動用受け部24を支点として瞬間的に回動し、可動接点31が固定接点26から開離する(図10A)。さらに、可動接触片30が回動し、その一端部がプランジャ40の押圧用突部45に当接した後、ハウジング60の内側面に設けたストッパ64に当接して位置規制される。そして、ロックピン35の上端部36が初期領域44aに復帰する(図10B)。
【0026】
本実施形態によれば、図11Aに示すように、コイルバネ50の水平分力F2(図11B,図11C)が、図22に示す従来例の水平分力F1(図22)と同等であっても、本願のコイルバネ50の支点間距離L2(図11A)が従来例の支点間距離L1(図22)よりも短かい。このため、プランジャ40に負荷される鉛直軸心を中心とする捩りモーメントが小さいので、前記プランジャ40がハウジング60の内側面に片当たりすることがなく、操作感触の良いスイッチが得られるという利点がある。
【0027】
第2実施形態は、図12ないし図15に示すように、前述の第1実施形態とほぼ同様であり、異なる点は可動接触片30,30の可動接点31,31を回動支点となる回動用受け部24の内側にそれぞれ配置した場合である。他は前述の第1実施形態と同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
なお、第1実施形態と同様、ベース10に突設した環状リブ11の上端縁部に位置規制用突部12を突設し、支持端子21の起立片23を位置規制するようにしてもよいことは勿論である。
【0028】
次に、図16ないし図20に図示するように、第2実施形態に係るスイッチの操作方法について説明する。
まず、図16Aに示すように、操作前においては、コイルバネ50のバネ力でプランジャ40が上方に付勢されている。一方、前記コイルバネ50の一端部51が可動接触片30のスライド用舌片32を押し下げている。このため、前記可動接触片30の一端部がハウジング60の内側面に突設したストッパ64の下端部に当接して位置規制され、脱落することがない。このとき、ロックピン35の上端部36はプランジャ40のカム溝43の初期領域44aに位置している。
【0029】
そして、前記プランジャ40の操作部41を押し下げると、コイルバネ50が撓むとともに、その一端部51が可動接触片30のスライド用舌片32上をスライドしつつ、前記可動接触片30を引き起こす方向に付勢する。そして、押圧用突部45が可動接触片30の一端部を押し下げる。このとき、ロックピン35の上端部36がカム溝43の初期領域44aから第1,第2傾斜溝44b,44cを移動する(図16B)。さらに、プランジャ40の操作部41を押し込むことにより、コイルバネ50の一端部51が所定の位置を越えると、コイルバネ50の一端部51が可動接触片30を押し倒す方向に付勢する。このため、可動接触片30が回動用受け部24を支点として瞬間的に回動し、可動接点31が固定接点26に接触する(図17A)。
【0030】
ついで、プランジャ40の操作部41を最下位まで押し込むことにより(図17B)、ロックピン35の上端部36が第3傾斜溝44dに達する。そして、プランジャ40の押圧を解除すると、コイルバネ50のバネ力でプランジャ40が上方に押し上げられるが、ロックピン35の上端部36がロック位置44eで係止し(図18)、プランジャ40の上方への復帰を規制し、ロック状態となる。このため、コイルバネ50の一端部51が可動接触片30を押し倒すように付勢し続け、可動接点31が固定接点26に接触し続ける。
【0031】
次に、前述のロック状態(図18)を解除する場合には、プランジャ40の操作部41を一段深く押し下げることにより(図19A)、ロックピン35の上端部36がロック位置44eから第4傾斜溝44fに移動し、ロック状態が解除される。ついで、前記操作部41への押圧を解除すると、コイルバネ50が可動接触片30を押し倒す方向に付勢しつつ、プランジャ40を上方に押し上げる(図19B)。このため、ロックピン35の上端部36が第5傾斜溝44gを通過して第1傾斜溝44bに復帰する。さらに、プランジャ40が元の位置に自動復帰すると、コイルバネ50の一端部51が所定の位置から可動接触片30を引き起こす方向に付勢し、可動接触片30が回動用受け部24を支点として瞬間的に回動し、可動接点31が固定接点26から開離する(図20A)。さらに、可動接触片30が回動し、その一端部がプランジャ40の押圧用突部45に当接した後、ハウジング60の内側面に設けたストッパ64に当接して位置規制される。そして、ロックピン35の上端部36が初期領域44aに復帰する(図20B)。
【0032】
第3実施形態は、図21の概略図面に示すように、前述の第1実施形態と基本的構造がほぼ同様であり、異なる点は可動接触片30,30の可動接点31,31を、回動支点となる起立片23の回動用受け部(図示せず)の同一方向の片側に配置した場合である。
他は前述の実施形態とほぼ同様であるので、同一部品については同一番号を附して説明を省略する。
【0033】
本実施形態によれば、プランジャ40にコイルバネ50,50を同一方向から組み付けることができ、組立性が良いという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係るスイッチでは、プランジャ40の押圧用突部45を必要に応じて設ければよく、不要であれば、設けなくともよい。
また、本願発明は、ロックピンを必要とするオルタネートタイプのスイッチに限らず、ロックピンを必要としないモーメンタリータイプのスイッチに適用してもよい。
【符号の説明】
【0035】
10:ベース
11:環状リブ
12:位置規制用突部
13:係止用爪部
14:軸孔
16,17,18:圧入用角孔
20:接点機構
21:支持端子
23:起立片
24:回動用受け部
25:固定接点端子
26:固定接点
27:圧入用舌片
30:可動接触片
31:可動接点
32:スライド用舌片
33:巾狭部
35:ロックピン
36:上端部
37:下端部
40:プランジャ
41:操作部
42:軸部
43:カム溝
50:コイルバネ
51:一端部
52:他端部
60:ハウジング
61:操作孔
64:ストッパ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースに組み付けた支持端子と、
断面略J字形状に屈曲した帯状導電材からなり、一端部に可動接点を有するとともに、中間部を前記支持端子の回動用受け部に回動可能に支持した可動接触片と、
前記ベースにハウジングを嵌合して形成した内部空間内に上下動可能に収納されたプランジャと、
前記プランジャに回動自在に支持されたコイルバネと、からなり、
前記プランジャを上下動させることにより、前記コイルバネの一端部を前記可動接触片の他端縁部に圧接しつつ、スライド移動させることにより、前記可動接触片を反転させて前記可動接点を固定接点に接離するスイッチであって、
前記ベース上に一対の可動接触片を、その軸心がベース長手方向の軸心に沿って平行に、かつ、前記ベース長手方向の中央部の両側にそれぞれ配置したことを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
下端部をベース長手方向の中央部に回動可能に支持し、かつ、上端部をプランジャの側面中央に設けたカム溝に摺動可能に当接するロックピンを有し、
前記プランジャを上下動させることにより、前記ロックピンの上端部を前記カム溝に沿って摺動させることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
一対の可動接触片の可動接点を、一対の支持端子に設けた回動用受け部の外側にそれぞれ配置したことを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ。
【請求項4】
一対の可動接触片の可動接点を、一対の支持端子に設けた回動用受け部の内側にそれぞれ配置したことを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ。
【請求項5】
一対の可動接触片の可動接点を、一対の支持端子に設けた回動用受け部の同一方向の片側にそれぞれ配置したことを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ。
【請求項6】
ベースの上面縁部に突設した位置規制用突部で、支持端子の回動用受け部を設けた起立片を、位置規制することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のスイッチ。
【請求項1】
ベースに組み付けた支持端子と、
断面略J字形状に屈曲した帯状導電材からなり、一端部に可動接点を有するとともに、中間部を前記支持端子の回動用受け部に回動可能に支持した可動接触片と、
前記ベースにハウジングを嵌合して形成した内部空間内に上下動可能に収納されたプランジャと、
前記プランジャに回動自在に支持されたコイルバネと、からなり、
前記プランジャを上下動させることにより、前記コイルバネの一端部を前記可動接触片の他端縁部に圧接しつつ、スライド移動させることにより、前記可動接触片を反転させて前記可動接点を固定接点に接離するスイッチであって、
前記ベース上に一対の可動接触片を、その軸心がベース長手方向の軸心に沿って平行に、かつ、前記ベース長手方向の中央部の両側にそれぞれ配置したことを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
下端部をベース長手方向の中央部に回動可能に支持し、かつ、上端部をプランジャの側面中央に設けたカム溝に摺動可能に当接するロックピンを有し、
前記プランジャを上下動させることにより、前記ロックピンの上端部を前記カム溝に沿って摺動させることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
一対の可動接触片の可動接点を、一対の支持端子に設けた回動用受け部の外側にそれぞれ配置したことを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ。
【請求項4】
一対の可動接触片の可動接点を、一対の支持端子に設けた回動用受け部の内側にそれぞれ配置したことを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ。
【請求項5】
一対の可動接触片の可動接点を、一対の支持端子に設けた回動用受け部の同一方向の片側にそれぞれ配置したことを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ。
【請求項6】
ベースの上面縁部に突設した位置規制用突部で、支持端子の回動用受け部を設けた起立片を、位置規制することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のスイッチ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2011−181259(P2011−181259A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−42767(P2010−42767)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]