スチールハウス、耐力壁パネル取付部材、耐力壁パネルの取付方法
【課題】 薄板軽量形鋼からなる枠材に面材またはブレースを取付けてなる耐力壁パネルを主架構要素とするスチールハウスにおいて、設計の標準化が可能となるスチールハウス、耐力壁パネルを設置する耐力壁パネル取付部材、耐力壁パネルの取付方法、を提供する。
【解決手段】 薄板軽量形鋼からなる枠材1a、1bに面材またはブレースを取付けてなる耐力壁パネル1、2を主架構要素とするスチールハウスであって、耐力壁パネルのうちの一部の耐力壁パネル1、2が鉛直力を吸収する取付部材3を介して梁51、53に取り付けられている。
【解決手段】 薄板軽量形鋼からなる枠材1a、1bに面材またはブレースを取付けてなる耐力壁パネル1、2を主架構要素とするスチールハウスであって、耐力壁パネルのうちの一部の耐力壁パネル1、2が鉛直力を吸収する取付部材3を介して梁51、53に取り付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄板軽量形鋼からなる枠材に面材またはブレースを取付けてなる耐力壁パネルを主架構要素とするスチールハウス、該スチールハウスに用いる耐力壁パネルを取り付けるための耐力壁パネル取付部材、スチールハウスに用いる耐力壁パネルの取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図7は屋根がトラス上弦材43a、トラス束材43b、補強束材43c、補強斜材43d、トラス下弦材43eからなるトラス43で構成される一般的なスチールハウスの構造の説明図である(非特許文献1参照)。スチールハウスは、図7に示すように、薄板軽量形鋼製の枠材41に面材またはブレースを取付けてなる耐力壁パネル42を主架構要素としている。
そして、スチールハウスは耐力壁パネル42から構成される耐力壁を用いた壁構造であり、かかる壁構造を構成する耐力壁パネル42はそれが取付けられる屋根トラス43(梁もしくは根太の場合もある)との間で力を伝達する必要がある。そのため、耐力壁パネル42は屋根トラス43(梁もしくは根太)にビスもしくはボルトによって直接接合され、垂直荷重および水平荷重の伝達がなされるようにするのが一般的である。
【非特許文献1】KC型スチールハウス工事標準仕様書、スチールハウス協会発行、P105、2004年10月改定
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の耐力壁パネル42の取付方法のように耐力壁パネル42が取り付けられる屋根トラス43(梁もしくは根太)にビスもしくはボルトで直接接合され屋根トラス(梁もしくは根太)との間で垂直荷重および水平荷重が伝達されると、スチールハウスの設計が非常に煩雑になり、設計の標準化が困難になるという問題がある。
以下、この問題点について図を参照しながら詳細に説明する。
【0004】
図8〜図11は上記問題点を説明する説明図であり、スチールハウスの構造を模式的に示したものである。図8は床梁51と屋根梁53の間に内部耐力壁パネル55を配置した場合、図9は2階の床梁51と基礎59の間に内部耐力壁パネル61を配置した場合、図10は2階の床梁51と屋根梁53の間に内部耐力壁パネル55を配置すると共に2階の床梁51と基礎59の間に内部耐力壁パネル61を配置した場合、図11は床梁51と屋根トラス43の間に内部耐力壁パネル55を配置した場合を、それぞれ示している。なお、図8〜図11に示した内部耐力壁パネル55、61はそれらが接する床梁51、屋根トラス43、屋根梁53、基礎59に直接固着されているものとする。
【0005】
図8に示した配置の場合、内部耐力壁55の設計において、図8(b)に示すように水平力Qにより生ずる垂直方向の力N1、−N1の他に屋根からの荷重N2、N3を考慮する必要がある。しかし、屋根荷重は屋根の形状または内部耐力壁パネルの配置される位置等によって異なるため、屋根からの荷重を考慮するとなると種々異なる屋根荷重を内部耐力壁パネルごとに考慮しなければならず内部耐力壁パネル55の設計が煩雑になる。
【0006】
また、床梁51の設計においては、内部耐力壁パネル55の縦枠材55Aを経由して屋根荷重が作用することから、荷重の大きさによっては床梁51の強度不足の問題や撓みが大きくなるという問題が生じ、床梁51の設計を難しくする。
さらに、1階に設置される柱57の設計においても、内部耐力壁パネル55の縦枠材55Bを経由して屋根荷重が作用するため、上記床梁51の場合と同様の問題がある。
【0007】
図9に示した配置の場合、内部耐力壁パネル61の設計において、図9(b)に示すように水平力Qにより生ずる垂直方向の力N1、−N1の他に床梁51からの荷重N2、N3を常に考慮する必要がある。
しかし、水平力Qはその設計耐力により一義的に定まっているが、床荷重はその支持条件により様々であるから、その条件にあわせてその都度設計しなければならず、非常に煩雑である。
【0008】
図10に示した配置の場合、1階に配置した内部耐力壁パネル61の設計において、図10(b)に示すように水平力Qにより生ずる垂直方向の力N1、−N1の他に、上階の内部耐力壁パネル55からの鉛直力P1、P1´、床梁51からの鉛直力P2、P2´、屋根からの鉛直力P3、P3´を考慮する必要がある。
しかし、上述したように屋根荷重や床荷重はその都度変動するし、また上階の内部耐力壁パネル55と1階の耐力壁パネル61の位置関係は一様でないため、内部耐力壁パネル61の設計においてはその都度それぞれの条件に対応した設計が必要となり、非常に煩雑となる。
【0009】
また、屋根がトラスの場合には、図11(a)に示すように、内部耐力壁パネル55の縦枠材55Bと屋根トラスの束材の位置が一致していない場合、内部耐力壁パネル55の縦枠材55Bからの反力に対する補強が必要になり、図11(b)に示すように、補強材63、65を設けなければならず、トラス種類が増えてしまい設計が煩雑になるという問題がある。
【0010】
以上のように、内部耐力壁パネルと屋根梁、屋根トラス、床梁を直接接合して一体化する場合には内部耐力壁パネルを介して上下に荷重の伝達があることから、この荷重を考慮して強度計算をしなければならず、また新たな補強材の設置の必要性を検討しなければならず、設計が複雑化し、ひいては設計の標準化が難しくなっていた。
【0011】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、薄板軽量形鋼からなる枠材に面材またはブレースを取付けてなる耐力壁パネルを主架構要素とするスチールハウスにおいて、設計の標準化が可能となるスチールハウス、耐力壁パネルを設置する耐力壁パネル取付部材、耐力壁パネルの取付方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、上記の問題はすべての内部耐力壁パネルを梁に直接取り付けている点にあると考えた。つまり、内部耐力壁を構成する内部耐力壁パネルはその設置箇所によっては外部耐力壁パネルのような鉛直荷重の伝達が不要な場合があるにもかかわらず、従来からの固定観念により耐力壁パネルは梁に直接一体化させて取り付けられていたことが設計の煩雑化をまねき、ひいては設計の標準化を阻んでいると考えたのである。
【0013】
そこで、耐力壁パネルの取り付け箇所によっては、鉛直荷重が伝達されないように取り付けることによって、上記課題が解決できるとの知見を得た。
本発明はかかる知見を基になされたものであり、具体的には以下の構成を有するものである。
【0014】
(1)本発明に係るスチールハウスは、薄板軽量形鋼からなる枠材に面材またはブレースを取付けてなる耐力壁パネルを主架構要素とするスチールハウスであって、前記耐力壁パネルのうちの一部の耐力壁パネルが鉛直力を吸収する取付部材を介して梁、根太または屋根トラスに取り付けられていることを特徴とするものである。
一部の耐力壁パネルとは、スチールハウスにおいて内部耐力壁を構成する内部耐力壁パネルをいう。
【0015】
(2)また、上記(1)における取付部材は、取付部材は、梁、根太または屋根トラスに取付けられる第1部と、材耐力壁パネルの上枠材に取り付けられる第2部材の2つの部材を備え、前記第1部材と前記第2部材を連結することで前記耐力壁パネルと前記梁、根太または屋根トラスとの間に生ずる鉛直力を吸収する部材となる構成であることを特徴とするものである。
取付部材を耐力壁側に取り付けられる第1部材と、梁側に取り付けられる第2部材の2つの部品から構成したことにより、両者を接合する接合部に余裕を持たせることが可能となり、この余裕部分に施工誤差を吸収させることができ、施工性が向上する。
【0016】
(3)また、上記(2)における第1部材は耐力壁パネルの幅方向に延びる断面が矩形の溝形の部材であり、第2部材は両側壁が内方または外方に屈曲する屈曲部を有する溝形の部材であり、前記第1部材と前記第2部材の開口部を対向するように配置されてそれぞれの両側壁が接合されていることを特徴とするものである。
取付部材をこのような構成にすることで、耐力壁パネルと梁との間で鉛直力は伝達されないが水平力は伝達される構造となり、耐力壁パネルの設置によって設計の複雑化が生ずることはなく耐力壁パネルを構造部材として機能させることができる。
【0017】
(4)本発明に係る耐力壁パネル取付部材は、スチールハウスに用いる耐力壁パネルを設置するためのものであって、鉛直方向に伸縮可能に形成されて鉛直力を吸収可能に構成されると共に水平力を伝達可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0018】
(5)また、上記(4)に記載のものにおいて、断面が矩形の溝形の第1部材と、屈曲部を有する弾性部材からなる溝形の第2部材からなり、前記第1部材と前記第2部材の両側壁が接続可能になっていることを特徴とするものである。
【0019】
(6)本発明に係る耐力壁パネルの取付方法は、スチールハウスに用いる耐力壁パネルの取付方法であって、耐力壁パネルの上枠材と該上枠材が接合される梁、根太または屋根トラスとの間に取付部材を介在させることによって、前記耐力壁パネルと梁との間で鉛直力が伝達されないようにして耐力壁パネルを取り付けることを特徴とする
【発明の効果】
【0020】
本発明においては、耐力壁パネルの上枠材と該上枠材が接合される梁、根太または屋根トラスとの間に取付部材を介在させることによって、前記耐力壁パネルと梁、根太または屋根トラスとの間で鉛直力が伝達されないようにしたので、耐力壁パネルが取付けられる梁、根太または屋根トラスの上下においては鉛直荷重を考慮する必要がない。そのため、設計が単純化し、ひいては設計の標準化が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は本発明の一実施の形態のスチールハウスを模式的に示した説明図であり、図8〜図11と同一部分には同一の符号を付してある。図2は図1の要部の説明図であり各部材の接合前の状態を示す図、図3は図1における矢視A−A拡大断面図である。以下、図1〜図3に基づいて本実施の形態を説明する。
【0022】
本実施の形態に係るスチールハウスは、薄板軽量形鋼からなる枠材に面材を取付けてなる耐力壁を主架構要素とし、屋根梁53と2階の床梁51の間に内部耐力壁パネル1が設置され、2階の床梁51と基礎59の間に内部耐力壁パネル2が設置されている。また、内部耐力壁パネル1、2に隣接して柱4,6が設置されている。
内部耐力壁パネル1、2はたて枠材1a、2aとよこ枠材1b、2bからなる枠材に合板の面材5を取り付けて構成され、その上側のよこ材1b、2bをそれぞれ屋根梁53、床梁51に鉛直力を吸収する取付部材3を介して取り付けられている。この取付部材3の構造を図3に基づいて以下説明する。
【0023】
取付部材3は、図3に示すように、屋根梁53に取り付けられる厚さ1mm程度の薄鋼板からなる溝形の第1部材7と、同じく厚さ1mm程度の薄鋼板からなり内部耐力壁パネル1のよこ枠材1bに取り付けられる両側壁が内方に屈曲する溝形の第2部材9から構成されている。
第1部材7は屋根梁53のフランジ幅とほぼ同じ幅を有し、長手方向に直交する断面が矩形状の溝形をしている。そして、溝の開口側を下方にむけて底部7aが屋根梁53のフランジにボルト8によって固定されている。
【0024】
第2部材9は内部耐力壁パネル1の幅寸法とほぼ同一寸法の長さを有している。また、第2部材9も第1部材7と同様に長手方向に直交する断面が略矩形状をしている。ただ、第2部材9の両側壁9bはその中程が内方に屈曲して縮径部11が形成されている点が第1部材7とは相違する。側壁9bを屈曲させて縮径部11を形成することで第2部材は上下方向に伸縮可能となっており、これによって鉛直力の吸収を可能にしている。
【0025】
また、第2部材9の溝幅は第1部材7の溝幅よりも若干だけ幅広に形成され、設置状態では図3に示すように、第1部材7が第2部材9の溝内に挿入できるようになっている。
かかる構成の第2部材9は、図3に示されるように、開口部を上方に向けてその底部9aが内部耐力壁パネル1の上側のよこ枠材1bにビス12によって取り付けられている。
第1部材7と第2部材9は、図3に示すように、第1部材7の両側壁7bを第2部材9の溝内に挿入して、両部材の側壁をビス14によって接合することによって連結されている。なお、両部材の接合はビス14の他、例えばボルト等その他水平方向の力を伝達できるように接合するものであればよい。
【0026】
上記のように構成された取付部材3においては、第2部材9の伸縮作用によって鉛直力が吸収されるので、屋根梁53から内部耐力壁パネル1に対して鉛直力が伝達されないようにできる。
もっとも、第1部材7の両側壁7bと第2部材9の両側壁9bがビス14で接合されているので、屋根梁53と内部耐力壁パネル1の間において水平力は伝達され、内部耐力壁パネル1は構造部材として機能する。
【0027】
以上は屋根梁53と2階の内部耐力壁パネル1との接合部について述べたが、床梁51と1階の内部耐力壁パネル2との接合についても全く同様に行われている。
なお、2階の内部耐力壁パネル1の下端部は、図2に示すように、内部耐力壁パネル1の下側のよこ枠材1bと床梁51をボルト15および帯金物17で接合することによって床梁51に固定されている。
また、1階の内部耐力壁パネル2の下端部は、図2に示すように、内部耐力壁パネル2の下側のよこ枠材2bと基礎59を後施工アンカーボルト19、およびホールダウン金物21およびホールダウン金物用アンカーボルト23で接合することによって基礎59に固定されている。
【0028】
以上のように構成された本実施の形態においては、屋根梁53と2階の内部耐力壁パネル1が取付部材3を介して接続されているので、屋根梁53と内部耐力壁パネル1間では水平力は伝達されるが鉛直力は伝達されず、したがって屋根荷重が内部耐力壁パネル1に伝達されない。そのため、内部耐力壁パネル1の設計において屋根荷重を考慮する必要がなくなるので、設計が単純化して標準化も可能になる。
また、床梁51および柱6の設計においても、内部耐力壁パネル1のたて枠材1aを経由した屋根荷重の伝達はないので、やはりそれらの設計が単純化できる。
【0029】
また、床梁51と1階の内部耐力壁パネル2が取付部材3を介して接続されているので、床梁51と内部耐力壁パネル2間では水平力は伝達されるが鉛直力は伝達されず、したがって床荷重が内部耐力壁パネル2に伝達されない。そのため、内部耐力壁パネル2の設計において床荷重を考慮する必要がなくなるので、設計が単純化して標準化も可能になる。さらに、上述のように内部耐力壁パネル2には屋根荷重も伝達されないので、内部耐力壁パネル2の設計において屋根荷重を考慮する必要もなく、この点においても設計の単純化ができる。
【0030】
なお、上記の例は屋根梁53を用いた例であるが、屋根がトラスの場合には、屋根荷重が内部耐力壁パネル1に伝達されないので、屋根トラス43には内部耐力壁パネル1から屋根荷重の反力を受けることがない。このため、図4および図4の矢視B−B断面図である図5に示すように、内部耐力壁パネル1のたて枠材1aと屋根トラスの束材の位置が一致していなくても、図11(b)に示したような補強材65を設ける必要がない。そのため、屋根トラスが複雑化することもなく、この意味でも設計の単純化ができる。
【0031】
なお、上記の実施の形態においては取付部材3を第1部材7と第2部材9の2つの部材から構成する例を示したが、本発明の取付部材は必ずしも2個の部材から構成する必要はなく、例えば図6に示すように、断面がZ形の単一部材からなる取付部材18のような構成にしてもよい。
もっとも、本実施の形態で示したように、取付部材を2つの部材から構成してこれらを連結するという構造にすることによって、取付部材と梁等および耐力壁パネルとの接合が容易になると共に、耐力壁パネルの高さ方向の製造誤差や屋根梁の固定荷重による部材撓み、現場の建て方誤差等を吸収することが可能となり、施工性に優れるという効果が得られている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施の形態のスチールハウスの説明図である。
【図2】図1の要部の説明図である。
【図3】図1の矢視A−A断面図である。
【図4】図1に示したスチールハウスの屋根がトラスの場合の変形例の説明図である。
【図5】図4の矢視B−B断面図である。
【図6】本発明の取付部材の他の態様の説明図である。
【図7】従来の一般的なスチールハウスの説明図である。
【図8】本発明が解決しようとする課題を説明する図である(その1)。
【図9】本発明が解決しようとする課題を説明する図である(その2)。
【図10】本発明が解決しようとする課題を説明する図である(その3)。
【図11】本発明が解決しようとする課題を説明する図である(その4)。
【符号の説明】
【0033】
1 2階の内部耐力壁パネル、2 1階の内部耐力壁パネル、3 取付部材、5 面材、7 第1部材、9 第2部材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄板軽量形鋼からなる枠材に面材またはブレースを取付けてなる耐力壁パネルを主架構要素とするスチールハウス、該スチールハウスに用いる耐力壁パネルを取り付けるための耐力壁パネル取付部材、スチールハウスに用いる耐力壁パネルの取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図7は屋根がトラス上弦材43a、トラス束材43b、補強束材43c、補強斜材43d、トラス下弦材43eからなるトラス43で構成される一般的なスチールハウスの構造の説明図である(非特許文献1参照)。スチールハウスは、図7に示すように、薄板軽量形鋼製の枠材41に面材またはブレースを取付けてなる耐力壁パネル42を主架構要素としている。
そして、スチールハウスは耐力壁パネル42から構成される耐力壁を用いた壁構造であり、かかる壁構造を構成する耐力壁パネル42はそれが取付けられる屋根トラス43(梁もしくは根太の場合もある)との間で力を伝達する必要がある。そのため、耐力壁パネル42は屋根トラス43(梁もしくは根太)にビスもしくはボルトによって直接接合され、垂直荷重および水平荷重の伝達がなされるようにするのが一般的である。
【非特許文献1】KC型スチールハウス工事標準仕様書、スチールハウス協会発行、P105、2004年10月改定
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の耐力壁パネル42の取付方法のように耐力壁パネル42が取り付けられる屋根トラス43(梁もしくは根太)にビスもしくはボルトで直接接合され屋根トラス(梁もしくは根太)との間で垂直荷重および水平荷重が伝達されると、スチールハウスの設計が非常に煩雑になり、設計の標準化が困難になるという問題がある。
以下、この問題点について図を参照しながら詳細に説明する。
【0004】
図8〜図11は上記問題点を説明する説明図であり、スチールハウスの構造を模式的に示したものである。図8は床梁51と屋根梁53の間に内部耐力壁パネル55を配置した場合、図9は2階の床梁51と基礎59の間に内部耐力壁パネル61を配置した場合、図10は2階の床梁51と屋根梁53の間に内部耐力壁パネル55を配置すると共に2階の床梁51と基礎59の間に内部耐力壁パネル61を配置した場合、図11は床梁51と屋根トラス43の間に内部耐力壁パネル55を配置した場合を、それぞれ示している。なお、図8〜図11に示した内部耐力壁パネル55、61はそれらが接する床梁51、屋根トラス43、屋根梁53、基礎59に直接固着されているものとする。
【0005】
図8に示した配置の場合、内部耐力壁55の設計において、図8(b)に示すように水平力Qにより生ずる垂直方向の力N1、−N1の他に屋根からの荷重N2、N3を考慮する必要がある。しかし、屋根荷重は屋根の形状または内部耐力壁パネルの配置される位置等によって異なるため、屋根からの荷重を考慮するとなると種々異なる屋根荷重を内部耐力壁パネルごとに考慮しなければならず内部耐力壁パネル55の設計が煩雑になる。
【0006】
また、床梁51の設計においては、内部耐力壁パネル55の縦枠材55Aを経由して屋根荷重が作用することから、荷重の大きさによっては床梁51の強度不足の問題や撓みが大きくなるという問題が生じ、床梁51の設計を難しくする。
さらに、1階に設置される柱57の設計においても、内部耐力壁パネル55の縦枠材55Bを経由して屋根荷重が作用するため、上記床梁51の場合と同様の問題がある。
【0007】
図9に示した配置の場合、内部耐力壁パネル61の設計において、図9(b)に示すように水平力Qにより生ずる垂直方向の力N1、−N1の他に床梁51からの荷重N2、N3を常に考慮する必要がある。
しかし、水平力Qはその設計耐力により一義的に定まっているが、床荷重はその支持条件により様々であるから、その条件にあわせてその都度設計しなければならず、非常に煩雑である。
【0008】
図10に示した配置の場合、1階に配置した内部耐力壁パネル61の設計において、図10(b)に示すように水平力Qにより生ずる垂直方向の力N1、−N1の他に、上階の内部耐力壁パネル55からの鉛直力P1、P1´、床梁51からの鉛直力P2、P2´、屋根からの鉛直力P3、P3´を考慮する必要がある。
しかし、上述したように屋根荷重や床荷重はその都度変動するし、また上階の内部耐力壁パネル55と1階の耐力壁パネル61の位置関係は一様でないため、内部耐力壁パネル61の設計においてはその都度それぞれの条件に対応した設計が必要となり、非常に煩雑となる。
【0009】
また、屋根がトラスの場合には、図11(a)に示すように、内部耐力壁パネル55の縦枠材55Bと屋根トラスの束材の位置が一致していない場合、内部耐力壁パネル55の縦枠材55Bからの反力に対する補強が必要になり、図11(b)に示すように、補強材63、65を設けなければならず、トラス種類が増えてしまい設計が煩雑になるという問題がある。
【0010】
以上のように、内部耐力壁パネルと屋根梁、屋根トラス、床梁を直接接合して一体化する場合には内部耐力壁パネルを介して上下に荷重の伝達があることから、この荷重を考慮して強度計算をしなければならず、また新たな補強材の設置の必要性を検討しなければならず、設計が複雑化し、ひいては設計の標準化が難しくなっていた。
【0011】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、薄板軽量形鋼からなる枠材に面材またはブレースを取付けてなる耐力壁パネルを主架構要素とするスチールハウスにおいて、設計の標準化が可能となるスチールハウス、耐力壁パネルを設置する耐力壁パネル取付部材、耐力壁パネルの取付方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、上記の問題はすべての内部耐力壁パネルを梁に直接取り付けている点にあると考えた。つまり、内部耐力壁を構成する内部耐力壁パネルはその設置箇所によっては外部耐力壁パネルのような鉛直荷重の伝達が不要な場合があるにもかかわらず、従来からの固定観念により耐力壁パネルは梁に直接一体化させて取り付けられていたことが設計の煩雑化をまねき、ひいては設計の標準化を阻んでいると考えたのである。
【0013】
そこで、耐力壁パネルの取り付け箇所によっては、鉛直荷重が伝達されないように取り付けることによって、上記課題が解決できるとの知見を得た。
本発明はかかる知見を基になされたものであり、具体的には以下の構成を有するものである。
【0014】
(1)本発明に係るスチールハウスは、薄板軽量形鋼からなる枠材に面材またはブレースを取付けてなる耐力壁パネルを主架構要素とするスチールハウスであって、前記耐力壁パネルのうちの一部の耐力壁パネルが鉛直力を吸収する取付部材を介して梁、根太または屋根トラスに取り付けられていることを特徴とするものである。
一部の耐力壁パネルとは、スチールハウスにおいて内部耐力壁を構成する内部耐力壁パネルをいう。
【0015】
(2)また、上記(1)における取付部材は、取付部材は、梁、根太または屋根トラスに取付けられる第1部と、材耐力壁パネルの上枠材に取り付けられる第2部材の2つの部材を備え、前記第1部材と前記第2部材を連結することで前記耐力壁パネルと前記梁、根太または屋根トラスとの間に生ずる鉛直力を吸収する部材となる構成であることを特徴とするものである。
取付部材を耐力壁側に取り付けられる第1部材と、梁側に取り付けられる第2部材の2つの部品から構成したことにより、両者を接合する接合部に余裕を持たせることが可能となり、この余裕部分に施工誤差を吸収させることができ、施工性が向上する。
【0016】
(3)また、上記(2)における第1部材は耐力壁パネルの幅方向に延びる断面が矩形の溝形の部材であり、第2部材は両側壁が内方または外方に屈曲する屈曲部を有する溝形の部材であり、前記第1部材と前記第2部材の開口部を対向するように配置されてそれぞれの両側壁が接合されていることを特徴とするものである。
取付部材をこのような構成にすることで、耐力壁パネルと梁との間で鉛直力は伝達されないが水平力は伝達される構造となり、耐力壁パネルの設置によって設計の複雑化が生ずることはなく耐力壁パネルを構造部材として機能させることができる。
【0017】
(4)本発明に係る耐力壁パネル取付部材は、スチールハウスに用いる耐力壁パネルを設置するためのものであって、鉛直方向に伸縮可能に形成されて鉛直力を吸収可能に構成されると共に水平力を伝達可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0018】
(5)また、上記(4)に記載のものにおいて、断面が矩形の溝形の第1部材と、屈曲部を有する弾性部材からなる溝形の第2部材からなり、前記第1部材と前記第2部材の両側壁が接続可能になっていることを特徴とするものである。
【0019】
(6)本発明に係る耐力壁パネルの取付方法は、スチールハウスに用いる耐力壁パネルの取付方法であって、耐力壁パネルの上枠材と該上枠材が接合される梁、根太または屋根トラスとの間に取付部材を介在させることによって、前記耐力壁パネルと梁との間で鉛直力が伝達されないようにして耐力壁パネルを取り付けることを特徴とする
【発明の効果】
【0020】
本発明においては、耐力壁パネルの上枠材と該上枠材が接合される梁、根太または屋根トラスとの間に取付部材を介在させることによって、前記耐力壁パネルと梁、根太または屋根トラスとの間で鉛直力が伝達されないようにしたので、耐力壁パネルが取付けられる梁、根太または屋根トラスの上下においては鉛直荷重を考慮する必要がない。そのため、設計が単純化し、ひいては設計の標準化が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は本発明の一実施の形態のスチールハウスを模式的に示した説明図であり、図8〜図11と同一部分には同一の符号を付してある。図2は図1の要部の説明図であり各部材の接合前の状態を示す図、図3は図1における矢視A−A拡大断面図である。以下、図1〜図3に基づいて本実施の形態を説明する。
【0022】
本実施の形態に係るスチールハウスは、薄板軽量形鋼からなる枠材に面材を取付けてなる耐力壁を主架構要素とし、屋根梁53と2階の床梁51の間に内部耐力壁パネル1が設置され、2階の床梁51と基礎59の間に内部耐力壁パネル2が設置されている。また、内部耐力壁パネル1、2に隣接して柱4,6が設置されている。
内部耐力壁パネル1、2はたて枠材1a、2aとよこ枠材1b、2bからなる枠材に合板の面材5を取り付けて構成され、その上側のよこ材1b、2bをそれぞれ屋根梁53、床梁51に鉛直力を吸収する取付部材3を介して取り付けられている。この取付部材3の構造を図3に基づいて以下説明する。
【0023】
取付部材3は、図3に示すように、屋根梁53に取り付けられる厚さ1mm程度の薄鋼板からなる溝形の第1部材7と、同じく厚さ1mm程度の薄鋼板からなり内部耐力壁パネル1のよこ枠材1bに取り付けられる両側壁が内方に屈曲する溝形の第2部材9から構成されている。
第1部材7は屋根梁53のフランジ幅とほぼ同じ幅を有し、長手方向に直交する断面が矩形状の溝形をしている。そして、溝の開口側を下方にむけて底部7aが屋根梁53のフランジにボルト8によって固定されている。
【0024】
第2部材9は内部耐力壁パネル1の幅寸法とほぼ同一寸法の長さを有している。また、第2部材9も第1部材7と同様に長手方向に直交する断面が略矩形状をしている。ただ、第2部材9の両側壁9bはその中程が内方に屈曲して縮径部11が形成されている点が第1部材7とは相違する。側壁9bを屈曲させて縮径部11を形成することで第2部材は上下方向に伸縮可能となっており、これによって鉛直力の吸収を可能にしている。
【0025】
また、第2部材9の溝幅は第1部材7の溝幅よりも若干だけ幅広に形成され、設置状態では図3に示すように、第1部材7が第2部材9の溝内に挿入できるようになっている。
かかる構成の第2部材9は、図3に示されるように、開口部を上方に向けてその底部9aが内部耐力壁パネル1の上側のよこ枠材1bにビス12によって取り付けられている。
第1部材7と第2部材9は、図3に示すように、第1部材7の両側壁7bを第2部材9の溝内に挿入して、両部材の側壁をビス14によって接合することによって連結されている。なお、両部材の接合はビス14の他、例えばボルト等その他水平方向の力を伝達できるように接合するものであればよい。
【0026】
上記のように構成された取付部材3においては、第2部材9の伸縮作用によって鉛直力が吸収されるので、屋根梁53から内部耐力壁パネル1に対して鉛直力が伝達されないようにできる。
もっとも、第1部材7の両側壁7bと第2部材9の両側壁9bがビス14で接合されているので、屋根梁53と内部耐力壁パネル1の間において水平力は伝達され、内部耐力壁パネル1は構造部材として機能する。
【0027】
以上は屋根梁53と2階の内部耐力壁パネル1との接合部について述べたが、床梁51と1階の内部耐力壁パネル2との接合についても全く同様に行われている。
なお、2階の内部耐力壁パネル1の下端部は、図2に示すように、内部耐力壁パネル1の下側のよこ枠材1bと床梁51をボルト15および帯金物17で接合することによって床梁51に固定されている。
また、1階の内部耐力壁パネル2の下端部は、図2に示すように、内部耐力壁パネル2の下側のよこ枠材2bと基礎59を後施工アンカーボルト19、およびホールダウン金物21およびホールダウン金物用アンカーボルト23で接合することによって基礎59に固定されている。
【0028】
以上のように構成された本実施の形態においては、屋根梁53と2階の内部耐力壁パネル1が取付部材3を介して接続されているので、屋根梁53と内部耐力壁パネル1間では水平力は伝達されるが鉛直力は伝達されず、したがって屋根荷重が内部耐力壁パネル1に伝達されない。そのため、内部耐力壁パネル1の設計において屋根荷重を考慮する必要がなくなるので、設計が単純化して標準化も可能になる。
また、床梁51および柱6の設計においても、内部耐力壁パネル1のたて枠材1aを経由した屋根荷重の伝達はないので、やはりそれらの設計が単純化できる。
【0029】
また、床梁51と1階の内部耐力壁パネル2が取付部材3を介して接続されているので、床梁51と内部耐力壁パネル2間では水平力は伝達されるが鉛直力は伝達されず、したがって床荷重が内部耐力壁パネル2に伝達されない。そのため、内部耐力壁パネル2の設計において床荷重を考慮する必要がなくなるので、設計が単純化して標準化も可能になる。さらに、上述のように内部耐力壁パネル2には屋根荷重も伝達されないので、内部耐力壁パネル2の設計において屋根荷重を考慮する必要もなく、この点においても設計の単純化ができる。
【0030】
なお、上記の例は屋根梁53を用いた例であるが、屋根がトラスの場合には、屋根荷重が内部耐力壁パネル1に伝達されないので、屋根トラス43には内部耐力壁パネル1から屋根荷重の反力を受けることがない。このため、図4および図4の矢視B−B断面図である図5に示すように、内部耐力壁パネル1のたて枠材1aと屋根トラスの束材の位置が一致していなくても、図11(b)に示したような補強材65を設ける必要がない。そのため、屋根トラスが複雑化することもなく、この意味でも設計の単純化ができる。
【0031】
なお、上記の実施の形態においては取付部材3を第1部材7と第2部材9の2つの部材から構成する例を示したが、本発明の取付部材は必ずしも2個の部材から構成する必要はなく、例えば図6に示すように、断面がZ形の単一部材からなる取付部材18のような構成にしてもよい。
もっとも、本実施の形態で示したように、取付部材を2つの部材から構成してこれらを連結するという構造にすることによって、取付部材と梁等および耐力壁パネルとの接合が容易になると共に、耐力壁パネルの高さ方向の製造誤差や屋根梁の固定荷重による部材撓み、現場の建て方誤差等を吸収することが可能となり、施工性に優れるという効果が得られている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施の形態のスチールハウスの説明図である。
【図2】図1の要部の説明図である。
【図3】図1の矢視A−A断面図である。
【図4】図1に示したスチールハウスの屋根がトラスの場合の変形例の説明図である。
【図5】図4の矢視B−B断面図である。
【図6】本発明の取付部材の他の態様の説明図である。
【図7】従来の一般的なスチールハウスの説明図である。
【図8】本発明が解決しようとする課題を説明する図である(その1)。
【図9】本発明が解決しようとする課題を説明する図である(その2)。
【図10】本発明が解決しようとする課題を説明する図である(その3)。
【図11】本発明が解決しようとする課題を説明する図である(その4)。
【符号の説明】
【0033】
1 2階の内部耐力壁パネル、2 1階の内部耐力壁パネル、3 取付部材、5 面材、7 第1部材、9 第2部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄板軽量形鋼からなる枠材に面材またはブレースを取付けてなる耐力壁パネルを主架構要素とするスチールハウスであって、前記耐力壁パネルのうちの一部の耐力壁パネルが鉛直力を吸収する取付部材を介して梁、根太または屋根トラスに取り付けられていることを特徴とするスチールハウス。
【請求項2】
取付部材は、梁、根太または屋根トラスに取付けられる第1部材と、耐力壁パネルの上枠材に取り付けられる第2部材の2つの部材を備え、前記第1部材と前記第2部材を連結することで前記耐力壁パネルと前記梁、根太または屋根トラスとの間に生ずる鉛直力を吸収する部材となる構成であることを特徴とする請求項1に記載のスチールハウス。
【請求項3】
第1部材は耐力壁パネルの幅方向に延びる断面が矩形の溝形の部材であり、第2部材は両側壁が内方または外方に屈曲する屈曲部を有する溝形の部材であり、前記第1部材と前記第2部材の開口部を対向するように配置されてそれぞれの両側壁が接合されていることを特徴とする請求項2に記載のスチールハウス。
【請求項4】
スチールハウスに用いる耐力壁パネルを設置するための耐力壁パネル取付部材であって、鉛直方向に伸縮可能に形成されて鉛直力を吸収可能に構成されると共に水平力を伝達可能に構成されていることを特徴とする耐力壁パネル取付部材。
【請求項5】
断面が矩形の溝形の第1部材と、屈曲部を有する弾性部材からなる溝形の第2部材からなり、前記第1部材と前記第2部材の両側壁が接続可能になっていることを特徴とする請求項4に記載の耐力壁パネル取付部材。
【請求項6】
スチールハウスに用いる耐力壁パネルの取付方法であって、耐力壁パネルの上枠材と該上枠材が接合される梁、根太または屋根トラスとの間に取付部材を介在させることによって、前記耐力壁パネルと梁との間で鉛直力が伝達されないようにして耐力壁パネルを取り付けることを特徴とする耐力壁パネルの取付方法。
【請求項1】
薄板軽量形鋼からなる枠材に面材またはブレースを取付けてなる耐力壁パネルを主架構要素とするスチールハウスであって、前記耐力壁パネルのうちの一部の耐力壁パネルが鉛直力を吸収する取付部材を介して梁、根太または屋根トラスに取り付けられていることを特徴とするスチールハウス。
【請求項2】
取付部材は、梁、根太または屋根トラスに取付けられる第1部材と、耐力壁パネルの上枠材に取り付けられる第2部材の2つの部材を備え、前記第1部材と前記第2部材を連結することで前記耐力壁パネルと前記梁、根太または屋根トラスとの間に生ずる鉛直力を吸収する部材となる構成であることを特徴とする請求項1に記載のスチールハウス。
【請求項3】
第1部材は耐力壁パネルの幅方向に延びる断面が矩形の溝形の部材であり、第2部材は両側壁が内方または外方に屈曲する屈曲部を有する溝形の部材であり、前記第1部材と前記第2部材の開口部を対向するように配置されてそれぞれの両側壁が接合されていることを特徴とする請求項2に記載のスチールハウス。
【請求項4】
スチールハウスに用いる耐力壁パネルを設置するための耐力壁パネル取付部材であって、鉛直方向に伸縮可能に形成されて鉛直力を吸収可能に構成されると共に水平力を伝達可能に構成されていることを特徴とする耐力壁パネル取付部材。
【請求項5】
断面が矩形の溝形の第1部材と、屈曲部を有する弾性部材からなる溝形の第2部材からなり、前記第1部材と前記第2部材の両側壁が接続可能になっていることを特徴とする請求項4に記載の耐力壁パネル取付部材。
【請求項6】
スチールハウスに用いる耐力壁パネルの取付方法であって、耐力壁パネルの上枠材と該上枠材が接合される梁、根太または屋根トラスとの間に取付部材を介在させることによって、前記耐力壁パネルと梁との間で鉛直力が伝達されないようにして耐力壁パネルを取り付けることを特徴とする耐力壁パネルの取付方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−307485(P2006−307485A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−129489(P2005−129489)
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】
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