説明

スクリーンのクリーニング機構、スクリーン印刷装置、スクリーンのクリーニング方法、スクリーン印刷方法、プラズマディスプレイパネルの製造方法及びプラズマ表示装置の製造方法

【課題】粘着性シートの弛みを確実に防止する。
【解決手段】主制御部は、クリーニング回数積算値に基づいて、繰出しトルクユニット97(巻取りトルクユニット98)の制動トルク切換の可否判定を行って、クリーニング回数積算値が、閾値以上となったと判断すると、スクリーン版の下方に、粘着性シート91を張り出す際に、滲み取りローラ94が、引出方向切替位置に達するまで繰出しロール92にかける制動トルク(滲み取りローラ94が、引出方向切換位置に達した後に、巻取りロール93にかける制動トルク)を、次の段階の大きさに切り下げる(切り上げる)ように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スクリーンのクリーニング機構、該機構を備えたスクリーン印刷装置、スクリーンのクリーニング方法、スクリーン印刷方法、プラズマディスプレイパネルの製造方法及びプラズマ表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プラズマディスプレイパネル(以下、PDP(Plasma Display Panel)ともいう)を主要部として含むプラズマ表示装置は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶表示装置等に比べて、ちらつきがなく、表示コントラスト比が大きく、薄型大画面化が可能であり、応答速度が速い等の利点を有し、近年、情報処理機器のディスプレイとして利用されている。
このプラズマ表示装置は、放電により発生した紫外線を蛍光体に照射することによって可視光を取り出して表示を行うディスプレイであり、動作方式により、電極が誘電体で被覆されて間接的に交流放電の状態で動作させるAC型のものと、電極が放電空間に露出されて直流放電の状態で動作させるDC型のものとに略大別され、特にAC型のものは、比較的簡単な構造で上述したような大画面化が容易に実現できるので、広く用いられている。
このようなAC型のプラズマ表示装置の主要部を構成するプラズマディスプレイパネルは、ガラス等の透明材料からなる前面基板と背面基板とが対向するように配置されて、両基板間にプラズマを発生させる放電ガス空間が形成されて概略構成されている。
【0003】
また、AC型のプラズマ表示装置のなかで、プラズマディスプレイパネルにおいて、放電セル(以下、セルともいう)を形成する上述したような一対の基板のうちの一方の基板である前面基板の内面に、水平方向に沿って平行に走査電極と維持電極(共通電極)とからなる行電極を配置すると共に、他方の基板である背面基板の内面に、上記行電極と直交するように垂直方向に沿ってデータ電極(アドレス電極)からなる列電極を配置した3電極面放電型の構成のものは、前面基板において行われる面放電時に発生する高エネルギのイオンによる影響を抑えることができるので、長寿命化が図れるため、最も広く採用されている。
【0004】
この3電極面放電型のAC型のプラズマ表示装置は、背面基板のデータ電極と前面基板の走査電極との間で表示(発光)すべき放電セルを選択する書込放電を行い、次に、前面基板の走査電極と維持電極との間で選択したセルの面放電による維持放電(表示放電)を行うように構成されている。
また、このようなプラズマディスプレイパネルにおいては、背面基板の内面に赤色、緑色、及び青色の各蛍光体層を配置するとともに、前面基板の内面の上記各蛍光体層にそれぞれ対向する位置に赤色、緑色、及び青色の各カラーフィルタ層を配置するように構成されている。セル内の放電によって発生する紫外線により、これらの各色の蛍光体が発光して、多色発光が可能となる。
上記プラズマ表示装置の主要部を構成するプラズマディスプレイパネル1は、図1に示すように、前面基板2と、背面基板3とが互いに対向するように配置され、前面基板2と背面基板3との間に放電ガス空間4が形成されて概略構成されている。
【0005】
前面基板2は、同図に示すように、ガラス等の透明材料からなる前面ガラス基板5と、前面ガラス基板5の内面に行方向に沿って互いに平行に形成された酸化錫やITO(Indium Tin Oxide)等からなる透明電極6a,7a及び透明電極6a,7aの一部に積層されそれぞれ抵抗値を小さくするためのAl,Cu、Ag等からなるバス電極6b,7bを有する走査電極6及び維持電極7と、走査電極6及び維持電極7を被覆するPbO(酸化鉛)のような低融点ガラス等からなる透明誘電体層8と、透明誘電体層8上に形成された赤色カラーフィルタ層9r、緑色カラーフィルタ層9g及び青色カラーフィルタ層9bと、各カラーフィルタ層9r,9g,9bの間隙に走査電極6及び維持電極7と直交するように形成され、黒色顔料が添加された低融点ガラス等からなる遮光層(ブラックマスク)11と、動作中に発生する放電から各カラーフィルタ層9r,9g,9b及び遮光層11を保護するために形成され、二次電子放出係数が大きく、耐スパッタ性に優れたMgO(酸化マグネシウム)等からなる保護膜12とを備えてなっている。
【0006】
また、背面基板3は、同図に示すように、ガラス等の透明材料からなる背面ガラス基板13と、背面ガラス基板13内面に列方向に沿って互いに平行に形成されたAl,Cu、Ag等からなるアドレス電極(データ電極)14と、He(ヘリウム)、Ne(ネオン)、Xe(キセノン)等の放電用ガスが単独で又は混合されて充填され上記放電ガス空間4を確保するとともに個々の放電セルを区切るために垂直方向に沿って形成された低融点ガラス等からなる隔壁15と、隔壁14によって画成される放電セルの底部や側部に配置され放電用ガスの放電により発生する紫外線を可視光に変換し、各カラーフィルタ層9r,9g,9bに対向する位置に配置された赤色蛍光体層16r、緑色蛍光体層16g、及び青色蛍光体層16bとを備えてなっている。
ここで、蛍光体材料のうち、赤色蛍光体としては、(Y,Gd)BO:Eu、(Y,Gd)BO:Eu、緑色蛍光体としては、ZnSiO:Mn、青色蛍光体としては、BaMgAl10O17:Euが用いられる。
【0007】
プラズマディスプレイパネル1は、前面基板2と背面基板3とを、100μm程度のギャップを隔てて互いに対向した状態で、電極対の延長方向(行方向)とアドレス電極12の延長方向(列方向)とが互いに直交するように、かつ、両基板間に放電ガス空間4が形成されるように、貼り合わせて配置し、その周縁部を、封止剤としての例えば、低融点ガラスからなるフリットガラスをによって気密封着して製造される。
すなわち、背面基板3の周縁部に、フリットガラスを塗布した後、前面基板2と背面基板3とを貼り合わせた状態で、低融点ガラスが軟化する300℃〜500℃の温度で加熱する焼成処理を施し、フリットガラスを溶かして、前面基板2と背面基板3とを接合して封着しパネル状とする。ここで、隔壁15によって放電セルが画成されている。
【0008】
ここで、前面ガラス基板5上に、バス電極6b,7bや、透明誘電体層8、各カラーフィルタ層9r,9g,9b、遮光層11を形成する場合、及び背面ガラス基板13上に、隔壁15や、各蛍光体層16r,16g,16b、アドレス電極14を形成する場合には、例えば、スクリーン印刷法が用いられる。スクリーン印刷法では、スクリーン印刷装置を用いて、誘電体層や電極層を形成する。
このスクリーン印刷装置は、前面ガラス基板5や背面ガラス基板13等の被印刷物としてのガラス基板を水平な状態で支持する印刷ステージと、ガラス基板に絶縁性ペーストや導電性ペースト等の印刷用ペーストを塗布するためのスキージ(又はドクタブレード)18を有する印刷ヘッドと、印刷ヘッドを水平面に沿って変位させるためのヘッド移動部と、ガラス基板と印刷ヘッドとの間に配置され、所定のパターンで形成された開口部19aを有するメッシュ状のスクリーン版19とを備えている(図2及び図3参照。)。
【0009】
例えば、前面ガラス基板5に各カラーフィルタ層9r,9g,9bを形成する場合には、図2に示すように、遮光層11間の間隙(セル)21r,21g,21bに、スクリーン印刷装置のスクリーン19を開口部19aが順次位置合わせされるように配置して、スクリーン版19上に各カラーフィルタ層9r,9g,9bを形成するための各印刷用ペースト21r,21g,21bを順次満たして上部からスキージ18により圧接して、各印刷用ペースト22r,22g,22bを、それぞれ、開口部19aを通じて間隙18r,18g,18b内に印刷した(刷り込んだ)後、焼成処理を施す。こうして、ガラス基板表面に印刷用ペーストを用いて所定のパターンが印刷される。
【0010】
しかしながら、上述したように、所定の形状の間隙18r,18g,18b内に、各印刷用ペースト21r,21g,21bを充填するパターン印刷によって成膜を行う場合に、印刷用ペーストが、スキージ18により圧接されて、開口部19aを通じてスクリーン版19の裏面側に回り込んで残留したり、開口部19aに残留してしまい、次回の印刷時の印刷品質を低下させる原因となる。
すなわち、スクリーン版19の裏面の残留ペーストは、次回の印刷時に間隙以外の付着してはならない部位に付着して、印刷不良(滲み不良)を引き起こす。また、開口部19aの残留ペーストは、残留した箇所が、目詰りを起こし易くなり、決められた間隙に正確に充填されずに、印刷不良(抜け不良)を引き起こす。
【0011】
このため、印刷ペーストをガラス基板に印刷した後に、クリーニング機構を用いて、粘着性シートを、スクリーン版19の裏面に密着させた後剥離して、残留ペーストの除去(所謂、滲み取り)を行っている(例えば、特許文献1等参照。)。
このクリーニング機構24は、図3に示すように、未使用の粘着性シート25が繰出軸部の周りに巻かれた繰出しロール26と、残留ペーストが転写された使用済の粘着性シート25が巻取軸部の周りに巻かれた巻取りロール26と、スキージ18との間にスクリーン版19及び粘着性シート25を挟んでスクリーン版19の裏面の残留ペーストを除去するための滲み取りローラ28と、滲み取りローラ28の前方に配置され、粘着性シート25をスクリーン版19の下方に張り出すための補助ローラ29と、粘着性シート25に対するテンションを与えて皺の発生を抑えるためのテンションローラ31と、滲み取りローラ29及び補助ローラ28をスクリーン版19に対して変位(上昇、下降、前進、及び後退)させるためのパルスモータを含むローラ駆動部(不図示)とを有している。
【0012】
次に、このクリーニング機構24を用いて残留ペーストを除去する方法(滲取方法)について述べる。
クリーニング機構24は、印刷時には、図3に示すように、枠体32によって支持されたスクリーン版19の後方の退避位置に配置されている。
まず、印刷が終了して成膜されたガラス基板が、コンベアによってスクリーン版19下から搬送された後、図4(a)に示すように、退避していた滲み取りローラ28及び補助ローラ29を駆動して、上昇及び前進させて、スクリーン版19の下方に移動させる。
ここで、繰出しロール26は引出方向に(図4(a)中時計周りに)回転可能とすると共に、巻取りロール27には制動トルクをかけて停止させておく。これによって、滲み取りローラ28及び補助ローラ29の前進に伴って、繰出しロール26からは粘着性シート25が引き出され、スクリーン版19の下方に配置される。
【0013】
次に、滲み取りローラ28及び補助ローラ29が、予め設定した所定の距離だけ前進したら、繰出しロール26に制動トルクをかけて停止させると共に、巻取りロール27は制動を解除して引出方向に(図4(a)中時計周りに)回転可能とする。なお、上記所定の距離は、パルスモータに供給される設定されたパルス数に対応している。
これによって、繰出しロール26に代わり、巻取りロール27から粘着性シート25が引き出される。
【0014】
次に、滲み取りローラ28及び補助ローラ29が、さらに前進して、スクリーン版19の前端部(図4(a)中左端)の略枠体32の位置に相当した前進端に達したら、巻取りロール27に制動トルクをかけて停止させて、粘着性シート25の引出しを停止させる。
これによって、粘着性シート25は、繰出しロール26からも、巻取りロール27からも供給されない。
【0015】
次に、同図(b)に示すように、スクリーン版19の前端部において、滲み取りローラ28を上昇させて、粘着性シート25を下方からスクリーン版19に圧接すると共に、スキージ18を下降させて、上方からスクリーン版19を圧接して、スクリーン版19及び粘着性シート25をスキージ18と滲み取りローラ28とによって、挟み込む。
次に、同図(c)に示すように、滲み取りローラ28とスキージ18とを同期させて、スクリーン版19の後端部(図4(c)中右端)の略枠体32の位置に相当した後退端に達するまで移動させる。
これによって、スクリーン版19の前端部から後端部まで粘着性シート25が貼り付けられた状態でスクリーン版19の裏面が滲み取りローラ28により摺動され、スクリーン版19の裏面の残留ペーストが、粘着性シート25に転写されて除去される。
【0016】
次に、図5(a)に示すように、スキージ18を上昇させた後、同図(b)に示すように、滲み取りローラ28とスキージ18とを再び前進端まで移動させる。
次に、同図(c)に示すように、滲み取りローラ28を降下させた後、巻取ロール27を巻取方向(図5(c)中反時計周り)に回転させて、粘着性シート25をスクリーン版19から剥離させ、同時に滲み取りローラ28及び補助ローラ29を後退させて、待機位置(原点位置)まで戻す。
これによって、残留ペーストが転写された粘着性シート25がスクリーン版29から剥離されて巻取ロール27に巻き取られる。
【0017】
しかしながら、粘着性シートの張出しが適切に行われず、例えば、緩過ぎるために、粘着性シートがスクリーン版から剥がれ易くなるという問題がある。なお、粘着性シートの張出しが強過ぎても、粘着性シートに引張り皺が発生し、皺になった部位がスクリーン版に十分に密着せず、残留ペーストの転写が十分に行われない。
いずれにしても、粘着性シートの張出しが適切でなければ、クリーニングが確実に行われないため、印刷不良を引き起こす。
【0018】
特に、比較的大きな面積のスクリーン版のクリーニングでは、粘着性シートの張出しが緩過ぎる場合に、例えば、粘着性シートがその自重によって、スクリーン版から剥がれ易くなる。
すなわち、粘着性シートも比較的大面積のものが用いられるので、制動(ブレーキ)機構のバッククラッシュによるテンションの緩みや、粘着性シートの自重により、さらに、動作中の振動によって、粘着性シートの貼付け完了後に粘着性シートをスクリーン版から剥がす際に、粘着性シートが緩んでいる部位から先にスクリーン版から剥がれる現象が起こっていた。
【0019】
これによって、粘着性シートが自重等で剥がれた部位では、残留ペーストの転写が十分に行われず、クリーニングが確実に行われないため、印刷不良(印刷むら等)を引き起こしていた。
このため、巻取ロールから粘着性シートを引き出しているときに、慣性による粘着性シートの弛みを予め見込んで、前進端から所定距離手前で巻取ロールを制動させて、巻取ロールが前進端で停止したときには、粘着性シートの弛みがないように制御するクリーニング機構が提案されている(例えば、特許文献2等参照。)。
【0020】
このクリーニング機構35は、図6に示すように、未使用の粘着性シート36が繰出軸部の周りに巻かれた繰出しロール37と、残留ペーストが転写された使用済の粘着性シート36が巻取軸部の周りに巻かれた巻取りロール38と、スキージ18との間にスクリーン版19及び粘着性シート36を挟んでスクリーン版19の裏面の残留ペーストを除去するための滲み取りローラ39と、滲み取りローラ39の前方に配置され、粘着性シート36をスクリーン版19の下方に張り出すための補助ローラ41と、粘着性シート36に対するテンションを与えて皺の発生を抑えるためのテンションローラ42と、滲み取りローラ39及び補助ローラ41をスクリーン版19に対して変位(上昇、下降、前進、及び後退)させるためのパルスモータ43を含むローラ駆動部と、制御部44とを有している。
【0021】
制御部44は、繰出しロール37は引出方向に(図6中時計周りに)回転可能とすると共に、巻取りロール38には制動トルクをかけて停止させておく。これによって、滲み取りローラ39及び補助ローラ41の前進に伴って、繰出しロール37からは粘着性シート36が引き出され、スクリーン版19の下方に配置される。
次に、制御部44は、滲み取りローラ39及び補助ローラ41が、予め設定した所定の距離だけ前進して、引出方向切換位置に達したら、繰出しロール37に制動トルクをかけて停止させると共に、巻取りロール38は制動を解除して引出方向に(図6中時計周りに)回転可能とする。なお、上記所定の距離は、パルスモータ43に供給される設定されたパルス数に対応している。
【0022】
これによって、繰出しロール37に代わり、巻取りロール38から粘着性シート36が引き出される。
次に、制御部44は、滲み取りローラ39及び補助ローラ41が、さらに、予め設定した所定の距離だけ前進して、制動開始位置xaに達したら、巻取りロール38に制動トルクをかけて停止させて、粘着性シート36の引出しを停止させる。
【0023】
すなわち、制御部44は、巻取ロールから粘着性シートを引き出す際に、巻取ロール38の回転運動を持続させようとする慣性によって生じる粘着性シート36の緩みを予め見込んで、滲み取りローラ39及び補助ローラ41が予め設定したパルスモータ43のパルス数に対応した所定の距離だけ前進して、前進端位置xbよりも距離L手前の位置(制動開始位置xa)に達したタイミングで巻取ロール38を停止させるように制御する。
これによって、緩み分が補助ローラ29及び滲み取りローラ28の前進分に割り当てられるため、粘着性シートの緩みを防止できる。
なお、巻取りロール38が停止したときに、スクリーン版19の前端部(図6中左端)の略枠体32の位置に相当した前進端に達する。
【特許文献1】特開2002−347222号公報(第2頁、第3頁、図4、図5)
【特許文献2】特開2004−284188号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
解決しようとする問題点は、上記従来技術では、粘着性シートを繰出しロール又は巻取ロールから引き出している最中の粘着性シートの緩みを防止することができないので、粘着性シートの剥がれを防止できず、クリーニングが確実に行われないため、印刷不良を引き起こすという点である。
【0025】
すなわち、上記従来技術では、粘着性シートの張出し完了時の弛みを抑制し、張り出した粘着性シートに適切な張りを持たせることができるが、粘着性シートを繰出しロール又は巻取ロールから引き出す際の引出抵抗(粘着性シートの引出しを妨げるように働くトルク)の変化に対応することができない。
引出抵抗は、例えば、粘着性シートが巻かれた繰出しロール又は巻取ロールの巻径や質量(重量)、粘着性シートの粘着力等によって変化する。このために、上記従来技術で、粘着性シートの張出状態を制御する場合には、粘着性シートの引出抵抗が最も大きい条件(ロールの巻径、や質量等)で、引出トルクの大きさを設定せざるを得ない。この際、引出抵抗が最も小さい条件で粘着性シートを張り出す最中は、粘着性シートが最も弛んで、この弛みを前進端位置で全て吸収するために、上記制動位置で制動すると、この衝撃で粘着性シートが弾んでしまって、スクリーン版の裏面に粘着性シートが不用意に接触する現象が起こることがある。
【0026】
したがって、スクリーン版と粘着性シートとの接触部位で、残留ペーストの転写が十分に行われず、残留ペーストの除去が不充分となり、非接触部位と状態が異なるために、印刷むら等を引き起こしていた。
この発明が解決しようとする課題としては、上記のような従来のクリーニング機構において、粘着性シートを張り出す際に生ずる問題点が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、所定のパターンを持つスクリーン版を介して被印刷物に印刷用ペーストを塗布して、上記被印刷物に所定のパターンを印刷するスクリーン印刷装置に組み込まれて用いられ、印刷後に上記スクリーン版の裏面に残留した上記印刷用ペーストを、粘着性シートを用いて除去するクリーニング機構に係り、表面側に粘着面が形成された上記粘着性シートが軸部の周りに巻回され、上記粘着性シートを供給するシート供給部と、上記シート供給部から引き出された上記粘着性シートを軸部の周りに巻き取るシート巻取り部と、上記スクリーン版の裏面に沿って移動可能とされ、上記シート供給部と上記シート巻取り部との間に掛け渡された上記粘着性シートの裏面を押圧して、上記シート供給部又は/及び上記シート巻取り部から上記粘着性シートを引き出し、上記粘着性シートの粘着面が上記スクリーン版の裏面に対向するように、上記スクリーン版の裏面に沿って張り出すための張出し用ローラと、上記シート供給部又は/及び上記シート巻取り部から上記粘着性シートが引き出される際に、上記シート供給部又は/及び上記シート巻取り部に、その回転を妨げるように制動トルクを与える制動手段とを備えてなり、上記制動手段は、上記シート供給部及び上記シート巻取り部に、それぞれ、上記シート供給部及び上記シート巻取り部の巻径に応じた大きさの上記制動トルクを与えることを特徴としている。
【0028】
また、請求項10記載の発明は、所定のパターンを持つスクリーン版を介して被印刷物に印刷用ペーストを塗布して、上記被印刷物に所定のパターンを印刷するスクリーン印刷装置に係り、請求項1乃至9のいずれか1に記載のスクリーンのクリーニング機構を備えたことを特徴としている。
【0029】
また、請求項11記載の発明は、所定のパターンを持つスクリーン版を介して被印刷物に印刷用ペーストを塗布して、上記被印刷物に所定のパターンを印刷するスクリーン印刷方法において、印刷後に上記スクリーン版の裏面に残留した上記印刷用ペーストを、粘着性シートを用いて除去するスクリーンのクリーニング方法に係り、表面側に粘着面が形成された上記粘着性シートが軸部の周りに巻回され、上記粘着性シートを供給するシート供給部と、上記シート供給部から引き出された上記粘着性シートを軸部の周りに巻き取るシート巻取り部とを配設し、上記スクリーン版の裏面に沿って移動可能とされた張出し用ローラによって、上記シート供給部と上記シート巻取り部との間に掛け渡された上記粘着性シートの裏面を押圧して、上記シート供給部又は/及び上記シート巻取り部から上記粘着性シートを引き出し、上記粘着性シートの粘着面が上記スクリーン版の裏面に対向するように、上記スクリーン版の裏面に沿って張り出すシート張出しステップを含み、上記シート張出しステップは、上記シート供給部又は/及び上記シート巻取り部から上記粘着性シートが引き出される際に、上記シート供給部又は/及び上記シート巻取り部に、その回転を妨げるように制動トルクを与える制動ステップを含み、上記制動ステップでは、上記シート供給部及び上記シート巻取り部に、それぞれ、上記シート供給部及び上記シート巻取り部の巻径に応じた大きさの上記制動トルクを与えることを特徴としている。
【0030】
また、請求項20記載の発明は、所定のパターンを持つスクリーン版を介して被印刷物に印刷用ペーストを塗布して、上記被印刷物に所定のパターンを印刷するスクリーン印刷方法に係り、請求項11乃至19のいずれか1に記載のスクリーンのクリーニング方法を含むことを特徴としている。
【0031】
また、請求項21記載の発明は、共に誘電体層及び電極層が形成された第1の基板及び第2の基板を封止層を介して互いに対向するように配置し、接合するプラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、所定の上記誘電体層又は/及び上記電極層を請求項20記載の方法を用いて、上記被印刷物としての上記第1の基板又は/及び上記第2の基板に形成することを特徴としている。
【0032】
また、請求項22記載の発明は、プラズマディスプレイパネルを製造する第1の工程と、上記プラズマディスプレイパネルを駆動する回路とともに上記プラズマディスプレイパネルを一つのモジュールとして製造する第2の工程と、画像信号のフォーマット変換を行い、上記モジュールに送信するインタフェースを上記モジュールに電気的に接続する第3の工程とを含むプラズマ表示装置の製造方法に係り、上記第1の工程では、請求項21記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法が実施されることを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、この発明の好適な実施形態について、詳細に説明する。
第1の実施形態のスクリーンのクリーニング機構は、所定のパターンを持つスクリーン版を介して被印刷物に印刷用ペーストを塗布して、被印刷物に所定のパターンを印刷するスクリーン印刷装置に組み込まれて用いられ、印刷後にスクリーン版の裏面に残留した印刷用ペーストを、粘着性シートを用いて除去するクリーニング機構であって、表面側に粘着面が形成された粘着性シートが軸部の周りに巻回され、粘着性シートを供給するシート供給部と、シート供給部から引き出された性シートを軸部の周りに巻き取るシート巻取り部と、スクリーン版の裏面に沿って移動可能とされ、シート供給部とシート巻取り部との間に掛け渡された粘着性シートの裏面を押圧して、シート供給部又は/及びシート巻取り部から粘着性シートを引き出し、粘着性シートの粘着面がスクリーン版の裏面に対向するように、スクリーン版の裏面に沿って張り出すための張出し用ローラと、シート供給部又は/及びシート巻取り部から粘着性シートが引き出される際に、シート供給部又は/及びシート巻取り部に、その回転を妨げるように制動トルクを与える制動手段とを備えてなり、制動手段は、シート供給部及びシート巻取り部に、それぞれ、シート供給部及びシート巻取り部の巻径に応じた大きさの制動トルクを与える。
【0034】
また、この実施形態のスクリーンのクリーニング方法は、所定のパターンを持つスクリーン版を介して被印刷物に印刷用ペーストを塗布して、被印刷物に所定のパターンを印刷するスクリーン印刷方法において、印刷後にスクリーン版の裏面に残留した印刷用ペーストを、粘着性シートを用いて除去するスクリーンのクリーニング方法であって、であって、表面側に粘着面が形成された粘着性シートが軸部の周りに巻回され、粘着性シートを供給するシート供給部と、シート供給部から引き出された粘着性シートを軸部の周りに巻き取るシート巻取り部とを配設し、スクリーン版の裏面に沿って移動可能とされた張出し用ローラによって、シート供給部とシート巻取り部との間に掛け渡された粘着性シートの裏面を押圧して、シート供給部又は/及びシート巻取り部から粘着性シートを引き出し、粘着性シートの粘着面がスクリーン版の裏面に対向するように、スクリーン版の裏面に沿って張り出すシート張出しステップを含み、シート張出しステップは、シート供給部又は/及びシート巻取り部から粘着性シートが引き出される際に、シート供給部又は/及びシート巻取り部に、その回転を妨げるように制動トルクを与える制動ステップを含み、制動ステップでは、シート供給部及びシート巻取り部に、それぞれ、シート供給部及びシート巻取り部の巻径に応じた大きさの制動トルクを与える。
【0035】
このスクリーンのクリーニング機構を用いて、スクリーンのクリーニング方法を実施することによって、制動手段は、シート供給部又は/及びシート巻取り部から粘着性シートが引き出される際に、シート供給部又は/及びシート巻取り部に、その回転を妨げるように、シート供給部及びシート巻取り部の巻径に応じた大きさの制動トルクを与えるので、粘着性シートの張出し中に、粘着性シートの張り状態を、適切にかつ一定に保持することができ、粘着性シートの弛みや張過ぎ確実に防止することができ、粘着性シートの剥がれを確実に防止し、スクリーン版の裏面に残留した印刷ペーストを確実に除去することができる。
【0036】
第2の実施形態のスクリーンのクリーニング機構は、所定のパターンを持つスクリーン版を介して被印刷物に印刷用ペーストを塗布して、被印刷物に所定のパターンを印刷するスクリーン印刷装置に組み込まれて用いられ、印刷後にスクリーン版の裏面に残留した印刷用ペーストを、粘着性シートを用いて除去するクリーニング機構であって、表面側に粘着面が形成された粘着性シートが軸部の周りに巻回され、粘着性シートを供給するシート供給部と、シート供給部から引き出された粘着性シートを軸部の周りに巻き取るシート巻取り部と、スクリーン版の裏面に沿って移動可能とされ、シート供給部とシート巻取り部との間に掛け渡された粘着性シートの裏面を押圧して、シート供給部又は/及びシート巻取り部から粘着性シートを引き出し、粘着性シートの粘着面がスクリーン版の裏面に対向するように、スクリーン版の裏面に沿って張り出すための張出し用ローラと、シート供給部又は/及びシート巻取り部から粘着性シートが引き出される際に、シート供給部又は/及びシート巻取り部に、その回転を妨げるように制動トルクを与える制動手段とを備えてなり、制動手段は、シート供給部の軸部に連結され、シート供給部から粘着性シートが引き出される際のその軸部の回転を妨げるように働く制動トルクを与える供給トルクユニットと、シート巻取り部の軸部に連結され、シート巻取り部から粘着性シートが引き出される際のその軸部の回転を妨げるように働く制動トルクを与える巻取りトルクユニットとを有し、張出し用ローラが、スクリーン版の裏面に沿って移動して、粘着性シートを、スクリーン版の裏面に沿って張り出させるシート張出期間のうち、張出開始から張出し用ローラが所定の位置に達するまでの第1の期間では、供給トルクユニッは、シート供給部がシート引出方向に回転可能となるように、その軸部に、シート供給部の巻径又は/及び質量に応じた所定の大きさの制動トルクを与えると共に、巻取りトルクユニットは、シート巻取り部の回転を制止させるように、その軸部に制止トルクを与え、かつ、シート張出期間のうち、張出し用ローラが所定の位置に達してから張出終了までの第2の期間では、供給トルクユニットは、シート供給部の回転を制止させるように、その軸部に制止トルクを与えると共に、巻取りトルクユニットは、シート巻取り部がシート引出方向に回転可能となるように、その軸部に、シート巻取り部の巻径又は/及び質量に応じた所定の大きさの制動トルクを与える。
【0037】
また、この実施形態のスクリーンのクリーニング方法は、所定のパターンを持つスクリーン版を介して被印刷物に印刷用ペーストを塗布して、被印刷物に所定のパターンを印刷するスクリーン印刷方法において、印刷後にスクリーン版の裏面に残留した印刷用ペーストを、粘着性シートを用いて除去するスクリーンのクリーニング方法であって、表面側に粘着面が形成された粘着性シートが軸部の周りに巻回され、粘着性シートを供給するシート供給部と、シート供給部から引き出された粘着性シートを軸部の周りに巻き取るシート巻取り部とを配設し、スクリーン版の裏面に沿って移動可能とされた張出し用ローラによって、シート供給部とシート巻取り部との間に掛け渡された粘着性シートの裏面を押圧して、シート供給部又は/及びシート巻取り部から粘着性シートを引き出し、粘着性シートの粘着面がスクリーン版の裏面に対向するように、スクリーン版の裏面に沿って張り出すシート張出しステップを含み、シート張出しステップは、シート供給部又は/及びシート巻取り部から粘着性シートが引き出される際に、シート供給部又は/及びシート巻取り部に、その回転を妨げるように制動トルクを与える制動ステップを含み、制動ステップでは、供給トルクユニットによって、シート供給部の軸部に連結され、シート供給部から粘着性シートが引き出される際のその軸部の回転を妨げるように働く制動トルクを与え、巻取りトルクユニットによって、シート巻取り部の軸部に連結され、シート巻取り部から粘着性シートが引き出される際のその軸部の回転を妨げるように働く制動トルクを与え、張出し用ローラが、スクリーン版の裏面に沿って移動して、粘着性シートを、スクリーン版の裏面に沿って張り出させるシート張出期間のうち、張出開始から張出し用ローラが所定の位置に達するまでの第1の期間では、供給トルクユニッは、シート供給部がシート引出方向に回転可能となるように、その軸部にシート供給部の巻径又は/及び質量に応じた所定の大きさの制動トルクを与えると共に、巻取りトルクユニットは、シート巻取り部の回転を制止させるように、その軸部に制止トルクを与え、かつ、シート張出期間のうち、張出し用ローラが所定の位置に達してから張出終了までの第2の期間では、供給トルクユニットは、シート供給部の回転を制止させるように、その軸部に制止トルクを与えると共に、巻取りトルクユニットは、シート巻取り部がシート引出方向に回転可能となるようにその軸部にシート巻取り部の巻径又は/及び質量に応じた所定の大きさの制動トルクを与える。
【0038】
このスクリーンのクリーニング機構を用いて、スクリーンのクリーニング方法を実施することによって、張出し用ローラが、スクリーン版の裏面に沿って移動して、粘着性シートを、スクリーン版の裏面に沿って張り出させるシート張出期間のうち、張出開始から張出し用ローラが所定の位置に達するまでの第1の期間では、供給トルクユニッは、シート供給部がシート引出方向に回転可能となるように、その軸部に、シート供給部の巻径又は/及び質量に応じた所定の大きさの制動トルクを与えると共に、巻取りトルクユニットは、シート巻取り部の回転を制止させるように、その軸部に制止トルクを与え、かつ、シート張出期間のうち、張出し用ローラが所定の位置に達してから張出終了までの第2の期間では、供給トルクユニットは、シート供給部の回転を制止させるように、その軸部に制止トルクを与えると共に、巻取りトルクユニットは、シート巻取り部がシート引出方向に回転可能となるように、その軸部に、シート巻取り部の巻径又は/及び質量に応じた所定の大きさの制動トルクを与えるので、粘着性シートの張出し中に、粘着性シートの張り状態を、適切にかつ一定に保持することができ、粘着性シートの弛みや張過ぎ確実に防止することができ、粘着性シートの剥がれを確実に防止し、スクリーン版の裏面に残留した印刷ペーストを確実に除去することができる。
【0039】
第3の実施形態のスクリーンのクリーニング機構は、所定のパターンを持つスクリーン版を介して被印刷物に印刷用ペーストを塗布して、被印刷物に所定のパターンを印刷するスクリーン印刷装置に組み込まれて用いられ、印刷後にスクリーン版の裏面に残留した印刷用ペーストを、粘着性シートを用いて除去するクリーニング機構であって、表面側に粘着面が形成された粘着性シートが軸部の周りに巻回され、粘着性シートを供給するシート供給部と、シート供給部から引き出された粘着性シートを軸部の周りに巻き取るシート巻取り部と、スクリーン版の裏面に沿って移動可能とされ、シート供給部とシート巻取り部との間に掛け渡された粘着性シートの裏面を押圧して、シート供給部又は/及びシート巻取り部から粘着性シートを引き出し、粘着性シートの粘着面がスクリーン版の裏面に対向するように、スクリーン版の裏面に沿って張り出すための張出し用ローラと、シート供給部又は/及びシート巻取り部から粘着性シートが引き出される際に、シート供給部又は/及びシート巻取り部に、その回転を妨げるように制動トルクを与える制動手段とを備えてなり、制動手段は、シート供給部の軸部に連結され、シート供給部から粘着性シートが引き出される際のその軸部の回転を妨げるように働く制動トルクを与える供給トルクユニットと、シート巻取り部の軸部に連結され、シート巻取り部から粘着性シートが引き出される際のその軸部の回転を妨げるように働く制動トルクを与える巻取りトルクユニットとを有し、張出し用ローラが、スクリーン版の裏面に沿って移動して、粘着性シートを、スクリーン版の裏面に沿って張り出させるシート張出期間のうち、張出開始から張出し用ローラが所定の位置に達するまでの第1の期間では、供給トルクユニッは、シート供給部がシート引出方向に回転可能となるように、その軸部に、シート供給部の太さ又は/及び質量に応じた所定の大きさの制動トルクを与えると共に、巻取りトルクユニットは、シート巻取り部の回転を制止させるように、その軸部に制止トルクを与え、かつ、シート張出期間のうち、張出し用ローラが所定の位置に達してから張出終了までの第2の期間では、供給トルクユニットは、シート供給部の回転を制止させるように、その軸部に制止トルクを与えると共に、巻取りトルクユニットは、シート巻取り部がシート引出方向に回転可能となるように、その軸部に、シート巻取り部の太さ又は/及び質量に応じた所定の大きさの制動トルクを与え、張出し用ローラが、第2の期間のうち張出終了前に、所定の位置から予め設定した所定の距離だけ前進して、制動開始位置に達したら、シート巻取り部に制止トルクをかけて停止させる。
【0040】
また、この実施形態のスクリーンのクリーニング方法は、所定のパターンを持つスクリーン版を介して被印刷物に印刷用ペーストを塗布して、被印刷物に所定のパターンを印刷するスクリーン印刷方法において、印刷後にスクリーン版の裏面に残留した印刷用ペーストを、粘着性シートを用いて除去するスクリーンのクリーニング方法であって、表面側に粘着面が形成された粘着性シートが軸部の周りに巻回され、粘着性シートを供給するシート供給部と、シート供給部から引き出された粘着性シートを軸部の周りに巻き取るシート巻取り部とを配設し、スクリーン版の裏面に沿って移動可能とされた張出し用ローラによって、シート供給部とシート巻取り部との間に掛け渡された粘着性シートの裏面を押圧して、シート供給部又は/及びシート巻取り部から粘着性シートを引き出し、粘着性シートの粘着面がスクリーン版の裏面に対向するように、スクリーン版の裏面に沿って張り出すシート張出しステップを含み、シート張出しステップは、シート供給部又は/及びシート巻取り部から粘着性シートが引き出される際に、シート供給部又は/及びシート巻取り部に、その回転を妨げるように制動トルクを与える制動ステップを含み、制動ステップでは、供給トルクユニットによって、シート供給部の軸部に連結され、シート供給部から粘着性シートが引き出される際のその軸部の回転を妨げるように働く制動トルクを与え、巻取りトルクユニットによって、シート巻取り部の軸部に連結され、シート巻取り部から粘着性シートが引き出される際のその軸部の回転を妨げるように働く制動トルクを与え、張出し用ローラが、スクリーン版の裏面に沿って移動して、粘着性シートを、スクリーン版の裏面に沿って張り出させるシート張出期間のうち、張出開始から張出し用ローラが所定の位置に達するまでの第1の期間では、供給トルクユニッは、シート供給部がシート引出方向に回転可能となるように、その軸部にシート供給部の太さ又は/及び質量に応じた所定の大きさの制動トルクを与えると共に、巻取りトルクユニットは、シート巻取り部の回転を制止させるように、その軸部に制止トルクを与え、かつ、シート張出期間のうち、張出し用ローラが所定の位置に達してから張出終了までの第2の期間では、供給トルクユニットは、シート供給部の回転を制止させるように、その軸部に制止トルクを与えると共に、巻取りトルクユニットは、シート巻取り部がシート引出方向に回転可能となるようにその軸部にシート巻取り部の太さ又は/及び質量に応じた所定の大きさの制動トルクを与え、張出し用ローラが、第2の期間のうち張出終了前に、所定の位置から予め設定した所定の距離だけ前進して、制動開始位置に達したら、シート巻取り部に制止トルクをかけて停止させる。
【0041】
このスクリーンのクリーニング機構を用いて、スクリーンのクリーニング方法を実施することによって、供給トルクユニット及び巻取りトルクユニットが、粘着性シートの張出し中の弛みを抑えると共に、巻取りトルクユニットが、シート巻取り部からの粘着性シートの引出し完了直前に、シート巻取り部の回転運動を持続させようとする慣性によって生じる粘着性シートの緩みを予め見込んで、張出し用ローラが、前進端位置よりも所定の距離手前の制動開始位置に達したタイミングで制動しシート巻取り部の回転を制動するので、粘着性シートの弛みを一段と確実に抑えることができる。
【実施例1】
【0042】
図7は、この発明の実施形態における第1の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構成を示す斜視図、図8は、同プラズマディスプレイパネルの製造方法を説明するための工程図、図9は、同プラズマディスプレイパネルの製造方法において用いられるスクリーン印刷装置のクリーニング機構の構成を概略的に示す斜視図、図10は、同クリーニング機構の構成を概略的に示すブロック図、図11は、同スクリーン印刷装置の印刷ヘッド及び同クリーニング機構のローラ直進部の構成を説明するためのブロック図、図12は、同印刷装置本体のヘッド移動部、第1スキージ駆動部、同クリーニング機構のシリンダアクチュエータ、及びピン挿抜部の構成を説明するためのブロック図、図13は、同クリーニング機構のローラ駆動部の構成を説明するための平面図、また、図14及び図15は、同クリーニング機構の動作を説明するための斜視図である。
【0043】
この例のプラズマディスプレイパネル51の製造方法では、前面基板52及び背面基板53を構成する所定の誘電体層及び電極層を形成する際に、スクリーン印刷法を用いる。すなわち、前面基板52の誘電体層としての透明誘電体層58、各カラーフィルタ層59r,59g,59b及び遮光層61と、電極層としてのバス電極56b,57b、並びに、背面基板53の誘電体層としての隔壁65、及び各蛍光体層66r,66g,66bと、電極層としてのアドレス電極(データ電極)64は、スクリーン印刷装置を用いて形成される(図7参照。)。
【0044】
また、この例では、スクリーン印刷法によって成膜を行う各工程(ステップSA12〜ステップSA15、ステップSB12、ステップSB13)では、それぞれ専用のスクリーン印刷装置を用い、各スクリーン印刷装置は、それぞれ、スクリーン版に残留した印刷ペースト(残留ペースト)を除去するためのクリーニング機構を備えている(図8参照。)。
すなわち、スクリーン印刷法を用いる各成膜工程は、それぞれ、残留ペーストを除去するクリーニング工程(滲み取り工程)を含んでいる。
【0045】
このスクリーン印刷装置68は、図9、図10及び図14に示すように、印刷装置本体69と、スクリーン版71に残留した印刷ペースト(残留ペースト)を除去するためのクリーニング機構72と、構成各部を制御するためのコントローラ73とを備えてなっている。
印刷装置本体69は、被印刷物としてのガラス基板を水平な状態で支持する印刷ステージと、ガラス基板に絶縁性ペーストや導電性ペースト等の印刷用ペーストを塗布するための印刷ヘッド74と、印刷ヘッド74を水平面に沿って変位させるためのヘッド移動部75と、ガラス基板と印刷ヘッド74との間に配置され、所定のパターンで開口部が形成されたスクリーン版71を支持するスクリーン支持部とを有している。
【0046】
上記印刷ステージは、水平な載置面にガラス基板を載置した状態で、吸着によってガラス基板を固定する。すなわち、吸着ボックスを経由する吸気経路に沿って吸気が行われることによって、ガラス基板が載置面に吸着固定される。
また、印刷ステージには、コンベア部が埋め込まれ、ガラス基板の搬入及び搬出が自動的なされるように構成されている。
印刷ヘッド74は、平板状のスキージ76aと、スキージ76aを挟み込んで保持するスキージホルダ76bと、スキージ76aを保持したスキージホルダ76bを鉛直方向に沿って変位させる一対のストローク部77と、印刷ペーストを印刷開始位置まで掻き戻すスクレーパと、ストローク部77及びスクレーパが搭載されたキャリアとを有している。スキージ76aは、硬質ウレタンや、合成樹脂等からなっている。
【0047】
ストローク部77は、図10乃至図12に示すように、鉛直方向に沿った駆動を行うための第1スキージ駆動部78と、傾き補正を行うための第2スキージ駆動部79とを有している。また、第1スキージ駆動部78は、エアシリンダ81と、上昇用及び下降用のエアを導入するための電磁弁82,83とを有している。また、第2スキージ駆動部79は、パルスモータ(ステッピングモータ)84とボールねじ85とを有している。
ヘッド移動部75は、図10及び図12に示すように、印刷ヘッド74を案内部の案内によって、水平面に沿って変位させるエアシリンダ86と、前進用及び後退用のエアを導入するための電磁弁87,88とを有している。
【0048】
クリーニング機構72は、図9及び図10に示すように、繰出軸部の周りに未使用の粘着性シート91が巻かれる繰出しロール92と、巻取軸部の周りに残留ペーストが転写された使用済の粘着性シート91が巻かれる巻取りロール93と、スキージ76との間にスクリーン版71及び粘着性シート91を挟んでスクリーン版71の裏面の残留ペーストを除去するための滲み取りローラ94と、滲み取りローラ94の前方に配置され、粘着性シート91をスクリーン版71の下方に張り出すための補助可動ローラ95と、粘着性シート91に対するテンションを維持するためのテンションローラ96と、繰出軸部に連結され、可変制動トルクを与える繰出しトルクユニット97と、巻取軸部に連結され、可変制動トルクを与える巻取りトルクユニット98と、タイミングベルト99を介して巻取軸部を回転させ、使用済の粘着性シート91を巻取軸部の周りに巻き取るための巻取り用モータ101と、滲み取りローラ94及び補助可動ローラ95をスクリーンに対して変位させるためのローラ駆動部102と、補助可動ローラ95をスクリーン版71の下方の前進端の所定の位置で固定するための補助可動ローラ固定部103とを有している。
なお、この例では、スクリーン版71のクリーニング処理(裏拭き処理)で、スキージ76を含む印刷ヘッド74は、印刷時に用いるものを兼用する。ヘッド移動部75についても同様である。また、各トルクユニット97,98やパルスモータ等のクリーニング機構72の構成各部を制御するコントローラは、スクリーン印刷装置68のコントローラ73の一部が兼ねている。
【0049】
繰出しトルクユニット97及び巻取りトルクユニット98は、電磁石の吸着力を利用した電磁ブレーキが、それぞれ繰出軸部及び巻取軸部に軸心を同じくして連結されて概略構成され、可変抵抗器を利用して、制止させる場合に比べて電圧を低下させることによって所定の制動トルクをかける。
この例では、繰出しトルクユニット97及び巻取りトルクユニット98は、それぞれ、繰出しロール92及び巻取りロール93の全体の慣性モーメントに応じて(例えば、巻径、質量に応じて)、さらに、粘着性シート91の粘着力等に応じて、段階的(例えば5段階)に可変抵抗器の抵抗値を変化させて、制動トルクを段階的に変化させる。
【0050】
繰出しトルクユニット97では、繰出しロール92の巻径が小さくなるにつれて、制動トルクが、例えば、略2[Nm]から略1[Nm]へ段階的に切り換るように、コントローラ73によって制御される。
巻取りトルクユニット98では、巻取りロール93の巻径が大きくなるにつれて、制動トルクが、例えば、略1[Nm]から略2[Nm]へ段階的に切り換るように、コントローラ73によって制御される。
なお、この例では、クリーニング処理中に、繰出しロール92や巻取りロール93の巻径が所定の巻径に達した場合に、制動トルクが切り換わらずに、クリーニング処理(1回の裏拭き)完了後に切り換わるように制御される。なお、繰出しロール92や巻取りロール93の巻径を計測することに代えて、裏拭き回数を計数してその積算値を切換判定の際の閾値として用いる。
【0051】
ローラ駆動部102は、滲み取りローラ94及び補助可動ローラ95を水平面上をスクリーン版71の前後方向に沿って移動させるためのローラ直進部104と、滲み取りローラ94及び補助可動ローラ95を鉛直方向(上下方向)に沿って移動させるためのローラ昇降部105とを有している。
ローラ直進部104は、図11及び図13に示すように、滲み取りローラ94及び補助可動ローラ95の両端を前進後退自在に支持する転がり案内機構としての一対の直動ガイド106と、一対のボールねじ107と、ボールねじ107のねじ軸を回転させて滲み取りローラ94を直進運動させるための一対のパルスモータ(ステッピングモータ)108とを有している。
【0052】
各直動ガイド106は、滲み取りローラ94及び補助可動ローラ95の一端を支持し、複数のボールが円筒軸上を転がりながら無限に循環する構造を有する支持ブロック109a,109bが、案内レール111に乗せられて概略構成されている。
ボールねじ107は、パルスモータ108によって回転駆動されるねじ軸112と、ねじ軸112と螺合し、滲み取りローラ94を支持する支持ブロック109aに固定されたナット113とからなっている。
【0053】
滲み取りローラ94を支持する支持ブロック109aと、補助可動ローラ95を支持する支持ブロック109bとは、マグネット114a,114bを介して連結されている。この例では、互いに磁気的引力を及ぼすマグネット114a,114bが滲み取りローラ94を支持する支持ブロック109aと、補助可動ローラ95を支持する支持ブロック109bとに、互いに対向するように固定され、通常は両支持ブロック109a,109bはマグネット114a,114bを介して連結され、補助可動ローラ95が固定された際には、ボールねじ107の回転駆動によって両支持ブロック109a,109bが離反可能なように、所定の磁気的引力を及ぼすマグネットが選定される。
【0054】
なお、補助可動ローラ95を支持する各支持ブロック109bの所定の部位には、制止用のノッチピン115が挿入されるピン挿入孔109pが形成されている。
また、パルスモータ108は、パルス信号が供給されることによって、一定の角度だけ回転し、パルス数に応じた角度回転する。
【0055】
ローラ昇降部105は、図12及び図13に示すように、案内レール111,111を鉛直方向に沿って移動可能なように支持する支持枠116と、支持枠116を昇降させるためのシリンダアクチュエータ117と、シリンダアクチュエータ117を固定する固定台とを有している。シリンダアクチュエータ117は、エアシリンダ118と、上昇用及び下降用のエアを導入するための電磁弁119,121とを有している。
【0056】
補助可動ローラ固定部103は、図10及び図12に示すように、補助可動ローラ95がスクリーン版71の前端部に配置され、粘着性シート92がスクリーン版71の下方に張り出された状態で、補助可動ローラ95を鉛直方向に沿った変位を許容した状態で固定するために設けられ、ピン挿入孔109pに挿入される一対のノッチピン115と、所定の位置に配置され、先端部にノッチピン115が固定されたシリンダアクチュエータからなるピン挿抜部122とを有している。ピン挿抜部122は、エアシリンダ123と、上昇用及び下降用のエアを導入するための電磁弁124,125とを有している。
【0057】
コントローラ73は、CPU(中央処理装置)等を有してなる主制御部127と、主制御部127が実行する処理プログラムや各種データ等を記憶するための記憶部128と、操作スイッチ等からなる操作部129と、表示部131と、各モータを制御駆動するためのモータ駆動部132と、各シリンダアクチュエータを構成する電磁弁を制御する電磁弁制御部133と、例えば、裏拭きの動作中にスキージ下降指示でクリーニング回数を1回分計数するカウンタ回路(不図示)とを備えたコンピュータ等の情報処理装置によって構成されている。
主制御部127は、記憶部128に記憶された各種処理プログラムを実行し、記憶部128に確保された各種レジスタやフラグを用いて、構成各部を制御し、印刷処理やクリーニング処理等を実行する。
【0058】
主制御部127は、印刷処理では、印刷ステージ上に吸着固定されたガラス基板上にスクリーン版71が配置された状態で、ヘッド移動部75を駆動させて、印刷ヘッド74を印刷開始位置まで移動させ、印刷ペーストを供給させながら、印刷ヘッド74を移動させて、スキージ76aの先端で、印刷ペーストをスクリーン版71の開口部から被印刷物としてのガラス基板に供給させ、スキージ76aが、印刷開始位置から印刷終了位置まで並行移動した後、スクレーパを移動させて印刷用ペーストを印刷開始位置まで逆向きに掻き戻し、再びスキージ76aによる印刷用ペーストが開始され、所定回数繰り返す。こうして、ガラス基板上に所定のパターンの印刷ペースト層が形成される。
【0059】
上記クリーニング処理は、スキージ・ローラ駆動制御処理や、制動トルク制御処理、補助可動ローラ固定制御処理、巻取り制御処理等を含んでいる。
また、制動トルク制御処理は、引出方向切換制御処理と、制動トルク切換制御処理とを含んでいる。ここで、制動トルク切換制御処理は、トルク切換可否判定処理を含んでいる。
【0060】
主制御部127は、スキージ・ローラ駆動制御処理では、所定のクリーニング開始操作によって、モータ駆動部132を介してローラ駆動部102のローラ直進部104を制御して、滲み取りローラ94が待機位置から引出方向切替位置を経て、前進端位置まで前進させて、粘着性シート91スクリーン版71の下方に張り出されるように、滲み取りローラ94及び補助可動ローラ95を移動させる。
すなわち、主制御部127は、予め設定した所定の前進距離に対応するパルス数のパルスがパルスモータ108に供給されるように制御する。
【0061】
主制御部127は、スキージ・ローラ駆動制御処理では、滲み取りローラ94が前進端位置に達すると、ローラ駆動部102のローラ直進部104を制御して、滲み取りローラ94を停止させ、電磁弁制御部133を介して、ローラ駆動部102のローラ昇降部105を制御して、滲み取りローラ94を上昇させて、粘着性シート91を下方からスクリーン版71に圧接すると共に、モータ駆動部132及び電磁弁制御部133を介して、ストローク部77を制御して、スキージ76を下降させて、上方からスクリーン版71を圧接して、スクリーン版71及び粘着性シート91をスキージ76と滲み取りローラ94とによって、挟み込むようにする。
【0062】
主制御部127は、スキージ・ローラ駆動制御処理では、スクリーン版71及び粘着性シート91をスキージ76と滲み取りローラ94とによって、挟み込んだ後、モータ駆動部132及び電磁弁制御部133を介して、ローラ直進部104及びヘッド移動部75を制御して、滲み取りローラ94とスキージ76とを同期させて、スクリーン版71の後端部に相当した後退端に達するまで移動させる。
【0063】
主制御部127は、スキージ・ローラ駆動制御処理では、滲み取りローラ94及びスキージ76が後退端に達すると、ストローク部77を制御してスキージ76を上昇させると共に、ローラ直進部104を制御して、滲み取りローラ94を再び前進端まで移動させ、滲み取りローラ94が前進端に達すると、ローラ直進部104を制御して滲み取りローラ94を停止させ、かつ、ローラ昇降部105を制御して、滲み取りローラ94を降下させる。
主制御部127は、スキージ・ローラ駆動制御処理では、滲み取りローラ94と補助ローラ95を連結させた後、ローラ直進部104を制御して、滲み取りローラ94及び補助ローラ95を後退させて、待機位置(原点位置)まで戻すようにする。
【0064】
主制御部127は、制動トルク制御処理では、クリーニング処理を実行しないとき(例えば、印刷処理実行中)は、繰出しトルクユニット97及び巻取りトルクユニット98を制御して、繰出しロール92及び巻取りロール93からの粘着性シート91の引出し(及び巻取り)を不可とするための制止トルク(最大トルク)が与えられるようにする。
主制御部127は、制動トルク制御処理では、所定のクリーニング開始操作によって、又は自動的に、繰出しトルクユニット97を制御して、繰出しロール92がシート引出方向(図9中矢印Raの向き)に回転可能となるように、繰出しロール92に所定の大きさの制動トルク(粘着性シート91を引き出そうとして繰出軸部を回転させるように働く引出トルクに抗して働くトルク)をかけさせると共に、巻取りトルクユニット98を制御して、巻取りロール93の回転を制止するように、巻取りロール93に制止トルクをかけさせ、上記制動トルク及び制止トルクを、滲み取りローラ94(補助可動ローラ95)が、引出方向切替位置に達するまで維持させる。
【0065】
主制御部127は、制動トルク制御処理では、滲み取りローラ94(補助可動ローラ95)が引出方向切換位置に達すると、繰出しトルクユニット97を制御して、繰出しロール92の回転を制止させるように、繰出しロール92に制止トルクをかけさせると共に、巻取りトルクユニット98を制御して、巻取りロール93がシート引出方向(図9中矢印Rbの向き)に回転可能となるように、巻取りロール93に所定の大きさの制動トルク(粘着性シート91を引き出そうとして巻取軸部を回転させるように働く引出トルクに抗して働くトルク)をかけさせ、上記制止トルク及び制動トルクを、滲み取りローラ94 (補助可動ローラ95)が、前進端位置に達するまで維持させる。
【0066】
主制御部127は、制動トルク制御処理では、滲み取りローラ94(補助可動ローラ95)が前進端位置に達すると、巻取りトルクユニット98を制御して、巻取りロール93の回転を制止させるように、巻取りロール93に制止トルクをかけさせ、上記制止トルクを、粘着性シート91の巻取開始時まで維持させる。また、主制御部127は、繰出しロール92の回転を制止させるように、繰出しロール92に制止トルクをかけさせたままとする。
主制御部127は、制動トルク制御処理では、粘着性シート91の巻取開始時に、巻取りトルクユニット98を制御して、巻取りロール93にかけた制止トルクを解除させる。
【0067】
主制御部127は、制動トルク切換制御処理では、繰出しトルクユニット97が繰出軸部に与える制動トルクの大きさ及び巻取りトルクユニット98が巻取軸部に与える制動トルクの大きさが、それぞれ、繰出しロール及び巻取りロール全体の慣性モーメントに応じて(例えば、巻径や質量に応じて)、さらに、粘着性シート91の粘着力等に応じて、段階的に変更されるように、繰出しトルクユニット97を巻取りトルクユニット98を制御する。
この例では、主制御部127は、繰出しトルクユニット97を、繰出しロール92の巻径が小さくなるにつれて、制動トルクが、例えば、略2[Nm]から略1[Nm]へ段階的に切り換るように制御し、巻取りトルクユニット98を、巻取りロール93の巻径が大きくなるにつれて、制動トルクが、例えば、略1[Nm]から略2[Nm]へ段階的に切り換るように制御する。
【0068】
主制御部127は、トルク切換可否判定処理では、クリーニング回数積算値に基づいて、繰出しトルクユニット97及び巻取りトルクユニット98の制動トルク切換の可否判定を行う。
主制御部127は、記憶部128に記憶されたクリーニング回数積算値が、予め設定された閾値以上となったと判断すると、例えば、繰出ロール92(巻取ロール93)の巻径が許容範囲を越えて小さくなったものと見なし、繰出しトルクユニット97(巻取りトルクユニット98)によって繰出ロール92(巻取ロール93)に与えられる制動トルクを、次の段階の大きさに切り下げるように制御し、クリーニング回数積算値が、予め設定された閾値を越えないと判断すると、前回の設定値を継続して用いる。
なお、この例では、クリーニング処理中は、繰出しロールや巻取りロールの巻径が所定の巻径に達しても、制動トルクが切り換わらずに、クリーニング処理完了後に切り換わるように制御される。
【0069】
主制御部127は、補助可動ローラ固定制御処理では、滲み取りローラ94が前進端位置に達して停止すると、電磁弁制御部133を介して、補助可動ローラ固定部103を制御して、滲み取りローラ94に連結された補助可動ローラ95を支持する支持ブロック109bのピン挿入孔109pにノッチピン115を挿入させて、補助可動ローラ95を固定させる。また、主制御部127は、滲み取りローラ94が再び前進端位置に戻って、補助可動ローラ95に連結すると、補助可動ローラ固定部103を制御して、ピン挿入孔109pからノッチピン115を抜かせて、補助可動ローラ95の固定状態を解除する。
【0070】
主制御部127は、巻取り制御処理では、滲み取りローラ94と補助可動ローラ95とが前進端位置で、再び連結された後、モータ駆動部132を介して巻取りモータ101を制御して、制止トルクが解除されて自由に回転可能なようにされた巻取りロール93を、巻取方向に沿って回転させて、粘着性シート91を巻取ロール93に巻き取らせると共に、粘着性シート91をスクリーン版71から剥離させる。
【0071】
記憶部128は、内部記憶装置と、外部記憶装置とからなり、主制御部127が実行する印刷処理プログラムやクリーニング処理プログラム等の各種処理プログラム等が記憶されたプログラム記憶領域と、設定情報等の各種情報が記憶された情報記憶領域とを有している。
クリーニング処理プログラムは、スキージ・ローラ駆動制御処理プログラム、制動トルク制御処理プログラムや、補助可動ローラ固定制御処理プログラム、巻取り制御処理プログラム等を含んでいる。
また、設定情報としては、各制動トルクに対応した切換時のクリーニング回数閾値や、繰出しロール92の繰出軸部及び巻取りロール93の巻取軸部にかけられる各制動トルク、待機位置から引出方向切換位置までの距離に対応したパルスモータに対する供給パルス数等を含んでいる。また、情報記憶領域には、クリーニング回数の積算値が常に更新された状態で記憶されている。
【0072】
内部記憶装置は、ROMやRAM等の半導体メモリからなる。外部記憶装置は、FD(フレキシブル・ディスク)が装着されるFDドライバ、HD(ハード・ディスク)が装着されるHDドライバ、MO(光磁気)ディスクが装着されるMOディスクドライバ、あるいはCD(コンパクト・ディスク)−ROM、CD−R(Recordable)、CD−RW(ReWritable)やDVD(デジタル・ビデオ・ディスク)−ROM、DVD−R、DVD−RW等が装着されるCD/DVDドライバ等からなる。
操作部129は、操作スイッチ等からなる。表示部131は、プラズマディスプレイ、あるいは液晶ディスプレイなどからなる。
【0073】
次に、図12及び図13を用いて、この例のスクリーン印刷装置68を用いた成膜方法について述べる。
主制御部127は、クリーニング処理を実行しないとき(例えば、印刷処理実行中)は、滲み取りローラ94や補助可動ローラ95を、スクリーン版71の後方の退避位置(待機位置)に配置し、かつ、繰出しトルクユニット97及び巻取りトルクユニット98を制御して、繰出しロール92及び巻取りロール93の回転を制止させる。
すなわち、繰出しトルクユニット97及び巻取りトルクユニット98によって、繰出しロール92及び巻取りロール93からの粘着性シート91の引出し(及び巻取り)を不可とするための所定の大きさ以上の制止トルク(最大トルク)を与えられる。なお、このとき、スキージ76を含む印刷ヘッド74は、スクリーン版71の後端部の上方に配置される。
【0074】
主制御部127は、印刷処理後、次の印刷処理を実行する前に、必要に応じてクリーニング処理を実行する。
例えば、スクリーン印刷装置を起動し、印刷処理実行前に、所定のクリーニング開始操作が行われると、主制御部127は、クリーニング回数積算値に基づいて、繰出しトルクユニット97及び巻取りトルクユニット98の制動トルク切換の可否判定を行う。
主制御部127は、記憶部128に記憶されたクリーニング回数積算値が、予め設定された閾値以上となったと判断すると、例えば、繰出ロール92(巻取ロール93)の巻径が小さくなったと見なし、繰出しトルクユニット97(巻取りトルクユニット98)によって繰出ロール92(巻取ロール93)に与えられる制動トルクを、次の段階の大きさに切り下げるように制御し、裏拭き回数積算値が、予め設定された閾値を越えないと判断すると、前回の設定値を継続して用いる。
【0075】
ここで、繰出しトルクユニット97は、繰出しロール92の巻径が小さくなるにつれて、制動トルクが、例えば、略2[Nm]から略1[Nm]へ段階的に切り換るように、主制御部127によって制御される。
また、巻取りトルクユニット98は、巻取りロール93の巻径が大きくなるにつれて、制動トルクが、例えば、略1[Nm]から略2[Nm]へ段階的に切り換るように、主制御部127によって制御される。
なお、クリーニング処理中は、繰出しロールや巻取りロールの巻径が所定の巻径に達しても、制動トルクが切り換わらずに、クリーニング処理完了後に切り換わるように制御される。なお、繰出しロールや巻取りロールの巻径を計測することに代えて、カウンタ回路によってクリーニング回数(裏拭き回数)を計数してその積算値を用いる。
【0076】
次に、主制御部127は、繰出しトルクユニット97を制御して、繰出しロール92がシート引出方向(図9中矢印Raの向き)に回転可能となるように、繰出しロール92に所定の大きさの制動トルクをかけさせると共に、巻取りトルクユニット98を制御して、巻取りロール93の回転を制止させるように、巻取りロール93に制止トルクをかけさせる。
同時に、主制御部127は、上記制動トルク及び制止トルクを維持させた状態で、モータ駆動部132を介してローラ駆動部102のローラ直進部104を制御して、滲み取りローラ94が待機位置から引出方向切替位置まで前進するように、滲み取りローラ94及び補助可動ローラ95を移動させる。
【0077】
すなわち、主制御部127は、予め設定した所定の前進距離に対応するパルス数のパルスがパルスモータ108に供給されるように制御する。
この滲み取りローラ94及び補助可動ローラ95の前進によって、繰出しロール92がシート引出方向に回転し、未使用の粘着性シート91が、スクリーン版71の下方に繰り出されていく。
【0078】
ここで、上記制動トルクは、繰出しロール92全体の慣性モーメントに対応付けて(例えば、巻径や質量に対応付けて)、さらに、粘着性シート91の粘着力等に対応付けて適切に設定されているために、粘着性シート91の張り出しは、均一に(張り過ぎず、かつ、弛み過ぎないように)行われる。上述したように、この例では、主制御部127が、クリーニング回数積算値に基づいて、制動トルクの切換を行っている。
なお、主制御部127は、電磁弁制御部133を介して、ヘッド移動部75を制御して、スキージ76を含む印刷ヘッド74をスクリーン版71の前端部へ向けて、スクリーン版71の上方を、滲み取りローラ94及び補助可動ローラ95と共に移動させる。
【0079】
次に、主制御部127は、滲み取りローラ94が引出方向切替位置に達すると、繰出しトルクユニット97を制御して、繰出しロール92の回転を制止させるように、繰出しロール92に制止トルクをかけさせると共に、巻取りトルクユニット98を制御して、巻取りロール93がシート引出方向(図9中矢印Rbの向き)に回転可能となるように、巻取りロール93に所定の大きさの制動トルクをかけさせる。
【0080】
この滲み取りローラ94及び補助可動ローラ95の前進によって、巻取りロール93がシート引出方向に回転し、使用済の粘着性シート91が、スクリーン版71の下方に繰り出される。
ここで、上記制動トルクは、繰出しロール92の場合と同様に、巻取りロール93の全体の慣性モーメントに対応付けて(例えば、巻径や質量に対応付けて)、さらに、粘着性シート91の粘着力等に対応付けて適切に設定されているために、粘着性シート91の張り出しは、均一に(張り過ぎず、かつ、弛み過ぎないように)行われる。上述したように、この例では、主制御部127が、クリーニング回数積算値に基づいて、制動トルクの切換を行っている。
【0081】
同時に、主制御部127は、モータ駆動部132を介してローラ駆動部102のローラ直進部104を制御して、滲み取りローラ94が引出方向切替位置から前進端位置まで前進するように、滲み取りローラ94及び補助可動ローラ95を移動させる。
すなわち、主制御部127は、予め設定した所定の前進距離に対応するパルス数のパルスがパルスモータ108に供給されるように制御する。
【0082】
次に、主制御部127は、滲み取りローラ94が前進端位置に達すると、巻取りトルクユニット98を制御して、巻取りロール93の回転を制止させるように、巻取りロール93に制止トルクをかけさせる。また、主制御部127は、繰出しロール92の回転を制止させるように、繰出しロール92に制止トルクをかけさせたままとする。
同時に、主制御部127は、滲み取りローラ94が前進端位置に達すると、モータ駆動部132を介してローラ駆動部102のローラ直進部104を制御して、滲み取りローラ94を停止させ、かつ、電磁弁制御部133を介して、補助可動ローラ固定部103を制御して、滲み取りローラ94に連結された補助可動ローラ95を支持する支持ブロック109bのピン挿入孔109pにノッチピン115を挿入させて、補助可動ローラ95を固定させる。
【0083】
次に、主制御部127は、電磁弁制御部133を介して、ローラ駆動部102のローラ昇降部105を制御して、滲み取りローラ94を上昇させて、粘着性シート91を下方からスクリーン版71に圧接すると共に、モータ駆動部132及び電磁弁制御部133を介して、ストローク部77を制御して、スキージ76を下降させて、上方からスクリーン版71を圧接して、スクリーン版71及び粘着性シート91をスキージ76と滲み取りローラ94とによって、挟み込むようにする。
【0084】
次に、主制御部127は、モータ駆動部132及び電磁弁制御部133を介して、ローラ直進部104及びヘッド移動部75を制御して、滲み取りローラ94とスキージ76とを同期させて、スクリーン版71の後端部に相当した後退端に達するまで移動させる。
なお、主制御部127は、繰出しロール92及び巻取りロール93の回転を制止させるように、繰出しロール92及び巻取りロール93に制止トルクをかけさせたままとする。
これによって、粘着性シート91がスクリーン版71の裏面に密着する。
【0085】
次に、主制御部127は、滲み取りローラ94及びスキージ76に後退端に達すると、ローラ直進部104を制御して、滲み取りローラ94を停止させ、ストローク部77を制御してスキージ76を上昇させると共に、ローラ直進部104を制御して、滲み取りローラ94を再び前進端まで移動させる。
次に、主制御部127は、滲み取りローラ94が前進端に達すると、ローラ直進部104を制御して滲み取りローラ94を停止させ、かつ、ローラ昇降部105を制御して、滲み取りローラ94を降下させる。
【0086】
同時に、主制御部127は、補助可動ローラ固定部103を制御して、ピン挿入孔109pからノッチピン115を抜かせて、補助可動ローラ95の固定状態を解除し、巻取りトルクユニット98を制御して、巻取りロール93にかけさせた制止トルクを解除させて、自由に回転可能なようにし、かつ、巻取モータ101を巻取方向に(図9中矢印Rbに対して反対向きに)回転させて、粘着性シート91を巻取ロール93に巻き取らせると共に、粘着性シート91をスクリーン版71から剥離させる。
【0087】
次に、主制御部127は、巻取モータ101による粘着性シート91の巻取りと同期するように、欠いてローラ直進部104を制御して、再び連結された滲み取りローラ94及び補助ローラ95を後退させて、待機位置(原点位置)まで戻す。
主制御部127は、上記カウンタ回路によって計数されたクリーニング回数(積算値)を用いて、トルク切換可否判定を行う。このクリーニング回数は、新品の繰出しロールに交換した際にリセットされる。この例では、繰出しロールや巻取りロールの巻径を計測することに代えて、クリーニング回数を計数して、トルク切換可否判定のために用いられる。
これによって、残留ペーストが転写された粘着性シート91がスクリーン版71から剥離されて巻取ロール93に巻き取られる。
【0088】
次に、クリーニング処理が完了すると、印刷処理を実行する。
ガラス基板を印刷ステージ上に吸着固定し、ガラス基板上にスクリーン版71を配置する。この後、主制御部127は、ヘッド移動部75を駆動させて、印刷ヘッド74を印刷開始位置まで移動させる。
次に、印刷ペーストを供給させながら、主制御部127は、印刷ヘッド74を移動させて、スキージ76aの先端で、印刷ペーストをスクリーン版71の開口部から被印刷物としてのガラス基板に供給させ、ガラス基板上に、所定のパターンで成膜を行う。
【0089】
スキージ76aが、印刷開始位置から印刷終了位置まで並行移動した後、主制御部127は、スクレーパを移動させて印刷用ペーストを印刷開始位置まで逆向きに掻き戻し、再びスキージ76aによる印刷用ペーストが開始され、所定回数繰り返される。こうして、ガラス基板上に所定のパターンのガラスペースト層が形成される。
また、所定の厚さのガラスペースト層の形成においては、印刷用ペーストを塗布する毎に、乾燥工程を実施する。すなわち、印刷と乾燥とを交互に繰り返して実施する。
【0090】
次に、図7及び図8を参照して、この例のプラズマディスプレイパネルの製造方法について説明する。
このプラズマディスプレイパネルの製造方法では、図7に示すように、前面基板52を製造するために、前面ガラス基板55の内面に水平方向Hに沿って平行に透明電極56a,57aを、例えばスパッタ法等によって形成する(ステップSA11(図8))。
次に、抵抗値を小さくするためのバス電極56b,57bを水平方向に沿って透明電極56a,57aの上に(図7においては下面側に)、上述したスクリーン印刷装置68を用いて、スクリーン印刷法によって形成する(ステップSA12)。
【0091】
まず、必要に応じてクリーニング処理を実行する。
主制御部127は、計数されたクリーニング回数積算値に基づいて、繰出しトルクユニット97及び巻取りトルクユニット98の制動トルク切換の可否判定を行い、例えば、繰出ロール92(巻取ロール93)の巻径が小さくなったと見なされる場合は、制動トルクを切り下げるように制御し、粘着性シート91が引き出される繰出しロール92(巻取りロール93)に所定の制動トルクを与えるようにして、スクリーン版71の下方に粘着性シート91を張り出させる。
【0092】
この後、主制御部127は、スクリーン版71及び粘着性シート91を、スキージ76aと滲み取りローラ74とによって挟み込んで、両側から圧接した状態で、スキージ76aと滲み取りローラ74とを同期させて、前進端位置から後退端位置まで移動させ、スクリーン版71の裏面に粘着性シート91を密着させて、スクリーン版71の裏面の残留ペーストを粘着性シート91に転写させる。
【0093】
次に、ガラス基板として、透明電極56a,57aが形成された前面ガラス基板55を、印刷ステージ上に吸着固定し、前面ガラス基板55上に所定のパターンが形成されたスクリーン71を配置する。この後、主制御部127は、ヘッド移動部75を駆動させて、印刷ヘッド74を印刷開始位置まで移動させる。
次に、印刷ペーストとして、導電性ペーストを供給しながら、主制御部127は、印刷ヘッド74を移動させて、スキージ76aの先端で、印刷ペーストをスクリーン71の開口部から前面ガラス基板55に供給させ、前面ガラス基板55の透明電極56a,57a上に、所定のパターンで成膜を行う。
ここで、例えば、電極材料として銀を選択する場合は、銀粉体とガラスフリットと有機バインダとからなる銀ペーストを導電性ペーストとして、スクリーン印刷によってパターニングする。
【0094】
スキージ76aが、印刷開始位置から印刷終了位置まで並行移動した後、主制御部127は、スクレーパを移動させて印刷用ペーストを印刷開始位置まで逆向きに掻き戻す。この工程では、銀ペーストの印刷を、例えば、1回とする。
こうして、前面ガラス基板55の透明電極56a,57a上に、所定のパターンで銀ペースト層が成膜される。
この後、銀ペーストを焼成処理して、有機バインダの焼失とガラスフリットの軟化を行い、バス電極パターンを前面ガラス基板55に固着させてバス電極56b,57bを形成する。
これによって、透明電極56a,57a及びバス電極56b,57bとから走査電極56及び維持電極57が形成される。
【0095】
次に、走査電極56及び維持電極57を被覆する透明誘電体層58を、スクリーン印刷装置68を用いて、スクリーン印刷法によって形成する(ステップSA13)。
必要に応じてクリーニング処理を実行した後、印刷処理を実行する。この印刷処理では、印刷ペーストとして、絶縁性ペーストを供給しながら、印刷ヘッド76aを移動させて、前面ガラス基板55の走査電極56及び維持電極57上に、成膜を行う。
【0096】
ここで、ガラスフリットと有機バインダとからなるガラスペーストを絶縁性ペーストとして、スクリーン印刷によってガラスペースト層を形成する。
この工程では、スキージ76aによる印刷用ペーストが開始され、所定回数繰り返され、前面ガラス基板55の走査電極56及び維持電極57上に、所定の膜厚のガラスペースト層を形成する。この後、ガラスペーストを焼成処理して、有機バインダの焼失とガラスフリットの軟化を行い、透明誘電体を前面ガラス基板55に固着させて透明誘電体層58を形成する。
【0097】
次に、透明誘電体層58上に、遮光層61、カラーフィルタ層59r,59g,59bを、それぞれ、専用のスクリーン印刷装置68を用いて、スクリーン印刷法によって形成する(ステップSA14)。
それぞれ、必要に応じてクリーニング処理を実行した後、印刷処理を実行する。
次に、遮光層61、カラーフィルタ層59r,59g,59bを覆うように、透明誘電体層58を、スクリーン印刷装置68を用いて、スクリーン印刷法によって形成し(ステップSA15)、遮光層61、カラーフィルタ層59r,59g,59bを透明誘電体層58,58によって挟み込むようにする。
次に、透明誘電体層58を放電から保護するための保護膜62を、例えば、真空蒸着法やイオンプレーティング法等を用いて形成する(ステップSA16)。こうして、前面基板52が完成する。
【0098】
一方、図7に示すように、背面基板53を製造するために、背面ガラス基板63の上面に垂直方向に沿って平行にアドレス電極64を、スクリーン印刷法によって形成する(ステップSB11(図8))。
この工程でも、必要に応じてクリーニング処理を実行した後、印刷処理を実行する。印刷処理では、例えば、電極材料として銀を選択する場合は、銀粉体とガラスフリットと有機バインダとからなる銀ペーストを導電性ペーストとして、スクリーン印刷によってパターニングする。この工程では、銀ペーストの印刷を、例えば、1回とする。
こうして、背面ガラス基板63上に、所定のパターンで銀ペースト層が成膜される。
この後、銀ペーストを焼成処理して、有機バインダの焼失とガラスフリットの軟化を行い、アドレス電極パターンを背面ガラス基板63に固着させてアドレス電極64を形成する。
【0099】
次に、背面ガラス基板63上に、電荷の移動を制限し、誤灯を防止するために、放電セルを画成するストライプ状の隔壁65を、スクリーン印刷法によって形成する(ステップSB12)。
この工程でも、必要に応じてクリーニング処理を実行した後、印刷処理を実行する。印刷処理では、ガラスフリットと有機バインダとからなるガラスペーストを絶縁性ペーストとして、スクリーン印刷によってガラスペースト層を形成する。
この工程でも、印刷処理を所定回数繰り返し、所定の膜厚のガラスペースト層を形成する。
この後、ガラスペーストを焼成処理して、有機バインダの焼失とガラスフリットの軟化を行い、隔壁65を形成する。
【0100】
次に、隔壁65,65間に、赤色蛍光体層66r、緑色蛍光体層66g、青色蛍光体層66bを、それぞれ、専用のスクリーン印刷装置68を用いて、スクリーン印刷法によって形成する(ステップSB13)。
この工程でも、必要に応じてクリーニング処理を実行した後、印刷処理を実行する。印刷処理では、各色の蛍光体層の形成のために、蛍光体と有機バインダとからなる蛍光体ペーストを、印刷ペーストとして供給して、印刷処理を所定回数繰り返し、所定の膜厚の蛍光体ペースト層を形成する。
この後、蛍光体ペーストを焼成処理して、有機バインダの焼失を行い、赤色蛍光体層66r、緑色蛍光体層66g、青色蛍光体層66bを形成する。
【0101】
次に、背面ガラス基板63の周縁部に、ディスペンス法によってシール(封止)層を形成し、これを焼成して、背面基板53を完成させる(ステップSB14)。
次に、前面基板52と背面基板53とを100μm程度のギャップを隔てて互いに対向させた状態で、電極対の延長方向(行方向)とアドレス電極64の延長方向(列方向)とが互いに直交するように、かつ、両基板間に放電ガス空間が形成されるように、貼り合わせて配置し(ステップSC17(図8))、その周縁部を、例えば、フリットガラスからなる封止剤によって気密封着する(ステップSC18)。
すなわち、背面基板53の周縁部に封止剤を塗布した後、前面基板52と背面基板53とを貼り合わせた状態で焼成処理を施し、フリットガラスを溶かして、前面基板52と背面基板53合してパネル状とする。ここで、隔壁65によって放電セルが画成されている。
【0102】
次に、こうして封着が完了したパネル状の前面基板52及び背面基板53を加熱炉内に導入するとともに、通気管を介して、前面基板52と背面基板53との間に形成された放電ガス空間と接続して、放電ガス空間内の排気を行いながら、真空加熱を行い、放電ガス空間に例えばHe(ヘリウム)やNe(ネオン)、Xe(キセノン)を含む混合希ガスからなる放電ガスを所定の圧力で導入して充填した後、通気管を過熱によってチップオンし、開口端部を閉塞する(ステップSC19)。このようにして、放電ガス空間内に放電ガスが充填される。
次に、放電セル内で放電を発生させて、一定時間継続させることで、放電を安定化させる(ステップSC20)。
このようにして、放電ガス空間内に放電ガスが充填されて、プラズマディスプレイパネル51が完成する。
【0103】
このように、この例の構成によれば、主制御部127は、スクリーン版71の下方に、粘着性シート91を張り出す際に、滲み取りローラ94(補助可動ローラ95)が、引出方向切替位置に達するまでは、繰出しトルクユニット97を制御して、繰出しロール92がシート引出方向に回転可能となるように、繰出しロール92に所定の大きさの制動トルクをかけさせると共に、巻取りトルクユニット98を制御して、巻取りロール93の回転を制止するように、巻取りロール93に制止トルクをかけさせ、滲み取りローラ94(補助可動ローラ95)が引出方向切換位置に達すると、繰出しトルクユニット97を制御して、繰出しロール92の回転を制止させるように、繰出しロール92に制止トルクをかけさせると共に、巻取りトルクユニット98を制御して、巻取りロール93がシート引出方向に回転可能となるように、巻取りロール93に所定の大きさの制動トルクをかけさせ、繰出しトルクユニット97が繰出軸部に与える制動トルクの大きさ及び巻取りトルクユニット98が巻取軸部に与える制動トルクの大きさが、それぞれ、繰出しロール及び巻取りロールの巻径や、質量、粘着性シート91の粘着力等に応じて、段階的に変更されるように、繰出しトルクユニット97を巻取りトルクユニット98を制御するので、粘着性シート91の引出し中(張出し中)に、粘着性シート91の張り状態を、適切にかつ一定に保持することができ、粘着性シート91の弛みや張過ぎ確実に防止することができ、粘着性シート91の剥がれを確実に防止し、スクリーン版71の裏面の残留ペーストを確実に除去することができる。
すなわち、粘着性シート91の張過ぎによる伸びしわや、弛みによる跳上りを防止することができる。したがって、印刷不良を防止することができ、歩留まりを向上させることができる。
【0104】
また、主制御部127は、カウンタ回路が1回のクリーニング毎に計数し、記憶部128に記憶されたクリーニング回数積算値が、予め設定された閾値以上となったと判断すると、例えば、繰出ロール92(巻取ロール93)の巻径が許容範囲を越えて小さくなったものと見なし、繰出しトルクユニット97(巻取りトルクユニット98)によって繰出ロール92(巻取ロール93)に与えられる制動トルクを、次の段階の大きさに切り下げる(切り上げる)ように制御し、クリーニング回数積算値が、予め設定された閾値を越えないと判断すると、前回の設定値を継続して用いるので、制動トルクの大きさの変更は、センサ等を設けることなく、簡易な構成で実施することができ、コストを抑えることができる。
【実施例2】
【0105】
この例のスクリーン印刷装置の構成が上述した第1の実施例のそれと大きく異なるところは、滲み取りローラが前進端位置から所定の距離手前に達したタイミングで、巻取りローラの回転を制動するように構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第1の実施例の構成と略同一であるので、対応する構成各部には、第1の実施例で、例えば、図9及び図10で用いた符号と同一の符号を付し、その説明を簡略にする。
【0106】
この例のスクリーン印刷装置のコントローラの主制御部127は、制動トルク制御処理で、滲み取りローラ94及び補助ローラ95が、待機位置から、予め設定した所定の距離だけ前進して、引出方向切換位置に達したら、繰出しトルクユニット97を制御して、繰出しロール92に制止トルクをかけさせて停止させると共に、巻取りトルクユニット98を制御して、巻取りロール93は所定の制動トルクをかけて引出方向に回転可能とし、滲み取りローラ94及び補助可動ローラ95が、引出方向切替位置から、さらに、予め設定した所定の距離だけ前進して、制動開始位置に達したら、巻取りトルクユニット98を制御して、巻取りロール95に制止トルクをかけて停止させて、繰出しロール92に加えて巻取りロール93からの粘着性シート91の引出しも停止させる。
【0107】
すなわち、主制御部127は、巻取ロール92から粘着性シート91を引き出す際に、巻取ロール92の回転運動を持続させようとする慣性によって生じる粘着性シート91の緩みを予め見込んで、滲み取りローラ94及び補助ローラ95が予め設定したパルスモータ108のパルス数に対応した所定の距離だけ前進して、前進端位置よりも所定の距離手前の位置(制動開始位置)に達したタイミングで巻取ロール93を停止させるように制御する。
この例では、この前進端位置と制動開始位置との距離も、巻取ロール93の巻径や、質量、粘着性シート91の粘着力等に応じて、段階的に切り換るように制御する。
主制御部127は、前進端位置と制動開始位置との距離に対応するパルスモータ108に供給するパルス数によって、巻取ロール93の制動開始のタイミングを計っている。
【0108】
このように、この例の構成によれば、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
加えて、主制御部127が繰出しトルクユニット97及び巻取りトルクユニット98を制御して、粘着性シート91の引出し中(張出し中)の弛みを抑えると共に、巻取ロール92からの粘着性シート91の引出し完了直前(巻取ロール92の回転停止直前)に、巻取ロール92の回転運動を持続させようとする慣性によって生じる粘着性シート91の緩みを予め見込んで、滲み取りローラ94(補助可動ローラ95)が、前進端位置よりも所定の距離手前の制動開始位置に達したタイミングで制動し巻取ロール93を停止させるように制御するので、粘着性シート91の弛みを一段と確実に抑えることができる。
【実施例3】
【0109】
図16は、この発明の実施形態における第3の実施例であるプラズマ表示装置の製造方法によって製造されたプラズマ表示装置の構成を示すブロック図である。
この例のプラズマ表示装置143は、図16に示すように、モジュール構造を有するものとして設計されており、具体的には、アナログインタフェース(以下、IFという)144とPDPモジュール145とから構成されている。
【0110】
アナログIF144は、同図に示すように、クロマ・デコーダを有するY/C分離回路146と、A/D変換回路147と、PLL回路を有する同期信号制御回路148と、画像フォーマット変換回路149と、逆γ(ガンマ)変換回路151と、システムコントロール回路152と、PLE制御回路153とから構成されている。
概略的には、アナログIF144は、受信したアナログ映像信号をデジタル映像信号に変換した後、このデジタル映像信号をPDPモジュール145に供給する。例えば、テレビチューナから発信されたアナログ映像信号は、Y/C分離回路146において、RGBの各色の輝度信号に分解された後、A/D変換回路147において、デジタル映像信号に変換される。
【0111】
この後、PDPモジュール145の画素構成と映像信号の画素構成とが異なる場合には、画像フォーマット変換回路149において、必要な画像フォーマットの変換が行われる。PDPの入力信号に対する表示輝度の特性は線形的に比例するが、通常の映像信号は、CRTの特性に合わせて、予め補正されている(γ変換されている)。
このため、A/D変換回路147において、映像信号のA/D変換を行った後、逆γ変換回路151において、映像信号に対して逆γ変換を施し、線形特性に復元されたデジタル映像信号を生成する。このデジタル映像信号は、RGB映像信号としてPDPモジュール145に出力される。
【0112】
アナログ映像信号には、A/D変換用のサンプリングクロック及びデータクロック信号が含まれていないため、同期信号制御回路148に内蔵されているPLL回路がアナログ映像信号と同時に供給される水平同期信号を基準として、サンプリングクロック及びデータクロック信号を生成し、PDPモジュール145に出力する。
アナログIF144のPLE制御回路153は輝度制御を行う。具体的には、平均輝度レベルが所定値以下である場合には、表示輝度を上昇させ、平均輝度レベルが所定値を超える場合には、表示輝度を低下させる。
【0113】
システムコントロール回路152は、各種制御信号をPDPモジュール145に出力する。PDPモジュール145は、さらに、デジタル信号処理・制御回路154と、パネル部155と、D/Dコンバータを内蔵するモジュール内電源回路156とから構成されている。
デジタル信号処理・制御回路154は、入力IF信号処理回路157と、フレームメモリ158と、メモリ制御回路159と、ドライバ制御回路161とから構成されている。
例えば、入力IF信号処理回路157に入力された映像信号の平均輝度レベルは、入力IF信号処理回路157内の入力信号平均輝度レベル演算回路(不図示)によって計算され、例えば、5ビットデータとして出力される。また、PLE制御回路153は、平均輝度レベルに応じてPLE制御データを設定し、入力IF信号処理回路157内の輝度レベル制御回路(不図示)に入力する。
【0114】
パネル部155は、PDP51と、走査電極を駆動する走査ドライバ162と、データ電極を駆動するデータドライバ163と、PDP51及び走査ドライバ162にパルス電圧を供給する高圧パルス回路164と、高圧パルス回路164からの余剰電力を回収する電力回収回路165とから構成されている。
PDP51は、例えば1365個×768個に配列された画素を有するものとして構成されている。PDP51は、走査ドライバ162が走査電極を制御し、データドライバ163がデータ電極を制御することにより、これらの画素のうちの所定の画素の点灯又は非点灯が制御され、所望の表示が行われる。
なお、ロジック用電源がデジタル信号処理・制御回路154及びパネル部155にロジック用電源を供給している。さらに、モジュール内電源回路156は、表示電源から直流電力を供給され、この直流電力の電圧を所定の電圧に変換した後、パネル部155に供給している。
【0115】
次に、図16を参照して、この例のプラズマ表示装置143の製造方法について概略的に説明する。
まず、PDP51と、走査ドライバ162と、データドライバ163と、高圧パルス回路164と、電力回収回路165とを一基板上に配置し、パネル部155を形成する。さらに、パネル部155とは別個にデジタル信号処理・制御回路154を形成する。
このようにして形成されたパネル部51及びデジタル信号処理・制御回路154を一つのモジュールとして組み立て、PDPモジュール145を形成する。さらに、PDPモジュール105とは別個にアナログIF104を形成する。
このように、PDPモジュール145とは別個にアナログIF144を形成した後、双方を電気的に接続することによって、プラズマ表示装置143が完成する。
【0116】
このように、プラズマ表示装置143をモジュール化することによって、プラズマ表示装置143を構成する他の構成部品とは別個に独立にプラズマ表示装置143を製造することが可能となり、例えば、プラズマ表示装置143が故障した場合には、PDPモジュール145毎交換することによって、補修の簡素化及び迅速化を図ることができる。
【0117】
以上、この発明の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
例えば、上述した実施形態では、比較的大画面のプラズマディスプレイパネルの製造に適用する場合について述べたが、プラズマディスプレイパネルを製造する場合以外にも、電子デバイスの製造や、プリント配線基板への半田クリームの印刷等、一般にスクリーン印刷を行う場合に適用できる。
【0118】
また、上述した実施例では、各工程で用いるスクリーン印刷装置を、それぞれ専用のものを用いる場合について述べたが、同一のものを用いても良い。但し、同一のものを用いる場合でも、スクリーンやスキージは、原則としてその工程に専用のものを用いる。
また、スクリーン印刷装置の一部として以外に、独立したクリーニング装置として用いるようにしても良い。ここで、スキージを含む印刷ヘッド全体や、ヘッド移動部、コントローラもスクリーン印刷装置本体から独立したものを用いる。
この場合、クリーニング機構は、プラズマディスプレイパネルの製造方法の各工程で用いるスクリーン印刷装置に共通に用いても良い。また、印刷ヘッドや、ヘッド移動部のうち、スクリーン印刷装置本体の一部を流用しても良い。
【0119】
また、引出方向切換位置で、粘着性シートの引出し先が、繰出しロールから巻取りロールへ変更されるように、繰出しトルクユニット及び巻取りトルクユニットを制御する場合について述べたが、引出し先を切り換えずに、繰出しロールからのみ粘着性シートを引き出して、スクリーン版の下方に張り出すようにしても良い。この場合は、巻取りトルクユニットを廃し、繰出しロールの巻径に応じて、制動トルク段階的に変更するようにする。
【0120】
また、各トルクユニットの抵抗値は連続的に切り換えるようにし、制動トルクを連続的変更するようにしても良い。また、トルクを制御する手段と、ローラを駆動制御する手段とは、別々の独立したものとしても良い。
また、繰出しトルクユニット及び巻取りトルクユニットは、電磁ブレーキを用いたものに限らず、発電ブレーキ回路や、渦電流ブレーキ等他の電気ブレーキを用いるようにしても良い。
発電ブレーキ回路を用いる場合は、例えば、回転子(電機子)がそれぞれ繰出軸部及び巻取軸部に軸心を同じくして連結された直流発電機と、発生電力を消費する可変抵抗器とが閉回路(発電制動回路)を形成して構成する。ここで、直流発電機による誘導電流が可変抵抗器を介して直流発電機に逆流して、それぞれ、繰出軸部及び巻取軸部の回転を制動する。可変抵抗器の抵抗値を所定の抵抗値となるように制御することによって、対応する所定の大きさの制動トルクが得られる。また、上記直流発電機については、直流モータを発電機として用いる。また、可変抵抗器に代えて、複数の負荷抵抗器を直列に接続して、所定の負荷抵抗器を短絡するようにしても良い。
【0121】
また、主制御部が、パルスモータに供給するパルス数に基づいて、クリーニング回数の計数処理を行っても良い。例えば、主制御部が、滲み取りローラが補助可動ローラと共に再び待機位置に戻ると(滲み取りローラが2往復すると)、クリーニング操作開始時からのパルスモータに供給されたパルス数に基づいて、1回分のクリーニング処理が終了したものとして計数し、積算値を1増加させて、新たな積算値を記憶部にさせるようにしても良い。
また、例えば、センサを設けて2往復した滲み取りローラの待機位置への移動、又は1往復し補助可動ローラの待機位置への移動を光学的に検知しても良いし、直接巻径を計測するようにしても良い。
また、クリーニング回数の積算値に限らず、粘着性シートの引出し量に基づいて、制動トルクの切換を行うようにしても良い。また、積算値を表示させるようにしても良い。
また、1枚のスクリーン版に対して1回のクリーニング処理を行う場合について述べたが、複数回行うようにしても良い。例えば、使用済の粘着性シートの表面を撮像し、この撮像情報に基づいて、粘着性シートに付着したペーストの量(汚れの程度)に応じて、クリーニングの処理継続の可否を判定するようにしても良い。
【0122】
また、スキージを滲み取りローラと同時に移動させなくても、滲み取りローラを前端部に配置した後に、移動させても良い
また、ノッチピン挿抜用のエアシリンダは、案内レールに固定しても良いし、前端部上方に配置しても良い。また、案内レールを支持する支持部は、板状であっても枠状であっても良い。
【0123】
また、ヘッド移動部では、エアシリンダに代えて、油圧シリンダを用いても良い。また、ヘッド移動部による水平方向駆動は、タイミングベルトを介してモータによって行っても良いし、ボールねじを用いて駆動させても良い。
また、滲み取りローラ及び補助ローラを上方から持ち上げるようにして上昇させるように構成しても良い。
【0124】
また、独立した表示部及び操作部に代えて、タッチパネルを有する表示・操作部を設けるようにしても良い。ここで、タッチパネルに代えて、光ペンによる入力装置を用いても良い。
また、スキージの形状は、平板形に限らず、角棒形(例えば四角柱状や三角柱状)でも良いし、剣形や箆形であっても良い。また、スキージは、必ずしも単一でなくても良く、少なくとも先端部が一体化されていれば分割されていても良い。
【0125】
また、背面基板の製造工程で、アドレス電極を形成した後に、アドレス電極を被覆する白色誘電体層を、スクリーン印刷法によって形成するようにしても良い。この場合、ガラスフリットと有機バインダとからなるガラスペーストを絶縁性ペーストとして、スクリーン印刷によってガラスペースト層を形成する。この工程では、印刷処理が所定回数繰り返される。こうして、アドレス電極が形成された背面ガラス基板上に、所定の膜厚のガラスペースト層を形成する。
【0126】
また、バス電極や、アドレス電極を形成する場合には、スクリーン印刷法に代えて、例えばスパッタ法を用いるようにしても良い。また、白色誘電体層は、スクリーン印刷法に代えて、テーブルコータ法等を用いて形成しても良い。また、隔壁は、スクリーン印刷法に代えて、サンドブラスト法や、リフトオフ法、感光性ペースト法、転写法等を用いても良い。
【0127】
上記実施形態の第1の実施例及び第2の実施例のスクリーン印刷装置のクリーニング機構を用いて、スクリーン印刷装置のクリーニング方法を実施することによって、主制御部は、スクリーン版の下方に、粘着性シートを張り出す際に、滲み取りローラ(補助可動ローラ)が、引出量切替位置に達するまでは、繰出しトルクユニットを制御して、繰出しロールがシート引出方向に回転可能となるように、繰出しロールに所定の大きさの制動トルクをかけさせると共に、巻取りトルクユニットを制御して、巻取りロールの回転を制止するように、巻取りロールに制止トルクをかけさせ、滲み取りローラ(補助可動ローラ)が引出方向切換位置に達すると、繰出しトルクユニットを制御して、繰出しロールの回転を制止させるように、繰出しロールに制止トルクをかけさせると共に、巻取りトルクユニットを制御して、巻取りロールがシート引出方向に回転可能となるように、巻取りロールに所定の大きさの制動トルクをかけさせ、繰出しトルクユニットが繰出軸部に与える制動トルクの大きさ及び巻取りトルクユニットが巻取軸部に与える制動トルクの大きさが、それぞれ、繰出しロール及び巻取りロールの巻径や、質量、粘着性シートの粘着力等に応じて、段階的に変更されるように、繰出しトルクユニットを巻取りトルクユニットを制御するので、粘着性シートの引出し中(張出し中)に、粘着性シートの張り状態を、適切にかつ一定に保持することができるので、粘着性シートの弛みや張過ぎを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】従来技術を説明するための説明図であって、プラズマディスプレイパネルの構成を説明するための断面図である。
【図2】従来技術を説明するための説明図であって、従来のスクリーン印刷方法を説明するための断面図である。
【図3】従来技術を説明するための説明図であって、従来のスクリーン印刷装置の構成を説明するための説明図である。
【図4】従来技術を説明するための説明図であって、同スクリーン印刷装置の動作を説明するための説明図である。
【図5】従来技術を説明するための説明図であって、同スクリーン印刷装置の動作を説明するための説明図である。
【図6】従来技術を説明するための説明図であって、別の従来のスクリーン印刷装置の構成を説明するための説明図である。
【図7】この発明の実施形態における第1の実施例に係るプラズマディスプレイパネルの構成を示す斜視図である。
【図8】同プラズマディスプレイパネルの製造方法を説明するための工程図である。
【図9】同プラズマディスプレイパネルの製造方法において用いられるスクリーン印刷装置のクリーニング機構の構成を概略的に示す斜視図である。
【図10】同クリーニング機構の構成を概略的に示すブロック図である。
【図11】同スクリーン印刷装置の印刷ヘッド及び同クリーニング機構のローラ直進部の構成を説明するためのブロック図である。
【図12】同印刷装置本体のヘッド移動部、第1スキージ駆動部、同クリーニング機構のシリンダアクチュエータ、及びピン挿抜部の構成を説明するためのブロック図である。
【図13】同クリーニング機構のローラ駆動部の構成を説明するための平面図である。
【図14】同クリーニング機構の動作を説明するための斜視図である。
【図15】同クリーニング機構の動作を説明するための斜視図である。
【図16】この発明の実施形態における第3の実施例であるプラズマ表示装置の製造方法によって製造されたプラズマ表示装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0129】
51 プラズマディスプレイパネル
55 前面ガラス基板(被印刷物、第1の基板又は第2の基板)
56b,57b バス電極(電極層)
58 透明誘電体層(誘電体層)
59r,59g,59b カラーフィルタ層(誘電体層)
61 遮光層(誘電体層)
63 背面ガラス基板(被印刷物、第1の基板又は第2の基板)
64 アドレス電極(電極層)
65 隔壁(誘電体層)
66r,66g,66b 蛍光体層(誘電体層)
68 スクリーン印刷装置
71 スクリーン版
72 クリーニング機構(スクリーンのクリーニング機構)
76a スキージ
91 粘着性シート
92 繰出しロール(シート供給部)
93 巻取りロール(シート巻取り部)
94 滲み取りローラ(クリーニング用ローラ)
95 補助可動ローラ(張出し用ローラ)
96 テンションローラ
97 繰出しトルクユニット(制動手段、供給トルクユニット)
98 巻取りトルクユニット(制動手段)
127 主制御部(トルク制御手段、トルク切換可否判定手段)
143 プラズマ表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のパターンを持つスクリーン版を介して被印刷物に印刷用ペーストを塗布して、前記被印刷物に所定のパターンを印刷するスクリーン印刷装置に組み込まれて用いられ、印刷後に前記スクリーン版の裏面に残留した前記印刷用ペーストを、粘着性シートを用いて除去するクリーニング機構であって、
表面側に粘着面が形成された前記粘着性シートが軸部の周りに巻回され、前記粘着性シートを供給するシート供給部と、
前記シート供給部から引き出された前記粘着性シートを軸部の周りに巻き取るシート巻取り部と、
前記スクリーン版の裏面に沿って移動可能とされ、前記シート供給部と前記シート巻取り部との間に掛け渡された前記粘着性シートの裏面を押圧して、前記シート供給部又は/及び前記シート巻取り部から前記粘着性シートを引き出し、前記粘着性シートの粘着面が前記スクリーン版の裏面に対向するように、前記スクリーン版の裏面に沿って張り出すための張出し用ローラと、
前記シート供給部又は/及び前記シート巻取り部から前記粘着性シートが引き出される際に、前記シート供給部又は/及び前記シート巻取り部に、その回転を妨げるように制動トルクを与える制動手段とを備えてなり、
前記制動手段は、前記シート供給部及び前記シート巻取り部に、それぞれ、前記シート供給部及び前記シート巻取り部の巻径に応じた大きさの前記制動トルクを与える
ことを特徴とするスクリーンのクリーニング機構。
【請求項2】
前記制動手段は、前記シート供給部の軸部に連結され、前記シート供給部から前記粘着性シートが引き出される際のその軸部の回転を妨げるように働く制動トルクを与える供給トルクユニットと、前記シート巻取り部の軸部に連結され、前記シート巻取り部から前記粘着性シートが引き出される際のその軸部の回転を妨げるように働く制動トルクを与える巻取りトルクユニットとを有し、
前記張出し用ローラが、前記スクリーン版の裏面に沿って移動して、前記粘着性シートを、前記スクリーン版の裏面に沿って張り出させるシート張出期間のうち、張出開始から前記張出し用ローラが所定の位置に達するまでの第1の期間では、前記供給トルクユニッは、前記シート供給部がシート引出方向に回転可能となるように、その軸部に、前記シート供給部の巻径又は/及び質量に応じた所定の大きさの制動トルクを与えると共に、前記巻取りトルクユニットは、前記シート巻取り部の回転を制止させるように、その軸部に制止トルクを与え、かつ、
前記シート張出期間のうち、前記張出し用ローラが前記所定の位置に達してから張出終了までの第2の期間では、前記供給トルクユニットは、前記シート供給部の回転を制止させるように、その軸部に制止トルクを与えると共に、前記巻取りトルクユニットは、前記シート巻取り部がシート引出方向に回転可能となるように、その軸部に、前記シート巻取り部の巻径又は/及び質量に応じた所定の大きさの制動トルクを与える
ことを特徴とする請求項1記載のスクリーンのクリーニング機構。
【請求項3】
前記巻取りトルクユニットは、前記張出し用ローラが、前記第2の期間のうち張出終了前に、前記所定の位置から予め設定した所定の距離だけ前進して、制動開始位置に達したら、前記シート巻取り部に制止トルクをかけて停止させることを特徴とする請求項2記載のスクリーンのクリーニング機構。
【請求項4】
前記スクリーン版を上方から圧接するスキージと、前記張出し用ローラの後方に配置され、前記スクリーン版の裏面及び該裏面に略直交する方向に沿って移動可能とされ、前記スキージとの間に前記スクリーン版及び前記粘着性シートを挟んで、前記粘着性シートを下方から圧接して前記スキージと共に前記スクリーン版の裏面に沿って移動して、前記粘着性シートを前記スクリーン版の裏面に密着させて、前記スクリーン版の裏面に残留した前記印刷用ペーストを転写させるためのクリーニング用ローラを備えたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のスクリーンのクリーニング機構。
【請求項5】
印刷後に前記スクリーン版の裏面に残留した前記印刷用ペーストが、前記粘着性シートを前記スクリーン版の裏面に圧接し、引き剥がされた回数を計数するクリーニング回数計数手段と、前記クリーニング回数計数手段によって計数された前記クリーニング回数に基づいて、前記供給トルクユニット及び前記巻取りトルクユニットの制動トルク切換の可否判定を行うトルク切換可否判定手段とを有し、前記供給トルクユニット及び前記巻取りトルクユニットを制御するトルク制御手段を備えたことを特徴とする請求項2、3又は4記載のスクリーンのクリーニング機構。
【請求項6】
前記トルク制御手段は、前記供給トルクユニットを、前記シート供給部の太さが小さくなるにつれて、その軸部に与える前記制動トルクが、段階的に小さくなるように制御し、前記巻取りトルクユニットを、前記シート巻取り部の太さが大きくなるにつれて、その軸部に与える前記制動トルクが、段階的に大きくなるように制御することを特徴とする請求項5記載のスクリーンのクリーニング機構。
【請求項7】
前記所定の距離は、前記シート巻取り部の少なくとも巻径に対応付けられて、段階的に又は連続的に変更されるように予め設定されていることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1に記載のスクリーンのクリーニング機構。
【請求項8】
前記粘着性シートに対するテンションを維持するためのテンションローラを備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に記載のスクリーンのクリーニング機構。
【請求項9】
前記トルク制御手段は、前記所定の位置で、前記粘着性シートの引出し先が、前記シート供給部から前記シート巻取り部へ変更されるように、前記供給トルクユニット及び前記巻取りトルクユニットを制御することを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1に記載のスクリーンのクリーニング機構。
【請求項10】
所定のパターンを持つスクリーン版を介して被印刷物に印刷用ペーストを塗布して、前記被印刷物に所定のパターンを印刷するスクリーン印刷装置であって、請求項1乃至9のいずれか1に記載のスクリーンのクリーニング機構を備えたことを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項11】
所定のパターンを持つスクリーン版を介して被印刷物に印刷用ペーストを塗布して、前記被印刷物に所定のパターンを印刷するスクリーン印刷方法において、印刷後に前記スクリーン版の裏面に残留した前記印刷用ペーストを、粘着性シートを用いて除去するスクリーンのクリーニング方法であって、
表面側に粘着面が形成された前記粘着性シートが軸部の周りに巻回され、前記粘着性シートを供給するシート供給部と、前記シート供給部から引き出された前記粘着性シートを軸部の周りに巻き取るシート巻取り部とを配設し、
前記スクリーン版の裏面に沿って移動可能とされた張出し用ローラによって、前記シート供給部と前記シート巻取り部との間に掛け渡された前記粘着性シートの裏面を押圧して、前記シート供給部又は/及び前記シート巻取り部から前記粘着性シートを引き出し、前記粘着性シートの粘着面が前記スクリーン版の裏面に対向するように、前記スクリーン版の裏面に沿って張り出すシート張出しステップを含み、
前記シート張出しステップは、前記シート供給部又は/及び前記シート巻取り部から前記粘着性シートが引き出される際に、前記シート供給部又は/及び前記シート巻取り部に、その回転を妨げるように制動トルクを与える制動ステップを含み、
前記制動ステップでは、前記シート供給部及び前記シート巻取り部に、それぞれ、前記シート供給部及び前記シート巻取り部の巻径に応じた大きさの前記制動トルクを与える
ことを特徴とするスクリーンのクリーニング方法。
【請求項12】
前記制動ステップでは、供給トルクユニットによって、前記シート供給部の軸部に連結され、前記シート供給部から前記粘着性シートが引き出される際のその軸部の回転を妨げるように働く制動トルクを与え、巻取りトルクユニットによって、前記シート巻取り部の軸部に連結され、前記シート巻取り部から前記粘着性シートが引き出される際のその軸部の回転を妨げるように働く制動トルクを与え、
前記張出し用ローラが、前記スクリーン版の裏面に沿って移動して、前記粘着性シートを、前記スクリーン版の裏面に沿って張り出させるシート張出期間のうち、張出開始から前記張出し用ローラが所定の位置に達するまでの第1の期間では、前記供給トルクユニッは、前記シート供給部がシート引出方向に回転可能となるように、その軸部に、前記シート供給部の巻径又は/及び質量に応じた所定の大きさの制動トルクを与えると共に、前記巻取りトルクユニットは、前記シート巻取り部の回転を制止させるように、その軸部に制止トルクを与え、かつ、
前記シート張出期間のうち、前記張出し用ローラが前記所定の位置に達してから張出終了までの第2の期間では、前記供給トルクユニットは、前記シート供給部の回転を制止させるように、その軸部に制止トルクを与えると共に、前記巻取りトルクユニットは、前記シート巻取り部がシート引出方向に回転可能となるように、その軸部に、前記シート巻取り部の巻径又は/及び質量に応じた所定の大きさの制動トルクを与える
ことを特徴とする請求項11記載のスクリーンのクリーニング方法。
【請求項13】
前記巻取りトルクユニットは、前記張出し用ローラが、前記第2の期間のうち張出終了前に、前記所定の位置から予め設定した所定の距離だけ前進して、制動開始位置に達したら、前記シート巻取り部に制止トルクをかけて停止させることを特徴とする請求項12記載のスクリーンのクリーニング方法。
【請求項14】
前記スクリーン版を上方にスキージを配設し、前記張出し用ローラの後方に、前記スクリーン版の裏面及び該裏面に略直交する方向に沿って移動可能なクリーニング用ローラを配設し、前記スキージと前記クリーニング用ローラとの間に前記スクリーン版及び前記粘着性シートを挟んで、前記クリーニング用ローラによって、前記粘着性シートを下方から圧接し、前記スキージによって、前記スクリーン版を上方から圧接し、前記スキージ及び前記クリーニング用ローラを前記スクリーン版の裏面に沿って移動させて、前記粘着性シートを前記スクリーン版の裏面に密着させて、前記スクリーン版の裏面に残留した前記印刷用ペーストを転写させることを特徴とする請求項11、12又は13記載のスクリーンのクリーニング方法。
【請求項15】
印刷後に前記スクリーン版の裏面に残留した前記印刷用ペーストが、前記粘着性シートを前記スクリーン版の裏面に圧接し、引き剥がされた回数を計数するクリーニング回数計数ステップと、前記クリーニング回数計数手段によって計数された前記クリーニング回数に基づいて、前記供給トルクユニット及び前記巻取りトルクユニットの制動トルク切換の可否判定を行うトルク切換可否判定ステップとを含み、前記供給トルクユニット及び前記巻取りトルクユニットを制御するトルク制御ステップを含むことを特徴とする請求項12、13又は14記載のスクリーンのクリーニング方法。
【請求項16】
前記トルク制御ステップでは、前記供給トルクユニットを、前記シート供給部の太さが小さくなるにつれて、その軸部に与える前記制動トルクが、段階的に小さくなるように制御し、前記巻取りトルクユニットを、前記シート巻取り部の太さが大きくなるにつれて、その軸部に与える前記制動トルクが、段階的に大きくなるように制御することを特徴とする請求項15記載のスクリーンのクリーニング方法。
【請求項17】
前記所定の距離は、前記シート巻取り部の少なくとも巻径に対応付けられて、段階的に又は連続的に変更されるように予め設定されていることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1に記載のスクリーンのクリーニング方法。
【請求項18】
テンションローラによって、前記粘着性シートに対するテンションを維持することを特徴とする請求項11乃至17のいずれか1に記載のスクリーンのクリーニング方法。
【請求項19】
前記トルク制御ステップでは、前記所定の位置で、前記粘着性シートの引出し先が、前記シート供給部から前記シート巻取り部へ変更されるように、前記供給トルクユニット及び前記巻取りトルクユニットを制御することを特徴とする請求項15乃至18のいずれか1に記載のスクリーンのクリーニング方法。
【請求項20】
所定のパターンを持つスクリーン版を介して被印刷物に印刷用ペーストを塗布して、前記被印刷物に所定のパターンを印刷するスクリーン印刷方法であって、請求項11乃至19のいずれか1に記載のスクリーンのクリーニング方法を含むことを特徴とするスクリーン印刷方法。
【請求項21】
共に誘電体層及び電極層が形成された第1の基板及び第2の基板を封止層を介して互いに対向するように配置し、接合するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
所定の前記誘電体層又は/及び前記電極層を請求項20記載の方法を用いて、前記被印刷物としての前記第1の基板又は/及び前記第2の基板に形成することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項22】
プラズマディスプレイパネルを製造する第1の工程と、前記プラズマディスプレイパネルを駆動する回路とともに前記プラズマディスプレイパネルを一つのモジュールとして製造する第2の工程と、画像信号のフォーマット変換を行い、前記モジュールに送信するインタフェースを前記モジュールに電気的に接続する第3の工程とを含むプラズマ表示装置の製造方法であって、
前記第1の工程では、請求項21記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法が実施されることを特徴とするプラズマ表示装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2007−185934(P2007−185934A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−8066(P2006−8066)
【出願日】平成18年1月16日(2006.1.16)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(000232151)パイオニアプラズマディスプレイ株式会社 (27)
【Fターム(参考)】