説明

スクロール表示装置

【課題】操作性を向上した「スクロール表示装置」を提供する。
【解決手段】ユーザがスクロール操作を開始すると低速スクロールモードを設定し、スクロール操作入力が、しきい値ThAを超えたならば高速スクロールモードを設定する。そして、その後、ユーザがスクロール操作を行っていない状態が期間TA継続したならば、低速スクロールモードに復帰する。また、さらに、その後、期間TB経過する前に、スクロール操作入力の大きさがしきい値ThB(ThB<ThA)を超えたならば、その時点で、高速スクロールモードを設定する(b)。一方、期間TB経過する前に、スクロール操作入力の大きさがしきい値ThBを超えなかった場合には、その後、スクロール操作入力が、しきい値ThAを超えた時点で高速スクロールモードを設定する(a)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示オブジェクトの画面に表示される範囲である表示範囲を移動するスクロール表示の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スクロール表示を制御する技術としては、ユーザのスイッチの操作態様に応じてスクロール表示の表示範囲の移動速度であるスクロール速度を切り替える技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
また、スクロール表示を制御する技術としては、ユーザのスクロール操作が所定時間以上継続した場合に、表示オブジェクト(たとえば、ドキュメントやリスト等)の画面に表示する範囲である表示範囲を拡大する技術も知られている(たとえば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-40352号公報
【特許文献2】特許第3291311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1記載の技術によれば、低速なスクロールを行う場合と高速なスクロールを行う場合とでユーザが異なる操作を行うことが必要となるため、低速なスクロールと高速なスクロールとの間のシームレスな操作が行えず、ユーザの操作が煩雑化する。
一方、前記特許文献2記載の技術によれば、常にスクロール操作を所定時間継続しないと、表示オブジェクトの表示範囲を拡大することができないため、ユーザが間欠的に高速なスクロールを行いたい場合などには、その要求に応えることができない。
そこで、本発明は、スクロール表示の操作性をより向上することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題達成のために、本発明は、複数のアイテムを配列したリストをスクロール表示するスクロール表示装置として、スクロールモードとして低速スクロールモードが設定されているときに、前記リスト上にn個のアイテムを含むように表示範囲を設定して、前記リストに含まれるアイテムの内の当該表示範囲に含まれるアイテムを表示すると共に、ユーザのスクロール操作入力の大きさに応じたスクロール速度で当該表示範囲を前記リスト上で移動させ、スクロールモードとして高速スクロールモードが設定されているときに、m(但し、m>n)個のアイテムを含むように表示範囲を前記リスト上に設定して、前記リストに含まれるアイテムの内の当該表示範囲に含まれるアイテムを表示すると共に、ユーザのスクロール操作入力の大きさに応じたスクロール速度で当該表示範囲を前記リスト上で移動させるスクロール表示制御部と、スクロールモードとして、前記低速スクロールモードと高速スクロールモードとの一方を選択的に設定するスクロールモード制御部とを備えたスクロール表示装置を提供する。ただし、前記スクロールモード制御部は、スクロールモードとして高速スクロールモードを設定しているときに、第1の時間長の期間ユーザのスクロール操作入力が無かった場合に、スクロールモードとして低速スクロールモードを設定すると共に、当該低速スクロールモードの設定後の第2の時間長の期間中に、ユーザのスクロール操作入力の大きさが第1のレベルを超えた場合には、当該時点でスクロールモードとして高速スクロールモードを設定し、第1のレベルを超えなかった場合には、その後、ユーザのスクロール操作入力が、前記第1のレベルよりも大きい第2のレベルを超えたときにスクロールモードとして高速スクロールモードを設定するものである。
【0006】
このようなスクロール表示装置によれば、高速スクロールモードから低速スクロールモードに移行したときに、その後の、第2の時間長の期間中に、ユーザのスクロール操作入力の大きさが第1のレベルを超えた場合には、そうでない場合に比べ、速やかに高速スクロールモードが設定されることになる。
【0007】
そして、高速スクロールモードから低速スクロールモードに移行した場合に、その後の短い期間中に、再度、ユーザがスクロール操作入力を急激に大きくした場合には、ユーザが高速なスクロールを行おうと意図していることが期待できる。よって、本発明によれば、第2の時間長を適当に設定することにより、よりユーザの意図に沿ったスクロールのモードの切り替えを行うことができ、スクロール表示の操作性を向上することができるようになる。
【0008】
ここで、このようなスクロール表示装置は、前記スクロールモード制御部において、前記スクロール表示の開始時にスクロールモードとして低速スクロールモードを設定すると共に、その後、ユーザのスクロール操作入力が、前記第2のレベルを超えたときにスクロールモードとして高速スクロールモードを設定するように構成してもよい。
【0009】
また、このようなスクロール表示装置は、前記スクロールモード制御部において、前記低速スクロールモードの設定後の第2の時間長の期間中に、ユーザのスクロール操作入力の大きさが第1のレベルを超えた場合であっても、当該時点におけるユーザのスクロール操作のスクロール操作方向が、前回スクロールモードとして高速スクロールモードが設定されていたときに最後に行われたユーザのスクロール操作のスクロール操作方向と異なる場合には、スクロールモードとして高速スクロールモードを設定せずに、その後、ユーザのスクロール操作入力が、前記第1のレベルよりも大きい第2のレベルを超えたときにスクロールモードとして高速スクロールモードを設定するように構成してもよい。
【0010】
また、このようなスクロール表示装置に、前記スクロール操作入力の大きさに応じてスクロール速度を制御するスクロール速度制御部を設け、当該スクロール速度制御部において、前記スクロールモード制御部が、スクロールモードの設定を高速スクロールモードから低速スクロールモードに切り替えた後の前記第2の期間中に、ユーザのスクロール操作入力が第1のレベルを超えた場合には、当該時点で、前記スクロール速度の大きさを増大方向に所定量シフトするようにしてもよい。
【0011】
また、前記課題達成のために、本発明は、スクロール表示を行うスクロール表示装置として、設定されたスクロール速度で、前記表示オブジェクトのうちの、表示される範囲である表示範囲を移動するスクロール表示部と、スクロール操作入力の大きさに応じて前記スクロール速度を設定するスクロール速度制御部とを備えたスクロール表示装置も提供する。ここで、前記スクロール速度制御部は、ユーザのスクロール操作入力が第1のレベルを越えた後にユーザのスクロール操作入力が無くなった場合に、その後の所定期間中に、ユーザのスクロール操作入力が、前記第1のレベルよりも小さい第2のレベルを超えたときには、当該時点で、前記スクロール速度の大きさを増大方向に所定量シフトするものである。
【0012】
このようなスクロール表示装置によれば、第1のレベルを超えるスクロール操作入力に応じて高速なスクロールが行われた後にスクロール操作が停止されたときに、その後の、所定の時間長の期間中に、ユーザのスクロール操作入力の大きさが、前記第1のレベルよりも小さい第2のレベルを超えた場合には、そうでない場合に比べ、速やかにスクロール速度が増大することになる。
【0013】
そして、ユーザが、高速なスクロール速度のスクロールを行った後にスクロールを停止した場合に、その後の短い期間中に、ユーザがスクロール操作入力を再度、急激に大きくした場合には、ユーザが高速なスクロールを行おうと意図していることが期待できる。よって、本発明によれば、所定の時間長を適当に設定することにより、よりユーザの意図に沿ったスクロール速度によるスクロールを実現でき、スクロール表示の操作性を向上することができるようになる。
【0014】
ここで、このスクロール表示装置は、前記スクロール速度制御部において、ユーザのスクロール操作入力が第1のレベルを越えた後にユーザのスクロール操作入力が無くなった場合に、その後の所定期間中に、ユーザのスクロール操作入力が、前記第1のレベルよりも小さい第2のレベルを超えたときであっても、当該時点におけるユーザのスクロール操作のスクロール操作方向が、前記スクロール操作入力が無くなる直前の時点におけるユーザのスクロール操作のスクロール操作方向と異なる場合には前記スクロール速度の大きさを増大方向に所定量シフトしないように構成してもよい。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、スクロール表示の操作性をより向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係るAVシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るAVシステムが表示するコントロール画面を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る低速スクロールモードのスクロール動作を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る高速スクロールモードのスクロール動作を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るスクロール操作入力とスクロール速度との関係を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るスクロールモード制御処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係るスクロールモード制御処理の処理例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るスクロール速度制御処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係るスクロール速度制御処理の処理例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、AVシステムへの適用を例にとり説明する。
図1に、本実施形態に係るAVシステムの構成を示す。
図示するように、AVシステムは、CDやDVDなどの記録ディスクの読み取りを行うディスクドライブ1、オーディオファイルやオーディオファイルの管理情報やアートワークを格納したHDD2、操作部3、制御部4、オーディオデータやビデオデータのデコードを行うAVデコーダ5、TVチューナ6、ラジオチューナ7、表示出力処理部8、音声出力処理部9、表示装置10、スピーカ11などを備えている。
【0018】
ただし、このようなAVシステムは、コンピュータを用いて構成するようにしてもよく、この場合、制御部4やAVデコーダ5や表示出力処理部8や音声出力処理部9は、コンピュータが所定のコンピュータプログラムを実行することにより実現されるものであってよい。
【0019】
さて、このような構成において、制御部4は、ディスクドライブ1、HDD2、TVチューナ6、ラジオチューナ7のいずれを出力ソースとするかの設定をユーザから受け付けると共に、出力ソースが出力する、または、出力ソースにデータが記憶されているオーディオコンテンツやビジュアルコンテンツのスピーカ11や表示装置10への出力を制御する。
【0020】
すなわち、制御部4は、ラジオチューナ7が出力ソースに設定されているときには、音声出力処理部9に、ラジオチューナ7が出力するオーディオをスピーカ11に出力させる。また、制御部4は、ラジオチューナ7で受信するチャネルを、操作部3を介したユーザ操作に応じて切り替える制御なども行う。
【0021】
また、制御部4は、TVチューナ6が出力ソースに設定されているときには、音声出力処理部9に、TVチューナ6が出力するオーディオをスピーカ11に出力させると共に、表示出力処理部8に、TVチューナ6が出力するビデオを表示装置10に出力させる。また、制御部4は、TVチューナ6で受信するチャネルを、操作部3を介したユーザ操作に応じて切り替える制御なども行う。
【0022】
また、制御部4は、ディスクドライブ1が出力ソースに設定されているときには、ディスクドライブ1に装着されている記録ディスクに記録されているオーディオデータの再生を制御する。ここで、記録ディスクに記録されているオーディオデータの再生の制御は、再生対象としたオーディオデータをディスクドライブ1を介して記録ディスクから読み出して、読み出したオーディオデータをAVデコーダ5でデコードさせると共に、デコードしたオーディオを、音声出力処理部9にスピーカ11に出力させることにより行う。また、制御部4は、この再生の制御において、操作部3を介したユーザ操作に応じて再生対象とするオーディオデータを切り替えたり、記録ディスクに記録されている各オーディオデータを、順次、または、ランダムに再生対象とする制御なども行う。
【0023】
そして、制御部4は、HDD2が出力ソースに設定されているときには、HDD2に記録されているオーディオファイルの再生を制御する。オーディオファイルの再生の制御は、再生対象としたオーディオファイルをHDD2から読み出して、読み出したオーディオファイルのオーディオデータをAVデコーダ5でデコードさせると共に、デコードしたオーディオを、音声出力処理部9にスピーカ11に出力させることにより行う。また、制御部4は、この再生の制御において、操作部3を介したユーザ操作に応じて再生対象とするオーディオファイルを切り替えたり、HDD2に記録されている各オーディオファイルを、オーディオファイルの管理情報に基づいて、オーディオファイルの属性毎に、順次、または、ランダムに再生対象とする制御なども行う。
【0024】
ここで、オーディオファイルの属性としては、ジャンルやアーティストやアルバムやタイトルといった属性があり、これらの属性値はオーディオファイルに格納されているオーディオデータが表す楽曲に応じて設定されている。そしてオーディオファイルの管理情報において、HDD2に記録されている各オーディオファイルの、ジャンルやアーティストやアルバムやタイトルといった属性毎に、各オーディオファイルと各オーディオファイルの他の属性が管理されている。また、オーディオファイルの管理情報は、アルバムとジャケット写真などのアートワークとを関連づける情報も含まれる。
【0025】
以下、このようなAVシステムにおけるスクロール表示動作について、HDD2が出力ソースとして設定されているときに行う、ユーザが行うことができるアルバム選択動作を例にとり説明する。
まず、制御部4は、出力ソースとしてHDD2が設定されたならば、表示出力処理部8を介して表示装置10に、図2に示すようなコントロール画面を表示する。
図示するように、このコントロール画面のメインメニュー領域200には、出力ソース切替用メニュー201と、音量表示202と、その他メニュー呼出用のボタン203が設けられており、ユーザは、出力ソース切替用メニュー201を用いて出力ソースを切り替えることができる。
【0026】
また、メインメニュー領域200の上部の左方には属性切替メニュー領域210が、メインメニュー領域200の上部の右方には選択受付リスト領域220が設けられている。
そして、属性切替メニュー領域210には、アーティスト、アルバム、ソング(タイトル)、ジャンルの項目よりなる属性切替メニューが表示され、ユーザは、属性切替メニューを用いて、アーティスト、アルバム、ソング(タイトル)、ジャンルのいずれの属性を、再生対象選択のキーとするかを設定することができる。そして、選択受付リスト領域220には、オーディオファイルの管理情報に基づいて作成した、再生対象選択のキーとなる属性の属性値のリストが選択受付リストとして(選択受付リスト領域220に収まりきらない場合には、その一部である部分リストが)表示される。すなわち、再生対象選択のキーとなる属性が、アーティストであれば、オーディオファイルの管理情報に管理されているアーティストのリストが表示され、再生対象選択のキーとなる属性が、アルバムであれば、オーディオファイルの管理情報に管理されているアルバムのリストが表示され、再生対象選択のキーとなる属性が、ソングであれば、オーディオファイルの管理情報に管理されているタイトルのリストが表示され、再生対象選択のキーとなる属性が、ジャンルであれば、オーディオファイルの管理情報に管理されているジャンルのリストが表示される。
【0027】
ここで、図2は、属性切替メニューで、アルバムが選択された状態を表しており、この場合、選択受付リストとしては、個々のアルバムの情報を1アイテム221とするリストが表示される。また、選択受付リストのアイテム221となる各アルバムの情報としては、アルバム名と当該アルバムのアーティスト名と当該アルバムにオーディオファイルの管理情報で関連づけられているアートワークを表示する。
【0028】
さて、制御部4は、このようにして表示した選択受付リストを、ユーザの操作部3を介したスクロール操作に応じて上下にスクロールする。
本実施形態では、このようなスクロールのモードとして、低速スクロールモードと高速スクロールモードを備えている。
低速スクロールモードでは、図3a1に示すように、選択受付リストのうちの選択受付リスト領域220に表示する範囲である表示範囲を3アイテム分とし、選択受付リスト領域220の中央に表示したアイテム(図では上から2番目のアイテム)の表示部分をフォーカスアイテムとして強調表示する。
【0029】
そして、ユーザの順スクロール操作に応じて図3bに示した選択受付リスト上で、表示範囲301を下方に移動し、ユーザの逆スクロール操作に応じて図3bに示した選択受付リスト上で、表示範囲301を上方に移動する。そして、この結果、ユーザのスクロール操作に応じて、図3a1-a5に示すように選択受付リスト領域220の選択受付リスト領域220の表示は上下にスクロールすることになる。なお、選択受付リスト上で表示範囲301を上方に移動すると、選択受付リスト領域220の表示は下方に流れ、選択受付リスト上で表示範囲301を下方に移動すると、選択受付リスト領域220の表示は上方に流れることになる。また、順スクロール操作とは、スクロール操作方向が順方向のスクロール操作を、逆スクロール操作とは、スクロール操作方向が逆方向のスクロール操作を指す。
【0030】
次に、高速スクロールモードでは、図4a1に示すように、選択受付リストのうちの選択受付リスト領域220に表示する範囲である表示範囲を5アイテム分とし、各アイテムを低速スクロールモードのときよりも上下方向に小さく表示されるように、選択受付リスト領域220に表示する。また、選択受付リスト領域220の中央に表示したアイテム(図では上から3番目のアイテム)の表示部分をフォーカスアイテムとして強調表示する。
【0031】
そして、ユーザの順スクロール操作、逆スクロール操作に応じて、図4bに示した選択受付リスト上で、表示範囲401を上下に移動する。この結果、ユーザの順スクロール操作、逆スクロール操作に応じて、図4a1-a5に示すように選択受付リスト領域220の選択受付リストの表示は上下にスクロールすることになる。
【0032】
次に、図5に、ユーザのスクロール操作と、選択受付リスト領域220上の選択受付リストのスクロール速度との関係について示す。
図5aに示すように、低速スクロールモード、高速スクロールモードを問わずに、選択受付リスト領域220の表示の単位時間あたりの上下方向の移動距離としてのスクロール速度(Y/T)は、スクロール操作入力Vinの大きさに常に比例する。
一方、高速スクロールモードでは各アイテムを低速スクロールモードのときよりも上下方向に小さく表示するので、スクロール速度(Y/T)が同じであっても、単位時間あたりの選択受付リスト領域220に表示されるアイテムの変化数としてのスクロール速度(Item/T)は、図5b1に低速スクロールモードのときのスクロール速度(Item/T)とスクロール操作入力Vinの関係を、図5b2に高速スクロールモードのときのスクロール速度(Item/T)とスクロール操作入力Vinの関係を示すように、高速スクロールモードの場合の方が大きくなる。
【0033】
よって、高速スクロールモードでは、低速スクロールモードよりも、選択受付リストのアイテムを、より高速にアイテムをスクロールすることができるようになる。
ここで、ユーザのスクロール操作の受付は、ユーザ操作入力に応じて変化する任意の値を受け付けることにより行うことができる。すなわち、たとえば、操作部3にユーザのスクロール操作入力用スイッチとして、ロータリエンコードスイッチを用いる場合には、ロータリエンコードスイッチの回転速度をスクロール操作量Vin、ロータリエンコードスイッチの回転方向をスクロール操作方向とすることができる。また、操作部3にユーザのスクロール操作入力用スイッチとして、中立点への復帰機構を備えた回転操作型スイッチやリニア操作型スイッチを用いる場合には、中立点に対する角度変位や位置変位の大きさをスクロール操作量Vin、当該変位の正負をスクロール方向として用いるようにすることができる。また、操作部3にタッチパネルを備え、タッチパネルのなぞり操作によってスクロール操作を受け付ける場合には、なぞり操作の速度をスクロール操作量Vin、なぞり操作の向きをスクロール方向として用いるようにすることができる。または、操作部3においてポインティングデバイスを用い、ポインティングデバイスのドラッグ操作によって、スクロール操作を受け付ける場合には、ドラッグの移動速度Vinをスクロール操作量、ドラッグの方向をスクロール方向として用いるようにすることができる。
【0034】
さて、このようにアルバムの情報をアイテムとする選択受付リストを表示しているときに、操作部3を介してユーザの決定操作が行われたならば、制御部4は、その時点でフォーカスアイテムとして情報が表示されているアルバムの選択を受け付ける。そして、制御部4は、選択受付リスト領域220の選択受付リストの表示を消去し、以降、オーディオファイルの管理情報に従って、選択されたアルバムを属性として持つ各オーディオファイルの順次再生を制御する。
【0035】
さて、このような構成において、制御部4は、選択受付リスト領域220に選択受付リストを表示したならば、図6に示すスクロールモード制御処理を開始し、上述した低速スクロールモードと高速スクロールモードの切替を制御する。
図示するように、この処理では、まず、スクロールモードを低速スクロールモードに設定する(ステップ602)、そして、スクロール操作入力Vinの絶対値が、予め定めたしきい値ThA超となるのを監視する(ステップ604)。
そして、スクロール操作入力Vinの絶対値が、予め定めたしきい値ThA超となったならば、スクロールモードを高速スクロールモードに切り替える(ステップ606)。
そして、スクロール操作入力Vinが0となる、すなわち、ユーザがスクロール操作を停止するのを監視し(ステップ608)、スクロール操作入力Vinが0となったならば、タイムアウト時間がTA(たとえば、2秒)のタイマTAをスタートする(ステップ610)。
【0036】
そして、スクロール操作入力Vinの0以外への値への変化、すなわち、ユーザのスクロール操作の再開と(ステップ612)と、タイマTAのタイムアウトの発生(ステップ614)とを監視する。
そして、タイマTAのタイムアウトの発生前に(ステップ614)、スクロール操作入力Vinの0以外への値への変化が発生した場合には(ステップ612)、そのままステップ608に戻って、次に、ユーザがスクロール操作を停止するのを待つ。
一方、スクロール操作入力Vinの0以外への値への変化が発生することなく(ステップ612)、タイマTAのタイムアウトが発生した場合には(ステップ614)、スクロールモードを低速スクロールモードに設定し、タイムアウト時間がTB(たとえば、1.5秒)のタイマTBをスタートする(ステップ616)。ただし、TA<TBである。
【0037】
そして、タイマTBのタイムアウトの発生と(ステップ618)と、スクロール操作入力Vinの絶対値が、予め定めたしきい値ThB超となるのを(ステップ620)監視する。ただし、ThB<ThAである。
そして、スクロール操作入力Vinの絶対値が、予め定めたしきい値ThB超となる前に(ステップ620)、タイマTBのタイムアウトが発生したならば(ステップ618)、低速スクロールモードを維持したままステップ604に戻って、スクロール操作入力Vinの絶対値が、予め定めたしきい値ThA超となるのを監視する。
【0038】
一方、タイマTBのタイムアウトが発生する前に(ステップ618)、スクロール操作入力Vinの絶対値が、しきい値ThB超となった場合には(ステップ620)ステップ606に戻って、スクロールモードを高速スクロールモードに設定する。
以上、制御部4が行うスクロールモード制御処理について説明した。
なお、以上のスクロールモード制御処理は、選択受付リスト領域220の選択受付リストの表示の終了と共に終了する。
次に、このようなスクロールモード制御処理の動作例を図7に示す。
図7aに示すように、まず、ユーザが上下のいずれかの方向へのスクロール操作を開始すると、低速スクロールモードで、選択受付リスト領域220に表示される表示リストの3アイテムがスクロール操作方向に対応する方向にスクロール操作入力Vinの大きさに応じた速度で移動する。
そして、やがて、スクロール操作入力Vinが、時刻T0で、しきい値ThAを超えると、スクロールのモードが高速スクロールモードに切り替えられ、選択受付リスト領域220に表示リストの5アイテムが表示されると共に、当該表示がスクロール操作方向に対応する方向にスクロール操作入力Vinの大きさに応じた速度で移動する。
【0039】
また、その後、時刻T1で、ユーザがスクロール操作を停止してスクロール操作入力Vinが0となり、その状態が継続されると、時刻T1からTA経過した時刻T2において、スクロールのモードが低速スクロールモードに復帰され、選択受付リスト領域220の表示は、表示リストの3アイテムの表示に復帰し、ユーザがスクロール操作を再開したならば、選択受付リスト領域220に表示される表示リストの3アイテムがスクロール操作方向に対応する方向にスクロール操作入力Vinの大きさに応じた速度で移動する。
【0040】
そして、その後、時刻T2からTB経過する前に、スクロール操作入力Vinの大きさがしきい値ThBを超えなかった場合には、その後の、スクロール操作入力Vinが、しきい値ThAを超えた時刻TXで、スクロールのモードが高速スクロールモードに切り替えられ、選択受付リスト領域220に表示リストの5アイテムが表示されると共に、当該表示がスクロール操作方向に対応する方向にスクロール操作入力Vinの大きさに応じた速度で移動する。
【0041】
一方、図7bに示すように、時刻T2からTB経過する前に、スクロール操作入力Vinの大きさがしきい値ThBを超えたならば、その時点TYで、スクロールのモードが高速スクロールモードに切り替えられ、選択受付リスト領域220に表示リストの5アイテムが表示されると共に、当該表示がスクロール操作方向に対応する方向にスクロール操作入力Vinの大きさに応じた速度で移動することになる。
【0042】
よって、本実施形態によれば、図7a、bの比較によって示されるように、高速スクロールモードで高速なスクロール操作を行った後に低速スクロールモードに復帰した場合に、その後の短い期間(TB)中に、再度、ユーザがスクロール操作入力Vinを所定値ThB以上大きくしたときには、当該短い期間中に、ユーザがスクロール操作入力Vinを大きくしなかった場合に高速スクロールモードに移行するスクロール操作入力Vinの大きさ(ThA)よりも、スクロール操作入力Vinが小さいThBの時点で、高速スクロールモードに移行する。
【0043】
ここで、ユーザが、低速スクロールモードに復帰した場合に、その後の短い期間(TB)中に、再度、ユーザがスクロール操作入力Vinを所定値ThB以上大きくした場合には、ユーザが再び高速なスクロールを行おうと意図していることが期待できる。よって、本実施形態によれば、よりユーザの意図に沿ったスクロールのモードの切り替えを行うことができ、スクロール表示の操作性を向上することができるようになる。
【0044】
ところで、以上の実施形態では、図5aに示したように、選択受付リスト領域220の表示の単位時間あたりの上下方向の移動距離としてのスクロール速度(Y/T)は、スクロール操作入力Vinの大きさに応じて、常に、一義的に定まるものとしたが、スクロール速度(Y/T)とスクロール操作入力Vinとの関係は、以下のようにして変化させるようにしてもよい。
【0045】
すなわち、予め、スクロール操作入力Vinに対するスクロール速度(Y/T)を定義するスクロール速度マップとして、通常スクロール速度マップと、高速スクロール復帰用速度マップとの2つを用意し、この二つのスクロール速度マップのうちの、図8に示すスクロール速度制御処理によって現用スクロール速度マップに設定された方のスクロール速度マップに従ってスクロール速度(Y/T)を制御するようにする。なお、このスクロール速度制御処理は、選択受付リスト領域220に選択受付リストを表示したならば、その実行を開始する。
【0046】
ここで、図9a1に示すように、通常スクロール速度マップでは、スクロール速度(Y/T)は、スクロール速度(Y/T)=K×Vinに従って、スクロール操作入力Vinの大きさに、所定の比率Kを持って常に比例する(但し、Kは正の値)。
一方、図9a2に示すように、高速スクロール復帰用速度マップでは、スクロール操作入力Vinが0からThBの領域では、スクロール操作入力VinがThBのときに、スクロール速度(Y/T)が、通常スクロール速度マップにおけるThAのときのスクロール速度(Y/T)であるVとなる比率で、スクロール操作入力Vinに比例した値をとる。また、スクロール操作入力Vinが0からThBの領域では、スクロール操作入力Vinが-ThBのときに、スクロール速度(Y/T)が、通常スクロール速度マップにおける-ThAのときのスクロール速度(Y/T)である-Vとなる比率で、スクロール操作入力Vinに比例した値をとる。また、スクロール速度(Y/T)は、スクロール操作入力VinがThB超の領域では、スクロール速度(Y/T)=K×(Vin-ThB)+Vに従い、スクロール操作入力Vinが-ThB未満の領域では、スクロール速度(Y/T)=K×(Vin+ThB)-Vに従う。
【0047】
さて、図8に示すスクロール速度制御処理では、図示するように、まず、通常スクロール速度マップを現用スクロール速度マップに設定する(ステップ802)。そして、スクロール操作入力Vinの絶対値が、しきい値ThA超となるのを監視する(ステップ804)。
そして、スクロール操作入力Vinの絶対値が、予め定めたしきい値ThA超となったならば、今度は、スクロール操作入力Vinが0となる、すなわち、ユーザがスクロール操作を停止するのを監視する(ステップ806)。
次に、スクロール操作入力Vinが0となったならば、タイムアウト時間がTCのタイマTCをスタートする(ステップ808)。ただし、ここではTC=TA+TBとする。
そして、タイマTCのタイムアウトの発生と(ステップ810)と、スクロール操作入力Vinの絶対値が、しきい値ThB超となるのを(ステップ812)監視する。
そして、スクロール操作入力Vinの絶対値が、しきい値ThB超となる前に(ステップ812)、タイマTCのタイムアウトが発生したならば(ステップ810)、ステップ802に戻って、通常スクロール速度マップを現用スクロール速度マップに設定する。
一方、タイマTCのタイムアウトが発生する前に(ステップ810)、スクロール操作入力Vinの絶対値が、しきい値ThB超となったならば(ステップ812)、高速復帰用スクロール速度マップを現用スクロール速度マップに設定し(ステップ814)、ステップ806に戻って、スクロール操作入力Vinが0となるのを待つ。
【0048】
以上、制御部4が行うスクロール速度制御処理について説明した。
次に、このようなスクロール速度制御処理の動作例を図9bに示す。
図示するように、ユーザが上下のいずれかの方向へのスクロール操作を開始すると、通常スクロール速度マップが現用スクロール速度マップに設定されると共に、低速スクロールモードで、選択受付リスト領域220の表示がスクロール操作方向に対応する方向にスクロール操作入力Vinと通常スクロール速度マップに従った速度で移動する。
【0049】
そして、やがて、スクロール操作入力Vinが、時刻T0で、しきい値ThAを超えると、スクロールのモードが高速スクロールモードに切り替えられ、選択受付リスト領域220の表示が、スクロール操作方向に対応する方向にスクロール操作入力Vinの大きさと通常スクロール速度マップに従った速度で移動する。
【0050】
また、その後、時刻T1で、ユーザがスクロール操作を停止してスクロール操作入力Vinが0となり、その状態が継続されると、時刻T1からTA経過した時刻T2において、スクロールのモードが低速スクロールモードに復帰され、ユーザがスクロール操作を再開したならば、スクロール操作方向に対応する方向にスクロール操作入力Vinの大きさと通常スクロール速度マップに従った速度で、選択受付リスト領域220の表示が移動する。
【0051】
そして、その後、時刻T2からTB経過する前、すなわち、スクロール操作入力Vinが0となった時刻T1からTC経過する前に、スクロール操作入力Vinの大きさがしきい値ThBを超えたならば、その時点TYで、スクロールのモードが高速スクロールモードに切り替えられると共に、現用スクロール速度マップが高速復帰用スクロール速度マップに切り替えられ、以降、選択受付リスト領域220の表示が、スクロール操作方向に対応する方向に、スクロール操作入力Vinの大きさと高速復帰用スクロール速度マップに従ったスクロール速度(Y/T)で移動する。
【0052】
この結果、スクロール速度制御処理によれば、一旦、ユーザが、通常スクロール速度マップに従ってスクロール速度(Y/T)がThA以上となる高速なスクロール速度のスクロールを行った後にスクロールを停止した場合に、その後の短い期間(TC)中に、再度、ユーザがスクロール操作入力Vinをしきい値ThB(ThB<ThA)以上大きくした場合には、現用スクロールマップを高速復帰用スクロール速度マップに切り替えてスクロール速度(Y/T)を制御することにより、スクロール速度(Y/T)を、通常スクロール速度マップを用いる場合よりも速やかに高速なスクロール速度に復帰させる。
【0053】
ここで、ユーザが、高速なスクロール速度のスクロールを行った後にスクロールを停止した場合に、その後の短い期間中に、再度、スクロール操作入力Vinを大きくした場合には、ユーザが高速なスクロールを行おうと意図していることが期待できる。よって、本実施形態によれば、よりユーザの意図に沿ったスクロール速度によるスクロールを実現でき、スクロール表示の操作性を向上することができるようになる。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明した。
ところで、以上の実施形態におけるスクロール速度制御処理は、必ずしも、スクロールモード制御処理と共に行う必要はなく、スクロール速度制御処理のみを単独で行うようにしてもよい。
また、以上の実施形態におけるスクロールモード制御処理は、次のように行うようにしても良い。
すなわち、図6に示したスクロールモード制御処理におけるステップ620の処理を、スクロール操作方向がステップ608でスクロール操作入力Vinが0であることを検出する直前のスクロール操作方向と同方向であって、かつ、スクロール操作入力Vinがしきい値ThB超となるか、それとも、スクロール操作入力Vinの絶対値が、しきい値ThA超となるのを監視し、いずれかである場合にステップ606に進んで高速スクロールモードを設定し、他の場合にはステップ618に戻る処理としてもよい。
【0055】
このようにすることにより、ユーザが、低速スクロールモード設定後、短時間(TC)以内に、スクロール操作を停止する前と同方向に(ThB以上の)比較的大きなスクロール操作を行った場合にのみ、通常よりも速やかに高速スクロールモードを設定するようにすることができる。
【0056】
また、以上のスクロール速度制御処理は、次のように行うようにしても良い。
すなわち、図8に示したスクロール速度制御処理におけるステップ812において、スクロール操作方向がステップ806でスクロール操作入力Vinが0であることを検出する直前のスクロール操作方向と同方向であって、かつ、スクロール操作入力Vinがしきい値ThB超となるのを監視し、そうである場合にステップ814に進んで、高速復帰用スクロール速度マップを現用スクロール速度マップに設定し、他の場合にはステップ810に戻る処理としてもよい。
【0057】
このようにすることにより、ユーザが、スクロールを停止後、短時間(TC)以内に、スクロール操作を停止する前と同方向に(ThB以上の)比較的大きなスクロール操作を行った場合にのみ、スクロール速度を、通常よりも速やかに高速なスクロール速度に復帰させるようにすることができる。
【0058】
また、以上の実施形態は、選択受付リスト領域220に表示し、スクロールする選択受付リストをアルバムのリストとした場合を例にとり説明したが、本実施形態は、任意のシステムにおいて、任意のリストを選択受付リストとして適用することができる。
すなわち、選択受付リストとしては、たとえば、図1に示したAVシステムにおいては、ジャンル、アーティスト、タイトル、TVチャネル、ラジオチャネルなどのリストを選択受付リストとするようにしても良いし、また、たとえば、ナビゲーションシステムにおいては地点のリストを選択受付リストとするようにしてよい。
【符号の説明】
【0059】
1…ディスクドライブ、2…HDD、3…操作部、4…制御部、5…AVデコーダ、6…TVチューナ、7…ラジオチューナ、8…表示出力処理部、9…音声出力処理部、10…表示装置、11…スピーカ、200…メインメニュー領域、201…出力ソース切替用メニュー、202…音量表示、203…ボタン、210…属性切替メニュー領域、220…選択受付リスト領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアイテムを配列したリストをスクロール表示するスクロール表示装置であって、
スクロールモードとして低速スクロールモードが設定されているときに、前記リスト上にn個のアイテムを含むように表示範囲を設定して、前記リストに含まれるアイテムの内の当該表示範囲に含まれるアイテムを表示すると共に、ユーザのスクロール操作入力の大きさに応じたスクロール速度で当該表示範囲を前記リスト上で移動させ、スクロールモードとして高速スクロールモードが設定されているときに、m(但し、m>n)個のアイテムを含むように表示範囲を前記リスト上に設定して、前記リストに含まれるアイテムの内の当該表示範囲に含まれるアイテムを表示すると共に、ユーザのスクロール操作入力の大きさに応じたスクロール速度で当該表示範囲を前記リスト上で移動させるスクロール表示制御部と、
スクロールモードとして、前記低速スクロールモードと高速スクロールモードとの一方を選択的に設定するスクロールモード制御部とを有し、
前記スクロールモード制御部は、スクロールモードとして高速スクロールモードを設定しているときに、第1の時間長の期間ユーザのスクロール操作入力が無かった場合に、スクロールモードとして低速スクロールモードを設定すると共に、当該低速スクロールモードの設定後の第2の時間長の期間中に、ユーザのスクロール操作入力の大きさが第1のレベルを超えた場合には、当該時点でスクロールモードとして高速スクロールモードを設定し、第1のレベルを超えなかった場合には、その後、ユーザのスクロール操作入力が、前記第1のレベルよりも大きい第2のレベルを超えたときにスクロールモードとして高速スクロールモードを設定することを特徴とするスクロール表示装置。
【請求項2】
請求項1記載のスクロール表示装置であって、
前記スクロールモード制御部は、前記スクロール表示の開始時にスクロールモードとして低速スクロールモードを設定すると共に、その後、ユーザのスクロール操作入力が、前記第2のレベルを超えたときにスクロールモードとして高速スクロールモードを設定することを特徴とするスクロール表示装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のスクロール表示装置であって、
前記スクロールモード制御部は、前記低速スクロールモードの設定後の第2の時間長の期間中に、ユーザのスクロール操作入力の大きさが第1のレベルを超えた場合であっても、当該時点におけるユーザのスクロール操作のスクロール操作方向が、前回スクロールモードとして高速スクロールモードが設定されていたときに最後に行われたユーザのスクロール操作のスクロール操作方向と異なる場合には、スクロールモードとして高速スクロールモードを設定せずに、その後、ユーザのスクロール操作入力が、前記第1のレベルよりも大きい第2のレベルを超えたときにスクロールモードとして高速スクロールモードを設定することを特徴とするスクロール表示装置。
【請求項4】
請求項1、2または3記載のスクロール表示装置であって、
前記スクロール操作入力の大きさに応じてスクロール速度を制御するスクロール速度制御部を有し、
当該スクロール速度制御部は、前記スクロールモード制御部が、スクロールモードの設定を高速スクロールモードから低速スクロールモードに切り替えた後の前記第2の期間中に、ユーザのスクロール操作入力が第1のレベルを超えた場合には、当該時点で、前記スクロール速度の大きさを増大方向に所定量シフトすることを特徴とするスクロール表示装置。
【請求項5】
スクロール表示を行うスクロール表示装置であって、
設定されたスクロール速度で、前記表示オブジェクトのうちの、表示される範囲である表示範囲を移動するスクロール表示部と、
スクロール操作入力の大きさに応じて前記スクロール速度を設定するスクロール速度制御部とを有し、
前記スクロール速度制御部は、ユーザのスクロール操作入力が第1のレベルを越えた後にユーザのスクロール操作入力が無くなった場合に、その後の所定期間中に、ユーザのスクロール操作入力が、前記第1のレベルよりも小さい第2のレベルを超えたときには、当該時点で、前記スクロール速度の大きさを増大方向に所定量シフトすることを特徴とするスクロール表示装置。
【請求項6】
請求項5記載のスクロール表示装置であって、
前記スクロール速度制御部は、ユーザのスクロール操作入力が第1のレベルを越えた後にユーザのスクロール操作入力が無くなった場合に、その後の所定期間中に、ユーザのスクロール操作入力が、前記第1のレベルよりも小さい第2のレベルを超えたときであっても、当該時点におけるユーザのスクロール操作のスクロール操作方向が、前記スクロール操作入力が無くなる直前の時点におけるユーザのスクロール操作のスクロール操作方向と異なる場合には前記スクロール速度の大きさを増大方向に所定量シフトしないことを特徴とするスクロール表示装置。
【請求項7】
コンピュータによって読みとられ実行されるコンピュータプログラムであって、
当該コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、請求項1、2、3、4、5または6記載のスクロール表示装置として機能させるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−123156(P2011−123156A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−279244(P2009−279244)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】