説明

スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂、押出シート及び成形品

【課題】耐熱性、外観及び機械的強度に優れ、且つ成形性に優れたスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂、並びに該スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂を用いて形成される非発泡及び発泡の押出シート及び成形品を提供すること。
【解決手段】スチレン単量体単位、メタクリル酸単量体単位、及びメタクリル酸メチル単量体単位の合計含有量を100質量%としたときに、スチレン単量体単位の含有量が69〜92質量%、メタクリル酸単量体単位の含有量が6〜16質量%、及びメタクリル酸メチル単量体単位の含有量が2〜15質量%であり、スチレンの二量体及び三量体の残存量の合計が0.6質量%以下であり、且つスチレン単量体の残存量が700ppm以下である、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂、並びにこれを用いて形成される押出シート及び成形品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性、外観及び機械的強度に優れ、且つ成形性に優れたスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂、並びに該スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂を用いて形成される非発泡及び発泡の押出しシート及び成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
スチレン−メタクリル酸系樹脂は、耐熱性に優れ、且つ比較的安価なことから、弁当、惣菜等の食品容器、包装材料、住宅の断熱材用の発泡ボード、拡散剤を入れた液晶テレビの拡散板等に広く用いられている。近年、コンビニエンスストアー等の業務用に使用する電子レンジの普及、及び電子レンジの使用時間の短縮のため、より高出力(短時間で、より高温になりやすい)の機器が使用されている。このために、より耐熱性が高く、且つ成形性に優れた樹脂が望まれている。
【0003】
しかしながら、スチレン−メタクリル酸系樹脂において、より耐熱性の高い樹脂を得るためにはメタクリル酸の含量を増やすことが必要である。この場合、メタクリル酸に起因するゲル化物の発生がしやすくなり、シート表面に外観不良が見られる場合がある。特にこの現象は、非発泡シート押出時に、水分及び低分子の残留揮発分の除去の目的で押出機ベントから真空で脱揮する場合に見られる。またメタクリル酸の増量は、同時に機械的強度の低下にもつながる。スチレン−メタクリル酸樹脂について、特許文献1には、ゲル化物の生成を抑制する方法として、水あるいはアルコールを添加する方法が開示されている。また、特許文献2には、実施例で重合原料液に2エチル−ヘキシルアルコールを添加する方法が開示され、特許文献3には、実施例で重合原料液にオクチルアルコールを添加する方法が開示されている。更に、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体については特許文献4に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭56−161409号公報
【特許文献2】特開平09−87332号公報
【特許文献3】特開2006−282962号公報
【特許文献4】特開平1−279911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし上記のような方法ではゲル化抑制効果が十分ではなく、よりゲル化しにくく、耐熱性、外観及び機械的強度に優れ、且つ成形性に優れた樹脂からなる非発泡又は発泡の成形品が求められている。
【0006】
本発明は、耐熱性、外観及び機械的強度に優れ、且つ成形性に優れたスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂、並びに該スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂を用いて形成される非発泡及び発泡の押出しシート及び成形品を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記問題点に鑑み、鋭意研究を進めた結果、従来のスチレン−メタクリル酸にメタクリル酸メチルを加えた特定組成の樹脂を用い、且つ樹脂中の残留スチレン、二量体及び三量体の濃度を特定範囲にすることにより、これまで予想し得なかった外観と機械的強度とを有するスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂が得られることを見出し、更に、該スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂から優れた非発泡及び発泡の成形品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
【0008】
[1] スチレン単量体単位、メタクリル酸単量体単位、及びメタクリル酸メチル単量体単位の合計含有量を100質量%としたときに、スチレン単量体単位の含有量が69〜92質量%、メタクリル酸単量体単位の含有量が6〜16質量%、及びメタクリル酸メチル単量体単位の含有量が2〜15質量%であり、スチレンの二量体及び三量体の残存量の合計が0.6質量%以下であり、且つスチレン単量体の残存量が700ppm以下である、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂。
[2] 重量平均分子量(Mw)が10万〜35万であり、且つZ平均分子量(Mz)の重量平均分子量(Mw)に対する比(Mz/Mw)が1.6〜3.5である、上記[1]に記載のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂。
[3] 炭素数14以上の脂肪族第1級アルコールを、0.02〜1.0質量%含有する、上記[1]又は[2]に記載のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂。
[4] 上記炭素数14以上の脂肪族第1級アルコールが、凝固点−10℃以下のイソ脂肪族第1級アルコールである、上記[3]に記載のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれかに記載のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂を用いて形成されてなる、非発泡押出シート。
[6] 上記[1]〜[4]のいずれかに記載のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂を用いて形成されてなる、発泡押出シート。
[7] 上記[5]に記載の非発泡押出シート又は請求項6に記載の発泡押出しシートを用いて形成されてなる、成形品。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、耐熱性、外観及び機械的強度に優れ、且つ成形性に優れたスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂、並びに該スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂を用いて形成される非発泡及び非発泡の押出しシート及び成形品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施例におけるトレー容器の腰強度の測定方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
[スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂]
本発明の一態様は、スチレン単量体単位、メタクリル酸単量体単位、及びメタクリル酸メチル単量体単位の合計含有量を100質量%としたときに、スチレン単量体単位の含有量が69〜92質量%、メタクリル酸単量体単位の含有量が6〜16質量%、及びメタクリル酸メチル単量体単位の含有量が2〜15質量%であり、スチレンの二量体及び三量体の残存量の合計が0.6質量%以下であり、且つスチレン単量体の残存量が700ppm以下である、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂(以下、単に樹脂ということもある)を提供する。
【0013】
本発明において、スチレン単量体単位、メタクリル酸単量体単位、及びメタクリル酸メチル単量体単位の合計含有量を100質量%としたときに、スチレン単量体単位の含有量は69〜92質量%であり、好ましくは74〜90質量%、更に好ましくは77〜86質量%である。この含有量が69質量%未満では、樹脂の流動性が低下し、92質量%を超えると、後述のメタクリル酸単量体単位及びメタクリル酸メチル単量体単位を所望量存在させることができない。
【0014】
本発明において、メタクリル酸は耐熱性を向上させる役割を果たす。スチレン単量体単位、メタクリル酸単量体単位、及びメタクリル酸メチル単量体単位の合計含有量を100質量%としたときに、メタクリル酸単量体単位の含有量は6〜16質量%であり、好ましくは7〜14質量%、更に好ましくは9〜13質量%の範囲である。この含有量が6質量%未満では耐熱性向上の効果が不十分である。また16質量%を超える場合は、樹脂中のゲル化物が増加し、更には樹脂の流動性の低下と機械的物性の低下とを招来するため好ましくない。
【0015】
一般に、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂を含むスチレン−メタクリル酸系樹脂は、工業的規模で、ほとんどラジカル重合で生産されているが、前述の特許文献1〜3に記載されているように、脱揮工程のゲル化反応を抑制するために種々のアルコールを重合系中に添加して重合を行なう場合がある。
【0016】
本発明において、メタクリル酸メチルは、メタクリル酸との分子間相互作用でメタクリル酸の脱水反応を抑制すること、及び樹脂の機械的強度を向上させることを目的に用いられる。更には耐候性、表面硬度等の樹脂特性の向上にも寄与する。
【0017】
スチレン単量体単位、メタクリル酸単量体単位、及びメタクリル酸メチル単量体単位の合計含有量を100質量%としたときに、メタクリル酸メチル単量体単位の含有量は2〜15質量%であり、好ましくは3〜12質量%、更に好ましくは5〜10質量%の範囲である。この含有量が2質量%未満ではゲル化抑制効果、及び機械的強度の向上には不十分である。また15質量%を超える場合は樹脂の流動性が低下し、且つ吸水性が増加する傾向があり好ましくない。
【0018】
なお、メタクリル酸とメタクリル酸メチルとが隣り合わせで結合した場合、高温、高真空の脱揮装置を用いると、条件によっては脱メタノール反応が起こり、前述の特許文献4に記載されるような六員環酸無水物が形成される場合がある。本発明の樹脂はこの六員環酸無水物を含んでいてもよいが、流動性を低下させることから、少ない方が好ましく、本発明のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂中の六員環酸無水物の含有量が0.1質量%未満であることが特に好ましい。
【0019】
スチレン単量体単位、メタクリル酸単量体単位およびメタクリル酸メチル単量体単位の含有量は、それぞれ、プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)測定機で測定したスペクトルの積分比から求めることができる。
【0020】
本発明のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂の重合方法としては、ラジカル重合法、より具体的には塊状重合法又は溶液重合法によるラジカル重合法を好ましく採用できる。重合方法は、主に、重合原料(単量体成分)を重合させる重合工程と、重合生成物から未反応モノマー、重合溶媒等の揮発分を除去する脱揮工程とからなる。ここで、本発明の重合方法について説明する。
【0021】
本発明のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂を得るために重合原料を重合させる際には、重合原料組成物中に、典型的には重合開始剤及び連鎖移動剤を含有させる。重合開始剤としては、有機過酸化物、例えば2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)オクタン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1ービス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4ービス(t−ブチルペルオキシ)バレレート等のペルオキシケタール類、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシイソブロピル)ベンゼン等のジアルキルペルオキシド類、アセチルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド等のジアシルペルオキシド類、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジー2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ジーn−プロピルペルオキシジカーボネート等のペルオキシジカーボネート類、t−ブチルペルオキシアセテート、t―ブチルペルオキシイソブチレート等のペルオキシエステル類、アセチルアセトンペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、等のケトンペルオキシド類、t一ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルペルベンゼンヒドロペルオキシド、等のヒドロペルオキシド類等を挙げることができる。分解速度と重合速度との観点から、なかでも、1,1ービス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンが好ましい。
【0022】
連鎖移動剤としては、例えばα−メチルスチレンリニアダイマー、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、1−フェニルー2−フルオレン、ジベンテン等を挙げることができる。
【0023】
重合方法としては、必要に応じて、重合溶媒を用いた溶液重合を採用できる。用いられる重合溶媒としては、芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジアルキルケトン類、及び、例えばメチルエチルケトン等が挙げられ、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。更に、重合生成物の溶解性を低下させない範囲で、他の重合溶媒、例えば脂肪族炭化水素類等を芳香族炭化水素類に混合することができる。これらの重合溶媒は、単量体(すなわちスチレン単量体、メタクリル酸単量体及びメタクリル酸メチル単量体)と重合溶媒との合計100質量%中の含有量が25質量%を超えない範囲となるように使用するのが、良好な重合速度、得られる樹脂の良好な衝撃強度、及び、重合溶媒の回収のために必要なエネルギーの低減によって得られる良好な経済性の観点から好ましい。重合溶媒は、重合が進み、反応系が比較的高粘度になってから添加してもよいし、重合前から添加しておいてもよいが、重合前に、上記合計100質量%中5〜20質量%の割合で添加しておく方が、品質が均一化し易く、重合温度制御の点でも好ましい。
【0024】
本発明において、スチレン単量体単位、メタクリル酸単量体単位、及びメタクリル酸メチル単量体単位の合計含有量を100質量%としたときに、スチレンの二量体及び三量体の残存量の合計は0.6質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.4質量%以下である。スチレンの二量体及び三量体の残存量の合計が0.6質量%以下であれば、例えば射出成形において、金型へのスチレンの二量体及び三量体の付着が大幅に低減され、これら二量体及び三量体の成形品への転写が大幅に低減され、外観不良が大幅に改善される。またシート等の押出成形においては、ダイスに析出するスチレンの二量体及び三量体の量が大幅に低減され、シートへの転写が大幅に低減され、外観不良が大幅に改善される。また金型及びダイス出口の清掃の必要性を低減できるため生産性も向上する。スチレンの二量体及び三量体の残存量はガスクロマトグラフィーにより測定できる。
【0025】
本発明において、スチレン単量体単位、メタクリル酸単量体単位、及びメタクリル酸メチル単量体単位の合計含有量を100質量%としたときに、スチレン単量体の残存量は700ppm以下であり、好ましくは500ppm以下、更に好ましくは400ppm以下である。スチレン単量体の残存量が700ppm以下であれば、シート押出時のダイス出口周りの臭気が改善される。また樹脂の色調も改良される。スチレン単量体の残存量はガスクロマトグラフィーにより測定できる。
【0026】
本発明において、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂の重量平均分子量は10万〜35万であることが好ましく、Z平均分子量(Mz)の重量平均分子量(Mw)に対する比(Mz/Mw)は1.6〜3.5であることが好ましい。重量平均分子量はより好ましくは13万〜30万、更により好ましくは16万〜25万である。重量平均分子量が10万〜35万である場合、衝撃強度と流動性とのバランスに優れる樹脂が得られ、またゲル物の混入も少ない。Mz/Mwの比は、より好ましくは1.7〜3.0、更により好ましくは1.7〜2.5である。Mz/Mwの比が1.6〜3.5である場合、衝撃強度と流動性とのバランスに優れる樹脂が得られ、またゲル物の混入も少ない傾向となる。Mz及びMwはゲルパーミエイション・クロマトグラフィーによりポリスチレン標準換算で測定できる。
【0027】
本発明のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂は、炭素数14以上の脂肪族第1級アルコールを含有していることが好ましい。アルコールの添加は、前述の特許文献1〜3に記載されるようにメタクリル酸の脱水反応によるゲル化反応を抑制するために有効である。しかし、シートの押出時等に、水分、残留モノマー等の低揮発成分を除去する目的でベント等にて減圧にした場合、炭素数が14未満のアルコールは揮発しやすく、ゲル化反応の抑制効果が薄れる。スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂中の、炭素数14以上の脂肪族第1級アルコールの含有量は0.02〜1.0質量%であることが好ましい。上記含有量は、より好ましくは0.04〜0.8質量%、更により好ましくは0.06〜0.6質量%である。上記含有量が0.02質量%未満となるようなアルコール添加条件では、脱揮工程での該アルコールの存在量が少なく、ゲル化反応の抑制効果が薄れる傾向がある。一方、上記含有量が1.0質量%を超えるような添加条件では、ゲル化反応の抑制効果は高くなるが、樹脂中の脂肪族第1級アルコールの残存量が多くなり、樹脂の耐熱性の低下が大きくなる傾向がある。また成形時にモールドデポジットの発生が見られやすくなる。炭素数14以上の脂肪族第1級アルコールの中でも、凝固点が−10℃以下のイソ型の脂肪族第1級アルコールが特に好ましい。凝固点が−10℃を超える場合、水分、残留モノマー等の低揮発成分除去の目的でベント等にて減圧にした場合、該アルコールが凝縮器に析出しやすく、真空度を低下させる場合がある。炭素数14以上の脂肪族第1級アルコールの含有量は、ガスクロマトグラフィーにより測定できる。
【0028】
炭素数14以上の脂肪族第1級アルコールとしては、n−ミリスチン酸アルコール、n−パルミチン酸アルコール、n−ステアリルアルコール等が挙げられる。更に、凝固点−10℃以下のイソ脂肪族第1級アルコールとしては、炭素数14のイソテトラデカノール、炭素数16のイソヘキサデカノール、炭素数18のイソオクタデカノール、及び炭素数20のイソエイコサノールが挙げられ、例えば、具体的に次のアルコールを例として挙げることができる。7−メチル−2−(3−メチルブチル)−1−オクタノール、5−メチル−2−(1−メチルブチル)−1−オクタノール、5−メチル−2−(3−メチルブチル)−1−オクタノール、2−ヘキシル−1−デカノール、5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−1−オクタノール、8−メチル−2−(4−メチルヘキシル)−1−デカノール、2−ヘプチル−1−ウンデカノール、2−ヘプチル−4メチル−1−デカノール、2−(1,5−ジメチルヘキシル)−(5,9−ジメチル)−1−デカノール。この中でも、特に炭素数18のイソオクタデカノールが好ましい。
【0029】
本発明のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂には安定剤を含有させてもよい。一般的な安定剤として、例えばオクタデシル−3−(3,5−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール等のヒンダートフェノール系酸化防止剤、トリス(2,4−ジ−ターシャリーブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工熱安定剤等を挙げることができる。これらの安定剤はそれぞれ単独、又は2種以上を組み合わせて適宜用いることができる。添加時期については、例えば重合工程又は脱揮工程で添加できる。また、押出機、バンバリミキサー等の機械的装置で樹脂に安定剤を混合することもできる。
【0030】
本発明のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂を得るための重合工程で用いる装置は、スチレン系樹脂の重合方法に従って適宜選択すればよい。例えば、塊状重合による場合には、完全混合型反応器を1基、又は複数基連結した重合装置を用いることができる。また脱揮工程については、塊状重合で行う場合、最終的に未反応モノマーが、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下になるまで重合を進め、かかる未反応モノマー等の揮発分を除去するために、公知の方法にて脱揮処理することができる。例えば、フラッシュドラム、二軸脱揮器、薄膜蒸発器、押出機等の通常の脱揮装置を用いることができるが、滞留部の少ない脱揮装置が好ましい。なお、脱揮処理の温度は、通常、190〜280℃程度であり、メタクリル酸とメタクリル酸メチルとの隣接による六員環酸無水物の形成を抑制する観点から、190〜260℃がより好ましい。また脱揮処理の圧力は、通常0.13〜4kPa程度であり、好ましくは0.13〜3kPaであり、より好ましくは0.13〜2.0kPaである。脱揮方法としては、例えば加熱下で減圧して揮発分を除去する方法、及び揮発分除去の目的に設計された押出機等を通して除去する方法が望ましい。
【0031】
本発明のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂には、所望に応じて、通常用いられている添加剤、例えば滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、可塑剤、染料、顔料、各種充填剤等を添加することができ、このような添加剤が樹脂に添加されてなる樹脂組成物を各種成形に用いることができる。上記添加剤は、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂の製造時に予め添加されていてもよい。また、該樹脂組成物には、本発明のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂以外の他の樹脂、例えば一般のポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合エラストマー、部分的に又は完全に水素添加されたスチレン−ブタジエン共重合エラストマー、ポリフェニレンエーテル等を含有させることもできる。
【0032】
[押出シート]
本発明の別の態様は、上述した本発明のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂を用いて形成されてなる押出シートを提供する。押出シートは非発泡及び発泡のいずれでもよい。押出シートの製造方法としては、通常知られている方法を用いることができる。非発泡押出シートの製造方法としては、Tダイを取り付けた短軸又は二軸押出成形機で、一軸延伸機又は二軸延伸機でシートを引き取る装置を用いる方法等を用いることができ、発泡押出シートの製造方法としては、Tダイ又はサーキュラーダイを備え付けた押出発泡成形機を用いる方法等を用いることができる。
【0033】
発泡押出シートを形成する場合、押出発泡時の発泡剤及び発泡核剤としては通常用いられる物質を使用できる。発泡剤としてはブタン、ペンタン、フロン、二酸化炭素、水等を使用することができ、ブタンが好適である。また発泡核剤としてはタルク等を使用できる。
【0034】
発泡押出シートは、厚み0.5mm〜5.0mmであることが好ましく、見かけ密度50g/L〜300g/Lであることが好ましく、また坪量80g/m2〜300g/m2であることが好ましい。本発明の発泡押出シートは、例えばフィルムを更にラミネートすること等によって多層化してもよい。使用するフィルムの種類は、一般のポリスチレンに使用されるもので差し支えない。
【0035】
一方、非発泡押出シートにおいては、例えば、厚みが0.1〜1.0mm程度であることが剛性及び熱成形サイクルの観点から好ましい。またシートは通常の低倍率のロール延伸のみで形成してもよいが、特にロールで1.3倍から7倍程度延伸した後、テンターで1.3から7倍程度延伸したシートが強度の面で好ましい。またポリスチレン樹脂等のスチレン系樹脂と多層化して用いてもよい。更に該スチレン系樹脂以外の樹脂と多層化して用いてもよい。スチレン系樹脂以外の樹脂としては、PET樹脂、ナイロン樹脂等が挙げられる。
【0036】
本発明の別の態様は、上述した本発明の非発泡押出シート又は発泡押出シートを用いて形成されてなる成形品を提供する。発泡押出シート又はこれを含む多層体は、例えば真空成形により成形してトレー等の容器を作製できる。また非発泡押出シートは、例えば真空成形により成形して弁当の蓋材や惣菜等を入れる容器を作製できる。
【実施例】
【0037】
次に本発明を実施例及び比較例により詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定される訳ではない。なお、実施例及び比較例における樹脂及び押出シート等の分析、評価方法は、下記の通りである。
【0038】
[樹脂の性状]
(1)スチレン、メタクリル酸およびメタクリル酸メチルの各々の単量体単位の含有量
プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)測定機で測定したスペクトルの積分比から、樹脂組成を定量した。
試料調製:樹脂ペレット30mgをd6−DMSO 0.75mlに60℃で4〜6時間加熱溶解した。
測定機器:日本電子 JNM ECA−500
測定条件:測定温度 25℃、観測核 1H、積算回数 64回、繰り返し時間 11秒
スペクトルの帰属
ジメチルスルホキシド重溶媒中で測定されたスペクトルの帰属は、0.5〜1.5ppmのピークはメタクリル酸、メタクリル酸メチル及び六員環酸無水物のα−メチル基の水素、1.6〜2.1ppmのピークはポリマー主鎖のメチレン基の水素、3.5ppmのピークはメタクリル酸メチルのカルボン酸エステル(−COOCH3)の水素、12.4ppmのピークはメタクリル酸のカルボン酸の水素である。また6.5〜7.5ppmのピークはスチレンの芳香族環の水素である。
【0039】
(2)ビカット軟化温度の測定
ISO306に準拠して測定した。荷重は49Nとした。
【0040】
(3)スチレン単量体単位、メタクリル酸単量体単位、及びメタクリル酸メチル単量体単位の合計含有量を100質量%としたときのスチレン二量体及び三量体の残存量の測定
試料調製:樹脂2.0gをメチルエチルケトン20mlに溶解後、更に標準物質入りのメタノール5mlを加え溶解した。
測定条件
機器 :島津製製作所製ガスクロマトグラフィー GC−17Apf
カラム :DB−1(100%ジメチルポリシロキサン) 30m、
膜厚0.1μm、0.25mmφ
カラム温度 :100℃−2分→5℃/分→260℃−5分
注入口温度 :200℃
検出器温度 :200℃
キャリアガス :窒素
【0041】
(4)スチレン単量体単位、メタクリル酸単量体単位、及びメタクリル酸メチル単量体単位の合計含有量を100質量%としたときのスチレン単量体の含有量の測定
試料調製 :樹脂1.0gを標準物質入りジメチルフォルアミド25mlに溶解
測定条件
機器 :島津製製作所製ガスクロマトグラフィー GC−14Bpf
カラム :SUS 3mmφ×3m(パックドカラム)
充填剤 :液相→PEG−20M 25%
担体→Chromosorb W(AW) 60〜80メッシュ
カラム温度 :110℃
注入口温度 :220℃
検出器温度 :220℃
キャリアガス :窒素
【0042】
(5)重量平均分子量及びZ平均分子量の測定
試料調製 :テトラヒドロフランに樹脂約0.05質量%を溶解
測定条件
機器 :TOSHOH HLC−8220GPC
(ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー)
カラム :super HZM−H
温度 :40℃
キャリア :THF 0.35ml/min
検出器 :RI 、UV:254nm
検量線 :TOSOH製の標準PS使用
【0043】
(6)樹脂中の脂肪族第1級アルコールの測定
試料調製 :樹脂0.5gをメチルエチルケトン20mlに溶解
測定条件
機器 :島津製製作所製ガスクロマトグラフィー GC2010
カラム :DB−WAX 30m、0.25mmφ、df=0.5μm
温度 :100℃→5℃/分→130℃→10℃/分→180℃−12分→20℃/分→220℃−20分
【0044】
[射出成形特性及び射出成形物特性]
(7)シャルピー衝撃強さの測定
ISO179に準拠して、ノッチ無しで測定した。
(8)引張降伏応力の測定
ISO527−1に準拠して、測定した。
【0045】
(9)金型汚れの判定
150×150×2.5mmの短冊型の金型を使用して、充填5.0秒で射出成形時にショートショットさせた。70ショット終了後、15分間射出成形を停止し、金型を冷却して、成形体先端部に相当する金型面を目視で観察し、金型の汚れを確認しつつ、700ショットまで成形を繰り返した。以下の方法で金型汚れを判定した。
◎:700ショットで金型汚れなし
○:420〜630ショットで金型汚れ発生
×:350ショット以下で金型汚れ発生。
なお成形は、金型温度20℃、樹脂260℃で行った。また金型汚れの付着物の成分を測定したところ、スチレンの二量体及び三量体が大部分で、樹脂に練り込んだアルコールが僅かに含まれていた。
【0046】
[非発泡押出特性及び非発泡押出物特性]
(10)樹脂中のゲル不溶分の測定
樹脂2gをメチルエチルケトン20mlに溶解後、43000Gの遠心分離機で、19000rpm、60分間遠心分離を行い、上澄み液を捨てた後、残存液に更にメチルエチルケトン20mlを加え、同様な操作を繰り返して行った(19000rpmで60分間遠心分離)。上澄み液を捨てた後の残存液を150℃、30分間乾燥後、更に215℃、3kPaの減圧下で30分間乾燥後、下記式、
(ゲル不溶分)=(加熱後残量(単位g))/2(単位g)×100(%)
によりゲル不溶分を算出した。
【0047】
(11)非発泡押出シートの外観判定
30mmφ短軸シート押出機で連続3時間シートを押出した後、厚さ0.3mmのシートから10cm×20cmの大きさのシートを5枚切り出し、シート5枚の表面の(長径+短径)/2の平均径が0.5mm以上の異物であるゲル物の個数を数え、以下の方法で外観判定とした。
◎:ゲル物の個数が2点以下
○:ゲル物の個数が3〜9点
×:ゲル物の個数が10点以上
【0048】
(12)Y.I(Yellow.Index)の測定
射出成形機で、厚さ2.5mmのプレート状の成形品を作製し、日本電色工業社製の色差・濁度測定機 COH−300Aで、JIS K7105に準拠して測定した。
【0049】
(13)ダイス出口の臭気判定
30mmφ短軸シート押出機でのシート押出時に、ダイス出口の臭気を確認し、以下の基準で判定した。
○:臭いを殆ど感じない
×:臭いを感じた
【0050】
[発泡押出物特性]
(14)トレー容器の腰強度測定
図1は、実施例におけるトレー容器の腰強度の測定方法を示す図である。7.3倍に発泡した発泡押出シートを図1に示すトレー容器に真空成形して腰強度(N)を測定した。トレー容器の大きさは縦10cm、横15cm、深さ2cmである。トレーの横側面より圧縮して極大荷重を腰強度とした。
【0051】
(15)発泡押出シートの外観判定
発泡押出シートの表面肌荒れを目視で判定した。
○:シート表面の肌荒れが判る
×:シート表面の肌荒れが判らない
【0052】
[実施例1]
スチレン76.9質量部、メタクリル酸5.4質量部、メタクリル酸メチル2.7質量部、エチルベンゼン15.0質量部、2,2−ビス(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン0.02質量部からなる重合原料組成液を、1.2リットル/時の速度で、容量が4リットルの完全混合型反応器、次いで2リットルの層流型反応器からなる重合装置に、更には未反応モノマー、重合溶媒等の揮発分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置に連続的に順次供給し、樹脂を調製した。重合工程における重合反応条件は、完全混合反応器は重合温度122〜130℃、層流型反応器は温度125〜145℃とした。脱揮された未反応ガスは−5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮し、未反応液として回収した。最終重合液中のポリマー分は、重合液を215℃、3kPaの減圧下で30分間乾燥後、(乾燥後の試料質量/乾燥前の試料質量×100%)により測定したところ、66.5質量%であった。最終重合液をペレット押出しして得られた樹脂ペレットを短軸押出機に投入し、表1に示す種類の脂肪族第1級アルコールを練り込み、本発明のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂を得た。表1に示す樹脂中のアルコール含有量(質量%)はガスクロマトグラフィーで定量した。なお表1中のイソ脂肪族第1アルコールとしては日産化学社製の製品(ファインオキソコール180)を用いた。
【0053】
得られた樹脂を用いて、非発泡押出物(非発泡押出シート)と発泡押出物(発泡押出シート、及び成形品としてトレー容器)とを作製し物性等を評価した。非発泡押出シートについては、30mmの短軸押出機を用いて、樹脂溶融ゾーンの温度を220〜250℃とし、ベントから真空ポンプで3kPaに減圧しながら厚み約0.3mmのシートを製造した。発泡押出シート及びトレー容器については、直径150mmのサーキュラーダイを備えた押出発泡機を用いて、得られた樹脂100質量部に対して、発泡核剤としてタルク(平均粒径1.3μm)を0.12質量部、発泡剤として液化ブタンを3.5質量部添加して発泡押出シートを製造した(発泡倍率:7.5倍)。樹脂溶融ゾーンの温度は210〜240℃、ロータリークーラー温度は145〜185℃、ダイス温度は165℃に調整した。得られた発泡押出シートを用いて真空成形で図1に示す形状の発泡トレー容器を作製した。非発泡押出物及び発泡押出物の性状及び物性の評価結果を表1に示す。
【0054】
[実施例2〜8]
表1に示す樹脂性状(樹脂組成、樹脂中のスチレン単量体含有量、スチレンの二量体と三量体との合計含有量、分子量、及びアルコール含有量)になるように条件を調整した。非発泡押出物及び発泡押出物の性状及び物性の評価結果を表1に示す。
【0055】
[比較例1〜2]
表1に示す樹脂性状(樹脂組成、樹脂中のスチレン単量体含有量、スチレンの二量体と三量体との合計含有量、分子量、及びアルコール含有量)になるように条件を調整した。なお重合原料にメタクリル酸メチルは使用しなかった。非発泡押出シート、発泡押出成形品の作製及び評価は実施例1と同様に実施した。非発泡押出物及び発泡押出物の性状及び物性の評価結果を表1に示す。
【0056】
[比較例3]
表1に示す樹脂性状(樹脂組成、樹脂中のスチレン単量体含有量、スチレンの二量体と三量体との合計含有量、分子量、及びアルコール含有量)になるように条件を調整した。非発泡押出シート、発泡押出成形品の作製及び評価は実施例1と同様に実施した。なお樹脂中のスチレンの二量体と三量体との合計含有量は0.80質量%と多かった。非発泡押出物及び発泡押出物の性状及び物性の評価結果を表1に示す。
【0057】
[比較例4]
表1に示す樹脂性状(樹脂組成、樹脂中のスチレン単量体含有量、スチレンの二量体と三量体との合計含有量、分子量、及びアルコール含有量)になるように条件を調整した。非発泡押出シート、発泡押出成形品の作製及び評価は実施例1と同様に実施した。なお樹脂中のスチレンの単量体含有量が900ppmと多かった。非発泡押出物及び発泡押出物の性状及び物性の評価結果を表1に示す。
【0058】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂ば、耐熱性、外観及び機械的強度に優れ、且つ成形性に優れている。この樹脂を用いた非発泡及び発泡の押出板、押出シート、更にこれらの二次加工による成形品、例えば射出成形等による成形品を得ることができる。更に、本発明のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂は、電気製品部品、玩具、雑貨、日用品及び各種工業部品等の用途にも幅広く使用可能であり、産業界に果たす役割は大きい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スチレン単量体単位、メタクリル酸単量体単位、及びメタクリル酸メチル単量体単位の合計含有量を100質量%としたときに、スチレン単量体単位の含有量が69〜92質量%、メタクリル酸単量体単位の含有量が6〜16質量%、及びメタクリル酸メチル単量体単位の含有量が2〜15質量%であり、スチレンの二量体及び三量体の残存量の合計が0.6質量%以下であり、且つスチレン単量体の残存量が700ppm以下である、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂。
【請求項2】
重量平均分子量(Mw)が10万〜35万であり、且つZ平均分子量(Mz)の重量平均分子量(Mw)に対する比(Mz/Mw)が1.6〜3.5である、請求項1に記載のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂。
【請求項3】
炭素数14以上の脂肪族第1級アルコールを、0.02〜1.0質量%含有する、請求項1又は2に記載のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂。
【請求項4】
前記炭素数14以上の脂肪族第1級アルコールが、凝固点−10℃以下のイソ脂肪族第1級アルコールである、請求項3に記載のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂を用いて形成されてなる、非発泡押出シート。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載のスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂を用いて形成されてなる、発泡押出シート。
【請求項7】
請求項5に記載の非発泡押出シート又は請求項6に記載の発泡押出しシートを用いて形成されてなる、成形品。

【図1】
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【公開番号】特開2011−126996(P2011−126996A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286714(P2009−286714)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(500199479)PSジャパン株式会社 (45)
【Fターム(参考)】