説明

ステアリングロック装置及びカバー部材の取付構造

【課題】カバー部材の取り外しを困難にすることができるステアリングロック装置及びカバー部材の取付構造を提供する。
【解決手段】ステアリングロック装置1は、開口部10bを有するケース部材10と、ケース部材10の内部に収容され、車両のステアリングシャフト2の回転を規制することが可能なステアリングロック機構100と、ケース部材10の開口部10bの少なくとも一部を覆うカバー部材3と、カバー部材3に螺合する第1の領域411、及びケース部材10に螺合する第2の領域412を含むねじ部410を有するねじ部材4とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングロック装置及びカバー部材の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の盗難防止のために、イグニッションキーがキーシリンダに差し込まれていない状態でステアリングが回転された場合に、ステアリングの回転を規制するステアリングロック装置が知られている。そして、ステアリングロック装置を破壊してステアリングのロック状態を解除する行為を防止するための構造に関する提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のステアリングロック装置は、ステアリングロック装置のハウジングカバーに対して破壊作業が行われた場合に、ステアリングシャフトに係合するロックボルトをアンロック位置に保持するためのホールド部材が脱落し、ロックボルトがロック位置に移動するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−248843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このステアリングロック装置では、破壊作業が行われてステアリングがロックされると、正規の使用者であっても車両を使用することができなくなる。つまり、破壊作業が行われてホールド部材が脱落し、ロックボルトがロック位置に移動すると、キーシリンダにイグニッションキーを挿入してもステアリングのロック状態が解除されないため、車両を使用可能な状態とするには修理を行わなければならなくなる。従って、ステアリングロック機構に対する破壊作業を妨げることができる構造が望まれていた。
【0006】
そこで、本発明の目的は、カバー部材の取り外しを困難にすることができるステアリングロック装置及びカバー部材の取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明は上記目的を達成するため、開口部を有するケース部材と、前記ケース部材の前記開口部から前記ケース部材内に収容され、車両のステアリングシャフトの回転を規制することが可能なステアリングロック機構と、前記ケース部材の前記開口部の少なくとも一部を覆うカバー部材と、前記カバー部材に螺合するねじ部を有する第1の領域、及び前記ケース部材に螺合又は係合する第2の領域を含むねじ部材と、を備えたステアリングロック装置を提供する。
【0008】
[2]前記カバー部材には、前記ケース部材側に突出するバーリング加工によって前記ねじ部材の前記第1の領域のねじ部が螺合する貫通孔が形成された、前記[1]に記載のステアリングロック装置であってもよい。
【0009】
[3]前記ねじ部材は、前記ケース部材に形成された孔及び前記カバー部材に形成された孔に雌ねじを形成するタッピングねじである、前記[1]又は[2]に記載のステアリングロック装置であってもよい。
【0010】
[4]前記ねじ部材は、前記第2領域が前記カバー部材に形成された穴に係合する柱状である、前記[1]又は[2]に記載のステアリングロック装置であってもよい。
【0011】
[4]また、本発明は上記目的を達成するため、被遮蔽物に、前記被遮蔽物の開口部の少なくとも一部を覆うカバー部材をねじ部材によって固定するカバー部材の取付構造であって、前記カバー部材は、前記ねじ部材のねじ部が螺合する貫通孔を有し、前記ねじ部材は、前記カバー部材に螺合するねじ部を有する第1の領域、及び前記第1の領域よりも先端部に設けられ、前記被遮蔽物に係合する第2の領域を含むカバー部材の取付構造を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、カバー部材の取り外しを困難にすることができ、カバー部材の内部に対する破壊作業を妨げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係るステアリングロック装置の一構成例を示す図であり、(a)はステアリングロック装置の断面図、(b)は(a)のA矢視図を示す。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態に係るカバー部材の取付構造を示す図であり、(a)はタッピングねじによってカバー部材を取り付けた状態を、(b)はタッピングねじの頭部が破断した状態を、それぞれ示す。
【図3】図3は、比較例として示すカバー部材の取付構造を示す図であり、(a)はタッピングねじによってカバー部材を取り付けた状態を、(b)はタッピングねじの頭部が破断した状態を、それぞれ示す。
【図4】図4は、本発明の第2の実施の形態に係るカバー部材の取付構造を示す図であり、(a)はねじによってカバー部材を取り付けた状態を、(b)はねじの頭部が破断した状態を、それぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るステアリングロック装置の一構成例を示し、(a)はステアリングロック装置の断面図、(b)は(a)のA矢視図である。
【0015】
このステアリングロック装置1は、ケース部材10の内部に収容されたステアリングロック機構100の動作により、ステアリングシャフト2の回転を規制するロック状態と、ステアリングシャフト2の回転を規制しないアンロック状態とを切換可能に構成されている。
【0016】
ステアリングシャフト2の一端部には、車両の運転者が操作する図略のステアリングホイールが一体回転するように固定されている。また、ステアリングシャフト2には、複数(図1に示す例では12個)の突起20aを外周部に有するリング状の回転規制部材20が相対回転不能に固定されている。回転規制部材20の隣り合う突起20aの間には、突起20aと同数の凹部20bが形成されている。
【0017】
ステアリングシャフト2及び回転規制部材20は、円筒状の支持チューブ21の内部で回転可能に支持されている。支持チューブ21は、ケース部材10とブラケット11との間に挟み込まれて保持されている。ブラケット11は、ケース部材10にボルト111によって締結されている。
【0018】
ステアリングロック機構100は、ロックバー12と、ロックバー12を進退移動させるL字状のリフト13と、駆動源としてのモータ14と、モータ14のトルクをリフト13に伝達するギヤ部材15とを有して構成されている。
【0019】
ロックバー12は、ケース部材10及び支持チューブ21に設けられた貫通孔10aに進退移動可能に保持されている。ロックバー12は、図1(a)に実線で示すロック位置と、二点差線で示すアンロック位置との間を移動可能である。ロックバー12がロック位置に移動すると、ロックバー12の先端部12aが回転規制部材20の凹部20bに係合し、ステアリングシャフト2の回転が規制される。また、ロックバー12がアンロック位置にあるときは、ロックバー12と回転規制部材20とが係合せず、ステアリングシャフト2の回転が規制されない。
【0020】
ロックバー12には、図1(b)に示すように、その移動方向に沿って凹所12bが形成され、凹所12b内にコイルバネ16が収容されている。また、ロックバー12には、凹所12bに連通する窓部12cが形成されている。
【0021】
リフト13は、ロックバー12に形成された凹所12bに進退移動可能に嵌合された先端部13aと、雌ねじが形成されたねじ孔131bを有する基端部13bとを有している。先端部13aは、ロックバー12の凹所12b内でコイルバネ16の一端に当接するように構成されている。また、リフト13の先端部13aには、ロックバー12の窓部12cに係合する一対の係合突起131aが設けられている。
【0022】
モータ14は、ケース部材10の内面に固定されたモータブラケット17に支持されている。モータ14は、図略の制御装置から供給されるモータ電流に応じてトルクを発生し、その回転軸に連結されたウォーム140を回転させる。
【0023】
ギヤ部材15は、ウォーム140に噛み合うウォームホイール151と、ウォームホイール151に連結されたシャフト152と、シャフト152に形成された雄ねじ部153とを備えて構成されている。雄ねじ部153は、リフト13のねじ孔131bに形成された雌ねじに螺合している。
【0024】
制御装置からモータ14にモータ電流が供給されると、モータ14のトルクによってウォーム140が回転し、ウォーム140に噛み合うウォームホイール151が回転する。ウォームホイール151の回転に連れて雄ねじ部153が回転し、リフト13を雄ねじ部153の軸方向に移動させる。
【0025】
リフト13がステアリングシャフト2側に向かって移動すると、リフト13の先端部13aがコイルバネ16を押し縮め、コイルバネ16の伸張力によってロックバー12が回転規制部材20に押し付けられる。そして、ロックバー12の先端部12aが回転規制部材20の凹部20bに係合する。
【0026】
また、モータ14が逆回転してリフト13がステアリングシャフト2から遠ざかる方向に移動すると、リフト13の係合突起131aによってロックバー12が引き戻され、ロックバー12の先端部12aと回転規制部材20の凹部20bとの係合が解除される。
【0027】
図1(a)に示すように、ケース部材10は開口部10bを有している。ステアリングロック機構100を構成する各部材は、開口部10bからケース部材10の内部に組み付けられる。開口部10bは、ケース部材10内に粉塵等が浸入することを防止する蓋体18によって閉塞されている。蓋体18は、複数のボルト181によってケース部材10に固定されている。
【0028】
ケース部材10の開口部10bを覆うように、カバー部材3がケース部材10に固定されている。ケース部材10は、その開口部10bがカバー部材3によってカバーされる被遮蔽物の一例である。
【0029】
カバー部材3は、ケース部材10及び蓋体18の外面に沿った形状であり、その開口端には内側に向かって屈曲した屈曲部3aが形成されている。カバー部材3は、複数のタッピングねじ4によってケース部材10に固定されている。カバー部材3は、金属製であり、例えば冷間圧延鋼(SPCC)、熱間圧延鋼(SPHC)、炭素鋼(S25C〜S55C)等の鉄系金属材料や、銅系金属材料、アルミニウム系金属材料等を使用することができる。
【0030】
本実施形態では、カバー部材3が開口部10bの全体を覆うように形成されているが、カバー部材3は、蓋体18を固定する複数のボルト181が外部から容易に外されないように、開口部10bの一部を覆うように形成してもよい。
【0031】
図2(a)は、カバー部材3がタッピングねじ4によって固定された取付構造を示す断面図である。
【0032】
カバー部材3には、バーリング加工によって筒状部30が形成されている。ここで、バーリング加工とは、予め設けた貫通孔の周縁部を曲げ加工して円筒形状に形成する加工をいう。
【0033】
筒状部30の貫通孔30aの内径は、タッピングねじ4の雄ねじが形成されたねじ部410の外径よりも小さく形成されている。筒状部30は、ケース部材10に向かって突出するように形成され、その先端部はケース部材10の外面に接触している。
【0034】
タッピングねじ4のねじ部410は、カバー部材3の外部から筒状部30の貫通孔30aに挿入される。タッピングねじ4は、ケース部材10に向かってねじ込まれることにより、カバー部材3の筒状部30の内面及びケース部材10に雌ねじを形成しながらカバー部材3及びケース部材10に螺合する。ここで、螺合とは、螺旋状の雄ねじと雌ねじが係合し、雄ねじを回転させることにより雌ねじが形成された部材に対して雄ねじが軸方向に移動可能に結合することを意味する。
【0035】
タッピングねじ4は、頭部40と、頭部40と一体に形成された軸部41とからなり、軸部41の先端部にはカバー部材3及びケース部材10に雌ねじを形成するための雌ねじ加工部41aが設けられている。軸部41は、その外周に雄ねじが形成されたねじ部410を有している。ねじ部410は、カバー部材3に螺合する第1の領域411と、ケース部材10に螺合する第2の領域412とを含んでいる。
【0036】
カバー部材3の筒状部30は、バーリング加工されることによって、その中心軸Cの方向(タッピングねじ4の軸方向)の長さがカバー部材3の板厚よりも長くなっている。また、筒状部30の中心軸Cの方向の長さは、タッピングねじ4のねじ山の1ピッチ分の距離よりも長く形成されている。望ましくは、筒状部30中心軸C方向の長さをタッピングねじ4のねじ山の2ピッチ分の距離よりも長く形成するとよい。図2(a)に示す例では、筒状部30の中心軸C方向の長さがタッピングねじ4のねじ山の約4ピッチ分となっている。
【0037】
タッピングねじ4の頭部40には、専用工具によってのみ回すことが可能な特殊形状の溝が形成されている。つまり、タッピングねじ4は、所謂いじり止めねじである。また、タッピングねじ4は、一方向にしか回すことのできない一方向ねじとしてもよい。タッピングねじ4は、頭部40がカバー部材3に当接して所定の締め付けトルクに達するまで専用工具によってねじ締めされている。
【0038】
なお、カバー部材3の筒状部30の内面には、予め雌ねじを形成しておいてもよい。また、ケース部材10の筒状部30に対応する部位には、タッピングねじ4によるタッピングを容易にするための下孔を設けておくとよい。
【0039】
図2(b)は、タッピングねじ4の頭部40が軸部41から破断された状態を示す図である。このようなタッピングねじ4に対する破壊作業は、例えばステアリングロック機構100のロック状態を解除することを意図する者により、マイナスドライバー等の手動工具を用いて行われることが想定される。
【0040】
タッピングねじ4の頭部40が破断面41bで軸部41から破断されると、頭部40によってカバー部材3をケース部材10に固定することはできなくなる。しかし、筒状部30に形成された雌ねじがタッピングねじ4の軸部41の第1の領域411に螺合しているので、カバー部材3とケース部材10との結合状態が維持される。
【0041】
図3は、比較例として示すカバー部材300のタッピングねじ5による取付構造を示し、(a)はタッピングねじ5によってカバー部材300をケース部材10に取り付けた状態を、(b)はタッピングねじ5の頭部50が破断した状態を、それぞれ示す。
【0042】
このカバー部材300には、タッピングねじ5を挿通させる貫通孔301が形成されているが、貫通孔301にバーリング加工は施されていない。貫通孔301の内径は、タッピングねじ5の軸部51の外径(ねじ山部の直径)よりも大きく形成されている。また、タッピングねじ5の軸部51の貫通孔301の内面に対向する領域には雄ねじが形成されていない。
【0043】
このような取付構造では、タッピングねじ5の頭部50が破断面51aで破断されると、カバー部材300をケース部材10から取り外すことが容易となり、ケース部材10の内部に対する破壊や操作が行われやすくなってしまう。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態によれば、タッピングねじ4の頭部40が取り除かれても、タッピングねじ4の軸部41の第1の領域411とカバー部材3の筒状部30とが螺合しているので、カバー部材3の取り外しが困難となる。また、タッピングねじ4の頭部40が取り除かれると、軸部41の破断面41bのみがカバー部材3の外部に露出するので、軸部41を回転させることがより困難となる。従って、カバー部材3の内部に対する破壊作業を妨げることが可能となり、車両の盗難の抑止効果を高めることができる。
【0045】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、ねじ部材とカバー部材3が螺合により結合されている点では共通するが、ねじ部材とケース部材10とが螺合ではなく嵌め合いによって係合している点で異なっている。
【0046】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係るカバー部材の取付構造を示す図であり、(a)はねじによってカバー部材を取り付けた状態を、(b)はねじの頭部が破断した状態を、それぞれ示す。図4において、図2と共通する構成要素については共通の符号を付して説明を省略する。
【0047】
ねじ6は、頭部60と、頭部60に一体に形成されたねじ部61と、ねじ部61よりもねじ6の先端側に一体に設けられ、円柱状に形成された円柱部62とを有している。
【0048】
ケース部材10には、カバー部材3の貫通孔30aに対応する部位に、内面円筒状の嵌合穴10aが形成されている。また、カバー部材3の貫通孔30aには、バーリング加工後に雌ねじが形成されているものとする。
【0049】
ケース部材10にカバー部材3を被せ、カバー部材3の貫通孔30aにねじ6をねじ締めすると、カバー部材10の嵌合穴10aにねじ6の円柱部62が嵌合する。
【0050】
ケース部材10の嵌合穴10a及びねじ6の円柱部62は、ねじ6のねじ締め時における軸方向の押し付け力によって圧入されることにより実質的に隙間無く嵌合するように形成してもよく、円柱部62の外面と嵌合穴10aの内面との間に所定の隙間が生じるように形成してもよい。
【0051】
ねじ6のねじ部61がカバー部材3の貫通孔30aに螺合する領域は第1の領域6aに該当し、ねじ6の円柱部62がケース部材10の嵌合穴10aに係合する領域は第2の領域6bに該当する。
【0052】
上記の取付構造により、図4(b)に示すようにねじ6の頭部が破断されても、カバー部材3とねじ6とが第1の領域6aにおいて螺合しており、またケース部材10とねじ6とが第2の領域6bにおいて係合しているので、ケース部材10からカバー部材3を容易に取り外すことができない。また、頭部60が取り除かれると、ねじ部61の破断面61bのみがカバー部材3の外部に露出するので、ねじ部61を回転させることがより困難となる。従って、カバー部材3の内部に対する破壊作業を妨げることが可能となり、車両の盗難の抑止効果を高めることができる。
【0053】
以上、本発明に好適な実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で例えば以下に示すような種々の変形が可能である。
【0054】
上記第1の実施の形態では、タッピングねじ4の雌ねじ加工部41aによってカバー部材3及びケース部材10に雌ねじを形成したが、これに限らず、カバー部材3及びケース部材10に予め雌ねじを形成しておいてもよい。この場合、タッピングねじではない(雌ねじ加工部を有しない)ねじを使用することができる。
【0055】
上記第2の実施の形態では、ねじ6の第2の領域6bにおける形状を円柱状としたが、これに限らず、例えば四角柱状や三角柱等であってもよい。また、内部に空洞を有する円筒状であってもよい。つまり、ねじ6の第2の領域6bにおける形状は、ケース部材10の嵌合穴10aに係合する柱状であればよい。
【0056】
またさらに、上記第2の実施の形態におけるねじ6の第2の領域6bにもねじ山を形成してもよい。この場合、ケース部材10の嵌合穴10aの内径をねじ6の第2の領域6bのねじ山の外径よりも大きく形成し、第2の領域6bのねじ山の先端部が嵌合穴10aの内面に接触することにより、ねじ6とケース部材10とが係合する。
【0057】
また、上記実施の形態では、ケース部材10の開口部10bに蓋体18を取り付け、さらに蓋体18及び開口部10bを覆うようにカバー部材3を取り付けたが、例えばカバー部材3の開口端部をケース部材10に密着させて粉塵等の浸入を防止し、蓋体18を省略してもよい。
【0058】
また、ステアリングロック機構の形式は、モータによってロックバーを移動させるタイプに限らず、例えばステアリングロック装置に挿入されたキーの回転によってカム構造を駆動させ、ロックバーを移動させる構造であってもよい。つまり、ステアリングロック機構の形式に制約されることなく本発明を適用することができる。
【0059】
また、上記実施の形態では、ステアリングロック機構100を備えたステアリングロック装置1に本発明を適用した場合について説明したが、カバー部材の取り付け対象物はステアリングロック装置に限らない。車両又は車両以外の物品における外部からの破壊作業を防止すべき被遮蔽物に対して本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0060】
1…ステアリングロック装置、2…ステアリングシャフト、3…カバー部材、3a…屈曲部、6…ねじ、6a…第1の領域、6b…第2の領域、10…ケース部材、10a…貫通孔、10b…開口部、11…ブラケット、12…ロックバー、12a…先端部、12b…凹所、12c…窓部、13…リフト、13a…先端部、13b…基端部、14…モータ、15…ギヤ部材、16…コイルバネ、17…モータブラケット、18…蓋体、20…回転規制部材、20a…突起、20b…凹部、21…支持チューブ、30…筒状部、30a…貫通孔、40…頭部、41…軸部、41a…雌ねじ加工部、41b…破断面、50…頭部、51…軸部、51a…破断面、60…頭部、61…ねじ部、61b…破断面、62…円柱部、100…ステアリングロック機構、111…ボルト、131a…係合突起、131b…ねじ孔、140…ウォーム、151…ウォームホイール、152…シャフト、153…雄ねじ部、181…ボルト、300…カバー部材、301…貫通孔、410…ねじ部、411…第1の領域、412…第2の領域、C…中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有するケース部材と、
前記ケース部材の内部に収容され、車両のステアリングシャフトの回転を規制することが可能なステアリングロック機構と、
前記ケース部材の前記開口部の少なくとも一部を覆うカバー部材と、
前記カバー部材に螺合するねじ部を有する第1の領域、及び前記ケース部材に螺合又は係合する第2の領域を含むねじ部材と、
を備えたステアリングロック装置。
【請求項2】
前記カバー部材には、前記ケース部材側に突出するバーリング加工によって前記ねじ部材の前記第1の領域のねじ部が螺合する貫通孔が形成された、請求項1に記載のステアリングロック装置。
【請求項3】
前記ねじ部材は、前記ケース部材に形成された孔及び前記カバー部材に形成された孔に雌ねじを形成するタッピングねじである、請求項1又は2に記載のステアリングロック装置。
【請求項4】
前記ねじ部材は、前記第2領域が前記カバー部材に形成された穴に係合する柱状である、請求項1又は2に記載のステアリングロック装置。
【請求項5】
被遮蔽物に、前記被遮蔽物の開口部の少なくとも一部を覆うカバー部材をねじ部材によって固定するカバー部材の取付構造であって、
前記カバー部材は、前記ねじ部材のねじ部が螺合する貫通孔を有し、
前記ねじ部材は、前記カバー部材に螺合するねじ部を有する第1の領域、及び前記第1の領域よりも先端部に設けられ、前記被遮蔽物に係合する第2の領域を含むカバー部材の取付構造。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−226538(P2011−226538A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95857(P2010−95857)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】